説明

遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法

【課題】 被監視制御対象の監視環境及び監視項目等の変更等に対し柔軟に対応可能な遠隔情報監視システムを提供する。
【解決手段】 所望の測定ポイントA、B、Cでデータの監視が必要な場合に、遠隔監視端末51〜53を設置し予め諸設定を行うことにより、無人の遠隔情報監視装置6に測定データを無線LANにて自動的に転送し、当該遠隔情報監視装置6の一カ所で集中的にデータの監視を行うことができ、異常データが観測された場合は遠隔情報監視装置6から電子メールや携帯電話等、既存の通信手段を用いてその情報を設定情報で設定した作業者端末8に通知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、データの収集、監視及び異常通知を行う無人の遠隔情報監視制御に関し、特に、遠隔情報の監視及び制御に無線LANを使用して監視制御を行う遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生産ラインの生産設備の現状を遠隔地で確認可能とするため、生産ラインに生産ラインコントローラを設け、異常情報をサーバーを介してFAX、電話・PHSで通知する生産ラインの管理装置が特開平11−151643号公報に記載されている。
【0003】図7は、前記生産ライン管理装置のシステム構成を示す図である。生産ライン1Aに対応して設けた生産ラインコントローラ2Aと、前記生産ラインコントローラ2Aに接続したサーバー3Aとを備え、前記サーバー3Aから交換機4A及び公衆回線5Aを介してFAX、電話・PHS6Aと接続するシステム構成でなる。サーバー3Aは生産ラインコントローラ2Aからトラブル情報を受信すると、生産状況管理機能において当該トラブル内容を分析し音声のトラブルデータを生成するとともに、当該トラブルを通知する電話番号を判別し、音声処理機能において回線接続を行って当該回線に音声を流し生産設備のトラブルを通知する。
【0004】また、複数種類の端末とホスト装置とを無線LANを通じて接続して構成した管理システムとして、遊技機管理システムや火災警報システムが知られている(特開2001−70630、特開平11−259777)。
【0005】図8は、無線LANを利用した遊技管理システムの例を示す図である。遊技機a〜eとホスト装置1Bとが無線LAN2Bにより接続され、各遊技機a〜eは自機における遊技結果を含む遊技情報と自機の稼働状況を表す情報とをホスト装置1B宛に送出し、ホスト装置1Bからの命令に基づき自機の補助制御を行う。ホスト装置1Bは各遊技機a〜eからの遊技情報を収集し、遊技機の遊技統計情報を生成するとともに、障害発生の有無を判別し障害発生時に当該障害を自律的に復旧させるための前記命令信号を遊技機に送出する。
【0006】図9は、前記火災報知システムの例を示す図である。ローカル側における、感知器、防排煙機器等の端末器1Cと接続され、無線LAN端末3Cを備える区画毎の複数の中継器2Cと、センター側における、操作卓4C及び無線LAN端末6Cを備える受信機5Cと、無線LAN端末8Cを備えるポータブルコンピュータ7C等とから構成される。中継器2Cはそれぞれの端末器1Cと通信を行い各区画毎の火災監視、報知を行う。受信機5Cは中継器2Cと無線LAN3C、6Cを介してデータの送受信を行い全体の火災監視、報知を行う。コンピュータ7Cは、作業者が持ち運びメンテナンスを行うため無線LAN6C、8Cを介して受信機5Cから送信データを受信する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す生産ライン管理装置は、生産ラインとサーバーとが固定的に接続された管理システムであり、装置相互間は通常有線ケーブルで接続されるのが一般的であり有線伝送路敷設工事を必要とし、また、生産ラインの増設、撤去、遠隔管理項目、異常の通知先の変更等に対してフレキシブルに対応できる管理システムでないという難点を有しており、特に、監視箇所、監視項目及び通知先等の変更には、サーバーを含むシステム全体で設定事項を変更するという大がかりなシステム変更を必要とするものである。
