説明

車載表示装置

【課題】先行車両が存在する場合における自車前方の視認性を向上する。
【解決手段】自車の前方を撮影する前方カメラ11の撮影映像に画像認識処理を施して自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定する。通信部10を介して、車両前方を撮影するカメラ21を搭載した車両より当該車両の車両ナンバーが付加されたカメラの撮影映像を受信した場合、画像認識処理を施して特定した先行車両の車両ナンバーと一致する車両ナンバーが付加されたカメラの撮影映像を、自車の直前に位置する先行車両の撮影映像として特定し、この先行車両の撮影映像を表示部14に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と通信を行う通信手段を備え、当該通信手段を介して受信した映像を表示部に表示させる機能を有する車載表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、路上等に設置された固定カメラの撮影画像を受信し、この撮影画像に自車からの視線となるように視点変換を施して、この視点変換した画像を自車内の表示装置に表示させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、撮像手段、位置情報取得手段、大容量記憶装置を有するカーナビゲーション装置および情報通信機能付携帯電話装置を搭載し、走行に伴って収集した映像情報を提供する情報提供車両と、必要とされる場所の映像情報に近い情報提供車両を位置情報から検索し、情報提供車両に情報リクエストを行うASPセンタと、を有し、必要とされる映像情報の配信要求がネットワーク手段を介してなされ、ASPセンタからの情報収集リクエストに応じて情報提供車両から必要とされる場所の映像情報が会員登録された利用者のナビゲーション装置、携帯電話、パソコン等に直接的に提供されるように構成された情報提供システムがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−151708号公報
【特許文献2】特開2004−38866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両を運転する際に、自車の直前に先行車両が存在するような場合、その先行車両により前方の視界が遮られ自車前方の視認性が低下するといった状況が生じる。特に、大型トラックや大型バス等、車高の高い車両の後ろを走行するような場合には、信号機の存在に気付くのが遅れてしまったり、路肩に停車している車両等に気付くのが遅れてしまったり、停車車両の影から飛び出してくるものなどに気付くのが遅れてしまったりするといった問題が生じる。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された装置では、このように自車の直前を走行する先行車両が存在する場合における自車前方の視認性を向上するのは困難である。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みたもので、先行車両が存在する場合における自車前方の視認性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外部と通信を行う通信手段を備え、当該通信手段を介して受信した映像を表示部に表示させる機能を有する車載表示装置において、通信手段を介して、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報を付加したカメラの撮影映像を受信した場合、識別情報を用いて、通信手段を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を特定する撮影映像特定手段と、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を表示部に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、通信手段を介して、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報を付加したカメラの撮影映像を受信した場合、識別情報を用いて、通信手段を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を特定し、この先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が表示部に表示されるので、先行車両が存在する場合における自車前方の視認性を向上することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、自車の前方を撮影する撮影手段と、撮影手段の撮影映像に画像処理を施して自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定する車両ナンバー特定手段と、を備え、カメラを搭載した車両より送信される撮影映像には、当該車両の車両ナンバーが識別情報として付加されており、撮影映像特定手段は、車両ナンバー特定手段により特定された先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像を先行車両に搭載されたカメラの撮影映像として特定することを特徴としている。
【0011】
このように、識別情報として付加された先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像を先行車両に搭載されたカメラの撮影映像として特定することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、先行車両との車間距離を計測する車間距離計測手段と、表示部に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を縮小し、先行車両との車間距離が短くなると先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を拡大する表示倍率変更手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、表示部に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