運転支援装置及び運転支援システム
【課題】 従来技術では、運転技術が向上した運転者であっても注意すべき危険箇所を、適切に本人に通知することができないでいた。
【解決手段】 事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供する。
【解決手段】 事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転中の危険回避を目的として、運転者に支援情報を提供する運転支援装置及び運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を運転中の事故を軽減する従来技術として、例えば、先行車両との車間距離が異常に縮まると、警告ブザーを鳴らして運転者に危険を通知したり、ブレーキを自動的に制御したりする衝突検知系の車両安全装置が提案されている。また特許文献1によれば、運転者の運転技術レベルに応じて、運転の技術を指導する教育情報を提供したり、交通事故の発生しやすい場所に接近した場合に、事故パターンを通知したりする運転支援装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−171060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一般的に、運転者の運転技術は、運転経験年数や運転回数が多くなれば向上するものであるが、運転者の運転技術が向上しても発生する事故が存在する。そして、従来技術においては、こうした事故に対する危険回避を実現することができないでいた。
【0004】
そこで本発明の目的は、運転技術とは関係のない、運転時に現れる運転者の性格(運転傾向)を分析し、過去に発生した事故を当事者の運転傾向別に分類しておき、自分と同じ運転傾向の他人が過去に起こした事故の情報に基づき危険箇所を通知する運転支援装置を提供することにある。また好ましくは、過去に発生した事故を事故発生時の走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に応じて分類しておき、現在の走行条件に一致する状況において発生した事故の情報を運転者に通知する運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、本発明の第一の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0006】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、前記特定された事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は前記特定された事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する。また、上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離以内にあるとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を回避する迂回路を前記表示部に表示するための画像信号を生成し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離より短い第2の距離以内に近づいたとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音信号及び/又は映像信号を生成する。
【0007】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内の道路規制状況あるいは道路混雑状況を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内に所在する店舗の位置を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記店舗で提供される商品又はサービスに関するプロモーション情報を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。
【0008】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記事故表には、更に、前記事故の発生地点の位置情報に、前記事故の発生時の走行条件が対応付けられており、更に、前記車両の走行条件を検出する車両情報部を有し、前記運転支援部は、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、前記走行条件に対応する事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する。
【0009】
また、上記目的は、本発明の第二の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の発生時の走行条件とを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記車両の走行条件を検出する車両情報部と、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0010】
また上記目的は、本発明の第三の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、前記運転支援装置は、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、前記サーバは、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システムを提供することにより達成される。
【0011】
また上記目的は、本発明の第四の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続され、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含むサーバとを有する運転支援システムにおける運転支援方法であって、前記運転支援装置が、前記車両の現在位置を検出し、前記運転支援装置が、該車両の運転者を識別し、前記運転支援装置が、前記識別された運転者の運転傾向を分析して運転タイプを特定し、前記運転支援装置が、前記特定された運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバが、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信し、前記運転支援装置が、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信し、前記受信した位置情報に基づく前記事故の発生地点
が、前記検出された現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援方法を提供することにより達成される。
【0012】
また上記目的は、本発明の第五の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部を有し、前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点の位置情報を応答するサーバと通信可能に接続された運転支援装置であって、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを特定する分析部と、前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備えることを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0013】
また上記目的は、本発明の第六の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、前記運転支援装置は、車両の現在位置を検出する位置検出部と、運転者の運転傾向に関する情報を取得する運転傾向情報取得部と、前記運転傾向に関する情報を前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、前記サーバは、前記運転支援装置より送信される前記運転傾向に関する情報に基づき前記運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、前記分析部で特定される運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記特定された運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システムを提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転傾向(運転技術とは関係のない、運転時に現れる運転者の性格)や走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づき事故の発生地点(危険箇所)の情報が運転者に通知され、運転技術が向上した運転者であっても、注意すべき地点を適切に把握することができる。また、自分と同じ運転傾向や走行条件にある他人の運転履歴に基づき危険箇所が通知されるので、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲はかかる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0016】
図1は、第1の実施形態における運転支援装置1の構成ブロック図である。特に本実施形態の運転支援装置1は、自動車に対するナビゲーション機能を備えており、自動車に搭載される。
【0017】
第1の実施形態の運転支援装置1は、バス40を介して互いに接続される制御部11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、識別部14、ドライブ部15、情報が入
力される入力部16、スピーカ17、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示部
18、センサ信号処理部19を含む。
【0018】
制御部11は、図示省略されたCPU(Central Processing Unit)を含み、RAM12に格納
されるプログラムを実行し、運転支援装置1に含まれる各部を制御する。RAM12は、運
転支援装置1の処理における演算結果やプログラムが一時的に格納される記憶手段である。
【0019】
記憶部13は、運転支援装置1を制御するOS (Operating System) 等のプログラムが格納される記憶手段である。記憶部13には、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等
が使用される。
【0020】
識別部14は、自動車の運転者を特定する情報の入力手段であり、例えば、指紋読み取り機、静脈読み取り機、虹彩読み取り機、そしてマイク等各人に固有な生体特徴(バイオメトリクス)の読み取り手段が好ましい。ドライブ部15は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical)ディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納される地図情報151を読み出すための装置である。
【0021】
入力部16は、ボタン、十字キー、液晶ディスプレイに備えられるタッチパネル等利用者の要求が入力される入力手段である。スピーカ17は、運転支援装置1で再生される音を出力する出力手段であり、表示部18は、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示手段であり、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ等で実現される。
【0022】
センサ信号処理部19は、各種センサからの信号を処理し、処理結果として得られる情報を制御部11に与える。各種センサには、自車の現在地を計測するためのGPS(Global Positioning System)センサ、車輪の回転数に応じて発生する車速パルスに基づき走行距離を算出する距離センサ、進行方向を検出するジャイロセンサ、ウインカの始動を検出し、右左折のどちらかを特定するウインカセンサなどが含まれる。他にも自動車の各部に設置されるセンサに基づきさまざまな情報がセンサ信号処理部19を介して運転支援装置1に収集される。
【0023】
こうして、運転支援装置1は、センサ信号処理部19を介して得られる情報と、ドライブ部15を介して読み出される地図情報とに基づき、自車の現在地を算出し、自車の位置を示す印と現在地周辺の地図とを併せて表示部18に表示する。また、利用者が入力する目的地までの誘導経路が算出され、併せて表示部18に表示されることもある。こうして、運転支援装置1は、ナビゲーション機能を利用者に提供する。
【0024】
また、第1の実施形態の運転支援装置1は、上記ナビゲーション機能と共に、運転者の運転傾向に基づく危険箇所を通知する危険回避機能を提供する。すなわち、運転支援装置1は、運転者の運転傾向を複数のタイプに分類し、同じタイプの別の運転者が過去に起こした事故に関する情報を参考に、運転者に危険箇所への注意を促す。
【0025】
運転傾向とは、運転者がハンドルを握る際に表れる性格や運転時の状況を示すものである。運転傾向は、例えば、直線になったときにアクセルを踏む回数や秒数、1回の連続運転時間、経由する道路の選択の仕方、急ブレーキの回数、急ハンドルの回数、車間距離の取り方等に基づき分析される。
【0026】
