説明

車載システム及び現在位置目印地点案内方法

【課題】通話相手に対する現在位置の通知を支援する「車載システム及び現在位置目印地点案内方法」を提供する。
【解決手段】表示装置112にビデオ/オーディオ装置104の操作受付用の画面aやナビゲーション装置105が出力するナビゲーション画像bが表示されているときに、ユーザがハンズフリー通話を開始したならば、表示装置112の表示を現在位置目印情報表示画面に切り替えc。「東京タワー」や「芝公園」といった現在位置近くの地点の地点名称411と、「桜田通り」といった走行中路線の路線名称412を表示する。また、併せて、目的地到着予想時刻や目的地到着までに要する時間などの目的地到着情報413なども表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの現在位置の通知を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザの現在位置の通知を支援する技術としては、自動車に搭載されたナビゲーション装置から移動電話機を用いて、現在位置を他のナビゲーション装置に通知し、当該他のナビゲーション装置において受信した現在位置を地図上で表した画面を表示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10-145510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1記載の技術によれば、現在位置の通知を受ける側に、受信した現在位置を地図上で表す機能を備えたナビゲーション装置が必要となるために、一般の電話機を用いる相手に対する現在位置の通知は、これを支援することができない。
そこで、本発明は、一般の電話機を用いる相手に対する現在位置の通知も支援することができる車載システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載システムに、スピーカと、マイクロフォンと、表示装置と、地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、移動電話機に接続し、接続した移動電話機が音声通信を行っている期間中、接続した電話機が前記音声通信の相手である通話相手から受信した音声を前記スピーカから出力し、前記マイクロフォンから入力する音声を、前記通話相手に送信する音声として接続した電話機に出力するハンズフリー装置と、現在位置を算定し、前記記憶された地図データが表す地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を出力するナビゲーション装置と、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示されていない場合に、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示される状態となるように、当該車載システムの状態を制御する制御部とを備えたものである。
【0005】
このような車載システムによれば、ユーザが通話を開始すると、地図上に現在位置を表したナビゲーション画像が自動的に表示される。したがって、ユーザは、このナビゲーション画像より、現在位置やその周辺にあるランドマークを即座に把握し、通話相手に通知することができるようになる。
【0006】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載システムに、スピーカと、マイクロフォンと、表示装置と、複数の地点の各々について当該地点の名称と位置とを登録した地点データと、地図を表す地図データとを記憶した記憶装置と、移動電話機に接続し、接続した移動電話機が音声通信を行っている期間中、接続した電話機が前記音声通信の相手である通話相手から受信した音声を前記スピーカから出力し、前記マイクロフォンから入力する音声を、前記通話相手に送信する音声として接続した電話機に出力するハンズフリー装置と、現在位置を算定し、前記記憶された地図データが表す地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を前記表示装置に表示するナビゲーション装置と、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置周辺に位置する地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示する制御部とを備えたものである。
【0007】
このような車載システムによれば、ユーザが通話を開始すると、表示装置に、現在位置周辺の地点の名称が表示される。したがって、ユーザは、現在位置の目安となる現在位置周辺の地点の名称を、即座に把握し通話相手に通知することができるようになる。
ここで、このような車載システムは、前記地点データに、前記複数の地点の各々の知名度のランクを登録し、前記制御部において、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、より知名度のランクが高い地点の名称がより優先して、前記表示装置に表示されるように、前記地点の名称の探索と表示を行うように構成してもよい。
【0008】
このようにすることにより、ユーザは、現在位置の目安としてより適切な地点の名称を通話相手に通知することができるようになる。
