説明

道路形状認識装置

【課題】道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させる。
【解決手段】カーブ認識部14は、記憶部11に記憶された道路データに基づいて、自車両の進行方向前方に存在するカーブを認識する。カーブ推定部15は自車位置検出部12から出力される自車両の現在位置と、車両状態検出部13から出力される自車両の車両状態(例えば、現在速度およびヨーレート等)とに基づき、自車両が走行した走行路上に存在したカーブを推定する。データ修正部17は、比較部16による比較結果において認識カーブ形状と推定カーブ形状とが相異する場合に、認識カーブ形状と推定カーブ形状とが同等となるように、認識カーブ形状の検出に用いられる記憶部11の道路データを変更、あるいは記憶部11に新規の道路データを追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、道路形状認識装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、道路の位置及び形状を構成するノードデータを予めデータベースとしてデータ記憶部に格納しておき、車両の走行に伴い、例えばジャイロセンサにより検出された旋回角や所定の算出処理により算出された走行時間に基づき走行軌跡を検知し、ノードデータ上の道路の形状と走行軌跡の形状とを比較し、形状が異なる部分が存在した場合にデータベースを修正するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−108450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術の一例に係るナビゲーション装置においては、車両走行中のナビゲーション装置による経路案内の実行時に、常に、ノードデータ上の道路の形状と走行軌跡の形状とを比較し、形状が異なる部分が存在した場合にデータベースを修正することから、運転者の運転状態等に応じて相対的に検出誤差が大きくなる走行軌跡によって、過剰な頻度でデータベースの修正処理が実行されてしまい、修正処理に要する演算量が嵩むという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることが可能な道路形状認識装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の道路形状認識装置は、道路に係るノード情報を記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶部11)と、自車両の位置を検出する自車位置検出手段(例えば、実施の形態での自車位置検出部12)と、前記ノード情報および前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在する道路の形状を認識する道路形状認識手段(例えば、実施の形態でのカーブ認識部14)と、自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、実施の形態での車両状態検出部13)と、前記自車両の車両状態に基づき道路の実形状を推定する道路形状推定手段(例えば、実施の形態でのカーブ推定部15)と、前記道路形状認識手段により認識された道路の認識形状と、前記道路形状推定手段により推定された道路の推定形状とを比較する比較手段(例えば、実施の形態での比較部16)と、前記比較手段による比較結果において前記認識形状と前記推定形状とが相異する場合に、前記認識形状と前記推定形状とが同等となるように、前記ノード情報を修正する修正手段(例えば、実施の形態でのデータ修正部17)とを備えることを特徴としている。
【0005】
上記の道路形状認識装置によれば、ノード情報に基づく道路の認識形状と、自車両の車両状態に基づく道路の推定形状との比較結果に応じて、認識形状と推定形状とが同等となるようにノード情報を修正することから、例えば刻々と変化する自車両の走行軌跡に応じてノード情報を修正する場合に比べて、自車両が走行した道路に対する所定形状、例えばカーブ形状等毎を単位とした認識形状と推定形状との比較結果に応じて、ノード情報を修正することにより、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
【0006】
また、請求項2に記載の本発明の道路形状認識装置は、道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶部11)と、自車両の位置を検出する自車位置検出手段(例えば、実施の形態での自車位置検出部12)と、前記道路データおよび前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識するカーブ認識手段(例えば、実施の形態でのカーブ認識部14)と、自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、実施の形態での車両状態検出部13)と、前記自車両の車両状態に基づき実カーブ形状を推定するカーブ推定手段(例えば、実施の形態でのカーブ推定部15)と、前記カーブ認識手段により認識された認識カーブ形状と、前記カーブ推定手段により推定された推定カーブ形状とを比較する比較手段(例えば、実施の形態での比較部16)と、前記比較手段による比較結果において前記認識カーブ形状と前記推定カーブ形状とが相異する場合に、前記認識カーブ形状と前記推定カーブ形状とが同等となるように、前記認識カーブ形状に係る前記道路データを修正する修正手段(例えば、実施の形態でのデータ修正部17)とを備え、前記記憶手段は修正された前記道路データを記憶し、前記カーブ認識手段は修正された前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識することを特徴としている。
