説明

近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法

【課題】より安価に地域のセキュリティを確保するシステムを構築すること。
【解決手段】端末161、5、6と、階層構造に配置された複数の中継装置3−1〜3−n、4−1〜4−mと、センター装置2とを備えている。端末161、5、6は、固有のヘルプIDを格納し、ボタンを有し、ボタンの押下に応答してヘルプIDを電波により送信する。複数の中継装置3−1〜3−n、4−1〜4−mの各々は、ヘルプIDを受信したとき、センター装置2からの予めの指示または転送制限回数に基づいてヘルプIDがお茶を淹れるセンター装置2に送信されるように、ヘルプIDを中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法に関し、特に、地域のセキュリティを確保するときに利用される近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
治安の悪化、犯罪の凶悪化、犯罪者の低年化が社会問題となり、セキュリティを確保することが望まれている。警備業者は、独自のコンピュータシステムを構築して、契約したユーザに安全な生活を提供している。このようなシステムは、特定の個人または企業を対象としたものであり、地域に密着したものではない。より安価に構築することができ、より安価に安全な生活を提供することができるセキュリティシステムが望まれている。
【0003】
ユーザがそのシステムを用いて警備会社に通報して、警備員が現場に到着するまでには、概ね15分程度かかる。複数の事件が同時期に発生したときには、警備員が駆けつけてくれる保証はない。また、犯罪が発生しても、犯人から開放されてからではないと、被害者は通報することができない。より速く誰かが現場に到着することができるシステムが望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、より安価に地域のセキュリティを確保する近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法を提供することにある。
本発明の課題は、所望の連絡先に容易に連絡することができ、より安価に地域のセキュリティを確保する近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法を提供することにある。
本発明の課題は、より確実にボランティアを呼ぶことができ、より安価に地域のセキュリティを確保する近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法を提供することにある。
本発明の課題は、自治体から発令された緊急情報を安価に知ることができ、より安価に地域のセキュリティを確保する近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法を提供することにある。
本発明の課題は、システムの障害をより速く解消することができ、より安価に地域のセキュリティを確保する近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0006】
本発明による近隣セキュリティシステム(1)は、固有のヘルプIDを格納し、ボタン(15、16、17)を有する端末(161、5、6)と、階層構造に配置された複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)と、センター装置(2)とを備えている。端末(161、5、6)は、ボタンの操作に応答してヘルプIDを電波により送信する。複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、それぞれ、端末(161、5、6)または複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの他の中継装置から受信電波を受信したときに、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの更に他の中継装置またはセンター装置(2)にその受信電波が示すIDを送信する。さらに、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)の各々は、ヘルプIDを受信したとき、センター装置(2)からの予めの指示または転送制限回数に基づいてヘルプIDが階層構造内を複数のルートを介してセンター装置(2)に送信されるように、ヘルプIDを中継する。
【0007】
複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、公衆回線網を介してセンター装置(2)に接続される複数の第1中継装置(3−1〜3−n)と、電波を介して第1中継装置(3−1〜3−n)に接続される複数の第2中継装置(4−1〜4−m)とを含んでいる。複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置は、ヘルプIDを示す他の電波を出力し、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)のうちの他の電波を受信した中継装置は、公衆回線網を介してセンター装置(2)にヘルプIDを送信する。
【0008】
センター装置(2)は、IDを連絡先に対応付ける連絡先データベース(81)を備えている。連絡先データベース(81)を参照して、連絡先のうちのヘルプIDに対応するヘルプ連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知する。
【0009】
複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置は、ヘルプIDを示す他の電波を出力し、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの他の電波を受信した中継装置は、ヘルプIDを示す更に他の電波を出力し、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)のうちの更に他の電波を受信した中継装置は、公衆回線網(7)を介してセンター装置(2)にヘルプIDを送信する。
【0010】
ヘルプ連絡先は、複数の連絡先からなり、センター装置(2)は、端末(161、5、6)が備えている。複数ボタン(15、16、17)を連絡先の種類に対応付けるボタンデータベース(82)を更に備えている。ボタンデータベース(82)を参照して、ヘルプ連絡先のうちのボタン(15、16、17)に対応する種類の連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知する。
【0011】
他の端末(161、5、6)を更に備えている。センター装置(2)は、ボタン(15、16、17)の操作を複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)に配信し、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、電波を介してボタン(15、16、17)の操作を他の端末(161、5、6)に配信する。
【0012】
センター装置(2)は、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)がそれぞれ配置される位置を記録する中継装置データベース(83)を備えている。中継装置データベース(83)を参照して、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置の位置に基づいて端末(161、5、6)が配置される端末位置を推測し、その端末位置をヘルプ連絡先に更に通知する。
【0013】
端末(161、5、6)は、第1電波を介してヘルプIDを出力し、第1電波より電波強度が小さい第2電波を介してヘルプIDを出力する。このとき、センター装置(2)は、中継装置データベース(83)を参照して、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの第1電波を受信した中継装置の位置と複数の中継装置のうちの第2電波を受信した中継装置の位置とに基づいて端末位置を推測する。
【0014】
センター装置(2)は、その端末位置を複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)に配信し、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、その端末位置を表示し、電波を介してその端末位置を他の端末(161、5、6)に配信し、他の端末(161、5、6)は、その端末位置を表示する。
【0015】
センター装置(2)は、ボランティアの連絡先を記録する守護者データベース(84)を備えている。守護者データベース(84)を参照して、連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知する。守護者データベース(84)は、連絡先を時間帯に更に対応付けている。このとき、センター装置(2)は、守護者データベース(84)を参照して、その時間帯にのみその連絡先にボタンの操作を通知する。
【0016】
センター装置(2)は、公衆に発令される緊急情報を収集し、公衆回線網(7)を介して複数の第1中継装置(3−1〜3−n)に緊急情報を配信し、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)は、緊急情報を表示し、電波を介して複数の第2中継装置(4−1〜4−m)に配信し、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)は、緊急情報を表示する。
【0017】
複数の第2中継装置(4−1〜4−m)は、電波を介して緊急情報を端末(161、5、6)に配信し、端末(161、5、6)は、緊急情報を表示する。
【0018】
センター装置(2)は、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)にチェック指示を配信し、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)は、センター装置(2)からチェック指示を受信したときに、当該複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が正常に動作するかどうかを示すチェック結果をセンター装置(2)に返信し、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)にチェック指示を配信し、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)は、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)からチェック指示を受信したときに、当該複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が正常に動作するかどうかを示すチェック結果を複数の第1中継装置(3−1〜3−n)に返信し、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)は、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)から受信したチェック結果をセンター装置(2)に転送する。
【0019】
本発明による端末(161、5、6)は、本発明による近隣セキュリティシステム(1)に適用されているものである。本発明による端末(6)は複数の電子機器がケースに収納される端末本体(201)と、端末本体(201)から突出している輪(202)とを備えている。このとき、端末(6)は、輪(202)にストラップ(203)を取り付けることができ、ユーザは、そのストラップ(203)を用いて容易に端末(6)を携帯することができる。その輪(202)は、導体から形成され、電波を発振するアンテナに用いられる。端末(6)は、輪(202)をアンテナに兼用することにより、電波の放射効率(感度)をよくしつつ、端末(6)の端末本体(201)を小型化することができる。