【0008】一方、図8、9に示すシステムは、被監視側装置と監視側装置との接続を無線LANを用いて接続する構成を採用するものであり、例えば図8では遊技機の入れ替え、配置替え等に迅速に対応することが可能なシステムであるが、何れのシステムでも、やはり監視箇所、監視項目及び通知先等の変更に柔軟に対応可能なシステムでないという点で問題がある。
【0009】(目的)本発明の目的は、被監視制御対象の監視環境及び監視項目等の変更等に対し柔軟に対応可能な遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法を提供することにある。本発明の他の目的は、遠隔監視端末の設置に対応して当該遠隔監視端末及び遠隔情報監視装置の設定を可能とした遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法を提供することにある。本発明の他の目的は、被監視制御対象に設置する遠隔監視端末側から異常情報等を通知する作業者端末の設定が可能な遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の無線LANによる遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法は、所望の測定ポイントでデータの監視が必要な場合に、遠隔監視端末を設置し予め諸設定を行うことにより無人の遠隔情報監視装置に測定データを無線LANにて自動的に転送し、当該遠隔情報監視装置の一カ所で集中的にデータの監視を行うことができ、異常データが観測された場合は遠隔情報監視装置から電子メールや携帯電話等、既存の通信手段を用いてその情報を設定した作業者端末に通知することを可能とする。即ち、本発明の遠隔情報監視システムは、計測ポイントに設置した遠隔監視端末から受信される計測データを遠隔情報監視装置において集中監視し、異常時に遠隔情報監視装置から外部ネットワークを介して作業者端末に異常を通知する遠隔情報監視システムであって、前記遠隔監視端末は、計測ポイントの計測データを検出するセンサーと、無線LAN子機と、前記センサーの計測データを前記無線LAN子機から送信する制御を行う端末制御部とを備え、前記遠隔情報監視装置は、前記無線LAN子機から送信された計測データを受信する無線LAN親機と、前記計測データの異常を検出して異常情報を作成し外部ネットワークに送信して作業者端末に通知する監視制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】また、前記遠隔監視端末は、当該遠隔監視端末の端末特定情報、異常情報を通知する作業者端末の特定情報を含む設定情報を入力する入力部を備え、前記端末制御部は前記入力部から入力された設定情報を前記計測データとともに前記無線LAN子機から送信する制御を行い、前記遠隔情報監視装置の監視制御部は、受信した前記計測データ及び設定情報に基づいて計測ポイントの状態を監視し、異常時に前記異常情報を前記作業者端末に通知する制御を行うことを特徴とし、前記設定情報には、測定ポイントにおける遠隔制御の設定/非設定の情報を含み、前記監視制御部は、前記遠隔制御の設定時に前記端末制御部に対して計測データに基づく遠隔制御の命令信号を出力し、前記端末制御部は、前記命令信号に基づき測定ポイントに対する遠隔制御を行うことを特徴とする。
【0012】本発明の遠隔情報監視方法は、計測ポイントで計測した計測データを遠隔監視端末から遠隔情報監視装置に送信し、異常時に遠隔情報監視装置から外部ネットワークを介して作業者端末に異常を通知する遠隔情報監視方法であって、前記遠隔監視端末から前記遠隔情報監視装置に遠隔監視端末の端末特定情報、異常情報を通知する作業者端末の特定情報を含む設定情報を計測データとともに無線LANを介して前記遠隔情報監視装置に送信し、遠隔情報監視装置は受信した前記設定情報に基づいて計測ポイントの状態を監視し、異常時に前記異常情報を前記作業者端末の特定情報に基づき作業者端末に通知することを特徴とし、前記設定情報には遠隔制御の設定/非設定の情報、異常情報の通知方式情報を含み、前記遠隔情報監視装置は、前記設定情報に基づき、前記遠隔制御の設定時に前記端末制御部に対して計測データに基づく遠隔制御の命令信号を出力とともに、計測ポイントの異常時に前記通知方式情報に基づいて作業者端末に通知し、前記端末制御部は、前記命令信号に基づき測定ポイントに対する遠隔制御を行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の無線LANによる遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の一実施の形態を以下説明する。
