通信端末装置、その制御方法、及びコンピュータプログラム
【課題】通信端末装置の設定や動作の変更に関し、新たな処理を行うことを可能とすること。
【解決手段】通信端末装置であって、他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けてテーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、を備える。
【解決手段】通信端末装置であって、他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けてテーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、その制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信端末装置は、その高性能化に伴い、画像データや音声データ等の様々なデータを記憶・再生することが可能となっている。このように様々なデータを記憶・再生することが可能となったため、通信端末装置の使用者は、背景画像や操作時の効果音など、様々な設定を行うことにより、自身の通信端末装置の設定について個別化を図っている。ところで、近年は通信端末装置が内蔵する記憶装置の大容量化により、通信端末装置が記憶可能なデータの数も増加している。そのため、使用者は、お気に入りの設定を複数のパターンで作成することが可能となっている。従って、常に同じような設定ではなく、状況に応じた様々な設定に変更することに対する要望も高まっている。
【0003】
また、通信端末装置は、記憶装置の大容量化により、アドレス帳データやメール送受信の履歴や電話の発着信履歴など、プライベートに関わるデータも大量に記憶することができる。このようなプライベートに関わるデータを記憶する通信端末装置においては、セキュリティ管理の重要性も高まる。しかしながら、例えばアドレス帳へのアクセスの際に毎度パスワードの入力を要するものとして、常にセキュリティレベルを高く設定していると、使用者にとっては操作性が悪化してしまう。
このような柔軟な設定の変更に係る技術として、外界状況(時間帯、現在の位置情報、外界の明度など)の変化を検出し、外界状況の変化に伴って所定の機能や設定を読み出すことにより設定を変更する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−074477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において提案されている技術では、時間や場所に応じた設定の変更は可能ではある。しかしながら、周囲の人物に応じて設定の変更を行うことや、その者に応じて動作の内容を変更するなどの制御は、行うことができなかった。そのため、これまでは、周囲の人物に応じて設定を変更する場合には、使用者がいちいち手動にて変更を行っていた。このように、通信端末装置の設定の変更に関し、これまで提案されてきた技術では十分とはいえない。
そこで本発明は、通信端末装置の設定や動作の変更に関し、従来の欠点を克服することを可能とする通信端末装置、その制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、通信端末装置であって、他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けてテーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、を備える。
【0006】
また、本発明の一態様は、アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、アドレス帳の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示しない、ように構成されても良い。
【0007】
また、本発明の一態様は、電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、テーブル記憶部は、秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物に係る履歴を表示しない、ように構成されても良い。
【0008】
本発明の一態様は、データファイルを記憶するデータファイル記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、データファイルの識別情報を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた識別情報に係るデータファイルに対する使用者のアクセスを制御する、ように構成されても良い。
【0009】
本発明の一態様は、プログラムを実行するプログラム実行部をさらに備え、テーブル記憶部は、プログラムの実行内容を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたプログラムの実行を制御する、ように構成されても良い。
【0010】
本発明の一態様は、コンテンツファイルを記憶するコンテンツファイル記憶部をさらに備え、テーブル記憶部は、コンテンツファイルの識別子を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたコンテンツファイルを用いて、コンテンツ設定を変更する、ように構成されても良い。
【0011】
本発明の一態様において、テーブル記憶部は、他の通信端末装置と、自装置に記憶される各データの表示可否情報とを対応付けて記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対して表示可能なデータとしてテーブル記憶部に記憶されたデータのみについて表示を行う、ように構成されても良い。
【0012】
本発明の一態様において、制御部は、自装置に備えられた表示部に対しては、表示可否情報に関わらずデータの表示を行い、自装置に接続された外部表示装置に対しては、表示可否情報に基づいた表示を行う、ように構成されても良い。
【0013】
本発明の一態様において、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置について、当該他の通信端末装置が近くに存在することを自装置の使用者に報知する、ように構成されても良い。
【0014】
本発明の一態様において、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置の一覧を表示部に表示させる、ように構成されても良い。
【0015】
本発明の一態様は、アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、アドレス帳の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示せず、この人物からの着信があった場合に着信報知を実行しない、ように構成されても良い。
【0016】
本発明の一態様は、現在の位置の情報を取得する現在位置取得部をさらに備え、端末検知部は、現在位置取得部によって取得された現在の位置が所定の位置である場合にのみ動作する、ように構成されても良い。
【0017】
本発明の一態様は、コンピュータを、上述した通信端末装置として動作させるためのコンピュータプログラムとして特定されても良い。また、本発明の一態様は、上述した通信端末装置として機能するコンピュータが行う制御方法として特定されても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、検知された通信端末装置に応じて、自装置の設定を変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第一実施形態]
以下、第一実施形態である通信端末装置1aについて説明する。通信端末装置1aは、内蔵する演算装置や記憶装置がバスによって接続され、記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて動作する情報処理装置である。具体的には、通信端末装置1aは、携帯電話機である。
図1は、第一実施形態である通信端末装置1aの全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。以下、図1を参照しながら、通信端末装置1aの全体構成について説明する。
【0020】
通信端末装置1aは、主制御部10a、通信制御部11、無線部12、プログラムメモリ13、操作部14、フラッシュ15、主カメラ16、副カメラ17、主表示部18、副表示部19、温度変化部20、GPS(Global Positioning System)機能部21、マイク22、音声処理部23、スピーカ24、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダー25、電源制御部26、電池27、メモリ28(テーブル記憶部,アドレス帳記憶部,履歴記憶部,データファイル記憶部,画像ファイル記憶部)、インジケータ29、Ir(Infrared ray)受信部30、Ir送信部31、近距離通信無線部32、及び香り発生部33を構成要素として具備する。
【0021】
主制御部10a以外の各構成要素は、主制御部10aに対し直接又は間接的に接続される。主制御部10aは、各構成要素によって実行される処理を制御する。主制御部10a以外の各構成要素は、通信端末装置1aの各種機能にかかる処理を行う。以下、通信端末装置1aの各構成要素について説明する。
主制御部10aは、専用のハードウェアや、プログラムを読み込んで実行することにより動作する演算処理装置を用いて構成することができる。主制御部10aの詳細な動作については後述する。
【0022】
通信制御部11は、無線部12を用いた無線通信の通信制御を行う。例えば、通信制御部11は、シーケンス制御や再送制御を実行する。
無線部12は、携帯電話網(W−CDMA網やCDMA2000網など)、無線LAN等の無線通信規格に従う無線通信を、アンテナ121を介して行う。すなわち、無線部12は、主制御部10aから、主カメラ16や副カメラ17で撮影される画像の情報や、マイク22で収音される音声の情報等の入力を受け、それらの情報の信号を基に、所定の変調方式による変調処理、無線周波数帯への周波数変換処理、及び増幅処理の各処理を実行し、無線信号としてアンテナ121から無線区間に送出する。また、アンテナ121に到来した無線信号をベースバンド周波数帯へ変換する周波数変換処理、所定の方式による変調処理、及び増幅処理の各処理を施し、信号を主制御部10aに出力する。
【0023】
プログラムメモリ13は、通信端末装置1aの種々の機能にかかる各種ソフトウェアを格納する記憶部である。通信端末装置1aの主制御部10aは、このプログラムメモリ13に記憶されるソフトウェアを読み出し、該ソフトウェアに従う処理を実行する。
操作部14は、使用者による各種指示の入力を受け付け、主制御部10aに出力する。操作部14は、例えば、文字や数値などのデータを入力するための各種ボタンを具備するキーボードや、カーソルの位置などを入力するためのポインティングデバイスや、タッチパネル等を用いて構成できる。
【0024】
LED15は、主制御部10aの制御に従って、発光や点滅を行う。主カメラ16又は副カメラ17は、いずれも撮影部として機能し、それぞれ光学系、撮像部、及び映像信号処理部を備える。光学系は、レンズやプリズム等を備え、外部の光を取り入れ、撮像部に出力する。撮像部は、CCDやCMOSなどの光センサを備え、入力された光の明暗に比例した電流を発生し、映像信号処理部に出力する。映像信号処理部は、撮像部から入力された電流をデジタルデータに変換し、所定の画像処理を施す。そして、映像信号処理部は、このデジタルデータを主制御部10aに出力する。
【0025】
主表示部18及び副表示部19は、主制御部10aから入力される各種画像を表示する。例えば、主表示部18及び副表示部19は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを備える。温度変化部20は、主制御部10aの制御に従って、通信端末装置1aの筐体の温度を変化させる。温度変化部20は、ペルチェ素子や、圧縮された冷却用ガスを用いて、その放出気化により筐体の温度を下げる装置や、電気等による発熱を行い筐体の温度を上げる装置などを用いて構成することができる。
【0026】
GPS機能部21は、GPSアンテナ211を備え、複数のGPS衛星からそれぞれ発射された時刻信号電波を受信する。GPS機能部21は、各時刻信号電波の到達時間の差に基づき、通信端末装置1aの現在の位置データを算出する。そして、GPS機能部21は、取得した位置データを、主制御部10aに出力する。
マイク22は、音声を取り入れ、入力された音声の波に応じて電気信号を生成し、音声処理部23に出力する。
【0027】
音声処理部23は、マイク22から入力された電気信号からノイズを除去し、ノイズ除去後の電気信号を主制御部10aへ出力する。また、音声処理部23は、メモリ28が記憶している音声データや、無線部12を介して他の電話機から受信される音声信号を、スピーカ24を介して出力する。
スピーカ24は、音声処理部23から入力される電気信号に基づき、振動板などの振動体を振動させることによって音声を出力する。
【0028】
RFIDリーダー25は、アンテナ251を備え、信号を送受信する。RFIDリーダー25は、この信号に反応したRFIDタグから、このRFIDタグに書き込まれたデータを読み取る。そして、RFIDリーダー25は、読み取ったデータを主制御部10aへ出力する。
電源制御部26は、電池27から供給される直流電力を主制御部10aへ供給する。電池27は充電池(二次電池)又は乾電池(一次電池)などであり、直流電力を電源制御部26に供給する。
【0029】
メモリ28は、通信端末装置1aの処理に必要な種々のデータを記憶する。具体的には、画像データ、アドレス帳、音声データ、住所データ、メール履歴、電話履歴、位置データ、行動履歴、スケジュールデータ、設定内容テーブル281等を記憶する。以下、それぞれについて説明する。
【0030】
画像データは、主表示部18に表示される壁紙として用いられる画像や、アイコンとして用いられる画像や、その他の画像のデータである。アドレス帳は、使用者によって入力された電話番号及びその付属情報(名前、住所等)である。音声データは、主制御部10aによって再生されスピーカ24によって出力される音声のデータである。音声データは、例えば通信端末装置1aの操作音や、録音又は音声合成によって作成されたメッセージのデータなどを含む。住所データは、使用者によって入力された住所に関する情報であり、アドレス帳の一部を構成する。メール履歴は、電子メールやショートメッセージの送受信履歴である。電話履歴は、電話の発着信履歴である。位置データは、当該通信端末装置1aの現在の位置を示す情報であり、GPS機能部21やRFIDリーダー25によって取得される情報である。具体的には、GPS機能部21によって、また、他の位置データとして、現在接続中の基地局装置の識別情報(基地局装置と接続中である場合)がある。行動履歴は、位置データの履歴である。
【0031】
スケジュールデータは、会議やデートの予定に関するデータである。例えば、会議については、メモリ28はその日時、場所、出席者についてのデータを記憶する。また、メモリ28は、スケジュールデータとして、他人(通信端末装置1aの使用者とは異なる人物)のスケジュールを記憶しても良い。
設定内容テーブル281は、主制御部10aによって使用される情報である。設定内容テーブル281の内容については後述する。
【0032】
インジケータ29は、電池27の残量に応じて伸縮するインジケータ画像を表示する。
Ir受信部30とIr送信部31は、それぞれ赤外線通信の受信と送信を行う。近距離通信無線部32は、無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線通信規格に基づいて無線通信を行う。香り発生部33は、主制御部10aの制御に従って、香りを発生させる。香り発生部33は、例えば香りを有する液体などを有し、主制御部10aの制御に従って、選択された液体を単体又は組み合わせて噴霧口331から筐体の外部に噴霧することによって香りを発生させる。
【0033】
図2は、通信端末装置1aの外観構成を示す図である。図2(a)は、通信端末装置1aの内側(主表示部18を有する側)を示す図である。図2(b)は、通信端末装置1aの外側(副表示部19を有する側)を示す図である。以下、図2を参照して、通信端末装置1aの外観構成について説明する。なお、図2では、通信端末装置1aは折り畳み自在の構造を有している。
【0034】
通信端末装置1aは、内側の下方に操作部14を備える。通信端末装置1aは、例えば、カーソルボタン141、決定ボタン142、オンフックボタン143、オフフックボタン144、テンキー(「*」ボタンや「#」ボタンを含む)145を備える。このような操作部14は、使用者によって操作されることによって、主制御部10aに対し数字や文字や命令を入力する。カーソルボタン141は、主表示部18に表示されるカーソルを移動させて、各種の選択入力等を行うために用いられる。決定ボタン142は、選択実行を行うために用いられる。オンフックボタン143は、通信端末装置1aをオンフック状態にするために使用される。オフフックボタン144は、通信端末装置1aをオフフック状態にするために使用される。テンキー145は、電話番号の入力、メールやアドレス帳作成時の文字入力等に用いられる。
