連続する電荷蓄積誘電体スタックを有する不揮発性メモリアレイ
【課題】連続する電荷蓄積誘電体スタックを有する不揮発性メモリアレイを提供する。
【解決手段】不揮発性メモリセルアレイの集積回路は、基板を覆う誘電体スタック層と、該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域とを有する。該誘電体スタック層は、ワード線とビット線とを介してアクセスされ不揮発性データを記憶する該誘電体スタック層の複数の箇所を含む平坦な領域に亘って連続している。
【解決手段】不揮発性メモリセルアレイの集積回路は、基板を覆う誘電体スタック層と、該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域とを有する。該誘電体スタック層は、ワード線とビット線とを介してアクセスされ不揮発性データを記憶する該誘電体スタック層の複数の箇所を含む平坦な領域に亘って連続している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷トラップ不揮発性メモリ等の不揮発性メモリ、特に、BE‐SONOS不揮発性メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
NAND列を有する不揮発性メモリ集積回路を製造するための通常のプロセスは、NAND列の隣接するメモリセル間の誘電体スタック材料をエッチング除去する。誘電体スタック材料をエッチング除去するので、次の、隣接するメモリセル間の基板への接合イオン注入は容易である。
【0003】
一般的な理解は、誘電体スタックのSiNトラップ層において電荷が横方向に移動するであろうということである。このような横方向移動は、SiNトラップ層に蓄えられた電荷によって表わされるデータの信頼性を劣化させる。従って、NAND列間及びNAND列の隣接するメモリセル間の誘電体スタックをエッチング除去することは、期待される製造プロセスステップである。このようなエッチングはSiNトラップ層内の電荷の横方向移動を防止すると期待される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、不揮発性メモリセルアレイの集積回路を備える装置である。該集積回路は基板と、該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、該基板を覆う誘電体スタック層と、該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域とを備える。
【0005】
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する。該誘電体スタック層はこれらの箇所を含む領域に亘って連続している。
【0006】
該基板内の該イオン注入領域は該誘電体スタック層の下にある。該イオン注入領域は該誘電体スタック層の該複数の箇所の間に配置されている。別の実施形態では、該イオン注入領域は該ワード線間に配置されている。
【0007】
幾つかの実施形態では、接合は100nmより浅い接合深さを有する。該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度(例えば、基板又はウェルの)に等しい濃度を有する。
【0008】
この発明の技術は、不揮発性メモリの耐久性の大きな予期しなかった改善をもたらす。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である。
【0011】
不揮発性メモリの耐久性の予期しなかった改善は簡単な機構に基づいていない。耐久性劣化の最も重要な機構は界面準位生成を原因とする。界面準位生成はシリコン基板と誘電体スタックとの界面の損傷により発生し、ダングリングボンドを生成する。ダングリングボンドはしばしば水素移動効果に関係する。例えば、シリコン・水素結合は強い結合ではないので、水素が付いたダングリングボンドは比較的低い温度で結合が壊れ、水素は膜外へ拡散する。しかし、連続する誘電体スタックの場合、窒化物層が水素に対する封止層として働く。水素は膜内に留まり、水素が付いたダングリングボンドの数を保つのを助ける。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記誘電体スタック層はトンネル誘電体層と、電荷トラップ誘電体層と、阻止誘電体層とを含む。該トンネル誘電体層は1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち「一方」に接する。該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層と、該1つのワード線と該チャネル表面とのうち「他方」との間にある。該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と、該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間にある。
【0015】
例えば、該トンネル誘電体層は1つのワード線に接し、該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層と該チャネル表面との間にあり、該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と該チャネル表面との間にある。又は該トンネル誘電体層は前記基板のチャネル表面に接し、該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層とワード線との間にあり、該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と該ワード線との間にある。
【0016】
1つの実施形態では、該トラップ層は電荷を蓄えるために非常に「深い」トラップを有する信頼性の高いSiNであり、電荷は横方向に移動しない。
【0017】
別の実施形態では、該トンネル誘電体層は15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層と、30Å以下の厚みの窒化シリコン層と、35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層とを含む。
【0018】
本発明の別の態様は、メモリ集積回路を形成する方法であって、該メモリ集積回路の基板を準備することと、該基板上に該メモリ集積回路の誘電体スタック層を形成することと、該誘電体スタック層上に該メモリ集積回路の複数のワード線を形成することと、該誘電体スタック層を通してイオン注入して該メモリ集積回路の接合を該誘電体スタック層の連続する部分の下で該ワード線間に形成することとを含む。
該メモリ集積回路は不揮発性データを該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する不揮発性メモリセルのアレイを有し、該複数の箇所は複数のビット線を介してアクセスされる列と該複数のワード線を介してアクセスされる行とをなすように配列され、該誘電体スタック層の該連続する部分は、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って広がっている。
【0019】
様々な実施形態を本明細書において説明する。
1つの実施形態は20keV以上の注入エネルギーを有する。
1つの実施形態は1014cm-2未満の注入ドーズ量を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】NAND列の隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【図2】NAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【図3】隣接するNAND列間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの複数のNAND列の、紙面を通過するビット線方向に見た断面を示す。
【図4】NAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の、紙面を通過するワード線方向に見た断面を示す。
【図5】不揮発性メモリの1つのNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を通過する浅い接合イオン注入を示す。
【図6】隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【図7】隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【図8】NAND列間とNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料が存在する不揮発性メモリの隣接する2つのNAND列の簡略化した回路図であり、セルフブースト法に従う選択されたメモリセルのプログラム動作時を示す。
【図9】図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択されたメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの)閾値電圧シフト対ワード線パス電圧のグラフであり、結果としてセルフブーストVpassディスターブウィンドウを示す。
【図10】図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択された新しいメモリセルと、プログラムするために選択された100,000サイクル後のメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルの)閾値電圧対ワード線プログラム電圧のグラフである。
【図11】改善されたNANDアレイのBE‐SONOSセルの簡略化した図である。
【図12】低電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【図13】高電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【図14】メモリセルの実施形態の消去動作時の図11のBE‐SONOSセルの電界とトンネル電流とを例示する。
【図15A】単独二酸化シリコン層からなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15B】単独酸化アルミニウム層からなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15C】第1例の二酸化シリコン/酸化アルミニウム層スタックからなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15D】第1例より酸化アルミニウム層が厚い第2例の二酸化シリコン/酸化アルミニウム層スタックからなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図16】本明細書において説明する改善されたNAND列を使用して実現されたメモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1はNAND列の隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【0022】
エッチング除去された誘電体スタック材料(例えば、ONO)は、残された誘電体スタック材料間へのより容易な接合イオン注入を提供する。例えば、低濃度ドープN+注入を容易にする。
【0023】
図2はNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【0024】
エッチングは誘電体スタックを貫通していないが、接合イオン注入は誘電体スタックを通り、浅い接合を形成する。
【0025】
図3は隣接するNAND列間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの複数のNAND列の、紙面を通過するビット線方向に見た断面を示す。
【0026】
