説明

車載装置

【課題】処理手段などのハードウェアの変更および高性能化を伴うことなく、優先度に関わらずタスクを処理することにより安定した動作が得られる車載装置を提供する。
【解決手段】処理中断部22は、処理部13における複数のタスクの実行が処理部13の処理能力を超えるとき、タスクの優先順位に関わらず、実行されている複数のタスクのうち中断条件に該当するタスクを中断する。この中断条件は、予め中断条件を含む条件テーブルとして設定されている。処理中断部22は、この中断条件にしたがってタスクの優先順位に関わらず、重複する機能に関するタスクを中断する。その結果、一時的にタスクの一部が中断し車載装置10における一部の機能が制限されるものの、処理部13の処理速度やクロックの向上といったハードウェアの変更を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関し、特にナビゲーション機能と、音声や画像を再生する機能とを複合的に実行可能な車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション機能を備える車載装置は、CDやDVDに記録されている音声や画像の再生だけでなく、いわゆるワンセグ放送の放映など、多機能化が進展している。このような車載装置は、ナビゲーション機能をはじめ、音声や画像の再生および放映などをいわゆるマルチタスク処理によって同時に処理している。マルチタスク処理では、例えば設定されている各タスクを一定時間で処理したり、優先度の高いタスクを優先的に処理したり、タイムシェアリングを利用することにより、複数のタスクの効率的な処理を図っている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、車載装置には年々新機能が追加され、車載装置で実行される処理は大幅に増加している。そのため、これら数多くの処理を効率よく処理するためには、CPUなどの処理装置の処理速度の向上やメモリの容量増加、並びに車載装置のモデルチェンジごとのハードウェアの変更などを必要とする。また、多機能を同時に処理する必要があるため、CPUなどの処理装置やバスの負荷が極めて大きくなる。その結果、所定の時間内の処理が困難になり、優先度の低いタスクが処理されず、タイムアウトやフリーズなどの動作不良を招くおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−287188号公報
【特許文献2】特開2005−199998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、処理手段などのハードウェアの変更および高性能化を伴うことなく、優先度に関わらずタスクを処理することにより安定した動作が得られる車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、処理中断手段は、処理手段における複数のタスクの実行が処理手段の処理能力を超えると、タスクの優先順位に関わらず、実行されている複数のタスクのうち中断条件に該当するタスクを中断する。この中断条件は、予め設定されている。例えばワゴン車などの大型の車両では、前席側および後席側の双方に表示手段を備える場合がある。このように二つ以上の表示手段に接続されている車載装置の場合、一方の表示手段における表示を中断しても問題が生じない場合がある。仮に前席側の表示手段にナビゲーション手段の地図画像が表示され、後席側の表示手段にテレビ画像が表示されているとする。このとき、前席側で経路探索の必要が生じタスクの実行が処理手段の処理能力を超えたとすると、処理中断手段はタスクの優先順位に関わらず、後席側のテレビ画像の表示を中断する。この場合、後席側のテレビ画像は前席側の経路探索が終了するまで表示が中断されるものの、前席側の経路探索のタスクは処理手段によって処理される。そのため、一時的に後席側のテレビ画像の表示が制限されるものの、前席側における経路探索のタスクは優先度に関わらず迅速に処理される。この例のように、優先度に関わらず処理手段で処理すべきタスクに応じて中断条件に合致するタスクの処理を適宜中断することにより、処理手段に要求される性能は機能の追加に応じて高める必要がない。その結果、一時的にタスクの一部が中断し一部の機能が制限されるものの、処理手段の能力向上などハードウェアの変更を必要としない。また、優先度に関わらず、実行すべきタスクは他のタスクの実行に妨げられることなく処理される。したがって、処理手段などのハードウェアの変更および処理速度やクロックの向上といった高性能化を伴うことなく、優先度に関わらずタスクを処理することにより動作の安定性を高めることができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、処理中断手段は、処理手段の処理能力を超える状態になると、二系統の音声出力手段および表示手段のうち一つの系統のタスクを中断する。例えば音声や映像が前席側および後席側のように二系統の表示手段や音声出力手段に提供されているとき、処理中断手段は、前席側または後席側のいずれかへの音声や映像の提供を中断する。これにより、処理手段の処理能力に余裕が生じ、処理手段の高性能化を伴うことなく安定した動作を確保することができる。
【0008】