が縮小し、先行車両との車間距離が短くなると先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が拡大するので、運転者に違和感を与えないようにすることが可能である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像には、当該カメラの画角を特定するための情報が付加されており、先行車両に搭載されたカメラの画角を特定するための情報に基づいて、表示部に表示させるカメラの撮影映像の範囲が一定となるように、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の大きさを補正する第1の補正手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、先行車両に搭載されたカメラの画角を特定するための情報に基づいて、表示部に表示させるカメラの撮影映像の範囲が一定となるように、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の大きさが補正されるので、先行車両が走行途中で入れ替わり、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の画角が異なっても、表示部に表示させるカメラの撮影映像の範囲を一定にすることができる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像には、当該先行車両におけるカメラの取り付け位置を特定するための情報が付加されており、自車における撮影手段の取り付け位置を特定するための情報を記憶する記憶手段と、車間距離計測手段により計測された先行車両との車間距離、自車における撮影手段の取り付け位置を特定するための情報および撮影映像に付加された先行車両におけるカメラの取り付け位置を特定するための情報に基づいて、自車における撮影手段と先行車両におけるカメラの相対位置を特定し、当該相対位置に基づいて先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を、自車に搭載された撮影手段を視点とした映像となるように視点変換する視点変換手段と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
このような構成によれば、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が、自車に搭載された撮影手段を視点とした映像となるように視点変換され、この視点変換された映像が表示部に表示されるので、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を提供することができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいことを判定した場合、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に撮影手段により撮影された映像を嵌め込み合成した映像を生成する第1の合成映像生成手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいことを判定した場合、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に撮影手段により撮影された映像を嵌め込み合成した映像を生成し、この生成した嵌め込み合成した映像が表示部に表示されるので、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さくなっても、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を運転者に提供することができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、通信手段を介して受信した先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を一時記憶する映像記憶手段と、表示部に表示すべき撮影映像が当該表示部の画面サイズより小さいことを判定した場合、先行車両に搭載されたカメラが過去に撮影した撮影映像を映像記憶手段から読み出し、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に映像記憶手段から読み出した撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成する第2の合成映像生成手段と、を備えたことを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、表示部に表示すべき撮影映像が当該表示部の画面サイズより小さいことを判定した場合、先行車両が自車位置で撮影した撮影映像を映像記憶手段から読み出し、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に映像記憶手段から読み出した撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成し、この生成した嵌め込み合成した映像が表示部に表示されるので、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さくなっても、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を運転者に提供することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、通信手段を介して受信した先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の伝送遅延量を特定する伝送遅延量特定手段と、伝送遅延量が大きいほど表示部に表示させる先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を大きく拡大する第2の補正手段と、を備えたことを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、伝送遅延量が大きいほど表示部に表示させる先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が大きく拡大して表示部に表示されるので、先行車両に搭載されたカメラの撮影映像が大きく遅延しても、実際の車両位置よりも前方で撮影したような光景としてカメラの撮影映像が表示され、運転者に違和感を与えないようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載表示装置の構成を示す図である。