また、第1の実施形態の運転支援装置1は、走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づく危険箇所を通知する危険回避機能も提供する。つまり、運転支援装置1は、過去に発生した事故を、事故発生時の走行条件に応じて分類しておき、自車の走行条件に近い状況で発生した事故に関する情報を参考に、運転者に危険箇所への注意を促す。こ
うして、運転技術がある程度向上した運転者であっても、気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【0027】
以下、第1の実施形態において使用される地図情報及び第1の実施形態の運転支援装置1の記憶部13に格納されるデータのデータ構成例について図2〜図10を用いて説明する。そして、それらのデータを用いた第1の実施形態の運転支援装置1の動作を、データ構成例の説明の後に説明する。
【0028】
図2は、第1の実施形態の運転支援装置1が使用する地図情報151の一例を示す図である。図2には、2次元座標が導入されており、上が北になっている。
【0029】
地図情報151は、交差点や曲がり角といった属性を持つノードと、各ノードを接続する道路であるリンクにより形成される。ノードの属性には、他に、行き止まりを示す端点や、立体交差、県境等があり、こうした特徴を備える位置にノードが配置されることになる。図2においては、丸印がノード、丸印間を接続する線がリンクである。
【0030】
運転支援装置1は、広大な地図の中から利用者に提示する部分を切り取る。図3において太線で囲まれる表示領域31が、表示部18に表示される、つまり利用者に提示される部分である。表示領域31には、自車の現在地を示す印(丸い点線の円に囲まれる三角形)32が含まれており、利用者は現在地周辺の地図を見ることができる。
【0031】
図3は、ナビゲーション機能において使用される地図情報151のデータ構成例を示す図である。図3の地図データは、「ノード」「属性」「位置座標」「接続ノード」「リンク」「距離」「出口方向」「経路設定」というデータ項目を含む。
【0032】
「ノード」は、各ノードを識別する識別子である。「属性」は、ノードの属性を示す情報である。「位置座標」は、ノードの位置を示す位置情報であり、位置座標としては緯度経度を使用することができる。
【0033】
「接続ノード」は、あるノードに接続される他のノードを識別する識別子である。「リンク」は、あるノードに接続されるリンクを識別する識別子である。「距離」は、リンクの長さであり、リンクを自車が走行するときの距離である。「出口方向」は、ノードから出るときに自車が向く方向である。
【0034】
「出口方向」は、例えば、地図座標系におけるX軸からの角度等で記述される。「経路設定」は、各リンクが、利用者が指定する目的地までの誘導経路に含まれるかを示すフラグ情報である。つまり、「経路設定」が「あり」の場合、ナビゲーション機能において、利用者が設定する目的地までの経路(誘導経路)に組み込まれていることを示す。
【0035】
例えば、図2を例に取れば、ノードN1は、北東方向にノードN2と、南東方向にノードN3と、南西方向にノードN6と、北西方向にノードN11と所定長のリンクを介して接続されて
いる交差点である。これをデータにして表現したものが、図3の1行目から4行目のエントリである。また、図3を参照すれば、ノードN1とノードN3を接続するリンクL13が誘導経路に含まれることがわかる。
【0036】
図4は、過去に発生した事故の分析結果が格納される事故表131のデータ構成例を示す図である。事故表131は、実施形態の前提として予め記憶部13に格納される。
【0037】
図4の事故表は、「位置座標」「ノード/リンクフラグ」「運転タイプ」「走行条件フラグ」「事故タイプ」というデータ項目を含む。
【0038】
「位置座標」は、事故発生地点の座標情報であり、図2、図3に示される地図情報において規定される座標を用いて、地図上の地点を特定する。「ノード/リンクフラグ」は、事故発生地点が、地図情報におけるノードか、リンクかを示すものである。これにより、事故が、交差点や曲がり角といった属性を持つノードで発生したものか、ノード間を接続する道路で発生したものかがわかる。
【0039】
「運転タイプ」は、事故の当事者の運転傾向を分類したときの運転タイプを示す。運転者の運転傾向に基づき、運転タイプを分類する処理については、図11において後述する。
【0040】
事故表131の構築にあたり、事故発生時に分類されていた運転者の運転タイプが収集され、その事故に対応付けられる。なお、事故の当事者としては、加害者と被害者が存在する場合があるが、事故表131には少なくとも加害者の運転タイプが格納される。
【0041】
「走行条件フラグ」は、事故発生時の走行条件を示し、「Y」が該当する条件を満たす場合、「−」が該当する条件を満たさない場合を意味する。「走行条件フラグ」は、後述する走行条件表135における「走行項目ID」が題名となる下位項目を含む。
【0042】
例えば、後述する図8によれば、走行条件フラグにおける「C1」は「夜間」、「C2」は「霧」、「C3」は「凍結」、「C4」は「雨」、「C5」は「長時間」、「C6」は「強風」、「C7」は「積載量」、「C8」は「渋滞」に対応することがわかる。そして、図4における最初のエントリ(行データ)であれば、走行条件フラグの「C1」と「C2」が「Y」となっていることから、この事故が夜間、霧が発生した条件にて発生したことを示す。
【0043】
「事故タイプ」は、発生した事故をタイプ別に分類するものであり、運転者に対して通知するメッセージを特定するのに使用される。「事故タイプ」を用いることで、例えば、単独での物損事故、スリップ事故、交差点右折時の事故、対向車のライトによる視界遮蔽事故、追い越しによる事故等、事故原因が詳細に分類される。
【0044】
図5は、運転支援装置1の搭載された自動車が事故発生地点に近づいたとき再生される音と、その事故発生地点で発生した事故のタイプとを対応付ける音声対応表132のデータ構成例を示す図である。図5の音声対応表は、「事故タイプ」「音データ」「内容」というデータ項目を含む。
【0045】
「事故タイプ」は、事故表131において事故をタイプ別に分類したときの「事故タイプ」に対応する。「音データ」は、音データが格納されるファイルパスを示す。この「音データ」によって特定されるファイルが、運転支援装置1の搭載された自動車が事故発生地点に近づいたとき再生される音に対応し、例えば、図5には、mp3 (MPEG 1 Audio Layer-3) ファイルが音データの一例として描かれる。
【0046】
「内容」は、再生される音の内容であり、運転者に通知される運転支援情報の内容である。例えば、図5において事故タイプが「F1」の場合、「右折時事故多発地点に接近します。直進してくる対向車にご注意ください」といったメッセージが運転者に通知される。なお、音声による危険箇所の通知は、すべての事故発生地点に接近する毎に行われるのではなく、運転者の運転傾向により特定される運転タイプやその時の走行条件に基づき取捨選択して行われる点に本実施形態の特徴がある。
【0047】
図6は、運転者の運転傾向を示す運転傾向表133のデータ構成例を示す図である。図
6の運転傾向表133は、「運転項目ID」「項目」「レベル」というデータ項目を含む。
【0048】
「運転項目ID」は、運転傾向を示す項目を特定するための識別子である。「項目」は、運転時に現れる運転者の性格や傾向を分析するための項目を示す。図6には、一例として、直線道路においてアクセルを踏みやすい性格を意味する「直線加速」、1回に連続して運転する時間が長い傾向を意味する「長時間運転」、急激な車線変更をしやすい性格を意味する「急ハンドル」、車間距離を詰めやすい性格を意味する「急ブレーキ」、目的地までの経由道路として狭い道を通りやすい傾向を意味する「狭い道」が描かれる。
【0049】
「レベル」は、運転傾向の程度を示す数値である。図6では、5段階によってレベルが表現され、数値が高いほど、その運転傾向が出やすいことを示す。レベルは、各項目に対応するイベントの発生回数に応じて決定される。例えば、項目「直線加速」の場合、直線道路においてアクセルを踏みっぱなしの時間が所定の閾値(例えば3秒)以上持続するイベントの回数が記憶され、その回数が5回までならレベル1、10回までならレベル2、15回までならレベル3、20回までならレベル4、20回以上になればレベル5等とその運転者が分類される。
【0050】
アクセルが踏まれたのが直線道路かどうかは、GPSセンサ及び地図情報に基づき判定さ
れる。アクセルが踏みっぱなしの時間は、アクセルに備えられるセンサを介してセンサ信号処理部19に入力される信号に基づき得られる。こうして、運転支援装置1は、上記イベントの発生回数を記憶することが可能である。
【0051】
運転支援装置1は、他の項目についても、「直線加速」同様にセンサ信号処理部19を介して得られる情報に基づき、各項目に対応するイベントの発生回数を記憶することができる。例えば、項目「長時間運転」であれば、エンジン開始から停止までの時間、あるいは、オートマティック車でいう、パーキングギアの解除から、パーキングギアの設定までの時間が、それぞれ所定の時間を超えるイベントの回数に基づき、判定が行われる。そして、項目「急ハンドル」であれば、1秒間にハンドルが所定の角度以上切られたイベントの回数、項目「急ブレーキ」であれば、ブレーキペダルを踏みっぱなしの時間が所定の時間以上持続するイベントの回数、項目「狭い道」であれば、エンジン開始から停止までに使用した道路(リンク)のうち、道路幅が所定の幅未満のリンクが全行程の所定割合(例えば50%)以上を占めるイベントの回数に基づき、判定が行われる。
【0052】
図7は、図6に示される運転傾向に基づき運転者のタイプを特定する分類表134のデータ構成例を示す図である。図7の分類表は、「運転タイプ」「運転傾向」というデータ項目を含む。「運転傾向」は、更に、運転傾向表133における「運転項目ID」が題名となる下位項目を含む。
【0053】
「運転傾向」は、運転傾向のレベルに対する閾値を示す。例えば、図7の場合、運転項目「B1」(直線加速)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T1」に分類されることになる。同様にして、運転項目「B1」のレベルが3以上であり、運転項目「B3」(急ハンドル)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T2」に分類される。そして、運転項目「B2」(長時間運転)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T3」に分類される。
【0054】
なお、図6に示すような運転傾向を持つ運転者であれば、図7に示す分類表において、運転タイプ「T2」にも「T3」にも該当する。この場合、分類表134の上位に位置する条件から適合するか確認されるため、図6に示す運転傾向を持つ運転者は運転タイプ「T2」と分類されることになる。
【0055】
図8は、運転支援装置1が搭載される車両における走行条件を示す走行条件表135のデータ構成例を示す図である。図8の走行条件表は、「走行項目ID」「項目」「フラグ」というデータ項目を含む。
【0056】
「走行項目ID」は、走行条件を示す項目を特定するための識別子である。「項目」は、走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に対応する項目を示す。図8には、一例として、走行時間が夜であることを示す「夜間」、霧が発生し視界が悪い状況を示す「霧」、路面の凍結を示す「凍結」、雨が降り路面が濡れていることを示す「雨」、既に所定時間以上運転していることを示す「長時間」、強風が吹きハンドルが取られることを示す「強風」、制動距離に影響を与える程度の積載量を搭載していることを示す「積載量」、渋滞に巻き込まれていることを示す「渋滞」、燃料が残り少ないことを示す「燃料」、タイヤの磨耗が進んでいることを示す「タイヤ磨耗」、前回の定期点検から日数が経過しており、故障の可能性を排除できないことを示す「点検」が描かれる。
【0057】
「フラグ」は、その走行条件に合致するかを示すフラグ情報であり、合致する場合「Y」が、合致しない場合「−」が格納される。これらの走行条件は、事故表131構築時に事故を分析するために使用される他、現在の走行条件に近い条件で発生した事故を運転者に通知するために使用される。
【0058】
なお、本実施形態において走行条件に合致するかどうかは、自動車の物理状態を検出するセンサを介してセンサ信号処理部19に入力される情報に基づき決定される。例えば、項目「夜間」かどうかは、ライトの点灯の有無で判断される。もちろん、自動車に備えられる時計から判断してもよい。
【0059】
また項目「霧」であれば、フォグランプの点灯の有無、項目「凍結」であれば、外気の温度センサが0度以下であるかどうか、項目「雨」であれば、水滴センサによる水滴検知の有無により判断される。他の項目についても同様である。
【0060】
図9は、道路の渋滞情報、規制情報が格納される道路情報表136のデータ構成例を示す図である。例えば、定常的に混雑が予想される渋滞ポイント、規制が予定されている道路に関する情報が道路情報表に格納される。
【0061】
図9の道路情報表は、「位置座標」「リンク」「規制/渋滞フラグ」というデータ項目を含む。「位置座標」は、規制箇所又は渋滞箇所を特定する座標情報である。「リンク」は、規制箇所、渋滞箇所が属する道路を特定する。「リンク」には、図2、3において説明したリンクを識別する識別子が格納される。
【0062】
「規制/渋滞フラグ」は、「位置座標」により特定される地点が、規制箇所か渋滞箇所かを特定するフラグ情報である。運転支援装置1は、渋滞箇所、規制箇所を危険箇所と合わせて運転者に通知することもできる。
【0063】
図10は、地図情報に合わせて表示される店舗に関する情報が格納される店舗情報表137のデータ構成例を示す図である。図10の店舗情報表は、「位置座標」「種類」「プロモーション情報」というデータ項目を含む。