【0007】
上記の道路形状認識装置によれば、ノード情報およびカーブ情報に基づく認識カーブ形状と、自車両の車両状態に基づく推定カーブ形状との比較結果に応じて、認識カーブ形状と推定カーブ形状とが同等となるように道路データを修正することから、例えば推定カーブ形状のカーブ情報、つまりカーブの位置(開始点および終了点等)やカーブの形状値(半径および旋回角等)の情報のみを更新あるいは追加して、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
【0008】
また、請求項3に記載の本発明の道路形状認識装置は、道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶部11)と、自車両の位置を検出する自車位置検出手段(例えば、実施の形態での自車位置検出部12)と、前記道路データおよび前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識するカーブ認識手段(例えば、実施の形態でのカーブ認識部14)と、自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、実施の形態での車両状態検出部13)と、前記自車両の車両状態に基づき実カーブ形状を推定するカーブ推定手段(例えば、実施の形態でのカーブ推定部15)と、前記カーブ認識手段によりカーブ形状が認識されていない状態で前記カーブ推定手段によりカーブ形状が推定された場合に、前記カーブ推定手段により推定された推定カーブ形状からカーブ情報を抽出するカーブ情報抽出手段(例えば、実施の形態での実カーブ形状検出部22)とを備え、前記記憶手段は前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報を記憶し、前記カーブ認識手段は、前記ノード情報および前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報の少なくとも何れか一方に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識することを特徴としている。
【0009】
上記の道路形状認識装置によれば、カーブ認識手段によりカーブ形状が認識されていない状態でカーブ推定手段によりカーブ形状が推定された場合に、推定カーブ形状から抽出したカーブ情報を記憶手段に記憶することにより、道路データからカーブ形状を認識することができない状態であっても、推定カーブ形状のカーブ情報、つまりカーブの位置(開始点および終了点等)やカーブの形状値(半径および旋回角等)の情報に基づき、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
【0010】
さらに、請求項4に記載の本発明の道路形状認識装置では、前記記憶手段は、前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報を、前記カーブ形状が推定された位置に対応した前記道路データとして記憶することを特徴としている。
【0011】
上記の道路形状認識装置によれば、推定カーブ形状から抽出されたカーブ情報を、カーブ形状が推定された位置の情報と共に記憶することができ、例えば、この位置を再度走行した際等において、記憶したカーブ情報を利用し易くすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の道路形状認識装置によれば、自車両が走行した道路に対する所定形状、例えばカーブ形状等毎を単位とした認識形状と推定形状との比較結果に応じて、ノード情報を修正することにより、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
また、請求項2に記載の本発明の道路形状認識装置によれば、推定カーブ形状のカーブ情報のみを更新あるいは追加して、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
また、請求項3に記載の本発明の道路形状認識装置によれば、推定カーブ形状のカーブ情報に基づき、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の道路形状認識装置によれば、推定カーブ形状から抽出されたカーブ情報を、カーブ形状が推定された位置の情報と共に記憶することができ、例えば、この位置を再度走行した際等において、記憶したカーブ情報を利用し易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る道路形状認識装置について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態による道路形状認識装置10は、例えば車両に搭載され、記憶部11と、自車位置検出部12と、車両状態検出部13と、カーブ認識部14と、カーブ推定部15と、比較部16と、データ修正部17とを備えて構成されている。
【0015】
記憶部11は、道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶しており、ノード情報は、例えば道路形状を把握するための座標点のデータであり、カーブ情報は、例えばリンク(つまり、各ノード間を結ぶ線)上に設定されたカーブの開始点および終了点に加えて、カーブの曲率に係る情報(例えば、カーブの曲率や半径Rおよび極性)と、カーブの深さに係る情報(例えば、カーブの通過に要する旋回角θやカーブの長さ等)とから構成されている。
【0016】