【図2】自車および他車における各カメラの取り付け位置について説明するための図である。
【図3】先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に自車に搭載された前方カメラの撮影映像を嵌め込み合成した映像について説明するための図である。
【図4】第1実施形態に係る制御部のフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る制御部のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る車載表示装置の構成を図1に示す。本車載表示装置1は、自車に搭載されており、通信部10、前方カメラ11、測距センサ12、操作部13、表示部14および制御部15を備えている。本車載表示装置1は、通信部10を介して外部より映像情報を受信すると、受信した映像情報を表示部14に表示させる機能を有している。本実施形態では、車両前方を撮影するカメラ21および制御部22を備えた映像送信装置2を搭載した他車より、当該車両を特定するための識別情報を含む付加情報を付加したカメラの撮影映像が送信されるようになっており、本車載表示装置1は、この付加情報に含まれる識別情報を用いて、通信部10を介して受信したカメラの撮影映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を特定し、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を表示部14に表示させる。
【0026】
通信部10は、他車に搭載された通信装置と車々間通信を行うためのものである。
【0027】
前方カメラ11は、図2に示すように、自車における左右中央のルームミラー付近に取り付けられ、自車の前方を撮影した撮影映像を制御部15へ送出する。
【0028】
測距センサ12は、図2に示すように、自車における左右中央の先端部(例えば、フロントグリル)に取り付けられ、自車前方に存在する物体との距離を測定し、測定した距離を示す距離情報を制御部15へ送出する。測距センサ12としては、超音波センサ、レーダセンサ、レーザセンサ等を用いることができる。
【0029】
操作部13は、表示部14のディスプレイの前面に重ねて設けられたタッチスイッチ、表示部14のディスプレイの周囲に配置されたメカニカルスイッチ等により構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部15へ出力する。
【0030】
表示部14は、液晶等のディスプレイを有し、制御部15より入力される映像情報に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0031】
制御部15は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0032】
制御部15の処理としては、前方カメラ11の撮影映像を表示部14のディスプレイに表示させる前方カメラ映像表示処理、前方カメラ11の撮影映像に対して画像認識処理を施して前方カメラ11の撮影映像に含まれる物体、文字、数字、記号等を認識する画像認識処理等がある。
【0033】
本車載表示装置1における制御部15のハードディスクドライブには、自車への取り付け時に、作業者の操作に応じてカメラの画角情報および自車における前方カメラ11の取り付け位置を特定するための情報が記憶されるようになっている。本実施形態では、水平画角、垂直画角、対角線画角によりカメラの画角情報が規定されている。また、本実施形態において、前方カメラ11の取り付け位置を特定するための情報は、図2に示すように、自車の左右中央の自車の先端の直下(地面)を基準点D1として規定されている。具体的には、基準点D1(地面)からの高さH1、基準点D1との前後方向の距離L11、左右中央との左右方向の距離が、前方カメラ11の取り付け位置を特定するための情報として制御部15のハードディスクドライブに記憶されている。
【0034】
一方、他車には、車両前方を撮影するカメラ21および制御部22を備えた映像送信装置2が搭載されている。
【0035】
カメラ21は、図2に示すように、他車における左右中央のルームミラー付近に取り付けられ、他車の前方を撮影した撮影映像を制御部22へ送出する。
【0036】
制御部22は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0037】
制御部22のハードディスクドライブには、車両ナンバー、カメラの画角情報およびカメラの取り付け位置を特定するための情報が記憶されている。本実施形態では、水平画角、垂直画角、対角線画角によりカメラの画角情報が規定されている。また、本実施形態において、カメラの取り付け位置を特定するための情報は、図2に示すように、他車の左右中央の自車の先端の直下(地面)を基準点D2として規定されている。具体的には、基準点D2(地面)からの高さH2、基準点D2との前後方向の距離(図では省略する)、左右中央との左右方向の距離および車両全長L2がカメラの取り付け位置情報として制御部22のハードディスクドライブに記憶されている。
【0038】
他車に搭載された映像送信装置2は、識別情報を付加したカメラ21の撮影映像を無線送信するようになっている。なお、識別情報には、他車を特定するための識別情報としての車両ナンバー、カメラの画角情報、カメラの取り付け位置情報が含まれる。
【0039】
本車載表示装置1は、前方カメラ11の撮影映像に画像認識処理を施して自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定し、この先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像を自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像として特定し、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を表示部14に表示させる。このように先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を表示部14に表示させることで、自車の直前に先行車両が存在しても、あたかも直前の先行車両が存在しないような車両前方の映像を表示部14に表示させることが可能となる。
