説明

金属熱処理方法及び装置

発明及び発明の変化態様のグループは、金属熱処理方法と、直接又は間接燃焼炉において液体又は気体燃料と高温空気とを燃焼させる方法と、前記方法を行うための加熱装置及び再生ノズルとから成る。発明及び発明の変化態様は、冶金及び機械エンジニアリングの分野に関し、金属熱処理(例えば溶融、変形のための加熱、熱処理)のために及びセラミック等の非金属製品の焼結、乾燥(及びその他のタイプの熱処理)のために、使用されることができる。発明の本質は、発明を実施しながら、2.0よりも大きくかつ主に6.0以下の範囲内に設定された燃料及び高温空気混合物における空気過剰係数(α)を得ることを可能にする新規の技術的特徴である。前記発明は、直接又は間接燃焼炉において金属の処理中の金属の廃棄物を低減すること及びアルミニウム、チタン及び鉄合金を含む金属水素添加レベルを低減することを可能にする。間接燃焼炉における発明の使用は、放射管及び坩堝の耐用寿命を延長することを可能にする。発明者によって得られる実験データは、技術的結果が、空気過剰係数(α)が2.0よりも大きい場合に液体又は気体燃料及び高温空気混合物の燃焼生成物の雰囲気(気相)の個々の組成によって得られることを実証している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冶金及び機械的エンジニアリングに属する複数の変化態様を備える発明を含む。本発明は、気体燃料又は液体燃料によって直接に燃焼させられる燃焼炉における金属の熱処理(例えば、溶融、変形のための加熱、熱処理)のために使用されることができる。金属の加熱時、燃料燃焼の最終製品は、すなわち負荷とともに、加熱されている材料(製品)と接触する。本発明は、間接燃焼炉における金属の熱処理のためにも使用されることができる。これらの炉において、火炎及び燃焼製品からの暖かさは、金属放射管又は坩堝の壁部を介して、加熱された材料又は製品(負荷)に伝達される。本発明は、セラミック等の非金属製品の、バーニング、ベーキング及びその他のタイプの熱処理のために使用されることもできる。
【0002】
従来技術
直接燃焼炉(開放火炎炉)における鋼加熱(熱処理)の公知の方法は、気体燃料と、加熱された領域における空気との混合物の燃焼に基づく。加熱された領域は同時に炉自体として使用される。燃料の完全な使用(燃焼)のために、燃料は、1に近い(α≒1.0)空気過剰係数、すなわち標準的な化学量論的燃料対空気比で燃焼させられる。
【0003】

例えばα=1.05〜1.15で燃料として天然ガスが使用される溶鉱炉の場合(発熱量2000kcal/m3)、バーナに供給される空気の容積は、燃料の容積よりも2.25倍大きい。また、αの同じ値の燃料として天然ガスが使用される場合において、消費される空気の容積は、天然ガスの容器よりも約10倍大きい。
【0004】
この方法は以下の欠陥的特徴を有する。燃焼は、炉自体に配置された処理可能な金属の著しい量の損失を生ぜしめる。これは、金属が配置された炉自体において、処理可能な金属における効果を有する燃焼製品の酸化媒体も、炉の熱源として使用されているので生じる(V.F.Kopytovの上記文献、第5〜6頁、162〜163)。
【0005】
直接燃焼鍛造炉における鋼の加熱時に、圧延及び熱処理炉における金属の廃棄物は、2〜5%のレベルに達する。ロシアにおける鉄鋼製造の規模において、これは、一年で鉄鋼の2百万トンを超える廃棄物に等しい。さらに、製品からのスケールの機械加工及び除去の付加的なコストが存在する。スケールは、様々な方法、すなわち、ウォーターデスケーリング、エッチング、サンドブラスト機の使用、ブラシ等を使用して除去されることができる。
【0006】
(0.9〜1.2の範囲に含まれる空気過剰係数での)炉自体における燃料の燃焼を介する直接熱処理における金属の廃棄物とは別に、鋼ブランクの表面層は最終的に脱炭素処理される。
【0007】

鋼グレード及び加熱温度に応じて、脱炭素処理は3.0mmの深さにまで延びることができる。鋼製品の表面層の脱炭素処理は、アベーティング、周期的負荷に対する抵抗の減少、ツール切断パワーの劣化を生じる。連続的なスカーフィング及び艶出しを介する最終製品からの脱炭素処理された層の除去は、金属の材料損失、及び生産費の増大を生ぜしめる。
【0008】
別の欠陥的特徴は、(例えば特定の方法を使用して)チタン合金の加熱時に、著しい金属の廃棄物が生じるだけでなく、製品の水素吸収が著しい深さにおいて生じるということである。すなわち、30mmの直径を備えたTi−5Al−1.7Vの試料における水素の含有量が(1.25に等しい空気過剰係数αにおいて天然ガスを用いて加熱された電気炉及び燃焼炉における10時間の加熱の場合)、0.007%から0.025%に、すなわち3.6倍に上昇する。
【0009】

【0010】
直接燃焼炉における鋼の熱処理(加熱)の方法が提供され、金属廃棄物及び鋼の脱炭処理を減じるために使用されることができる。この方法は、気体燃料と空気混合物の燃焼に基づく。燃料は、1よりも小さい空気過剰係数において燃焼される(いわゆる非酸化又は低酸化加熱)。
【0011】

【0012】
低酸化加熱の欠陥的特徴は、燃料の不完全燃料による燃焼生成物における一酸化炭素(CO)の含有量の増大である。これは、実質的な資本コスト及び燃料の廃棄物を生じる。したがって、壁部ライニング、炉の屋根、及びバイパスチャネルの気密性を保証し、燃焼生成物の後燃えのためのシステムを形成するために、直接燃焼炉の全体構造をシール必要がある。
【0013】
火炎の存在における金属酸化プロセスの研究の出版された結果によれば、800℃を超える温度における酸化された金属の加熱容積は増大する。これは、0.8〜1.6の範囲の空気過剰係数αの増大と一致する。
【0014】

より以前の同様の研究は、0.88〜1.32に等しいα係数の値の範囲内で行われた。
【0015】

これらの出版物によれば、燃焼損失の値は、空気過剰係数が1.2〜1.6の範囲の値に達すると、最大レベルに達する。金属の廃棄物も、加熱温度が上昇すると、増大する。1.1〜1.2の空気過剰係数での燃料燃焼時に、燃焼損失の容積は変化しないと考えられる。(V.F.Kopytovの前記文献、第182頁及び

)。これは、"酸化プロセスは、製品の表面への酸化ガス分子の接近の強度によってではなく、金属へのスケールの表面層を介して酸化の拡散によって制御されるように開始するので、スケール形成の比率は空気過剰係数に依存しない"ということによって説明される(V.F.Kopytovの前記文献、第182頁)。これは、"スケール外層が酸素で飽和され、これが、炉ガスにおける酸素含有量のさらなる増大が酸化比率に材料的に影響しないかである"ことによっても説明される(M.A.Kasenkovの前記文献、第150〜160頁)。
【0016】
さらに、低温空気(周囲温度)との燃料の混合時に、空気過剰係数は燃焼の観点から限界値を有する(αlim)。
【0017】