【0064】
「位置座標」は、店舗の位置を特定する座標情報である。「種類」は、店舗の種類を示す。例えば、レストラン、病院、銀行等である。
【0065】
「プロモーション情報」は、各店舗において提供される商品やサービスに関する広告宣
伝情報を示す。例えば、図10にはレストランにて「2時から3時の間の会計において、20%の割引が適用される」というプロモーション情報が描かれる。運転支援装置1は、危険箇所と合わせてこうしたプロモーション情報を運転者に通知することもできる。
【0066】
続いて、第1の実施形態の運転支援装置1における動作について説明する。第1の実施形態の運転支援装置1は、運転時に現れる運転者の性格(運転傾向)を分析し、運転者を所定のタイプに分類する運転タイプ分析処理と、過去に発生した事故を当事者の運転傾向別に分類しておき、自分と同じ運転傾向の他人が過去に起こした事故の情報に基づき危険箇所を通知する運転支援情報提供処理とを実行する。運転支援情報提供処理にあたっては、運転支援装置1は、更に、過去に発生した事故を事故発生時の走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に応じて分類しておき、現在の走行条件に一致する状況において発生した事故の情報も運転者に通知する。
【0067】
図11は、第1の実施形態の運転支援装置1における運転タイプ分析処理を説明するフローチャートである。運転支援装置1は、運転者による運転開始と共に、運転者の運転傾向の分析を開始する。まず、識別部14に運転者を特定する識別情報が入力される(S1)。
【0068】
ステップS1においては、例えば、識別情報として運転者の指紋が入力され、識別部14は、指紋を読み取り、読み取った指紋を画像情報に変換して制御部11に出力する。続いて、制御部11は、新規利用者かを確認する(S2)。制御部11は、識別部14より入力される指紋の画像情報が既に記憶部13に格納されているかを確認し、一致する画像情報が格納されていない場合(S2Yes)、識別部14より入力される指紋の画像情報を新たな利用者の指紋として記憶部13に格納すると共に、新たな入力者用の運転傾向表133を記憶するための記憶領域を記憶部13に確保する(S3)。
【0069】
一致する画像情報が既に格納されている場合(S2No)、新規利用者ではないため、ステップS3の処理が省略される。ステップS3の処理が済むか省略されると、制御部11は、運転者の運転動作が、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致するかを判定する(S4)。
【0070】
ステップS4の処理は、制御部11が、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき行う。例えば、「運転傾向表133の項目に設定される条件」とは、図6において説明した項目「直線加速」であれば、「直線道路においてアクセルを踏みっぱなしの時間が所定の閾値(例えば3秒)以上持続する」ことである。
【0071】
そして、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致する場合(S4Yes)、制御部11は、運転傾向表133を更新する(S5)。例えば図6に説明したように、制御部11は、ステップS4に示す条件を満たすイベントの回数に応じて、レベルを変更し、運転傾向表133を更新する。
【0072】
運転者の運転動作が、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致しない場合(S4No)、ステップS5の処理は省略される。制御部11は、運転の終了を検出するまで(S6No)、上記ステップS4、S5の処理を定期的に繰り返す。制御部11は、運転の終了を検出すると(S6Yes)、運転タイプ分析処理を終了する。制御部11は、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、例えば、エンジン停止、あるいは、パーキングギアの設定を検出するとき、運転の終了と判定する。
【0073】
図12は、第1の実施形態の運転支援装置1における運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。まず、制御部11は、運転タイプを取得する(S11)。ステッ
プS11の処理において、制御部11は、運転タイプ分析処理のステップS1で入力される運転者の識別情報を利用して運転者を特定する。
【0074】
そして、分類表134を参照し、特定された運転者に対応する運転傾向表133に示される各項目のレベルから、その運転者の運転タイプを決定する。運転タイプの決定の方法は、図7で説明した通りである。
【0075】
続いて、制御部11は、走行条件を取得する(S12)。ステップS12の処理において、制御部11は、図8にて説明したように、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、自車の走行条件を取得し、走行条件表135の「フラグ」を更新する。
【0076】
更に、制御部11は、現在位置を取得する(S13)。制御部11は、センサ信号処理部19を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自車の現在位置を算出する。以上ス
テップS11、S12、S13で取得した情報から、制御部11は、自車の現在位置から第1の距離以内で、かつ、第2の距離以上の範囲(例えば、300m〜2km)に危険箇所があるかを判定する(S14)。
【0077】
ステップS14の処理において、制御部11は、ステップS11で取得した運転タイプと、ステップS12で取得した走行条件の両面から、事故表131を参照し、危険箇所を検索する。まず、制御部11は、事故表131の「運転タイプ」がステップS11で取得した運転タイプと同じエントリ(事故表131における行データ)を検索し、その「位置座標」を取得する。そして、制御部11は、取得された「位置座標」と、ステップS13で取得される現在位置とに基づき、互いの距離が300m〜2kmにあるかを判定する。
【0078】
また、制御部11は、事故表131の「走行条件フラグ」がステップS12で取得された走行条件表135の「フラグ」の状態に一致するエントリを検索し、その「位置座標」を取得する。そして、制御部11は、取得された「位置座標」と、ステップS13で取得される現在位置とに基づき、互いの距離が300m〜2kmにあるかを判定する。
【0079】
ステップS14において、危険箇所が現在位置から300m〜2kmにある場合(S14Yes)、制御部11は、危険箇所を回避する迂回路を表示する(S15)。制御部11は、ナビゲーション機能を用いて、危険箇所を回避する経路を再計算し、表示部18に表示する。危険箇所までの距離が十分あり、運転者が進路を変更するゆとりがあるため、運転支援装置1は、ここでは迂回路を提示する。
【0080】
危険箇所が現在位置から300m〜2kmにない場合(S14No)、ステップS15の処理は省略される。ステップS15の処理が済むか省略されると、制御部11は、自車の現在位置から300m(第2の距離)以内に危険箇所があるかを判定する(S16)。制御部11は、ステップS14の検索結果に含まれる危険箇所をステップS16においても利用する。
【0081】
自車が、危険箇所まで300m以内に接近する場合(S16Yes)、制御部11は、危険箇所の存在を音声と画像により通知する(S17)。制御部11は、現在位置から300m以内の危険箇所の位置情報を事故表131を参照して取得し、表示部18に表示される地図に危険箇所を表示する。
【0082】
また、制御部11は、現在位置から300m以内の危険箇所の事故タイプを事故表131を参照して取得し、音声対応表132を参照し、対応する音声データをスピーカ17より再生する。ステップS17の時点では、急激な進路の変動は、新たな事故を引き起こすおそれがあるため、運転支援装置1は、危険箇所に対する注意喚起にとどめ、迂回路の提
示は行わない。
【0083】
ステップS17においては、制御部11は、危険箇所の通知と共に、自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を提供することもできる。また、ステップS17においては、危険箇所の通知が、映像と音声によって行われるが、映像のみ、音声のみの通知とすることもできる。
【0084】
ステップS17の処理が済むと、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、処理を続行する。こうして制御部11は、運転中継続的に運転支援情報提供処理を繰り返す。
【0085】
なお、図12において、ステップS15は、目的地までの経路が設定されている場合に行われる。目的地までの経路が設定されていない場合には、制御部11は、迂回路を表示する代わりに、ステップS17の処理を行い、危険箇所の存在を通知する。
【0086】
図13は、図12のステップS17において運転支援情報が提供される様子を説明する図である。本実施形態における運転支援情報は、スピーカ17を通して再生される音声と表示部18に表示される画像、テキストにより提供される。
【0087】
図18には、図2の表示領域31が表示部18に表示される様子が描かれる。表示領域31には、2つの危険箇所が通知される様子が描かれる。1つは、自車位置を示す印32により描かれる自動車の運転者の運転タイプに基づく危険箇所を示す矢印33であり、もう1つは、印32により描かれる自動車の走行条件に基づく危険箇所を示す矢印34である。
【0088】
こうして、危険箇所が矢印によって表示される他、対応する音声がスピーカ17から再生される。つまり、自車位置が危険箇所に接近すると、その危険箇所の事故タイプ(図4の事故表131参照)に応じた音声が再生される。
【0089】
例えば、矢印33の危険箇所が、事故タイプ「F1」であれば、図5の音声対応表132が参照され、「右折時事故多発地点に接近します。直進してくる対向車にご注意ください」という音声が再生される。また、図13には合わせて、レストランを示す「R」が表示され、対応するプロモーション情報(図10店舗情報表137参照)を通知する音声がスピーカ17より再生される。
【0090】
こうして、本実施形態においては、制御部11は、運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを決定する分析部として機能する。更に、制御部11は、分析部により決定される運転タイプに対応する事故の発生地点を、事故表を参照して特定し、運転タイプに対応する事故の発生地点が、位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する運転支援部として機能する。
【0091】
また、制御部11は、車両の走行条件を検出する車両情報部として機能し、車両情報部により検出される走行条件に対応する事故の発生地点を、事故表を参照して特定し、走行条件に対応する事故の発生地点が、位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、走行条件に対応する事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は走行条件に対応する事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する運転支援部としても機能する。
【0092】
第1の実施形態においては、運転支援装置1の記憶部13に必要な情報を格納しておき
、その情報の更新は、ドライブ部15を介して実施されるが、運転支援装置1に通信機能を有する通信部を追加し、通信部を介して運転支援装置1に接続されるサーバから最新の情報を受信する構成とすることもできる。以下、その構成を第2の実施形態として説明する。
【0093】
図14は、第2の実施形態における運転支援システムの構成ブロック図である。第2の実施形態における運転支援システムにおいては、運転支援装置1と、サーバ100とが通信可能な状態で接続される。
【0094】
第1の実施形態の運転支援装置1に、通信部20を追加したものが第2の実施形態における運転支援装置1である。通信部20は、通信機能を有し、運転支援装置1の外部との通信を処理し、他の機能ブロック同様バス40に接続されている。通信部20は、例えば、運転支援装置1に内蔵される無線ユニットや、運転支援装置1に接続される携帯電話によって実現される。
【0095】
また、第1の実施形態において運転支援装置1に格納されていた、事故表131、道路情報表136、店舗情報表137は、第2の実施形態においてサーバ100に格納される。サーバ100は、例えばPC(Personal Computer)によって実現され、事故表131等を
格納する記憶機能、CPUによる演算処理機能、通信機能を備えている。サーバ100に格
納されるこれらの情報が更新されると、通信部20を介して、最新の情報が運転支援装置1に提供されることになる。
【0096】
第2の実施形態において、運転支援装置1における運転タイプ分析処理は第1の実施形態と同じであるため、説明は省略する。そこで、運転支援情報提供処理について説明する。
【0097】
図15は、第2の実施形態の運転支援システムにおける運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。第2の実施形態においては、サーバ100に格納された事故表131の情報を得るために、運転支援装置1がサーバ100に、運転タイプと走行状況を送信する点が第1の実施形態と異なる。それ以外の処理で、第1の実施形態と同じ箇所には同じステップ番号を振り、説明は略すものとする。
【0098】
まず、制御部11は、運転タイプを取得する(S11)。制御部11は、図12のステップS11と同様、運転者を特定し、特定された運転者に対応する運転傾向表133に示される各項目のレベルから、その運転者の運転タイプを決定する。