【0040】
上記したように先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を表示部14に表示させる場合、表示部14に表示される映像は、先行車両に搭載されたカメラを視点とした映像となる。
【0041】
そこで、本実施形態では、本車載表示装置1は、自車における前方カメラ11と先行車両におけるカメラの相対位置に基づいて先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を、自車に搭載された前方カメラ11を視点とした映像となるように視点変換し、当該視点変換した映像を表示部14に表示させるようになっている。
【0042】
また、自車が先行車両の後ろを同一速度で走行している場合には、表示部14に、自車と同じ速度で撮影された撮影映像が表示されるので乗員に違和感を与えることは少ないが、例えば、先行車両が急加速したような場合、自車が一定速度で走行しているのに表示部14に急加速しているような撮影映像が表示されるため運転者に違和感を与えてしまう。
【0043】
そこで、表示部14に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を縮小し、先行車両との車間距離が短くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を拡大して表示する。
【0044】
つまり、表示映像を拡大すると加速しているように感じ、表示映像を縮小すると減速しているように感じるという現象を利用して、表示部14に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるような表示を行う機能を有している。例えば、自車が一定車速で走行し、先行車両が急加速したような場合、先行車両との車間距離が長くなる。このような場合には、一定車速で走行しているような速度感となるように、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を縮小して表示する。
【0045】
また、先行車両が走行途中で入れ替わり、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の視野角(画角)が異なると、表示部14に表示されるカメラの撮影映像に含まれる光景の範囲が広くなったり狭くなったりしてしまう。
【0046】
そこで、本車載表示装置1は、付加情報に含まれるカメラの画角情報に基づいて、表示部14に表示させるカメラの撮影映像の光景の範囲が一定となるように、表示部14に表示させるカメラの撮影映像の大きさを補正する機能を有している。
【0047】
また、先行車両に搭載された映像送信装置2の伝送遅延量が大きいと、通信部10を介して受信した先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が遅れて表示部14に表示されることになる。特に、走行中においては、その伝送遅延量が大きいと、実際の車両位置よりも後方で撮影された光景が表示部14に表示されるといった現象が生じ、運転者に違和感を与えてしまう。
【0048】
そこで、本車載表示装置1は、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の伝送遅延量を特定し、伝送遅延量が大きいほど表示部14に表示させる先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を大きく拡大して表示する機能を有している。すなわち、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を、このカメラの撮影映像の中央を中心として大きく拡大し、撮影映像の周縁部の光景が映像に含まれないようにすることで、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が大きく遅延しても、実際の車両位置よりも前方で撮影したような光景としてカメラの撮影映像を表示する機能を有している。
【0049】
また、前述したように、先行車両に搭載された前方カメラ21の撮影映像を、自車に搭載された前方カメラ11を視点とした映像となるように視点変換する場合、あるいは、表示部14に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を縮小して表示するような場合、図3(a)に示すように、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像Aの周囲に何も表示されない領域(斜線で示す)が生じる。
【0050】
そこで、本車載表示装置1は、表示すべき撮影映像が画面サイズより小さい場合、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の周囲に自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成し、当該嵌め込み合成した映像を表示部14に表示させる。具体的には、図3(a)に示したような、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像Aの周囲に、図3(b)に示すような、自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像Bを嵌め込み合成し、図3(c)に示すような、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像Aの周囲に自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像Bを嵌め込み合成した映像A+Bを表示部14に表示させる。例えば、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像Aに含まれる道路上の白線と、自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像Bに含まれる道路上の白線とが連続するように、撮影映像Aの周囲に撮影映像Bを嵌め込み合成することにより、あたかも直前の先行車両が存在しないような車両前方の映像を表示部14に表示させることが可能である。
