遊技機
【課題】演出専用操作手段(演出ボタン)を備える遊技機において、新たな遊技性を創出する。
【解決手段】遊技上の演出を行う演出装置(演出表示装置)と、演出装置の駆動を制御する演出制御手段(サブ制御部及び演出表示制御部)と、遊技者が遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段(演出ボタン)と、を備える。操作有効期間中に演出専用操作手段が操作されると、演出制御手段が、演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う。演出装置とは別の装置を操作するために演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段(例えば、球貸ボタン)が操作有効期間中に操作されると、演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行する。また、特定操作手段が操作有効期間中に操作されると出現率が低い操作演出等が実行される。
【解決手段】遊技上の演出を行う演出装置(演出表示装置)と、演出装置の駆動を制御する演出制御手段(サブ制御部及び演出表示制御部)と、遊技者が遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段(演出ボタン)と、を備える。操作有効期間中に演出専用操作手段が操作されると、演出制御手段が、演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う。演出装置とは別の装置を操作するために演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段(例えば、球貸ボタン)が操作有効期間中に操作されると、演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行する。また、特定操作手段が操作有効期間中に操作されると出現率が低い操作演出等が実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機や、スロットマシン(若しくはパチスロ)と称される回胴式遊技機に対して適用することができる
【背景技術】
【0002】
例えば、弾球式の遊技機(パチンコ機)は、通常、始動入賞装置(始動入賞口)と、可変表示装置と、大入賞装置とを備えている。この遊技機においては、遊技球が始動入賞装置に入賞することに起因して、大当りを発生させるか否かの抽選(つまり、当否抽選)を行う。そして、可変表示装置において、特別図柄を用いた演出表示(図柄変動演出表示)を所定時間に渡って行った後、当否抽選の結果を示す停止図柄(判定結果図柄)が停止表示される。
【0003】
当否抽選の結果が「大当り」である旨の判定結果図柄(大当り図柄)が可変表示装置に停止表示されると、遊技機は大当り遊技を開始し、大入賞装置を構成する開閉部材の開放動作を行って、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させる。これにより、大入賞装置を構成する大入賞口への遊技球の入賞が可能、若しくは、容易となるとともに、「大当り演出(大当り遊技中であることや、ラウンド数等を示す演出)」が可変表示装置において実行される。この後、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開閉部材の閉鎖動作を行い、大入賞装置を閉鎖状態とし、開閉部材に施される「1回の単位駆動」を完了する。この「開閉部材の単位駆動」が、所定の回数(所謂、「ラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機は大当り遊技を終了するとともに、「大当り演出」も終了する。
【0004】
かかる遊技機の中には、「演出表示(図柄変動表示)や大当り演出表示などの各種演出に変化を与えるための演出専用操作手段(演出スイッチ)」を備えるものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−27972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この種の遊技機においては、「演出専用操作手段を用いた演出形態」がマンネリ化しつつあるという、問題を有している。蓋し、この種の遊技機では、その機種を問わず、「演出専用操作手段が所定の有効期間に操作されることを条件に、この操作を反映した演出を可変表示装置で実行する」という、ありふれた遊技を実現するに過ぎないからである。従って、演出専用操作手段を備える遊技機において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することが切望されている。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、演出専用操作手段を備える遊技機において、新たな遊技性を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の遊技機は、
遊技上の演出を行う演出装置と、
前記演出装置の駆動を制御する演出制御手段と、
遊技者が前記遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段と、
を備え、
操作有効期間中に前記演出専用操作手段が操作されると、前記演出制御手段が、前記演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う遊技機であって、
前記演出装置とは別の装置を操作するために前記演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段が、前記操作有効期間中に操作されると、前記演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明の遊技機では、操作有効期間中に特定操作手段が操作されると、演出制御手段が特別態様の操作演出制御を実行する。すなわち、請求項1の発明の遊技機によると、「遊技者が操作有効期間中に演出専用操作手段以外の操作手段(特定操作手段)を操作することで、特別態様の操作演出が実行される」といった新たな遊技性を創出できる。従って、請求項1の発明によると、演出専用操作手段を備える遊技機において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。つまり、「演出専用操作手段とは別の操作手段に施す操作が操作演出に影響を与えるということ」は遊技者にとって意外性があり、遊技者は新鮮な驚きをもって遊技機に接することとなる。従って、請求項1の発明の遊技機によると、遊技者の興趣を高めることができる。
【0010】
各請求項の発明の「特別態様の操作演出制御」としては、(a)操作有効期間中に演出専用操作手段が操作された場合の操作演出に比べて、希少性の高い操作演出(プレミアムな操作演出)を実行するような演出制御(請求項2の発明を参照)、(b)演出専用操作手段を予め定められた操作条件に従って操作する必要がある状況下で、演出専用操作手段の操作条件を当初に比べて緩和させるような演出制御(請求項3の発明を参照)等を例示できる。
【0011】
「演出装置とは別の装置」は、遊技機を構成する装置(例えば、払出装置、発射装置等)であってもよいし、遊技機に隣接配置される他の装置(例えば、プリペイドカードユニット)であってもよい。ここで、プリペイドカードユニット(カード処理ユニットと称することもあり、以下、「CRユニット」という。)は、遊技機に隣接する状態に配設される装置である。そして、このCRユニットの紙幣挿入口1に規定額の紙幣(規定額の硬貨の場合もある。)が挿入された状態、若しくは、CRユニットのカード出入口に、必要な度数残高情報が記憶された記録媒体(例えば、プリペイドカード)が挿入された状態で、遊技機に設けられた貸出操作手段(貸出ボタン)が操作されると、払出装置が駆動して所定数の遊技媒体(遊技球若しくはコイン)が貸し出される(払い出される)。一方、遊技機に設けられた排出操作手段(返却ボタンが操作されると、CRユニットの排出機構が駆動して、記録媒体(プリペイドカード)が、カード出入口から排出される。
【0012】
各請求項の発明の「演出装置」としては、遊技上の演出表示を行う可変表示装置(液晶表示装置等)と、遊技上の演出音を発音する発音装置(スピーカ)と、遊技上の電飾を行う電飾装置(ランプ装置)と、遊技上の演出動作を行う可動物、遊技機の振動を加える振動装置とのうちの何れか1つ、若しくは、2つ以上を例示できる。また、演出専用操作手段及び特定操作手段としては、「遊技者が押下して操作する押下型の操作手段(演出ボタン)」の他に、遊技者が手を触れて操作する接触型の操作手段(接触型のセンサ、所謂タッチセンサ)や、遊技者が手をかざして操作する被接触型の操作手段(被接触型のセンサ)等を例示できる。また、各請求項の発明において「遊技上の演出に関与する」とは、「演出装置において実行される演出に変化を与えること」を指し、「操作演出」とは「操作手段の操作に伴って変化が与えられた演出」を指す。
【0013】
請求項2の発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、
前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現率が低い操作演出、若しくは、前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現しない操作演出が実行されることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明のより具体的な態様を例示するものである。つまり、請求項2の発明の遊技機では、「演出専用操作手段の操作が有効とされる操作有効期間」中に特定操作手段が操作されると、遊技者にとって希少性の高い操作演出(プレミアム演出等の有益な操作演出)が実行されるといった、新たなゲーム性を創出できる。
【0015】
請求項3の発明の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記操作演出制御の実行に際して前記演出専用操作手段に施される操作が、予め定められた操作条件を満たしているか否かを判断する操作判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作判定手段が前記操作条件を満たしていると判断することを条件に、前記操作演出を特定演出内容で実行するとともに、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、前記操作条件が緩和されることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は以下の観点に鑑みなされたものである。つまり、演出専用操作手段を有する遊技機では、演出専用操作手段の操作条件(有効期間内に一回操作する旨の条件や、有効期間内に所定回数操作する旨の条件)を予め定めるとともに、この操作条件に反する操作が演出専用操作手段に施されると、遊技者にペナルティを与えることが有効である。蓋し、操作条件に反する操作が演出専用操作手段に頻繁に施されると(例えば、演出専用操作手段を徒に連打する行為が頻繁に行われると)、演出専用操作手段に故障を生ずる頻度が高くなったり、周りの他の遊技者に不快感を与えたりする可能性があるからである。
【0017】
そして、請求項3の発明においても、(a)演出専用操作手段の操作条件を定めることと、(b)この操作条件に反する操作が行われると「特定演出内容の操作演出」を発生させないこと(遊技者にペナルティを加えること)と、を前提としつつも、特定操作手段が操作有効期間中に操作されると、操作条件を緩和することとしている。すなわち、請求項3の発明では、「本来、演出専用操作手段を操作すべき期間(操作有効期間)中に、遊技者が特定操作手段を操作すると、操作条件を変更(緩和)する」という内容の遊技(従来にない遊技者参加型の遊技)を実現できる。しかも、操作有効期間中に特定操作手段が操作されることを条件に、「演出専用操作手段に対して、本来の操作条件に反する操作を施す遊技者」を救済することができる。
【0018】
請求項3の発明の「操作条件」としては、(a)「演出専用操作手段に施される操作回数」によって設定される条件、(b)「演出専用操作手段に施される操作に起因して演出態様が変更される回数」によって設定される条件、(c)「遊技者が演出専用操作手段に負荷する衝撃力(圧力)によって設定される条件」、等を例示できる。尚、(c)に示す操作条件の場合、例えば、遊技者が演出専用操作手段に対して必要以上の衝撃力を加えた場合(必要以上に強い衝撃を加えた場合)、操作判定手段が操作条件を満たしていないと判断することとできる。
【0019】
請求項3の発明において、操作条件を満たしていると判断されることを条件に発生する「特定演出内容の操作演出」としては「正当な操作演出」を例示でき、操作条件を満たしていないと判断されることを条件に発生する「特定演出内容以外の内容の操作演出」としては「不当な操作演出(ペナルティ的な演出)」を例示できる。この場合、遊技者が操作条件を満たさない場合には、遊技者が望まない演出(ペナルティ的な演出)が発生するといった、従来にない遊技性を実現することもできる。そして、この「正当な操作演出」と「不当な操作演出」の組み合わせとして以下のものを例示できる。
【0020】
例えば、操作演出のタイプとして、「信頼度の高い演出」と「信頼度の低い演出」とが予定される場合において、「正当な操作演出」としては「信頼度の高い演出」が実行され、「不当な操作演出」としては「正当な操作演出として実行される演出」よりも低信頼度の演出が実行される態様(以下、「第1の態様」という。)を例示することができる。また、操作演出のタイプとして、「信頼度の高い演出」と「信頼度の低い演出」とが予定され、操作演出が行われる際に実行する演出のタイプが選択(遊技状態や乱数抽選等によって選択)されるとする。この場合において、「正当な操作演出」としては「選択された操作演出」がそのまま実行され、「不当な操作演出」としては選択されたタイプにかかわらず、低信頼度演出タイプの操作演出が実行される態様(以下、「第2の態様」という。)を例示することができる。ここで、当否抽選の結果を報知する際にその前提として行われる演出のうちで、「その後、当否抽選の結果が大当りである旨の大当り報知が行われる場合に実行される確率が高い演出」を「信頼度の高い演出」と称し、「その後、当否抽選の結果が大当りである旨の大当り報知が行われる場合に実行される確率が低い演出」を「信頼度の低い演出」と称する。
【0021】
尚、「第1の態様」及び「第2の態様」において、可変表示装置が演出装置を構成する場合、例えば、リーチ表示の有無、可変表示装置に表示されるキャラクタ図柄や背景図柄の数、種類等によって「信頼度」の差異を表現することができる。また、発音装置(スピーカ)が演出装置を構成する場合、効果音の態様(曲目、大きさ、種類、テンポ、音色等)によって「信頼度」の差異を表現することができ、電飾装置(ランプ装置)が演出装置を構成する場合、電飾の態様(色、明るさ等)によって「信頼度」の差異を表現することができる。尚、請求項3の発明においては、「操作条件」を満たしていると判断される毎に、可変表示装置の表示態様、発音装置の発音態様及び電飾装置の電飾態様のうちの2個以上において、正当な操作演出を発生させ、満たさないと判断される毎に、可変表示装置の表示態様、発音装置の発音態様及び電飾装置の電飾態様のうちの2個以上において、不当な操作演出を発生させてもよい。
【0022】
可変表示装置が演出装置を構成する場合の他の具体例を述べる。例えば、可変表示装置において、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、付加図柄の種類及び数のうちの少なくとも一方を減す態様(以下、「第3の態様」という。)を例示できる。この「第3の態様」にて「不当な操作演出」においては、付加図柄の表示を排除する態様としてもよい。
【0023】
また、可変表示装置において、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、付加図柄のサイズを小さくする態様(以下、「第4の態様」という。)や、付加図柄のサイズを小さくするとともに、付加図柄の種類及び数のうちの少なくとも一方を減す態様(以下、「第5の態様」という。)を例示できる。或いは、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を一旦停止したり、中止する態様(以下、「第6の態様」という。)を例示することができる。
【0024】
発音装置(スピーカ)が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、効果音を小さくしたり(効果音を消す場合も含む。)、テンポを遅くしたり、音色を低下させる態様を例示できる(以下、「第7の態様」という。)。また、電飾装置(ランプ装置)が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、電飾の明るさを暗くする(消す)こと、及び、電飾を構成する色数を減少させることの少なくとも一方を行う態様を例示できる(以下、「第8の態様」という。)。更に、可動物が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、演出動作の動作速度を遅くする(動作を止めてもよい。)態様を例示できる(以下、「第9の態様」という。)。また、振動装置が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、振動の強さを弱くする(振動を止めてもよい。)態様を例示できる(以下、「第10の態様」という。)。尚、請求項3の発明の遊技機は、第1の態様から第10の態様のうちの2態様以上を実行するものであってもよい。
【0025】
請求項4の発明の遊技機は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
始動口への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選手段が、前記当否抽選の結果が当選である旨の抽選結果を導出すると、前記大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記演出装置を構成し、前記当否抽選の結果を示す判定結果図柄が変動表示を経て停止表示されるとともに、前記大当り遊技実行手段の作動時に大当り演出表示を行う演出表示装置と、
を備え、
前記図柄変動表示中及び大当り演出表示中のうちの少なくとも一方において、一律に若しくは所定の条件の下、前記操作有効期間が設けられることを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明は「操作演出」の実行期間(操作有効期間)を例示するものである。そして、請求項4の発明によると、図柄変動表示中や大当り演出表示中において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。
【0027】
請求項5の発明の遊技機は、請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
有価価値情報が記録された記録媒体を受け入れて該有価価値情報の読み取り及び書き換えを行うカード処理ユニットと電気的に接続され、
遊技領域に遊技媒体を発射する発射装置と、
前記発射装置を駆動するための発射ハンドルと、
前記発射装置による遊技媒体の発射を停止させるための停止操作手段と、
前記払出装置に遊技媒体の払い出しを実行させるための貸出操作が施される貸出操作手段と、
前記カード処理ユニットに受け入れられた記録媒体を、前記カード処理ユニットから排出するための排出操作が施される排出操作手段と、
を備えるとともに、
前記停止操作手段と、前記貸出操作手段と、前記排出操作手段とのうちの少なくとも何れかが、前記特定操作手段を構成することを特徴とする。
【0028】
請求項5の発明は、特定操作手段の具体例を示すものである。つまり、停止操作手段、貸出操作手段若しくは排出操作手段に施す操作が、操作演出に影響を与えることは、遊技者にとって意外性があり、遊技者は新鮮な驚きをもって遊技機に接することとなる。従って、請求項5の発明の遊技機によると、遊技者の興趣を高めることができる。
【0029】
ここで、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
【発明の効果】
【0030】
以上記述したように各請求項の発明によると、演出専用操作手段を備える遊技機において、新たな遊技性を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機(遊技機システム)を示す正面図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機において本体枠等を説明するための概略的な説明図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技盤を示す正面図である。
【図5】(a)は左下表示装置の概略的な正面図であり、(b)は右下表示装置の概略的な正面図である。
【図6】本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の各実施例(実施例4を除く)に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図12】本発明の各実施例に係るCRユニットを示すブロック図である。
【図13】(a)は本発明の各実施例において特別図柄表示部を示す概略的な正面図であり、(b)は本発明の各実施例において演出表示装置の表示画面を示す概略的な正面図である。
【図14】(a)〜(f)は、本発明の実施例に係る遊技機において本図柄の停止図柄と疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施例1に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図17】本発明の実施例1に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図18】(a)及び(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。
【図19】各実施例に係る遊技機において貸出処理の概略を説明するための説明図である。
【図20】各実施例に係る遊技機において貸出処理の概略を説明するためのタイムチャートである。
【図21】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技制御処理を示すフロー図である。
【図22】本発明の各実施例に係る遊技機において払出制御処理を示すフロー図である。
【図23】本発明の実施例に係る遊技機において球貸制御処理を示すフロー図である。
【図24】特別図柄遊技開始判断処理を示すフロー図である。
【図25】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図26】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図27】特図関連処理を示すフロー図である。
【図28】当否抽選処理を示すフロー図である。
【図29】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図30】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図31】大当り遊技処理を示すフロー図である。
【図32】大当り遊技終了処理を示すフロー図である。
【図33】本発明の各実施例(実施例3を除く)に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するためのフロー図である。
【図34】本発明の実施例1に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図35】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図36】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図37】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図38】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図39】本発明の実施例2に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図40】本発明の実施例2に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図41】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図42】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図43】(a)及び(b)は、本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図44】(a)及び(b)は、本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図45】(a)は本発明の実施例3に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するためのフロー図であり、(b)は本発明の実施例3に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するための説明図である。
【図46】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出処理を説明するためのフロー図である。
【図47】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出処理を説明するためのフロー図である。
【図48】本発明の実施例3に係る遊技機において昇格演出処理を説明するためのフロー図である。
【図49】本発明の実施例4に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図50】本発明の実施例4に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図51】(a)〜(f)は、変形例に係る遊技機において本図柄の停止図柄と疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【実施例1】
【0033】
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図5を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、本遊技機1は、「カード式の弾球遊技機」と称される所謂「CR機」であり、その左端側に配設されたCRユニット80とともに遊技機システムSを構成している。
【0034】
外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
【0035】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図6を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
【0036】
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
【0037】
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図6参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。
【0038】
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
【0039】
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図9参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
【0040】
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図7及び図8参照)及び演出ボタン基板228(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸パネル5p」と「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。ここで、「演出ボタンSW」は演出専用操作手段の具体例を構成する。
【0041】
図1に示すように、球貸パネル5pには、貸出ボタン5cと、返却ボタン5qとが配設されるとともに、残高表示部5rが設けられている。ここで、「貸出ボタン5c」は貸出操作部の具体例を構成する。また、図6に示すように、「払出装置」の具体例を構成する遊技球払出装置109は、後述するように、裏パック102に配設されている。尚、払出モータ109m(図7及び図8を参照)は遊技球払出装置109の駆動源を構成している。また、貸出ボタン5cは貸出操作手段及び特定操作手段の具体例を構成する。
【0042】
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
【0043】
発射ハンドル9は、その後方の発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。そして、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する打撃槌と、打撃槌の回転を規制するストッパと、打撃槌に打撃力を付与するバネ部材と、回転軸に一体回転可能な状態に装着されたカムを介して打撃槌に連続的に打撃力を発生させる発射モータ(ステッピングモータであって、図11の発射モータ8mを参照)と、を備える。なお、発射装置ユニットは発射装置の具体例を構成する。
【0044】
この発射装置ユニットでは、遊技者が発射ハンドル9の回転量を調整することで、バネ部材から打撃槌に加わる付勢力が変化し、打撃槌が遊技球に加える打撃力が変化する構成(回転操作量を多くすると、バネ部材から打撃槌に加わる付勢力が増大し、打撃槌が遊技球に加える打撃力が増大する構成)とされている。また、発射装置ユニットには発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。
【0045】
発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を出力し、遊技者が発射ハンドル8に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を出力する。また、発射停止スイッチ8bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を出力する。なお、発射停止スイッチ9bは「停止操作手段」の具体例を構成する。
【0046】
本遊技機1では、遊技者が発射ハンドル9に触れており(タッチスイッチ9aが接触検知信号を出力しており)、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作していない(発射停止スイッチ9bが発射非停止信号を出力している)とともに、発射ハンドル9が必要量回転操作されると、遊技領域11に遊技球が発射される。一方、遊技者が発射ハンドル9に触れていない(タッチスイッチ9aが接触非検知信号を出力している)か、或いは、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作している場合(発射停止スイッチ9bが発射停止信号を出力している場合)、遊技領域11に遊技球が発射されることはない。
【0047】
CRユニット(カード処理ユニット)80は、図2に示すように、遊技機1の左端側に配設されつつ、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に設置されている。また、CRユニット80は、図7及び図8に示すように、遊技機1に電気的に接続され、この遊技機1と送受信可能な状態とされている。このCRユニット80は、上下方向に長尺に構成され、紙幣挿入口81と、カード出入口84とを前面側に開口させている。ここで、紙幣挿入口81への紙幣の挿入と、カード出入口84へのカード(但し、度数残高情報が記憶されたカード)の挿入と、のうちの少なくも何れかが行われると、CRユニット80に挿入(投入)された価値残高(有価残高)が残高表示部5r(図1を参照)に表示される。この際、残高表示部5rには、価値残高(有価残高)が最大3桁の算用数字で表示される。
【0048】
残高表示部5rに必要な残高が表示されている場合に「貸出ボタン5c」を押すと、1回の操作(つまり、貸出操作)で有効な度数(例えば、5度)分の個数(例えば、125個であって、1度分の基準個数の5倍である。)の遊技球が貸し出される。そして、1度分の基準個数の遊技球の貸出が完了する毎に、CRユニット80(度数残高情報が記憶されたカード)に記憶されている度数残高が貸出個数に応じて書き換えられ(1度減算した度数残高に書き換えられ)、その度数残高が残高表示部5rに表示される。
【0049】
ここで、CRユニット80は、図12に示すように、制御手段80Aと、記憶手段80Bと、カードリーダ80Cと、カード収納部80Dと、カード搬送繰出機構部80Eと、通信制御部80Fとを備える。このうち、通信制御部80Fは、CRユニット80と他の機器(本遊技機1、島コンピュタ等)との間の間で通信の制御を行うための処理部である。また、制御手段80AはCRユニット30の全体の制御を司り、記憶手段80Bは制御手段80Aによる各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納している。また、カードリーダ80Cは、カード出入口84に挿入されたプリペイドカードに記録された情報を読み込み、この読み込んだ情報を制御手段80Aに出力する。
【0050】
カード収納部80Dは、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部である。そして、遊技者がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、予め複数のプリペイドカードを収納している。例えば、遊技者が、紙幣挿入口81に紙幣を挿入すると、一枚がカードリーダ80Cの位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。また、カード搬送繰出機構部80Eは、プリペイドカードの搬送や繰出を行う機構部である。つまり、(i)カード出入口84から挿入されたプリペイドカードをカードリーダ80Cに搬送すること、(ii)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード収納部80Dに搬送すること、(iii)カード収納部80Dに収納されたプリペイドカード(残度数が価値付けられていないプリペイドカード)をカードリーダ80Cに繰り出すこと、(iV)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード出入口84に繰り出すること、を行う装置である。
【0051】
このCRユニット80では、度数残高が残高表示部5rに表示された状態で、返却ボタン5qを押すと、カード出入口84からカード(度数残高情報が記憶されたカード)が排出される。つまり、このCRユニット80は、プリペイドカードの残度数が「0」でない場合、返却ボタン5qの押下操作に基づく返却要求を受け付ける。そして、この返却要求を受け付けると、制御手段80Aはカード搬送繰出機構部80Eに対してプリペイドカードの返却指示を行う。これにより、この返却指示に係るプリペイドカードは、カード出入口84から排出される。尚、本遊技機システムSでは、度数残高が「ゼロ」の場合、カードは排出されないが、排出されるものとしてもよい。なお、返却ボタン5qは「排出操作手段」の具体例を構成する。
【0052】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。
【0053】
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
【0054】
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
【0055】
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を構成している。この取付部材(化粧板)21には窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって正面視で略矩形状の表示窓21eを構成している。
【0056】
取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
【0057】
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
【0058】
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
【0059】
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動演出表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための表示装置を構成し、演出表示装置27が疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示する。なお、演出表示装置27は演出装置の具体例を構成する。
【0060】
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図13(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出表示」が実現される。
【0061】
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図7参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
【0062】
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
【0063】
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物を備えている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図7参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0064】
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図7参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される。
【0065】
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図7参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図7参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
【0066】
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図5(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
【0067】
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
【0068】