この断面はビット線方向に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を示す。この連続する電荷トラップ誘電体スタック材料は平坦である。図示のように、「平坦な」は完全に平らなではなく、半導体製造プロセス(例えば、エッチング、成長、蒸着)を説明するために概ね2次元であることを意味する。
【0027】
図4はNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の、紙面を通過するワード線方向に見た断面を示す。
【0028】
この断面はワード線方向に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を示す。
【0029】
図5は不揮発性メモリの1つのNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を通過する浅い接合イオン注入を示す。
【0030】
典型的な接合イオン注入条件を示す。接合イオン注入エネルギーは、誘電体スタック材料(例えば、ONONO)を貫通するのに十分高く(例えば、>20keV)なければならない。一方、より浅い接合が、短チャネル効果がより良好であるので好ましい。低濃度ドープ接合の場合、ドーズ量は1E14cm-2未満である。
【0031】
この例では、注入不純物はAs、エネルギーは30keV、ドーズ量は3E13cm-2である。
【0032】
このような非常に低濃度ドープの接合はONO膜への損傷を回避する。この低濃度ドープ接合は高い読み出し電流を必要としないNANDメモリにおいて理想的である。CMOSロジックにおいては、この低濃度ドープ接合は理想的ではなく、より高い濃度でドープされる必要がある。
【0033】
通常、浅い接合の深さはチャネル長さより小さい。例えば、30nmNANDフラッシュ素子の場合、接合深さは30nmより浅い。一方、接合不純物も低濃度でドープされ、短チャネル効果を改善する。(NANDフラッシュの場合、十分なセルフブーストも必要である。)
【0034】
図6は隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【0035】
図7は隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【0036】
図6と図7との比較は本発明の実施形態の有利な特徴を示す。図6において、隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去されたNANDメモリセルの4つのサンプルの場合、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、消去状態の閾値電圧は約1Vから約2.7V〜3.7Vの範囲に上昇し、また、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、プログラム状態の閾値電圧は約5.1V〜5.4Vの範囲から約6.0V〜6.7Vの範囲に上昇する。図6において、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、閾値電圧はかなり、消去状態の場合、中央値2.2Vだけ、プログラム状態の場合、中央値1.1Vだけ上昇する。
【0037】
一方、図7では、隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有するNANDメモリセルの4つのサンプルの場合、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、消去状態の閾値電圧は約0.6V〜1.4Vの範囲から約0.8V〜1.6Vの範囲に変化し、また、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、プログラム状態の閾値電圧は約4.9V〜5.1Vの範囲から約4.8V〜5.2Vの範囲に上昇する。図7において、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えたにもかかわらず、プログラム状態と消去状態との閾値電圧は、基本的には一定である。
【0038】
従って、図6と図7との比較は、隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有するNANDメモリセルの技術は、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増える時、ずっとより一定の閾値電圧挙動を提供することを示す。
【0039】
図8はNAND列間とNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料が存在する不揮発性メモリの隣接する2つのNAND列の簡略化した回路図であり、セルフブースト法に従う選択されたメモリセルのプログラム動作時を示す。
【0040】
SSL(ソースライン)トランジスタはオンされ、GSLトランジスタはオフされる。プログラムされるセルのためのビット線電圧は0Vに設定され、一方、プログラム禁止されたセルのためのビット線電圧はVssに設定される。0Vビット線は関連する単位NANDストリングのチャネルをグランド電位にする。プログラム電圧が選択されたメモリセルのゲートに印加されると、ゲートとチャネルとの大きな電位差が、浮遊ゲートへの電子のF‐Nトンネリングを引き起こし、このセルをプログラムする。プログラム禁止されたセルでは、Vssビット線は最初は関連するチャネルをプリチャージする。単位NANDストリングのワード線の電位が上昇すると(選択されたワード線がプログラム電圧に、選択されていないワード線がパス電圧に上昇)、制御ゲート、浮遊ゲート、チャネル、及びバルクの一列の容量が結合され、チャネル電位が自動的にブーストされる。
【0041】
図9は図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択されたメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの)閾値電圧シフト対ワード線パス電圧のグラフであり、結果としてセルフブーストVpassディスターブウィンドウを示す。
【0042】
セルフブーストVpassディスターブウィンドウとは、プログラムするために選択されたメモリセルと、該選択されたメモリセルに隣接するメモリセルとの閾値電圧シフトの最も大きな差である。
【0043】
メモリセルAはプログラムするために選択されたメモリセルに対応する。メモリセルBはメモリセルAと同じワード線に接続されプログラム禁止ビット線電圧を受ける隣接するNAND列の別のメモリセルに対応する。メモリセルCはメモリセルAと同じNAND列の、パス電圧を受けるワード線に接続された別のメモリセルに対応する。メモリセルDはメモリセルAとNAND列もワード線も異なる別のメモリセルに対応する。
【0044】
Vpassを上げるとVPGMディスターブは抑えられるが、Vpassディスターブは増加する。同様に、Vpassを下げるとVPGMディスターブは増加するが、Vpassディスターブは抑えられる。Vpass≒10Vが最適な条件である。ディスターブのないメモリウィンドウは4Vを超える。
【0045】
図10は図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択された新しいメモリセルと、プログラムするために選択された100,000サイクル後のメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルの)閾値電圧対ワード線プログラム電圧のグラフである。
【0046】
メモリセルA、B、C、及びDの種別は図9と同じである。100Kサイクル後のメモリセルはまだ、良好なセルフブースト・ディスターブウィンドウを示している。
【0047】
上記のメモリセル素子はSONOS型メモリセルとして実現された。或いは、上記の低kスペーサーは他のタイプの電荷トラップメモリセルアレイにおいて実施されてもよい。例えば、低kスペーサーはバンドギャップ操作SONOS(BE‐SONOS)素子において実施されてもよい。1つのそのような実施形態では、図2Aのメモリセルのトンネル層230を2nm未満厚(例えば、約1.3nm)の二酸化シリコンの底誘電体層と、この底誘電体層上の2.5nm未満厚(例えば、約2nm)の窒化シリコンの中間誘電体層と、この中間誘電体層上の3.5nm未満厚(例えば、約2.5nm)の二酸化シリコンの上部誘電体層とからなるトンネル誘電体構造体で置き換える。他の厚みを使用してもよい。BE‐SONOS技術は、従来のSONOS型メモリの消去速度、耐久性、及び電荷保持の各問題の多くを克服し、優れた性能を提供することが実証されている。
【0048】
BE‐SONOS素子についての更なる情報は、2008年07月30日付で出願した米国特許出願第12/182318号に開示されている。この出願を本明細書に援用する。
【0049】
図11は改善されたNANDアレイのBE‐SONOSセルの簡略化した図である。
【0050】
多層阻止誘電体層とバンドギャップ操作誘電体トンネル層とを使用するNANDアレイの電荷トラップメモリセルを示す。このメモリセルは、半導体内にチャネル10と、チャネル10に隣接するソース11及びドレイン12とを備える。ゲート18は、多層阻止誘電体層と、電荷トラップ層と、トンネル層とを含み誘電体材料でできた電荷蓄積構造体として働く多層スタックの上を覆う。
【0051】
本実施形態のゲート18は、P+ポリシリコンからなる。N+ポリシリコンを使用してもよい。他の実施形態は、金属、金属化合物、又はこれらの組合せ、例えば、白金、窒化タンタル、ケイ化金属、アルミニウム、又は他の金属又は金属化合物ゲート材料(例えば、Ti、TiN、Ta、Ru、Ir、RuO2、IrO2、W、WN等)をゲート18に使用する。幾つかの用途では、4eV、好ましくは4.5eVを超える仕事関数を持つ材料を使用することが好ましい。ゲートとして使用するのに適した様々な高仕事関数材料は米国特許第6912163号に記載されている。このような材料は通常、スパッターと物理的蒸着技術を使用して蒸着され、反応性イオンエッチングを使用してパターン形成される。
【0052】
図11の実施形態では、誘電体トンネル層は、チャネル10の表面10a上の二酸化シリコンでできた正孔トンネル層と呼ばれる第1層13を含む材料の複合体からなる。第1層13は例えば現場蒸気生成ISSGを使用し、必要に応じて蒸着後NOアニールまたは蒸着時、雰囲気にNOを加えて窒化物形成を行うことで形成される。二酸化シリコンの第1層13の厚みは20Å未満、好ましくは15Å以下である。代表的な実施形態では10Åまたは12Å厚である。
【0053】
窒化シリコンの層14(バンドオフセット層と呼ばれる)は、二酸化シリコンの第1層13上に位置し、例えばジクロロシランDCSとNH3前駆体を680℃で使用する低圧化学蒸着法LPCVDを使用して形成される。別の実施形態では、バンドオフセット層はN2O前駆体を用いる同様のプロセスを使用して形成された酸窒化シリコンからなる。窒化シリコンの層14の厚みは30Å未満、好ましくは25Å以下である。
【0054】
二酸化シリコンの第2層15(分離層と呼ばれる)は、窒化シリコンの層14上に位置し、例えばLPCVD高温酸化物HTO蒸着法を使用して形成される。二酸化シリコンの第2層15の厚みは35Å未満、好ましくは25Å以下である。第1位置における価電子帯エネルギーレベルは、半導体との界面と第1位置の間の薄い領域を通過する正孔トンネル現象を引き起こすのに十分な電界は、第1位置の後の価電子帯エネルギーレベルを第1位置の後の操作トンネル誘電体内の正孔トンネル障壁を実際上無くすレベルに上げるのにも十分であるようなレベルである。この構造は、高速の電界アシスト正孔トンネル現象を可能にする一方、当該セルからデータを読み出す又は隣接するセルをプログラムする等の他の動作目的のために電界がないか、又は小さな電界が存在する時の該操作トンネル誘電体を通る電荷リークを効果的に防ぐ。
【0055】