【0020】
輪(202)は、端末本体(201)から引かれることを検出し、ボタン(15)として用いられる。ユーザは、たとえば、ストラップ(203)を首にかけて端末(6)を携帯しているときに、端末(6)の端末本体(201)を下に引っ張ることにより容易にボタン(15)を操作することができる。
【0021】
本発明による端末(6)は、電話回線網を介してその電話回線網に接続される電話機と通話する機能を備えていることが好ましい。本発明による端末(6)は、その電話回線網に接続される所定の装置(2)から通信を要求されたときに、着信音を鳴らさないで、検出された音を電話回線網を介して所定の装置(2)に送信することが好ましい。
【0022】
本発明による端末(6)は、センタ装置(2)から所定の情報を受信し、かつ、所定の操作がされたときに、電波の出力を停止することが好ましい。
【0023】
本発明による端末(161、5、6)は、ボタン(17)の操作に応答して警報音を発するブザーを更に備えている。本発明による端末(161、5、6)は、固有のヘルプIDを示す電波の受信に応答してヘルプ電波を出力することが好ましい。本発明による中継装置(3−i、4−j)は、本発明による近隣セキュリティシステム(1)に適用されているものである。本発明による中継装置(3−i)は、端末(161、5、6)の機能を更に有し、端末(161、5、6)と兼用されることが好ましい。
【0024】
本発明による近隣セキュリティ方法は、固有のヘルプIDを格納し、ボタン(15、16、17)を有する端末(161、5、6)と、階層構造に配置された複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)と、センター装置(2)とを備えている近隣セキュリティシステム(1)により実行される。本発明による近隣セキュリティ方法は、端末(161、5、6)が、ボタン(15、16、17)の操作に応答してヘルプIDを電波により送信するステップと、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)の各々が、ヘルプIDを受信したとき、ヘルプIDが階層構造内を複数のルートを介してセンター装置(2)に送信されるように、ヘルプIDを中継するステップとを備えている。
【0025】
複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、公衆回線網(7)を介してセンター装置(2)に接続される複数の第1中継装置(3−1〜3−n)と、電波を介して第1中継装置(3−1〜3−n)に接続される複数の第2中継装置(4−1〜4−m)とを含んでいる。本発明による近隣セキュリティ方法は、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置が、ヘルプIDを示す他の電波を出力するステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)のうちの他の電波を受信した中継装置は、公衆回線網を介してセンター装置(2)にヘルプIDを送信するステップとを更に備えている。
【0026】
センター装置(2)は、IDを連絡先に対応付ける連絡先データベース(81)を備えている。本発明による近隣セキュリティ方法は、センター装置(2)が、連絡先データベース(81)を参照して、連絡先のうちのヘルプIDに対応するヘルプ連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知するステップをさらに備えている。
【0027】
本発明による近隣セキュリティ方法は、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)は、公衆回線網(7)を介してセンター装置(2)に接続される複数の第1中継装置(3−1〜3−n)と、電波を介して第1中継装置(3−1〜3−n)に接続される複数の第2中継装置(4−1〜4−m)とを含んでいる。更に、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置が、ヘルプIDを示す他の電波を出力するステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)のうちの他の電波を受信した中継装置が、公衆回線網(7)を介してセンター装置(2)にヘルプIDを送信するステップとを備えている。
【0028】
本発明による近隣セキュリティ方法は、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置が、ヘルプIDを示す他の電波を出力ステップと、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)のうちの他の電波を受信した中継装置が、ヘルプIDを示す更に他の電波を出力ステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)のうちの更に他の電波を受信した中継装置が、公衆回線網(7)を介してセンター装置(2)にヘルプIDを送信するステップとを更に備えている。
【0029】
ヘルプ連絡先は、複数の連絡先からなり、センター装置(2)は、端末(161、5、6)が備えている複数ボタン(15、16、17)を連絡先の種類に対応付けるボタンデータベース(82)を更に備えている。このとき、本発明による近隣セキュリティ方法は、センター装置(2)が、ボタンデータベース(82)を参照して、ヘルプ連絡先のうちのボタン(15、16、17)に対応する種類の連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知するステップを更に備えている。
【0030】
近隣セキュリティシステムは、他の端末(161、5、6)を更に備えている。このとき、本発明による近隣セキュリティ方法は、更に、センター装置(2)が、ボタン(15、16、17)の操作を複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)に配信するステップと、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)が、電波を介してボタン(15、16、17)の操作を他の端末(161、5、6)に配信するステップとを備えている。
【0031】
センター装置(2)は、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)がそれぞれ配置される位置を記録する中継装置データベース(83)を備えている。このとき、本発明による近隣セキュリティ方法は、更に、センター装置(2)が、中継装置データベース(83)を参照して、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの電波を受信した中継装置の位置に基づいて端末(161、5、6)が配置される端末位置を推測するステップと、センター装置(2)が、端末位置をヘルプ連絡先に更に通知するステップとを備えている。
【0032】
端末(161、5、6)は、第1電波を介してヘルプIDを出力し、第1電波より電波強度が小さい第2電波を介してヘルプIDを出力する。このとき、センター装置(2)は、中継装置データベース(83)を参照して、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)のうちの第1電波を受信した中継装置の位置と複数の中継装置のうちの第2電波を受信した中継装置の位置とに基づいて端末位置を推測する。
【0033】
本発明による近隣セキュリティ方法は、センター装置(2)が、端末位置を複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)に配信するステップと、複数の中継装置(3−1〜3−n、4−1〜4−m)が、端末位置を表示し、電波を介して端末位置を他の端末(161、5、6)に配信するステップと、他の端末(161、5、6)が、端末位置を表示するステップとを更に備えている。
【0034】
センター装置(2)は、ボランティアの連絡先を記録する守護者データベース(84)を備えている。このとき、本発明による近隣セキュリティ方法は、更に、守護者データベース(84)を参照して、連絡先にボタン(15、16、17)の操作を通知するステップを備えている。守護者データベース(84)は、連絡先を時間帯に更に対応付けている。このとき、センター装置(2)は、守護者データベース(84)を参照して、その時間帯にのみその連絡先にボタンの操作を通知する。
【0035】
本発明による近隣セキュリティ方法は、センター装置(2)が、公衆に発令される緊急情報を収集するステップと、センター装置(2)が、公衆回線網(7)を介して複数の第1中継装置(3−1〜3−n)に緊急情報を配信するステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が、緊急情報を表示し、電波を介して複数の第2中継装置(4−1〜4−m)に配信するステップと、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)が、緊急情報を表示するステップとを更に備えている。
【0036】
本発明による近隣セキュリティ方法は、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)が、電波を介して緊急情報を端末(161、5、6)に配信するステップと、端末(161、5、6)が、緊急情報を表示するステップとを更に備えている。
【0037】
本発明による近隣セキュリティ方法は、センター装置(2)が、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)にチェック指示を配信するステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が、センター装置(2)からチェック指示を受信したときに、当該複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が正常に動作するかどうかを示すチェック結果をセンター装置(2)に返信し、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)にチェック指示を配信するステップと、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)が、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)からチェック指示を受信したときに、当該複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が正常に動作するかどうかを示すチェック結果を複数の第1中継装置(3−1〜3−n)に返信するステップと、複数の第1中継装置(3−1〜3−n)が、複数の第2中継装置(4−1〜4−m)から受信したチェック結果をセンター装置(2)に転送するステップとを更に備えている。
【発明の効果】
【0038】
本発明による近隣セキュリティシステム及び近隣セキュリティ方法は、より安価に地域のセキュリティを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図面を参照して、本発明による近隣セキュリティシステムの実施の形態を説明する。その近隣セキュリティシステム1は、図1に示されているように、複数の情報処理装置(コンピュータ)が階層化されて、互いに情報を伝送することができるように接続されている。その複数の情報処理装置は、センター装置2とGM送受信機3−1〜3−n(n=2,3,4,…)とMS送受信機4−1〜4−m(m=2,3,4,…)とシニア端末5とキッズ端末6と一般端末161とから形成されている。シニア端末5とキッズ端末6と一般端末161とは、近隣セキュリティシステム1に複数が設けられている。
【0040】