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
【0069】
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
【0070】
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定(大当り抽選)の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確変手段(当否抽選において、大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常に比べ短い時間に設定する手段)と、開放延長手段(普通電動役物の開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、時短手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、時短手段および開放延長手段が作動を停止する。
【0071】
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図5(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
【0072】
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図11(a)に示すように、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否抽選(当否判定)に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
【0073】
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
【0074】
図5(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図5(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図7参照)が配設されている。
【0075】
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
【0076】
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図6を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
【0077】
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
【0078】
また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図6において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
【0079】
(2)制御回路の構成
次に、図7〜図11を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
【0080】
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
【0081】
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図7〜図11中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図7においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
【0082】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
【0083】
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否抽選手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
【0084】
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。
【0085】
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図9に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
【0086】
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
【0087】
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
【0088】
図10に示すように、演出ボタンSWは演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に接続されているため、この演出ボタンSWから出力される信号は演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に入力される。尚、図10では、「演出ボタンSWが閉状態(ON状態)とされることで、サブ制御基板220に入力されるON信号」が「Lレベル(ローレベル)」とされ、「演出ボタンSWが開状態(OFF状態)とされることで、サブ制御基板220に入力されるOFF信号」が「Hレベル(ハイレベル)」とされる態様を例示している。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)と、演出表示制御部222A(演出制御基板222)とが協働して、演出制御手段として機能する。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、操作判定手段として機能する。
【0089】
払出制御部240Aには、図7及び図8に示すように、中継端子板240B、240C(但し、図8では中継端子板240Bの図示を省略)、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板240Bを介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、中継端子板240Cを介してCRユニット80が双方向通信可能な状態に接続されるとともに、この中継端子板240C及び球貸表示基板410を介して、貸出ボタン5cと返却ボタン5qとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
【0090】
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板240Cを介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
【0091】
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
【0092】
図11に示すように、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240には、発射制御部260Aを構成する発射制御基板260が接続され、発射制御基板260には発射駆動基板262を介して、発射モータ8mと、タッチスイッチ9aと、発射停止スイッチ9b等が接続されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が発射ハンドル8に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。また、発射停止スイッチ8bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。
【0093】
発射制御部260Aは、タッチスイッチ9aが接触検知信号(オン信号)を出力し、発射停止スイッチ9bが発射非停止信号(オン信号)を出力しているとともに、発射ハンドル9が回転操作されると、発射モータ8mを駆動する。これにより、遊技者が発射ハンドル9に加えた回転量に応じて、打撃力が打撃槌から遊技球(発射位置の遊技球)に加えられる。そして、この打撃力が十分である場合、打撃槌で打撃された遊技球は遊技領域11に到達する。一方、発射ハンドル9が回転操作された状態であっても、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作すると(発射停止スイッチ9bが発射停止信号(オフ信号)を出力すると)、発射制御部260Aは発射モータ8mの駆動を停止させる。
【0094】
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROMに格納されているデータを使用する。
【0095】
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
【0096】
(3)特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
【0097】
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
【0098】
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60においては、特別図柄の変動開始条件(当否抽選の実行条件)が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示の態様には、以下の態様がある。
【0099】
i)大当り
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図14(c)の中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。また、この大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個又は3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、大当りの発生契機となる「大当り図柄」と称するが、この大当りを生ずると、遊技機の遊技状態は、特別遊技状態(大当り状態)となり、特別遊技(大当り遊技)が実行される。
【0100】
特別遊技状態となると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、特別遊技が開始される。この特別遊技(大当り遊技)は大量の賞球払い出しを予定できる大当りを示しており、この特別遊技を開始すると、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ16回繰り返される。このとき、大入賞装置31の開閉動作を行う際の前記「所定時間」は、例えば「25秒間」とされる。
【0101】
本遊技機1では、2種類の「大当り」を予定している。つまり、図14(b)中欄に示す「大当り」では、当該「大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、開放延長手段及び時短手段は作動する(100回の図柄変動を行うまでであり、図32のS721、S722を参照)。以下、この図14(b)中欄に示す「大当り」を、「通常大当り」と称することがある。また、図14(c)中欄に示す「大当り」では、当該「大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段、開放延長手段及び時短手段が作動する(図32のS724、S728、S730を参照)。以下、この図14(c)中欄に示す「大当り」を、「確変大当り」と称することがある。
【0102】
ii)外れ
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。
【0103】
iii)疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
【0104】
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、図13(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ図柄を表示したりすることができる。
【0105】
疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される確定図柄には、図14(a)〜(c)の右欄に示す態様がある。即ち、図14(a)右欄の「外れを示す停止図柄」と、図14(b)及び(c)の各右欄に示す「大当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される(3桁同一数字)。但し、この「大当り」が「通常大当り」である場合には偶数数字が揃えられ(例えば、「222」)、「確変大当り」である場合には奇数の数字が揃えられる(例えば、「777」)。
【0106】
(4)図柄変動演出表示の概要
図柄変動演出表示を、「操作有効期間を設けずに完了する場合(以下、一般演出という。)」と、「操作有効期間を演出表示途中に設けて行う場合(以下、操作関連演出という。)」とがある。また、操作関連演出の中には、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSW若しくは貸出ボタン5cを操作することで実行される操作演出と、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSW及び貸出ボタン5cを操作することなく実行される放置型の演出とがある。以下、一般演出の概要を述べた後、操作関連演出の特徴的な部分について説明する。
【0107】
a.一般演出の場合
始動入賞を生じ、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、図5(b)に示した右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。そして、所定時間が経過した後、特別図柄表示部62a〜62gにおいて本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。
【0108】
尚、図15(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図15(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると、大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。
【0109】
図15(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、当否抽選の結果が当選(大当り)である」旨の停止表示(確定表示、大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動演出表示(変動表示)途中に「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
【0110】
b.操作関連演出の場合
次に、図16及び図17を用いて、操作演出の特徴的な部分等について説明する。この操作演出には、操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されることで実行される操作演出(以下、「操作対応通常演出」という。)と、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「操作対応特別演出」という。)とがある。以下、これらの操作演出の概要を説明する。
【0111】
操作演出を伴う図柄変動演出表示においても、図16に示すように、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する(b1)。そして、所定時間が経過すると、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(b2)。この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(b3)、「操作有効期間」が開始される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dを小型化して表示画面27aの周縁部側で特別図柄(疑似図柄)の変動表示を行うとともに、表示画面27aの何れかの部位に「演出ボタンSWを示す図形」が表示される(b3)。
【0112】
この操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されると(図中の符号Pは、演出ボタンSWが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(b4)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまでの間、表示画面27aにおいて、操作対応通常演出を実行する(b5〜b8)。具体的には、登場するキャラクタ図柄(タコのキャラクタ図柄)のサイズを徐々に変更する演出が実行される。その際、小型化された疑似図柄表示部27b〜27dにおいて特別図柄(疑似図柄)の変動表示が継続される(b5〜b8)。そして、図柄変動演出表示の変動時間を経過すると、疑似図柄表示部27b〜27dが変動開始時のサイズに戻された後、図柄変動演出表示を完結して、当否抽選の結果を示す停止図柄が停止表示される(b9)。
【0113】
一方、操作有効期間中に、演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cが操作された場合も、図17に示すように、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(c4)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)。そして、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまでの間、表示画面27aにおいて、操作対応特別演出を実行する(c5〜c8)。
【0114】
具体的には、表示画面27aに複数のキャラクタ図柄が登場させ、所謂「バトル演出」が実行される(c5〜c8)。つまり、表示画面27aに「タコのキャラクタ」と「イカのキャラクタ」とを登場させる(c5)。そして、「タコのキャラクタとイカのキャラクタとの押しつ押されつの攻防」を行った後(c6,c7)、一方のキャラクタが勝利したことを示す画像が表示され(c8)、バトル演出を終了する。この後、図柄変動演出表示の変動時間が経過すると、疑似図柄表示部27b〜27dが変動開始時のサイズに戻された後、図柄変動演出表示を完結して、当否抽選の結果を示す停止図柄が停止表示される(c9)。
【0115】
なお、図示を省略するが、演出ボタンSW及び貸出ボタン5cが操作有効期間中に操作されない場合、操作有効期間の経過を待って「演出ボタンSWを示す図形」が消去される。この場合、操作演出が実行されることはない。つまり、遊技者が関与しない演出(つまり、放置型の演出)が、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまで行われる。なお、本明細書においては、操作有効期間に実行される演出を総称して「ボタン操作演出」と称することがある。つまり、「操作対応通常演出」と、「操作対応特別演出」と、「放置型演出」とを合わせて、「ボタン操作演出(図35等を参照)」と称することがある。
【0116】
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図18(a)の模式図を用いて説明する。
【0117】
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
【0118】
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図18(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドともいい、以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)、(C)貸出操作に基づく遊技球の払い出し(貸球の払い出し)が開始されたことを示す球貸コマンド(CQR)等がある。尚、演出パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
【0119】
(6)遊技球の貸出処理の概要
次に、図19及び図20を参照しつつ遊技球の貸出処理の概要を説明する。まず、遊技機1の電源が投入されると、払出制御部240AはCRユニット80に「PRDY信号(遊技機動作信号)」を出力し(ステップ2a)、CRユニット80はこれを受信する(ステップ3a)。尚、以下の説明においては、処理ステップを単に「S」と表示(例えば、「S2a」と表示)する。また、CRユニット80は、払出制御部240Aに電源信号(VL信号)を出力するが、払出制御部240Aでは、このVL信号の入力状態に基づいてCRユニット80の接続或いは未接続を判定する。また、払出制御部240Aが、「遊技球払出装置(払出装置)109による遊技球の貸出しが可能な場合」には、CRユニット80に対してPRDY信号を出力した状態を維持する。
【0120】
CRユニット80の紙幣挿入口81へ規定額の紙幣(規定額の硬貨の場合もある。)が挿入されるか、必要な度数残高情報が記憶されたカード(プリペイドカード)がカード出入口84に挿入されるとともに、貸出ボタン5cが操作されると、貸出操作信号(貸出ボタン5cが操作されたことを示す信号)が球貸表示基板410、中継端子板240Cを介してCRユニット80に出力される(図8を参照)。そして、CRユニット80が、この貸出操作信号を受信すると(S3b;YES)、CRユニット80は払出制御部240Aに対してCRユニットREDY信号(カードユニットREDY信号であって、以下「BRDY信号」と表記する。)の「オン情報」を送信し(S3c、S2b)、続いて、貸出要求信号(台端末貸出要求完了確認信号であって、以下「BRQ信号」と表記する。)の「オン情報」を送信する(S3d)。ここで、CRユニットREDY信号(BRDY信号)は、CRユニット80が貸出処理中であることを伝達する信号であり、貸出要求信号(BRQ信号)はCRユニット80が基本単位分(25個)の遊技球の貸出を要求する信号である。
【0121】
払出制御部240Aは貸出要求信号(BRQ信号)の「オン情報」を受信すると(S2c)、所定の監視時間(RRQ要望了解ACK監視時間であって、例えば、100msで、図20中符号Bで示す時間)を持って、貸出完了信号(台端末貸出完了信号であって、以下「EXS信号」と表記する。)を立ち上げて(EXS信号をオンにして)、CRユニット80に送信する(S2d)。また、CRユニット80は貸出完了信号(EXS信号)の「オン情報」を受信すると(S3e)、所定の監視時間(貸出指示監視時間であって、例えば、251ms未満で、図19中符号Cで示す時間)を持って、貸出要求信号(BRQ信号)の出力状態を停止させる(S3f、BRQ信号をオンからオフに切換える)。そして、払出制御部240Aが貸出要求信号(BRQ信号)の停止を検出(つまり、BRQ信号のオフ情報を受信)すると(S2e)、払出モータ109mを駆動して単位個数(基本単位分;25個)の遊技球の貸出を行う(S2f)。また、この単位個数の遊技球の貸出を完了すると、払出制御部240Aから主制御部200Aへ貸出情報(基本単位分の遊技球の払い出しが行われたことを示す信号)が送信される(S2g、S1a)。
【0122】
主制御部200Aは、この貸出情報を受信すると(S1a)、その貸出情報が、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出処理において、第1回目に受信した貸出情報」であるか否かを判断し(S1b)、第1回目に受信した貸出情報である場合、球貸コマンド(CQR)をサブ制御部220A(サブ制御基板220)に送信する処理を行う。つまり、本実施例では遊技球の貸出単価が、遊技球1個あたり「4円」に設定されるとともに、「貸出ボタン5cに施した1回の貸出操作に伴う貸出処理」において「500円」分の遊技球(125個の遊技球)を払い出すことを予定しているため、当該「1回の貸出操作に伴う貸出処理」においては、払出モータ109mが5回駆動することになる。このため、当該「1回の貸出操作に伴う貸出処理」が行われると、主制御部200Aは貸出情報を5回受信することになるが、本実施例では、第1回目に受信した貸出情報に基づいて球貸コマンド(CQR)を送信することとしている。但し、本実施例とは異なり、主制御部200Aが貸出情報を受信する毎に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって「所定コマンド」を送信することとするとともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)の側で最初に受信した「所定コマンド」を根拠に、「払い出しの開始」を検出することとしてもよい(最初に受信した所定コマンドを、球貸コマンドとして取り扱うこととしてもよい。)。
【0123】
払出制御部240Aが、単位個数の遊技球の貸出しを完了すると、貸出完了信号(EXS信号)の出力状態を停止するが(EXS信号をオンからオフに切換えるが)、CRユニット80が、このEXS信号の出力状態停止を検知(S3g)、つまり、EXS信号のOFF情報を受信すると(S3g)、その受信回数を所定の計数カウンタを用いて計数する(S3h)するとともに、CRユニット80(度数残高情報が記憶されたカード)に記憶されている度数残高が書換えられる。このとき、度数LED信号が、CRユニット80から球貸表示基板410に送信され(S3i)、残高表示部5r(図2及び図8を参照)には価値残高(有価残高)が表示される。すなわち、遊技球払出装置(払出装置)109が1回駆動する毎に(25球の遊技球が払い出される毎に)、残高表示部5rの表示が更新される。
【0124】
更に、連続して貸出があれば、以上の処理を所定回繰返して行う。ここで、CRユニット80においては、予め遊技場の管理者によって「遊技球の貸出単価」と「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う遊技球払出装置109(払出モータ109m)の駆動回数」とが設定されている。そして、「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う遊技球払出装置109(払出モータ109m)の駆動回数」は「EXS信号のOFF情報」の受信回数に他ならない。このため、CRユニット80は「S3gの処理」で計数した受信回数を下に、「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う払い出し」を完了したか否かを判断し(S3j)、終了していなければ、「S3jの処理」において肯定的な判断を得るまで「S3dからの処理」を繰り返す。そして、「S3jの処理」において肯定的な判断を得ると(S3h;YES)、CRユニット80はBRDY信号の出力を停止し、払出制御部240AにBRDY信号のOFF情報を出力して(S3k)、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出(貸出処理)」を終了する。これに伴って、払出制御部240AがBRDY信号のOFF情報を受信すると(S2i)、払出制御部240Aから主制御部200Aに貸出完了信号が送信される。(S2k、S1c)。尚、本実施例において、「貸出ボタン5cに施す操作」とは、貸出ボタン5cに施す有効な操作の意味であり、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出処理中に行われる操作(貸出処理に結びつかない、無意味な操作)」は除外される。
【0125】
(7)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図21は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S10)、普通図柄遊技処理(S120)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、図21の一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっているため、これらの処理は約4msec毎に繰り返し実行される。
【0126】
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、17t、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図30に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S120)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、大当り遊技処理(S700)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図21のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
【0127】
A.賞球払出処理(S10)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S10)。すなわち、始動入賞検出スイッチ17s、17t若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。尚、この「始動入賞検出用スイッチ17sへの入賞情報に基づいて払出信号を出力する処理」が、「CPU201が行う賞球払出手段としての処理」の具体例を構成する。
【0128】
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、遊技球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、遊技球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
【0129】
尚、この賞球払出処理に関連して、「払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPU」は、図22に示す「払出制御処理(S5000)」を行う。この払出制御処理(S5000)では、先ず、主制御基板200から賞球コマンド(払出信号)を受信したか否かを判断する(S5001)。ここで、賞球コマンドとは、主制御基板200から払出制御基板240に出力されるコマンドであり、賞球として払い出すべき遊技球の個数を示すコマンドである。
【0130】
この賞球コマンド(払出信号)を受信した場合(S5001;YES)、この賞球コマンド(払出信号)で指定される遊技球数を、獲得遊技球数に算出(加算)して、払出制御基板240に搭載されたRAMの所定領域に記憶する処理を行った後(S5002)、S5004以降の処理に移行する。ここで、獲得遊技球数(未払出遊技球数)とは、賞球コマンド(払出信号)によって払出を指示されていながら、未だ払い出せていない遊技球数のことである。この獲得遊技球数(未払出遊技球数)は、賞球として遊技球を1球払い出すたびに「1」ずつ減算されて行くが、賞球コマンド(払出信号)を受信すると、このコマンドによって指定された個数だけ遊技球数が加算される。一方、賞球コマンド(払出信号)を受信しない場合(S5001;NO)、獲得遊技球数を算出(加算)する処理(S5002)をスキップして、S5004以降の処理に移行する。
【0131】
S5004以降において、払出制御基板240のCPUは、遊技球の払い出しに関する異常が発生していないかどうかを確認する(S5004、S5006、S5008、S5010、S5012)。つまり、主制御基板200や遊技球払出装置109(払出モータ109m)との間で通信異常が発生していないか(S5004)、遊技球払出装置(払出装置)109に異常が発生していないか(S5006)、球切れ状態になっていないか(S5008)、下受け皿が満杯になっていないか(S5010)、払出モータ109mの空切りを生じていないか(S5012)が判断される。そして、何らかの異常が発生していた場合は、異常(エラー)を報知する処理(S5016)と、異常(エラー)を解除する処理(S5018)とが行われる。
【0132】
一方、払い出しに関する異常が発生していないと判断された場合は(S5004;NO、S5006;NO、S5008;NO、S5010;NO、S5012;NO)、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が残っているか否かを判断し(S5014)、残っていれば(S5014;YES)、賞球制御処理を行う(S5020)。この賞球制御処理では、払出モータ109mを回転させて遊技球を1球ずつ払い出し、この遊技球を払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)で検出して、その度に獲得遊技球数(未払出遊技球数)を「1」ずつ減算する。この操作を、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が「0」になるか、主制御基板200から新たな賞球コマンド(払出信号)が送信されるまで継続する。
【0133】
遊技球の払い出しに関する異常が発生しておらず(S5004;NO、S5006;NO、S5008;NO、S5010;NO、S5012;NO)、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が残っていないと判断された場合は(S5014;NO)、払出制御基板240のCPUは、CRユニット80から「球貸信号(BRDYのON情報とBRQのON情報で構成)」を受信したか否かを判断する(S5025)。そして、払出制御基板240のCPUが、「球貸信号」を受信したと判断した場合は(S5025;YES)、球貸制御処理(S5100)を行う。
【0134】
この球貸制御処理(S5100)では、図23に示すように、払出モータ109mを回転させて、遊技球を1球ずつ払い出し(S5102)、これを払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)で検出して、払い出した遊技球数を計数する。そして、払い出した遊技球数が規定個数(本実施例では25個)に達したら、主制御部200Aに「貸出情報信号(貸出情報に係る信号)」を送信する(S5110)。つまり、単位個数(基本単位分;25個)の遊技球の払い出しが完了する毎に、払出制御部240Aから主制御部200Aに貸出情報が送信される。
【0135】
そして、払出制御部240AがCRユニット80から、貸出完了信号(BRDY信号のOFF情報)を受信したか否かを判断し(S5112)、受信していなければ(S5112;NO)、「貸出ボタン5cに施した1回の貸出操作に伴う貸出(貸出処理)」を終了していないため、一旦、球貸制御処理(S5100)を終了して、図22に示す「払出制御処理(S5000)」に復帰する。そして、S5025の肯定的な判断を待って、球貸制御処理(S5100)を実行する。一方、S5112で肯定的な判断がされると、貸出完了信号を払出制御部240Aから主制御部200Aに送信した後(S5114)、球貸制御処理(S5100)を終了する。
【0136】
B.普通図柄遊技開始判断処理
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、普通図柄遊技処理(S150)を開始するか否かを判断する(S100)。そして、CPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄遊技を開始すると判断すると(S100:YES)、以下に説明する普通図柄遊技処理(S120)を開始する。尚、普通図柄作動ゲート16の通過に起因して行われた当否抽選の結果を示す停止図柄について、図柄変動開始条件が成立すると、S100の処理において肯定的な判断がなされる。
【0137】
C.普通図柄遊技処理
普通図柄遊技処理(S120)が開始されると、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。この停止表示には、当り図柄(普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを点灯させることを内容とする。)と、外れ図柄(普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを消灯させることを内容とする。)とがある。
【0138】
CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「普通図柄表示部56に外れ図柄が停止表示され、しかも停止表示の実行時間を経過した」と判断すると、普通図柄遊技処理(S120)を終了させる。一方、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「普通図柄表示部56に当り図柄が停止表示され、しかも、停止表示の実行時間を経過した」と判断すると、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動を開始し、普通図柄遊技処理(S120)を終了させる。本遊技機1では普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)を構成する一対の翼片部が外側に回動して、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が開放状態となる。
【0139】
D.普通電動役物遊技処理
CPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通電動役物が作動中(第2の始動入賞部17bが開放中)であると判断すると(S190;YES)、普通電動役物遊技処理(S200)を開始する。そして、CPU201は、図21の遊技制御処理を更に繰り返し行ううちに、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動時間が所定時間を経過したと判断すると、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ、普通電動役物遊技処理を終了させる。尚、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が作動を停止すると、第2の始動入賞部17bの一対の翼片部が「直立した通常の状態」に復帰する。但し、CPU201が、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の開放中に始動入賞装置17(第1の始動入賞部17aであっても、第2の始動入賞部17bであってもよい。)に規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の所定時間(開放時間が設定時間)に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ、普通電動役物遊技処理を終了させる。
【0140】
図21に示すように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300;NO)、特別図柄遊技処理(S400)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300;YES)、特別図柄遊技処理(S400)を行う。
【0141】
E.特別図柄遊技開始判断処理(S300)
特別図柄遊技開始判断処理は、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断するための処理である(S300)。この特別図柄遊技開始判断処理について、図24を用いて説明する。この特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動入賞装置17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。つまり、主制御基板200のCPU201は、「始動入賞検出用スイッチ17sが遊技球の通過を検出したか否か」を判断することによって、このS302の処理が行われる。