代表的な素子において、操作トンネル誘電体層は、極薄酸化シリコン層O1(例えば18Å以下)と、極薄窒化シリコン層N1(例えば30Å以下)と、極薄酸化シリコン層O2(例えば35Å以下)とを備え、その結果、半導体との界面から15Å以下のオフセット点において価電子帯エネルギーレベルは約2.6eV増加する。第2オフセット点(界面から例えば約30Å〜45Å)において該O2層のより低い価電子帯エネルギーレベル(より高い正孔トンネル障壁)でかつより高い伝導帯エネルギーレベルの領域によってN1層を電荷トラップ層から分離する。正孔トンネル現象を引き起こすのに十分な電界は、該第2位置が界面からより離れた距離にあるので第2位置の後の価電子帯エネルギーレベルを、正孔トンネル障壁を実際上無くすレベルに上昇させる。従って、該O2層は、電界アシスト正孔トンネル現象をあまり妨げない、一方、低電界時にはリークを阻止する操作トンネル誘電体の能力を向上させる。
【0056】
本明細書に記載したメモリセルの実施形態は、N+ポリシリコン等のポリシリコンまたはアルミニウム等の金属からなるゲートを備える。別の実施形態では、N+ポリシリコンの仕事関数より大きな仕事関数を持つ材料、例えばP+ポリシリコン、白金、窒化タンタル、又は仕事関数、伝導度、製造性のために選ばれた他の材料からなる。
【0057】
図12、図13を参照しながら、誘電体トンネル層の構造をより詳細に下記に説明する。
【0058】
本実施形態の電荷トラップ層16は、例えばLPCVDを使用して形成された50Åを超える(本実施形態の例えば約70Åを含む)厚みの窒化シリコンからなる。他の電荷トラップ材料と構造、例えば酸窒化シリコン(SixOyNz)、シリコンリッチな窒化シリコン、シリコンリッチな酸化シリコン、ナノ粒子が埋め込まれたトラップ層等を使用してもよい。様々な電荷トラップ材料が米国特許出願公開第2006/0261401A1号に記載されている。
【0059】
本実施形態の阻止誘電体層はバッファ層17Aと高κキャップ層17Bとのスタックである。高κとは誘電率が7を超えていることを表す。例えばAl2O3、HfO2、ZrO2、La2O3、AlSiO、HfSiO、ZrSiO等の材料がそうである。
【0060】
二酸化シリコンのバッファ層は、湿式炉酸化プロセスにより窒化物から湿式転化によって形成されてもよい。他の実施形態は、高温酸化物(HTO)又はLPCVD‐SiO2を使用して実現されてもよい。酸化アルミニウムキャップ誘電体層は原子蒸着とその後に膜を強化するために約900℃で60秒間急速熱アニールすることにより形成されてもよい。
【0061】
これらのプロセスを使用して欠陥がほとんどない酸化シリコンの層を形成することができ、これと酸化アルミニウム等の高κ、高伝導帯オフセット材料でできたキャップ層とが組合されて優れた保持特性と非常に低い消去飽和電圧とを持った阻止誘電体層を提供する。従って、EOTを下げ、動作電圧を下げることができる。
【0062】
代表的な実施形態では、第1層13は13Åの二酸化シリコンであり、バンドオフセット層14は20Åの窒化シリコンであり、分離層15は25Åの二酸化シリコンであり、電荷トラップ層16は70Åの窒化シリコンであり、阻止誘電体層17A、17Bは5Åと90Åの間の酸化シリコンと5Åと90Åの間の酸化アルミニウムのキャップ層とであってもよい。ゲート材料はP+ポリシリコン(仕事関数は約5.1eV)であってもよい。保持特性を改善するために、該酸化シリコンの層は30Åを超える厚みを持つのが好ましい。
【0063】
また、酸化シリコン(κ1=3.9)と酸化アルミニウム(κ2=約8)の組合せの場合、阻止誘電体層のトップ層17Bの厚みとボトム層17Aの厚みの比は2未満にできることが分かった。一般に、トップ層17Bの厚みは、ボトム層17Aの厚みの両誘電率の比(8/3.9)倍より小さくできる。従って、上記阻止誘電体層は、電荷トラップ誘電体層に接する誘電率κ1の第1層17Aと、チャネル表面とゲートのうち1つに接するκ1より高い誘電率κ2の第2層17Bとを含む。第2層17Bは第1層17Aの厚みのκ2/κ1倍より小さい厚みを持つ。トップキャップ層が酸化アルミニウムである場合、誘電率は約8であり、障壁高さ又は伝導帯オフセットは3eVより大きく、消去飽和のVFB<−2Vが得られる。Al2O3の障壁高さはSiO2とほぼ同じであり、酸化アルミニウムの電子障壁高さ又は伝導帯オフセットは、ゲートがN+ポリシリコンの場合、約3.1eVである。
【0064】
本明細書で説明するメモリセルの例では、20V未満の電圧で合理的な動作速度(プログラムと消去)を得るために、ゲートとチャネルの間の多層誘電体スタック(例えば、高κO‐N‐O‐N‐Oと高κO‐N‐O)の全実効酸化膜厚EOTは、160Å未満であるべきである。バンドギャップ操作(BE)ONOトンネル障壁又は単独層SiO2トンネル酸化膜のEOTは、通常約40〜55Å、好ましくは45〜50Åの範囲である。窒化物電荷トラップ層のEOTは、通常約25〜40Å、好ましくは30〜35Åの範囲である。従って、本明細書で説明するメモリセルの場合、多層阻止誘電体層(例えば、SiO2バッファ層とAl2O3)のEOTは95Å未満、好ましくは75〜85Åの範囲である。
【0065】
図12は、低電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【0066】
図11の層13〜15のスタックを含む誘電体トンネル構造の伝導帯と価電子帯の低電界時のエネルギーレベル図を示し、U字形の伝導帯と逆U字形の価電子帯を示す。右側から、半導体のバンドギャップが領域30に示され、正孔トンネル層の価電子帯と伝導帯が領域31に示され、オフセット層のバンドギャップが領域32に示され、分離層の価電子帯と伝導帯が領域33に示され、電荷トラップ層の価電子帯と伝導帯が領域34に示されている。負号の付いた円で表わされ電荷トラップ領域34内にトラップされた電子は、3つの領域31、32、33全てにおいてトンネル誘電体層の伝導帯は、該トラップのエネルギーレベルより高いので、チャネルの伝導帯へトンネルすることができない。電子トンネル現象の尤度は、トンネル誘電体層内のU字形の伝導帯の下で、トラップからチャネルへのエネルギーレベル水平線の上の面積と相関がある。従って、低電界時、電子トンネル現象はまず起らない。同様に、領域30内のチャネルの価電子帯内の正孔は、領域31、32、33の全厚みとチャネル界面での高い正孔トンネル障壁高さとによって、電荷トラップ層(領域34)へのトンネリングを阻止される。正孔トンネル現象の尤度は、トンネル誘電体層内の逆U字形の価電子帯の上で、チャネルから電荷トラップ層へのエネルギーレベル水平線の下の面積と相関がある。従って、低電界時、正孔トンネル現象はまず起らない。正孔トンネル層が二酸化シリコンを含む代表的な実施形態では、約4.5eVの正孔トンネル障壁高さは正孔トンネル現象を妨げる。窒化シリコンの価電子帯は、チャネルの価電子帯より1.9eV低い。従って、誘電体トンネル構造の全3つの領域31、32、33の価電子帯は、チャネル領域30の価電子帯よりかなり低い。従って、本明細書で説明するトンネル層は、半導体との界面にある薄い層(領域31)の比較的大きな正孔トンネル障壁高さと、チャネル表面から2nm未満離れた第1位置での価電子帯エネルギーレベルの増加37を含むバンドオフセット特性によって特徴付けられる。該バンドオフセット特性は、比較的高いトンネル障壁高さの材料でできた薄い層(領域33)を設けたことによる、チャネルから離れた第2位置での価電子帯エネルギーレベルの減少38を更に含む。これにより価電子帯は逆U字形となる。同様に、これら材料の選択によって、伝導帯はU字形となる。
【0067】
図13は、高電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【0068】
正孔トンネル現象を起こす(図13でO1層の厚みは約15Å)ために印加されたトンネル領域31において約−12MV/cmの電界条件下における前記誘電体トンネル構造体のバンド図を示す。この電界下で価電子帯はチャネル表面から上向きに傾斜している。従って、チャネル表面からあるオフセット距離で誘電体トンネル構造の価電子帯のエネルギーレベルはかなり上昇し、図においてチャネル領域の価電子帯のバンドエネルギーレベルより上に上昇する。従って、チャネルの価電子帯レベルと、トンネルスタックの傾斜した逆U字形価電子帯の間の面積(図13の陰を付けた)が減少し、正孔トンネルの確率が大きく増加する。バンドオフセットは、高電界時、トンネル誘電体から領域32のオフセット層と領域33の分離層との阻止機能を実質的に消し、比較的小さな電界(例えば、E<14MV/cm)で大きな正孔トンネル電流を発生させる。
【0069】
分離層(領域33)はオフセット層(領域32)を電荷トラップ層(領域34)から分離する。これは、低電界時、実効的な電子と正孔両方に対する阻止能力を増加させ、電荷保持特性を向上させる。
【0070】
本実施形態では、オフセット層32は無視できる電荷トラップ効率を持つよう十分薄くなければならない。また、オフセット層は誘電体で、非伝導性である。従って、窒化シリコンを使用する実施形態では、オフセット層の厚さは30Å未満、好ましくは約25Å以下であるべきである。
【0071】
二酸化シリコンを使用する実施形態では、正孔トンネル領域31の厚さは20Å未満、好ましくは15Å未満であるべきである。例えば、好適な実施形態では、正孔トンネル領域31は約13Å又は10Å厚の二酸化シリコンであり、上述の窒化プロセスを経て極薄の酸窒化シリコンとなる。
【0072】
本発明の実施形態では、層間の遷移が上述の通りではない酸化シリコン、酸窒化シリコン、及び窒化シリコンの複合体が必要な逆U字形価電子帯を持ち、チャネル表面から該オフセット距離で価電子帯のエネルギーレベルの、効率的正孔トンネル現象に必要な変化があれば、この複合体を用いてトンネル誘電体層を実現してもよい。また、他の材料の組合せを使用してバンドオフセットを実現してもよい。
【0073】
本技術は、SONOS型メモリの正孔トンネル現象に依存する必要性に関連する問題を解決したので、該トンネル誘電体層の説明は電子トンネリングではなく正孔トンネリングに注目する。例えば、実用的な速度の正孔トンネリングを許すのに十分薄い二酸化シリコンだけからなるトンネル誘電体は、薄すぎて電子トンネリングによるリークを阻止できない。しかし、上記バンドギャップ操作は電子トンネリングの性能も向上させる。従って、電子トンネリングによるプログラミングと、正孔トンネリングによる消去の両方は、バンドギャップ操作によってかなり向上する。
【0074】
別の実施形態では、多層トンネルスタックは、従来のMONOS素子におけるような単独層トンネル酸化膜又は他のトンネル層構造体で置き換えてもよい。従来のMONOS(トンネル酸化膜>3nm)は良好なデータ保持特性を有しているが、SiO2トップ酸化膜がゲート注入をあまり抑制できないので、その消去飽和レベルはNAND用途には高すぎることが知られている。
【0075】
上述したようにMANOS/TANOSが提案された。これらの構造体は、トップ酸化膜(κ=3.9)の代りにAl2O3(κ≒8)を使用する。この結果、消去飽和はかなり抑えられ、MANOS素子は、MONOSより低い消去飽和レベルと、大きなメモリウィンドウを有する。しかし、単独の高κトップ誘電体の使用は新たな信頼性問題を引き起こす。これは、高κ誘電体がしばしば従来のSiO2トップ酸化膜よりリークが多いためである。従って、単独の高κトップ誘電体の使用は保持信頼性を提供しない。
【0076】
開示したように、追加の高κキャップ膜がMONOSのトップ酸化膜上にキャップされる。この新しい構造は、バッファ層のリーク電流は小さく、トラップ層(SiN)とバッファ層(SiO2)との界面に深いトラップを形成するので、良好な保持特性及びリードディスターブ特性を有する。また、トップ高κ膜は、その高い誘電率によりゲート注入を抑制できる。従って、この新しい構造は、NANDフラッシュ用途に適した低消去飽和レベルと大きなメモリウィンドウを得ることができる。
【0077】
図14は、図11のBE‐SONOSセルのメモリセルの消去動作時の電界とトンネル電流を例示する。
【0078】
