配線基板、ポスト電極の転写用基板及び電子機器
【課題】高アスペクト比のはんだ電極の、隣接するはんだ電極との短絡を防止する。
【解決手段】基板1上に設けられた電極パッド2上に、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極4aを形成し、そのポスト電極4aの上端部分を被覆するポスト電極4aより低融点の球状はんだ電極4bを設ける。メサ状のポスト電極4aの先端部は細いので、球状はんだ電極4bの直径を小さくして隣接するはんだバンプ4との短絡を回避することができる。
【解決手段】基板1上に設けられた電極パッド2上に、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極4aを形成し、そのポスト電極4aの上端部分を被覆するポスト電極4aより低融点の球状はんだ電極4bを設ける。メサ状のポスト電極4aの先端部は細いので、球状はんだ電極4bの直径を小さくして隣接するはんだバンプ4との短絡を回避することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するはんだバンプとの短絡が少なくかつ高アスペクト比を有するはんだバンプが形成された配線基板、その製造に用いられるポスト電極の転写用基板及びその配線基板を用いて組み立てられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板、例えば配線基板又は半導体素子基板上に形成されたはんだバンプを用いて、その基板上に他の配線基板又は半導体素子を接合して搭載する技術、例えばフリップチップの技術は、電子機器の製造に広く用いられている。
【0003】
このはんだバンプは、基板の接合の際に、2枚の基板、例えば配線基板と半導体基板との間に挟まれ、上から押圧されて接合される。このとき、はんだバンプは押しつぶされて水平方向に広がるように変形し、隣接するはんだバンプと短絡することがある。また、このような短絡は、はんだバンプの上面の高さを揃えて半導体素子を安定に載置するために、はんだバンプの先端を押圧して平坦面に形成する際にも発生する。
【0004】
かかるはんだバンプの変形に伴う短絡の発生は、はんだバンプのはんだ量を少なくすることで回避することができる。しかし、はんだバンプのはんだ量を少なくすると、必要な高さ及び体積を有するはんだバンプを形成することができない。即ち、はんだバンプは、リフローによる2枚の基板の接合に用いられたのち、リフローに際して生ずる基板の反りを緩和することができる十分な高さ及び体積を必要とする。必要な高さ及び体積を有しないはんだバンプでは、接合部にクラック又は剥離を生ずることがある。
【0005】
他方、Cuポスト電極を用いて十分な高さを有するはんだバンプを形成する方法が知られている。図11は従来の配線基板の製造工程断面図であり、Cuポスト電極を用いたはんだバンプの製造途中の断面を表している。
【0006】
図11(a)を参照して、従来の配線基板の製造方法では、基板1上面の電極パッド2上に柱状のCuポスト電極41aを形成した後、図11(b)を参照して、電極パッド2上面にポスト電極41aの側面及び上面を取り巻くはんだペースト42を形成する。次いで、図11(c)を参照して、はんだペースト42をリフローして、ポスト電極41aと、ポスト電極41aを芯とする球状はんだ電極41bとからなるはんだバンプ41が形成される。
【0007】
最後に、図11(d)を参照して、球状はんだ電極41bの先端を押圧して先端が平坦面に成形されたはんだ電極41cとする。この際、球状はんだ電極41bの直径及び体積が大きいため、押圧の際に偏平はんだ電極41cが水平方向に広がり、隣接するはんだバンプ41と短絡することがある。
【特許文献1】特開平09−266230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来の全体がはんだにより構成されるはんだバンプを備えた配線基板では、はんだバンプのアスペクト比を大きくすると隣接するはんだバンプと短絡するおそれがある。また、短絡を防止するためはんだ量を少なくした場合、十分な高さ及び体積を有するはんだバンプを形成することができない。
【0009】
さらに、電極上にCuポスト電極を形成し、そのCuポスト電極を芯とする球状はんだ電極を形成して製造されるはんだバンプを備えた配線基板では、球状はんだ電極がポスト電極全体を包むように形成されるため、球状はんだ電極の水平面内の広がりをポスト電極の高さより小さくすることができない。このため、球状はんだ電極を押圧して平坦面を形成する際に水平方向に広がり隣接するはんだバンプと短絡するので、はんだバンプのアスペクト比をあまり大きくすることは難しい。
【0010】
本発明は、高いアスペクト比を有し、かつ、隣接するはんだバンプとの短絡が抑制されたはんだバンプを備える配線基板、かかるはんだバンプを形成するためのポスト電極の転写用基板、及びかかる配線基板を用いて製造された電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の配線基板は、基板と、前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプとを備えて構成される。
【0012】
上記本発明の配線基板が備えるはんだバンプでは、メサ状のポスト電極の先端部分に、その先端部分を覆うはんだ電極が形成される。従って、はんだ電極の中心はポスト電極の先端近くに位置する。このため、はんだバンプの高さは、ポスト電極の高さにはんだ電極の高さの半分を加えた高さに近くなる。一方、ポスト電極の上面はその底面より小さいので、ポスト電極の上端部を覆うはんだ電極の直径をポスト電極の底面より小さくすることができる。従って、高さに比べてはんだバンプの水平方向の直径が小さな、アスペクト比が高いはんだバンプが形成される。
【0013】
かかるはんだバンプの構造では、押圧によりはんだバンプの上端をつぶして平坦にしても、つぶされるはんだ電極の体積はポスト電極を含むはんだバンプ全体の体積に比べて小さい。このため、つぶされたはんだ電極の水平方向への拡幅は小さく、隣接するはんだバンプとの短絡が回避される。一方、はんだバンプの高さは、押圧後でもポスト電極の高さ以上が保持される。このため、このはんだバンプは、高いアスペクト比を有するとともに、隣接するはんだバンプとの短絡が回避される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高いアスペクト比を有し、かつ、隣接するはんだバンプとの短絡が抑制されたはんだバンプを備えた配線基板が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1実施形態は、エッチングによりポスト電極を形成した配線基板、及びその配線基板を用いて製造される電子機器に関する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態の配線基板断面図であり、配線基板上に形成されたはんだバンプの形状を表している。
【0017】
図1(a)を参照して、本発明の第1実施形態に係る配線基板100は、多層配線構造を有する基板1と、その基板1上に形成されたはんだバンプ4とを備える。
【0018】
基板1上面には、等間隔に、例えば150μmピッチで直径100μm、厚さ5μmのCu膜からなる電極パッド2が設けられている。さらに、基板1上面に、電極パッド2を表出する開口3aを有するソルダーレジスト3が形成されている。
【0019】
はんだバンプ4は、電極パッド2の上面に形成されたメサ状の、本実施形態では円錐台形状のCuポスト電極4aと、そのポスト電極4aの先端部分を被覆するように形成された外観が球形のはんだからなる球状はんだ電極4b(はんだ電極)とを有する。
【0020】
球状はんだ電極4bは、ポスト電極4aの少なくとも上面(即ちメサ上面)を被覆する。さらに、ポスト電極4aと球状はんだ電極4bとの密着強度を高くするために、ポスト電極4aの側面上端部分を被覆することが好ましい。
【0021】
球状はんだ電極4bは、後の工程で上端を押圧して平坦面になるように潰したときに、横方向へ拡幅して隣接する球状はんだ電極4bと短絡する場合がある。この短絡を防止するために、球状はんだ電極4bの直径、即ち体積は小さいことが望ましい。従って、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4の上端近傍に限定して、球状はんだ電極4bの直径を小さくすることが好ましい。この観点から、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4aの上面からポスト電極4aの高さの50%以下までの領域に制限することが好ましく、さらに上面からポスト電極4aの高さの25%以下までの領域に制限することがより好ましく、望ましくは上面からポスト電極4aの高さの15%以下までの領域に制限する。
【0022】
一方、球状はんだ電極4bとポスト電極4aとの密着性の観点からは、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を大きくすることが望ましい。この観点からは、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4aの上面からポスト電極4aの高さの10%以上の領域とすることが好ましく、さらに上面からポスト電極4aの高さの20%以上の領域とすることがより好ましい。
【0023】
ポスト電極4aは、錐台、例えば円錐台形状の他、メサ形状、即ち、上面(メサ上面)から下面(メサ底面)方向に徐々に拡幅する形状とすることができる。なお、上面と下面との間に、上面より小さな幅の極小値を有するもの、例えば上面が下面より小さな鼓状であってもよい。このポスト電極4aは、上面が下面よりも小さく形成される。これにより、上面を被覆する球状はんだ電極4bの直径を、ポスト電極4aの下面又は電極パッド2より小さく形成することができる。従って、隣接するはんだバンプ4との短絡が回避される。
【0024】
ポスト電極4aの水平断面形状は、円形が好ましい。円形にすることで、球状はんだ電極4bをリフローしたとき、溶融したはんだはポスト電極4aの側面を円周に沿って一様な高さに被覆するので、リフロー時のはんだの水平断面の直径の制御が容易である。
