説明

配線基板、電気光学装置、電子機器、および配線基板の製造方法

【課題】 簡易な方法で、配線基板上の所望の位置に、導電体や半導体として利用できる柱状構造体を整列させる。
【解決手段】 表面に下地絶縁膜102を形成したガラス基板101の表面に溝103を形成し、その上から溶剤に分散させたカーボンナノチューブを流して溝103内にカーボンナノチューブを配置させる。溝103内の溶剤を除去して、溝103内にカーボンナノチューブのみを残留させ、残留させたカーボンナノチューブに接触するようにソース/ドレイン領域104を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、電気光学装置、電子機器、および配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以下、CNTと記す。)は、炭素が六角形に並んだシートを円筒形に丸めたものであり、シート1枚から成るものを単層ナノチューブ、2枚以上からなるものを多層ナノチューブと呼ぶ。その直径は最小0.4nmから単層で約4nm、多層で数十nmに及ぶ。
【0003】
CNTは電流容量が大きく、熱伝導率が高くて放熱性がよく、また機械的強度も強いなどの性質を持つため細い線状の導電体として利用することができる。また単層のCNTは半導体としての特性も有するため、トランジスタ等への応用も研究されている。
また、CNT以外にも、半導体として用いることができる柱状構造体として、例えばシリコンナノワイヤがある。シリコンナノワイヤは、ケイ素分子が鎖状に並んだものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−118248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、CNTなどの柱状構造体を導電体や半導体として用いてトランジスタや配線を形成する場合、柱状構造体を基板上の所望の位置へ正確に配置するのは困難である。
【0006】
この問題を解決するために提案されている技術の1つとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に記載された技術は、基板上に所定の触媒パターンを形成すると共に、カーボンナノチューブの垂直成長を抑制する層を設けることにより、触媒パターンに沿ってカーボンナノチューブを水平成長させ、水平方向に位置と向きが揃ったカーボンナノチューブを得るというものである。
【0007】
本発明の目的は、できるだけ簡易な方法で、配線基板上の所望の位置に、導電体や半導体として利用できる柱状構造体を向きを揃えて配置させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の配線基板は、表面に溝を有する基板と、上記溝内に配置された柱状構造体と、上記柱状構造体に電気伝導可能に設けられた電極を備えたものである。
これにより、導電性を有する柱状構造体を簡易な方法で、配線基板上の所望の位置に向きを揃えて配置させることができる。
上記柱状構造体は、例えばシリコンナノチューブやシリコンナノワイヤなどである。
【0009】
また、上記柱状構造体が半導体の性質を有し、上記電極をソース・ドレイン電極とすれば、本発明による配線基板を半導体装置に適用することができる。
【0010】
本発明の配線基板は、電気光学装置や電子機器に適用することができる。ここで、電気光学装置とは、例えば、液晶素子、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する電気泳動素子、EL素子等を備えた装置であって、上記配線基板を駆動回路等に適用した装置などをいう。また、電子機器とは、本発明に係る配線基板を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備える。その構成に特に限定は無いが、例えばICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイ等が含まれる。
【0011】
本発明の配線基板の製造方法は、表面に溝を形成した基板上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布する工程と、前記溝内の前記分散媒を除去して、前記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、前記溝内に配置した前記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有する。
これにより、導電性を有する柱状構造体を簡易な方法で、配線基板上の所望の位置に向きを揃えて配置させることができる。
上記柱状構造体は、例えばシリコンナノチューブやシリコンナノワイヤなどである。
また、上記基板の溝内に上記柱状構造体を配置させる前に、上記基板上に上記電極を形成しておいてもよい。
【0012】
また、本発明による配線基板の製造方法は、表面に溝を形成した原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、上記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、上記原版と基板とを押圧して上記溝内の上記柱状構造体を上記基板に付着させる工程と、上記基板に付着させた上記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有するものであってもよい。