このゲートスタックの概略図は、消去プロセス時の電界の動的挙動を示す。このゲートスタックは正孔トンネル層43と、バンドオフセット層44と、分離層45とを含み、これらは組合わされて当該素子の誘電体トンネル層として働く。電荷トラップ層46が誘電体トンネル層上に示されている。バッファ層47Aとキャップ層47Bとを含む多層構造体からなる阻止誘電体層は、電荷トラップ層46をゲート48から分離する。消去プロセス時、電界はメモリセルのゲートとチャネルに印加されたバイアス電圧VG、VWによって生成され、誘電体トンネル層43、44、45を通る電界ETUN50と、阻止誘電体層47A/47Bを通る電界EB51が発生する。誘電体トンネル層を通る電界ETUN50の大きさは、電荷トラップ層46内への正孔トンネル電流52を引き起こすのに十分である。高い誘電率のために、阻止誘電体層のキャップ層47Bを通る電界EB51の大きさは、誘電体トンネル層内の二酸化シリコンを通る電界より約3.9/κだけ(3.9は二酸化シリコンの誘電率、κはキャップ層47Bの誘電率)小さい。従って、ゲート48の十分な電子親和力と、比較的低い電界EB51と、阻止誘電体層47A/47Bの厚みとのために、電子トンネル電流53は実際上阻止され、消去飽和効果なしに大きなメモリウィンドウを可能にする。本開示のメモリ素子は、消去時、誘電体トンネル層に14MV/cm以下の最大電界が発生するのに十分な低バイアス電圧がゲートと半導体の間に印加され、これに対応して低電界が阻止誘電体層に存在する状態で動作可能である。
【0079】
図15A〜図15Dは図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図であり、図15Aは阻止誘電体層が二酸化シリコン層単独の場合、図15Bは酸化アルミニウム層単独の場合、図15Cは第1例の二酸化シリコン/酸化アルミニウムのスタック層の場合、図15Dは第1例より酸化アルミニウム層が厚い第2例の二酸化シリコン/酸化アルミニウムのスタック層の場合である。
【0080】
ゲートからの電子注入のトンネル確率はこれらの図から理解できる。各物質内の電界の大きさは伝導帯の傾斜に反映される。従って、図15C、図15DにおいてO3とラベル付けされた二酸化シリコンバッファ層に対応する領域は、酸化アルミニウムキャップ層に対応する領域より大きな傾斜を持つ。ゲート界面における伝導帯オフセットは、伝導帯のステップの高さに反映される。図15Aに示したようなバンドギャップ操作SONOSデバイスの場合、伝導帯オフセットは比較的大きいが、電界が大きいのでトンネル確率は比較的高い。図15Bに示したような酸化アルミニウム阻止誘電体層の場合、比較的高い誘電率(例えば、7を超える)による伝導帯のより低い傾斜のために、また伝導帯オフセットは比較的高い(例えば、3eVを超える)のでトンネル確率は比較的低い。図15C、図15Dは、二酸化シリコンバッファ層と酸化アルミニウムトップ層を有する多層スタックの場合、酸化アルミニウムトップ層の厚みが最小値より大きい限り、ゲート注入のトンネル確率はほぼ同じであることを示唆する。従って、より薄い酸化アルミニウム層を有する実施形態図15Cのトンネル確率は、より厚い酸化アルミニウム層を有する実施形態図15Dとほぼ同じである。
【0081】
図16は、上述した改善されたNAND列を使用して実現されたメモリアレイを備える集積回路の簡略化したブロック図である。メモリアレイ1600を備える集積回路1650は上述した改善されたNAND列を使用して実現されている。ワード線(横列)・ブロック選択デコーダ1601は、メモリアレイ1600の横列に沿って配置された複数のワード線及びストリング選択線1602に電気的に結合されている。ビット線(縦列)デコーダ・ドライバ1603は、メモリアレイ1600の縦列に沿って配置された複数のビット線1604に電気的に結合され、メモリアレイ1600のメモリセルからのデータの読み出し、及び書き込みを行う。アドレスはバス1605を介してワード線デコーダ・ドライバ1601とビット線デコーダ1603に供給される。ブロック1606内のリードモード、プログラムモード、消去モードのための電流源を含むセンスアンプ及びデータ入力構造体は、ビット線デコーダ1603にバス1607を介して結合されている。データは、データ入力線1611を介して集積回路1650の入力/出力ポートからブロック1606内の該データ入力構造体に供給される。データは、データ出力線1615を介してブロック1606内のセンスアンプから集積回路1650の入力/出力ポート、又は集積回路1650内または外にある他のデータ供給先へ供給される。
【0082】
上記において好適な実施形態と実施例を参照しながら本発明を詳細に開示したが、これらの実施例は限定ではなく、例示するよう意図されていることは、理解されるべきである。本発明の思想と添付の請求項の範囲内に入る変更及び組合せを当業者は容易に想到するであろうことは考慮されている。
【符号の説明】
【0083】
10 チャネル
11 ソース(イオン注入領域)
12 ドレイン(イオン注入領域)
13、14、15 トンネル誘電体層
16 電荷トラップ誘電体層
17 阻止誘電体層
18 ゲート(ワード線)
BL ビット線
WL ワード線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷トラップ不揮発性メモリ等の不揮発性メモリ、特に、BE‐SONOS不揮発性メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
NAND列を有する不揮発性メモリ集積回路を製造するための通常のプロセスは、NAND列の隣接するメモリセル間の誘電体スタック材料をエッチング除去する。誘電体スタック材料をエッチング除去するので、次の、隣接するメモリセル間の基板への接合イオン注入は容易である。
【0003】
一般的な理解は、誘電体スタックのSiNトラップ層において電荷が横方向に移動するであろうということである。このような横方向移動は、SiNトラップ層に蓄えられた電荷によって表わされるデータの信頼性を劣化させる。従って、NAND列間及びNAND列の隣接するメモリセル間の誘電体スタックをエッチング除去することは、期待される製造プロセスステップである。このようなエッチングはSiNトラップ層内の電荷の横方向移動を防止すると期待される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、不揮発性メモリセルアレイの集積回路を備える装置である。該集積回路は基板と、該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、該基板を覆う誘電体スタック層と、該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域とを備える。
【0005】
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する。該誘電体スタック層はこれらの箇所を含む領域に亘って連続している。
【0006】
該基板内の該イオン注入領域は該誘電体スタック層の下にある。該イオン注入領域は該誘電体スタック層の該複数の箇所の間に配置されている。別の実施形態では、該イオン注入領域は該ワード線間に配置されている。
【0007】
幾つかの実施形態では、接合は100nmより浅い接合深さを有する。該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度(例えば、基板又はウェルの)に等しい濃度を有する。
【0008】
この発明の技術は、不揮発性メモリの耐久性の大きな予期しなかった改善をもたらす。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である。
【0011】
不揮発性メモリの耐久性の予期しなかった改善は簡単な機構に基づいていない。耐久性劣化の最も重要な機構は界面準位生成を原因とする。界面準位生成はシリコン基板と誘電体スタックとの界面の損傷により発生し、ダングリングボンドを生成する。ダングリングボンドはしばしば水素移動効果に関係する。例えば、シリコン・水素結合は強い結合ではないので、水素が付いたダングリングボンドは比較的低い温度で結合が壊れ、水素は膜外へ拡散する。しかし、連続する誘電体スタックの場合、窒化物層が水素に対する封止層として働く。水素は膜内に留まり、水素が付いたダングリングボンドの数を保つのを助ける。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記誘電体スタック層はトンネル誘電体層と、電荷トラップ誘電体層と、阻止誘電体層とを含む。該トンネル誘電体層は1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち「一方」に接する。該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層と、該1つのワード線と該チャネル表面とのうち「他方」との間にある。該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と、該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間にある。
【0015】
例えば、該トンネル誘電体層は1つのワード線に接し、該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層と該チャネル表面との間にあり、該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と該チャネル表面との間にある。又は該トンネル誘電体層は前記基板のチャネル表面に接し、該電荷トラップ誘電体層は該トンネル誘電体層とワード線との間にあり、該阻止誘電体層は該電荷トラップ誘電体層と該ワード線との間にある。
【0016】
1つの実施形態では、該トラップ層は電荷を蓄えるために非常に「深い」トラップを有する信頼性の高いSiNであり、電荷は横方向に移動しない。
【0017】
別の実施形態では、該トンネル誘電体層は15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層と、30Å以下の厚みの窒化シリコン層と、35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層とを含む。
【0018】
本発明の別の態様は、メモリ集積回路を形成する方法であって、該メモリ集積回路の基板を準備することと、該基板上に該メモリ集積回路の誘電体スタック層を形成することと、該誘電体スタック層上に該メモリ集積回路の複数のワード線を形成することと、該誘電体スタック層を通してイオン注入して該メモリ集積回路の接合を該誘電体スタック層の連続する部分の下で該ワード線間に形成することとを含む。
該メモリ集積回路は不揮発性データを該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する不揮発性メモリセルのアレイを有し、該複数の箇所は複数のビット線を介してアクセスされる列と該複数のワード線を介してアクセスされる行とをなすように配列され、該誘電体スタック層の該連続する部分は、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って広がっている。
【0019】
様々な実施形態を本明細書において説明する。
1つの実施形態は20keV以上の注入エネルギーを有する。
1つの実施形態は1014cm-2未満の注入ドーズ量を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】NAND列の隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【図2】NAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【図3】隣接するNAND列間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの複数のNAND列の、紙面を通過するビット線方向に見た断面を示す。
【図4】NAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の、紙面を通過するワード線方向に見た断面を示す。
【図5】不揮発性メモリの1つのNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を通過する浅い接合イオン注入を示す。