【0099】
続いて、制御部11は、走行条件を取得する(S12)。制御部11は、図12のステップS12と同様、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、自車の走行条件を取得し、走行条件表135の「フラグ」を更新する。
【0100】
更に、制御部11は、現在位置を取得する(S13)。制御部11は、図12のステップS13と同様、センサ信号処理部19を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自
車の現在位置を算出する。
【0101】
ステップS13が済むと、制御部11は、ステップS11で取得した運転タイプと、ステップS12で取得した走行条件とを通信部20を介してサーバ100に送信する(S21)。サーバ100は、運転支援装置1から送信される運転タイプと、走行条件の両面から、事故表131を参照し、危険箇所を検索する。
【0102】
運転タイプと走行条件に基づく危険箇所の検索は、図12のステップS14の処理にお
いて「制御部11」が行う処理をサーバ100のCPUが行うことにより処理される。そし
て、サーバ100は、検索結果として得られるエントリの「位置座標」と「事故タイプ」を、危険箇所の位置情報として運転支援装置1に送信する(S22)。
【0103】
サーバ100より受信する危険箇所の位置情報と、ステップS13で取得した現在位置の位置情報とから、制御部11は、自車の現在位置から第1の距離以内で、かつ、第2の距離以上の範囲(例えば、300m〜2km)に危険箇所があるかを判定する(S14)。ステップS14において、危険箇所が現在位置から300m〜2kmにある場合(S14Yes)、制御部11は、危険箇所を回避する迂回路を表示する(S15)。
【0104】
危険箇所が現在位置から300m〜2kmにない場合(S14No)、ステップS15の処理は省略される。ステップS15の処理が済むか省略されると、制御部11は、自車の現在位置から300m(第2の距離)以内に危険箇所があるかを判定する(S16)。制御部11は、サーバ100より受信する危険箇所の位置情報をステップS16においても利用する。
【0105】
自車が、危険箇所まで300m以内に接近する場合(S16Yes)、制御部11は、危険箇所の存在を音声と画像により通知する(S17)。また、制御部11は、サーバ100より送信される「事故タイプ」に基づき、音声対応表132を参照し、対応する音声データをスピーカ17より再生する。
【0106】
ステップS17の処理が済むと、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、処理を続行する。こうして制御部11は、第2の実施形態においても運転中継続的に運転支援情報提供処理を繰り返す。
【0107】
なお、ステップS21において、制御部11が、ステップS13で取得した現在位置の位置情報を送信してもよい。サーバ100は、店舗情報表137を参照し、受信した現在位置周辺の自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を応答する。すると、第2の実施形態においても、制御部11は、危険箇所の通知と共に、自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を提供することができる。
【0108】
また、第2の実施形態では、運転支援装置1が運転タイプを決定しているが、これをサーバ100が行うこともできる。その場合、制御部11は、ステップS11にてセンサ信号処理部19を介して入力された情報を基に運転傾向を取得し、ステップS12、S13で取得した走行条件と現在位置と共にサーバ100に送信する。サーバ100は、受信した運転傾向を基に運転タイプを決定し、ステップS22以降の処理を第2の実施形態と同様に行えばよい。
【0109】
サーバ100にて運転タイプを決定する場合、運転支援装置1の記憶部14に格納された運転傾向表133や分類表134等をサーバ100に格納することができ、運転支援装置1の記憶部14の負荷を軽減でき、運転支援装置1の記憶部14に必要な容量を少なくすることができる。また、サーバ100に多数の運転者の運転傾向に関する情報を格納し、これらの情報を編集・更新することにより、本運転支援システムは、より類似性の高い危険箇所を各運転者に通知することができる。
【0110】
また、運転者への危険箇所の通知は、音声や表示によるものに限られない。例えば、危険箇所の接近に合わせて、ハンドルを微小震動させたり、シートベルトの緊張度合い、弛緩度合いを変化させ、運転者に通知することもできる。
【0111】
以上に説明した第1及び第2の実施形態によれば、運転傾向(運転技術とは関係のない
、運転時に現れる運転者の性格)や走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づき事故の発生地点(危険箇所)の情報が運転者に通知され、運転技術が向上した運転者であっても、注意すべき地点を適切に把握することができる。また、自分と同じ運転傾向や走行条件にある他人の運転履歴に基づき危険箇所が通知されるので、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【0112】
なお、第1及び第2の実施形態においては、運転タイプと走行条件の両面から、危険箇所が検索されるが、いずれか一方の条件から検索された危険箇所を運転者に通知しても、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知するという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】第1の実施形態における運転支援装置の構成ブロック図である。
【図2】運転支援装置が使用する地図情報の一例を示す図である。
【図3】地図情報のデータ構成例を示す図である。
【図4】事故表のデータ構成例を示す図である。
【図5】音声対応表のデータ構成例を示す図である。
【図6】運転傾向表のデータ構成例を示す図である。
【図7】分類表のデータ構成例を示す図である。
【図8】走行条件表のデータ構成例を示す図である。
【図9】道路情報表のデータ構成例を示す図である。
【図10】店舗情報表のデータ構成例を示す図である。
【図11】第1の実施形態の運転支援装置における運転タイプ分析処理を説明するフローチャートである。
【図12】第1の実施形態の運転支援装置における運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。
【図13】運転支援情報が提供される様子を説明する図である。
【図14】第2の実施形態における運転支援システムの構成ブロック図である。
【図15】第2の実施形態の運転支援システムにおける運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
11 制御部、12 RAM、13 記憶部、14 識別部、15 ドライブ部、16
入力部、17 スピーカ、18 表示部、19 センサ信号処理部、20 通信部、40
バス、100 サーバ、131 事故表、132 音声対応表、133 運転傾向表、134 分類表、135 走行条件表、136 道路情報表、137 店舗情報表、151 地図情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転中の危険回避を目的として、運転者に支援情報を提供する運転支援装置及び運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を運転中の事故を軽減する従来技術として、例えば、先行車両との車間距離が異常に縮まると、警告ブザーを鳴らして運転者に危険を通知したり、ブレーキを自動的に制御したりする衝突検知系の車両安全装置が提案されている。また特許文献1によれば、運転者の運転技術レベルに応じて、運転の技術を指導する教育情報を提供したり、交通事故の発生しやすい場所に接近した場合に、事故パターンを通知したりする運転支援装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−171060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一般的に、運転者の運転技術は、運転経験年数や運転回数が多くなれば向上するものであるが、運転者の運転技術が向上しても発生する事故が存在する。そして、従来技術においては、こうした事故に対する危険回避を実現することができないでいた。
【0004】
そこで本発明の目的は、運転技術とは関係のない、運転時に現れる運転者の性格(運転傾向)を分析し、過去に発生した事故を当事者の運転傾向別に分類しておき、自分と同じ運転傾向の他人が過去に起こした事故の情報に基づき危険箇所を通知する運転支援装置を提供することにある。また好ましくは、過去に発生した事故を事故発生時の走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に応じて分類しておき、現在の走行条件に一致する状況において発生した事故の情報を運転者に通知する運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、本発明の第一の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0006】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、前記特定された事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は前記特定された事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する。また、上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離以内にあるとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を回避する迂回路を前記表示部に表示するための画像信号を生成し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離より短い第2の距離以内に近づいたとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音信号及び/又は映像信号を生成する。
【0007】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内の道路規制状況あるいは道路混雑状況を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内に所在する店舗の位置を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記運転支援部は、更に、前記店舗で提供される商品又はサービスに関するプロモーション情報を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成する。
【0008】
上記発明の側面においてより好ましい実施例によれば、前記事故表には、更に、前記事故の発生地点の位置情報に、前記事故の発生時の走行条件が対応付けられており、更に、前記車両の走行条件を検出する車両情報部を有し、前記運転支援部は、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、前記走行条件に対応する事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する。
【0009】
また、上記目的は、本発明の第二の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の発生時の走行条件とを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記車両の走行条件を検出する車両情報部と、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0010】
また上記目的は、本発明の第三の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、前記運転支援装置は、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、前記サーバは、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システムを提供することにより達成される。
【0011】
また上記目的は、本発明の第四の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続され、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含むサーバとを有する運転支援システムにおける運転支援方法であって、前記運転支援装置が、前記車両の現在位置を検出し、前記運転支援装置が、該車両の運転者を識別し、前記運転支援装置が、前記識別された運転者の運転傾向を分析して運転タイプを特定し、前記運転支援装置が、前記特定された運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバが、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信し、前記運転支援装置が、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信し、前記受信した位置情報に基づく前記事故の発生地点
