説明

車載用ナビゲーション装置および画像データ管理方法

【課題】撮影した画像データのファイル名を撮影した時の撮影場所を示す文字列と車両の状態とに応じて付与し、後日に容易にアクセスできるようにする。
【解決手段】車両状態検出手段19は、車両が走行中か停車中かを検出する。文字列抽出手段15は地図情報から撮影地点に関する地名または施設名または道路名の文字列を抽出する。ファイル名決定手段20は車両の状態と文字列抽出手段が抽出した文字列に応じて予め設定した定型文字列を有し、撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定する。ファイル名を決定するにあたり撮影手段14により画像が撮影された際、車両状態検出手段19は車両が走行中か停車中かを検出し、文字列抽出手段15は、地名または施設名または道路名の文字列を抽出し、該抽出した文字列と、車両の状態と文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた定型文字列と、を組み合わせてファイル名を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラなどの撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置およびカメラによって撮影した画像データの管理方法に関するものであり、特に車両での旅行中にカメラによって撮影した画像データのファイル名を撮影した時の車両の状態、例えば、走行中や休憩停車中などの状態に応じて、後日当該画像データにアクセスする際に旅行の記憶から容易にアクセスできるように付与して管理するようにした車載用ナビゲーション装置および画像データ管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等で道路を走行する場合に、目的地に至るまで現在位置を求め、表示画面上に道路地図とともに現在位置を表示し、ユーザが道に迷うことなく目的地に到達できるように誘導する車載用のナビゲーション装置が知られている。
【0003】
現在位置を測定するために、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning System)ナビゲーションシステムが知られている。これは、地球上空を周回している複数の人工衛星からの電波を受信し、受信データを演算処理することによって現在位置を特定するものである。
【0004】
GPSによって特定された現在位置は、ナビゲーション装置の地図記憶手段等に記憶されている地図データと比較され、例えば現在位置から最も近い道路にマッチング処理を行い、この位置がマッチング処理された現在位置として表示画面に表示される。これにより、GPS測位に僅かな誤差があるような場合でも現在位置を道路上に修正し違和感のない表示を行うことが可能となる。
【0005】
また、ナビゲーション装置として、ユーザによって指定された出発地から目的地までの経路探索を行って案内経路を表示画面に表示し、測位された現在位置をこの案内経路と比較してマッチング処理を行うものもある。
【0006】
最近ではナビゲーション装置も多機能化し、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機などの各種の機能を複合して有するナビゲーション装置も提供されている。このようなナビゲーション装置として例えばカメラを備え、車両の前方や後方の画像を撮影できるようにした車載用ナビゲーション装置も考案されている。このようなナビゲーション装置によれば、車間距離の測定などが可能であり、交通安全に資することができる。
【0007】
カメラを備えた車載用ナビゲーション装置を用いれば、車両による旅行中に記念になる写真を撮影することもできる。この時、ナビゲーション装置が備えている地図データベースやPOI(興味対象場所:Point of Interest)のデータベースから撮影地点を特定することができ、これを用いて撮影した画像ファイルを管理できると、後日のファイル整理が容易になる。
【0008】
このようなナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献1(特開平11−183996号公報)には、映像の撮影時にその地点の位置情報を主観的に把握することができるよう、位置情報を地図情報に置き換えて表示することができるようにした位置情報記録カメラ装置が開示されている。
【0009】
この特許文献1に開示された位置情報記録カメラ装置は、ナビゲーションカメラ装置を、ナビゲーション機能とカメラ機能との両方を有するように構成したものである。ナビゲーション機能時には、位置情報検出部が受信したGPS信号から制御部4が現在地の緯度・経度を算出し、これらを位置情報として記憶部に記憶する。また、制御部は上記位置情報に基づき、上記位置情報に対応する地図情報ファイル名を記録・再生部から捜し出して記憶部に読み出す。次いで、読み出した地図情報ファイルの地図情報を表示部に表示する。カメラ機能時には、撮影した映像情報を位置情報と対応させて記録・再生部に記録し、その映像情報の再生時に、位置情報を地図情報に置き換えて映像情報を表示部に表示する。
【0010】
この位置情報記録カメラ装置は、位置情報と撮影した映像ファイル名とを対応させる情報を記録する領域である位置情報管理領域を有する。位置情報管理領域を設けることで、地図情報ファイルと、映像情報ファイルとを対応させ、一方から他方を読み出すことが容易になる。これにより、例えば、地図情報の表示からそれに対応する映像情報の表示への切換えを迅速に行うことができる。このような構成によれば、カメラで撮影した映像を撮影場所の位置情報とともに表示することができるようになる。