【0025】
他方、水平断面を多角形とすると、角(メサの稜線)とその間の平面(側面)とで溶融したはんだが被覆する高さが異なるため、はんだの水平面形状を制御し難く、隣接するはんだバンプ4との接触を招きやすい。この溶融したはんだが被覆する高さが異なる事態は、角が鋭角になるほど顕著になる。また、水平断面を偏平な形状、例えば楕円又は長方形にすると、同様に、幅の広い面と狭い面との間で溶融したはんだが被覆する高さが異なることになる。従って、水平断面形状は、円形が最も好ましく、多角形とするときは角数の大きな、例えば6角形以上の正多角形とすることが好ましい。
【0026】
図1(b)は、上述した球状はんだ電極4bの上端を平坦化した配線基板100に関する。図1(b)を参照して、上述した球状はんだ電極4bは、上端が一平面内に揃う平坦面に成形され、上端が平坦な偏平はんだ電極4c(はんだ電極)に加工されている。この偏平はんだ電極4cは、上端が一平面内に揃うため、この上にフリップチップを水平に載置することができる。このため、この配線基板100を用いると、フリップチップボンディングによる接続が正確かつ容易になされる。
【0027】
第1実施形態の変形例は、上述した本第1実施形態の円錐形のポスト電極4aを、側面を構成する母線が回転軸に対して凹の曲線からなる回転体とした配線基板102に関する。
【0028】
図1(c)を参照して、第1実施形態の変形例に係るポスト電極4aは、電極パッド2の法線を回転軸とし、回転軸に対して凹の曲線を回転軸廻りに回転させて形成される曲面を側面とする回転体から構成される。なお、上下面は平面である。かかるポスト電極4aは、例えば、上面から略垂直に垂下する上端部分と、それに続きより穏やかな傾斜で広がる下端部分とを有する。
【0029】
この変形例のポスト電極4aは、上端部分はほぼ円柱状をなし、球状はんだ電極4bが被覆する部分の直径は小さい。このため、円錐台形状のポスト電極4aに比べて、同一体積の球状はんだ電極4aで上端部分を被覆したとき、球状はんだ電極4aの直径は小さくなる。従って、はんだバンプ4間の短絡がより確実に回避される。
【0030】
次に、第1実施形態の配線基板100の製造工程を説明する。
【0031】
図2〜図4は本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)〜(その3)であり、製造工程における配線基板100の断面を表している。
【0032】
図2(a)を参照して、まず、上面に電極パッド2が形成された多層配線構造を有する厚さ1mm、辺長50mmの正方形板状の基板1を準備する。電極パッド2は、例えば厚さ5μm、直径100μmの円板状のCu膜からなり、150μmピッチで基板1上面に列設されている。さらに、基板1上に、電極パッド2を底面に表出する開口を有する厚さ25μmのソルダーレジスト3が形成されている。かかる基板1は周知の市販されている配線基板の基板と同様である。
【0033】
次いで、図2(b)を参照して、基板1上にドライレジストフィルムをラミネーターを用いて、圧力0.17〜0.18MPa、温度120℃で貼付する。その後、密着露光マスクを用いて60mJ/cmの露光量で露光し、現像して、電極パッド2と同形の開口5aを有する厚さ35μmのレジストマスク5を形成した。現像には、炭酸ナトリウムの1wt%溶液を吹きつけて現像するスプレー現像を用いた。
【0034】
次いで、図2(c)を参照して、電極パッド2を一方の電極とする電気めっきを用いて、ソルダーレジスト3の開口3a及びレジストマスク5の開口5aを、開口5aの上端からほぼ5μm下まで埋め込む高さがほぼ50μmの電解めっき銅からなる直径100μmの円柱状のめっき金属6を形成した。
【0035】
なお、この電気めっきは、硫酸2.24mol/l 、硫酸銅0.26mol/l 、及び添加剤19.5ml/l を含む水溶液をめっき液とし、温度が25±2℃、電流密度が1A/dm2 のめっき条件下で行い、めっき時間140分間であった。
【0036】
次いで、図2(d)を参照して、アセトンを用いてレジストマスク5を除去した後、水洗、乾燥した。その結果、電極パッド2上に、ソルダーレジスト3の開口3aを貫通して立設する円柱状のめっき金属6が、基板1上面に露出する。
【0037】
次いで、図3(a)を参照して、スピンコータを用いて、レジストを基板1上全面に塗布し、オーブン内で90℃、30分間の熱処理をする。その結果、めっき金属6及びソルダーレジストを被覆する厚さ15μmのレジスト膜が形成された。
【0038】
次いで、密着露光を用いて、レジスト膜を350mJ/cm2 のドーズ量で露光し、現像して、パターニングされたレジスト膜からなる厚さ15μmのレジストマスク7を形成した。このレジストマスク7は、めっき金属6の上面周縁部分をリング状に表出する内径65μm、外径95μmのリング状開口7aが形成されるようにパターニングされる。即ち、レジストマスク7は、めっき金属6の上面を被覆する、めっき金属6と同心円に形成された直径65μmの円板状のレジストと、めっき金属6と同心円に形成された直径95μmの開口が開設された、めっき金属6の上端外縁部及び側面を被覆するレジスト(めっき金属6間の基板1上をも被覆する。)とから形成される。
【0039】
次いで、図3(b)を参照して、レジストマスク7をエッチングマスクとして、めっき金属6をエッチングする。めっき金属6のエッチングは、ペルオキソII硫酸アンモニウムと純水を1:20で混合したエッチング液に基板1を40分間浸漬して行った。その結果、円柱状のめっき金属6は、電極パッド2の法線を回転軸とし側面を形成する母線が傾斜した直線からなる回転体、即ち円錐台形状を有するポスト電極4aへと変換された。ポスト電極4aの上面は、エッチングの条件により直径65μm〜60μmに制御された。
【0040】
次いで、図3(c)を参照して、レジストを剥離して、円錐台状のポスト電極4aを基板1上に露出した。その後、水洗、乾燥した。以上の工程を経て、電極パッド2上に立設された電解めっき銅からなるポスト電極4aが形成される。
【0041】
次いで、図4(a)を参照して、厚さ300μmのメタルマスク8を用いたスクリーン印刷により、ポスト電極4aの上端を被覆するはんだペースト9を形成した。このメタルマスク8は、150μmピッチで開設された直径70μmの開口8aを有し、開口8aがポスト電極4aの上面に対して同心円になるように位置決めされる。その後、粘度を10,000〜15,000cpsに調整されたはんだペーストをスクリーン印刷する。
【0042】
次いで、図4(b)を参照して、基板1をリフロー炉内に置き、窒素雰囲気中で260℃に加熱してはんだペースト9を溶融した。この結果、はんだペースト9は、ポスト電極4aの上面及び上面から略12μmまでの側面を被覆する組成比Sn−3wt%Ag−0.5wt%の球状はんだ電極4bが形成された。以上の工程を経て、図1(a)を参照して説明した第1実施形態に係る配線基板100が製造された。
【0043】
次いで、図4(c)を参照して、球状はんだ電極4bの上端をプレス平板10で押圧するプレス加工により、球状はんだ電極4bを押しつぶして成形し、上面が平坦な偏平はんだ電極4cを形成した。なお、プレス加工は、加工温度150℃の下で0.1Paのプレス圧によりなされた。
【0044】
以上の製造工程を経て、図4(d)を参照して、ポスト電極4aの上端を被覆する上端が一平面内に揃った平坦面となる偏平はんだ電極4cを有する配線基板100が製造された。
【0045】
図5は本発明の第1実施形態の電子機器の製造工程断面図であり、配線基板100上に半導体チップをフエイスダウンボンディングした電子機器の製造工程における断面を表している。
【0046】
第1実施形態の電子機器の製造では、図5(a)を参照して、まず、上端が平坦な偏平はんだ電極4cを有するはんだバンプ4を備えた上述の配線基板100を準備する。また、半導体回路が形成されたフリップチップボンディング用の半導体素子20を準備する。半導体素子20は半導体基板21を有し、半導体基板21の主面(下側の表面)に半導体回路が形成され、その半導体基板21の主面は絶縁膜22により被覆されている。さらに、絶縁膜22の表面に電極パッド23が埋設されており、その電極パッド23の表面には外部接続用の端子となるはんだボール24が形成されている。
【0047】
初めに、半導体基板21の裏面(図5(a)の上側の面)を超音波ボンディング装置のヘッダーに吸着し、主面を下に配線基板100上に載置する。このとき、配線基板100の偏平はんだ電極4cと半導体素子20のはんだボール24とが当接するように位置決めする。次いで、超音波ボンディングにより偏平はんだ電極4cとはんだボール24とを仮接合する。
【0048】
次いで、図5(b)を参照して、窒素雰囲気のリフロー炉にて260℃に加熱し、偏平はんだ電極4cとはんだボール24とを溶融して、偏平はんだ電極4cとはんだボール24とが融合したはんだバンプ25を形成する。ポスト電極4aと電極パッド23とは、このはんだバンプ25を介して接合され、これにより、半導体素子20は配線基板100上にフエイスダウンボンディングされる。以上の工程を経て、本第1実施形態に係る電子機器が製造された。
【0049】
次に、図1(c)を参照して既に説明した本発明の第1実施形態の変形例に係る配線基板102について、その製造工程を説明する。
【0050】
図6は本発明の第1実施形態の変形例の配線基板の製造工程断面図であり、底面が広がるラッパ形状あるいは途中に細い部分を有する鼓形状のポスト電極4aを備える配線基板102の製造工程途中の断面形状を表している。
【0051】
本第1実施形態変形例は、図2(a)に示した工程と同様の工程で、第1実施形態と同様のめっき金属6を形成する。ついで、図6(a)を参照して、図3(a)と同様の工程により、レジストマスク7を形成する。このレジストマスク7は、めっき金属6の上面に、めっき金属と同心円の直径65μmの円板状に形成されたレジストと、めっき金属6の外側に延在するレジストとから構成される。即ち、図3(a)のレジストマスク7とは、リング状の開口7aの外径及び必要により内径が異なる他は、第1実施形態のレジストマスク7と同様である。
【0052】
