説明

金属−シリコン−含有膜のパルス化学蒸着方法

基板上に金属−シリコン−含有膜をパルス化学蒸着により形成するための方法が提供される。本方法は、前記基板をプロセスチャンバ内に準備し、前記基板を金属−シリコン−含有膜を、金属含有ガス及びシリコン含有ガスの前記基板上での熱分解による化学蒸着に適する温度に維持し、前記基板を前記金属含有ガスの連続フローに暴露し、及び前記連続フローの間に前記基板を前記シリコン含有ガスの順次的パルスに暴露する、方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置プロセスに関し、特に基板上に堆積される金属−シリコン−含有膜のシリコン含有量及びシリコンデプスプロファイルの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、マイクロ電子装置の最小構造サイズは、より高速でより低電力のマイクロプロセッサ及びデジタル回路に対する要求に合わせるために、サブミクロン領域に大きく近づいている。プロセス開発及び集積についての課題は、SiOゲート誘電体をSiO(k〜3.9)よりも大きい誘電率を持つ高誘電(high−k)絶縁材料と迅速に交換して、前記代替のゲート電極材料の使用をドープSiサブ−0.1μmの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術と交換する、という新たなゲートスタック材料及びシリサイドプロセスにとっての鍵となる挑戦事である。
【0003】
CMOS装置のサイズを小さくすることは、ゲート絶縁材料へのサイズ上の束縛を強いるものである。標準のSiOゲート酸化物の厚さは、トンネル電流がトランジスタ性能に無視できない影響を与える限界(〜1nm)へ近づいている。装置の信頼性を高め、ゲート電極とトランジスタチャンネル間の漏れ電流を低減するために、半導体トランジスタ技術はhigh−kゲート絶縁材料の使用を必要とする。これにより約1.5nmよりも小さい厚さの等価ゲート酸化物厚さ(EOT)を維持しつつ、物理的ゲート酸化物層の増加厚さを可能とする。
【0004】
金属−シリコン−含有膜は、例えば化学蒸着(CVD)又は原子層堆積(ALD)により堆積され得る。シリコンを金属含有膜へ添加することは、一般的にこの膜の誘電率(k)を低減することから、従って多くの応用はこの膜内のシリコンの量を制限することを望む。ゲート絶縁膜応用のために提案された多くの先進的な金属−シリコン−含有膜は、非常に薄く、例えば約1nm及び約10nmの間であり得る。これらの非常に薄い膜を半導体製造環境中で堆積させる場合には、膜堆積速度は、好ましい膜厚制御と再現性を可能とするために十分遅くする必要がある。
【0005】
しかしながら、例えば20%未満の低シリコン含有量を持つ金属−シリコン−含有膜を堆積することには問題があった。従って、低シリコン−含有量の金属−シリコン含有膜を、前記膜のシリコン含有量とシリコンデプスプロファイスを好ましく維持しつつ形成するための新規な方法が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のいくつかの実施態様により、先進的な金属−シリコン−含有膜、例えば薄金属シリケートhigh−k膜であってコンデンサー誘電体又はゲート絶縁体として使用されるhigh−k絶縁材料の現在及び将来の世代で使用され得る金属−シリコン−含有膜のシリコン含有量及びシリコンデプスプロファイスを制御することに伴う問題を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施態様によれば、基板上に金属−シリコン−含有膜をパルス化学蒸着プロセスで形成するための方法が提供される。前記方法は、前記基板をプロセスチャンバ内に準備し、前記基板を、金属−シリコン−含有膜を金属含有ガス及びシリコン含有ガスの前記基板上での熱分解による化学蒸着に適する温度に維持し、前記基板を前記金属含有ガスの連続フローに暴露し、及び前記連続フローの間に前記基板を前記シリコン含有ガスの順次的パルスに暴露する、方法である。
【0008】
本発明のいくつかの実施態様によれば、前記金属−シリコン−含有膜は、シリコン含有量が20Si%未満、10Si%未満又は5Si%未満であるハフニウムシリケート膜などの金属シリケート膜であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜を形成するためのパルス堆積プロセスの、1つの模式的ガスフローダイヤグラムである。
【図2】図2は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜を形成するためのパルス堆積プロセスの、1つの模式的ガスフローダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜を形成するためのパルス堆積プロセスの間のシリコン含有ガスのパルスガスフローを模式的に示す。
【図4】図4は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜を形成するためのパルス堆積プロセスの間のシリコン含有ガスのパルスガスフローを模式的に示す。
【図5】図5は、基板上に金属−シリコン−含有膜を形成する方法の1つの実施態様のプロセスガスフローダイヤグラムを示す。
【図6A】図6Aは、本発明の1つの実施態様による金属−シリコン−含有膜を含む膜構造形成の模式的断面図を示す。
【図6B】図6Bは、本発明の1つの実施態様による金属−シリコン−含有膜を含む膜構造形成の模式的断面図を示す。
【図7A】図7Aは、本発明の1つの実施態様による金属−シリコン−含有膜を含む膜構造形成の模式的断面図を示す。
【図7B】図7Bは、本発明の1つの実施態様による金属−シリコン−含有膜を含む膜構造形成の模式的断面図を示す。
【図7C】図7Cは、本発明の1つの実施態様による金属−シリコン−含有膜を含む膜構造形成の模式的断面図を示す。
【図8A】図8Aは、本発明の実施態様による基板上の金属−シリコン−含有膜堆積のためのパルスCVDシステムの単純化されたブロックダイヤグラムを示す。
【図8B】図8Bは、本発明の実施態様による基板上の金属−シリコン−含有膜堆積のためのパルスCVDシステムの単純化されたブロックダイヤグラムを示す。
【図9A】図9Aは、Hf(Ot−Bu)の関数として、CVDでのシリコン含有量と、本発明の実施態様によるパルスCVDでのハフニウムシリケート膜中でのシリコン含有量を示す。
【図9B】図9Bは、屈折率の関数として、CVDでのシリコン含有量と、本発明の実施態様によるパルスCVDでのハフニウムシリケート膜中でのシリコン含有量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施態様は、パルス化学蒸着プロセスによる基板上への金属−シリコン−含有膜の堆積方法を提供する。前記金属−シリコン−含有膜は、周期律表の第II族、第III族元素(例えばハフニウム及びジルコニウム)、又は希土類元素又はそれらの組み合わせ元素の、金属−シリコン−含有酸化物、窒化物及び酸窒化物が含まれ得る。前記金属−シリコン−含有膜は、先進的半導体装置に使用され、約1nm及び約10nmの間、又は約1nmと約5nmの間の厚さを持ち得る。いくつかの例では、金属−シリコン−含有high−kゲート絶縁膜は、約1nm及び約3nm、例えば約2nmの厚さを持ち得る。
【0011】
従来のCVDプロセスの際には、金属−シリコン−含有膜のシリコン含有量及びシリコンデプスプロファイルは、金属含有ガスのガス流速、シリコン含有ガスのガス流速又はその両方で制御されていた。低シリコン含有量の金属−シリコン−含有膜を堆積するために、前記膜堆積ピロセスの際に、前記金属含有ガスの連続フローを増加し及び/又はシリコン含有ガスの連続フローを減少することができる。しかし金属含有ガスの連続フローを増加することは、物質移動律速で操作されているCVDプロセスにおいて膜堆積の速度を増加させる結果となり、それにより堆積時間を減少させ、ある例では数秒にまで下がり、膜厚さの制御が不十分となる。さらに、例えばシリコン含有量が20Si%未満又は10Si%未満である金属−シリコン含有膜を得るための従来のCVDプロセスの際に、シリコン含有ガスの非常に低いガスフロー速度に伴う数々の問題がある。シリコン含有ガスの非常に低いガスフロー速度を用いることは、利用可能な制御装置に制限され、前記堆積チャンバ内へシリコン含有ガスの不十分な分配を生じ、不均一な膜堆積を生じる恐れがある。
【0012】
本発明者は次の点を見出した。金属−シリコン含有膜のパルス化学蒸着の際にシリコン含有ガスをパルスさせる間、金属含有ガスの連続フローを維持することが、先進的な応用のために、低シリコン含有を達成し、及びこれらの膜のシリコンデプスプロファイルを適合させるための信頼性の高い方法である、ということである。
【0013】
当業者であれば、種々の実施態様を、1以上の具体的な詳細がなくても、又は他の置換及び/又は追加の方法、材料又は部品を用いて実施することができるであろう。他の例では、よく知られる構造、材料又は操作については、ここでは、本方法の種々の実施態様の側面を不明瞭にすることを避けるために詳細には示されず、説明もされない。同様に、説明目的のために、具体的数、材料及び構成は本発明の完全な理解を提供するために与えられる。さらに理解されるべきは、図で示される種々の実施態様は、説明的に例示されるものであり寸法通りであることは必ずしも必要ではない。
【0014】
本明細書を通じて、「1つの実施態様」とは、その実施態様に伴う特定の構成、構造、材料又は特徴が少なくとも本発明の1つの実施態様に含まれることを意味するものであり、それらが全ての実施態様に存在するということを意味するものではない。従って、「1つの実施態様で」なる用語が本明細書を通じて種々の箇所で現れるが、本発明の同じ実施態様を意味することは必ずしも必要ではない。
【0015】