【0142】
始動入賞装置17への入賞を生じている場合は(S302;YES)、特別図柄の保留数が4未満であるか否かを判断する(S304)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されている特別図柄保留数のデータを読み出して、特別図柄の保留数が4未満であるか否かの判断を行う。そして、特別図柄の保留数が4未満であれば(S304;YES)、特別図柄の保留数を1つ加算し(S305)、抽選用乱数を取得し、この抽選用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶する(S307)。ここで、S307の処理において取得される抽選用乱数としては、(a)当否抽選用の乱数、(b)当否抽選の結果が大当り(当選)である場合、特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための大当り図柄決定乱数、(c)演出表示装置27の表示画面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示において、リーチ表示を行うか否かの抽選を行うためのリーチ乱数)等がある。なお、これらの抽選用乱数は、RAM202の所定アドレスに始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶されている。
【0143】
S304の処理において、特別図柄の保留数が4に達していると判断されると(S304;NO)、S305の処理やS307の処理を行わずにS320の処理に移行する。
【0144】
このようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、「大当りフラグ」がセットされているか否か(ONに設定されているか否か)が判断される(S320)。つまり、「大当り遊技実行手段(ROM203に格納されている大当り遊技の実行に係る制御プログラムに従って制御処理を実行するCPU201。)」が作動中であるか否か、換言すると、「大当り遊技」を実行中であるかが判断される(図26のS484参照)。
【0145】
主制御基板200に搭載されたCPU201は、S320の処理において、「大当りフラグ」がセットされている(ONに設定されている)と判断されれば(S310;YES)、重ねて特別遊技(つまり、大当り遊技)を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S300;YES)。一方、「大当りフラグ」がセットされていない(ONに設定されていない)場合は(S320;NO)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300;YES)。
【0146】
図21に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300;YES)、以下に説明する特別図柄遊技処理(S400)を開始する。
【0147】
F.特別図柄遊技処理(S400)
図25及び図26は、特別図柄遊技処理(S400)の流れを示したフローチャートである。この特別図柄遊技処理(S400)を開始すると、先ず初めに、何れかの特別図柄(本図柄)が変動中か否かを判断する(S404)。そして、何れの特別図柄も変動中でない場合は(S404;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S410)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S404;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S410;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S415)。
【0148】
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件(当否抽選の実行条件)」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、特別図柄の保留数が「ゼロ」である場合(S415;YES)、特別図柄の変動表示を開始できる状態でないため、特別図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の保留数が「ゼロ」でない場合(S415;NO)、RAM202の所定アドレスから記憶している最も古い「当否抽選用乱数」を読み出すとともに、大当り図柄決定乱数を読み出し(S418)、図27に示す「特図関連処理(S430)」を実行する。
【0149】
特図関連処理(S430)では、図27に示すように、先ず、当否抽選処理(大当り抽選処理)を行う(S440)。この当否抽選処理においては、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否か(確変フラグがONにセットされているか否か)が判断され(S444)、高確率モードであるときには(S444;YES)、「高確率用のデータテーブル」を用いて、この当否抽選が行われる(S446、S450)。一方、遊技機1の遊技モードが低確率モードであるとき(通常確率モードであり、確変フラグがOFFにセットされているとき)には(S444;NO)、「低確率用のデータテーブル」を用いて、この当否抽選が行われる(S448、S450)。尚、「高確率用のデータテーブル」を用いて「当否抽選」を行う場合の当選確率は、「低率用のデータテーブル」を用いて「当否抽選」を行う場合の当選確率の約「10倍」とされている。
【0150】
S450の処理に続いて、「特別図柄の変動後に確定表示する停止図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。そして、この処理により、大当りの発生する大当りの種類が、「通常大当り」と「確変大当り」とのうちの何れかに振り分けられる。一方、当否抽選の結果が落選(外れ)である場合(S450;NO)、乱数抽選を用いて外れ本図柄を決定する処理が行われる(S458)。
【0151】
以上のように、当否抽選処理(S440)を行ったら、図27に示すように、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S460)。この処理(S460)においては乱数抽選によって特別図柄の変動パターンが決定され、特別図柄の変動時間が特定されることになる。このS460の処理においては、図28のS446若しくはS448において行われた「当否抽選」の結果と、現在の遊技モードが時短モードであるか否かを判断して、乱数抽選に使用する変動パターンテーブルを選択する。つまり、当否抽選の結果が当選で、時短モードであれば、「当否抽選の結果が大当りで且つ時短モードの場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・時短用変動パターンテーブル)」がセットされ{図29(b)を参照}、当否抽選の結果が当選で、時短モードでない場合は、「当否抽選の結果が大当りで且つ時短モードではない場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・非時短用変動パターンテーブル)」がセットされる{図29(a)を参照}。
【0152】
一方、当否抽選の結果が落選で、時短モードであれば、「当否抽選の結果が落選で且つ時短モードの場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・時短用変動パターンテーブル)」がセットされ{図30(b)を参照}、当否抽選の結果が落選で、時短モードでない場合は、「当否抽選の結果が落選で且つ時短モードではない場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・非時短用変動パターンテーブル)」がセットされる{図30(a)を参照}。ここで、「時短モード」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モードである。よって、以下の本実施例の説明では、「時短モード」を「開放延長モード」と読み替えることができる。尚、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
【0153】
このS460の処理では、「外れ・時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「外れ・非時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「当り・時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「当り・非時短用変動パターンテーブル」を用いた場合の順に、「長い変動時間となる変動パターン」が設定される傾向にある。また、何れの場合も、「特別図柄に関する保留数」が少なくなるほど、「長い変動時間となる変動パターン」が設定される傾向にある。そして、図29及び図30においては、100秒を超える変動時間を特定する変動パターン(パターン4、5、15、27)が、特別演出を実行可能(操作有効期間を開始可能)な変動パターンであり、この場合、図柄変動演出表示中に「操作有効期間」を開始する。
【0154】
図27に戻り更に説明すると、S460の処理に続き、特別図柄表示部62において特別図柄の変動を開始する処理(S462)と、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理(S464)と、特別図柄の演出パターン指定コマンド(S460の処理で設定)をサブ制御基板220に出力する処理(S466)と、特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御基板220に出力する処理(S468)とを行った後、特別図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0155】
ここで、演出パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図18に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定コマンドを受け取って、指定コマンドの内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄(本図柄の停止図柄)が確変図柄等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄(本図柄)の停止図柄の種類を知ることができる。
【0156】
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号(表示制御コマンド)を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(演出パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
【0157】
図25に戻り、特別図柄遊技処理(S400)を開始した直後の「S404の処理」で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S404;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S470)。
【0158】
即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S470;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図20に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S470;YES)、サブ制御基板220に向かって、演出表示装置27で変動表示されている疑似図柄の停止指定コマンド(演出停止指定コマンド)を出力する(S472)と共に、特別図柄表示部62において変動表示している特別図柄を停止表示する(S474)。なお、演出停止指定コマンド(CZE)は、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、中央表示装置27上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S476)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S478)。
【0159】
S478の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S478;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図20に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S478;YES)、停止表示が大当りを示す表示(つまり、大当り図柄)か否かを判断する(図26のS480)。
【0160】
S480の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、大当り遊技におけるラウンド回数及び開放時間を設定する処理を行う(S482)。但し、本実施例ではS482の処理において、一律に、ラウンド回数として「16」がセットされ、1ラウンド毎の開放時間としては「25秒」がセットされる。
【0161】
S482の処理の後に「大当りフラグ」がセット(ONに設定)され(S484)、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。こうして「大当りフラグ」をセットすることなどにより(つまり、大当り遊技実行手段が作動を開始することにより)、特別図柄遊技処理(S400)を抜けて図21の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、大当り遊技状態が開始されることになる。なお、主制御部200Aは「大当りフラグのON」をセットするタイミングで、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信する。
【0162】
ところで、本実施例の遊技機1では、「大当りフラグ」のセット中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能や変動時間短縮機能等は働かないこととしている。このため、図26のS484の処理において、「大当りフラグ」をセット(0Nに設定)したら、現在の遊技モード(大当りフラグの設定時の遊技モード)が高確率モードであるか否か(確変フラグがONであるか否か)を判断する(S486)。そして、高確率モードである場合(S486;YES)には、確変機能(確率変動手段)と、変動時間短縮機能(時短手段)と、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)が作動しているため、これら機能(手段)を停止させ(S488、S502、S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0163】
また、確変機能(確率変動手段)が作動していないが、遊技機1の遊技モードが時短遊技モードである場合(S486;NO、S500;YES)には、変動時間短縮機能(時短手段)と、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)の作動を停止させ(S502、S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。更に、S484の処理で大当りフラグをセットしたときの遊技モードが高確率モードでも時短遊技モード(時短中)でもなかった場合は(S486;NO、S500;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21に示す遊技制御処理に復帰する。
【0164】
S480の処理で否定的な判断がなされると、つまり、特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S480;NO)、以下のような処理を行う。先ず、現在の遊技モードが時短遊技モードであるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判断する(S506)。このS506の処理で肯定的な判断がなされる場合(S506;YES)、「遊技機1が現在実行中の時短遊技モードに移行した後に、S480の処理で肯定的な判断を得ることなく実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S508)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(本実施例では、100回)に到達していない場合は(S510;NO)、時短遊技モードを維持したまま、図28及び図29に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0165】
一方、この変動回数(累積回数)が、上限回数に到達した場合(S510;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを時短遊技モードから非時短遊技モードに移行させ(S511)、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も停止させた後(S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0166】
S506の処理において現在の遊技モードが時短遊技モードではないと判断された場合は(S506;NO)、そのまま、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0167】
G.大当り遊技処理(S700)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「大当りフラグ」がセットされている(大当りフラグがONに設定されている)と判断すると(S680;YES)、大当り遊技処理を開始させ(S700)、所謂「大当り遊技(特別遊技)」が実現される。
【0168】
図31及び図32は、大当り遊技処理(S700)の流れを示すフローチャートである。大入賞口31aが開放されると、前述のように、所定の開放時間(図26のS482の処理で設定)が経過するか、或いは、所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。ここで、閉鎖状態の大入賞装置31が開放状態となり、再び開放状態となることを内容とする遊技(大入賞口31aを開放してから閉鎖するまでの遊技)は「ラウンド(大当りラウンド)」と呼ばれる。そして、このラウンドを繰り返して、所定回数(16回)のラウンドを消化したら大当り遊技状態が終了する。この遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図31及び図32に示す大当り遊技処理(S700)を行うことで実現されている。以下、この図31及び図32を参照しながら、大当り遊技処理の詳細な処理内容について説明する。
【0169】
大当り遊技を開始すると、先ず、大入賞口31aが開放中か否かを判断する(S702)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは開放中ではないと判断され(S702;NO)、ラウンドの回数が対応する大当り遊技の設定回数(16回であって、図26のS482の処理で設定)に達したか否かを判断する(S710)。但し、大当り遊技が開始された直後は、ラウンドの回数が設定回数に達していないから、S710の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S710;NO)。
【0170】
このため、S712の処理に移行して、インターバル時間(2秒)が経過したか否かを判断する(S712)。つまり、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S712)。ここで、大入賞口の閉鎖時間(インターバル時間)とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31aが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り遊技が開始された直後は、大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S712;NO)、大入賞口31aを開放させた後(S714)、図31及び図32に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。なお、この「大入賞口31aを開放させるタイミング」で、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を送信する。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、このラウンド数指定コマンド(CRS)を受信すると、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、ラウンド数指定コマンド(CRS)で特定される「ラウンドを表示する演出(ラウンド演出)」を行う。
【0171】
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図21に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S700)を開始する。この際、前述のように、図21に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図31及び図32に示す大当り遊技処理(S700)も、約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S702の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口31aの開放時間が経過したか否かを判断する(S704)。
【0172】
開放時間(25秒)が経過していれば(S704;YES)、大入賞口31aを閉鎖した後(S708)、図31及び図32に示した大当り遊技処理(S700)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が経過していない場合は(704;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S706)。そして、遊技球の入賞数が規定数に達した場合も(S706;YES)、大入賞口31aを閉鎖する(S708)。つまり、遊技球の入賞数が規定数に達すると、開放時間の経過を待たずに大入賞口31aを閉鎖する。
【0173】
開放時間が経過せず(S704;NO)、入賞数が規定数に達していない場合は(S706;NO)、大入賞口31aを開放させたまま、図31及び図32の大当り遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0174】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(大当りフラグがセットされている場合)、図21の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31aの開放時間が経過するか(図31のS704;YES)、若しくは、大入賞口31aに所定数の遊技球が入賞して(S706;YES)、大入賞口31aが閉鎖される(S708)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。なお、この「大入賞口31aを閉鎖させるタイミング」で、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド終了コマンド(CRE)」を送信する。このため、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、「先に受信したラウンド数指定コマンド(CRS)に基づいて実行していたラウンド演出(ラウンド表示)」を終了させる。
【0175】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S700)が実行され、S702において大入賞口31aが閉鎖中と判断されると(S702;NO)、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド回数(16回)が設定回数到達したか否かが判断される(S710)。そして、設定回数に到達していなければ(S710;NO)、インターバル時間が経過したことを確認した後(S712;YES)、再び大入賞口31aを開放状態として新たなラウンドを開始する(S714)。この場合においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を送信する。
【0176】
一方、S710の処理において、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド数が設定回数に到達したと判断される場合(S710;YES)には、大当りフラグを解除(OFFに設定)する処理(S716)と、大当り遊技終了コマンドをサブ制御基板220に出力する処理(S718)とを行って大当り遊技を終了する。続いて、終了した大当り遊技が、確率変動図柄(確変モードへの移行の契機となる図柄の意味で用いる。)に起因して実行されたものであったか否かを判断する(S720)。そして、S720の処理において肯定的な判断がなされると(S720;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)し(S724)、遊技機1の遊技モードを確変モードに移行させるとともに、開放延長フラグと時短フラグをセット(ONに設定)し(S728、S730)、遊技機1の遊技モードを開放延長モードに移行させた後、大当り遊技処理を終了する。なお、S730の処理により、時短フラグをセット(ONに設定)する際には、その時短(開放延長)の回数が「10000回」に設定される。
【0177】
また、S720の処理において否定的な判断がなされると(S720;NO)、開放延長フラグと時短フラグをセット(ONに設定)し(S721、S722)、遊技機1の遊技モードを開放延長モードに移行させた後、大当り遊技処理を終了する。なお、S730の処理により、時短フラグをセット(ONに設定)する際には、その時短(開放延長)の回数が「100回」に設定される。つまり、当該大当り遊技終了に実行される特別図柄の変動表示が、「100回」行われるまで(但し、大当りを生じない場合)、この時短フラグはセット(ONに設定)された状態となる。
【0178】
(8)図柄変動演出制御処理
次に、図33を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う「図柄変動演出制御処理」について説明する。この図柄変動演出制御処理(S1000)において、サブ制御部220Aが、演出パターン指定コマンド(CHP)と特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)とを受信をすると(S1010;YES)、S1015の処理が実行される。
【0179】
つまり、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が当選(大当り)であるか否かを判断する(S1015)。そして、当選(大当り)であると判断される場合(S1015;YES)、受信した「演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1020)、S1030の処理に移行する。一方、落選(外れ)であると判断される場合(S1015;NO)、受信した「演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1025)、S1030の処理に移行する。
【0180】
S1030の処理において、サブ制御部220Aは、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1020又はS1025で決定した「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1030)。つまり、表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1030)。そして、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出(つまり、特別演出)の実行の有無を、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)に基づいて判断する(S1035)。つまり、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)が、パターン4、5、15若しくは27のうちの何れかであると、ボタン操作演出の対象となり、その他のパターンであると、ボタン操作演出の対象とならない(図29,30を参照)。
【0181】
S1035の処理において否定的な判断がなされる場合(S1035;NO)、サブ制御部220Aは、演出表示装置27において、「演出ボタン操作を有効化しない場合の演出(前述の一般演出)」を行う(S1050)。そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1310;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1315)。一方、S1035の処理において肯定的な判断がなされる場合(S1035;YES)、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出処理(S1100)を実行し、演出表示装置27において、「演出ボタン操作を有効化する場合の演出(ボタン操作演出)」を行った後(S1100)、S1310及びS1315の各処理に実行する。以下、ボタン操作演出について説明する。
【0182】
このボタン操作演出処理(S1100)において、図34に示すように、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出の開始タイミングが到来するまで待機する(S1102)。この開始タイミングは演出表示を開始すると同時に到来してもよいし、演出表示の開始後、所定時間(例えば、5秒とか、10秒)の経過後に到来してもよいし、演出表示中に表示態様が変更するとき(例えば、リーチ表示が開始されるとき)に到来してもよい。更に、ボタン操作演出処理(S1100)を開始する毎に乱数抽選等を用いて開始タイミングを決定してもよい。
【0183】
サブ制御部220Aは、ボタン操作演出の開始タイミングが到来すると(S1102;YES)、演出ボタンSWを有効化する処理(S1104)と、「演出ボタンSWが有効化された旨の表示」を演出表示装置27の表示画面27aにおいて行うための処理(S1106)とを行う。ここで、S1104の処理により、「遊技者が演出ボタンSWに施す操作を、演出表示装置27において実行される演出に反映させることができる期間」、つまり、「操作有効期間」が開始される。また、S1106の処理により、演出表示装置27の表示画面27aが一瞬暗くされ、表示画面27aに「チャンスタイムが開始される旨の表示」がなされた後、表示画面27aに「演出ボタンSWの図形の表示」がなされる(図16〜図17を参照)。
【0184】
S1106の処理以降、サブ制御部220Aは演出ボタンSW及び貸出ボタン5cのうちの何れかが操作されるか否かを監視することになる(S1110)。つまり、サブ制御部220Aは、「演出ボタンSWの操作信号」、若しくは、「球貸コマンド(CQR)」を受信するか否かを監視することになる(S1110)。なお、このS1110処理で監視する「貸出ボタン5cの操作」とは、実際に遊技球の貸し出しを実現する「有効な操作」を指し、この貸出ボタン5cに、この「有効な操作」が施されると、サブ制御部220Aは主制御部200Aから送信される「球貸コマンド(CQR)」を受信する。そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作及び貸出ボタン5cの操作を確認しない場合(S1110;NO、S1130;YES)は、演出ボタンSWを無効化する処理(S1132)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S1136)とを行った後、「放置型演出(操作演出を伴わない演出)」を行い(S1138)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0185】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作若しくは貸出ボタン5cの操作を確認した場合(S1110;YES、S1130;NO)、サブ制御部220Aは操作されたボタンの種類(ボタンの種類を特定するためのデータ)を記憶する処理を行う(S1112)。例えば、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のRAM220bの所定領域に、S1110の処理で受信した操作信号(コマンド)が、演出ボタンSWの操作信号であることを特定するためのフラグを設定するか、或いは、球貸コマンド(CQR)であることを特定するためのフラグを設定する処理を行う(S1112)。
【0186】
このS1112の処理を行うと、続いて、演出ボタンSWを無効化する処理(S1114)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S1116)とを行う。この後、S1110の処理で操作されたボタンの種類を判断する処理を行う(S1118)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、ボタンの種類を判断するための「判断手段221a」を含む構成とされている(図10)。そして、この判断手段221aは、S1112で記憶した「ボタンの種類を特定するためのデータ」を読み出し、S1110の処理で操作されたボタンの種類を判断する(S1118)。
【0187】
このS1118の処理により、S1110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWであると判断されると(S1118;YES)、前述の「操作対応通常演出」を実行した後(S1122)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。これに対して、S1110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWでない、つまり貸出ボタン5cであると判断されると(S1118;NO)、前述の「操作対応特別演出」を実行した後(S1120)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0188】
(9)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されると、サブ制御部220Aは「操作対応特別演出」を実行する。すなわち、本実施例の遊技機1によると、遊技者が操作有効期間中に演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cを操作することで、「演出ボタンSWを操作しても実行されることが無い、特別態様の操作演出が実行されるといった、新たな遊技性」を創出できる。従って、本実施例の遊技機1によると、演出ボタンSWを備える遊技機1において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。
【0189】
また、本実施例の遊技機1によると、遊技者の遊技球の貸出を受けるという行為に起因して(貸出を受けるという行為の代償として)、「操作対応特別演出」という、全く新たな演出形態を実現する。つまり、本来、演出の変更とは無縁の貸出ボタン5cを操作することで、演出ボタンSWの操作では出現しないプレミアムな演出が出現する。従って、遊技者は、本実施例の遊技機1に驚きをもって接することになる。
【実施例2】
【0190】
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2は、図16及び図17の代わりに、図35〜図38を用いる点と、図34の代わりに、図39及び図40を用いる点とを除いて実施例1と同様である。
【0191】
実施例2の操作演出には、演出ボタンSWのみが操作されて操作有効期間を終了する演出(操作対応通常演出)と、演出ボタンSW及び貸出ボタン5cが操作されて操作有効期間を終了する演出(操作対応特別演出)とがある。そして、実施例2の操作演出においても、図35に示すように、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する(d1)。そして、所定時間が経過すると、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(d2)。
【0192】
この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(d3)、「操作有効期間」が開始される。そして、疑似図柄表示部27b〜27dを小型化して表示画面27aの周縁部側で特別図柄(疑似図柄)の変動表示を行うとともに、表示画面27aの何れかの部位に「演出ボタンSWを示す図形」が表示され(d4〜d6)、操作有効期間が開始され、以後、演出ボタンSWの操作が有効化される。そして、この操作有効期間内においては、演出ボタンSWを押す毎に、「信頼度の高い演出」を実行中である旨のキャラクタ図柄が、操作対応通常演出においては3回を限度に順次変更表示される。尚、図中において、「操作有効期間開始後」に演出ボタンSWに施す「第1回目の操作」を「P1」、「第2回目の操作」を「P2」、「第3回目の操作」を「P3」、「第4回目の操作」を「P4」、「第5回目の操作」を「P5」、「第6回目の操作」を「P6」と表記する。
【0193】
実施例2の操作対応通常演出においては、演出ボタンSWに1回目の操作を施すと、「帆立貝の図形」が表示され(d4)、2回目の操作を施すと、「マンボウの図形」が表示され(d5)、3回目の操作を施すと、「タコの図形」が表示される(d6)。但し、演出ボタンSWに施す操作は操作有効期間内に限られる。
【0194】
この操作対応通常演出においては、演出ボタンSWに施される操作が3回以下である場合(ゼロ回も含む)、操作有効期間の経過を待って、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(d7、d8)、更に、「ボタン操作が成功した」旨が表示される(d9)。そして、「演出ボタンSWの操作で選び出したキャラクタ図柄を用いた発展型のリーチ演出」が開始され(d10)、このリーチ演出の終了後に、当否抽選の結果を示す判定結果図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)が停止表示される。
【0195】