次いで、図6(b)を参照して、第1実施形態のエッチャントを用いて、めっき金属6をウエットエッチングする。このエッチングは、めっき金属6の上面周縁部の他、レジストマスク7に被覆されていない側面からも進行する。さらに、このエッチング時間を長く設定することにより、めっき金属6の上端周縁がラウンド状に切欠かれ、めっき金属6の中心軸(回転軸)に対して凹状にエッチングされたメサ状のポスト電極4aを形成する。
【0053】
このポスト電極4aは、電極パッド2の法線を回転軸とする回転体からなり、回転軸に対して凹の曲線を母線とする側面を有する。なお、ポスト電極4aは、上面の直径がほぼ30μmであり、上面から上端部分15μmまで程垂直に垂下し、それに続く下端部分はより緩やかな傾斜で広がるラッパ状の形状をなす。このポスト電極4aの形状は、レジストマスク7の開口7aの形状の他、エッチングの異方性及びオーバーエッチング量により制御される。
【0054】
次いで、図6(c)を参照して、厚さ300μmのメタルマスク8を用いたスクリーン印刷により、ポスト電極4aの上端を被覆するはんだペースト9を形成する。なお、メタルマスク8は、直径40μmの開口8aが150μmピッチで開設されている。
【0055】
次いで、図6(d)を参照して、リフロー炉にて加熱してはんだペースト9を溶融し、ポスト電極4aの上面からほぼ10μm下までの先端部分を被覆する直径40μmの球状はんだ電極4bを形成する。以上の工程を経て、第1実施形態の変形例にかかるはんだバンプ4が形成された配線基板102が製造された。さらに、第1実施形態と同様に、球状はんだ電極4bの上面をプレスして平坦にし、その上に半導体素子20(図5参照)をフエイスダウンボンディングすることで、配線基板102を用いた電子機器が製造される。
【0056】
本第1実施形態の変形例に係る配線基板102では、球状はんだ電極4bがラッパ形状のポスト電極4aの細い先端部分を被覆するように形成されるので、第1実施形態と比べて、ポスト電極4aの高さに対する球状はんだ電極4bの直径を小さくすることができる。このため、はんだバンプ4のアスペクト比が高くても、隣接する球状はんだ電極4aないし隣接するはんだバンプ4間の短絡が回避される。
【0057】
本発明の第2実施形態は、本発明の第1実施形態のはんだバンプを形成するために用いられるポスト電極の転写用基板に関する。
【0058】
図7は、本発明の第2実施形態の転写用基板説明図であり、第1実施形態のポスト電極4aを基板1上に転写するための転写用基板の構造を表している。なお、図7(a)は転写用基板の断面を、図7(b)は転写用基板を用いてポスト電極を転写する工程を、図7(c)は転写により製造された配線基板のポスト電極4aを表している。
【0059】
図7(a)を参照して、本第2実施形態に係る転写用基板301は、シード層32が形成された支持基板31の下面(シード層32)に、メサ形状のポスト電極4aの上面(メサ上面)を密着させて保持する。
【0060】
支持基板31は、例えば厚さ0.5mm、幅2mm、長さ10mmのガラス基板からなり、表面に電気めっきの電極として機能する、Cr及びCuの2層からなるシード層32が形成されている。
【0061】
ポスト電極4aは、全体として上面が下面より小径のほぼ円錐台の形状を有する。かかる形状は、例えば電解Cuめっき層のからなる複数のめっき金属層33−1〜33−4の積層構造として構成することができる。もちろん、この形状に限らず、メサ状であればよい。
【0062】
かかるポスト電極4aは、その上面がシード層32に接合されて保持される。このようなポスト電極4aの保持は、シード層32とポスト電極4aとが強く密着する方法、例えばシード層32上への電解めっきによるポスト電極4aの形成方法により実現される。
【0063】
さらに、支持基板31下面のポスト電極4aは、支持基板31下面に、ポスト電極4aが転写されるべき基板1上の電極パッド2と同一ピッチで複数個保持される。支持基板31の下面に保持されたこれら複数のポスト電極4aの底面は、一平面内に揃うよう形成されている。
【0064】
次に、上記転写用基板301を用いて多層配線構造を有する基板1上の電極パッド2にポスト電極を形成する方法を説明する。なお、基板1は既述の第1実施形態で用いられた多層1と同様である。
【0065】
図7(b)を参照して、転写用基板301の支持基板31下面を超音波ボンディング装置の加熱されたヘッダー35に吸着し、ポスト電極4aの下面を下向きにして転写用基板301を多層配線構造を有する基板1上方に保持する。次いで、ポスト電極4aが基板1上面に形成されている電極パッド2上に位置するように支持基板31を位置決めし、ヘッダー35を降下してポスト電極4aを電極パッド2に押圧し、ポスト電極4a下面を電極パッド2上面に密接させる。次いで、ヘッダーに超音波を印加して、ポスト電極4aを電極パッド2にボンディングする。
【0066】
次いで、図7(c)を参照して、支持基板31をエッチング液に浸漬して、シード層32を支持基板1から剥離することで、ポスト電極4a上面から支持基板31を除去する。これにより、電極パッド2上にメサ状のポスト電極4aが形成される。
【0067】
上述したように、予め製造されている本第2実施形態の転写用基板301を用いることで、基板1上にボンディング工程と剥離工程を追加して容易にポスト電極4aを形成することができる。このため、メサ形状のポスト電極4aを有する配線基板の製造が容易になる。
【0068】
以下、本第2実施形態の転写用基板301の製造工程及び転写用基板301を用いた配線基板101の製造工程を説明する。
【0069】
図8は本発明の第2実施形態の転写用基板の製造工程断面図であり、転写用基板の製造工程における垂直断面を表している。
【0070】
図8(a)を参照して、まず、厚さ0.5mm、直径150mmのガラスウェーハからなる支持基板31上に、厚さ0.05μmのCr層32a及び厚さ0.6mmのCu層32bを順次スパッタにより積層し、Cr層32aとCu層32bの積層からなるシード層32を形成する。スパッタ条件は、Cr層32aの形成ではプラズマ励起電力1kW、スパッタ時間1分間、Cu層32bの形成ではプラズマ励起電力1kW、スパッタ時間30分間とした。
【0071】
次いで、図8(b)を参照して、支持基板31上に感光性樹脂36−1、例えばポリイミド系樹脂(東レ株式会社製の商品名フォトニース)をスピン塗布した。塗布は、回転速度500rpmで10秒間保持した後、回転速度1600rpmに10秒間保持することでなされた。その後、120℃、3分間のプリベークをした。
【0072】
次いで、直径40μmの開口パターンがピッチ150μmで列設された密着露光用の露光用マスク37を感光性樹脂36−1上に載置して、感光性樹脂36−1をドーズ量1050mJ/cm2 で露光し、2分間のアルカリ現像液により現像した。現像後、窒素雰囲気のベーク炉にて、140℃、30分間の熱処理とその後さらに350℃、60分間の熱処理とによるキュアを行った。その結果、上面の直径40μm、下面の直径20μmの下方に縮幅する円錐台形状の開口36−1aを有する、厚さ15μmのキュアされた感光性樹脂層36−1が形成された。
【0073】
次いで、図8(c)を参照して、シード層32を電極とする電解めっきにより、感光性樹脂層36−1の開口36−1aを埋め込むCuめっき層からなるめっき金属層33−1を形成した。この結果、感光性樹脂層36−1に埋め込まれた逆円錐台形状めっき金属層33−1が形成された。この電気めっきの条件は、硫酸2.24mol/l 、硫酸銅0.26mol/l 、及び添加剤19.5ml/l を含む水溶液をめっき液とし、温度が30±2℃、電流密度が1A/dm2 で、めっき時間45分間であった。
【0074】
次いで、図8(d)を参照して、感光性樹脂層36−1及びめっき金属層33−1上に、2層目の感光性樹脂層36−2をスピン塗布し、1層目の感光性樹脂層36−1の形成と同様に、露光用マスク37を用いて密着露光、現像、キュアした。この2層目の感光性樹脂層36−2の形成では、直径60μmの開口パターンがピッチ150μmで形成された露光用マスク37を用いた。この工程により、感光性樹脂層36−1及びめっき金属層33−1上に、1層目の金属層33−1と同心円の開口36−2aが開設された厚さ15μmの2層目の感光性樹脂層36−2が形成された。なお、開口36−2aの底面には1層目の金属層33−1の上面が表出している。
【0075】
次いで、図8(e)を参照して、シード層32を電極とする(即ち金属層33−1を電極とする)電解めっきにより 開口36−2aを埋め込むCuめっき層からなるめっき金属層33−2を形成する。このめっき金属層33−2は、上面の直径がほぼ60μmの逆円錐台形状を有し、1層目のめっき金属層33−1上にめっき金属層33−1と同心円に積層される。
【0076】
次いで、図8(f)を参照して、上述の第2層目の感光性樹脂層36−2及び第2層目のめっき金属層33−2と同様の方法を用いて、第2層目の感光性樹脂層36−2及び第2層目のめっき金属層33−2の上に、順次、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4及びめっき金属層33−3、33−4を形成した。
【0077】
第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4の露光には、直径がそれぞれ80μm及び100μmの開口パターンをビッチ150μmで配置した密着露光用マスク37を用いた。従って、第3層目の感光性樹脂層36−3には、上面の直径がほぼ80μmの逆円錐台形状の開口36−3aが、また、第4層目の感光性樹脂層36−4には、上面の直径がほぼ100μmの逆円錐台形状の開口36−4aが、第1層目及び第2層目の開口36−1a、36−2aと同心円に形成される。
【0078】
第3層目及び第4層目のめっき金属層33−3、33−4は、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4にそれぞれ開設された開口36−3a、36−4aを電解めっき金属で埋込むことにより形成される。従って、第1層目〜第2層目のめっき金属層33−1〜33−4は、それぞれ下層よりも大きな直径(上面の直径)を有する同心円の逆円錐台形状を有しており、全体とし下面(支持基板31に近い面)が細く、上面で太くなる逆円錐台形状を呈する。なお、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4及びめっき金属層33−3、33−4の成形は、露光用マスク37の開口パターンの直径が異なる他は、第2層目の感光性樹脂層36−2及びめっき金属層33−2の形成と同一条件でなされた。