この方法によれば、上記基板上にあらかじめ溝を設けなくても、導電性を有する柱状構造体を簡易な方法で、配線基板上の所望の位置に向きを揃えて配置させることができる。
また、上記基板に上記柱状構造体を転写する前に、上記基板上に上記電極を形成しておいてもよい。
なお、上記基板の表面に熱硬化性樹脂膜を形成し、上記原版と上記基板を加熱しながら押圧し、その後冷却してから上記原版と上記基板を離すようにすれば、上記柱状構造体の位置を基板上に固定することができる。
あるいは、上記基板の表面に光硬化性樹脂膜を形成し、上記基板に上記原版を押圧しながら、原版越しに或いは透明基板であれば基板側から上記光硬化性樹脂膜に光を照射しても同様の効果が得られる。光硬化性樹脂膜は、光エネルギーを与えることにより液状から固体に硬化する合成有機材料であり、硬化作用を及ぼす光としては紫外線が一般的に用いられている。
【0013】
また、本発明による配線基板の製造方法は、表面に溝を形成した第1の原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、上記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、上記第1の原版と第2の原版とを押圧して上記溝内の上記柱状構造体を上記第2の原版に付着させる工程と、上記第2の原版から基板上に上記柱状構造体を転写する工程と、上記基板に転写した上記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有するものであってもよい。
また、上記基板に上記柱状構造体を転写する前に、上記基板上に上記電極を形成しておいてもよい。
なお、上記第2の原版の表面に熱硬化性樹脂膜を形成し、上記第1の原版と上記第2の原版を加熱しながら押圧し、その後冷却してから上記第1の原版と上記第2の原版を離すようにすれば、上記柱状構造体の位置を第2の原版上に固定することができる。あるいは、上記第2の原版表面に光硬化性樹脂膜を形成し、上記第2の原版に上記第1の原版を押圧しながら、上記光硬化性樹脂膜に光を照射しても同様の効果が得られる。
この方法によれば、上記基板上にあらかじめ溝を設ける必要がなく、さらに上記基板上に樹脂膜を設けて押圧する必要がないため、基板上の絶縁層を変形させて配線基板の信頼性を低下させることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1を用いて、本発明による配線基板1の製造工程を説明する。配線基板1は、トップゲート型のTFT(Thin Film Transistor)100を有している。
まず、図1(A)に示すように、ガラス基板(基板)101上に下地絶縁膜102を形成する。下地絶縁膜102は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を形成する。下地絶縁膜102は100〜500nmの厚さで形成する。
【0015】
次に、図1(B)に示すように、フォトエッチング法を用いて下地絶縁膜102に深さ10〜100nmの溝103を形成する。溝103の長さについては、後述するソース/ドレイン間の長さLに合わせて形成する。
【0016】
次に、図1(C)に示すように、下地絶縁膜102上に、ソース/ドレイン領域(電極)104を形成する。ソース/ドレイン領域104の端部は、溝103に接触するように形成する。ソース/ドレイン領域104は、例えばTi(チタン)等の金属微粒子から形成される厚さ0.1μm程度の導電膜とすることができる。
【0017】
次に、水系、有機系等の適当な分散媒に分散させたCNTを、ソース/ドレイン領域104を形成した下地絶縁膜102の上からスピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法等の塗布法を用いて塗布し、図1(D)に示すように溝103にCNTを配置する。CNTを配置後、溝103内の分散媒は除去し、CNTのみを残す。
図1(E)は、図1(D)に示す状態を上から見た図である。図に示すように、溝103内には、溝103の長さよりも短いCNTが方向を揃えて配置され、CNTの束105が形成される。
【0018】
単層CNTの筒の部分は、巻かれている状態によって金属になったり半導体になったりもする。半導体の場合は、単層CNTの筒の巻かれ方や太さ(直径)を制御することで半導体の性質を変えることができる。ここでは、半導体CNTを用いる。半導体CNTは吸着させる原子によってp型またはn型の半導体としての特性を持たせることができる。溝103に配置されたCNTの束105は、ソース/ドレイン間に配置される半導体層として機能する。
【0019】
次に、図1(F)に示すように溝103に配置したCNTの束105の上にゲート絶縁膜106を形成する。具体的には、例えばスパッタ法などでチタン酸化膜や、CVD法等を用いてシリコン酸化膜を形成する。さらに、ゲート絶縁膜106上にAlなどの金属を含む液体材料を塗布し、乾燥・焼成等することによりゲート電極107を形成する。
【0020】
次に、図1(G)に示すように、ゲート電極107から層間絶縁膜108をCVD法や塗布法を用いて形成し、コンタクトホールを開口した後、アルミニウム等をスパッタした後パターニングすることにより電極109を形成する。
