説明

転写装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】転写装置における中間転写ベルトの搬送をガイドするガイド部材の損傷や剥がれを抑制し、中間転写ベルトの蛇行を防止して高品位の画像形成を実現できる転写装置及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100に用いられる転写部6であって、感光体ドラム3上に形成されたトナー像が一時的に転写される中間転写ベルト61と、中間転写ベルト61を張架するローラ部材と、中間転写ベルト61の搬送をガイドする帯状のガイド部材610とを備える転写部6において、ガイド部材610は、端部611,612を突合わせて連続的に構成され、端部611,612は、ベルト進行方向に対する垂直面611a1,611a2,612a1,612a2と傾斜面611b,612bとを備え、端部611,612を突合わせた状態で、垂直面同士と傾斜面同士が対向して配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置及びこれを用いる画像形成装置に係り、特に、電子写真方式によりトナーを用いて画像形成を行う静電複写機、レーザープリンタ及びファクシミリ等の画像形成装置に採用されて無端ベルトにより像担持体の周面上に形成されたトナー像を転写する転写装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ及びファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラム(トナー像担持体)の表面に静電潜像を形成し、現像装置によって感光体ドラムに対してトナーを供給して前記静電潜像を現像し、現像によって感光体ドラムに形成されたトナー像を用紙等のシートに転写して、定着装置によってシートにトナー像を定着させるようになっている。
【0003】
画像形成装置における画像形成方式には、直接記録媒体に画像を形成する方式と、一端中間転写媒体に画像を形成した後に記録媒体に転写する、いわゆる中間転写方式が知られている。中間転写方式による画像形成装置では、中間転写媒体である中間転写ベルトとして無端ベルトがよく用いられる。
【0004】
中間転写ベルトを用いた画像形成装置では、感光体ドラムの周面上に形成された像は一時的に中間転写ベルトに転写される。特に、モノクロ・カラー併設機では、各色用の複数の感光体ドラムが中間転写ベルトに沿って配置され、各感光体ドラムから中間転写ベルトに各色のトナー像が重ね合わさるように順次転写される。そして、中間転写ベルト上に形成されたトナー像は用紙に転写される。
【0005】
上述のような画像形成装置に用いられる中間転写ベルトは、一般に、射出成形された後、ブロー成形または型成形によって所定の薄さおよび長さに延ばされることによって形成される。
【0006】
しかし、このように形成された中間転写ベルトは、樹脂体と樹脂体に混入される導電部材との分布の不均一性によって各部で膨張係数が異なるため、ベルトの周長が幅方向の各部で僅かに異なる。
【0007】
そのため、中間転写ベルトは、ベルト幅方向の各部における周長差や中間転写ベルトを張架するローラ部材(駆動ローラ、従動ローラなど)の寸法精度や取り付け精度のバラツキによって回転走行時に蛇行するという問題が生じる。
【0008】
そこで、中間転写ベルトの蛇行を防止するために、図13(a),(b)に示すように、中間転写ベルト61の搬送をガイドするガイド部材として、中間転写ベルト61の内周面にベルト幅方向の両端部に沿って「ビード」と呼ばれる連続した突起物(以下、「ビード」と称する。)6610を設け、中間転写ベルト61を張架するローラ部材の両側面に沿ってそれぞれビード6610を摺接させることによって中間転写ベルト61の搬送をガイドして、中間転写ベルト61の蛇行を防止する技術が知られている。
【0009】
無端状の中間転写ベルト61にビード6610を設ける際は、帯状のビード6610の両端部6611,6612を突合わせて連続的に構成している。従来のビード6610の突合せ部は、通常、中間転写ベルトの進行方向(移動方向)に対して垂直な面(以下、「垂直面」と称する。)6611a,6612aのみで構成されている。
【0010】
しかしながら、ビード6610の突合せ部が垂直面6611a,6612aのみで構成されていると、ローラ部材へのビード6610の乗り上げが発生しやすいという課題がある。これは、ビード6610の突合せ部の隙間全体とローラ部材とが平行な状態になり、ローラ部材が突合せ部の隙間に入り込み易くなるからである。
【0011】
また、ビード6610の突合わせ部がローラ部材の端部に当接すると、突合わせ部の端部が変形したり、剥がれやすくなるという問題が生じる。
【0012】
そこで、上記問題を解消するために、従来技術として、図14(a),(b)に示すように、中間転写ベルト61の搬送をガイドするビード7610a,7610bの両端部7611a,7612a及び7611b,7612bの突合せ部を中間転写ベルト61の進行方向に対して傾斜した傾斜面7611a1,7612a1及び7611b1,7612b1で形成したものが開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平4−242280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1のように、ビード7610a,7610bのそれぞれの突合せ部が中間転写ベルト61の進行方向に対して傾斜した傾斜面7611a1,7612a1及び7611b1,7612b1のみで構成されていると、傾斜先端部の接着強度が十分保持できずビード7610a,7610bが剥がれる可能性が高いという問題がある。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、中間転写ベルトの搬送をガイドするガイド部材の損傷や剥がれを抑制し、中間転写ベルトの蛇行を防止して高品位の画像形成を実現できる転写装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するための本発明に係る転写装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0017】