本発明の実施態様はパルスCVDプロセスを用いて、金属−シリコン含有膜のシリコン含有量及びシリコンデプスプロファイルを制御する。金属含有ガス、及び場合により酸化性ガスの連続フローの間にシリコン含有ガスを段階的にパルスすることは、従来のCVDプロセスを用いて達成され得るよりも調節可能な低シリコン含有を持つ金属−シリコン含有膜の堆積を可能とする。本発明の実施態様によると、前記基板は、金属含有ガス及びシリコン含有ガスを用いるCVDプロセスを可能とする温度で維持される。従って、前記基板は、金属含有ガス、シリコン含有ガス又はその両方を用いる場合にALDプロセスで使用され得るよりも高い温度で維持される。パルスCVDプロセスは、ALDに比較していくつかの利点があり、これには高温度による優れた膜品質及び高堆積速度によるより高いスループットである。
【0016】
ハフニウム(Hf)及びジルコニウム(Zr)化合物は、集積回路応用のためのhigh−k材料、例えばMOSトランジスタのゲート絶縁体として大きく注目されている。これらの元素の酸化物(HfO、ZrO)は高誘電率(k〜25)を持ち、集積回路を製造するために使用される従来の温度で基板と接触して安定であるシリケート相(HfSiO、ZrSiO)を形成することができる。ハフニウムシリケートhigh−k膜(例えば、誘電率(k)及び反射率(n))は、膜堆積条件及び全ての後処理条件を含む、使用されるプロセス条件に加えて前記膜のシリコン含有量に依存する。例えば、HfSiO膜のシリコン含有の増加は、前記膜の反射率を低減させる。
【0017】
さらに、HfO及びZrO膜に少量のSi(例えば約20Si%未満)でドープしてHfSiO及びZrSiO膜を形成することで、室温で存在する単斜相よりもエネルギー的に好ましい正方相となる。前記正方相の安定化は誘電率kを大きく増加させる。例えば12.5Si%のSiドーピングで、HfOについて約17からHfSiOについて約34、及びZrOについて約20からZrSiOについて42である。HfSiO及びZrSiO膜について増加したk値は、一方で対応するHfO及びZrO膜と同じ等価酸化物厚さ(EOT)を得つつ、これらの膜の物理的厚さを増加させることを可能とし、漏れ電流を大きく低減させる。
【0018】
以下の記載において、ハフニウムシリケート(HfSiO)膜の堆積が記載されるが、当業者であれば容易に次の点理解される。即ち、本発明の実施態様の教示は、周期律表の第II族元素、第III族元素及び希土類元素及びそれらの組み合わせの酸化物、窒化物及び酸窒化物を含む種々の異なる金属−シリコン−含有膜を堆積するために適用され得る、ということである。
【0019】
図1は、本発明の実施態様により金属−シリコン−含有膜を形成するためにパルス堆積プロセスのための、模式的なガスフローダイヤグラムである。前記ガスフローダイヤグラムは模式的に、金属含有ガスフロー110及びパルスシリコン含有ガスフロー150を示す。このガスフローダイヤグラムは、酸化剤ガスフロー100をさらに示すが、本発明のいくつかの実施態様では省略されている。酸化剤ガスフロー100は酸素含有ガス、窒素含有ガス又は酸素及び窒素含有ガスを含む。1例では、ハフニウムシリケート膜は基板上に、Hf(Ot−Bu)(ハフニウムtert−ブトキシド、HTB)ガスを含む金属含有ガスフロー110、Si(OCHCH(テトラエトキシシラン、TEOSを含むシリコン含有ガスフロー150及びOを含む酸化剤ガスフロー100を用いて堆積される。図1のガスフローダイヤグラムはプレフロー151及び時間Tから時間Tへのプレフロー期間152を含み、前記ガスフローはプロセスチャンバでの基板へ暴露される前に安定化される。前記プレフロー期間152の間に、前記ガスフロー110及び150はプロセスチャンバをバイパスし、基板には暴露されない。しかし、酸化剤ガスフロー100は前記プレフロー期間152の間で前記プロセスチャンバを通過して流され得る。
【0020】
プレフロー期間152に続いて、時間Tで開始され、基板はガスフロー100、110及び150にプロセスチャンバ内で暴露され前記基板上に金属−シリコン−含有膜を堆積する。基板を金属含有ガス、酸化剤ガス及びシリコン含有ガスの暴露は時間Tで開始され、時間TからTへ前記基板は連続的に金属−含有ガスフロー110及び酸化剤ガスフロー100、及びシリコン含有ガスフロー150のガスパルス151a〜151eに暴露される。図1に示される実施態様によれば、ガスパルス151a〜151eについてパルス長さ152a〜152eはそれぞれ等しいか実質的に等しい。パルス長さ152a〜152eの例示は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、又は約5秒から約10秒の範囲であり得る。
【0021】
さらに、図1に示される実施態様によると、ガスパルス151a及び151b間のパルス遅延151ab、ガスパルス151b及び151c間のパルス遅延151bc、ガスパルス151d及び151e間のパルス遅延151deは、同じか又は実質的に同じであり得る。パルス遅延151ab〜151deの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒又は約5秒から約10秒の範囲である。図6Aを参照して、本発明の1つの実施態様によると、等しいか実質的に等しいパルス長さ152a〜152e及び等しいか実質的に等しいパルス遅延151ab〜151deを用いて、金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)であって、前記金属−シリコン−含有膜602の外部表面603から前記金属含有膜602及び基板600の間の境界605へライン「A」に沿って実質的に均一なシリコン含有量を持つ金属−シリコン−含有膜を堆積することが可能である。
【0022】
図1はさらに、基板がシリコン含有ガスに暴露されていないが、基板が金属含有ガスフロー110及び酸化剤ガスフロー100に暴露される、時間T及びTの時間間隔が示される。時間間隔104の長さは、シリコンを含まない金属含有キャップ層604(例えばHfO)を金属−シリコン−含有膜602の上に望ましい厚さを持つように堆積させるように調節されることができる。いくつかの実施態様で、前記金属含有キャップ層604は、約0.5nm及び約10nm、又は約1nm及び約5nmの間の厚さを持ち得る。他の例では、TはTと同じであってよく、前記金属含有キャップ層604は従って省略されている。
【0023】
図1には5つのシリコン含有パルス151a〜1151eが示されているが、本発明の実施態様はシリコン含有ガスパルスの全ての数の使用を含み、例えば1と100パルス、1と50パルス、1と20パルス又は1と10パルスの間である。
【0024】
いくつかの実施態様によると前記シリコン含有ガスは分子状シリコン−酸素−含有ガスを含むことができ、前記ガス分子はシリコン及び酸素を共に含む。分子状シリコン−酸素−含有ガスの例には、Si(OR)類が含まれ、ここでRはメチル又はエチル基である。いくつかの実施態様によると、前記酸化剤ガスフロー100は、分子状シリコン−酸素−含有ガスが使用される場合には省略され得る。さらに、前記酸化剤ガスフロー100は、金属含有ガスが酸素を含む場合には省略され得る。他の例では、前記酸化剤ガスフロー100は、前記金属含有ガスが酸素を含み及び分子状シリコン−酸素−含有ガスが使用される場合には、省略され得る。
【0025】
図2は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜を形成するためのパルス堆積プロセスの模式的ガスフローダイヤグラムである。図2のガスフローダイヤグラムは図1のガスフローダイヤグラムと同じであり、金属−含有ガスフロー210及びシリコン含有ガスフロー250を模式的に示す。前記ガスフローダイヤグラムはさらに、場合による酸化剤ガスフロー200を示し、本発明のいくつかの実施態様では省略され得る。図2のガスフローダイヤグラムは、プレフロー251及び時間TからTへのプレフロー期間252を含み、前記ガスフロー210及び250はプロセスチャンバ内の基板に暴露される前に安定化される。しかし酸化剤ガスフロー200は、前記プレフロー期間252の間前記プロセスチャンバを通じて流され得る。
【0026】
プレフロー期間252に続いて、時間Tで、パルス遅延251paの間に基板が連続的にガスフロー110及び100に暴露開始されるが、基板はシリコン含有ガスには暴露されていない。パルス遅延251paの間に、望ましい厚さを持つ金属含有境界層702(例えばHfO)が基板700上に堆積され、前記金属含有境界層702はシリコンを含まない。これは図7Aに模式的に示される。いくつかの実施態様で、金属含有境界層702は、約0.5nm及び約10nm、又は約1nm及び約5nmの厚さを持ち得る。
【0027】
パルス遅延251pa後、基板は連続的に金属含有ガスフロー210、酸化剤ガスフロー100及びシリコン含有ガスフロー250のガスパルス251a〜251dに暴露され、前記金属含有境界層702上に金属−シリコン−含有膜704(例えばHfSiO)を堆積する。図2に示される実施態様によれば、ガスパルス251a〜251eのパルス長さ252a〜252dはそれぞれ等しいか、又は実質的に等しくあってよい。パルス長さ252a〜252dの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒又は約5秒から約10秒の範囲である。さらに、図2に示される実施態様によれば、パルス遅延215pa、ガスパルス251aと251bの間のパルス遅延251ab、ガスパルス251bと251cの間のパルス遅延251bc及びガスパルス251cと251dの間のパルス遅延251cdは、等しいか、又は実質的に等しくてよい。パルス遅延251pa、251ab〜251cdの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、又は約5秒から約10秒の範囲である。図2に示される実施態様によれば、等しいか、又は実質的に等しいパルス長さ252a〜252d及びパルス遅延251pa及び251ab〜251cdが使用され得る。
【0028】
図7Bを又参照して、本発明の1つの実施態様によると、等しいか又は実質的に等しいパルス長さ252a〜252d及び、等しいか又は実質的に等しいパルス遅延251pa及び251ab〜251cdが、前記金属−シリコン−含有膜704の外部表面703から前記金属−シリコン−含有膜704と前記金属−含有境界層702の間の境界705へのライン「B」に沿って実質的に均一なシリコン含有量を持つ金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために、使用され得る。