【0079】
次いで、ガラスウエーハからなる支持基板31をダイシングして、厚さ0.5mm、幅2mm、長さ10mmのガラス基板からなるチップ状の支持基板31に分割した。
【0080】
次いで、図8(g)を参照して、感光性樹脂層36−1〜36−4及びめっき金属層33−1〜33−4が形成された支持基板31を、15〜25mol%エタノール及び20〜30mol%水酸化カリウムを含む液温25℃±5℃のエッチング液に浸漬して、ポリイミド系の感光性樹脂層36−1〜36−4を剥離した。その結果、支持基板31上にシード層32を介して、逆円錐台形状のポスト電極4aが150μmピッチで配置された転写用基板301が製造された。なお、上記工程で形成されたポスト電極4aは、それぞれ厚さがほぼ15μmの逆円錐台形状を有する4層のめっき金属層33−1〜33−4が積層され、全体として上面の直径が100μm、下面の直径が20μmの逆円錐台形状となる。なお、図8(g)の転写用基板301は、図7と上下を反転して描かれている。
【0081】
以下、上述した転写用基板301を用いて配線基板を製造する工程を説明する。
【0082】
図9は本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)、図10は本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)であり、製造途中の配線基板の断面を表している。
【0083】
図9(a)を参照して、まず、超音波ボンディング装置のヘッダー35の下面に支持基板1の裏面を吸着し、転写用基板301をポスト電極4aを下方に向けて支持する。次いで、ヘッダー35を移動して転写用基板301を多層配線構造の基板1上に位置決めした。
【0084】
基板1は、第1実施形態で用いられた基板1と同じであり、上面に厚さ5μm、直径100μmのCu電極パッド2が150μmピッチで配列され、その上に電極パッド2を表出する開口3aを有するソルダレジスト3が形成されている。転写用基板301は、ポスト電極4aと電極パッド4aの中心が一致するように位置決めされる。
【0085】
次いで、ヘッダー35を降下して、電極パッド4a上面にポスト電極4aが密着するように支持基板31を50〜100g/cm2 の圧力で押圧し、出力15〜30Wの超音波を50〜100秒間印加して、電極パッド4a上面にポスト電極4aを超音波溶接した。その結果、図9(b)を参照して、転写用基板301は、電極パッド2上に溶接されたポスト電極4aを介して基板1上に接合される。
【0086】
次いで、ペルオキソII硫酸アンモニウムと純水の1:20混液からなるエッチング液に、支持基板31を下方に向けて支持基板31の表面まで浸漬するように3分間保持して、シード層32を構成するCu層32bを除去した。これにより、支持基板31がポスト電極4a上面(図9の上方の面)から剥離された。その後、基板1を水洗し乾燥した。
【0087】
その結果、図9(c)を参照して、電極パッド2上に円錐台形のポスト電極4aが転写された。
【0088】
次いで、図10(a)を参照して、電極パッド2と同一ピッチで形成された直径50μmの開口8aを有する厚さ300μmのメタルマスク8を用いて、ポスト電極4a上に粘度10,000〜15,000cpsのはんだペースト9をスクリーン印刷した。
【0089】
次いで、図10(b)を参照して、窒素雰囲気中で260℃に加熱してはんだペースト9をリフローし、組成比Sn−3wt%Ag−0.5wt%のはんだからなる直径45μmの球状はんだ電極4bを形成した。これにより、高さ60μm、上面の直径20、下面の直径100μmのポスト電極4aと、そのポスト電極4aの上面及び上面からほぼ15μm下までの側面を被覆する直径45μmの球状はんだ電極4bとからなるはんだバンプ4が形成された。
【0090】
次いで、図10(c)を参照して、球状はんだ電極4bの上端を、150℃に加熱されたプレス平板10により0.1kPaの圧力で押圧し、球状はんだ電極4bを、複数の球状はんだ電極4bの上端が平面内に揃った上端が平坦な偏平はんだ電極4cに成形した。これにより、図10(d)を参照して、メサ状(例えば円錐台状)のポスト電極4aの先端に、上端が揃った偏平はんだ電極4cが形成されているはんだバンプ4を具備する配線基板101が製造された。
【0091】
本第2実施形態の転写用基板301は配線基板101の製造工程前に予め製造しておくことができる。そして、超音波ボンデング工程と支持基板31の剥離工程のみで、ポスト電極4aを電極パッド2上に転写して形成することができる。このため、電極パッド2上に直接ポスト電極4aを形成する第1実施形態に比べて、配線基板101の製造工程数が少なくかつ工程も簡単になる。
【0092】
上記の本明細書には、以下の付記に記載の発明が開示されている。
(付記1)基板と、
前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、
前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプと
を有する配線基板。
(付記2)前記ポスト電極は、前記電極パッドの法線を回転軸とし、側面を形成する母線が直線又は前記回転軸に対して凹の曲線からなる回転体形状を有することを特徴とする付記1に記載の配線基板
(付記3)前記ポスト電極は銅を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の配線基板。
(付記4)複数の前記はんだ電極の上端面が一平面内に含まれるように、複数の前記はんだ電極の上端面が押しつぶされて平坦面に形成されていることを特徴とする付記1、2又は3に記載の配線基板。
(付記5)支持基板の下面に形成されたシード層と、
前記シード層に密着させ、本願底面を一平面内に揃えて支持された上面が底面より小なメサ状の導電体からなる複数のポスト電極と
を有するポスト電極の転写用基板。
(付記6)支持基板の主面上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に形成された第1の感光性樹脂層に、逆円錐台形の第1の開口を開設する工程と、
前記第1の開口を埋め込む第1のめっき金属層を形成する工程と、
前記第1の感光性樹脂層及び第1のめっき金属層上に形成された第2の感光性樹脂層に、前記第1の開口より大きな逆円錐台形の第2の開口を前記第1の開口と同心円に開設する工程と、
前記第1及び第2の感光性樹脂層をエッチングにより除去する工程とを有することを特徴とする付記5に記載のポスト電極の転写用基板の製造方法。
(付記7)付記5に記載の転写用基板を、前記基板上に設けられた前記電極パッド上面に前記ポスト電極を当接させて配置し、超音波溶接により前記電極バッド上面に前記ポスト電極を接合する工程と、
前記シード層をエッチング液に浸漬して前記支持基板から剥離する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
(付記8)上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプが形成された配線基板と、
前記配線基板上に前記はんだバンプを介して接続された半導体装置とを有することを特徴とする電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1実施形態の配線基板断面図
【図2】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)
【図3】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)
【図4】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その3)
【図5】本発明の第1実施形態の電子機器の製造工程断面図
【図6】本発明の第1実施形態の変形例の配線基板の製造工程断面図
【図7】本発明の第2実施形態の転写用基板説明図
【図8】本発明の第2実施形態の転写用基板の製造工程断面図
【図9】本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)
【図10】本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)
【図11】従来の配線基板の製造工程断面図
【符号の説明】
【0094】
1 基板
2、23 電極パッド
3 ソルダーレジスト
3a、5a、7a、8a 開口
4、25、41 はんだバンプ
4a、41a ポスト電極
4b、41b 球状はんだ電極
4c、41c 偏平はんだ電極
5、7 レジストマスク
6 めっき金属
8 メタルマスク
9、42 はんだペースト
10 プレス平板
20 半導体素子
21 半導体基板
22 絶縁膜
24 はんだボール
31 支持基板
32 シード層
32a Cr層
32b Cu層
33−1〜33−4 めっき金属層
35 ヘッド
36−1〜36−4 感光性樹脂層
36−1a〜36−4a 開口
37 露光用マスク
100、101、102 配線基板
301 転写用基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するはんだバンプとの短絡が少なくかつ高アスペクト比を有するはんだバンプが形成された配線基板、その製造に用いられるポスト電極の転写用基板及びその配線基板を用いて組み立てられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板、例えば配線基板又は半導体素子基板上に形成されたはんだバンプを用いて、その基板上に他の配線基板又は半導体素子を接合して搭載する技術、例えばフリップチップの技術は、電子機器の製造に広く用いられている。
【0003】