本発明は、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に用いられる転写装置であって、感光体ドラム上に形成されたトナー像が一時的に転写される無端ベルトと、前記無端ベルトを張架するローラ部材と、前記無端ベルトの前記ローラ部材と対向する側面に設けられて前記ローラ部材のローラ幅方向端部に沿って前記無端ベルトの搬送をガイドする帯状のガイド部材とを備える転写装置において、前記ガイド部材の構成を、前記ガイド部材の端部同士を突合わせて連続的に構成し、前記端部の構成として、ベルト進行方向に対して垂直な垂直面と傾斜した傾斜面とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明は、前記垂直面を前記傾斜面の少なくとも一端側に形成することが好ましい。
【0019】
また、本発明は、前記垂直面を前記端部の前記傾斜面により先細りとなる部分に形成することが好ましい。つまり、前記端部の先端部が鋭角にならないように前記垂直面を形成する。
【0020】
また、本発明は、前記垂直面を前記端部のベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に形成することが好ましい。
【0021】
また、本発明は、前記端部の構成として、ベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に、ベルト進行方向に対して傾斜した第2の傾斜面、または、曲面(例えば、R形状の面)を備えることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、前記端部の形状を、端部同士を突合わせた状態で、一端部の形状が対向する他端部の形状と点対称の形状で形成することが好ましい。
【0023】
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、前記感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記転写装置として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の転写装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に用いられる転写装置であって、感光体ドラム上に形成されたトナー像が一時的に転写される無端ベルトと、前記無端ベルトを張架するローラ部材と、前記無端ベルトの前記ローラ部材と対向する側面に設けられて前記ローラ部材のローラ幅方向端部に沿って前記無端ベルトの搬送をガイドする帯状のガイド部材とを備える転写装置において、前記ガイド部材の構成を、前記ガイド部材の端部同士を突合わせて連続的に構成し、前記端部の構成として、ベルト進行方向に対して垂直な垂直面と傾斜した傾斜面とを備えることで、前記ガイド部材の強度(例えば、前記ガイド部材を接着にて取付ける場合には接着強度)を確保することができるとともに、前記ガイド部材が前記ローラ部材に乗り上げることを防止できる。これにより、前記ガイド部材が損傷したり、剥がれたりすることを抑制でき、無端ベルトの蛇行を防止して高品位の画像形成を実現できる。
【0025】
また、本発明によれば、前記垂直面を前記傾斜面の少なくとも一端側に形成することで、前記傾斜面の端部付近の強度を確保することができるので、ガイド部材が剥がれることを抑制することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記垂直面を前記端部の前記傾斜面により先細りとなる部分に形成する、つまり、前記端部の先端部が鋭角にならないように前記垂直面を形成することで、前記端部の形状が先細りであっても強度を確保することができる。
【0027】
また、本発明によれば、前記垂直面を前記端部のベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に形成することで、ガイド部材の強度を確保しながら、前記ガイド部材が前記ローラ部材に乗り上げることを抑制できる。
【0028】
また、本発明によれば、前記端部の構成として、ベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に、ベルト進行方向に対して傾斜した第2の傾斜面、または、曲面(例えば、R形状の面)を備えることで、前記端部の側端部へのローラ部材によるダメージを軽減することができ、前記ガイド部材が前記ローラ部材に乗り上げることを抑制できる。
【0029】
また、本発明によれば、前記端部の形状を、端部同士を突合わせた状態で、一端部の形状が対向する他端部の形状と点対称の形状で形成することで、前記無端ベルトへのガイド部材を取付ける際に、前記ガイド部材の向きを考慮する必要がないので、作業の高効率化が可能となる。
【0030】