請求項3記載の発明では、処理中断手段は処理手段で経路探索のタスクが実行されているときに処理手段の処理能力を超えると、ラジオチューナにおけるタスク、テレビチューナにおけるタスク、再生制御手段におけるタスク、およびナビゲーション手段による地図画像の描画のタスクのうち、いずれか一つ以上のタスクを中断する。ラジオ音声の再生、テレビ映像の再生、あるいは地図画像の表示などは一時的に中断しても、ユーザに大きな不便を与える可能性は低い。そのため、経路探索のタスクの実行のために処理手段に大きな負荷が加わるとき、これらのタスクを中断することにより、迅速に経路探索のタスクを実行する。したがって、ユーザへ与える不便を低減しつつ、処理手段の高性能化を伴うことなく安定した動作を確保することができる。
【0009】
請求項4記載の発明では、処理中断手段は、経路探索手段における音声案内のタスクが実行されているとき、テレビチューナにおける音声処理のタスク、および再生制御手段における音声処理のタスクのうち、いずれか一つ以上のタスクを中断する。音声案内を実行する場合、テレビチューナなどの音声は案内の音声と重複するため発生させる必要がない。そこで、音声案内のタスクを実行するとき、処理中断手段は重複する処理となる音声に関する処理を中断させる。したがって、ユーザへ与える不便を低減しつつ、処理手段の高性能化を伴うことなく安定した動作を確保することができる。
【0010】
請求項5記載の発明では、中断条件は条件入力手段から入力可能である。ユーザは、例えば前席側を優先するのか、後席側を優先するのかなどの中断条件を条件入力手段から入力する。これにより、処理手段の処理能力を超えたとき、処理中断手段が中断するタスクは、ユーザの所望に応じて変更される。したがって、ユーザへ与える不便を低減しつつ、処理手段の高性能化を伴うことなく安定した動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による車載装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態による車載装置におけるタスクの優先度および処理負荷を示す模式図
【図3】本発明の一実施形態による車載装置の条件テーブルを示す模式図
【図4】本発明の一実施形態による車載装置において前席優先での処理を説明する説明図
【図5】本発明の一実施形態による車載装置において後席優先での処理を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、車載装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて車載装置10の電気的な構成について説明する。
車載装置10は、前席側機器11および後席側機器12から構成されている。前席側機器11は、例えば車両のダッシュボードなどに搭載されているカーナビゲーション装置によって構成されている。また、後席側機器12は、例えば車両の後部座席の頭上や前部座席の背面などに搭載されている端末装置によって構成されている。
【0013】
前席側機器11は、処理部13、ラジオチューナ14、テレビチューナ15、再生処理部16、音声出力部17、表示部18、地図データ記憶部19、ナビゲーション部20、経路探索部21、処理中断部22、記憶部23、操作入力部24および車内通信部25を備えている。また、後席側機器12は、処理部26、音声出力部27、表示部28、操作入力部29および車内通信部30を有している。これら車載装置10の前席側機器11と後席側機器12とは、車内通信部25と車内通信部30とを接続する車内LAN31を利用して、操作信号や要求信号などの送信または受信が行われる。また、前席側機器11と後席側機器12とは、音声信号線32および映像信号線33でそれぞれ接続されている。これにより、前席側機器11で処理した音声信号は音声信号線32を経由して後席側機器12へ転送され、前席側機器11で処理した映像信号は映像信号線33を経由して後席側機器12へ転送される。
【0014】
処理部13は、CPU41、ROM42およびRAM43を有するマイクロコンピュータで構成されている。処理部13は、バス44を経由してラジオチューナ14、テレビチューナ15、再生処理部16、音声出力部17、表示部18、地図データ記憶部19、ナビゲーション部20、経路探索部21、処理中断部22、記憶部23、操作入力部24および車内通信部25に接続している。また、処理部26も、CPU45、ROM46およびRAM47を有するマイクロコンピュータで構成されており、バス48を経由して音声出力部27、表示部28、操作入力部29および車内通信部30に接続している。処理部13のCPU41は、ROM42または記憶部23に記憶されているコンピュータプログラムにしたがって前席側機器11および後席側機器12を含む車載装置10の全体を制御する。前席側機器11のナビゲーション部20の一部、経路探索部21および処理中断部22は、処理部13で実行されるコンピュータプログラムによってソフトウェア的に実現されている。なお、これらナビゲーション部20の一部、経路探索部21および処理中断部22は、ハードウェア的に実現してもよい。同様に、処理部26のCPU45は、ROM46に記憶されているコンピュータプログラムにしたがって後席側機器12の全体を制御する。この場合、処理部26は、後席側機器12の機能の実現に必要な最小限の処理をするにとどまる。そのため、後席側機器12で実現される機能の大部分は、前席側機器11の処理部13によって処理される。
【0015】