【図6】隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【図7】隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【図8】NAND列間とNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料が存在する不揮発性メモリの隣接する2つのNAND列の簡略化した回路図であり、セルフブースト法に従う選択されたメモリセルのプログラム動作時を示す。
【図9】図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択されたメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの)閾値電圧シフト対ワード線パス電圧のグラフであり、結果としてセルフブーストVpassディスターブウィンドウを示す。
【図10】図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択された新しいメモリセルと、プログラムするために選択された100,000サイクル後のメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルの)閾値電圧対ワード線プログラム電圧のグラフである。
【図11】改善されたNANDアレイのBE‐SONOSセルの簡略化した図である。
【図12】低電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【図13】高電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【図14】メモリセルの実施形態の消去動作時の図11のBE‐SONOSセルの電界とトンネル電流とを例示する。
【図15A】単独二酸化シリコン層からなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15B】単独酸化アルミニウム層からなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15C】第1例の二酸化シリコン/酸化アルミニウム層スタックからなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図15D】第1例より酸化アルミニウム層が厚い第2例の二酸化シリコン/酸化アルミニウム層スタックからなる図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図である。
【図16】本明細書において説明する改善されたNAND列を使用して実現されたメモリアレイを含む集積回路の簡略化したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1はNAND列の隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【0022】
エッチング除去された誘電体スタック材料(例えば、ONO)は、残された誘電体スタック材料間へのより容易な接合イオン注入を提供する。例えば、低濃度ドープN+注入を容易にする。
【0023】
図2はNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の断面を示す。
【0024】
エッチングは誘電体スタックを貫通していないが、接合イオン注入は誘電体スタックを通り、浅い接合を形成する。
【0025】
図3は隣接するNAND列間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの複数のNAND列の、紙面を通過するビット線方向に見た断面を示す。
【0026】
この断面はビット線方向に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を示す。この連続する電荷トラップ誘電体スタック材料は平坦である。図示のように、「平坦な」は完全に平らなではなく、半導体製造プロセス(例えば、エッチング、成長、蒸着)を説明するために概ね2次元であることを意味する。
【0027】
図4はNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する不揮発性メモリの1つのNAND列の、紙面を通過するワード線方向に見た断面を示す。
【0028】
この断面はワード線方向に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を示す。
【0029】
図5は不揮発性メモリの1つのNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を通過する浅い接合イオン注入を示す。
【0030】
典型的な接合イオン注入条件を示す。接合イオン注入エネルギーは、誘電体スタック材料(例えば、ONONO)を貫通するのに十分高く(例えば、>20keV)なければならない。一方、より浅い接合が、短チャネル効果がより良好であるので好ましい。低濃度ドープ接合の場合、ドーズ量は1E14cm-2未満である。
【0031】
この例では、注入不純物はAs、エネルギーは30keV、ドーズ量は3E13cm-2である。
【0032】
このような非常に低濃度ドープの接合はONO膜への損傷を回避する。この低濃度ドープ接合は高い読み出し電流を必要としないNANDメモリにおいて理想的である。CMOSロジックにおいては、この低濃度ドープ接合は理想的ではなく、より高い濃度でドープされる必要がある。
【0033】
通常、浅い接合の深さはチャネル長さより小さい。例えば、30nmNANDフラッシュ素子の場合、接合深さは30nmより浅い。一方、接合不純物も低濃度でドープされ、短チャネル効果を改善する。(NANDフラッシュの場合、十分なセルフブーストも必要である。)
【0034】
図6は隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去された複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【0035】
図7は隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有する複数のNANDメモリセルのプログラム閾値電圧及び消去閾値電圧対プログラム・消去サイクル数のグラフである。
【0036】
図6と図7との比較は本発明の実施形態の有利な特徴を示す。図6において、隣接するメモリセル間の電荷トラップ誘電体スタック材料がエッチング除去されたNANDメモリセルの4つのサンプルの場合、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、消去状態の閾値電圧は約1Vから約2.7V〜3.7Vの範囲に上昇し、また、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、プログラム状態の閾値電圧は約5.1V〜5.4Vの範囲から約6.0V〜6.7Vの範囲に上昇する。図6において、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、閾値電圧はかなり、消去状態の場合、中央値2.2Vだけ、プログラム状態の場合、中央値1.1Vだけ上昇する。
【0037】
一方、図7では、隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有するNANDメモリセルの4つのサンプルの場合、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、消去状態の閾値電圧は約0.6V〜1.4Vの範囲から約0.8V〜1.6Vの範囲に変化し、また、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えると、プログラム状態の閾値電圧は約4.9V〜5.1Vの範囲から約4.8V〜5.2Vの範囲に上昇する。図7において、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増えたにもかかわらず、プログラム状態と消去状態との閾値電圧は、基本的には一定である。
【0038】
従って、図6と図7との比較は、隣接するメモリセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料を有するNANDメモリセルの技術は、プログラム・消去サイクル数が1サイクルから10000サイクルに増える時、ずっとより一定の閾値電圧挙動を提供することを示す。
【0039】
図8はNAND列間とNAND列の隣接するセル間に連続する電荷トラップ誘電体スタック材料が存在する不揮発性メモリの隣接する2つのNAND列の簡略化した回路図であり、セルフブースト法に従う選択されたメモリセルのプログラム動作時を示す。
【0040】
SSL(ソースライン)トランジスタはオンされ、GSLトランジスタはオフされる。プログラムされるセルのためのビット線電圧は0Vに設定され、一方、プログラム禁止されたセルのためのビット線電圧はVssに設定される。0Vビット線は関連する単位NANDストリングのチャネルをグランド電位にする。プログラム電圧が選択されたメモリセルのゲートに印加されると、ゲートとチャネルとの大きな電位差が、浮遊ゲートへの電子のF‐Nトンネリングを引き起こし、このセルをプログラムする。プログラム禁止されたセルでは、Vssビット線は最初は関連するチャネルをプリチャージする。単位NANDストリングのワード線の電位が上昇すると(選択されたワード線がプログラム電圧に、選択されていないワード線がパス電圧に上昇)、制御ゲート、浮遊ゲート、チャネル、及びバルクの一列の容量が結合され、チャネル電位が自動的にブーストされる。
【0041】
図9は図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択されたメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの)閾値電圧シフト対ワード線パス電圧のグラフであり、結果としてセルフブーストVpassディスターブウィンドウを示す。
【0042】
セルフブーストVpassディスターブウィンドウとは、プログラムするために選択されたメモリセルと、該選択されたメモリセルに隣接するメモリセルとの閾値電圧シフトの最も大きな差である。
【0043】
メモリセルAはプログラムするために選択されたメモリセルに対応する。メモリセルBはメモリセルAと同じワード線に接続されプログラム禁止ビット線電圧を受ける隣接するNAND列の別のメモリセルに対応する。メモリセルCはメモリセルAと同じNAND列の、パス電圧を受けるワード線に接続された別のメモリセルに対応する。メモリセルDはメモリセルAとNAND列もワード線も異なる別のメモリセルに対応する。
【0044】
Vpassを上げるとVPGMディスターブは抑えられるが、Vpassディスターブは増加する。同様に、Vpassを下げるとVPGMディスターブは増加するが、Vpassディスターブは抑えられる。Vpass≒10Vが最適な条件である。ディスターブのないメモリウィンドウは4Vを超える。
【0045】
図10は図8の改善されたNANDメモリのプログラム動作における(プログラムするために選択された新しいメモリセルと、プログラムするために選択された100,000サイクル後のメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルと、選択されたメモリセルに隣接する新しいメモリセルの)閾値電圧対ワード線プログラム電圧のグラフである。
【0046】
メモリセルA、B、C、及びDの種別は図9と同じである。100Kサイクル後のメモリセルはまだ、良好なセルフブースト・ディスターブウィンドウを示している。
【0047】
