説明

金属化合物膜の蒸着方法及び蒸着装置

【課題】下部膜の特性劣化を防止し、スループットを向上させ、低比抵抗及び優れた段差被覆性を有する金属化合物膜の蒸着方法及び蒸着装置を提供する。
【解決手段】金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給して基板上に第1金属化合物膜を蒸着する。前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着すると同時に、前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板上に金属化合物膜を蒸着するための方法、及びそれを実施するための装置に関し、より詳細には、半導体ウェーハのような基板上にチタン窒化物のような金属化合物膜を蒸着するための方法とそれを実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体装置は基板として使用される半導体ウェーハに対する一連の単位工程を順次に反復実施することで製造される。例えば、膜形成工程は前記基板上に膜を形成するために実施され、酸化工程は前記基板上に酸化膜を形成するためにまたは前記基板上に形成された膜を酸化させるために実施され、フォトリソグラフィ工程は前記基板上に形成された膜を目的とするパターンに形成するために実施され、平坦化工程は前記基板上に形成された膜を平坦化させるために実施される。
【0003】
前記基板上には多様な膜が化学気相蒸着(CVD)、物理気相蒸着(PVD)、原子層蒸着(ALD)などを通じて形成される。例えば、シリコン酸化膜は半導体装置のゲート絶縁膜、層間絶縁膜、誘電膜などに使用され、CVD工程を通じて形成される。シリコン窒化膜はマスクパターン、ゲートスペーサなどに使用され、CVD工程を通じて形成される。
【0004】
また、半導体基板上には金属配線、電極、コンタクトプラグなどを形成するために多様な金属膜が形成され、前記金属膜はCVD工程、PVD工程またはALD工程を通じて形成される。
特に、チタン窒化膜のような金属化合物膜はキャパシターの電極または金属配線と単位素子とを電気的に連結するためのコンタクトプラグなどに使用され、また、金属拡散を防止するために金属障壁膜としても使用される。前記チタン窒化膜はCVD工程、PVD工程またはALD工程を通じて形成される。前記チタン窒化膜の形成方法に関する例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3などに開示されている。
【0005】
前記チタン窒化膜は約680℃程度の温度でTiCl4ガスとNH3ガスの反応によって形成される。このとき、前記チタン窒化膜に残留する塩素の含有量はチタン窒化膜の蒸着温度を上昇させることで減少させることができる。しかし、それとは反対に、前記チタン窒化膜の段差被覆性は蒸着温度を低くすることで改善することができる。
【0006】
また、前記チタン窒化膜内の塩素含有量を低くするために工程温度を上昇させる場合、半導体基板上に既に形成された下部膜または下部パターンの熱的ストレスを上昇させるという問題点が発生する。
一方、半導体装置の集積度が向上することにより単位セルが占める領域が漸次縮小され、これを具現するための新しい工程が多様に開発されつつある。例えば、誘電膜の誘電率と関連して、セルトランジスタのゲート酸化膜及びキャパシターの誘電膜を高誘電率物質で形成する方法、金属配線と関連した寄生キャパシタンスを減少させるために層間絶縁膜を低誘電率物質で形成する方法などが活発に研究されている。
【0007】
前記高誘電率物質からなる薄膜の例としては、Y23膜、HfO2膜、ZrO2膜、Nb25、BaTiO3膜またはSrTiO3膜などを挙げることができる。特に、ハフニウム酸化物(HfO2)またはジルコニウム酸化物(ZrO2)を含む誘電膜上にチタン窒化膜をCVD工程を通じて形成する場合、前記チタン窒化膜を形成するためのソースガスとして使用されるTiCl4ガスと前記ハフニウム酸化物またはジルコニウム酸化物とが反応して4塩化ハフニウム(HfCl4)または4塩化ジルコニウム(ZrCl4)のような反応副産物が形成され、前記反応副産物は前記誘電膜の特性を劣化させる要因として作用する。具体的に、前記反応副産物は前記誘電膜を通じた漏洩電流を上昇させる。また、前記反応副産物は前記誘電膜の比抵抗を上昇させ、結果的に接触抵抗を上昇させるようになる。
【0008】
前記のような問題点を改善するために原子層蒸着(ALD)方法が適用される。前記ALD方式でチタン窒化膜を形成する場合、600℃より低い工程温度で工程が実施されるので段差被覆性を大きく改善することができ、ソースガスを交互に供給することで塩素含有量を大きく減少させることができる。しかし、ALD方式を適用する場合、一般的なCVD方式に比べてスループットが大きく低下するという短所がある。
【0009】
前記のような問題点を改善するためのまた他の例として、特許文献4に順次的蒸着(SFD)方法が開示されている。前記SFD方式はTiCl4ガスとNH3ガスを供給してチタン窒化膜を形成する段階、第1パージ段階、NH3ガスを供給して前記チタン窒化膜内の塩素を除去する段階、及び第2パージ段階を含む。前記SFD方式はALD方式に比べてスループットを多少改善することができるが、前記CVD方式に比べてスループットが相対的に低いので、新しい工程開発に対する要求が相変わらず残っている。
【0010】
【特許文献1】特開平8−008212号公報
【特許文献2】米国特許第6,548,402号明細書
【特許文献3】大韓民国特許第0363088号明細書
【特許文献4】大韓民国特許第2004-96402号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、下部膜の特性劣化を防止することができ、スループットを向上させることができ、低比抵抗及び向上した段差被覆性を含む改善された特性を有する金属化合物膜の蒸着方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前述したような金属化合物膜の蒸着方法を実施するに適合した金属化合物膜の蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記本発明の目的を達成するための本発明の第1側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給して基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する。
【0013】
前記第1ソースガスとしてTiCl4ガスを使用してもよく、前記第2ソースガスとしてNH3ガスを使用してもよい。前記第2金属化合物膜を蒸着する間の前記第1ソースガスの供給流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する間の前記第1ソースガスの供給流量より少ない。また、前記第2金属化合物を蒸着する間の前記第2ソースガスの供給流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する間の第2ソースガスの供給流量より顕著に大きい。一方、前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜を形成する間前記基板の温度は約400℃〜600℃程度に保持されることが望ましく、前記基板が配置される工程チャンバーの内部圧力は約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)に保持されることが望ましい。
【0014】
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第2側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと前記金属と結合可能な物質を含む第2ガスソースとを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい流量比で供給して、工程チャンバー内に配置された基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し第2ソースガスの供給流量を増加させ、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記増加された供給流量を有する第2ソースガスとの反応による第2金属化合物膜を前記第1金属化合物膜上に蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する。
【0015】
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第3側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給して基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1流量比と異なる第2流量比で前記第1ソースガスと第2ソースガスを供給して前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着する。
【0016】
続いて、前記第1ソースガスと第2ソースガスによる表面反応が行われるように、前記第1流量比と異なる第3流量比で前記第1ソースガスと第2ソースガスを供給して前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着し、前記第3流量比と異なる第4流量比で前記第1ソースガスと第2ソースガスを供給して前記第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を蒸着して、前記金属化合物膜を含む金属複合膜を蒸着する。
【0017】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階と前記第2金属化合物膜を蒸着する段階は、目的とする第1厚さの第1金属複合膜を得るために順次に反復実施してもよい。この場合、前記第1金属複合膜の厚さは約30Åから100Åであってもよい。また、前記第3金属化合物膜を蒸着する段階と前記第4金属化合物膜を蒸着する段階は目的とする第2厚さの第2金属複合膜を得るために順次に反復実施してもよい。
【0018】
前記第1金属複合膜と第2金属複合膜は、キャパシターの電極、半導体装置及び絶縁膜と金属配線との間に配置される金属障壁膜、半導体装置の下部構造物と上部構造物とを電気的に連結するプラグなどに使用してもよい。
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第4側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給して、工程チャンバー内に配置された基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量を有する第2ソースガスを供給して、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと第2ソースガスとの反応による第2金属化合物膜を前記第1金属化合物膜上に蒸着する。
【0019】
続いて、前記第1ソースガスと第2ソースガスによる表面反応が行われるように、前記流量比と異なる第2流量比で前記第1ソースガスと第2ソースガスを供給して前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着し、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第3金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量を有する第2ソースガスを供給して、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応による第4金属化合物膜を前記第3金属化合物膜上に蒸着する。
【0020】
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第5側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属を含む第1ソースガスと前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給して、工程チャンバー内に配置された基板上に第1金属化合物を蒸着した後、前記第1ソースの供給を減少または中断し前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量を有する第2ソースガスを供給して前記第1金属化合物膜から所望しない物質を除去する。
【0021】
続いて、前記第1ソースガスと第2ソースガスによる表面反応が行われるように、前記第1流量比と異なる第2流量比で前記第1ソースガスと第2ソースガスを供給して第2金属化合物膜を蒸着し、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第2金属酸化物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量を有する第2ソースガスを供給して前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する。
【0022】
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第6側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質、及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを第1流量及び第2流量でそれぞれ供給して基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量より小さい第3流量、及び前記第2流量より大きい第4流量でそれぞれ供給して前記第1金属化合物膜上に前記第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜からハロゲン元素を除去する。
【0023】
続いて、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスを前記第1流量より大きい第5流量、及び前記第2流量と同じであるか小さい第6流量でそれぞれ供給して前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着し、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスを前記第3流量と実質的に同一の第7流量、及び前記第4流量と実質的に同一の第8流量でそれぞれ供給して前記第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜からハロゲン元素を除去する。
【0024】
前記した本発明の目的を達成するための本発明の第7側面によると、金属化合物膜の蒸着方法では、金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質、及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを金属化合物膜の蒸着のためのチャンバー内部に第1流量及び第2流量でそれぞれ供給して基板上に第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し第2ソースガスを前記第2流量より大きい第3流量で供給して、前記チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記第3流量で供給された第2ソースガスとの反応による第2金属化合物膜を前記第1金属化合物上に蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜からハロゲンのような所望しない物質を除去する。
【0025】
続いて、前記第1ソースガスと前記第2ソースガスを前記第1流量より大きい第4流量、及び前記第2流量と同じであるか小さい第5流量でそれぞれ供給して前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着する。続けて、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第2ソースガスを前記第3流量と実質的に同一の第6流量で供給して、前記チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記第6流量で供給された第2ソースガスとの反応による第4金属化合物膜を前記第3金属化合物膜上に蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜からハロゲンのような所望しない物質を除去する。
【0026】
前記した本発明の他の目的を達成するための本発明の第8側面によると、金属化合物膜の蒸着装置は、基板を収容し、前記基板上に金属化合物膜を蒸着するための工程チャンバーと、前記基板上に金属化合物膜を蒸着するために金属を含む第1ソースガス、及び前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを供給するガス供給ユニットと、を備える。
【0027】
第1流量調節手段は前記基板上に第1金属化合物膜を蒸着するために表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよく、第2流量調節手段は前記第1金属化合物上に第2金属化合物を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去するために前記第1流量比と異なる第2流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよい。
【0028】
また、前記金属化合物膜の蒸着装置は、前記工程チャンバーの上部に配置され前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記基板上に均一に供給するために設けられるシャワーヘッドをさらに備えてもよく、前記ガス供給部は前記第1ソースガスを供給するための第1ガス供給ユニットと前記第2ソースガスを供給するための第2ガス供給部をと含む。
【0029】
前記シャワーヘッドは、第1配管と前記第1配管から分岐された第1分岐配管及び第2分岐配管によって第1ガス供給部と連結してもよく、第2配管と前記第2配管から分岐された第3分岐配管及び第4分岐配管によって第2ガス供給部と連結してもよい。
前記第1流量調節手段は、前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を前記第1流量比に調節するために前記第1分岐配管及び第2分岐配管にそれぞれ設置された第1質量制御器と第2質量流量制御器を含んでもよく、前記第2流量調節手段は前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を前記第2流量比に調節するために前記第3分岐配管及び第4分岐配管に設置された第3質量流量制御器と第4質量流量制御器を含んでもよい。
【0030】
第1流量調節手段は前記基板上に第1金属化合物膜を蒸着するために表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよく、第2流量調節手段は前記第1ソースガスの供給を減少または中断し第2ソースガスの供給流量を増加させ、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記増加された供給流量を有する第2ソースガスとの反応による第2金属化合物膜を前記第1金属化合物膜上に蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去するために、第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよい。
【0031】
第1流量調節手段は前記基板上に第1金属化合物膜を蒸着するために表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよく、第2流量調節手段は前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着するために前記第1流量比と異なる第2流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよい。