が、前記検出された現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援方法を提供することにより達成される。
【0012】
また上記目的は、本発明の第五の側面によれば、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部を有し、前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点の位置情報を応答するサーバと通信可能に接続された運転支援装置であって、車両の現在位置を検出する位置検出部と、該車両の運転者を識別する識別部と、前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを特定する分析部と、前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備えることを特徴とする運転支援装置を提供することにより達成される。
【0013】
また上記目的は、本発明の第六の側面によれば、車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、前記運転支援装置は、車両の現在位置を検出する位置検出部と、運転者の運転傾向に関する情報を取得する運転傾向情報取得部と、前記運転傾向に関する情報を前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、前記サーバは、前記運転支援装置より送信される前記運転傾向に関する情報に基づき前記運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、前記分析部で特定される運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記特定された運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システムを提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転傾向(運転技術とは関係のない、運転時に現れる運転者の性格)や走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づき事故の発生地点(危険箇所)の情報が運転者に通知され、運転技術が向上した運転者であっても、注意すべき地点を適切に把握することができる。また、自分と同じ運転傾向や走行条件にある他人の運転履歴に基づき危険箇所が通知されるので、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲はかかる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0016】
図1は、第1の実施形態における運転支援装置1の構成ブロック図である。特に本実施形態の運転支援装置1は、自動車に対するナビゲーション機能を備えており、自動車に搭載される。
【0017】
第1の実施形態の運転支援装置1は、バス40を介して互いに接続される制御部11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、識別部14、ドライブ部15、情報が入
力される入力部16、スピーカ17、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示部
18、センサ信号処理部19を含む。
【0018】
制御部11は、図示省略されたCPU(Central Processing Unit)を含み、RAM12に格納
されるプログラムを実行し、運転支援装置1に含まれる各部を制御する。RAM12は、運
転支援装置1の処理における演算結果やプログラムが一時的に格納される記憶手段である。
【0019】
記憶部13は、運転支援装置1を制御するOS (Operating System) 等のプログラムが格納される記憶手段である。記憶部13には、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等
が使用される。
【0020】
識別部14は、自動車の運転者を特定する情報の入力手段であり、例えば、指紋読み取り機、静脈読み取り機、虹彩読み取り機、そしてマイク等各人に固有な生体特徴(バイオメトリクス)の読み取り手段が好ましい。ドライブ部15は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical)ディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納される地図情報151を読み出すための装置である。
【0021】
入力部16は、ボタン、十字キー、液晶ディスプレイに備えられるタッチパネル等利用者の要求が入力される入力手段である。スピーカ17は、運転支援装置1で再生される音を出力する出力手段であり、表示部18は、情報を出力し、利用者に情報を与えるための表示手段であり、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ等で実現される。
【0022】
センサ信号処理部19は、各種センサからの信号を処理し、処理結果として得られる情報を制御部11に与える。各種センサには、自車の現在地を計測するためのGPS(Global Positioning System)センサ、車輪の回転数に応じて発生する車速パルスに基づき走行距離を算出する距離センサ、進行方向を検出するジャイロセンサ、ウインカの始動を検出し、右左折のどちらかを特定するウインカセンサなどが含まれる。他にも自動車の各部に設置されるセンサに基づきさまざまな情報がセンサ信号処理部19を介して運転支援装置1に収集される。
【0023】
こうして、運転支援装置1は、センサ信号処理部19を介して得られる情報と、ドライブ部15を介して読み出される地図情報とに基づき、自車の現在地を算出し、自車の位置を示す印と現在地周辺の地図とを併せて表示部18に表示する。また、利用者が入力する目的地までの誘導経路が算出され、併せて表示部18に表示されることもある。こうして、運転支援装置1は、ナビゲーション機能を利用者に提供する。
【0024】
また、第1の実施形態の運転支援装置1は、上記ナビゲーション機能と共に、運転者の運転傾向に基づく危険箇所を通知する危険回避機能を提供する。すなわち、運転支援装置1は、運転者の運転傾向を複数のタイプに分類し、同じタイプの別の運転者が過去に起こした事故に関する情報を参考に、運転者に危険箇所への注意を促す。
【0025】
運転傾向とは、運転者がハンドルを握る際に表れる性格や運転時の状況を示すものである。運転傾向は、例えば、直線になったときにアクセルを踏む回数や秒数、1回の連続運転時間、経由する道路の選択の仕方、急ブレーキの回数、急ハンドルの回数、車間距離の取り方等に基づき分析される。
【0026】
また、第1の実施形態の運転支援装置1は、走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づく危険箇所を通知する危険回避機能も提供する。つまり、運転支援装置1は、過去に発生した事故を、事故発生時の走行条件に応じて分類しておき、自車の走行条件に近い状況で発生した事故に関する情報を参考に、運転者に危険箇所への注意を促す。こ
うして、運転技術がある程度向上した運転者であっても、気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【0027】
以下、第1の実施形態において使用される地図情報及び第1の実施形態の運転支援装置1の記憶部13に格納されるデータのデータ構成例について図2〜図10を用いて説明する。そして、それらのデータを用いた第1の実施形態の運転支援装置1の動作を、データ構成例の説明の後に説明する。
【0028】
図2は、第1の実施形態の運転支援装置1が使用する地図情報151の一例を示す図である。図2には、2次元座標が導入されており、上が北になっている。
【0029】
地図情報151は、交差点や曲がり角といった属性を持つノードと、各ノードを接続する道路であるリンクにより形成される。ノードの属性には、他に、行き止まりを示す端点や、立体交差、県境等があり、こうした特徴を備える位置にノードが配置されることになる。図2においては、丸印がノード、丸印間を接続する線がリンクである。
【0030】
運転支援装置1は、広大な地図の中から利用者に提示する部分を切り取る。図3において太線で囲まれる表示領域31が、表示部18に表示される、つまり利用者に提示される部分である。表示領域31には、自車の現在地を示す印(丸い点線の円に囲まれる三角形)32が含まれており、利用者は現在地周辺の地図を見ることができる。
【0031】
図3は、ナビゲーション機能において使用される地図情報151のデータ構成例を示す図である。図3の地図データは、「ノード」「属性」「位置座標」「接続ノード」「リンク」「距離」「出口方向」「経路設定」というデータ項目を含む。
【0032】
「ノード」は、各ノードを識別する識別子である。「属性」は、ノードの属性を示す情報である。「位置座標」は、ノードの位置を示す位置情報であり、位置座標としては緯度経度を使用することができる。
【0033】
「接続ノード」は、あるノードに接続される他のノードを識別する識別子である。「リンク」は、あるノードに接続されるリンクを識別する識別子である。「距離」は、リンクの長さであり、リンクを自車が走行するときの距離である。「出口方向」は、ノードから出るときに自車が向く方向である。
【0034】
「出口方向」は、例えば、地図座標系におけるX軸からの角度等で記述される。「経路設定」は、各リンクが、利用者が指定する目的地までの誘導経路に含まれるかを示すフラグ情報である。つまり、「経路設定」が「あり」の場合、ナビゲーション機能において、利用者が設定する目的地までの経路(誘導経路)に組み込まれていることを示す。
【0035】
例えば、図2を例に取れば、ノードN1は、北東方向にノードN2と、南東方向にノードN3と、南西方向にノードN6と、北西方向にノードN11と所定長のリンクを介して接続されて
いる交差点である。これをデータにして表現したものが、図3の1行目から4行目のエントリである。また、図3を参照すれば、ノードN1とノードN3を接続するリンクL13が誘導経路に含まれることがわかる。
【0036】
図4は、過去に発生した事故の分析結果が格納される事故表131のデータ構成例を示す図である。事故表131は、実施形態の前提として予め記憶部13に格納される。
【0037】
図4の事故表は、「位置座標」「ノード/リンクフラグ」「運転タイプ」「走行条件フラグ」「事故タイプ」というデータ項目を含む。
【0038】
「位置座標」は、事故発生地点の座標情報であり、図2、図3に示される地図情報において規定される座標を用いて、地図上の地点を特定する。「ノード/リンクフラグ」は、事故発生地点が、地図情報におけるノードか、リンクかを示すものである。これにより、事故が、交差点や曲がり角といった属性を持つノードで発生したものか、ノード間を接続する道路で発生したものかがわかる。
【0039】
「運転タイプ」は、事故の当事者の運転傾向を分類したときの運転タイプを示す。運転者の運転傾向に基づき、運転タイプを分類する処理については、図11において後述する。
【0040】
事故表131の構築にあたり、事故発生時に分類されていた運転者の運転タイプが収集され、その事故に対応付けられる。なお、事故の当事者としては、加害者と被害者が存在する場合があるが、事故表131には少なくとも加害者の運転タイプが格納される。
【0041】
「走行条件フラグ」は、事故発生時の走行条件を示し、「Y」が該当する条件を満たす場合、「−」が該当する条件を満たさない場合を意味する。「走行条件フラグ」は、後述する走行条件表135における「走行項目ID」が題名となる下位項目を含む。
【0042】
例えば、後述する図8によれば、走行条件フラグにおける「C1」は「夜間」、「C2」は「霧」、「C3」は「凍結」、「C4」は「雨」、「C5」は「長時間」、「C6」は「強風」、「C7」は「積載量」、「C8」は「渋滞」に対応することがわかる。そして、図4における最初のエントリ(行データ)であれば、走行条件フラグの「C1」と「C2」が「Y」となっていることから、この事故が夜間、霧が発生した条件にて発生したことを示す。
【0043】
「事故タイプ」は、発生した事故をタイプ別に分類するものであり、運転者に対して通知するメッセージを特定するのに使用される。「事故タイプ」を用いることで、例えば、単独での物損事故、スリップ事故、交差点右折時の事故、対向車のライトによる視界遮蔽事故、追い越しによる事故等、事故原因が詳細に分類される。
【0044】
図5は、運転支援装置1の搭載された自動車が事故発生地点に近づいたとき再生される音と、その事故発生地点で発生した事故のタイプとを対応付ける音声対応表132のデータ構成例を示す図である。図5の音声対応表は、「事故タイプ」「音データ」「内容」というデータ項目を含む。
【0045】
「事故タイプ」は、事故表131において事故をタイプ別に分類したときの「事故タイプ」に対応する。「音データ」は、音データが格納されるファイルパスを示す。この「音データ」によって特定されるファイルが、運転支援装置1の搭載された自動車が事故発生地点に近づいたとき再生される音に対応し、例えば、図5には、mp3 (MPEG 1 Audio Layer-3) ファイルが音データの一例として描かれる。
【0046】
「内容」は、再生される音の内容であり、運転者に通知される運転支援情報の内容である。例えば、図5において事故タイプが「F1」の場合、「右折時事故多発地点に接近します。直進してくる対向車にご注意ください」といったメッセージが運転者に通知される。なお、音声による危険箇所の通知は、すべての事故発生地点に接近する毎に行われるのではなく、運転者の運転傾向により特定される運転タイプやその時の走行条件に基づき取捨選択して行われる点に本実施形態の特徴がある。
