通信機器、通信システム及び通信接続方法
【課題】通信機器同士を簡易に接続すること。
【解決手段】外部機器10aは、Bluetooth(登録商標)を用いて通信する主通信部104と、その通信に必要な機器情報(BDアドレス及びリンクキー)を記憶する記憶部102と、その機器情報を非接触IC技術により携帯電話機20aに送信する補助通信部103と、その送信を契機として、その機器情報を用いて携帯電話機20aを認証する認証部104aとを備える。一方、携帯電話機20aは、Bluetooth(登録商標)を用いて外部機器10aと接続するための主通信部203と、上記機器情報を非接触IC技術により受信する補助通信部201と、その受信を契機として、上記機器情報を用いて外部機器10aに接続を要求する要求部203aとを備える。そして、その要求が認証された場合に、携帯電話機20aと外部機器10aとの接続が確立される。
【解決手段】外部機器10aは、Bluetooth(登録商標)を用いて通信する主通信部104と、その通信に必要な機器情報(BDアドレス及びリンクキー)を記憶する記憶部102と、その機器情報を非接触IC技術により携帯電話機20aに送信する補助通信部103と、その送信を契機として、その機器情報を用いて携帯電話機20aを認証する認証部104aとを備える。一方、携帯電話機20aは、Bluetooth(登録商標)を用いて外部機器10aと接続するための主通信部203と、上記機器情報を非接触IC技術により受信する補助通信部201と、その受信を契機として、上記機器情報を用いて外部機器10aに接続を要求する要求部203aとを備える。そして、その要求が認証された場合に、携帯電話機20aと外部機器10aとの接続が確立される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証処理を含む通信方式により相手の通信機器と通信接続する通信機器、通信システム及び通信接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、認証処理を含む通信方式により相手の通信機器(通信相手機器)と接続しデータ通信を行う手法が知られている。例えば下記特許文献1には、近距離無線通信の一手法であるBluetooth(登録商標、以下同様)を用いてデータ通信を行う通信システムが開示されている。通信機器がBluetoothを用いて通信相手機器に接続するためには、これら通信機器同士でパスコード(暗証番号)などの機器情報を交換し、その機器情報に基づいて相手を認証(機器認証)する必要がある。
【特許文献1】特開2002−271318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、パスコードは、通信接続を要求する通信機器と、その要求を認証する通信機器とにおいてそれぞれ入力される必要があるので、要求側及び認証側の双方のユーザに負荷が掛かると共に、機器認証を経て通信接続が確立するまでに時間を要してしまう。この例のように通信接続の確立が煩雑であると、ユーザが手間の掛かる通信方式の利用を敬遠してしまうおそれがある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信機器同士を簡易に接続することが可能な通信機器、通信システム及び通信接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の通信機器は、第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、第2の通信方式を用いて通信相手機器と通信する補助通信手段と、を備え、通信手段が、該通信手段による通信に必要な情報が補助通信手段により通信相手機器との間で伝達されたことを契機として、該情報に基づいて通信相手機器との接続を確立する。
【0006】
このような通信機器によれば、第1の通信方式による通信に必要な情報が第2の通信方式を用いて通信相手機器との間で伝達され、その情報に基づいて第1の通信方式による通信相手機器との接続が確立される。これにより、第1の通信方式による通信に必要な情報を通信機器のユーザに入力させる必要がなくなるので、通信機器同士を簡易に接続することが可能になる。また、第1の通信方式による通信に必要な情報が通信相手機器との間で伝達されたことを契機に第1の通信方式による接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0007】
本発明の通信機器では、情報を機器情報として予め記憶する記憶手段と、通信相手機器を認証する認証手段と、を更に備え、補助通信手段が、記憶手段に記憶されている機器情報を通信相手機器に送信し、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信を契機として、記憶手段に記憶されている機器情報を用いて通信相手機器を認証し、通信手段が、認証手段により通信相手機器が認証された場合に該通信相手機器との接続を確立することが好ましい。
【0008】
この場合、予め記憶されている機器情報を用いて通信相手機器が認証され、その通信相手機器との間で第1の通信手段による接続が確立されるので、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を通信機器のユーザに入力させることなく、認証及び接続の確立を行うことが可能になる。また、機器情報が通信相手機器に送信されたことを契機として認証及び接続の確立が行われるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0009】
本発明の通信機器では、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信を契機に起動して認証を行うことが好ましい。
【0010】
この場合、機器情報が送信されて初めて認証手段が起動するので、認証と、認証後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0011】
本発明の通信機器では、補助通信手段が、通信手段による接続に必要であり且つ通信相手機器に予め記憶されている相手機器情報を該通信相手機器から受信し、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を更に用いて認証を行うことが好ましい。
【0012】
この場合、機器情報の送信だけでなく、相手機器情報から相手機器情報が受信されることも条件に認証が行われ通信接続が確立される。これにより、認証時に通信相手機器の存在が保証されるので、より確実に通信相手機器に接続できる。
【0013】
本発明の通信機器では、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して認証を行うことが好ましい。
【0014】
この場合、機器情報の送信と相手機器情報の受信とが行なわれて初めて認証手段が起動するので、認証と、認証後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0015】
本発明の通信機器では、認証手段が、通信手段を介して認証を行うことが好ましい。
【0016】
この場合、第1の通信方式を用いて認証が行われるので、第2の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0017】
本発明の機器では、認証手段が、補助通信手段を介して認証を行うことが好ましい。
【0018】
この場合、第2の通信方式を用いて認証が行われるので、第1の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0019】
本発明の機器では、記憶手段が、認証手段により通信相手機器が認証された際に用いた相手機器情報を記憶し、認証手段が、補助通信手段により受信された相手機器情報と記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合に通信相手機器に対する認証処理を省略することが好ましい。
【0020】
この場合、通信相手機器が認証された際に用いた相手機器情報と、受信された相手機器情報とが一致した場合に、通信相手機器を認証する処理が省略される。これにより、一度接続を確立した通信相手機器に改めて接続する際には、以前に認証が成功したときに用いた相手機器情報と受信した相手機器情報とを比較するだけでよい。したがって、より簡易且つ迅速に通信相手機器との接続を確立できる。
【0021】
本発明の通信機器では、通信相手機器に該通信相手機器との接続を要求する要求手段を更に備え、補助通信手段が、通信相手機器から送信された情報を相手機器情報として受信し、要求手段が、補助通信手段による相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を用いて通信相手機器に接続を要求し、通信手段が、要求手段による要求に基づいて通信相手機器により認証された場合に該通信相手機器との接続を確立することが好ましい。
【0022】
この場合、通信相手機器から受信した相手機器情報を用いてその通信相手機器に接続を要求し、この接続要求に基づいて通信相手機器との接続が確立されるので、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を通信機器のユーザに入力させることなく、接続要求及び接続の確立を行うことが可能になる。また、相手機器情報の受信を契機として接続要求及び接続の確立が行われるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0023】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段による相手機器情報の受信を契機に起動して接続を要求することが好ましい。
【0024】
この場合、相手機器情報が受信されて初めて要求手段が起動するので、接続の要求と、要求後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0025】
本発明の通信機器では、通信手段による接続に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段を更に備え、補助通信手段が、記憶手段により記憶されている機器情報を通信相手機器に送信し、要求手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として接続を要求することが好ましい。
【0026】
この場合、相手機器情報の受信及び機器情報の送信を契機として接続要求が行われ通信接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0027】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して接続を要求することが好ましい。
【0028】
この場合、機器情報の送信と相手機器情報の受信とが行なわれて初めて要求手段が起動するので、接続要求と、その要求後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0029】
本発明の通信機器では、要求手段が、通信手段を介して接続を要求することが好ましい。
【0030】
この場合、第1の通信方式を用いて接続要求が行われるので、第2の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0031】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段を介して接続を要求することが好ましい。
【0032】
この場合、第2の通信方式を用いて接続要求が行われるので、第1の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0033】
本発明の通信機器では、記憶手段が、要求手段による要求に基づいて通信相手機器により認証された際に用いた相手機器情報を記憶し、要求手段が、補助通信手段により受信された相手機器情報と記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合には、通信相手機器での認証処理に用いる機器情報を生成することなく前記接続を要求することが好ましい。
【0034】
この場合、通信相手機器により認証された際に用いた相手機器情報と受信された相手機器情報とが一致すれば、認証のための情報を生成することなく接続要求が行われる。これにより、一度接続を確立した通信相手機器に改めて接続要求する際には、以前に認証が成功したときに用いた相手機器情報と受信した相手機器情報とを比較するだけでよい。したがって、より簡易且つ迅速に通信相手機器に接続の要求及び確立をすることが可能になる。
【0035】
本発明の通信システムは、通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とを備える通信システムであって、通信機器が、第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、通信手段による通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信する補助通信手段と、補助通信手段による機器情報の送信を契機として、記憶手段に記憶されている機器情報を用いて通信相手機器を認証する認証手段と、を備え、通信相手機器が、第1の通信方式を用いて通信機器と接続するための相手側通信手段と、補助通信手段により送信された機器情報を第2の通信方式を用いて受信する相手側補助通信手段と、相手側補助通信手段による機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて通信機器に接続を要求する要求手段と、を備え、要求手段による要求が認証手段により認証された場合に、通信手段及び相手側通信手段により通信機器と通信相手機器との接続が確立される、ことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の通信接続方法は、通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とが第1の通信方式を用いて互いに通信接続する通信接続方法であって、通信機器が、通信ステップにおける通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶ステップと、通信機器が、記憶ステップにおいて記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信する送信ステップと、通信相手機器が、送信ステップにおいて送信された機器情報を第2の通信方式を用いて受信する受信ステップと、通信相手機器が、受信ステップにおける機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて通信機器に接続を要求する要求ステップと、通信機器が、送信ステップにおける機器情報の送信を契機として、記憶ステップにおいて記憶されている機器情報と、要求ステップにおける要求とに基づいて、通信相手機器を認証する認証ステップと、認証ステップにおいて通信相手機器が認証された場合に、通信機器と該通信相手機器とが、第1の通信方式を用いて互いに接続する接続ステップと、を含むことを特徴とする。
【0037】