【0051】
図4に、本車載表示装置1の制御部15のフローチャートを示す。自車のイグニッションスイッチがオンすると本車載表示装置1は動作状態となる。そして、運転者の操作部13の操作に応じて、操作部13より自車の直前に位置する先行車両のカメラ撮影映像の表示を指示する信号が入力されると、制御部15は、図4に示す処理を実施する。
【0052】
まず、通信部10を介して他車より撮影映像を受信したか否かを判定する(S100)。
【0053】
ここで、他車より撮影映像が送信されない場合、S100の判定はNOとなり、受信した撮影映像がないことを表示部14に表示させ(S102)、S100へ戻る。
【0054】
また、通信部10を介して他車より撮影映像を受信すると、S100の判定はYESとなり、次に、受信した撮影映像に付加された付加情報を抽出して受信映像テーブルに格納する(S104)。具体的には、付加情報に含まれる車両ナンバー、カメラの画角情報、カメラの取り付け位置情報を受信映像テーブルに格納する。
【0055】
次に、自車の前方カメラ11の撮影映像があるか否かを判定する(S106)。ここで、自車に前方カメラ11が搭載されてない場合や、自車の前方カメラ11が故障している場合など、前方カメラ11の撮影映像が入力されない場合、S106の判定はNOとなり、撮影映像が表示できないことを表示部14に表示させる(S108)。
【0056】
また、前方カメラ11の撮影映像の入力がある場合、S106の判定はYESとなり、先行車両の車両ナンバーを特定する(S110)。具体的には、前方カメラ11の撮影映像に画像認識処理を施して自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定する。
【0057】
次に、先行車両との車間距離を計測する(S112)。具体的には、測距センサ12より送出される距離情報に基づいて先行車両との車間距離を特定する。
【0058】
次に、先行車両の車両ナンバーと一致する車両ナンバーが受信映像テーブルにあるか否かを判定する(S114)。S110にて特定された先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像が受信映像テーブルにあるか否かを判定する。
【0059】
ここで、同一の車両ナンバーが付加された撮影映像が受信映像テーブルにない場合、S114の判定はNOとなり、該当する映像がないことを表示部14に表示させる(S116)。
【0060】
また、同一の車両ナンバーが付加された撮影映像が受信映像テーブルにある場合には、S116の判定はYESとなり、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影画像を特定する(S117)。具体的には、S110にて特定された先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像を先行車両に搭載されたカメラ21の撮影画像として特定する。
【0061】
次に、自車のカメラ11と先行車両のカメラ21の相対位置を特定する(S118)。具体的には、測距センサ12より送出される距離情報に基づいて計測した先行車両との車間距離L3、自車における前方カメラ11の取り付け位置を特定するための情報および先行車両より送信される前方カメラ21の撮影映像に付加された先行車両における前方カメラ21の取り付け位置を特定するための情報から、自車における前方カメラ11と先行車両における前方カメラ21の相対位置を特定する。
【0062】
次に、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を、自車に搭載された前方カメラ11を視点とした映像となるように視点変換を行う(S120)。先のS118にて特定した自車における前方カメラ11と先行車両における前方カメラ21の相対位置に基づいて先行車両に搭載された前方カメラ21の撮影映像を、自車に搭載された前方カメラ11を視点とした映像となるように視点変換する処理を行う。なお、このように視点変換する処理は周知技術(例えば、特開2008−151708号公報、文献A:Tsai Camera Calibration”[2009年5月15日検索]、インターネット<URL:http://homepages.inf.ed.ac.uk/rbf/CVonline/LOCAL_COPIES/DIAS1/>参照)である。
【0063】
次に、自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離に応じてカメラの撮影映像の表示倍率を変更する(S122)。具体的には、測距センサ12を用いて先行車両との車間距離を繰り返し計測し、表示部14に表示させるカメラの撮影映像、すなわち、視点変換したカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を縮小し、先行車両との車間距離が短くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を拡大する。
【0064】
次に、カメラの撮影映像の撮影範囲が一定となるように、画角情報に応じてカメラの撮影映像の大きさを補正する(S124)。具体的には、通信部10を介して受信したカメラの撮影映像に付加された付加情報に含まれるカメラの画角情報と、制御部15のハードディスクドライブに記憶された自車の前方カメラ11の画角情報を比較して、表示部14に表示させるカメラの撮影映像の光景の範囲(視野角)が一定となるように、表示部14に表示させるカメラの撮影映像を拡大または縮小する。なお、本実施形態では、通信部10を介して受信したカメラの撮影映像に付加された付加情報に含まれるカメラの水平画角と、制御部15のハードディスクドライブに記憶された自車の前方カメラ11の水平画角を比較して、表示部14に表示させるカメラの撮影映像の光景の範囲(視野角)が一定となるように、表示部14に表示させるカメラの撮影映像を拡大または縮小する。
【0065】