【0029】
図2はさらに、置換T及びT間の時間間隔204を示し、前記基板は前記シリコン含有ガスには暴露されてなく、しかし前記基板は金属含有ガスフロー210及び酸化剤ガスフロー200に暴露されている。時間間隔204の長さは、前記金属−シリコン−含有膜704上に望ましい厚さのシリコンを含まない金属含有キャップ層706(例えばHfO)を堆積させるために調節され得る。これは図7Cに模式的に示される。いくつかの例では、前記金属含有キャップ層706は、約0.5nmと約10nm、又は約1nmと約5nmの間の厚さを持ち得る。一例では、TはTと同じでよく、金属含有キャップ層706の堆積は省略され得る。
【0030】
図1では4つのガスパルス251a〜251dが示されているが、本発明の実施態様は、あらゆる数のシリコン含有ガスパルスの数を含み、例えば1及び100パルス、1及び50パルス、1及び20パルス又は1及び10パルスの間の数が含まれる。
【0031】
図3は、本発明の実施態様による金属−シリコン−含有膜の形成のためのパルス堆積プロセスの間のシリコン含有ガスについてのガスフロー350〜380を模式的に示す。シリコン含有ガスフロー350は、時間Tから時間Tへのプレフロー期間351を含み、ここで前記ガスフローはプロセスチャンバ内の基盤へ暴露する前に安定化される。
【0032】
図3を参照して、時間TからTへ金属−シリコン−含有膜堆積の間、前記基板は連続的に、金属含有ガスフロー(図示されていない)、酸化剤ガス(図示されていない)及びシリコン含有ガスフローのパルス351a〜351dに暴露される。図3の実施態様によると、パルス長さ352a〜352dは、ガスパルス351a〜351dについて単調に増加している。パルス長さ352a〜352dの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。さらに、ガスパルス351a及び351bの間のパルス遅延351ab、ガスパルス351b及び351cの間のパルス遅延351bc、ガスパルス351c及び351dの間のパルス遅延351cdは同じ、又は実質的に同じであってよい。しかし等しいパルス遅延は本発明の実施態様では要求されず、異なるパルス遅延も使用可能である。パルス遅延351ab〜351cdの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。図6を参照して、単調に増加するパルス長さ352a〜352dの使用は、前記金属−シリコン−含有膜602の外部表面603から、前記金属−シリコン−含有膜602と前記基板600の間の境界605へのライン「A」に沿ってシリコン含有量が増加する金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0033】
図3に示される他の実施態様によると、シリコン含有ガスフロー360は、時間Tから時間Tへのプレフロー期間361を有し、前記ガスフローはプロセスチャンバ内で基板へ暴露される前に安定化される。時間TからTへ金属−シリコン−含有膜堆積の間、前記基板は連続的に金属含有ガスフロー(図示されていない)、酸化剤ガスフロー(図示されていない)及びシリコン含有ガスフローのガスパルス361a〜361dに暴露される。図3に示される実施態様によると、パルス長さ352a〜352dは、ガスパルス361a〜361dについて単調に減少している。
【0034】
パルス長さ362a〜362dの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。さらに、図3で示される実施態様によると、ガスパルス361a及び361bの間のパルス遅延361ab、ガスパルス361b及び361cの間のパルス遅延361bc、ガスパルス361c及び361dの間のパルス遅延361cdは同じ、又は実質的に同じであってよい。しかし等しいパルス遅延は本発明の実施態様では要求されず、異なるパルス遅延も使用可能である。パルス遅延361ab〜361cdの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。単調に減少するパルス長さ362a〜362dの使用は、前記金属−シリコン−含有膜602の外部表面603から、前記金属−シリコン−含有膜602と前記基板600の間の境界605へのライン「A」に沿ってシリコン含有量が減少する金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0035】
図3に示される他の実施態様によると、シリコン含有ガスフロー370は、時間Tから時間Tへのプレフロー期間371を有し、前記ガスフローはプロセスチャンバ内で基板へ暴露される前に安定化される。時間TからTへ金属−シリコン−含有膜堆積の間、前記基板は連続的に金属含有ガスフロー(図示されていない)、酸化剤ガスフロー(図示されていない)及びシリコン含有ガスフロー370のガスパルス371a〜371dに暴露される。図3に示される実施態様によると、パルス長さ372a〜372dは、372a<372b<372c>372dのように変更されている。パルス長さ372a〜372dの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。さらに、図3で示される実施態様によると、ガスパルス371a及び371bの間のパルス遅延371ab、ガスパルス371b及び371cの間のパルス遅延371bc、ガスパルス371c及び371dの間のパルス遅延371cdは同じ、又は実質的に同じであってよい。しかし等しいパルス遅延は本発明の実施態様では要求されず、異なるパルス遅延も使用可能である。パルス遅延371ab〜371cdの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。
【0036】
比較的長いパルス長さ372c、及び短いパルス長さ372a、372b及び372dの使用は、前記外部表面603近くと前記金属−シリコン−含有膜602と前記基板600の間の境界605近くに低シリコン含有量を持ち、さらに前記金属−シリコン−含有膜602の中間付近のライン「A」に沿ってより高いシリコン含有量を持つ、金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0037】
図3に示される他の実施態様によると、シリコン含有ガスフロー380は、時間Tから時間Tへのプレフロー期間381を有し、前記ガスフローはプロセスチャンバ内で基板へ暴露される前に安定化される。時間TからTへ金属−シリコン−含有膜堆積の間、前記基板は連続的に金属含有ガスフロー(図示されていない)、酸化剤ガスフロー(図示されていない)及びシリコン含有ガスフロー380のガスパルス381a〜381dに暴露される。図3に示される実施態様によると、パルス長さ382a〜382dは、382a>372b〜372c<372dのように変更されている。パルス長さ382a〜382dの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。さらに、図3で示される実施態様によると、ガスパルス381a及び381bの間のパルス遅延381ab、ガスパルス381b及び381cの間のパルス遅延381bc、ガスパルス381c及び381dの間のパルス遅延381cdは同じ、又は実質的に同じであってよい。しかし等しいパルス遅延は本発明の実施態様では要求されず、異なるパルス遅延も使用可能である。パルス遅延381ab〜381cdの例は、約1秒から約20秒、約2秒から約10秒、約5秒から約10秒の範囲であり得る。
【0038】
比較的長いパルス長さ382cと382d、及び短いパルス長さ382bと382cの使用は、前記外部表面603近くと前記金属−シリコン−含有膜602と前記基板600の間の境界605近くにより高いシリコン含有量を持ち、さらに前記金属−シリコン−含有膜602の中間付近のライン「A」に沿ってより低いシリコン含有量を持つ、金属−シリコン−含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0039】
当業者は容易に理解するように、シリコン含有ガスフロー350〜380はさらに変更されて、プレフロー及びシリコン含有ガスの第1のパルスの間のパルス遅延を含み、図2及び7で示され上で説明された金属−酸素含有層を堆積する前に前記基板上に金属含有境界層を堆積することができる。さらに、金属含有酸化物キャップ層がTとTの間の金属−シリコン含有膜上に堆積されることができ、ここで図1、2及び7で示されるように、前記基板は前記シリコン含有ガスには暴露されず、前記基板は金属含有ガス及び酸化剤ガスフローに暴露される。
【0040】
図4は、本発明の実施態様による金属−シリコン含有膜の形成のためのパルス堆積プロセスの間のシリコン含有ガスのガスフロー450〜490を模式的に示す。図1からシリコン含有ガスフロー150が図4でシリコン含有ガスフルー450として再現されている。簡単にするために、シリコン含有ガスパルス及びプレフロー期間のみが図4には示される。シリコン含有ガスフロー460〜480はシリコン含有ガスフロー450と類似するが、いくつかのパルス強度が異なる。即ちシリコン含有ガスフローのガスフロー速度が1以上のシリコン含有ガスパルスにおいて異なることができる。シリコン含有ガスフロー460は、ガスパルス461a〜461eを含み、これらは、パルス461aから461eへ単調に増加し、又、パルス長さ及びパルス遅延は、同じか実質的に同じである。図6を参照してシリコン含有ガスフロー460は、前記金属−シリコン含有膜602の外部表面603から、前記金属−シリコン含有膜602と前記基板600の間の境界へのライン「A」に沿ってシリコン含有量が増加する金属−シリコン含有膜を堆積するために使用され得る。
【0041】
シリコン含有ガスフロー470は、ガスパルス471a〜471eを含み、これらは、パルス461aから461eへ単調に減少し、又パルス長さ及びパルス遅延は、同じか実質的に同じである。シリコン含有ガスフロー470は、前記金属−シリコン含有膜602の外部表面603から、前記金属−シリコン含有膜602と前記基板600の間の境界へのライン「A」に沿ってシリコン含有量が減少する金属−シリコン含有膜を堆積するために使用され得る。
【0042】