【0032】
また、第3流量調節手段は、前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着するために前記第1ソースガスと第2ソースガスによる表面反応が行われるように、前記第1流量と異なる第3流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節し、第4流量調節手段は前記第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を蒸着するために前記第3流量比と異なる第4流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節する。
【0033】
第1流量調節手段は前記基板上に第1金属化合物膜を蒸着するために表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節してもよく、第2流量調節手段は前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量に前記第2ソースガスの供給流量を調節し、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応による第2金属化合物膜を前記第1金属化合物上に蒸着させてもよい。
【0034】
また、第3流量調節手段は前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物を蒸着するために前記第1ソースガスと第2ソースガスによる表面反応が行われるように、前記第1流量比と異なる第2流量比に前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節し、第4流量調節手段は前記第1ソースガスの供給を減少または中断し前記第3金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量で前記第2ソースガスの供給流量を調節して、前記工程チャンバー内部に残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスの反応による第4金属化合物膜を前記第3金属化合物膜上に蒸着させる。
【0035】
前記金属化合物膜内に残留する所望しない物質は、前記第2金属化合物を蒸着する段階、及び前記第4金属化合物膜を蒸着する段階で供給された第2ソースガスによって十分に除去できる。
前記のような本発明の多様な側面による金属化合物膜の蒸着方法及び蒸着装置によると、前記所望しない物質が十分に除去されるので低い比抵抗を有する金属化合物膜を蒸着することができ、金属化合物膜の蒸着が相対的に低い温度及び圧力で実施されるので改善された段差被覆性を有する金属化合物を蒸着できるだけではなく下部膜または下部構造物に対する熱的ストレスを減少させることができる。また、前記所望しない物質を除去すると同時に前記第2金属化合物膜を前記第1金属化合物膜上に連続的に蒸着し、前記第4金属化合物膜を前記第3金属化合物膜上に連続的に蒸着することでスループットを大きく向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例による金属化合膜物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。図2は図1に示された第1ガス供給部を概略的に示す断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着装置100は半導体ウェーハのような基板10上に金属化合物を蒸着するために使用される。特に、前記装置100は基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー102、ステージ104、ガス供給部120などを含む。
【0037】
前記工程チャンバー102は基板10上に金属化合物膜を蒸着する工程を実施するための密閉空間を提供し、前記ステージ104は前記工程を実施する間基板10を支持するために工程チャンバー102内に配置される。また、前記工程チャンバー102は反応副産物、残余ガス及びパージガスを排出するための真空システム110と連結されている。
【0038】
前記ガス供給ユニット120はステージ104上に支持された基板10上に金属化合物膜を蒸着するためのソースガスと、前記金属化合物膜を蒸着した後工程チャンバー102内部をパージするためのパージガスとを工程チャンバー102内に供給する。具体的に、工程チャンバー102上部には前記ソースガス及びパージガスを工程チャンバー102内に均一に供給するためのシャワーヘッド106が配置され、ガス供給部120はシャワーヘッド106と連結されている。一方、前記パージガスは前記工程チャンバー102内部の圧力を調節するための圧力調節用ガスとしても使用される。
【0039】
前記ガス供給ユニット120は前記金属化合物膜を形成するための第1ソースガスと第2ソースガスを供給する。具体的に、前記第1ソースガスは金属及びハロゲン元素を含むことができ、前記第2ソースガスは前記金属と結合可能な物質、及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含むことができる。例えば、前記基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を形成するための第1ソースガスと第2ソースガスとしてはTiCl4ガス及びNH3ガスがそれぞれ使用される。
【0040】
前記ガス供給ユニット120は前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部130、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給140、及びパージガスを供給するための第3ガス供給部150を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッド106と連結されている。
【0041】
前記第1ガス供給部130は、図2に示されたように、第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器、液相のTiCl4を収容するための密閉容器134、及び第1貯蔵容器132から前記密閉容器134内部に延長する浸漬配管136を含む。具体的に、前記浸漬配管136の第1端部は第1貯蔵容器132と連結されており、第2端部は前記密閉容器134に収容された前記液相のTiCl4に浸漬する。前記第1ソースガスは浸漬配管136を通じて伝達された第1キャリアガスのバブリングによって形成される。
【0042】
しかし、前記第1ガス供給部130は気化器を使用して構成することもできる。前記気化器は液相のTiCl4を直接加熱して気相のTiCl4を形成するか、液相のTiCl4をキャリアガスを用いてミスト形態に形成し、前記ミスト形態のTiCl4を加熱して気相のTiCl4を形成することができる。
【0043】
前記第2ガス供給部140は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器142、NH3ガスを提供するためのNH3タンク144を含み、前記第3ガス供給部150はパージガスを提供するための第3貯蔵容器を含む。
前記工程チャンバー102の上部には前記第1ソースガス及び第2ソースガスを半導体基板10上に供給するための前記ガス供給ユニット120と連結されるシャワーヘッド106が配置されている。
【0044】
前記シャワーヘッド106は前記第1ソースガスを半導体基板10上に均一に供給するための複数の第1ノズルと前記第2ソースガスを半導体基板10上に均一に供給するための複数の第2ノズルとを有する。前記第1ソースガスと第2ソースガスはシャワーヘッド106内で混合されず、個別的に前記シャワーヘッド106を通じて半導体基板10上に供給される。前記ステージ104上に支持された半導体基板10上には前記第1ソースガスとして使用されるTiCl4ガスと前記第2ソースガスとして使用されるNH3ガスとの反応によってチタン窒化膜が蒸着される。
【0045】
前記シャワーヘッド106と第1ガス供給部130の密閉容器134は、第1配管170a、前記第1配管170aから分岐された第1分岐配管172a及び第2分岐配管172bによって連結されている。シャワーヘッド106と第2ガス供給部140のNH3タンク144は、第2配管170b、前記第2配管170bから分岐された第3分岐配管172c及び第4分岐配管172dによって連結されている。第3ガス供給部150は第3配管170cによって第1配管170aに連結されており、第2ガス供給部140の第2貯蔵容器142は第4配管170dを通じて第2配管170bに連結されている。前記工程チャンバー102内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部160は第5配管170eを通じて第3配管170cに連結されている。
【0046】
図面では、前記パージガスを第3配管170c及び第1配管170aを通じてシャワーヘッド106に供給する例を示したが、他の実施例によると、前記第3配管170cを第2配管170bに連結してもよい。
一方、前記第1分岐配管172a、第2分岐配管172b、第3分岐配管172c及び第4分岐配管172dにはそれぞれ第1迂回配管174a、第2迂回配管174b、第3迂回配管174c及び第4迂回配管174dが連結されている。
【0047】
前記第1配管170a及び第2配管170bには第1ゲートバルブ176a及び第2ゲートバルブ176bが設けられ、第3配管170c、第4配管170d、第5配管170e及び浸漬配管136には第1流量制御バルブ178a、第2流量制御バルブ178b、第3流量制御バルブ178c及び第4流量制御バルブ178dが設けられている。また、前記第1分岐配管172a、第1迂回配管174a、第2分岐配管172b、第2迂回配管174b、第3分岐配管172c、第3迂回配管174c、第4分岐配管172d及び第4迂回配管174dにはそれぞれ第1連動バルブ180a、第2連動バルブ180b、第3連動バルブ180c、第4連動バルブ180d、第5連動バルブ180e、第6連動バルブ180f、第7連動バルブ180g及び第8連動バルブ180hが設けられている。
【0048】
前記第1分岐配管172aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流量制御器182aが設置され、前記第3分岐配管172cには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量に調節するための第2質量流量制御器182bが設置される。また、前記第2分岐配管172bには第1ソースガスの流量を既に設定された第3流量に調節するための第3質量流量制御器182cが設置され、前記第4分岐配管172dには第2ソースガスの流量を既に設定された第4流量に調節するための第4質量流量制御器182dが設置される。
【0049】
一方、実質的に前記第1質量流量制御器182a及び第3質量流量制御器182cによって制御される第1流量及び第3流量は第1ソースガスと第1キャリアガスとの混合ガスの流量であり、前記第1質量流量制御器182a及び第3質量流量制御器182cをそれぞれ通過する前記混合ガスの前記第1ソースガスと第1キャリアガスとの比は約1:1程度とそれぞれ推定される。
【0050】
前記迂回配管174a、174b、174c、174dは前記ソースガスの流動特性を層流に形成するために設置される。例えば、前記迂回配管174a、174b、174c、174dは前記半導体基板10上に金属化合物膜を蒸着する前、前記分岐配管172a、172b、172c、172d内でのソースガスの流れを層流に形成するために開放される。
【0051】
具体的に、前記半導体基板10上に第1金属化合物を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板10上に供給する間、前記第1連動バルブ180a及び第5連動バルブ180cが開放され前記第2連動バルブ180b及び第6連動バルブ180fが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第3流量及び第4流量で迂回させるために前記第3連動バルブ180c及び第7連動バルブ180gが閉められ、第4連動バルブ180d及び第8連動バルブ180hが開放される。
【0052】
それとは反対に、前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第3流量及び第4流量で工程チャンバー10内部に供給する間、前記第3連動バルブ180c及び第7連動バルブ180gが開放され前記第4連動バルブ180d及び第8連動バルブ180hが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で迂回させるために前記第1連動バルブ180a及び第5連動バルブ180eが閉められ第2連動バルブ180b及び第6連動バルブ160fが開放される。それにより、前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜が連続的に蒸着されると同時に前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から塩素のような所望しない物質が除去される。具体的に、第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜内の塩素成分は第4流量で供給される第2ソースガスと反応して塩化水素(HCl)の形態で除去される。
【0053】
前記のような第1連動バルブ180a、第2連動バルブ180b、第3連動バルブ180c、第4連動バルブ180d、第5連動バルブ180e、第6連動バルブ180f、第7連動バルブ180g及び第8連動バルブ180hの動作はバルブ制御部190によって制御される。また、前記バルブ制御部190は前記第1ゲートバルブ170a及び第2ゲートバルブ170bと、第1流量制御バルブ178a、第2流量制御バルブ178b、第3流量制御バルブ178c及び第4流量制御バルブ178dの動作を制御することができる。
【0054】
前記第1キャリアガス、第2キャリアガス及びパージガスとしては、アルゴン(Ar)ガスまたは窒素(N2)ガスを使用することもできる。示されたように、前記ガス供給ユニット120は第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器132、第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器142、パージガスを貯蔵するための第3ガス供給部150を採用しているが、一つの貯蔵容器を使用して第1キャリアガス、第2キャリアガス及びパージガスを供給することもできる。
【0055】
一方、図示されてはいないが、前記浸漬配管136には第1貯蔵容器132から伝達される第1キャリアガスを加熱するための第1ヒーター(図示せず)が設置される。前記第1ヒーターはTiCl4の気化効率を向上させるために設置され、前記第1キャリアガスをTiCl4ガスの凝縮温度より高い温度で加熱する。例えば、前記第1ヒーターは前記第1キャリアガスを約100℃から180℃程度の温度で加熱することができる。特に、前記第1キャリアガスを約150℃程度の温度で加熱することができる。また、第1ソースガスの凝縮を防止するために第1配管170a、第1分岐配管172a及び第2分岐配管172bにはそれぞれヒーティングジャケット(図示せず)が設置される。
【0056】
また、前記液相のTiCl4の気化効率を向上させるために前記密閉容器134を加熱する第2ヒーター184が前記密閉容器134と連結されている。具体的に、前記第2ヒーター184は電気抵抗熱線を含むことができ、前記密閉容器134を取り囲むように配置される。
【0057】
前記ステージ104の内部には基板10を前記工程温度で加熱するためのステージヒーター108が具備されている。前記ステージヒーター108は電気抵抗熱線を含むことができる。前記ステージヒーター108として複数のランプを使用することもできる。例えば、複数のハロゲンランプと、前記ハロゲンランプから発生した光がステージ104に照射されるように前記ハロゲンランプを収容するランプハウジング、前記ハロゲンランプと前記ステージ104との間に配置され前記光を透過させる透明窓を含むランプ組立体が使用される。
【0058】
一方、工程チャンバー102の側壁には半導体基板10の搬出入のためのゲートドア186が設置されており、前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物と、残余ガスなどは工程チャンバー102と連結された真空システム110によって工程チャンバー102から除去される。前記真空システム110は真空ポンプ112、真空配管114及び遮断バルブ116を含むことができる。
【0059】
図3は図1に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図4は図3に示された金属化合物膜の蒸着方法によるガスの供給時間を示すタイミング図である。
図1から図4に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に第1ソースガスと第2ソースガスを供給して第1金属化合物膜を蒸着する(段階S100)。具体的に、金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質、及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスを工程チャンバー102内に配置された半導体基板10上に供給して前記第1金属化合物膜を蒸着する。前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。
【0060】
前記第1金属化合物膜を蒸着する間前記第1ソースガス及び第2ソースガスの流量は第1質量制御器180a及び第2質量流量制御器182bによって設定された第1流量比を有するように制御される。例えば、前記第1ソースガスの第1流量と前記第2ソースガスの第2流量との比は約1:0.5から1:10程度に設定される。特に、前記第1ソースガスと第2ソースガスは約1:1程度の流量比で供給される。言い換えれば、前記第1ソースガスの第1流量と前記第2ソースガスの第2流量との比は約0.1:1から2:1程度に設定される。例えば、前記第1ソースガスと第2ソースガスはそれぞれ約30sccm程度で供給される。
【0061】
一方、前記第2流量に対する第1流量の比が0.1より小さい場合第1金属化合物膜が正常に蒸着されないこともあり、前記第2流量に対する第1流量の比が2を超過する場合、基板10上に連続的な第1金属化合物膜を形成することができるが前記第1ソースガスの使用効率が低下するという短所がある。
【0062】
続いて、前記半導体基板10上に前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して前記第1金属化合物上に第2金属化合物を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する(段階S110)。
【0063】
具体的に、前記第1ソースガスを前記第1流量より小さい第3流量で供給して、前記第2ソースガスを前記第2流量より大きい第4流量で供給する。このとき、前記第1ソースガスの第3流量、及び前記第2ソースガスの第4流量は第3質量流量制御器182c及び第4質量流量制御器182dによって制御される。例えば、前記第3流量と第4流量との間の第2流量比は前記所望しない物質を十分に除去するために約1:100から1:1000程度に設定されることが望ましい。言い換えれば、前記第3流量と第4流量との間の流量比は0.001:1から0.01:1程度であることができる。また、前記第2流量と第4流量との間の第3流量比は約1:10から1:100程度に設定される。言い換えれば、前記第2流量と第4流量との間の第3流量比は約0.01:1から0.1:1程度に設定される。例えば、前記第2金属化合物膜を形成する間前記第1ソースガスは約2sccm程度で供給され、前記第2ソースガスは約1000sccm程度で供給される。