また、本発明によれば、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、前記感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記転写装置として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の転写装置を用いることで、前記転写装置を構成する無端ベルトの蛇行を防止して高品位の画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る転写装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】本実施形態の転写部の構成を示す説明図である。
【図3】前記転写部を構成する中間転写ベルトとローラ部材との位置関係を示す説明図である。
【図4】(a)は前記中間転写ベルトと前記ガイド部材の構成を示す内周面側から見た図2のA矢視図、(b)は図4(a)のB矢視図である。
【図5】図4(a)のC部の詳細を示す部分拡大図である。
【図6】前記ガイド部材の構成を示す断面図である。
【図7】前記ガイド部材の端部の形状の一例を示す説明図である。
【図8】第1実施形態に係るガイド部材の変形例を示す説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るガイド部材の構成を示す説明図である。
【図10】第2実施形態に係るガイド部材の変形例1を示す説明図である。
【図11】第2実施形態に係るガイド部材の変形例2を示す説明図である。
【図12】第2実施形態に係るガイド部材の変形例3を示す説明図である。
【図13】(a)は従来の中間転写ベルトとガイド部材の構成を示す内周面側から見た説明図、(b)は図13(a)のD矢視図である。
【図14】(a)は従来のその他の中間転写ベルトとガイド部材の構成を示す内周面側から見た説明図、(b)は図14(a)のE矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る転写装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0033】
第1実施形態は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、感光体ドラム3表面のトナー像を用紙(記録媒体)に転写する転写部(転写装置)6と、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着ユニット(定着装置)7とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、転写部6の構成として、本発明に係る転写装置の構成を採用したものである。
【0034】
まず、第1実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、図1に示すように、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙(例えば、記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0035】
装置本体110は、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、転写部6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0036】
装置本体110の上部に設けられた画像読取り部90の上側には、原稿が載置される透明ガラスからなるプラテンガラス(原稿載置台)92が設けられ、そのプラテンガラス92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。
【0037】
自動原稿処理装置120は、プラテンガラス92の上に自動で原稿を搬送する。
また、自動原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、プラテンガラス92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0038】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。
従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0039】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器を用いても良い。
【0040】
露光ユニット1は、外部から入力した画像データまたは原稿から読み取って得られた画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム3の表面に形成する画像書込み装置であり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたLSU(レーザスキャニングユニット)として構成される。また、露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。
【0041】
また、露光ユニット1としては、上述した構成の他に発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0042】
このように構成された露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。
【0043】
現像装置2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。