【0035】
通信端末装置1aは、内側の上方に、副カメラ17、主表示部18を備える。また、通信端末装置1aは、内側の下方に、操作部14に加えてさらに、マイク22、光センサ33を備える。
通信端末装置1aは、外側に、LED15、主カメラ16、副表示部19、アンテナ121、香り発生部33の噴霧口331を備える。
【0036】
図3は、主制御部10aの機能構成のうち、通信端末装置1aにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。以下、図3を用いて、主制御部10aの特徴的な構成について説明する。
主制御部10aは、端末検知部110、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125を備える。この他にも、主制御部10aは、携帯電話機としての機能やウェブブラウジングを行うための機能やメールを送受信するための機能などを実現するための公知の機能部を有する。
【0037】
端末検知部110は、Bluetooth(登録商標)が実装された近距離通信無線部32を用いて、他の通信端末装置を検知する。具体的には、端末検知部110は、Bluetooth(登録商標)のペアリング機能によって、Bluetooth(登録商標)を用いた通信が可能な他の通信端末装置を検知する。端末検知部110が検知する範囲は、Bluetooth(登録商標)の使用において設定されている電波強度のクラスに応じて決まる。即ち、端末検知部110が行う検知の範囲は、Class1の場合は100m以内、Class2の場合は10m以内、Class3の場合は1m以内である。端末検知部110は、他の通信端末装置を検知すると、その通信端末装置を示す端末識別子を取得する。端末識別子とは、他の通信端末装置を一意に識別するためのデータであり、この場合はBluetooth(登録商標)で用いられる装置名である。
【0038】
図4は、メモリ28に格納される設定内容テーブル281を示す図である。設定内容テーブル281は、他の通信端末装置の端末識別子と、自装置(通信端末装置1a)の設定内容とを、対応付けて有する。設定内容テーブル281は、設定内容として、シークレットアドレス、アクセス制限ファイル、セキュリティレベル、壁紙、操作音、香りに関する情報を有する。例えば、設定内容テーブル281は、端末識別子として“AA”、シークレットアドレスとして“X3”及び“X4”、アクセス制限ファイルとして“B−Kabuka.txt”及び“B−BS.xls”、セキュリティレベルとして、“ウェブアクセス:NG”、“メール送信:パスワード”、及び“メール受信:OK”、壁紙として“Neko1.jpg”、操作音として“Koneko”、香りとして“ラベンダー”を有する。
シークレットアドレスとは、メモリ28のアドレス帳に登録されているいずれかの人物を指す識別子(例えば、登録番号や名前など)である。アドレス帳に登録されているデータのうち、シークレットアドレスとして登録されている人物のデータは、アドレス帳管理部121によって秘匿される。また、シークレットアドレスとして登録されている人物からの着信は、着信管理部122によって着信拒否される。以下、シークレットアドレスとして登録されている内容に基づいて処理を行うアドレス帳管理部121及び着信管理部122について説明する。
【0039】
アドレス帳管理部121は、使用者によってアドレス帳のデータの表示指示があった場合に、主表示部18に表示させるアドレス帳のデータを管理する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、アドレス帳管理部121は、アドレス帳に登録されている全ての人物に関するデータを表示する。一方、端末検知部110が他の通信端末装置を検知している場合は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するシークレットアドレスとして登録されている人物に関するデータを、アドレス帳管理部121はアドレス帳の表示の際に表示しない。
アドレス帳管理部121の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、そのアドレス帳のデータとして、X1、X2、X3、X4、X5の5人のデータを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4を記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0040】
アドレス帳管理部121は、アドレス帳を主表示部18に表示する際、まずアドレス帳から各人のデータを読み出す。アドレス帳管理部121は、端末識別子AAに対応するシークレットアドレスの内容も、メモリ28から読み出す。アドレス帳管理部121は、読み出したアドレス帳に登録されている各人物と、シークレットアドレスに登録されている人物とを比較し、一致した場合には、その人物のデータを表示しないと判断する。この場合、アドレス帳管理部121は、X3及びX4のデータは表示しないと判断する。そして、アドレス帳管理部121は、読み出したアドレス帳に登録されているデータのうち、表示しないと判断したX3及びX4を除いて、X1、X2、及びX5のデータのみを主表示部18に表示する。
【0041】
このような動作により、端末検知部110が検知する通信端末装置に応じて、主表示部18に表示するアドレス帳の内容が変わる。使用者は、各通信端末装置の端末識別子毎に、表示したくない人物をシークレットアドレスとして登録しておくことにより、周囲に現れた他の通信端末装置の使用者(以下、「他使用者」という。)に応じてアドレス帳の内容を変更する必要がない。また、表示したくない人物の情報については、アドレス帳においてパスワードを要する設定にしておくこともできる。しかしながら、この場合は周囲に他使用者がいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であっても、使用者はこの人物の情報を表示させるために常にパスワードを入力する必要が生じてしまう。これに対し、アドレス帳管理部121の動作によれば、周囲に他使用者がいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であれば、パスワードを入力することなく、秘密にしたい人物の情報をアドレス帳に表示させることが可能となる。
【0042】
アドレス帳管理部121は、メモリ28に記憶されているメール履歴や電話履歴を主表示部18に表示する際にも、シークレットアドレスに対応する人物の履歴を表示しない。以下、この処理について具体的に説明する。
メモリ28は、メール履歴や電話履歴について、新しいものから順に通し番号を付与して記憶している。具体的には、メモリ28は、電話履歴(発信履歴)として、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“03”発信者“X3”、通し番号“04”発信者“X4”、通し番号“05”発信者“X5”を記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4の二人を記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0043】
アドレス帳管理部121は、電話履歴を表示する際に、メモリ28から通し番号と発信者とを対応付けて読み出す。アドレス帳管理部121は、端末識別子AAに対応するシークレットアドレスの内容も、メモリ28から読み出す。アドレス帳管理部121は、読み出した電話履歴の発信者である各人物と、シークレットアドレスに登録されている人物(以下、「非表示人物」という。)とが一致するか否か、通し番号の小さいものから大きいものへ順番に判断する。また、アドレス帳管理部121は、カウンタを用意し、初期値を“1”に設定する。
【0044】
アドレス帳管理部121は、発信者“X1”から順に比較を行う。まず、アドレス帳管理部121は、発信者“X1”と非表示人物とが一致しないため、この履歴は表示すると判断する。このとき、アドレス帳管理部121は、現在のカウンタの値“1”をこの発信者“X1”の履歴に新たな通し番号として付与し、カウンタの値に“1”を加算して“2”とする。次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X2”についても同様に処理し、カウンタの値を“3”とする。
【0045】
次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X3”について比較を行う。発信者”X3”は、非表示人物と一致するため、アドレス帳管理部121は、発信者”X3”の履歴は表示を行わないと判断する。この場合、アドレス帳管理部121は、この履歴には新たな通し番号を付与せず、カウンタの値もそのまま(”3”)にする。次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X4”についても同様に処理し、カウンタの値もそのまま“3”とする。
次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X5”について比較を行う。発信者”X5”は、非表示人物とは一致しないため、この履歴は表示すると判断する。このとき、アドレス帳管理部121は、現在のカウンタの値“3”をこの発信者“X5”の履歴に新たな通し番号として付与する。そして、アドレス帳管理部121は、読み出した全ての履歴について判断を行ったため、判断の処理を終える。次に、アドレス帳管理部121は、表示すると判断した履歴についてのみ、新たに付与した通し番号とともに、主表示部18に表示する。
【0046】
従って、主表示部18は、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“03”発信者“X5”として表示する。そのため、アドレス帳管理部121がアドレス帳や履歴を表示する際に、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“05”発信者“X5”のように、通し番号が抜け落ちない。そのため、通し番号が抜け落ちていることによって、シークレットアドレスに登録された者の情報や履歴が表示されていないことを第三者に察知されることを抑止できる。
着信管理部122は、他の通信端末装置から着信があった場合に、着信の報知を行うか否かについて管理する。ここでいう着信とは、電話の着信のみではなく、メール受信やチャット等のメッセージ受信も指す。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、着信管理部122は、全ての着信について着信報知を行う。一方、端末検知部110が他の通信端末装置を検知している場合は、着信管理部122は、この通信端末装置の端末識別子に対応するシークレットアドレスとして登録されている人物からの着信については、着信報知を行わない。
【0047】
着信管理部122の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、アドレス帳のデータとして、X1、X2、X3、X4、X5の5人のデータを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4の二人を記憶している。着信管理部122は、他の通信端末装置から着信があると、着信時に通知される発呼端末の電話番号を取得する。次に、着信管理部122は、この発呼端末の電話番号に対応付けられた人物の名前を、アドレス帳から検索する。着信管理部122は、検索結果として人物の名前を取得し、名前に基づいて、この人物が非表示人物であるか否か判断する。この人物が非表示人物ではない場合、即ちX1、X2、X5のいずれかであった場合は、着信管理部122は、この着信について着信報知を実行する。一方、この人物が非表示人物であった場合、X3又はX4のいずれかであった場合は、着信管理部122は、この着信については着信報知を実行しない。
【0048】
このように、着信管理部122は、端末検知部110が検知する通信端末装置に応じて、着信があった場合に、その着信について着信報知を行うか否か判断する。使用者は、各通信端末装置の端末識別子毎に、秘密にしたい人物をシークレットアドレスとして登録しておくことにより、その通信端末装置が周囲に存在する場合には、秘密にしたい人物からの着信が報知されないように設定できる。そのため、その通信端末装置の使用者に、秘密にしたい人物からの着信を知られることを抑止できる。このとき、使用者は、周囲に現れた通信端末装置の使用者に応じて着信報知の有無を変更する必要がない。また、着信報知をされたくない人物については、アドレス帳において予め着信報知のないようを無音無表示として設定しておくこともたしかに可能である。しかしながら、この場合は周囲に誰もいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であっても、着信報知がなされないため、使用者はこの人物からの着信を受けることが常に困難となってしまう。これに対し、着信管理部122の動作によれば、周囲に誰もいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であれば、秘密にしたい人物からの着信についても着信報知を受けることが可能となる。
【0049】
図4の説明に戻る。アクセス制限ファイルは、対応する他の通信端末装置が端末検知部110によって検知された場合に、データアクセス管理部123がアクセス制限を行う対象となるデータファイルを示す。以下、アクセス制限ファイルとして登録されている内容に基づいて処理を行うデータアクセス管理部123について説明する。
データアクセス管理部123は、使用者がデータファイルへアクセスする際に、このアクセスを許可するか否か判断する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、データアクセス管理部123は、全てのデータファイルについてアクセスを許可する。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するアクセス制限ファイルとして登録されているデータファイルについては、アクセスを禁止する。
【0050】
データアクセス管理部123の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、A−Kabuka.txt、B−Kabuka.txt、A−BS.xls、B−BS.xlsという4つのデータファイルを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたアクセス制限ファイルとして、B−Kabuka.txt及びB−BS.xlsを記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0051】
使用者が操作部14を操作してA−Kabuka.txtの内容を主表示部18に表示する命令を入力した場合、データアクセス管理部123は、端末識別子AAに対応するアクセス制限ファイルの名前をメモリ28から読み出す。次に、データアクセス管理部123は、アクセスの対象となっているデータファイルの名前と、メモリ28から読み出したアクセス制限ファイルの名前とが一致するか否か比較する。この場合は、両者の名前は一致しないため、データアクセス管理部123は、このデータファイルへのアクセスを許可する。一方、使用者が操作部14を操作してB−Kabuka.txt又はB−BS.xlsにアクセスしようとした場合は、アクセス制限ファイルの名前と一致するため、データアクセス管理部123は、データアクセスを許可しない。
【0052】
図4の説明に戻る。セキュリティレベルとは、対応する他の通信端末装置が端末検知部110によって検知された場合に、セキュリティ管理部124が自装置について行う処理の内容を定めたものである。メモリ28は、セキュリティレベルとして、処理内容と、セキュリティ値とを対応付けて記憶する。処理の内容とは、ウェブアクセスやアプリケーションの実行など、使用者が操作部14を操作して通信端末装置1aに入力する命令に応じて主制御部10aが実行する処理の内容である。セキュリティ値とは、各処理について、実行の可否、パスワードの入力の要否を示す値である。以下、セキュリティレベルとして登録されている内容に基づいて処理を行うセキュリティ管理部124について説明する。
【0053】
セキュリティ管理部124は、セキュリティレベルの内容に従って、各処理の実行に際し、実行の可否やパスワードの要否を判断する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、セキュリティ管理部124は、特に処理を実行しない。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、セキュリティ管理部124は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するセキュリティレベルの内容に従って、各処理について実行の可否やパスワードの要否を判断する。
セキュリティ管理部124の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたセキュリティレベルとして、ウェブアクセスはNG(実行不可能)、メール受信はOK(実行可能)、メール送信にはパスワードを要すると記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0054】