【0064】
具体的に、前記第2金属化合物膜は、前記第1金属化合物膜を形成する間前記工程チャンバー102に供給された後前記工程チャンバー102内に残留する第1ソースガスの一部分と前記第3流量で供給された第1ソースガス及び前記第4流量で供給された第2ソースガスによって形成され、前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜に含有された塩素成分は相対的に大きい流量で供給される第2ソースガスによって除去される。
【0065】
続けて、前記S100段階及びS110段階を交互に反復的に実施し前記半導体基板上に目的とする厚さを有する金属複合膜を形成する(段階S120)。
一方、前記第1金属化合物膜を蒸着する段階は第1時間(tl)の間実施され、第2金属化合物膜を蒸着する段階は第2時間(t2)の間実施される。前記それぞれの段階は数から数十秒の間実施される。例えば、前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜はそれぞれ6秒の間蒸着される。
【0066】
前記のような第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から塩素成分を十分に除去することができるので、前記S100段階及びS110段階は相対的に低い温度で実施され、それにより、前記金属複合膜の段差被覆性を向上させることができる。例えば、前記金属複合膜の蒸着は約400℃から600℃の温度と約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)の圧力で実施される。
【0067】
(工程温度とソースガスの供給流量によるチタン窒化膜の蒸着率)
工程温度とソースガスの流量によるチタン窒化物の蒸着率を評価するために約550℃及び700℃の工程温度でソースガスの流量の変化によるチタン窒化膜の蒸着率の変化をそれぞれ測定した。具体的に、半導体基板10を約550℃の工程温度で加熱し一定に保持した状態でNH3ガスを60sccmで供給し、TiCl4ガスの供給流量変化によるチタン窒化膜の蒸着率を測定し、半導体基板を700℃の工程温度で加熱して一定に保持した状態でNH3ガスを60sccmで供給しTiCl4ガスの流量変化によるチタン窒化膜の蒸着率を測定し、実験結果を図5のグラフに示した。一方、工程チャンバー102内部の圧力は約5トル(0.7kPa)に保持された。
【0068】
図5に示すように、700℃の工程温度で、チタン窒化膜の蒸着率はNH3ガスに対するTiCl4ガスの流量比が約0.5より大きい範囲で飽和し、NH3ガスに対するTiCl4ガスの流量比が0.5以下の範囲で急激なピーク値を有すると測定された。これとは対照的に、550℃の工程温度で、チタン窒化膜の蒸着率はNH3ガスによるTiCl4ガスの流量比が約0.17以上の範囲で大きい変化がないことがわかった。
【0069】
示されたように、700℃の工程温度で、前記TiCl4ガスの供給流量が約30sccmより大きい場合チタン窒化膜の蒸着率が約6.1Å/secで一定に保持され、前記TiCl4ガスの供給流量が約14sccmである場合約10.6Å/secの蒸着率が測定された。これとは対照的に、550℃の工程温度で、前記TiCl4ガスの供給流量が約30sccm以上の場合、チタン窒化膜の蒸着率は約3.8Å程度に一定に測定され、前記TiCl4ガスの供給流量が30sccmより小さい場合にも大きい変化は測定されなかった。
【0070】
前記のような結果から、約700℃程度の工程温度、及びNH3ガスに対するTiCl4ガスの流量比が0.5以下でチタン窒化膜の蒸着工程を実施することが望ましくないことがわかる。即ち、前記流量比が0.5以上である場合、チタン窒化膜はソースガスの表面反応によって蒸着される。しかし、前記流量比が0.5以下である場合、基板上に形成されるチタン窒化膜の蒸着はソースガスの表面反応よりは物質伝達による影響が大きいので段差被覆性側面で非常に不利である。前記物質伝達は工程チャンバー102内部に流入した第1ソースガスと第2ソースガスが基板10の上部で反応した後、前記反応によって形成された固相のチタン窒化物粒子が基板10上に不均一に吸着される現象を意味し、前記表面反応は第1ソースガスと第2ソースガスが基板10の表面部位で反応して基板10上に均一な厚さを有する連続的な膜を形成することを意味する。
【0071】
即ち、チタン窒化膜の蒸着工程がソースガスの表面反応より物質伝達によってさらに大きい影響を受ける場合、示されたように前記チタン窒化膜の段差被覆性は非常に劣悪になることがあり得る。これとは反対に、チタン窒化膜の蒸着工程がソースガスの表面反応によって行われる場合、前記チタン窒化膜の段差被覆性は大きく向上することができる。
【0072】
示されたように、約550℃程度の工程温度を保持する場合、NH3ガスに対するTiCl4ガスの流量比マージンをより広く確保することができる。即ち、前記流量比が約0.5以上でチタン窒化膜の蒸着率が一定を示し、約0.17〜0.5の間でチタン窒化膜の蒸着率が多少増加することがわかる。これは相対的に低い流量で物質伝達現象が発生するからである。しかし、蒸着率の飽和値とピーク値との間の差異が約0.9Å/sec程度で小さいので、前記700℃でのチタン窒化膜の蒸着に比べて適用可能な流量比の範囲が相対的に広い。これは前記約0.17〜0.5の間の流量比範囲でチタン窒化膜の蒸着工程が物質伝達よりはソースガスの表面反応に依存することを意味し、また、段差被覆性側面で非常に有利であることを意味する。
【0073】
結果的に、前記のような実験結果からチタン窒化膜の蒸着工程に相対的に低い工程温度を適用する場合、チタン窒化膜の段差被覆性を向上させることができ、NH3ガスに対するTiCl4ガスの流量比マージンを広く確保することができるのを確認した。また、前記チタン窒化膜の下部の半導体構造物に対する熱的ストレスを減少させることができる。
【0074】
(工程圧力とソースガスの供給流量によるチタン窒化膜の蒸着率)
工程圧力とソースガスの流量によるチタン窒化物の蒸着率を評価するために、約2トル(0.3kPa)及び3トル(0.4kPa)の工程チャンバー102圧力でソースガスの流量の変化によるチタン窒化膜の蒸着率の変化をそれぞれ測定した。具体的に、2トル(0.3kPa)の工程圧力でNH3ガスを60sccmで供給しTiCl4ガスの流量変化によるチタン窒化膜の蒸着率を測定し、3トル(0.4kPa)の工程温度でNH3ガスを60sccmで供給しTiCl4ガスの流量変化によるチタン窒化膜の蒸着率を測定し、実験結果を図6のグラフに示した。一方、工程温度は約500℃に保持した。
【0075】
また、工程温度を約700℃に保持した状態で工程チャンバー102の圧力をそれぞれ2トル(0.3kPa)及び5トル(0.7kPa)に異なるように適用した場合チタン窒化膜の蒸着率を測定し、実験結果を図7のグラフで示した。
図6に示すように、2トル(0.3kPa)及び3トル(0.4kPa)のそれぞれの工程圧力で、約1:1程度のソースガスの流量比でチタン窒化膜の蒸着率がそれぞれ飽和しているが、3トル(0.4kPa)の圧力で蒸着工程を実施した場合が2トル(0.3kPa)の圧力で蒸着工程を実施した場合より蒸着率がさらに早く測定された。これは工程圧力が低くなるほどチタン窒化膜の段差被覆性が改善されることを意味する。
【0076】
図7に示すように、圧力変化による蒸着率の変化は図5に示された温度変化による蒸着率の変化と非常に類似することがわかる。具体的に、工程チャンバー102圧力を2トル(0.3kPa)に設定した場合、非常に広い流量範囲でソースガスの表面反応による蒸着特性が観察され、これは5トル(0.7kPa)の圧力と550℃の工程温度を適用した場合の蒸着形態と非常に類似する。これは下部膜または下部構造物に対する熱的ストレスを考慮する必要がない場合、工程温度と工程圧力中で一つのみを制御することで目的とする段差被覆性を具現することができることを意味する。
【0077】
図8、図9及び図10は700℃の温度と5トル(0.7kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真であり、図11、図12及び図13は500℃の温度と2トル(0.3kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【0078】
図8、図9及び図10に示すように、700℃の温度と5トル(0.7kPa)の圧力でNH3ガスを60sccmの流量で供給しTiCl4ガスをそれぞれ10sccm(図8)、30sccm(図9)及び60sccm(図10)で供給してシリンダ型キャパシターの下部電極上にチタン窒化膜の蒸着工程を実施した。示されたように、TiCl4ガスを10sccmの流量で供給した場合、チタン窒化膜の蒸着が物質伝達に大きく依存するのでチタン窒化膜が非常に不連続的に形成されたことを確認でき、TiCl4ガスを30sccmの流量で供給した場合、チタン窒化膜の連続性は多少向上されるが相変わらず不連続的なプロファイルを示している。これとは反対に、TiCl4ガスをNH3ガスの流量と同一の60sccmの流量で供給した場合、非常に連続的なチタン窒化膜が形成されたことがわかる。
【0079】
図11、図12及び図13に示すように、500℃の温度と2トル(0.3kPa)の圧力でNH3ガスを60sccmの流量で供給しTiCl4ガスをそれぞれ10sccm(図11)、30sccm(図12)、及び60sccm(図13)で供給してシリンダ型キャパシターの下部電極上にチタン窒化膜の蒸着工程を実施した。示されたように、それぞれの実験でチタン窒化膜は全部非常に連続的なプロファイルを示した。これにより、相対的に低い温度と圧力でチタン窒化膜の段差被覆性が大きく向上されたことがわかる。
【0080】
前記のような実験でチタン窒化膜の蒸着は相対的に低い温度及び低い圧力で実施されることが望ましく、前記のように低い温度及び低い圧力で金属化合物膜の蒸着工程を実施することで段差被覆性を向上させることができ下部膜に対する熱的ストレスを大きく減少させることができる。特に、前記のような本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着方法を通じて形成されたチタン窒化膜がキャパシターの上部電極、ゲート構造物の金属障壁膜などに使用される場合、下部膜を通じて漏洩電流を大きく抑制することができる。
【0081】
図14及び図15は図3に示された金属化合物膜の蒸着方法の段階の反復回数による基板上への実質的なガス供給量を説明するためのグラフである。
図14及び図15に示すように、工程サイクルを2回反復実施する場合(A)より4回反復する場合(B)が相対的にさらに多くの第1ソースガスが供給されることがわかる。これはS100段階で供給された第1ソースガスがS110段階を実施する間にも一部工程チャンバー102内に残留するからである。即ち、既に設定された工程時間内で工程サイクル反復回数を増加させるほど第1ソースガスの供給量は増加する。従って、既に設定された工程時間内で工程サイクルの反復回数を調節することで前記金属化合物膜の蒸着率を調節することができ、前記金属化合物膜の蒸着装置100のスループットを向上させることができる。また、前記工程サイクルの反復回数を調節することで前記金属化合物膜の比抵抗を調節することができる。具体的に、工程サイクルの反復回数が増加するほど前記金属化合物膜内に残留するハロゲン元素を除去する回数が増加するので、前記金属化合物膜の比抵抗が減少される。
【0082】
図16は本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
図16に示された金属化合物膜の蒸着装置200は半導体基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー202、ステージ204、真空システム210、ガス供給ユニット220などを含むことができる。
【0083】
前記ステージ204は工程チャンバー202内で半導体基板10を支持するために使用され、前記真空システム210は工程チャンバー202内部の圧力を設定された工程圧力に保持するために使用される。
前記ガス供給ユニット220は前記基板10上に金属化合物膜を形成するための第1ソースガス及び第2ソースガスを工程チャンバー202内部に供給するために前記工程チャンバー202上部に配置されたシャワーヘッド206と連結される。前記シャワーヘッド206は前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記ステージ204上の基板10にそれぞれ供給するための複数の第1ノズルと複数の第2ノズルを有する。
【0084】
前記ガス供給ユニット220は前記基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するためにチタン及び塩素を含む第1ソースガスと窒素及び水素を含む第2ソースガスとを前記基板10上に供給する。前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。一方、前記第1ソースガス及び第2ソースガスはそれぞれ第1キャリアガス及び第2キャリアガスによって工程チャンバー202に運搬され、前記ガス供給ユニット220は前記工程チャンバー202をパージするためのパージガスと前記工程チャンバー202内部を洗浄するための洗浄ガスとを追加的に供給する。ここで、前記パージガスは前記工程チャンバー202内部の圧力を調節するための圧力調節用ガスとしても使用される。
【0085】
前記ガス供給ユニット220は前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部230、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給部240、パージガスを供給するための第3ガス供給部250、及び前記洗浄ガスを供給するための第4ガス供給部260を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッド206と連結されている。
【0086】
前記第1ガス供給部230は、第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器232、液相のTiCl4を収容するための密閉容器234、及び第1貯蔵容器232から前記密閉容器234内部に延長する浸漬配管236を含む。前記第1ソースガスは浸漬配管236を通じて伝達された第1キャリアガスのバブリングによって形成される。前記第1ガス供給部130は気化器を使用して構成することもできる。前記第2ガス供給部240は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器242、及びNH3ガスを提供するためのNH3タンク244を含む。
【0087】
前記シャワーヘッド206と第1ガス供給部230の密閉容器234は第1配管270aによって連結されている。前記シャワーヘッド206と第2ガス供給部240のNH3タンク244は第2配管270b、前記第2配管270bから分岐された第1分岐配管272a及び第2分岐配管272bによって連結されている。第3ガス供給部250は第3配管270cによって第1配管270aに連結されており、第2ガス供給部240の第2貯蔵容器242は第4配管270dを通じて第2配管270bに連結されている。前記工程チャンバー102内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部260は第5配管270eを通じて第3配管270cに連結されている。
【0088】
一方、前記第1配管270a、第1分岐配管272a及び第2分岐配管272bにはそれぞれ第1迂回配管274a、第2迂回配管274b及び第3迂回配管274cが連結されている。
前記第1配管270a及び第2配管270bには第1ゲートバルブ276a及び第2ゲートバルブ276bが設置されており、第3配管270c、第4配管270d、第5配管270e及び浸漬配管236には第1流量制御バルブ278a、第2流量制御バルブ278b、第3流量制御バルブ278c及び第4流量制御バルブ278dが設置されている。また、前記第1配管270a、第1迂回配管274a、第1分岐配管272a、第2迂回配管274b、第2分岐配管272b及び第3迂回配管274cにはそれぞれ第1連動バルブ280a、第2連動バルブ280b、第3連動バルブ280c、第4連動バルブ280d、第5連動バルブ280e及び第6連動バルブ280fが設置されている。
【0089】
前記第1配管270aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流量制御器282aが設置され、前記第1分岐配管272aには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量でに調節するための第2質量流量制御器282bが設置される。また、前記第2分岐配管272bには第2ソースガスの流量を既に設定された第3流量に調節するための第3質量流量制御器282cが設置される。
【0090】
前記半導体基板10上に第1金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板上に供給する間、前記第1連動バルブ280a及び第3連動バルブ280cが開放され前記第2連動バルブ280b及び第4連動バルブ280dが閉められる。これと同時に、前記第2ソースガスを第3流量で迂回させるために前記第5連動バルブ280eが閉められ第6連動バルブ280fが開放される。
【0091】
前記第1金属化合物膜を形成した後、前記第1金属化合物膜上に第2ソースガスを第3流量で供給する間、前記第5連動バルブ280eが開放され前記第6連動バルブ280fが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で迂回させるために前記第1連動バルブ280a及び第3連動バルブ280cが閉められ、第2連動バルブ280b及び第4連動バルブ280dが開放される。これにより、前記第1金属化合物膜を形成する間前記工程チャンバー202内部に供給され前記工程チャンバー202内で残留する第1ソースガスと前記第3流量で供給された第2ソースガスの反応によって第1金属化合物膜上には第2金属化合物膜が連続的に蒸着されると同時に前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から塩素のような所望しない物質が除去される。
【0092】
前記のような連動バルブ280a、280b、280c、280d、280e、280f、ゲートバルブ276a、276b及び流量制御バルブ278a、278b、278c、278dの動作はバルブ制御部290によって制御される。
前記ステージ204は前記半導体基板10の温度を工程温度に加熱するためのヒーター208を内蔵し、工程チャンバー202の側壁には半導体基板10の搬出入のためのゲートドアー286が設置されている。前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物、残余ガスなどは工程チャンバー202と連結された真空システム210によって工程チャンバー202から除去される。
【0093】
前記のような本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着装置の構成要素は図1及び図2を参照して既に説明された実施例と類似するのでこれらについての追加的な詳細説明は省略する。
図17は図16に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図18は図17に示された金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフであり、図19は図17に示された金属化合物膜の蒸着方法での基板上への実質的な第1ソースガスの供給流量を説明するためのグラフである。
【0094】
図17から図19に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを第1流量比で供給して第1金属化合物膜を前記基板10上に形成する(段階S200)。
【0095】