以上の方法により、半導体の性質を有するCNTがソース/ドレイン領域104の位置に合わせて向きを揃えて配置された配線基板1が得られる。
【0021】
なお、図1(C)、(D)に示す工程は順序を入れ替えても良い。すなわち、下地絶縁膜102に形成された溝103にまずCNTを配置し、その後ソース/ドレイン領域104を形成するようにしてもよい。
【0022】
また、図1に示すトップゲート型のTFT以外にも、例えば図2(A)に示すようなボトムゲート型のTFT200を形成することもできる。
この場合には、まず、ガラス基板201上にスパッタ法等を用いて、例えばTa(タンタル)などの金属を含む液体材料を塗布した後、フォトエッチング法を用いてゲート電極207を形成する。
次にCVD法等を用いてゲート絶縁膜206を形成し、さらに、絶縁膜202を形成した後、絶縁膜202上にフォトエッチング法により溝203を形成する。
【0023】
次に、水系、有機系等の適当な分散媒に分散させたCNTを絶縁膜202の上からスピンコート法等を用いて塗布し、溝203にCNTを配置する。CNTを配置後、溝203内の分散媒は除去し、CNTのみを残す。
次に、絶縁膜202上にソース/ドレイン領域204を形成する。ソース/ドレイン領域204の端部は、溝203に配置されたCNTの束205に接触するように形成する。
【0024】
図2(B)は、配線基板を上から見た図である。図に示すように、溝203内には、溝203の長さよりも短いCNTが方向を揃えて配置される。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態2では、ナノインプリント技術を応用し、原版を用いて基板上にCNTを転写する。
【0026】
図3を用いて、本発明による配線基板3の製造工程を説明する。配線基板3は、トップゲート型のTFT300を有している。
まず、図3(A)に示すように、原版500上に深さ10〜100nmの溝501を形成し、水系、有機系等の適当な分散媒に分散させたCNTをスピンコート法等を用いて塗布し、溝501にCNTを配置する。溝501の長さについては、後述する配線基板上のソース/ドレイン間の長さLに合わせて形成する。
【0027】
また、表面に下地絶縁膜302を形成したガラス基板301の表面には、光硬化性樹脂膜310を形成する。
光硬化性樹脂膜310は、光エネルギーを与えることにより液状から固体に硬化する合成有機材料であり、硬化作用を及ぼす光としては紫外線が一般的に用いられている。
光硬化性樹脂膜310としては、例えば、アクリル系樹脂でラジカル重合タイプの無溶媒型光硬化性樹脂(東洋合成工業(株)のPAK−01等)を用いるこ
とができる。
【0028】
次に、図3(B)に示すように、配線基板3と原版500とを押圧しながら紫外線照射を行う。このとき、光硬化性樹脂膜310は押圧により変形し、原版500の溝501の形状に対応した凸部が形成され、その凸部の上にCNTが配置される。さらに、紫外線照射により光硬化性樹脂膜310は凸部を有したまま硬化する。
【0029】
次に、原版500を配線基板3から離すと、図3(C)に示すように、光硬化性樹脂膜310上のわずかな段差を有する凸部にCNTが転写される。
次に、図3(D)に示すように、CNTの両端に接するようにソース/ドレイン領域304を形成する。
以降、図1(F)、(G)に示す工程を経て、配線基板3上にトップゲート型のTFT300を形成することができる。
【0030】
また、光硬化性樹脂膜以外にも、例えば熱硬化性樹脂膜を配線基板3の表面に形成してナノインプリント法による転写を行うことができる。
熱硬化性樹脂は、加熱状態では流動性があり、室温では硬化するという性質を持つ。従って、まず加熱状態で原版500を配線基板3に押圧することにより熱硬化性樹脂の形状を原版500の凹凸形状に合わせて変形させる。さらにその状態で冷却することにより変形した形状を保ったまま熱硬化性樹脂を硬化させる。
その後、原版500と配線基板3を離すことにより、配線基板3上にCNTを転写することができる。
熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等がある。
【0031】
熱硬化性樹脂膜を用いた場合、原版500および配線基板3は加熱されるため、加熱による伸縮を考慮しなければならない。
一方、光硬化樹脂を用いる場合には、原版500または配線基板3は光(紫外線)を透過する材料で形成する必要がある。
従って、原版500および配線基板3を形成する材料、製造するデバイスの特性等に基づいて使用する樹脂の種類を選択することが望ましい。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3も、2つの原版を用いて2度の転写を行うことにより、基板上にCNTを転写する。
【0033】
図4を用いて、本発明による配線基板4の製造工程を説明する。配線基板4は、ボトムゲート型のTFTを有している。ボトムゲート型のTFTは、ガラス基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜、絶縁膜を形成した上で、ナノインプリントによるCNT転写を行う。図3に示す方法では、光硬化性樹脂膜がゲート絶縁膜上に形成され、その上にCNTが転写されるので、ゲート絶縁膜の厚さの変化などが起こり、望ましくないゲート絶縁膜が形成されてデバイスの信頼性が低下する。
【0034】
