説明

通学路セキュリティシステム

【課題】子供が防犯灯の位置まで行って操作する必要がない通学路セキュリティシステムを提供する。
【解決手段】加速度センサを内蔵するとともに、加速度センサの検出する加速度が一定時間ないときにセンサノードIDを付加して異常通報する機能及び一定の時間間隔でセンサノードIDを付加して定時通報する機能を有し、通学する子供12が携行するセンサノード11と、通学路43に沿って所定の距離間隔で設置され、センサノード11からの異常通報及び定時通報を受信し、受信したセンサノードID付きの異常通報及び定時通報に基地局ID又は基地局位置情報を付加し、ネットワーク5を介してデータセンタ用装置31に送信する基地局21と、基地局21が送信したセンサノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの異常通報及び定時通報を受信するデータセンタ用装置31とからなる通学路セキュリティシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通学路セキュリティシステムに関し、特に通学路に沿って設置した防犯灯と子供が携行するセンサノードを使用したセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
小学生の通学の登校時には集団登校により、安全を確保することが行われているが、下校時は各学年のカリキュラムの違いから、個人ごとに帰宅している。そのため、子供を狙った犯罪は下校時に集中しており、通学路の防犯が重要であるが、未整備の状況である。
【0003】
自治体及び警察では、事件・事故の発生に備え、防犯灯を設置して緊急通報や周辺の画像監視を行っており、防犯灯に緊急通報装置や周辺画像監視装置を取付けることが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−3941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、子供が防犯灯の位置まで行って緊急通報装置を操作したり、画像監視装置からの画像データを絶えず監視する必要があり、安全を確保できない場合がある。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するものであり、子供が防犯灯の位置まで行って操作する必要がない通学路セキュリティシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加速度センサを内蔵するとともに、該加速度センサの検出する加速度が一定時間ないときにセンサノードIDを付加して異常通報する機能及び一定の時間間隔でセンサノードIDを付加して定時通報する機能を有し、通学する子供が携行するセンサノードと、通学路に沿って所定の距離間隔で設置され、前記センサノードからの異常通報及び定時通報を受信し、受信したセンサノードID付きの異常通報及び定時通報に基地局ID又は基地局位置情報を付加し、ネットワークを介してデータセンタ用装置に送信する基地局と、基地局が送信したセンサノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの異常通報及び定時通報を受信するデータセンタ用装置とからなる通学路セキュリティシステムである。
【0007】
また、本発明は、前記センサノードは、非常時通報ボタンを設けた名札型である通学路セキュリティシステムである。
【0008】
そして、本発明は、前記データセンタ用装置は、受信した基地局ID又は基地局位置情報を基に当該子供の位置情報を決定し、通学路における子供の位置情報を蓄積し、異常発生時に蓄積した子供の位置情報をトレースし、警察又は小学校に連絡する順路履歴を作成する通学路セキュリティシステムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、子供が防犯灯の位置まで行って操作する必要がない通学路セキュリティシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の通学路セキュリティシステムの実施例について、図面を用いて説明する。
【0011】
実施例を説明する。本実施例のセキュリティシステムは、図1に示すように、名札型センサノード11と、基地局21と、データセンタ用装置31とからなる。名札型センサノード11は、通報部、加速度センサ部、通報ボタン部及び電源部を備えており、子供12が携行する。通報部は、付近の基地局21に対し、定時通報又は異常通報を行う。定時通報は、一定の時間間隔、例えば1分毎に自己のセンサノードIDを付加した定時通報を発信する。異常通報は、加速度センサが加速度、速度又は変位などを感知し、携行する子供12の動きが一定時間連続してないとき、センサノードIDを付加した異常通報を発信する。通報ボタン部は、携行する子供12が通報ボタンを押下すると、センサノードIDを付加した異常通報を発信する。子供の動きがないときの異常通報と通報ボタン押下のときの異常通報は、同一とすることも区別できるようにすることも可能である。基地局21を内蔵する装置22は、子供達の通学路43の脇に所定の距離間隔で、例えば防犯灯23、自動販売機などに設置され、子供12が携行するセンサノード11が発信するセンサノードID付きの定時通報又は異常通報を受信し、自己の基地局ID又は基地局位置情報を付加し、公衆回線などのネットワーク5を介してデータセンタ用装置31に転送する。基地局IDを使用するとき、データセンタ用装置31に、基地局IDと基地局位置情報の対応が事前に登録される。データセンタ用装置31は、データセンタ32に設置され、ノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの定時通報を受信し、蓄積する。データセンタ用装置31は、ノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの異常通報を受信したとき、異常時処理を行う。異常時処理においては、異常通報のセンサノードIDについて、蓄積した子供の位置情報をトレースして順路履歴を作成する処理などを行う。データセンタ用装置31が異常通報を受信したとき、データセンタ32は、警察署41、小学校42などに、その子供の順路履歴などを添付して異常発生通知を行う。