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。前記第1金属化合物膜を蒸着する間TiCl4ガスと前記NH3ガスの第1流量及び第2流量はそれぞれ第1質量流量制御器282a及び第2質量流量制御器282bによって制御される。例えば、前記TiCl4ガスの第1流量と前記NH3ガスの第2流量との間の第1流量比は約1:0.5から1:10程度に制御される。特に、前記第1金属化合物膜の蒸着工程が前記ソースガスの表面反応によって行われるように前記TiCl4ガスと前記NH3ガスとの間の第1流量比は1:1に制御される。
【0096】
続いて、前記第1ソースガスの供給を中断し前記第1金属化合物膜上に供給される第2ソースガスの供給流量を増加させ、前記工程チャンバー102内部に残留する第1ソースガスと前記増加された供給流量を有する第2ソースガスを用いて前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を連続的に形成すると同時に第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜からハロゲン元素、即ち塩素を除去する(段階S210)。
【0097】
前記第2金属化合物膜を蒸着し前記塩素を除去するための前記第2ソースガスの第3流量は第3質量制御器282cによって制御され、前記第1金属化合物膜を蒸着する間供給される第2ソースガスの第2流量より大きいことが望ましい。例えば、前記第2流量と第3流量との間の第2流量比は1:10から1:100程度であることが望ましい。
【0098】
続けて、前記S200段階及びS210段階を交互に反復的に実施し前記半導体基板10上に目的とする厚さを有する金属複合膜を形成する(段階S220)。
一方、S200段階で、前記第1ソースガスは第1流量で半導体基板10上へ第1時間(t1)の間供給され、前記第2ソースガスは第2流量で半導体基板10上に第1時間(t1)の間供給される。S210段階で、前記第1ソースガスの供給は遮断され、前記第2ソースガスは第3流量で半導体基板10上に第2時間(t2)の間供給される。前記S200段階を実施する間工程チャンバー102内に供給された第1ソースガスはS210段階で第1ソースガスの供給が中断された後にも所定時間の間工程チャンバー102内に残留し、第3流量で供給される第2ソースガスと反応して前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を連続的に蒸着する。
【0099】
例えば、前記S200段階を実施する間前記TiCl4ガスとNH3ガスはそれぞれ約60sccmで供給され、S210段階を実施する間前記NH3ガスは約1000sccmで供給される。
特に、前記S210段階で、前記第1ソースガスは、第1連動バルブ280aの閉めによって供給を中断される。しかし、図19に示されたように、実質的に基板10の側面でみると、前記S200段階で既に工程チャンバー202内部に供給され工程チャンバー202内に残留する第1ソースガスがS210段階でも継続的に基板10上に供給されていることがわかる。即ち、基板10の側面で第1ソースガスは第1流量から漸次減少され、続いて、完全に基板10上への供給が中断される。これは前記S210段階を実施する第2時間(t2)が第1ソースガスの完全排気に所要される時間より短い場合、基板10上への第1ソースガスの供給量は第1流量から漸次減少され、前記S210段階を実施する第2時間(t2)が十分に長い場合、基板10上への第1ソースガスの供給量は第1流量から漸次減少された後、完全に中断されることを意味する。
【0100】
一方、前記S200段階とS210段階を実施する間前記半導体基板10の温度は約400℃から600℃に保持され、工程チャンバー202の内部圧力は約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)程度に保持される。特に、半導体基板10の温度は約500℃に保持され、工程チャンバー202の内部圧力は約2トル(0.3kPa)程度に保持される。
【0101】
一方、前記のような本発明の実施例による金属化合物膜の蒸着方法を用いて基板上にチタン窒化膜を形成する工程をTPD(TiCl4 pulsed deposition)工程として命名することができる。前記TPD工程を適用して半導体基板10上に形成されたチタン窒化膜は従来のSFD工程を適用して形成された窒化膜に比べて改善された電気的特性を有する。
【0102】
(SFPによるチタン窒化膜とTPDによるチタン窒化膜の特性比較)
半導体基板上にSFD方法を適用してチタン窒化膜を形成した。具体的に、TiCl4ガスとNH3ガスをそれぞれ60sccmで6秒の間供給してチタン窒化膜を形成し、窒素ガスを3秒の間供給して工程チャンバーをパージする。続いて、NH3ガスを1000sccmで6秒の間供給してチタン窒化膜内の塩素を除去し、窒素ガスを3秒の間供給して工程チャンバーをパージした。続けて、前記のようなSFD工程サイクルを24回反復して実施した。ここで、半導体基板の温度は約500℃に保持され、工程チャンバーの内部圧力は約3トル(0.4kPa)に保持された。
【0103】
また、半導体基板10上にTPD方法を適用してチタン窒化膜を形成した。具体的に、TiCl4ガスとNH3ガスをそれぞれ60sccmで6秒の間供給して第1チタン窒化膜を形成した。続いて、TiCl4ガスの供給を中断し、NH3ガスを1000sccmで6秒の間供給して、工程チャンバー202内に残留するTiCl4ガスとNH3ガスの反応を用いて前記第1チタン窒化膜上に第2チタン窒化膜を連続的に形成すると同時に第1チタン窒化膜と第2チタン窒化膜に含まれた塩素を除去した。続いて、前記のようなTPD工程サイクルを24回反復した。ここで、半導体基板10の温度は約500℃に保持され、工程チャンバーの内部圧力は約2トル(0.3kPa)に保持された。
【0104】
前記SFD工程を適用して形成されたチタン窒化膜の比抵抗は329μΩcmと測定され、前記TPD工程を適用して形成されたチタン窒化膜の比抵抗は283μΩcmと測定された。また、前記SFD工程を適用して形成されたチタン窒化膜の厚さ均一度は12.1%と算出され、前記TPD工程を適用して形成されたチタン窒化膜の厚さ均一度は6%と算出された。前記のような結果から、本発明の実施例によるTPD工程を適用して形成されたチタン窒化膜は従来のSFD工程を適用して形成されたチタン窒化膜に比べて低い比抵抗と改善された厚さ均一度を有することが立証された。また、従来のSFD工程に比べて工程実施時間が大きく短縮されるので、金属化合物蒸着装置のスループットを大きく向上させることができる。
【0105】
図20は従来のSFD工程のサイクル反復回数による蒸着率を示すグラフであり、図21は図3に示された金属化合物膜の蒸着方法のサイクル反復回数による蒸着率を示すグラフである。図22は従来のSFD工程と本発明の実施例によるTPD工程をそれぞれ実施する場合の単位時間当たり単位設備当たりの基板処理量(UPEH)を示すグラフである。
【0106】
従来のSFD工程によって、TiCl4ガスとNH3ガスをそれぞれ60sccmで1時間の間供給して半導体基板上にチタン窒化膜を形成し、窒素ガスを1000sccmで第2時間の間供給して工程チャンバー内部をパージした。続いて、NH3ガスを1000sccmで第3時間の間供給してチタン窒化膜に含まれた塩素を除去し、窒素ガスを1000sccmで第4時間の間供給して工程チャンバーをパージした。続いて、前記段階を反復的に実施して約150Å程度の目標厚さを有するチタン窒化膜を形成した。また、前記段階の反復回数を変化させ前記目標厚さを有するチタン窒化膜を形成し、前記反復回数によるチタン窒化膜の蒸着率を図20のグラフで示した。ここで、半導体基板の温度は約500℃に保持され、工程チャンバーの内部圧力は約3トル(0.4kPa)に保持された。また、前記第1時間、第2時間、第3時間及び第4時間はそれぞれ6秒、3秒、6秒及び3秒にした。
【0107】
図20に示すように、前記SFD工程で工程サイクル反復回数はチタン窒化膜の蒸着率に殆ど変化を与えない。これは第1時間の間供給された第1ソースガスと第2ソースガスが第2時間の間供給される窒素ガスによって工程チャンバーから十分に除去されるからである。即ち、既に設定された全体工程時間内で工程サイクル反復回数を増加させても、工程チャンバー内でチタン窒化膜の蒸着に寄与する第1ソースガスの総量は変化されない。従って、工程サイクル反復回数を増加させる場合にもチタン窒化膜の蒸着率は殆ど一定に保持される。
【0108】
一方、本発明の実施例によるTPD工程によって、半導体基板10上に第1時間の間TiCl4ガスとNH3ガスをそれぞれ60sccmで供給して第1チタン窒化膜を形成し、 TiCl4ガスとNH3ガスを2sccm及び1000sccmで第2時間の間それぞれ供給して第1チタン窒化膜上に第2チタン窒化膜を形成すると同時に第1チタン窒化膜と第2チタン窒化膜に含まれた塩素を除去した。続いて、前記段階を反復的に実施し約150Å程度の目標厚さを有するチタン窒化膜を形成した。また、前記段階の反復回数を変化させながら前記目標厚さを有するチタン窒化膜を形成し、前記反復回数によるチタン窒化膜の蒸着率を図21のグラフに示した。ここで、半導体基板10の温度は約500℃に保持され、工程チャンバー102の内部圧力は約2トル(0.3kPa)に保持された。また、前記第1時間及び第2時間はそれぞれ6秒にした。
【0109】
また、前記第2時間の間供給されるTiCl4ガスの流量を3.5sccm及び5sccmに変化させながらそれぞれチタン窒化膜を形成し、蒸着率を図21のグラフに示した。
図21に示すように、前記第2時間の間TiCl4ガスを2sccm(a)、3.5sccm(b)、及び5sccm(c)で供給する場合、既に設定された全体工程時間内でサイクル反復回数を増加させることによりチタン窒化膜の蒸着率が漸次増加することがわかる。
【0110】
前記のような結果は、第1チタン窒化膜は第1時間の間供給されたTiCl4ガスとNH3ガスの表面反応によって蒸着され、第2チタン窒化膜は前記第1時間の間工程チャンバー102内部に供給され残留する第1ソースガスと前記第2時間の間相対的に小さい流量で供給されたTiCl4ガスと相対的に大きい流量で供給されたNH3ガスとの間の表面反応と物質伝達によって前記第1チタン窒化膜上に第2チタン窒化膜が連続的に蒸着されるからである。
【0111】
前記のように、第2チタン窒化膜を形成する間ソースガスの流量比変化に起因して発生するソースガスの物質伝達による影響があるにも関わらず、前記チタン窒化膜の段差被覆性は劣化されない。これは前記第2時間の間供給されるTiCl4ガスの流量がNH3ガスの流量に比べて非常に小さく前記第1チタン窒化膜と第2チタン窒化膜が交互に反復的に蒸着されるからである。また、工程温度と工程圧力を相対的に低く保持することで前記ソースガスの物質伝達が抑制されるからである。
【0112】
従って、チタン窒化膜の段差被覆性を阻害しない範囲内で前記第2時間の間TiCl4ガスを供給する場合、チタン窒化膜の蒸着率を大きく向上させることができる。
一方、工程温度と工程圧力に関わらず前記第2時間の間供給されるTiCl4ガスとNH3ガスの流量比のみを調節することでチタン窒化膜の段差被覆性を阻害しない範囲で前記チタン窒化膜の蒸着率を上昇させることもできる。具体的に、前記TiCl4ガスとNH3ガスの流量比を約1:100から1000程度に調節することで物質伝達による蒸着率が表面反応による蒸着率と実質的に同一の程度に調節することができる。
【0113】
図20に示すように、既に設定された全体工程時間内でSFD工程のサイクル反復回数を増加させる場合、チタン窒化膜の蒸着率は殆ど一定に保持されるので従来のチタン窒化膜の蒸着装置のスループットは一定に保持される。しかし、図22を参照すると、チタン窒化膜の比抵抗を大きく減少させるためにNH3供給時間を増加させる場合、単位時間当たり単位設備当たり基板処理量(UPEH)が大きく減少する。即ち、前記従来のチタン窒化膜の蒸着装置のスループットが大きく減少する。
【0114】
これとは異なり、図21に示されたように既に設定された時間内でTPD工程のサイクル反復回数を増加させる場合、チタン窒化膜の蒸着率が増加するので金属化合物蒸着装置100のスループットが増加する。また、図22に示されたように、チタン窒化膜の比抵抗を大きく減少させるためにNH3供給時間を増加させる場合も、単位時間当たり単位設備当たり基板処理量(UPEH)は大きく変わらない。これは前記第2時間の間第2チタン窒化膜が連続的に蒸着されるからであり、これにより、金属化合物蒸着装置100のスループットは殆ど一定に保持できる。
【0115】
図23は本発明の第3実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
図23に示された金属化合物膜の蒸着装置300は半導体基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー302、ステージ304、真空システム310、ガス供給ユニット320などを含むことができる。
【0116】
前記ステージ304は工程チャンバー302内で半導体基板10を支持するために使用され、前記真空システム310は工程チャンバー302内部の圧力を設定された工程圧力に保持するために使用される。
前記ガス供給ユニット320は前記基板10上に金属化合物膜を形成するための第1ソースガス及び第2ソースガスを工程チャンバー302内部に供給するために前記工程チャンバー302上部に配置されたシャワーヘッド306と連結される。前記シャワーヘッド306は前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記ステージ304上の基板10にそれぞれ供給するための複数の第1ノズルと複数の第2ノズルを有する。
【0117】
前記ガス供給ユニット320は前記基板10上にチタン窒化膜のような金属複合膜を蒸着するためにチタン及び塩素を含む第1ソースガスと、窒素及び水素を含む第2ソースガスとを前記基板10上に供給する。前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。一方、前記第1ソースガス及び第2ソースガスはそれぞれ第1キャリアガス及び第2キャリアガスによって工程チャンバー302に運搬され、前記ガス供給ユニット320は前記工程チャンバー302をパージするためのパージガスと、前記工程チャンバー302内部を洗浄するための洗浄ガスとを追加的に供給する。ここで、前記パージガスは前記工程チャンバー302内部の圧力を調節するための圧力調節用ガスとして使用することもできる。
【0118】
前記ガス供給ユニット320は前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部330、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給部340、パージガスを供給するための第3ガス供給部350、及び前記洗浄ガスを供給するための第4ガス供給部360を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッドと連結されている。
【0119】
前記第1ガス供給部330は、第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器332、液相のTiCl4を収容するための密閉容器334、及び第1貯蔵容器332から前記密閉容器334内部に延長する浸漬配管336を含む。前記第1ソースガスは浸漬配管336を通じて伝達された第1キャリアガスのバブリングによって形成される。前記第1ガス供給部130は気化器を使用して構成することもできる。前記第2ガス供給部340は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器342、及びNH3ガスを提供するためのNH3タンク344を含む。
【0120】
前記シャワーヘッド306と第1ガス供給部330の密閉容器334は、第1配管370a、前記第1配管370aから分岐された第1分岐配管372a及び第2分岐配管372bによって連結されている。前記シャワーヘッド306と第2ガス供給部340のNH3タンク344は第2配管370bによって連結されている。第3ガス供給部350は第3配管370cによって第1配管370aに連結され、第2ガス供給部340の第2貯蔵容器342は第4配管370dを通じて第2配管370bに連結されている。前記工程チャンバー102内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部360は第5配管370eを通じて第3配管370cに連結されている。
【0121】
一方、前記第1配管370a、第1分岐配管372a及び第2分岐配管372bにはそれぞれ第1迂回配管374a、第2迂回配管374b及び第3迂回配管374cが連結されている。
前記第1配管370a及び第2配管370bには第1ゲートバルブ376a及び第2ゲートバルブ376bが設けられ、第3配管370c、第4配管370d、第5配管370e及び浸漬配管336には第1流量制御バルブ378a、第2流量制御バルブ378b、第3流量制御ベル378c及び第4流量制御バルブ378dが設けられている。また、前記第1分岐配管372a、第1迂回配管374a、第2分岐配管372b、第2迂回配管374b、第2配管370b及び第3迂回配管374にはそれぞれ第1連動バルブ380a、第2連動バルブ380b、第3連動バルブ380c、第4連動バルブ380d、第5連動バルブ380e、及び第6連動バルブ380fが設けられている。
【0122】
前記第1分岐配管372aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流量制御器382aが設置され、前記第2配管370bには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量に調節するための第2質量流量制御器382bが設置される。また、前記第2分岐配管372bには第1ソースガスの流量を既に設定された第3流量に調節するための第3質量流量制御器382cが設置される。
【0123】
前記半導体基板10上に第1金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板上に供給する間、前記第1連動バルブ880a及び第5連動バルブ380eが開放され前記第2連動バルブ380b及び第6連動バルブ380fが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第3流量で迂回させるために前記第3連動バルブ380cが閉められ第4連動バルブ380dが開放される。
【0124】
前記第1金属化合物膜を形成した後、前記第1金属化合物膜上に第1ソースガスを第3流量で供給し第2ソースガスを第2流量で供給する間、前記第3連動バルブ380c及び第5連動バルブ380eが開放され、前記第4連動バルブ380d及び第6連動バルブ380fが閉められる。これとは同時に、前記第1ソースガスを第1流量で迂回させるために前記第1連動バルブ380aが閉められ第2連動バルブ380bが開放される。これにより、前記第1金属化合物膜を形成する間前記工程チャンバー302内部に供給され前記工程チャンバー302内で残留する第1ソースガスと第3流量で供給された第1ソースガス及び第2流量で供給された第2ソースガスの反応によって前記第1金属化合物膜上には第2金属化合物膜が連続的に蒸着されると同時に前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から塩素のような所望しない物質が除去される。
【0125】
前記のような連動バルブ380a、380b、380c、380d、380e、380f、ゲートバルブ376a、376b及び流量制御バルブ378a、378b、378c、378dの動作はバルブ制御部390によって制御される。
前記ステージ304は前記半導体基板10の温度を工程温度に加熱するためのヒーター308を内蔵し、工程チャンバー302の側壁には半導体基板10の搬出入のためのゲートドア386が設置されている。前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物、残余ガスなどは工程チャンバー302と連結された真空システム310によって工程チャンバー302から除去される。
【0126】
前記のような本発明の第3実施例による金属化合物膜の蒸着装置の構成要素は図1及び図2を参照して既に説明された実施例と類似するのでこれらについての追加的な詳細説明は省略する。