αlimの値は、メタンの場合2.0、プロパンの場合1.7、天然ガスの場合1.8〜2.0、ガソリンの場合1.65〜1.75である。したがって、(RF特許第2098717号の開示に説明されているように)空気過剰係数のこのような値において、空気及び燃料混合物が燃焼しない局所的領域が存在するであろう。これはパワーユニットの効率を減じる。これがなぜ、特定の低温空気過剰係数を備えた燃料燃焼の方法が一般的に使用されるようにならなかったかである。
【0018】
燃焼生成物の温度、ひいては炉の作動温度の降下により、空気を予熱することなく空気過剰係数の増大した値における火炎加熱プロセスを採用することは困難である。これは、"低温"空気温度(20〜30℃)の大きな容積の供給が、バーナ及び炉床への燃焼生成物の温度よりも何倍も低いから生じる。
【0019】
公知の方法は、予熱、最終加熱及び金属保持の段階においてチャンバから成る炉を加熱することから成る(RF特許第2139944号)。これは、二次的空気による加熱を使用する直接火炎炉における鉄鋼加熱処理の方法から成る。この方法は、気体燃料と空気との混合物の燃焼に基づく。それは、燃料の供給、最終加熱チャンバの中間底部上での一次空気消費(過剰)の係数における次の不完全燃焼(αは0.30〜0.40に等しい)、不完全燃焼生成物の合計容積の不完全な後燃えのための二次空気の供給、及び、熱伝導率の高い中間底部の下での一次空気の加熱を含む。一次空気の加熱のプロセスの間、予熱チャンバの作業空間における完了された燃焼生成物の温度は、500〜550℃を超えないレベルに維持されている。中間底部上での最終加熱チャンバにおいて使用される燃料の合計消費の10〜100%の燃焼は、不完全である。燃料の残りの容積は中間底部の下で完全に燃焼される。上部底部空間から供給される不完全燃焼生成物は、二次空気を用いて後燃えされる。このように、燃料及び空気の消費の合計割合は、化学量論的値に近い(α2は1.05〜1.10に等しい)。
【0020】
明示された方法は、以下のことから成る操作を含む:(最終加熱及び保持のチャンバの底部下空間において)中間底部上の燃料の60〜100%の不完全燃焼時に、二次空気のみが加熱領域においてバーナに供給される。残りのバーナにおいて、燃料は10.5〜1.10に等しいαにおいて燃焼される。保持領域において、バーナはオフである。(保持領域の底部下空間において)中間底部上での燃料の10〜60%の不完全燃焼時に、燃料は、化学量論的値に近い空気消費(過剰)の係数において完全に燃焼させられる。加熱領域において、燃料は、空気の著しい過剰の条件下で燃焼させられる(αは1.10〜2.00に等しい)。過剰空気は、不完全燃焼生成物の後燃えのための二次空気として使用される。
【0021】
すなわち、金属加熱処理の方法がRF特許第2139944号に従って採用されると、空気及び燃料混合物は2.0までの二次空気過剰の係数で燃焼される。この発明のための特許開示において、1.10〜2.00に等しいαに相当する空気過剰は、著しい空気の過剰と考慮される。さらに、開示は、"最終加熱チャンバの底部下空間における幾つかのバーナの燃料供給システムは停止される。なぜならば、さもなければ、燃料の完全燃焼及び不完全燃焼生成物の後燃えを保証するために、二次空気を2.0を超える流量で底部下空間のバーナに供給する必要があるからであることを明示している。これは、ガス及び空気混合物の著しい減損(燃料の5%未満)及びバーナの可能な消火に関連している。"
開示は、金属の加熱時に二次空気過剰係数の高い値を使用することは、必要ではなく、不可能でさえあるという既存の考えとも一貫している。
【0022】
特にジルコニウム生成物の燃焼のために使用される、(主にトンネル炉における)高温産業直接燃焼炉における天然ガス燃焼の公知の方法(RF特許第2099661号)は、燃焼炉における金属の熱処理の方法のようである。この方法は、燃料ジェット(一次燃料・空気混合物)内の火炉容積(加熱空間)への空気ブラストの供給、及び、前記火炉容積における一次燃料・空気混合物への高温の、すなわち加熱された二次空気の付加を含む。これは、空気過剰係数のある値を保証する。
【0023】
RF特許第2099661号の開示によれば、このような方法を採用する結果、燃焼生成物の酸化媒体が、火炉容積の延長を形成する処理可能な生成物と共に、炉作動チャネル(作業空間)において形成される。一酸化炭素(CO)の空気排出は、最小限に減じられる(前記のように、これは、1よりも小さい空気過剰係数の値と共に低酸化加熱時にも生じる)。換言すれば、これは、燃焼生成物の酸化能力は、空気過剰係数の増大した値において減少しないという前述の先入観を証明する。
【0024】
トンネル炉における燃料燃焼の別の公知の方法(RF特許第2166161号)は、直接燃焼トンネル炉を加熱する方法のようでもある。これは、加熱される領域(火炉容積)における燃料及び空気混合物の燃焼、及び炉自体への燃焼生成物の引渡しを含む。この方法は、セラミック製品の焼きなまし時に使用される。この方法は、金属の熱処理のための燃焼炉の加熱においても使用されることができる。この方法は、火炉容積への燃料及び空気混合物及び二次空気の供給、及び0.75〜1.5の範囲の空気過剰係数におけるそれらの燃焼を含む。さらに、二次空気は、燃料エネルギの1MJごとに加熱された又は加熱されていない一次空気の0.1〜0.2cmを含む燃料及び空気混合物に加えられる。二次空気は、700〜1400℃の温度においてエネルギの1MJごとに0.1〜0.2cmの量で加えられる。
【0025】
0.75〜1.0に等しいαにおいて、考慮されている方法は、燃焼生成物における低酸化媒体の獲得を保証し、1.0〜1.5に等しいαにおいて、酸化媒体が得られることを保証する。炉における媒体のタイプの選択は、関連する生成物を処理する場合に必要に応じて決定される。
【0026】
金属の熱処理のための明示された方法の欠陥的特徴は以下のとおりである:金属廃棄物の最大レベルは、特に高められた温度において、(酸化媒体の使用時に、すなわち1.0〜1.5に等しいαにおいて)燃焼生成物の組成によって、及び、(低酸化媒体の使用時に)チタン及びチタン合金の水素吸収(例えば燃料の不完全燃焼による一酸化炭素の高い濃度)によって、及び燃料の廃棄物によって決定される。一酸化炭素の高い濃度は、燃焼炉の構造をシールすることを必要にし、著しい資本コストを要求する。
【0027】
考慮されている方法の説明において明示されているように、RF特許第2166161号によれば、0.75〜1.5の範囲のα値は、産業上の実用のために十分である。これは、金属の熱処理時のα係数のより高い値の不必要な使用に関する前記の既存の意見とも一貫している。これは、技術文献における1.6〜2.0を超える空気過剰係数の値での燃焼炉における金属の加熱に関する情報の不在とも一致する。
【0028】
間接燃焼炉における金属の熱処理のもう1つの公知の方法は、特に、火炎被覆、放射管(被覆体)の内部の加熱された空間における燃料及び空気の燃焼を用いて、加熱される金属からの燃焼生成物の分離を前提としている(米国特許第4878480号明細書、F24C、003/00、126/91A、431/353、432/209)。さらに、放射管の外部の作業空間における金属の加熱は、内部から加熱される放射管の外壁からの放射を介して行われる。
【0029】
直接加熱のこの方法を使用する場合、放射管の外部の作業空間における処理可能な金属は、燃焼生成物の媒体に配置されておらず、加熱負荷及び/又は水素吸収に曝されない。しかしながら、加熱空間に配置されかつ燃焼生成物の衝撃に曝される放射管の内壁の金属は、廃棄される。これは、放射管の耐用寿命を短縮し、運転経費及び金属処理の生産費を増大させる。これらは、燃焼炉における間接放射加熱の前記方法の欠陥的特徴である。
【0030】
間接燃焼炉における金属の熱処理の別の公知の方法が存在する。この場合、燃料及び空気混合物は、処理される金属が配置されている作業空間において坩堝(被覆体)の外側の加熱される空間において燃焼させられる。坩堝の内部の作業空間における金属は、坩堝の内壁からの放射を介して加熱される(例えば、1996年9月27日に発行された、RF実用特許第93052328号のための出願)。時には、坩堝の作業空間は、遮蔽ガスで充填されている。間接加熱のこの方法も、前記方法と同様の欠陥的特徴を有する。この方法は、燃焼生成物の衝撃に曝される坩堝の外部金属壁部のより短い耐用寿命を生じる。
【0031】
提供された方法(原型)に最も近いのは、再生ピット炉の加熱の方法である(ソビエト連邦発明者の証明書第1257110号)。実際には、この方法は、再生ピットの形式の直接燃焼炉における金属加熱処理の方法である。この方法は、再生チャンバにおいて予熱された燃料及び空気の混合物の燃焼に基づく。この方法において、燃料及び空気混合部は炉自体において直接に燃焼させられる。この方法がどのように働くかの例において、3800cm/hの溶鉱炉ガスと、120cm/hの天然ガスと、4150cm/hの加熱された空気とがバーナに供給される。これは、約1.1に等しい空気過剰係数αを保証する。この原型方法の別の変化態様は、間接燃焼炉における金属熱処理の方法であり、この方法によれば、燃料及び加熱空気の混合物が放射管の加熱された空間において燃焼させられる。
【0032】