【特許文献1】特開平11−183996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に開示された位置情報記録カメラ装置よれば、カメラによって撮影した映像情報を撮影場所の位置情報と対応させて記録・再生部に記録するものであるから、映像情報の再生時に、映像とともに位置情報を表示することができるようになる。しかしながら、特許文献1の位置情報記録カメラ装置は、カメラにより撮影した映像情報を位置情報と対応付けて記憶するだけであるから、画像ファイルが大量になると、個々の画像ファイルをファイル名から参照するのに困難を伴うという問題点があった。
【0012】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、カメラなどの撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置において、車両での旅行中にカメラによって撮影した画像データのファイル名を、撮影した時の撮影場所を示す文字列と、車両の状態、例えば、走行中や休憩停車中などの状態とに応じて付与すれば、後日、当該画像データにアクセスする際に旅行の記憶から容易にアクセスできるようになることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本発明は上記の問題件を解消することを課題とし、カメラなどの撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置において、車両での旅行中に撮影手段によって撮影した画像データのファイル名を、撮影した時の撮影場所を示す文字列と、車両の状態とに応じて付与し、後日、旅行の記憶から容易にアクセスできるようにした車載用ナビゲーション装置および画像データ管理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、該撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、車両が走行中か停車中かを検出する車両状態検出手段と、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するファイル名決定手段と、を備え、
前記撮影手段により画像が撮影された際、前記車両状態検出手段は車両が走行中か停車中かを検出し、前記文字列抽出手段は、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出し、
前記ファイル名決定手段は、車両状態と文字列抽出手段が抽出した文字列に対応した定型文字列を予め有し、前記文字列抽出手段が抽出した文字列と前記車両状態検出手段により検出された車両状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた前記定型文字列を組み合わせて前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記定型文字列は、車両が停車中を表す文字列と車両が走行中を表す文字列とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記定型文字列は、前記文字列抽出手段が抽出した文字列が現在位置の周辺の所定のエリアから抽出した文字列であることを示す定型文字列を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項4にかかる発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、該撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置における画像管理方法において、
前記ナビゲーション装置は、車両が走行中か停車中かを検出する車両状態検出手段と、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するファイル名決定手段と、を備え、
前記ファイル名決定手段は、車両の状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に対応した定型文字列を有し、
前記撮影手段により画像が撮影された際、前記車両状態検出手段が、車両が走行中か停車中かを検出するステップと、前記文字列抽出手段が前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出するステップと、
前記ファイル名決定手段が、前記文字列抽出手段が抽出した文字列と前記車両状態検出手段により検出された車両の状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた前記定型文字列を組み合わせて前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、車両が走行中か停車中かを検出する車両状態検出手段と、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するファイル名決定手段と、を備え、前記撮影手段により画像が撮影された際、前記車両状態検出手段は車両が走行中か停車中かを検出し、前記文字列抽出手段は、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出し、前記ファイル名決定手段は、車両状態と文字列抽出手段が抽出した文字列に対応した定型文字列を予め有し、前記文字列抽出手段が抽出した文字列と前記車両状態検出手段により検出された車両状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた前記定型文字列を組み合わせて前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定する。
【0019】
このような構成によれば、撮影した画像データのファイル名が撮影地点の地点名や道路名、あるいは撮影地点周辺の地名や施設名などの文字列と定型文字列を組み合わせて決定され、定型文字列は車両が停止中か走行中か、また、地点名や道路名、あるいは撮影地点周辺の地名や施設名などの文字列に応じて予め設定したものであるから、ファイル名を撮影地点の地名や名称を示す文字列と車両の状態により選択した定型の文字列を組み合わせて決定することにより、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。