自車位置検出部12は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号や、後述する車両状態検出部13から出力される検出信号に基づく自律航法の算出処理によって自車両の現在位置を算出する。
さらに、自車位置検出部12は、算出した自車両の現在位置と記憶部11から取得した道路データとに基づいてマップマッチングを行い、自律航法による位置推定の結果を補正する。
【0017】
車両状態検出部13は、例えば、自車両の現在速度を検出する車速センサや車輪速センサと、水平面内での自車両の向きや鉛直方向に対する傾斜角度(例えば、自車両の前後方向軸の鉛直方向に対する傾斜角度や車両重心の上下方向軸回りの回転角であるヨー角等)および傾斜角度の変化量(例えば、ヨーレート等)を検出するジャイロセンサやヨーレートセンサとを備えて構成され、各検出信号を自車位置検出部12および後述するカーブ推定部15へ出力する。
【0018】
カーブ認識部14は、記憶部11に記憶された道路データを取得し、この道路データに基づいて、自車両の現在位置から進行方向前方の所定範囲の道路上に存在するカーブを認識する。例えばカーブ認識部14は、ノード情報つまり道路形状を把握するための座標点と、各ノード間を結ぶ線であるリンク情報とに基づいて、カーブの形状を認識する。
さらに、カーブ認識部14は、例えば認識カーブ形状検出部21を備え、この認識カーブ形状検出部21は、取得した道路データに含まれるカーブ情報に基づき、自車両の進行方向前方で認識したカーブの位置および形状(例えば、カーブの半径Rや曲率、旋回角θやカーブの長さやカーブの深さ等)を検出して、比較部16に出力する。
【0019】
カーブ推定部15は、自車位置検出部12から出力される自車両の現在位置と、車両状態検出部13から出力される自車両の車両状態(例えば、現在速度およびヨーレート等)とに基づき、自車両が走行した走行路上に存在したカーブを推定する。
さらに、カーブ推定部15は、例えば実カーブ形状検出部22を備え、この実カーブ形状検出部22は、推定したカーブに対する自車両の通過状態に基づき、このカーブの実形状(例えば、開始点および終了点と、極性と、半径Rと、旋回角θ等)を推定して、比較部16に出力する。
例えば実カーブ形状検出部22は、自車両の走行速度およびヨーレートから算出した曲率が所定値以上となる状態をカーブの通過状態とし、この通過状態の時間区間あるいは地点間を実カーブのカーブ区間として認識する。そして、認識したカーブ区間における方位偏差量、つまりヨーレートの時間積分値と、カーブ区間における走行距離とに基づき、半径Rを算出する。
なお、実カーブの半径Rは、例えばカーブ区間における適宜の半径(例えば、最大半径あるいは最小半径等)であってもよいし、例えばカーブ区間において検出される複数の半径に対する平均的な半径であってもよい。
【0020】
比較部16は、カーブ認識部14により認識された認識カーブ形状と、カーブ推定部15により推定された推定カーブ形状とを比較して、この比較結果をデータ修正部17に出力する。
データ修正部17は、比較部16による比較結果において認識カーブ形状と推定カーブ形状とが相異する場合に、認識カーブ形状と推定カーブ形状とが同等となるように、認識カーブ形状の検出に用いられる記憶部11の道路データを変更、あるいは記憶部11に新規の道路データを追加する。
【0021】
例えば図2(a),図3(a)に示すように、カーブ認識部14により認識された認識カーブ形状、例えば開始点(x0,y0)および終了点(x1,y1)と、極性と、半径R0と、旋回角θ0とに対して、例えば図2(b)に示すように、より大きな推定カーブ形状、例えば半径R1(>R0)および旋回角θ1(>θ0)が推定された場合には、例えば図2(c)に示すように、リンク上で開始点(x0,y0)および終了点(x1,y1)を新たな開始点(x2,y2)および終了点(x3,y3)へと変更すると共に、カーブ半径R0および旋回角θ0を新たなカーブ半径R1および旋回角θ1へと増大させて、記憶部11の道路データ、特にカーブ情報を変更する。
【0022】
また、例えば図3(b)に示すように、より小さな推定カーブ形状、例えば半径R1(<R0)および旋回角θ1(<θ0)が推定された場合には、例えば図3(c)に示すように、リンク上で開始点(x0,y0)および終了点(x1,y1)を新たな開始点(x2,y2)および終了点(x3,y3)へと変更すると共に、カーブ半径R0および旋回角θ0を新たなカーブ半径R1および旋回角θ1へと減少させて、記憶部11の道路データ、特にカーブ情報を変更する。
【0023】
また、例えば図4(a)に示すように、カーブ認識部14により自車両の進行方向前方の所定範囲の道路上にカーブが認識されていない状態で、例えば図4(b)に示すように、推定カーブ形状、例えばリンク上での開始点(x1,y1)および終了点(x2,y2)と、半径R1および旋回角θ1とが推定された場合には、例えば図4(c)に示すように、これらの開始点(x1,y1)および終了点(x2,y2)と、半径R1および旋回角θ1とを、新たな道路データ、特にカーブ情報として、記憶部11に記憶する。
【0024】
本実施の形態による道路形状認識装置10は上記構成を備えており、次に、この道路形状認識装置10の動作、特に、データ修正部17の動作について添付図面を参照しながら説明する。
【0025】
先ず、例えば図5に示すステップS01においては、自車位置検出部12により検出された自車両の現在位置が、例えば自車両のナビゲーション装置(図示略)等により予測された予測進路上に位置する状態(つまり、マッチング正常状態)であって、かつ、記憶部11に記憶されている道路データに応じた道路上に位置している状態(つまり、ONルート状態)であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進み、このステップS02においては、記憶部11に記憶されている道路データの修正、あるいは、記憶部11に新たなデータを追加することを禁止して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