作業空間における金属は、内側から加熱される放射管の外壁からの対流を介して加熱される。
【0033】
本発明の方法の第1の変化原型において、燃焼生成物の温度上昇(ひいては、炉の作動温度の上昇)、及び燃料消費の減少は、同様の方法と比較して、空気を予熱することによって保証される。
【0034】
直接燃焼炉における金属加熱処理原型の方法の欠陥的特徴は、金属の燃焼損失及び/又は水素吸収の最大レベルが、燃焼炉の加熱される作業空間に配置されているということである。特に、高められた温度における燃焼損失は、熱処理における金属の廃棄物を生ぜしめる。金属、主に非鉄金属(例えばチタン及びチタン合金)の水素吸収は、これらの金属の特性を劣化させる。実用及び調査が証明しているように、結果は、二酸化炭素及び水及び酸素蒸気(酸化媒体)の僅かな含有量を含む燃焼生成物の関連する公知の組成によって決定される。熱処理において、燃焼生成物は、加熱される金属に影響し、金属の燃焼損失及び水素吸収を生ぜしめる。
【0035】
間接燃焼炉における熱処理原型の方法の欠陥的特徴は、間接燃焼炉の加熱される空間に配置された被覆壁における金属の廃棄物である(放射管の内面又は坩堝の外面)。燃焼損失は、上の段落において言及された理由によって決定される。これは、放射管(坩堝)のより短い耐用寿命を生じ、熱処理の運転費用及び生産費の増大を生じる。
【0036】
さらに、燃焼炉における金属熱処理のこの方法における空気過剰係数の限界値の使用とともに、燃料及び空気混合物の制限された量が、炉の加熱される空間(及び放射管)に供給される。これは、加熱される空間における又は放射管の内部における燃焼生成物の移動の比率をも制限する。このことは、熱交換の対流成分の減少した値、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するためのより長い時間、及び炉の減じられた能力を生じる。燃焼生成物の移動の制限された比率は、炉自体において及び負荷(熱処理に曝される製品)における、不均一な熱の分配をも生じる。これは、熱処理される製品の品質を劣化させる。
【0037】
原型方法の別の変化態様は、現在使用されている。この変化態様は、開放火炎炉における金属熱処理の多段方法である(直接加熱)。この方法は、1.2までの空気過剰係数における燃料及び予熱された空気混合物の燃焼に基づく(M.A.Kasenkovの前記文献、第173〜174頁、162,160)。この方法は、加熱の少なくとも3つの段階を有する:低温において加熱し(650〜850℃の中間温度まで)、中間温度に保持し、高温(すなわち850℃を超える温度)において作動温度まで加熱し、作動温度において保持する。
【0038】
この原型変化態様(直接加熱による金属の多段熱処理を用いる方法)の欠陥的特徴は、特に高められた温度における、金属廃棄物の高いレベルと、特に非鉄金属の水素吸収である。換言すれば、金属の特性の対応する劣化が生じる。
【0039】
金属熱処理の明示された公知の多段方法は、被覆体(例えば放射管又は坩堝)の使用と共に間接加熱においても使用されることができる。加熱燃焼炉における金属熱処理の多段原型方法の欠陥特徴は、間接燃焼炉の加熱される空間に配置された被覆体壁部(放射管、坩堝)における金属の廃棄物である。これは、被覆体の耐用寿命を短縮し、運転費用及び金属処理の生産費を増大する。
【0040】
さらに、燃焼炉における金属熱処理の多段方法における空気過剰係数の限界値の使用と共に、燃料及び空気混合物の制限された量が、炉の加熱される空間(及び放射管)に供給される。このことは、加熱される空間における又は放射管の内部における燃焼生成物の移動の比率をも制限する。このことは、熱交換の対流成分の減少した値、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するより長い時間、及び炉の減じられた能力を生ぜしめる。燃焼生成物の移動の制限された比率は、炉自体及び負荷(熱処理に曝される製品)の両方における温度の不均一な分配をも生ぜしめる。これは、熱処理された製品の品質を劣化させる。
【0041】
本発明の目的−直接及び間接燃焼炉における金属熱処理の方法の第1及び第2の変化態様−は、処理可能な金属からの廃棄物の減少、及び直接加熱時に、アルミニウム、チタン及び鉄の合金を含む処理可能な金属の水素吸収のレベルの低下から成る。間接加熱時に、目的は、金属処理の運転費用及び生産費を減じるために被覆体(放射管、坩堝)の耐用寿命を延長させることである。さらに、本発明の目的は、炉の出力を増大し、金属製品及び非金属製品の熱処理の質を改良することである。
【0042】
特に、ジルコニウム製品の燃焼のために使用される高温産業直接燃焼炉(主にトンネル炉)における天然ガス燃焼の前述の方法(RF特許第2099661号)は、現在使用されている。この方法は、燃料ジェット(一次燃料及び空気混合物)内の火炉容積(加熱される空間)への空気ブラストの供給、空気過剰係数のある値における火炉容積における一次燃料及び空気混合物への高温空気、すなわち加熱された二次空気の付加を含む。
【0043】
直接燃焼トンネル炉における燃料燃焼の方法(RF特許第2166161号)は、本発明の提供された段3の変化態様に最も近い。前者は、加熱される空間(火炉容積)における燃料及び空気混合物の燃焼及び炉自体への燃焼生成物の引渡しを含む。この方法は、火炉容積への燃料及び空気混合物及び二次空気の供給、及び0.75〜1.5の範囲の空気過剰係数におけるそれらの燃焼を含む。αが0.75〜1.0に等しい場合、考慮されている方法は、燃焼生成物における低酸化媒体の獲得を保証する。αが1.0〜1.5に等しいならば、これは、酸化媒体の獲得を保証する。炉における媒体のタイプの選択は、関連する製品を処理するための必要性によって支配される。この方法が、セラミック製品を焼きなましする場合に採用される。この方法は、金属の熱処理時、及び放射管又は坩堝を使用する処理可能な製品の間接加熱時に、燃焼炉の加熱のために使用されることもできる。
【0044】
空気過剰係数において使用される値が1.5を超えないならば、この方法は、燃料及び空気混合物の制限された量が炉の加熱される空間(又は放射管)に供給され、これは、加熱される空間及び放射管における燃焼生成物の移動の比率をも制限することを前提とする。これは、熱交換の対流成分の減じられた値、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するためのより長い時間、及び炉の減じられた能力を生じる。燃焼生成物の移動の制限された比率は、炉自体及び負荷(熱処理に曝される製品)における温度の不均一な分配をも生じる。これは、熱処理される製品の質を劣化させる。
【0045】
熱処理のための明示された方法の欠陥的特徴は以下のとおりである:特に高められた温度における、(酸化媒体の使用時の、すなわち1.0〜1.5に等しいαにおける)燃焼生成物の組成に基づく金属廃棄物の最も高いレベル、及び(低酸化媒体の使用時の)チタン及びチタン合金の水素吸収、例えば燃料の不完全燃焼による一酸化炭素の高い濃度、及び燃料の廃棄物である。一酸化炭素の高い濃度は、燃焼炉の構造をシールすることを必要にし、著しい資本コストを要求する。
【0046】
本発明の方法−空気過剰係数のある値における燃焼炉における液体又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼の方法−の第3の変化態様の目的は、炉出力を増大し、金属及び非金属製品の熱処理の質を改良し、加熱される金属の、燃焼損失、脱炭及び水素吸収を減じることである。
【0047】
これらの炉の加熱のための関連する装置が装着された再生燃焼炉は、直接燃焼炉又は間接燃焼炉における金属及び非金属の熱処理の上に明示された公知の方法、及び直接燃焼炉又は間接燃焼炉における液体又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼の方法を実施するために使用される。
【0048】
直接燃焼炉の加熱のための以下の装置は現在使用されている(RF特許第2190170号)。この装置は、高温燃焼生成物の除去のための窓(ダクト)を備えた作業チャンバ(加熱され、作業空間とも呼ばれる)と、加熱された空気に対する燃料の化学量論的比率において予熱された空気と混合された気体燃料の燃焼のための2つのバーナと、所要の量において各バーナへの空気加熱及び供給のシステムとを有している。化学量論的比率は、1に等しい加熱された空気過剰係数の値によって特徴付けられる。空気加熱及び供給のシステムは、2つの蓄熱器を有しており、これらの蓄熱器自体は燃焼生成物によって加熱され、この燃焼生成物自体にも加熱された空気が供給される。この空気は次いでバーナに供給される(燃焼炉の加熱のためのシステムの運転のダブルサイクルパルスモード)。システムは、蓄熱器を通る燃焼生成物及び空気の交互の流れと、煙霧収集システムへの燃焼生成物の除去とを保証するために、逆転(遮断)弁を備えた接続管及びダクトを有している。管及びダクトはしたがって、蓄熱器、バーナ及び煙霧収集システムに接続されている。システムにおいて燃焼される加熱された空気の容積に対する気体燃料の容積の化学量論的比率(α≒1)は、その関連する設計によって保証される。特に、これは、バーナへの燃料及び空気の供給のための管路の断面を特徴付けるパラメータの間の関係によって保証される。バーナへの加熱された空気の所要の量の供給を保証する装置の別の設計的特徴は、再生ヘッドピース、内部空間の容積、内部空間を充填する熱伝達エレメントの所要の容積(重量)、及び熱伝達エレメントの材料、例えばれんが