このような通信システム及び通信接続方法によれば、通信機器に予め記憶されている機器情報が第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信され、通信相手機器においてその機器情報が受信される。続いて、その受信を契機に、受信された機器情報を用いて通信相手機器から通信機器に対して接続が要求される。また、機器情報の送信を契機に、その機器情報を用いて、通信相手機器からの要求が通信機器により認証される。そして、その要求が認証されることで、通信機器と通信相手機器との間で第1の通信方式による接続が確立される。これにより、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を、通信機器のユーザ及び通信相手機器のユーザに入力させることなく、通信機器同士の接続を簡易且つ迅速に確立できる。
【発明の効果】
【0038】
このような通信機器、通信システム及び通信接続方法によれば、第1の通信方式による通信に必要な情報が第2の通信方式により伝達されたことを契機として、第1の通信方式による接続が確立されるので、通信機器同士を簡易に接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0040】
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係る通信システム1aについて説明する。図1は通信システム1aの全体構成を示す図である。図2は、図1に示す外部機器10aのハードウェア構成を示す図である。図3は、図1に示す携帯電話機20aのハードウェア構成を示す図である。
【0041】
通信システム1aは、外部機器10aと携帯電話機20aとを備えている。外部機器10aと携帯電話機20aとは、Bluetooth(第1の通信方式)と非接触IC技術(第2の通信方式)という二種類の通信方式を用いて互いに接続しデータ通信を行うことが可能である。なお、外部機器10aの例として、カーナビゲーションシステム、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)、ワイヤレスイヤホン、パーソナルコンピュータ、スピーカなどが挙げられる。
【0042】
外部機器10aは、携帯電話機20aとの通信接続を確立するために、制御部101、記憶部102、補助通信部103及び主通信部104を備えている。
【0043】
この外部機器10aは、図2に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU11、ROM及びRAMで構成される主記憶装置12、ハードディスクなどで構成される補助記憶装置13、所定の通信方式で通信を行うための通信制御装置14、ボタンなどの入力装置15、及びモニタなどの出力装置16で構成される。通信制御装置14は、Bluetoothモジュール14aと非接触ICモジュール14bとを備えている。図1に示す各機能は、図2に示すCPU11や主記憶装置12の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU11の制御の下で通信制御装置14を動作させるとともに、主記憶装置12や補助記憶装置13におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0044】
制御部101は、携帯電話機20aとの接続を指示することを示す指示信号を受け付け、補助通信部103を起動するための起動信号を生成し、その起動信号を補助通信部103に出力する。また制御部101は、補助通信部103からリンクキーが入力された場合に、主通信部104を起動するためにそのリンクキーを主通信部104に転送する。なお、制御部101に指示信号を出力する手法は限定されない。例えば、外部機器10aと携帯電話機20aとが所定の距離以内に接近したことを非接触IC技術(後述する補助通信部103及び201)により検知し、その検知のタイミングで指示信号を出力する。また、外部機器10aで実行されるアプリケーションプログラム(図示せず)が指示信号を出力してもよい。
【0045】
記憶部102は、外部機器10aのBDアドレス(Bluetooth Device Address)と、リンクキーという二種類の機器情報を記憶する記憶手段である。BDアドレスは、Bluetoothにより通信可能な機器を識別するための情報であり、機器毎に予め設定されている。リンクキーは、他の通信機器との接続を確立する際に通信相手機器を認証するための情報であり、BDアドレスと、外部機器10aのユーザにより予め入力されたパスコードに基づいて事前に設定されている。例えば記憶部102は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」とを予め記憶している。
【0046】
補助通信部103は、制御部101から起動信号が入力された場合に、記憶部102に記憶されているBDアドレス及びリンクキーを読み出し、これら二種類の機器情報を非接触IC技術を用いて携帯電話機20aに送信する補助通信手段である。この補助通信部103は、非接触ICモジュール14b(より具体的には非接触ICリーダ/ライタ)により実現されている。また補助通信部103は、機器情報を送信したタイミングでリンクキーを制御部101に出力する。例えば補助通信部103は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」とを読み出して携帯電話機20aに送信するとともにそのリンクキー「KEY_A」を制御部101に出力する。
【0047】
主通信部104は、Bluetooth技術を用いて通信相手機器である携帯電話機20aとの接続を確立し、その携帯電話機20aとの間でデータ通信を行う通信手段である。この主通信部104は、Bluetoothモジュール14aにより実現されている。主通信部104は、携帯電話機20aとの接続を確立するために認証部104aを備えている。この主通信部104は、制御部101からリンクキーが入力されると起動し、携帯電話機20aからの信号を待つ待ち状態(Page_Scan状態)になる。その後主通信部104は、認証部104aからの指示に基づいて携帯電話機20aとの通信接続を確立する。
【0048】
認証部104aは、主通信部104による通信に必要な機器情報(BDアドレス及びリンクキー)が補助通信部103により送信されたことを契機として、その機器情報を用いて携帯電話機20aを認証する認証手段である。
【0049】
具体的には、認証部104aは、制御部101からリンクキー(記憶部102に記憶されていたリンクキー)が入力されると起動し、携帯電話機20aから送信されたリンクキーを受信する。続いて認証部104aは、受信したリンクキーと入力されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。ここで二つのリンクキーが一致した場合、認証部104aは、携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断する。これは、外部機器10aと携帯電話機20aとのペアリングが成功したことを意味する。これに対し二つのリンクキーが異なる場合、認証部104aは、携帯電話機20aからの接続要求を拒否すると判断する。例えば、二つのキーが共に「KEY_A」の場合、認証部104aは接続要求を許可する。
【0050】
主通信部104は、認証部104aが携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断した場合に、Bluetoothの規格に基づいて携帯電話機20aとの通信接続を確立し、認証部がその要求を拒否すると判断した場合に、その接続要求を拒否する。すなわち主通信部104は、認証部104aにより携帯電話機20aが認証された場合に携帯電話機20aとの通信接続を確立する。
【0051】
携帯電話機20aは、外部機器10aとの通信接続を確立するために、補助通信部201、制御部202及び主通信部203を備えている。
【0052】
この携帯電話機20aは、図3に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU21、ROM及びRAMで構成される主記憶部22、メモリなどで構成される補助記憶部23、所定の通信方式を用いてデータ通信を行う通信制御部24、液晶モニタなどで構成される表示部25並びに文字・数字入力及び実行指示を行うキーで構成される操作部26で構成される。通信制御部24は、Bluetoothモジュール24aと非接触ICモジュール24bとを備えている。図1に示す各機能は、図3に示すCPU21及び主記憶部22の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU21の制御の下で通信制御部24を動作させるとともに、主記憶部22や補助記憶部23におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0053】
補助通信部201は、外部機器10aからのBDアドレス及びリンクキー、すなわち相手機器情報を受信する補助通信手段である。この補助通信部201は、非接触ICモジュール24b(より具体的には非接触ICチップ)により実現されており、非接触IC技術を用いて外部機器10aからの情報を受信する。続いて補助通信部201は、受信したBDアドレス及びリンクキーを制御部202に出力する。例えば補助通信部201は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」を受信して制御部202に出力する。
【0054】
制御部202は、補助通信部201からBDアドレス及びリンクキーが入力されると起動し、主通信部203を起動するためにこれらの相手機器情報をその主通信部203に転送する。
【0055】
主通信部203は、Bluetooth技術を用いて通信相手機器である外部機器10aとの接続を確立し、その外部機器10aとの間でデータ通信を行う通信手段である。この主通信部203は、Bluetoothモジュール24aにより実現されている。主通信部203は、外部機器10aとの接続を確立するために要求部203aを備えている。この主通信部203は、制御部202から入力されたBDアドレス及びリンクキーにより起動する。その後主通信部203は、要求部203aによる接続要求に基づいて外部機器10aとの通信接続を確立する。
【0056】
要求部203aは、主通信部203による通信に必要な相手機器情報(BDアドレス及びリンクキー)が補助通信部201により受信されたことを契機として、その相手機器情報を用いて外部機器10aに接続を要求する要求手段である。具体的には、要求部203aは、補助通信部201により受信され、制御部202を経由して入力されたBDアドレス及びリンクキーにより起動し、そのBDアドレスで識別される外部機器10aにそのリンクキーを送信することで、外部機器10aに対する接続要求を行う。例えば要求部203aは、BDアドレス「ADD1」で識別される外部機器10aに対してリンクキー「KEY_A」を送信する。
【0057】
主通信部203は、要求部203aによる接続要求が外部機器10aにより許可された場合に、Bluetoothの規格に基づいて外部機器10aとの通信接続を確立し、その接続要求が外部機器10aにより拒否された場合に、その通信接続を確立することなく処理を終了する。すなわち主通信部203は、要求部203aによる接続要求に基づいて外部機器10aにより認証された場合に、外部機器10aとの通信接続を確立する。
【0058】
次に、図4を用いて、図1に示す通信システム1aの処理を説明するとともに本実施形態に係る通信接続方法について説明する。図4は、通信システム1aの処理を示すシーケンス図である。
【0059】
外部機器10aでは、記憶部102が予めBDアドレス及びリンクキーを記憶している(記憶ステップ)。その後、外部機器10aの制御部101が、携帯電話機20aとの接続を指示することを示す指示信号を受け付けると、補助通信部103が記憶部102からBDアドレス及びリンクキーを読み出して(ステップS101)、これらの機器情報を携帯電話機20aに送信する(ステップS102、送信ステップ)。更に補助通信部103がリンクキーを制御部101に出力し、制御部101がそのリンクキーを主通信部104に転送することで、主通信部104及び認証部104aが起動する(ステップS103)。
【0060】
携帯電話機20aでは、補助通信部201がBDアドレス及びリンクキーを受信し(受信ステップ)、これらの機器情報を制御部202に出力する。これにより制御部202が起動し、BDアドレス及びリンクキーを主通信部203に転送する。この転送により主通信部203及び要求部203aが起動する(ステップS104)。続いて要求部203aが、リンクキーを外部機器10aに送信することで外部機器10aに対する接続要求を行う(ステップS105、要求ステップ)。
【0061】
続いて外部機器10aの認証部104aが、携帯電話機20aから受信したリンクキーと制御部101から入力されたリンクキーとを比較する(ステップS106)。このとき二つのリンクキーが一致すれば(ステップS107;YES)、認証部104aは携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断する(ステップS108、認証ステップ)。これにより携帯電話機20aと外部機器10aとのペアリングが成功し、外部機器10aの主通信部104と携帯電話機20aの主通信部203との間で通信接続が確立する(ステップS109、接続ステップ)。これに対し、二つのリンクキーが相違する場合は(ステップS107;NO)、認証部104aは携帯電話機20aからの接続要求を拒否すると判断し、外部機器10aと携帯電話機20aとは接続されることなく処理が終了する。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態によれば、リンクキーの生成に必要なパスコードを、外部機器10aのユーザ及び携帯電話機20aのユーザに入力させることなく、これらの通信機器同士の接続を簡易且つ迅速に確立できる。
【0063】
また第1実施形態によれば、補助通信部103が機器情報を送信して初めて主通信部104及び認証部104aが起動するので、外部機器10aが認証及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約できる。加えて、補助通信部201が機器情報を受信して初めて主通信部203及び要求部203aが起動するので、携帯電話機20aが接続の要求及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、図5及び6を用いて本発明の第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態に係る通信システム1bの全体構成を示す図である。図6は、図5に示す通信システム1bの処理を示すシーケンス図である。
【0065】
通信システム1bは、外部機器10bと携帯電話機20bとを備えている。外部機器10bは、制御部111と、記憶部112と、補助通信部113と、認証部114aを含む主通信部114とを備えている。携帯電話機20bは、補助通信部211と、制御部212と、要求部213aを含む主通信部213と、記憶部214とを備えている。外部機器10b及び携帯電話機20bのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0066】