ラジオチューナ14は、図示しない検波回路、増幅回路、音声データ生成回路、およびこれらを制御する制御回路から構成されている。ラジオチューナ14は、公知のように検波回路および増幅回路によって車両の外部から受信したラジオ波について検波および増幅を行い、音声データ生成回路において、設定されたチャンネルのラジオ音声データを生成する。生成したラジオ音声データは、処理部13へ出力される。また、ラジオチューナ14は、操作入力部24からの選局信号の入力、または車内LAN31を経由して後席側機器12の操作入力部29からの選局信号の入力があると、入力された選局信号に対応するチャンネルへ変更する。
【0016】
テレビチューナ15は、図示しない検波回路、増幅回路、音声データ生成回路、映像データ生成回路、およびこれらを制御する制御回路から構成されている。テレビチューナ15は、公知のように検波回路および増幅回路によって車両の外部から受信したテレビジョン波について検波および増幅を行い、音声データ生成回路および映像データ生成回路において、設定されたチャンネルのテレビ音声データおよびテレビ映像データを生成する。生成したテレビ音声データおよびテレビ映像データは、処理部13へ出力される。また、テレビチューナ15は、操作入力部24からの選局信号の入力、または車内LAN31を経由して後席側機器12の操作入力部29からの選局信号の入力があると、入力された選局信号に対応するチャンネルへ変更する。
【0017】
再生処理部16は、例えばDVDやCDなどの記憶媒体を再生する図示しないDVDプレーヤおよびCDプレーヤを構成している。再生処理部16は、図示しないデータ読み取り回路、映像データ生成回路、音声データ生成回路、およびこれらを制御する制御回路から構成されている。再生処理部16は、公知のように、データ読み取り回路によって記憶媒体に記憶されたディジタルデータを読み取るとともに、映像データ生成回路および音声データ生成回路によって再生映像データおよび再生音声データを生成する。生成した再生映像データおよび再生音声データは、処理部13へ出力される。また、再生処理部16は、操作入力部24からの操作信号の入力、または車内LAN31を経由して後席側機器12の操作入力部29からの操作信号の入力があると、例えば再生や早送りなど入力された操作信号に対応する処理を行う。
【0018】
音声出力部17および音声出力部27は、いずれも図示しないスピーカおよび増幅回路を有している。音声出力部17は、処理部13から出力された各種の音声データを増幅回路で増幅した後、音声データに基づく音声をスピーカから発生させる。また、音声出力部27は、処理部13から出力され音声信号線32を経由して転送された各種の音声データを増幅回路で増幅した後、音声データに基づく音声をスピーカから発生させる。
【0019】
表示部18および表示部28は、図示しない表示パネルおよび表示制御回路を有している。表示パネルは、例えばカラー液晶パネルや有機ELパネルなどが用いられる。表示部18は、処理部13から出力された各種の映像データを表示制御回路で処理した後、映像データに基づく映像を表示パネルに表示させる。また、表示部28は、処理部13から出力され映像信号線33を経由して転送された各種の映像データを表示制御回路で処理した後、映像データに基づく映像を表示パネルに表示させる。
地図データ記憶部19は、表示部18に表示される地図画像の基となる地図データを記憶している。地図データは、複数のノードおよびノード同士をつなぐリンクにより形成された道路地図データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種のデータを記憶している。この地図データには、地名や施設名などが地点名として含まれている。
【0020】
ナビゲーション部20は、地図画像作成部51、GPS部52、車両信号取得部53、位置特定部54、経路探索部21および経路案内部55を有している。地図画像作成部51は、地図データ記憶部19に記憶されている地図データに基づいて地図画像を作成し、作成した地図画像を表示部18に表示させる。GPS部52は、GPS衛星から受信した信号に基づいて車載装置10が搭載された車両の現在位置を検出する。車両信号取得部53は、例えば車載装置10が搭載された車両の加速度や旋回角度などを検出することにより、GPS部52と協働して車載装置10が搭載された車両の現在位置を検出する。位置特定部54は、これらGPS部52および車両信号取得部53で検出した車両の現在位置を特定するとともに、特定した現在位置を表示部18に表示された地図画像に重ねて表示する。経路探索部21は、ナビゲーション部20に一体に構成され、位置特定部54で特定された車両の現在位置または操作入力部24から入力された出発地から、操作入力部24から入力された目的地までの経路を探索する。経路案内部55は、経路探索部21で探索した経路において車両の進路を変更すべき交差点や道路情報などを抽出し、抽出した交差点や道路情報に基づいて車両を目的地まで案内する。この場合、経路案内部55は、案内音声データを処理部13へ出力する。処理部13は、経路案内部55から取得した案内音声データを前席側機器11の音声出力部17へ転送する。
【0021】
記憶部23は、例えば不揮発性メモリやHDDなどの大容量の記憶媒体を有している。記憶部23は、車載装置10を実現するためのコンピュータプログラムなどを記憶している。この記憶部23は、地図データ記憶部19と一体に構成してもよい。また、記憶部23は、処理部13のROM42やRAM43とともに構成してもよい。
【0022】