【0044】
感光体ドラム3は、円筒状を呈し、露光ユニット1の上方に配設され、その表面がクリーナユニット4によりクリーニングされ、クリーニングされた表面が帯電器5により均一に帯電される。
【0045】
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0046】
感光体ドラム3の上方に配置されている転写部6は、無端状の中間転写ベルト(無端ベルト)61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
【0047】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動するように構成されている。
【0048】
中間転写ベルト61は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成され、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。
【0049】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。
【0050】
各中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61に対して感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与えるようにされている。詳しくは、中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0051】
中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。尚、第1実施形態では、転写電極としてローラ形状の中間転写ローラ64を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0052】
上述したように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト61上に積層される。積層された画像情報としてのトナー像は、中間転写ベルト61とともに搬送されて、搬送される用紙と中間転写ベルト61との接触位置(2次転写位置,所定位置)に移動し、この接触位置に配置されている転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0053】
この時、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは、所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナー像を用紙に転写させるための2次転写バイアスが印加される。この2次転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0054】
さらに、上記所定ニップを定常的に得るために、2次転写位置にて中間転写ベルト61に圧接する転写ローラ10もしくは2次転写位置にて中間転写ベルト61の裏側に圧接する中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0055】
上述した転写工程において、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われずに中間転写ベルト61に残存したトナーは、次工程で形成されるトナー像に対してトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように構成されている。
【0056】
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、中間転写ベルト61が搬送される経路上で、中間転写ベルト搬送方向において転写ローラ10より下流側で感光体ドラム3よりも上流側に設けられている。
【0057】
中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触して中間転写ベルト61の表面をクリーニングするクリーニング部材としてクリーニングブレード65aが具備されている。クリーニングブレード65aが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0058】
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、装置本体110の外側部には、外側より用紙を供給可能な手差し給紙カセット82が設けられている。
この手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を複数枚積載することができる。装置本体110の上方には、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するための排紙トレイ91が設けられている。
【0059】
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の用紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81乃至手差し給紙カセット82から排紙トレイ91に到る用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0060】