又は金属

を実行することから成る。
【0049】
(直接加熱を用いる金属熱処理のための)この装置(その設計は、化学量論的比率(α=1)における燃料及び空気混合物の燃焼を保証する)の欠陥的特徴は、加熱される(作業)空間における燃焼生成物の酸化媒体及び金属の水素吸収から生じる燃焼損失による、金属の著しい量の廃棄物から成る。
【0050】
間接燃焼炉における金属熱処理のための装置(米国特許第4878480号明細書)も現在使用されている。この装置は、空気と混合された気体燃料の燃焼のための2つのバーナを備えた放射管の形式の加熱される空間を有しており、放射管には、燃焼生成物の除去のための窓が装備されている。
【0051】
燃焼炉における間接加熱のための明示された装置を使用する場合、放射管の外部の作業空間における処理可能な金属は、燃焼生成物の媒体に配置されておらず、燃焼損失及び/又は水素吸収に曝されない。しかしながら、加熱される空間に配置され、燃焼生成物の衝撃に曝される放射管の内壁からの金属は、廃棄される。これは、放射管の耐用寿命を短縮器、金属処理の運転費用及び生産費を増大させる。これらは、前記の装置の欠陥的特徴である。
【0052】
間接燃焼炉における金属熱処理のための別の装置(1996年9月27日に発行された、RF実用特許第93052328のための出願、C21C5/28)は現在使用されている。この装置は、燃焼生成物の除去のための窓を備えた加熱される空間(杓容積)、加熱された空気に対する燃料のある比率で空気と混合された気体燃料の燃焼のための複数のバーナ、及び、加熱される空間に配置された坩堝(溶融に曝されるスクラップ金属を備える)を有している。
【0053】
この装置の欠陥的特徴は、燃焼生成物に曝される、坩堝の外部金属壁部のより短い耐用寿命、その結果としての、金属処理の運転費用及び生産費の増大から成る。
【0054】
鋼ブランクの非酸化加熱のための開放火炎炉(直接加熱)の加熱のための装置は、本発明の装置の第1の変化態様に最も近い。
【0055】

この装置は、燃焼生成物の除去のための窓(ダクト)を備えた、作業空間とも呼ばれる、加熱される空間と、予熱された空気と混合された気体燃料の燃焼のための2つのバーナと、空気の加熱及び所要の量でのバーナのうちの少なくとも1つへの空気の供給のためのシステムとを有する。バーナ自体は周期的パルスモードで働く。混合物は、1よりも低い加熱された空気過剰係数の値によって特徴付けられる燃料対加熱空気比で燃焼される(低酸化加熱)。空気加熱及び供給のシステムは、2つの蓄熱器(再生ヘッドピース)を有する。燃焼炉の加熱のための装置の1つの運転サイクルの間、再生ヘッドピースのそれぞれは、高温の燃焼生成物を使用して熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、ヘッドピースのそれぞれは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。装置は、制御及び交換のシステムを有する。このシステムは、再生ヘッドピース、バーナ、及びスモーク排出装置に接続された弁を備えたダクトを有する。これは、再生ヘッドピースを通る燃焼生成物と空気流との交互の流れ、2つのバーナの少なくとも1つへの加熱された空気の供給、及び、スモーク排出装置からの燃焼生成物の除去を保証する。還元すれば、制御及び交換のシステムの設計は、再生ヘッドピースが周期的に変化する機能を行うことができることを前提とする。
【0056】
バーナに、低酸化加熱のために必要な量で加熱された空気を(1未満の設定された空気過剰係数で)供給することを保証する、考慮されている装置の設計は、各再生ヘッドピースの内部空間における金属管又は球体の形式の熱伝達エレメントの存在を前提とする。これらのエレメントの容積(重量)は、単位時間における空気の所要の容積の加熱のために十分である。
【0057】
明示された原型の装置によって金属の低酸化加熱を保証することは、金属の廃棄を減じる。しかしながら、これは、例えばチタン及びチタン合金の水素吸収を回避しない。これは、また、欠陥的な特徴を有する。これは、加熱される空間における燃料の不完全燃焼による一酸化炭素の高い濃度から成る。燃焼炉の構造をシールすることが必要となり、これは、増大した資本コストを生じる。さらに、(この装置において実現された)蓄熱器の底部における燃焼生成物の後燃えのプロセスは、燃料の廃棄を生じる。
【0058】
本発明の第1の変化態様の原型の別の種類は、直接燃焼炉を加熱するためのパイロット装置である。
【0059】