センター装置2は、近隣セキュリティシステム1の管理業者により使用される。その管理業者としては、民間業者、区市町村に例示される地方公共団体、WPO等が例示される。その複数の情報処理装置は、区市町村に例示される地域に分散されて配置されている。たとえば、GM送受信機3−1〜3−nは、それぞれ、その地域にある複数の町内会の町内会長の住宅に設置され、その地域にある交番に設置される。MS送受信機4−1〜4−mは、それぞれ、その地域に住む一部の住民の住民宅に設置され、その住民により携帯されることもできる。シニア端末5は、それぞれ、その地域に一人暮しする老人に携帯される。キッズ端末6は、その地域に住む児童またはその地域の学校に通学する児童に携帯され、または、その地域に住む女性またはその地域の職場に通勤する女性に携帯される。一般端末161は、その地域にいるボランティアに携帯される。
【0041】
センター装置2とGM送受信機3−1〜3−nとは、インターネット7を介して双方向に情報を伝送することができるように接続されている。このとき、センター装置2は、その地域以外の任意の場所に設置されることもできる。GM送受信機3−i(i=1,2,3,…,n)とMS送受信機4−1〜4−mのうちの一部とは、電波8を介して双方向に情報を伝送することができるように接続されている。MS送受信機4−1〜4−mは、電波8を介して、互いに双方向に情報を伝送することができるように接続されている。なお、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとは、有線により互いに双方向に情報を伝送することができるように接続されることもできる。MS送受信機4−1〜4−mは、有線により互いに双方向に情報を伝送することができるように接続されることもできる。
【0042】
MS送受信機4−j(j=1,2,3,…,m)は、電波9を介して、シニア端末5から出力される情報を受信することができるようにシニア端末5に接続されている。MS送受信機4−jは、キッズ端末6から出力される情報を受信することができるようにキッズ端末6に接続されている。MS送受信機4−jは、一般端末161から出力される情報を受信することができるように一般端末161に接続されている。電波8、9としては、無線LANに利用されている周波数帯域の電波が例示され、IEEE802.11bにより規定される電波が例示される。このような電波8によれば、通信する2つの送受信機は、間隔が屋内で約100m以内、屋外で約300m以内であるときに、通信可能である。MS送受信機4−1〜4−mがより多く設置することができるときには、電波8による通信可能範囲をより狭く約50m以内に設定することができる。
【0043】
近隣セキュリティシステム1は、さらに、警察162と病院163と自治体164とに接続されている。警察162と病院163と自治体164とは、インターネット7を介してセンター装置2と通信可能に接続されている。自治体164は、地震などの災害が発生したときに、その災害を詳細に示す緊急情報を各端末にインターネット7を介して送信する。
【0044】
図2は、一般端末161を示している。一般端末161は、一般端末本体10と入力装置11と電源装置12とアンテナ13とディスプレイ14とを備えている。入力装置11は、緊急ボタン15とナースコールボタン16とヘルプボタン17とを備えている。一般端末161を携帯するユーザは、たとえば、住宅に不審者が侵入したときに一般端末161の緊急ボタン15を押下する。そのユーザは、持病の発作が発生したときに、ナースコールボタン16を押下する。そのユーザは、近隣の住民に手伝って欲しいことが発生したときに、ヘルプボタン17を押下する。電源装置12は、電池を備え、その電池が生成する直流電力を一般端末本体10に供給する。その電池は、通常使用で一般端末161を電池交換なしに2〜3年間使用することができるようにすることが好ましい。しかし、電池の容量が大きくなりすぎる場合には、小型の電池を使用してもよい。アンテナ13は、一般端末本体10により生成された情報を電波に変換して出力する。
【0045】
一般端末本体10は、クロック回路21とEEPROM22とRAM23とホストインターフェースハードウェア24とエンベデッドCPU25とメディアアクセスコントローラ26とベースバンドプロセッサ27とRF28とを備えている。クロック回路21は、EEPROM22とRAM23とホストインターフェースハードウェア24とエンベデッドCPU25とメディアアクセスコントローラ26とベースバンドプロセッサ27とRF28とに22MHzのクロック信号を供給する。EEPROM22は、電気的に記録された情報を消去できるようにした不揮発性半導体メモリである。EEPROM22は、電波を介して情報を伝送する動作に必要である情報を記録して、その情報をメディアアクセスコントローラ26の要求によりメディアアクセスコントローラ26に出力する。EEPROM22は、さらに、一般端末161を識別するIDを記録し、そのIDをエンベデッドCPU25の要求によりエンベデッドCPU25に出力する。RAM23は、エンベデッドCPU25により利用される情報を一時的に記録する。ホストインターフェースハードウェア24は、入力装置11に入力される情報をエンベデッドCPU25により利用可能な信号に変換する。ホストインターフェースハードウェア24は、さらに、エンベデッドCPU25により生成された画面をディスプレイ14に表示可能な信号に変換して出力する。エンベデッドCPU25は、一般端末161にインストールされているコンピュータプログラムを実行し、入力装置11と電源装置12とアンテナ13とディスプレイ14とを制御する。メディアアクセスコントローラ26は、エンベデッドCPU25により生成される情報を、電波を介して伝送することに適したフォーマットに変換する。メディアアクセスコントローラ26は、アンテナ13により受信したフレームをオペランド解析してエンベデッドCPU25により処理可能なフォーマットの情報に変換する。ベースバンドプロセッサ27は、メディアアクセスコントローラ26により生成された情報をベースバンド処理が可能な周波数帯域に変換してRF28に出力する。RF28は、ベースバンドプロセッサ27により生成された信号に基づいて、エンベデッドCPU25により生成される情報を示す電波をアンテナ13に出力させる。RF28は、さらに、アンテナ13により受信したフレームから雑信号を除去してメディアアクセスコントローラ26に出力する。
【0046】
RAM23とホストインターフェースハードウェア24とエンベデッドCPU25とメディアアクセスコントローラ26とベースバンドプロセッサ27は、1つの半導体チップ29に搭載されている。このような半導体チップは、周知であり、たとえば、テキサス・インスツルメンツ社製のTNETW1100Bが例示される。
【0047】
キッズ端末6とシニア端末5とは、一般端末161と同様に構成されている。なお、キッズ端末6とシニア端末5とは、電波の受信機能を除く構造が適用されることもできる。シニア端末5は、さらに、ディスプレイ14を除く構造が適用されることもできる。キッズ端末6は、さらに、ディスプレイ14を除く構造が適用されることもでき、入力装置11として緊急ボタン15のみを備える構造を適用されることもできる。このようなキッズ端末6とシニア端末5とは、製造コストが安価であり好ましい。キッズ端末6は、さらに、ブザーを備えている。そのブザーは、緊急ボタン15が押下されることに応答して、警報音を発する。このとき、キッズ端末6は、防犯ブザーとして利用されることもできる。
【0048】
図3は、一般端末161、シニア端末5またはキッズ端末6にインストールされるコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラムは、IDデータベース151とボタン監視部152とヘルプ電波出力部153とタイマ部154と電波出力計数部155とを備えている。IDデータベース151は、シニア端末5またはキッズ端末6のユーザの氏名とを記録している。ボタン監視部152は、緊急ボタン15とナースコールボタン16とヘルプボタン17とが押下されたかどうかを常時監視する。
【0049】
ヘルプ電波出力部153は、ボタン監視部152によりボタンの押下が検出されたときに、所定の期間に所定の回数だけヘルプ電波を出力する。そのヘルプ電波は、複数種類の電波強度で出力される。そのヘルプ電波は、押下されたボタンとEEPROM22に記録されているIDとIDデータベース151に記録されているユーザの氏名と出力される電波強度とを示している。ヘルプ電波出力部153は、さらに、センター装置2から送信される情報を受信し、かつ、一般端末161、シニア端末5またはキッズ端末6に所定の操作が施されたときに、そのヘルプ電波を停止する。タイマ部154は、ボタン監視部152によりボタンの押下が検出されてからの時間を測定し、その測定結果に基づいて所定のタイミングを示す信号を出力する。電波出力計数部155は、ヘルプ電波出力部153によるヘルプ電波の出力の回数を計数し、その回数を出力する。
【0050】
すなわち、タイマ部154は、ボタン監視部152によりボタンの押下が検出されたタイミングと、その直後のタイミングから1秒おきの複数のタイミングとを出力する。ヘルプ電波出力部153は、タイマ部154により出力されたタイミングでヘルプ電波を出力する。ヘルプ電波出力部153は、電波出力計数部155によりそのヘルプ電波の出力が5回を計数するまで、ヘルプ電波を繰り返して出力する。このような電波の出力によれば、異なる2つのシニア端末5が概ね同時にボタンを押下されたときに、そのヘルプ電波が重なって受信機に受信されて適切に検波し復調することができなくなる確率が小さくなり好ましい。
【0051】
図4は、キッズ端末6がボタンの押下に応答して電波を発信するタイミングを示している。キッズ端末6がその電波を出力する期間は、第1期間141と第2期間142と第3期間143とから形成されている。第1期間141は、緊急ボタン15が押下された時刻144から1時間後の時刻145までの期間である。第2期間142は、時刻145から、時刻144から1日後の時刻145までの期間である。第3期間143は、時刻145以降の期間である。
【0052】
すなわち、キッズ端末6にインストールされるタイマ部154は、ボタン監視部152により緊急ボタン15の押下が検出された時刻144から1時間後の時刻145を検出し、時刻144から1日後の時刻146を検出して、第1期間141と第2期間142と第3期間143とを設定する。タイマ部154は、さらに、第1期間141に5分間隔の複数のタイミングを示す信号を出力し、第2期間142に30分間隔の複数のタイミングを示す信号を出力し、第3期間143に60分間隔の複数のタイミングを示す信号を出力する。キッズ端末6にインストールされるヘルプ電波出力部153は、ボタン監視部152により緊急ボタン15の押下が検出されたときに、MS送受信機4−1〜4−mにキッズ端末6のIDとユーザの氏名とを通知する通信を試行する。この試行は、通信が成立するまで繰り返して実行される。すなわち、ヘルプ電波出力部153は、タイマ部154により出力されたタイミングで複数のヘルプ電波を出力する。その複数のヘルプ電波は、強ヘルプ電波と中ヘルプ電波と弱ヘルプ電波とから形成されている。その強ヘルプ電波は、所定の電波強度で出力される。その中ヘルプ電波は、その強ヘルプ電波が出力された直後に、その強ヘルプ電波が出力される電波強度より小さい電波強度で出力される。その弱ヘルプ電波は、その中ヘルプ電波が出力された直後に、その中ヘルプ電波が出力される電波強度より小さい電波強度で出力される。このとき、ヘルプ電波出力部153は、センター装置2から送信される情報を受信し、かつ、キッズ端末6に特殊な操作が実施されるまで、ヘルプ電波を繰り返して出力する。このような電波の出力は、キッズ端末6の電池の消耗を少なくする点で有効である。
【0053】
なお、シニア端末5またはキッズ端末6にインストールされるコンピュータプログラムは、ハードウェアにより構成することができる。そのハードウェアは、ソフトウェアであるIDデータベース151とボタン監視部152とヘルプ電波出力部153とタイマ部154と電波出力計数部155とが示す複数の動作をそれぞれ実行する複数の電気回路から形成される。すなわち、シニア端末5またはキッズ端末6は、その複数の電気回路を備えることにより、その複数の動作を実行する。