搬送ローラ12a〜12dは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。尚、搬送ローラ12bは、用紙を排紙トレイ91に排出する排紙ローラとして機能するため、排紙ローラと称する。
【0061】
ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0062】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。すなわち、レジストローラ13によって、搬送される用紙上の所定の位置に中間転写ベルト61上のトナー像が転写されるように整合される。
【0063】
定着ユニット7は、定着ローラ70として1対のヒートローラ71と加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転搬送するようになっている。
【0064】
ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、対向して配置されて、ヒートローラ71と加圧ローラ72との圧接箇所には、定着ニップ部が形成されている。
【0065】
ヒートローラ71は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって温度制御される。この制御部は、ヒートローラ71の周囲に設けられたヒートローラ71の温度と検出する図示しない温度検出器(非接触式のサーミスタ)からの検出信号に基づいてヒートローラ71の表面温度が160〜200℃の範囲となるように制御する。
【0066】
また、ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71には、図1に示すように、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0067】
一方、加圧ローラ72も、ヒートローラ71と同様に円筒状の金属製の芯金の周面に弾性層が設けられて構成されている。そして、ヒートローラ71に対して所定の圧力で当接されるようになっている。
【0068】
次に、第1実施形態に係る特徴的な転写部(転写装置)6の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図2は第1実施形態の転写部の構成を示す説明図、図3は前記転写部を構成する中間転写ベルトとローラ部材との位置関係を示す説明図、図4(a)は前記中間転写ベルトと前記ガイド部材の構成を示す内周面側から見た図2のA矢視図、図4(b)は図4(a)のB矢視図、図5は図4(a)のC部の詳細を示す部分拡大図、図6は前記ガイド部材の構成を示す断面図である。
【0069】
第1実施形態の転写部6は、図2に示すように、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64等の複数のローラ部材によって中間転写ベルト61を張架して回転駆動させている。
【0070】
中間転写ベルト61には、それぞれのローラ部材と内接する内周面側のベルト幅方向両端部に帯状のガイド部材610(610a,610b)が貼り付けられている。
【0071】
ガイド部材610は、図3に示すように、中間転写ベルト61の内周面側に突出して設けられ、それぞれのローラ部材(例えば、中間転写ベルト駆動ローラ62)の軸線方向端部に沿って中間転写ベルト61が搬送されるようにガイドする。図中の符号62aはガイド部材610の搬送を補助するカラー、62bは回転軸を示す。
このように構成することで、ガイド部材610(610a,610b)により中間転写ベルト61の蛇行を抑制することができる。
【0072】
ここで、第1実施形態の特徴的なガイド部材610の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0073】
ガイド部材610は、図4(a)に示すように、中間転写ベルト61の内周面側のベルト幅方向両端部(リア側及びフロント側)にガイド部材610a,610bが設けられている。詳しくは、ガイド部材610a,610bは、帯状の部材で形成され、それぞれの端部611,612及び端部613,614を突合わせて連続的に構成されている。すなわち、ガイド部材610a,610bは、無端状の中間転写ベルト61に沿って無端状に構成されている。
【0074】
ガイド部材610a,610bは、中間転写ベルト61の進行方向に沿って対称な形状で形成されているため、ガイド部材610aを例に挙げて説明する。
【0075】
ガイド部材610aは、図4(a),図5に示すように、中間転写ベルト61の内周面に沿って端部611,612を突き当てた状態で、見かけ上連続的に且つ無端状に設けられている。
【0076】
端部611には、ベルト進行方向(矢印X方向)に対して傾斜した傾斜面611bが形成されている。傾斜面611bは、端部611がベルト幅方向(矢印Y方向)の外側に向かって先細りになるように形成されている。
【0077】
また、端部611には、傾斜面611bを挟んでベルト進行方向に対して垂直な垂直面611a1,611a2がベルト幅方向両側部に形成されている。
【0078】
垂直面611a1は、端部611が先細りとなる傾斜面611bの一端側に連続して、その一端側から端部611のベルト幅方向一側部(外側)611s1に渡り形成されている。
【0079】
垂直面611a2は、傾斜面611bの他端側に連続して、その他端側から端部611のベルト幅方向他側部(ローラ部材側)611s2に渡り形成されている。
【0080】
端部611,612とは、図5に示すように、点対称の形状で形成される。