上記のメモリセル素子はSONOS型メモリセルとして実現された。或いは、上記の低kスペーサーは他のタイプの電荷トラップメモリセルアレイにおいて実施されてもよい。例えば、低kスペーサーはバンドギャップ操作SONOS(BE‐SONOS)素子において実施されてもよい。1つのそのような実施形態では、図2Aのメモリセルのトンネル層230を2nm未満厚(例えば、約1.3nm)の二酸化シリコンの底誘電体層と、この底誘電体層上の2.5nm未満厚(例えば、約2nm)の窒化シリコンの中間誘電体層と、この中間誘電体層上の3.5nm未満厚(例えば、約2.5nm)の二酸化シリコンの上部誘電体層とからなるトンネル誘電体構造体で置き換える。他の厚みを使用してもよい。BE‐SONOS技術は、従来のSONOS型メモリの消去速度、耐久性、及び電荷保持の各問題の多くを克服し、優れた性能を提供することが実証されている。
【0048】
BE‐SONOS素子についての更なる情報は、2008年07月30日付で出願した米国特許出願第12/182318号に開示されている。この出願を本明細書に援用する。
【0049】
図11は改善されたNANDアレイのBE‐SONOSセルの簡略化した図である。
【0050】
多層阻止誘電体層とバンドギャップ操作誘電体トンネル層とを使用するNANDアレイの電荷トラップメモリセルを示す。このメモリセルは、半導体内にチャネル10と、チャネル10に隣接するソース11及びドレイン12とを備える。ゲート18は、多層阻止誘電体層と、電荷トラップ層と、トンネル層とを含み誘電体材料でできた電荷蓄積構造体として働く多層スタックの上を覆う。
【0051】
本実施形態のゲート18は、P+ポリシリコンからなる。N+ポリシリコンを使用してもよい。他の実施形態は、金属、金属化合物、又はこれらの組合せ、例えば、白金、窒化タンタル、ケイ化金属、アルミニウム、又は他の金属又は金属化合物ゲート材料(例えば、Ti、TiN、Ta、Ru、Ir、RuO2、IrO2、W、WN等)をゲート18に使用する。幾つかの用途では、4eV、好ましくは4.5eVを超える仕事関数を持つ材料を使用することが好ましい。ゲートとして使用するのに適した様々な高仕事関数材料は米国特許第6912163号に記載されている。このような材料は通常、スパッターと物理的蒸着技術を使用して蒸着され、反応性イオンエッチングを使用してパターン形成される。
【0052】
図11の実施形態では、誘電体トンネル層は、チャネル10の表面10a上の二酸化シリコンでできた正孔トンネル層と呼ばれる第1層13を含む材料の複合体からなる。第1層13は例えば現場蒸気生成ISSGを使用し、必要に応じて蒸着後NOアニールまたは蒸着時、雰囲気にNOを加えて窒化物形成を行うことで形成される。二酸化シリコンの第1層13の厚みは20Å未満、好ましくは15Å以下である。代表的な実施形態では10Åまたは12Å厚である。
【0053】
窒化シリコンの層14(バンドオフセット層と呼ばれる)は、二酸化シリコンの第1層13上に位置し、例えばジクロロシランDCSとNH3前駆体を680℃で使用する低圧化学蒸着法LPCVDを使用して形成される。別の実施形態では、バンドオフセット層はN2O前駆体を用いる同様のプロセスを使用して形成された酸窒化シリコンからなる。窒化シリコンの層14の厚みは30Å未満、好ましくは25Å以下である。
【0054】
二酸化シリコンの第2層15(分離層と呼ばれる)は、窒化シリコンの層14上に位置し、例えばLPCVD高温酸化物HTO蒸着法を使用して形成される。二酸化シリコンの第2層15の厚みは35Å未満、好ましくは25Å以下である。第1位置における価電子帯エネルギーレベルは、半導体との界面と第1位置の間の薄い領域を通過する正孔トンネル現象を引き起こすのに十分な電界は、第1位置の後の価電子帯エネルギーレベルを第1位置の後の操作トンネル誘電体内の正孔トンネル障壁を実際上無くすレベルに上げるのにも十分であるようなレベルである。この構造は、高速の電界アシスト正孔トンネル現象を可能にする一方、当該セルからデータを読み出す又は隣接するセルをプログラムする等の他の動作目的のために電界がないか、又は小さな電界が存在する時の該操作トンネル誘電体を通る電荷リークを効果的に防ぐ。
【0055】
代表的な素子において、操作トンネル誘電体層は、極薄酸化シリコン層O1(例えば18Å以下)と、極薄窒化シリコン層N1(例えば30Å以下)と、極薄酸化シリコン層O2(例えば35Å以下)とを備え、その結果、半導体との界面から15Å以下のオフセット点において価電子帯エネルギーレベルは約2.6eV増加する。第2オフセット点(界面から例えば約30Å〜45Å)において該O2層のより低い価電子帯エネルギーレベル(より高い正孔トンネル障壁)でかつより高い伝導帯エネルギーレベルの領域によってN1層を電荷トラップ層から分離する。正孔トンネル現象を引き起こすのに十分な電界は、該第2位置が界面からより離れた距離にあるので第2位置の後の価電子帯エネルギーレベルを、正孔トンネル障壁を実際上無くすレベルに上昇させる。従って、該O2層は、電界アシスト正孔トンネル現象をあまり妨げない、一方、低電界時にはリークを阻止する操作トンネル誘電体の能力を向上させる。
【0056】
本明細書に記載したメモリセルの実施形態は、N+ポリシリコン等のポリシリコンまたはアルミニウム等の金属からなるゲートを備える。別の実施形態では、N+ポリシリコンの仕事関数より大きな仕事関数を持つ材料、例えばP+ポリシリコン、白金、窒化タンタル、又は仕事関数、伝導度、製造性のために選ばれた他の材料からなる。
【0057】
図12、図13を参照しながら、誘電体トンネル層の構造をより詳細に下記に説明する。
【0058】
本実施形態の電荷トラップ層16は、例えばLPCVDを使用して形成された50Åを超える(本実施形態の例えば約70Åを含む)厚みの窒化シリコンからなる。他の電荷トラップ材料と構造、例えば酸窒化シリコン(SixOyNz)、シリコンリッチな窒化シリコン、シリコンリッチな酸化シリコン、ナノ粒子が埋め込まれたトラップ層等を使用してもよい。様々な電荷トラップ材料が米国特許出願公開第2006/0261401A1号に記載されている。
【0059】
本実施形態の阻止誘電体層はバッファ層17Aと高κキャップ層17Bとのスタックである。高κとは誘電率が7を超えていることを表す。例えばAl2O3、HfO2、ZrO2、La2O3、AlSiO、HfSiO、ZrSiO等の材料がそうである。
【0060】
二酸化シリコンのバッファ層は、湿式炉酸化プロセスにより窒化物から湿式転化によって形成されてもよい。他の実施形態は、高温酸化物(HTO)又はLPCVD‐SiO2を使用して実現されてもよい。酸化アルミニウムキャップ誘電体層は原子蒸着とその後に膜を強化するために約900℃で60秒間急速熱アニールすることにより形成されてもよい。
【0061】
これらのプロセスを使用して欠陥がほとんどない酸化シリコンの層を形成することができ、これと酸化アルミニウム等の高κ、高伝導帯オフセット材料でできたキャップ層とが組合されて優れた保持特性と非常に低い消去飽和電圧とを持った阻止誘電体層を提供する。従って、EOTを下げ、動作電圧を下げることができる。
【0062】
代表的な実施形態では、第1層13は13Åの二酸化シリコンであり、バンドオフセット層14は20Åの窒化シリコンであり、分離層15は25Åの二酸化シリコンであり、電荷トラップ層16は70Åの窒化シリコンであり、阻止誘電体層17A、17Bは5Åと90Åの間の酸化シリコンと5Åと90Åの間の酸化アルミニウムのキャップ層とであってもよい。ゲート材料はP+ポリシリコン(仕事関数は約5.1eV)であってもよい。保持特性を改善するために、該酸化シリコンの層は30Åを超える厚みを持つのが好ましい。
【0063】
また、酸化シリコン(κ1=3.9)と酸化アルミニウム(κ2=約8)の組合せの場合、阻止誘電体層のトップ層17Bの厚みとボトム層17Aの厚みの比は2未満にできることが分かった。一般に、トップ層17Bの厚みは、ボトム層17Aの厚みの両誘電率の比(8/3.9)倍より小さくできる。従って、上記阻止誘電体層は、電荷トラップ誘電体層に接する誘電率κ1の第1層17Aと、チャネル表面とゲートのうち1つに接するκ1より高い誘電率κ2の第2層17Bとを含む。第2層17Bは第1層17Aの厚みのκ2/κ1倍より小さい厚みを持つ。トップキャップ層が酸化アルミニウムである場合、誘電率は約8であり、障壁高さ又は伝導帯オフセットは3eVより大きく、消去飽和のVFB<−2Vが得られる。Al2O3の障壁高さはSiO2とほぼ同じであり、酸化アルミニウムの電子障壁高さ又は伝導帯オフセットは、ゲートがN+ポリシリコンの場合、約3.1eVである。
【0064】
本明細書で説明するメモリセルの例では、20V未満の電圧で合理的な動作速度(プログラムと消去)を得るために、ゲートとチャネルの間の多層誘電体スタック(例えば、高κO‐N‐O‐N‐Oと高κO‐N‐O)の全実効酸化膜厚EOTは、160Å未満であるべきである。バンドギャップ操作(BE)ONOトンネル障壁又は単独層SiO2トンネル酸化膜のEOTは、通常約40〜55Å、好ましくは45〜50Åの範囲である。窒化物電荷トラップ層のEOTは、通常約25〜40Å、好ましくは30〜35Åの範囲である。従って、本明細書で説明するメモリセルの場合、多層阻止誘電体層(例えば、SiO2バッファ層とAl2O3)のEOTは95Å未満、好ましくは75〜85Åの範囲である。
【0065】
図12は、低電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【0066】
図11の層13〜15のスタックを含む誘電体トンネル構造の伝導帯と価電子帯の低電界時のエネルギーレベル図を示し、U字形の伝導帯と逆U字形の価電子帯を示す。右側から、半導体のバンドギャップが領域30に示され、正孔トンネル層の価電子帯と伝導帯が領域31に示され、オフセット層のバンドギャップが領域32に示され、分離層の価電子帯と伝導帯が領域33に示され、電荷トラップ層の価電子帯と伝導帯が領域34に示されている。負号の付いた円で表わされ電荷トラップ領域34内にトラップされた電子は、3つの領域31、32、33全てにおいてトンネル誘電体層の伝導帯は、該トラップのエネルギーレベルより高いので、チャネルの伝導帯へトンネルすることができない。電子トンネル現象の尤度は、トンネル誘電体層内のU字形の伝導帯の下で、トラップからチャネルへのエネルギーレベル水平線の上の面積と相関がある。従って、低電界時、電子トンネル現象はまず起らない。同様に、領域30内のチャネルの価電子帯内の正孔は、領域31、32、33の全厚みとチャネル界面での高い正孔トンネル障壁高さとによって、電荷トラップ層(領域34)へのトンネリングを阻止される。正孔トンネル現象の尤度は、トンネル誘電体層内の逆U字形の価電子帯の上で、チャネルから電荷トラップ層へのエネルギーレベル水平線の下の面積と相関がある。従って、低電界時、正孔トンネル現象はまず起らない。正孔トンネル層が二酸化シリコンを含む代表的な実施形態では、約4.5eVの正孔トンネル障壁高さは正孔トンネル現象を妨げる。窒化シリコンの価電子帯は、チャネルの価電子帯より1.9eV低い。従って、誘電体トンネル構造の全3つの領域31、32、33の価電子帯は、チャネル領域30の価電子帯よりかなり低い。従って、本明細書で説明するトンネル層は、半導体との界面にある薄い層(領域31)の比較的大きな正孔トンネル障壁高さと、チャネル表面から2nm未満離れた第1位置での価電子帯エネルギーレベルの増加37を含むバンドオフセット特性によって特徴付けられる。該バンドオフセット特性は、比較的高いトンネル障壁高さの材料でできた薄い層(領域33)を設けたことによる、チャネルから離れた第2位置での価電子帯エネルギーレベルの減少38を更に含む。これにより価電子帯は逆U字形となる。同様に、これら材料の選択によって、伝導帯はU字形となる。
【0067】
図13は、高電界時のバンドオフセット技術を含む図11のBE‐SONOSセルのトンネル誘電体層のバンド図である。
【0068】
正孔トンネル現象を起こす(図13でO1層の厚みは約15Å)ために印加されたトンネル領域31において約−12MV/cmの電界条件下における前記誘電体トンネル構造体のバンド図を示す。この電界下で価電子帯はチャネル表面から上向きに傾斜している。従って、チャネル表面からあるオフセット距離で誘電体トンネル構造の価電子帯のエネルギーレベルはかなり上昇し、図においてチャネル領域の価電子帯のバンドエネルギーレベルより上に上昇する。従って、チャネルの価電子帯レベルと、トンネルスタックの傾斜した逆U字形価電子帯の間の面積(図13の陰を付けた)が減少し、正孔トンネルの確率が大きく増加する。バンドオフセットは、高電界時、トンネル誘電体から領域32のオフセット層と領域33の分離層との阻止機能を実質的に消し、比較的小さな電界(例えば、E<14MV/cm)で大きな正孔トンネル電流を発生させる。