このはんだバンプは、基板の接合の際に、2枚の基板、例えば配線基板と半導体基板との間に挟まれ、上から押圧されて接合される。このとき、はんだバンプは押しつぶされて水平方向に広がるように変形し、隣接するはんだバンプと短絡することがある。また、このような短絡は、はんだバンプの上面の高さを揃えて半導体素子を安定に載置するために、はんだバンプの先端を押圧して平坦面に形成する際にも発生する。
【0004】
かかるはんだバンプの変形に伴う短絡の発生は、はんだバンプのはんだ量を少なくすることで回避することができる。しかし、はんだバンプのはんだ量を少なくすると、必要な高さ及び体積を有するはんだバンプを形成することができない。即ち、はんだバンプは、リフローによる2枚の基板の接合に用いられたのち、リフローに際して生ずる基板の反りを緩和することができる十分な高さ及び体積を必要とする。必要な高さ及び体積を有しないはんだバンプでは、接合部にクラック又は剥離を生ずることがある。
【0005】
他方、Cuポスト電極を用いて十分な高さを有するはんだバンプを形成する方法が知られている。図11は従来の配線基板の製造工程断面図であり、Cuポスト電極を用いたはんだバンプの製造途中の断面を表している。
【0006】
図11(a)を参照して、従来の配線基板の製造方法では、基板1上面の電極パッド2上に柱状のCuポスト電極41aを形成した後、図11(b)を参照して、電極パッド2上面にポスト電極41aの側面及び上面を取り巻くはんだペースト42を形成する。次いで、図11(c)を参照して、はんだペースト42をリフローして、ポスト電極41aと、ポスト電極41aを芯とする球状はんだ電極41bとからなるはんだバンプ41が形成される。
【0007】
最後に、図11(d)を参照して、球状はんだ電極41bの先端を押圧して先端が平坦面に成形されたはんだ電極41cとする。この際、球状はんだ電極41bの直径及び体積が大きいため、押圧の際に偏平はんだ電極41cが水平方向に広がり、隣接するはんだバンプ41と短絡することがある。
【特許文献1】特開平09−266230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来の全体がはんだにより構成されるはんだバンプを備えた配線基板では、はんだバンプのアスペクト比を大きくすると隣接するはんだバンプと短絡するおそれがある。また、短絡を防止するためはんだ量を少なくした場合、十分な高さ及び体積を有するはんだバンプを形成することができない。
【0009】
さらに、電極上にCuポスト電極を形成し、そのCuポスト電極を芯とする球状はんだ電極を形成して製造されるはんだバンプを備えた配線基板では、球状はんだ電極がポスト電極全体を包むように形成されるため、球状はんだ電極の水平面内の広がりをポスト電極の高さより小さくすることができない。このため、球状はんだ電極を押圧して平坦面を形成する際に水平方向に広がり隣接するはんだバンプと短絡するので、はんだバンプのアスペクト比をあまり大きくすることは難しい。
【0010】
本発明は、高いアスペクト比を有し、かつ、隣接するはんだバンプとの短絡が抑制されたはんだバンプを備える配線基板、かかるはんだバンプを形成するためのポスト電極の転写用基板、及びかかる配線基板を用いて製造された電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の配線基板は、基板と、前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプとを備えて構成される。
【0012】
上記本発明の配線基板が備えるはんだバンプでは、メサ状のポスト電極の先端部分に、その先端部分を覆うはんだ電極が形成される。従って、はんだ電極の中心はポスト電極の先端近くに位置する。このため、はんだバンプの高さは、ポスト電極の高さにはんだ電極の高さの半分を加えた高さに近くなる。一方、ポスト電極の上面はその底面より小さいので、ポスト電極の上端部を覆うはんだ電極の直径をポスト電極の底面より小さくすることができる。従って、高さに比べてはんだバンプの水平方向の直径が小さな、アスペクト比が高いはんだバンプが形成される。
【0013】
かかるはんだバンプの構造では、押圧によりはんだバンプの上端をつぶして平坦にしても、つぶされるはんだ電極の体積はポスト電極を含むはんだバンプ全体の体積に比べて小さい。このため、つぶされたはんだ電極の水平方向への拡幅は小さく、隣接するはんだバンプとの短絡が回避される。一方、はんだバンプの高さは、押圧後でもポスト電極の高さ以上が保持される。このため、このはんだバンプは、高いアスペクト比を有するとともに、隣接するはんだバンプとの短絡が回避される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高いアスペクト比を有し、かつ、隣接するはんだバンプとの短絡が抑制されたはんだバンプを備えた配線基板が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1実施形態は、エッチングによりポスト電極を形成した配線基板、及びその配線基板を用いて製造される電子機器に関する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態の配線基板断面図であり、配線基板上に形成されたはんだバンプの形状を表している。
【0017】
図1(a)を参照して、本発明の第1実施形態に係る配線基板100は、多層配線構造を有する基板1と、その基板1上に形成されたはんだバンプ4とを備える。
【0018】
基板1上面には、等間隔に、例えば150μmピッチで直径100μm、厚さ5μmのCu膜からなる電極パッド2が設けられている。さらに、基板1上面に、電極パッド2を表出する開口3aを有するソルダーレジスト3が形成されている。
【0019】
はんだバンプ4は、電極パッド2の上面に形成されたメサ状の、本実施形態では円錐台形状のCuポスト電極4aと、そのポスト電極4aの先端部分を被覆するように形成された外観が球形のはんだからなる球状はんだ電極4b(はんだ電極)とを有する。
【0020】
球状はんだ電極4bは、ポスト電極4aの少なくとも上面(即ちメサ上面)を被覆する。さらに、ポスト電極4aと球状はんだ電極4bとの密着強度を高くするために、ポスト電極4aの側面上端部分を被覆することが好ましい。
【0021】
球状はんだ電極4bは、後の工程で上端を押圧して平坦面になるように潰したときに、横方向へ拡幅して隣接する球状はんだ電極4bと短絡する場合がある。この短絡を防止するために、球状はんだ電極4bの直径、即ち体積は小さいことが望ましい。従って、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4の上端近傍に限定して、球状はんだ電極4bの直径を小さくすることが好ましい。この観点から、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4aの上面からポスト電極4aの高さの50%以下までの領域に制限することが好ましく、さらに上面からポスト電極4aの高さの25%以下までの領域に制限することがより好ましく、望ましくは上面からポスト電極4aの高さの15%以下までの領域に制限する。
【0022】
一方、球状はんだ電極4bとポスト電極4aとの密着性の観点からは、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を大きくすることが望ましい。この観点からは、球状はんだ電極4bがポスト電極4aの側面を被覆する領域を、ポスト電極4aの上面からポスト電極4aの高さの10%以上の領域とすることが好ましく、さらに上面からポスト電極4aの高さの20%以上の領域とすることがより好ましい。
【0023】
ポスト電極4aは、錐台、例えば円錐台形状の他、メサ形状、即ち、上面(メサ上面)から下面(メサ底面)方向に徐々に拡幅する形状とすることができる。なお、上面と下面との間に、上面より小さな幅の極小値を有するもの、例えば上面が下面より小さな鼓状であってもよい。このポスト電極4aは、上面が下面よりも小さく形成される。これにより、上面を被覆する球状はんだ電極4bの直径を、ポスト電極4aの下面又は電極パッド2より小さく形成することができる。従って、隣接するはんだバンプ4との短絡が回避される。
【0024】
ポスト電極4aの水平断面形状は、円形が好ましい。円形にすることで、球状はんだ電極4bをリフローしたとき、溶融したはんだはポスト電極4aの側面を円周に沿って一様な高さに被覆するので、リフロー時のはんだの水平断面の直径の制御が容易である。
【0025】
他方、水平断面を多角形とすると、角(メサの稜線)とその間の平面(側面)とで溶融したはんだが被覆する高さが異なるため、はんだの水平面形状を制御し難く、隣接するはんだバンプ4との接触を招きやすい。この溶融したはんだが被覆する高さが異なる事態は、角が鋭角になるほど顕著になる。また、水平断面を偏平な形状、例えば楕円又は長方形にすると、同様に、幅の広い面と狭い面との間で溶融したはんだが被覆する高さが異なることになる。従って、水平断面形状は、円形が最も好ましく、多角形とするときは角数の大きな、例えば6角形以上の正多角形とすることが好ましい。
【0026】
図1(b)は、上述した球状はんだ電極4bの上端を平坦化した配線基板100に関する。図1(b)を参照して、上述した球状はんだ電極4bは、上端が一平面内に揃う平坦面に成形され、上端が平坦な偏平はんだ電極4c(はんだ電極)に加工されている。この偏平はんだ電極4cは、上端が一平面内に揃うため、この上にフリップチップを水平に載置することができる。このため、この配線基板100を用いると、フリップチップボンディングによる接続が正確かつ容易になされる。
【0027】
第1実施形態の変形例は、上述した本第1実施形態の円錐形のポスト電極4aを、側面を構成する母線が回転軸に対して凹の曲線からなる回転体とした配線基板102に関する。
【0028】
図1(c)を参照して、第1実施形態の変形例に係るポスト電極4aは、電極パッド2の法線を回転軸とし、回転軸に対して凹の曲線を回転軸廻りに回転させて形成される曲面を側面とする回転体から構成される。なお、上下面は平面である。かかるポスト電極4aは、例えば、上面から略垂直に垂下する上端部分と、それに続きより穏やかな傾斜で広がる下端部分とを有する。
【0029】
