説明

車載用電子システム及び車載用電子装置

【課題】 着脱可能な携帯電子装置によって表示されている映像を、車両の走行中は表示しないようにすることができる車載用電子システムを提供する。
【解決手段】 車両に搭載される車載機器100と、表示部11を有し車載機器100に着脱可能なポータブル機器10とを有する車載用電子システムであって、車載機器100は、車両が走行状態にあることを検出した場合、ポータブル機器10に動画像の表示を禁止させる禁止信号を出力する制御部140を備え、ポータブル機器10は、禁止信号を車載機器100から入力すると、表示部11への動画像の表示を禁止させる制御部20を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載用電子装置と、この車載用電子装置に着脱可能なナビゲーション装置等の表示部を有する携帯電子装置とを有する車載用電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、パーソナルナビゲーションデバイスと呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開放)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、車載機器からCDユニットを着脱可能とする構成が開示されている。特許文献3及び特許文献4には、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表示部を有する携帯電子装置(例えば、ポータブルナビ)を車載用電子装置に装着して、携帯電子装置に外部接続した外部機器からの映像を携帯電子装置の表示部や車両に設けられた後部座席用のモニタに表示したとする。この場合、携帯電子装置には車両からの信号が入力されないので、走行中でも携帯電子装置の表示部には映像が表示されるため、ドライバが運転に集中できず危険である。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、着脱可能な携帯電子装置によって表示されている映像を、車両の走行中は表示しないようにすることができる車載用電子システム及び車載用電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために本発明の車載用電子システムは、車両に搭載される車載用電子装置と、表示部を有し該車載用電子装置に着脱可能な携帯電子装置とを有する車載用電子システムであって、前記車載用電子装置は、前記車両が走行状態にあることを検出した場合、前記携帯電子装置に動画像の表示を禁止させる禁止信号を出力する第1制御手段を備え、前記携帯電子装置は、前記禁止信号を前記車載用電子装置から入力すると、前記表示部への動画像の表示を禁止させる第2制御手段を備えることを特徴としている。
このように本発明によれば、着脱可能な携帯電子装置によって表示されている映像を、車両の走行中は表示しないようにすることができる。
【0009】
上記車載用電子システムにおいて、前記第2制御手段は、前記禁止信号が入力されると、記憶手段に記憶した静止画像を表示させるとよい。
従って、禁止信号が入力されると静止画像を表示するので、ドライバを運転に集中させることができる。
【0010】
上記車載用電子システムにおいて、前記携帯電子装置は、外部機器と接続して、該外部機器から動画像を入力する外部機器接続端子を有し、前記第2制御手段は、前記禁止信号が入力されると、前記表示部への前記外部機器からの動画像の表示を停止させることを特徴としている。
【0011】
本発明の車載用電子装置は、車両に搭載され、表示部を有する携帯電子装置を着脱可能な車載用電子装置であって、前記車両が走行状態にあることを検出した場合に、前記携帯電子装置に動画像の表示を禁止させる禁止信号を出力する第1制御手段を有することを特徴としている。
本発明によれば、着脱可能な携帯電子装置によって表示されている映像を、車両の走行中は表示しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着脱可能な携帯電子装置によって表示されている映像を、車両の走行中は表示しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
図1(A)、(B)に車載用電子システム1の外観を示す。図1(A)、(B)に示す車載用電子システム1は、車両に搭載される車載機器(車載用電子装置)100と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器(携帯電子装置)10とから構成される。ポータブル機器10は、図1(A)に示すように車載機器100の前面部120に取り付けて使用したり、図1(B)に示すように車載機器100から取り外して使用することができる。このように、ポータブル機器10は車載機器100への取付けと、車載機器100からの取り外しを自在に行うことができる。
【0015】
車載機器100は、ラジオ放送やTV放送の再生機能や、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の記録媒体に書き込まれた音楽データを再生可能な機器であり、CD/DVD再生部やCD/DVD挿排口を有する車載機器本体部110と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0016】
図2は、ポータブル機器10を車載機器100から取り外した状態を示す。車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。着脱部170の上面は開放されている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック機構(不図示)が設けられている。前面部120に設けた取り外しボタン160を操作すると、不図示のロック機構が解除され、車載機器100からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0017】