【0054】
図5は、MS送受信機4−jを示している。MS送受信機4−jは、MS送受信機本体10′と入力装置31と電源装置32とアンテナ33とディスプレイ34とを備えている。入力装置31は、緊急ボタン35とナースコールボタン36とヘルプボタン37と出動ボタン38を備えている。MS送受信機4−jのユーザは、たとえば、住宅に不審者が侵入したときに、緊急ボタン35を押下する。そのユーザは、持病の発作が発生したときに、ナースコールボタン36を押下する。そのユーザは、近隣の住民に手伝って欲しいことが発生したときに、ヘルプボタン37を押下する。そのユーザは、ヘルプボタン17が押下されたシニア端末5のところに出動するときに、出動ボタン38を押下する。電源装置32は、電池とAC/DCコンバータとを備え、その電池が生成する直流電力をMS送受信機本体10′に供給し、または、そのAC/DCコンバータにより電気事業者から公衆に提供される交流電力から変換された直流電力をMS送受信機本体10′に供給する。MS送受信機4−jは、その電池から直流電力が供給されているときに、ユーザにより携帯されることができる。アンテナ33は、MS送受信機本体10′により生成された情報を示す電気信号を電波に変換して発振し、電波をMS送受信機本体10′に利用可能である電気信号を変換してMS送受信機本体10′に出力する。ディスプレイ34は、MS送受信機本体10′により生成された画像を表示する。ディスプレイ34としては、LCDが例示される。
【0055】
MS送受信機本体10′は、クロック回路21′とEEPROM22′とRAM23′とホストインターフェースハードウェア24′とエンベデッドCPU25′とメディアアクセスコントローラ26′とベースバンドプロセッサ27′とRF28′とを備えている。MS送受信機本体10′は、一般端末本体10と同等のものであり、MS送受信機本体10′が備えるこれらの電気回路は、それぞれ、対応する一般端末本体10の電気回路と同様に動作する。
【0056】
図6は、MS送受信機4−jにインストールされるコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラムは、ヘルプ電波受信部41と中継電波出力部42と転送部43と人数判別結果受信部44と加勢部45と警報部46とチェック部47と緊急情報表示部48とから形成されている。
【0057】
ヘルプ電波受信部41は、シニア端末5またはキッズ端末6から出力されるヘルプ電波を受信して、そのヘルプ電波が示すシニア端末5またはキッズ端末6のIDとユーザの氏名と押下されたボタンと電波強度とを導出する。中継電波出力部42は、ヘルプ電波受信部41によりヘルプ電波が受信されたことに応答して、中継電波を出力する。その中継電波は、そのヘルプ電波が示す情報を示している。その中継電波は、さらに、出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDを示している。その中継電波は、さらに、転送回数として1を示している。
【0058】
転送部43は、センター装置2から指示される所定の回数を記録している。転送部43は、他のMS送受信機4−j′(j=1,2,3,…,m、かつ、j′≠j)から出力される中継電波を受信する。その受信された中継電波は、ヘルプ電波の情報と、そのヘルプ電波を受信したMS送受信機のIDと、出動ボタン38が押下されたMS送受信機4−jのIDと、転送回数とを示している。転送部43は、次いで、受信された中継電波が示す転送回数がその所定の回数未満であるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示すヘルプ電波の情報を示している。その出力される中継電波は、さらに、受信された中継電波が示す出動ボタン38が押下されたMS送受信機のIDを示し、MS送受信機4−jの出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDをさらに示している。その出力される中継電波は、さらに、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。
【0059】
人数判別結果受信部44は、センター装置2により判別された出動する人の人数の適否をGM送受信機3−iから受信する。加勢部45は、人数判別結果受信部44によりその人数が不適であることが受信されたときに、他のMS送受信機4−j′にヘルプ電波受信部41により導出されたIDと氏名とボタンとを送信する。警報部46は、ヘルプ電波受信部41によりシニア端末5またはキッズ端末6または他のMS送受信機4−j′から出力される電波を受信したときに、警報音を発するとともに、その電波が示すIDと氏名とボタンとをディスプレイ34に表示する。
【0060】
チェック部47は、GM送受信機3−iからチェック指示を受信したときに、MS送受信機4−jが正常に動作するかどうかをチェックして、そのチェック結果をGM送受信機3−iに送信する。緊急情報表示部48は、GM送受信機3−iから緊急情報を受信したときに、警報音を発するとともに、その緊急情報をディスプレイ34に表示する。
【0061】
MS送受信機4−jは、シニア端末5にインストールされているコンピュータプログラムがさらにインストールされている。すなわち、MS送受信機4−jは、シニア端末5と同様に動作することができる。
【0062】
図7は、GM送受信機3−iを示している。GM送受信機3−iは、GM送受信機本体10″と入力装置51と電源装置52とアンテナ53とディスプレイ54とを備えている。入力装置51は、緊急ボタン55とナースコールボタン56とヘルプボタン57と出動ボタン58を備えている。GM送受信機3−iのユーザは、たとえば、住宅に不審者が侵入したときに、緊急ボタン55を押下する。そのユーザは、持病の発作が発生したときに、ナースコールボタン56を押下する。そのユーザは、近隣の住民に手伝って欲しいことが発生したときに、ヘルプボタン57を押下する。そのユーザは、ヘルプボタン17が押下されたシニア端末5のところに出動するときに、出動ボタン58を押下する。電源装置52は、電池とAC/DCコンバータとを備え、その電池が生成する直流電力をGM送受信機本体10″に供給し、または、そのAC/DCコンバータにより電気事業者から公衆に提供される交流電力から変換された直流電力をGM送受信機本体10″に供給する。このとき、GM送受信機3−iは、電気事業者から提供される交流電力が停電したときに、その電池から供給される直流電力を用いて動作し、常に動作することができる。アンテナ53は、GM送受信機本体10″により生成された情報を示す電気信号を電波に変換して発振し、電波をGM送受信機本体10″に利用可能である電気信号を変換してrf28に出力する。ディスプレイ54は、GM送受信機本体10″により生成された画像を表示する。ディスプレイ54としては、LCDが例示される。
【0063】
GM送受信機本体10″は、クロック回路21″とEEPROM22″とRAM23″とホストインターフェースハードウェア24″とエンベデッドCPU25″とメディアアクセスコントローラ26″とベースバンドプロセッサ27″とRF28″とを備えている。GM送受信機本体10″は、一般端末本体10と同等のものであり、GM送受信機本体10″が備えるこれらの電気回路は、それぞれ、対応する一般端末本体10の電気回路と同様に動作する。ここで、ホストインターフェースハードウェア24″は、さらに、インターネット7に接続され、インターネット7を介して、エンベデッドCPU25″により生成された情報をインターネット7に接続される情報処理装置に送信し、インターネット7に公開されている情報をエンベデッドCPU25″に出力する。
【0064】
図8は、GM送受信機3−iにインストールされるコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラムは、転送部61とチェック部62とから形成されている。転送部61は、電波を介してMS送受信機4−1〜4−mから受信した情報をセンター装置2にインターネット7を介して転送する。転送部61は、さらに、インターネット7を介してセンター装置2から受信した情報をMS送受信機4−1〜4−mに電波を介して転送する。チェック部62は、インターネット7を介してセンター装置2からチェック指示を受信したときに、GM送受信機3−iが正常に動作するかどうかをチェックして、そのチェック結果をセンター装置2に送信する。チェック部62は、さらに、インターネット7を介してセンター装置2からチェック指示を受信したときに、電波を介してMS送受信機4−1〜4−mにチェック指示を送信する。緊急情報表示部63は、GM送受信機3−iから緊急情報を受信したときに、警報音を発するとともに、その緊急情報をディスプレイ54に表示する。
【0065】
GM送受信機3−iは、MS送受信機4−jにインストールされているコンピュータプログラムまたはシニア端末5にインストールされているコンピュータプログラムがさらにインストールされている。すなわち、GM送受信機3−iは、MS送受信機4−jと同様に動作することができ、かつ、シニア端末5と同様に動作することができる。
【0066】
図9は、センター装置2を示している。センター装置2は、ロードバランサ71と複数のサーバ72−1〜72−k(k=2,3,4,…)と複数の端末73−1〜73−l(l=2,3,4,…)とを備えている。複数のサーバ72−1〜72−kは、互いに同一のコンピュータプログラムがインストールされている。ロードバランサ71は、インターネット7と複数のサーバ72−1〜72−kとの間に介設されている。ロードバランサ71は、サーバ72−1〜72−kのうちの1つのサーバ72−s(s=1,2,3,…,k)にアクセスが集中することを防き、または、サーバ72−sが障害を起こしたときに、サーバ72−sを修復するためにセンター装置2から分離する。端末73−t(t=1,2,3,…,l)は、サーバ72−1〜72−kに接続されている。端末73−tは、センター装置2の管理者により操作されて、サーバ72−1〜72−kにより生成された情報を表示し、または、サーバ72−1〜72−kに情報を入力する。
【0067】
図10は、センター装置2にインストールされるコンピュータプログラム、すなわち、各サーバ72−sにインストールされるコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラムは、連絡先データベース81とボタンデータベース82と登録者データベース83と守護者データベース84と地図データベース85とヘルプ収集部86と人数判別部87と判別結果配信部88と位置推測部89と位置配信部90と通知部91とチェック部92と緊急情報収集部93と緊急情報配信部94と料金精算部95と転送制限指示部96とから形成されている。
【0068】
連絡先データベース81は、シニア端末5とキッズ端末6とのユーザにより設定された連絡先が記録されている。ボタンデータベース82は、シニア端末5が備えるボタンに対応する適切な連絡先が記録されている。登録者データベース83は、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとのIDとユーザとを記録している。守護者データベース84は、近隣セキュリティシステム1を利用するボランティアの連絡先を記録している。地図データベース85は、近隣セキュリティシステム1が配置されている地域の地図を記録して、異なる2つの住所の距離を算出する。
【0069】
ヘルプ収集部86は、シニア端末5またはキッズ端末6から出力される電波が示すシニア端末5またはキッズ端末6のユーザとIDと押下されたボタンとをGM送受信機3−1〜3−nから収集する。ヘルプ収集部86は、さらに、MS送受信機4−1〜4−mがそれぞれ出動ボタン38が押下されたかどうかをGM送受信機3−1〜3−nから収集する。人数判別部87は、シニア端末5のところに出動する人が所定の人数(たとえば、3人)より多いかどうかを判別する。判別結果配信部88は、人数判別部87により判別された判別結果をMS送受信機4−iに配信する。