この装置は、作業空間(燃焼室)とも呼ばれる加熱される空間と、(ダブルサイクルパルスモードにおいて作動する)空気と混合された気体燃料を燃焼するための再生バーナと、1つの運転サイクルの間に冷却された燃焼生成物を除去するためのガスダクトと、別の運転サイクルの間に高温の燃焼生成物を除去するための煙路とを有している。装置は、再生ヘッドピースを含む、空気を加熱し、パルスモードにおいて空気を(所要の量で)再生バーナに供給するためのシステムをも有する。再生ヘッドピースの内部空間における熱伝達エレメントの存在は、所要の空気過剰係数を維持するために、単位時間における空気の所要の容積の加熱を保証する。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、再生ヘッドピースは、ヘッドピースにおいて冷却した後にガスダクトから除去された高温の燃焼生成物を使用して、再生ヘッドピースに配置された熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、ヘッドピースは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。装置は、制御及び交換のシステムを有している。このシステムはダクト及び弁を有している。システムの設計は、再生ヘッドピースが周期的に変化する機能を行うことができることを前提としている。1つのサイクルの間、制御及び交換のシステムは、ヘッドピースにおける熱伝達エレメントを加熱するための、前炉混合チャンバから再生ヘッドピースへの燃焼生成物の流れ、及び冷却された燃焼生成物のこのサイクルからガスダクトへの除去を保証する。別のサイクルの間、制御及び交換のシステムは、反対方向で再生ヘッドピースを通る加熱された空気の供給を保証する。次いで、燃料と混合された加熱された空気は、燃焼室において燃焼生成物を形成するために再生ヘッドピースへ移動する。燃焼生成物は、有益な利用のために、煙路を通って移動させられる。制御及び交換のシステムの設計は、再生ヘッドピースが周期的に交換機能を行うことができることを前提としている。
【0060】
(直接加熱を用いた金属熱処理のための)装置の第1の変化態様のこの原型の欠陥的特徴は、金属の燃焼損失及び水素吸収による負荷からの金属の著しい量の損失から成る。燃焼生成物の酸化媒体により、金属の廃棄物が生じる。考慮されている装置を間接的に加熱する場合、欠陥的特徴は、被覆体からの金属の廃棄物から成り、これは、被覆体(放射管、坩堝)のより短い耐用寿命、及び金属処理の運転費用及び生産費の増大につながる。さらに、空気過剰係数の制限値が、燃焼炉を加熱するための装置において使用されているので、燃料及び空気混合物の制限された量が、炉の過熱される空間又は放射管に供給される。これは、加熱される空間及び放射管における燃焼生成物の移動の比率が制限され、熱交換の対流成分の減じられた値と、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するためのより長い時間と、炉の減じられた能力とを生じる。燃焼製品の移動の制限された比率は、炉自体及び負荷(熱処理に曝される製品)における、温度の不均一な分配をも生じる。これは、熱処理された製品の質を劣化させる。
【0061】
第1の変化態様による、直接燃焼炉又は間接燃焼炉を加熱するための本発明の装置の目的は、燃焼損失を減じ、(負荷の直接加熱時に)燃焼炉における熱処理のプロセスにおける金属の水素吸収のレベルを低下させ、被覆体(放射管、坩堝)の耐用寿命を延長させ、(負荷の間接加熱時に)金属処理の運転費用及び生産費を減じ、炉出力を増大し、製品の熱処理の質を改良することである。
【0062】
直接燃焼炉を加熱するための装置は、本発明の装置の第2及び第3の変化態様に最も近い。
【0063】

前記装置は、加熱される金属を収容するための作業空間としても使用される加熱される空間と、気体燃料又は液体燃料(空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられる、加熱された空気に対する燃料のある比において、予熱された空気と混合されている)を燃焼するための2つのバーナと、空気を加熱しかつ空気を所要の量で各バーナに供給するためのシステムと、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトと、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクトと、制御及び交換のシステムとを有している。空気を加熱しかつ空気を所要の量で各バーナに供給するためのシステムは、空気を外部及び2つの再生ヘッドピースから供給するためのダクトを有している。ヘッドピースのそれぞれは、所定の量の熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間を有している。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、再生ヘッドピースのそれぞれは、高温の燃焼生成物を用いて前記熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、再生ヘッドピースのそれぞれは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、バーナの1つはバーナとして機能し、燃焼炉を加熱するための装置の別の運転サイクルの間、バーナのそれぞれは、加熱された空間から高温の燃焼生成物を除去するための窓として機能する。さらに、制御及び交換のシステムの設計は、バーナ及び再生ヘッドピースが周期的に変化する機能を行うことができることを前提としている。すなわち、燃焼炉を加熱するための装置の各運転サイクルの間、制御及び交換のシステムは、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトをバーナの1つに接続し、別のバーナを、再生ヘッドピースの1つの内部空間の入出力窓のうちの1つに接続し、この再生ヘッドピースの別の入出力窓を冷却された燃焼生成物を除去するためのダクトに接続し、外部から空気を供給するためのダクトを別の再生ヘッドピースの内部空間の入出力窓のうちの1つに接続し、このヘッドピースの別の入出力窓を、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトが接続されたバーナに接続することを保証する。
【0064】
各再生ヘッドピースの内部空間を充填する鋼玉の形式の熱伝達エレメントの層の容積は、各バーナへの加熱された空気の供給のための能力と、空気過剰係数の値とを決定する。空気過剰係数は、加熱される空間(熱処理に曝される金属が配置されている)における酸化媒体を保証する。
【0065】
(直接燃焼炉における金属の熱処理のための)本発明の装置の第2及び第3の変化態様の前記原型の欠陥的特徴は、燃焼生成物の酸化媒体から生じる燃焼損失(αはほぼ1に等しい)及び金属の水素吸収による、金属の著しい量の廃棄物から成る。
【0066】
発明の第2及び第3の変化態様の原型装置の別の種類は、間接燃焼炉における金属の熱処理のための装置である。
【0067】