これに対して、操作対応通常演出において、演出ボタンSWに4回目の操作を施すと、「信頼度の低い演出」を実行中である旨の示す「イカの図形」が表示され、「タコの図形」を表示画面27aから追い出す演出を行う(d11)。そして、操作有効期間の経過を待たずに、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(d12)、更に、「ボタン操作が失敗した」旨が表示される(d13)。この後、キャラクタの表示を伴わない「通常の変動表示」を行った後(d14)、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が停止表示される(d15)。つまり、発展型のリーチ演出を行うことなく、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が停止表示される。但し、当否抽選の結果が「大当り」である場合、図37に示すように、一旦「外れ図柄」を停止表示した後に変動表示を再開させ(d16〜d18)、リーチ表示を経て(d19)、「大当り図柄」を停止表示する(d20)。
【0196】
ここで、実施例2の遊技機は、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段(主制御部200)と、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が所定の演出表示を経て表示される演出表示装置27とを備える。また、演出表示の表示態様として、抽選結果図柄として大当り図柄を表示する前提として実行される確率が高い高信頼度演出表示態様と、抽選結果図柄として大当り図柄を表示する前提として実行される確率が低い低信頼度演出表示態様と、を含む複数の表示態様を記憶した表示態様記憶手段(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のROM220c)を備える。更に、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aは、演出表示の実行に際して、表示態様記憶手段から実行する表示態様を選択する表示態様選択手段と、表示態様選択手段が選択した表示態様に従って演出表示装置27における前記演出表示を制御する表示制御手段として機能する。そして、サブ制御部220Aは、演出ボタンSWの操作条件(上限数が3回)を満たしていると判断した場合に、表示態様選択手段によって選択された表示態様に従って演出表示を完了させるとともに、操作条件を満たしていないと判断した場合に、低信頼度演出表示態様に従う演出表示を経て演出表示を完了させることしている。つまり、操作条件を満たしていると判断される場合、表示態様選択手段が選択した表示態様に従って演出表示を完了するが、操作条件を満たしていないと判断される場合、表示態様選択手段が選択した表示態様にかかわらず、低信頼度演出表示態様に従って演出表示を完了することとしている。
【0197】
ところで、実施例2においては、有効期間が経過するか、演出ボタンSWに4回目の操作が施されると、操作演出の終了タイミングが到来するが、この終了タイミングが到来する前に貸出ボタン5cが操作されると、実施例2の操作対応特別演出が実行される。つまり、実施例2では、操作演出の終了タイミングが到来する前に貸出ボタン5cが操作されると、この貸出ボタン5cの操作毎に、演出ボタンSWの操作上限回数が「3回」ずつ加算される。つまり、演出ボタンSWの操作条件が緩和され、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSWに「6回」の操作を施しても、「信頼度の高い演出」が実行される。
【0198】
例えば、図38に示すように、有効期間が経過する前であって、しかも、演出ボタンSWに2回目の操作が施された後(3回目の操作が施される前)に、貸出ボタン5cが操作されると(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)、演出ボタンSWの操作上限回数に「3回」が加算される。このため、演出ボタンSWに4回目〜6回目の操作がされても、「信頼度の高い演出」を実行中である旨の示す図形が表示される。つまり、演出ボタンSWに3回目の操作を施すと、「タコの図形」が表示され(e2)、4回目の操作を施すと、「ハサミを閉じたカニの図形」が表示される(e3)。更に、演出ボタンSWに5回目の操作を施すと、「ハサミを開いたカニの図形」が表示され(e4)、6回目の操作を施すと、「太陽と月を用いた図形」が表示される(e5)。
【0199】
この操作対応特別演出においては、演出ボタンSWに施される操作が更新された上限回数以下(例えば、6回以下であって、ゼロ回も含む)である場合、操作有効期間の経過を待って、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(e6)、更に、「ボタン操作が成功した」旨が表示される(e7)。そして、「演出ボタンSWの操作で選び出したキャラクタ図柄を用いた発展型のリーチ演出」が開始され(e8)、このリーチ演出の終了後に、当否抽選の結果を示す判定結果図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)が停止表示される。
【0200】
次に、実施例2のボタン操作演出処理(S1100)について説明する。このボタン操作演出処理(S1100)においても、図39に示すように、S1102、S1104、S1106の処理は実施例1(図34参照)と同様に行われる。但し、このボタン操作演出処理(S1100)においては、S1106の処理に続いて、演出ボタンSWの規定操作回数をセットする処理(S1108)を行う。ここで、S1108の処理でセット(設定)される「規定操作回数」は、演出ボタンSWに施す操作の上限回数であり、原則的には「3回」であるが、貸出ボタン5cが操作される度に更新される。つまり、貸出ボタン5cが施される毎に、演出ボタンSWの操作上限回数が「3回」ずつ加算される。また、「操作有効期間中に演出ボタンSWに施す操作回数が規定操作回数以下であること」は、「操作条件」の具体例を構成する。また、S1108の処理においては、本実施例のように、「規定操作回数」として、「予め定められた回数」がセットされてもよいし、抽選によって決定される回数がセットされてもよい。
【0201】
S1108の処理以降、サブ制御部220Aは「演出ボタンSWの操作信号」を受信するか否か(演出ボタンSWが操作された否か)と、球貸コマンド(CQR)を受信するか否か(球貸し操作が行われたか否か)を監視することになる(S1140、S1141)。そして、「操作有効期間」中に一度も、演出ボタンSWが操作されない(操作信号がONとならない)場合(S1140;NO)には、S1141の処理の否定的判断とS1152の処理の肯定的判断とを経るか、或いは、S1141の処理の肯定的判断と、S1143の処理と、S1152の処理の肯定的判断とを経て、図40のS1154の処理に移行する。
【0202】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWが操作される毎(操作信号がONとなる毎)に(S1140;YES)、操作カウンタAを「+1」する処理(S1145)と、「操作カウンタAの値が規定操作回数以下であるか否かを判断する処理(S1148)」が行われる。つまり、S1148の処理においては、演出ボタンSWに操作が施される毎に、その操作が「操作有効期間開始後、3回目以下の操作であるか否か」が判断される。このS1148の処理は、操作判定手段としての処理の具体例を構成している。
【0203】
S1148の処理において肯定的な判断がなされると(S1148;YES)、その操作に対応した操作演出が実行される(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aに、「操作有効期間の開始後に演出ボタンSWに施された操作回数」に応じた「キャラクタ図柄」が表示される(図35及び図38を参照)。そして、S1148の処理の肯定的な判断とS1152の処理の否定的な判断がなされる限りは、演出ボタンSWに操作が施される毎にS1140、S1145、S1148、S1150の各処理が実行される。そして、演出ボタンSWに施される操作が規定操作回数目以下の状態で「操作有効期間」が終了すると(S1152;YES)、図40のS1154以降の処理に移行する。
【0204】
このS1154の処理では演出ボタンSWを無効化する処理と、操作カウンタAを初期化する処理とを行う。このS1154の処理に続いて、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示(図35、図38を参照)」を消去する処理が行われる(S1156)。そして、操作演出が成功した旨の演出(S1158)と、高信頼度の演出(S1160)とを行った後(図35及び図38を参照)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了する。そして、図33に戻り、サブ制御部220Aが、演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1310;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンド(CZE)を演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と、背景図柄の演出表示を停止させる(S1315)。尚、高信頼度の演出としては「発展型のリーチ演出(スペシャルリーチ演出)」、「高信頼度の予告演出」を例示することができる。ここで、操作演出が成功した旨の演出(S1158)と、高信頼度の演出(S1160)は「正当な操作演出」の具体例を構成する。
【0205】
一方、図39のS1148の処理において否定的な判断がなされると(S1148;NO)、図40に示すように、演出ボタンSWを無効化する処理と、操作カウンタAを初期化する処理とが行われる(S1162)。更に、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示(図36を参照)」を消去する処理が行われる(S1164)。そして、操作演出が失敗した旨の演出(S1166)と、低信頼度の演出(S1168)とを行った後(図36を参照)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。尚、低信頼度の演出としては、前述したように、背景図柄やキャラクタ図柄を排除した演出や、「ノーマルリーチ演出」や「低信頼度の予告演出」を例示することができる。ここで、操作演出が失敗した旨の演出(S1166)と、低信頼度の演出(S1168)は「不当な操作演出」の具体例を構成する。
【0206】
ところが、実施例2の遊技機1においては、操作演出の終了タイミングが到来するまでの間、つまり、「操作有効期間が経過する前であって、しかも、S1148の処理で否定的な判断を得る前の間」に、球貸し操作が行われると(S1141;YES)、この球貸し操作が行われる度に前述の「規定操作回数」が更新される。つまり、この「規定操作回数」が「3回」ずつ加算されるため、演出ボタンSWの操作条件(S1148の処理を参考)が緩和されることになる。
【0207】
実施例2によっても、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、(a)演出ボタンSWの操作条件を定めることと、(b)この操作条件に反する操作が行われると、「特定演出内容の操作演出」を発生させないこと(遊技者にペナルティを加えること)を前提としつつも、球貸し操作が操作有効期間中に行われると、操作条件を緩和することとしている。すなわち、「本来、演出ボタンSWを操作すべき期間(操作有効期間)中に、遊技者が貸出ボタン5cを操作すると、操作条件が変更(緩和)する」という内容の遊技(従来にない遊技者参加型の遊技)を実現できる。しかも、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることを条件に、「演出ボタンSWに対して、本来の操作条件に反する操作を施す遊技者」を救済することができる。
【実施例3】
【0208】
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の遊技機は、大当り遊技中の演出(以下、「大当り遊技演出」という。)への適用例を示すものである。先ず、図41を用いて、この大当り遊技演出の概要を説明する。
【0209】
この実施例3の遊技機においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)が送信される。つまり、主制御部200Aは「大当りフラグ(図26のS484を参照)」をセット(ONに設定)するタイミングでサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信する。そして、大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において大当り開始演出(大当りファンファーレ演出)を実行する。
【0210】
また、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信した後、「大入賞口31aを開放させるタイミング(図31のS714を参照)」で、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」をサブ制御部220Aに送信する。つまり、サブ制御部220Aは「第1回目のラウンド数指定コマンド(第1ラウンドの開始を特定するコマンド)」を受信することになるため、演出表示装置27等において「ラウンド表示(1ラウンドであることを示す演出表示)」を開始する。
【0211】
この後、主制御部200Aは「大入賞口31aを閉鎖させるタイミング(図31のS708を参照)」でサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了コマンド(CRE)」を送信する。これにより、サブ制御部220Aの「第1ラウンド」の終了を検出するため、一端、「ラウンド表示」を終了し、演出表示装置27等において「インターバル表示(各ラウンド間の演出表示)」を開始する。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド表示」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に「インターバル表示」を開始する。
【0212】
こように、「ラウンド表示」は「インターバル表示」を挟みつつ、最終ラウンドの表示を行うまで繰り返される。そして、最終ラウンドを終了するタイミング(16回目の大入賞口31aを閉鎖させる動作を行うタイミング)で、主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り終了指定コマンド(COE、図32のS718を参照)」が送信される。そして、「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行する。そして、「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行した後、大当り遊技演出を終了する。
【0213】
次に、図42〜図44を用いて、実施例3の操作演出等の特徴的な部分について説明する。ここで、実施例3の操作演出では、昇格成功演出として、操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されることで実行される操作演出(以下、「通常昇格成功演出」という。)と、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「特別昇格成功演出」という。)とを予定する。また、昇格失敗演出として、演出ボタンSW若しくは貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「昇格失敗演出」という。)を予定する。ここで、「昇格に成功する」とは、「実際には、確変大当りを生じていたにもかかわらず、あたかも、通常大当りを確変大当りに昇格させることに成功させたようにみせる演出」を行うこと指し、「昇格に失敗する」とは、「実際には、通常大当りを生じていたにもかかわらず、あたかも、通常大当りを確変大当りに昇格させることに失敗したようにみせる演出」を行うこと指す。
【0214】
実施例3の遊技機では、図42に示すように、「7ラウンド目のラウンド表示」を開始すると(g3)、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(g4)。この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(g5)、「操作有効期間」が開始される。そして、この操作有効期間内に、演出ボタンSWや貸出ボタン5cが操作されない場合、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g6)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。更に、「昇格失敗演出(昇格に失敗した旨の表示)」若しくは「昇格成功演出(昇格に成功した旨の表示)」を行った後(g7)、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g8)。
【0215】
図43(a)及び図44(a)に示すように、この操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されると(図中の符号Pは、演出ボタンSWが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g11)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、昇格成功演出を行う場合、前述の「通常昇格成功演出」を実行する(g12〜g14)。具体的には、登場するキャラクタ図柄(タコのキャラクタ図柄)のサイズを徐々に変更する演出が実行される。この後、「昇格の確定を示す表示」を行い(g15)、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g16)。なお、昇格失敗演出を行う場合、前述の「昇格失敗演出」が実行される。
【0216】
一方、図43(b)及び図44(b)に示すように、操作有効期間中に演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cが操作された場合も(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g21)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、昇格成功演出を行う場合、表示画面27aにおいて、前述の「特別昇格成功演出」を実行する(g22〜g24)。つまり、実施例1と同様なバトル演出を開始し、一方のキャラクタが勝利したことを示す画像が表示され(g24)、更に「昇格確定を強調する表示」を行って(g25)、このバトル演出を終了する。そして、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g26)。なお、昇格失敗演出を行う場合、前述の「昇格失敗演出」が実行される。
【0217】
実施例3の図柄変動演出制御処理は、図45(a)に示すように、ボタン演出に関する処理が排除されている点(図33のS1035、S1050及びS1100の各処理が排除されている点)が実施例1の図柄変動演出制御処理と異なる。また、図45(b)に示すように、S1020の処理の内容が実施例1の図柄変動演出制御処理と異なるが、その他の点に関しては実施例1の図柄変動演出制御処理と同様である。
【0218】
実施例3のS1020の処理においては、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が通常大当りであると判断される場合、疑似図柄の停止図柄として「通常大当り」を示す停止図柄が選択される。一方、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が確変大当りであると判断される場合、疑似図柄の停止図柄として「通常大当り」を示す停止図柄が選択される確率が「50%」となっており、「確変大当り」を示す停止図柄が選択される確率が「50%」となっている。
【0219】
つまり、S1315の処理と連動する図25のS474の処理(S1315の処理の実行契機となる主制御部200Aの処理)において「確変大当り」を示す本図柄を停止表示するケースでは、S1315の処理において、「確変大当りを示す疑似図柄を停止表示する場合」と、「通常大当りを示す疑似図柄を停止表示する場合」とがある。そして、本実施例では、S474及びS1315の処理において、「確変大当りを示す本図柄と、確変大当りを示す疑似図柄」が停止表示される場合、昇格演出は実行されないが、その他の場合、昇格演出が実行される。つまり、図25のS474の処理において停止表示される本図柄の種類(通常大当りであるか、確変大当りであるか)を問わず、S1315の処理において「通常大当り」を示す疑似図柄が停止表示されると、昇格演出が実行される。なお、本実施例では、当否抽選において、「通常大当り」を生ずる確率と「確変大当り」を生ずる確率とがともに「1/2」であり、「確変大当り」の場合に昇格演出が実行される確率が「1/2」とされるため、昇格演出が昇格成功演出(後述するS2120の「特別昇格成功演出」、S2122の「通常昇格成功演出」若しくはS2140の「昇格成功演出」)となる確率は「1/3」とされている。
【0220】
次に、図46〜図48を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う「大当り遊技演出制御処理」について説明する。この大当り遊技演出制御処理(S2000)において、サブ制御部220Aが、大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信すると(S2005;YES)、S2010以降の処理が実行される。
【0221】
サブ制御部220Aは大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信すると(S2005;YES)、演出表示装置27等において大当り開始演出(大当りファンファーレ演出)を実行するとともに(S2010)、大当り確定時の停止図柄に基づいて「ラウンド表示演出の演出パターン」を設定する処理を行う(S2020、S2030、S2035)。つまり、図45のS1315の処理で停止表示した疑似図柄の大当り図柄(大当り確定時の疑似図柄の停止図柄)が確変大当り図柄である場合(S2015;YES)、「確変大当り用ラウンド演出パターン」を設定する(S2020)。つまり、S1315の処理において確変大当りを生じたことを、疑似図柄によって表示している場合、「昇格演出を伴わないラウンド演出パターン」を設定する(S2020)。
【0222】
一方、図45のS1315の処理で停止表示した疑似図柄の大当り図柄(大当り確定時の疑似図柄の停止図柄)が通常大当り図柄である場合(S2015;NO)、そのS1315の処理の実行契機となった図25のS474の処理で停止表示した本図柄の種類を判断する(S2025)。つまり、図45のS1010の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンドにより特定される本図柄の停止図柄(大当り確定時の本図柄の停止図柄)の種類が「確変大当り図柄」及び「通常大当り図柄」の何れであるかを判断する(換言すると、当否抽選の結果が「確変大当り」及び「通常大当り」の何れであるかを判断する)。そして、本図柄の種類が確変大当り図柄である場合(S2025;YES)には「確変昇格成功用ラウンド演出パターン」を設定し(S2030)、通常大当り図柄である場合(S2025;NO)には「確変昇格失敗用ラウンド演出パターン」を設定する(S2035)。
【0223】
この後、図47に示すように、サブ制御部220Aは、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に(S2040;YES)、設定したラウンド演出パターン(S2020、S2030若しくはS2035で設定されたラウンド演出パターン)に従ってラウンド演出を実行する(S2045)。このラウンド演出は、前述の如く、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に終了し、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に再開される。このラウンド演出は最終ラウンドまで行われる。そして、「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信すると(S2200;YES)、大当り終了演出(大当りエンディング演出)を実行し(S2210)、大当り遊技演出を終了する。
【0224】
但し、ラウンド演出において、昇格演出実行ラウンドとなると(S2050;YES)、昇格演出処理が行われる(S2100)。具体的には、「確変昇格成功用ラウンド演出パターン(S2030)」若しくは「確変昇格失敗用ラウンド演出パターン(S2035)」に従うラウンド演出のうちで、「7ラウンド目のラウンド演出」を実行する場合、S2050の処理において肯定的な判断がなされ、昇格演出処理が行われる(S2100)。
【0225】
この昇格演出処理(S2100)が開始されると、図48に示すように、サブ制御部220Aは演出ボタンSWを有効化する処理(S2104)と、「演出ボタンSWが有効化された旨の表示」を演出表示装置27の表示画面27aにおいて行うための処理(S2106)と、を行う。このS2104の処理により、「遊技者が演出ボタンSWに施す操作を、演出表示装置27において実行される演出に反映させることができる期間」、つまり、「操作有効期間」が開始される。また、S2106の処理により、演出表示装置27の表示画面27aが一瞬暗くされ、表示画面27aに「チャンスタイムが開始される旨の表示」がなされた後、表示画面27aに「演出ボタンSWの図形の表示」がなされる(図42及び図43を参照)。
【0226】
S2106の処理以降、サブ制御部220Aは演出ボタンSW及び貸出ボタン5cのうちの何れかが操作されるか否かを監視することになる(S2110)。なお、このS2110処理で監視する「貸出ボタン5cの操作」とは、実際に遊技球の貸し出しを実現する「有効な操作」を指し、この貸出ボタン5cに、この「有効な操作」が施されると、サブ制御部220Aは「球貸コマンド(CQR)」を受信する。そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作及び貸出ボタン5cの操作を確認しない場合(S2110;NO、S2130;YES)は、演出ボタンSWを無効化する処理(S2132)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S2136)とを行った後、S2138の処理に移行する。
【0227】
このS2138の処理において、上述のS2025の処理と同様に今回の大当り確定時(大当り遊技開始時)に「確変大当りを示す本図柄が停止表示されていたか否か」を判断し、肯定的な判断がされる場合(S2138;YES)、「昇格成功演出(通常大当りから確変大当りへの昇格に成功した旨の表示)」を表示画面27aで行った後(S2140)、昇格演出処理(S2100)を終了する。一方、S2138の処理において否定的な判断がされる場合、「昇格失敗演出(通常大当りから確変大当りへの昇格に失敗した旨の表示)」を表示画面27aで行った後(S2143)、昇格演出処理(S2100)を終了する。
【0228】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作若しくは貸出ボタン5cの操作を確認した場合(S2110;YES、S2130;NO)、サブ制御部220Aは操作されたボタンの種類(ボタンの種類を特定するためのデータ)を記憶する処理を行う(S2112)。例えば、RAM220bの所定領域に、S2110の処理で受信した操作信号(コマンド)が、演出ボタンSWの操作信号であることを特定するためのフラグを設定するか、或いは、球貸コマンド(CQR)であることを特定するためのフラグを設定する処理を行う(S2112)。
【0229】
このS2112の処理を行うと、続いて、演出ボタンSWを無効化する処理(S2124)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S2116)とを行う。この後、今回実行中の昇格演出が、昇格成功パターンであるか否かを判断する(S2117)。つまり、今回実行中の昇格演出が、「確変昇格成功用ラウンド演出パターン(S2030)」に従って行われているか否かを判断し(S2117)、肯定的な判断がされる場合(S2117;YES)、S2118の処理に移行し、否定的な判断がされる場合(S2117;NO)、S2143の処理に移行する。
【0230】
S2118の処理では、S2110の処理で操作されたボタンの種類を判断する処理を行う(S2118)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aがS2112で記憶した「ボタンの種類を特定するためのデータ」を読み出し、S2110の処理で操作されたボタンの種類を判断する(S2118)。このS2118の処理により、S2110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWであると判断されると(S2118;YES)、前述の「通常昇格成功演出」を実行した後(S2122)、昇格演出処理(S2100)を終了する。これに対して、S2110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWでない、すなわち貸出ボタン5cであると判断されると(S2118;NO)、前述の「特別昇格成功演出」を実行した後(S2120)、昇格演出処理(S2100)を終了する。
【0231】
実施例3によっても、実施例1と同様な効果を得ることができる。つまり、大当り遊技演出においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【実施例4】
【0232】
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4の遊技機は、図10の代わりに図49を用いる点と、図34の代わりに図50を用いる点とが、実施例1と異なる。
【0233】
図49に示すように、実施例4の遊技機を構成するサブ制御部220Aは、「演出ボタンSWが操作されたことを示す操作信号」、「貸出ボタン5cが操作されたことを示す球貸コマンド(CQR)」の他に、「発射停止スイッチ9bが操作されたことを示す発射停止コマンド(HRS)」と、「返却ボタン5qが操作されたことを示す返却コマンド(BSR)」とを受信可能とされている。なお、発射停止コマンド(HRS)と返却コマンド(BSR)の送信経路は特に問わない。例えば、発射停止コマンド(HRS)を払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様(例えば、発射停止スイッチ8bを遊技者が操作している場合の発射非停止信号を、発射制御部260A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様)を例示できる。また、返却コマンド(BSR)を払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様や、CRユニット80、払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様などを例示できる。
【0234】
実施例4のボタン操作演出処理(S1100)は、図50に従って行われる。但し、図50に示す実施例4のボタン操作演出処理(S1100)は、図34に示す実施例1のボタン操作演出処理対してS1101の処理が付加されている点と、図34のS1118の処理の代わりに、S1117の処理を行う点が実施例1と異なり、そのほかの処理については、実施例1のボタン操作演出処理と同様である。
【0235】
実施例4では、ボタン操作演出処理(S1100)が開始されると、特定操作手段を抽選によって特定する処理が行われる(S1101)。つまり、乱数抽選等によって、貸出ボタン5cと、発射停止スイッチ9bと、返却ボタン5qとのうちの何れか1つを特定操作手段に決定する処理が行われる(S1101)。また、このボタン操作演出処理(S1100)においては、S1116の処理の後、S1110の処理で操作されたボタンが、S1101の処理で特定されたボタンであるか否かを判断する(S1117)。
【0236】
そして、S1117の処理で否定的な判断(S1101の処理で特定されたボタンでないとの判断)がなされると(S1117;NO)、前述の「操作対応通常演出」を実行した後(S1122)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。これに対して、S1117の処理で肯定的な判断(S1101の処理で特定されたボタンであるとの判断)がなされると(S1117;YES)前述の「操作対応特別演出」を実行した後(S1120)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0237】
実施例4によっても、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、実施例4では、貸出ボタン5cと、発射停止スイッチ9bと、返却ボタン5qとのうちの何れが、特定操作手段であるのかを推理しつつ、操作演出を楽しむことができる。なお、実施例4の遊技機では、演出表示装置27、スピーカSP1〜SP4等の報知手段を用いて、「現在の特定操作手段を示唆するための演出」を行ってもよい。例えば、演出表示装置27の表示画面27aに、「遊技者が、現在の特定操作手段を推測する際に、ヒントとなる画像(例えば、遊技球が払い出される画像)」を表示してもよい。
【0238】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0239】
つまり、各請求項の発明では特別態様の操作演出制御において、遊技機の遊技モードを報知することとしてもよい。例えば、図51に示す変形例に係る遊技機においては、「大当り」として、図51(b)及び(c)に示す「第1の大当り(大量の賞球払い出しを予定できる大当り)と、図51(d)及び(e)に示す「第2の大当り(賞球払い出しを実質的に行わず、高確率モードを得ることを目的とする大当り)を予定している。
【0240】
また、図51(d)に示す「第2の大当り」では、当該「第2の大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、開放延長手段及び確率変動手段が作動する。以下、この図51(d)に示す「第2の大当り」を、「2R確変大当り」と称する。
【0241】
更に、図51(e)に示す「第2の大当り」では、当該「第2の大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段は作動するが、開放延長手段は作動しない。つまり、潜伏確率変動状態を開始することになる。以下、この図51(e)に示す「第2の大当り」を、「潜伏確変大当り」と称する。
【0242】
また、本変形例に係る遊技機では、図51(f)に示す疑似大当りの発生を予定している。この疑似大当りは、当否抽選の結果が落選である場合に生じ得るものであり、この疑似大当りを生ずると、「第2の大当り」と同様な態様にて、大入賞装置31が開閉動作を行う。つまり、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば「0.2秒間」)を挟みつつ2回繰り返される。以下、本明細書において、疑似大当りを「小当り」と称することもある。また、疑似大当りに基づいて、大入賞装置31が開閉動作を完了しても、開放延長手段及び確率変動手段が作動することはない。
【0243】
本変形例では、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」を終了した後には確率変動手段が作動するが、「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」を終了した後には確率変動手段は作動しない。ところが、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」と「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」とが同一態様で行われるばかりか、何れの遊技を終了した後においても、開放延長手段は作動しない。よって、遊技者にとっては、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」後に実行される遊技中や、「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」後に実行される遊技中において、現在の内部確率状態を判断することが困難である。
【0244】
一方、本変形例では、操作対応特別演出(図34に示すS1120の処理)において、遊技機の現在の遊技モード(確変状態であるか否か)を報知することとする。このため、遊技者が操作有効期間内において、演出ボタンSWの代わりに貸出ボタン5cを操作することで、遊技機の現在の遊技モード(確変状態であるか否か)が報知されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【符号の説明】
【0246】
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
5c;貸出ボタン(特定操作手段、貸出操作手段)、
5q;返却ボタン(特定操作手段、排出操作手段)、
9;発射ハンドル、
9b;発射停止スイッチ(特定操作手段、停止操作手段)、
11;遊技領域、
17;始動入賞装置(始動口)、
27;演出表示装置(演出装置)、
27a;表示画面、
80;CRユニット(カード処理ユニット)、
109:遊技球払出装置(払出装置)、
200;主制御部(当否抽選手段、大当り遊技実行手段)、
220A;サブ制御部(演出制御手段、操作判定手段、判断手段)、
222A;演出表示制御部(演出制御手段)
SW;演出ボタン(演出専用操作手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機や、スロットマシン(若しくはパチスロ)と称される回胴式遊技機に対して適用することができる
【背景技術】
【0002】
例えば、弾球式の遊技機(パチンコ機)は、通常、始動入賞装置(始動入賞口)と、可変表示装置と、大入賞装置とを備えている。この遊技機においては、遊技球が始動入賞装置に入賞することに起因して、大当りを発生させるか否かの抽選(つまり、当否抽選)を行う。そして、可変表示装置において、特別図柄を用いた演出表示(図柄変動演出表示)を所定時間に渡って行った後、当否抽選の結果を示す停止図柄(判定結果図柄)が停止表示される。
【0003】
当否抽選の結果が「大当り」である旨の判定結果図柄(大当り図柄)が可変表示装置に停止表示されると、遊技機は大当り遊技を開始し、大入賞装置を構成する開閉部材の開放動作を行って、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させる。これにより、大入賞装置を構成する大入賞口への遊技球の入賞が可能、若しくは、容易となるとともに、「大当り演出(大当り遊技中であることや、ラウンド数等を示す演出)」が可変表示装置において実行される。この後、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開閉部材の閉鎖動作を行い、大入賞装置を閉鎖状態とし、開閉部材に施される「1回の単位駆動」を完了する。この「開閉部材の単位駆動」が、所定の回数(所謂、「ラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機は大当り遊技を終了するとともに、「大当り演出」も終了する。
【0004】