図3には、前面部120を車載機器本体部110に対して傾斜させ、CD/DVD挿排口180を露出させた状態を示す。不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を車載機器本体部110に対してチルト(変位)させることができる。チルト動作によって、車載機器本体部110に設けられたCD/DVD挿排口180を露出させ、DVDまたはCDの挿排を行うことができる。車載機器100の前面部120には、操作ボタン(図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0018】
図4は、車載用電子システム1の車両への搭載例を示す。車載用電子システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置、またはフロントガラスの車室内側に貼り付けられている。また、図示していないが、後述する後席表示部204は、車室内の天井や前席のヘッドレスト等に配置される。
【0019】
図5は、車載用電子システム1の概略構成を示すブロック図である。車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信されて車載用電子システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリからの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0020】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、ラジオ/TV受信部134、CD/DVD再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、コネクタ150を備えている。車載機器100は、エンジンキーがAcc又はONの位置にあるときに、車両側のバッテリから電力を供給されて動作する。
【0021】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、13セグメント表示によって受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示する。操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替えるための操作や、切り替えた各種モードでの操作を行うためのものである。操作部132には、図6に示すようにチルト/イジェクトボタン132a、ファンクション(以下、FUNCと表記する)/AFボタン132b、TEXTボタン132c、SCREENボタン132d、SOURCE/PWRボタン132e、MODEボタン132f、MUTEボタン132g、BAND切換ボタン132h、ロータリーボタン132i、十字キー/エンターキーボタン132jとからなるボタン群を備える。
【0022】
ここで、ボタン群の操作による制御について説明する。まず、SOURCE/PWRボタン132eの操作によるポータブル機器10と車載機器100の表示の切り替えについて説明する。車載機器100のSOURCE/PWRボタン132eを押下することで、車載機器100がオンされる。また車載機器100がオンしているときに、SOURCE/PWRボタン132eを短押しすることでCD再生、DVD再生やラジオ、TV等のソースの移行が行われる。このとき、車載機器100の表示部131には、選択されたソースにおける情報が表示され、ポータブル機器10の表示部11には、ソースに関係なくナビゲーション画像が表示される。次に、SCREENボタン132dを押下すると、ポータブル機器10の表示部11の表示をナビゲーション画像から車載機器100で選択されたソースに対応する画像に切替えることができる。
【0023】
図7(A)は車載機器100でCDを再生中にポータブル機器10を装着し、ポータブル機器10でナビゲーション動画像を表示している状態を示している。図7(A)の状態から、SOURCE/PWRボタン132eを押下して、CD再生からラジオのソースに切換操作を行うと、図7(B)に示すように、表示部131にラジオソースにおける情報が表示される。また、ポータブル機器10の表示部11には、ナビゲーション動画像が表示されたままである。次に、ユーザがSCREENボタン132dを押下すると、図7(C)に示すようにポータブル機器10の表示部11に、車載機器100で処理中のソースに対応する動画像が表示される(図7(C)ではラジオ動画像)。ポータブル機器10の表示部11には、後述するタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを介して表示部11に表示される操作ボタンを選択することで、現在処理中のソースに対する操作をすることができる。
【0024】
また、表示部11にラジオ画像が表示された状態で、SCREENボタン132dを押下すると、図7(D)に示すようにラジオ画像からナビゲーション画像に戻ることができる。ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態では、SCREENボタン132dの操作は無効となる。また、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態で、外部音声/映像入力部139にUSB(Universal Serial Bus)等が接続された場合には、SOURCE/PWRボタン132eを押下しても、USBのソースには切り替わらないようにすることもできる。
【0025】
次に、チルト/イジェクトボタン132aの操作による前面部120のチルト動作について説明する。チルト/イジェクトボタン132aが第1の態様(例えば、短押し)で操作されると、前面部120は、CD/DVD挿排口180が露出する角度(例えば、60°)まで、前面部120がチルトされ、第2の態様(例えば、長押し)で操作されると、所定角度(例えば、5°)ずつ前面部120がチルトする。
【0026】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。なお、GPS情報受信部133で受信したGPS信号を制御部140を介さずに、制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部に出力するようにしてもよい。また、GPS情報受信部133をGPSアンテナのみで構成し、GPSアンテナで受信したGPS信号を、制御部140、制御部20を介さず、後述するGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。さらに、制御部20は介するが、制御部140を介さずGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。このように、適宜変更可能である。