【0026】
そして、ステップS03においては、車両状態検出部13により検出される自車両の現在速度およびヨーレートに基づき、自車両が走行した走行路上に存在した実際のカーブ(実カーブ)の実形状(実カーブ形状)を推定する。
そして、ステップS04においては、自車両の現在位置から進行方向前方の所定範囲の道路上に存在するカーブ(認識カーブ)を認識したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS12に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
【0027】
そして、ステップS05においては、実カーブの入口を認識したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、マッチング正常状態、かつ、ONルート状態が継続しているか否かを判定する。
ステップS06の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、ステップS06の判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進む。
【0028】
そして、ステップS07においては、実カーブ形状の極性と、認識カーブの形状(認識カーブ形状)の極性とが同等であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS08においては、実カーブの出口を通過したか否かを判定する。
ステップS08の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS06に戻る。
一方、ステップS08の判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進む。
【0029】
そして、ステップS09においては、実カーブ形状の半径を算出する。
そして、ステップS10においては、認識カーブ形状の半径と、実カーブ形状の半径とが相違するか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進み、このステップS11においては、認識カーブ形状の半径、つまり記憶部11に記憶されている道路データのカーブ情報を修正して、一連の処理を終了する。
【0030】
また、ステップS12においては、実カーブの入口を認識したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進む。
そして、ステップS13においては、マッチング正常状態、かつ、ONルート状態が継続しているか否かを判定する。
ステップS13の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS14に進み、このステップS14においては、記憶部11に記憶されている道路データの修正、あるいは、記憶部11に新たなデータを追加することを禁止して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS13の判定結果が「YES」の場合には、ステップS15に進む。
【0031】
そして、ステップS15においては、実カーブの出口を通過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS13に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進む。
そして、ステップS16においては、実カーブ形状の半径を算出する。
そして、ステップS17においては、実カーブ形状に対するカーブの開始点を算出する。
そして、ステップS18においては、実カーブ形状の半径およびカーブの開始点に基づく新規の道路データを記憶部11に追加し、一連の処理を終了する。
【0032】
上述したように、本実施の形態による道路形状認識装置10よれば、ノード情報およびカーブ情報に基づく認識カーブ形状と、自車両の車両状態に基づく推定カーブ形状との比較結果に応じて、認識カーブ形状と推定カーブ形状とが同等となるように道路データを修正することから、例えば推定カーブ形状のカーブ情報、つまりカーブの位置(開始点および終了点等)やカーブの形状値(半径および旋回角等)の情報のみを更新あるいは追加して、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
また、カーブ認識手段によりカーブ形状が認識されていない状態でカーブ推定手段によりカーブ形状が推定された場合に、推定カーブ形状から抽出したカーブ情報を記憶部11に記憶することにより、道路データからカーブ形状を認識することができない状態であっても、推定カーブ形状のカーブ情報、つまりカーブの位置(開始点および終了点等)やカーブの形状値(半径および旋回角等)の情報に基づき、いわばカーブに対する認識のみを修正し、道路に対する基礎的な情報である既存のノード情報を変更せずに済むことから、道路データの修正に要する演算量が過剰に増大することを抑制しつつ、道路形状の認識精度を向上させることができる。
【0033】
なお、上述した実施の形態において、データ修正部17は、記憶部11に記憶された道路データのカーブ情報を修正あるいは、新規のカーブ情報を記憶部11に追加するとしたが、これに限定されず、例えば記憶部11に記憶されたノード情報を修正、あるいは新規のノード情報を記憶部11に追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る道路形状認識装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)は認識カーブ形状の一例を示す図であり、図2(b)は実カーブ形状の一例を示す図であり、図2(c)は修正されたカーブ情報の一例を示す図である。