図24は図23に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図25は図24に示された金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【0127】
図24及び図25に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガス、前記金属と結合可能な物質及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスを第1流量比で供給して第1金属化合物膜を前記基板10上に形成する(段階S300)。
【0128】
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスにはNH3ガスが使用される。前記第1金属化合物膜を蒸着する間TiCl4ガスと前記NH3ガスの第1流量及び第2流量はそれぞれ第1質量流量制御器382a及び第2質量流量制御器382bによって制御される。例えば、前記TiCl4ガスの第1流量と前記NH3ガスの第2流量との比は約1:0.5から1:10程度に制御される。特に、前記第1金属化合物膜の蒸着工程が前記ソースガスの表面反応によって行われるように前記TiCl4ガスと前記NH3ガスとの間の第1流量比は1:1で制御される。例えば、前記TiCl4ガスと前記NH3ガスは約60sccmで供給される。
【0129】
続いて、前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して前記第1金属化合物上に第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する(段階S310)。
具体的に、前記第1ソースガスの流量は前記第1流量より小さい第3流量に調節し、前記第2ソースガスの流量を一定に保持することができる。例えば、前記第1ソースガスの第3流量に対する第2ソースガスの第2流量の比は100以上に設定され、前記第3質量流量制御器382cによって調節される。
【0130】
続けて、前記S300段階及びS310段階を交互に反復的に実施し前記半導体基板10上に目的とする厚さを有する金属複合膜を形成する(段階S320)。
一方、S300段階において、前記第1ソースガスは第1流量で半導体基板10上に第1時間(t1)の間供給され、前記第2ソースガスは第2流量で半導体基板10上に第1時間(t1)の間供給される。S310段階で、前記第1ソースガスは第3流量で供給され、前記第2ソースガスは第2流量で半導体基板10上に第2時間(t2)の間供給される。即ち、前記第2ソースガスは全体工程を実施する間前記第2流量で一定に保持される。
【0131】
一方、前記S300段階とS310段階を実施する間前記半導体基板10の温度は約400℃から600℃に保持され、工程チャンバー302の内部圧力は約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)程度に保持される。特に、半導体基板10の温度は約500℃に保持され、工程チャンバー302の内部圧力は約2トル(0.3kPa)程度に保持される。
【0132】
図26は本発明の第4実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
図26に示された金属化合物膜の蒸着装置400は半導体基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー402、ステージ404、真空システム410、ガス供給ユニット420を含むことができる。
【0133】
前記ステージ404は工程チャンバー402内で半導体基板10を支持するために使用され、前記真空システム410は工程チャンバー402内部の圧力を設定された工程圧力に保持するために使用される。
前記ガス供給ユニット420は前記基板10上に金属化合物膜を形成するための第1ソースガス及び第2ソースガスを工程チャンバー402内部に供給するために前記工程チャンバー402上部に配置されたシャワーヘッド406と連結される。前記シャワーヘッド406は前記第1ソースガスと第2ソースガスを前記ステージ404上の基板10にそれぞれ供給するための複数の第1ノズルと複数の第2のノズルを有する。
【0134】
前記ガス供給ユニット420は前記基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するためにチタン及び塩素を含む第1ソースガスと、窒素及び水素を含む第2ソースガスとを前記基板10上に供給する。前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。一方、前記第1ソースガス及び第2ソースガスはそれぞれ第1キャリアガス及び第2キャリアガスによって工程チャンバー402に運搬され、前記ガス供給ユニット420は前記工程チャンバー402をパージするためのパージガスと前記工程チャンバー402内部を洗浄するための洗浄ガスを追加的に供給する。ここで、前記パージガスは前記工程チャンバー402内部の圧力を調節するための圧力調節用ガスとして使用することもできる。
【0135】
前記ガス供給ユニット420は前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部430、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給部440、パージガスを供給するための第3ガス供給部450、及び前記洗浄ガスを供給するための第4ガス供給部460を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッド406と連結されている。
【0136】
前記第1ガス供給部430は第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器432、液相のTiCl4を収容するための密閉容器434、及び第1貯蔵容器432から前記密閉容器434内部に延長する浸漬配管436を含む。前記第1ソースガスは浸漬配管436を通じて伝達された第1キャリアガスのバブリングによって形成される。前記第1ガス供給部130は気化器を使用して構成することもできる。前記第2ガス供給部440は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器442、及びNH3ガスを貯蔵するためのNH3タンク444を含む。
【0137】
前記シャワーヘッド406と第1ガス供給部430の密閉容器434は第1配管470aによって連結されており、前記シャワーヘッド406と第2ガス供給部440のNH3タンク444は第2配管470bによって連結されている。第3ガス供給部450は第3配管470cによって第1配管470aに連結され、第2ガス供給部440の第2貯蔵容器442は第4配管470dを通じて第2配管470bに連結されている。前記工程チャンバー102内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部460は第5配管470eを通じて第3配管470cに連結されている。
【0138】
一方、前記第1配管470a及び第2配管470bにはそれぞれ第1迂回配管474a及び第2迂回配管474bがそれぞれ連結されている。
一方、前記第1配管470a及び第2配管470bには第1ゲートバルブ476a及び第2ゲートベル部476bが設置されており、第3配管470c、第4配管470d、第5配管470e、及び浸漬配管436には第1流量制御バルブ478a、第2流量制御バルブ478b、第3流量制御バルブ478c及び第4流量制御バルブ478dが設置されている。
【0139】
前記第1配管470aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流制御器482aが設置され、前記第2配管470bには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量に調節するための第2質量流量制御器482bが設置される。
【0140】
前記半導体基板10上に第1金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板上に供給する間、前記第1連動バルブ480a及び第3連動バルブ480cが開放され前記第2連動バルブ480b及び第4連動バルブ480dが閉められる。
【0141】
前記第1金属化合物膜を形成した後、前記第1ソースガスの供給を中断し前記第1金属化合物膜上に第2ソースガスを第2流量で供給する間、前記第3連動バルブ480cが開放され前記第4連動バルブ480dが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量で迂回させるために前記第1連動バルブ480aが閉められ第2連動バルブ480bが開放される。これにより、前記第1金属化合物膜を形成する間前記工程チャンバー402内部に供給され前記工程チャンバー402内に残留する第1ソースガスと第2流量で供給された第2ソースガスの反応によって前記第1金属化合物膜上には第2金属化合物膜が連続的に蒸着されると同時に前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜から塩素のような所望しない物質が除去される。
【0142】
前記のような連動バルブ480a、480b、480c、480d、ゲートバルブ476a、476b及び流量制御バルブ478a、478b、478c、478dの動作はバルブ制御部490によって制御される。
前記ステージ404は前記半導体基板10の温度を工程温度で加熱するためのヒーター408を内蔵し、工程チャンバー402の側壁には半導体基板10の搬出入のためのゲートドア486が設置されている。前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物と、残余ガスなどは工程チャンバー402と連結された真空システム410によって工程チャンバー402から除去される。
【0143】
前記のような本発明の第4実施例による金属化合物膜の蒸着装置の構成要素は図1及び図2を参照して既に説明された実施例と類似するのでこれらに対する追加的な詳細な説明は省略する。
図27は図26に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図28は図27に示された金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【0144】
図27及び図28に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを第1流量比で供給して第1金属化合物膜を前記基板10上に形成する(段階S400)。
【0145】
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスにはNH3ガスが使用される。前記第1金属化合物膜を蒸着する間前記TiCl4ガスと前記NH3ガスの第1流量及び第2流量はそれぞれ第1質量流量制御器482a及び第2質量流量制御器482bによって制御される。例えば、前記TiCl4ガスの第1流量と前記NH3ガスの第2流量との間の第1流量比は1:0.5から1:10程度に制御される。特に、前記第1金属化合物膜の蒸着工程が前記ソースガスの表面反応によって行われるように前記TiCl4ガスと前記NH3ガスとの間の第1流量比は1:1に制御される。例えば、前記TiCl4ガスと前記NH3はそれぞれ約60sccmで供給される。
【0146】
続いて、前記第1ソースガスの供給を中断し前記第1金属化合物上に供給される第2ソースガスの供給流量を一定に保持し、前記工程チャンバー402内部に残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスを用いて前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を連続的に形成すると同時に第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する(段階S410)。
【0147】
続けて、前記S400段階及びS410段階を交互に反復的に実施して前記半導体基板10上に目的とする厚さを有する金属複合膜を形成する(段階S420)。
一方、前記S400段階で、前記第1ソースガスは第1流量で半導体基板10上に第1時間(t1)の間供給され、前記第2ソースガスは第2流量で半導体基板10上に第1時間(t1)の間供給される。S410段階で、前記第1ソースガスの供給は遮断され、前記第2ソースガスは第2流量で半導体基板10上に第2時間(t2)の間供給される。前記S400段階を実施する間工程チャンバー102内に供給された第1ソースガスはS410段階で第1ソースガスの供給が中断された後にも所定時間の間工程チャンバー402内に残留し、第2流量で供給される第2ソースガスと反応して前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を連続的に蒸着する。
【0148】
例えば、前記S400段階及びS410段階を実施する間前記TiCl4ガスは間歇的に約60sccmで供給され、NH3ガスは約60sccmで供給される。
特に、前記S410段階で、前記第1ソースガスは第1連動バルブ480aの閉めによって供給が中断される。しかし、実質的に基板10の側面で見ると、前記S400段階で既に工程チャンバー402内部に供給され工程チャンバー内に残留する第1ソースガスがS410段階でも継続的に基板10上に供給され第2金属化合物蒸着に寄与する。即ち、前記S410段階を実施する第2時間(t2)が第1ソースガスの完全排気に所要される時間より短い場合、基板10上への第1ソースガスの供給量は第1流量から漸次減少され、前記S410段階を実施する第2時間(t2)が十分に長い場合、基板10上への第1ソースガスの供給量が第1流量から漸次減少された後、供給が完全に中断される。
【0149】
一方、前記S400段階とS410段階を実施する間前記半導体基板10の温度は約400℃から600℃に保持され、工程チャンバー402の内部圧力は約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)程度に保持される。特に、半導体基板10の温度は約500℃に保持され、工程チャンバー402の内部圧力は約2トル(0.3kPa)程度に保持される。
【0150】
図29は本発明の第5実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
図29に示された金属化合物膜の蒸着装置500は、半導体基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー502、ステージ504、真空システム510、ガス供給ユニット520を含むことができる。
【0151】
前記ガス供給ユニット520は、前記基板上に金属化合物膜を形成するための第1ソースガス及び第2ソースガスを工程チャンバー502内部に供給するために前記工程チャンバー502上部に配置されたシャワーヘッド506と連結される。
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。一方、前記第1ソースガス及び第2ソースガスはそれぞれ第1キャリアガス及び第2キャリアガスによって工程チャンバー502に運搬され、前記ガス供給ユニット520は前記工程チャンバー502をパージするためのパージガスと前記工程チャンバー502内部を洗浄するための洗浄ガスを追加的に供給する。
【0152】
前記ガス供給ユニット520は、前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部530、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給部540、パージガスを供給するための第3ガス供給部550、及び前記洗浄ガスを供給するための第4ガス供給部560を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッド506と連結されている。
【0153】
前記第1ガス供給部530は第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器532、液相のTiCl4を収容するための密閉容器534、及び第1貯蔵容器532から前記密閉容器534内部に延長し前記第1キャリアガスのバブリングによって第1ソースガスを形成する浸漬配管536を含む。前記第2ガス供給部540は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器542、及びNH3ガスを提供するためのNH3タンク544を含む。
【0154】
前記シャワーヘッド506と第1ガス供給部530の密閉容器534は第1配管570a、前記第1配管570aから分岐された第1分岐配管572a、第2分岐配管572b及び第3分岐配管572cによって連結されている。前記シャワーヘッド506と第2ガス供給部540のNH3タンク544は第2配管570b、前記第2配管570bから分岐された第4分岐配管572d、第5分岐配管572e及び第6分岐配管572fによって連結されている。第3ガス供給部550は第3配管570cによって第1配管570aに連結され、第2ガス供給部540の第2貯蔵容器542は第4配管570dを通じて第2配管570bに連結されている。前記工程チャンバー502内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部560は第5配管570eを通じて第3配管570cに連結されている。
【0155】
一方、前記第1分岐配管572a、第2分岐配管572b、第3分岐配管572c、第4分岐配管572d、 第5分岐配管572e及び第6分岐配管572fにはそれぞれ第1迂回配管574a、第2迂回配管574b、第3迂回配管574c、第4迂回配管574d、第5迂回配管574e及び第6迂回配管574fが連結されている。
【0156】
前記第1配管570a及び第2配管570bには第1ゲートバルブ576a及び第2ゲートバルブ576bが設置されており、第3配管570c、第4配管570d、第5配管570e及び浸漬配管536には第1流量制御バルブ578a、第2流量制御バルブ578b、第3流量制御バルブ578c及び第4流量バルブ578dが設置されている。また、前記第1分岐配管572a、第1迂回配管574a、第2分岐配管572b、第2迂回配管574b、第3分岐配管572c、第3迂回配管574c、第4分岐配管572d、第4迂回配管574d、第5分岐配管572e、第5迂回配管574e、第6分岐配管572f、第6迂回配管574fにはそれぞれ第1連動バルブ580a、第2連動バルブ580b、第3連動バルブ580c、第4連動バルブ580d、第5連動バルブ580e、第6連動バルブ580f、第7連動バルブ580g、第8連動バルブ580h、第9連動バルブ580i、第10連動バルブ580j、第11連動バルブ580k、及び第12連動バルブ580mが設置されている。
【0157】
前記第1分岐配管572aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流量制御器582aが設置され、前記第4分岐配管572dには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量に調節するための第2質量流量制御器582bが設置される。前記第2分岐配管572bには第1ソースガスの流量を既に設定された第3流量に調節するための第3質量流量制御器582cが設置され、前記第5分岐配管572eには第2ソースガスの流量を既に設定された第4流量に調節するための第4質量流量制御器582dが設置される。前記第3分岐配管572cには第2ソースガスの流量を既に設定された第5流量に調節するための第5質量流量制御器582eが設置され、前記第6分岐配管572fには第2ソースガスの流量を既に設定された第6流量に調節するための第6質量流量制御器582fが設置される。
【0158】
前記半導体基板10上に第1金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板10上に供給する間、前記第1連動バルブ580a及び第7連動バルブ580gが開放され前記第2連動バルブ580b及び第8連動バルブ580hが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第3流量及び第5流量でそれぞ迂回させるために前記第3連動バルブ580c及び第5連動バルブ580eが閉められ前記第4連動バルブ580d及び第6連動バルブ580fが開放され、前記第2ソースガスを第4流量及び第6流量で迂回させるために第9連動バルブ580i及び第11連動バルブ580kが閉められ前記第10連動バルブj及び第12連動バルブ580mが開放される。