かかる遊技機の中には、「演出表示(図柄変動表示)や大当り演出表示などの各種演出に変化を与えるための演出専用操作手段(演出スイッチ)」を備えるものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−27972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この種の遊技機においては、「演出専用操作手段を用いた演出形態」がマンネリ化しつつあるという、問題を有している。蓋し、この種の遊技機では、その機種を問わず、「演出専用操作手段が所定の有効期間に操作されることを条件に、この操作を反映した演出を可変表示装置で実行する」という、ありふれた遊技を実現するに過ぎないからである。従って、演出専用操作手段を備える遊技機において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することが切望されている。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、演出専用操作手段を備える遊技機において、新たな遊技性を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の遊技機は、
遊技上の演出を行う演出装置と、
前記演出装置の駆動を制御する演出制御手段と、
遊技者が前記遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段と、
を備え、
操作有効期間中に前記演出専用操作手段が操作されると、前記演出制御手段が、前記演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う遊技機であって、
前記演出装置とは別の装置を操作するために前記演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段が、前記操作有効期間中に操作されると、前記演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明の遊技機では、操作有効期間中に特定操作手段が操作されると、演出制御手段が特別態様の操作演出制御を実行する。すなわち、請求項1の発明の遊技機によると、「遊技者が操作有効期間中に演出専用操作手段以外の操作手段(特定操作手段)を操作することで、特別態様の操作演出が実行される」といった新たな遊技性を創出できる。従って、請求項1の発明によると、演出専用操作手段を備える遊技機において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。つまり、「演出専用操作手段とは別の操作手段に施す操作が操作演出に影響を与えるということ」は遊技者にとって意外性があり、遊技者は新鮮な驚きをもって遊技機に接することとなる。従って、請求項1の発明の遊技機によると、遊技者の興趣を高めることができる。
【0010】
各請求項の発明の「特別態様の操作演出制御」としては、(a)操作有効期間中に演出専用操作手段が操作された場合の操作演出に比べて、希少性の高い操作演出(プレミアムな操作演出)を実行するような演出制御(請求項2の発明を参照)、(b)演出専用操作手段を予め定められた操作条件に従って操作する必要がある状況下で、演出専用操作手段の操作条件を当初に比べて緩和させるような演出制御(請求項3の発明を参照)等を例示できる。
【0011】
「演出装置とは別の装置」は、遊技機を構成する装置(例えば、払出装置、発射装置等)であってもよいし、遊技機に隣接配置される他の装置(例えば、プリペイドカードユニット)であってもよい。ここで、プリペイドカードユニット(カード処理ユニットと称することもあり、以下、「CRユニット」という。)は、遊技機に隣接する状態に配設される装置である。そして、このCRユニットの紙幣挿入口1に規定額の紙幣(規定額の硬貨の場合もある。)が挿入された状態、若しくは、CRユニットのカード出入口に、必要な度数残高情報が記憶された記録媒体(例えば、プリペイドカード)が挿入された状態で、遊技機に設けられた貸出操作手段(貸出ボタン)が操作されると、払出装置が駆動して所定数の遊技媒体(遊技球若しくはコイン)が貸し出される(払い出される)。一方、遊技機に設けられた排出操作手段(返却ボタンが操作されると、CRユニットの排出機構が駆動して、記録媒体(プリペイドカード)が、カード出入口から排出される。
【0012】
各請求項の発明の「演出装置」としては、遊技上の演出表示を行う可変表示装置(液晶表示装置等)と、遊技上の演出音を発音する発音装置(スピーカ)と、遊技上の電飾を行う電飾装置(ランプ装置)と、遊技上の演出動作を行う可動物、遊技機の振動を加える振動装置とのうちの何れか1つ、若しくは、2つ以上を例示できる。また、演出専用操作手段及び特定操作手段としては、「遊技者が押下して操作する押下型の操作手段(演出ボタン)」の他に、遊技者が手を触れて操作する接触型の操作手段(接触型のセンサ、所謂タッチセンサ)や、遊技者が手をかざして操作する被接触型の操作手段(被接触型のセンサ)等を例示できる。また、各請求項の発明において「遊技上の演出に関与する」とは、「演出装置において実行される演出に変化を与えること」を指し、「操作演出」とは「操作手段の操作に伴って変化が与えられた演出」を指す。
【0013】
請求項2の発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、
前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現率が低い操作演出、若しくは、前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現しない操作演出が実行されることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明のより具体的な態様を例示するものである。つまり、請求項2の発明の遊技機では、「演出専用操作手段の操作が有効とされる操作有効期間」中に特定操作手段が操作されると、遊技者にとって希少性の高い操作演出(プレミアム演出等の有益な操作演出)が実行されるといった、新たなゲーム性を創出できる。
【0015】
請求項3の発明の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記操作演出制御の実行に際して前記演出専用操作手段に施される操作が、予め定められた操作条件を満たしているか否かを判断する操作判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作判定手段が前記操作条件を満たしていると判断することを条件に、前記操作演出を特定演出内容で実行するとともに、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、前記操作条件が緩和されることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は以下の観点に鑑みなされたものである。つまり、演出専用操作手段を有する遊技機では、演出専用操作手段の操作条件(有効期間内に一回操作する旨の条件や、有効期間内に所定回数操作する旨の条件)を予め定めるとともに、この操作条件に反する操作が演出専用操作手段に施されると、遊技者にペナルティを与えることが有効である。蓋し、操作条件に反する操作が演出専用操作手段に頻繁に施されると(例えば、演出専用操作手段を徒に連打する行為が頻繁に行われると)、演出専用操作手段に故障を生ずる頻度が高くなったり、周りの他の遊技者に不快感を与えたりする可能性があるからである。
【0017】
そして、請求項3の発明においても、(a)演出専用操作手段の操作条件を定めることと、(b)この操作条件に反する操作が行われると「特定演出内容の操作演出」を発生させないこと(遊技者にペナルティを加えること)と、を前提としつつも、特定操作手段が操作有効期間中に操作されると、操作条件を緩和することとしている。すなわち、請求項3の発明では、「本来、演出専用操作手段を操作すべき期間(操作有効期間)中に、遊技者が特定操作手段を操作すると、操作条件を変更(緩和)する」という内容の遊技(従来にない遊技者参加型の遊技)を実現できる。しかも、操作有効期間中に特定操作手段が操作されることを条件に、「演出専用操作手段に対して、本来の操作条件に反する操作を施す遊技者」を救済することができる。
【0018】
請求項3の発明の「操作条件」としては、(a)「演出専用操作手段に施される操作回数」によって設定される条件、(b)「演出専用操作手段に施される操作に起因して演出態様が変更される回数」によって設定される条件、(c)「遊技者が演出専用操作手段に負荷する衝撃力(圧力)によって設定される条件」、等を例示できる。尚、(c)に示す操作条件の場合、例えば、遊技者が演出専用操作手段に対して必要以上の衝撃力を加えた場合(必要以上に強い衝撃を加えた場合)、操作判定手段が操作条件を満たしていないと判断することとできる。
【0019】
請求項3の発明において、操作条件を満たしていると判断されることを条件に発生する「特定演出内容の操作演出」としては「正当な操作演出」を例示でき、操作条件を満たしていないと判断されることを条件に発生する「特定演出内容以外の内容の操作演出」としては「不当な操作演出(ペナルティ的な演出)」を例示できる。この場合、遊技者が操作条件を満たさない場合には、遊技者が望まない演出(ペナルティ的な演出)が発生するといった、従来にない遊技性を実現することもできる。そして、この「正当な操作演出」と「不当な操作演出」の組み合わせとして以下のものを例示できる。
【0020】
例えば、操作演出のタイプとして、「信頼度の高い演出」と「信頼度の低い演出」とが予定される場合において、「正当な操作演出」としては「信頼度の高い演出」が実行され、「不当な操作演出」としては「正当な操作演出として実行される演出」よりも低信頼度の演出が実行される態様(以下、「第1の態様」という。)を例示することができる。また、操作演出のタイプとして、「信頼度の高い演出」と「信頼度の低い演出」とが予定され、操作演出が行われる際に実行する演出のタイプが選択(遊技状態や乱数抽選等によって選択)されるとする。この場合において、「正当な操作演出」としては「選択された操作演出」がそのまま実行され、「不当な操作演出」としては選択されたタイプにかかわらず、低信頼度演出タイプの操作演出が実行される態様(以下、「第2の態様」という。)を例示することができる。ここで、当否抽選の結果を報知する際にその前提として行われる演出のうちで、「その後、当否抽選の結果が大当りである旨の大当り報知が行われる場合に実行される確率が高い演出」を「信頼度の高い演出」と称し、「その後、当否抽選の結果が大当りである旨の大当り報知が行われる場合に実行される確率が低い演出」を「信頼度の低い演出」と称する。
【0021】
尚、「第1の態様」及び「第2の態様」において、可変表示装置が演出装置を構成する場合、例えば、リーチ表示の有無、可変表示装置に表示されるキャラクタ図柄や背景図柄の数、種類等によって「信頼度」の差異を表現することができる。また、発音装置(スピーカ)が演出装置を構成する場合、効果音の態様(曲目、大きさ、種類、テンポ、音色等)によって「信頼度」の差異を表現することができ、電飾装置(ランプ装置)が演出装置を構成する場合、電飾の態様(色、明るさ等)によって「信頼度」の差異を表現することができる。尚、請求項3の発明においては、「操作条件」を満たしていると判断される毎に、可変表示装置の表示態様、発音装置の発音態様及び電飾装置の電飾態様のうちの2個以上において、正当な操作演出を発生させ、満たさないと判断される毎に、可変表示装置の表示態様、発音装置の発音態様及び電飾装置の電飾態様のうちの2個以上において、不当な操作演出を発生させてもよい。
【0022】
可変表示装置が演出装置を構成する場合の他の具体例を述べる。例えば、可変表示装置において、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、付加図柄の種類及び数のうちの少なくとも一方を減す態様(以下、「第3の態様」という。)を例示できる。この「第3の態様」にて「不当な操作演出」においては、付加図柄の表示を排除する態様としてもよい。
【0023】
また、可変表示装置において、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、付加図柄のサイズを小さくする態様(以下、「第4の態様」という。)や、付加図柄のサイズを小さくするとともに、付加図柄の種類及び数のうちの少なくとも一方を減す態様(以下、「第5の態様」という。)を例示できる。或いは、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を行う際に、背景図柄やキャラタ図柄等の付加図柄をも併せて表示する場合、「不当な操作演出」においては、識別情報(特別図柄)の表示や大当り演出表示を一旦停止したり、中止する態様(以下、「第6の態様」という。)を例示することができる。
【0024】
発音装置(スピーカ)が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、効果音を小さくしたり(効果音を消す場合も含む。)、テンポを遅くしたり、音色を低下させる態様を例示できる(以下、「第7の態様」という。)。また、電飾装置(ランプ装置)が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、電飾の明るさを暗くする(消す)こと、及び、電飾を構成する色数を減少させることの少なくとも一方を行う態様を例示できる(以下、「第8の態様」という。)。更に、可動物が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、演出動作の動作速度を遅くする(動作を止めてもよい。)態様を例示できる(以下、「第9の態様」という。)。また、振動装置が演出装置を構成する場合、「不当な操作演出」においては、「正当な操作演出」に比べて、振動の強さを弱くする(振動を止めてもよい。)態様を例示できる(以下、「第10の態様」という。)。尚、請求項3の発明の遊技機は、第1の態様から第10の態様のうちの2態様以上を実行するものであってもよい。
【0025】
請求項4の発明の遊技機は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
始動口への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選手段が、前記当否抽選の結果が当選である旨の抽選結果を導出すると、前記大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記演出装置を構成し、前記当否抽選の結果を示す判定結果図柄が変動表示を経て停止表示されるとともに、前記大当り遊技実行手段の作動時に大当り演出表示を行う演出表示装置と、
を備え、
前記図柄変動表示中及び大当り演出表示中のうちの少なくとも一方において、一律に若しくは所定の条件の下、前記操作有効期間が設けられることを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明は「操作演出」の実行期間(操作有効期間)を例示するものである。そして、請求項4の発明によると、図柄変動表示中や大当り演出表示中において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。
【0027】
請求項5の発明の遊技機は、請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
有価価値情報が記録された記録媒体を受け入れて該有価価値情報の読み取り及び書き換えを行うカード処理ユニットと電気的に接続され、
遊技領域に遊技媒体を発射する発射装置と、
前記発射装置を駆動するための発射ハンドルと、
前記発射装置による遊技媒体の発射を停止させるための停止操作手段と、
前記払出装置に遊技媒体の払い出しを実行させるための貸出操作が施される貸出操作手段と、
前記カード処理ユニットに受け入れられた記録媒体を、前記カード処理ユニットから排出するための排出操作が施される排出操作手段と、
を備えるとともに、
前記停止操作手段と、前記貸出操作手段と、前記排出操作手段とのうちの少なくとも何れかが、前記特定操作手段を構成することを特徴とする。
【0028】
請求項5の発明は、特定操作手段の具体例を示すものである。つまり、停止操作手段、貸出操作手段若しくは排出操作手段に施す操作が、操作演出に影響を与えることは、遊技者にとって意外性があり、遊技者は新鮮な驚きをもって遊技機に接することとなる。従って、請求項5の発明の遊技機によると、遊技者の興趣を高めることができる。
【0029】
ここで、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
【発明の効果】
【0030】
以上記述したように各請求項の発明によると、演出専用操作手段を備える遊技機において、新たな遊技性を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機(遊技機システム)を示す正面図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機において本体枠等を説明するための概略的な説明図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技盤を示す正面図である。
【図5】(a)は左下表示装置の概略的な正面図であり、(b)は右下表示装置の概略的な正面図である。
【図6】本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の各実施例(実施例4を除く)に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図12】本発明の各実施例に係るCRユニットを示すブロック図である。
【図13】(a)は本発明の各実施例において特別図柄表示部を示す概略的な正面図であり、(b)は本発明の各実施例において演出表示装置の表示画面を示す概略的な正面図である。
【図14】(a)〜(f)は、本発明の実施例に係る遊技機において本図柄の停止図柄と疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施例1に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図17】本発明の実施例1に係る遊技機によって実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図18】(a)及び(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。
【図19】各実施例に係る遊技機において貸出処理の概略を説明するための説明図である。
【図20】各実施例に係る遊技機において貸出処理の概略を説明するためのタイムチャートである。
【図21】本発明の各実施例に係る遊技機において遊技制御処理を示すフロー図である。
【図22】本発明の各実施例に係る遊技機において払出制御処理を示すフロー図である。
【図23】本発明の実施例に係る遊技機において球貸制御処理を示すフロー図である。
【図24】特別図柄遊技開始判断処理を示すフロー図である。
【図25】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図26】特別図柄遊技処理を示すフロー図である。
【図27】特図関連処理を示すフロー図である。
【図28】当否抽選処理を示すフロー図である。
【図29】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図30】(a)及び(b)は実施例に係る変動パターンテーブルの内容を示す説明図である。
【図31】大当り遊技処理を示すフロー図である。
【図32】大当り遊技終了処理を示すフロー図である。
【図33】本発明の各実施例(実施例3を除く)に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するためのフロー図である。
【図34】本発明の実施例1に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図35】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図36】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図37】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図38】本発明の実施例2において実行される図柄変動演出表示を説明するための説明図である。
【図39】本発明の実施例2に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図40】本発明の実施例2に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図41】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図42】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図43】(a)及び(b)は、本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図44】(a)及び(b)は、本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出を説明するための説明図である。
【図45】(a)は本発明の実施例3に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するためのフロー図であり、(b)は本発明の実施例3に係る遊技機において図柄変動演出制御処理を説明するための説明図である。
【図46】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出処理を説明するためのフロー図である。
【図47】本発明の実施例3に係る遊技機において大当り遊技演出処理を説明するためのフロー図である。
【図48】本発明の実施例3に係る遊技機において昇格演出処理を説明するためのフロー図である。
【図49】本発明の実施例4に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図50】本発明の実施例4に係る遊技機においてボタン操作演出処理を説明するためのフロー図である。
【図51】(a)〜(f)は、変形例に係る遊技機において本図柄の停止図柄と疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【実施例1】
【0033】
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図5を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、本遊技機1は、「カード式の弾球遊技機」と称される所謂「CR機」であり、その左端側に配設されたCRユニット80とともに遊技機システムSを構成している。
【0034】
外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
【0035】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図6を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
【0036】
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
【0037】
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図6参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。
【0038】
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
【0039】
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図9参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
【0040】
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図7及び図8参照)及び演出ボタン基板228(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸パネル5p」と「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。ここで、「演出ボタンSW」は演出専用操作手段の具体例を構成する。
【0041】
図1に示すように、球貸パネル5pには、貸出ボタン5cと、返却ボタン5qとが配設されるとともに、残高表示部5rが設けられている。ここで、「貸出ボタン5c」は貸出操作部の具体例を構成する。また、図6に示すように、「払出装置」の具体例を構成する遊技球払出装置109は、後述するように、裏パック102に配設されている。尚、払出モータ109m(図7及び図8を参照)は遊技球払出装置109の駆動源を構成している。また、貸出ボタン5cは貸出操作手段及び特定操作手段の具体例を構成する。
【0042】
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
【0043】
発射ハンドル9は、その後方の発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。そして、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する打撃槌と、打撃槌の回転を規制するストッパと、打撃槌に打撃力を付与するバネ部材と、回転軸に一体回転可能な状態に装着されたカムを介して打撃槌に連続的に打撃力を発生させる発射モータ(ステッピングモータであって、図11の発射モータ8mを参照)と、を備える。なお、発射装置ユニットは発射装置の具体例を構成する。
【0044】
この発射装置ユニットでは、遊技者が発射ハンドル9の回転量を調整することで、バネ部材から打撃槌に加わる付勢力が変化し、打撃槌が遊技球に加える打撃力が変化する構成(回転操作量を多くすると、バネ部材から打撃槌に加わる付勢力が増大し、打撃槌が遊技球に加える打撃力が増大する構成)とされている。また、発射装置ユニットには発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。
【0045】
発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を出力し、遊技者が発射ハンドル8に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を出力する。また、発射停止スイッチ8bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を出力する。なお、発射停止スイッチ9bは「停止操作手段」の具体例を構成する。
【0046】
本遊技機1では、遊技者が発射ハンドル9に触れており(タッチスイッチ9aが接触検知信号を出力しており)、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作していない(発射停止スイッチ9bが発射非停止信号を出力している)とともに、発射ハンドル9が必要量回転操作されると、遊技領域11に遊技球が発射される。一方、遊技者が発射ハンドル9に触れていない(タッチスイッチ9aが接触非検知信号を出力している)か、或いは、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作している場合(発射停止スイッチ9bが発射停止信号を出力している場合)、遊技領域11に遊技球が発射されることはない。
【0047】
CRユニット(カード処理ユニット)80は、図2に示すように、遊技機1の左端側に配設されつつ、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に設置されている。また、CRユニット80は、図7及び図8に示すように、遊技機1に電気的に接続され、この遊技機1と送受信可能な状態とされている。このCRユニット80は、上下方向に長尺に構成され、紙幣挿入口81と、カード出入口84とを前面側に開口させている。ここで、紙幣挿入口81への紙幣の挿入と、カード出入口84へのカード(但し、度数残高情報が記憶されたカード)の挿入と、のうちの少なくも何れかが行われると、CRユニット80に挿入(投入)された価値残高(有価残高)が残高表示部5r(図1を参照)に表示される。この際、残高表示部5rには、価値残高(有価残高)が最大3桁の算用数字で表示される。
【0048】
残高表示部5rに必要な残高が表示されている場合に「貸出ボタン5c」を押すと、1回の操作(つまり、貸出操作)で有効な度数(例えば、5度)分の個数(例えば、125個であって、1度分の基準個数の5倍である。)の遊技球が貸し出される。そして、1度分の基準個数の遊技球の貸出が完了する毎に、CRユニット80(度数残高情報が記憶されたカード)に記憶されている度数残高が貸出個数に応じて書き換えられ(1度減算した度数残高に書き換えられ)、その度数残高が残高表示部5rに表示される。
【0049】
ここで、CRユニット80は、図12に示すように、制御手段80Aと、記憶手段80Bと、カードリーダ80Cと、カード収納部80Dと、カード搬送繰出機構部80Eと、通信制御部80Fとを備える。このうち、通信制御部80Fは、CRユニット80と他の機器(本遊技機1、島コンピュタ等)との間の間で通信の制御を行うための処理部である。また、制御手段80AはCRユニット30の全体の制御を司り、記憶手段80Bは制御手段80Aによる各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納している。また、カードリーダ80Cは、カード出入口84に挿入されたプリペイドカードに記録された情報を読み込み、この読み込んだ情報を制御手段80Aに出力する。
【0050】
カード収納部80Dは、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部である。そして、遊技者がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、予め複数のプリペイドカードを収納している。例えば、遊技者が、紙幣挿入口81に紙幣を挿入すると、一枚がカードリーダ80Cの位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。また、カード搬送繰出機構部80Eは、プリペイドカードの搬送や繰出を行う機構部である。つまり、(i)カード出入口84から挿入されたプリペイドカードをカードリーダ80Cに搬送すること、(ii)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード収納部80Dに搬送すること、(iii)カード収納部80Dに収納されたプリペイドカード(残度数が価値付けられていないプリペイドカード)をカードリーダ80Cに繰り出すこと、(iV)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード出入口84に繰り出すること、を行う装置である。
【0051】
このCRユニット80では、度数残高が残高表示部5rに表示された状態で、返却ボタン5qを押すと、カード出入口84からカード(度数残高情報が記憶されたカード)が排出される。つまり、このCRユニット80は、プリペイドカードの残度数が「0」でない場合、返却ボタン5qの押下操作に基づく返却要求を受け付ける。そして、この返却要求を受け付けると、制御手段80Aはカード搬送繰出機構部80Eに対してプリペイドカードの返却指示を行う。これにより、この返却指示に係るプリペイドカードは、カード出入口84から排出される。尚、本遊技機システムSでは、度数残高が「ゼロ」の場合、カードは排出されないが、排出されるものとしてもよい。なお、返却ボタン5qは「排出操作手段」の具体例を構成する。
【0052】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。
【0053】
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
【0054】
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
【0055】
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を構成している。この取付部材(化粧板)21には窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって正面視で略矩形状の表示窓21eを構成している。
【0056】
取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
【0057】
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
【0058】
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
【0059】
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動演出表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための表示装置を構成し、演出表示装置27が疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示する。なお、演出表示装置27は演出装置の具体例を構成する。
【0060】
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図13(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出表示」が実現される。
【0061】
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図7参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
【0062】
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
【0063】
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物を備えている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図7参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0064】
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図7参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される。
【0065】
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図7参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図7参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
【0066】
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図5(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
【0067】
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
【0068】
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
【0069】
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
【0070】
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定(大当り抽選)の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確変手段(当否抽選において、大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常に比べ短い時間に設定する手段)と、開放延長手段(普通電動役物の開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、時短手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、時短手段および開放延長手段が作動を停止する。
【0071】
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図5(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
【0072】
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図11(a)に示すように、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否抽選(当否判定)に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
【0073】
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
【0074】
図5(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図5(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図7参照)が配設されている。
【0075】
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
【0076】
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図6を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
【0077】
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
【0078】
また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図6において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
【0079】
(2)制御回路の構成
次に、図7〜図11を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
【0080】
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
【0081】
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図7〜図11中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図7においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
【0082】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
【0083】
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否抽選手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
【0084】
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。
【0085】