従って、端部612には、端部611と同じ様に、ベルト進行方向に対して傾斜した傾斜面612bと、傾斜面612bを挟んでベルト進行方向に対して垂直な垂直面612a1,612a2が形成されている。垂直面612a1,612a2は、ベルト幅方向両側部に形成されている。
【0081】
傾斜面612bは、傾斜面611bとは逆に、端部612がベルト幅方向の内側(ローラ部材側)に向かって先細りになるように形成されている。
【0082】
垂直面612a1は、端部612が先細りとなる傾斜面612bの一端側に連続して、その一端側から端部612のベルト幅方向他側部(ローラ部材側)612s2に渡り形成されている。
【0083】
垂直面612a2は、傾斜面612bの他端側に連続して、その他端側から端部612のベルト幅方向一側部(外側)612s1に渡り形成されている。
【0084】
以上のように構成された端部611,612を突合わせた状態で、垂直面611a1,611a2と垂直面612a1,612a2、及び傾斜面611b,612bとが対向して配置されている。
【0085】
ガイド部材610の構造は、一例として、図6に示すように、基材610BSとして硬度がアスカ−Cで66のエステル系ウレタンが用いられている。そして、ガイド部材610aは、専用の冶具を用いて両面テープ610TPにより中間転写ベルト61に接着される。
本実施形態では、両面テープ610TPとして、共同技研化学株式会社製、300A系の両面テープを用いている。
【0086】
他方、ガイド部材610bは、図4(a)に示すように、ガイド部材610aと同様に、端部613,614には垂直面、傾斜面が点対称で形成されている。そして、ガイド部材610aと同様に、端部613,614を突合わせた状態で、垂直面同士及び傾斜面同士とが対向して配置されている。
【0087】
ここで、ガイド部材610aを例に挙げて、ガイド部材の形状について具体的に説明する。図7は第1実施形態に係るガイド部材の端部の形状の一例を示す説明図である。
【0088】
ガイド部材610aの端部611の形状は、図7に示すように、ガイド部材の幅をt、垂直面611a1の幅をa1、垂直面611a2の幅をa2、傾斜面611bの長さをbとして、それぞれの値の関係を以下の関係式(1),(2),(3)を満足させるものとすることが好ましい。
【0089】
すなわち、
1.5(mm)≦a1<0.5t・・・(1)
a1≦a2<0.5t ・・・(2)
0.8t≦b ・・・(3)
とする。
【0090】
このような範囲でガイド部材610aの端部611の形状を設定することで、ローラ部材へのガイド部材610の乗り上げ及びガイド部材610の剥がれを効果的に抑制することできる。
【0091】
また、図5に示すように、ガイド部材610の垂直面611a1,612a2の突合わせ部の隙間と垂直面611a2,612a1との突合せ部の隙間をd1、傾斜面611b,612bとの突合せ部の隙間をd2とすると、0mm<d1≦4.0mm、0mm<d2≦2.0mm、となるよう中間転写ベルト61とガイド部材610の周長を設定することが好ましい。
【0092】
詳しくは、突合せ部の隙間d1が0mmになると、中間転写ベルト61がローラ部材の周面(曲面)上で突合わせ部が盛り上がってローラ部材に乗り上げてしまい、中間転写ベルト61にかかる圧力が不均一になる。これは画質の低下に大きく影響する。
また、突合せ部の隙間d1,d2がd1>4.0mmもしくはd2>2.0mmになると、隙間d1,d2が広すぎるため、ガイド部材610がずれてローラ部材上に乗り上げる危険性が高くなる。
【0093】
以上のように構成したので、第1実施形態によれは、ガイド部材610の端部611,612に垂直面611a1,611a2,612a1,612a2及び傾斜面611b,612bを形成し、端部611,612を突き当てて無端状に構成することにより、中間転写ベルト61と端部611,612との間に十分な接着強度を確保することができる。これは、従来の中間転写ベルトの進行方向に対して傾斜した傾斜面のみで形成したガイド部材と比較して、ガイド部材の先端の接着面積が拡大するからである。
【0094】
また、第1実施形態によれば、ガイド部材610の端部611,612に形成した傾斜面611b,612bによってローラ部材へのガイド部材610の乗り上げを防止できる。これは、従来の中間転写ベルトの進行方向に対して垂直な垂直面のみで形成したガイド部材において、ローラ部材への乗り上げの要因となっていたローラ部材と平行な隙間部分を傾斜面611b,612bによって小さくして、ローラ部材に乗り上げないよう連続的に壁部を造ることができるからである。
【0095】
尚、第1実施形態では、ガイド部材610は、端部611において、傾斜面611bを挟んで垂直面611a1,611a2を形成しているが、本発明は、突合わせる端部に傾斜面と垂直面を設けるものであれば良く、傾斜面と垂直面を形成する面の数に限定されるものではない。
【0096】
例えば、変形例として、図8に示すように、ガイド部材1610の端部1611,1612に傾斜面1611b,1612bを形成するとともに、傾斜面1611b,1612bによって先細りとなる部分のみに垂直面1611a1,1612a1を形成したものであっても良い。このように構成することで、第1実施形態のガイド部材610と同様な効果を奏し得る。
【0097】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図9は本発明の第2実施形態に係るガイド部材の構成を示す説明図である。
尚、第2実施形態に係るガイド部材が採用される転写装置及びこれを用いる画像形成装置の構成は、ガイド部材の構成を除き第1実施形態の転写部6及び画像形成装置100と同様な構成を備えるものであるため説明を省略する。