【0159】
前記第1金属化合物膜を蒸着した後、前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第3流量及び第4流量で前記工程チャンバー502内部に供給する間、前記第3連動バルブ580c及び第9連動バルブ580iが開放され前記第4連動バルブ580d及び第10連動バルブ580jが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量及び第5流量でそれぞれ迂回させるために前記第1連動バルブ580a及び第5連動バルブ580eが閉められ前記第2連動バルブ580b及び第6連動バルブ580fが開放され、前記第2ソースガスを第2流量及び第6流量で迂回させるために第7連動バルブ580g及び第11連動バルブ580kが閉められ前記第8連動バルブ580h及び第12連動バルブ580mが開放される。
【0160】
前記第2金属化合物膜を蒸着した後、前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第5流量及び第6流量で前記工程チャンバー502内部に供給する間、前記第5連動バルブ580e及び第11連動バルブ580kが開放され前記第6連動バルブ580f及び第12連動バルブ580mが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量及び第3流量でそれぞれ迂回させるために前記第1連動バルブ580a及び第3連動バルブ580cが閉められ前記第2連動バルブ580b及び第4連動バルブ580dが開放され、前記第2ソースガスを第2流量及び第4流量で迂回させるために第7連動バルブ580g及び第9連動バルブ580iが閉められ前記第8連動バルブ580h及び第10連動バルブ580jが開放される。
【0161】
前記第3金属化合物膜を蒸着した後、前記第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第3流量及び第4流量で前記工程チャンバー502内部に供給する間、前記第3連動バルブ580c及び第9連動バルブ580jが開放され前記第4連動バルブ580d及び第10連動バルブ580jが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量及び第5流量でそれぞれ迂回させるために前記第1連動バルブ580a及び第5連動バルブ580eが閉められ前記第2連動バルブ580b及び第6連動バルブ580fが開放され、前記第2ソースガスを第2流量及び第6流量で迂回させるために第7連動バルブ580g及び第11連動バルブ580kが閉められ前記第8連動バルブ580h及び第12連動バルブ580mが開放される。
【0162】
前記のような連動バルブ580a、580b、580c、580d、580e、580f、580g、580h、580i、580j、580k、580m、ゲートバルブ576a、576b及び流量制御バルブ578a、578b、578c、578dの動作はバルブ制御部590によって制御される。
【0163】
前記ステージ504は前記半導体基板10の温度を工程温度に加熱するためのヒーター508を内蔵し、工程チャンバー502の側壁には半導体基板10の搬出入のためのゲートドア586が設置されている。前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物、残余ガスなどは工程チャンバー502と連結された真空システム510によって工程チャンバー502から除去される。
【0164】
前記のような本発明の第5実施例による金属化合物膜の蒸着装置の構成要素は図1及び図2を参照して既に説明された実施例と類似するので、これらについての追加的な詳細な説明は省略する。
図30は図29に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図31は図30に示された金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【0165】
図30及び図31に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガスと、前記金属と結合可能な物質及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスとを第1流量比で供給して第1金属化合物膜を前記基板10上に形成する(段階S500)。
【0166】
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。前記第1金属化合物膜を蒸着する間前記TiCl4ガスと前記NH3ガスの第1流量及び第2流量はそれぞれ第1質量流量制御器582a及び第2質量流量制御器582bによって制御される。前記第1流量比は第1金属化合物の段差被覆性を向上させるために物質伝達による蒸着率より表面反応による蒸着率がさらに大きい範囲で決定されることが望ましい。
【0167】
例えば、前記第1ソースガスの第1流量と前記第2ソースガスの第2流量との間の第1流量比は1:2から1:10程度に制御される。言い換えれば、前記第1ソースガスと第2ソースガスとの間の第1流量比は0.1:1から0.5:1程度に制御される。これは前記第2ソースガスの第2流量より第1ソースガスの第1流量を相対的に小さくすることで第1金属化合物膜内での所望しない物質、即ち、塩素の含量を減少させるためである。
【0168】
例えば、前記第1質量流量制御器582aを用いて第1ソースガスの第1流量を約20sccmに制御し、前記第2質量流量制御器582bを用いて第2ソースガスの第2流量を約60sccmに制御することができる。
前記第1金属化合物上に第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜内の所望しない物質を除去する(段階S510)。
【0169】
具体的に、前記第1ソースガスを前記第1流量より小さい第3流量で供給し、前記第2ソースガスを前記第2流量より大きい第4流量で供給する。このとき、前記第1ソースガスの第3流量及び前記第2ソースガスの第4流量は第3質量流量制御器582c及び第4質量流量制御器582dによって制御される。例えば、前記第3流量と第4流量との間の第2流量比は前記所望しない物質を十分に除去するために約1:100から1:1000程度に設定されることが望ましい。言い換えれば、前記第3流量及び第4流量との間の第2流量比は0.001:1から0.01:1程度であることができる。また、前記第2流量と前記第4流量との間の比は約0.1から1:100程度に設定される。例えば、前記第2金属化合物膜を形成する間前記第1ソースガスは約2sccm程度で供給され、前記第2ソースガスは約1000sccm程度で供給される。
【0170】
前記S500段階及びS510段階を交互に反復的に実施して前記半導体基板10上に目的とする厚さを有し前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜を含む第1金属複合膜を形成する(段階S520)。
前記第1金属複合膜上に第1ソースガスと第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第3流量比で供給して第3金属化合物膜を蒸着する(段階S530)。具体的に、前記第1ソースガスの第5流量に対する第2ソースガスの第6流量の第3流量比は第5質量流量制御器582e及び第6質量流量制御器582fによって約0.5より大きいか同じであり2より小さく制御される。特に、第3金属化合物膜の蒸着工程がソースガスの表面反応によって安定的に実施されるように前記第3流量比は約1:1程度に制御されることが望ましい。
【0171】
例えば、前記第3金属化合物膜を蒸着する間前記第1ソースガスの第5流量及び第2ソースガスの第6流量は第5質量流量制御器582e及び第6質量流量制御器582fによって約30sccmにそれぞれ制御される。
前記第3金属化合物膜上に前記第3流量比と異なる第4流量比で第1ソースガス及び第2ソースガスを供給して前記第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を連続的に蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び第4金属化合物膜に残留する塩素成分を除去する(段階S540)。
【0172】
前記第4流量比は実質的に前記第2流量比と同一に制御される。即ち、前記第1ソースガスの第7流量と第2ソースガスの第8流量との間の第4流量比は第3質量流量制御器582cと第4質量流量制御器582dによって約1:100から1000程度に制御される。
【0173】
前記S530段階及びS540段階を交互に反復的に実施して前記第1金属複合膜上に目的とする厚さを有し前記第3金属化合物膜及び第4金属化合物膜を含む第2金属複合膜を形成する(段階S550)。
一方、前記第1金属複合膜を蒸着する間前記ハロゲン元素と下部膜との間で化学的な反応が発生し、前記反応による副産物は下部膜の電気的な特性を劣化させる可能性がある。前記のような問題点を解決するために前記第1金属複合膜を蒸着する間第2ソースガスの第2流量に対して第1ソースガスの第1流量を前記のように相対的に小さい範囲で制御する。
【0174】
前記第2金属複合膜を蒸着する間には前記第1金属複合膜によって前記下部膜と前記ハロゲン元素との間の反応を防止することができるので、前記したように第1ソースガスの第5流量を前記第1流量より相対的に大きく制御することができる。従って、第2金属複合膜はソースガスの表面反応によって連続的に均一に形成される。
【0175】
前記第1金属複合膜を蒸着する間工程温度とチャンバー内部圧力は相対的に低く保持されることが望ましい。これは図5及び図6に示されたように相対的に低い温度及び圧力では物質伝達による蒸着が抑制できるからであり、これにより前記第1金属複合膜の段差被覆性が改善され、下部膜に対する熱的ストレスが減少する。また、相対的に低い温度で前記ハロゲン元素と下部膜との間の反応が抑制され、相対的に低い圧力で前記第1ソースガスが工程チャンバー502内で滞留する時間が相対的に短くなり得るので前記ハロゲン元素と下部膜との間の反応が減少する。
【0176】
例えば、前記第1金属複合膜を蒸着する間工程温度は約400℃から約600℃程度に保持されることが望ましく、前記チャンバー内部圧力は約0.1トルから2.5トル(13Paから340Pa)程度に保持されることが望ましい。例えば、約500℃の工程温度と約2トル(0.3kPa)程度の工程圧力が適用される。また、前記第2金属複合膜を蒸着する間の工程温度とチャンバー内部圧力は前記第1金属複合膜を蒸着する間実質的に同一に保持されることが望ましい。
【0177】
前記下部膜の例としてはキャパシター誘電膜、ゲート構造物のゲート酸化膜、不揮発性メモリセルでのブロッキング酸化膜などがあり、前記下部膜がハフニウム酸化物(HfO2)またはジルコニウム酸化物(ZrO2)のような高誘電物質を含む場合、前記のような工程条件を適用することで4塩化ハフニウム(HfCl4)または4塩化ジルコニウム(ZrCl4)のような反応副産物生成を抑制することができ、これにより、漏洩電流増加及び比抵抗増加を大きく抑制することができる。
【0178】
一方、図5及び図7に示されたように、金属複合膜の段差被覆性のみを考慮する場合、工程温度と工程圧力のうち一つのみを制御することで、目的とする段差被覆性を得ることもできる。
例えば、前記第1金属複合膜を蒸着する間約5トル(0.7kPa)程度の相対的に高い圧力と約500℃程度の低い工程温度を保持する場合、工程圧力と大きく関係なしに、目的とする段差被覆性、及び下部膜に対する熱的ストレスを改善することができる。この場合、前記第1金属複合膜を形成する間第1ソースガスが工程チャンバー内部で滞留する時間が相対的に長くなることがありえるので前記ハロゲン元素と下部膜との間の反応が増加する可能性もあるが、目的とする段階被覆性の具現は十分に達成される。
【0179】
これとは異なり、前記第1金属複合膜を蒸着する間約2トル(0.3kPa)程度の相対的に低い圧力と約700℃の高い工程温度を保持する場合、下部膜に対する熱的ストレスを改善することはできないが、目的とする段差被覆性の具現は十分に達成される。
一方、前記したように前記第3金属化合物膜を蒸着する間供給される第1ソースガスの第5流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する間供給される第1ソースガスの第1流量より大きく設定される。しかし、それとは反対に、前記第3金属化合物膜を蒸着する間供給される第2ソースガスの第6流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する間供給される第2ソースガスの第2流量より小さいか同じに設定される。これは前記第3金属化合物膜を形成する間前記第3金属化合物膜の蒸着で物質伝達による影響を十分に排除させることで前記第3金属化合物膜の蒸着がソースガスの表面反応によってのみ行われるようにするためである。即ち、前記第5流量を第1流量より増加させると同時に前記第6流量を第2流量より小さくすることで前記第1金属化合物膜と第3金属化合物膜の蒸着段階で実質的な流量比差異を相対的に大きくすることができる。従って、第3金属化合物膜の蒸着段階で物質伝達による影響を十分に排除することができ、ソースガスの表面反応による段差被覆性改善効果を安定的に確保することができる。
【0180】
一方、前記第1金属複合膜及び第2金属複合膜を含む金属化合物膜は反復的に実施される段階によって形成された複合構造を有するので、後続するエッチング工程でエッチング液の浸透を防止することができる。従って、前記金属化合物膜の下部に配置される基板または下部膜で発生し得る前記エッチング液の浸透による損傷を防止することができる。
【0181】
図32は本発明の第6実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
図32に示された金属化合物膜の蒸着装置600は半導体基板10上にチタン窒化膜のような金属化合物膜を蒸着するために使用され、工程チャンバー602、ステージ604、真空システム610、ガス供給ユニット620などを含むことができる。
【0182】
前記ガス供給ユニット620は前記基板10上に金属化合物膜を形成するための第1ソースガス及び第2ソースガスを工程チャンバー602内部に供給するために前記工程チャンバー602上部に配置されたシャワーヘッド606と連結される。
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。一方、前記第1ソースガス及び第2ソースガスはそれぞれ第1キャリアガス及び第2キャリアガスによって工程チャンバー602に運搬され、前記ガス供給ユニット620は前記工程チャンバー602をパージするためのパージガスと前記工程チャンバー602内部を洗浄するための洗浄ガスを追加的に供給する。
【0183】
前記ガス供給ユニット620は前記TiCl4ガスと第1キャリアガスを供給するための第1ガス供給部630、NH3ガスと第2キャリアガスを供給するための第2ガス供給部640、パージガスを供給するための第3ガス供給部650、及び前記洗浄ガスを供給するための第4ガス供給部660を含み、複数の配管を通じてシャワーヘッド606と連結されている。
【0184】
前記第1ガス供給部630は第1キャリアガスを貯蔵するための第1貯蔵容器632、液相のTiCl4を収容するための密閉容器634、及び第1貯蔵容器632から前記密閉容器634内部に延長し前記第1キャリアガスのバブリングによって第1ソースガスを形成する浸漬配管636を含む。前記第2ガス供給部640は第2キャリアガスを貯蔵するための第2貯蔵容器642、及びNH3ガスを提供するためのNH3タンク644を含む。
【0185】
前記シャワーヘッド606と第1ガス供給部630の密閉容器634は第1配管670aと、前記第1配管670aから分岐された第1分岐配管672a及び第2分岐配管672bによって連結されている。前記シャワーヘッド606と第2ガス供給部640のNH3タンク644は第2配管670bと、前記第2配管670bから分岐された第3分岐配管672c、第4分岐配管672c及び第5分岐配管672eによって連結されている。第3ガス供給部650は第3配管670cによって第1配管670aに連結されており、第2ガス供給部640の第2貯蔵容器642は第4配管670dを通じて第2配管670bに連結されている。前記工程チャンバー602内部を洗浄するために洗浄ガスを供給する第4ガス供給部660は第5配管670eを通じて第3配管670cに連結されている。
【0186】
一方、前記第1分岐配管672a、第2分岐配管672b、第3分岐配管672c、第4分岐配管672d及び第5分岐配管672eにはそれぞれ第1迂回配管674a、第2迂回配管674b、第3迂回配管674c、第4迂回配管674d及び第5迂回配管674eがそれぞれ連結されている。
【0187】
前記第1配管670a及び第2配管670bには第1ゲートバルブ676a及び第2ゲートバルブ676bが設置されており、第3配管670c、第4配管670d、第5配管670e及び浸漬配管636には第1流量制御バルブ678a、第2流量制御バルブ678b、第3流量制御バルブ678c及び第4流量制御バルブ678dが設置されている。また、前記第1分岐配管672a、第1迂回配管674a、第2分岐配管672b、第2迂回配管674b、第3分岐配管672c、第3迂回配管674c、第4分岐配管672d、第4迂回配管674d、第5分岐配管672e、第5迂回配管674eにはそれぞれ第1連動バルブ680a、第2連動バルブ680b、第3連動バルブ680c、第4連動バルブ680d、第5連動バルブ680e、第6連動バルブ680f、第7連動バルブ680g、第8連動バルブ680h、第9連動バルブ680i及び第10連動バルブ680jが設置されている。
【0188】
前記第1分岐配管672aには第1ソースガスの流量を既に設定された第1流量に調節するための第1質量流量制御器682aが設置され、前記第3分岐配管672aには第2ソースガスの流量を既に設定された第2流量に調節するための第2質量流量制御器682bが設置される。前記第4分岐配管672dには第2ソースガスの流量を既に設定された第3流量に調節するための第3質量流量制御器682cが設置される。前記第2分岐配管672bには第1ソースガスを既に設定された第4流量に調節するための第4質量流量制御器682dが設置され、前記第5分岐配管672eには第2ソースガスの流量を既に設定された第5流量に調節するための第5質量流量制御器682eが設置される。
【0189】
前記半導体基板10上に第1金属化合物膜を蒸着するために第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で半導体基板上10に供給する間、前記第1連動バルブ680a及び第5連動バルブ680eが開放され前記第2連動バルブ680b及び第6連動バルブ680fが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第4流量で迂回させるために前記第3連動バルブ680cが閉められ第4連動バルブ680dが開放され、前記第2ソースガスを第3流量及び第5流量で迂回させるために第7連動バルブ680g及び第9連動バルブ680iが閉められ前記第8連動バルブ680h及び第10連動バルブ680jが開放される。
【0190】
前記第1金属化合物膜を形成した後、前記第1ソースガスの供給を中断し前記第2ソースガスを第3流量で供給するために第7連動バルブ680gが開放され前記第8連動バルブ680hが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量及び第4流量でそれぞれ迂回させるために前記第1連動バルブ680a及び第3連動バルブ680cが閉められ、第2連動バルブ680b及び第4連動バルブ680dが開放され、前記第2ソースガスを第2流量及び第5流量でそれぞれ迂回させるために前記第5連動バルブ680e及び第9連動バルブ680iが閉められ、第6連動バルブ680f及び第10連動バルブ680hが開放される。前記第1金属化合物膜上には前記工程チャンバー602内に残留する第1ソースガスと前記第3流量で供給される第2ソースガスの反応によって第2金属化合物膜が連続的に蒸着され、前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜に含まれた塩素成分は前記第3流量で供給される第2ソースガスによって除去される。