【0014】(構成の説明)図1は、本発明の無線LANによる遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の基本構成を示す図である。複数の測定ポイントA、B、Cに設置した遠隔情報監視及び遠隔制御用の端末(遠隔監視端末)1(11、12、13)と、遠隔監視制御用の遠隔情報監視装置2と、前記遠隔情報監視装置2がLAN又は電話回線を介して携帯端末等の情報端末である作業者端末4と接続可能な外部ネットワーク3とから構成される。
【0015】前記各測定ポイントA、B、Cの遠隔監視端末11、12、13は、それぞれセンサー11−1、12−1、13−1と、各センサー11−1、12−1、13−1に接続された端末制御部11−2、12−2、13−2と、各端末制御部11−2、12−2、13−2に接続された無線LANの子機(無線LAN子機)11−3、12−3、13−3とからなり、遠隔情報監視装置2は、前記各無線LAN子機11−3、12−3、13−3と無線接続される無線LANの親機(無線LAN親機)2−1と、前記親機2−1と接続され、ホストコンピュータにより構成される監視制御部2−2と、前記監視制御部2−2と接続され、前記LAN又は電話回線のケーブルを介して外部ネットワークと接続されるLANボード又はモデム2−3とから構成される。
【0016】本発明の無線LANによる遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の機能及び動作は以下のとおりである。各遠隔監視端末11、12、13において、各センサー11−1、12−1、13−1は各測定ポイントA、B、Cにおける観測対象の情報を計測しそれぞれ測定データを出力しそれぞれの端末制御部11−2、12−2、13−2に転送する。各端末制御部11−2、12−2、13−2は各センサー11−1、12−1、13−1から転送された各観測データを処理し、必要な設定情報とともに所定の送信フォーマットにより無線LAN子機11−3、12−3、13−3に転送する。各子機11−3、12−3、13−3は各端末制御部11−2、12−2、13−2から転送されたデータを遠隔情報監視装置2の無線LAN親機2−1を介して監視制御部(ホストコンピュータ)2−2にリアルタイムで転送する。
【0017】遠隔情報監視装置2においては、監視制御部2−2は無線LAN親機2−1を介して受信した各遠隔監視端末11、12、13からの測定データを記録し、計測データのチェックを行う等、計測ポイントの情報を集中監視し、運用情報又はデータの異常時の異常情報を含む電子メール又は音声信号を作成し、定期的又は緊急にLANボード又はモデム2−3に転送し、LANケーブル又は電話回線を介して外部ネットワーク3に送信し、外部ネットワーク3から遠隔情報監視システムの運用に従事する作業者端末4に対して前記電子メール又は音声信号を送信して作業者に観測ポイントの運用情報又は異常情報等を通知する。
【0018】以上の構成により複数の無人環境での観測ポイントA、B、Cのデータ測定、監視を一括して行うことができ、作業者の人員や見回り等の工数の削減を可能とする。また、測定ポイントと遠隔情報監視装置との通信に無線LANを使用することで、従来のような有線ケーブルの設置を行う必要が無く、ケーブルの設置費用や設置スペースを低減することが可能である。
【0019】(第1の実施の形態)図2は、本発明を製造工場の自動製造ラインにおける製造機械の運転状況を監視するシステムに適用した実施の形態を示す図である。遠隔情報監視の監視対象とする複数の製造機械A、B、Cと、前記複数の製造機械A、B、Cに設置されそれぞれの製造機械A、B、Cの運転状態、異常状態等を監視する各種のセンサー51−1、52−1、53−1、前記各センサー51−1、52−1、53−1に接続された端末制御部51−2、52−2、53−2及び無線LAN子機51−3、52−3、53−3を備える遠隔監視端末51、52、53と、無線LAN親機6−1、ホストコンピュータで構成される監視制御部6−2、LAN又はモデム6−3とを備える遠隔情報監視装置6と、LAN又はモデム6−3とLANケーブル又は電話回線を介して接続される外部ネットワーク7と、携帯端末等の作業者端末8とから構成される。