次に、通信部10を介して受信したカメラの撮影映像の伝送遅延量を特定する(S126)。本実施形態では、通信部10を介して受信した先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像と自車の前方カメラ11の撮影画像のマッチングによる時間差抽出を行うことで伝送遅延量を特定する。例えば、信号機が赤信号から青信号に変化するタイミング差より伝送遅延量を特定する。
【0066】
次に、S126にて特定した伝送遅延量に応じてカメラ撮影映像の大きさを補正する(S128)。具体的には、伝送遅延量が大きいほど表示部14に表示させる先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を、このカメラの撮影映像の中央を中心として大きく拡大する。
【0067】
次に、表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいか否かを判定する(S130)。
【0068】
ここで、表示すべき撮影映像が画面サイズより小さい場合、S130の判定はYESとなり、次に、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の周囲に自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成する(S132)。
【0069】
そして、加工した映像を表示部14に表示させる(S134)。また、表示すべき撮影映像が画面サイズと同じ、あるいは表示すべき撮影映像が画面サイズより大きい場合には、S132の判定はNOとなり、嵌め込み合成した映像を生成することなく、加工した映像を表示部14に表示させる。
【0070】
上記した構成によれば、通信部10を介して、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報を付加したカメラの撮影映像を受信した場合、識別情報を用いて、通信部10を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を特定し、この先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が表示部に表示されるので、先行車両が存在する場合における自車前方の視認性を向上することができる。
【0071】
なお、自車の前方を撮影する前方カメラ11の撮影映像に画像処理を施して自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定し、この先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された撮影映像を先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像として特定することができる。このような構成とすることで、カーナビゲーション情報などの位置情報を用いる場合と比較して、精度よく自車の前方の車両を特定することができる。
【0072】
また、表示部14に表示させるカメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、先行車両との車間距離が長くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が縮小し、先行車両との車間距離が短くなると先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が拡大するので、運転者に違和感を与えないようにすることが可能である。
【0073】
また、先行車両に搭載されたカメラ21の画角情報に基づいて、表示部に表示させるカメラの撮影映像の範囲が一定となるように、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の大きさが補正されるので、先行車両が走行途中で入れ替わり、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の画角が異なっても、表示部に表示させるカメラの撮影映像の範囲を一定にすることができる。
【0074】
また、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が、自車に搭載されたカメラを視点とした映像となるように視点変換され、この視点変換された映像が表示部に表示されるので、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を提供することができる。特に、前方の車両がトラックなどでカメラ取り付け高さが高い場合でも、通常の乗用車の高さ視点に変換して映像を提供することができる。
【0075】
また、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいことを判定した場合、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の周囲に自車に搭載されたカメラにより撮影された映像を嵌め込み合成した映像を生成し、この生成した嵌め込み合成した映像が表示部に表示されるので、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さくなっても、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を運転者に提供することができる。
【0076】
また、伝送遅延量が大きいほど表示部に表示させる先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が大きく拡大して表示部に表示されるので、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像が大きく遅延しても、実際の車両位置よりも前方で撮影したような光景としてカメラの撮影映像が表示され、運転者に違和感を与えないようにすることが可能である。
【0077】
(第2実施形態)
本実施形態に係る車載表示装置1は、先行車両から送信された撮影映像をハードディスクドライブに予め定められた期間分(例えば、1分)、一時記憶する処理を実施するようになっている。
【0078】
本実施形態に係るに係る制御部のフローチャート(一部)を図5に示す。以下、上記第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0079】