【0020】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、定型文字列は、車両が停車中を表す文字列と車両が走行中を表す文字列とを含み、請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるナビゲーション装置において、定型文字列は、前記文字列抽出手段が抽出した文字列が現在位置の周辺の所定のエリアから抽出した文字列であることを示す定型文字列を含む。
【0021】
このような構成によれば、ファイル名から、撮影場所と車両の状態が推測でき、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に容易に作業することができるようになる。
【0022】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置における画像データ管理方法を提供することができ、ファイル名を撮影地点の地名や名称を示す文字列と車両の状態により選択した定型の文字列を組み合わせて決定することにより、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための車載用ナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこの車載用ナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載用にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0024】
図1は、本発明の実施例にかかる撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。車載用ナビゲーション装置1は、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるだけでなく、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。以下の説明においては、車載用ナビゲーション装置1を単にナビゲーション装置1という。
【0025】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、地図記憶手段12、経路探索手段13、CCDカメラなどからなる撮影手段14、文字列抽出手段15、入力手段16、表示手段17、画像ファイル記憶手段18、車両状態検出手段19、ファイル名決定手段20を備える。
【0026】
制御手段10は、CPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。
【0027】
さらに、現在位置検出手段11は距離センサや方位センサを使用するようにしてもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求める。この現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0028】
地図記憶手段12は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0029】
地図記憶手段12は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0030】
また、地図記憶手段12には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0031】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置1を使用する際に、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示手段17に表示される。
【0032】
経路探索手段13は、ユーザによって出発地や目的地が指定されると、地図記憶手段12に記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索するものである。この最適経路の探索は、現在位置またはユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0033】
撮影手段14は、CCDカメラなどから構成され、入力手段16に含まれる撮影ボタンを操作することによって周辺の画像など所望の画像を撮影する。撮影された画像データはファイル名決定手段20によりファイル名が決定され、画像ファイル記憶手段18に記憶され、ユーザは画像ファイル記憶手段18から所望の画像ファイルを取り出して、可搬型記憶媒体に転送し、その後可搬型記憶媒体をPCや印刷装置に接続して加工したり出力したりすることができる。
【0034】
ファイル名決定手段20は撮影手段14により撮影された画像データに付すファイル名を決定し、ファイル名を付された画像データは、画像ファイル記憶手段18に記憶される。ファイル名決定手段20はデフォルトでは撮影手段14により撮影した撮影日時を画像データのファイル名として決定する。撮影日時の他に撮影順を示すシリアル番号を付すようにしてもよい。シリアル番号は撮影日ごとにリセットして順次カウントして決定する。
【0035】
車両状態検出手段19は、車両に設けられた加速度センサや舵角センサあるいはイグニッションセンサなどの出力から、車両状態、すなわち、車両が走行している状態か、停車している状態かを検出する。
【0036】
文字列抽出手段15は現在位置検出手段11が検出した現在位置と、地図データに基づいて、車両の現在位置周辺の地名や道路名、施設名称など、車両の位置する地点あるいはその周辺、例えば、半径100mのエリアを特定する文字列を地図データから抽出する。
【0037】