【0020】図3は、本実施の形態の遠隔監視端末の一構成例を示す図である。本実施の形態の遠隔監視端末5nは、遠隔監視端末内蔵の1ないし複数のセンサー5n−1及び外部センサーの計測データを入力する1ないし複数のセンサーインターフェース5n−2等と、遠隔監視端末5n及び遠隔情報監視装置6に対して監視情報に関する設定情報を入力する設定入力部5n−5と、前記センサー側からの計測データ、前記設定入力部5n−5からの設定情報を入力し、所定の送信フォーマットに変換して前記無線LAN5n−4に出力するとともに、該無線LAN子機5n−5で受信した遠隔情報監視装置6からの制御情報を入力し制御信号を出力する出力部5n−6とを備える端末制御部5n−3と、前記端末制御部5n−3から出力される送信情報を入力して無線送信する無線LAN子機5n−4とから構成される。
【0021】ここで、遠隔監視端末5nの各種センサーとしては、それぞれの製造機械の運転/停止の検出、故障発生の検出、部品のストック数の検出、製造数の検出、不良品の発生の検出等を行うためのセンサーが使用される。また、設定入力部5n−5から入力し設定する項目は、遠隔監視端末の端末特定情報、使用センサー機能、種類、前記検出事項、遠隔情報監視装置でそれぞれ集中監視を行う監視項目、異常時等に通知する情報端末の特定情報及び計測データ等の設定情報である。
【0022】図4は、遠隔監視端末の設定入力部から設定される情報の内容を示す図である。遠隔監視端末は、1ないし複数のセンサー5n−1及びセンサーインターフェース5n−2を備えており、使用するセンサーで計測した計測データを計測情報として遠隔情報監視装置に送出するとともに、異常時に異常情報の通知先の作業者端末のメールアドレス又は電話番号等の特定情報を送出する。予め遠隔監視端末の端末制御部5n−3に入力し、遠隔監視端末5nから遠隔情報監視装置6に送出して、遠隔情報監視装置6に対する設定をも行う。
【0023】端末制御部5n−3に入力し、遠隔情報監視装置6に対し通知する設定情報としては、遠隔監視端末の端末特定情報に加え、センサー情報(センサー種類)、使用センサー、計測データの異常判定の閾値情報としての異常判定情報、遠隔監視端末の設置ポイント、遠隔制御制御の設定(制御)/非設定(非制御)、異常時の作業者端末への通知/非通知、通知端末である作業者端末の電話番号/メールアドレス等の特定情報、通知文、通知音声等の設定等が挙げられる。
【0024】図5は、本実施の形態の遠隔情報監視装置の一構成例を示す図である。本実施の形態の遠隔情報監視装置6は、各無線LAN子機5n−1、5n−2、5n−3と接続される無線LAN親機6−1と、外部ネットワークと接続するLANケーブルに接続されるLANボード又はモデム6−3と、遠隔監視端末に関する情報及び計測データを記憶する記憶部6−4と、前記無線LAN親機6−1、前記ボード又はモデム6−3及び前記記憶部6−4と接続され、ホストコンピュータ等からなる監視制御部6−2とで構成される。ここで記憶部6−4は、監視制御部6−2の制御により無線LANからの無線信号の受信により動作中の遠隔監視端末の端末アドレス、その他、図4に示すような遠隔監視端末からの設定情報を登録する設定情報記憶部6−41と遠隔監視端末毎の計測データ等を記憶するデータ記憶部6−42とで構成することができる。
【0025】(動作の説明)次に、図2、3、5に示す本発明の遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の実施の形態の動作を説明する。
【0026】遠隔監視制御が必要な製造機械A、B、Cに対し予め遠隔監視端末51〜53を設置し、内蔵するセンサーを製造機械の計測箇所に取り付け又は製造機械に備わるセンサーをセンサーインターフェースを介して接続し、出力部5n−6を製造機械の被制御部の入力端子に接続し、遠隔監視端末5nの電源を投入して設定入力部5n−5より図4に示す各種情報を入力して設定する。