セキュリティ管理部124は、使用者が操作部14を操作してウェブブラウザを起動し、ウェブサイトへアクセスする命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティレベルの内容をアクセスメモリ28から読み出す。セキュリティ管理部124は、入力された命令と、セキュリティレベルとして登録されている処理内容とが一致するか否か判断する。この場合、処理内容“ウェブアクセス”が一致するため、セキュリティ管理部124は、この処理内容に対応するセキュリティ値を参照する。そして、セキュリティ管理部124は、セキュリティ値“NG”に従って、ウェブアクセスの処理を実行しない。
【0055】
また、使用者が操作部14を操作してメール送信の命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティ管理部124は、同様に処理しセキュリティ値を参照する。この場合、セキュリティ値は“パスワード”であるため、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行する前に使用者に対しパスワードの入力を要求する。使用者が操作部14を操作してパスワードを入力すると、セキュリティ管理部124は、入力されたパスワードと、メモリ28に記憶されているパスワードとが一致するか否か判断する。両者が一致した場合、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行する。一方、両者が一致しない場合、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行しない。
また、使用者が操作部14を操作してメール受信の命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティ管理部124は、同様に処理しセキュリティ値を参照する。この場合、セキュリティ値は“OK”であるため、セキュリティ管理部124は、メール受信の処理を実行する。
【0056】
図4の説明に戻る。壁紙とは、メモリ28に登録されている画像データであり、諸設定管理部125が主表示部18に背景として表示させる画像データである。操作音とは、音声データであり、使用者による通信端末装置1aの操作(例えば操作部14のいずれかのボタンの押下や、折りたたみ部分の開閉操作)を諸設定管理部125が検出しスピーカ24から再生する音声データである。香りとは、諸設定管理部125が香り発生部33に噴霧させる香りの種類である。以下、壁紙、操作音、香りとして登録されている内容に基づいて処理を行う諸設定管理部125の処理について説明する。
【0057】
諸設定管理部125は、主表示部18に表示する壁紙の画像データ、使用者による操作の検出時に再生する音声データ、香り発生部33に噴霧させる香りを管理する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、諸設定管理部125は、使用者によって現在選択されている画像データ、音声データ、香りを、それぞれ壁紙、操作音、噴霧する香りとして、主表示部18への表示、スピーカ24による再生、香り発生部33による噴霧の処理を行う。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、諸設定管理部125は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応する壁紙、操作音、香りとして登録されている内容に従って、壁紙の表示、操作音の再生、香りの噴霧を行う。
【0058】
このように、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、その検知結果に応じて、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125がそれぞれ動作する。
【0059】
<変形例>
通信端末装置1aは、携帯電話機ではなく、通信機能を具備したPDA(Personal Data Assistant)やノート型パーソナルコンピュータや据え置き型パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であっても良い。
端末検知部110は、無線LANが実装された近距離通信無線部32を用いて、フェムト基地局を用いて構成されたネットワークに接続し、同じフェムト基地局に接続している他の通信端末装置の端末識別子をこのフェムト基地局から受信することによって、他の通信端末装置の検知を行ってもよい。フェムト基地局は、自局に接続されている各通信端末装置を把握することができるため、このような処理が可能となる。
【0060】
また、端末検知部110は、Ir受信部30を用いて、他の通信端末装置から送出される赤外線信号を受信することによって、他の通信端末装置を検知しても良い。この場合、他の通信端末装置は、赤外線信号に端末識別子を付加して送出する。
また、端末検知部110は、すれちがい通信(登録商標)が実装された近距離通信無線部32を用いて、他の通信端末装置を検知しても良い。すれちがい通信とは、すれちがう通信端末装置同士が、特定のプロトコルで信号を送受信することにより、識別子を相互に取得する通信である。また、端末検知部110は、RFIDリーダー25を用いて他の通信端末装置に設けられたRFIDタグからデータを読み出すことによって、他の通信端末装置を検知しても良い。この他にも、端末検知部110は、他の公知の方法を用いて、他の通信端末装置を検知しても良い。
【0061】
また、端末識別子は、他の通信端末装置のMACアドレスやIPアドレスやコンピュータ名や、各通信プロトコルにおいて通信相手を識別するために用いられる識別子であっても良い。
また、端末検知部110は、使用者によって設定された検知範囲内で、他の通信端末装置を検知しても良い。端末検知部110は、Bluetoothの電波強度を規定したクラス(Class1〜Class3)について使用者から設定を受ける。そして、端末検知部110は、使用者によって設定されたクラスの電波強度で検知を実行することにより、検知範囲内での検知を実現する。
【0062】
また、アドレス帳管理部121は、履歴を表す情報として、メール履歴や電話履歴に限らず、メッセンジャーやチャット等の履歴についても同様に取り扱っても良い。また、アドレス帳管理部121は、履歴を表す情報として、スケジュールデータ、画像データ、アドレス帳データが送受信された履歴など、通信端末装置1aによって行われる全ての送受信処理の履歴についても同様に取り扱っても良い。なお、これらのデータの送受信は、BluetoothやWLANやRFIDを用いた通信によって行われる。
また、メモリ28がアドレス帳において各人物を複数のグループに分けて記憶している場合、シークレットアドレスとしてこのグループが登録されても良い。この場合、アドレス帳管理部121は、アドレス帳の各人物のグループと、シークレットアドレスとして登録されているグループとが一致するか否か比較し、表示するか否か判断する。また、メモリ28がアドレス帳において、各人物について会社名を記憶している場合、シークレットアドレスとしてこの会社名が登録されても良い。この場合、アドレス帳管理部121は、アドレス帳の各人物の会社名と、シークレットアドレスとして登録されている会社名とが一致するか否か比較し、表示するか否か判断する。
【0063】
また、アクセス制限ファイルは、図4のようなファイルの名称ではなく、ファイルの拡張子として特定されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス制限ファイルとして特定された拡張子のデータファイルについて、アクセスを禁止する。また、アクセス制限ファイルは、特定の文字列として特定されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス制限ファイルとして特定された文字列をそのファイル名に含むデータファイルや、中身にその文字列を含むデータファイルについて、アクセスを禁止する。例えば、特定の文字列が“株式会社B”である場合、データアクセス管理部123は、ファイル名にこの文字列を含むデータファイル(例えば“資料1−株式会社B様.doc”)や、中身にその文字列を含むデータファイル(例えば、文書ファイルであって、その文書の中身に“株式会社B御中”と記載されたものや、XMLファイルであって、タグの値として“株式会社B”と記載されたもの)について、アクセスを禁止する。
【0064】
また、アクセス制限ファイルは、アクセス許可ファイルとして定義され、データアクセス管理部123は、アクセス許可ファイルに定義されたデータファイルについてアクセスを許可し、他のデータファイルについてはアクセスを禁止するように構成されても良い。
また、セキュリティレベルとして、図4では、ウェブアクセス、メール送信、メール受信などが定義されているが、その他のアプリケーションの実行の可否について定義がされても良い。その他のアプリケーションとは、通信端末装置1aが実行可能なアプリケーションであり、例えば通信端末装置1aにおける設定を変更するアプリケーション(壁紙、操作音、香り以外の設定、例えば着信音、壁紙以外の画像、色、発光パターンなどの設定を変更するアプリケーション)や、セキュリティレベルを変更するアプリケーション(上述したセキュリティに係るもの以外のセキュリティレベル、例えば表示するデータファイルや、アクセスの許可に係るセキュリティレベル)や、ゲームのアプリケーションや、通信アプリケーションや、ユーティリティアプリケーションや、文書編集アプリケーションなどである。
【0065】
また、メモリ28は、画像データ以外にも、様々なコンテンツに係るデータファイル(コンテンツファイル)を記憶しても良い。コンテンツファイルは、通信端末装置1aが取り扱うことが可能なコンテンツのデータファイルであり、例えば着信音のデータ、開閉時の効果音のデータ、メールの着信音のデータ、キー押下時の音のデータ、待ちうけ画面のデータ、着信などのイベントに対応したイルミネーション(キー照明など)の設定データ、バイブのパターンのデータなどである。この場合、設定内容テーブル281は、各コンテンツファイルをさらに有していても良い。そして、諸設定管理部125は、設定内容テーブル281の内容に基づいて、コンテンツファイルをメモリ28から読み出し、読み出したコンテンツファイルを用いてコンテンツ設定を変更しても良い。
また、メモリ28は、アドレス帳のデータとして、各人物に対応する設定内容テーブル281の内容を記憶するように構成されても良い。このように構成されることにより、ユーザは、アドレス帳の変更として、設定内容テーブル281の内容を新規登録、編集、削除などを行うことが可能となる。
【0066】
また、設定内容テーブル281は、通信端末装置1aが備える表示部(例えば、主表示部18や副表示部19)における表示の許否を示す値(ディスプレイへの表示)や、外部表示装置に対する表示出力の許否を示す値(外部出力への表示)をさらに有しても良い。例えば、ディスプレイへの表示が“ON”で、外部出力への表示が“OFF”の場合、この設定内容に対応する他の通信端末装置が検出されている間は、主制御部10aは、ディスプレイへの表示は許可するが、外部出力への表示を禁止する。また、この二つの値は、データファイル毎に個別に設定されても良い。
また、主制御部10aは、端末検知部110によって検知された他の通信端末装置の一覧を、主表示部18や副表示部19に表示しても良い。
また、設定内容テーブル281は、アクセス制限ファイルに代えて、又は一緒に、アクセス可能ファイルの項目を有するように構成されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス可能ファイルに定義されたファイルについてのみ、アクセス(ファイルを開いたり、編集する行為)を許可する。
【0067】
また、通信端末装置1aの外部の記憶装置が設定内容テーブル281を記憶しても良い。この場合、ケーブル接続や無線通信によって、通信端末装置1aの主制御部10aは、設定内容テーブル281にアクセスし、処理を行う。また、設定内容テーブル281の内容を、端末識別子に係る電話番号、メールアドレス、その所有者名と対応するアドレス帳に含めて、メモリ28が記憶しても良い。この場合、主制御部10aの各機能部は、設定内容テーブル281を参照する際に、アドレス帳のデータを読み出す。
また、着信管理部122は、シークレットアドレスとして登録されている人物からの着信について、着信報知を行わないのではなく、着信拒否を行っても良い。
【0068】
また、端末検知部110が複数の通信端末装置を検知した場合、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125は、所定の優先順位に基づいて、一つの端末識別子を選択しても良い。この場合、上述した各機能部は、選択した端末識別子に対応する設定内容テーブルの内容に従って動作する。例えば、各端末識別子に正数が割り当てられ、各機能部はこの数字が最も高い端末識別子を選択する。また、例えば、アドレス帳において登録されている各グループに正数が割り当てられ、各機能部は、この数字が最も高いグループに所属する端末識別子であって、さらにその中で最も高い数字が割り当てられた端末識別子を選択しても良い。
【0069】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態である通信端末装置1bについて説明する。図5は、第二実施形態である通信端末装置1bの全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。通信端末装置1bは、主制御部10aに代えて主制御部10bを備える点、及びメモリ28が通知内容テーブル282をさらに記憶する点で通信端末装置1aと異なり、他の構成については携帯電話装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1b全体についての説明は省略し、主制御部10b及び通知内容テーブル282について説明する。
図6は、主制御部10bの機能構成のうち、通信端末装置1bにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10bは、通知部130をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10bについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0070】
通知部130は、端末検知部110が他の通信装置端末を検知すると、そのことを使用者に通知する。通知部130は、検知された端末識別子に応じて、通知内容テーブル282の内容に従って通知を行う。
図7は、通知内容テーブル282を示す図である。通知内容テーブル282は、通知内容テーブル282は、他の通信端末装置の端末識別子と、通知内容とを、対応付けて有する。具体的には、通知内容テーブル282は、LEDの点灯・点滅方法、主表示部18又は副表示部19に表示される通知文字の内容、温度変化部20によって変化する温度、香り発生部33が噴霧する香り、主表示部18又は副表示部19に表示される通知画像のファイル名、スピーカ24から再生される通知音の音声ファイル名を有する。
【0071】
通知部130の具体的な動作について説明する。通知部130は、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、検知された通信端末装置の端末識別子を取得する。通知部130は、取得した端末識別子に対応する通知内容を、メモリ28の通知内容テーブル282において検索し読み出す。通知部130は、LEDの点灯・点滅方法に従って、LED15を点灯・点滅させる。また、通知部130は、通知文字の内容を、主表示部18又は副表示部19に表示させる。また、通知部130は、温度の内容に従って、温度変化部20を動作させて出力する温度を変化させる。また、通知部130は、香りの内容に従って、香り発生部33に香りを噴霧させる。また、通知部130は、通知画像の画像データをメモリ28から読み出し、この画像を主表示部18又は副表示部19に表示させる。また、通知部130は、通知音の音声ファイルをメモリ28から読み出し、この音声をスピーカ24から出力する。
【0072】
このように構成された通信端末装置1bによれば、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、通知部130がその旨を通知する。そのため、使用者は、他の通信端末装置の存在(即ち、他の通信装置端末の使用者の存在)を知ることが可能となる。
【0073】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態である通信端末装置1cについて説明する。通信端末装置1cは、主制御部10aに代えて主制御部10cを備える点で通信端末装置1aと異なり、その他の点では通信端末装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1cの全体構成についての説明は省略し、主制御部10cについて説明する。
図8は、主制御部10cの機能構成のうち、通信端末装置1cにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10cは、実行条件判断部140をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10cについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0074】