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図9に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
【0086】
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
【0087】
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
【0088】
図10に示すように、演出ボタンSWは演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に接続されているため、この演出ボタンSWから出力される信号は演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に入力される。尚、図10では、「演出ボタンSWが閉状態(ON状態)とされることで、サブ制御基板220に入力されるON信号」が「Lレベル(ローレベル)」とされ、「演出ボタンSWが開状態(OFF状態)とされることで、サブ制御基板220に入力されるOFF信号」が「Hレベル(ハイレベル)」とされる態様を例示している。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)と、演出表示制御部222A(演出制御基板222)とが協働して、演出制御手段として機能する。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、操作判定手段として機能する。
【0089】
払出制御部240Aには、図7及び図8に示すように、中継端子板240B、240C(但し、図8では中継端子板240Bの図示を省略)、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板240Bを介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、中継端子板240Cを介してCRユニット80が双方向通信可能な状態に接続されるとともに、この中継端子板240C及び球貸表示基板410を介して、貸出ボタン5cと返却ボタン5qとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
【0090】
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板240Cを介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
【0091】
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
【0092】
図11に示すように、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240には、発射制御部260Aを構成する発射制御基板260が接続され、発射制御基板260には発射駆動基板262を介して、発射モータ8mと、タッチスイッチ9aと、発射停止スイッチ9b等が接続されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が発射ハンドル8に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。また、発射停止スイッチ8bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。
【0093】
発射制御部260Aは、タッチスイッチ9aが接触検知信号(オン信号)を出力し、発射停止スイッチ9bが発射非停止信号(オン信号)を出力しているとともに、発射ハンドル9が回転操作されると、発射モータ8mを駆動する。これにより、遊技者が発射ハンドル9に加えた回転量に応じて、打撃力が打撃槌から遊技球(発射位置の遊技球)に加えられる。そして、この打撃力が十分である場合、打撃槌で打撃された遊技球は遊技領域11に到達する。一方、発射ハンドル9が回転操作された状態であっても、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作すると(発射停止スイッチ9bが発射停止信号(オフ信号)を出力すると)、発射制御部260Aは発射モータ8mの駆動を停止させる。
【0094】
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROMに格納されているデータを使用する。
【0095】
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
【0096】
(3)特別図柄の表示態様
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は、「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
【0097】
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。
【0098】
次に、これらの特別図柄の表示態様を説明する。先ず、右下表示装置60においては、特別図柄の変動開始条件(当否抽選の実行条件)が成立する毎に、右下表示装置60の「特別図柄表示部62」を用いて、本図柄の変動表示を開始する。この変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)が実行される。そして、本図柄の停止表示の態様には、以下の態様がある。
【0099】
i)大当り
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて行うか、図14(c)の中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて行う場合である。また、この大当りの契機となる停止図柄(確定図柄のことで、2個又は3個のLEDが点灯させて表示される図柄)を、大当りの発生契機となる「大当り図柄」と称するが、この大当りを生ずると、遊技機の遊技状態は、特別遊技状態(大当り状態)となり、特別遊技(大当り遊技)が実行される。
【0100】
特別遊技状態となると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、特別遊技が開始される。この特別遊技(大当り遊技)は大量の賞球払い出しを予定できる大当りを示しており、この特別遊技を開始すると、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ16回繰り返される。このとき、大入賞装置31の開閉動作を行う際の前記「所定時間」は、例えば「25秒間」とされる。
【0101】
本遊技機1では、2種類の「大当り」を予定している。つまり、図14(b)中欄に示す「大当り」では、当該「大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、開放延長手段及び時短手段は作動する(100回の図柄変動を行うまでであり、図32のS721、S722を参照)。以下、この図14(b)中欄に示す「大当り」を、「通常大当り」と称することがある。また、図14(c)中欄に示す「大当り」では、当該「大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段、開放延長手段及び時短手段が作動する(図32のS724、S728、S730を参照)。以下、この図14(c)中欄に示す「大当り」を、「確変大当り」と称することがある。
【0102】
ii)外れ
本図柄の停止表示(確定表示)を、図14(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。
【0103】
iii)疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
【0104】
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、図13(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ図柄を表示したりすることができる。
【0105】
疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される確定図柄には、図14(a)〜(c)の右欄に示す態様がある。即ち、図14(a)右欄の「外れを示す停止図柄」と、図14(b)及び(c)の各右欄に示す「大当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「大当りを示す停止図柄」は、「1」〜「9」のうちの何れかの「数字」を3つ並べて構成される(3桁同一数字)。但し、この「大当り」が「通常大当り」である場合には偶数数字が揃えられ(例えば、「222」)、「確変大当り」である場合には奇数の数字が揃えられる(例えば、「777」)。
【0106】
(4)図柄変動演出表示の概要
図柄変動演出表示を、「操作有効期間を設けずに完了する場合(以下、一般演出という。)」と、「操作有効期間を演出表示途中に設けて行う場合(以下、操作関連演出という。)」とがある。また、操作関連演出の中には、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSW若しくは貸出ボタン5cを操作することで実行される操作演出と、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSW及び貸出ボタン5cを操作することなく実行される放置型の演出とがある。以下、一般演出の概要を述べた後、操作関連演出の特徴的な部分について説明する。
【0107】
a.一般演出の場合
始動入賞を生じ、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、図5(b)に示した右下表示装置60の特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。そして、所定時間が経過した後、特別図柄表示部62a〜62gにおいて本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。
【0108】
尚、図15(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図15(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると、大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。
【0109】
図15(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、当否抽選の結果が当選(大当り)である」旨の停止表示(確定表示、大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動演出表示(変動表示)途中に「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
【0110】
b.操作関連演出の場合
次に、図16及び図17を用いて、操作演出の特徴的な部分等について説明する。この操作演出には、操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されることで実行される操作演出(以下、「操作対応通常演出」という。)と、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「操作対応特別演出」という。)とがある。以下、これらの操作演出の概要を説明する。
【0111】
操作演出を伴う図柄変動演出表示においても、図16に示すように、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する(b1)。そして、所定時間が経過すると、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(b2)。この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(b3)、「操作有効期間」が開始される。つまり、疑似図柄表示部27b〜27dを小型化して表示画面27aの周縁部側で特別図柄(疑似図柄)の変動表示を行うとともに、表示画面27aの何れかの部位に「演出ボタンSWを示す図形」が表示される(b3)。
【0112】
この操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されると(図中の符号Pは、演出ボタンSWが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(b4)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまでの間、表示画面27aにおいて、操作対応通常演出を実行する(b5〜b8)。具体的には、登場するキャラクタ図柄(タコのキャラクタ図柄)のサイズを徐々に変更する演出が実行される。その際、小型化された疑似図柄表示部27b〜27dにおいて特別図柄(疑似図柄)の変動表示が継続される(b5〜b8)。そして、図柄変動演出表示の変動時間を経過すると、疑似図柄表示部27b〜27dが変動開始時のサイズに戻された後、図柄変動演出表示を完結して、当否抽選の結果を示す停止図柄が停止表示される(b9)。
【0113】
一方、操作有効期間中に、演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cが操作された場合も、図17に示すように、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(c4)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)。そして、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまでの間、表示画面27aにおいて、操作対応特別演出を実行する(c5〜c8)。
【0114】
具体的には、表示画面27aに複数のキャラクタ図柄が登場させ、所謂「バトル演出」が実行される(c5〜c8)。つまり、表示画面27aに「タコのキャラクタ」と「イカのキャラクタ」とを登場させる(c5)。そして、「タコのキャラクタとイカのキャラクタとの押しつ押されつの攻防」を行った後(c6,c7)、一方のキャラクタが勝利したことを示す画像が表示され(c8)、バトル演出を終了する。この後、図柄変動演出表示の変動時間が経過すると、疑似図柄表示部27b〜27dが変動開始時のサイズに戻された後、図柄変動演出表示を完結して、当否抽選の結果を示す停止図柄が停止表示される(c9)。
【0115】
なお、図示を省略するが、演出ボタンSW及び貸出ボタン5cが操作有効期間中に操作されない場合、操作有効期間の経過を待って「演出ボタンSWを示す図形」が消去される。この場合、操作演出が実行されることはない。つまり、遊技者が関与しない演出(つまり、放置型の演出)が、図柄変動演出表示の変動時間が経過するまで行われる。なお、本明細書においては、操作有効期間に実行される演出を総称して「ボタン操作演出」と称することがある。つまり、「操作対応通常演出」と、「操作対応特別演出」と、「放置型演出」とを合わせて、「ボタン操作演出(図35等を参照)」と称することがある。
【0116】
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図18(a)の模式図を用いて説明する。
【0117】
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
【0118】
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図18(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドともいい、以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)、(C)貸出操作に基づく遊技球の払い出し(貸球の払い出し)が開始されたことを示す球貸コマンド(CQR)等がある。尚、演出パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
【0119】
(6)遊技球の貸出処理の概要
次に、図19及び図20を参照しつつ遊技球の貸出処理の概要を説明する。まず、遊技機1の電源が投入されると、払出制御部240AはCRユニット80に「PRDY信号(遊技機動作信号)」を出力し(ステップ2a)、CRユニット80はこれを受信する(ステップ3a)。尚、以下の説明においては、処理ステップを単に「S」と表示(例えば、「S2a」と表示)する。また、CRユニット80は、払出制御部240Aに電源信号(VL信号)を出力するが、払出制御部240Aでは、このVL信号の入力状態に基づいてCRユニット80の接続或いは未接続を判定する。また、払出制御部240Aが、「遊技球払出装置(払出装置)109による遊技球の貸出しが可能な場合」には、CRユニット80に対してPRDY信号を出力した状態を維持する。
【0120】
CRユニット80の紙幣挿入口81へ規定額の紙幣(規定額の硬貨の場合もある。)が挿入されるか、必要な度数残高情報が記憶されたカード(プリペイドカード)がカード出入口84に挿入されるとともに、貸出ボタン5cが操作されると、貸出操作信号(貸出ボタン5cが操作されたことを示す信号)が球貸表示基板410、中継端子板240Cを介してCRユニット80に出力される(図8を参照)。そして、CRユニット80が、この貸出操作信号を受信すると(S3b;YES)、CRユニット80は払出制御部240Aに対してCRユニットREDY信号(カードユニットREDY信号であって、以下「BRDY信号」と表記する。)の「オン情報」を送信し(S3c、S2b)、続いて、貸出要求信号(台端末貸出要求完了確認信号であって、以下「BRQ信号」と表記する。)の「オン情報」を送信する(S3d)。ここで、CRユニットREDY信号(BRDY信号)は、CRユニット80が貸出処理中であることを伝達する信号であり、貸出要求信号(BRQ信号)はCRユニット80が基本単位分(25個)の遊技球の貸出を要求する信号である。
【0121】
払出制御部240Aは貸出要求信号(BRQ信号)の「オン情報」を受信すると(S2c)、所定の監視時間(RRQ要望了解ACK監視時間であって、例えば、100msで、図20中符号Bで示す時間)を持って、貸出完了信号(台端末貸出完了信号であって、以下「EXS信号」と表記する。)を立ち上げて(EXS信号をオンにして)、CRユニット80に送信する(S2d)。また、CRユニット80は貸出完了信号(EXS信号)の「オン情報」を受信すると(S3e)、所定の監視時間(貸出指示監視時間であって、例えば、251ms未満で、図19中符号Cで示す時間)を持って、貸出要求信号(BRQ信号)の出力状態を停止させる(S3f、BRQ信号をオンからオフに切換える)。そして、払出制御部240Aが貸出要求信号(BRQ信号)の停止を検出(つまり、BRQ信号のオフ情報を受信)すると(S2e)、払出モータ109mを駆動して単位個数(基本単位分;25個)の遊技球の貸出を行う(S2f)。また、この単位個数の遊技球の貸出を完了すると、払出制御部240Aから主制御部200Aへ貸出情報(基本単位分の遊技球の払い出しが行われたことを示す信号)が送信される(S2g、S1a)。
【0122】
主制御部200Aは、この貸出情報を受信すると(S1a)、その貸出情報が、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出処理において、第1回目に受信した貸出情報」であるか否かを判断し(S1b)、第1回目に受信した貸出情報である場合、球貸コマンド(CQR)をサブ制御部220A(サブ制御基板220)に送信する処理を行う。つまり、本実施例では遊技球の貸出単価が、遊技球1個あたり「4円」に設定されるとともに、「貸出ボタン5cに施した1回の貸出操作に伴う貸出処理」において「500円」分の遊技球(125個の遊技球)を払い出すことを予定しているため、当該「1回の貸出操作に伴う貸出処理」においては、払出モータ109mが5回駆動することになる。このため、当該「1回の貸出操作に伴う貸出処理」が行われると、主制御部200Aは貸出情報を5回受信することになるが、本実施例では、第1回目に受信した貸出情報に基づいて球貸コマンド(CQR)を送信することとしている。但し、本実施例とは異なり、主制御部200Aが貸出情報を受信する毎に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって「所定コマンド」を送信することとするとともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)の側で最初に受信した「所定コマンド」を根拠に、「払い出しの開始」を検出することとしてもよい(最初に受信した所定コマンドを、球貸コマンドとして取り扱うこととしてもよい。)。
【0123】
払出制御部240Aが、単位個数の遊技球の貸出しを完了すると、貸出完了信号(EXS信号)の出力状態を停止するが(EXS信号をオンからオフに切換えるが)、CRユニット80が、このEXS信号の出力状態停止を検知(S3g)、つまり、EXS信号のOFF情報を受信すると(S3g)、その受信回数を所定の計数カウンタを用いて計数する(S3h)するとともに、CRユニット80(度数残高情報が記憶されたカード)に記憶されている度数残高が書換えられる。このとき、度数LED信号が、CRユニット80から球貸表示基板410に送信され(S3i)、残高表示部5r(図2及び図8を参照)には価値残高(有価残高)が表示される。すなわち、遊技球払出装置(払出装置)109が1回駆動する毎に(25球の遊技球が払い出される毎に)、残高表示部5rの表示が更新される。
【0124】
更に、連続して貸出があれば、以上の処理を所定回繰返して行う。ここで、CRユニット80においては、予め遊技場の管理者によって「遊技球の貸出単価」と「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う遊技球払出装置109(払出モータ109m)の駆動回数」とが設定されている。そして、「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う遊技球払出装置109(払出モータ109m)の駆動回数」は「EXS信号のOFF情報」の受信回数に他ならない。このため、CRユニット80は「S3gの処理」で計数した受信回数を下に、「貸出ボタン5cに施す1回の操作に伴う払い出し」を完了したか否かを判断し(S3j)、終了していなければ、「S3jの処理」において肯定的な判断を得るまで「S3dからの処理」を繰り返す。そして、「S3jの処理」において肯定的な判断を得ると(S3h;YES)、CRユニット80はBRDY信号の出力を停止し、払出制御部240AにBRDY信号のOFF情報を出力して(S3k)、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出(貸出処理)」を終了する。これに伴って、払出制御部240AがBRDY信号のOFF情報を受信すると(S2i)、払出制御部240Aから主制御部200Aに貸出完了信号が送信される。(S2k、S1c)。尚、本実施例において、「貸出ボタン5cに施す操作」とは、貸出ボタン5cに施す有効な操作の意味であり、「貸出ボタン5cに施した1回の操作に伴う貸出処理中に行われる操作(貸出処理に結びつかない、無意味な操作)」は除外される。
【0125】
(7)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図21は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S10)、普通図柄遊技処理(S120)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、図21の一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっているため、これらの処理は約4msec毎に繰り返し実行される。
【0126】
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、17t、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図30に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S120)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S400)、大当り遊技処理(S700)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図21のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
【0127】
A.賞球払出処理(S10)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S10)。すなわち、始動入賞検出スイッチ17s、17t若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。尚、この「始動入賞検出用スイッチ17sへの入賞情報に基づいて払出信号を出力する処理」が、「CPU201が行う賞球払出手段としての処理」の具体例を構成する。
【0128】
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、遊技球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、遊技球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
【0129】
尚、この賞球払出処理に関連して、「払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPU」は、図22に示す「払出制御処理(S5000)」を行う。この払出制御処理(S5000)では、先ず、主制御基板200から賞球コマンド(払出信号)を受信したか否かを判断する(S5001)。ここで、賞球コマンドとは、主制御基板200から払出制御基板240に出力されるコマンドであり、賞球として払い出すべき遊技球の個数を示すコマンドである。
【0130】
この賞球コマンド(払出信号)を受信した場合(S5001;YES)、この賞球コマンド(払出信号)で指定される遊技球数を、獲得遊技球数に算出(加算)して、払出制御基板240に搭載されたRAMの所定領域に記憶する処理を行った後(S5002)、S5004以降の処理に移行する。ここで、獲得遊技球数(未払出遊技球数)とは、賞球コマンド(払出信号)によって払出を指示されていながら、未だ払い出せていない遊技球数のことである。この獲得遊技球数(未払出遊技球数)は、賞球として遊技球を1球払い出すたびに「1」ずつ減算されて行くが、賞球コマンド(払出信号)を受信すると、このコマンドによって指定された個数だけ遊技球数が加算される。一方、賞球コマンド(払出信号)を受信しない場合(S5001;NO)、獲得遊技球数を算出(加算)する処理(S5002)をスキップして、S5004以降の処理に移行する。
【0131】
S5004以降において、払出制御基板240のCPUは、遊技球の払い出しに関する異常が発生していないかどうかを確認する(S5004、S5006、S5008、S5010、S5012)。つまり、主制御基板200や遊技球払出装置109(払出モータ109m)との間で通信異常が発生していないか(S5004)、遊技球払出装置(払出装置)109に異常が発生していないか(S5006)、球切れ状態になっていないか(S5008)、下受け皿が満杯になっていないか(S5010)、払出モータ109mの空切りを生じていないか(S5012)が判断される。そして、何らかの異常が発生していた場合は、異常(エラー)を報知する処理(S5016)と、異常(エラー)を解除する処理(S5018)とが行われる。
【0132】
一方、払い出しに関する異常が発生していないと判断された場合は(S5004;NO、S5006;NO、S5008;NO、S5010;NO、S5012;NO)、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が残っているか否かを判断し(S5014)、残っていれば(S5014;YES)、賞球制御処理を行う(S5020)。この賞球制御処理では、払出モータ109mを回転させて遊技球を1球ずつ払い出し、この遊技球を払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)で検出して、その度に獲得遊技球数(未払出遊技球数)を「1」ずつ減算する。この操作を、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が「0」になるか、主制御基板200から新たな賞球コマンド(払出信号)が送信されるまで継続する。
【0133】
遊技球の払い出しに関する異常が発生しておらず(S5004;NO、S5006;NO、S5008;NO、S5010;NO、S5012;NO)、獲得遊技球数(未払出遊技球数)が残っていないと判断された場合は(S5014;NO)、払出制御基板240のCPUは、CRユニット80から「球貸信号(BRDYのON情報とBRQのON情報で構成)」を受信したか否かを判断する(S5025)。そして、払出制御基板240のCPUが、「球貸信号」を受信したと判断した場合は(S5025;YES)、球貸制御処理(S5100)を行う。
【0134】
この球貸制御処理(S5100)では、図23に示すように、払出モータ109mを回転させて、遊技球を1球ずつ払い出し(S5102)、これを払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)で検出して、払い出した遊技球数を計数する。そして、払い出した遊技球数が規定個数(本実施例では25個)に達したら、主制御部200Aに「貸出情報信号(貸出情報に係る信号)」を送信する(S5110)。つまり、単位個数(基本単位分;25個)の遊技球の払い出しが完了する毎に、払出制御部240Aから主制御部200Aに貸出情報が送信される。
【0135】
そして、払出制御部240AがCRユニット80から、貸出完了信号(BRDY信号のOFF情報)を受信したか否かを判断し(S5112)、受信していなければ(S5112;NO)、「貸出ボタン5cに施した1回の貸出操作に伴う貸出(貸出処理)」を終了していないため、一旦、球貸制御処理(S5100)を終了して、図22に示す「払出制御処理(S5000)」に復帰する。そして、S5025の肯定的な判断を待って、球貸制御処理(S5100)を実行する。一方、S5112で肯定的な判断がされると、貸出完了信号を払出制御部240Aから主制御部200Aに送信した後(S5114)、球貸制御処理(S5100)を終了する。
【0136】
B.普通図柄遊技開始判断処理
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、普通図柄遊技処理(S150)を開始するか否かを判断する(S100)。そして、CPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄遊技を開始すると判断すると(S100:YES)、以下に説明する普通図柄遊技処理(S120)を開始する。尚、普通図柄作動ゲート16の通過に起因して行われた当否抽選の結果を示す停止図柄について、図柄変動開始条件が成立すると、S100の処理において肯定的な判断がなされる。
【0137】
C.普通図柄遊技処理
普通図柄遊技処理(S120)が開始されると、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。この停止表示には、当り図柄(普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを点灯させることを内容とする。)と、外れ図柄(普通図柄表示部56を構成するランプ装置56aを消灯させることを内容とする。)とがある。
【0138】
CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「普通図柄表示部56に外れ図柄が停止表示され、しかも停止表示の実行時間を経過した」と判断すると、普通図柄遊技処理(S120)を終了させる。一方、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「普通図柄表示部56に当り図柄が停止表示され、しかも、停止表示の実行時間を経過した」と判断すると、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動を開始し、普通図柄遊技処理(S120)を終了させる。本遊技機1では普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)を構成する一対の翼片部が外側に回動して、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が開放状態となる。
【0139】
D.普通電動役物遊技処理
CPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通電動役物が作動中(第2の始動入賞部17bが開放中)であると判断すると(S190;YES)、普通電動役物遊技処理(S200)を開始する。そして、CPU201は、図21の遊技制御処理を更に繰り返し行ううちに、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動時間が所定時間を経過したと判断すると、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ、普通電動役物遊技処理を終了させる。尚、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)が作動を停止すると、第2の始動入賞部17bの一対の翼片部が「直立した通常の状態」に復帰する。但し、CPU201が、普通電動役物(第2の始動入賞部17b)の開放中に始動入賞装置17(第1の始動入賞部17aであっても、第2の始動入賞部17bであってもよい。)に規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の所定時間(開放時間が設定時間)に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ、普通電動役物遊技処理を終了させる。
【0140】
図21に示すように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300;NO)、特別図柄遊技処理(S400)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300;YES)、特別図柄遊技処理(S400)を行う。
【0141】
E.特別図柄遊技開始判断処理(S300)
特別図柄遊技開始判断処理は、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断するための処理である(S300)。この特別図柄遊技開始判断処理について、図24を用いて説明する。この特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動入賞装置17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。つまり、主制御基板200のCPU201は、「始動入賞検出用スイッチ17sが遊技球の通過を検出したか否か」を判断することによって、このS302の処理が行われる。
【0142】
始動入賞装置17への入賞を生じている場合は(S302;YES)、特別図柄の保留数が4未満であるか否かを判断する(S304)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されている特別図柄保留数のデータを読み出して、特別図柄の保留数が4未満であるか否かの判断を行う。そして、特別図柄の保留数が4未満であれば(S304;YES)、特別図柄の保留数を1つ加算し(S305)、抽選用乱数を取得し、この抽選用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶する(S307)。ここで、S307の処理において取得される抽選用乱数としては、(a)当否抽選用の乱数、(b)当否抽選の結果が大当り(当選)である場合、特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための大当り図柄決定乱数、(c)演出表示装置27の表示画面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示において、リーチ表示を行うか否かの抽選を行うためのリーチ乱数)等がある。なお、これらの抽選用乱数は、RAM202の所定アドレスに始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶されている。
【0143】
S304の処理において、特別図柄の保留数が4に達していると判断されると(S304;NO)、S305の処理やS307の処理を行わずにS320の処理に移行する。
【0144】
このようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、「大当りフラグ」がセットされているか否か(ONに設定されているか否か)が判断される(S320)。つまり、「大当り遊技実行手段(ROM203に格納されている大当り遊技の実行に係る制御プログラムに従って制御処理を実行するCPU201。)」が作動中であるか否か、換言すると、「大当り遊技」を実行中であるかが判断される(図26のS484参照)。
【0145】
主制御基板200に搭載されたCPU201は、S320の処理において、「大当りフラグ」がセットされている(ONに設定されている)と判断されれば(S310;YES)、重ねて特別遊技(つまり、大当り遊技)を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(即ち、S300;YES)。一方、「大当りフラグ」がセットされていない(ONに設定されていない)場合は(S320;NO)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300;YES)。
【0146】
図21に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300;YES)、以下に説明する特別図柄遊技処理(S400)を開始する。
【0147】
F.特別図柄遊技処理(S400)
図25及び図26は、特別図柄遊技処理(S400)の流れを示したフローチャートである。この特別図柄遊技処理(S400)を開始すると、先ず初めに、何れかの特別図柄(本図柄)が変動中か否かを判断する(S404)。そして、何れの特別図柄も変動中でない場合は(S404;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S410)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S404;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S410;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S415)。
【0148】