【0098】
第2実施形態に係るガイド部材2610は、図9に示すように、第1実施形態とガイド部材610同様に、端部2611,2612を突合わせて連続的に、且つ、無端状の中間転写ベルト61に沿って無端状に構成されている。
尚、ガイド部材2610において、第1実施形態に係るガイド部材610と同一の構成を有するものは同一の符号を付することで説明を省略する。
【0099】
端部2611には、ベルト進行方向(矢印X方向)に対して傾斜した傾斜面2611bが形成されている。傾斜面2611bは、端部2611がベルト幅方向(矢印Y方向)の外側に向かって先細りになるように形成されている。
【0100】
また、端部2611には、傾斜面2611bを挟んでベルト進行方向に対して垂直な垂直面2611a1,2611a2がベルト幅方向両側部に形成されている。垂直面2611a2のベルト幅方向一側部(外側)2611s1には、ベルト搬送方向(矢印X方向)に対して傾斜した第2の傾斜面2611cが形成されている。
【0101】
垂直面2611a1は、端部2611が先細りとなる傾斜面2611bの一端側に連続して、その一端側から端部2611のベルト幅方向一側部2611s1に渡り形成されている。
【0102】
垂直面2611a2は、傾斜面2611bの他端側に連続して、その他端側から端部611のベルト幅方向他側部(ローラ部材側)2611s2に渡り形成されている。
【0103】
端部2611,2612とは、図9に示すように、点対称の形状で形成される。
従って、端部2612には、端部2611と同じ様に、ベルト進行方向に対して傾斜した傾斜面2612bと、傾斜面2612bを挟んでベルト進行方向に対して垂直な垂直面2612a1,2612a2が形成されている。
【0104】
垂直面2612a1,2612a2は、ベルト幅方向両側部に形成されている。
垂直面2612a2のベルト幅方向他側部(ローラ部材側)2612s2には、ベルト搬送方向(矢印X方向)に対して傾斜した第2の傾斜面2612cが形成されている。
【0105】
傾斜面2612bは、傾斜面2611bとは逆に、端部2612がベルト幅方向の内側に向かって先細りになるように形成されている。
垂直面2612a1,2612a2は、ベルト幅方向両側部に形成されている。垂直面2612a2のベルト幅方向他側部(ローラ部材側)2612s2には、ベルト搬送方向(矢印X方向)に対して傾斜した第2の傾斜面2612cが形成されている。
【0106】
以上のように構成された端部2611,2612を突合わせた状態で、垂直面2611a1,2611a2と垂直面2612a1,2612a2、及び傾斜面2611b,2612bとが対向して配置されている。
【0107】
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、ガイド部材2610の両端部2611,2612に、第2の傾斜面2611c,2612cを備えることで、ローラ部材へのガイド部材2610の乗り上げ防止効果がさらに期待できる。これは、ローラ部材端部とガイド部材2610に端部2611,2612との間に第2の傾斜面2611c,2612cを設けることで、ローラ部材端部が衝突することによるガイド部材2610の端部2611,2612の側端部へのダメージを軽減することができるからである。
【0108】
また、第2実施形態によれば、ガイド部材2610の両端部2611,2612を点対称の形状で形成したので、中間転写ベルト61へガイド部材2610を取付ける際に、ガイド部材2610の向きを考慮する必要がないので、作業の高効率化が可能となる。
【0109】
尚、第2実施形態では、ガイド部材2610は、端部2611,2612において、第2の傾斜面2611c,2612cを形成しているが、本発明は、ガイド部材の端部において、ベルト幅方向側部の少なくともローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に、ベルト進行方向に対して傾斜した第2の傾斜面、または、曲面を備えるものであれば良く、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0110】
以下に、第2実施形態に係るガイド部材2610の変形例を示す。
図10は第2実施形態に係るガイド部材の変形例1を示す説明図、図11は前記ガイド部材の変形例2を示す説明図、図12は前記ガイド部材の変形例3を示す説明図である。
尚、変形例のガイド部材においては、第2実施形態に係るガイド部材2610と同様の構成、機能を有するものは説明を省略し、構成、機能の異なる部分のみ説明するものとする。
【0111】
(変形例1)
変形例1のガイド部材3610は、図10に示すように、端部同士を突合わせて連続的に、且つ、無端状の中間転写ベルト61に沿って無端状に構成される端部3611,3612において、端部3612の垂直面3612a1のベルト幅方向他側部3612s2にのみ、ベルト搬送方向に対して傾斜した第2の傾斜面3612cを形成したものである。
【0112】
このように構成することで、一方の端部3612にのみ第2の傾斜面3612cを形成するだけで、他の部位の強度を低下させることなく、ガイド部材3610がローラ部材に乗り上げることを抑制できる。
【0113】
(変形例2)
変形例2のガイド部材4610は、図11に示すように、端部同士を突合わせて連続的に、且つ、無端状の中間転写ベルト61に沿って無端状に構成される端部4611,4612において、端部4612の垂直面4612a1のベルト幅方向他側部4612s2にのみ、前述した第2の傾斜面2612c,3612cに換えてR形状の曲面4612rを形成したものである。