実行条件判断部140は、端末検知部110が動作すべきか否か判断する。実行条件判断部140は、予め設定された条件を満たすか否か判断し、条件を満たす場合には、端末検知部110に対し他の通信端末装置の検知を行うように指示する。一方、条件を満たさない場合は、実行条件判断部140は、端末検知部110に対し、他の通信端末装置の検知を行わないように指示する。端末検知部110は、この指示に従って、他の通信端末装置の検知を行う。
実行条件判断部140が判断する条件は、通信端末装置1cの所有者によって予め設定される。以下、この条件の具体例を説明する。例えば、実行条件判断部140は、圏外になった場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。実行条件判断部140は、基地局装置から無線部12及びアンテナ121を介して信号が受信されなくなった場合に、圏外になったと判断する。
【0075】
また、実行条件判断部140は、現在の日時が所定の日時(例えば通勤時間(例えば午前8時〜9時の間)や、休日の朝(例えば土曜日、日曜日、及び祝日の朝10時〜12時))である場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。このような日時の設定は、通信端末装置1aに設けられたカレンダー機能とリンクさせることによって、カレンダー機能において設定することが可能となるように構成されても良い。
また、実行条件判断部140は、不図示の振動センサを用いて振動の大きさを検出し、閾値を超えた場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。例えば、人物が通信端末装置1cを携帯して歩いた場合に生じる振動の大きさの平均値が予め実験によって取得され、この値が閾値として設定されても良い。
また、実行条件判断部140は、GPS機能部21や、無線通信の基地局に基づく位置判断の結果に基づいて、所定の場所でのみ検知を行うように指示をしても良い。
このように構成された通信端末装置1cによれば、実行条件判断部140が、端末検知部110に対し、他の通信端末装置の検知処理を実行するか否か指示を行う。そして、端末検知部110は、実行条件判断部140からの指示に従って、検知を行う。そのため、他の通信端末装置を検知する必要がない場合にまで検知処理が無駄に実行されることを抑止し、消費電力の浪費などを防止することができる。
【0076】
[第四実施形態]
次に、第四実施形態である通信端末装置1dについて説明する。通信端末装置1dは、主制御部10aに代えて主制御部10dを備える点で通信端末装置1aと異なり、その他の点では通信端末装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1dの全体構成についての説明は省略し、主制御部10dについて説明する。
図9は、主制御部10dの機能構成のうち、通信端末装置1dにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10dは、検知条件判断部126をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10dについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0077】
検知条件判断部126は、端末検知部110が他の通信端末装置を検知した際に、この通信端末装置の端末識別子に対応付けられた検知条件に基づいて、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125が動作するか否か判断し、各機能部に対し、動作するか否かについて指示を行う。これら各機能部は、検知条件判断部126の指示に従って動作する。
図10は、第四実施形態における設定内容テーブル281を示す図である。設定内容テーブル281は、さらに検知条件を有する。検知条件判断部126は、検知された端末識別子に対応する設定内容を、メモリ28の設定内容テーブル281から読み出す。検知条件判断部126は、検知条件の値を参照し、この条件を満たすか否か判断する。条件を満たす場合には、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。条件を満たさない場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行わないように指示する。
【0078】
検知条件判断部126が判断する条件は、通信端末装置1dの所有者によって予め設定される。以下、この条件の具体例を説明する。例えば、端末検知部110がこの通信端末装置を検知する際に使用した通信方式が、検知条件に一致するか否かを判断する。図10の場合、検知条件として“無線LAN”が設定されている。この場合、検知条件判断部126は、端末検知部110が無線LANを用いてこの通信端末装置を検知したか否か判断する。端末検知部110が無線LANを用いてこの通信端末装置を検知した場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。
また、検知条件判断部126は、現在の日時が検知条件に一致するか否かを判断しても良い。図10の場合、検知条件として“平日”が設定されている。この場合、検知条件判断部126は、検知した日時が平日であるか否か判断する。検知条件判断部126は、その日が平日であるか否かについて、メモリ28に記憶されるカレンダー情報に基づいて判断する。検知条件判断部126は、検知した日時が平日である場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。
【0079】
このように構成された通信端末装置1dによれば、検知条件判断部126が、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125に対し、それぞれの動作を実行するか否か指示を行う。そして、上述した各機能部は、たとえ端末検知部110によって検知された端末識別子が設定内容テーブル281に登録されているとしても、検知条件判断部126から動作する旨の指示がなければ動作を行わない。そのため、通信端末装置1dの所有者は、たとえ通信端末装置が検知されたとしても、各機能部が動作する必要のある条件のみを検知条件として設定することにより、不必要に各機能部が動作することを抑止することができる。
【0080】
<変形例>
設定内容として、図11に示されるような全体設定テーブルがメモリ28に記憶されても良い。図11の全体設定テーブルは、設定内容テーブル281とは異なり、検出された他の通信端末装置の識別子に依存しない設定内容を示す。全体設定テーブルは、他の通信端末装置を検索する為の端末検知部110の検知方法、検索対象距離、検索条件(検索を行う時間や日時など)、複数の他の通信端末装置が検索された場合の動作の設定(複数端末の設定)、検出された他の通信端末装置に依存せずに強制的に設定される条件(強制条件設定)、メモリ28ではなく外部の記憶装置に記憶されていてアクセス可能なアドレス帳データの所在を示すデータ(端末外にある連携すべきアドレス帳)、強制変更設定の内容などを有する。
【0081】
ユーザは、強制対象距離を設定することにより、端末検知部110の検知方法を設定することも可能である。また、検索条件の日時は、ユーザはカレンダーの表示上で設定することができる。また、強制条件については、その条件が発動する日時を設定することが可能である。また、強制変更設定として、Bluetooth名称や、IPアドレス等を設定しておくことにより、端末検知部110がこれらの値を検知した場合に、設定の内容を変更(例えば全体設定テーブルの設定内容への変更)を行うことも可能である。
【0082】
また、設定内容テーブルを、図12に示されるようなテーブルとして構成しても良い。図12の設定内容テーブルは、アドレス帳のデータとして設定内容テーブルが登録される場合の例である。そのため、図12では、従来からのアドレス帳に登録される内容(名前、名前のよみ、電話番号、メールアドレス、アドレス帳グループ、着信時の表示画像、住所、GPS情報、誕生日、星座、血液型など)が登録される。また、図12の情報は、それぞれ他の通信端末装置の識別子と対応付けてメモリ28に登録される。そして、他の通信端末装置が検出された場合に、対応する設定内容に基づいて、通信端末装置1dは動作する。
さらに、図12では、設定内容テーブルの内容として、設定ジャンルを設定することができる。設定ジャンルとは、壁紙、着信音、各種操作音、表示アイコン、バックライトの色、文字フォント、変換辞書などを一つのセットとして定義するものである。例えば、設定ジャンルが「鉄道」であれば、上述した各内容が、鉄道に基づいたものとして設定される。このように構成されることにより、ユーザは一つ一つについて設定を細かく行うことなく、設定ジャンルの選択のみによって設定を行うことが可能となる。
【0083】
また、図12では、匂い設定、温度設定、通知設定を登録することができる。匂い設定は、対応する他の通信端末装置が検出されている間に香り発生部33が発生させる匂い(香り)を設定するための項目である。温度設定は、対応する他の通信端末装置が検出されている間に温度変化部20が発生させる温度変化を設定するための項目である。通知設定は、対応する他の通信端末装置が検出された際の動作を設定するための項目である。なお、通知設定に含まれる匂い設定は、他の通信端末装置が検出された際に所定時間のみ発生される香りであり、上述した匂い設定と異なる。
また、図12において、他者との重ね合わせ条件とは、複数の他の通信端末装置が検出された場合の動作を規定するものである。例えば、“AND”、“優先(他を無視)”、“他者検出時は全て隠す”、“全体設定に従う”等の設定が可能である。
【0084】
さらに、ディスプレイへの表示、外部出力への表示、セキュリティレベル設定、端末内コンテンツLevel設定、検索対象距離、検索手段、検索条件、着信瀬手地、設定変更後のネットワーク設定などの値が設定内容テーブル281の値として図12のように設けられても良い。検索手段の項目では、検索方法を個別に設定することができる。例えば、基地局位置情報が入手されたとしても、この値がOFFである場合には、端末検知部110は、検知したことを出力しない。
なお、このような変形例は、通信端末装置1a〜1cにおいて適用されても良い。
【0085】
なお、上述した実施形態における通信端末装置1a〜1dの一部、例えば、主制御部10a〜10dの機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一実施形態である通信端末装置の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【図2】第一実施形態である通信端末装置の外観構成を示す図である。
【図3】主制御部の機能構成のうち、第一実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図4】第一実施形態における設定内容テーブルを示す図である。
【図5】第二実施形態である通信端末装置の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【図6】主制御部の機能構成のうち、第二実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図7】通知内容テーブルを示す図である。
【図8】主制御部の機能構成のうち、第三実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図9】主制御部の機能構成のうち、第四実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図10】第四実施形態における設定内容テーブルを示す図である。
【図11】全体設定テーブルの例を示す図である。
【図12】設定内容テーブルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1…通信端末装置, 10…主制御部(プログラム実行部),18…主表示部(画像表示部), 19…副表示部(画像表示部), 28…メモリ(テーブル記憶部,アドレス帳記憶部,履歴記憶部,データファイル記憶部,画像ファイル記憶部), 110…端末検知部, 121…アドレス帳管理部, 122…着信管理部, 123…データアクセス管理部, 124…セキュリティ管理部, 125…諸設定管理部, 130…通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、その制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信端末装置は、その高性能化に伴い、画像データや音声データ等の様々なデータを記憶・再生することが可能となっている。このように様々なデータを記憶・再生することが可能となったため、通信端末装置の使用者は、背景画像や操作時の効果音など、様々な設定を行うことにより、自身の通信端末装置の設定について個別化を図っている。ところで、近年は通信端末装置が内蔵する記憶装置の大容量化により、通信端末装置が記憶可能なデータの数も増加している。そのため、使用者は、お気に入りの設定を複数のパターンで作成することが可能となっている。従って、常に同じような設定ではなく、状況に応じた様々な設定に変更することに対する要望も高まっている。
【0003】
また、通信端末装置は、記憶装置の大容量化により、アドレス帳データやメール送受信の履歴や電話の発着信履歴など、プライベートに関わるデータも大量に記憶することができる。このようなプライベートに関わるデータを記憶する通信端末装置においては、セキュリティ管理の重要性も高まる。しかしながら、例えばアドレス帳へのアクセスの際に毎度パスワードの入力を要するものとして、常にセキュリティレベルを高く設定していると、使用者にとっては操作性が悪化してしまう。
このような柔軟な設定の変更に係る技術として、外界状況(時間帯、現在の位置情報、外界の明度など)の変化を検出し、外界状況の変化に伴って所定の機能や設定を読み出すことにより設定を変更する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−074477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において提案されている技術では、時間や場所に応じた設定の変更は可能ではある。しかしながら、周囲の人物に応じて設定の変更を行うことや、その者に応じて動作の内容を変更するなどの制御は、行うことができなかった。そのため、これまでは、周囲の人物に応じて設定を変更する場合には、使用者がいちいち手動にて変更を行っていた。このように、通信端末装置の設定の変更に関し、これまで提案されてきた技術では十分とはいえない。
そこで本発明は、通信端末装置の設定や動作の変更に関し、従来の欠点を克服することを可能とする通信端末装置、その制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、通信端末装置であって、他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けてテーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、を備える。
【0006】
また、本発明の一態様は、アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、アドレス帳の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示しない、ように構成されても良い。
【0007】
また、本発明の一態様は、電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、テーブル記憶部は、秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物に係る履歴を表示しない、ように構成されても良い。
【0008】
本発明の一態様は、データファイルを記憶するデータファイル記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、データファイルの識別情報を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた識別情報に係るデータファイルに対する使用者のアクセスを制御する、ように構成されても良い。
【0009】
本発明の一態様は、プログラムを実行するプログラム実行部をさらに備え、テーブル記憶部は、プログラムの実行内容を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたプログラムの実行を制御する、ように構成されても良い。
【0010】
本発明の一態様は、コンテンツファイルを記憶するコンテンツファイル記憶部をさらに備え、テーブル記憶部は、コンテンツファイルの識別子を設定内容として記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたコンテンツファイルを用いて、コンテンツ設定を変更する、ように構成されても良い。