この変形例のポスト電極4aは、上端部分はほぼ円柱状をなし、球状はんだ電極4bが被覆する部分の直径は小さい。このため、円錐台形状のポスト電極4aに比べて、同一体積の球状はんだ電極4aで上端部分を被覆したとき、球状はんだ電極4aの直径は小さくなる。従って、はんだバンプ4間の短絡がより確実に回避される。
【0030】
次に、第1実施形態の配線基板100の製造工程を説明する。
【0031】
図2〜図4は本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)〜(その3)であり、製造工程における配線基板100の断面を表している。
【0032】
図2(a)を参照して、まず、上面に電極パッド2が形成された多層配線構造を有する厚さ1mm、辺長50mmの正方形板状の基板1を準備する。電極パッド2は、例えば厚さ5μm、直径100μmの円板状のCu膜からなり、150μmピッチで基板1上面に列設されている。さらに、基板1上に、電極パッド2を底面に表出する開口を有する厚さ25μmのソルダーレジスト3が形成されている。かかる基板1は周知の市販されている配線基板の基板と同様である。
【0033】
次いで、図2(b)を参照して、基板1上にドライレジストフィルムをラミネーターを用いて、圧力0.17〜0.18MPa、温度120℃で貼付する。その後、密着露光マスクを用いて60mJ/cmの露光量で露光し、現像して、電極パッド2と同形の開口5aを有する厚さ35μmのレジストマスク5を形成した。現像には、炭酸ナトリウムの1wt%溶液を吹きつけて現像するスプレー現像を用いた。
【0034】
次いで、図2(c)を参照して、電極パッド2を一方の電極とする電気めっきを用いて、ソルダーレジスト3の開口3a及びレジストマスク5の開口5aを、開口5aの上端からほぼ5μm下まで埋め込む高さがほぼ50μmの電解めっき銅からなる直径100μmの円柱状のめっき金属6を形成した。
【0035】
なお、この電気めっきは、硫酸2.24mol/l 、硫酸銅0.26mol/l 、及び添加剤19.5ml/l を含む水溶液をめっき液とし、温度が25±2℃、電流密度が1A/dm2 のめっき条件下で行い、めっき時間140分間であった。
【0036】
次いで、図2(d)を参照して、アセトンを用いてレジストマスク5を除去した後、水洗、乾燥した。その結果、電極パッド2上に、ソルダーレジスト3の開口3aを貫通して立設する円柱状のめっき金属6が、基板1上面に露出する。
【0037】
次いで、図3(a)を参照して、スピンコータを用いて、レジストを基板1上全面に塗布し、オーブン内で90℃、30分間の熱処理をする。その結果、めっき金属6及びソルダーレジストを被覆する厚さ15μmのレジスト膜が形成された。
【0038】
次いで、密着露光を用いて、レジスト膜を350mJ/cm2 のドーズ量で露光し、現像して、パターニングされたレジスト膜からなる厚さ15μmのレジストマスク7を形成した。このレジストマスク7は、めっき金属6の上面周縁部分をリング状に表出する内径65μm、外径95μmのリング状開口7aが形成されるようにパターニングされる。即ち、レジストマスク7は、めっき金属6の上面を被覆する、めっき金属6と同心円に形成された直径65μmの円板状のレジストと、めっき金属6と同心円に形成された直径95μmの開口が開設された、めっき金属6の上端外縁部及び側面を被覆するレジスト(めっき金属6間の基板1上をも被覆する。)とから形成される。
【0039】
次いで、図3(b)を参照して、レジストマスク7をエッチングマスクとして、めっき金属6をエッチングする。めっき金属6のエッチングは、ペルオキソII硫酸アンモニウムと純水を1:20で混合したエッチング液に基板1を40分間浸漬して行った。その結果、円柱状のめっき金属6は、電極パッド2の法線を回転軸とし側面を形成する母線が傾斜した直線からなる回転体、即ち円錐台形状を有するポスト電極4aへと変換された。ポスト電極4aの上面は、エッチングの条件により直径65μm〜60μmに制御された。
【0040】
次いで、図3(c)を参照して、レジストを剥離して、円錐台状のポスト電極4aを基板1上に露出した。その後、水洗、乾燥した。以上の工程を経て、電極パッド2上に立設された電解めっき銅からなるポスト電極4aが形成される。
【0041】
次いで、図4(a)を参照して、厚さ300μmのメタルマスク8を用いたスクリーン印刷により、ポスト電極4aの上端を被覆するはんだペースト9を形成した。このメタルマスク8は、150μmピッチで開設された直径70μmの開口8aを有し、開口8aがポスト電極4aの上面に対して同心円になるように位置決めされる。その後、粘度を10,000〜15,000cpsに調整されたはんだペーストをスクリーン印刷する。
【0042】
次いで、図4(b)を参照して、基板1をリフロー炉内に置き、窒素雰囲気中で260℃に加熱してはんだペースト9を溶融した。この結果、はんだペースト9は、ポスト電極4aの上面及び上面から略12μmまでの側面を被覆する組成比Sn−3wt%Ag−0.5wt%の球状はんだ電極4bが形成された。以上の工程を経て、図1(a)を参照して説明した第1実施形態に係る配線基板100が製造された。
【0043】
次いで、図4(c)を参照して、球状はんだ電極4bの上端をプレス平板10で押圧するプレス加工により、球状はんだ電極4bを押しつぶして成形し、上面が平坦な偏平はんだ電極4cを形成した。なお、プレス加工は、加工温度150℃の下で0.1Paのプレス圧によりなされた。
【0044】
以上の製造工程を経て、図4(d)を参照して、ポスト電極4aの上端を被覆する上端が一平面内に揃った平坦面となる偏平はんだ電極4cを有する配線基板100が製造された。
【0045】
図5は本発明の第1実施形態の電子機器の製造工程断面図であり、配線基板100上に半導体チップをフエイスダウンボンディングした電子機器の製造工程における断面を表している。
【0046】
第1実施形態の電子機器の製造では、図5(a)を参照して、まず、上端が平坦な偏平はんだ電極4cを有するはんだバンプ4を備えた上述の配線基板100を準備する。また、半導体回路が形成されたフリップチップボンディング用の半導体素子20を準備する。半導体素子20は半導体基板21を有し、半導体基板21の主面(下側の表面)に半導体回路が形成され、その半導体基板21の主面は絶縁膜22により被覆されている。さらに、絶縁膜22の表面に電極パッド23が埋設されており、その電極パッド23の表面には外部接続用の端子となるはんだボール24が形成されている。
【0047】
初めに、半導体基板21の裏面(図5(a)の上側の面)を超音波ボンディング装置のヘッダーに吸着し、主面を下に配線基板100上に載置する。このとき、配線基板100の偏平はんだ電極4cと半導体素子20のはんだボール24とが当接するように位置決めする。次いで、超音波ボンディングにより偏平はんだ電極4cとはんだボール24とを仮接合する。
【0048】
次いで、図5(b)を参照して、窒素雰囲気のリフロー炉にて260℃に加熱し、偏平はんだ電極4cとはんだボール24とを溶融して、偏平はんだ電極4cとはんだボール24とが融合したはんだバンプ25を形成する。ポスト電極4aと電極パッド23とは、このはんだバンプ25を介して接合され、これにより、半導体素子20は配線基板100上にフエイスダウンボンディングされる。以上の工程を経て、本第1実施形態に係る電子機器が製造された。
【0049】
次に、図1(c)を参照して既に説明した本発明の第1実施形態の変形例に係る配線基板102について、その製造工程を説明する。
【0050】
図6は本発明の第1実施形態の変形例の配線基板の製造工程断面図であり、底面が広がるラッパ形状あるいは途中に細い部分を有する鼓形状のポスト電極4aを備える配線基板102の製造工程途中の断面形状を表している。
【0051】
本第1実施形態変形例は、図2(a)に示した工程と同様の工程で、第1実施形態と同様のめっき金属6を形成する。ついで、図6(a)を参照して、図3(a)と同様の工程により、レジストマスク7を形成する。このレジストマスク7は、めっき金属6の上面に、めっき金属と同心円の直径65μmの円板状に形成されたレジストと、めっき金属6の外側に延在するレジストとから構成される。即ち、図3(a)のレジストマスク7とは、リング状の開口7aの外径及び必要により内径が異なる他は、第1実施形態のレジストマスク7と同様である。
【0052】
次いで、図6(b)を参照して、第1実施形態のエッチャントを用いて、めっき金属6をウエットエッチングする。このエッチングは、めっき金属6の上面周縁部の他、レジストマスク7に被覆されていない側面からも進行する。さらに、このエッチング時間を長く設定することにより、めっき金属6の上端周縁がラウンド状に切欠かれ、めっき金属6の中心軸(回転軸)に対して凹状にエッチングされたメサ状のポスト電極4aを形成する。
【0053】
このポスト電極4aは、電極パッド2の法線を回転軸とする回転体からなり、回転軸に対して凹の曲線を母線とする側面を有する。なお、ポスト電極4aは、上面の直径がほぼ30μmであり、上面から上端部分15μmまで程垂直に垂下し、それに続く下端部分はより緩やかな傾斜で広がるラッパ状の形状をなす。このポスト電極4aの形状は、レジストマスク7の開口7aの形状の他、エッチングの異方性及びオーバーエッチング量により制御される。
【0054】
次いで、図6(c)を参照して、厚さ300μmのメタルマスク8を用いたスクリーン印刷により、ポスト電極4aの上端を被覆するはんだペースト9を形成する。なお、メタルマスク8は、直径40μmの開口8aが150μmピッチで開設されている。
【0055】
次いで、図6(d)を参照して、リフロー炉にて加熱してはんだペースト9を溶融し、ポスト電極4aの上面からほぼ10μm下までの先端部分を被覆する直径40μmの球状はんだ電極4bを形成する。以上の工程を経て、第1実施形態の変形例にかかるはんだバンプ4が形成された配線基板102が製造された。さらに、第1実施形態と同様に、球状はんだ電極4bの上面をプレスして平坦にし、その上に半導体素子20(図5参照)をフエイスダウンボンディングすることで、配線基板102を用いた電子機器が製造される。
【0056】