制御部111、記憶部112、補助通信部113、主通信部114及び認証部114aは、第1実施形態における制御部101、記憶部102、補助通信部103、主通信部104及び認証部104aにそれぞれ相当する。補助通信部211、制御部212、主通信部213及び要求部213aは、第1実施形態における補助通信部201、制御部202、主通信部203及び要求部203aにそれぞれ相当する。以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0067】
外部機器10bの記憶部112は、リンクキーに代えて、機器情報の一種であるパスコード(暗証番号)を記憶している。例えば記憶部112は、外部機器10bのBDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を予め記憶している。
【0068】
外部機器10bの補助通信部113は、記憶部112に記憶されているBDアドレス及びパスコードを読み出し、これらの機器情報を携帯電話機20bに送信する。続いて補助通信部113は、携帯電話機20bの補助通信部211から送信されてくる携帯電話機20bのBDアドレス(相手機器情報)を待つ。その後補助通信部113は、携帯電話機20bのBDアドレスを受信し、受信したBDアドレスと読出し済のパスコードとを制御部111に出力する。例えば補助通信部113は、BDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を読み出して送信した後にBDアドレス「ADD2」を受信し、BDアドレス「ADD2」及びパスコード「PIN1」を制御部111に出力する。
【0069】
外部機器10bの認証部114aは、機器情報(外部機器10bのBDアドレス、パスコード)の送信と、相手機器情報(携帯電話機20bのBDアドレス)の受信とが実行されたことを制御部111から通知されたことを契機として起動し、携帯電話機20bを認証する。
【0070】
具体的には、認証部114aは、まず、パスコードと携帯電話機20bのBDアドレスとが制御部111から入力されることで起動する。続いて認証部114aは、所定のリンクキー生成用アルゴリズムに、制御部111から入力された、パスコード及び携帯電話機20bのBDアドレスを与えることで、リンクキーを生成する。続いて認証部114aは、携帯電話機20aから送信されたリンクキーを受信する。続いて認証部114aは、受信したリンクキーと生成されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。そして認証部114aは、この判定結果に基づいて、携帯電話機20bからの接続要求を許可するか否かを判断する。
【0071】
携帯電話機20bの記憶部214は、携帯電話機20bのBDアドレス(機器情報)を記憶する記憶手段である。例えば記憶部214は、BDアドレス「ADD2」を予め記憶している。
【0072】
携帯電話機20bの補助通信部211は、外部機器10bの補助通信部113からBDアドレス及びパスコードを受信すると、記憶部214から携帯電話機20bのBDアドレスを読み出して外部機器10bに送信する。続いて補助通信部211は、携帯電話機20bのBDアドレス、外部機器10bのBDアドレス及びパスコードを制御部212に出力する。例えば補助通信部211は、BDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を受信し、BDアドレス「ADD2」を送信した後に、BDアドレス「ADD1」、「ADD2」及びパスコード「PIN1」を制御部212に出力する。
【0073】
要求部213aは、補助通信部211により機器情報(携帯電話機20bのBDアドレス)の送信と相手機器情報(外部機器10bのBDアドレス、パスコード)の受信が実行されたことを制御部212から通知されたことを契機として外部機器10bに接続を要求する。
【0074】
具体的には、BDアドレス及びパスコードが制御部212から入力されると主通信部213及び要求部213aが起動する。続いて主通信部213が、入力された外部機器10bのBDアドレスに基づいて外部機器10bを探索する。そして、外部機器10bを探索できた場合、要求部213aが、所定のリンクキー生成用アルゴリズムに、制御部212から入力されたパスコードと、携帯電話機20bのBDアドレスとを与えることで、リンクキーを生成する。続いて要求部213aは、生成されたリンクキーを外部機器10bに送信することで、外部機器10bに対する接続要求を行う。例えば要求部213aは、BDアドレス「ADD2」とパスコード「PIN1」とに基づいて生成されたリンクキー「KEY_A」を外部機器10bに送信する。
【0075】
このような場合、通信システム1bの処理は図6のように行われる。まず、外部機器10bにおいて補助通信部113が外部機器10bのBDアドレスとパスコードとを読み出し(ステップS201)、これらの機器情報を携帯電話機20bに送信する(ステップS202)。
【0076】
その後、携帯電話機20bの補助通信部211が外部機器10bからの機器情報を受信する。続いて補助通信部211が、記憶部214から携帯電話機20bのBDアドレスを読み出し(ステップS203)、そのBDアドレスを外部機器10bに送信する(ステップS204)。続いて補助通信部211がBDアドレス及びパスコードを制御部212に出力し、制御部212がこれらの機器情報を主通信部213に転送することで、主通信部213及び要求部213aが起動する(ステップS205)。主通信部213は、起動した際に外部機器10bを探索する。続いて要求部213aが、携帯電話機20bのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する(ステップS206)。
【0077】
一方、外部機器10bでは、補助通信部113が携帯電話機20bからBDアドレスを受信し、そのBDアドレスと読出し済のパスコードとを制御部111に出力する。続いて制御部111がBDアドレス及びパスコードを主通信部114に転送することで、主通信部114及び認証部114aが起動する(ステップS207)。続いて、認証部114aが、携帯電話機20bのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する(ステップS208)。その後に実行されるステップS209〜S213の処理は、図4に示すステップS105〜S109で示すものと同様である。
【0078】
以上説明したように第2実施形態によれば、外部機器10bにおいて認証時に携帯電話機20bの存在が保証されるので、より確実に携帯電話機20bに接続できる。一方、携帯電話機20bでは、BDアドレス及びパスコードの受信とBDアドレスの送信が制御部212から通知されたことを契機として接続要求が行われ通信接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0079】
また第2実施形態によれば、補助通信部113が機器情報を送受信して初めて主通信部114及び認証部114aが起動するので、外部機器10bが認証及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約できる。加えて、補助通信部211が機器情報を送受信して初めて主通信部213及び要求部213aが起動するので、携帯電話機20bが接続の要求及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約することができる。
【0080】
また第2実施形態によれば、Bluetoothを用いて認証が行われるので、非接触IC技術を用いるために必要な電力を節約できる。Bluetoothを利用する主通信部114及び主通信部213が消費する単位電力量よりも非接触IC技術を利用する補助通信部113及び補助通信部211が消費する単位電力量の方が大きい場合には、全体として外部機器10b及び携帯電話機20bの消費電力を抑制できる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、図7及び8を用いて本発明の第3実施形態を説明する。図7は、第3実施形態に係る通信システム1cの全体構成を示す図である。図8は、図7に示す通信システム1cの処理を示すシーケンス図である。
【0082】
通信システム1cは、外部機器10cと携帯電話機20cとを備えている。外部機器10cは、制御部121と、記憶部122と、補助通信部123と、主通信部124とを備えている。携帯電話機20cは、補助通信部221と、制御部222と、主通信部223と、記憶部224とを備えている。外部機器10c及び携帯電話機20cのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0083】
制御部121、記憶部122、補助通信部123及び主通信部124は、第2実施形態における制御部111、記憶部112、補助通信部113及び主通信部114にそれぞれ相当する。補助通信部221、制御部222、主通信部223及び記憶部224は、第2実施形態における補助通信部211、制御部212、主通信部213及び記憶部214にそれぞれ対応する。第2実施形態における認証部114aに相当する123aは、主通信部124の構成要素ではなく補助通信部123の構成要素である。また、第2実施形態における要求部213aに相当する要求部221aは、主通信部223の構成要素ではなく補助通信部221の構成要素である。もっとも、認証部123a及び要求部221aは、補助通信部123と補助通信部221との間で機器情報及び相手機器情報が伝達されたことを契機に起動する点で、第2実施形態の場合と同様である。以下では、第2実施形態と異なる点について説明する。
【0084】
携帯電話機20cの主通信部223は、制御部222からの機器情報に基づいて起動した後、入力された外部機器10cのBDアドレスに基づいて外部機器10cを探索する。そして、外部機器10cを探索した場合、主通信部223は探索に成功したことを示す探索成功信号を生成し、制御部222を介して補助通信部221に出力する。
【0085】
携帯電話機20cの要求部221aは、補助通信部221に探索成功信号が入力された場合に、携帯電話機20cのBDアドレスと外部機器10cから受信したパスコードとに基づいてリンクキーを生成する。続いて要求部221aは、生成されたリンクキーを外部機器10cに送信することで、外部機器10cに対する接続要求を行う。
【0086】
外部機器10cの認証部123aは、補助通信部123が携帯電話機20cのBDアドレスを受信した後、携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する。続いて認証部123aは、携帯電話機20cから送信されたリンクキーを受信し、受信されたリンクキーと生成されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。そして、二つのリンクキーが一致する場合、認証部123aは携帯電話機20cからの接続要求を許可すると判断する(携帯電話機20cと外部機器10cとのペアリングが成功する)。続いて認証部123aは、携帯電話機20cと外部機器10cとをBluetoothにより接続させるための接続信号を生成し、生成した接続信号を制御部121を介して主通信部124に出力する。また、補助通信部123がその接続信号を携帯電話機20cに送信する。
【0087】
携帯電話機20cの補助通信部221は、外部機器10cからの接続信号を受信し、その接続信号を制御部222を介して主通信部223に出力する。
【0088】
外部機器10cの主通信部124及び携帯電話機20cの主通信部223は、入力された接続信号に基づいて相互に接続する(通信接続の確立)。
【0089】
このような場合、通信システム1cの処理は図8のように行われる。ステップS301〜S304の処理は、図6に示すステップS201〜S204の処理と同様である。その後、外部機器10cでは主通信部124が起動する(ステップS305)。一方、携帯電話機20cでは、主通信部223が起動し外部機器10cを探索する(ステップS306)。この探索が成功すると、要求部221aが携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成し(ステップS307)、外部機器10cに送信する(ステップS308)。
【0090】
一方、外部機器10cでは、認証部123aが、携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成し(ステップS309)、生成されたリンクキーと携帯電話機20cから受信したリンクキーとを比較する(ステップS310)。その後に実行されるステップS311〜S313の処理は、図6に示すステップS211〜S213で示すものと同様である。
【0091】
以上説明したように、第3実施形態によれば、非接触IC技術を用いて認証が行われるので、Bluetoothを用いるために必要な電力を節約できる。非接触IC技術を利用する補助通信部123及び補助通信部221が消費する単位電力量よりもBluetoothを利用する主通信部124及び主通信部223が消費する単位電力量の方が大きい場合には、全体として外部機器10c及び携帯電話機20cの消費電力を抑制できる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、図9〜11を用いて本発明の第4実施形態を説明する。図9は、第4実施形態に係る通信システム1dの全体構成を示す図である。図10及び11は、図9に示す通信システム1dの処理を示すシーケンス図である。
【0093】
通信システム1dは、外部機器10dと携帯電話機20dとを備えている。外部機器10dは、制御部131と、記憶部132と、補助通信部133と、認証部134aを含む主通信部134とを備えている。携帯電話機20dは、補助通信部231と、制御部232と、要求部233aを含む主通信部233と、記憶部234とを備えている。外部機器10d及び携帯電話機20dのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0094】
制御部131、記憶部132、補助通信部133、主通信部134及び認証部134aは、第2実施形態における制御部111、記憶部112、補助通信部113主通信部114及び認証部114aにそれぞれ対応する。補助通信部231、制御部232、主通信部233、要求部233a及び記憶部234は、第2実施形態における補助通信部211、制御部212、主通信部213、要求部213a及び記憶部214にそれぞれ対応する。以下では、第2実施形態と異なる点について説明する。
【0095】
外部機器10dの記憶部132、及び携帯電話機20dの記憶部234は、それぞれ、過去に接続した通信相手機器のBDアドレスを記憶することが可能である。
【0096】
携帯電話機20dの補助通信部231と外部機器10dの補助通信部133は、お互いにBDアドレスとパスコードを送信する。携帯電話機20dの補助通信部231は、外部機器10dのBDアドレス及びパスコードが入力されると、制御部232へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。制御部232は、主通信部233へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。要求部233aは制御部232から通知されたBDアドレスが記憶部234に記憶されているか否かを判定する。ここで、そのようなBDアドレスが存在しない場合、要求部233aは、第2実施形態における要求部213aと同様に、リンクキーを生成して外部機器10dにそのリンクキーを送信することで、外部機器10dに対して接続を要求する。その後、その接続要求が認証され、外部機器10dと携帯電話機20dとの間で通信接続が確立されると、主通信部233が、接続要求時に用いた外部機器10dのBDアドレスを記憶部234に出力する。これにより、記憶部234が外部機器10dのBDアドレスを記憶する。