【0069】
分離層(領域33)はオフセット層(領域32)を電荷トラップ層(領域34)から分離する。これは、低電界時、実効的な電子と正孔両方に対する阻止能力を増加させ、電荷保持特性を向上させる。
【0070】
本実施形態では、オフセット層32は無視できる電荷トラップ効率を持つよう十分薄くなければならない。また、オフセット層は誘電体で、非伝導性である。従って、窒化シリコンを使用する実施形態では、オフセット層の厚さは30Å未満、好ましくは約25Å以下であるべきである。
【0071】
二酸化シリコンを使用する実施形態では、正孔トンネル領域31の厚さは20Å未満、好ましくは15Å未満であるべきである。例えば、好適な実施形態では、正孔トンネル領域31は約13Å又は10Å厚の二酸化シリコンであり、上述の窒化プロセスを経て極薄の酸窒化シリコンとなる。
【0072】
本発明の実施形態では、層間の遷移が上述の通りではない酸化シリコン、酸窒化シリコン、及び窒化シリコンの複合体が必要な逆U字形価電子帯を持ち、チャネル表面から該オフセット距離で価電子帯のエネルギーレベルの、効率的正孔トンネル現象に必要な変化があれば、この複合体を用いてトンネル誘電体層を実現してもよい。また、他の材料の組合せを使用してバンドオフセットを実現してもよい。
【0073】
本技術は、SONOS型メモリの正孔トンネル現象に依存する必要性に関連する問題を解決したので、該トンネル誘電体層の説明は電子トンネリングではなく正孔トンネリングに注目する。例えば、実用的な速度の正孔トンネリングを許すのに十分薄い二酸化シリコンだけからなるトンネル誘電体は、薄すぎて電子トンネリングによるリークを阻止できない。しかし、上記バンドギャップ操作は電子トンネリングの性能も向上させる。従って、電子トンネリングによるプログラミングと、正孔トンネリングによる消去の両方は、バンドギャップ操作によってかなり向上する。
【0074】
別の実施形態では、多層トンネルスタックは、従来のMONOS素子におけるような単独層トンネル酸化膜又は他のトンネル層構造体で置き換えてもよい。従来のMONOS(トンネル酸化膜>3nm)は良好なデータ保持特性を有しているが、SiO2トップ酸化膜がゲート注入をあまり抑制できないので、その消去飽和レベルはNAND用途には高すぎることが知られている。
【0075】
上述したようにMANOS/TANOSが提案された。これらの構造体は、トップ酸化膜(κ=3.9)の代りにAl2O3(κ≒8)を使用する。この結果、消去飽和はかなり抑えられ、MANOS素子は、MONOSより低い消去飽和レベルと、大きなメモリウィンドウを有する。しかし、単独の高κトップ誘電体の使用は新たな信頼性問題を引き起こす。これは、高κ誘電体がしばしば従来のSiO2トップ酸化膜よりリークが多いためである。従って、単独の高κトップ誘電体の使用は保持信頼性を提供しない。
【0076】
開示したように、追加の高κキャップ膜がMONOSのトップ酸化膜上にキャップされる。この新しい構造は、バッファ層のリーク電流は小さく、トラップ層(SiN)とバッファ層(SiO2)との界面に深いトラップを形成するので、良好な保持特性及びリードディスターブ特性を有する。また、トップ高κ膜は、その高い誘電率によりゲート注入を抑制できる。従って、この新しい構造は、NANDフラッシュ用途に適した低消去飽和レベルと大きなメモリウィンドウを得ることができる。
【0077】
図14は、図11のBE‐SONOSセルのメモリセルの消去動作時の電界とトンネル電流を例示する。
【0078】
このゲートスタックの概略図は、消去プロセス時の電界の動的挙動を示す。このゲートスタックは正孔トンネル層43と、バンドオフセット層44と、分離層45とを含み、これらは組合わされて当該素子の誘電体トンネル層として働く。電荷トラップ層46が誘電体トンネル層上に示されている。バッファ層47Aとキャップ層47Bとを含む多層構造体からなる阻止誘電体層は、電荷トラップ層46をゲート48から分離する。消去プロセス時、電界はメモリセルのゲートとチャネルに印加されたバイアス電圧VG、VWによって生成され、誘電体トンネル層43、44、45を通る電界ETUN50と、阻止誘電体層47A/47Bを通る電界EB51が発生する。誘電体トンネル層を通る電界ETUN50の大きさは、電荷トラップ層46内への正孔トンネル電流52を引き起こすのに十分である。高い誘電率のために、阻止誘電体層のキャップ層47Bを通る電界EB51の大きさは、誘電体トンネル層内の二酸化シリコンを通る電界より約3.9/κだけ(3.9は二酸化シリコンの誘電率、κはキャップ層47Bの誘電率)小さい。従って、ゲート48の十分な電子親和力と、比較的低い電界EB51と、阻止誘電体層47A/47Bの厚みとのために、電子トンネル電流53は実際上阻止され、消去飽和効果なしに大きなメモリウィンドウを可能にする。本開示のメモリ素子は、消去時、誘電体トンネル層に14MV/cm以下の最大電界が発生するのに十分な低バイアス電圧がゲートと半導体の間に印加され、これに対応して低電界が阻止誘電体層に存在する状態で動作可能である。
【0079】
図15A〜図15Dは図11のBE‐SONOSセルの阻止誘電体層の伝導帯図であり、図15Aは阻止誘電体層が二酸化シリコン層単独の場合、図15Bは酸化アルミニウム層単独の場合、図15Cは第1例の二酸化シリコン/酸化アルミニウムのスタック層の場合、図15Dは第1例より酸化アルミニウム層が厚い第2例の二酸化シリコン/酸化アルミニウムのスタック層の場合である。
【0080】
ゲートからの電子注入のトンネル確率はこれらの図から理解できる。各物質内の電界の大きさは伝導帯の傾斜に反映される。従って、図15C、図15DにおいてO3とラベル付けされた二酸化シリコンバッファ層に対応する領域は、酸化アルミニウムキャップ層に対応する領域より大きな傾斜を持つ。ゲート界面における伝導帯オフセットは、伝導帯のステップの高さに反映される。図15Aに示したようなバンドギャップ操作SONOSデバイスの場合、伝導帯オフセットは比較的大きいが、電界が大きいのでトンネル確率は比較的高い。図15Bに示したような酸化アルミニウム阻止誘電体層の場合、比較的高い誘電率(例えば、7を超える)による伝導帯のより低い傾斜のために、また伝導帯オフセットは比較的高い(例えば、3eVを超える)のでトンネル確率は比較的低い。図15C、図15Dは、二酸化シリコンバッファ層と酸化アルミニウムトップ層を有する多層スタックの場合、酸化アルミニウムトップ層の厚みが最小値より大きい限り、ゲート注入のトンネル確率はほぼ同じであることを示唆する。従って、より薄い酸化アルミニウム層を有する実施形態図15Cのトンネル確率は、より厚い酸化アルミニウム層を有する実施形態図15Dとほぼ同じである。
【0081】
図16は、上述した改善されたNAND列を使用して実現されたメモリアレイを備える集積回路の簡略化したブロック図である。メモリアレイ1600を備える集積回路1650は上述した改善されたNAND列を使用して実現されている。ワード線(横列)・ブロック選択デコーダ1601は、メモリアレイ1600の横列に沿って配置された複数のワード線及びストリング選択線1602に電気的に結合されている。ビット線(縦列)デコーダ・ドライバ1603は、メモリアレイ1600の縦列に沿って配置された複数のビット線1604に電気的に結合され、メモリアレイ1600のメモリセルからのデータの読み出し、及び書き込みを行う。アドレスはバス1605を介してワード線デコーダ・ドライバ1601とビット線デコーダ1603に供給される。ブロック1606内のリードモード、プログラムモード、消去モードのための電流源を含むセンスアンプ及びデータ入力構造体は、ビット線デコーダ1603にバス1607を介して結合されている。データは、データ入力線1611を介して集積回路1650の入力/出力ポートからブロック1606内の該データ入力構造体に供給される。データは、データ出力線1615を介してブロック1606内のセンスアンプから集積回路1650の入力/出力ポート、又は集積回路1650内または外にある他のデータ供給先へ供給される。
【0082】
上記において好適な実施形態と実施例を参照しながら本発明を詳細に開示したが、これらの実施例は限定ではなく、例示するよう意図されていることは、理解されるべきである。本発明の思想と添付の請求項の範囲内に入る変更及び組合せを当業者は容易に想到するであろうことは考慮されている。
【符号の説明】
【0083】
10 チャネル
11 ソース(イオン注入領域)
12 ドレイン(イオン注入領域)
13、14、15 トンネル誘電体層
16 電荷トラップ誘電体層
17 阻止誘電体層
18 ゲート(ワード線)
BL ビット線
WL ワード線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリセルのアレイを含む集積回路を備える装置であって、
該集積回路は
基板と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、
該基板を覆う誘電体スタック層と、
該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域と
を備え、
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶し、該誘電体スタック層は該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って連続し、
該イオン注入領域は該誘電体スタック層の該複数の箇所の間に配置されている、装置。
【請求項2】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
接合は100nmより浅い接合深さを有し、該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度に等しい濃度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記誘電体スタック層は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層と、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間の電荷トラップ誘電体層と、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間の阻止誘電体層と
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記誘電体スタック層は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層と、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間の電荷トラップ誘電体層と、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間の阻止誘電体層と
を含み、
該トンネル誘電体層は
15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層と、
30Å以下の厚みの窒化シリコン層と、
35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層と
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
メモリ集積回路を形成する方法であって、
該メモリ集積回路の基板を準備することと、
該基板上に該メモリ集積回路の誘電体スタック層を形成することと、
該誘電体スタック層上に該メモリ集積回路の複数のワード線を形成することと、
該誘電体スタック層を通してイオン注入して該メモリ集積回路の接合を該誘電体スタック層の連続する部分の下で該ワード線間に形成することと
を含み、
該メモリ集積回路は不揮発性データを該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する不揮発性メモリセルのアレイを有し、該複数の箇所は複数のビット線を介してアクセスされる列と該複数のワード線を介してアクセスされる行とをなすように配列され、