【0027】製造機械A、B、Cに設置した各端末制御部51、52、53には、設定入力部から入力された端末アドレス(端末番号)等の前記端末特定情報に加え、センサー情報(センサー種類)、使用センサー、計測データの異常判定の閾値情報等、異常判定の情報、遠隔監視端末の設置ポイント、遠隔制御の設定(制御)/非設定(非制御)、異常時の作業者端末への通知/非通知、通知端末である作業者端末の電話番号/メールアドレス等の特定情報、通知文、通知音声等の設定等を使用センサーからの計測データとともに所定フォーマットの送信信号とし、それぞれ無線LAN子機に転送し無線信号として送出する。
【0028】無線LAN親機は、各子機からの前記無線信号を受信すると、受信された遠隔監視端末の端末特定情報としての端末アドレス(端末番号)等から記憶部に登録されている端末アドレスを参照し、登録されている端末アドレスが存在する場合は、当該遠隔監視端末の設定情報により監視項目及び異常情報の通知先等を設定し、各遠隔監視端末毎に計測データを監視し記録する。また、受信された端末アドレスが記録部に登録されていない場合には、新たな監視対象の遠隔監視端末として、端末アドレス及び監視項目及び異常情報の通知先等を設定し、当該遠隔監視端末の計測データの監視及び記録を開始する。
【0029】こうして遠隔監視端末が設置された製造機械について逐次測定した運転状態等の計測データを遠隔情報監視装置にリアルタイムで送信し、製造機械毎に計測データをデータベースとして記録するとともに、送信された計測データの数値に異常が無いか否かを逐次確認し、データに異常がある場合は、遠隔監視制御装置は異常データを送信した遠隔監視端末や、当該遠隔監視端末に関連する他の端末装置に対して異常状況に応じて製造システムが円滑に動作するように命令信号を送信してシステムの復旧等につとめる。この命令信号には、例えば部品のストックが無ければ部品の供給するように制御したり、1台の製造機械が故障した場合、その生産予定数量を他の製造機械に割り当てるような命令信号が含まれる。
【0030】各監視制御端末51、52、53は、遠隔情報監視装置6からの前記命令信号、例えば復旧命令信号を受信すると、その復旧命令信号に基づいて該当する制御出力部から制御信号を出力し、被制御対象を制御しそれぞれの製造機械を制御する。また遠隔情報監視装置6は、この復旧作業等と同時に異常データの内容により、あらかじめ異常データに応じて設定情報により設定されたフォーマットで所定の作業者宛の電子メールを作成し、LANボード又はモデムによりLANケーブル又は電話回線を経由して外部ネットワークに転送し、作業者端末8に送信して作業者に通知する。
【0031】作業者は作業者端末8により製造機械の運転状況及び異常情報を入手可能であり、また、遠隔監視端末は遠隔情報監視装置との接続に無線LANを使用し、遠隔情報監視装置には新規の遠隔監視端末が無線信号を出力することでアクセスしたとき、当該遠隔監視端末を適宜登録し、その計測データの監視を行うように構成しているため、各製造機械の運転状況に基づいて、稼働中の遠隔監視端末を削除したり、必要に応じて稼働中の製造機械の遠隔監視端末をその設定情報を変更して他の製造機械へ移動したり、新たな遠隔監視端末を追加したりすることが適宜可能である。
【0032】(第2の実施の形態)図6は、本発明の遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の他の実施の形態を示す図である。本実施の形態は魚の養殖池における水位、水温、水質などを監視制御するシステムに適用した例である。
【0033】養殖池に設置され、水位、水温及び水質を計測する水位センサー91−1、水温センサー92−1、水質センサー93−1と、各センサーにそれぞれ接続された端末制御部91−2、92−2、93−2と、各端末制御部にそれぞれた無線LAN子機91−2、92−2、93−2とを備える遠隔監視端末91、92、93と、無線LAN親機10−1と、前記親機と接続された監視制御部10−2と、前記監視制御部と接続されたモデム10−3とを備える遠隔管理制御装置10と、前記モデム10−3により電話回線7を介して接続される外部ネットワークとから構成される。本実施の形態の遠隔情報監視の動作の概要は以下のとおりである。