【0011】
本発明の一態様において、テーブル記憶部は、他の通信端末装置と、自装置に記憶される各データの表示可否情報とを対応付けて記憶し、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対して表示可能なデータとしてテーブル記憶部に記憶されたデータのみについて表示を行う、ように構成されても良い。
【0012】
本発明の一態様において、制御部は、自装置に備えられた表示部に対しては、表示可否情報に関わらずデータの表示を行い、自装置に接続された外部表示装置に対しては、表示可否情報に基づいた表示を行う、ように構成されても良い。
【0013】
本発明の一態様において、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置について、当該他の通信端末装置が近くに存在することを自装置の使用者に報知する、ように構成されても良い。
【0014】
本発明の一態様において、制御部は、端末検知部によって検知された他の通信端末装置の一覧を表示部に表示させる、ように構成されても良い。
【0015】
本発明の一態様は、アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、制御部は、アドレス帳の内容を表示する際に、端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示せず、この人物からの着信があった場合に着信報知を実行しない、ように構成されても良い。
【0016】
本発明の一態様は、現在の位置の情報を取得する現在位置取得部をさらに備え、端末検知部は、現在位置取得部によって取得された現在の位置が所定の位置である場合にのみ動作する、ように構成されても良い。
【0017】
本発明の一態様は、コンピュータを、上述した通信端末装置として動作させるためのコンピュータプログラムとして特定されても良い。また、本発明の一態様は、上述した通信端末装置として機能するコンピュータが行う制御方法として特定されても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、検知された通信端末装置に応じて、自装置の設定を変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第一実施形態]
以下、第一実施形態である通信端末装置1aについて説明する。通信端末装置1aは、内蔵する演算装置や記憶装置がバスによって接続され、記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて動作する情報処理装置である。具体的には、通信端末装置1aは、携帯電話機である。
図1は、第一実施形態である通信端末装置1aの全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。以下、図1を参照しながら、通信端末装置1aの全体構成について説明する。
【0020】
通信端末装置1aは、主制御部10a、通信制御部11、無線部12、プログラムメモリ13、操作部14、フラッシュ15、主カメラ16、副カメラ17、主表示部18、副表示部19、温度変化部20、GPS(Global Positioning System)機能部21、マイク22、音声処理部23、スピーカ24、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダー25、電源制御部26、電池27、メモリ28(テーブル記憶部,アドレス帳記憶部,履歴記憶部,データファイル記憶部,画像ファイル記憶部)、インジケータ29、Ir(Infrared ray)受信部30、Ir送信部31、近距離通信無線部32、及び香り発生部33を構成要素として具備する。
【0021】
主制御部10a以外の各構成要素は、主制御部10aに対し直接又は間接的に接続される。主制御部10aは、各構成要素によって実行される処理を制御する。主制御部10a以外の各構成要素は、通信端末装置1aの各種機能にかかる処理を行う。以下、通信端末装置1aの各構成要素について説明する。
主制御部10aは、専用のハードウェアや、プログラムを読み込んで実行することにより動作する演算処理装置を用いて構成することができる。主制御部10aの詳細な動作については後述する。
【0022】
通信制御部11は、無線部12を用いた無線通信の通信制御を行う。例えば、通信制御部11は、シーケンス制御や再送制御を実行する。
無線部12は、携帯電話網(W−CDMA網やCDMA2000網など)、無線LAN等の無線通信規格に従う無線通信を、アンテナ121を介して行う。すなわち、無線部12は、主制御部10aから、主カメラ16や副カメラ17で撮影される画像の情報や、マイク22で収音される音声の情報等の入力を受け、それらの情報の信号を基に、所定の変調方式による変調処理、無線周波数帯への周波数変換処理、及び増幅処理の各処理を実行し、無線信号としてアンテナ121から無線区間に送出する。また、アンテナ121に到来した無線信号をベースバンド周波数帯へ変換する周波数変換処理、所定の方式による変調処理、及び増幅処理の各処理を施し、信号を主制御部10aに出力する。
【0023】
プログラムメモリ13は、通信端末装置1aの種々の機能にかかる各種ソフトウェアを格納する記憶部である。通信端末装置1aの主制御部10aは、このプログラムメモリ13に記憶されるソフトウェアを読み出し、該ソフトウェアに従う処理を実行する。
操作部14は、使用者による各種指示の入力を受け付け、主制御部10aに出力する。操作部14は、例えば、文字や数値などのデータを入力するための各種ボタンを具備するキーボードや、カーソルの位置などを入力するためのポインティングデバイスや、タッチパネル等を用いて構成できる。
【0024】
LED15は、主制御部10aの制御に従って、発光や点滅を行う。主カメラ16又は副カメラ17は、いずれも撮影部として機能し、それぞれ光学系、撮像部、及び映像信号処理部を備える。光学系は、レンズやプリズム等を備え、外部の光を取り入れ、撮像部に出力する。撮像部は、CCDやCMOSなどの光センサを備え、入力された光の明暗に比例した電流を発生し、映像信号処理部に出力する。映像信号処理部は、撮像部から入力された電流をデジタルデータに変換し、所定の画像処理を施す。そして、映像信号処理部は、このデジタルデータを主制御部10aに出力する。
【0025】
主表示部18及び副表示部19は、主制御部10aから入力される各種画像を表示する。例えば、主表示部18及び副表示部19は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを備える。温度変化部20は、主制御部10aの制御に従って、通信端末装置1aの筐体の温度を変化させる。温度変化部20は、ペルチェ素子や、圧縮された冷却用ガスを用いて、その放出気化により筐体の温度を下げる装置や、電気等による発熱を行い筐体の温度を上げる装置などを用いて構成することができる。
【0026】
GPS機能部21は、GPSアンテナ211を備え、複数のGPS衛星からそれぞれ発射された時刻信号電波を受信する。GPS機能部21は、各時刻信号電波の到達時間の差に基づき、通信端末装置1aの現在の位置データを算出する。そして、GPS機能部21は、取得した位置データを、主制御部10aに出力する。
マイク22は、音声を取り入れ、入力された音声の波に応じて電気信号を生成し、音声処理部23に出力する。
【0027】
音声処理部23は、マイク22から入力された電気信号からノイズを除去し、ノイズ除去後の電気信号を主制御部10aへ出力する。また、音声処理部23は、メモリ28が記憶している音声データや、無線部12を介して他の電話機から受信される音声信号を、スピーカ24を介して出力する。
スピーカ24は、音声処理部23から入力される電気信号に基づき、振動板などの振動体を振動させることによって音声を出力する。
【0028】
RFIDリーダー25は、アンテナ251を備え、信号を送受信する。RFIDリーダー25は、この信号に反応したRFIDタグから、このRFIDタグに書き込まれたデータを読み取る。そして、RFIDリーダー25は、読み取ったデータを主制御部10aへ出力する。
電源制御部26は、電池27から供給される直流電力を主制御部10aへ供給する。電池27は充電池(二次電池)又は乾電池(一次電池)などであり、直流電力を電源制御部26に供給する。
【0029】
メモリ28は、通信端末装置1aの処理に必要な種々のデータを記憶する。具体的には、画像データ、アドレス帳、音声データ、住所データ、メール履歴、電話履歴、位置データ、行動履歴、スケジュールデータ、設定内容テーブル281等を記憶する。以下、それぞれについて説明する。
【0030】
画像データは、主表示部18に表示される壁紙として用いられる画像や、アイコンとして用いられる画像や、その他の画像のデータである。アドレス帳は、使用者によって入力された電話番号及びその付属情報(名前、住所等)である。音声データは、主制御部10aによって再生されスピーカ24によって出力される音声のデータである。音声データは、例えば通信端末装置1aの操作音や、録音又は音声合成によって作成されたメッセージのデータなどを含む。住所データは、使用者によって入力された住所に関する情報であり、アドレス帳の一部を構成する。メール履歴は、電子メールやショートメッセージの送受信履歴である。電話履歴は、電話の発着信履歴である。位置データは、当該通信端末装置1aの現在の位置を示す情報であり、GPS機能部21やRFIDリーダー25によって取得される情報である。具体的には、GPS機能部21によって、また、他の位置データとして、現在接続中の基地局装置の識別情報(基地局装置と接続中である場合)がある。行動履歴は、位置データの履歴である。
【0031】
スケジュールデータは、会議やデートの予定に関するデータである。例えば、会議については、メモリ28はその日時、場所、出席者についてのデータを記憶する。また、メモリ28は、スケジュールデータとして、他人(通信端末装置1aの使用者とは異なる人物)のスケジュールを記憶しても良い。
設定内容テーブル281は、主制御部10aによって使用される情報である。設定内容テーブル281の内容については後述する。
【0032】
インジケータ29は、電池27の残量に応じて伸縮するインジケータ画像を表示する。
Ir受信部30とIr送信部31は、それぞれ赤外線通信の受信と送信を行う。近距離通信無線部32は、無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線通信規格に基づいて無線通信を行う。香り発生部33は、主制御部10aの制御に従って、香りを発生させる。香り発生部33は、例えば香りを有する液体などを有し、主制御部10aの制御に従って、選択された液体を単体又は組み合わせて噴霧口331から筐体の外部に噴霧することによって香りを発生させる。
【0033】
図2は、通信端末装置1aの外観構成を示す図である。図2(a)は、通信端末装置1aの内側(主表示部18を有する側)を示す図である。図2(b)は、通信端末装置1aの外側(副表示部19を有する側)を示す図である。以下、図2を参照して、通信端末装置1aの外観構成について説明する。なお、図2では、通信端末装置1aは折り畳み自在の構造を有している。
【0034】
通信端末装置1aは、内側の下方に操作部14を備える。通信端末装置1aは、例えば、カーソルボタン141、決定ボタン142、オンフックボタン143、オフフックボタン144、テンキー(「*」ボタンや「#」ボタンを含む)145を備える。このような操作部14は、使用者によって操作されることによって、主制御部10aに対し数字や文字や命令を入力する。カーソルボタン141は、主表示部18に表示されるカーソルを移動させて、各種の選択入力等を行うために用いられる。決定ボタン142は、選択実行を行うために用いられる。オンフックボタン143は、通信端末装置1aをオンフック状態にするために使用される。オフフックボタン144は、通信端末装置1aをオフフック状態にするために使用される。テンキー145は、電話番号の入力、メールやアドレス帳作成時の文字入力等に用いられる。
【0035】
通信端末装置1aは、内側の上方に、副カメラ17、主表示部18を備える。また、通信端末装置1aは、内側の下方に、操作部14に加えてさらに、マイク22、光センサ33を備える。
通信端末装置1aは、外側に、LED15、主カメラ16、副表示部19、アンテナ121、香り発生部33の噴霧口331を備える。
【0036】
図3は、主制御部10aの機能構成のうち、通信端末装置1aにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。以下、図3を用いて、主制御部10aの特徴的な構成について説明する。
主制御部10aは、端末検知部110、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125を備える。この他にも、主制御部10aは、携帯電話機としての機能やウェブブラウジングを行うための機能やメールを送受信するための機能などを実現するための公知の機能部を有する。
【0037】
端末検知部110は、Bluetooth(登録商標)が実装された近距離通信無線部32を用いて、他の通信端末装置を検知する。具体的には、端末検知部110は、Bluetooth(登録商標)のペアリング機能によって、Bluetooth(登録商標)を用いた通信が可能な他の通信端末装置を検知する。端末検知部110が検知する範囲は、Bluetooth(登録商標)の使用において設定されている電波強度のクラスに応じて決まる。即ち、端末検知部110が行う検知の範囲は、Class1の場合は100m以内、Class2の場合は10m以内、Class3の場合は1m以内である。端末検知部110は、他の通信端末装置を検知すると、その通信端末装置を示す端末識別子を取得する。端末識別子とは、他の通信端末装置を一意に識別するためのデータであり、この場合はBluetooth(登録商標)で用いられる装置名である。
【0038】
図4は、メモリ28に格納される設定内容テーブル281を示す図である。設定内容テーブル281は、他の通信端末装置の端末識別子と、自装置(通信端末装置1a)の設定内容とを、対応付けて有する。設定内容テーブル281は、設定内容として、シークレットアドレス、アクセス制限ファイル、セキュリティレベル、壁紙、操作音、香りに関する情報を有する。例えば、設定内容テーブル281は、端末識別子として“AA”、シークレットアドレスとして“X3”及び“X4”、アクセス制限ファイルとして“B−Kabuka.txt”及び“B−BS.xls”、セキュリティレベルとして、“ウェブアクセス:NG”、“メール送信:パスワード”、及び“メール受信:OK”、壁紙として“Neko1.jpg”、操作音として“Koneko”、香りとして“ラベンダー”を有する。
シークレットアドレスとは、メモリ28のアドレス帳に登録されているいずれかの人物を指す識別子(例えば、登録番号や名前など)である。アドレス帳に登録されているデータのうち、シークレットアドレスとして登録されている人物のデータは、アドレス帳管理部121によって秘匿される。また、シークレットアドレスとして登録されている人物からの着信は、着信管理部122によって着信拒否される。以下、シークレットアドレスとして登録されている内容に基づいて処理を行うアドレス帳管理部121及び着信管理部122について説明する。
【0039】
アドレス帳管理部121は、使用者によってアドレス帳のデータの表示指示があった場合に、主表示部18に表示させるアドレス帳のデータを管理する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、アドレス帳管理部121は、アドレス帳に登録されている全ての人物に関するデータを表示する。一方、端末検知部110が他の通信端末装置を検知している場合は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するシークレットアドレスとして登録されている人物に関するデータを、アドレス帳管理部121はアドレス帳の表示の際に表示しない。
アドレス帳管理部121の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、そのアドレス帳のデータとして、X1、X2、X3、X4、X5の5人のデータを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4を記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0040】
アドレス帳管理部121は、アドレス帳を主表示部18に表示する際、まずアドレス帳から各人のデータを読み出す。アドレス帳管理部121は、端末識別子AAに対応するシークレットアドレスの内容も、メモリ28から読み出す。アドレス帳管理部121は、読み出したアドレス帳に登録されている各人物と、シークレットアドレスに登録されている人物とを比較し、一致した場合には、その人物のデータを表示しないと判断する。この場合、アドレス帳管理部121は、X3及びX4のデータは表示しないと判断する。そして、アドレス帳管理部121は、読み出したアドレス帳に登録されているデータのうち、表示しないと判断したX3及びX4を除いて、X1、X2、及びX5のデータのみを主表示部18に表示する。
【0041】