【0070】
位置推測部89は、キッズ端末6の位置を推測する。すなわち、位置推測部89は、登録者データベース83を参照して、キッズ端末6から出力されるヘルプ電波をそれぞれ受信することができたMS送受信機4−1〜4−mの住所を抽出する。位置推測部89は、地図データベース85を参照して、その抽出された複数の住所が示す区画の概ね中央がキッズ端末6の位置であると推測する。
【0071】
位置推測部89は、さらに、登録者データベース83を参照して、キッズ端末6から異なる電波強度で出力される複数のヘルプ電波をそれぞれ受信することができたMS送受信機4−1〜4−mの住所を抽出し、その住所に基づいてキッズ端末6のより詳細な位置を推測する。そのキッズ端末6の詳細な位置は、強ヘルプ電波が受信されて中ヘルプ電波と弱ヘルプ電波とが受信されない位置との距離が強ヘルプ電波と中ヘルプ電波とが受信されて弱ヘルプ電波が受信されない位置との距離より大きく、強ヘルプ電波と中ヘルプ電波とが受信されて弱ヘルプ電波が受信されない位置との距離が強ヘルプ電波と中ヘルプ電波と弱ヘルプ電波との全部が受信された位置より大きい。
【0072】
位置配信部90は、位置推測部89により推測された位置をMS送受信機4−iに配信する。通知部91は、連絡先データベース81とボタンデータベース82とを参照して、適切な連絡先にシニア端末5またはキッズ端末6のボタンが押されたことを通報する。通知部91は、さらに、守護者データベース84を参照して、出動可能なボランティアにシニア端末5またはキッズ端末6のボタンが押されたことを通報する。
【0073】
チェック部92は、間欠的にGM送受信機3−1〜3−nにチェック指示を配信する。チェック部92は、さらに、GM送受信機3−1〜3−nが正常に動作するかどうかを示すチェック結果をGM送受信機3−1〜3−nからそれぞれ収集し、MS送受信機4−1〜4−mが正常に動作するかどうかを示すチェック結果をMS送受信機4−1〜4−mからそれぞれ収集する。緊急情報収集部93は、インターネット7を介して、行政から発令される緊急情報を収集する。その緊急情報は、気象に関する警報、地震に関する情報が例示される。緊急情報配信部94は、緊急情報収集部93により収集された緊急情報をGM送受信機3−1〜3−nに配信する。
【0074】
料金精算部95は、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとシニア端末5とキッズ端末6とのユーザに請求される月ごとの料金を算出する。すなわち、その料金は、機器毎に定額料金が設定される。GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとのユーザに関しては、シニア端末5のところに出動した回数に基づいて割引額が算出されて、その定額料金からその割引額が割り引かれて料金が算出される。料金精算部95は、さらに、インターネット7を介して、各ユーザに請求される料金を金融期間に連絡する。その金融期間は、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとシニア端末5とキッズ端末6とのユーザから徴収し、徴収された料金を近隣セキュリティシステム1の管理業者に送金する。
【0075】
転送制限指示部96は、MS送受信機4−1〜4−mが転送電波を転送することができる回数を算出する。その回数は、MS送受信機4−1〜4−mが出力するヘルプ電波の到達距離とGM送受信機3−1〜3−nが配置される濃度とに基づいて算出され、任意の場所から出力された転送電波をMS送受信機4−1〜4−mが転送することによりその転送電波がGM送受信機3−1〜3−nに受信される確率が所定の値より大きくなる転送回数を示している。転送制限指示部96は、さらに、GM送受信機3−1〜3−nを介して、算出された回数をMS送受信機4−1〜4−mに通知する。
【0076】
図11は、連絡先データベース81により記録されるテーブルを示している。そのテーブルは、対象者101をID102と連絡先とに対応付けている。その連絡先は、保護者連絡先103と病院104と警察105とから形成されている。対象者101は、シニア端末5またはキッズ端末6を携帯するユーザの氏名を示し、そのユーザを互いに識別している。ID102は、対象者101により識別されるユーザにより携帯されるシニア端末5またはキッズ端末6を互いに識別しているコードを示している。保護者連絡先103は、ID102により識別されるシニア端末5またはキッズ端末6のユーザの保護者の連絡先を示している。病院104は、ID102により識別されるシニア端末5のユーザのかかりつけの病院の連絡先を示し、または、ID102により識別されるシニア端末5のユーザが住む地域を管轄する消防署の連絡先を示している。警察105は、ID102により識別されるシニア端末5のユーザが住む地域を管轄する警察の連絡先を示している。
【0077】
図12は、ボタンデータベース82により記録されるテーブルを示している。そのテーブルは、ボタン111を連絡先の種類113に対応付けている。ボタン111は、シニア端末5が備える緊急ボタン15とナースコールボタン16とヘルプボタン17とを互いに識別している。連絡先の種類113は、ボタン111により識別されるボタンが押下されたときに、連絡先データベース81により記録される連絡先シニア端末5のところに出動される適切な連絡先を示している。すなわち、連絡先の種類113は、ボタン111が緊急ボタン15を示すときに警察を示し、ボタン111がナースコールボタン16を示すときに病院を示している。
【0078】
このとき、通知部91は、連絡先データベース81を参照して、シニア端末5またはキッズ端末6のIDに対応する連絡先を抽出する。通知部91は、次いで、ボタンデータベース82を参照して、抽出された連絡先のうちのシニア端末5またはキッズ端末6の押下されたボタンに対応する種類の連絡先にボタンが押されたことを通報する。
【0079】
図13は、登録者データベース83により記録されるテーブルを示している。そのテーブルは、登録者121をID122と住所123とに対応付けている。登録者121は、GM送受信機3−1〜3−nまたはMS送受信機4−1〜4−mを有しているユーザの氏名を示し、そのユーザを互いに識別している。ID122は、登録者121により識別されるユーザが有するGM送受信機3−1〜3−nまたはMS送受信機4−1〜4−mを互いに識別するコードを示している。住所123は、ID122により識別されるGM送受信機3−1〜3−nまたはMS送受信機4−1〜4−mが配置される住所を示している。
【0080】
図14は、守護者データベース84により記録されるテーブルを示している。そのテーブルは、守護者131を連絡先132と時間帯133とに対応付けている。守護者131は、シニア端末5の緊急ボタン15またはヘルプボタン17が押下されたときにそのシニア端末5のところに駆けつけるボランティアの氏名を示し、そのボランティアを互いに識別している。連絡先132は、守護者131により識別されるボランティアの連絡先を示し、たとえば、そのボランティアの携帯電話機の番号を示している。時間帯133は、守護者131により識別されるボランティアが出動可能な時間帯を示している。このとき、通知部91は、シニア端末5またはキッズ端末6のボタンが押下されたときに、守護者データベース84を参照して、そのボタンが押下された時間に出動可能なボランティアを選択してそのボランティアに通知する。
【0081】
本発明による近隣セキュリティ方法の実施の形態は、近隣セキュリティシステム1により実行され、転送電波の転送に関する制限をMS送受信機4−1〜4−mに指示する動作と、シニア端末5のボタンが押下されたときの動作と、キッズ端末6のボタンが押下されたときの動作と、行政から緊急情報が発令されたときの動作と、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとが正常に動作するかどうかをチェックする動作とを備えている。
【0082】
転送電波の転送に関する制限をMS送受信機4−1〜4−mに指示する動作では、センター装置2がまずMS送受信機4−1〜4−mが転送電波を転送することができる回数を算出する。その回数は、MS送受信機4−1〜4−mが出力するヘルプ電波の到達距離とGM送受信機3−1〜3−nが配置される濃度とに基づいて算出され、任意の場所から出力された転送電波をMS送受信機4−1〜4−mが転送することによりその転送電波がGM送受信機3−1〜3−nに受信される確率が所定の値より大きくなる転送回数を示している。センター装置2は、さらに、GM送受信機3−1〜3−nを介して、算出された回数をMS送受信機4−1〜4−mに通知する。MS送受信機4−jは、センター装置2から指示されるその回数を記録する。
【0083】
図15は、シニア端末5のボタンが押下されたときの動作を示している。シニア端末5を携帯するユーザは、たとえば、住宅に不審者が侵入したときにシニア端末5の緊急ボタン15を押下する。ユーザは、持病の発作が発生したときに、ナースコールボタン16を押下する。ユーザは、近隣の住民に手伝って欲しいことが発生したときに、ヘルプボタン17を押下する(ステップS1)。シニア端末5は、これらのボタンの押下に応答して、ユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類とを示すヘルプ電波を出力する(ステップS2)。
【0084】
MS送受信機4−jは、シニア端末5から出力されたヘルプ電波を受信したときに、警報音を発して、そのヘルプ電波が示すユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類とをディスプレイ34に表示する(ステップS3)。MS送受信機4−jのユーザは、その警報に気づいたときに、シニア端末5のユーザの氏名を参照して、そのシニア端末5のところに出動するかどうかをMS送受信機4−jに入力する。すなわち、MS送受信機4−jのユーザは、そのシニア端末5のところに出動するときに、MS送受信機4−jの出動ボタン38を押下する。
【0085】
MS送受信機4−jは、そのヘルプ電波が示す情報と出動ボタン38が押下されたMS送受信器のIDと転送回数とを示す中継電波を出力する(ステップS4)。その転送回数は、このとき、1を示す。MS送受信機4−jは、他のMS送受信機4−j′から出力される中継電波を受信したときに、他の中継電波を出力する。このとき、MS送受信機4−jは、受信された中継電波が示す転送回数がセンター装置2から指示されたの回数を示すときに、中継電波を出力しない。出力される中継電波は、受信された中継電波が示す情報を示し、さらに、MS送受信機4−jの出動ボタン38が押下されたかどうかを付加している。さらに、出力される中継電波が示す転送回数は、受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。
【0086】
MS送受信機4−jは、他のMS送受信機4−j′から出力される中継電波を受信したときに、警報音を発して、その中継電波が示すヘルプ電波を出力したシニア端末5のユーザの氏名とそのシニア端末5を識別するIDとそのシニア端末5の押下されたボタンの種類とをディスプレイ34に表示する。MS送受信機4−jのユーザは、その警報に気づいたときに、MS送受信機4−jに表示されるシニア端末5のユーザの氏名を閲覧する。このとき、ユーザは、そのシニア端末5のところに出動するときに、MS送受信機4−jの出動ボタン38を押下する。MS送受信機4−jは、他のMS送受信機4−j′から出力される中継電波を受信した場合で、その中継電波が示す転送回数がセンター装置2から指示された回数未満であるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示すヘルプ電波の情報を示している。その出力される中継電波は、さらに、受信された中継電波が示す出動ボタン38が押下されたMS送受信機のIDを示し、MS送受信機4−jの出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDをさらに示している。その出力される中継電波は、さらに、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。