シリコン含有ガスフロー480が、ガスパルス481a〜481eを含み、これらはガスパルス481aからガスパルス481cへ強度が減少し、その後ガスパルス481cからガスパルス481eへ強度が増加し、かつパルス遅延は同じか実質的に同じである。前記シリコン含有ガスフロー480は、外部表面603の近く及び前記金属−シリコン含有膜と基板600の間の境界605の近くにはより高いシリコン含有量を持ち、さらに前記金属−シリコン含有膜602の中間近くのライン「A」に沿って低いシリコン含有量を持つ、金属−シリコン含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0043】
シリコン含有ガスフロー490が、ガスパルス491a〜491eを含み、これらはガスパルス491aからガスパルス481cへ強度が増加し、その後ガスパルス481cからガスパルス481eへ強度が減少し、かつパルス遅延は同じか実質的に同じである。前記シリコン含有ガスフロー480は、外部表面603の近く及び前記金属−シリコン含有膜と基板600の間の境界605の近くにはより低いシリコン含有量を持ち、さらに前記金属−シリコン含有膜602の中間近くのライン「A」に沿って高いシリコン含有量を持つ、金属−シリコン含有膜(例えばHfSiO膜)を堆積するために使用され得る。
【0044】
図5は、基板に金属−シリコン含有膜を形成する方法の1つの実施態様のプロセスフローダイヤグラムである。プロセスフロー500は、510で、基板をプロセスチャンバ内に準備することを含む。520では、前記基板は、前記基板上での金属含有ガス及びシリコン含有ガスの熱分解により金属−シリコン含有膜の化学蒸着堆積のために適する温度で維持される。530では、前記基板は、前記金属含有ガスの連続フローに暴露され、かつ540で前記連続フローの間に前記基板は前記シリコン含有ガスの順次パルスに暴露される。1つの実施態様によれば、前記連続フローはさらに酸化剤ガスを含む。
【0045】
1つの実施態様によれば、前記熱分解ガスは、前記シリコン含有ガスの第1のパルスの前の一定期間から中断されることなく前記基板に暴露される。他の実施態様によれば、前記金属含有ガスは、前記シリコン含有ガスの最後のパルスの後の一定期間から中断されることなく前記基板に暴露される。他の実施態様によれば、前記金属含有ガスは、前記シリコン含有ガスの第1のパルスの前の一定期間から、前記シリコン含有ガスの最後のパルスの後の一定期間へ、中断されることなく前記基板に暴露される。
【0046】
1つの実施態様によれば、ガスフロー速度は、前記シリコン含有ガスの前記順次パルスのそれぞれにおいて実質的に同じである。1つの実施態様によれば、前記シリコン含有ガスフロー速度は、順次パルスにおいて増加する。1つの実施態様によれば、前記シリコン含有ガスフロー速度は、順次パルスにおいて減少する。1つの実施態様によれば、前記シリコン含有ガスフロー速度は、順次パルスにおいて増加し、その後順次パルスにおいて減少する。1つの実施態様によれば、前記シリコン含有ガスフロー速度は、順次パルスにおいて減少し、その後順次パルスにおいて増加する。
【0047】
1つの実施態様によれば、前記金属含有ガスは、第II族、第III族前駆体、又は希土類元素前駆体、又はそれらの組み合わせを含む。他の実施態様によれば、前記金属含有ガスは、ハフニウムシリケート膜、ジルコニウムシリケート膜又はハフニウムジルコニウムシリケート膜を堆積するために、ハフニウム前駆体、ジルコニウム前駆体又はハフニウム前駆体とジルコニウム前駆体の両方の前駆体を含む。
【0048】
本発明の実施態様は広く異なる第II族アルカリ土類前駆体を利用することができる。例えば多くのアルカリ土類前駆体は以下の式をもつ:
ML
ここでMは、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)を含む群から選択されるアルカリ土類金属元素である。L及びLリガンドは各々、アルコキシド、ハロゲン化物、アリルオキシド、アミド、シクロペンタジエニル、アルキル、シリル、アミジネート、β−ジケトナート、ケトイミネート、シラノエート及びカルボキシレートを含む群から選択され得る。リガンドDは、エーテル、フラン、ピリジン、ピロール、ピロリジン、アミン、クラウンエーテル、グライム及びニトリルを含む群から選択され得る。
【0049】
Lのアルコキシドの例には、tert−ブトキシド、iso−プロポキシド、エトキシド、1−メトキシ−2、2−ジメチル−2−プロピオネート(mmp)、1−ジメチルアミノ−2、2’−ジメチル−プロピオネート、アミルオキシド及びneo−ペントキシドが含まれる。ハロゲン化物の例には、フッ素、塩素、ヨウ素及び臭素化物が含まれる。アリルオキシドの例には、フェノキシド及び2、4、6−トリメチルフェノキシドが含まれる。アミドの例には、ビス(トリメチルシリル)アミドジ−tert−ブチルアミド及び2、2、6、6−テトラメチルピペラジン(TMPD)が含まれる。シクロペンタジエニルの例には、シクロペンタジエニル、1−メチルシクロペンタジエニル、1、2、3、4−テトラメチルシクロペンタジエニル、1−エチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、1−iso−プロピルシクロペンタジエニル、1−n−プロピルシクロペンタジエニル及び1−n−ブチルシクロペンタジエニルが含まれる。アルキルの例には、ビス(トリメチルシリル)メチル、トリス(トリメチルシリル)メチル及びトリメチルシリルメチルが含まれる。シリルの例にはトリメチルシリルが含まれる。アミジネートの例には、N、N’−ジ−tert−ブチルアセタミジネート、N、N’−ジ−iso−プロピルアセタミジネート、N、N’−ジ−イソプロピル−2−tert−ブチルアミジネート及びN、N’−ジ−tert−ブチル−2−tert−ブチルアミジネートが含まれる。β−ジケトネートの例には、2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート(THD)、ヘキサフルオロ−2、4−ペンタンジオネート(hfac)及び6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート(FOD)が含まれる。ケトイミネートの例には、2−iso−プロピルイミノ−4−ペンタノネートが含まれる。シラノアートの例には、トリ−tert−ブチルシロキシド及びトリエチルシロキシドが含まれる。カルボキシレートの例には、2−エチルヘキサノエートが含まれる。
【0050】
リガンドDの例には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1、2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、12−クラウン−6、10−クラウン−4、ピリジン、N−メチルピロリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アセトニトリル及び2、2−ジメチルプロピオニトリルが含まれる。
【0051】
第III族アルカリ土類前駆体の代表例には以下の前駆体が含まれる:
Be前駆体:Be(N(SiMe、Be(TMPD)及びBeEt
Mg前駆体:Mg(N(SiMe、Mg(TMPD)、Mg(PrCp)、Mg(EtCp)及びMgCp
Ca前駆体:Ca(N(SiMe、Ca(i−PrCp)及びCa(MeCp)
Sr前駆体:ビス(tert−ブチルアセタミジネート)ストロンチウム(TBAASr)、Sr−C、Sr−D、Sr(N(SiMe、Sr(THD)、Sr(THD)(テトラグライム)、Sr(iPrCp)、Sr(iPrCp)及びSr(MeCp)
Ba前駆体:ビス(tert−アセタミジネート)バリウム(TBAABa)、Ba−C、Ba−D、Ba(N(SiMe、Ba(THD)、Ba(THD)(テトラグライム)、Ba(PrCp)、Ba(MeCp)及びBa(nPrMeCp)
第III族前駆体の代表例には、Hf(Of−Bu)(ハフニウムtert−ブトキシド、HTB)、Hf(NEt(テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム、TDEAH)、Hf(NEtMe)(テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウム、TEMAH)、Hf(NMe)(テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム、TDMAH)、Zr(Of−Bu)(ジルコニウムtert−ブトキシド、ZTB)、Zr(NEt)(テトラキス(ジエチルアミド)ジルコニウム、TDEAZ)、Zr(NMeEt)(テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム、TEMAZ)、Zr(NMe(テトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム、TDMAZ)、Hf(mmp)、Zr(mmp)、Ti(mmp)、HfCl、ZrCl、TiCl、Ti(Ni−Pr、Ti(Ni−Pr、トリス(N、N’−ジメチルアセタミジネート)チタニウム、ZrCpMe、Zr(t−BuCp)Me、Zr(Ni−Pr)、Ti(Oi−Pr)、Ti(Ot−Bu)(チタニウウtert−ブトキシド、TTB)、Ti(NEt(テトラキス(ジエチルアミド)チタニウム、TDEAT)、Ti(NMeEt)(テトラキス(エチルメチルアミド)チタニウム、TEMAT)、Ti(NMe)(テトラキス(ジメチルアミド)チタニウム、TDMAT)及びTi(THD)(トリス(2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート)チタニウム)が含まれる。
【0052】
本発明の実施態様は広い範囲の希土類元素の前駆体を利用可能である。例えば多くの希土類元素前駆体は次の式持つ:
ML
ここでMは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)及びイットリビウム(Yb)を含む群から選択される希土類元素である。L、L、Lは各々アニオン性リガンドであり、リガンドDは中性の供与体リガンドであり、ここでxは0、1、2又は3である。それぞれのL、L、Lは各々、アルコキシド、ハロゲン化物、アリルオキシド、アミド、シクロペンタジエニル、アルキル、シリル、アミジネート、β−ジケトネート、ケトイミナート、シラノエート及びカルボキシレートを含む群から選択される。リガンドDは、エーテル、フラン、ピリジン、ピロール、ピロリジン、アミン、クラウンエーテル、グライム及びニトリルを含む群から選択される。