【0012】
実施例の通学路セキュリティシステムにおける定時通報及び異常通報の手順の一例について、図2を用いて説明する。
(11)センサノードは、ノードIDを付加して定時通報する。
(12)基地局は、センサノードID付き定時通報を受信し、基地局ID又は基地局位置情報を付加してデータセンタ用装置に転送する。
(13)データセンタ用装置は、転送されたセンサノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの定時通報を受信し、蓄積する。
(21)センサノードは、異常を検知し、センサノードIDを付加して異常通報する。
(22)基地局は、センサノードID付き異常通報を受信し、基地局ID又は基地局位置情報を付加してデータセンタ用装置に転送する。
(23)データセンタ用装置は、転送されたセンサノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの異常通報を受信し、異常通報受信処理を実行する。当該センサノードIDについて蓄積された過去の定時通報を基にトレースし、必要なら、過去の異常通報を参照する。
(24)異常通報したセンサノードIDに関する情報を添付し、警察や小学校に異常発生通知を行う。
このようにして、通学路セキュリティシステムにおける定時通報及び異常通報を行うことができる。
【0013】
以上実施例で説明したが、本発明の特徴は、以下の通りである。防犯灯などと子供が携行するセンサノードを連携し、通学路の安全を確保するものであり、具体的には、防犯灯などの内部又は近傍にセンサネットを構成する基地局を埋め込み、子供に携行できる名札型のセンサノードと通信ネットワークを形成する。センサノードは、通報機能を有し、基地局へその起こる事象の状況を捕捉する。センサノードからデータセンタへの通報が行われ、異常発生時には、警察、学校との連携で、通学路の防犯ネットワークを形成する。
【0014】
また、センサノードは、一定時間間隔で発信する。付近の基地局は受信し、受信した旨をデータセンタに送信することにより、データセンタは、基地局の付近に子供がいることがわかり、子供の位置情報を得ることができる。センサノードは、加速度情報で携行する子供の動きを検知し、一定時間以上の動きがないとき、異常として通報する。子供は、通報ボタンの押下で、異常を通報する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例の通学路セキュリティシステムの説明図。
【図2】実施例の通学路セキュリティシステムにおける定時通報及び異常通報の手順の一例の説明図。
【符号の説明】
【0016】
11 センサノード
12 子供
21 基地局
22 基地局内蔵装置
23 防犯灯
31 データセンタ用装置
32 データセンタ
41 警察署
42 小学校
43 通学路
5 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサを内蔵するとともに、該加速度センサの検出する加速度が一定時間ないときにセンサノードIDを付加して異常通報する機能及び一定の時間間隔でセンサノードIDを付加して定時通報する機能を有し、通学する子供が携行するセンサノードと、通学路に沿って所定の距離間隔で設置され、前記センサノードからの異常通報及び定時通報を受信し、受信したセンサノードID付きの異常通報及び定時通報に基地局ID又は基地局位置情報を付加し、ネットワークを介してデータセンタ用装置に送信する基地局と、基地局が送信したセンサノードIDと基地局ID又は基地局位置情報付きの異常通報及び定時通報を受信するデータセンタ用装置とからなることを特徴とする通学路セキュリティシステム。
【請求項2】
請求項1記載の通学路セキュリティシステムにおいて、
前記センサノードは、非常時通報ボタンを設けた名札型であることを特徴とする通学路セキュリティシステム。
【請求項3】
請求項1記載の通学路セキュリティシステムにおいて、
前記データセンタ用装置は、受信した基地局ID又は基地局位置情報を基に当該子供の位置情報を決定し、通学路における子供の位置情報を蓄積し、異常発生時に蓄積した子供の位置情報をトレースし、警察又は小学校に連絡する順路履歴を作成することを特徴とする通学路セキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−279783(P2007−279783A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101326(P2006−101326)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】