【0027】
ラジオ/TV受信部134は、アンテナとチューナ部とを有しており、AM放送、FM放送、多重放送、TV放送等の放送波を受信して、音声信号、動画像信号、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。CD/DVD再生部135は、DVDまたはCDに記録されたデータを再生し、再生信号を制御部140に出力する。なお、ラジオ/TV受信部134から出力される復調信号(音声信号)を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。動画像データはポータブル機器10及び後席表示部204にも送信される。
【0028】
音声調整部136は、ラジオ/TV受信部134で受信、復調された音声信号や、CD/DVD再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報を一時的に記憶しておく。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。外部音声/映像入力部139は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に出力する。また、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0029】
制御部140(第1制御手段)は、操作部132の操作に従って、ラジオ/TV受信部134、CD/DVD再生部135、音声調整部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。なお、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。また、制御部140は、ポータブル機器10と接続された携帯電話からの通話音声をコネクタ150を介して入力し、音声調整部136を介してスピーカ145に出力する。さらに、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される、各種モードのメニュー動画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ/TV受信部134やCD/DVD再生部135の制御を行う。
【0030】
また、制御部140には、車両に搭載されたバッテリからの電源が入力されている。制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、バッテリの電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車速パルスが入力されない構成でもよい。
さらに制御部140には、車両のパーキングブレーキ(サイドブレーキ)が操作状態にあることを示すパーキングブレーキ信号(以下、PKG信号とも表記する)が入力される。制御部140は、車両からPKG信号を入力することで、車両が停止状態にあると判定する。
【0031】
次に、ポータブル機器10について説明する。ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20、ビデオキャプチャ回路21、外部音声/映像入力部22、コネクタ30を備えている。
【0032】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、また車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名、TV画像、DVD画像等を表示することができる。画像データは、ビデオキャプチャ回路21を介し制御部20に入力する。表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0033】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55(図8(A)参照)を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0034】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載機器100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0035】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0036】
蓄電池15は、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両のバッテリから電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット57(図8(A)参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0037】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetoothが用いられる。
【0038】
メモリ18は、例えば読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
【0039】
外部音声/映像入力部22は、SDカード(Secure Digital memory card)等のメモリカードや、携帯型オーディオ/映像装置等の外部機器との接続端子であるUSBスロット57等と接続され、外部機器から出力される映像信号、音声信号やデータを入力して制御部20に送る。
【0040】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶した後述するSDカードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーション動作のための動画像を作成する。作成した動画像は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持してもよい。