【0053】
基L及びリガンドDの例は、前記アルカリ土類前駆体の式について上で表されたものと同一である。
【0054】
希土類前駆体の代表的例には次のものが含まれる。
【0055】
Y前駆体:Y(N(SiMe、Y(Ni−Pr)、Y(N(t−Bu)SiMe、Y(TMPD)、CpY、(MeCp)Y、((n−Pr)Cp)Y、((n−Bu)Cp)Y、Y(OCMeCHNMe、Y(THD)、Y[OOCCH(C)C、Y(C1119CH(OCHCHOCH、Y(CFCOCHCOCF、Y(OOCC10、Y(OOC1019及びY(O(n−Pr))
【0056】
La前駆体:La(N(SiMe、La(Ni−Pr)、La(N(t−Bu)SiMe、La(TMPD)、((i−Pr)Cp)La、CpLa、CpLa(NCCH、La(MeNCCp)、La(THD)、La[OOCCH(C)C、La(C1119CH(OCHCHOCH、La(C1119CH(OCHCHOCH、La(O(i−Pr))、La(OEt)、La(acac)、La(((t−Bu)N)CMe)、La(((i−Pr)N)CMe)、La(((t−Bu)N)C(t−Bu))、La(((i−Pr)N)C(t−Bu))及びLa(FOD)
【0057】
Ce前駆体:Ce(N(SiMe、Ce(N(i−Pr)、Ce(N(t−Bu)SiMe、Ce(TMPD)、Ce(FOD)、((i−Pr)Cp)Ce、CpCe、Ce(MeCp)、Ce(OCMeCHNMe、Ce(THD)、Ce[OOCCH(C)C、Ce(C1119CH(OCHCH0CH、Ce(C1119CH(OCHCHOCH、Ce(O(i−Pr))及びCe(acac)
【0058】
Pr前駆体:Pr(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Pr、CpPr、Pr(THD)、Pr(FOD)、(CMeH)Pr、Pr[OOCCH(C)C、Pr(C1119CH(OCHCHOCH、Pr(O(i−Pr))、Pr(acac)Pr(hfac)、Pr(((t−Bu)N)CMe)、Pr(((i−Pr)N)CMe))Pr(((t−Bu)N)C(t−Bu))及びPr(((i−Pr)N)C(t−Bu))
【0059】
Nd前駆体:Nd(N(SiMe、Nd(N(i−Pr)、((i−Pr)Cp)Nd、CpNd、(CMeH)Nd、Nd(THD)、Nd[OOCCH(C)C、Nd(O(i−Pr))、Nd(acac)、Nd(hfac)、Nd(FCC(O)CHC(O)CH及びNd(FOD)
【0060】
Sm前駆体:Sm(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Sm、CpSm、Sm(THD)、Sm[OOCCH(C)C、Sm(O(i−Pr))、Sm(acac)及び(CMeSm。
【0061】
Eu前駆体:Eu(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Eu、CpEu、(MeCp)Eu、Eu(THD)、Eu[OOCCH(C)C、Eu(0(i−Pr))、Eu(acac)及び(CMeEu。
【0062】
Gd前駆体:Gd(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Gd、CpGd、Gd(THD)、Gd[OOCCH(C)C、Gd(O(i−Pr))及びGd(acac)
【0063】
Tb前駆体:Tb(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Tb、CpTb、Tb(THD)、Tb[OOCCH(C)C、Tb(O(i−Pr))及びTb(acac)
【0064】
Dy前駆体:Dy(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Dy、CpDy、Dy(THD)、Dy[OOCCH(C)C、Dy(O(i−Pr))、Dy(OC(CHCH及びDy(acac)
【0065】
Ho前駆体:Ho(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Ho、CpHo、Ho(THD)、Ho[OOCCH(C)C、Ho(O(i−Pr))及びHo(acac)
【0066】
Er前駆体:Er(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Er、((n−Bu)Cp)Er、CpEr、Er(THD)、Er[OOCCH(C)C、Er(O(i−Pr))及びEr(acac)
【0067】
Tm前駆体:Tm(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Tm、CpTm、Tm(THD)、Tm[OOCCH(C)C、Tm(O(i−Pr))及びTm(acac)
【0068】
Yb前駆体:Yb(N(SiMe、Yb(N(i−Pr)、((i−Pr)Cp)Yb、CpYb、Yb(THD)、Yb[OOCCH(C)C、Yb(O(i−Pr))、Yb(acac)、(C5MeYb、Yb(hfac)及びYb(FOD)
【0069】
Lu前駆体:Lu(N(SiMe、((i−Pr)Cp)Lu、CpLu、Lu(THD)、Lu[OOCCH(C)C、Lu(O(i−Pr))及びLu(acac)
【0070】
前記前駆体において、以下に与えられるものと同様に次の共通する略語が使用されている。即ち、Si:シリコン;Me:メチル;Et:エチル;i−Pr:iso−ピロピル;n−Pr:n−プロピル;Bu:ブチル;t−Bu:tert−ブチル;Cp:シクロペンタジエニル;THD:2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート;TMPD:2、2、6、6−テトラメチルピペラジド;acac:アセチルアセトネート;hfac:ヘキサフルオロアセチルアセトネート及びFOD:6、6、7、7、8、8、8−ヘプタフルオロ−2、2−ジメチル−3、5−オクタンジオネート。
【0071】
本発明の実施態様は広い範囲のシリコン前駆体(シリコン含有ガス)をシリコンを前記金属含有膜に導入するために利用し得る。シリコン前駆体の例には、限定されるものではないが、Si(OR)が含まれ、ここでRはメチル又はエチル基であり、例えばSi(OCHCH)、Si(OCH、i(OCH(OCHCH、Si(OCH)(OCHCH及びSi(OCH(OCHCH)が挙げられる。他のシリコン前駆体の例には、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、モノクロロシラン(SiClH)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、ヘキサクロロシラン(SiCl)、ジエチルシラン(EtSiH)及びアルキルアミノシラン化合物が含まれる。アルキルアミノシラン化合物の例には、限定されるものではないが、ジ−イソプロピルアミノシラン(HSi(NPr))、ビス(tert−ブチルアミノ)シラン((C(H)N)SiH)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si(NMe)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(Si(NEtMe))、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン(Si(NEt)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi(NMe)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(HSi(NEtMe))、トリス(ジエチルアミノ)シラン(HSi(NEt)及びトリス(ジメトルヒドラジノ)シラン(HSi(N(H)NMe)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(HSi(NEt)、ビス(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(HSi(NPr)、トリス(イソプロピルアミノ)シラン(HSi(NPr)及び(ジ−イソプロピルアミノ)シラン(HSi(NPr)が挙げられる。
【0072】
図8A及び8Bは本発明の実施態様による基板上に金属−シリコン含有膜を堆積するためのパルスCVDシステムの単純化したブロックダイヤグラムである。図8Aでは、パルスCVDシステム1はプロセスチャンバ10を持ち、ここに基板ホルダー20が、前記金属−シリコン含有膜を形成する基板25を支持するように構成される。前記プロセスチャンバ10はさらに、上部アセンブリ30(例えばシャワーヘッド)を有し、これは第1のプロセス材料供給システム40、第2のプロセス材料供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48及びシリコン含有ガス供給システム50とを接続する。さらに、前記パルスCVDシステム1は、基板温度制御システム60を持ち、これは前記基板ホルダー20に接続され、基板25の温度を増加及び制御するように構成されている。さらに、パルスCVDシステム1は制御装置70を含み、これはプロセスチャンバ10、基板ホルダー20、上部アセンブリ30と接続され、プロセスガスを、前記プロセスチャンバ10、第1のプロセス材料供給システム40、第2のプロセス材料供給システム42、パージガスシステム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素含有ガス供給システム48、シリコン含有ガス供給システム50及び基板温度制御システム60へ供給するように構成される。
【0073】
それに代えて又は追加して、制御装置70はさらに1以上の追加の制御装置/コンピュータ(図示されていない)と接続されることができ、及び制御装置70は追加の制御装置/コンピュータから設定及び/又は構成情報を得ることができる。