そこで、まず図4(A)に示すように、第1の原版510上に深さ10〜100nmの溝501を形成し、水系、有機系等の適当な分散媒に分散させたCNTをスピンコート法等を用いて塗布し、溝501にCNTを配置する。
また、第2の原版511の表面に、光硬化性樹脂膜310を形成する。
【0035】
次に、図4(B)に示すように、第1の原版510と第2の原版511とを押圧しながら紫外線照射を行う。このとき、光硬化性樹脂膜310は押圧により変形し、第1の原版510の溝501の形状に対応した凸部が形成され、その凸部の上にCNTが配置される。さらに、紫外線照射により光硬化性樹脂膜310は凸部を有したまま硬化する。
【0036】
次に、第1の原版510を第2の原版511から離すと、図4(C)に示すように、光硬化性樹脂膜310上のわずかな段差を有する凸部にCNTが転写される。
【0037】
次に、図4(D)に示すように、CNTの両端が配線基板4上に形成されたソース/ドレイン領域404に接触するように、第2の原版511から配線基板4にCNTの束を転写する。
第2の原版511を配線基板4から離すと、図4(E)に示すように、配線基板4上にCNTがソース/ドレイン領域404を繋ぐように配置される。
【0038】
なお、図4に示す2段階転写法は、トップゲート型のTFTにも適用することができる。
【0039】
電気光学装置
図5は、本発明による電気光学装置の例である有機EL装置10の回路図である。各画素領域に形成された画素回路は、電界発光効果により発光可能な発光層OELD、それを駆動するための制御回路を構成するTFT11〜14などを備えて構成される。一方、駆動回路領域に形成された各駆動回路15、16は、上記構成を有する複数のTFT(図示略)を備えて構成されている。駆動回路15からは、走査線Vsel及び発光制御線Vgpが対応する各画素回路に供給され、駆動回路16からは、データ線Idataおよび電源線Vddが対応する各画素回路に供給されている。走査線Vselとデータ線Idataとを制御することにより、対応する各発光部OELDによる発光が制御可能になっている。なお、上記駆動回路は、発光要素に電界発光素子を使用する場合の回路の一例であり、他の回路構成も可能である。
【0040】
電子機器
図6は、本発明による電子機器の例を示した図である。
図6(A)は、本発明の製造方法によって製造される携帯電話であり、当該携帯電話330は、電気光学装置(表示パネル)10、アンテナ部331、音声出力部332、音声入力部333及び操作部334を備えている。本発明は、例えば表示パネル10における画素回路及び駆動回路を構成する半導体装置の製造に適用される。
【0041】
図6(B)は、本発明の製造方法によって製造されるビデオカメラであり、当該ビデオカメラ340は、電気光学装置(表示パネル)10、受像部341、操作部342及び音声入力部343を備えている。本発明は、例えば表示パネル10における画素回路及び駆動回路を構成する半導体装置の製造に適用される。
【0042】
図6(C)は、本発明の製造方法によって製造される携帯型パーソナルコンピュータの例であり、当該コンピュータ350は、電気光学装置(表示パネル)10、カメラ部351及び操作部352を備えている。本発明は、例えば表示パネル10を構成する半導体装置の製造に適用される。
【0043】
図6(D)は、本発明の製造方法によって製造されるヘッドマウントディスプレイの例であり、当該ヘッドマウントディスプレイ360は、電気光学装置(表示パネル)10、バンド部361及び光学系収納部362を備えている。本発明は、例えば表示パネル10を構成する半導体装置の製造に適用される。
【0044】
上記例に限らず本発明は、あらゆる電子デバイスの製造等に適用可能である。例えば、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ、ICカードなどにも適用することができる。なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々に変形、変更実施が可能である。また、上述した実施形態では、回路素子の一例としてTFT(薄膜トランジスタ)を例示したが、他の回路素子に適用しても良いのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1(A)〜(G)は、本発明による配線基板の製造方法を説明する図である。
【図2】図2(A)、(B)は、本発明による配線基板の他の例を示す図である。
【図3】図3(A)〜(D)は、本発明による配線基板の製造方法の他の例を説明する図である。
【図4】図4(A)〜(E)は、本発明による配線基板の製造方法の他の例を説明する図である。
【図5】本発明による電気光学装置の例である有機EL装置の回路図である。
【図6】本発明による電子機器の例を示した図である。
【符号の説明】
【0046】
1,2,3,4 配線基板、100,200,300 TFT、101,201,301 ガラス基板、102,202,302 下地絶縁膜、103,203,501 溝、104,204,304,404 ソース/ドレイン領域、105,205 CNTの束、106,206 ゲート絶縁膜、107,207 ゲート電極、108 層間絶縁膜、109 電極、310 光硬化性樹脂膜、500 原版、510 第1の原版、511 第2の原版


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に溝を有する基板と、
前記溝内に配置された柱状構造体と、