このような動作により、端末検知部110が検知する通信端末装置に応じて、主表示部18に表示するアドレス帳の内容が変わる。使用者は、各通信端末装置の端末識別子毎に、表示したくない人物をシークレットアドレスとして登録しておくことにより、周囲に現れた他の通信端末装置の使用者(以下、「他使用者」という。)に応じてアドレス帳の内容を変更する必要がない。また、表示したくない人物の情報については、アドレス帳においてパスワードを要する設定にしておくこともできる。しかしながら、この場合は周囲に他使用者がいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であっても、使用者はこの人物の情報を表示させるために常にパスワードを入力する必要が生じてしまう。これに対し、アドレス帳管理部121の動作によれば、周囲に他使用者がいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であれば、パスワードを入力することなく、秘密にしたい人物の情報をアドレス帳に表示させることが可能となる。
【0042】
アドレス帳管理部121は、メモリ28に記憶されているメール履歴や電話履歴を主表示部18に表示する際にも、シークレットアドレスに対応する人物の履歴を表示しない。以下、この処理について具体的に説明する。
メモリ28は、メール履歴や電話履歴について、新しいものから順に通し番号を付与して記憶している。具体的には、メモリ28は、電話履歴(発信履歴)として、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“03”発信者“X3”、通し番号“04”発信者“X4”、通し番号“05”発信者“X5”を記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4の二人を記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0043】
アドレス帳管理部121は、電話履歴を表示する際に、メモリ28から通し番号と発信者とを対応付けて読み出す。アドレス帳管理部121は、端末識別子AAに対応するシークレットアドレスの内容も、メモリ28から読み出す。アドレス帳管理部121は、読み出した電話履歴の発信者である各人物と、シークレットアドレスに登録されている人物(以下、「非表示人物」という。)とが一致するか否か、通し番号の小さいものから大きいものへ順番に判断する。また、アドレス帳管理部121は、カウンタを用意し、初期値を“1”に設定する。
【0044】
アドレス帳管理部121は、発信者“X1”から順に比較を行う。まず、アドレス帳管理部121は、発信者“X1”と非表示人物とが一致しないため、この履歴は表示すると判断する。このとき、アドレス帳管理部121は、現在のカウンタの値“1”をこの発信者“X1”の履歴に新たな通し番号として付与し、カウンタの値に“1”を加算して“2”とする。次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X2”についても同様に処理し、カウンタの値を“3”とする。
【0045】
次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X3”について比較を行う。発信者”X3”は、非表示人物と一致するため、アドレス帳管理部121は、発信者”X3”の履歴は表示を行わないと判断する。この場合、アドレス帳管理部121は、この履歴には新たな通し番号を付与せず、カウンタの値もそのまま(”3”)にする。次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X4”についても同様に処理し、カウンタの値もそのまま“3”とする。
次に、アドレス帳管理部121は、発信者”X5”について比較を行う。発信者”X5”は、非表示人物とは一致しないため、この履歴は表示すると判断する。このとき、アドレス帳管理部121は、現在のカウンタの値“3”をこの発信者“X5”の履歴に新たな通し番号として付与する。そして、アドレス帳管理部121は、読み出した全ての履歴について判断を行ったため、判断の処理を終える。次に、アドレス帳管理部121は、表示すると判断した履歴についてのみ、新たに付与した通し番号とともに、主表示部18に表示する。
【0046】
従って、主表示部18は、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“03”発信者“X5”として表示する。そのため、アドレス帳管理部121がアドレス帳や履歴を表示する際に、通し番号“01”発信者“X1”、通し番号“02”発信者“X2”、通し番号“05”発信者“X5”のように、通し番号が抜け落ちない。そのため、通し番号が抜け落ちていることによって、シークレットアドレスに登録された者の情報や履歴が表示されていないことを第三者に察知されることを抑止できる。
着信管理部122は、他の通信端末装置から着信があった場合に、着信の報知を行うか否かについて管理する。ここでいう着信とは、電話の着信のみではなく、メール受信やチャット等のメッセージ受信も指す。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、着信管理部122は、全ての着信について着信報知を行う。一方、端末検知部110が他の通信端末装置を検知している場合は、着信管理部122は、この通信端末装置の端末識別子に対応するシークレットアドレスとして登録されている人物からの着信については、着信報知を行わない。
【0047】
着信管理部122の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、アドレス帳のデータとして、X1、X2、X3、X4、X5の5人のデータを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたシークレットアドレスとして、X3及びX4の二人を記憶している。着信管理部122は、他の通信端末装置から着信があると、着信時に通知される発呼端末の電話番号を取得する。次に、着信管理部122は、この発呼端末の電話番号に対応付けられた人物の名前を、アドレス帳から検索する。着信管理部122は、検索結果として人物の名前を取得し、名前に基づいて、この人物が非表示人物であるか否か判断する。この人物が非表示人物ではない場合、即ちX1、X2、X5のいずれかであった場合は、着信管理部122は、この着信について着信報知を実行する。一方、この人物が非表示人物であった場合、X3又はX4のいずれかであった場合は、着信管理部122は、この着信については着信報知を実行しない。
【0048】
このように、着信管理部122は、端末検知部110が検知する通信端末装置に応じて、着信があった場合に、その着信について着信報知を行うか否か判断する。使用者は、各通信端末装置の端末識別子毎に、秘密にしたい人物をシークレットアドレスとして登録しておくことにより、その通信端末装置が周囲に存在する場合には、秘密にしたい人物からの着信が報知されないように設定できる。そのため、その通信端末装置の使用者に、秘密にしたい人物からの着信を知られることを抑止できる。このとき、使用者は、周囲に現れた通信端末装置の使用者に応じて着信報知の有無を変更する必要がない。また、着信報知をされたくない人物については、アドレス帳において予め着信報知のないようを無音無表示として設定しておくこともたしかに可能である。しかしながら、この場合は周囲に誰もいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であっても、着信報知がなされないため、使用者はこの人物からの着信を受けることが常に困難となってしまう。これに対し、着信管理部122の動作によれば、周囲に誰もいない(他の通信端末装置が端末検知部110によって検知されない)状態であれば、秘密にしたい人物からの着信についても着信報知を受けることが可能となる。
【0049】
図4の説明に戻る。アクセス制限ファイルは、対応する他の通信端末装置が端末検知部110によって検知された場合に、データアクセス管理部123がアクセス制限を行う対象となるデータファイルを示す。以下、アクセス制限ファイルとして登録されている内容に基づいて処理を行うデータアクセス管理部123について説明する。
データアクセス管理部123は、使用者がデータファイルへアクセスする際に、このアクセスを許可するか否か判断する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、データアクセス管理部123は、全てのデータファイルについてアクセスを許可する。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するアクセス制限ファイルとして登録されているデータファイルについては、アクセスを禁止する。
【0050】
データアクセス管理部123の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、A−Kabuka.txt、B−Kabuka.txt、A−BS.xls、B−BS.xlsという4つのデータファイルを記憶している。また、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたアクセス制限ファイルとして、B−Kabuka.txt及びB−BS.xlsを記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0051】
使用者が操作部14を操作してA−Kabuka.txtの内容を主表示部18に表示する命令を入力した場合、データアクセス管理部123は、端末識別子AAに対応するアクセス制限ファイルの名前をメモリ28から読み出す。次に、データアクセス管理部123は、アクセスの対象となっているデータファイルの名前と、メモリ28から読み出したアクセス制限ファイルの名前とが一致するか否か比較する。この場合は、両者の名前は一致しないため、データアクセス管理部123は、このデータファイルへのアクセスを許可する。一方、使用者が操作部14を操作してB−Kabuka.txt又はB−BS.xlsにアクセスしようとした場合は、アクセス制限ファイルの名前と一致するため、データアクセス管理部123は、データアクセスを許可しない。
【0052】
図4の説明に戻る。セキュリティレベルとは、対応する他の通信端末装置が端末検知部110によって検知された場合に、セキュリティ管理部124が自装置について行う処理の内容を定めたものである。メモリ28は、セキュリティレベルとして、処理内容と、セキュリティ値とを対応付けて記憶する。処理の内容とは、ウェブアクセスやアプリケーションの実行など、使用者が操作部14を操作して通信端末装置1aに入力する命令に応じて主制御部10aが実行する処理の内容である。セキュリティ値とは、各処理について、実行の可否、パスワードの入力の要否を示す値である。以下、セキュリティレベルとして登録されている内容に基づいて処理を行うセキュリティ管理部124について説明する。
【0053】
セキュリティ管理部124は、セキュリティレベルの内容に従って、各処理の実行に際し、実行の可否やパスワードの要否を判断する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、セキュリティ管理部124は、特に処理を実行しない。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、セキュリティ管理部124は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応するセキュリティレベルの内容に従って、各処理について実行の可否やパスワードの要否を判断する。
セキュリティ管理部124の具体的な動作について説明する。いま、メモリ28は、端末識別子AAに対応付けたセキュリティレベルとして、ウェブアクセスはNG(実行不可能)、メール受信はOK(実行可能)、メール送信にはパスワードを要すると記憶している。また、端末検知部110は、端末識別子がAAである他の通信端末装置を検知している。
【0054】
セキュリティ管理部124は、使用者が操作部14を操作してウェブブラウザを起動し、ウェブサイトへアクセスする命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティレベルの内容をアクセスメモリ28から読み出す。セキュリティ管理部124は、入力された命令と、セキュリティレベルとして登録されている処理内容とが一致するか否か判断する。この場合、処理内容“ウェブアクセス”が一致するため、セキュリティ管理部124は、この処理内容に対応するセキュリティ値を参照する。そして、セキュリティ管理部124は、セキュリティ値“NG”に従って、ウェブアクセスの処理を実行しない。
【0055】
また、使用者が操作部14を操作してメール送信の命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティ管理部124は、同様に処理しセキュリティ値を参照する。この場合、セキュリティ値は“パスワード”であるため、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行する前に使用者に対しパスワードの入力を要求する。使用者が操作部14を操作してパスワードを入力すると、セキュリティ管理部124は、入力されたパスワードと、メモリ28に記憶されているパスワードとが一致するか否か判断する。両者が一致した場合、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行する。一方、両者が一致しない場合、セキュリティ管理部124は、メール送信の処理を実行しない。
また、使用者が操作部14を操作してメール受信の命令を入力した場合、この命令を受けて、セキュリティ管理部124は、同様に処理しセキュリティ値を参照する。この場合、セキュリティ値は“OK”であるため、セキュリティ管理部124は、メール受信の処理を実行する。
【0056】
図4の説明に戻る。壁紙とは、メモリ28に登録されている画像データであり、諸設定管理部125が主表示部18に背景として表示させる画像データである。操作音とは、音声データであり、使用者による通信端末装置1aの操作(例えば操作部14のいずれかのボタンの押下や、折りたたみ部分の開閉操作)を諸設定管理部125が検出しスピーカ24から再生する音声データである。香りとは、諸設定管理部125が香り発生部33に噴霧させる香りの種類である。以下、壁紙、操作音、香りとして登録されている内容に基づいて処理を行う諸設定管理部125の処理について説明する。
【0057】
諸設定管理部125は、主表示部18に表示する壁紙の画像データ、使用者による操作の検出時に再生する音声データ、香り発生部33に噴霧させる香りを管理する。端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知していない場合は、諸設定管理部125は、使用者によって現在選択されている画像データ、音声データ、香りを、それぞれ壁紙、操作音、噴霧する香りとして、主表示部18への表示、スピーカ24による再生、香り発生部33による噴霧の処理を行う。一方、端末検知部110が、設定内容テーブル281に登録されている他の通信端末装置を検知している場合は、諸設定管理部125は、検知された通信端末装置の端末識別子に対応する壁紙、操作音、香りとして登録されている内容に従って、壁紙の表示、操作音の再生、香りの噴霧を行う。
【0058】
このように、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、その検知結果に応じて、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125がそれぞれ動作する。
【0059】
<変形例>
通信端末装置1aは、携帯電話機ではなく、通信機能を具備したPDA(Personal Data Assistant)やノート型パーソナルコンピュータや据え置き型パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であっても良い。
端末検知部110は、無線LANが実装された近距離通信無線部32を用いて、フェムト基地局を用いて構成されたネットワークに接続し、同じフェムト基地局に接続している他の通信端末装置の端末識別子をこのフェムト基地局から受信することによって、他の通信端末装置の検知を行ってもよい。フェムト基地局は、自局に接続されている各通信端末装置を把握することができるため、このような処理が可能となる。
【0060】
また、端末検知部110は、Ir受信部30を用いて、他の通信端末装置から送出される赤外線信号を受信することによって、他の通信端末装置を検知しても良い。この場合、他の通信端末装置は、赤外線信号に端末識別子を付加して送出する。
また、端末検知部110は、すれちがい通信(登録商標)が実装された近距離通信無線部32を用いて、他の通信端末装置を検知しても良い。すれちがい通信とは、すれちがう通信端末装置同士が、特定のプロトコルで信号を送受信することにより、識別子を相互に取得する通信である。また、端末検知部110は、RFIDリーダー25を用いて他の通信端末装置に設けられたRFIDタグからデータを読み出すことによって、他の通信端末装置を検知しても良い。この他にも、端末検知部110は、他の公知の方法を用いて、他の通信端末装置を検知しても良い。
【0061】
また、端末識別子は、他の通信端末装置のMACアドレスやIPアドレスやコンピュータ名や、各通信プロトコルにおいて通信相手を識別するために用いられる識別子であっても良い。