【0097】
これに対し、外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部234に存在する場合、要求部233aは、外部機器10dでの認証処理で用いるリンクキーを生成することなく、外部機器10dに対する接続要求を行う。
【0098】
外部機器10dの補助通信部133は、携帯電話機20dのBDアドレス及びパスコードが入力されると、制御部131へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。制御部131は、主通信部134へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。認証部134aは制御部131から通知されたBDアドレスが記憶部132に記憶されているか否かを判定する。ここで、そのようなBDアドレスが存在しない場合、認証部134aは、第2実施形態における認証部114aと同様にリンクキーを生成し、認証処理を実行する。その後、外部機器10dと携帯電話機20dとの間で通信接続が確立されると、主通信部134が、認証時に用いた携帯電話機20dのBDアドレスを記憶部132に出力する。これにより、記憶部132が、携帯電話機20dのBDアドレスを記憶する。
【0099】
これに対し、携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部132に存在する場合、認証部134aは、リンクキーを生成することなく携帯電話機20dからの接続要求を許可する。すなわち、外部機器10dは、携帯電話機20dに対する認証処理を省略する。これにより、外部機器10dの主通信部134と携帯電話機20dの主通信部233との間で通信接続が確立する。
【0100】
次に、通信システム1dの処理を説明する。外部機器10dと携帯電話機20dとが以前に相互接続している場合は、図10に示す処理により通信接続が確立される。
【0101】
まず、ステップS401〜S405及びS407の処理は、図6におけるステップS201〜S205及びS207の処理と同様である。
【0102】
その後、携帯電話機20dでは、要求部233aが、入力された外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部234に記憶されているか否かを判定する(ステップS406)。この場合、記憶部234は外部機器10dのBDアドレスを記憶しているので、入力されたBDアドレスと一致するBDアドレスが存在する(ステップS406)。したがって、要求部233aは、リンクキーを生成することなく、外部機器10dに対して接続要求を行う(ステップS409)。
【0103】
一方、外部機器10dでは、認証部134aが、入力された携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部132に記憶されているか否かを判定する(ステップS408)。この場合、記憶部132は、携帯電話機20dのBDアドレスを記憶しているので、入力されたBDアドレスと一致するBDアドレスが存在する(ステップS408)。したがって、認証部134aは、リンクキーを生成する処理と、そのリンクキーを用いて携帯電話機20dを認証する処理とを省略する。
【0104】
その後、外部機器10dの主通信部134と携帯電話機20dの主通信部233とが、携帯電話機20dからの接続要求に基づいて相互に通信接続を確立する(ステップS410)。
【0105】
これに対し、外部機器10dと携帯電話機20dとが未だ接続したことがない場合、図11に示す処理により通信接続が確立される。
【0106】
ステップS501〜S505及びS507の処理は、図10におけるステップS401〜S405及びS407の処理と同様である。その後、携帯電話機20dの要求部233aは、外部機器10dのBDアドレスが未だ記憶部234に記憶されていないために、制御部232から入力された外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが存在しないと判断する(ステップS506)。また、外部機器10dの認証部134aは、携帯電話機20dのBDアドレスが未だ記憶部132に記憶されていないために、制御部131から入力された携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが存在しないと判断する(ステップS508)。
【0107】
この場合、図6におけるステップS206及びS208〜S213の処理と同様に、ステップS509〜S515の処理が行なわれる。すなわち、受信したBDアドレスが未だ記憶されていない場合は、第2実施形態と同様に、リンクキーに基づく接続確立処理が実行される。
【0108】
以上説明したように、第4実施形態によれば、一度接続を確立した携帯電話機20dに改めて接続する際に、以前に認証が成功したときに用いた携帯電話機20dのBDアドレスと、受信したBDアドレスとが一致すれば、リンクキーの生成及び比較を行う必要がない。また、一度接続を確立した外部機器10dに改めて接続要求する際に、以前に認証が成功したときに用いた外部機器10dのBDアドレスと、受信したBDアドレスとが一致すれば、リンクキーの生成を行う必要がない。したがって、より簡易且つ迅速に接続要求及び認証を実行して外部機器10dと携帯電話機20dとの通信接続を確立できる。
【0109】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0110】
上記実施形態では、通信システム1a〜1dがそれぞれ携帯電話機20a〜20dを含んでいたが、通信システムが携帯電話機を含まなくてもよい。例えば、パーソナルコンピュータとスピーカとから成る通信システムに対して本発明を適用してもよい。また、一つの通信機器が接続の要求とその要求の認証とを実行できるように、例えば一つの通信機器に上記携帯電話機20aの機能と外部機器10aの機能の双方を実装してもよい。
【0111】
また上記実施形態では、第1の通信手段としてBluetoothを採用し、第2の通信手段として非接触IC技術を採用したが、他の通信方式を用いる場合でも本発明を適用できる。例えば、無線LANや赤外線通信などの通信方式を第1又は第2の通信手段として利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す外部機器のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1に示す携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図1に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図6】図5に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図7】第3実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図8】図7に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図9】第4実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図10】図9に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図11】図9に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0113】
1a〜1d…通信システム、10a〜10d…外部機器(通信機器)、20a〜20d…携帯電話機(通信機器)、102,112,122,132…記憶部(記憶手段)、103,113,123,133…補助通信部(補助通信手段)、104,114,124,134…主通信部(通信手段)、104a,114a,123a,134a…認証部(認証手段)、201,211,221,231…補助通信部(補助通信手段、相手側補助通信手段)、203,213,223,233…主通信部(通信手段、相手側通信手段)、203a,213a,221a,233a…要求部(要求手段)、214,224,234…記憶部(記憶手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証処理を含む通信方式により相手の通信機器と通信接続する通信機器、通信システム及び通信接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、認証処理を含む通信方式により相手の通信機器(通信相手機器)と接続しデータ通信を行う手法が知られている。例えば下記特許文献1には、近距離無線通信の一手法であるBluetooth(登録商標、以下同様)を用いてデータ通信を行う通信システムが開示されている。通信機器がBluetoothを用いて通信相手機器に接続するためには、これら通信機器同士でパスコード(暗証番号)などの機器情報を交換し、その機器情報に基づいて相手を認証(機器認証)する必要がある。
【特許文献1】特開2002−271318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、パスコードは、通信接続を要求する通信機器と、その要求を認証する通信機器とにおいてそれぞれ入力される必要があるので、要求側及び認証側の双方のユーザに負荷が掛かると共に、機器認証を経て通信接続が確立するまでに時間を要してしまう。この例のように通信接続の確立が煩雑であると、ユーザが手間の掛かる通信方式の利用を敬遠してしまうおそれがある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信機器同士を簡易に接続することが可能な通信機器、通信システム及び通信接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の通信機器は、第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、第2の通信方式を用いて通信相手機器と通信する補助通信手段と、を備え、通信手段が、該通信手段による通信に必要な情報が補助通信手段により通信相手機器との間で伝達されたことを契機として、該情報に基づいて通信相手機器との接続を確立する。
【0006】
このような通信機器によれば、第1の通信方式による通信に必要な情報が第2の通信方式を用いて通信相手機器との間で伝達され、その情報に基づいて第1の通信方式による通信相手機器との接続が確立される。これにより、第1の通信方式による通信に必要な情報を通信機器のユーザに入力させる必要がなくなるので、通信機器同士を簡易に接続することが可能になる。また、第1の通信方式による通信に必要な情報が通信相手機器との間で伝達されたことを契機に第1の通信方式による接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0007】
本発明の通信機器では、情報を機器情報として予め記憶する記憶手段と、通信相手機器を認証する認証手段と、を更に備え、補助通信手段が、記憶手段に記憶されている機器情報を通信相手機器に送信し、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信を契機として、記憶手段に記憶されている機器情報を用いて通信相手機器を認証し、通信手段が、認証手段により通信相手機器が認証された場合に該通信相手機器との接続を確立することが好ましい。
【0008】
この場合、予め記憶されている機器情報を用いて通信相手機器が認証され、その通信相手機器との間で第1の通信手段による接続が確立されるので、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を通信機器のユーザに入力させることなく、認証及び接続の確立を行うことが可能になる。また、機器情報が通信相手機器に送信されたことを契機として認証及び接続の確立が行われるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0009】
本発明の通信機器では、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信を契機に起動して認証を行うことが好ましい。
【0010】
この場合、機器情報が送信されて初めて認証手段が起動するので、認証と、認証後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0011】
本発明の通信機器では、補助通信手段が、通信手段による接続に必要であり且つ通信相手機器に予め記憶されている相手機器情報を該通信相手機器から受信し、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を更に用いて認証を行うことが好ましい。
【0012】
この場合、機器情報の送信だけでなく、相手機器情報から相手機器情報が受信されることも条件に認証が行われ通信接続が確立される。これにより、認証時に通信相手機器の存在が保証されるので、より確実に通信相手機器に接続できる。
【0013】
本発明の通信機器では、認証手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して認証を行うことが好ましい。
【0014】
この場合、機器情報の送信と相手機器情報の受信とが行なわれて初めて認証手段が起動するので、認証と、認証後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0015】
本発明の通信機器では、認証手段が、通信手段を介して認証を行うことが好ましい。
【0016】
この場合、第1の通信方式を用いて認証が行われるので、第2の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0017】
本発明の機器では、認証手段が、補助通信手段を介して認証を行うことが好ましい。
【0018】
この場合、第2の通信方式を用いて認証が行われるので、第1の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0019】
本発明の機器では、記憶手段が、認証手段により通信相手機器が認証された際に用いた相手機器情報を記憶し、認証手段が、補助通信手段により受信された相手機器情報と記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合に通信相手機器に対する認証処理を省略することが好ましい。
【0020】
この場合、通信相手機器が認証された際に用いた相手機器情報と、受信された相手機器情報とが一致した場合に、通信相手機器を認証する処理が省略される。これにより、一度接続を確立した通信相手機器に改めて接続する際には、以前に認証が成功したときに用いた相手機器情報と受信した相手機器情報とを比較するだけでよい。したがって、より簡易且つ迅速に通信相手機器との接続を確立できる。