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件(当否抽選の実行条件)」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、特別図柄の保留数が「ゼロ」である場合(S415;YES)、特別図柄の変動表示を開始できる状態でないため、特別図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の保留数が「ゼロ」でない場合(S415;NO)、RAM202の所定アドレスから記憶している最も古い「当否抽選用乱数」を読み出すとともに、大当り図柄決定乱数を読み出し(S418)、図27に示す「特図関連処理(S430)」を実行する。
【0149】
特図関連処理(S430)では、図27に示すように、先ず、当否抽選処理(大当り抽選処理)を行う(S440)。この当否抽選処理においては、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否か(確変フラグがONにセットされているか否か)が判断され(S444)、高確率モードであるときには(S444;YES)、「高確率用のデータテーブル」を用いて、この当否抽選が行われる(S446、S450)。一方、遊技機1の遊技モードが低確率モードであるとき(通常確率モードであり、確変フラグがOFFにセットされているとき)には(S444;NO)、「低確率用のデータテーブル」を用いて、この当否抽選が行われる(S448、S450)。尚、「高確率用のデータテーブル」を用いて「当否抽選」を行う場合の当選確率は、「低率用のデータテーブル」を用いて「当否抽選」を行う場合の当選確率の約「10倍」とされている。
【0150】
S450の処理に続いて、「特別図柄の変動後に確定表示する停止図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。そして、この処理により、大当りの発生する大当りの種類が、「通常大当り」と「確変大当り」とのうちの何れかに振り分けられる。一方、当否抽選の結果が落選(外れ)である場合(S450;NO)、乱数抽選を用いて外れ本図柄を決定する処理が行われる(S458)。
【0151】
以上のように、当否抽選処理(S440)を行ったら、図27に示すように、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S460)。この処理(S460)においては乱数抽選によって特別図柄の変動パターンが決定され、特別図柄の変動時間が特定されることになる。このS460の処理においては、図28のS446若しくはS448において行われた「当否抽選」の結果と、現在の遊技モードが時短モードであるか否かを判断して、乱数抽選に使用する変動パターンテーブルを選択する。つまり、当否抽選の結果が当選で、時短モードであれば、「当否抽選の結果が大当りで且つ時短モードの場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・時短用変動パターンテーブル)」がセットされ{図29(b)を参照}、当否抽選の結果が当選で、時短モードでない場合は、「当否抽選の結果が大当りで且つ時短モードではない場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・非時短用変動パターンテーブル)」がセットされる{図29(a)を参照}。
【0152】
一方、当否抽選の結果が落選で、時短モードであれば、「当否抽選の結果が落選で且つ時短モードの場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・時短用変動パターンテーブル)」がセットされ{図30(b)を参照}、当否抽選の結果が落選で、時短モードでない場合は、「当否抽選の結果が落選で且つ時短モードではない場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・非時短用変動パターンテーブル)」がセットされる{図30(a)を参照}。ここで、「時短モード」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モードである。よって、以下の本実施例の説明では、「時短モード」を「開放延長モード」と読み替えることができる。尚、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
【0153】
このS460の処理では、「外れ・時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「外れ・非時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「当り・時短用変動パターンテーブル」を用いた場合、「当り・非時短用変動パターンテーブル」を用いた場合の順に、「長い変動時間となる変動パターン」が設定される傾向にある。また、何れの場合も、「特別図柄に関する保留数」が少なくなるほど、「長い変動時間となる変動パターン」が設定される傾向にある。そして、図29及び図30においては、100秒を超える変動時間を特定する変動パターン(パターン4、5、15、27)が、特別演出を実行可能(操作有効期間を開始可能)な変動パターンであり、この場合、図柄変動演出表示中に「操作有効期間」を開始する。
【0154】
図27に戻り更に説明すると、S460の処理に続き、特別図柄表示部62において特別図柄の変動を開始する処理(S462)と、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理(S464)と、特別図柄の演出パターン指定コマンド(S460の処理で設定)をサブ制御基板220に出力する処理(S466)と、特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御基板220に出力する処理(S468)とを行った後、特別図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0155】
ここで、演出パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図18に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定コマンドを受け取って、指定コマンドの内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄(本図柄の停止図柄)が確変図柄等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄(本図柄)の停止図柄の種類を知ることができる。
【0156】
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号(表示制御コマンド)を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(演出パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
【0157】
図25に戻り、特別図柄遊技処理(S400)を開始した直後の「S404の処理」で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S404;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S470)。
【0158】
即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S470;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図20に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S470;YES)、サブ制御基板220に向かって、演出表示装置27で変動表示されている疑似図柄の停止指定コマンド(演出停止指定コマンド)を出力する(S472)と共に、特別図柄表示部62において変動表示している特別図柄を停止表示する(S474)。なお、演出停止指定コマンド(CZE)は、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、中央表示装置27上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S476)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S478)。
【0159】
S478の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S478;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を終了して、図20に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S478;YES)、停止表示が大当りを示す表示(つまり、大当り図柄)か否かを判断する(図26のS480)。
【0160】
S480の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、大当り遊技におけるラウンド回数及び開放時間を設定する処理を行う(S482)。但し、本実施例ではS482の処理において、一律に、ラウンド回数として「16」がセットされ、1ラウンド毎の開放時間としては「25秒」がセットされる。
【0161】
S482の処理の後に「大当りフラグ」がセット(ONに設定)され(S484)、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。こうして「大当りフラグ」をセットすることなどにより(つまり、大当り遊技実行手段が作動を開始することにより)、特別図柄遊技処理(S400)を抜けて図21の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、大当り遊技状態が開始されることになる。なお、主制御部200Aは「大当りフラグのON」をセットするタイミングで、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信する。
【0162】
ところで、本実施例の遊技機1では、「大当りフラグ」のセット中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能や変動時間短縮機能等は働かないこととしている。このため、図26のS484の処理において、「大当りフラグ」をセット(0Nに設定)したら、現在の遊技モード(大当りフラグの設定時の遊技モード)が高確率モードであるか否か(確変フラグがONであるか否か)を判断する(S486)。そして、高確率モードである場合(S486;YES)には、確変機能(確率変動手段)と、変動時間短縮機能(時短手段)と、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)が作動しているため、これら機能(手段)を停止させ(S488、S502、S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0163】
また、確変機能(確率変動手段)が作動していないが、遊技機1の遊技モードが時短遊技モードである場合(S486;NO、S500;YES)には、変動時間短縮機能(時短手段)と、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)の作動を停止させ(S502、S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。更に、S484の処理で大当りフラグをセットしたときの遊技モードが高確率モードでも時短遊技モード(時短中)でもなかった場合は(S486;NO、S500;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S400)を抜けて、図21に示す遊技制御処理に復帰する。
【0164】
S480の処理で否定的な判断がなされると、つまり、特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S480;NO)、以下のような処理を行う。先ず、現在の遊技モードが時短遊技モードであるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判断する(S506)。このS506の処理で肯定的な判断がなされる場合(S506;YES)、「遊技機1が現在実行中の時短遊技モードに移行した後に、S480の処理で肯定的な判断を得ることなく実行された特別図柄の変動回数(累積回数)」が計数(インクリメント)される(S508)。そして、この変動回数(累積回数)が、上限回数(本実施例では、100回)に到達していない場合は(S510;NO)、時短遊技モードを維持したまま、図28及び図29に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0165】
一方、この変動回数(累積回数)が、上限回数に到達した場合(S510;YES)、主制御基板200のCPU201は、遊技機1の遊技モードを時短遊技モードから非時短遊技モードに移行させ(S511)、普通電動役物開放時間の延長機能(開放延長手段)も停止させた後(S512)、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0166】
S506の処理において現在の遊技モードが時短遊技モードではないと判断された場合は(S506;NO)、そのまま、図25及び図26に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0167】
G.大当り遊技処理(S700)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「大当りフラグ」がセットされている(大当りフラグがONに設定されている)と判断すると(S680;YES)、大当り遊技処理を開始させ(S700)、所謂「大当り遊技(特別遊技)」が実現される。
【0168】
図31及び図32は、大当り遊技処理(S700)の流れを示すフローチャートである。大入賞口31aが開放されると、前述のように、所定の開放時間(図26のS482の処理で設定)が経過するか、或いは、所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。ここで、閉鎖状態の大入賞装置31が開放状態となり、再び開放状態となることを内容とする遊技(大入賞口31aを開放してから閉鎖するまでの遊技)は「ラウンド(大当りラウンド)」と呼ばれる。そして、このラウンドを繰り返して、所定回数(16回)のラウンドを消化したら大当り遊技状態が終了する。この遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図31及び図32に示す大当り遊技処理(S700)を行うことで実現されている。以下、この図31及び図32を参照しながら、大当り遊技処理の詳細な処理内容について説明する。
【0169】
大当り遊技を開始すると、先ず、大入賞口31aが開放中か否かを判断する(S702)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは開放中ではないと判断され(S702;NO)、ラウンドの回数が対応する大当り遊技の設定回数(16回であって、図26のS482の処理で設定)に達したか否かを判断する(S710)。但し、大当り遊技が開始された直後は、ラウンドの回数が設定回数に達していないから、S710の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S710;NO)。
【0170】
このため、S712の処理に移行して、インターバル時間(2秒)が経過したか否かを判断する(S712)。つまり、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S712)。ここで、大入賞口の閉鎖時間(インターバル時間)とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31aが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り遊技が開始された直後は、大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S712;NO)、大入賞口31aを開放させた後(S714)、図31及び図32に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。なお、この「大入賞口31aを開放させるタイミング」で、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を送信する。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、このラウンド数指定コマンド(CRS)を受信すると、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、ラウンド数指定コマンド(CRS)で特定される「ラウンドを表示する演出(ラウンド演出)」を行う。
【0171】
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図21に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S700)を開始する。この際、前述のように、図21に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図31及び図32に示す大当り遊技処理(S700)も、約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S702の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口31aの開放時間が経過したか否かを判断する(S704)。
【0172】
開放時間(25秒)が経過していれば(S704;YES)、大入賞口31aを閉鎖した後(S708)、図31及び図32に示した大当り遊技処理(S700)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が経過していない場合は(704;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S706)。そして、遊技球の入賞数が規定数に達した場合も(S706;YES)、大入賞口31aを閉鎖する(S708)。つまり、遊技球の入賞数が規定数に達すると、開放時間の経過を待たずに大入賞口31aを閉鎖する。
【0173】
開放時間が経過せず(S704;NO)、入賞数が規定数に達していない場合は(S706;NO)、大入賞口31aを開放させたまま、図31及び図32の大当り遊技処理を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
【0174】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(大当りフラグがセットされている場合)、図21の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31aの開放時間が経過するか(図31のS704;YES)、若しくは、大入賞口31aに所定数の遊技球が入賞して(S706;YES)、大入賞口31aが閉鎖される(S708)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。なお、この「大入賞口31aを閉鎖させるタイミング」で、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド終了コマンド(CRE)」を送信する。このため、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、「先に受信したラウンド数指定コマンド(CRS)に基づいて実行していたラウンド演出(ラウンド表示)」を終了させる。
【0175】
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S700)が実行され、S702において大入賞口31aが閉鎖中と判断されると(S702;NO)、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド回数(16回)が設定回数到達したか否かが判断される(S710)。そして、設定回数に到達していなければ(S710;NO)、インターバル時間が経過したことを確認した後(S712;YES)、再び大入賞口31aを開放状態として新たなラウンドを開始する(S714)。この場合においても、主制御基板200に搭載されたCPU201は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aに向かって「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を送信する。
【0176】
一方、S710の処理において、当該「大当り遊技」中に終了したラウンド数が設定回数に到達したと判断される場合(S710;YES)には、大当りフラグを解除(OFFに設定)する処理(S716)と、大当り遊技終了コマンドをサブ制御基板220に出力する処理(S718)とを行って大当り遊技を終了する。続いて、終了した大当り遊技が、確率変動図柄(確変モードへの移行の契機となる図柄の意味で用いる。)に起因して実行されたものであったか否かを判断する(S720)。そして、S720の処理において肯定的な判断がなされると(S720;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)し(S724)、遊技機1の遊技モードを確変モードに移行させるとともに、開放延長フラグと時短フラグをセット(ONに設定)し(S728、S730)、遊技機1の遊技モードを開放延長モードに移行させた後、大当り遊技処理を終了する。なお、S730の処理により、時短フラグをセット(ONに設定)する際には、その時短(開放延長)の回数が「10000回」に設定される。
【0177】
また、S720の処理において否定的な判断がなされると(S720;NO)、開放延長フラグと時短フラグをセット(ONに設定)し(S721、S722)、遊技機1の遊技モードを開放延長モードに移行させた後、大当り遊技処理を終了する。なお、S730の処理により、時短フラグをセット(ONに設定)する際には、その時短(開放延長)の回数が「100回」に設定される。つまり、当該大当り遊技終了に実行される特別図柄の変動表示が、「100回」行われるまで(但し、大当りを生じない場合)、この時短フラグはセット(ONに設定)された状態となる。
【0178】
(8)図柄変動演出制御処理
次に、図33を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う「図柄変動演出制御処理」について説明する。この図柄変動演出制御処理(S1000)において、サブ制御部220Aが、演出パターン指定コマンド(CHP)と特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)とを受信をすると(S1010;YES)、S1015の処理が実行される。
【0179】
つまり、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が当選(大当り)であるか否かを判断する(S1015)。そして、当選(大当り)であると判断される場合(S1015;YES)、受信した「演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1020)、S1030の処理に移行する。一方、落選(外れ)であると判断される場合(S1015;NO)、受信した「演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド)」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1025)、S1030の処理に移行する。
【0180】
S1030の処理において、サブ制御部220Aは、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1020又はS1025で決定した「演出表示の実行態様(疑似図柄表示部27b〜27dに表示される疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1030)。つまり、表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1030)。そして、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出(つまり、特別演出)の実行の有無を、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)に基づいて判断する(S1035)。つまり、受信した演出パターン指定コマンド(CHP)が、パターン4、5、15若しくは27のうちの何れかであると、ボタン操作演出の対象となり、その他のパターンであると、ボタン操作演出の対象とならない(図29,30を参照)。
【0181】
S1035の処理において否定的な判断がなされる場合(S1035;NO)、サブ制御部220Aは、演出表示装置27において、「演出ボタン操作を有効化しない場合の演出(前述の一般演出)」を行う(S1050)。そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1310;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1315)。一方、S1035の処理において肯定的な判断がなされる場合(S1035;YES)、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出処理(S1100)を実行し、演出表示装置27において、「演出ボタン操作を有効化する場合の演出(ボタン操作演出)」を行った後(S1100)、S1310及びS1315の各処理に実行する。以下、ボタン操作演出について説明する。
【0182】
このボタン操作演出処理(S1100)において、図34に示すように、サブ制御部220Aは、ボタン操作演出の開始タイミングが到来するまで待機する(S1102)。この開始タイミングは演出表示を開始すると同時に到来してもよいし、演出表示の開始後、所定時間(例えば、5秒とか、10秒)の経過後に到来してもよいし、演出表示中に表示態様が変更するとき(例えば、リーチ表示が開始されるとき)に到来してもよい。更に、ボタン操作演出処理(S1100)を開始する毎に乱数抽選等を用いて開始タイミングを決定してもよい。
【0183】
サブ制御部220Aは、ボタン操作演出の開始タイミングが到来すると(S1102;YES)、演出ボタンSWを有効化する処理(S1104)と、「演出ボタンSWが有効化された旨の表示」を演出表示装置27の表示画面27aにおいて行うための処理(S1106)とを行う。ここで、S1104の処理により、「遊技者が演出ボタンSWに施す操作を、演出表示装置27において実行される演出に反映させることができる期間」、つまり、「操作有効期間」が開始される。また、S1106の処理により、演出表示装置27の表示画面27aが一瞬暗くされ、表示画面27aに「チャンスタイムが開始される旨の表示」がなされた後、表示画面27aに「演出ボタンSWの図形の表示」がなされる(図16〜図17を参照)。
【0184】
S1106の処理以降、サブ制御部220Aは演出ボタンSW及び貸出ボタン5cのうちの何れかが操作されるか否かを監視することになる(S1110)。つまり、サブ制御部220Aは、「演出ボタンSWの操作信号」、若しくは、「球貸コマンド(CQR)」を受信するか否かを監視することになる(S1110)。なお、このS1110処理で監視する「貸出ボタン5cの操作」とは、実際に遊技球の貸し出しを実現する「有効な操作」を指し、この貸出ボタン5cに、この「有効な操作」が施されると、サブ制御部220Aは主制御部200Aから送信される「球貸コマンド(CQR)」を受信する。そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作及び貸出ボタン5cの操作を確認しない場合(S1110;NO、S1130;YES)は、演出ボタンSWを無効化する処理(S1132)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S1136)とを行った後、「放置型演出(操作演出を伴わない演出)」を行い(S1138)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0185】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作若しくは貸出ボタン5cの操作を確認した場合(S1110;YES、S1130;NO)、サブ制御部220Aは操作されたボタンの種類(ボタンの種類を特定するためのデータ)を記憶する処理を行う(S1112)。例えば、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のRAM220bの所定領域に、S1110の処理で受信した操作信号(コマンド)が、演出ボタンSWの操作信号であることを特定するためのフラグを設定するか、或いは、球貸コマンド(CQR)であることを特定するためのフラグを設定する処理を行う(S1112)。
【0186】
このS1112の処理を行うと、続いて、演出ボタンSWを無効化する処理(S1114)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S1116)とを行う。この後、S1110の処理で操作されたボタンの種類を判断する処理を行う(S1118)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、ボタンの種類を判断するための「判断手段221a」を含む構成とされている(図10)。そして、この判断手段221aは、S1112で記憶した「ボタンの種類を特定するためのデータ」を読み出し、S1110の処理で操作されたボタンの種類を判断する(S1118)。
【0187】
このS1118の処理により、S1110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWであると判断されると(S1118;YES)、前述の「操作対応通常演出」を実行した後(S1122)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。これに対して、S1110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWでない、つまり貸出ボタン5cであると判断されると(S1118;NO)、前述の「操作対応特別演出」を実行した後(S1120)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0188】
(9)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されると、サブ制御部220Aは「操作対応特別演出」を実行する。すなわち、本実施例の遊技機1によると、遊技者が操作有効期間中に演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cを操作することで、「演出ボタンSWを操作しても実行されることが無い、特別態様の操作演出が実行されるといった、新たな遊技性」を創出できる。従って、本実施例の遊技機1によると、演出ボタンSWを備える遊技機1において、マンネリを打破し、新たな遊技性(ゲーム性)を創出することができる。
【0189】
また、本実施例の遊技機1によると、遊技者の遊技球の貸出を受けるという行為に起因して(貸出を受けるという行為の代償として)、「操作対応特別演出」という、全く新たな演出形態を実現する。つまり、本来、演出の変更とは無縁の貸出ボタン5cを操作することで、演出ボタンSWの操作では出現しないプレミアムな演出が出現する。従って、遊技者は、本実施例の遊技機1に驚きをもって接することになる。
【実施例2】
【0190】
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2は、図16及び図17の代わりに、図35〜図38を用いる点と、図34の代わりに、図39及び図40を用いる点とを除いて実施例1と同様である。
【0191】
実施例2の操作演出には、演出ボタンSWのみが操作されて操作有効期間を終了する演出(操作対応通常演出)と、演出ボタンSW及び貸出ボタン5cが操作されて操作有効期間を終了する演出(操作対応特別演出)とがある。そして、実施例2の操作演出においても、図35に示すように、特別図柄の変動開始条件(当否抽選実行条件)が成立すると、特別図柄表示部62a〜62gで点灯表示(本図柄の変動表示)を開始すると共に、疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する(d1)。そして、所定時間が経過すると、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(d2)。
【0192】
この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(d3)、「操作有効期間」が開始される。そして、疑似図柄表示部27b〜27dを小型化して表示画面27aの周縁部側で特別図柄(疑似図柄)の変動表示を行うとともに、表示画面27aの何れかの部位に「演出ボタンSWを示す図形」が表示され(d4〜d6)、操作有効期間が開始され、以後、演出ボタンSWの操作が有効化される。そして、この操作有効期間内においては、演出ボタンSWを押す毎に、「信頼度の高い演出」を実行中である旨のキャラクタ図柄が、操作対応通常演出においては3回を限度に順次変更表示される。尚、図中において、「操作有効期間開始後」に演出ボタンSWに施す「第1回目の操作」を「P1」、「第2回目の操作」を「P2」、「第3回目の操作」を「P3」、「第4回目の操作」を「P4」、「第5回目の操作」を「P5」、「第6回目の操作」を「P6」と表記する。
【0193】
実施例2の操作対応通常演出においては、演出ボタンSWに1回目の操作を施すと、「帆立貝の図形」が表示され(d4)、2回目の操作を施すと、「マンボウの図形」が表示され(d5)、3回目の操作を施すと、「タコの図形」が表示される(d6)。但し、演出ボタンSWに施す操作は操作有効期間内に限られる。
【0194】
この操作対応通常演出においては、演出ボタンSWに施される操作が3回以下である場合(ゼロ回も含む)、操作有効期間の経過を待って、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(d7、d8)、更に、「ボタン操作が成功した」旨が表示される(d9)。そして、「演出ボタンSWの操作で選び出したキャラクタ図柄を用いた発展型のリーチ演出」が開始され(d10)、このリーチ演出の終了後に、当否抽選の結果を示す判定結果図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)が停止表示される。
【0195】
これに対して、操作対応通常演出において、演出ボタンSWに4回目の操作を施すと、「信頼度の低い演出」を実行中である旨の示す「イカの図形」が表示され、「タコの図形」を表示画面27aから追い出す演出を行う(d11)。そして、操作有効期間の経過を待たずに、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(d12)、更に、「ボタン操作が失敗した」旨が表示される(d13)。この後、キャラクタの表示を伴わない「通常の変動表示」を行った後(d14)、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が停止表示される(d15)。つまり、発展型のリーチ演出を行うことなく、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が停止表示される。但し、当否抽選の結果が「大当り」である場合、図37に示すように、一旦「外れ図柄」を停止表示した後に変動表示を再開させ(d16〜d18)、リーチ表示を経て(d19)、「大当り図柄」を停止表示する(d20)。
【0196】
ここで、実施例2の遊技機は、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段(主制御部200)と、当否抽選の結果を示す抽選結果図柄が所定の演出表示を経て表示される演出表示装置27とを備える。また、演出表示の表示態様として、抽選結果図柄として大当り図柄を表示する前提として実行される確率が高い高信頼度演出表示態様と、抽選結果図柄として大当り図柄を表示する前提として実行される確率が低い低信頼度演出表示態様と、を含む複数の表示態様を記憶した表示態様記憶手段(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のROM220c)を備える。更に、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aは、演出表示の実行に際して、表示態様記憶手段から実行する表示態様を選択する表示態様選択手段と、表示態様選択手段が選択した表示態様に従って演出表示装置27における前記演出表示を制御する表示制御手段として機能する。そして、サブ制御部220Aは、演出ボタンSWの操作条件(上限数が3回)を満たしていると判断した場合に、表示態様選択手段によって選択された表示態様に従って演出表示を完了させるとともに、操作条件を満たしていないと判断した場合に、低信頼度演出表示態様に従う演出表示を経て演出表示を完了させることしている。つまり、操作条件を満たしていると判断される場合、表示態様選択手段が選択した表示態様に従って演出表示を完了するが、操作条件を満たしていないと判断される場合、表示態様選択手段が選択した表示態様にかかわらず、低信頼度演出表示態様に従って演出表示を完了することとしている。
【0197】
ところで、実施例2においては、有効期間が経過するか、演出ボタンSWに4回目の操作が施されると、操作演出の終了タイミングが到来するが、この終了タイミングが到来する前に貸出ボタン5cが操作されると、実施例2の操作対応特別演出が実行される。つまり、実施例2では、操作演出の終了タイミングが到来する前に貸出ボタン5cが操作されると、この貸出ボタン5cの操作毎に、演出ボタンSWの操作上限回数が「3回」ずつ加算される。つまり、演出ボタンSWの操作条件が緩和され、操作有効期間中に遊技者が演出ボタンSWに「6回」の操作を施しても、「信頼度の高い演出」が実行される。
【0198】
例えば、図38に示すように、有効期間が経過する前であって、しかも、演出ボタンSWに2回目の操作が施された後(3回目の操作が施される前)に、貸出ボタン5cが操作されると(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)、演出ボタンSWの操作上限回数に「3回」が加算される。このため、演出ボタンSWに4回目〜6回目の操作がされても、「信頼度の高い演出」を実行中である旨の示す図形が表示される。つまり、演出ボタンSWに3回目の操作を施すと、「タコの図形」が表示され(e2)、4回目の操作を施すと、「ハサミを閉じたカニの図形」が表示される(e3)。更に、演出ボタンSWに5回目の操作を施すと、「ハサミを開いたカニの図形」が表示され(e4)、6回目の操作を施すと、「太陽と月を用いた図形」が表示される(e5)。
【0199】
この操作対応特別演出においては、演出ボタンSWに施される操作が更新された上限回数以下(例えば、6回以下であって、ゼロ回も含む)である場合、操作有効期間の経過を待って、「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(e6)、更に、「ボタン操作が成功した」旨が表示される(e7)。そして、「演出ボタンSWの操作で選び出したキャラクタ図柄を用いた発展型のリーチ演出」が開始され(e8)、このリーチ演出の終了後に、当否抽選の結果を示す判定結果図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)が停止表示される。