また、このような車載システムは、前記地点データに、前記複数の地点の各々の知名度のランクを登録し、前記ナビゲーション装置を、ユーザから設定された目的地に至る経路を前記地図データに基づいて設定し、前記ナビゲーション画像に、設定した経路と前記目的地との表示を含めるものとし、前記制御部において、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置が目的地に所定のレベル以上接近していない場合に、現在位置に第1の距離以内に位置し、第1のランク以上知名度のランクが高い地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示し、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置が目的地に所定のレベル以上接近している場合に、現在位置に第2の距離以内に位置し、第2の知名度のランク以上知名度のランクが高い地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示するようにしてもよい。ただし、前記第1のランクは前記第2のランクよりも高い知名度のランクとし、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい距離とする。
【0009】
このようにすることにより、通話相手と目的地近傍で待ち合わせている場合に、目的地に接近しているときに、より現在位置近傍にある地点を現在位置の目安として通話相手に通知することができ、これにより通話相手から通話相手の位置までの道案内を受けたりすることができるようになる。
【0010】
また、このような車載システムは、前記制御部において、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記探索した地点を前記現在位置と共に、前記地図データが表す地図上に表した画像を前記表示装置に表示するようにしてもよい。
このようにすることにより、ユーザは、通話相手に現在位置の目安として名称を通知した地点と現在位置との位置関係を容易に把握することができ、当該位置関係についても通話相手に通知できるようになる。
なお、このような車載システムにおける通話時のナビゲーション画像や現在位置周辺の地点の名称を表示する技術は、通話にハンズフリー装置を用いないシステムや、自動車以外の移動体に搭載されたり、ユーザによって携帯されるシステムに同様に適用することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、一般の電話機を用いる相手に対する現在位置の通知も支援することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
図示するように、車載システム100は、有線もしくは近距離無線インタフェース(PAN:Personal Area Networkを含む)を介して、携帯電話などと呼称される移動電話機2に接続する移動電話機インタフェース101、ハンズフリー装置102、マイクロフォン103、ビデオ/オーディオ装置104、ナビゲーション装置105、GPS受信機106、車両センサ107、制御部108、記憶装置109、出力制御部110、スピーカ111、表示装置112、入力装置113とを備えている。ここで、車両センサ107は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの各種車両状態を検出するセンサである。
【0013】
また、記憶装置109には、地図を表す地図データが記憶されている。
図2に、この地図データを示す。
図示するように、地図データは、地図データの製作日時などを記述した管理データ、地図を表す地図基本データ、路線名称や路線種別などの路線の情報を路線毎に表す路線データ、サービスデータとを含んで構成される。
そして、サービスデータは、地図データの制作者によって予め選定されて地図データに含められた複数の地点の各々に対応して設けられた地点レコードを有する。そして、各地点レコードには、地点の観光地、駅、公園、飲食店、マーケットなどの種別を表す種別と、地点の知名度を表す知名度と、地点の名称、地点の座標、地点の住所、地点の電話番号、地点のその他の情報を表す地点詳細情報が予め登録されている。ここで、知名度は、たとえば、A、B、Cの三段階で表し、たとえば、当該地点が属する都道府県内の住民であればおよそ知っている地点の知名度はAとし、当該地点が属する区市町村内の住民であればおよそ知っている地点の知名度はBとし、当該地点が属する町内の住民であればおよそ知っている地点の知名度はCとする。
【0014】
さて、図1に戻り、ナビゲーション装置105は、車両センサ107やGPS受信機106の出力から推定される現在位置に対して、記憶装置109から読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置や、現在走行中の路線や、現在の進行方向の算定などを行う。また、ナビゲーション装置105は、入力装置113を介してユーザによって設定された目的地までの経路を、記憶装置109から読み出した地図データに基づいて探索して誘導経路として設定する。そして、ナビゲーション装置105は、基本地図データが表す地図上に、地点レコードが示す各地点の位置や名称や、現在位置や、誘導経路や、目的地を表したナビゲーション画像を表す映像を出力制御部110に出力する。また、ナビゲーション装置105は、設定した誘導経路に沿った目的地までの道程距離の算出や、目的地到着予想時刻や目的地到着までに要する時間の算定なども行う。
【0015】