【0114】
このように構成することで、上述した第2の傾斜面2612c,3612cを形成する場合と同様に、曲面4612rにより他の部位の強度を低下させることなく、ガイド部材4610がローラ部材に乗り上げることを抑制できる。
【0115】
(変形例3)
変形例3のガイド部材5610は、図12に示すように、端部同士を突合わせて連続的に、且つ、無端状の中間転写ベルト61に沿って無端状に構成される端部5611,5612において、端部5612の垂直面5612a1のベルト幅方向他側部4612s2、及び端部5611の垂直面5611a1のベルト幅方向一側部(外側)5611s1に、前述した第2の傾斜面2611c,2612cに換えてR形状の曲面5611r,5612rを形成したものである。そして、端部5611,5612は、点対称の形状で形成される。
【0116】
このように構成することで、上述した第2の傾斜面2611c,2612cを備えた場合と同様な効果を奏し得る。また、ガイド部材5610の両端部5611,5612を点対称の形状で形成したので、中間転写ベルト61へガイド部材5610を取付ける際に、ガイド部材5610の向きを考慮する必要がないので、作業の高効率化が可能となる。
【0117】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0118】
例えば、上述した実施形態では、カラー用の画像形成装置(複合機、プリンタなど)に本発明が適用されているが、無端状の中間転写ベルトを用いて画像形成を行うものであれば、モノクロ用の画像形成装置等のその他の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 露光ユニット(露光装置)
2 現像装置
3 感光体ドラム
5 帯電器(帯電装置)
6 転写部(転写装置)
7 定着ユニット(定着装置)
61 中間転写ベルト
62 中間転写ベルト駆動ローラ(ローラ部材)
62a カラー
62b 回転軸
63 中間転写ベルト従動ローラ(ローラ部材)
64 中間転写ローラ(ローラ部材)
100 画像形成装置
610,610a,610b,1610,
2610,3610,4610,5610 ガイド部材
610BS 基材
610TP 両面テープ
611,612,613,614,1611,1612,2611,
2612,3611,3612,4611,4612,5611,5612 端部
611a1,611a2,612a1,612a2,
2611a1,2611a2,2612a1,2612a2,
3612a1,4612a1,5611a1,5612a1 垂直面
611b,612b,1611b,1612b,2611b,2612b 傾斜面
2611c,2612c,3612c 第2の傾斜面
4612r,5611r,5612r 曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に用いられる転写装置であって、感光体ドラム上に形成されたトナー像が一時的に転写される無端ベルトと、前記無端ベルトを張架するローラ部材と、前記無端ベルトの前記ローラ部材と対向する側面に設けられて前記ローラ部材のローラ幅方向端部に沿って前記無端ベルトの搬送をガイドする帯状のガイド部材とを備える転写装置において、
前記ガイド部材は、前記ガイド部材の端部同士を突合わせて連続的に構成され、
前記端部は、ベルト進行方向に対して垂直な垂直面と傾斜した傾斜面とを備えることを特徴とする転写装置。
【請求項2】
前記垂直面は、前記傾斜面の少なくとも一端側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
【請求項3】
前記垂直面は、前記端部の前記傾斜面により先細りとなる部分に形成されることを特徴とする請求項2に記載の転写装置。
【請求項4】
前記垂直面は、前記端部のベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に形成されることを特徴とする請求項3に記載の転写装置。
【請求項5】
前記端部は、ベルト幅方向側部の少なくとも前記ローラ部材のローラ幅方向端部と対向する側部に、ベルト進行方向に対して傾斜した第2の傾斜面、または、曲面を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の転写装置。
【請求項6】
前記端部は、端部同士を突合わせた状態で、一端部の形状が対向する他端部の形状と点対称の形状で形成されることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の転写装置。
【請求項7】
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラム表面を帯電させる帯電装置と、前記感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体ドラム表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記転写装置として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の転写装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−286570(P2010−286570A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138796(P2009−138796)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】