【0047】
図6は、運転者の運転傾向を示す運転傾向表133のデータ構成例を示す図である。図
6の運転傾向表133は、「運転項目ID」「項目」「レベル」というデータ項目を含む。
【0048】
「運転項目ID」は、運転傾向を示す項目を特定するための識別子である。「項目」は、運転時に現れる運転者の性格や傾向を分析するための項目を示す。図6には、一例として、直線道路においてアクセルを踏みやすい性格を意味する「直線加速」、1回に連続して運転する時間が長い傾向を意味する「長時間運転」、急激な車線変更をしやすい性格を意味する「急ハンドル」、車間距離を詰めやすい性格を意味する「急ブレーキ」、目的地までの経由道路として狭い道を通りやすい傾向を意味する「狭い道」が描かれる。
【0049】
「レベル」は、運転傾向の程度を示す数値である。図6では、5段階によってレベルが表現され、数値が高いほど、その運転傾向が出やすいことを示す。レベルは、各項目に対応するイベントの発生回数に応じて決定される。例えば、項目「直線加速」の場合、直線道路においてアクセルを踏みっぱなしの時間が所定の閾値(例えば3秒)以上持続するイベントの回数が記憶され、その回数が5回までならレベル1、10回までならレベル2、15回までならレベル3、20回までならレベル4、20回以上になればレベル5等とその運転者が分類される。
【0050】
アクセルが踏まれたのが直線道路かどうかは、GPSセンサ及び地図情報に基づき判定さ
れる。アクセルが踏みっぱなしの時間は、アクセルに備えられるセンサを介してセンサ信号処理部19に入力される信号に基づき得られる。こうして、運転支援装置1は、上記イベントの発生回数を記憶することが可能である。
【0051】
運転支援装置1は、他の項目についても、「直線加速」同様にセンサ信号処理部19を介して得られる情報に基づき、各項目に対応するイベントの発生回数を記憶することができる。例えば、項目「長時間運転」であれば、エンジン開始から停止までの時間、あるいは、オートマティック車でいう、パーキングギアの解除から、パーキングギアの設定までの時間が、それぞれ所定の時間を超えるイベントの回数に基づき、判定が行われる。そして、項目「急ハンドル」であれば、1秒間にハンドルが所定の角度以上切られたイベントの回数、項目「急ブレーキ」であれば、ブレーキペダルを踏みっぱなしの時間が所定の時間以上持続するイベントの回数、項目「狭い道」であれば、エンジン開始から停止までに使用した道路(リンク)のうち、道路幅が所定の幅未満のリンクが全行程の所定割合(例えば50%)以上を占めるイベントの回数に基づき、判定が行われる。
【0052】
図7は、図6に示される運転傾向に基づき運転者のタイプを特定する分類表134のデータ構成例を示す図である。図7の分類表は、「運転タイプ」「運転傾向」というデータ項目を含む。「運転傾向」は、更に、運転傾向表133における「運転項目ID」が題名となる下位項目を含む。
【0053】
「運転傾向」は、運転傾向のレベルに対する閾値を示す。例えば、図7の場合、運転項目「B1」(直線加速)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T1」に分類されることになる。同様にして、運転項目「B1」のレベルが3以上であり、運転項目「B3」(急ハンドル)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T2」に分類される。そして、運転項目「B2」(長時間運転)のレベルが4以上である運転者は、運転タイプ「T3」に分類される。
【0054】
なお、図6に示すような運転傾向を持つ運転者であれば、図7に示す分類表において、運転タイプ「T2」にも「T3」にも該当する。この場合、分類表134の上位に位置する条件から適合するか確認されるため、図6に示す運転傾向を持つ運転者は運転タイプ「T2」と分類されることになる。
【0055】
図8は、運転支援装置1が搭載される車両における走行条件を示す走行条件表135のデータ構成例を示す図である。図8の走行条件表は、「走行項目ID」「項目」「フラグ」というデータ項目を含む。
【0056】
「走行項目ID」は、走行条件を示す項目を特定するための識別子である。「項目」は、走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に対応する項目を示す。図8には、一例として、走行時間が夜であることを示す「夜間」、霧が発生し視界が悪い状況を示す「霧」、路面の凍結を示す「凍結」、雨が降り路面が濡れていることを示す「雨」、既に所定時間以上運転していることを示す「長時間」、強風が吹きハンドルが取られることを示す「強風」、制動距離に影響を与える程度の積載量を搭載していることを示す「積載量」、渋滞に巻き込まれていることを示す「渋滞」、燃料が残り少ないことを示す「燃料」、タイヤの磨耗が進んでいることを示す「タイヤ磨耗」、前回の定期点検から日数が経過しており、故障の可能性を排除できないことを示す「点検」が描かれる。
【0057】
「フラグ」は、その走行条件に合致するかを示すフラグ情報であり、合致する場合「Y」が、合致しない場合「−」が格納される。これらの走行条件は、事故表131構築時に事故を分析するために使用される他、現在の走行条件に近い条件で発生した事故を運転者に通知するために使用される。
【0058】
なお、本実施形態において走行条件に合致するかどうかは、自動車の物理状態を検出するセンサを介してセンサ信号処理部19に入力される情報に基づき決定される。例えば、項目「夜間」かどうかは、ライトの点灯の有無で判断される。もちろん、自動車に備えられる時計から判断してもよい。
【0059】
また項目「霧」であれば、フォグランプの点灯の有無、項目「凍結」であれば、外気の温度センサが0度以下であるかどうか、項目「雨」であれば、水滴センサによる水滴検知の有無により判断される。他の項目についても同様である。
【0060】
図9は、道路の渋滞情報、規制情報が格納される道路情報表136のデータ構成例を示す図である。例えば、定常的に混雑が予想される渋滞ポイント、規制が予定されている道路に関する情報が道路情報表に格納される。
【0061】
図9の道路情報表は、「位置座標」「リンク」「規制/渋滞フラグ」というデータ項目を含む。「位置座標」は、規制箇所又は渋滞箇所を特定する座標情報である。「リンク」は、規制箇所、渋滞箇所が属する道路を特定する。「リンク」には、図2、3において説明したリンクを識別する識別子が格納される。
【0062】
「規制/渋滞フラグ」は、「位置座標」により特定される地点が、規制箇所か渋滞箇所かを特定するフラグ情報である。運転支援装置1は、渋滞箇所、規制箇所を危険箇所と合わせて運転者に通知することもできる。
【0063】
図10は、地図情報に合わせて表示される店舗に関する情報が格納される店舗情報表137のデータ構成例を示す図である。図10の店舗情報表は、「位置座標」「種類」「プロモーション情報」というデータ項目を含む。
【0064】
「位置座標」は、店舗の位置を特定する座標情報である。「種類」は、店舗の種類を示す。例えば、レストラン、病院、銀行等である。
【0065】
「プロモーション情報」は、各店舗において提供される商品やサービスに関する広告宣
伝情報を示す。例えば、図10にはレストランにて「2時から3時の間の会計において、20%の割引が適用される」というプロモーション情報が描かれる。運転支援装置1は、危険箇所と合わせてこうしたプロモーション情報を運転者に通知することもできる。
【0066】
続いて、第1の実施形態の運転支援装置1における動作について説明する。第1の実施形態の運転支援装置1は、運転時に現れる運転者の性格(運転傾向)を分析し、運転者を所定のタイプに分類する運転タイプ分析処理と、過去に発生した事故を当事者の運転傾向別に分類しておき、自分と同じ運転傾向の他人が過去に起こした事故の情報に基づき危険箇所を通知する運転支援情報提供処理とを実行する。運転支援情報提供処理にあたっては、運転支援装置1は、更に、過去に発生した事故を事故発生時の走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に応じて分類しておき、現在の走行条件に一致する状況において発生した事故の情報も運転者に通知する。
【0067】
図11は、第1の実施形態の運転支援装置1における運転タイプ分析処理を説明するフローチャートである。運転支援装置1は、運転者による運転開始と共に、運転者の運転傾向の分析を開始する。まず、識別部14に運転者を特定する識別情報が入力される(S1)。
【0068】
ステップS1においては、例えば、識別情報として運転者の指紋が入力され、識別部14は、指紋を読み取り、読み取った指紋を画像情報に変換して制御部11に出力する。続いて、制御部11は、新規利用者かを確認する(S2)。制御部11は、識別部14より入力される指紋の画像情報が既に記憶部13に格納されているかを確認し、一致する画像情報が格納されていない場合(S2Yes)、識別部14より入力される指紋の画像情報を新たな利用者の指紋として記憶部13に格納すると共に、新たな入力者用の運転傾向表133を記憶するための記憶領域を記憶部13に確保する(S3)。
【0069】
一致する画像情報が既に格納されている場合(S2No)、新規利用者ではないため、ステップS3の処理が省略される。ステップS3の処理が済むか省略されると、制御部11は、運転者の運転動作が、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致するかを判定する(S4)。
【0070】
ステップS4の処理は、制御部11が、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき行う。例えば、「運転傾向表133の項目に設定される条件」とは、図6において説明した項目「直線加速」であれば、「直線道路においてアクセルを踏みっぱなしの時間が所定の閾値(例えば3秒)以上持続する」ことである。
【0071】
そして、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致する場合(S4Yes)、制御部11は、運転傾向表133を更新する(S5)。例えば図6に説明したように、制御部11は、ステップS4に示す条件を満たすイベントの回数に応じて、レベルを変更し、運転傾向表133を更新する。
【0072】
運転者の運転動作が、運転傾向表133の項目に設定される条件に合致しない場合(S4No)、ステップS5の処理は省略される。制御部11は、運転の終了を検出するまで(S6No)、上記ステップS4、S5の処理を定期的に繰り返す。制御部11は、運転の終了を検出すると(S6Yes)、運転タイプ分析処理を終了する。制御部11は、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、例えば、エンジン停止、あるいは、パーキングギアの設定を検出するとき、運転の終了と判定する。
【0073】
図12は、第1の実施形態の運転支援装置1における運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。まず、制御部11は、運転タイプを取得する(S11)。ステッ
プS11の処理において、制御部11は、運転タイプ分析処理のステップS1で入力される運転者の識別情報を利用して運転者を特定する。
【0074】
そして、分類表134を参照し、特定された運転者に対応する運転傾向表133に示される各項目のレベルから、その運転者の運転タイプを決定する。運転タイプの決定の方法は、図7で説明した通りである。
【0075】
続いて、制御部11は、走行条件を取得する(S12)。ステップS12の処理において、制御部11は、図8にて説明したように、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、自車の走行条件を取得し、走行条件表135の「フラグ」を更新する。
【0076】
更に、制御部11は、現在位置を取得する(S13)。制御部11は、センサ信号処理部19を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自車の現在位置を算出する。以上ス
テップS11、S12、S13で取得した情報から、制御部11は、自車の現在位置から第1の距離以内で、かつ、第2の距離以上の範囲(例えば、300m〜2km)に危険箇所があるかを判定する(S14)。
【0077】
ステップS14の処理において、制御部11は、ステップS11で取得した運転タイプと、ステップS12で取得した走行条件の両面から、事故表131を参照し、危険箇所を検索する。まず、制御部11は、事故表131の「運転タイプ」がステップS11で取得した運転タイプと同じエントリ(事故表131における行データ)を検索し、その「位置座標」を取得する。そして、制御部11は、取得された「位置座標」と、ステップS13で取得される現在位置とに基づき、互いの距離が300m〜2kmにあるかを判定する。
【0078】
また、制御部11は、事故表131の「走行条件フラグ」がステップS12で取得された走行条件表135の「フラグ」の状態に一致するエントリを検索し、その「位置座標」を取得する。そして、制御部11は、取得された「位置座標」と、ステップS13で取得される現在位置とに基づき、互いの距離が300m〜2kmにあるかを判定する。
【0079】
ステップS14において、危険箇所が現在位置から300m〜2kmにある場合(S14Yes)、制御部11は、危険箇所を回避する迂回路を表示する(S15)。制御部11は、ナビゲーション機能を用いて、危険箇所を回避する経路を再計算し、表示部18に表示する。危険箇所までの距離が十分あり、運転者が進路を変更するゆとりがあるため、運転支援装置1は、ここでは迂回路を提示する。
【0080】