また、ビデオ/オーディオ装置104は、DVDビデオ再生装置やTVなどのビデオ機器や、ラジオやデジタルミュージックプレイヤやCDプレイヤなどのオーディオ機器であり、音声、もしくは、音声及び映像を出力制御部110に出力する。
そして、制御部108は、入力装置113を介したユーザ操作に応じて、車載システム100の表示モードを、ナビゲーションモードとAVモードとの間で切り替え、ナビゲーションモードが設定されているときには、出力制御部110にナビゲーション装置105の出力する映像を表示装置112に出力させると共に、ビデオ/オーディオ装置104が出力する音声をスピーカ111に出力させる。
【0016】
また、制御部108は、AVモードが設定されているときには、出力制御部110にビデオ/オーディオ装置104の出力する映像を表示装置112に出力させると共に、ビデオ/オーディオ装置104が出力する音声をスピーカ111に出力させる。ただし、ビデオ/オーディオ装置104がビデオ装置であって、自車が走行中である場合や、ビデオ/オーディオ装置104がオーディオ装置104である場合には、制御部108は、ビデオ/オーディオ装置104の各種操作受け付け用の画面を生成し、生成した各種操作受け付け用の画面を出力制御部110に表示装置112に表示させ、入力装置113を介した操作に従って各ビデオ/オーディオ装置104の動作を制御する。
【0017】
また、制御部108は、随時、ユーザからの要求等に応じて、ナビゲーション装置、ビデオ/オーディオ装置104の各種操作受け付け用の画面を出力制御部110を介して表示装置112に表示し、入力装置113を介した操作に従って各装置の動作を制御する。
さて、このような構成において、ユーザは、車載システム100を用いて、移動電話機2を手持ち操作することなく行う通話であるハンズフリー通話を行うことができる。
以下、このハンズフリー通話時の車載システム100の動作について説明する。
移動電話機2は待ち受け中に着呼が発生したならばハンズフリー装置102に着呼を通知し、通知を受け耐えハンズフリー装置102は制御部108に着呼を通知する。そして、通知を受けた制御部108は着呼をユーザに呼出音等により通知する。また、ユーザのオフフック操作が発生したならば、ハンズフリーモードを設定し、ハンズフリー装置102を介して移動電話機2を制御して通話相手との間の呼を確立させ、移動電話機2の音声通信を開始させる。
【0018】
また、制御部108は、移動電話機2の待ち受け中にユーザから発呼を要求されたならば、ユーザから入力装置113を介して通話相手の指定を受け付ける。そして、ハンズフリー装置102に、指定された通話相手への発呼を指示し、ハンズフリーモードを設定する。そして、発呼を指示されたハンズフリー装置102は移動電話機2に指定された通話相手に発呼させ、通話相手との間の呼が確立したならば、移動電話機2の音声通信を開始させる。
【0019】
そして、ハンズフリー装置102は、移動電話機2の音声通信中、マイクロフォン103から入力する音声を表す音声信号を送信音声信号として移動電話機インタフェース101を介して移動電話機2に出力し、移動電話機2から移動電話機インタフェース101を介して入力する受信音声信号の表す音声を出力制御部110に出力する。
【0020】
一方、移動電話機2の音声通信中、制御部108は、出力制御部110に、ハンズフリー装置102が出力する音声を、ビデオ/オーディオ装置104から出力される音声に代えてスピーカ111に出力させる。または、制御部108は、出力制御部110に、ハンズフリー装置102が出力する音声とビデオ/オーディオ装置104から出力される音声のミックスと、ミックスした音声のスピーカ111への出力を行わせる。
【0021】
そして、ハンズフリー装置102は、呼の確立中に通話相手からの呼切断要求に応えて音声通信が終了し呼を解放したならば、制御部108にその旨を通知し、制御部108は通知を受け取ったならば、ハンズフリーモードを解除する。また、制御部108は、呼の確立中にユーザのオンフック操作が発生したならば、ハンズフリー装置102に呼の切断を指示し、ハンズフリーモードを解除する。そして、呼の切断を指示された、ハンズフリー装置102は、移動電話機2に、音声通信の終了と、通話相手への呼切断要求を送信させ、呼を解放する。
なお、移動電話機2は、車載システム100に接続しているときには、車載システム100からの制御に従って、各呼制御を行う。また、移動電話機2は、音声通信で移動電話網を介して通話相手から受信した受信音声信号を車載システム100に出力し、車載システム100から入力する送信音声信号を移動電話網を介して通話相手に送信する。
【0022】
以上、ハンズフリー通話時の車載システム100の動作について説明した。
次に、このようなハンズフリー通話と関連して制御部108が行う現在位置目印情報表示処理について説明する。
図3に、この現在位置目印情報表示処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、ハンズフリーモードの設定を待ち(ステップ302)、ハンズフリーモードが設定されたならば、ナビゲーション装置105が起動中でなければ(ステップ304)、ナビゲーション装置105を起動した上で(ステップ306)、現在、ナビゲーション装置105の出力するナビゲーション画像が出力制御部110によって、表示装置112に表示されているかどうかを調べる(ステップ308)。ただし、車載システム100の稼働中、ナビゲーション装置105が常時稼働するように車載システム100が構成されている場合には、ステップ304、406の処理は不要である。
【0023】