【0087】
このような転送電波は、MS送受信機4−1〜4−mを無限に転送されることがなく、好ましい。
【0088】
GM送受信機3−iは、MS送受信機4−jから出力された中継電波を受信したときに(ステップS5)、インターネット7を介してその中継電波が示す情報をセンター装置2に転送する(ステップS6)。GM送受信機3−iは、さらに、シニア端末5から出力されたヘルプ電波を受信したときにも、インターネット7を介してそのヘルプ電波が示す情報をセンター装置2に転送する。GM送受信機3−iは、その中継電波を受信したときに、さらに、警報音を発して、その中継電波が示すユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類とをディスプレイ54に表示する。GM送受信機3−iのユーザは、その警報に気づいたときに、シニア端末5のユーザの氏名を参照して、そのシニア端末5のところに出動するかどうかをGM送受信機3−iに入力する。すなわち、GM送受信機3−iのユーザは、そのシニア端末5のところに出動するときに、GM送受信機3−iの出動ボタン58を押下する。GM送受信機3−iは、ユーザにより出動することが入力されたときに、受信した電波が示す情報とともに出動することをセンター装置2に送信する。
【0089】
センター装置2は、GM送受信機3−1〜3−nからシニア端末5のボタンが押下されたことを受信したときに、そのシニア端末5のところに出動することが入力されたMS送受信機4−1〜4−mとGM送受信機3−1〜3−mとの個数を計数し、シニア端末5のところに出動する人が所定の人数より多いかどうかを判別する(ステップS7)。センター装置2は、インターネット7を介してその判別結果をその中継電波が示す情報を中継したGM送受信機3−iに返信する(ステップS8)。
センター装置2は、連絡先データベース81を参照して、シニア端末5またはキッズ端末6のIDに対応する連絡先を抽出する。センター装置2は、次いで、ボタンデータベース82を参照して、抽出された連絡先のうちのシニア端末5の押下されたボタンに対応する種類の連絡先にボタンが押されたことを通報する(ステップS9)。すなわち、センター装置2は、緊急ボタン15が押下されたときに、警察に通知し、ナースコールボタン16が押下されたときに、かかりつけの病院に連絡し、または、消防署に救急車を手配する。センター装置2は、さらに、GM送受信機3−1〜3−nからシニア端末5のボタンが押下されたことを受信したときに、守護者データベース84を参照して、ボタンが押下されたと時間に出動可能なボランティアに通知する。
【0090】
GM送受信機3−iは、センター装置2から判別結果を受信したときに、電波を介してその判別結果をMS送受信機4−jに転送する(ステップS10)。MS送受信機4−jは、GM送受信機3−iから受信したその判別結果が出動する人がいないことを示しているときに(ステップS11、YES)、シニア端末5から受信した電波が示す内容を他のMS送受信機4−j′に送信する(ステップS12)。他のMS送受信機4−j′は、MS送受信機4−jからその電波を受信したときに、MS送受信機4−jがシニア端末5から出力された電波を受信したときと同様の動作(ステップS3、S4、S5)を実行する。すなわち、MS送受信機4−j′は、警報音を発して、その電波が示すユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類とをディスプレイ34に表示し、受信したユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類とを探索されたGM送受信機3−iに電波を介して送信する。MS送受信機4−j′のユーザは、その警報に気づいたときに、シニア端末5のユーザの氏名を参照して、そのシニア端末5のところに出動するかどうかをMS送受信機4−j′に入力する。MS送受信機4−j′は、ユーザにより出動することが入力されたときに、その出動することを受信したユーザの氏名とシニア端末5を識別するIDと押下されたボタンの種類ととともにGM送受信機3−iに電波を介して送信する。ステップS3〜ステップS12までの動作は、出動する人がいることを示す判別結果がMS送受信機4−jに通知されるまで繰り返して実行される。
【0091】
なお、この動作におけるシニア端末5は、一般端末161またはキッズ端末6に置換することができる。このとき、一般端末161またはキッズ端末6は、緊急ボタン15、ナースコールボタン16またはヘルプボタン17の押下に応答して、ユーザの氏名とIDと押下されたボタンの種類とを示すヘルプ電波を出力する。この動作におけるシニア端末5は、MS送受信機4−jに置換することができる。このとき、MS送受信機4−jは、緊急ボタン35、ナースコールボタン36またはヘルプボタン37の押下に応答して、ユーザの氏名とIDと押下されたボタンの種類とを示すヘルプ電波を出力する。この動作におけるシニア端末5は、GM送受信機3−iに置換することができる。このとき、GM送受信機3−iは、緊急ボタン35、ナースコールボタン36またはヘルプボタン37の押下に応答して、ユーザの氏名とIDと押下されたボタンの種類とを示すヘルプ電波を出力する。
【0092】
このような動作によれば、シニア端末5のユーザは、シニア端末5のボタンを押下することにより、近隣に住むボランティアをより確実に呼ぶことができる。
【0093】
図16は、キッズ端末6のボタンが押下されたときの動作を示している。キッズ端末6を携帯するユーザは、たとえば、不審者に暴力されそうなときに、または、誘拐されそうなときに、キッズ端末6のボタンを押下する。(ステップS21)。キッズ端末6は、そのボタンの押下に応答して、警報音を発し、ユーザの氏名とキッズ端末6を識別するIDとを示すヘルプ電波を出力する(ステップS22)。キッズ端末6は、さらに、その後に5分間隔でそのヘルプ電波を出力し、そのボタンが押下されてから1時間後以降に30分間隔でそのヘルプ電波を出力し、そのボタンが押下されてから1日後以降に60分間隔でそのヘルプ電波を出力する。
【0094】
MS送受信機4−jは、キッズ端末6から出力されたヘルプ電波を受信したときに、警報音を発して、そのヘルプ電波が示すユーザの氏名とキッズ端末6を識別するIDとをディスプレイ34に表示する(ステップS23)。MS送受信機4−jのユーザは、その警報に気づいたときに、住宅の外に出て、辺りの様子を伺う。このような動作によれば、犯罪の抑止に効果的である。
【0095】
MS送受信機4−jは、キッズ端末6から出力されたヘルプ電波を受信したときに、さらに、そのヘルプ電波が示す情報とMS送受信機4−jのIDと転送回数とを示す中継電波を出力する(ステップS24)。その転送回数は、このとき、1を示す。MS送受信機4−jは、他のMS送受信機4−j′から出力される中継電波を受信した場合で、その中継電波が示す転送回数がセンター装置2から指示された回数未満であるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示す情報とそのヘルプ電波を受信したMS送受信機のIDとを示している。その出力される中継電波は、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。
【0096】
このような転送電波は、MS送受信機4−1〜4−mを無限に転送されることがなく、好ましい。
【0097】
GM送受信機3−iは、MS送受信機4−jから出力された電波を受信したときに、インターネット7を介してその電波が示す情報をセンター装置2に転送する(ステップS26)。センター装置2は、GM送受信機3−jからキッズ端末6のボタンが押下されたことを受信したときに、登録者データベース83を参照して、そのキッズ端末6から出力されたヘルプ電波を受信したMS送受信機4−1〜4−mの位置に基づいてそのキッズ端末6の位置を推測する(ステップS27)。すなわち、センター装置2は、地図データベース85を参照して、ヘルプ電波を受信したMS送受信機4−1〜4−mの位置が分散している区画の概ね中央がキッズ端末6の位置であると推測し、より小さい電波強度のヘルプ電波を受信したMS送受信機4−1〜4−mの近傍であると推測する。センター装置2は、その推測された位置をGM送受信機3−jに返信する(ステップS28)。センター装置2は、さらに、連絡先データベース81を参照して、そのキッズ端末6のユーザの保護者にキッズ端末6のボタンが押下されたことを通知する(ステップS29)。
【0098】
GM送受信機3−iは、センター装置2からキッズ端末6の位置を受信したときに、電波を介してその位置をMS送受信機4−jに転送する(ステップS30)。MS送受信機4−jは、GM送受信機3−iからキッズ端末6の位置を受信したときに、警報音を発してGM送受信機3−iから受信したその位置をディスプレイ34に表示する(ステップS31)。MS送受信機4−jは、さらに、電波を介してその位置を一般端末161に転送する。このとき、一般端末161は、警報音を発して、MS送受信機4−jから受信したその位置をディスプレイ14に表示する。その位置を参照してキッズ端末6のところに到着した人は、問題が解決したときに、近隣セキュリティシステム1の管理業者に連絡し、センター装置2からキッズ端末6に電波の発信を停止するための情報を送信するように依頼する。その位置を参照してキッズ端末6のところに到着した人は、問題が解決したときに、さらに、キッズ端末6を操作して、電波の発信を停止する。すなわち、キッズ端末6のボタンが押下されたときの動作は、キッズ端末6が電波の発信を停止するまで繰り返して実行される。キッズ端末6のボタンが押下されたときの動作は、さらに、キッズ端末6を操作することだけで停止することができない。このような動作によれば、誰かが悪意でキッズ端末6の電波の発信を停止することを防止することができる。
【0099】
このような動作によれば、キッズ端末6を携帯するユーザが誘拐されたときに、その位置を容易に推測することができ、その誘拐をより速く解決することができる。
【0100】
図17は、行政から緊急情報が発令されたときの動作を示している。センター装置2の管理者は、行政から緊急情報が発令されたときに、センター装置2にその緊急情報を入力する。または、センター装置2は、自動的に、インターネット7を介して行政から発令される緊急情報を収集する(ステップS41)。センター装置2は、その緊急情報をGM送受信機3−1〜3−nに送信する(ステップS42)。
【0101】
GM送受信機3−iは、その緊急情報をセンター装置2から受信したときに、警報音を発してその緊急情報をディスプレイ54に表示する(ステップS43)。GM送受信機3−iは、その緊急情報をセンター装置2から受信したときに、さらに、電波を介してその緊急情報をMS送受信機4−1〜4−mに送信する(ステップS44)。MS送受信機4−jは、その緊急情報をGM送受信機3−iから受信したときに、警報音を発してその緊急情報をディスプレイ34に表示する(ステップS45)。
【0102】
MS送受信機4−jは、その緊急情報をセンター装置2から受信したときに、さらに、電波を介してその緊急情報を一般端末161に送信する(ステップS46)。一般端末161は、その緊急情報をMS送受信機4−jから受信したときに、警報音を発してその緊急情報をディスプレイ14に表示する(ステップS47)。
【0103】
このような動作によれば、ユーザは、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mと一般端末161とを用いて、行政から発令された緊急情報を安価に知ることができる。
【0104】