操作入力部24および操作入力部29は、図示しない各種の入力スイッチを有している。操作入力部24および操作入力部29を構成するスイッチは、例えば表示部18または表示部28の周囲に設けられている機械的なスイッチ、および表示部18および表示部28と一体に構成されているタッチスイッチなどを有している。操作入力部24および操作入力部29は、車載装置10へ入力される車両の目的地、表示部18または表示部28の画面や機能の切り替えを行う各種コマンドの入力を受け付ける。表示態様の切り替えとは、例えば地図縮尺の変更、メニュー画面の選択、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正、ラジオチューナ14およびテレビチューナ15の選局、並びに音量や画質の変更などを含んでいる。この操作入力部24および操作入力部29は、特許請求の範囲の条件入力手段に相当する。
【0023】
次に、処理中断部22についてその機能とともに詳細に説明する。
(タスクの種類および優先順位)
処理中断部22における処理の説明に先立って、処理部13で処理されるタスクの種類および優先順位について説明する。図2に示すように、処理部13で処理されるタスクは、優先順位の高い方から順に、操作入力部制御タスク61、ラジオ制御タスク62、再生制御タスク63、テレビ制御タスク64、CD音声制御タスク65、DVD音声制御タスク66、DVD映像制御タスク67、テレビ音声制御タスク68、テレビ映像制御タスク69、現在地検出タスク71、経路探索タスク72、音声案内タスク73および地図画像描画タスク74が設定されている。これらのタスクの優先順位は、上記の例に限らず機器の性能や機能などに応じて適宜変更可能である。また、図2では、処理部13における処理の占有率すなわち処理部13の負荷の大きさを、各タスクの高さとして模式的に示している。例えば図2の場合、経路探索タスク72の負荷が最も大きく、DVD映像制御タスク67およびテレビ映像制御タスク69がこれに続く負荷の大きさとなっている。
【0024】
ここで、各タスクにおける処理の内容について簡単に説明する。操作入力部制御タスク61は、メカニカルスイッチやタッチスイッチとして操作される操作入力部24からの入力を受け付けて処理するタスクである。車載装置10の各機能は操作入力部24からの入力によって実行または停止されるため、操作入力部制御タスク61の優先順位は最も高く設定されている。ラジオ制御タスク62は、ラジオチューナ14における処理を含むタスクである。再生制御タスク63は、再生処理部16におけるDVDやCDの再生制御の処理を含むタスクである。テレビ制御タスク64は、テレビチューナ15における処理を含むタスクである。
【0025】
CD音声制御タスク65は、再生処理部16で再生されたCDの再生音声データの処理を含むタスクである。DVD音声制御タスク66は、再生処理部16で再生されたDVDの再生音声データの処理を含むタスクである。DVD映像制御タスク67は、再生処理部16で再生されたDVDの再生映像データの処理を含むタスクである。テレビ音声制御タスク68は、テレビチューナ15におけるテレビ音声データの処理を含むタスクである。テレビ映像制御タスク69は、テレビチューナ15におけるテレビ映像データの処理を含むタスクである。
【0026】
現在地検出タスク71は、ナビゲーション部20における車両の現在位置を検出する処理を含むタスクである。経路探索タスク72は、操作入力部24からの入力に基づいて出発地から目的地までの経路を探索するための経路探索部21における処理を含むタスクである。音声案内タスク73は、経路探索部21で探索された経路を音声で案内するための経路案内部55における処理を含むタスクである。地図画像描画タスク74は、地図データに基づいて地図画像を作成し、表示部18に表示させるための地図画像作成部51における処理を含むタスクである。
【0027】
(タスク中断条件)
次に、タスク中断条件の一例について図3に基づいて説明する。
記憶部23は、図3に示すようなタスク中断条件を含む条件テーブル80を記憶している。タスク中断条件は、処理部13において所定のタスクが実行されているとき、そのタスクごとに中断可能なタスクがテーブル化されている。具体的には、図3に示す条件テーブル80の場合、タスク中断条件は、自動選択条件81およびユーザ選択条件82を含んでいる。自動選択条件81は、処理部13において所定のタスクが実行されるとき、その所定のタスクに応じて自動的に中断可能なタスクが設定されている。
【0028】
例えば図3に示す条件テーブル80の場合、処理部13において経路探索タスク72が実行されるとき、テレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64からなるテレビ関連タスク群、DVD映像制御タスク67、DVD音声制御タスク66および再生制御タスク63からなるDVD再生タスク群、CD音声制御タスク65および再生制御タスク63からなるCD再生タスク群、ラジオ制御タスク62、並びに地図画像描画タスク74は、中断可能なタスクとして設定されている。また、条件テーブル80の場合、処理部13において音声案内タスク73が実行されるとき、テレビ音声制御タスク68、DVD音声制御タスク66およびCD音声制御タスク65は、中断可能なタスクとして設定されている。この自動選択条件81に設定されている各タスクは、図3に示す上方のタスクすなわちテレビ映像制御タスク69側ほど中断される優先度が高くなる。
【0029】