言及された装置は、(空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられた加熱された空気に対する燃料の所定の比で予熱された空気と混合された)気体又は液体燃料を燃焼するための2つのバーナを備えた放射管の形式の加熱される空間と、空気を加熱しかつ空気を所要の量で各バーナに供給するためのシステムと、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトと、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクトと、制御及び交換のシステムとを有している。空気を加熱しかつ空気を所要の量で各バーナに供給するためのシステムは、外部から空気を供給するためのダクトと、2つの再生ヘッドピースとを有している。ヘッドピースのそれぞれは、ある量の熱伝達エレメントの層で充填された、2つの入出力窓を備えた内部空間を有している。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、再生ヘッドピースのそれぞれは、高温の燃焼生成物を用いて前記熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、再生ヘッドピースのそれぞれは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、バーナのそれぞれはバーナとして機能し、燃焼炉を加熱するための装置の別の運転サイクルの間、バーナのそれぞれ、加熱される空間から高温の燃焼生成物を除去するための窓として機能する。さらに、制御及び高温のシステムの設計は、バーナ及び再生ヘッドピースが周期的に変化する機能を行うことができることを前提としている。すなわち、燃焼炉を加熱するための装置の各運転サイクルの間、制御及び交換のシステムは、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトをバーナのうちの1つと接続すること、別のバーナを、再生ヘッドピースのうちの1つの内部空間の入出力窓のうちの1つと接続すること、この再生ヘッドピースの別の入出力窓を、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクトと接続すること、外部から空気を供給するためのダクトを、別の再生ヘッドピースの内部空間の入出力窓のうちの1つと接続すること、このヘッドピースの別の入出力窓を、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトが接続されているバーナと接続すること、を保証する。各再生ヘッドピースの内部空間を充填する鋼玉の形式の、熱伝達エレメントの層の容積は、空気過剰係数の値を決定する。この空気過剰係数は、放射管の内部の加熱される空間における酸化媒体を保証する。熱処理に曝される金属は放射管の外部の作業空間に配置されている。
【0068】
間接燃焼炉において金属を熱処理するための本発明の装置の第2及び第3の変化態様の前記原型の欠陥的特徴は、間接燃焼炉の加熱される空間に配置された放射管の壁部からの金属の廃棄物から成る。これは、放射管の耐用寿命を短縮させ、金属処理の運転費用及び生産費の増大を生じる。さらに、空気過剰係数の制限値が燃焼室を加熱するための装置において使用されるので、燃料及び空気混合物の制限された量が、炉の加熱される空間又は放射管に供給される。これは、加熱される空間及び放射管における燃焼生成物の移動の比率をも制限し、熱交換の対流成分の減じられた値、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するためのより長い時間、及び炉の減じられた能力を生じる。燃焼生成物の移動の制限された比率は、炉自体及び負荷(熱処理に曝される製品)における温度の不均一な分配をも生じる。これは、熱処理される製品の質を劣化させる。
【0069】
第2及び第3の変化態様による燃焼炉を加熱するための本発明の装置の目的は、直接燃焼炉のためのアルミニウム、チタン及び鉄の合金を含む、負荷(処理可能な金属)の燃焼損失の減少及び水素吸収のレベルの低下から成る。間接燃焼炉のための目的は、放射管(坩堝)の耐用寿命を延長させ、金属処理の運転費用及び生産費を減じることである。さらに、発明の目的は、炉出力を増大し、製品の熱処理の質を改良することである。
【0070】
液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の燃焼された混合物で加熱された金属の熱処理のための再生燃焼炉において、再生ヘッドピースが使用されている。これらのヘッドピースのそれぞれは、熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間を有している(例えばM.A.Kasenkovの前記文献、第296〜297頁、図178)。再生ヘッドピースの設計及び再生ヘッドピースの作動原理は、公知のタイプの直接燃焼炉及び間接燃焼炉と同様である。再生ヘッドピースは2つのサイクルで作動するように設計されている。1つのサイクルの間、ヘッドピースは、燃焼される混合物の燃焼生成物を用いて熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、ヘッドピースは、熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。再生ヘッドピースは燃焼炉において使用される場合、入出力窓が、高温の燃焼生成物を供給するためのダクト(燃焼炉の加熱される空間から対応する切換えシステムを通って(反転する遮断面))と、冷却された燃焼生成物の除去のためのダクトと、空気の供給のためのダクトと、加熱された空気をバーナに供給するためのダクトとに接続される。
【0071】
公知の再生ヘッドピースは、化学量論的比率(α=1)における燃料及び空気の混合物の燃焼時、低酸化加熱時(αが1未満)、及び、空気過剰係数の値の通常の現在の実用的な範囲(上に明示されているように、この値は2.0を超えない)において、金属を加熱するための燃焼炉において使用するために設計されている。これは、公知の各再生ヘッドピースの設計欠陥を予期する。これは、このようなヘッドピースの内部空間にある量の熱伝達エレメントの存在を要求する。熱伝達エレメントの量は、指定された範囲の空気過剰係数の設定値における、バーナにおける燃料及び空気混合物の燃焼を保証するために要求されるようなこのような空気加熱の容積によって規定される。結局、金属を加熱するための燃焼炉における公知の再生ヘッドピースの使用は、燃焼生成物の酸化媒体、ブランクの表面層の脱炭、及び金属の水素吸収から生じる、燃焼損失による著しい量の金属廃棄物を生じる。
【0072】
燃焼炉の以下の再生ヘッドピース(液体燃料又は気体燃料及び加熱される空気の混合物によって加熱される)は、提供される技術的決定に最も近い。このヘッドピースは、2つの入出力窓を備えた内部空間を有している。空間は、金属又は鋼玉の形式の熱伝達エレメントの層で充填されている。1つの作動サイクルの間、再生ヘッドピースは、燃焼生成物を用いて前記熱伝達エレメントを加熱するために使用される。別のサイクルの間、再生ヘッドピースは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを用いて空気を加熱するために使用される。
【0073】