本第1実施形態の変形例に係る配線基板102では、球状はんだ電極4bがラッパ形状のポスト電極4aの細い先端部分を被覆するように形成されるので、第1実施形態と比べて、ポスト電極4aの高さに対する球状はんだ電極4bの直径を小さくすることができる。このため、はんだバンプ4のアスペクト比が高くても、隣接する球状はんだ電極4aないし隣接するはんだバンプ4間の短絡が回避される。
【0057】
本発明の第2実施形態は、本発明の第1実施形態のはんだバンプを形成するために用いられるポスト電極の転写用基板に関する。
【0058】
図7は、本発明の第2実施形態の転写用基板説明図であり、第1実施形態のポスト電極4aを基板1上に転写するための転写用基板の構造を表している。なお、図7(a)は転写用基板の断面を、図7(b)は転写用基板を用いてポスト電極を転写する工程を、図7(c)は転写により製造された配線基板のポスト電極4aを表している。
【0059】
図7(a)を参照して、本第2実施形態に係る転写用基板301は、シード層32が形成された支持基板31の下面(シード層32)に、メサ形状のポスト電極4aの上面(メサ上面)を密着させて保持する。
【0060】
支持基板31は、例えば厚さ0.5mm、幅2mm、長さ10mmのガラス基板からなり、表面に電気めっきの電極として機能する、Cr及びCuの2層からなるシード層32が形成されている。
【0061】
ポスト電極4aは、全体として上面が下面より小径のほぼ円錐台の形状を有する。かかる形状は、例えば電解Cuめっき層のからなる複数のめっき金属層33−1〜33−4の積層構造として構成することができる。もちろん、この形状に限らず、メサ状であればよい。
【0062】
かかるポスト電極4aは、その上面がシード層32に接合されて保持される。このようなポスト電極4aの保持は、シード層32とポスト電極4aとが強く密着する方法、例えばシード層32上への電解めっきによるポスト電極4aの形成方法により実現される。
【0063】
さらに、支持基板31下面のポスト電極4aは、支持基板31下面に、ポスト電極4aが転写されるべき基板1上の電極パッド2と同一ピッチで複数個保持される。支持基板31の下面に保持されたこれら複数のポスト電極4aの底面は、一平面内に揃うよう形成されている。
【0064】
次に、上記転写用基板301を用いて多層配線構造を有する基板1上の電極パッド2にポスト電極を形成する方法を説明する。なお、基板1は既述の第1実施形態で用いられた多層1と同様である。
【0065】
図7(b)を参照して、転写用基板301の支持基板31下面を超音波ボンディング装置の加熱されたヘッダー35に吸着し、ポスト電極4aの下面を下向きにして転写用基板301を多層配線構造を有する基板1上方に保持する。次いで、ポスト電極4aが基板1上面に形成されている電極パッド2上に位置するように支持基板31を位置決めし、ヘッダー35を降下してポスト電極4aを電極パッド2に押圧し、ポスト電極4a下面を電極パッド2上面に密接させる。次いで、ヘッダーに超音波を印加して、ポスト電極4aを電極パッド2にボンディングする。
【0066】
次いで、図7(c)を参照して、支持基板31をエッチング液に浸漬して、シード層32を支持基板1から剥離することで、ポスト電極4a上面から支持基板31を除去する。これにより、電極パッド2上にメサ状のポスト電極4aが形成される。
【0067】
上述したように、予め製造されている本第2実施形態の転写用基板301を用いることで、基板1上にボンディング工程と剥離工程を追加して容易にポスト電極4aを形成することができる。このため、メサ形状のポスト電極4aを有する配線基板の製造が容易になる。
【0068】
以下、本第2実施形態の転写用基板301の製造工程及び転写用基板301を用いた配線基板101の製造工程を説明する。
【0069】
図8は本発明の第2実施形態の転写用基板の製造工程断面図であり、転写用基板の製造工程における垂直断面を表している。
【0070】
図8(a)を参照して、まず、厚さ0.5mm、直径150mmのガラスウェーハからなる支持基板31上に、厚さ0.05μmのCr層32a及び厚さ0.6mmのCu層32bを順次スパッタにより積層し、Cr層32aとCu層32bの積層からなるシード層32を形成する。スパッタ条件は、Cr層32aの形成ではプラズマ励起電力1kW、スパッタ時間1分間、Cu層32bの形成ではプラズマ励起電力1kW、スパッタ時間30分間とした。
【0071】
次いで、図8(b)を参照して、支持基板31上に感光性樹脂36−1、例えばポリイミド系樹脂(東レ株式会社製の商品名フォトニース)をスピン塗布した。塗布は、回転速度500rpmで10秒間保持した後、回転速度1600rpmに10秒間保持することでなされた。その後、120℃、3分間のプリベークをした。
【0072】
次いで、直径40μmの開口パターンがピッチ150μmで列設された密着露光用の露光用マスク37を感光性樹脂36−1上に載置して、感光性樹脂36−1をドーズ量1050mJ/cm2 で露光し、2分間のアルカリ現像液により現像した。現像後、窒素雰囲気のベーク炉にて、140℃、30分間の熱処理とその後さらに350℃、60分間の熱処理とによるキュアを行った。その結果、上面の直径40μm、下面の直径20μmの下方に縮幅する円錐台形状の開口36−1aを有する、厚さ15μmのキュアされた感光性樹脂層36−1が形成された。
【0073】
次いで、図8(c)を参照して、シード層32を電極とする電解めっきにより、感光性樹脂層36−1の開口36−1aを埋め込むCuめっき層からなるめっき金属層33−1を形成した。この結果、感光性樹脂層36−1に埋め込まれた逆円錐台形状めっき金属層33−1が形成された。この電気めっきの条件は、硫酸2.24mol/l 、硫酸銅0.26mol/l 、及び添加剤19.5ml/l を含む水溶液をめっき液とし、温度が30±2℃、電流密度が1A/dm2 で、めっき時間45分間であった。
【0074】
次いで、図8(d)を参照して、感光性樹脂層36−1及びめっき金属層33−1上に、2層目の感光性樹脂層36−2をスピン塗布し、1層目の感光性樹脂層36−1の形成と同様に、露光用マスク37を用いて密着露光、現像、キュアした。この2層目の感光性樹脂層36−2の形成では、直径60μmの開口パターンがピッチ150μmで形成された露光用マスク37を用いた。この工程により、感光性樹脂層36−1及びめっき金属層33−1上に、1層目の金属層33−1と同心円の開口36−2aが開設された厚さ15μmの2層目の感光性樹脂層36−2が形成された。なお、開口36−2aの底面には1層目の金属層33−1の上面が表出している。
【0075】
次いで、図8(e)を参照して、シード層32を電極とする(即ち金属層33−1を電極とする)電解めっきにより 開口36−2aを埋め込むCuめっき層からなるめっき金属層33−2を形成する。このめっき金属層33−2は、上面の直径がほぼ60μmの逆円錐台形状を有し、1層目のめっき金属層33−1上にめっき金属層33−1と同心円に積層される。
【0076】
次いで、図8(f)を参照して、上述の第2層目の感光性樹脂層36−2及び第2層目のめっき金属層33−2と同様の方法を用いて、第2層目の感光性樹脂層36−2及び第2層目のめっき金属層33−2の上に、順次、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4及びめっき金属層33−3、33−4を形成した。
【0077】
第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4の露光には、直径がそれぞれ80μm及び100μmの開口パターンをビッチ150μmで配置した密着露光用マスク37を用いた。従って、第3層目の感光性樹脂層36−3には、上面の直径がほぼ80μmの逆円錐台形状の開口36−3aが、また、第4層目の感光性樹脂層36−4には、上面の直径がほぼ100μmの逆円錐台形状の開口36−4aが、第1層目及び第2層目の開口36−1a、36−2aと同心円に形成される。
【0078】
第3層目及び第4層目のめっき金属層33−3、33−4は、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4にそれぞれ開設された開口36−3a、36−4aを電解めっき金属で埋込むことにより形成される。従って、第1層目〜第2層目のめっき金属層33−1〜33−4は、それぞれ下層よりも大きな直径(上面の直径)を有する同心円の逆円錐台形状を有しており、全体とし下面(支持基板31に近い面)が細く、上面で太くなる逆円錐台形状を呈する。なお、第3層目及び第4層目の感光性樹脂層36−3、36−4及びめっき金属層33−3、33−4の成形は、露光用マスク37の開口パターンの直径が異なる他は、第2層目の感光性樹脂層36−2及びめっき金属層33−2の形成と同一条件でなされた。
【0079】
次いで、ガラスウエーハからなる支持基板31をダイシングして、厚さ0.5mm、幅2mm、長さ10mmのガラス基板からなるチップ状の支持基板31に分割した。
【0080】
次いで、図8(g)を参照して、感光性樹脂層36−1〜36−4及びめっき金属層33−1〜33−4が形成された支持基板31を、15〜25mol%エタノール及び20〜30mol%水酸化カリウムを含む液温25℃±5℃のエッチング液に浸漬して、ポリイミド系の感光性樹脂層36−1〜36−4を剥離した。その結果、支持基板31上にシード層32を介して、逆円錐台形状のポスト電極4aが150μmピッチで配置された転写用基板301が製造された。なお、上記工程で形成されたポスト電極4aは、それぞれ厚さがほぼ15μmの逆円錐台形状を有する4層のめっき金属層33−1〜33−4が積層され、全体として上面の直径が100μm、下面の直径が20μmの逆円錐台形状となる。なお、図8(g)の転写用基板301は、図7と上下を反転して描かれている。
【0081】
以下、上述した転写用基板301を用いて配線基板を製造する工程を説明する。
【0082】
図9は本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)、図10は本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)であり、製造途中の配線基板の断面を表している。
【0083】