前記柱状構造体に電気伝導可能に設けられた電極を備えた配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板において、
前記柱状構造体は半導体の性質を有し、
前記電極は、ソース・ドレイン電極であることを特徴とする配線基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配線基板を含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電気光学装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
表面に溝を形成した基板上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布する工程と、
前記溝内の前記分散媒を除去して、前記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、
前記溝内に配置した前記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項6】
表面に溝を形成した基板上に、電極を形成する工程と、
前記溝内に柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布する工程と、
前記溝内の前記分散媒を除去して、前記溝内に前記柱状構造体を前記電極に接触するように配置する工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項7】
表面に溝を形成した原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、前記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、
前記原版と基板とを押圧して前記溝内の前記柱状構造体を前記基板に付着させる工程と、
前記基板に付着させた前記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項8】
表面に溝を形成した原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、前記溝内に前記1柱状構造体を配置する工程と、
前記原版と、電極を有する基板とを押圧して前記溝内の前記柱状構造体を前記電極に接触するように前記基板に付着させる工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の配線基板の製造方法において、
前記基板の表面に熱硬化性樹脂膜が形成されており、
前記原版と前記基板を加熱しながら押圧し、その後冷却してから前記原版と前記基板を離すことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項10】
請求項7または請求項8に記載の配線基板の製造方法において、
前記基板の表面に光硬化性樹脂膜が形成されており、
前記原版と前記基板を、光を照射しながら押圧することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項11】
表面に溝を形成した第1の原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、前記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、
前記第1の原版と第2の原版とを押圧して前記溝内の前記柱状構造体を前記第2の原版に付着させる工程と、
前記第2の原版から基板上に前記柱状構造体を転写する工程と、
前記基板に転写した前記柱状構造体に接触するように電極を形成する工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項12】
表面に溝を形成した第1の原版上に、柱状構造体を分散媒に分散した分散液を塗布し、前記溝内に前記柱状構造体を配置する工程と、
前記第1の原版と第2の原版とを押圧して前記溝内の前記柱状構造体を前記第2の原版に付着させる工程と、
前記第2の原版から、電極を有する基板上に前記柱状構造体と前記電極が接触するように前記柱状構造体を転写する工程を有する配線基板の製造方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の配線基板の製造方法において、
前記第2の原版の表面に熱硬化性樹脂膜が形成されており、
前記第1の原版と前記第2の原版を加熱しながら押圧し、その後冷却してから前記第1の原版と前記第2の原版を離すことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項14】
請求項11または請求項12に記載の配線基板の製造方法において、
前記第2の原版の表面に光硬化性樹脂膜が形成されており、
前記第1の原版と前記第2の原版を、光を照射しながら押圧することを特徴とする配線基板の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−73706(P2007−73706A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258316(P2005−258316)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】