危険箇所が現在位置から300m〜2kmにない場合(S14No)、ステップS15の処理は省略される。ステップS15の処理が済むか省略されると、制御部11は、自車の現在位置から300m(第2の距離)以内に危険箇所があるかを判定する(S16)。制御部11は、ステップS14の検索結果に含まれる危険箇所をステップS16においても利用する。
【0081】
自車が、危険箇所まで300m以内に接近する場合(S16Yes)、制御部11は、危険箇所の存在を音声と画像により通知する(S17)。制御部11は、現在位置から300m以内の危険箇所の位置情報を事故表131を参照して取得し、表示部18に表示される地図に危険箇所を表示する。
【0082】
また、制御部11は、現在位置から300m以内の危険箇所の事故タイプを事故表131を参照して取得し、音声対応表132を参照し、対応する音声データをスピーカ17より再生する。ステップS17の時点では、急激な進路の変動は、新たな事故を引き起こすおそれがあるため、運転支援装置1は、危険箇所に対する注意喚起にとどめ、迂回路の提
示は行わない。
【0083】
ステップS17においては、制御部11は、危険箇所の通知と共に、自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を提供することもできる。また、ステップS17においては、危険箇所の通知が、映像と音声によって行われるが、映像のみ、音声のみの通知とすることもできる。
【0084】
ステップS17の処理が済むと、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、処理を続行する。こうして制御部11は、運転中継続的に運転支援情報提供処理を繰り返す。
【0085】
なお、図12において、ステップS15は、目的地までの経路が設定されている場合に行われる。目的地までの経路が設定されていない場合には、制御部11は、迂回路を表示する代わりに、ステップS17の処理を行い、危険箇所の存在を通知する。
【0086】
図13は、図12のステップS17において運転支援情報が提供される様子を説明する図である。本実施形態における運転支援情報は、スピーカ17を通して再生される音声と表示部18に表示される画像、テキストにより提供される。
【0087】
図18には、図2の表示領域31が表示部18に表示される様子が描かれる。表示領域31には、2つの危険箇所が通知される様子が描かれる。1つは、自車位置を示す印32により描かれる自動車の運転者の運転タイプに基づく危険箇所を示す矢印33であり、もう1つは、印32により描かれる自動車の走行条件に基づく危険箇所を示す矢印34である。
【0088】
こうして、危険箇所が矢印によって表示される他、対応する音声がスピーカ17から再生される。つまり、自車位置が危険箇所に接近すると、その危険箇所の事故タイプ(図4の事故表131参照)に応じた音声が再生される。
【0089】
例えば、矢印33の危険箇所が、事故タイプ「F1」であれば、図5の音声対応表132が参照され、「右折時事故多発地点に接近します。直進してくる対向車にご注意ください」という音声が再生される。また、図13には合わせて、レストランを示す「R」が表示され、対応するプロモーション情報(図10店舗情報表137参照)を通知する音声がスピーカ17より再生される。
【0090】
こうして、本実施形態においては、制御部11は、運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを決定する分析部として機能する。更に、制御部11は、分析部により決定される運転タイプに対応する事故の発生地点を、事故表を参照して特定し、運転タイプに対応する事故の発生地点が、位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する運転支援部として機能する。
【0091】
また、制御部11は、車両の走行条件を検出する車両情報部として機能し、車両情報部により検出される走行条件に対応する事故の発生地点を、事故表を参照して特定し、走行条件に対応する事故の発生地点が、位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、走行条件に対応する事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は走行条件に対応する事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成する運転支援部としても機能する。
【0092】
第1の実施形態においては、運転支援装置1の記憶部13に必要な情報を格納しておき
、その情報の更新は、ドライブ部15を介して実施されるが、運転支援装置1に通信機能を有する通信部を追加し、通信部を介して運転支援装置1に接続されるサーバから最新の情報を受信する構成とすることもできる。以下、その構成を第2の実施形態として説明する。
【0093】
図14は、第2の実施形態における運転支援システムの構成ブロック図である。第2の実施形態における運転支援システムにおいては、運転支援装置1と、サーバ100とが通信可能な状態で接続される。
【0094】
第1の実施形態の運転支援装置1に、通信部20を追加したものが第2の実施形態における運転支援装置1である。通信部20は、通信機能を有し、運転支援装置1の外部との通信を処理し、他の機能ブロック同様バス40に接続されている。通信部20は、例えば、運転支援装置1に内蔵される無線ユニットや、運転支援装置1に接続される携帯電話によって実現される。
【0095】
また、第1の実施形態において運転支援装置1に格納されていた、事故表131、道路情報表136、店舗情報表137は、第2の実施形態においてサーバ100に格納される。サーバ100は、例えばPC(Personal Computer)によって実現され、事故表131等を
格納する記憶機能、CPUによる演算処理機能、通信機能を備えている。サーバ100に格
納されるこれらの情報が更新されると、通信部20を介して、最新の情報が運転支援装置1に提供されることになる。
【0096】
第2の実施形態において、運転支援装置1における運転タイプ分析処理は第1の実施形態と同じであるため、説明は省略する。そこで、運転支援情報提供処理について説明する。
【0097】
図15は、第2の実施形態の運転支援システムにおける運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。第2の実施形態においては、サーバ100に格納された事故表131の情報を得るために、運転支援装置1がサーバ100に、運転タイプと走行状況を送信する点が第1の実施形態と異なる。それ以外の処理で、第1の実施形態と同じ箇所には同じステップ番号を振り、説明は略すものとする。
【0098】
まず、制御部11は、運転タイプを取得する(S11)。制御部11は、図12のステップS11と同様、運転者を特定し、特定された運転者に対応する運転傾向表133に示される各項目のレベルから、その運転者の運転タイプを決定する。
【0099】
続いて、制御部11は、走行条件を取得する(S12)。制御部11は、図12のステップS12と同様、センサ信号処理部19を介して入力される情報に基づき、自車の走行条件を取得し、走行条件表135の「フラグ」を更新する。
【0100】
更に、制御部11は、現在位置を取得する(S13)。制御部11は、図12のステップS13と同様、センサ信号処理部19を介して取得するGPSセンサからの情報を基に自
車の現在位置を算出する。
【0101】
ステップS13が済むと、制御部11は、ステップS11で取得した運転タイプと、ステップS12で取得した走行条件とを通信部20を介してサーバ100に送信する(S21)。サーバ100は、運転支援装置1から送信される運転タイプと、走行条件の両面から、事故表131を参照し、危険箇所を検索する。
【0102】
運転タイプと走行条件に基づく危険箇所の検索は、図12のステップS14の処理にお
いて「制御部11」が行う処理をサーバ100のCPUが行うことにより処理される。そし
て、サーバ100は、検索結果として得られるエントリの「位置座標」と「事故タイプ」を、危険箇所の位置情報として運転支援装置1に送信する(S22)。
【0103】
サーバ100より受信する危険箇所の位置情報と、ステップS13で取得した現在位置の位置情報とから、制御部11は、自車の現在位置から第1の距離以内で、かつ、第2の距離以上の範囲(例えば、300m〜2km)に危険箇所があるかを判定する(S14)。ステップS14において、危険箇所が現在位置から300m〜2kmにある場合(S14Yes)、制御部11は、危険箇所を回避する迂回路を表示する(S15)。
【0104】
危険箇所が現在位置から300m〜2kmにない場合(S14No)、ステップS15の処理は省略される。ステップS15の処理が済むか省略されると、制御部11は、自車の現在位置から300m(第2の距離)以内に危険箇所があるかを判定する(S16)。制御部11は、サーバ100より受信する危険箇所の位置情報をステップS16においても利用する。
【0105】
自車が、危険箇所まで300m以内に接近する場合(S16Yes)、制御部11は、危険箇所の存在を音声と画像により通知する(S17)。また、制御部11は、サーバ100より送信される「事故タイプ」に基づき、音声対応表132を参照し、対応する音声データをスピーカ17より再生する。
【0106】
ステップS17の処理が済むと、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、処理を続行する。こうして制御部11は、第2の実施形態においても運転中継続的に運転支援情報提供処理を繰り返す。
【0107】
なお、ステップS21において、制御部11が、ステップS13で取得した現在位置の位置情報を送信してもよい。サーバ100は、店舗情報表137を参照し、受信した現在位置周辺の自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を応答する。すると、第2の実施形態においても、制御部11は、危険箇所の通知と共に、自車の現在地付近の店舗に関するプロモーション情報を提供することができる。
【0108】
また、第2の実施形態では、運転支援装置1が運転タイプを決定しているが、これをサーバ100が行うこともできる。その場合、制御部11は、ステップS11にてセンサ信号処理部19を介して入力された情報を基に運転傾向を取得し、ステップS12、S13で取得した走行条件と現在位置と共にサーバ100に送信する。サーバ100は、受信した運転傾向を基に運転タイプを決定し、ステップS22以降の処理を第2の実施形態と同様に行えばよい。
【0109】
サーバ100にて運転タイプを決定する場合、運転支援装置1の記憶部14に格納された運転傾向表133や分類表134等をサーバ100に格納することができ、運転支援装置1の記憶部14の負荷を軽減でき、運転支援装置1の記憶部14に必要な容量を少なくすることができる。また、サーバ100に多数の運転者の運転傾向に関する情報を格納し、これらの情報を編集・更新することにより、本運転支援システムは、より類似性の高い危険箇所を各運転者に通知することができる。
【0110】
また、運転者への危険箇所の通知は、音声や表示によるものに限られない。例えば、危険箇所の接近に合わせて、ハンドルを微小震動させたり、シートベルトの緊張度合い、弛緩度合いを変化させ、運転者に通知することもできる。
【0111】
以上に説明した第1及び第2の実施形態によれば、運転傾向(運転技術とは関係のない
、運転時に現れる運転者の性格)や走行条件(天候、時間、路面状況、車両状態等)に基づき事故の発生地点(危険箇所)の情報が運転者に通知され、運転技術が向上した運転者であっても、注意すべき地点を適切に把握することができる。また、自分と同じ運転傾向や走行条件にある他人の運転履歴に基づき危険箇所が通知されるので、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知することができる。
【0112】
なお、第1及び第2の実施形態においては、運転タイプと走行条件の両面から、危険箇所が検索されるが、いずれか一方の条件から検索された危険箇所を運転者に通知しても、本人では気が付きにくい危険を適切に本人に通知するという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】第1の実施形態における運転支援装置の構成ブロック図である。
【図2】運転支援装置が使用する地図情報の一例を示す図である。
【図3】地図情報のデータ構成例を示す図である。
【図4】事故表のデータ構成例を示す図である。
【図5】音声対応表のデータ構成例を示す図である。
【図6】運転傾向表のデータ構成例を示す図である。
【図7】分類表のデータ構成例を示す図である。
【図8】走行条件表のデータ構成例を示す図である。
【図9】道路情報表のデータ構成例を示す図である。
【図10】店舗情報表のデータ構成例を示す図である。
【図11】第1の実施形態の運転支援装置における運転タイプ分析処理を説明するフローチャートである。
【図12】第1の実施形態の運転支援装置における運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。
【図13】運転支援情報が提供される様子を説明する図である。
【図14】第2の実施形態における運転支援システムの構成ブロック図である。
【図15】第2の実施形態の運転支援システムにおける運転支援情報提供処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
11 制御部、12 RAM、13 記憶部、14 識別部、15 ドライブ部、16
入力部、17 スピーカ、18 表示部、19 センサ信号処理部、20 通信部、40
バス、100 サーバ、131 事故表、132 音声対応表、133 運転傾向表、134 分類表、135 走行条件表、136 道路情報表、137 店舗情報表、151 地図情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、