【0191】
前記第2金属化合物膜を蒸着した後、前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着するため第1ソースガスと第2ソースガスをそれぞれ第4流量及び第5流量で前記工程チャンバー602内部に供給する間、前記第3連動バルブ680c及び第9連動バルブ680iが開放され前記第4連動バルブ680d及び第10連動バルブ680jが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量で迂回させるために前記第1連動バルブ680aが閉められ前記第2連動バルブ680bが開放され、第2ソースガスを第2流量及び第3流量で迂回させるために前記第5連動バルブ680e及び第7連動バルブ680gが閉められ第6連動バルブ680f及び第8連動バルブ680hが開放される。
【0192】
前記第3金属化合物膜を蒸着した後、第1ソースガスの供給を中断し前記第2ソースガスを第3流量で供給するために前記第7連動バルブ680gが開放され前記第8連動バルブ680hが閉められる。これと同時に、前記第1ソースガスを第1流量及び第4流量でそれぞれ迂回させるために前記第1連動バルブ680a及び第3連動バルブ680cが閉められ前記第2連動バルブ680b及び第4連動バルブ680dが開放され、第2ソースガスを第2流量及び第5流量でそれぞれ迂回させるために前記第5連動バルブ680e及び第9連動バルブ680iが閉められ第6連動バルブ680f及び第10連動バルブ680jが開放される。前記第3金属化合物上には前記工程チャンバー602内に残留する第1ソースガスと前記第3流量で供給される第2ソースガスの反応によって第4金属化合物膜が連続的に蒸着され、前記第3金属化合物膜及び第4金属化合物膜に含まれた塩素成分は前記第3流量で供給される第2ソースガスによって除去される。
【0193】
前記のような連動バルブ680a、680b、680c、680d、680e、680f、680g、680h、680i、680j、ゲートバルブ676a、676b及び流量制御バルブ678a、678b、678c、678dの動作はバルブ制御部690によって制御される。
【0194】
前記ステージ604は前記半導体基板の温度を工程温度に加熱するためにヒーターを内蔵し、工程チャンバー602の側面には半導体基板10の搬出入のためのゲートドア686が設置されている。前記金属化合物膜を蒸着する間発生した反応副産物、残余ガスなどは工程チャンバー602と連結された真空システム610によって工程チャンバー602から除去される。
【0195】
前記のような本発明の第6実施例による金属化合物膜の蒸着装置の構成要素は図1及び図2を参照して既に説明された実施例と類似するのでこれらの説明についての追加的な詳細説明は省略する。
図33は図32に示された金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図であり、図34は図33に示された金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【0196】
図33及び図34に示すように、シリコンウェーハのような半導体基板10上に金属及びハロゲン元素を含む第1ソースガス、前記金属と結合可能な物質及び前記ハロゲン元素と結合可能な物質を含む第2ソースガスを第1流量比で供給して第1金属化合物膜を前記基板上に形成する(段階S600)。
【0197】
前記第1ソースガスとしてはTiCl4ガスが使用され、前記第2ソースガスとしてはNH3ガスが使用される。前記第1金属化合物膜を蒸着する間前記TiCl4ガスと前記NH3ガスの第1流量及び第2流量はそれぞれ第1質量流量制御器680a及び第2質量流量制御器680bによって制御される。前記第1流量比は第1金属化合物の段差被覆性を向上させるために物質伝達による蒸着率より表面反応による蒸着率がさらに大きい範囲で決定されることが望ましい。
【0198】
例えば、前記第1ソースガスの第1流量と第2ソースガスの第2流量との比である第1流量比は約1:2から1:10程度に制御される。言い換えれば、前記第1ソースガスと第2ソースガスとの間の第1流量比は0.1:1から0.5:1程度に制御される。これは前記第2ソースガスの第2流量より第1ソースガスの第1流量を相対的に小さくすることで、第1金属化合物膜内での所望しない物質、即ち、塩素の含量を減少させるためである。
【0199】
例えば、前記第1質量流量制御器680aを用いて第1ソースガスの第1流量を約20sccmに制御し、前記第2質量流量制御器680bを用いて第2ソースガスの第2流量を約60sccmに制御することができる。
前記第1ソースガスの供給を中断し前記第1金属化合物膜上に第2ソースガスを前記第2流量より大きい第3流量で供給して前記工程チャンバー602内に残留する第1ソースガスと前記第3流量で供給された第2ソースガスの反応を通じて第2金属化合物を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜内の所望しない物質を除去する(段階S610)。
【0200】
具体的に、前記第2ソースガスの第3流量は第3質量流量制御器680cによって制御され、前記第2流量と前記第3流量との間の比は約1:10から1:100程度に設定される。例えば、前記第2金属化合物膜を蒸着する間前記第2ソースガスは約1000sccm程度で供給される。
【0201】
特に、前記S610段階で、前記第1ソースガスは第1連動バルブ680a及び第3連動バルブ680cの閉めによって供給が中断される。しかし、実質的に基板10上には、前記S200段階で既に工程チャンバー202内部に供給され工程チャンバー202内に残留する第1ソースガスがS210段階でも継続的に基板10上に提供され、前記第2金属化合物膜の蒸着に寄与する。即ち、前記S610段階を実施する時間が十分に長い場合、基板10の側面で第1ソースガスは第1流量から漸次減少され、続いて、完全に基板10上への供給が中断される。これとは異なり、前記S610段階を実施する時間が相対的に短い場合、前記工程チャンバー602に残留する第1ソースガスは前記S610段階を実施する間持続的に第2金属化合物膜の蒸着に寄与することができる。
【0202】
前記S600段階及びS610段階を交互に反復的に実施して前記半導体基板10上に、目的とする厚さを有し前記第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜を含む第1金属複合膜を形成する(段階S620)。
前記第1金属複合膜上に第1ソースガスを前記第1流量より大きい第4流量で供給し前記第2ソースガスを前記第2流量より小さいか同じである第5流量で供給して第3金属化合物膜を蒸着する(段階S630)。具体的に、前記第1ソースガスの第4流量は第4質量流量制御器680dによって制御され、前記第2ソースガスの第5流量は第5質量流量制御器680eによって制御される。前記第4流量に対する第5流量の比は0.5より大きいか同じであり2より小さく制御される。
【0203】
例えば、前記第3金属化合物膜を蒸着する間前記第1ソースガスの第4流量及び第2ソースガスの第5流量は約30sccmにそれぞれ制御される。
前記第1ソースガスの供給を中断し、前記第3金属化合物膜上に前記第2ソースガスを前記第3流量と実質的に同一の第6流量で供給して第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を連続的に蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び第4金属化合物膜に残留する塩素成分を除去する(段階S640)。
【0204】
前記第6流量は第3質量流量制御器680cによって制御され、前記第4金属化合物膜の蒸着は前記第2金属化合物膜の蒸着の場合と実質的に同一に行われる。
前記S630段階及びS640段階を交互に反復的に実施して前記第1金属複合膜上に、目的とする厚さを有し前記第3金属化合物膜及び第4金属化合物膜を含む第2金属複合膜を形成する(段階S650)。
【0205】
図35は本発明の一実施例によって形成されたチタン窒化膜を含む半導体装置を概略的に示す断面図である。
図35に示すように、半導体基板10上には複数の電界効果トランジスタ20が形成されており、前記トランジスタ20上にはビットライン構造物30が形成され、前記ビットライン構造物30上にはデータ貯蔵のためのキャパシター40が形成されている。
【0206】
前記トランジスタ20のうちセル領域に配置された一部は前記ビットライン構造物30及び前記キャパシター40と電気的に連結され、それぞれのキャパシター40は下部電極、誘電膜及び上部電極を含む。また、前記トランジスタ20のうち他の一部は信号伝達のための金属配線構造物50とコンタクトプラグ60を通じて連結されており、前記金属配線構造物50はキャパシター40の上部に形成される。
【0207】
詳細に図示されてはいないが、前記のような構造物は層間絶縁膜70によって電気的に絶縁され、多様な単位工程を反復的に実施することで形成される。
特に、前記キャパシター40の下部電極42と上部電極44は本発明の実施例による金属化合物膜の蒸着方法と蒸着装置を用いて形成される。このとき、前記誘電膜46が高誘電物質を含む場合、相対的に低い温度で相対的に小さい流量のTiCl4ガスを用いるので前記高誘電物質とハロゲン元素との間の反応を抑制することができる。従って、前記誘電膜46の電流漏洩特性を改善することができ、前記下部電極42及び上部電極44の比抵抗を改善することができる。
【0208】
前記ビットライン及び金属配線のような導電性構造物30、50と前記層間絶縁膜70との間には金属障壁膜32、52が形成され、前記金属障壁膜32、52は本発明の実施例による金属化合物膜の蒸着方法と蒸着装置を用いて形成される。前記金属障壁膜32、52は相対的に低い温度で形成されるので基板10上の下部構造物に対する熱的ストレスを減少させることができる。また、ビットライン及び金属配線構造物30、50と下部構造物との間で電気抵抗を減少させることができる。
【0209】
また、前記コンタクトプラグ60は下部のトランジスタ構造物20と上部の金属配線構造物50とを電気的に連結し、本発明の実施例による金属化合物膜の蒸着方法と蒸着装置を用いて形成される。前記コンタクトプラグ60は相対的に低い温度で形成されるので基板10上の下部構造物に対する熱的ストレスを減少させることができる。また、ビットライン及び金属配線構造物30、50と下部構造物との間で電気抵抗を減少させることができる。
【0210】
(産業上の利用可能性)
前記のような本発明の実施例によると、第1ソースガスと第2ソースガスを用いて第1金属化合物膜を蒸着し、前記第1ソースガスと第2ソースガスの供給流量を調節して前記第1金属化合物膜上に連続的に第2金属化合物を蒸着すると同時に第1金属化合物膜及び第2金属化合物膜に含まれた所望しない物質を除去する。従って、金属化合物膜の比抵抗を低くすることができ、従来のALD方法及びSFD方法に比べて工程時間を大きく短縮させることができ金属化合物膜の蒸着装置のスループットが大きく向上する。
【0211】
また、金属化合物膜の蒸着工程を相対的に低い温度と圧力で実施するので下部構造物に対する熱的ストレスを減少させることができ、金属化合物膜の段差被覆性を大きく改善することができる。
特に、下部膜が高誘電物を含む場合、相対的に低い温度でソースガスの供給流量を調節することで前記高誘電物質とソースガスのハロゲン元素との間の反応を抑制することができ、これにより、下部膜を通じて電流漏洩を大きく抑制することができる。
【0212】
最後に、本発明の実施例によって蒸着された金属化合物膜は複数の金属化合物が反復的に積層された形態を有するので、後続するエッチング工程でのエッチング液の浸透を抑制することができる。従って、下部膜に対するエッチング損傷を防止することができる。
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明の実施例を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施例による第1ガス供給部を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図4】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるガスの供給時間を示すグラフである。
【図5】工程温度とソースガスの供給流量によるチタン窒化膜の蒸着率を示すグラフである。
【図6】工程圧力とソースガスの供給流量によるチタン窒化膜の蒸着率を示すグラフである。
【図7】工程圧力とソースガスの供給流量によるチタン窒化膜の蒸着率を示すグラフである。
【図8】700℃の温度と5トル(0.7kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図9】700℃の温度と5トル(0.7kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図10】700℃の温度と5トル(0.7kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図11】500℃の温度と2トル(0.3kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図12】500℃の温度と2トル(0.3kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図13】500℃の温度と2トル(0.3kPa)の圧力でのソースガスの変化によるチタン窒化膜の蒸着特性を示す電子顕微鏡写真である。
【図14】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着方法の段階の反復回数による基板上への実質的なガス供給量を説明するためのグラフである。
【図15】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着方法の段階の反復回数による基板上への実質的なガス供給量を説明するためのグラフである。
【図16】本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図17】本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図18】本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【図19】本発明の第2実施例による金属化合物膜の蒸着方法での基板上への実質的な第1ソースガスの供給量を説明するためのグラフである。
【図20】従来のSFD工程のサイクル反復回数による蒸着率を示すグラフである。
【図21】本発明の第1実施例による金属化合物膜の蒸着方法のサイクル反復回数による蒸着率を示すグラフである。
【図22】従来のSFD工程と本発明の実施例によるTPD工程をそれぞれ実施する場合の単位時間当たり単位設備当たり基板処理量を示すグラフである。
【図23】本発明の第3実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図24】本発明の第3実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図25】本発明の第3実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【図26】本発明の第4実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図27】本発明の第4実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図28】本発明の第4実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【図29】本発明の第5実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図30】本発明の第5実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図31】本発明の第5実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【図32】本発明の第6実施例による金属化合物膜の蒸着装置を概略的に示す構成図である。
【図33】本発明の第6実施例による金属化合物膜の蒸着装置を用いて基板上に金属化合物膜を蒸着する方法を説明するための流れ図である。
【図34】本発明の第6実施例による金属化合物膜の蒸着方法によるソースガスの供給時間を示すグラフである。
【図35】本発明の実施例によって形成されたチタン窒化膜を含む半導体装置を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0214】
10 半導体基板、100 金属化合物膜の蒸着装置、102 工程チャンバー、104 ステージ、106 シャワーヘッド、110 真空システム、120 ガス供給部ユニット、130 第1ガス供給部、140 第2ガス供給部、150 第3ガス供給部、160 第4ガス供給部、170a、170b、170c、170d、170e 第1、第2、第3、第4、第5配管、172a、172b、172c、172d 第1、第2、第3、第4分岐配管、174a、174b、174c、174d 第1、第2、第3、第4迂回配管、176a、176b 第1、第2ゲートバルブ、178a、178b、178c、178d 第1、第2、第3、第4流量制御バルブ、180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h 第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8連動バルブ、182a、182b、182c、182d 第1、第2、第3、第4質量流量制御器、190 バルブ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属を含む第1ソースガス、及び前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給し、基板上に第1金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを前記第1流量比と異なる第2流量比で供給して第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を形成し、同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する段階と、
を含むことを特徴とする金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項2】
前記第1ソースガスはTiCl4を含み、前記第2ソースガスはNH3を含むことを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項3】
前記第1流量比は1.0:0.5〜1.0:10であり、前記第2流量比は1.0:100〜1.0:1000であることを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項4】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階で供給される前記第1ソースガスの流量は前記第2金属化合物膜を蒸着する段階で供給される前記第1ソースガスの流量より大きいことを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項5】