【0074】
前記ヘッドピースに加えて、考慮中の再生ヘッドピースの設計欠陥は、内部空間におけるある量の熱伝達エレメントの存在から成る。熱伝達エレメントの量は、上に指定された通常の公知の範囲の空気過剰係数の設定値(αの値は2.0を超えない)におけるバーナにおける燃料及び空気混合物の燃焼を保証するための要求されるような空気加熱のこのような容積によって規定される。金属の直接又は間接加熱のための燃焼炉におけるこの再生ヘッドピースの使用は、金属の燃焼損失及び水素吸収による負荷又は被覆体における金属の廃棄物を生じる。燃焼炉におけるその使用と同様に、指定された公知の再生ヘッドピースは、炉の過熱される空間又は放射管への燃料及び空気混合物の制限された容積の供給を保証する(熱伝達エレメントの制限された容積、炉の加熱される空間における燃焼生成物の移動の制限された比率、及び制限された放射管による)。これは、熱交換の対流成分の減じられた値、処理可能な金属及び非金属製品を加熱するためのより長い時間、及び炉の減じられた能力を生じる。燃焼生成物の移動の制限された比率は、炉自体及び負荷(熱処理に曝される製品)における温度の不均一な分配をも生じる。これは、熱処理される製品の質を劣化させる。
【0075】
本発明の目的−液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物で加熱される直接燃焼炉又は間接燃焼炉のための再生ヘッドピースの3つの変化態様−は、熱処理に曝される金属(負荷)の質を高めることである。これは、燃焼炉における熱処理のプロセスにおける金属廃棄物を減じ、アルミニウム、チタン及び鉄の合金を含む金属の水素吸収のレベルを低下させることによって保証される。再生ヘッドピースが直接燃焼炉において使用される場合、金属廃棄物及び水素吸収の指定された減少は、炉において処理される金属及び製品(すなわち負荷)に関連している。間接燃焼炉において、減少は、放射管又は坩堝の金属壁部に関連している。さらに、本発明の目的は、前記放射管及び坩堝の耐用寿命を延長し、したがって、金属の処理のための費用及びこれらの金属の熱処理の生産費を減じることでもある。
【0076】
最後に、本発明の目的−燃焼炉のための再生ヘッドピースの3つの変化態様−は、炉出力を増大し、熱処理される製品の質を改良することである。
【0077】
指定された目的は、提供された発明の全ての変化態様に共通である。
【0078】
指定された目的は、以下に明記される新たな技術的解決手段の助けによって達成される:方法の3つの変化態様及び方法の変化態様を実施するための複数の装置−燃焼炉を加熱するための装置の3つの変化態様及び燃焼炉の再生ヘッドピースの3つの変化態様。
【0079】
概要
変化態様のグループを含む発明は、金属熱処理の方法と、直接燃焼炉又は間接燃焼炉において液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物を燃焼させる方法と、このような方法を実施するための加熱装置及び再生ヘッドピースとを含む。本発明、及び発明の変化態様は、冶金及び機械エンジニアリングの分野に関する。発明は、金属の熱処理(例えば、溶融、変形のための加熱、熱処理)及びセラミック製品等の非金属製品のバーニング、ベーキング及びその他のタイプの熱処理において使用されることができる。
【0080】
発明の本質及び発明の変化態様は、空気過剰係数(α)のある値の達成を保証する新たな技術的特徴に反映されており、この場合、燃料及び加熱された空気の混合物は2.0を超えておりかつ主に発明の実施において6.0までの範囲にある。
【0081】
発明の実施による技術的結果は、直接燃焼炉における処理のプロセスにおける金属廃棄物の減少(図4)、及びアルミニウム、チタン及び鉄の合金を含む金属の水素吸収のレベルにおける低下から成る。間接燃焼炉における発明の実施において、技術的結果は、放射管及び坩堝のより長い耐用寿命から成る。
【0082】
発明者たちによって得られた実験的証拠は、指定された技術的結果が、燃焼生成物の雰囲気(気相)の関連する組成、すなわち、2.0を超える空気過剰係数の値における高温空気及び液体燃料又は気体燃料の混合物、を保証することにより達成されることを証明している。
【0083】
図面
図1は、第1の変化態様による再生ヘッドピースを備えた、発明の第1及び第2の変化態様の実施のための直接燃焼炉を加熱するための装置のブロック図である。
【0084】
図2は、St10鋼標本を加熱する場合の空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する金属廃棄物(Y軸、g/cm2)のグラフである。
【0085】
図3は、空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する酸素O2、二酸化炭素CO2、及び水蒸気H2Oの濃度(Y軸、%)のグラフである。
【0086】
図4は、チタン合金Ti−6Al−4Vの標本を加熱する場合の空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する禁則廃棄物(Y軸、g/cm2)のグラフである。
【0087】
図5は、この場合、2.0〜7.0の範囲の空気過剰係数αの値における、燃料消費、特に天然ガスの消費(X軸、m3/h)に対する、20mmの直径を備えた鋼玉の形式の再生ヘッドピースにおける熱伝達エレメントの容積(Y軸、m3)のグラフである。
【0088】
図6は、2つのバーナと、それぞれ再生ヘッドピースの第1の変化態様に従って製作された2つの再生ヘッドピースと、交換システムにおける4入力逆転弁とを備えた、3つの変化態様による直接燃焼炉を加熱するための装置の単純化されたブロック図である。
【0089】
図7は、運転の経過において変化する異なる空気過剰係数αにおける運転のための、再生ヘッドピースの内部空間の連続して配置されかつ相互結合された区分を備えた、第2の変化態様による再生ヘッドピースの図である。
【0090】
図8は、運転の経過において変化する異なる空気過剰係数における運転のための、互いに平行に配置された再生ヘッドピースの内部空間を備えた、第3の変化態様による再生ヘッドピースの図である。
【0091】
図9は、放射管を用いて間接燃焼炉を加熱するための装置である。
【0092】
図10は、坩堝を用いて間接燃焼炉を加熱するための装置である。
【0093】
図11は、提供された方法を実施するための試し計画の図の左側部分である。
【0094】
図12は、提供された方法を実施するための試し計画の図の右側部分である。
【0095】
説明
発明の開示。以下の方法及び装置は、それらの原型とは異なり、前記目的を達成するために提供される。
【0096】
空気過剰係数のある値における液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼に基づく直接燃焼炉又は間接燃焼炉における金属熱処理の方法(方法の第1の変化態様)は、燃料及び空気の指定された混合物が、2.0を超える、主に6.0の範囲までに設定された空気過剰係数の値において燃焼させられることを特徴とする。
【0097】
中間温度への金属の加熱、作動温度への金属のその後の加熱、及び作動温度における金属の保持を含む、液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼に基づく直接燃焼炉又は間接燃焼炉における金属熱処理の方法(方法の第2の変化態様)。さらに、2.0を超えない空気過剰係数の値において少なくとも中間温度への金属の加熱時に、燃料及び加熱された空気の指定された混合物は燃焼される。この方法は、処理可能な金属が、2.0を超えかつ主に6.0の範囲内にある空気過剰係数の増大時に作動温度まで加熱されることを特徴とする。さらに、作動温度における金属の保持は、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内にある空気過剰係数の一定又は可変の値において行われる。
【0098】
燃料及び空気の指定された混合物が、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に設定された空気過剰係数の値において燃焼させられることを特徴とする、加熱空気過剰係数のある値における、直接燃焼炉又は間接燃焼炉における液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼の方法(方法の第3の変化態様)。
【0099】
燃焼生成物を除去するための窓を備えた加熱される空間と、ある燃料対加熱される空気比において加熱された空気と混合された気体燃料又は液体燃料の燃焼のための少なくとも1つのバーナとを含む、直接燃焼炉又は間接燃焼炉を加熱するための装置(炉設計の第1の変化態様)は、空気過剰係数の関連する値と、空気を加熱しかつ所要の量で各バーナに供給するためのシステムとを特徴とし、所要の量は、空気過剰係数の値が2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に設定されている。
【0100】
加熱される空間と、(空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比で加熱された空気と混合された)気体燃料又は液体燃料を燃焼させるための2つのバーナと、気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトと、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクトと、空気を加熱しかつ各バーナに供給するためのシステムと、ダクト、バーナ及び再生ヘッドピースの制御及び交換のシステムと、を有する、直接燃焼炉又は間接燃焼炉を加熱するための装置。バーナは、外部から空気を供給するためのダクトと、2つの再生ヘッドピースとを有する。各ヘッドピースは、ある量の熱伝達エレメントの層で充填された、2つの入出力窓を備えた内部空間を有している。制御及び交換のシステムの設計は、バーナ及び再生ヘッドピースによる周期的に変化する機能の実行を許容する。すなわち、燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルにおいて、各再生ヘッドピースは、高温の燃焼精製物を使用して熱伝達エレメントを加熱するために使用される。また、別のサイクルの間、各再生ヘッドピースは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱する。燃焼炉を加熱するための装置の1つの運転サイクルの間、各バーナはバーナの機能を行う。また、別のサイクルの間、各バーナは、加熱される空間から燃焼生成物を除去するための窓として機能する。装置は、各再生ヘッドピースの内部空間が、以下の等式に対応する熱伝達エレメント容積のこのような層で充填されていることを特徴とする:
V=k・α・B1
この場合、Vは再生ヘッドモースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼精製物の温度、及び燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存した比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内にある、燃焼炉における熱処理の所要のモードに依存して選択された空気過剰係数を、無次元値で表し、B1は、α=1である場合のバーナごとの燃料消費(気体燃料又は液体燃料)をm3/hで表している。