図18は、GM送受信機3−1〜3−nとMS送受信機4−1〜4−mとが正常に動作するかどうかをチェックする動作を示している。センター装置2は、間欠的に(たとえば、1日おきに)、インターネット7を介してチェック指示をGM送受信機3−1〜3−nに送信する(ステップS51)。GM送受信機3−iは、センター装置2からチェック指示を受信したときに、自らが正常に動作するかどうかをチェックして(ステップS52)、そのチェック結果をセンター装置2に返信する(ステップS53)。GM送受信機3−iは、センター装置2からチェック指示を受信したときに、さらに、電波を介してそのチェック指示をMS送受信機4−1〜4−mに向けて配信する(ステップS54)。
【0105】
MS送受信機4−jは、GM送受信機3−iからチェック指示を受信したときに、自らが正常に動作するかどうかをチェックして(ステップS55)、そのチェック結果をGM送受信機3−iに返信する(ステップS56)。GM送受信機3−iは、MS送受信機4−jからそのチェック結果を受信したときに、そのチェック結果をセンター装置2に転送する(ステップS57)。
【0106】
センター装置2は、GM送受信機3−1〜3−nから受信したチェック結果とMS送受信機4−1〜4−mから受信したチェック結果とを記録する。近隣セキュリティシステム1の管理者は、端末73を操作してそれらのチェック結果を表示させて閲覧し(ステップS58)、問題がある機器が存在するときに、その機器を速やかに修理する。
【0107】
このような動作によれば、近隣セキュリティシステム1を常時に正常に機能させることができる。
【0108】
なお、本発明による近隣セキュリティ方法は、転送電波の転送に関する制限をMS送受信機4−1〜4−mに指示する動作を省略することもできる。このとき、MS送受信機4−1〜4−mは、初期的に、回数を記録している。MS送受信機4−1〜4−mは、それぞれ、その記録されている回数以上に転送しないように、転送電波を転送する。
【0109】
本発明による近隣セキュリティシステムの実施の他の形態は、既述の実施の形態におけるMS送受信器4−jの中継電波出力部42が他の中継電波出力部に置換され、転送部43が他の転送部に置換され、センター装置2の転送制限指示部96が他の転送制限指示部に置換されている。
【0110】
その中継電波出力部は、センター装置2から指示される複数のIDを記録している。その中継電波出力部は、ヘルプ電波受信部41によりヘルプ電波が受信されたことに応答して、中継電波を出力する。その中継電波は、そのヘルプ電波が示す情報とそのヘルプ電波を受信したMS送受信機のIDとを示している。その中継電波は、さらに、出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDを示している。その中継電波は、さらに、転送回数として1を示している。その中継電波は、さらに、その中継電波出力部により記録された複数のIDを示している。
【0111】
その転送部は、センター装置2から指示される所定の回数を記録している。その転送部は、受信した中継電波が示す転送回数がセンター装置2から指示された回数未満であり、かつ、その中継電波が示す複数のIDがMS送受信機4−jのIDを含んでいるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示すヘルプ電波の情報を示している。その出力される中継電波は、さらに、受信された中継電波が示す出動ボタン38が押下されたMS送受信機のIDを示し、MS送受信機4−jの出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDをさらに示している。その出力される中継電波は、さらに、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。その出力される中継電波は、さらに、その中継電波出力部により記録された複数のIDを示している。
【0112】
その転送制限指示部は、MS送受信機4−1〜4−mが転送電波を転送することができる回数を算出し、登録者データベース83を参照して、MS送受信機4−1〜4−mの各々が出力する転送電波を転送することができる複数のMS送受信機のIDを算出する。その回数は、MS送受信機4−1〜4−mが出力するヘルプ電波の到達距離とGM送受信機3−1〜3−nが配置される濃度とに基づいて算出され、任意の場所から出力された転送電波をMS送受信機4−1〜4−mが転送することによりその転送電波がGM送受信機3−1〜3−nに受信される確率が所定の値より大きくなる転送回数を示している。その転送制限指示部は、さらに、GM送受信機3−1〜3−nを介して、MS送受信機4−1〜4−mの各々に算出された回数と複数のIDとを通知する。
【0113】
このとき、既述の実施の形態における転送電波の転送に関する制限をMS送受信機4−1〜4−mに指示する動作は、他の動作に置換されている。その動作では、センター装置2が、まず、MS送受信機4−1〜4−mが転送電波を転送することができる回数を算出し、登録者データベース83を参照して、MS送受信機4−1〜4−mの各々が出力する転送電波を転送することができる複数のMS送受信機のIDを算出する。センター装置2は、次いで、GM送受信機3−1〜3−nを介して、MS送受信機4−1〜4−mの各々に算出された回数と複数のIDとを通知する。MS送受信機4−jは、センター装置2から指示されるその回数と複数のIDとを記録する。
【0114】
なお、このような転送電波の転送に関する制限をMS送受信機4−1〜4−mに指示する動作を省略することもできる。このとき、MS送受信機4−1〜4−mは、初期的に、その回数と複数のIDとを記録している。
【0115】
このとき、さらに、既述の実施の形態におけるシニア端末5のボタンが押下されたときの動作のステップS4〜S5が他の処理に置換されている。すなわち、MS送受信器4−jは、シニア端末5から出力されるヘルプ電波が受信されたことに応答して、中継電波を出力する。その中継電波は、そのヘルプ電波が示す情報を示している。その中継電波は、さらに、出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDを示している。その中継電波は、さらに、転送回数として1を示している。その中継電波は、さらに、MS送受信器4−jに記録された複数のIDを示している。
【0116】
MS送受信器4−jは、MS送受信機4−1〜4−mにより出力された中継電波を受信する。MS送受信器4−jは、その中継電波が示す転送回数が記録された回数未満であり、かつ、その中継電波が示す複数のIDがMS送受信機4−jのIDを含んでいるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示すヘルプ電波の情報を示している。その出力される中継電波は、さらに、受信された中継電波が示す出動ボタン38が押下されたMS送受信機のIDを示し、MS送受信機4−jの出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDをさらに示している。その出力される中継電波は、さらに、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。その出力される中継電波は、さらに、MS送受信器4−jに記録された複数のIDを示している。
【0117】
このとき、さらに、既述の実施の形態におけるキッズ端末6のボタンが押下されたときの動作のステップS24〜S25が他の処理に置換されている。すなわち、MS送受信器4−jは、キッズ端末6から出力されるヘルプ電波が受信されたことに応答して、中継電波を出力する。その中継電波は、そのヘルプ電波が示す情報とそのヘルプ電波を受信したMS送受信器4−jのIDとを示している。その中継電波は、さらに、出動ボタン38が押下されたときに、MS送受信機4−jのIDを示している。その中継電波は、さらに、転送回数として1を示している。その中継電波は、さらに、MS送受信器4−jに記録された複数のIDを示している。
【0118】
MS送受信器4−jは、MS送受信機4−1〜4−mにより出力された中継電波を受信し、その中継電波が示す転送回数が記録された回数未満であり、かつ、その中継電波が示す複数のIDがMS送受信機4−jのIDを含んでいるときに、他の中継電波を出力する。その出力される中継電波は、受信された中継電波が示すヘルプ電波の情報とヘルプ電波を受信したMS送受信器のIDとを示している。その出力される中継電波は、さらに、転送回数として受信された中継電波が示す転送回数に1を加算した値を示している。その出力される中継電波は、さらに、MS送受信器4−jに記録された複数のIDを示している。
【0119】
このとき、転送電波が輻輳することが防止され、好ましい。
【0120】
本発明による近隣セキュリティシステムの実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態におけるシニア端末5が固有のIDを示す電波の受信に応答して電波を出力する機能をさらに備えている。このとき、そのシニア端末5を携帯する人の居場所を追跡したいユーザは、センター装置2にそのシニア端末5のIDを連絡する。センター装置2は、そのIDを示す電波を出力するように、GM送受信機3−1〜3−nに通知する。GM送受信機3−1〜3−nは、それぞれ、そのIDを示す電波を出力する。MS送受信機4−1〜4−mは、それぞれ、そのIDを示す電波を受信したときに、そのIDを示す電波を出力する。そのシニア端末5は、受信した電波が固有のIDを示すときに、ヘルプ電波を出力する。センター装置2は、既述の実施の形態におけるキッズ端末6のボタンが押下されたときの動作(図16)のステップS22〜S27と同様にして、そのシニア端末5の位置を推測し、その位置をそのユーザに通知する。このとき、そのユーザは、そのシニア端末5を携帯する人の居場所を追跡することができ、たとえば、徘徊老人にそのシニア端末5を携帯させることにより、その徘徊老人の居場所を追跡することができる。
【0121】
本発明による近隣セキュリティシステムの実施のさらに他の形態は、MS送受信機4−1〜4−mがそれぞれ他のボタンとそのボタンの押下に応答して固有のIDを示す電波を出力する機能を更に備えている。このとき、学校に例示され施設には、MS送受信機4−1〜4−mから出力されるその電波が示すIDを表示するID表示装置が設置され、その施設の出入り口には、常時閉鎖される門が設置されている。その施設を訪問するMS送受信機4−jのユーザは、予め、その施設にMS送受信機4−jのIDを通知する。そのユーザは、その施設の前でMS送受信機4−jのそのボタンを押下し、MS送受信機4−jにそのIDを示す電波を出力させる。その施設の担当者は、そのID表示装置を用いてその電波が示すIDが先に通知されたIDと一致しているかを確認し、一致しているときにその門を解放してそのユーザがその施設内に入ることを許可する。このとき、その施設には、予め通知があったユーザのみが容易に訪問することができる。
【0122】
なお、その門は、その電波の受信に応答して開放する機能を備えてもよい。このとき、その施設の管理者は、通知されたIDを示す電波の受信に応答して開放されるようにその門を設定する。MS送受信機4−jのユーザは、その門の前でMS送受信機4−jのそのボタンを押下し、MS送受信機4−jにそのIDを示す電波を出力させる。その門は、その電波の受信に応答して開放する。このとき、その施設には、予め通知があったユーザのみが容易に訪問することができる。
【0123】
本発明による近隣セキュリティシステムの実施のさらに他の形態は、MS送受信機4−1〜4−mが所定の電波の受信に応答して固有のIDを示す電波を出力する機能をさらに備えている。このとき、災害が発生したときに開設される避難所には、MS送受信機4−1〜4−mのIDをMS送受信機4−1〜4−mのユーザに対応付けるデータベースを有し、避難者を管理する装置が設置される。その装置は、その所定の電波を、その避難所の内部に配置されるMS送受信機4−1〜4−mにのみ受信できるように定期的に出力する。MS送受信機4−jは、その所定の電波に応答して固有のIDを示す電波を出力する。その装置は、そのデータベースを参照して、受信した電波が示すIDに対応するユーザが避難所に避難したと判別する。MS送受信機4−jのユーザは、その避難所に避難したことを、容易にその避難所の管理者に連絡することができる。
【0124】