前記第2金属化合物膜を蒸着する段階で供給される前記第2ソースガスの流量は、前記第1金属化合物膜を蒸着する段階で供給される前記第2ソースガスの流量より大きいことを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項6】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量に対する前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量の比である第3流量比は1.0:10〜1.0:100であることを特徴とする請求項5記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項7】
前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜は、40℃〜600℃の温度で蒸着されることを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項8】
前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜は、0.1トル〜2.5トル(13Pa〜340Pa)の圧力、及び400℃〜700℃の温度で蒸着されることを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項9】
前記第2ソースガスの流量を増加させ、前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、残留する第1ソースガスが前記第2ソースガスと反応して前記第2金属化合物膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項10】
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第2ソースガスを前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での流量より大きい流量で供給することにより、前記第1金属化合物膜から所望しない物質を除去する段階と、
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第2ソースガスを前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での流量より大きい流量で供給することにより、前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項11】
金属を含む第1ソースガス、及び前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給し、基板上に第1金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1流量比と異なる第2流量比で前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを供給して第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスと前記第2ソースガスとの間に表面反応が行われるように、前記第1流量比と異なる第3流量比で前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを供給し、第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第3流量比と異なる第4流量比で前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを供給して第3金属化合物膜上に第4金属化合物膜を蒸着する段階と、
を含むことを特徴とする金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項12】
前記第1ソースガスはTiCl4を含み、前記第2ソースガスはNH3を含むことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項13】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階で前記第1ソースガスの供給流量は前記第2ソースガスの供給流量より小さいことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項14】
前記第1流量比は1.0:2.0〜1.0:10.0であることを特徴とする請求項13記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項15】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの供給流量は前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの供給流量より大きいことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項16】
表面反応による前記第2金属化合物膜の蒸着率は物質伝達による前記第2金属化合物膜の蒸着率と実質的に同一であることを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項17】
前記第2流量比は、1.0:100〜1.0:1000であることを特徴とする請求項16記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項18】
前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量より大きいことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項19】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量と前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での前記第2ソースガスの供給流量との比は、1.0:10〜1.0:100であることを特徴とする請求項18記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項20】
前記第3金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの流量は前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの流量より大きいことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項21】
前記第3流量比は、1.0:0.5〜1.0:2.0であることを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項22】
前記第2流量比は、前記第4流量比と実質的に同一であることを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項23】
前記第2金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの供給流量は前記第4金属化合物膜を蒸着する段階での前記第1ソースガスの供給流量と実質的に同一であることを特徴とする請求項22記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項24】
前記第1金属化合物膜、前記第2金属化合物膜、前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜は400℃〜600℃の温度で蒸着されることを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項25】
前記第1金属化合物膜、前記第2金属化合物膜、前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜は、0.1トル〜2.5トル(13Pa〜340Pa)の圧力、及び400℃〜700℃の温度で蒸着されることを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項26】
前記第1金属化合物膜を蒸着する段階、及び前記第2金属化合物膜を蒸着する段階を順次に反復して前記基板上に第1金属複合膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項27】
前記第1金属複合膜は30Å〜100Åの厚さを有することを特徴とする請求項26記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項28】
前記第3金属化合物膜を蒸着する段階、及び前記第4金属化合物膜を蒸着する段階を順次に反復して第1金属複合膜上に第2金属複合膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項26記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項29】
前記第1金属複合膜及び前記第2金属複合膜は、キャパシターの下部電極または上部電極として機能することを特徴とする請求項28記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項30】
前記第1金属複合膜及び前記第2金属複合膜は、半導体装置の絶縁膜と金属配線との間の金属障壁膜として機能することを特徴とする請求項28記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項31】
前記第1金属複合膜及び前記第2金属複合膜は、半導体装置の下部構造物と上部構造物とを電気的に連結するプラグとして機能することを特徴とする請求項28記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項32】
金属を含む第1ソースガス、及び前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを表面反応による蒸着率が物質伝達による蒸着率より大きい第1流量比で供給し、基板上に第1金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第1金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量で前記第2ソースガスを供給し、残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応によって第2金属化合物膜を第1金属化合物膜上に蒸着する段階と、
前記第1ソースガスと前記第2ソースガスとによる表面反応が行われるように、前記第1流量比と異なる第2流量比で前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを供給し、第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第3金属化合物膜を蒸着する段階での流量より増加された流量で前記第2ソースガスを供給し、残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応によって第4金属化合物膜を第3金属化合物上に蒸着する段階と、
を含むことを特徴とする金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項33】
前記第1ソースガスはハロゲンを含み、前記第2ソースガスは前記ハロゲンと反応可能な物質を含むことを特徴とする請求項32記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項34】
前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスをそれぞれ第1流量及び第2流量で供給して前記第1金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスを前記第1流量より小さい第3流量で供給し、前記第2ソースガスを前記第2流量より大きい第4流量で供給することにより、前記第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から前記ハロゲンを除去する段階と、
前記第1ソースガスを前記第1流量より大きい第5流量で供給し、前記第2ソースガスを前記第2流量と同じまたは小さい第6流量で供給し、前記第2金属化合物膜上に第3金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスを前記第3流量と実質的に同一の第7流量で供給し、前記第2ソースガスを前記第4流量と実質的に同一の第8流量で供給することにより、前記第3金属化合物膜上に前記第4金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜から前記ハロゲンを除去する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項33記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項35】
前記第1流量に対する前記第2流量の比は、1.0:2.0〜1.0:10であり、前記第3流量に対する前記第4流量の比は1.0:100〜1.0:1000であり、前記第5流量に対する前記第6流量の比は1.0:0.5〜1.0:2.0であることを特徴とする請求項34記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項36】
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第2ソースガスを前記第2流量より大きい第3流量で供給し、残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応によって前記第2金属化合物膜を前記第1金属化合物膜上に蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から前記ハロゲンを除去する段階と、
前記第1ソースガスを前記第1流量より大きい第4流量で供給し、前記第2ソースガスを前記第2流量と同じまたは小さい第5流量で供給し、前記第2金属化合物膜上に前記第3金属化合物膜を蒸着する段階と、
前記第1ソースガスの供給を減少または中断し、前記第2ソースガスを前記第3流量と実質的に同一の第6流量で供給し、残留する第1ソースガスと前記第2ソースガスとの反応によって前記第4金属化合物膜を前記第3金属化合物膜上に蒸着すると同時に前記第3金属化合物膜及び前記第4金属化合物膜から前記ハロゲンを除去する段階と、
を含むことを特徴とする請求項34記載の金属化合物膜の蒸着方法。
【請求項37】
基板を収容する工程チャンバーと、
金属を含む第1ソースガス、及び前記金属と結合可能な物質を含む第2ソースガスを基板上に供給するガス供給ユニットと、
前記基板上に第1金属化合物膜を蒸着するために前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスの流量を第1流量比に調節し、第1金属化合物膜上に第2金属化合物膜を蒸着すると同時に前記第1金属化合物膜及び前記第2金属化合物膜から所望しない物質を除去するために前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスの流量を前記第1流量比と異なる第2流量比に調節する流量調節ユニットと、
を備えることを特徴とする金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項38】
前記流量調節ユニットは、
前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスの流量を前記第1流量比に調節するための第1質量流量制御器及び第2質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスの流量を前記第2流量比に調節するための第3質量流量制御器及び第4質量流量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項39】
前記流量調節ユニットは、
前記第2ソースガスに対する前記第1ソースガスの流量を前記第1流量比に調節するための第1質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記第1ソースガスに対する前記第2ソースガスの流量を前記第2流量比に調節するための第2質量流量制御器及び第3質量流量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項40】
前記流量調節ユニットは、
前記第2ソースガスに対する前記第1ソースガスの流量を前記第1流量比に調節するための第1質量流量制御器及び第3質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記第1ソースガスに対する前記第2ソースガスの流量を前記第2流量比に調節するための第2質量流量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項41】
前記流量調節ユニットは、
前記第2ソースガスに対する前記第1ソースガスの流量を前記第1流量比に調節するための第1質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記第1ソースガスに対する前記第2ソースガスの流量を前記第2流量比に調節するための第2質量流量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項42】
前記流量調節ユニットは、
前記第1ソースガスの流量を第1流量に調節する第1質量流量制御器、前記第1ソースガスの流量を第3流量に調節する第3質量流量制御器、及び前記第1ソースガスの流量を第5流量に調節する第5質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記2ソースガスの流量を第2流量に調節する第2質量流量制御器、前記第2ソースガスの流量を第4流量に調節する第4質量流量制御器、及び前記第1ソースガスの流量を第6流量に調節する第6質量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項43】
前記流量調節ユニットは、
前記第1ソースガスの流量を第1流量に調節する第1質量流量制御器、及び前記第1ソースガスの流量を第4流量に調節する第4質量流量制御器を有する第1流量調節部と、
前記第2ソースガスの流量を第2流量に調節する第2質量流量制御器、前記第2ソースガスの流量を第3流量に調節する第3質量流量制御器、及び前記第1ソースガスの流量を第5流量に調節する第5質量流量制御器を有する第2流量調節部と、
を有することを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項44】
前記工程チャンバーの上部に配置され前記第1ソースガス及び前記第2ソースガスを前記基板上に均一に供給するために設けられるシャワーヘッドをさらに備えることを特徴とする請求項37記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項45】
前記ガス供給ユニットは、
前記第1ソースガスを供給するための第1ガス供給部と、
前記第2ソースガスを供給するための第2ガス供給部とを有し、
前記ガス供給ユニットは複数の配管を通じて前記シャワーヘッドに連結され、前記配管は前記第1ソースガスを供給するために前記シャワーヘッドと連結された第1配管と、前記第2ソースガスを供給するために前記シャワーヘッドと連結された第2配管とを有することを特徴とする請求項44記載の金属化合物膜の蒸着装置。
【請求項46】
前記ガス供給ユニットは、
工程チャンバー内にパージガスを供給する第3ガス供給部と、
前記工程チャンバー内に洗浄ガスを供給する第4ガス供給部と、
をさらに有することを特徴とする請求項45記載の金属化合物膜の蒸着装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−169632(P2006−169632A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353903(P2005−353903)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】