【0041】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画像やコンテンツ画像に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ/TV受信部134やCD/DVD再生部135を制御する。
【0042】
図8(A)に、ポータブル機器10の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図を示し、図8(B)にポータブル機器10の背面図を示す。ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、正面には、USBスロット57が設けられており、下面には、SD(Secure Digital)メモリカードスロット56が設けられている。地図情報、音声情報や映像情報が記憶されたSDカード、USBメモリや携帯型オーディオ/映像装置等の外部機器をこれらのスロットに差し込んだり接続することで、制御部20はSDカード、USBメモリや携帯型オーディオ/映像装置等の外部機器から地図情報、音声情報や映像情報等を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力したり、外部音声/映像入力部22に音声情報や映像情報を出力する。
【0043】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によって電源がオン、オフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン、オフ操作に基づいて電源が操作される。
【0044】
さらに、ポータブル機器10の背面側には、車載機器100との電気的な接続をとるためのコネクタ30と、車載機器100側に設けたロック機構(不図示)と係合する係合部58とが設けられている。
【0045】
車載用電子システム1において、ポータブル機器10の表示部11に表示される動画像のソースには、外部音声/映像入力部22に接続した外部機器から出力される動画像(映像)信号と、CD/DVD再生部135で再生される動画像(映像)信号と、ラジオ/TV受信部134で受信・復調した動画像(映像)信号がある。
このうちCD/DVD再生部135、ラジオ/TV受信部134は、車載機器100側に設けられた機器であるため、ポータブル機器10にCD/DVD再生部135、ラジオ/TV受信部134からの動画像(映像)を表示中に、車両が走行を開始したときには、車載機器100でポータブル機器10への動画像(映像)信号の出力を停止させればよい。
しかしながら、車両の走行中にポータブル機器10の外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)信号の表示を停止させるには、ポータブル機器10には車両からのパーキングブレーキ信号が入力されることはないので、ポータブル機器10側では、動画像(映像)の表示を停止することはできないため、車載機器100側でこれを停止させなければならない。
そこで、本実施例では、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)信号の表示中に、車両が走行状態になると、車載機器100の制御部140がポータブル機器10に禁止信号を出力して、動画像(映像)の表示を停止させる。禁止信号を入力したポータブル機器10の制御部20は、外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)信号ではなく、メモリ18に用意された静止画像、例えば青画像を表示部11に表示させる。
また、車両が停止すると、車載機器100の制御部140は、解除信号の出力を停止する。これによりポータブル機器10では、外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)信号の表示を再開させる。
なお、後席表示部204には、車両の停止、走行状態にかかわらず動画像(映像)が表示される。ポータブル機器10の制御部20は、外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)信号を車載機器100の制御部140に出力する。車載機器100の制御部140は、ポータブル機器10から入力した動画像(映像)信号を、後席表示部204に表示させる。
【0046】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながらTV動画像(映像)、DVD動画像(映像)、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22に入力された動画像(映像)等の動画像(映像)が表示指示さた場合の車載機器100の制御部140の処理手順を説明する。
車載機器100の制御部140は、TV動画像(映像)、DVD動画像(映像)、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22に入力された動画像(映像)等の動画像(映像)の表示指示が操作部132又はポータブル機器10の操作部12から入力されると本処理を開始し、操作部132又はポータブル機器10の操作部12からの動画像(映像)信号の信号源(ソース)の切り換えが行われるまで本処理を繰り返す。まず、制御部140は、車載機器100が搭載されている車両の走行状態を、入力されるパーキングブレーキ信号や車速パルスから判定する(ステップS1)。例えば、パーキングブレーキ信号がオン(パーキングブレーキオン)の場合、及び/又は車速が0(又は所定速度未満)の場合に停車状態と判定し、パーキングブレーキ信号がオフ(パーキングブレーキ解除)の場合、及び/又は車速が0以外(又は所定速度以上)の場合に走行状態と判定する。
車載機器100が搭載されている車両が停止状態であると判定した場合(ステップS1/NO)、操作部132又はポータブル機器10の操作部12により選択されたソース(TV、DVD、外部入力)に対応する動画像(映像)をラジオ/TV受信部134、CD/DVD再生部135、外部音声/映像入力部22から取得し、ポータブル機器10のビデオキャプチャ回路21及び後席表示部204に出力し、ポータブル機器10の表示部11及び後席表示部204に動画像(映像)を表示させる(ステップS2)。