【0200】
次に、実施例2のボタン操作演出処理(S1100)について説明する。このボタン操作演出処理(S1100)においても、図39に示すように、S1102、S1104、S1106の処理は実施例1(図34参照)と同様に行われる。但し、このボタン操作演出処理(S1100)においては、S1106の処理に続いて、演出ボタンSWの規定操作回数をセットする処理(S1108)を行う。ここで、S1108の処理でセット(設定)される「規定操作回数」は、演出ボタンSWに施す操作の上限回数であり、原則的には「3回」であるが、貸出ボタン5cが操作される度に更新される。つまり、貸出ボタン5cが施される毎に、演出ボタンSWの操作上限回数が「3回」ずつ加算される。また、「操作有効期間中に演出ボタンSWに施す操作回数が規定操作回数以下であること」は、「操作条件」の具体例を構成する。また、S1108の処理においては、本実施例のように、「規定操作回数」として、「予め定められた回数」がセットされてもよいし、抽選によって決定される回数がセットされてもよい。
【0201】
S1108の処理以降、サブ制御部220Aは「演出ボタンSWの操作信号」を受信するか否か(演出ボタンSWが操作された否か)と、球貸コマンド(CQR)を受信するか否か(球貸し操作が行われたか否か)を監視することになる(S1140、S1141)。そして、「操作有効期間」中に一度も、演出ボタンSWが操作されない(操作信号がONとならない)場合(S1140;NO)には、S1141の処理の否定的判断とS1152の処理の肯定的判断とを経るか、或いは、S1141の処理の肯定的判断と、S1143の処理と、S1152の処理の肯定的判断とを経て、図40のS1154の処理に移行する。
【0202】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWが操作される毎(操作信号がONとなる毎)に(S1140;YES)、操作カウンタAを「+1」する処理(S1145)と、「操作カウンタAの値が規定操作回数以下であるか否かを判断する処理(S1148)」が行われる。つまり、S1148の処理においては、演出ボタンSWに操作が施される毎に、その操作が「操作有効期間開始後、3回目以下の操作であるか否か」が判断される。このS1148の処理は、操作判定手段としての処理の具体例を構成している。
【0203】
S1148の処理において肯定的な判断がなされると(S1148;YES)、その操作に対応した操作演出が実行される(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aに、「操作有効期間の開始後に演出ボタンSWに施された操作回数」に応じた「キャラクタ図柄」が表示される(図35及び図38を参照)。そして、S1148の処理の肯定的な判断とS1152の処理の否定的な判断がなされる限りは、演出ボタンSWに操作が施される毎にS1140、S1145、S1148、S1150の各処理が実行される。そして、演出ボタンSWに施される操作が規定操作回数目以下の状態で「操作有効期間」が終了すると(S1152;YES)、図40のS1154以降の処理に移行する。
【0204】
このS1154の処理では演出ボタンSWを無効化する処理と、操作カウンタAを初期化する処理とを行う。このS1154の処理に続いて、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示(図35、図38を参照)」を消去する処理が行われる(S1156)。そして、操作演出が成功した旨の演出(S1158)と、高信頼度の演出(S1160)とを行った後(図35及び図38を参照)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了する。そして、図33に戻り、サブ制御部220Aが、演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1310;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンド(CZE)を演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と、背景図柄の演出表示を停止させる(S1315)。尚、高信頼度の演出としては「発展型のリーチ演出(スペシャルリーチ演出)」、「高信頼度の予告演出」を例示することができる。ここで、操作演出が成功した旨の演出(S1158)と、高信頼度の演出(S1160)は「正当な操作演出」の具体例を構成する。
【0205】
一方、図39のS1148の処理において否定的な判断がなされると(S1148;NO)、図40に示すように、演出ボタンSWを無効化する処理と、操作カウンタAを初期化する処理とが行われる(S1162)。更に、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示(図36を参照)」を消去する処理が行われる(S1164)。そして、操作演出が失敗した旨の演出(S1166)と、低信頼度の演出(S1168)とを行った後(図36を参照)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。尚、低信頼度の演出としては、前述したように、背景図柄やキャラクタ図柄を排除した演出や、「ノーマルリーチ演出」や「低信頼度の予告演出」を例示することができる。ここで、操作演出が失敗した旨の演出(S1166)と、低信頼度の演出(S1168)は「不当な操作演出」の具体例を構成する。
【0206】
ところが、実施例2の遊技機1においては、操作演出の終了タイミングが到来するまでの間、つまり、「操作有効期間が経過する前であって、しかも、S1148の処理で否定的な判断を得る前の間」に、球貸し操作が行われると(S1141;YES)、この球貸し操作が行われる度に前述の「規定操作回数」が更新される。つまり、この「規定操作回数」が「3回」ずつ加算されるため、演出ボタンSWの操作条件(S1148の処理を参考)が緩和されることになる。
【0207】
実施例2によっても、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、(a)演出ボタンSWの操作条件を定めることと、(b)この操作条件に反する操作が行われると、「特定演出内容の操作演出」を発生させないこと(遊技者にペナルティを加えること)を前提としつつも、球貸し操作が操作有効期間中に行われると、操作条件を緩和することとしている。すなわち、「本来、演出ボタンSWを操作すべき期間(操作有効期間)中に、遊技者が貸出ボタン5cを操作すると、操作条件が変更(緩和)する」という内容の遊技(従来にない遊技者参加型の遊技)を実現できる。しかも、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることを条件に、「演出ボタンSWに対して、本来の操作条件に反する操作を施す遊技者」を救済することができる。
【実施例3】
【0208】
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の遊技機は、大当り遊技中の演出(以下、「大当り遊技演出」という。)への適用例を示すものである。先ず、図41を用いて、この大当り遊技演出の概要を説明する。
【0209】
この実施例3の遊技機においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)が送信される。つまり、主制御部200Aは「大当りフラグ(図26のS484を参照)」をセット(ONに設定)するタイミングでサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信する。そして、大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において大当り開始演出(大当りファンファーレ演出)を実行する。
【0210】
また、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信した後、「大入賞口31aを開放させるタイミング(図31のS714を参照)」で、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」をサブ制御部220Aに送信する。つまり、サブ制御部220Aは「第1回目のラウンド数指定コマンド(第1ラウンドの開始を特定するコマンド)」を受信することになるため、演出表示装置27等において「ラウンド表示(1ラウンドであることを示す演出表示)」を開始する。
【0211】
この後、主制御部200Aは「大入賞口31aを閉鎖させるタイミング(図31のS708を参照)」でサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了コマンド(CRE)」を送信する。これにより、サブ制御部220Aの「第1ラウンド」の終了を検出するため、一端、「ラウンド表示」を終了し、演出表示装置27等において「インターバル表示(各ラウンド間の演出表示)」を開始する。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド表示」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に「インターバル表示」を開始する。
【0212】
こように、「ラウンド表示」は「インターバル表示」を挟みつつ、最終ラウンドの表示を行うまで繰り返される。そして、最終ラウンドを終了するタイミング(16回目の大入賞口31aを閉鎖させる動作を行うタイミング)で、主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り終了指定コマンド(COE、図32のS718を参照)」が送信される。そして、「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行する。そして、「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行した後、大当り遊技演出を終了する。
【0213】
次に、図42〜図44を用いて、実施例3の操作演出等の特徴的な部分について説明する。ここで、実施例3の操作演出では、昇格成功演出として、操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されることで実行される操作演出(以下、「通常昇格成功演出」という。)と、操作有効期間中に貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「特別昇格成功演出」という。)とを予定する。また、昇格失敗演出として、演出ボタンSW若しくは貸出ボタン5cが操作されることで実行される操作演出(以下、「昇格失敗演出」という。)を予定する。ここで、「昇格に成功する」とは、「実際には、確変大当りを生じていたにもかかわらず、あたかも、通常大当りを確変大当りに昇格させることに成功させたようにみせる演出」を行うこと指し、「昇格に失敗する」とは、「実際には、通常大当りを生じていたにもかかわらず、あたかも、通常大当りを確変大当りに昇格させることに失敗したようにみせる演出」を行うこと指す。
【0214】
実施例3の遊技機では、図42に示すように、「7ラウンド目のラウンド表示」を開始すると(g3)、表示画面27aが暗くなり、表示画面27aに「チャンスタイム」が開始される旨の表示がなされる(g4)。この後、表示画面27aに「演出ボタンSWを示す図形」の表示がなされ(g5)、「操作有効期間」が開始される。そして、この操作有効期間内に、演出ボタンSWや貸出ボタン5cが操作されない場合、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g6)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。更に、「昇格失敗演出(昇格に失敗した旨の表示)」若しくは「昇格成功演出(昇格に成功した旨の表示)」を行った後(g7)、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g8)。
【0215】
図43(a)及び図44(a)に示すように、この操作有効期間中に演出ボタンSWが操作されると(図中の符号Pは、演出ボタンSWが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g11)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、昇格成功演出を行う場合、前述の「通常昇格成功演出」を実行する(g12〜g14)。具体的には、登場するキャラクタ図柄(タコのキャラクタ図柄)のサイズを徐々に変更する演出が実行される。この後、「昇格の確定を示す表示」を行い(g15)、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g16)。なお、昇格失敗演出を行う場合、前述の「昇格失敗演出」が実行される。
【0216】
一方、図43(b)及び図44(b)に示すように、操作有効期間中に演出ボタンSWではなく、貸出ボタン5cが操作された場合も(図中の符号Qは、貸出ボタン5cが操作されたことを示す。)、表示画面27aから「演出ボタンSWを示す図形」が消去され(g21)、遊技者に対して「演出ボタンSWの操作が無効化された」旨が報知される。そして、昇格成功演出を行う場合、表示画面27aにおいて、前述の「特別昇格成功演出」を実行する(g22〜g24)。つまり、実施例1と同様なバトル演出を開始し、一方のキャラクタが勝利したことを示す画像が表示され(g24)、更に「昇格確定を強調する表示」を行って(g25)、このバトル演出を終了する。そして、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信することを待って、「7ラウンド目のラウンド表示」を終了する(g26)。なお、昇格失敗演出を行う場合、前述の「昇格失敗演出」が実行される。
【0217】
実施例3の図柄変動演出制御処理は、図45(a)に示すように、ボタン演出に関する処理が排除されている点(図33のS1035、S1050及びS1100の各処理が排除されている点)が実施例1の図柄変動演出制御処理と異なる。また、図45(b)に示すように、S1020の処理の内容が実施例1の図柄変動演出制御処理と異なるが、その他の点に関しては実施例1の図柄変動演出制御処理と同様である。
【0218】
実施例3のS1020の処理においては、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が通常大当りであると判断される場合、疑似図柄の停止図柄として「通常大当り」を示す停止図柄が選択される。一方、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否抽選の結果が確変大当りであると判断される場合、疑似図柄の停止図柄として「通常大当り」を示す停止図柄が選択される確率が「50%」となっており、「確変大当り」を示す停止図柄が選択される確率が「50%」となっている。
【0219】
つまり、S1315の処理と連動する図25のS474の処理(S1315の処理の実行契機となる主制御部200Aの処理)において「確変大当り」を示す本図柄を停止表示するケースでは、S1315の処理において、「確変大当りを示す疑似図柄を停止表示する場合」と、「通常大当りを示す疑似図柄を停止表示する場合」とがある。そして、本実施例では、S474及びS1315の処理において、「確変大当りを示す本図柄と、確変大当りを示す疑似図柄」が停止表示される場合、昇格演出は実行されないが、その他の場合、昇格演出が実行される。つまり、図25のS474の処理において停止表示される本図柄の種類(通常大当りであるか、確変大当りであるか)を問わず、S1315の処理において「通常大当り」を示す疑似図柄が停止表示されると、昇格演出が実行される。なお、本実施例では、当否抽選において、「通常大当り」を生ずる確率と「確変大当り」を生ずる確率とがともに「1/2」であり、「確変大当り」の場合に昇格演出が実行される確率が「1/2」とされるため、昇格演出が昇格成功演出(後述するS2120の「特別昇格成功演出」、S2122の「通常昇格成功演出」若しくはS2140の「昇格成功演出」)となる確率は「1/3」とされている。
【0220】
次に、図46〜図48を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して行う「大当り遊技演出制御処理」について説明する。この大当り遊技演出制御処理(S2000)において、サブ制御部220Aが、大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信すると(S2005;YES)、S2010以降の処理が実行される。
【0221】
サブ制御部220Aは大当り遊技開始指定コマンド(COR)を受信すると(S2005;YES)、演出表示装置27等において大当り開始演出(大当りファンファーレ演出)を実行するとともに(S2010)、大当り確定時の停止図柄に基づいて「ラウンド表示演出の演出パターン」を設定する処理を行う(S2020、S2030、S2035)。つまり、図45のS1315の処理で停止表示した疑似図柄の大当り図柄(大当り確定時の疑似図柄の停止図柄)が確変大当り図柄である場合(S2015;YES)、「確変大当り用ラウンド演出パターン」を設定する(S2020)。つまり、S1315の処理において確変大当りを生じたことを、疑似図柄によって表示している場合、「昇格演出を伴わないラウンド演出パターン」を設定する(S2020)。
【0222】
一方、図45のS1315の処理で停止表示した疑似図柄の大当り図柄(大当り確定時の疑似図柄の停止図柄)が通常大当り図柄である場合(S2015;NO)、そのS1315の処理の実行契機となった図25のS474の処理で停止表示した本図柄の種類を判断する(S2025)。つまり、図45のS1010の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンドにより特定される本図柄の停止図柄(大当り確定時の本図柄の停止図柄)の種類が「確変大当り図柄」及び「通常大当り図柄」の何れであるかを判断する(換言すると、当否抽選の結果が「確変大当り」及び「通常大当り」の何れであるかを判断する)。そして、本図柄の種類が確変大当り図柄である場合(S2025;YES)には「確変昇格成功用ラウンド演出パターン」を設定し(S2030)、通常大当り図柄である場合(S2025;NO)には「確変昇格失敗用ラウンド演出パターン」を設定する(S2035)。
【0223】
この後、図47に示すように、サブ制御部220Aは、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に(S2040;YES)、設定したラウンド演出パターン(S2020、S2030若しくはS2035で設定されたラウンド演出パターン)に従ってラウンド演出を実行する(S2045)。このラウンド演出は、前述の如く、「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に終了し、「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に再開される。このラウンド演出は最終ラウンドまで行われる。そして、「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信すると(S2200;YES)、大当り終了演出(大当りエンディング演出)を実行し(S2210)、大当り遊技演出を終了する。
【0224】
但し、ラウンド演出において、昇格演出実行ラウンドとなると(S2050;YES)、昇格演出処理が行われる(S2100)。具体的には、「確変昇格成功用ラウンド演出パターン(S2030)」若しくは「確変昇格失敗用ラウンド演出パターン(S2035)」に従うラウンド演出のうちで、「7ラウンド目のラウンド演出」を実行する場合、S2050の処理において肯定的な判断がなされ、昇格演出処理が行われる(S2100)。
【0225】
この昇格演出処理(S2100)が開始されると、図48に示すように、サブ制御部220Aは演出ボタンSWを有効化する処理(S2104)と、「演出ボタンSWが有効化された旨の表示」を演出表示装置27の表示画面27aにおいて行うための処理(S2106)と、を行う。このS2104の処理により、「遊技者が演出ボタンSWに施す操作を、演出表示装置27において実行される演出に反映させることができる期間」、つまり、「操作有効期間」が開始される。また、S2106の処理により、演出表示装置27の表示画面27aが一瞬暗くされ、表示画面27aに「チャンスタイムが開始される旨の表示」がなされた後、表示画面27aに「演出ボタンSWの図形の表示」がなされる(図42及び図43を参照)。
【0226】
S2106の処理以降、サブ制御部220Aは演出ボタンSW及び貸出ボタン5cのうちの何れかが操作されるか否かを監視することになる(S2110)。なお、このS2110処理で監視する「貸出ボタン5cの操作」とは、実際に遊技球の貸し出しを実現する「有効な操作」を指し、この貸出ボタン5cに、この「有効な操作」が施されると、サブ制御部220Aは「球貸コマンド(CQR)」を受信する。そして、サブ制御部220Aが、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作及び貸出ボタン5cの操作を確認しない場合(S2110;NO、S2130;YES)は、演出ボタンSWを無効化する処理(S2132)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S2136)とを行った後、S2138の処理に移行する。
【0227】
このS2138の処理において、上述のS2025の処理と同様に今回の大当り確定時(大当り遊技開始時)に「確変大当りを示す本図柄が停止表示されていたか否か」を判断し、肯定的な判断がされる場合(S2138;YES)、「昇格成功演出(通常大当りから確変大当りへの昇格に成功した旨の表示)」を表示画面27aで行った後(S2140)、昇格演出処理(S2100)を終了する。一方、S2138の処理において否定的な判断がされる場合、「昇格失敗演出(通常大当りから確変大当りへの昇格に失敗した旨の表示)」を表示画面27aで行った後(S2143)、昇格演出処理(S2100)を終了する。
【0228】
一方、「操作有効期間」中に演出ボタンSWの操作若しくは貸出ボタン5cの操作を確認した場合(S2110;YES、S2130;NO)、サブ制御部220Aは操作されたボタンの種類(ボタンの種類を特定するためのデータ)を記憶する処理を行う(S2112)。例えば、RAM220bの所定領域に、S2110の処理で受信した操作信号(コマンド)が、演出ボタンSWの操作信号であることを特定するためのフラグを設定するか、或いは、球貸コマンド(CQR)であることを特定するためのフラグを設定する処理を行う(S2112)。
【0229】
このS2112の処理を行うと、続いて、演出ボタンSWを無効化する処理(S2124)と、表示画面27aから「演出ボタンSWの図形の表示」を消去する処理(S2116)とを行う。この後、今回実行中の昇格演出が、昇格成功パターンであるか否かを判断する(S2117)。つまり、今回実行中の昇格演出が、「確変昇格成功用ラウンド演出パターン(S2030)」に従って行われているか否かを判断し(S2117)、肯定的な判断がされる場合(S2117;YES)、S2118の処理に移行し、否定的な判断がされる場合(S2117;NO)、S2143の処理に移行する。
【0230】
S2118の処理では、S2110の処理で操作されたボタンの種類を判断する処理を行う(S2118)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aがS2112で記憶した「ボタンの種類を特定するためのデータ」を読み出し、S2110の処理で操作されたボタンの種類を判断する(S2118)。このS2118の処理により、S2110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWであると判断されると(S2118;YES)、前述の「通常昇格成功演出」を実行した後(S2122)、昇格演出処理(S2100)を終了する。これに対して、S2110の処理で操作されたボタンが演出ボタンSWでない、すなわち貸出ボタン5cであると判断されると(S2118;NO)、前述の「特別昇格成功演出」を実行した後(S2120)、昇格演出処理(S2100)を終了する。
【0231】
実施例3によっても、実施例1と同様な効果を得ることができる。つまり、大当り遊技演出においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【実施例4】
【0232】
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4の遊技機は、図10の代わりに図49を用いる点と、図34の代わりに図50を用いる点とが、実施例1と異なる。
【0233】
図49に示すように、実施例4の遊技機を構成するサブ制御部220Aは、「演出ボタンSWが操作されたことを示す操作信号」、「貸出ボタン5cが操作されたことを示す球貸コマンド(CQR)」の他に、「発射停止スイッチ9bが操作されたことを示す発射停止コマンド(HRS)」と、「返却ボタン5qが操作されたことを示す返却コマンド(BSR)」とを受信可能とされている。なお、発射停止コマンド(HRS)と返却コマンド(BSR)の送信経路は特に問わない。例えば、発射停止コマンド(HRS)を払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様(例えば、発射停止スイッチ8bを遊技者が操作している場合の発射非停止信号を、発射制御部260A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様)を例示できる。また、返却コマンド(BSR)を払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様や、CRユニット80、払出制御部240A、主制御部200Aを経由してサブ制御部220Aに送信する態様などを例示できる。
【0234】
実施例4のボタン操作演出処理(S1100)は、図50に従って行われる。但し、図50に示す実施例4のボタン操作演出処理(S1100)は、図34に示す実施例1のボタン操作演出処理対してS1101の処理が付加されている点と、図34のS1118の処理の代わりに、S1117の処理を行う点が実施例1と異なり、そのほかの処理については、実施例1のボタン操作演出処理と同様である。
【0235】
実施例4では、ボタン操作演出処理(S1100)が開始されると、特定操作手段を抽選によって特定する処理が行われる(S1101)。つまり、乱数抽選等によって、貸出ボタン5cと、発射停止スイッチ9bと、返却ボタン5qとのうちの何れか1つを特定操作手段に決定する処理が行われる(S1101)。また、このボタン操作演出処理(S1100)においては、S1116の処理の後、S1110の処理で操作されたボタンが、S1101の処理で特定されたボタンであるか否かを判断する(S1117)。
【0236】
そして、S1117の処理で否定的な判断(S1101の処理で特定されたボタンでないとの判断)がなされると(S1117;NO)、前述の「操作対応通常演出」を実行した後(S1122)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。これに対して、S1117の処理で肯定的な判断(S1101の処理で特定されたボタンであるとの判断)がなされると(S1117;YES)前述の「操作対応特別演出」を実行した後(S1120)、ボタン操作演出処理(S1100)を終了し、図33のS1310、S1315の処理に移行する。
【0237】
実施例4によっても、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、実施例4では、貸出ボタン5cと、発射停止スイッチ9bと、返却ボタン5qとのうちの何れが、特定操作手段であるのかを推理しつつ、操作演出を楽しむことができる。なお、実施例4の遊技機では、演出表示装置27、スピーカSP1〜SP4等の報知手段を用いて、「現在の特定操作手段を示唆するための演出」を行ってもよい。例えば、演出表示装置27の表示画面27aに、「遊技者が、現在の特定操作手段を推測する際に、ヒントとなる画像(例えば、遊技球が払い出される画像)」を表示してもよい。
【0238】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0239】
つまり、各請求項の発明では特別態様の操作演出制御において、遊技機の遊技モードを報知することとしてもよい。例えば、図51に示す変形例に係る遊技機においては、「大当り」として、図51(b)及び(c)に示す「第1の大当り(大量の賞球払い出しを予定できる大当り)と、図51(d)及び(e)に示す「第2の大当り(賞球払い出しを実質的に行わず、高確率モードを得ることを目的とする大当り)を予定している。
【0240】
また、図51(d)に示す「第2の大当り」では、当該「第2の大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、開放延長手段及び確率変動手段が作動する。以下、この図51(d)に示す「第2の大当り」を、「2R確変大当り」と称する。
【0241】
更に、図51(e)に示す「第2の大当り」では、当該「第2の大当り」に係る特別遊技(大当り遊技)を終了した後、確率変動手段は作動するが、開放延長手段は作動しない。つまり、潜伏確率変動状態を開始することになる。以下、この図51(e)に示す「第2の大当り」を、「潜伏確変大当り」と称する。
【0242】
また、本変形例に係る遊技機では、図51(f)に示す疑似大当りの発生を予定している。この疑似大当りは、当否抽選の結果が落選である場合に生じ得るものであり、この疑似大当りを生ずると、「第2の大当り」と同様な態様にて、大入賞装置31が開閉動作を行う。つまり、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば「0.2秒間」)を挟みつつ2回繰り返される。以下、本明細書において、疑似大当りを「小当り」と称することもある。また、疑似大当りに基づいて、大入賞装置31が開閉動作を完了しても、開放延長手段及び確率変動手段が作動することはない。
【0243】
本変形例では、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」を終了した後には確率変動手段が作動するが、「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」を終了した後には確率変動手段は作動しない。ところが、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」と「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」とが同一態様で行われるばかりか、何れの遊技を終了した後においても、開放延長手段は作動しない。よって、遊技者にとっては、「潜伏確変大当りに係る大当り遊技」後に実行される遊技中や、「疑似大当り(小当り)に係る疑似大当り遊技」後に実行される遊技中において、現在の内部確率状態を判断することが困難である。
【0244】
一方、本変形例では、操作対応特別演出(図34に示すS1120の処理)において、遊技機の現在の遊技モード(確変状態であるか否か)を報知することとする。このため、遊技者が操作有効期間内において、演出ボタンSWの代わりに貸出ボタン5cを操作することで、遊技機の現在の遊技モード(確変状態であるか否か)が報知されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【符号の説明】
【0246】
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
5c;貸出ボタン(特定操作手段、貸出操作手段)、
5q;返却ボタン(特定操作手段、排出操作手段)、
9;発射ハンドル、
9b;発射停止スイッチ(特定操作手段、停止操作手段)、
11;遊技領域、
17;始動入賞装置(始動口)、
27;演出表示装置(演出装置)、
27a;表示画面、
80;CRユニット(カード処理ユニット)、
109:遊技球払出装置(払出装置)、
200;主制御部(当否抽選手段、大当り遊技実行手段)、
220A;サブ制御部(演出制御手段、操作判定手段、判断手段)、
222A;演出表示制御部(演出制御手段)
SW;演出ボタン(演出専用操作手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技上の演出を行う演出装置と、
前記演出装置の駆動を制御する演出制御手段と、
遊技者が前記遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段と、
を備え、
操作有効期間中に前記演出専用操作手段が操作されると、前記演出制御手段が、前記演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う遊技機であって、
前記演出装置とは別の装置を操作するために前記演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段が、前記操作有効期間中に操作されると、前記演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、
前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現率が低い操作演出、若しくは、前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現しない操作演出が実行されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作演出制御の実行に際して前記演出専用操作手段に施される操作が、予め定められた操作条件を満たしているか否かを判断する操作判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作判定手段が前記操作条件を満たしていると判断することを条件に、前記操作演出を特定演出内容で実行するとともに、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、前記操作条件が緩和されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
始動口への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選手段が、前記当否抽選の結果が当選である旨の抽選結果を導出すると、前記大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記演出装置を構成し、前記当否抽選の結果を示す判定結果図柄が変動表示を経て停止表示されるとともに、前記大当り遊技実行手段の作動時に大当り演出表示を行う演出表示装置と、
を備え、
前記図柄変動表示中及び大当り演出表示中のうちの少なくとも一方において、一律に若しくは所定の条件の下、前記操作有効期間が設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
有価価値情報が記録された記録媒体を受け入れて該有価価値情報の読み取り及び書き換えを行うカード処理ユニットと電気的に接続され、
遊技領域に遊技媒体を発射する発射装置と、
前記発射装置を駆動するための発射ハンドルと、
前記発射装置による遊技媒体の発射を停止させるための停止操作手段と、
前記払出装置に遊技媒体の払い出しを実行させるための貸出操作が施される貸出操作手段と、
前記カード処理ユニットに受け入れられた記録媒体を、前記カード処理ユニットから排出するための排出操作が施される排出操作手段と、
を備えるとともに、
前記停止操作手段と、前記貸出操作手段と、前記排出操作手段とのうちの少なくとも何れかが、前記特定操作手段を構成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技上の演出を行う演出装置と、
前記演出装置の駆動を制御する演出制御手段と、
遊技者が前記遊技上の演出に関与するために設けられる演出専用操作手段と、
を備え、
操作有効期間中に前記演出専用操作手段が操作されると、前記演出制御手段が、前記演出装置で実行中の演出を操作演出に変更する操作演出制御を行う遊技機であって、
前記演出装置とは別の装置を操作するために前記演出専用操作手段とは別に設けられる特定操作手段が、前記操作有効期間中に操作されると、前記演出制御手段は特別態様の前記操作演出制御を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、
前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現率が低い操作演出、若しくは、前記演出専用操作手段が前記操作有効期間中に操作される場合には出現しない操作演出が実行されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作演出制御の実行に際して前記演出専用操作手段に施される操作が、予め定められた操作条件を満たしているか否かを判断する操作判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記操作判定手段が前記操作条件を満たしていると判断することを条件に、前記操作演出を特定演出内容で実行するとともに、
前記特定操作手段が前記操作有効期間中に操作されると、前記操作条件が緩和されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
始動口への遊技球の入賞に起因して大当り遊技を実行するか否かの当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選手段が、前記当否抽選の結果が当選である旨の抽選結果を導出すると、前記大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記演出装置を構成し、前記当否抽選の結果を示す判定結果図柄が変動表示を経て停止表示されるとともに、前記大当り遊技実行手段の作動時に大当り演出表示を行う演出表示装置と、
を備え、
前記図柄変動表示中及び大当り演出表示中のうちの少なくとも一方において、一律に若しくは所定の条件の下、前記操作有効期間が設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
有価価値情報が記録された記録媒体を受け入れて該有価価値情報の読み取り及び書き換えを行うカード処理ユニットと電気的に接続され、
遊技領域に遊技媒体を発射する発射装置と、
前記発射装置を駆動するための発射ハンドルと、
前記発射装置による遊技媒体の発射を停止させるための停止操作手段と、
前記払出装置に遊技媒体の払い出しを実行させるための貸出操作が施される貸出操作手段と、
前記カード処理ユニットに受け入れられた記録媒体を、前記カード処理ユニットから排出するための排出操作が施される排出操作手段と、
を備えるとともに、
前記停止操作手段と、前記貸出操作手段と、前記排出操作手段とのうちの少なくとも何れかが、前記特定操作手段を構成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【公開番号】特開2011−10854(P2011−10854A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157502(P2009−157502)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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