【0021】
本発明の通信機器では、通信相手機器に該通信相手機器との接続を要求する要求手段を更に備え、補助通信手段が、通信相手機器から送信された情報を相手機器情報として受信し、要求手段が、補助通信手段による相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を用いて通信相手機器に接続を要求し、通信手段が、要求手段による要求に基づいて通信相手機器により認証された場合に該通信相手機器との接続を確立することが好ましい。
【0022】
この場合、通信相手機器から受信した相手機器情報を用いてその通信相手機器に接続を要求し、この接続要求に基づいて通信相手機器との接続が確立されるので、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を通信機器のユーザに入力させることなく、接続要求及び接続の確立を行うことが可能になる。また、相手機器情報の受信を契機として接続要求及び接続の確立が行われるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0023】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段による相手機器情報の受信を契機に起動して接続を要求することが好ましい。
【0024】
この場合、相手機器情報が受信されて初めて要求手段が起動するので、接続の要求と、要求後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0025】
本発明の通信機器では、通信手段による接続に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段を更に備え、補助通信手段が、記憶手段により記憶されている機器情報を通信相手機器に送信し、要求手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として接続を要求することが好ましい。
【0026】
この場合、相手機器情報の受信及び機器情報の送信を契機として接続要求が行われ通信接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0027】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して接続を要求することが好ましい。
【0028】
この場合、機器情報の送信と相手機器情報の受信とが行なわれて初めて要求手段が起動するので、接続要求と、その要求後に行われる通信接続の確立とを実行するために必要な電力を節約できる。そのため、例えば通信機器が電池で稼働する場合には、電池の消耗を抑制できる。
【0029】
本発明の通信機器では、要求手段が、通信手段を介して接続を要求することが好ましい。
【0030】
この場合、第1の通信方式を用いて接続要求が行われるので、第2の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0031】
本発明の通信機器では、要求手段が、補助通信手段を介して接続を要求することが好ましい。
【0032】
この場合、第2の通信方式を用いて接続要求が行われるので、第1の通信方式を用いるために必要な電力を節約できる。例えば、第2の通信方式を利用するために必要な単位電力量よりも第1の通信方式を利用するために必要な単位電力量の方が大きい場合に、この手法は有効である。
【0033】
本発明の通信機器では、記憶手段が、要求手段による要求に基づいて通信相手機器により認証された際に用いた相手機器情報を記憶し、要求手段が、補助通信手段により受信された相手機器情報と記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合には、通信相手機器での認証処理に用いる機器情報を生成することなく前記接続を要求することが好ましい。
【0034】
この場合、通信相手機器により認証された際に用いた相手機器情報と受信された相手機器情報とが一致すれば、認証のための情報を生成することなく接続要求が行われる。これにより、一度接続を確立した通信相手機器に改めて接続要求する際には、以前に認証が成功したときに用いた相手機器情報と受信した相手機器情報とを比較するだけでよい。したがって、より簡易且つ迅速に通信相手機器に接続の要求及び確立をすることが可能になる。
【0035】
本発明の通信システムは、通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とを備える通信システムであって、通信機器が、第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、通信手段による通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信する補助通信手段と、補助通信手段による機器情報の送信を契機として、記憶手段に記憶されている機器情報を用いて通信相手機器を認証する認証手段と、を備え、通信相手機器が、第1の通信方式を用いて通信機器と接続するための相手側通信手段と、補助通信手段により送信された機器情報を第2の通信方式を用いて受信する相手側補助通信手段と、相手側補助通信手段による機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて通信機器に接続を要求する要求手段と、を備え、要求手段による要求が認証手段により認証された場合に、通信手段及び相手側通信手段により通信機器と通信相手機器との接続が確立される、ことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の通信接続方法は、通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とが第1の通信方式を用いて互いに通信接続する通信接続方法であって、通信機器が、通信ステップにおける通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶ステップと、通信機器が、記憶ステップにおいて記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信する送信ステップと、通信相手機器が、送信ステップにおいて送信された機器情報を第2の通信方式を用いて受信する受信ステップと、通信相手機器が、受信ステップにおける機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて通信機器に接続を要求する要求ステップと、通信機器が、送信ステップにおける機器情報の送信を契機として、記憶ステップにおいて記憶されている機器情報と、要求ステップにおける要求とに基づいて、通信相手機器を認証する認証ステップと、認証ステップにおいて通信相手機器が認証された場合に、通信機器と該通信相手機器とが、第1の通信方式を用いて互いに接続する接続ステップと、を含むことを特徴とする。
【0037】
このような通信システム及び通信接続方法によれば、通信機器に予め記憶されている機器情報が第2の通信方式を用いて通信相手機器に送信され、通信相手機器においてその機器情報が受信される。続いて、その受信を契機に、受信された機器情報を用いて通信相手機器から通信機器に対して接続が要求される。また、機器情報の送信を契機に、その機器情報を用いて、通信相手機器からの要求が通信機器により認証される。そして、その要求が認証されることで、通信機器と通信相手機器との間で第1の通信方式による接続が確立される。これにより、第1の通信方式による通信に必要な機器情報を、通信機器のユーザ及び通信相手機器のユーザに入力させることなく、通信機器同士の接続を簡易且つ迅速に確立できる。
【発明の効果】
【0038】
このような通信機器、通信システム及び通信接続方法によれば、第1の通信方式による通信に必要な情報が第2の通信方式により伝達されたことを契機として、第1の通信方式による接続が確立されるので、通信機器同士を簡易に接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0040】
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係る通信システム1aについて説明する。図1は通信システム1aの全体構成を示す図である。図2は、図1に示す外部機器10aのハードウェア構成を示す図である。図3は、図1に示す携帯電話機20aのハードウェア構成を示す図である。
【0041】
通信システム1aは、外部機器10aと携帯電話機20aとを備えている。外部機器10aと携帯電話機20aとは、Bluetooth(第1の通信方式)と非接触IC技術(第2の通信方式)という二種類の通信方式を用いて互いに接続しデータ通信を行うことが可能である。なお、外部機器10aの例として、カーナビゲーションシステム、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)、ワイヤレスイヤホン、パーソナルコンピュータ、スピーカなどが挙げられる。
【0042】
外部機器10aは、携帯電話機20aとの通信接続を確立するために、制御部101、記憶部102、補助通信部103及び主通信部104を備えている。
【0043】
この外部機器10aは、図2に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU11、ROM及びRAMで構成される主記憶装置12、ハードディスクなどで構成される補助記憶装置13、所定の通信方式で通信を行うための通信制御装置14、ボタンなどの入力装置15、及びモニタなどの出力装置16で構成される。通信制御装置14は、Bluetoothモジュール14aと非接触ICモジュール14bとを備えている。図1に示す各機能は、図2に示すCPU11や主記憶装置12の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU11の制御の下で通信制御装置14を動作させるとともに、主記憶装置12や補助記憶装置13におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0044】
制御部101は、携帯電話機20aとの接続を指示することを示す指示信号を受け付け、補助通信部103を起動するための起動信号を生成し、その起動信号を補助通信部103に出力する。また制御部101は、補助通信部103からリンクキーが入力された場合に、主通信部104を起動するためにそのリンクキーを主通信部104に転送する。なお、制御部101に指示信号を出力する手法は限定されない。例えば、外部機器10aと携帯電話機20aとが所定の距離以内に接近したことを非接触IC技術(後述する補助通信部103及び201)により検知し、その検知のタイミングで指示信号を出力する。また、外部機器10aで実行されるアプリケーションプログラム(図示せず)が指示信号を出力してもよい。
【0045】
記憶部102は、外部機器10aのBDアドレス(Bluetooth Device Address)と、リンクキーという二種類の機器情報を記憶する記憶手段である。BDアドレスは、Bluetoothにより通信可能な機器を識別するための情報であり、機器毎に予め設定されている。リンクキーは、他の通信機器との接続を確立する際に通信相手機器を認証するための情報であり、BDアドレスと、外部機器10aのユーザにより予め入力されたパスコードに基づいて事前に設定されている。例えば記憶部102は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」とを予め記憶している。
【0046】
補助通信部103は、制御部101から起動信号が入力された場合に、記憶部102に記憶されているBDアドレス及びリンクキーを読み出し、これら二種類の機器情報を非接触IC技術を用いて携帯電話機20aに送信する補助通信手段である。この補助通信部103は、非接触ICモジュール14b(より具体的には非接触ICリーダ/ライタ)により実現されている。また補助通信部103は、機器情報を送信したタイミングでリンクキーを制御部101に出力する。例えば補助通信部103は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」とを読み出して携帯電話機20aに送信するとともにそのリンクキー「KEY_A」を制御部101に出力する。
【0047】
主通信部104は、Bluetooth技術を用いて通信相手機器である携帯電話機20aとの接続を確立し、その携帯電話機20aとの間でデータ通信を行う通信手段である。この主通信部104は、Bluetoothモジュール14aにより実現されている。主通信部104は、携帯電話機20aとの接続を確立するために認証部104aを備えている。この主通信部104は、制御部101からリンクキーが入力されると起動し、携帯電話機20aからの信号を待つ待ち状態(Page_Scan状態)になる。その後主通信部104は、認証部104aからの指示に基づいて携帯電話機20aとの通信接続を確立する。
【0048】
認証部104aは、主通信部104による通信に必要な機器情報(BDアドレス及びリンクキー)が補助通信部103により送信されたことを契機として、その機器情報を用いて携帯電話機20aを認証する認証手段である。
【0049】
具体的には、認証部104aは、制御部101からリンクキー(記憶部102に記憶されていたリンクキー)が入力されると起動し、携帯電話機20aから送信されたリンクキーを受信する。続いて認証部104aは、受信したリンクキーと入力されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。ここで二つのリンクキーが一致した場合、認証部104aは、携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断する。これは、外部機器10aと携帯電話機20aとのペアリングが成功したことを意味する。これに対し二つのリンクキーが異なる場合、認証部104aは、携帯電話機20aからの接続要求を拒否すると判断する。例えば、二つのキーが共に「KEY_A」の場合、認証部104aは接続要求を許可する。
【0050】
主通信部104は、認証部104aが携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断した場合に、Bluetoothの規格に基づいて携帯電話機20aとの通信接続を確立し、認証部がその要求を拒否すると判断した場合に、その接続要求を拒否する。すなわち主通信部104は、認証部104aにより携帯電話機20aが認証された場合に携帯電話機20aとの通信接続を確立する。
【0051】
携帯電話機20aは、外部機器10aとの通信接続を確立するために、補助通信部201、制御部202及び主通信部203を備えている。
【0052】
この携帯電話機20aは、図3に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU21、ROM及びRAMで構成される主記憶部22、メモリなどで構成される補助記憶部23、所定の通信方式を用いてデータ通信を行う通信制御部24、液晶モニタなどで構成される表示部25並びに文字・数字入力及び実行指示を行うキーで構成される操作部26で構成される。通信制御部24は、Bluetoothモジュール24aと非接触ICモジュール24bとを備えている。図1に示す各機能は、図3に示すCPU21及び主記憶部22の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU21の制御の下で通信制御部24を動作させるとともに、主記憶部22や補助記憶部23におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0053】