【0034】水位センサー51−1、水温センサー52−1及び水質センサー53−1は、各養殖池の水位、水温及び水質を測定し、それぞれの計測データを各センサーと接続された端末制御部91−2、92−2、93−2から所定フォーマットとしてそれぞれ無線LAN子機91−3、92−3、93−3から遠隔管理制御装置10の無線LAN親機10−1にリアルタイムで送信する。無線LAN親機10−1に送信されたデータは監視制御部10−2において記憶し、また転送されたデータの数値に異常がないか否かを逐次確認する。データに異常がある場合、監視制御部10−2は異常データの内容により遠隔情報監視装置に内蔵されたモデム19を介して発呼し、電話回線を経由して作業者の携帯電話又はページャー等へ異常情報を通知する。
【0035】また、本実施の形態においても、各遠隔監視端末91、92、93の端末制御部91−2、92−2、93−2及び遠隔情報監視装置10の監視制御部10−2は、図3、5に示す構成及び機能を有し、各遠隔監視端末91、92、93から図4に示す各種の設定情報を遠隔情報監視装置10に送信するとともに、各遠隔監視端末91、92、93及び遠隔情報監視装置10の制御の情報を設定する。
【0036】この構成により、各遠隔監視端末91、92、93を設置し、各種設定後に無線LAN子機の動作により、遠隔情報監視装置10は当該遠隔監視端末の存在を認知し、受信された計測データを蓄積、監視し、設定により例えば養殖池の水位の上昇に対して、遠隔制御情報を遠隔監視端末に送信し、端末制御部から入排水バルブを制御する制御信号を出力し、正常水位に復帰させる等の遠隔制御を行うとともに、異常動作等の場合には前記設定情報に基づく作業者端末の端末アドレスに異常を知らせるメール等を送信する。更に、作業者は状況に応じて、無線LAN接続の特徴を生かして養殖池に設置した遠隔監視端末を異なる箇所に移動させ、又は新たな遠隔監視端末を搬入して設置し、各種の設定を行い所望箇所の計測データを取得可能に監視システムの変更を随時行う。
【0037】以上説明した実施の形態においては、具体例として無人化された製造ライン、養殖池などの複数の計測ポイントで機械の運転状態や異常発生等を離れた地点に設置した遠隔情報監視装置で一括監視でき、柔軟に変更可能な監視システムとして作業者の人員削減や見回り等の工数削減に好適な例を説明したが、本発明の遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法は、遠隔情報監視の各種分野に適用可能であることは云うまでもない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、遠隔監視端末と遠隔情報監視装置とのデータ通信を無線LANを利用して行うことにより有線ケーブルを設置する必要が無いため、有線ケーブルの設置費用や設置スペースの削減が可能であるとともに、遠隔監視端末の増設、変更等も随時可能である。
【0039】また、遠隔監視端末で設定した設定情報により遠隔情報監視装置における一括監視、異常発生時の通知及び通知方式等の内容が自動的に設定されるため、作業者は遠隔監視端末で設定した作業者端末を携帯することにより、作業者が設定したアラーム情報等の必要情報が居場所によらず迅速に伝達される遠隔情報監視システムを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遠隔情報監視システム及び遠隔情報監視方法の基本構成を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図3】 本実施の形態の遠隔監視端末の構成を示す図である。
【図4】 本実施の形態の遠隔監視端末から入力する設定情報を示す図である。
【図5】 本実施の形態の遠隔情報監視装置の構成を示す図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図7】 従来の生産ラインの遠隔監視システムを示す図である。
【図8】 従来の遊技機の遠隔監視システムを示す図である。
【図9】 従来の火災警報システムを示す図である。
【符号の説明】
1、5、51、52、53、9、91、92、93 遠隔監視端末
2、6、10 遠隔情報監視装置
3、7 外部ネットワーク