前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記運転支援部は、前記特定された事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は前記特定された事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記運転支援部は、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離以内にあるとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を回避する迂回路を前記表示部に表示するための画像信号を生成し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離より短い第2の距離以内に近づいたとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音信号及び/又は映像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内の道路規制状況あるいは道路混雑状況を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内に所在する店舗の位置を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記運転支援部は、更に、前記店舗で提供される商品又はサービスに関するプロモーション情報を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記事故表には、更に、前記事故の発生地点の位置情報に、前記事故の発生時の走行条件が対応付けられており、更に、
前記車両の走行条件を検出する車両情報部を有し、
前記運転支援部は、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、前記走行条件に対応する事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の発生時の走行条件とを対応付ける事故表を予
め含む記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記車両の走行条件を検出する車両情報部と、
前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、
前記運転支援装置は、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、
前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、
前記サーバは、
前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項10】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続され、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含むサーバとを有する運転支援システムにおける運転支援方法であって、
前記運転支援装置が、前記車両の現在位置を検出し、
前記運転支援装置が、該車両の運転者を識別し、
前記運転支援装置が、前記識別された運転者の運転傾向を分析して運転タイプを特定し、
前記運転支援装置が、前記特定された運転タイプを前記サーバに通知し、
前記サーバが、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信し、
前記運転支援装置が、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信し、前記受信した位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記検出された現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援方法。
【請求項11】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部を有し、前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点の位置情報を応答するサーバと通信可能に接続された運転支援装置であって、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを特定する分析部と、
前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項12】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、
前記運転支援装置は、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
運転者の運転傾向に関する情報を取得する運転傾向情報取得部と、
前記運転傾向に関する情報を前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、
前記サーバは、
前記運転支援装置より送信される前記運転傾向に関する情報に基づき前記運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、
前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
前記分析部で特定される運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記特定された運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項1】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを決定する分析部と、
前記分析部により決定される前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点を前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記運転タイプに対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記運転支援部は、前記特定された事故の発生地点を通知する音をスピーカにて再生するための音信号及び/又は前記特定された事故の発生地点を通知する画像を表示部に表示するための画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記運転支援部は、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離以内にあるとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を回避する迂回路を前記表示部に表示するための画像信号を生成し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点が前記現在位置と第1の距離より短い第2の距離以内に近づいたとき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点を通知する音信号及び/又は映像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内の道路規制状況あるいは道路混雑状況を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記運転支援部は、更に、前記現在位置から前記所定の距離以内に所在する店舗の位置を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記運転支援部は、更に、前記店舗で提供される商品又はサービスに関するプロモーション情報を通知するための音信号及び/又は画像信号を生成することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記事故表には、更に、前記事故の発生地点の位置情報に、前記事故の発生時の走行条件が対応付けられており、更に、
前記車両の走行条件を検出する車両情報部を有し、
前記運転支援部は、前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、前記走行条件に対応する事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の発生時の走行条件とを対応付ける事故表を予
め含む記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記車両の走行条件を検出する車両情報部と、
前記車両情報部により検出される走行条件に対応する前記事故の発生地点を、前記事故表を参照して特定し、該特定された事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記走行条件に対応する事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、
前記運転支援装置は、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、
前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、
前記サーバは、
前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項10】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続され、事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含むサーバとを有する運転支援システムにおける運転支援方法であって、
前記運転支援装置が、前記車両の現在位置を検出し、
前記運転支援装置が、該車両の運転者を識別し、
前記運転支援装置が、前記識別された運転者の運転傾向を分析して運転タイプを特定し、
前記運転支援装置が、前記特定された運転タイプを前記サーバに通知し、
前記サーバが、前記運転支援装置より送信される前記運転タイプに基づき、前記運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信し、
前記運転支援装置が、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信し、前記受信した位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記検出された現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知することを特徴とする運転支援方法。
【請求項11】
事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の運転傾向を分析して得られる運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部を有し、前記運転タイプに対応する前記事故の発生地点の位置情報を応答するサーバと通信可能に接続された運転支援装置であって、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
該車両の運転者を識別する識別部と、
前記識別部により識別される運転者の運転傾向を分析し、前記運転タイプを特定する分析部と、
前記分析部により特定される前記運転タイプを前記サーバに通知し、前記サーバより送信される前記事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項12】
車両に備えられる運転支援装置と、前記運転支援装置と通信可能に接続されるサーバとを有する運転支援システムであって、
前記運転支援装置は、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
運転者の運転傾向に関する情報を取得する運転傾向情報取得部と、
前記運転傾向に関する情報を前記サーバに通知し、前記サーバより送信される事故の発生地点の位置情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信される位置情報に基づく前記事故の発生地点が、前記位置検出部により検出される現在位置と所定の距離以内にある場合、前記事故の発生地点に関する情報を通知する運転支援部とを備え、
前記サーバは、
前記運転支援装置より送信される前記運転傾向に関する情報に基づき前記運転者の運転傾向を分析し、運転タイプを特定する分析部と、
前記事故の発生地点の位置情報と、前記事故の当事者の前記運転タイプとを対応付ける事故表を予め含む記憶部と、
前記分析部で特定される運転タイプに基づき、前記事故表を参照し、前記特定された運転タイプに対応する事故の発生地点の位置情報を前記運転支援装置に送信する応答部とを備えることを特徴とする運転支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−258428(P2006−258428A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72223(P2005−72223)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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