そして、ナビゲーション画像が表示されていれば(ステップ308)、ハンズフリーモードの設定の解除を待って(ステップ316)、ステップ302に戻り、次回のハンズフリーモードの設定を待つ。
一方、ナビゲーション画像が表示されていない場合には(ステップ308)、出力制御部110を制御し、ナビゲーション装置105が出力する映像を表示装置112に表示させる(ステップ310)。なお、この際、ナビゲーション装置105がナビゲーション画像を出力する状態になければ、併せて、ナビゲーション装置105にナビゲーション画像を出力させる制御も行う。
【0024】
そして、ハンズフリーモードの設定の解除を待って(ステップ312)、出力制御部110を制御して、表示装置112の表示を元の表示に復帰した上で(ステップ314)、ステップ302に戻り、次回のハンズフリーモードの設定を待つ。
以上、現在位置目印情報表示処理について説明した。
このような、現在位置目印情報表示処理によれば、たとえば、表示モードとしてAVモードが設定され、表示装置112に図4aに示すFMラジオであるところのビデオ/オーディオ装置104の操作受付用の画面が表示されているときに、ユーザがハンズフリー通話を開始し、ハンズフリーモードが設定されると、図4bに示すように、表示装置112の表示は、ナビゲーション装置105が出力するナビゲーション画像の表示に切り替わる。
【0025】
ここで、ナビゲーション画像は、図示するように、現在位置周辺の地図上に、地点レコードが示す地点の位置を表す地点マーク401が、その地点の地点名称402と共に表されたものとなる。また、ナビゲーション画像において、現在位置を表す現在位置マーク403も地図画像上に表される。また、誘導経路が設定されている場合には、ナビゲーション画像において、地図表示範囲内の誘導経路を表すルート図形404も地図画像上に表され、さらに、表示範囲内に目的地が含まれる場合には、目的地を表す目的地マークも地図画像上に表されることになる。
【0026】
そして、ユーザがハンズフリー通話を完了したならば、表示装置112の表示は図4aに示す元の表示に復帰する。
以上のように、図3に示した現在位置目印情報表示処理によれば、ユーザが通話を開始すると、地図上に現在位置を表したナビゲーション画像が自動的に表示される。したがって、ユーザは、このナビゲーション画像より、現在位置やその周辺にある地点を即座に把握し、通話相手に通知することができるようになる。
【0027】
ところで、図3に示した現在位置目印情報表示処理は、図5に示すように行ってもよい。
図示するように、図5に示す現在位置目印情報表示処理では、ハンズフリーモードの設定を待ち(ステップ502)、ハンズフリーモードが設定されたならば、ナビゲーション装置105から、現在位置情報と目的地情報を取得する(ステップ504)。ただし、車載システム100の稼働中、ナビゲーション装置105は常時稼働するように車載システム100が構成されているものとする。
【0028】
また、ステップ504では、ナビゲーション装置105から現在位置情報として、ナビゲーション装置105が算定した現在位置と、現在の進行方向と、走行中路線の路線名称とを取得する。また、ステップ504では、ナビゲーション装置105から目的地情報として、ナビゲーション装置105における目的地の設定の有無と、ナビゲーション装置105が算定した誘導経路に沿った目的地までの道程距離と、目的地到着予想時刻と、目的地到着までに要する時間とを取得する。
【0029】
そして、取得した目的地到着情報から目的地の設定の有無を調べ(ステップ506)、設定されていなければ、基準知名度を予め定めた標準知名度に、基準距離を予め定めた標準距離(たとえば、3Km)に設定し(ステップ520)、ステップ512に進む。ここで、標準知名度は、たとえば、前述した地点レコードの知名度の区分けに従ってBとする。
【0030】
一方、目的地が設定されている場合には(ステップ506)、目的地情報が示す的地までの道程距離が至近(たとえば、1Km以内)であるかどうかを調べ(ステップ508)、至近でなければ、基準知名度を予め定めた標準知名度に、基準距離を予め定めた標準距離(たとえば、3Km)に設定し(ステップ520)、ステップ512に進む。
【0031】
一方、目的地情報が示す的地までの道程距離が至近(たとえば、1Km以内)であれば(ステップ508)、基準知名度を予め定めた低知名度に、基準距離を予め定めた小距離(たとえば、200m)に設定し(ステップ520)、ステップ512に進む。ここで、低知名度は、たとえば、前述した地点レコードの知名度の区分けに従ってCとする。
【0032】
そして、ステップ512に進んだならば、記憶装置109の地図データのサービスデータから、現在位置から基準距離内の座標を有する地点であって、知名度として基準知名度以上の知名度を表す値が登録されている地点レコードを、知名度としてより高い値が登録されているものがより優先して選択され、同じ知名度が登録されているもの同士の間ではより現在位置に近い座標が登録されているものが優先して選択されるように、所定数抽出する(ステップ512)。
【0033】
そして、抽出した地点レコードの地点の地点名称402や走行中路線の路線名称などを表した現在位置目印情報表示画面を生成し、出力制御部110を介して、表示装置112に表示する(ステップ514)。
そして、ハンズフリーモードの設定の解除を待って(ステップ516)、出力制御部110を制御して、表示装置112の表示を元の表示に復帰した上で(ステップ518)、ステップ502に戻り、次回のハンズフリーモードの設定を待つ。