【0074】
図8Aで、単一のプロセス要素(10、20、30、40、42、44、46、48、50及び60)が示されるが、これは本発明の必須というものではない。前記パルスCVDシステムは各々のプロセス要素に加えてそれらに伴ういくつかの数の制御装置を有するあらゆる数のプロセス要素を含み得る。
【0075】
前記制御装置70は、いかなる数のプロセス要素(10、20、30、40、42、33、46、48、50及び60)も構成するために使用でき、及び前記制御装置はプロセス要素からのデータを収集、提供、処理、記憶及び表示することができる。前記制御装置70は、前記プロセス要素の1以上を制御するためのいくつかのアプリケーションを含むことができる。例えば、制御装置70は、グラフィックユーザインタフェース(GUI)コンポーネント(図示されていない)を含むことができ、これは、ユーザが1以上のプロセス要素をモニター及び/又は制御することが可能となるインタフェースの使用を容易にすることができる。
【0076】
図8Aを参照して、前記パルスCVDシステム1は、200mm基板、300mm基板又はより大きいサイズの基板を処理するように構成され得る。実際に、前記堆積システムは、当業者に理解されるように、基板、ウェハ又はLCDを、そのサイズに拘らずに処理するように構成され得る。従って、本発明の側面は、半導体基板のプロセスと関連させて記載されているが、本発明はそれに限定されるものではない。その代わりに、複数の基板を同時に処理することができるパルスバッチCVDシステムは、本発明の実施態様で記載された前記金属−シリコン含有膜を堆積するために使用することができる。
【0077】
前記第1のプロセス材料供給システム40及び前記第2のプロセス材料供給システム42は、前記プロセスチャンバ10へ金属含有ガスを導入するように構成され得る。本発明の実施態様によれば、いくつかの方法が前記プロセスチャンバ10に前記金属含有ガスを導入するために使用され得る。1つの方法は、1以上の金属含有液体前駆体を、各々のバブラーの使用による蒸発又は直接液体導入システムまたはそれらの組み合わせを含み、及びその後前記プロセスチャンバ10に導入する間又は先立って前記ガス相中に蒸発した1以上の金属含有液体前駆体を混合することを含む。それぞれの前駆体蒸発速度を別々に制御することにより、望ましい金属元素を化学量論的に前記堆積膜内に達成することができる。複数の金属含有前駆体を輸送するための他の方法は、2以上の異なる液体原料を別々に制御することを含み、これらはその後共通の蒸発装置に導入する前に混合される。この方法は、前記前駆体が溶液又は液体形状で適合性があり、同様の蒸発特性を持つ場合には使用され得る。他の方法は、バブラー内で適合性のある混合物又は液状前駆体の使用を含む。液状原料前駆体には、純粋な液状希土類前駆体を含み、又固体又は液状金属含有前駆体溶媒には、限定されるものではないが、イオン性液体、炭化水素(脂肪族性、オレフィン性及び芳香族性)、アミン、エステル、グライム、クラウンエーテル、エーテル及びポリエーテルが含まれる。いくつかの場合には、1以上の適合性のある固体前駆体を1以上の適合性のある前駆体を溶解することができる。当業者には、複数の異なる金属元素が、複数の金属含有前駆体を前記堆積膜内に含ませることでこの方法に含まれることは明らかである。当業者にはまた、ガスパルス内の前記種々の前駆体の前記相対的濃度レベルを制御することで、望ましい化学量論を持つ混合金属−シリコン含有膜を堆積させることを可能とする。
【0078】
図8Aを参照して、パージガス供給システム44パージガスをプロセスチャンバ10に導入するように構成される。例えばパージガスの導入は、シリコン含有前駆体のパルスの導入の間に前記プロセスチャンバ10へ実施され得る。パージガスには、不活性ガス、例えば希ガス(即ち、He、Ne、Ar、Kr、Xe)、窒素(N)又は水素(H)が含まれる。図8Aを参照して、酸素含有ガス供給システム46、酸素含有ガス(酸化剤ガス)をプロセスチャンバ10へ導入するように構成される。酸素含有ガスには、酸素(O)、水(HO)又は過酸化水素(H)又はそれらの混合物が含まれ、場合によりArなどの不活性ガスが含まれる。同様に、窒素含有ガス供給システム48は窒素含有ガスをプロセスチャンバ10へ導入するように構成される。窒素含有ガスには、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、C〜C10アルキルヒドラジン化合物又はそれらの組みわせ、及び場合によりArなどの不活性ガスが含まれる。通常のC及びCアルキルヒドラジン化合物には、モノメチル−ヒドラジン(MeNHNH2)、1、1ジメチル−ヒドラジン(MeNNH)及び1、2−ジメチル−ヒドラジン(MeNHNHMe)が含まれる。
【0079】
本発明の1つの実施態様によれば、酸素含有ガス又は窒素含有ガスには、酸素及び窒素含有ガス、例えばNO、NO又はNO又はこれらの組み合わせが、及び場合によりArなどの不活性ガスが含まれ得る。
【0080】
さらに、パルスCVDシステム1には、前記基板ホルダー20に接続され、基板25の温度を上げて制御するように構成される基板温度制御システム60が含まれる。基板温度制御装置60は、温度制御要素、例えば基板ホルダー20からの熱を受け取り、熱交換システム(図示されていない)へ移動させ、又は加熱の際には前記熱交換システムから熱を移動させる、再循環冷却フローを含む冷却システムを含む。さらに、前記温度制御要素は、加熱/冷却要素であって、例えば抵抗加熱要素又は熱電加熱/冷却要素などが基板ホルダー20内に含まれ、さらに同様に前記プロセスチャンバ10及びパルスCVDシステム1内の他の部品内に含まれ得る。前記基板温度制御システム60は、例えば、基板温度を室温から約350℃〜550℃へ加熱して制御するように構成され得る。又は、基板温度は、例えば、約150℃〜350℃の範囲にすることができる。しかし理解されるべきは、基板温度は、金属−シリコン含有膜を堆積するために特定の金属含有ガスとシリコン含有ガスの与えれた基板の表面上での熱分解を起こすための望ましい温度に基づいて選択され得る、ということである。
【0081】
基板25と基板ホルダー20の間の熱伝達を改善するために、基板ホルダー20は機械的クランプシステム、又は電気的クランプシステム、例えば静電クランプシステムなどを含み、基板25を基板ホルダー20の上表面に固定することができる。さらに、基板ホルダー20は、基板裏面ガス輸送システムを含み、基板25の裏面にガスを導入して、基板25及び基板ホルダー20間のガスギャップ熱伝導性を改善することができる。かかるシステムは、前記基板の温度制御が高温で、又は低温度で要求される場合に利用され得る。例えば、基板裏面ガスシステムは、2ゾーンガス分配システムを含み、ヘリウムガスギャップ圧力が独立に、前記基板の中心及び端部分間で変更され得る。
【0082】
さらに、プロセスチャンバ10は、ダクト38を介して真空ポンプシステム34及びバルブ36圧力制御システム32を含み、前記圧力システム32は、前記プロセスチャンバ10を制御可能に減圧して基板25上に前記薄膜形成のための適切な圧力とするように構成され得る。真空ポンプシステム34には、ポンプ速度が約5000リットル/秒(及びそれよりも大きい)のターボ分子真空ポンプ(TMP)又は低温ポンプが含まれ、バルブ36は前記チャンバ圧力を絞るためのゲートバルブを含み得る。さらに、チャンバ圧力をモニターするための装置(図示されていない)が前記プロセスチャンバ10と接続され得る。前記圧力測定装置には、例えばType 628B Baratron絶対容量マノメーター(MKS Instruments、Inc.(Andover、MA)から市販され入手可能)が挙げられる。圧力制御システム32は、例えば、前記プロセスチャンバ圧力を、前記金属−シリコン含有膜の堆積の間に約0.1トールと約100トールの間に制御するように構成され得る。
【0083】
前記第1の材料供給システム40、前記第2の材料供給システム42、前記パージガス供給システム44、前記酸素含有ガス供給システム46、前記窒素含有ガス供給システム48及びシリコン含有ガス供給システム50は、1以上の圧力制御装置、1以上のフロー制御装置、1以上のフィルタ、1以上のバルブ又は1以上のフローセンサを含み得る。前記フロー制御装置には、空気駆動バルブ、電気機械的(セレノイド)バルブ及び/又は高速パルスガス注入バルブが含まれる。
【0084】
図8を参照して、制御装置70はマイクロプロセッサ、メモリ及びデジタルI/Oポートを含み、これらは前記パルスCVDシステム1と交信可能な十分な制御電圧を生成し、かつ前記パルスCDVシステム1への入力を開始させ、同様に前記パルスCVDシステム1からの出力もモニターすることが可能である。さらに、前記制御装置70は、前記プロセスチャンバ10、基板ホルダー20、上部アセンブリ30、第1のプロセス材料供給システム40、第2のプロセス材料供給システム42、パージガス供給システム44、酸素含有ガス供給システム46、窒素ガス供給システム48、シリコン含有ガス供給システム50、基板温度制御システム60及び圧力制御システム32と接続され、かつ情報交換することができる。例えば、前記メモリに保存されているプログラムが、堆積プロセスを実行するためにプロセス処方に従って前記パルスCVDシステムの部品に入力を開始させるために使用され得る。
【0085】
しかし、制御装置70は汎用コンピューターとしても実行され、メモリに保存される1以上の命令を実行するプロセッサに応じて本発明のプロセスステップに基づく前記マイクロプロセッサの部分又は全てを実行することができる。かかる命令は、例えばハードディスク又は可動媒体ドライブなどの他のコンピューター読取可能な媒体から前記制御装置メモリに読み込まれ得る。多重プロセス配置での1以上のプロセッサーがまた、主メモリに含まれる命令手順を実行するための制御装置マイクロプロセッサとして適用され得る。他の実施態様で、ハード配線回路系がまたソフトウェア命令の代わりに又は組み合わされて使用され得る。従って、実施態様は、ハードウェア及びソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されるものではない。
【0086】