また、車載機器100が搭載されている車両が走行状態であると判定した場合(ステップS1/YES)、選択されているソースが車載機器10側(例えば、TVやDVD)か否かを判定する(ステップS3)。選択されているソースが車載機器100側である場合(ステップS3/YES)、制御部140は、選択されているソースに対応する動画像(映像)をラジオ/TV受信部134、CD/DVD再生部135から取得して、ポータブル機器10のビデオキャプチャ回路21への出力を行わない(停止する)(ステップS4)。なお、ポータブル機器10の制御部20は、車載機器100から動画像(映像)信号の入力が停止した場合、メモリ18に予め記憶されている青画像を表示部11に表示させる。
次に、制御部140は、ステップS1と同様に、車載機器100が搭載されている車両の走行状態を、入力されるパーキングブレーキ信号や車速パルスから判定する(ステップS5)。走行状態であると判定した場合(ステップS5/NO)には、停車状態が検出されるまでステップS5を繰り返し、停車状態であると判定した場合(ステップS5/YES)には、選択されているソースに対応する動画像(映像)をラジオ/TV受信部134、CD/DVD再生部135から取得してポータブル機器10のビデオキャプチャ回路21へ出力(ステップS6)して、ステップS1に戻る。
つまり、制御部140は、車載機器100が搭載される車両が走行状態、かつ選択されているソースが車載機器100側である場合、ポータブル機器10への動画像(映像)信号を停止する。
【0047】
また、制御部140は、選択されているソースが車載機器100側ではない、つまりポータブル機器10側であると判定した場合(ステップS3/NO)には、ポータブル機器10の制御部20に、外部音声/映像入力部22から入力された動画像(映像)の表示部11への表示を禁止する禁止信号を出力する(ステップS7)。なお、ポータブル機器10の制御部20は禁止信号が入力されると、解除信号が入力されるまでメモリ18に予め記憶されている青画像を表示部11に表示させる。
【0048】
次に、制御部140は、ステップS1と同様に、車載機器100が搭載されている車両の走行状態を入力されるパーキングブレーキ信号や車速パルスから判定する(ステップS8)。走行状態であると判定した場合(ステップS8/NO)には、停車状態が検出されるまでステップS7を繰り返し、停車状態であると判定した場合(ステップS8/YES)には、解除信号をポータブル機器10の制御部20に出力(ステップS9)して、ステップS1に戻る。なお、ポータブル機器10の制御部20は、解除信号を受信すると、外部音声/映像入力部22から取得した動画像(映像)を表示部11に出力させる。
つまり、制御部140は、車載機器100が搭載される車両が走行状態、かつ選択されているソースがポータブル機器10側である場合、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)の表示部11への表示を禁止する禁止信号を出力し、停止状態になると解除信号を出力する。
【0049】
次に、図10に示すフローチャートを参照しながらTV動画像(映像)、DVD動画像(映像)、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22に入力された動画像(映像)等の動画像(映像)が表示指示された場合のポータブル機器10の制御部20の処理手順を説明する。
ポータブル機器10の制御部20は、TV動画像(映像)、DVD動画像(映像)、ポータブル機器10の外部音声/映像入力部22に入力された動画像(映像)等の動画像(映像)の表示指示が操作部132又はポータブル機器10の操作部12から入力されると本処理を開始し、操作部132又はポータブル機器10の操作部12から動画像(映像)信号の信号源(ソース)の切り換えを検出するまで本処理を繰り返す。
【0050】
まず、制御部20は操作部132又はポータブル機器10の操作部12により選択されたソースが車載機器100側(例えば、TVやDVD)か否かを判定する(ステップS11)。選択されているソースが車載機器100側であると判定した場合(ステップS11/YES)、車載機器100の制御部140からビデオキャプチャ回路21を介してTV動画像(映像)、DVD動画像(映像)等の動画像(映像)信号の入力があるか否かを判定する(ステップS12)。
ポータブル機器10の制御部20は、TV動画像(映像)、DVD動画像(映像)等の動画像(映像)信号の入力があると判定した場合(ステップS12/YES)、入力された動画像(映像)を表示部11に出力し、表示部11に動画像を表示(ステップS13)させ、ステップS11に戻る。
また、TV動画像(映像)、DVD動画像(映像)等の動画像(映像)信号の入力がないと判定した場合(ステップS12/NO)、メモリ18に予め記憶された青画像を表示部11に出力し、表示部111に青画像を表示(ステップS14)させ、ステップS11に戻る。
つまり、制御部20は、車載機器100側のソースが選択されている状態で、TV動画像(映像)、DVD動画像(映像)等の動画像(映像)信号の入力がある場合(停車状態)には、入力された動画像(映像)を表示部11に表示させ、入力がない場合(走行状態)には、青画像を表示部11に表示させる。
【0051】
また、制御部20は、選択されているソースが車載機器100側でない、つまり、ポータブル機器10側(外部音声/映像入力部22からの映像入力)と判定した場合(ステップS11/NO)、車載機器100の制御部140から禁止信号が入力されているか否かを判定する(ステップS15)。車載機器100の制御部140から禁止信号が入力されていない場合には(ステップS15/NO)、外部音声/映像入力部22から入力する動画像(映像)信号を表示部11に出力し、表示部11に動画像(映像)を表示させ(ステップS16)、ステップS11に戻る。