一方、ユーザ選択条件82は、前席側機器11を優先するのか、後席側機器12を優先するのかなど、ユーザの希望によって設定可能な条件である。例えば後席優先設定が「OFF」であれば、前席側機器11が優先され、後席側機器12の機能の一部が制限される。このユーザ選択条件82は、操作入力部24からの操作によってユーザが設定することができる。なお、このユーザ選択条件82は、一例であり、前席または後席側の機器の優先度だけでなく、その他の機能について優先する機能を設定する構成としてもよい。これらタスク中断条件は、自動選択条件81がユーザ選択条件82よりも優先して適用される。
【0030】
次に、上述のタスク中断条件に基づく処理中断部22の処理について詳細に説明する。
(前席側優先)
まず、ユーザ選択条件82として後席優先設定が「OFF」すなわち前席側機器11が優先されている場合を例に説明する。図4に示す例の場合、前席側機器11は、現在位置を地図画像に重ねて表示するナビゲーション機能、およびCDを再生するCD再生機能を実行している。また、後席側機器12は、テレビ放送を受信するテレビ機能が実行されている。そのため、前席側機器11の表示部18は現在位置を含む地図画像を表示し、後席側機器12の表示部28はテレビ画像を表示している。さらに、前席側機器11の音声出力部17は再生処理部16で再生されているCDの音声を発し、後席側機器12の音声出力部は表示部のテレビ画像にあわせたテレビ音声を発している。このように、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、処理部13は、図4に示すように優先順位の高いタスクから順に、操作入力部制御タスク61、再生制御タスク63、テレビ制御タスク64、CD音声制御タスク65、テレビ音声制御タスク68、テレビ映像制御タスク69、現在地検出タスク71および地図画像描画タスク74を実行している。
【0031】
そして、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、前席側機器11において経路探索が実行されたとする。経路探索を実行する場合、図2に示すように処理部13への負荷が大きな経路探索タスク72の実行が必要となる。そのため、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、これに加えて経路探索タスク72を実行すると、全タスクの処理は処理部13の処理能力を超えてしまう。
【0032】
そこで、処理中断部22は、上述のタスク中断条件に基づいて、経路探索タスク72の実行のために処理部13で処理されているタスクのうち一部のタスクについて処理を中断する。具体的には、処理中断部22は、図3に示すタスク中断条件を含む条件テーブル80から、経路探索タスク72を実行している際に停止可能なタスクを抽出する。この条件テーブル80によると、前席優先で経路探索タスク72を実行するとき、中断の優先順位により、テレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64については中断可能である。そのため、処理中断部22は、図4に示すように経路探索タスク72の実行直前に処理されていたタスクのうち、テレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64について処理部13での処理を中断する。その結果、前席側機器11は、表示部18に現在地を含む地図画像を表示しつつ、音声出力部17からCDで再生された音声を発する。これに対し、後席側機器12は、表示部28へのテレビ画像の表示を停止するとともに、音声出力部27からのテレビ音声の発生も停止する。すなわち、前席側機器11では表示部18に地図画像が表示されつつ音声出力部17からCDの音声が発させられるのに対し、後席側機器12では表示部28が黒画面となり音声出力部27が無音となる。このように、前席側を優先する場合、前席側機器11において経路探索が実行されたとき、後席側機器12におけるテレビ機能の実行は一時的に制限される。
【0033】
経路探索が終了すると、処理部13における経路探索タスク72も終了するため、処理中断部22は、処理部13における処理を経路探索前の状態に復帰させる。これにより、処理中断部22によって中断されたテレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64は、処理部13において再び処理が実行される。そのため、後席側機器12における表示部28へのテレビ画像の表示、および音声出力部27からのテレビ音声の発生が再開される。このように、前席側機器11における経路探索の実行にともなう後席側機器12のテレビ機能の制限は、一時的である。したがって、前席側機器11のタスクの実行のために後席側機器12の機能の一部を制限しても、後席側機器12のテレビ画像およびテレビ音声を視聴している後席側のユーザに与える不便は小さい。
【0034】
経路探索により案内すべき走行経路が探索されると、経路案内部55は車両の進路を変更すべき交差点などにおいて音声案内を実行する。音声案内を実行する場合、処理部13では新たに音声案内タスク73の実行が必要となる。そのため、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、これに加えて音声案内タスク73を実行すると、全タスクの処理は処理部13の処理能力を超えてしまう。
【0035】