このような、現在位置目印情報表示処理によれば、たとえば、表示装置112に図4aに示すビデオ/オーディオ装置104の操作受付用の画面や、図4bに示すナビゲーション装置105が出力するナビゲーション画像が表示されているときに、ユーザがハンズフリー通話を開始し、ハンズフリーモードが設定されると、表示装置112の表示は、現在位置目印情報表示画面に切り替わる。
【0034】
ここで、図4cに、図4bのナビゲーション画像によって示されるように、現在位置が東京タワー近くの桜田通り上にあり、目的地が現在位置の至近にないときに表示される現在位置目印情報表示画面の例を示す。
図示するように、この現在位置目印情報表示画面には、「東京タワー」や「芝公園」といった現在位置近くの知名度の高い地点の地点名称411と、「桜田通り」といった走行中路線の路線名称412が表示される。また、この例では、併せて、目的地到着予想時刻や目的地到着までに要する時間などの目的地到着情報413を表示している。また、現在行われているハンズフリー通話の通話相手の電話番号や通話時間も通話情報414として表示するようにしている。
【0035】
このように図5に示した現在位置目印情報表示処理によれば、ユーザが通話を開始すると、表示装置112に、現在位置周辺の知名度の高い地点の名称が表示される。したがって、ユーザは、現在位置の目安となる現在位置周辺の地点の名称を、即座に把握し通話相手に通知することができるようになる。
【0036】
また、現在位置が目的地に近づいたときには、より現在位置近傍にある地点の地点名称402が表示されることになるので、通話相手と目的地近傍で待ち合わせている場合に、目的地に接近しているときに、より現在位置近傍にある地点を、現在位置の目安として通話相手に通知することができるようになる。そして、これにより通話相手から通話相手の位置までの道案内を受けたりすることができるようになる。
【0037】
なお、このような現在位置目印情報表示画面には、図4dに示すように、「40m先左側」といったようなステップ512で抽出した地点のうちの最も現在位置に近いもしくは知名度が最も高い地点と現在位置との位置関係を示す情報420や、ステップ512で抽出した地点のうちの最も現在位置に近いもしくは知名度が最も高い地点と現在位置とを地図上で表した案内地図421を、記憶装置109の地図データに基づいて生成し、表示するようにしてもよい。
【0038】
このようにすることにより、ユーザは、現在位置周辺の地点の名称と共に、当該地点と現在位置との位置関係についても容易に把握することができ、これにより当該位置関係についても通話相手に通知できるようになる。
なお、この案内地図420は、ステップ508で、目的地が至近であると判定された場合にのみ、または、当該場合とステップ50で目的地が設定されていないと判定された場合にのみ表示するようにしてもよい。
さて、このような現在位置目印情報表示画面が表示された後、ユーザがハンズフリー通話を完了したならば、表示装置112の表示は図4aや図4bに示す元の表示に復帰する。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上の実施形態で示した車載システム100における通話時のナビゲーション画像や現在位置周辺の地点の名称や位置を表示する技術は、通話にハンズフリー装置102を用いないシステムや、自動車以外の移動体に搭載されたり、ユーザによって携帯されるシステムに同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載システムが保持する地図データを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車載システムの現在位置目印情報表示処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る車載システムの表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車載システムの現在位置目印情報表示処理の他の構成例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
2…移動電話機、100…車載システム、101…移動電話機インタフェース、102…ハンズフリー装置、103…マイクロフォン、104…オーディオ装置、105…ナビゲーション装置、106…GPS受信機、107…車両センサ、108…制御部、109…記憶装置、110…出力制御部、111…スピーカ、112…表示装置、113…入力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される車載システムであって、
スピーカと、
マイクロフォンと、
表示装置と、
地図を表す地図データを記憶した記憶装置と、
移動電話機に接続し、接続した移動電話機が音声通信を行っている期間中、接続した電話機が前記音声通信の相手である通話相手から受信した音声を前記スピーカから出力し、前記マイクロフォンから入力する音声を、前記通話相手に送信する音声として接続した電話機に出力するハンズフリー装置と、
現在位置を算定し、前記記憶された地図データが表す地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を出力するナビゲーション装置と、