上記第1実施形態では、S130の判定にて、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいと判定された場合、S132にて、先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像の周囲に自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成し、S134にて、この嵌め込み合成した映像を表示部14に表示させたが、本実施形態では、図5に示すように、S130の判定にて、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいと判定された場合、S232に示すように、先行車両に搭載されたカメラが過去に撮影した撮影映像(例えば、自車位置付近で撮影した映像)をハードディスクドライブから読み出し、視点変換した映像の周囲にハードディスクドライブから読み出した撮影映像を嵌め込み合成した画像を生成し、S134にて、この嵌め込み合成した映像を表示部14に表示させる。なお、本実施形態では、自車と先行車両との車間距離を自車の車速で除算して求めた時間分だけ過去に記憶された先行車両に搭載されたカメラ21の撮影画像をハードディスクドライブから読み出して、先行車両が過去に自車位置で撮影した撮影映像とする。
【0080】
このように、表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さい場合、自車に搭載された前方カメラ11の撮影映像を用いることなく、視点変換した映像の周囲に、先行車両が自車位置で撮影した撮影映像を嵌め込み合成した画像を生成し、この嵌め込み合成した映像を表示部14に表示させることができ、あたかも自車に搭載されたカメラにより撮影されたような映像を運転者に提供することができる。
【0081】
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、他車に搭載された通信装置と車々間通信を行って、他車に搭載された通信装置から識別情報が付加されたカメラの撮影画像を受信する構成を示したが、車々間通信である必要はなく、例えば、公衆通信網を介して、他車に搭載された通信装置から識別情報が付加されたカメラの撮影画像を受信する構成としてもよい。
【0082】
また、上記第2実施形態では、自車と先行車両との車間距離を自車の車速で除算して求めた時間分だけ過去に記憶された撮影画像をハードディスクドライブから読み出して、先行車両が過去に自車位置で撮影した撮影映像としたが、例えば、自車の前方カメラ11の撮影映像と、ハードディスクドライブに記憶された先行車両に搭載されたカメラ21の撮影画像とのマッチングによる一致判定を実施し、自車の前方カメラ11の撮影映像と一致した撮影画像を先行車両が過去に自車位置で撮影した撮影映像としてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報として車両ナンバーを付加したカメラの撮影映像を受信した場合、この車両ナンバーを用いて、通信部10を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を特定したが、車両ナンバー以外の識別情報を用いて、通信部10を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像を特定してもよい。例えば、自車位置および自車と先行車両との車間距離に基づいて自車の直前に位置する先行車両の位置情報(緯度経度、進行方向を含む)を推定するとともに、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報として車両の位置情報(緯度経度、進行方向を含む)を付加したカメラの撮影映像を送信させ、推定した先行車両の位置情報と一致する車両の位置情報が付加されたカメラの撮影映像を先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像として特定してもよい。
【0084】
また、上記第1実施形態で示した前方カメラ11、測距センサ12等の取り付け位置は一例であり、上記実施形態に記載された場所に限定されるものではない。
【0085】
また、上記第1実施形態では、水平画角、垂直画角、対角線画角により規定されたカメラの画角情報によりカメラの画角を特定したが、例えば、カメラのレンズの焦点距離等を用いてカメラの画角を特定してもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態では、通信部10を介して受信した先行車両に搭載されたカメラ21の撮影映像と自車の前方カメラ11の撮影画像のマッチングによる時間差抽出を行って伝送遅延量を特定したが、このような手法を用いることなく、例えば、自車と他車の両車両にGPS受信機を備え、他車より送信されるカメラの撮影映像の付加情報にGPS時間を含むように構成し、各GPS時間を比較して伝送遅延量を特定してもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態では、S120における視点変換、S122における車間距離に応じた表示倍率変更、S124における画角に応じた撮影画像の大きさ補正、S126における伝送遅延量に応じた撮影画像の大きさ補正、S132における嵌め込み合成画像の生成を実施し、これらの各処理により加工された撮影映像を表示部14に表示させたが、上記した各処理の少なくとも1つを省略してもよい。
【0088】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、通信部10が通信手段に相当し、S106、S114、S117が撮影映像特定手段に相当し、S134が表示制御手段に相当し、前方カメラ11が撮影手段に相当し、S110が車両ナンバー特定手段に相当し、測距センサ12、S112が車間距離計測手段に相当し、S122が表示倍率変更手段に相当し、S124が第1の補正手段に相当し、制御部15のハードディスクドライブが記憶手段および映像記憶手段に相当し、S118、S120が視点変換手段に相当し、S132が第1の合成映像生成手段に相当し、S232が第2の合成映像生成手段に相当し、S126が伝送遅延量特定手段に相当し、S128が第2の補正手段に相当する。
【符号の説明】
【0089】
1 車載表示装置