そこで、処理中断部22は、上述のタスク中断条件に基づいて、音声案内タスク73の実行のために処理部13で処理されているタスクのうち一部のタスクについて処理を中断する。具体的には、処理中断部22は、図3に示すタスク中断条件を含む条件テーブル80から、前席優先で音声案内タスク73を実行している際に停止可能なタスクを抽出する。この条件テーブル80によると、音声案内タスク73を実行する場合、テレビ音声制御タスク68、DVD音声制御タスク66およびCD音声制御タスク65については中断可能である。ここで、音声案内タスク73を処理するための処理部13の負荷は、比較的小さい。そのため、これらテレビ音声制御タスク68、DVD音声制御タスク66およびCD音声制御タスク65のすべてを中断する必要はなく、これらのうちいずれか一つを中断すればよい。特に、音声案内は前席側機器11において実行され、前席側機器11は音声出力部17から音声案内タスク73で処理される音声を発する。そのため、前席側機器11は、その他の機能における音声に関するタスクを中断してもユーザに不便を与えることがない。そこで、処理中断部22は、前席優先の場合、図4に示すように音声案内タスク73の実行直前に処理されていたタスクのうち、前席側機器11の音声に関するタスクであるCD音声制御タスク65を中断する。その結果、前席側機器11は、表示部18に現在位置を含む地図画像を表示しつつ、音声出力部17から音声案内の音声を発する。これに対し、後席側機器12は、機能の制限が加えられないため、表示部28でテレビ画像が表示され、音声出力部27から音声が発せられる。
【0036】
音声案内が終了すると、処理部13における音声案内タスク73も終了するため、処理中断部22は、処理部13における処理を音声案内前の状態に復帰させる。これにより、処理中断部22によって中断されたCD音声制御タスク65は、処理部13において再び処理が実行される。そのため、前席側機器11におけるCDの音声の発生が再開される。このように、前席側機器11における音声案内の実行にともなう前席側機器11のCD再生機能の制限は、一時的である。また、音声案内およびCDの再生は、いずれも音声を発する処理である。そのため、音声案内の際にCDの再生による音声の発生を中断することにより、ユーザは音声案内をより確認しやすくなる。したがって、前席側機器11のタスクの実行のために前席側機器11の機能の一部を制限しても、前席側機器11のナビゲーション機能を利用しているユーザに与える不便は小さい。
【0037】
(後席側優先)
次に、ユーザ選択条件として後席優先設定が「ON」すなわち後席側機器12が優先されている場合を例に説明する。図5に示す例の場合、上記の前席側優先の説明と同様に、前席側機器11は、現在位置を地図画像に重ねて表示するナビゲーション機能、およびCDを再生するCD再生機能を実行している。また、後席側機器12は、テレビ放送を受信するテレビ機能を実行している。そのため、前席側機器11の表示部18は現在位置を含む地図画像を表示し、後席側機器12の表示部28はテレビ画像を表示している。さらに、前席側機器11の音声出力部17は再生処理部16で再生されているCDの音声を発し、後席側機器12の音声出力部27は表示部28のテレビ画像にあわせたテレビ音声を発している。このように、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、処理部13は、図5に示すように優先順位の高いタスクから順に、操作入力部制御タスク61、再生制御タスク63、テレビ制御タスク64、CD音声制御タスク65、テレビ音声制御タスク68、テレビ映像制御タスク69、現在地検出タスク71および地図画像描画タスク74を実行している。
【0038】
そして、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、前席側機器11において経路探索が実行されたとする。経路探索を実行する場合、図2に示すように処理部13への負荷が大きな経路探索タスク72の実行が必要となる。そのため、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、これに加えて経路探索タスク72を実行すると、全タスクの処理は処理部13の処理能力を超えてしまう。
【0039】
そこで、処理中断部22は、上述のタスク中断条件に基づいて、経路探索タスク72の実行のために処理部13で処理されているタスクのうち一部のタスクについて処理を中断する。具体的には、処理中断部22は、図3に示すタスク中断条件を含む条件テーブル80から、経路探索タスク72を実行している際に停止可能なタスクを抽出する。この条件テーブル80によると、後席優先で経路探索タスク72を実行するとき、中断の優先順位により、テレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64については中断可能である。しかし、後席優先の場合、後席側機器12ではテレビ機能が実行されるため、これらテレビ映像制御タスク69、テレビ音声制御タスク68およびテレビ制御タスク64は中断することができない。そのため、処理中断部22は、条件テーブル80から後席側機器12の機能の実行を妨げないために、中断の優先順位に基づいて再生制御タスク63およびCD音声制御タスク65、並びに地図画像描画タスク74の中断を抽出する。これにより、処理中断部22は、図5に示すように経路探索タスク72の実行直前に処理されていたタスクのうち、再生制御タスク63、CD音声制御タスク65および地図画像描画タスク74について処理部13での処理を中断する。その結果、前席側機器11は、表示部18への地図画像の表示を停止するとともに、音声出力部17からのCDの再生音声の発生も停止する。すなわち、前席側機器11では表示部18が黒画面となり音声出力部17が無音となる。これに対し、後席側機器12は、表示部28にテレビ画像を表示しつつ、音声出力部27からテレビ音声を発する。このように、後席側を優先する場合、前席側機器11において経路探索が実行されたとき、前席側機器11におけるナビゲーション機能およびCD再生機能の実行は一時的に制限される。