制御装置70には、少なくとも1つのコンピューター読取可能な媒体又はメモリ、例えば制御メモリが含まれ、本発明の教示によりプログラムされた命令を保持し、さらに本発明を実行するために必要なデータ構造、テーブル、記録又は他のデータを保存するために用いられ得る。コンピューター読取可能な媒体の例には、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、磁気光ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM又は他の全ての磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、又は他の全ての光媒体、パンチカード、紙テープ又は他の穴のパターンを含む物理的媒体、搬送波(以下説明する)、又はコンピューターが読取可能な他の全ての媒体が含まれる。
【0087】
コンピューター読み取り可能な媒体又はその組み合わせに保存された、制御装置70を制御するソフトウェアにより、本発明を実行するための装置が駆動され及び/又は人ユーザが前記制御と相互作用できるようにする。かかるソフトウェアには、限定されるものではないが、装置ドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール及びアプリケーションソフトウェアが含まれる。かかるコンピューター読み取り可能な媒体はさらに、本発明を実施する上で実行されるプロセスの全部又は部分(プロセスが分散されている場合)を実行するための本発明のコンピュータープログラム製品を含む。
【0088】
コンピューターコード装置は、あらゆる解釈可能コード又は実行可能コード機構であってよく、限定されるものではないが、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、ジャバクラス及び完全実行可能プログラムが含まれる。さらに本発明のプロセスの部分は、よりよい性能、信頼性及び/又はコストの点から分散されてよい。
【0089】
ここで使用される用語「コンピューター読取可能媒体」は、全ての媒体であって、前記制御装置70のプロセッサーに実行するための命令を与えることに関与する媒体を意味する。1つのコンピューター読取可能媒体は、多くの形状をとり得るものであり、限定されるものではないが、非揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体が含まれる。非揮発性媒体には、例えばハードディスクや可動媒体ドライブなどの、光、磁気ディスク、及び磁気光ディスクが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリなどのダイナミックメモリが含まれる。さらに、種々のコンピューター読み取り可能媒体の形は、1以上の命令を実行するためプロセッサーへ伝送する際に関与し得る。例えば前記命令は、初め、リモートコンピューターの磁気ディスク上に保持され得る。前記リモートコンピューターは、本発明の全て又は部分を実行するための命令を離れたところでダイナミックメモリにロードし、そして前記命令をネットワークを介して前記制御装置70へ送ることができる。
【0090】
前記制御装置70は、前記パルスCVDシステムに関して局所的に配置され得る。又は前記パルスCVDシステムに関して離れた位置に配置され得る。例えば、前記装置70は、直接接続、イントラネット、インターネット及び無線接続の少なくとも1つの接続を用いて前記パルスCVDシステムとデータを交換し得る。前記装置70は、例えば消費者サイト(即ち、デバイスメーカーなど)でイントラネットに接続され得るし、又は購入者サイト(即ち、装置メーカーなど)でイントラネットに接続され得る。さらに、例えば、制御装置70はインターネットへ接続され得る。さらに、他のコンピューター(即ち制御装置、サーバーなど)が、例えば前記制御装置70にアクセスし、直接接続、イントラネット及びインターネットの少なくとも1つを介してデータを交換することが可能である。当業者には理解されるべきであるが、前記制御装置70は前記パルスCVDシステムと無線接続を介してデータを交換することができる。
【0091】
図8Bは、本発明による基板に金属−シリコン含有膜を堆積するためのパルスプラズマCVD(PECVD)システム2を示す。パルスPECVDシステム2は、図8Aに記載のパルスCVDシステムと類似しているが、さらに、前記プロセスチャンバ10内で前記ガス暴露の少なくとも1部分の間にプラズマを生成するように構成されるプラズマ発生システムを含む。これは、O、HO、H又はそれらの組み合せを含む酸素含有ガスから、オゾン及びプラズマ励起酸素の生成を可能とする。同様に、前記プロセスチャンバ内で、プラズマ励起窒素が、N、NH又はN又はこれらの組み合わせを含む窒素含有ガスから形成され得る。また、プラズマ励起酸素及び窒素は、NO、NO及びNO又はこれらの組み合わせを含むプロセスガスから生成され得る。プラズマパルス生成システムには、前記プロセスチャンバ10に接続される第1の電力源52を含み、さらに前記プロセスチャンバ10内に導入されるガスへ電力を結合させるように構成される。前記第1の電力源52は可変電力源であり、ラジオ周波数(RF)発生装置とインピーダンス適合回路を含むことができ、さらにプロセスチャンバ10内で前記プラズマと結合させるRF電力のための電極が含まれ得る。前記電極は上部アセンブリ31内に配置されることができ、前記基板ホルダー20とは対向するように構成され得る。インピーダンス適合回路は、前記適合回路の出力インピーダンスを、前記電極及びプラズマを含む前記プロセスチャンバの入力インピーダンスと適合させることで、RF電力の発生装置から前記プラズマへの伝送を最適化するように構成される。例えば、インピーダンス適合回路は、プロセスチャンバ10内でのRF電力のプラズマへの移動を前記反射電力を低減することで改良するように作用する。適合回路形状(例えばLタイプ、πタイプ、Tタイプなど)及び自動制御方法は、当業者によく知られている。
【0092】
又は、前記第1の電力源52は、RF生成装置及びインピーダンス適合回路を持つことができ、さらにRF電力がプロセスチャンバ10内でプラズマと結合する誘導コイルなどのアンテナを含むことができる。前記アンテナには、例えば誘導結合プラズマ源又はヘリコン源内のヘリカル又はソレノイドコイル、又は例えば変圧器結合プラズマ源内のように平坦コイルが含まれ得る。
【0093】
又は、前記第1の電力源52は、マイクロ波周波数発生装置が含まれ、かつさらにマイクロ波アンテナとマイクロ波窓であって、それを介してマイクロ波電力がプロセスチャンバ10内でプラズマと結合されるマイクロ波窓を含むことができる。マイクロ波電力のカップリングは、電子サイクロトロン共鳴(ECR)技術を用いて達成され得る。又は例えばスロット平面アンテナ(SPA)などの技術が適用され得る。この技術は米国特許番号5024716に発明の名称として「エッチング、アッシング及び膜形成のためのプラズマプロセス装置」として記載され、この全内容は参照され本明細書の一部とする。
【0094】
本発明の1つの実施態様によると、パルスCVDシステム2は、前記プロセスチャンバ10のガスの交互の導入の少なくとも一部の間にプラズマを発生するか又はプラズマ生成を補助する(基板ホルダーバイアスを通じて)ように構成される基板バイアス発生システムを含む。前記基板バイアスシステムは、プロセスチャンバ10に接続される基板電力源54を含み、前記基板25と電力を結合するように構成される。基板電力源54は、RF発生装置及びインピーダンス適合回路を含むことができ、さらにRF電力が基板25と結合するための電極を含み得る。前記電極は基板ホルダー20内に形成され得る。例えば、基板ホルダー20は、電気的にRF電圧で、RF発生装置(図示されていない)からインピーダンス適合回路を介して基板ホルダー20へ伝送することで、バイアスされ得る。RFバイアスの通常の周波数は約0.1MHzから約100MHzまで変更され、13.56MHzであり得る。プラズマプロセスのRFバイアスシステムは当業者によく知られている。又は、RF電力は多重の周波数で基板ホルダー電極に適用され得る。前記プラズマ発生システム及び基板バイアスシステムは図8Bには別々のものして記載されているが、これらは実際には基板ホルダー20に接続される1以上の電力源を含む。
【0095】
さらに、パルスPECVDシステム2は、酸素含有ガス、窒素含有ガス又はこれらの組み合わせを、前記基板25へ暴露されるプロセスチャンバ10内にプラズマ励起ガスを流す前に与えて及び離れてプラズマ励起を行うためのリモートプラズマシステム56を含む。前記リモートプラズマシステム56は、例えばマイクロ波周波数発生装置を含み得る。
【0096】
例:ハフニウムシリケート膜の堆積
厚さ約8nmのハフニウムシリケート膜を、HTBガス、Oガス及びTEOSガスを用いて300mmシリコン基板上に堆積した。基板は500℃の温度に維持され、堆積時間は約300秒であった。Oガスフローは100sccmであった。TEOSガスは、20℃で2mmHgの蒸気圧を持つTEOS液体の蒸気流を用いてキャリアガスを使用することなくプロセスチャンバに輸送された。アルゴン希釈ガスがプロセスチャンバの前でTEOSガスに添加された。比較的厚いハフニウムシリケート膜のシリコン含有量はX線光電子スペクトル(XPS)を用いて決定され、(Si/(Si+Hf))100%として計算した。ここでHfはハフニウム金属の量(単位容積当たりのHf原子数)及びSiはシリコンの量(単位容積当たりのSi原子数)である。
【0097】
図9Aは、本発明の実施態様によるHTBガスフローの関数として、CVD及びパルスCVDハフニウムシリケート膜のシリコン含有量を示す。CVDハフニウムシリケート膜のシリコン含有量は、HTBフローが45mg/分、58mg/分及び70mg/分用いる場合に、それぞれ約36Si%、約30Si%及び約26Si%であった。プロセスチャンバへのHTBフローを輸送するために使用された物質フロー制御装置は、輸送上限度が約90mg/分であった。前記CVDプロセスの間の前記TEOSガスフローは0.1sccmであり、前記物質フロー制御装置により得られる最小量のTEOSガスフローであった。図9Aは、HTBガス、Oガス及びTEOSを用いて製造する半導体装置のためのハフニウムシリケート膜を堆積するための従来のCVDプロセスは、シリコン含有量が約25Si%よりも多くなることを示す。