4、8 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】 計測ポイントに設置した遠隔監視端末から受信される計測データを遠隔情報監視装置において集中監視し、異常時に遠隔情報監視装置から外部ネットワークを介して作業者端末に異常を通知する遠隔情報監視システムであって、前記遠隔監視端末は、計測ポイントの計測データを検出するセンサーと、無線LAN子機と、前記センサーの計測データを前記無線LAN子機から送信する制御を行う端末制御部とを備え、前記遠隔情報監視装置は、前記無線LAN子機から送信された計測データを受信する無線LAN親機と、前記計測データの異常を検出して異常情報を作成し外部ネットワークに送信して作業者端末に通知する監視制御部とを備えることを特徴とする遠隔情報監視システム。
【請求項2】 前記遠隔監視端末は、当該遠隔監視端末の端末特定情報、異常情報を通知する作業者端末の特定情報を含む設定情報を入力する入力部を備え、前記端末制御部は前記入力部から入力された設定情報を前記計測データとともに前記無線LAN子機から送信する制御を行い、前記遠隔情報監視装置の監視制御部は、受信した前記計測データ及び設定情報に基づいて計測ポイントの状態を監視し、異常時に前記異常情報を前記作業者端末に通知する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の遠隔情報監視システム。
【請求項3】 前記設定情報には、測定ポイントにおける遠隔制御の設定/非設定の情報を含み、前記監視制御部は、前記遠隔制御の設定時に前記端末制御部に対して計測データに基づく遠隔制御の命令信号を出力し、前記端末制御部は、前記命令信号に基づき測定ポイントに対する遠隔制御を行うことを特徴とする請求項2記載の遠隔情報監視システム。
【請求項4】 前記設定情報には、センサーの種類、異常判定情報を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の遠隔情報監視システム。
【請求項5】 前記遠隔情報監視装置は、前記遠隔監視端末から送信された前記設定情報を登録する設定情報記憶部と、前記遠隔監視端末毎に計測データを記憶するデータ記憶部とを備え、新規な遠隔監視端末の無線LAN子機からのアクセス時に、前記設定情報記憶部に当該遠隔監視端末の設定情報を登録するとともに、当該端末特定情報に対応して計測データを前記データ記憶部に記憶することを特徴とする請求項2、3又は4記載の遠隔情報監視システム。
【請求項6】 計測ポイントで計測した計測データを遠隔監視端末から遠隔情報監視装置に送信し、異常時に遠隔情報監視装置から外部ネットワークを介して作業者端末に異常を通知する遠隔情報監視方法であって、前記遠隔監視端末から前記遠隔情報監視装置に遠隔監視端末の端末特定情報、異常情報を通知する作業者端末の特定情報を含む設定情報を計測データとともに無線LANを介して前記遠隔情報監視装置に送信し、遠隔情報監視装置は受信した前記設定情報に基づいて計測ポイントの状態を監視し、異常時に前記異常情報を前記作業者端末の特定情報に基づき作業者端末に通知することを特徴とする遠隔情報監視方法。
【請求項7】 前記設定情報には遠隔制御の設定/非設定の情報、異常情報の通知方式情報を含み、前記遠隔情報監視装置は、前記設定情報に基づき、前記遠隔制御の設定時に前記端末制御部に対して計測データに基づく遠隔制御の命令信号を出力とともに、計測ポイントの異常時に前記通知方式情報に基づいて作業者端末に通知し、前記端末制御部は、前記命令信号に基づき測定ポイントに対する遠隔制御を行うことを特徴とする請求項6記載の遠隔情報監視方法。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図8】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図9】
image rotate


【公開番号】特開2003−150236(P2003−150236A)
【公開日】平成15年5月23日(2003.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−343871(P2001−343871)
【出願日】平成13年11月8日(2001.11.8)
【出願人】(000197366)エヌイーシーアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】