【0040】
経路探索が終了すると、処理部13における経路探索タスク72も終了するため、処理中断部22は、処理部13における処理を経路探索前の状態に復帰させる。これにより、処理中断部22によって中断された再生制御タスク63、CD音声制御タスク65および地図画像描画タスク74は、処理部13において再び処理が実行される。そのため、前席側機器11における表示部18への地図画像の表示、および音声出力部17からのCD音声の発生が再開される。このように、前席側機器11における経路探索の実行にともなう前席側機器11のナビゲーション機能およびCD再生機能の制限は、一時的である。また、経路探索タスク72の実行中に、前席側機器11の表示部18が黒画面となり、音声出力部17が無音となっても前席側のユーザに与える影響は小さい。したがって、前席側のユーザに与える不便は小さい。
【0041】
経路探索により案内すべき走行経路が探索されると、経路案内部55は車両の進路を変更すべき交差点などにおいて音声案内を実行する。音声案内を実行する場合、処理部13では新たに音声案内タスク73の実行が必要となる。そのため、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能を実行し、後席側機器12でテレビ機能を実行しているとき、これに加えて音声案内タスク73を実行すると、全タスクの処理は処理部13の処理能力を超えてしまう。
【0042】
そこで、処理中断部22は、上述のタスク中断条件に基づいて、音声案内タスク73の実行のために処理部13で処理されているタスクのうち一部のタスクについて処理を中断する。具体的には、処理中断部22は、図3に示すタスク中断条件を含む条件テーブル80から、後席優先で音声案内タスク73を実行している際に停止可能なタスクを抽出する。この条件テーブル80によると、音声案内タスク73を実行する場合、テレビ音声制御タスク68、DVD音声制御タスク66およびCD音声制御タスク65については中断可能である。ここで、音声案内タスク73を処理するための処理部13の負荷は、比較的小さい。そのため、これらテレビ音声制御タスク68、DVD音声制御タスク66およびCD音声制御タスク65のすべてを中断する必要はなく、これらのうちいずれか一つを中断すればよい。特に、音声案内は前席側機器11において実行され、前席側機器11は音声出力部17から音声案内タスク73で処理される音声を発する。そのため、前席側機器11は、その他の機能における音声に関するタスクを中断してもユーザに不便を与えることがない。そこで、処理中断部22は、後席優先の場合、上述の前席優先の場合と同様に図5に示すように音声案内タスク73の実行直前に処理されていたタスクのうち、前席側機器11の音声に関するタスクであるCD音声制御タスク65を中断する。その結果、前席側機器11は、表示部18に現在地を含む地図画像を表示しつつ、音声出力部17から音声案内の音声を発する。これに対し、後席側機器12は、機能の制限が加えられないため、表示部28でテレビ画像が表示され、音声出力部27から音声が発せられる。
【0043】
音声案内が終了すると、処理部13における音声案内タスク73も終了するため、処理中断部22は、処理部13における処理を音声案内前の状態に復帰させる。これにより、処理中断部22によって中断されたCD音声制御タスク65は、処理部13において再び処理が実行される。そのため、前席側機器11におけるCDの音声の発生が再開される。このように、前席側機器11における音声案内の実行にともなう前席側機器11のCD再生機能の制限は、一時的である。また、音声案内およびCDの再生は、いずれも音声を発する処理である。そのため、音声案内の際にCDの再生による音声の発生を中断することにより、ユーザは音声案内をより確認しやすくなる。したがって、前席側機器11のタスクの実行のために前席側機器11の機能の一部を制限しても、前席側機器11のナビゲーション機能を利用しているユーザに与える不便は小さい。
【0044】
以上説明したように、一実施形態では、処理中断部22は、処理部13における複数のタスクの実行が処理部13の処理能力を超えるとき、タスクの優先順位に関わらず、実行されている複数のタスクのうち中断条件に該当するタスクを中断する。この中断条件は、予め中断条件を含む条件テーブル80として設定されている。例えばワゴン車などの大型の車両では、前席側および後席側の双方に表示部18、28を備える場合がある。このように二つ以上の表示部18、28に接続されている車載装置10の場合、一方の表示部における表示を中断しても問題が生じない場合がある。一実施形態で説明したように、優先度に関わらず処理部13で処理すべきタスクに応じて中断条件に合致するタスクの処理を適宜中断することにより、処理部13に要求される性能は機能の追加に応じて高める必要がない。その結果、一時的にタスクの一部が中断し車載装置10における一部の機能が制限されるものの、処理部13の処理速度やクロックの向上といったハードウェアの変更を必要としない。また、タスクの優先度に関わらず、必要とされるタスクは他のタスクの実行に妨げられることなく処理される。したがって、処理部13などのハードウェアの変更および高性能化を伴うことなく、優先度に関わらずタスクを処理することにより動作の安定性を高めることができる。