図19は、キッズ端末6を示している。キッズ端末6は、端末本体201とストラップ留め具202とを備えている。端末本体201は、既述の実施の形態における動作を実行するための複数の電子機器がケースに納められている。ストラップ留め具202は、端末本体201から突起した輪に形成されている。ストラップ留め具202は、さらに、端末本体201から引っ張られると動作するスイッチに形成され、緊急ボタン15に兼用される。このとき、キッズ端末6は、ストラップ留め具202にストラップ203を取り付けることができる。このとき、ユーザは、ストラップ203を首にかけることにより、容易にキッズ端末6を携帯することができる。ユーザは、さらに、ストラップ203を首にかけてキッズ端末6を携帯しているときに、キッズ端末6の端末本体201を下に引っ張ることにより容易に緊急ボタン15を操作することができる。
【0125】
ストラップ留め具202は、さらに、導体から形成され、アンテナに兼用されている。アンテナは、一般に、長さが電波の波長であることが好ましく、たとえば、940〜955.9875MHzの電波を使用するときに、長さを約32cmにすることが好ましい。キッズ端末6は、アンテナを端末本体201の内部に収納するときに端末本体201をそのアンテナの長さに合わせて設計する必要があり、そのアンテナが長いときに端末本体201を大きくする必要がある。さらに、キッズ端末6は、アンテナを伸縮式に形成したときに、使用するたびにアンテナを伸ばす必要があり使い勝手が悪く、アンテナの先端部分が何かに引っ掛かることがあり携帯に不便である。キッズ端末6は、ストラップ留め具202をアンテナに兼用することにより、電波の放射効率(感度)をよくしつつ、キッズ端末6の端末本体201を小型化することができる。
【0126】
キッズ端末6は、さらに、PHSに例示される回線網を介して、その回線網に接続される端末と通信することができる。その端末としては、PHS端末、携帯電話機、固定電話機、パーソナルコンピュータが例示される。キッズ端末6は、その端末がキッズ端末6に通信の要求(発呼)をしたときに着信音を鳴らして、キッズ端末6のユーザは、その着信音がなっている間にキッズ端末6に所定の操作をすることにより、キッズ端末6を用いてその端末のユーザと通話することができる。
【0127】
さらに、センター装置2は、その回線網を介してキッズ端末6と通信することができる。キッズ端末6は、センター装置2から発呼されたときに、着信音を鳴らさないで通信状態に入り、検出された音をセンター装置2に送信する。このような動作によれば、センター装置2のユーザは、キッズ端末6の周囲にいる人に気づかれないで、キッズ端末6の周囲の状況を把握することができる。たとえば、センター装置2のユーザは、キッズ端末6を携帯する児童が行方不明になったときに、キッズ端末6の周囲の状況からその児童の行方を推測することができる。なお、センター装置2は、その回線網に接続される他の装置に置換することができる。その装置がその児童の家族が使用する電話機であるときに、その家族は、その電話機を用いて、キッズ端末6の周囲にいる人に気づかれないで、キッズ端末6の周囲の状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】図1は、本発明による近隣セキュリティシステムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、シニア端末を示すブロック図である。
【図3】図3は、シニア端末にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図4】図4は、キッズ端末が電波を出力するタイミングを示すグラフである。
【図5】図5は、MS送受信機を示すブロック図である。
【図6】図6は、MS送受信機にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図7】図7は、GM送受信機を示すブロック図である。
【図8】図8は、GM送受信機にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図9】図9は、近隣セキュリティ装置を示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明による近隣セキュリティ装置にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図11】図11は、連絡先データベースを示す図である。
【図12】図12は、ボタンデータベースを示す図である。
【図13】図13は、登録者データベースを示す図である。
【図14】図14は、守護者データベースを示す図である。
【図15】図15は、シニア端末のボタンが押下されたときの動作を示すフローチャートである。
【図16】図16は、キッズ端末のボタンが押下されたときの動作を示すフローチャートである。
【図17】図17は、行政から緊急情報が発令されたときの動作を示すフローチャートである。
【図18】図18は、GM送受信機とMS送受信機とが正常に動作するかどうかをチェックする動作を示すフローチャートである。
【図19】図19は、キッズ端末を示す図である。
【符号の説明】
【0129】
1 :近隣セキュリティシステム
2 :センター装置
3−1〜3−n:GM送受信機
4−1〜4−m:MS送受信機
5 :シニア端末
6 :キッズ端末
7 :インターネット
8 :電波
9 :電波
10:一般端末本体
11:入力装置
12:電源装置
13:アンテナ
15:緊急ボタン
16:ナースコールボタン
17:ヘルプボタン
21:クロック回路
22:EEPROM
23:RAM
24:ホストインターフェースハードウェア
25:エンベデッドCPU
26:メディアアクセスコントローラ
27:ベースバンドプロセッサ
28:RF
29:半導体チップ
31:入力装置
32:電源装置
33:アンテナ
34:ディスプレイ
35:緊急ボタン
36:ナースコールボタン
37:ヘルプボタン
38:出動ボタン
151:IDデータベース
152:ボタン監視部
153:ヘルプ電波出力部
154:タイマ部
155:電波出力計数部
41:ヘルプ電波受信部
42:中継電波出力部
43:転送部
44:人数判別結果受信部
45:加勢部
46:警報部
47:チェック部
48:緊急情報表示部
51:入力装置
52:電源装置
53:アンテナ
54:ディスプレイ
55:緊急ボタン
56:ナースコールボタン
57:ヘルプボタン
58:出動ボタン
61:転送部
62:チェック部
71:ロードバランサ
72−1〜72−k:サーバ
73−1〜73−l:端末
81:連絡先データベース
82:ボタンデータベース
83:登録者データベース
84:守護者データベース
85:地図データベース
86:ヘルプ収集部
87:人数判別部
88:判別結果配信部
89:位置推測部
90:位置配信部
91:通知部
92:チェック部
93:緊急情報収集部
94:緊急情報配信部
95:料金精算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所有者による特定操作部の操作に応答して前記所有者のIDを含むヘルプデータを電波で送信する端末装置と、
前記ヘルプデータを受信するセンター装置とを具備し、
前記センター装置は、
前記ヘルプデータの内容毎に前記所有者に対して登録された連絡先を格納する連絡先データベースと、
前記ヘルプデータが受信されたとき、前記連絡先データベースを参照して得られた連絡先に前記所有者と前記ヘルプデータの内容を通知する通知手段と
を具備する近隣セキュリティシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記センター装置は、
複数の救援登録者の連絡先を格納した救援登録者データベースを更に具備し、
前記通知手段は、前記ヘルプデータが受信されたとき、前記救援登録者データベースを参照して前記複数の救援登録者の連絡先に救援に赴くように通知する
近隣セキュリティシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記センター装置は、
地図情報を格納する地図データベースを更に具備し、
前記ヘルプデータが前記端末装置から受信されたとき、前記端末装置の電波の発信場所を前記地図情報上に表示する
近隣セキュリティシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記センター装置は、前記端末装置から前記ヘルプデータが一旦受信された後、操作者の操作に応答して前記端末装置からの前記送信を停止する
近隣セキュリティシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
複数の中継装置を更に具備し、
前記複数の中継装置の各々は、前記端末装置または前記複数の中継装置のうちの他の中継装置から前記ヘルプデータを示す電波を受信したときに、前記複数の中継装置のうちの更に他の中継装置または前記センター装置に前記ヘルプデータを示す電波を送信する
近隣セキュリティシステム。
【請求項6】
請求項5において、
前記複数の中継装置は、階層構造に配置され、
前記複数の中継装置の各々は、前記ヘルプデータを受信したとき、前記ヘルプデータが前記階層構造内を複数のルートを介して前記センター装置に送信されるように、前記ヘルプデータを中継する
近隣セキュリティシステム。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記センター装置は、
前記複数の中継装置がそれぞれ配置される位置を記録する中継装置データベースを更に備え、
前記中継装置データベースを参照して、前記複数の中継装置のうちの前記電波を受信した中継装置の位置に基づいて前記端末装置が配置される端末装置位置を推測する
近隣セキュリティシステム。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかにおいて、
前記センター装置は、
公衆に発令される緊急情報を収集し、
前記複数の中継装置に前記緊急情報を配信する
近隣セキュリティシステム。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかにおいて、
前記センター装置は、前記複数の中継装置にチェック指示を配信し、
前記複数の中継装置の各々は、前記センター装置からチェック指示を受信したときに、正常に動作するかどうかを示すチェック結果を前記センター装置に返信する
近隣セキュリティシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて使用される端末装置。
【請求項11】
固有のIDを格納し、操作部を有する端末装置と、階層構造に配置された複数の中継装置と、センター装置とを備える近隣セキュリティシステムを用いて実行される近隣セキュリティ方法であり、
前記端末装置が、前記操作部の操作に応答して前記IDを含むヘルプデータを電波により送信するステップと、
前記複数の中継装置の各々は、前記端末装置または前記複数の中継装置のうちの他の中継装置から受信電波を受信したときに、前記複数の中継装置のうちの更に他の中継装置または前記センター装置に前記受信電波が示すIDを送信するステップ
とを具備する近隣セキュリティ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−164799(P2007−164799A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354832(P2006−354832)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【分割の表示】特願2005−18964(P2005−18964)の分割
【原出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(505147084)品川区 (1)
【出願人】(504032488)特定非営利活動法人ものづくり品川宿 (1)
【出願人】(505145264)
【出願人】(505146892)
【出願人】(505146906)
【Fターム(参考)】