2 映像送信装置
10 通信部
11 前方カメラ
12 測距センサ
13 操作部
14 表示部
15 制御部
21 カメラ
22 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と通信を行う通信手段を備え、当該通信手段を介して受信した映像を表示部に表示させる機能を有する車載表示装置において、
前記通信手段を介して、車両前方を撮影するカメラを搭載した車両より当該車両を特定するための識別情報を付加したカメラの撮影映像を受信した場合、前記識別情報を用いて、前記通信手段を介して受信した映像の中から自車の直前に位置する先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を特定する撮影映像特定手段と、
前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を前記表示部に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする車載表示装置。
【請求項2】
自車の前方を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の撮影映像に画像処理を施して前記自車の直前に位置する先行車両の車両ナンバーを特定する車両ナンバー特定手段と、を備え、
前記カメラを搭載した車両より送信される撮影映像には、当該車両の車両ナンバーが前記識別情報として付加されており、
前記撮影映像特定手段は、前記車両ナンバー特定手段により特定された前記先行車両の車両ナンバーと同一の車両ナンバーが付加された前記撮影映像を前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像として特定することを特徴とする請求項1に記載の車載表示装置。
【請求項3】
先行車両との車間距離を計測する車間距離計測手段と、
前記表示部に表示させる前記カメラの撮影映像が自車の車速に応じた速度感となるように、前記先行車両との車間距離が長くなると前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を縮小し、前記先行車両との車間距離が短くなると前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を拡大する表示倍率変更手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車載表示装置。
【請求項4】
前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像には、当該カメラの画角を特定するための情報が付加されており、
前記先行車両に搭載されたカメラの画角を特定するための情報に基づいて、前記表示部に表示させる前記カメラの撮影映像の範囲が一定となるように、前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の大きさを補正する第1の補正手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載表示装置。
【請求項5】
前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像には、当該先行車両におけるカメラの取り付け位置を特定するための情報が付加されており、
自車における前記撮影手段の取り付け位置を特定するための情報を記憶する記憶手段と、
前記車間距離計測手段により計測された前記先行車両との車間距離、自車における前記撮影手段の取り付け位置を特定するための情報および前記撮影映像に付加された前記先行車両におけるカメラの取り付け位置を特定するための情報に基づいて、自車における前記撮影手段と前記先行車両におけるカメラの相対位置を特定し、当該相対位置に基づいて前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を、自車に搭載された前記撮影手段を視点とした映像となるように視点変換する視点変換手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載表示装置。
【請求項6】
前記表示部に表示すべき撮影映像が画面サイズより小さいことを判定した場合、前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に前記撮影手段により撮影された映像を嵌め込み合成した映像を生成する第1の合成映像生成手段を備えたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車載表示装置。
【請求項7】
前記通信手段を介して受信した前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を一時記憶する映像記憶手段と、
前記表示部に表示すべき撮影映像が当該表示部の画面サイズより小さいことを判定した場合、前記先行車両に搭載されたカメラが過去に撮影した撮影映像を前記映像記憶手段から読み出し、前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の周囲に前記映像記憶手段から読み出した撮影映像を嵌め込み合成した映像を生成する第2の合成映像生成手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車載表示装置。
【請求項8】
前記通信手段を介して受信した前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像の伝送遅延量を特定する伝送遅延量特定手段と、
前記伝送遅延量が大きいほど前記表示部に表示させる前記先行車両に搭載されたカメラの撮影映像を大きく拡大する第2の補正手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車載表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−267052(P2010−267052A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117315(P2009−117315)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】