また、端末検知部110は、使用者によって設定された検知範囲内で、他の通信端末装置を検知しても良い。端末検知部110は、Bluetoothの電波強度を規定したクラス(Class1〜Class3)について使用者から設定を受ける。そして、端末検知部110は、使用者によって設定されたクラスの電波強度で検知を実行することにより、検知範囲内での検知を実現する。
【0062】
また、アドレス帳管理部121は、履歴を表す情報として、メール履歴や電話履歴に限らず、メッセンジャーやチャット等の履歴についても同様に取り扱っても良い。また、アドレス帳管理部121は、履歴を表す情報として、スケジュールデータ、画像データ、アドレス帳データが送受信された履歴など、通信端末装置1aによって行われる全ての送受信処理の履歴についても同様に取り扱っても良い。なお、これらのデータの送受信は、BluetoothやWLANやRFIDを用いた通信によって行われる。
また、メモリ28がアドレス帳において各人物を複数のグループに分けて記憶している場合、シークレットアドレスとしてこのグループが登録されても良い。この場合、アドレス帳管理部121は、アドレス帳の各人物のグループと、シークレットアドレスとして登録されているグループとが一致するか否か比較し、表示するか否か判断する。また、メモリ28がアドレス帳において、各人物について会社名を記憶している場合、シークレットアドレスとしてこの会社名が登録されても良い。この場合、アドレス帳管理部121は、アドレス帳の各人物の会社名と、シークレットアドレスとして登録されている会社名とが一致するか否か比較し、表示するか否か判断する。
【0063】
また、アクセス制限ファイルは、図4のようなファイルの名称ではなく、ファイルの拡張子として特定されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス制限ファイルとして特定された拡張子のデータファイルについて、アクセスを禁止する。また、アクセス制限ファイルは、特定の文字列として特定されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス制限ファイルとして特定された文字列をそのファイル名に含むデータファイルや、中身にその文字列を含むデータファイルについて、アクセスを禁止する。例えば、特定の文字列が“株式会社B”である場合、データアクセス管理部123は、ファイル名にこの文字列を含むデータファイル(例えば“資料1−株式会社B様.doc”)や、中身にその文字列を含むデータファイル(例えば、文書ファイルであって、その文書の中身に“株式会社B御中”と記載されたものや、XMLファイルであって、タグの値として“株式会社B”と記載されたもの)について、アクセスを禁止する。
【0064】
また、アクセス制限ファイルは、アクセス許可ファイルとして定義され、データアクセス管理部123は、アクセス許可ファイルに定義されたデータファイルについてアクセスを許可し、他のデータファイルについてはアクセスを禁止するように構成されても良い。
また、セキュリティレベルとして、図4では、ウェブアクセス、メール送信、メール受信などが定義されているが、その他のアプリケーションの実行の可否について定義がされても良い。その他のアプリケーションとは、通信端末装置1aが実行可能なアプリケーションであり、例えば通信端末装置1aにおける設定を変更するアプリケーション(壁紙、操作音、香り以外の設定、例えば着信音、壁紙以外の画像、色、発光パターンなどの設定を変更するアプリケーション)や、セキュリティレベルを変更するアプリケーション(上述したセキュリティに係るもの以外のセキュリティレベル、例えば表示するデータファイルや、アクセスの許可に係るセキュリティレベル)や、ゲームのアプリケーションや、通信アプリケーションや、ユーティリティアプリケーションや、文書編集アプリケーションなどである。
【0065】
また、メモリ28は、画像データ以外にも、様々なコンテンツに係るデータファイル(コンテンツファイル)を記憶しても良い。コンテンツファイルは、通信端末装置1aが取り扱うことが可能なコンテンツのデータファイルであり、例えば着信音のデータ、開閉時の効果音のデータ、メールの着信音のデータ、キー押下時の音のデータ、待ちうけ画面のデータ、着信などのイベントに対応したイルミネーション(キー照明など)の設定データ、バイブのパターンのデータなどである。この場合、設定内容テーブル281は、各コンテンツファイルをさらに有していても良い。そして、諸設定管理部125は、設定内容テーブル281の内容に基づいて、コンテンツファイルをメモリ28から読み出し、読み出したコンテンツファイルを用いてコンテンツ設定を変更しても良い。
また、メモリ28は、アドレス帳のデータとして、各人物に対応する設定内容テーブル281の内容を記憶するように構成されても良い。このように構成されることにより、ユーザは、アドレス帳の変更として、設定内容テーブル281の内容を新規登録、編集、削除などを行うことが可能となる。
【0066】
また、設定内容テーブル281は、通信端末装置1aが備える表示部(例えば、主表示部18や副表示部19)における表示の許否を示す値(ディスプレイへの表示)や、外部表示装置に対する表示出力の許否を示す値(外部出力への表示)をさらに有しても良い。例えば、ディスプレイへの表示が“ON”で、外部出力への表示が“OFF”の場合、この設定内容に対応する他の通信端末装置が検出されている間は、主制御部10aは、ディスプレイへの表示は許可するが、外部出力への表示を禁止する。また、この二つの値は、データファイル毎に個別に設定されても良い。
また、主制御部10aは、端末検知部110によって検知された他の通信端末装置の一覧を、主表示部18や副表示部19に表示しても良い。
また、設定内容テーブル281は、アクセス制限ファイルに代えて、又は一緒に、アクセス可能ファイルの項目を有するように構成されても良い。この場合、データアクセス管理部123は、アクセス可能ファイルに定義されたファイルについてのみ、アクセス(ファイルを開いたり、編集する行為)を許可する。
【0067】
また、通信端末装置1aの外部の記憶装置が設定内容テーブル281を記憶しても良い。この場合、ケーブル接続や無線通信によって、通信端末装置1aの主制御部10aは、設定内容テーブル281にアクセスし、処理を行う。また、設定内容テーブル281の内容を、端末識別子に係る電話番号、メールアドレス、その所有者名と対応するアドレス帳に含めて、メモリ28が記憶しても良い。この場合、主制御部10aの各機能部は、設定内容テーブル281を参照する際に、アドレス帳のデータを読み出す。
また、着信管理部122は、シークレットアドレスとして登録されている人物からの着信について、着信報知を行わないのではなく、着信拒否を行っても良い。
【0068】
また、端末検知部110が複数の通信端末装置を検知した場合、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125は、所定の優先順位に基づいて、一つの端末識別子を選択しても良い。この場合、上述した各機能部は、選択した端末識別子に対応する設定内容テーブルの内容に従って動作する。例えば、各端末識別子に正数が割り当てられ、各機能部はこの数字が最も高い端末識別子を選択する。また、例えば、アドレス帳において登録されている各グループに正数が割り当てられ、各機能部は、この数字が最も高いグループに所属する端末識別子であって、さらにその中で最も高い数字が割り当てられた端末識別子を選択しても良い。
【0069】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態である通信端末装置1bについて説明する。図5は、第二実施形態である通信端末装置1bの全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。通信端末装置1bは、主制御部10aに代えて主制御部10bを備える点、及びメモリ28が通知内容テーブル282をさらに記憶する点で通信端末装置1aと異なり、他の構成については携帯電話装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1b全体についての説明は省略し、主制御部10b及び通知内容テーブル282について説明する。
図6は、主制御部10bの機能構成のうち、通信端末装置1bにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10bは、通知部130をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10bについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0070】
通知部130は、端末検知部110が他の通信装置端末を検知すると、そのことを使用者に通知する。通知部130は、検知された端末識別子に応じて、通知内容テーブル282の内容に従って通知を行う。
図7は、通知内容テーブル282を示す図である。通知内容テーブル282は、通知内容テーブル282は、他の通信端末装置の端末識別子と、通知内容とを、対応付けて有する。具体的には、通知内容テーブル282は、LEDの点灯・点滅方法、主表示部18又は副表示部19に表示される通知文字の内容、温度変化部20によって変化する温度、香り発生部33が噴霧する香り、主表示部18又は副表示部19に表示される通知画像のファイル名、スピーカ24から再生される通知音の音声ファイル名を有する。
【0071】
通知部130の具体的な動作について説明する。通知部130は、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、検知された通信端末装置の端末識別子を取得する。通知部130は、取得した端末識別子に対応する通知内容を、メモリ28の通知内容テーブル282において検索し読み出す。通知部130は、LEDの点灯・点滅方法に従って、LED15を点灯・点滅させる。また、通知部130は、通知文字の内容を、主表示部18又は副表示部19に表示させる。また、通知部130は、温度の内容に従って、温度変化部20を動作させて出力する温度を変化させる。また、通知部130は、香りの内容に従って、香り発生部33に香りを噴霧させる。また、通知部130は、通知画像の画像データをメモリ28から読み出し、この画像を主表示部18又は副表示部19に表示させる。また、通知部130は、通知音の音声ファイルをメモリ28から読み出し、この音声をスピーカ24から出力する。
【0072】
このように構成された通信端末装置1bによれば、端末検知部110が他の通信端末装置を検知すると、通知部130がその旨を通知する。そのため、使用者は、他の通信端末装置の存在(即ち、他の通信装置端末の使用者の存在)を知ることが可能となる。
【0073】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態である通信端末装置1cについて説明する。通信端末装置1cは、主制御部10aに代えて主制御部10cを備える点で通信端末装置1aと異なり、その他の点では通信端末装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1cの全体構成についての説明は省略し、主制御部10cについて説明する。
図8は、主制御部10cの機能構成のうち、通信端末装置1cにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10cは、実行条件判断部140をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10cについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0074】
実行条件判断部140は、端末検知部110が動作すべきか否か判断する。実行条件判断部140は、予め設定された条件を満たすか否か判断し、条件を満たす場合には、端末検知部110に対し他の通信端末装置の検知を行うように指示する。一方、条件を満たさない場合は、実行条件判断部140は、端末検知部110に対し、他の通信端末装置の検知を行わないように指示する。端末検知部110は、この指示に従って、他の通信端末装置の検知を行う。
実行条件判断部140が判断する条件は、通信端末装置1cの所有者によって予め設定される。以下、この条件の具体例を説明する。例えば、実行条件判断部140は、圏外になった場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。実行条件判断部140は、基地局装置から無線部12及びアンテナ121を介して信号が受信されなくなった場合に、圏外になったと判断する。
【0075】
また、実行条件判断部140は、現在の日時が所定の日時(例えば通勤時間(例えば午前8時〜9時の間)や、休日の朝(例えば土曜日、日曜日、及び祝日の朝10時〜12時))である場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。このような日時の設定は、通信端末装置1aに設けられたカレンダー機能とリンクさせることによって、カレンダー機能において設定することが可能となるように構成されても良い。
また、実行条件判断部140は、不図示の振動センサを用いて振動の大きさを検出し、閾値を超えた場合に、他の通信端末装置の検知を行うように指示をしても良い。例えば、人物が通信端末装置1cを携帯して歩いた場合に生じる振動の大きさの平均値が予め実験によって取得され、この値が閾値として設定されても良い。
また、実行条件判断部140は、GPS機能部21や、無線通信の基地局に基づく位置判断の結果に基づいて、所定の場所でのみ検知を行うように指示をしても良い。
このように構成された通信端末装置1cによれば、実行条件判断部140が、端末検知部110に対し、他の通信端末装置の検知処理を実行するか否か指示を行う。そして、端末検知部110は、実行条件判断部140からの指示に従って、検知を行う。そのため、他の通信端末装置を検知する必要がない場合にまで検知処理が無駄に実行されることを抑止し、消費電力の浪費などを防止することができる。
【0076】
[第四実施形態]
次に、第四実施形態である通信端末装置1dについて説明する。通信端末装置1dは、主制御部10aに代えて主制御部10dを備える点で通信端末装置1aと異なり、その他の点では通信端末装置1aと同様である。そのため、通信端末装置1dの全体構成についての説明は省略し、主制御部10dについて説明する。
図9は、主制御部10dの機能構成のうち、通信端末装置1dにおいて特徴的な機能構成のみを記載した概略ブロック図である。主制御部10dは、検知条件判断部126をさらに備える点で、主制御部10aと異なる。以下、主制御部10dについて、主制御部10aと異なる点を主に説明する。
【0077】
検知条件判断部126は、端末検知部110が他の通信端末装置を検知した際に、この通信端末装置の端末識別子に対応付けられた検知条件に基づいて、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125が動作するか否か判断し、各機能部に対し、動作するか否かについて指示を行う。これら各機能部は、検知条件判断部126の指示に従って動作する。
図10は、第四実施形態における設定内容テーブル281を示す図である。設定内容テーブル281は、さらに検知条件を有する。検知条件判断部126は、検知された端末識別子に対応する設定内容を、メモリ28の設定内容テーブル281から読み出す。検知条件判断部126は、検知条件の値を参照し、この条件を満たすか否か判断する。条件を満たす場合には、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。条件を満たさない場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行わないように指示する。
【0078】
検知条件判断部126が判断する条件は、通信端末装置1dの所有者によって予め設定される。以下、この条件の具体例を説明する。例えば、端末検知部110がこの通信端末装置を検知する際に使用した通信方式が、検知条件に一致するか否かを判断する。図10の場合、検知条件として“無線LAN”が設定されている。この場合、検知条件判断部126は、端末検知部110が無線LANを用いてこの通信端末装置を検知したか否か判断する。端末検知部110が無線LANを用いてこの通信端末装置を検知した場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。
また、検知条件判断部126は、現在の日時が検知条件に一致するか否かを判断しても良い。図10の場合、検知条件として“平日”が設定されている。この場合、検知条件判断部126は、検知した日時が平日であるか否か判断する。検知条件判断部126は、その日が平日であるか否かについて、メモリ28に記憶されるカレンダー情報に基づいて判断する。検知条件判断部126は、検知した日時が平日である場合は、検知条件判断部126は、上述した各機能部に対し、動作を行うように指示する。
【0079】