補助通信部201は、外部機器10aからのBDアドレス及びリンクキー、すなわち相手機器情報を受信する補助通信手段である。この補助通信部201は、非接触ICモジュール24b(より具体的には非接触ICチップ)により実現されており、非接触IC技術を用いて外部機器10aからの情報を受信する。続いて補助通信部201は、受信したBDアドレス及びリンクキーを制御部202に出力する。例えば補助通信部201は、BDアドレス「ADD1」とリンクキー「KEY_A」を受信して制御部202に出力する。
【0054】
制御部202は、補助通信部201からBDアドレス及びリンクキーが入力されると起動し、主通信部203を起動するためにこれらの相手機器情報をその主通信部203に転送する。
【0055】
主通信部203は、Bluetooth技術を用いて通信相手機器である外部機器10aとの接続を確立し、その外部機器10aとの間でデータ通信を行う通信手段である。この主通信部203は、Bluetoothモジュール24aにより実現されている。主通信部203は、外部機器10aとの接続を確立するために要求部203aを備えている。この主通信部203は、制御部202から入力されたBDアドレス及びリンクキーにより起動する。その後主通信部203は、要求部203aによる接続要求に基づいて外部機器10aとの通信接続を確立する。
【0056】
要求部203aは、主通信部203による通信に必要な相手機器情報(BDアドレス及びリンクキー)が補助通信部201により受信されたことを契機として、その相手機器情報を用いて外部機器10aに接続を要求する要求手段である。具体的には、要求部203aは、補助通信部201により受信され、制御部202を経由して入力されたBDアドレス及びリンクキーにより起動し、そのBDアドレスで識別される外部機器10aにそのリンクキーを送信することで、外部機器10aに対する接続要求を行う。例えば要求部203aは、BDアドレス「ADD1」で識別される外部機器10aに対してリンクキー「KEY_A」を送信する。
【0057】
主通信部203は、要求部203aによる接続要求が外部機器10aにより許可された場合に、Bluetoothの規格に基づいて外部機器10aとの通信接続を確立し、その接続要求が外部機器10aにより拒否された場合に、その通信接続を確立することなく処理を終了する。すなわち主通信部203は、要求部203aによる接続要求に基づいて外部機器10aにより認証された場合に、外部機器10aとの通信接続を確立する。
【0058】
次に、図4を用いて、図1に示す通信システム1aの処理を説明するとともに本実施形態に係る通信接続方法について説明する。図4は、通信システム1aの処理を示すシーケンス図である。
【0059】
外部機器10aでは、記憶部102が予めBDアドレス及びリンクキーを記憶している(記憶ステップ)。その後、外部機器10aの制御部101が、携帯電話機20aとの接続を指示することを示す指示信号を受け付けると、補助通信部103が記憶部102からBDアドレス及びリンクキーを読み出して(ステップS101)、これらの機器情報を携帯電話機20aに送信する(ステップS102、送信ステップ)。更に補助通信部103がリンクキーを制御部101に出力し、制御部101がそのリンクキーを主通信部104に転送することで、主通信部104及び認証部104aが起動する(ステップS103)。
【0060】
携帯電話機20aでは、補助通信部201がBDアドレス及びリンクキーを受信し(受信ステップ)、これらの機器情報を制御部202に出力する。これにより制御部202が起動し、BDアドレス及びリンクキーを主通信部203に転送する。この転送により主通信部203及び要求部203aが起動する(ステップS104)。続いて要求部203aが、リンクキーを外部機器10aに送信することで外部機器10aに対する接続要求を行う(ステップS105、要求ステップ)。
【0061】
続いて外部機器10aの認証部104aが、携帯電話機20aから受信したリンクキーと制御部101から入力されたリンクキーとを比較する(ステップS106)。このとき二つのリンクキーが一致すれば(ステップS107;YES)、認証部104aは携帯電話機20aからの接続要求を許可すると判断する(ステップS108、認証ステップ)。これにより携帯電話機20aと外部機器10aとのペアリングが成功し、外部機器10aの主通信部104と携帯電話機20aの主通信部203との間で通信接続が確立する(ステップS109、接続ステップ)。これに対し、二つのリンクキーが相違する場合は(ステップS107;NO)、認証部104aは携帯電話機20aからの接続要求を拒否すると判断し、外部機器10aと携帯電話機20aとは接続されることなく処理が終了する。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態によれば、リンクキーの生成に必要なパスコードを、外部機器10aのユーザ及び携帯電話機20aのユーザに入力させることなく、これらの通信機器同士の接続を簡易且つ迅速に確立できる。
【0063】
また第1実施形態によれば、補助通信部103が機器情報を送信して初めて主通信部104及び認証部104aが起動するので、外部機器10aが認証及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約できる。加えて、補助通信部201が機器情報を受信して初めて主通信部203及び要求部203aが起動するので、携帯電話機20aが接続の要求及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、図5及び6を用いて本発明の第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態に係る通信システム1bの全体構成を示す図である。図6は、図5に示す通信システム1bの処理を示すシーケンス図である。
【0065】
通信システム1bは、外部機器10bと携帯電話機20bとを備えている。外部機器10bは、制御部111と、記憶部112と、補助通信部113と、認証部114aを含む主通信部114とを備えている。携帯電話機20bは、補助通信部211と、制御部212と、要求部213aを含む主通信部213と、記憶部214とを備えている。外部機器10b及び携帯電話機20bのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0066】
制御部111、記憶部112、補助通信部113、主通信部114及び認証部114aは、第1実施形態における制御部101、記憶部102、補助通信部103、主通信部104及び認証部104aにそれぞれ相当する。補助通信部211、制御部212、主通信部213及び要求部213aは、第1実施形態における補助通信部201、制御部202、主通信部203及び要求部203aにそれぞれ相当する。以下では、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0067】
外部機器10bの記憶部112は、リンクキーに代えて、機器情報の一種であるパスコード(暗証番号)を記憶している。例えば記憶部112は、外部機器10bのBDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を予め記憶している。
【0068】
外部機器10bの補助通信部113は、記憶部112に記憶されているBDアドレス及びパスコードを読み出し、これらの機器情報を携帯電話機20bに送信する。続いて補助通信部113は、携帯電話機20bの補助通信部211から送信されてくる携帯電話機20bのBDアドレス(相手機器情報)を待つ。その後補助通信部113は、携帯電話機20bのBDアドレスを受信し、受信したBDアドレスと読出し済のパスコードとを制御部111に出力する。例えば補助通信部113は、BDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を読み出して送信した後にBDアドレス「ADD2」を受信し、BDアドレス「ADD2」及びパスコード「PIN1」を制御部111に出力する。
【0069】
外部機器10bの認証部114aは、機器情報(外部機器10bのBDアドレス、パスコード)の送信と、相手機器情報(携帯電話機20bのBDアドレス)の受信とが実行されたことを制御部111から通知されたことを契機として起動し、携帯電話機20bを認証する。
【0070】
具体的には、認証部114aは、まず、パスコードと携帯電話機20bのBDアドレスとが制御部111から入力されることで起動する。続いて認証部114aは、所定のリンクキー生成用アルゴリズムに、制御部111から入力された、パスコード及び携帯電話機20bのBDアドレスを与えることで、リンクキーを生成する。続いて認証部114aは、携帯電話機20aから送信されたリンクキーを受信する。続いて認証部114aは、受信したリンクキーと生成されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。そして認証部114aは、この判定結果に基づいて、携帯電話機20bからの接続要求を許可するか否かを判断する。
【0071】
携帯電話機20bの記憶部214は、携帯電話機20bのBDアドレス(機器情報)を記憶する記憶手段である。例えば記憶部214は、BDアドレス「ADD2」を予め記憶している。
【0072】
携帯電話機20bの補助通信部211は、外部機器10bの補助通信部113からBDアドレス及びパスコードを受信すると、記憶部214から携帯電話機20bのBDアドレスを読み出して外部機器10bに送信する。続いて補助通信部211は、携帯電話機20bのBDアドレス、外部機器10bのBDアドレス及びパスコードを制御部212に出力する。例えば補助通信部211は、BDアドレス「ADD1」及びパスコード「PIN1」を受信し、BDアドレス「ADD2」を送信した後に、BDアドレス「ADD1」、「ADD2」及びパスコード「PIN1」を制御部212に出力する。
【0073】
要求部213aは、補助通信部211により機器情報(携帯電話機20bのBDアドレス)の送信と相手機器情報(外部機器10bのBDアドレス、パスコード)の受信が実行されたことを制御部212から通知されたことを契機として外部機器10bに接続を要求する。
【0074】
具体的には、BDアドレス及びパスコードが制御部212から入力されると主通信部213及び要求部213aが起動する。続いて主通信部213が、入力された外部機器10bのBDアドレスに基づいて外部機器10bを探索する。そして、外部機器10bを探索できた場合、要求部213aが、所定のリンクキー生成用アルゴリズムに、制御部212から入力されたパスコードと、携帯電話機20bのBDアドレスとを与えることで、リンクキーを生成する。続いて要求部213aは、生成されたリンクキーを外部機器10bに送信することで、外部機器10bに対する接続要求を行う。例えば要求部213aは、BDアドレス「ADD2」とパスコード「PIN1」とに基づいて生成されたリンクキー「KEY_A」を外部機器10bに送信する。
【0075】
このような場合、通信システム1bの処理は図6のように行われる。まず、外部機器10bにおいて補助通信部113が外部機器10bのBDアドレスとパスコードとを読み出し(ステップS201)、これらの機器情報を携帯電話機20bに送信する(ステップS202)。
【0076】
その後、携帯電話機20bの補助通信部211が外部機器10bからの機器情報を受信する。続いて補助通信部211が、記憶部214から携帯電話機20bのBDアドレスを読み出し(ステップS203)、そのBDアドレスを外部機器10bに送信する(ステップS204)。続いて補助通信部211がBDアドレス及びパスコードを制御部212に出力し、制御部212がこれらの機器情報を主通信部213に転送することで、主通信部213及び要求部213aが起動する(ステップS205)。主通信部213は、起動した際に外部機器10bを探索する。続いて要求部213aが、携帯電話機20bのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する(ステップS206)。
【0077】
一方、外部機器10bでは、補助通信部113が携帯電話機20bからBDアドレスを受信し、そのBDアドレスと読出し済のパスコードとを制御部111に出力する。続いて制御部111がBDアドレス及びパスコードを主通信部114に転送することで、主通信部114及び認証部114aが起動する(ステップS207)。続いて、認証部114aが、携帯電話機20bのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する(ステップS208)。その後に実行されるステップS209〜S213の処理は、図4に示すステップS105〜S109で示すものと同様である。
【0078】
以上説明したように第2実施形態によれば、外部機器10bにおいて認証時に携帯電話機20bの存在が保証されるので、より確実に携帯電話機20bに接続できる。一方、携帯電話機20bでは、BDアドレス及びパスコードの受信とBDアドレスの送信が制御部212から通知されたことを契機として接続要求が行われ通信接続が確立されるので、迅速に通信接続を確立できる。
【0079】
また第2実施形態によれば、補助通信部113が機器情報を送受信して初めて主通信部114及び認証部114aが起動するので、外部機器10bが認証及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約できる。加えて、補助通信部211が機器情報を送受信して初めて主通信部213及び要求部213aが起動するので、携帯電話機20bが接続の要求及び通信接続の確立を実行するために必要な電力を節約することができる。
【0080】
また第2実施形態によれば、Bluetoothを用いて認証が行われるので、非接触IC技術を用いるために必要な電力を節約できる。Bluetoothを利用する主通信部114及び主通信部213が消費する単位電力量よりも非接触IC技術を利用する補助通信部113及び補助通信部211が消費する単位電力量の方が大きい場合には、全体として外部機器10b及び携帯電話機20bの消費電力を抑制できる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、図7及び8を用いて本発明の第3実施形態を説明する。図7は、第3実施形態に係る通信システム1cの全体構成を示す図である。図8は、図7に示す通信システム1cの処理を示すシーケンス図である。
【0082】
通信システム1cは、外部機器10cと携帯電話機20cとを備えている。外部機器10cは、制御部121と、記憶部122と、補助通信部123と、主通信部124とを備えている。携帯電話機20cは、補助通信部221と、制御部222と、主通信部223と、記憶部224とを備えている。外部機器10c及び携帯電話機20cのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0083】