前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示されていない場合に、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示される状態となるように、当該車載システムの状態を制御する制御部とを有することを特徴とする車載システム。
【請求項2】
自動車に搭載される車載システムであって、
スピーカと、
マイクロフォンと、
表示装置と、
複数の地点の各々について当該地点の名称と位置とを登録した地点データと、地図を表す地図データとを記憶した記憶装置と、
移動電話機に接続し、接続した移動電話機が音声通信を行っている期間中、接続した電話機が前記音声通信の相手である通話相手から受信した音声を前記スピーカから出力し、前記マイクロフォンから入力する音声を、前記通話相手に送信する音声として接続した電話機に出力するハンズフリー装置と、
現在位置を算定し、前記記憶された地図データが表す地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を前記表示装置に表示するナビゲーション装置と、
前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置周辺に位置する地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示する制御部とを有することを特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項2記載の車載システムであって、
前記地点データには、前記複数の地点の各々の知名度のランクが登録されており、
前記制御部は、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、より知名度のランクが高い地点の名称がより優先して、前記表示装置に表示されるように、前記地点の名称の探索と表示を行うことを特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項2記載の車載システムであって、
前記地点データには、前記複数の地点の各々の知名度のランクが登録されており、
前記ナビゲーション装置は、ユーザから設定された目的地に至る経路を前記地図データに基づいて設定し、前記ナビゲーション画像に、設定した経路と前記目的地との表示を含め、
前記制御部は、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置が目的地に所定のレベル以上接近していない場合に、現在位置に第1の距離以内に位置し、第1のランク以上知名度のランクが高い地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示し、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置が目的地に所定のレベル以上接近している場合に、現在位置に第2の距離以内に位置し、第2の知名度のランク以上知名度のランクが高い地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示し、
前記第1のランクは前記第2のランクよりも高い知名度のランクであり、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい距離であることを特徴とする車載システム。
【請求項5】
請求項2記載の車載システムであって、
前記制御部は、前記移動電話機が音声通信を開始する際に、前記探索した地点を前記現在位置と共に、前記地図データが表す地図上に表した画像を前記表示装置に表示することを特徴とする車載システム。
【請求項6】
移動電話機と、現在位置を算定し、地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を出力するナビゲーション装置とを備えたシステムにおいて、現在位置の目印となる地点を案内する現在位置目印地点案内方法であって、
前記移動電話機の音声通信の開始を検出するステップと、
前記移動電話機の音声通信の開始を検出したときに、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示されていない場合に、前記ナビゲーション装置が出力する前記ナビゲーション画像が前記表示装置に表示される状態となるように、当該車載システムの状態を制御するステップとを有することを特徴とする現在位置目印地点案内方法。
【請求項7】
移動電話機と、複数の地点の各々について当該地点の名称と位置とを登録した地点データと、地図を表す地図データとを記憶した記憶装置と、現在位置を算定し、前記記憶された地図データが表す地図上に算定した現在位置を表したナビゲーション画像を出力するナビゲーション装置とを備えたシステムにおいて、現在位置の目印となる地点を案内する現在位置目印地点案内方法であって、
前記移動電話機が音声通信の開始を検出するステップと、
前記移動電話機の音声通信の開始を検出したときに、前記ナビゲーション装置が算定した現在位置周辺に位置する地点の名称を前記地点データに基づいて探索し、探索した地点の名称を前記表示装置に表示するステップとを有することを特徴とする現在位置目印地点案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−2850(P2009−2850A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165219(P2007−165219)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】