本発明のナビゲーション装置1において、撮影手段14により撮影した画像データには、車両状態検出手段19が検出した車両の状態と、文字列抽出手段15が抽出する地名や道路名などの文字列を用いて、撮影場所と車両状態に応じたファイル名を付すことができる。このため撮影手段14により画像の撮影が行われると、ファイル名決定手段20には車両状態検出手段19が検出した車両の状態と、文字列抽出手段15が抽出した地名や道路名などの文字列のデータが送られる。
【0038】
ファイル名決定手段20は、車両状態検出手段19が検出した車両の状態と、文字列抽出手段15が抽出した地名や道路名などの文字列のデータに基づいて、以下のように画像データのファイル名を決定し、画像ファイル記憶手段18に画像データを記憶する。
【0039】
ファイル名の決定にあたり、ファイル名決定手段20は車両が走行中か停車中かによってファイル名称の末尾の文字列を予め定めた定型の文字列とする。例えば、車両が停車中の場合は「・・・にて」あるいは「・・・付近にて」などの文字列とし、「・・・にて」の文字列は、文字列抽出手段15により車両が停車中の地点を特定する施設名が抽出された場合に用いられ、「・・・付近にて」の文字列は、文字列抽出手段15により車両が停車中の地点の周辺の地名や施設名が抽出された場合に用いられる。
【0040】
また、車両が走行中の場合は「・・・を走行中」あるいは「・・・付近を移動中」などの文字列とする。「・・・を走行中」の文字列は、文字列抽出手段15により車両が走行中の道路名が抽出された場合に用いられ、「・・・付近を移動中」の文字列は、文字列抽出手段15により車両が走行中の周辺の地名や施設名が抽出された場合に用いられる。
【0041】
このように撮影手段14により撮影された画像データのファイル名を撮影地点の地名や名称を示す文字列と車両の状態により選択した定型の文字列を組み合わせて決定することにより、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。
【0042】
図2は、車両の状態と文字列抽出結果とに基づくファイル名の決定において付加される定型文字列の関係を示す図である。先に述べたように定型文字列は、車両の状態(停車中、走行中)と文字列抽出手段15が抽出した撮影地点を特定する地名、施設名、道路名あるいは、撮影地点の周辺の地名、施設名などにより、図2に示すように組み合わされる。ファイル名決定手段20は、図2に示す文字列と定型文字列との組み合わせを決定し、撮影した画像データのファイル名称とする。
【0043】
文字列抽出手段15が地図データから地名、施設名、道路名などの文字列を抽出できなかった場合、ファイル名決定手段20はデフォルトである撮影日時に現在位置の情報(緯度、経度)を加え、ファイル名称として決定する。なお、文字列が抽出できた場合のファイル名称にも上記の文字列と定型文字列に加え、デフォルトの撮影日時やシリアル番号を付加することもできる。
【0044】
図3は、以上説明した本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1における画像データの管理手順を示すフローチャートである。制御手段10は、撮影手段14であるカメラの起動を検出し(ステップS101)、ステップS102でシャッターやフラッシュあるいは撮影ボタン(入力手段16)の作動を検出して撮影が行われたか否かを監視する。撮影が行われた(ステップS102のYES)場合、撮影された画像データはRAMなどの一時記憶手段(図示せず)に一時記憶される(ステップS103)。
【0045】
そして、ステップS104の処理で車両状態検出手段19により車両の状態が走行中か停車中かを判定する。車両の状態が停車中である場合、ステップS105の処理に進み現在位置検出手段11が検出した現在位置の情報を取得し、車両の状態が停車中でない場合、すなわち、走行中である場合、ステップS109の処理に進み現在位置検出手段11が検出した現在位置の情報を取得する。
【0046】
ステップS105の処理で現在位置を取得すると、文字列抽出手段15は現在位置を含む地図データを参照して車両の現在位置、すなわち、撮影手段14により画像が撮影された位置における地名、施設名、道路名などの文字列を抽出し、ファイル名決定手段20に送る。また、文字列抽出手段15は、現在位置における地名、施設名、道路名などの文字列が抽出できない場合、現在位置を中心に所定の距離範囲のエリアにおける地名、施設名、道路名などの文字列を抽出し、ファイル名決定手段20に送る。
【0047】
そして、ステップS106の処理では、前述の文字列抽出手段15による文字列の抽出の有無を判別する。文字列が抽出できなかった場合は抽出できなかった旨をファイル名決定手段20に送り、ファイル名決定手段20は、ステップS103で一時記憶した画像データのファイル名として、デフォルトに従って、撮影日時(シリアル番号を付加してもよい)と現在位置の情報を用いてファイル名を決定し、その画像データを画像ファイル記憶手段18に保存する(ステップS107)。
【0048】
ステップS106の判定において文字列が抽出されたと判定された場合、ファイル名決定手段20は、ステップS103で一時記憶した画像データのファイル名として、文字列抽出手段15が抽出した文字列に応じて、図2に示す定型文字列の「にて」または「付近にて」を付加した文字列の組み合わせでファイル名を決定し、その画像データを画像ファイル記憶手段18に保存する(ステップS108)。
【0049】
車両の状態が走行中で現在位置を取得すると(ステップS109)、文字列抽出手段15は現在位置を含む地図データを参照して車両の現在位置、すなわち、撮影手段14により画像が撮影された位置(現在位置)を特定する道路名などの文字列を抽出し、ファイル名決定手段20に送る。また、文字列抽出手段15は、道路名、現在位置における地名、施設名、道路名などの文字列が抽出できない場合、現在位置を中心に所定の距離範囲のエリア(周辺)における周辺の地名、施設名、道路名などの文字列を抽出し、ファイル名決定手段20に送る。
【0050】