【図3】図3(a)は認識カーブ形状の一例を示す図であり、図3(b)は実カーブ形状の一例を示す図であり、図3(c)は修正されたカーブ情報の一例を示す図である。
【図4】図4(a)は認識された走行路の一例を示す図であり、図4(b)は実カーブ形状の一例を示す図であり、図4(c)は追加されたカーブ情報の一例を示す図である。
【図5】図1に示す道路形状認識装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
10 道路形状認識装置
11 記憶部(記憶手段)
12 自車位置検出部(自車位置検出手段)
13 車両状態検出部(車両状態検出手段)
14 カーブ認識部(道路形状認識手段、カーブ認識手段)
15 カーブ推定部(道路形状推定手段、カーブ推定手段)
16 比較部(比較手段)
17 データ修正部(修正手段)
22 実カーブ形状検出部(カーブ情報抽出手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に係るノード情報を記憶する記憶手段と、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
前記ノード情報および前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在する道路の形状を認識する道路形状認識手段と、
自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記自車両の車両状態に基づき道路の実形状を推定する道路形状推定手段と、
前記道路形状認識手段により認識された道路の認識形状と、前記道路形状推定手段により推定された道路の推定形状とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果において前記認識形状と前記推定形状とが相異する場合に、前記認識形状と前記推定形状とが同等となるように、前記ノード情報を修正する修正手段とを備えることを特徴とする道路形状認識装置。
【請求項2】
道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶する記憶手段と、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路データおよび前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識するカーブ認識手段と、
自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記自車両の車両状態に基づき実カーブ形状を推定するカーブ推定手段と、
前記カーブ認識手段により認識された認識カーブ形状と、前記カーブ推定手段により推定された推定カーブ形状とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果において前記認識カーブ形状と前記推定カーブ形状とが相異する場合に、前記認識カーブ形状と前記推定カーブ形状とが同等となるように、前記認識カーブ形状に係る前記道路データを修正する修正手段とを備え、
前記記憶手段は修正された前記道路データを記憶し、
前記カーブ認識手段は修正された前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識することを特徴とする道路形状認識装置。
【請求項3】
道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶する記憶手段と、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
前記道路データおよび前記自車両の位置に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識するカーブ認識手段と、
自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記自車両の車両状態に基づき実カーブ形状を推定するカーブ推定手段と、
前記カーブ認識手段によりカーブ形状が認識されていない状態で前記カーブ推定手段によりカーブ形状が推定された場合に、前記カーブ推定手段により推定された推定カーブ形状からカーブ情報を抽出するカーブ情報抽出手段とを備え、
前記記憶手段は前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報を記憶し、
前記カーブ認識手段は、前記ノード情報および前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報の少なくとも何れか一方に基づき自車両の進行方向に存在するカーブ形状を認識することを特徴とする道路形状認識装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記推定カーブ形状から抽出された前記カーブ情報を、前記カーブ形状が推定された位置に対応した前記道路データとして記憶することを特徴とする請求項3に記載の道路形状認識装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−256239(P2007−256239A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84614(P2006−84614)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】