【0098】
図9Aは、さらに、パルスCVDハフニウムシリケート膜のシリコン含有量を示す。パルスCVDハフニウムプロセスは、HTBガス及びOガスの連続フローを用い、かつ5秒のTEOSパルス長さと、5秒のTEOSパルス遅延を持つ30TEOSパルスを用いて実行した。それぞれのTEOSパルスでのTEOSフローは0.1sccmであった。70mg/分のHTBフローはシリコン含有量10.4Si%のハフニウムシリケート膜を、そして58mg/分のHTBフローはシリコン含有量7.2Si%のハフニウムシリケート膜を与える結果となった。図9Aの結果は、本発明の実施態様によるパルスCVDハフニウムプロセスは、従来のCVDハフニウムプロセスに比較してずっと少ないシリコン含有量を持つハフニウムシリケート膜を与えることができる、ということを示す。
【0099】
約30秒と約120秒の間の堆積時間が、半導体製造環境での薄膜堆積についてしばしば望ましく、従って前記膜堆積速度は前記膜厚さの良好な制御及び再現性を可能とするために十分小さいものでなければならない。例えば、シリコン含有量が約20Si%又は約10Si%よりも少ない1.7nm厚さのハフニウムシリケート膜は、パルス長さ5秒及びパルス遅延5秒の4つのTEOSパルスを用いて約40秒で堆積されることができる。
【0100】
図9Bは、本発明の実施態様による屈折率の関数としてCVD及びパルスCVDハフニウムシリケート膜中のシリコン含有量を示す。ハフニウムシリケート膜の堆積条件は図9Aについて上で説明された。図9Bでの結果は、本発明の実施態様によるパルスCVDプロセスは従来のCVDハフニウムプロセスに比較してより高い屈折率を持つハフニウムシリケート膜を与えることができるということを示す。半導体装置製造のための低シリコン含有量を持つ金属−シリコン含有膜の堆積の複数の実施態様が種々の実施態様で開示されてきた。本発明の実施態様のこれまでの記載は例示及び説明のために与えられたものである。本発明をここで開示されたままの態様に限定する意図はなされていない。これまでの開示及び以下の特許請求の範囲には、説明の目的のためだけに使用されるが、限定する目的のために使用されるものではない用語が含まれる。例えば、ここで使用される(特許請求の範囲も含めて)用語「上」は、基板の「上」の膜が前記基板上に直接かつ直に接触することを必ずしも必要とせず、前記膜と基板の間には前記第2膜又は他の構造が存在しててもよい。
【0101】
当業者は、多くの変法及び変更が前記教示に照らして可能であることを理解できる。当業者は、図で示される種々の部品について種々の等価が組み合わせ及び置換物を認識するであろう。従って、本発明の範囲はこれらの詳細な説明で限定されるものではなく、特許請求の範囲により定められるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に金属−シリコン−含有膜を形成する方法であり、前記方法は:
前記基板をプロセスチャンバ内に準備し;
金属−含有ガスとシリコン−含有ガスの前記基板上で熱分解させて前記金属−シリコン−含有膜を化学蒸着させるために適する温度に前記基板を保持し;
前記基板を前記金属−含有ガスの連続フローに暴露し;
前記連続ガスフローの間に、前記基板を前記シリコン−含有ガスの順次パルスに暴露する、ことを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが、前記シリコン−含有ガスの第1のパルスの前の一定期間から中断することなく前記基板に暴露される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが、前記シリコン−含有ガスの最後のパルスの一定期間後から中断されることなく前記基板に暴露される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−含有ガスは、前記シリコン−含有ガスの第1のパルスの前の一定期間から前記シリコン−含有ガスの最後のパルス後の一定期間へ、中断されることなく前記基板に暴露される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで増加する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで減少する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで増加し、その後、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで減少する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで減少し、その後、前記シリコン−含有ガスのガスフロー速度が連続するパルスで増加する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで増加する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで減少する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで増加し、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで減少する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで減少し、前記シリコン−含有ガスのパルス長さが連続するパルスで増加する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが第II族前駆体、第III族前駆体又は希土類前駆体又はそれらの組み合わせである前駆体を含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが、ハフニウム−前駆体、ジルコニウム−前駆体又はハフニウム−前駆体とジルコニウム前駆体を含み、及び金属−シリコン含有膜がハフニウムシリケート膜、ジルコニウムシリコート膜又はハフニウムジルコニウムシリケート膜を含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であり、前記シリコン−含有ガスが、Si(OCHCH、Si(OCH、Si(OCH(OCHCH、Si(OCH)(OCHCH、Si(OCH(OCHCH)、SiH、Si、SiClH、SiH2Cl、SiHCl、Si2Cl、EtSiH、HSi(NPr)、(C(H)N)SiH、Si(NMe、Si(NEtMe)、Si(NEt、HSi(NMe、HSi(NEtMe)、HSi(NEt、HSi(N(H)NMe、HSi(NEt、HSi(NPr、HSi(NPr、HSi(NPr)又はこれらの2以上の組み合わせを含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−シリコン−含有膜のシリコン含有量が、20原子パーセントシリコン未満である、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であり、前記金属−シリコン−含有膜が、10原子パーセントシリコン未満である、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であり、前記連続フローがさらに酸化剤ガスを含む、方法。
【請求項19】
基板に金属−シリコン−含有膜を形成する方法であり、前記方法が:
前記基板をプロセスチャンバ内に準備し;
金属−含有ガスと分子状シリコン−酸素−含有ガスの基板上で熱分解させて金属−シリコン−含有膜を化学蒸着させるために適する温度に、基板を保持し;
基板を金属−含有ガスの連続フローに暴露し;及び
連続ガスフローの間に、基板を前記分子状シリコン−酸素−含有ガスの順次パルスに暴露することを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であり、前記金属シリケート捲が、ハフニウムシリケート膜、ジルコニウムシリケート膜又はハフニウムジルコニウムシリケート膜を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが、Hf(Ot−Bu)ガス、Zr(Ot−Bu)ガス又はこれらの組み合わせを含み、前記分子状−シリコン−酸素−含有ガスがSi(OCHCHを含む、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であり、前記金属−シリケート膜が20Si%未満のシリコン含有量を持つ、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であり、前記金属シリケート捲が、10%シリコン未満のシリコン含有量を持つ、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であり、前記金属−含有ガスが、前記分子状シリコン含有ガスの第1のパルス前の一定期間から、前記分子状シリコン−酸素−含有ガスの最後のパルス後の一定期間へ中断されることなく前記基板に暴露される、方法。
【請求項25】
基板にハフニウムシリケート膜を形成する方法であり、前記方法は:
前記基板がプロセスチャンバ内に準備し;
前記基板を、Hf(Ot−Bu)ガス及びSi(OCHCHガスの前記基板上で熱分解により前記ハフニウムシリケート膜の化学蒸着堆積のために適する温度に、前記基板を保持し;
前記基板を前記Hf(Ot−Bu)ガスの連続フローに暴露させ;及び
前記連続フローの間に、前記基板をSi(OCHCH)ガスの順次パルスに暴露させ、前記ハフニウムシリケート膜がシリコン含有量が20%シリコン未満である、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2013−504875(P2013−504875A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528826(P2012−528826)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047391
【国際公開番号】WO2011/031591
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】