そして、ステップS110の処理では、前述の文字列抽出手段15により文字列抽出手段15が抽出した文字列が周辺の地名、施設名などの文字列であるかを判別する。周辺の文字列が抽出された場合、ステップS111の処理に進み、ファイル名決定手段20は、文字列抽出手段15が抽出した地名などの文字列に、図2に示す定型文字列の「付近を移動中」を付加して画像データのファイル名として決定し、画像ファイル記憶手段18に記憶(保存)する。
【0051】
ステップS110の判定処理において、周辺の文字列が抽出されなかった場合、ステップS112の判定処理に進む。ステップS112の判定処理では道路名が抽出されたか否かを判定する。道路名が抽出されていた場合、ステップS113の処理に進み、ファイル名決定手段20は、文字列抽出手段15が抽出した道路名の文字列に、図2に示す定型文字列の「を走行中」を付加して画像データのファイル名として決定し、画像ファイル記憶手段18に記憶(保存)する。
【0052】
ステップS112の判定処理において、道路名の文字列が抽出されなかった場合、ステップS107の処理に進み、ファイル名決定手段20は、ステップS103で一時記憶した画像データのファイル名として、デフォルトに従って、撮影日時(シリアル番号を付加してもよい)と現在位置の情報を用いてファイル名を決定し、その画像データを画像ファイル記憶手段18に保存する。
【0053】
以上、詳細に説明したように本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1によれば、撮影手段14で撮影した画像データに車両の状態と文字列抽出手段15が現在位置に基づいて地図データから抽出した文字列に応じて定型の文字列を組み合わせたファイル名を付けて記憶するため、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例にかかる撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車両の状態に応じて撮影地点に関連して抽出した文字列と定型文字列の組み合わせの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例にかかる撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置における画像データの管理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1: 車載用ナビゲーション装置
10: 制御手段
11: 現在位置検出手段
12: 地図記憶手段
13: 経路探索手段
14: 撮影手段
15: 文字列抽出手段
16: 入力手段
17: 表示手段
18: 画像ファイル記憶手段
19: 車両状態検出手段
20: ファイル名決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、該撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、車両が走行中か停車中かを検出する車両状態検出手段と、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するファイル名決定手段と、を備え、
前記撮影手段により画像が撮影された際、前記車両状態検出手段は車両が走行中か停車中かを検出し、前記文字列抽出手段は、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出し、
前記ファイル名決定手段は、車両状態と文字列抽出手段が抽出した文字列に対応した定型文字列を予め有し、前記文字列抽出手段が抽出した文字列と前記車両状態検出手段により検出された車両状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた前記定型文字列を組み合わせて前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記定型文字列は、車両が停車中を表す文字列と車両が走行中を表す文字列とを含むことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記定型文字列は、前記文字列抽出手段が抽出した文字列が現在位置の周辺の所定のエリアから抽出した文字列であることを示す定型文字列を含むことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、該撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置における画像管理方法において、
前記ナビゲーション装置は、車両が走行中か停車中かを検出する車両状態検出手段と、前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するファイル名決定手段と、を備え、
前記ファイル名決定手段は、車両の状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に対応した定型文字列を有し、
前記撮影手段により画像が撮影された際、前記車両状態検出手段が、車両が走行中か停車中かを検出するステップと、前記文字列抽出手段が前記地図情報から現在位置または現在位置周辺の地名または施設名または道路名の文字列を抽出するステップと、
前記ファイル名決定手段が、前記文字列抽出手段が抽出した文字列と前記車両状態検出手段により検出された車両の状態と前記文字列抽出手段が抽出した文字列に応じた前記定型文字列を組み合わせて前記撮影手段が撮影した画像データのファイル名を決定するステップと、を有することを特徴とする画像データ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−79964(P2009−79964A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248510(P2007−248510)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】