制御部121、記憶部122、補助通信部123及び主通信部124は、第2実施形態における制御部111、記憶部112、補助通信部113及び主通信部114にそれぞれ相当する。補助通信部221、制御部222、主通信部223及び記憶部224は、第2実施形態における補助通信部211、制御部212、主通信部213及び記憶部214にそれぞれ対応する。第2実施形態における認証部114aに相当する123aは、主通信部124の構成要素ではなく補助通信部123の構成要素である。また、第2実施形態における要求部213aに相当する要求部221aは、主通信部223の構成要素ではなく補助通信部221の構成要素である。もっとも、認証部123a及び要求部221aは、補助通信部123と補助通信部221との間で機器情報及び相手機器情報が伝達されたことを契機に起動する点で、第2実施形態の場合と同様である。以下では、第2実施形態と異なる点について説明する。
【0084】
携帯電話機20cの主通信部223は、制御部222からの機器情報に基づいて起動した後、入力された外部機器10cのBDアドレスに基づいて外部機器10cを探索する。そして、外部機器10cを探索した場合、主通信部223は探索に成功したことを示す探索成功信号を生成し、制御部222を介して補助通信部221に出力する。
【0085】
携帯電話機20cの要求部221aは、補助通信部221に探索成功信号が入力された場合に、携帯電話機20cのBDアドレスと外部機器10cから受信したパスコードとに基づいてリンクキーを生成する。続いて要求部221aは、生成されたリンクキーを外部機器10cに送信することで、外部機器10cに対する接続要求を行う。
【0086】
外部機器10cの認証部123aは、補助通信部123が携帯電話機20cのBDアドレスを受信した後、携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成する。続いて認証部123aは、携帯電話機20cから送信されたリンクキーを受信し、受信されたリンクキーと生成されたリンクキーとが一致するか否かを判定する。そして、二つのリンクキーが一致する場合、認証部123aは携帯電話機20cからの接続要求を許可すると判断する(携帯電話機20cと外部機器10cとのペアリングが成功する)。続いて認証部123aは、携帯電話機20cと外部機器10cとをBluetoothにより接続させるための接続信号を生成し、生成した接続信号を制御部121を介して主通信部124に出力する。また、補助通信部123がその接続信号を携帯電話機20cに送信する。
【0087】
携帯電話機20cの補助通信部221は、外部機器10cからの接続信号を受信し、その接続信号を制御部222を介して主通信部223に出力する。
【0088】
外部機器10cの主通信部124及び携帯電話機20cの主通信部223は、入力された接続信号に基づいて相互に接続する(通信接続の確立)。
【0089】
このような場合、通信システム1cの処理は図8のように行われる。ステップS301〜S304の処理は、図6に示すステップS201〜S204の処理と同様である。その後、外部機器10cでは主通信部124が起動する(ステップS305)。一方、携帯電話機20cでは、主通信部223が起動し外部機器10cを探索する(ステップS306)。この探索が成功すると、要求部221aが携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成し(ステップS307)、外部機器10cに送信する(ステップS308)。
【0090】
一方、外部機器10cでは、認証部123aが、携帯電話機20cのBDアドレスとパスコードとに基づいてリンクキーを生成し(ステップS309)、生成されたリンクキーと携帯電話機20cから受信したリンクキーとを比較する(ステップS310)。その後に実行されるステップS311〜S313の処理は、図6に示すステップS211〜S213で示すものと同様である。
【0091】
以上説明したように、第3実施形態によれば、非接触IC技術を用いて認証が行われるので、Bluetoothを用いるために必要な電力を節約できる。非接触IC技術を利用する補助通信部123及び補助通信部221が消費する単位電力量よりもBluetoothを利用する主通信部124及び主通信部223が消費する単位電力量の方が大きい場合には、全体として外部機器10c及び携帯電話機20cの消費電力を抑制できる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、図9〜11を用いて本発明の第4実施形態を説明する。図9は、第4実施形態に係る通信システム1dの全体構成を示す図である。図10及び11は、図9に示す通信システム1dの処理を示すシーケンス図である。
【0093】
通信システム1dは、外部機器10dと携帯電話機20dとを備えている。外部機器10dは、制御部131と、記憶部132と、補助通信部133と、認証部134aを含む主通信部134とを備えている。携帯電話機20dは、補助通信部231と、制御部232と、要求部233aを含む主通信部233と、記憶部234とを備えている。外部機器10d及び携帯電話機20dのハードウェア構成は、第1実施形態における外部機器10a及び携帯電話機20aの構成とそれぞれ同様である。
【0094】
制御部131、記憶部132、補助通信部133、主通信部134及び認証部134aは、第2実施形態における制御部111、記憶部112、補助通信部113主通信部114及び認証部114aにそれぞれ対応する。補助通信部231、制御部232、主通信部233、要求部233a及び記憶部234は、第2実施形態における補助通信部211、制御部212、主通信部213、要求部213a及び記憶部214にそれぞれ対応する。以下では、第2実施形態と異なる点について説明する。
【0095】
外部機器10dの記憶部132、及び携帯電話機20dの記憶部234は、それぞれ、過去に接続した通信相手機器のBDアドレスを記憶することが可能である。
【0096】
携帯電話機20dの補助通信部231と外部機器10dの補助通信部133は、お互いにBDアドレスとパスコードを送信する。携帯電話機20dの補助通信部231は、外部機器10dのBDアドレス及びパスコードが入力されると、制御部232へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。制御部232は、主通信部233へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。要求部233aは制御部232から通知されたBDアドレスが記憶部234に記憶されているか否かを判定する。ここで、そのようなBDアドレスが存在しない場合、要求部233aは、第2実施形態における要求部213aと同様に、リンクキーを生成して外部機器10dにそのリンクキーを送信することで、外部機器10dに対して接続を要求する。その後、その接続要求が認証され、外部機器10dと携帯電話機20dとの間で通信接続が確立されると、主通信部233が、接続要求時に用いた外部機器10dのBDアドレスを記憶部234に出力する。これにより、記憶部234が外部機器10dのBDアドレスを記憶する。
【0097】
これに対し、外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部234に存在する場合、要求部233aは、外部機器10dでの認証処理で用いるリンクキーを生成することなく、外部機器10dに対する接続要求を行う。
【0098】
外部機器10dの補助通信部133は、携帯電話機20dのBDアドレス及びパスコードが入力されると、制御部131へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。制御部131は、主通信部134へこれらのBDアドレス及びパスコードを通知する。認証部134aは制御部131から通知されたBDアドレスが記憶部132に記憶されているか否かを判定する。ここで、そのようなBDアドレスが存在しない場合、認証部134aは、第2実施形態における認証部114aと同様にリンクキーを生成し、認証処理を実行する。その後、外部機器10dと携帯電話機20dとの間で通信接続が確立されると、主通信部134が、認証時に用いた携帯電話機20dのBDアドレスを記憶部132に出力する。これにより、記憶部132が、携帯電話機20dのBDアドレスを記憶する。
【0099】
これに対し、携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部132に存在する場合、認証部134aは、リンクキーを生成することなく携帯電話機20dからの接続要求を許可する。すなわち、外部機器10dは、携帯電話機20dに対する認証処理を省略する。これにより、外部機器10dの主通信部134と携帯電話機20dの主通信部233との間で通信接続が確立する。
【0100】
次に、通信システム1dの処理を説明する。外部機器10dと携帯電話機20dとが以前に相互接続している場合は、図10に示す処理により通信接続が確立される。
【0101】
まず、ステップS401〜S405及びS407の処理は、図6におけるステップS201〜S205及びS207の処理と同様である。
【0102】
その後、携帯電話機20dでは、要求部233aが、入力された外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部234に記憶されているか否かを判定する(ステップS406)。この場合、記憶部234は外部機器10dのBDアドレスを記憶しているので、入力されたBDアドレスと一致するBDアドレスが存在する(ステップS406)。したがって、要求部233aは、リンクキーを生成することなく、外部機器10dに対して接続要求を行う(ステップS409)。
【0103】
一方、外部機器10dでは、認証部134aが、入力された携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが記憶部132に記憶されているか否かを判定する(ステップS408)。この場合、記憶部132は、携帯電話機20dのBDアドレスを記憶しているので、入力されたBDアドレスと一致するBDアドレスが存在する(ステップS408)。したがって、認証部134aは、リンクキーを生成する処理と、そのリンクキーを用いて携帯電話機20dを認証する処理とを省略する。
【0104】
その後、外部機器10dの主通信部134と携帯電話機20dの主通信部233とが、携帯電話機20dからの接続要求に基づいて相互に通信接続を確立する(ステップS410)。
【0105】
これに対し、外部機器10dと携帯電話機20dとが未だ接続したことがない場合、図11に示す処理により通信接続が確立される。
【0106】
ステップS501〜S505及びS507の処理は、図10におけるステップS401〜S405及びS407の処理と同様である。その後、携帯電話機20dの要求部233aは、外部機器10dのBDアドレスが未だ記憶部234に記憶されていないために、制御部232から入力された外部機器10dのBDアドレスと一致するBDアドレスが存在しないと判断する(ステップS506)。また、外部機器10dの認証部134aは、携帯電話機20dのBDアドレスが未だ記憶部132に記憶されていないために、制御部131から入力された携帯電話機20dのBDアドレスと一致するBDアドレスが存在しないと判断する(ステップS508)。
【0107】
この場合、図6におけるステップS206及びS208〜S213の処理と同様に、ステップS509〜S515の処理が行なわれる。すなわち、受信したBDアドレスが未だ記憶されていない場合は、第2実施形態と同様に、リンクキーに基づく接続確立処理が実行される。
【0108】
以上説明したように、第4実施形態によれば、一度接続を確立した携帯電話機20dに改めて接続する際に、以前に認証が成功したときに用いた携帯電話機20dのBDアドレスと、受信したBDアドレスとが一致すれば、リンクキーの生成及び比較を行う必要がない。また、一度接続を確立した外部機器10dに改めて接続要求する際に、以前に認証が成功したときに用いた外部機器10dのBDアドレスと、受信したBDアドレスとが一致すれば、リンクキーの生成を行う必要がない。したがって、より簡易且つ迅速に接続要求及び認証を実行して外部機器10dと携帯電話機20dとの通信接続を確立できる。
【0109】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0110】
上記実施形態では、通信システム1a〜1dがそれぞれ携帯電話機20a〜20dを含んでいたが、通信システムが携帯電話機を含まなくてもよい。例えば、パーソナルコンピュータとスピーカとから成る通信システムに対して本発明を適用してもよい。また、一つの通信機器が接続の要求とその要求の認証とを実行できるように、例えば一つの通信機器に上記携帯電話機20aの機能と外部機器10aの機能の双方を実装してもよい。
【0111】
また上記実施形態では、第1の通信手段としてBluetoothを採用し、第2の通信手段として非接触IC技術を採用したが、他の通信方式を用いる場合でも本発明を適用できる。例えば、無線LANや赤外線通信などの通信方式を第1又は第2の通信手段として利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す外部機器のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1に示す携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図1に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図6】図5に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図7】第3実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図8】図7に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図9】第4実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図10】図9に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図11】図9に示す通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0113】
1a〜1d…通信システム、10a〜10d…外部機器(通信機器)、20a〜20d…携帯電話機(通信機器)、102,112,122,132…記憶部(記憶手段)、103,113,123,133…補助通信部(補助通信手段)、104,114,124,134…主通信部(通信手段)、104a,114a,123a,134a…認証部(認証手段)、201,211,221,231…補助通信部(補助通信手段、相手側補助通信手段)、203,213,223,233…主通信部(通信手段、相手側通信手段)、203a,213a,221a,233a…要求部(要求手段)、214,224,234…記憶部(記憶手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、
第2の通信方式を用いて前記通信相手機器と通信する補助通信手段と、
を備え、
前記通信手段が、該通信手段による通信に必要な情報が前記補助通信手段により前記通信相手機器との間で伝達されたことを契機として、該情報に基づいて前記通信相手機器との接続を確立する、