このように構成された通信端末装置1dによれば、検知条件判断部126が、アドレス帳管理部121、着信管理部122、データアクセス管理部123、セキュリティ管理部124、及び諸設定管理部125に対し、それぞれの動作を実行するか否か指示を行う。そして、上述した各機能部は、たとえ端末検知部110によって検知された端末識別子が設定内容テーブル281に登録されているとしても、検知条件判断部126から動作する旨の指示がなければ動作を行わない。そのため、通信端末装置1dの所有者は、たとえ通信端末装置が検知されたとしても、各機能部が動作する必要のある条件のみを検知条件として設定することにより、不必要に各機能部が動作することを抑止することができる。
【0080】
<変形例>
設定内容として、図11に示されるような全体設定テーブルがメモリ28に記憶されても良い。図11の全体設定テーブルは、設定内容テーブル281とは異なり、検出された他の通信端末装置の識別子に依存しない設定内容を示す。全体設定テーブルは、他の通信端末装置を検索する為の端末検知部110の検知方法、検索対象距離、検索条件(検索を行う時間や日時など)、複数の他の通信端末装置が検索された場合の動作の設定(複数端末の設定)、検出された他の通信端末装置に依存せずに強制的に設定される条件(強制条件設定)、メモリ28ではなく外部の記憶装置に記憶されていてアクセス可能なアドレス帳データの所在を示すデータ(端末外にある連携すべきアドレス帳)、強制変更設定の内容などを有する。
【0081】
ユーザは、強制対象距離を設定することにより、端末検知部110の検知方法を設定することも可能である。また、検索条件の日時は、ユーザはカレンダーの表示上で設定することができる。また、強制条件については、その条件が発動する日時を設定することが可能である。また、強制変更設定として、Bluetooth名称や、IPアドレス等を設定しておくことにより、端末検知部110がこれらの値を検知した場合に、設定の内容を変更(例えば全体設定テーブルの設定内容への変更)を行うことも可能である。
【0082】
また、設定内容テーブルを、図12に示されるようなテーブルとして構成しても良い。図12の設定内容テーブルは、アドレス帳のデータとして設定内容テーブルが登録される場合の例である。そのため、図12では、従来からのアドレス帳に登録される内容(名前、名前のよみ、電話番号、メールアドレス、アドレス帳グループ、着信時の表示画像、住所、GPS情報、誕生日、星座、血液型など)が登録される。また、図12の情報は、それぞれ他の通信端末装置の識別子と対応付けてメモリ28に登録される。そして、他の通信端末装置が検出された場合に、対応する設定内容に基づいて、通信端末装置1dは動作する。
さらに、図12では、設定内容テーブルの内容として、設定ジャンルを設定することができる。設定ジャンルとは、壁紙、着信音、各種操作音、表示アイコン、バックライトの色、文字フォント、変換辞書などを一つのセットとして定義するものである。例えば、設定ジャンルが「鉄道」であれば、上述した各内容が、鉄道に基づいたものとして設定される。このように構成されることにより、ユーザは一つ一つについて設定を細かく行うことなく、設定ジャンルの選択のみによって設定を行うことが可能となる。
【0083】
また、図12では、匂い設定、温度設定、通知設定を登録することができる。匂い設定は、対応する他の通信端末装置が検出されている間に香り発生部33が発生させる匂い(香り)を設定するための項目である。温度設定は、対応する他の通信端末装置が検出されている間に温度変化部20が発生させる温度変化を設定するための項目である。通知設定は、対応する他の通信端末装置が検出された際の動作を設定するための項目である。なお、通知設定に含まれる匂い設定は、他の通信端末装置が検出された際に所定時間のみ発生される香りであり、上述した匂い設定と異なる。
また、図12において、他者との重ね合わせ条件とは、複数の他の通信端末装置が検出された場合の動作を規定するものである。例えば、“AND”、“優先(他を無視)”、“他者検出時は全て隠す”、“全体設定に従う”等の設定が可能である。
【0084】
さらに、ディスプレイへの表示、外部出力への表示、セキュリティレベル設定、端末内コンテンツLevel設定、検索対象距離、検索手段、検索条件、着信瀬手地、設定変更後のネットワーク設定などの値が設定内容テーブル281の値として図12のように設けられても良い。検索手段の項目では、検索方法を個別に設定することができる。例えば、基地局位置情報が入手されたとしても、この値がOFFである場合には、端末検知部110は、検知したことを出力しない。
なお、このような変形例は、通信端末装置1a〜1cにおいて適用されても良い。
【0085】
なお、上述した実施形態における通信端末装置1a〜1dの一部、例えば、主制御部10a〜10dの機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一実施形態である通信端末装置の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【図2】第一実施形態である通信端末装置の外観構成を示す図である。
【図3】主制御部の機能構成のうち、第一実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図4】第一実施形態における設定内容テーブルを示す図である。
【図5】第二実施形態である通信端末装置の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【図6】主制御部の機能構成のうち、第二実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図7】通知内容テーブルを示す図である。
【図8】主制御部の機能構成のうち、第三実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図9】主制御部の機能構成のうち、第四実施形態である通信端末装置において特徴的な機能構成を示す概略ブロック図である。
【図10】第四実施形態における設定内容テーブルを示す図である。
【図11】全体設定テーブルの例を示す図である。
【図12】設定内容テーブルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1…通信端末装置, 10…主制御部(プログラム実行部),18…主表示部(画像表示部), 19…副表示部(画像表示部), 28…メモリ(テーブル記憶部,アドレス帳記憶部,履歴記憶部,データファイル記憶部,画像ファイル記憶部), 110…端末検知部, 121…アドレス帳管理部, 122…着信管理部, 123…データアクセス管理部, 124…セキュリティ管理部, 125…諸設定管理部, 130…通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、
所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、
前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、
を備える通信端末装置。
【請求項2】
アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記アドレス帳の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物に係る履歴を表示しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項4】
データファイルを記憶するデータファイル記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記データファイルの識別情報を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた識別情報に係るデータファイルに対する使用者のアクセスを制御する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項5】
プログラムを実行するプログラム実行部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記プログラムの実行内容を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたプログラムの実行を制御する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項6】
コンテンツファイルを記憶するコンテンツファイル記憶部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記コンテンツファイルの識別子を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたコンテンツファイルを用いて、コンテンツ設定を変更する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項7】
前記テーブル記憶部は、前記他の通信端末装置と、自装置に記憶される各データの表示可否情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対して表示可能なデータとして前記テーブル記憶部に記憶されたデータのみについて表示を行う、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、自装置に備えられた表示部に対しては、表示可否情報に関わらずデータの表示を行い、自装置に接続された外部表示装置に対しては、表示可否情報に基づいた表示を行う、請求項7に記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置について、当該他の通信端末装置が近くに存在することを自装置の使用者に報知する、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置の一覧を表示部に表示させる、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項11】
アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記アドレス帳の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示せず、この人物からの着信があった場合に着信報知を実行しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項12】
現在の位置の情報を取得する現在位置取得部をさらに備え、
前記端末検知部は、前記現在位置取得部によって取得された現在の位置が所定の位置である場合にのみ動作する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項13】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部を備えるコンピュータが、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知するステップと、
前記コンピュータが、検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行うステップと、
を含む制御方法。
【請求項14】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部を備えるコンピュータに対し、
所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知するステップと、
検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行うステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部と、
所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知する端末検知部と、
前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行う制御部と、
を備える通信端末装置。
【請求項2】
アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記アドレス帳の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記電話の発着信履歴又はメールの送受信履歴の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物に係る履歴を表示しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項4】
データファイルを記憶するデータファイル記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記データファイルの識別情報を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた識別情報に係るデータファイルに対する使用者のアクセスを制御する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項5】
プログラムを実行するプログラム実行部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記プログラムの実行内容を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたプログラムの実行を制御する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項6】
コンテンツファイルを記憶するコンテンツファイル記憶部をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、前記コンテンツファイルの識別子を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられたコンテンツファイルを用いて、コンテンツ設定を変更する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項7】
前記テーブル記憶部は、前記他の通信端末装置と、自装置に記憶される各データの表示可否情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対して表示可能なデータとして前記テーブル記憶部に記憶されたデータのみについて表示を行う、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、自装置に備えられた表示部に対しては、表示可否情報に関わらずデータの表示を行い、自装置に接続された外部表示装置に対しては、表示可否情報に基づいた表示を行う、請求項7に記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置について、当該他の通信端末装置が近くに存在することを自装置の使用者に報知する、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置の一覧を表示部に表示させる、請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項11】
アドレス帳を記憶するアドレス帳記憶部、をさらに備え、
前記テーブル記憶部は、アドレス帳に登録されている人物のうち秘匿すべき人物を設定内容として記憶し、
前記制御部は、前記アドレス帳の内容を表示する際に、前記端末検知部によって検知された他の通信端末装置に対応付けられた秘匿すべき人物を表示せず、この人物からの着信があった場合に着信報知を実行しない、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項12】
現在の位置の情報を取得する現在位置取得部をさらに備え、
前記端末検知部は、前記現在位置取得部によって取得された現在の位置が所定の位置である場合にのみ動作する、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項13】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部を備えるコンピュータが、所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知するステップと、
前記コンピュータが、検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行うステップと、
を含む制御方法。
【請求項14】
他の通信端末装置と、自装置の設定内容と、を対応付けて記憶するテーブル記憶部を備えるコンピュータに対し、
所定の範囲内に存在する他の通信端末装置を検知するステップと、
検知された他の通信端末装置と対応付けて前記テーブル記憶部に記憶される設定内容に従って、設定内容の変更を行うステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−253782(P2009−253782A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101113(P2008−101113)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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