図9(a)を参照して、まず、超音波ボンディング装置のヘッダー35の下面に支持基板1の裏面を吸着し、転写用基板301をポスト電極4aを下方に向けて支持する。次いで、ヘッダー35を移動して転写用基板301を多層配線構造の基板1上に位置決めした。
【0084】
基板1は、第1実施形態で用いられた基板1と同じであり、上面に厚さ5μm、直径100μmのCu電極パッド2が150μmピッチで配列され、その上に電極パッド2を表出する開口3aを有するソルダレジスト3が形成されている。転写用基板301は、ポスト電極4aと電極パッド4aの中心が一致するように位置決めされる。
【0085】
次いで、ヘッダー35を降下して、電極パッド4a上面にポスト電極4aが密着するように支持基板31を50〜100g/cm2 の圧力で押圧し、出力15〜30Wの超音波を50〜100秒間印加して、電極パッド4a上面にポスト電極4aを超音波溶接した。その結果、図9(b)を参照して、転写用基板301は、電極パッド2上に溶接されたポスト電極4aを介して基板1上に接合される。
【0086】
次いで、ペルオキソII硫酸アンモニウムと純水の1:20混液からなるエッチング液に、支持基板31を下方に向けて支持基板31の表面まで浸漬するように3分間保持して、シード層32を構成するCu層32bを除去した。これにより、支持基板31がポスト電極4a上面(図9の上方の面)から剥離された。その後、基板1を水洗し乾燥した。
【0087】
その結果、図9(c)を参照して、電極パッド2上に円錐台形のポスト電極4aが転写された。
【0088】
次いで、図10(a)を参照して、電極パッド2と同一ピッチで形成された直径50μmの開口8aを有する厚さ300μmのメタルマスク8を用いて、ポスト電極4a上に粘度10,000〜15,000cpsのはんだペースト9をスクリーン印刷した。
【0089】
次いで、図10(b)を参照して、窒素雰囲気中で260℃に加熱してはんだペースト9をリフローし、組成比Sn−3wt%Ag−0.5wt%のはんだからなる直径45μmの球状はんだ電極4bを形成した。これにより、高さ60μm、上面の直径20、下面の直径100μmのポスト電極4aと、そのポスト電極4aの上面及び上面からほぼ15μm下までの側面を被覆する直径45μmの球状はんだ電極4bとからなるはんだバンプ4が形成された。
【0090】
次いで、図10(c)を参照して、球状はんだ電極4bの上端を、150℃に加熱されたプレス平板10により0.1kPaの圧力で押圧し、球状はんだ電極4bを、複数の球状はんだ電極4bの上端が平面内に揃った上端が平坦な偏平はんだ電極4cに成形した。これにより、図10(d)を参照して、メサ状(例えば円錐台状)のポスト電極4aの先端に、上端が揃った偏平はんだ電極4cが形成されているはんだバンプ4を具備する配線基板101が製造された。
【0091】
本第2実施形態の転写用基板301は配線基板101の製造工程前に予め製造しておくことができる。そして、超音波ボンデング工程と支持基板31の剥離工程のみで、ポスト電極4aを電極パッド2上に転写して形成することができる。このため、電極パッド2上に直接ポスト電極4aを形成する第1実施形態に比べて、配線基板101の製造工程数が少なくかつ工程も簡単になる。
【0092】
上記の本明細書には、以下の付記に記載の発明が開示されている。
(付記1)基板と、
前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、
前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプと
を有する配線基板。
(付記2)前記ポスト電極は、前記電極パッドの法線を回転軸とし、側面を形成する母線が直線又は前記回転軸に対して凹の曲線からなる回転体形状を有することを特徴とする付記1に記載の配線基板
(付記3)前記ポスト電極は銅を含むことを特徴とする付記1又は2に記載の配線基板。
(付記4)複数の前記はんだ電極の上端面が一平面内に含まれるように、複数の前記はんだ電極の上端面が押しつぶされて平坦面に形成されていることを特徴とする付記1、2又は3に記載の配線基板。
(付記5)支持基板の下面に形成されたシード層と、
前記シード層に密着させ、本願底面を一平面内に揃えて支持された上面が底面より小なメサ状の導電体からなる複数のポスト電極と
を有するポスト電極の転写用基板。
(付記6)支持基板の主面上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に形成された第1の感光性樹脂層に、逆円錐台形の第1の開口を開設する工程と、
前記第1の開口を埋め込む第1のめっき金属層を形成する工程と、
前記第1の感光性樹脂層及び第1のめっき金属層上に形成された第2の感光性樹脂層に、前記第1の開口より大きな逆円錐台形の第2の開口を前記第1の開口と同心円に開設する工程と、
前記第1及び第2の感光性樹脂層をエッチングにより除去する工程とを有することを特徴とする付記5に記載のポスト電極の転写用基板の製造方法。
(付記7)付記5に記載の転写用基板を、前記基板上に設けられた前記電極パッド上面に前記ポスト電極を当接させて配置し、超音波溶接により前記電極バッド上面に前記ポスト電極を接合する工程と、
前記シード層をエッチング液に浸漬して前記支持基板から剥離する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
(付記8)上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプが形成された配線基板と、
前記配線基板上に前記はんだバンプを介して接続された半導体装置とを有することを特徴とする電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1実施形態の配線基板断面図
【図2】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)
【図3】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)
【図4】本発明の第1実施形態の配線基板の製造工程断面図(その3)
【図5】本発明の第1実施形態の電子機器の製造工程断面図
【図6】本発明の第1実施形態の変形例の配線基板の製造工程断面図
【図7】本発明の第2実施形態の転写用基板説明図
【図8】本発明の第2実施形態の転写用基板の製造工程断面図
【図9】本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その1)
【図10】本発明の第2実施形態の配線基板の製造工程断面図(その2)
【図11】従来の配線基板の製造工程断面図
【符号の説明】
【0094】
1 基板
2、23 電極パッド
3 ソルダーレジスト
3a、5a、7a、8a 開口
4、25、41 はんだバンプ
4a、41a ポスト電極
4b、41b 球状はんだ電極
4c、41c 偏平はんだ電極
5、7 レジストマスク
6 めっき金属
8 メタルマスク
9、42 はんだペースト
10 プレス平板
20 半導体素子
21 半導体基板
22 絶縁膜
24 はんだボール
31 支持基板
32 シード層
32a Cr層
32b Cu層
33−1〜33−4 めっき金属層
35 ヘッド
36−1〜36−4 感光性樹脂層
36−1a〜36−4a 開口
37 露光用マスク
100、101、102 配線基板
301 転写用基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、
前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプと
を備えた配線基板。
【請求項2】
前記ポスト電極は銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
複数の前記はんだ電極の上端面が一平面内に含まれるように、複数の前記はんだ電極の上端面が押しつぶされて平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
支持基板の下面に形成されたシード層と、
前記シード層に密着させ、本願底面を一平面内に揃えて支持された上面が底面より小なメサ状の導電体からなる複数のポスト電極と
を有することを特徴とするポスト電極の転写用基板。
【請求項5】
上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプが形成された配線基板と、
前記配線基板上に前記はんだバンプを介して接続された半導体装置とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、
前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプと
を備えた配線基板。
【請求項2】
前記ポスト電極は銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
複数の前記はんだ電極の上端面が一平面内に含まれるように、複数の前記はんだ電極の上端面が押しつぶされて平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
【請求項4】
支持基板の下面に形成されたシード層と、
前記シード層に密着させ、本願底面を一平面内に揃えて支持された上面が底面より小なメサ状の導電体からなる複数のポスト電極と
を有することを特徴とするポスト電極の転写用基板。
【請求項5】
上面が底面より小なメサ状の導電体からなるポスト電極と、前記ポスト電極の上端部分を被覆し、前記導電体より低融点のはんだからなるはんだ電極とを有するはんだバンプが形成された配線基板と、
前記配線基板上に前記はんだバンプを介して接続された半導体装置とを有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−3793(P2010−3793A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160061(P2008−160061)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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