通信機器。
【請求項2】
前記情報を機器情報として予め記憶する記憶手段と、
前記通信相手機器を認証する認証手段と、
を更に備え、
前記補助通信手段が、前記記憶手段に記憶されている機器情報を前記通信相手機器に送信し、
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信を契機として、前記記憶手段に記憶されている機器情報を用いて前記通信相手機器を認証し、
前記通信手段が、前記認証手段により前記通信相手機器が認証された場合に該通信相手機器との接続を確立する、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信を契機に起動して前記認証を行う、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記補助通信手段が、前記通信手段による接続に必要であり且つ前記通信相手機器に予め記憶されている相手機器情報を該通信相手機器から受信し、
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を更に用いて前記認証を行う、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項5】
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して前記認証を行う、
請求項4に記載の通信機器。
【請求項6】
前記認証手段が、前記通信手段を介して前記認証を行う、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項7】
前記認証手段が、前記補助通信手段を介して前記認証を行う、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項8】
前記記憶手段が、前記認証手段により前記通信相手機器が認証された際に用いた前記相手機器情報を記憶し、
前記認証手段が、前記補助通信手段により受信された相手機器情報と前記記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合に前記通信相手機器に対する認証処理を省略する、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項9】
前記通信相手機器に該通信相手機器との接続を要求する要求手段を更に備え、
前記補助通信手段が、前記通信相手機器から送信された前記情報を相手機器情報として受信し、
前記要求手段が、前記補助通信手段による相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を用いて前記通信相手機器に接続を要求し、
前記通信手段が、前記要求手段による要求に基づいて前記通信相手機器により認証された場合に該通信相手機器との接続を確立する、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項10】
前記要求手段が、前記補助通信手段による相手機器情報の受信を契機に起動して前記接続を要求する、
請求項9に記載の通信機器。
【請求項11】
前記通信手段による接続に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段を更に備え、
前記補助通信手段が、前記記憶手段により記憶されている機器情報を前記通信相手機器に送信し、
前記要求手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として前記接続を要求する、
請求項9に記載の通信機器。
【請求項12】
前記要求手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して前記接続を要求する、
請求項11に記載の通信機器。
【請求項13】
前記要求手段が、前記通信手段を介して前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項14】
前記要求手段が、前記補助通信手段を介して前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項15】
前記記憶手段が、前記要求手段による要求に基づいて前記通信相手機器により認証された際に用いた前記相手機器情報を記憶し、
前記要求手段が、前記補助通信手段により受信された相手機器情報と前記記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合には、前記通信相手機器での認証処理に用いる機器情報を生成することなく前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項16】
通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とを備える通信システムであって、
前記通信機器が、
第1の通信方式を用いて前記通信相手機器と通信する通信手段と、
前記通信手段による通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて前記通信相手機器に送信する補助通信手段と、
前記補助通信手段による機器情報の送信を契機として、前記記憶手段に記憶されている機器情報を用いて前記通信相手機器を認証する認証手段と、
を備え、
前記通信相手機器が、
前記第1の通信方式を用いて前記通信機器と接続するための相手側通信手段と、
前記補助通信手段により送信された機器情報を前記第2の通信方式を用いて受信する相手側補助通信手段と、
前記相手側補助通信手段による機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて前記通信機器に接続を要求する要求手段と、
を備え、
前記要求手段による要求が前記認証手段により認証された場合に、前記通信手段及び前記相手側通信手段により前記通信機器と前記通信相手機器との接続が確立される、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項17】
通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とが第1の通信方式を用いて互いに通信接続する通信接続方法であって、
前記通信機器が、前記通信ステップにおける通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶ステップと、
前記通信機器が、前記記憶ステップにおいて記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて前記通信相手機器に送信する送信ステップと、
前記通信相手機器が、前記送信ステップにおいて送信された機器情報を前記第2の通信方式を用いて受信する受信ステップと、
前記通信相手機器が、前記受信ステップにおける機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて前記通信機器に接続を要求する要求ステップと、
前記通信機器が、前記送信ステップにおける機器情報の送信を契機として、前記記憶ステップにおいて記憶されている機器情報と、前記要求ステップにおける要求とに基づいて、前記通信相手機器を認証する認証ステップと、
前記認証ステップにおいて前記通信相手機器が認証された場合に、前記通信機器と該通信相手機器とが、前記第1の通信方式を用いて互いに接続する接続ステップと、
を含むことを特徴とする通信接続方法。
【請求項1】
第1の通信方式を用いて通信相手機器と通信する通信手段と、
第2の通信方式を用いて前記通信相手機器と通信する補助通信手段と、
を備え、
前記通信手段が、該通信手段による通信に必要な情報が前記補助通信手段により前記通信相手機器との間で伝達されたことを契機として、該情報に基づいて前記通信相手機器との接続を確立する、
通信機器。
【請求項2】
前記情報を機器情報として予め記憶する記憶手段と、
前記通信相手機器を認証する認証手段と、
を更に備え、
前記補助通信手段が、前記記憶手段に記憶されている機器情報を前記通信相手機器に送信し、
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信を契機として、前記記憶手段に記憶されている機器情報を用いて前記通信相手機器を認証し、
前記通信手段が、前記認証手段により前記通信相手機器が認証された場合に該通信相手機器との接続を確立する、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信を契機に起動して前記認証を行う、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記補助通信手段が、前記通信手段による接続に必要であり且つ前記通信相手機器に予め記憶されている相手機器情報を該通信相手機器から受信し、
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を更に用いて前記認証を行う、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項5】
前記認証手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して前記認証を行う、
請求項4に記載の通信機器。
【請求項6】
前記認証手段が、前記通信手段を介して前記認証を行う、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項7】
前記認証手段が、前記補助通信手段を介して前記認証を行う、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項8】
前記記憶手段が、前記認証手段により前記通信相手機器が認証された際に用いた前記相手機器情報を記憶し、
前記認証手段が、前記補助通信手段により受信された相手機器情報と前記記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合に前記通信相手機器に対する認証処理を省略する、
請求項4又は5に記載の通信機器。
【請求項9】
前記通信相手機器に該通信相手機器との接続を要求する要求手段を更に備え、
前記補助通信手段が、前記通信相手機器から送信された前記情報を相手機器情報として受信し、
前記要求手段が、前記補助通信手段による相手機器情報の受信を契機として、該相手機器情報を用いて前記通信相手機器に接続を要求し、
前記通信手段が、前記要求手段による要求に基づいて前記通信相手機器により認証された場合に該通信相手機器との接続を確立する、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項10】
前記要求手段が、前記補助通信手段による相手機器情報の受信を契機に起動して前記接続を要求する、
請求項9に記載の通信機器。
【請求項11】
前記通信手段による接続に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段を更に備え、
前記補助通信手段が、前記記憶手段により記憶されている機器情報を前記通信相手機器に送信し、
前記要求手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機として前記接続を要求する、
請求項9に記載の通信機器。
【請求項12】
前記要求手段が、前記補助通信手段による機器情報の送信及び相手機器情報の受信を契機に起動して前記接続を要求する、
請求項11に記載の通信機器。
【請求項13】
前記要求手段が、前記通信手段を介して前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項14】
前記要求手段が、前記補助通信手段を介して前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項15】
前記記憶手段が、前記要求手段による要求に基づいて前記通信相手機器により認証された際に用いた前記相手機器情報を記憶し、
前記要求手段が、前記補助通信手段により受信された相手機器情報と前記記憶手段により記憶されている相手機器情報とを比較し、これらの相手機器情報が一致した場合には、前記通信相手機器での認証処理に用いる機器情報を生成することなく前記接続を要求する、
請求項11又は12に記載の通信機器。
【請求項16】
通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とを備える通信システムであって、
前記通信機器が、
第1の通信方式を用いて前記通信相手機器と通信する通信手段と、
前記通信手段による通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて前記通信相手機器に送信する補助通信手段と、
前記補助通信手段による機器情報の送信を契機として、前記記憶手段に記憶されている機器情報を用いて前記通信相手機器を認証する認証手段と、
を備え、
前記通信相手機器が、
前記第1の通信方式を用いて前記通信機器と接続するための相手側通信手段と、
前記補助通信手段により送信された機器情報を前記第2の通信方式を用いて受信する相手側補助通信手段と、
前記相手側補助通信手段による機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて前記通信機器に接続を要求する要求手段と、
を備え、
前記要求手段による要求が前記認証手段により認証された場合に、前記通信手段及び前記相手側通信手段により前記通信機器と前記通信相手機器との接続が確立される、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項17】
通信機器と該通信機器の通信相手となる通信相手機器とが第1の通信方式を用いて互いに通信接続する通信接続方法であって、
前記通信機器が、前記通信ステップにおける通信に必要な機器情報を予め記憶する記憶ステップと、
前記通信機器が、前記記憶ステップにおいて記憶されている機器情報を第2の通信方式を用いて前記通信相手機器に送信する送信ステップと、
前記通信相手機器が、前記送信ステップにおいて送信された機器情報を前記第2の通信方式を用いて受信する受信ステップと、
前記通信相手機器が、前記受信ステップにおける機器情報の受信を契機として、該機器情報を用いて前記通信機器に接続を要求する要求ステップと、
前記通信機器が、前記送信ステップにおける機器情報の送信を契機として、前記記憶ステップにおいて記憶されている機器情報と、前記要求ステップにおける要求とに基づいて、前記通信相手機器を認証する認証ステップと、
前記認証ステップにおいて前記通信相手機器が認証された場合に、前記通信機器と該通信相手機器とが、前記第1の通信方式を用いて互いに接続する接続ステップと、
を含むことを特徴とする通信接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−60526(P2009−60526A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228135(P2007−228135)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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