該誘電体スタック層の該連続する部分は、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って広がっている、方法。
【請求項10】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記イオン注入は20keV以上の注入エネルギーを有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン注入は1014cm-2未満の注入ドーズ量を有する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記接合は100nmより浅い接合深さを有し、該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度に等しい濃度を有する請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体スタック層形成は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層を形成することと、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間に電荷トラップ誘電体層を形成することと、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間に阻止誘電体層を形成することと
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記誘電体スタック層形成は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層を形成することと、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間に電荷トラップ誘電体層を形成することと、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間に阻止誘電体層を形成することと
を含み、
該トンネル誘電体層形成は
15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層を形成することと、
30Å以下の厚みの窒化シリコン層を形成することと、
35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層を形成することと
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項19】
不揮発性メモリセルのアレイを含む集積回路を備える装置であって、
該集積回路は
基板と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、
該基板を覆う誘電体スタック層手段と、
該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域と
を備え、
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶し、該誘電体スタック層手段は該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って連続し、
該各イオン注入領域は該複数のワード線のうち2つの間に配置されている、装置。
【請求項1】
不揮発性メモリセルのアレイを含む集積回路を備える装置であって、
該集積回路は
基板と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、
該基板を覆う誘電体スタック層と、
該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域と
を備え、
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶し、該誘電体スタック層は該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って連続し、
該イオン注入領域は該誘電体スタック層の該複数の箇所の間に配置されている、装置。
【請求項2】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
接合は100nmより浅い接合深さを有し、該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度に等しい濃度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記誘電体スタック層は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層と、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間の電荷トラップ誘電体層と、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間の阻止誘電体層と
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記誘電体スタック層は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層と、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間の電荷トラップ誘電体層と、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間の阻止誘電体層と
を含み、
該トンネル誘電体層は
15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層と、
30Å以下の厚みの窒化シリコン層と、
35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層と
を含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
メモリ集積回路を形成する方法であって、
該メモリ集積回路の基板を準備することと、
該基板上に該メモリ集積回路の誘電体スタック層を形成することと、
該誘電体スタック層上に該メモリ集積回路の複数のワード線を形成することと、
該誘電体スタック層を通してイオン注入して該メモリ集積回路の接合を該誘電体スタック層の連続する部分の下で該ワード線間に形成することと
を含み、
該メモリ集積回路は不揮発性データを該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶する不揮発性メモリセルのアレイを有し、該複数の箇所は複数のビット線を介してアクセスされる列と該複数のワード線を介してアクセスされる行とをなすように配列され、
該誘電体スタック層の該連続する部分は、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って広がっている、方法。
【請求項10】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該アレイの該不揮発性メモリセルのプログラム状態での閾値電圧の変化は0.3V以下である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、100,000プログラム・消去サイクル以上の耐久性を有し、該アレイの該不揮発性メモリセルの100,000プログラム・消去サイクル後、該不揮発性メモリセルのセルフブースト・ディスターブウィンドウは4V以上である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記イオン注入は20keV以上の注入エネルギーを有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン注入は1014cm-2未満の注入ドーズ量を有する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アレイの前記不揮発性メモリセルは、複数のNAND列を形成するよう配列されている請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電体スタック層の前記連続する部分は前記基板からの水素の外方への拡散を阻止する請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記接合は100nmより浅い接合深さを有し、該接合深さにおいて該接合はバックグラウンド濃度に等しい濃度を有する請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体スタック層形成は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層を形成することと、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間に電荷トラップ誘電体層を形成することと、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間に阻止誘電体層を形成することと
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記誘電体スタック層形成は
前記複数のワード線のうち1つのワード線と前記基板のチャネル表面とのうち一方に接するトンネル誘電体層を形成することと、
該トンネル誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち他方との間に電荷トラップ誘電体層を形成することと、
該電荷トラップ誘電体層と、該複数のワード線のうち該1つのワード線と該チャネル表面とのうち該他方との間に阻止誘電体層を形成することと
を含み、
該トンネル誘電体層形成は
15Å以下の厚みの第1酸化シリコン層を形成することと、
30Å以下の厚みの窒化シリコン層を形成することと、
35Å以下の厚みの第2酸化シリコン層を形成することと
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項19】
不揮発性メモリセルのアレイを含む集積回路を備える装置であって、
該集積回路は
基板と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のワード線と、
該不揮発性メモリセルアレイをアクセスする複数のビット線と、
該基板を覆う誘電体スタック層手段と、
該誘電体スタック層下の該基板内のイオン注入領域と
を備え、
該不揮発性メモリセルアレイは不揮発性データを、該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる、該誘電体スタック層の複数の箇所に記憶し、該誘電体スタック層手段は該複数のワード線と該複数のビット線とを介してアクセスされる該不揮発性メモリセルアレイの該複数の箇所を含む領域に亘って連続し、
該各イオン注入領域は該複数のワード線のうち2つの間に配置されている、装置。
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−222932(P2011−222932A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−156741(P2010−156741)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(599129074)旺宏電子股▲ふん▼有限公司 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156741(P2010−156741)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(599129074)旺宏電子股▲ふん▼有限公司 (27)
【Fターム(参考)】
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