【0045】
また、一実施形態では、中断条件のうちユーザ選択条件82は操作入力部24から入力可能である。ユーザは、例えば前席側を優先するのか、後席側を優先するのかなど、中断条件のうちユーザ選択条件82について操作入力部24から入力する。これにより、処理部13の処理能力を超えるとき、処理中断部22が中断するタスクは、ユーザの所望に応じて変更される。したがって、ユーザへ与える不便を低減しつつ、処理部13の高性能化を伴うことなく安定した動作を確保することができる。
【0046】
(その他の実施形態)
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
すなわち、上述の一実施形態では、前席側機器11でナビゲーション機能およびCD再生機能が実行され、後席側機器12でテレビ機能が実行されているとき、これに加えて経路探索タスク72および音声案内タスク73が実行される例を説明した。しかし、上記のタスクの実行例は本発明の趣旨を説明するための一例であって、処理中断部22によって中断されるタスクは、例えば前席側機器11で実行されている機能、後席側機器12で実行されている機能、処理部13の処理能力、車載装置10が実行可能なタスクの種類などによって当然に任意な設定が可能であり、上記の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
図面中、10は車載装置、13は処理部(処理手段)、14はラジオチューナ、15はテレビチューナ、16は再生処理部(再生制御手段)、17、27は音声出力部(音声出力手段)、18、28は表示部(表示手段)、19は地図データ記憶部(地図データ記憶部)、20はナビゲーション部(ナビゲーション手段)、21は経路探索部(経路探索手段)、22は処理中断部(処理中断手段)、24、29は操作入力部(条件入力手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジオ波を受信して再生するラジオチューナと、
テレビジョン波を受信して再生するテレビチューナと、
映像または音声が記憶された記憶媒体の再生を制御する再生制御手段と、
前記ラジオチューナ、前記テレビチューナおよび前記再生制御手段で生成された音声信号に基づいて音声を発する音声出力手段と、
前記テレビチューナおよび前記再生制御手段で生成された映像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される地図画像の基となる地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
自身の現在地を検出するとともに、検出した前記現在地を前記表示手段に表示された地図に重ねて表示するナビゲーション手段と、
予め設定された手順によって経路を探索し、探索した前記経路を前記表示手段に表示された地図に重ねて表示する経路探索手段と、
前記ラジオチューナ、前記テレビチューナ、前記再生制御手段、前記表示手段、前記ナビゲーション手段および前記経路探索手段を制御し、予め設定されている優先順位にしたがって前記ラジオチューナにおけるタスク、前記テレビチューナにおけるタスク、前記再生制御手段におけるタスク、前記表示手段におけるタスク、前記ナビゲーション手段におけるタスクおよび前記経路探索手段におけるタスクのうち、一つ以上のタスクを実行する処理手段と、
前記処理手段における複数のタスクの実行が前記処理手段の処理能力を超えると、タスクの優先順位に関わらず、前記処理手段で実行されている複数のタスクのうち予め設定された中断条件に該当するタスクを中断する処理中断手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
それぞれ二系統の前記音声出力手段および前記表示手段を備え、
前記処理中断手段は、二系統の前記音声出力手段および前記表示手段のいずれか一つの系統のタスクを中断することを特徴とする請求項1記載の車載装置。
【請求項3】
前記処理中断手段は、前記処理手段で前記経路探索手段における経路探索のタスクが実行されているとき、前記ラジオチューナにおけるタスク、前記テレビチューナにおけるタスク、前記再生制御手段におけるタスク、および前記ナビゲーション手段による前記表示手段に対する地図画像の描画のタスクのうち、いずれか一つ以上のタスクを中断することを特徴とする請求項1または2記載の車載装置。
【請求項4】
前記処理中断手段は、前記処理手段で経路探索手段における音声案内のタスクが実行されているとき、前記テレビチューナにおける音声処理のタスク、および前記再生制御手段における音声処理のタスクのうち、いずれか一つ以上のタスクを中断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の車載装置。
【請求項5】
前記処理中断手段における前記中断条件の入力を受け付ける条件入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−110955(P2011−110955A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266190(P2009−266190)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】