また、ポータブル機器10の制御部20は、車載機器100の制御部140から禁止信号を入力した場合には(ステップS15/YES)、メモリ18に用意した青画像を表示部11に出力して表示させ(ステップS17)、車載機器100の制御部140から解除信号が入力されたか否かを判定する(ステップS18)。解除信号の入力がない場合(ステップS18/NO)には、解除信号の入力があると判定するまでステップS17を繰り返し、解除信号が入力された場合(ステップS18/YES)には、外部音声/映像入力部22から入力する動画像(映像)を表示部11に表示させ(ステップS19)、ステップS11に戻る。
つまり、制御部20は、ポータブル機器10側のソース(外部音声/映像入力部22から入力される動画像(映像))が選択されている状態で、禁止信号が入力されていない場合、外部音声/映像入力部22から入力される動画像(映像)を表示部11に表示させ、禁止信号が入力された場合には、解除信号が入力されるまで青画像を表示部11に表示させる。
【0052】
このように本実施例は、着脱可能なポータブル機器10によって表示されている動画像(映像)を、車載機器100の制御部140によって車両の走行中は表示しないようにすることができる。
なお、本実施例では、車載機器100からの動画像(映像)信号の入力がない場合、ポータブル機器10はメモリ18に記憶されている青画像を表示部11に表示する構成について説明したが、車載機器100が青画像を出力し、ポータブル機器10は入力した青画像を表示部11に表示してもよい。
また、本実施例では、車載機器100から解除信号が入力された場合、ポータブル機器10は、外部音声/映像入力部22から入力した動画像(映像)を表示部11に表示する構成について説明したが、外部音声/映像入力部22からの動画像(映像)が選択され、かつ走行状態にある場合に制御部140は禁止信号を出力し続け、停車状態になった場合に禁止信号の出力を停止するようにし、制御部20は、禁止信号が入力されている間、青画像を表示してもよい。
また、制御部140からポータブル機器10に禁止信号を出力する構成について説明したが、制御部140はポータブル機器10に青画像を出力するようにしてもよい。ポータブル機器10の制御部20は青画像を入力した場合は、表示部11に入力された青画像を外部音声/映像入力部22から入力された動画像(映像)より優先して出力してもよい。
また、上述した実施例では、ポータブル機器10の表示部11に青画像を表示する構成について説明したがこれに限定されるものではなく、ドライバの運転に支障をきたさない画像を表示したり、表示を禁止してもよい。
また、制御部20は、制御部140からの禁止信号に基づいて青画像を表示する構成について説明したが、制御部140が入力される車速パルスに基づいて走行状態を判定し、青画像を表示するようにしてもよい。
さらに、ナビゲーション機能付ポータブル機器について説明したが、電話機能を有する携帯電話を適用してもよいし、携帯電話付ナビゲーションを適用してもよい。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1(A)、(B)は実施例1に用いる車載用電子システムの外観を示す模式図である。
【図2】図2はポータブル機器を車載機器から取り外した状態を示す模式図である。
【図3】図3は前面部を車載機器本体に対して傾斜させ、CD挿排口を露出させた状態を示す模式図である。
【図4】図4は、車載用電子システムの車両への搭載例を示す模式図である。
【図5】図5は、車載用電子システムを示す概略図である。
【図6】図6は本体部の正面模式図である。
【図7】図7(A)から(D)は本体部に装着されたポータブル機器の表示を示す模式図である。
【図8】図8(A)は、ポータブル機器の正面模式図、上面模式図、下面模式図、左側面模式図、右側面模式図であり、図8(B)はポータブル機器の背面模式図である。
【図9】図9は、車載機器の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、ポータブル機器の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10 ポータブル機器
11 表示部
12 操作部
13 GPS信号受信部
14 スピーカ
15 蓄電池
16 充電回路
17 無線通信送受信部
18 メモリ
19 ナビゲーション部
20 制御部(第2制御手段)
22 外部音声/映像入力部
100 車載機器
120 挿入口
131 表示部
132 操作部
133 GPS情報受信部
134 ラジオ受信部
135 CD/DVD再生部
136 音声調整部
137 メモリ
138 マイク
139 外部音声/映像入力部
140 制御部(第1制御手段)
204 後席表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載用電子装置と、表示部を有し該車載用電子装置に着脱可能な携帯電子装置とを有する車載用電子システムであって、
前記車載用電子装置は、前記車両が走行状態にあることを検出した場合、前記携帯電子装置に動画像の表示を禁止させる禁止信号を出力する第1制御手段を備え、
前記携帯電子装置は、前記禁止信号を前記車載用電子装置から入力すると、前記表示部への動画像の表示を禁止させる第2制御手段を備えることを特徴とする車載用電子システム。
【請求項2】
前記第2制御手段は、前記禁止信号が入力されると、記憶手段に記憶した静止画像を表示させることを特徴とする請求項1記載の車載用電子システム。
【請求項3】
前記携帯電子装置は、外部機器と接続して、該外部機器から動画像を入力する外部機器接続端子を有し、
前記第2制御手段は、前記禁止信号が入力されると、前記表示部への前記外部機器からの動画像の表示を停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の車載用電子システム。
【請求項4】
車両に搭載され、表示部を有する携帯電子装置を着脱可能な車載用電子装置であって、
前記車両が走行状態にあることを検出した場合に、前記携帯電子装置に動画像の表示を禁止させる禁止信号を出力する第1制御手段を有することを特徴とする車載用電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−35024(P2009−35024A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198656(P2007−198656)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】