【0101】
加熱される空間と、気体燃料又は液体燃料(空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられた、加熱された空気に対する燃料のある比で、加熱された空気と混合されている)を燃焼させるための2つのバーナと、2つの再生ヘッドピースとを有する、直接燃焼炉又は間接燃焼炉を加熱するための装置(炉設計の第3の変化態様)。各ヘッドピースは、ある量の熱伝達エレメントの層で充填された、2つの入出力窓を備えた内部空間を有している。各バーナは、整流器を介して気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトに接続されており、1つの再生ヘッドピースの1つの入出力窓にも接続されている。各ヘッドピースの別の入出力窓は、空気を供給するためのダクトに接続されており、また、個々に各ヘッドピースを介して(3入力逆転弁)、又は両方のヘッドピースの組み合わせを介して(4入力逆転弁)、燃焼生成物を除去するためのダクトに接続されている。装置は、各再生ヘッドピースの内部空間が、以下の公式に対応する熱伝達エレメントのこのような層で充填されている:
V=k・α・B1
この場合、Vは再生ヘッドモースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼精製物の温度、及び燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存した比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内にある、燃焼炉における熱処理の所要のモードに依存して選択された空気過剰係数を、無次元値で表し、B1は、α=1である場合のバーナごとの燃料消費(気体燃料又は液体燃料)をm3/hで表している。
【0102】
ある燃料対加熱される空気の比での液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の燃焼された混合物で加熱された直接燃焼炉又は間接燃焼炉の再生ヘッドピース(ヘッドピースの第1の変化態様)は、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられ、ある量の熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間を有する。再生ヘッドピースは、再生ヘッドピースの内部空間が、以下の公式に対応する熱伝達エレメント容積の層で充填されていることを特徴とする:
V=k・α・B1
この場合、Vは再生ヘッドモースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼精製物の温度、及び燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存した比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内にある、燃焼炉における熱処理の所要のモードに依存して選択された空気過剰係数を、無次元値で表し、B1は、α=1である場合の再生ヘッドピースごとの燃料消費(気体燃料又は液体燃料)をm3/hで表している。
【0103】
所定の燃料対加熱される空気の比で、液体又は気体燃料と加熱される空気との燃焼された混合物で加熱された、直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピース(ヘッドピースの第2の変化態様)は、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられ、熱伝達エレメントで充填されかつ、熱伝達エレメントの下側に配置された下部ヘッドピース空間に結合された内部空間を有している。さらに、指定された内部空間は、上側部分に1つの入出力窓を有しており、下側ヘッドピース空間は、遮断弁を備えた別の入出力窓を有している。ヘッドピースは、熱伝達エレメントで充填された内部空間が、互いに上下に配置された複数の(少なくとも2つの)区分の形式で設計されていることを特徴とする。最下部を除く区分のそれぞれは、これらの区分の間に配置された付加的な下側ヘッドピース空間によって、下側に位置する区分に接続されている。付加的な空間は、付加的な遮断弁を備えた付加的な入出力窓を有している。内部空間のそれぞれの区分は、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填されており、区分の合計容積は公式
max=k・αmax・B1
に対応し、Vmaxは再生ヘッドピースの内部空間の全ての区分の熱伝達エレメントの層の合計容積をm3表し、kは、燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度、燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存する比例定数をhで表し、αmaxは、2.0を超えておりかつ主に6.0までの範囲の燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された再生ヘッドピースの最大空気過剰係数を無次元値で表しており、B1は、α=1の場合の再生ヘッドピースごとの燃料消費(気体又は液体燃料)をm3/hで表している。さらに、再生ヘッドピースの最大空気過剰係数と、再生ヘッドピースの内部空間のそれぞれの区分のための空気過剰係数は、公式
αmax=Σαi
によって互いに関連させられており、αiは、再生ヘッドピースの内部空間の区分iの空気過剰係数の選択された値を無次元値で表しており、iは、1からnまで変化する、再生ヘッドピースの内部空間の区分の通常の数を表し、nは再生ヘッドピースの内部空間の区分の数に等しく、内部空間のそれぞれの区分を充填する熱伝達エレメントの層の容積は
i=k・αi・B1
に相当し、Viは、再生ヘッドピースの内部空間の区分iの熱伝達エレメントの層の容積をm3で表している(変数i及び項k、B1は上に規定されている)。
【0104】
燃料対加熱される空気のある比で、液体又は気体燃料及び加熱される空気の燃焼された混合物で加熱された直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピース(ヘッドピースの第3の変化態様)は、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられ、2つの入出力窓を備えた、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填された第1の内部空間を有している。上側の窓は再生ヘッドピースの上側の入出力窓に接続されている。下側の窓は第1の遮断弁を有している。ヘッドピースは、再生ヘッドピースが、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填された少なくとも1つの付加的な内部空間が設けられていることを特徴とする。付加的な空間は、固有の上側ヘッドピース空間と、上部及び下部の入出力窓とを有している。上側の窓は、再生ヘッドピースの上側の入出力窓に接続されている。下部の窓には付加的な遮断弁が設けられている。さらに、再生ヘッドピースの全ての内部空間における熱伝達エレメントの層の合計容積は、公式
max=k・αmax・B1r
に対応し、Vmaxは再生ヘッドピースの全ての内部空間の熱伝達エレメントの層の合計容積をm3表し、kは、燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度、燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存する比例定数をhで表し、αmaxは、2.0を超えておりかつ主に6.0までの範囲の燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された再生ヘッドピースの最大空気過剰係数を無次元値で表しており、B1は、α=1の場合の再生ヘッドピースごとの燃料消費(気体又は液体燃料)をm3/hで表している。さらに、再生ヘッドピースの最大空気過剰係数及び再生ヘッドピースの各内部空間の空気過剰係数は公式
αmax=Σαi
によって互いに関連させられており、αiは、再生ヘッドピースの内部空間iの空気過剰係数の選択された値を無次元値で表しており、iは、1からnまで変化する、再生ヘッドピースの内部空間の区分の通常の数を表し、nは再生ヘッドピースの内部空間の数に等しく、各内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積は
i=k・αi・B1
に対応し、Viは、再生ヘッドピースの内部空間iの熱伝達エレメントの層の容積をm3で表している(変数i及び項k、B1は上に規定されている)。
【0105】
全ての提供された方法及び装置の新規性は、原型に導入された新規の技術的特徴に反映されている。これらの方法及び装置は、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲に含まれる空気過剰係数の値を保証することに関する。方法の場合、これらの新規の技術的特徴は、提供された方法の実施のための新規のモードから成り、装置の場合、これらの新規の技術的特徴は、加熱装置の第1の変化態様による燃焼炉のための空気加熱のシステムのために機能的に記述された新規の設計的特徴をいう。択一的に、新規の技術的特徴は、燃焼炉の再生ヘッドピースの内部空間(又は区分)に配置された熱伝達エレメントの容積によって(装置のその他の変化態様のために)特徴付けられた特徴に関する。
【0106】
本発明の著者によって得られた実験的証拠に基づき、我々は以下に、提供された技術的決定の採用からの新規で(技術レベルの観点から)驚くべき、予測不可能な技術的結果を明記し、この技術的決定によれば、燃料は、空気過剰係数の高い値(αは2.0を超える)において直接又は間接燃焼炉において燃焼させられる。得られた興味深い技術的結果は、金属のスケーリング、脱炭、及び水素吸収の制御のための既存の方法の効率への新たな見方を提供する。この技術的結果は、これらの問題のための解決策への包括的アプローチをも示唆している。
【0107】
金属、及び鋼及び非鉄金属、及びチタン合金の製品(インゴット、ブランク等)の(特に直接又は間接燃焼炉における)熱処理のための方法及び装置の全ての提供された変化態様の採用は、実施の方法の以下の例に示されているように、原型と比較して金属廃棄物の著しい減少を保証する。St鋼の場合、減少は40%であり、チタン剛毅の場合、Ti−6Al−4V金属廃棄物はほとんど2.5倍減じられる。
【0108】
提供された発明によれば、加熱時の金属廃棄物の転じられたレベルは、電気炉における空気加熱時の燃焼損失のレベルと同等である。しかしながら、天然ガスを用いる炉の加熱において、製品の1トンの加熱の単位コストは、電気加熱の単位コストよりも数倍低い。
【0109】

【0110】
さらに、金属及びその合金、例えば、チタン及びチタン合金、マグネシウム及びマグネシウム合金、及び鋼の水素吸収の減少が保証される。
【0111】
直接又は間接加熱の提供された方法及び装置の指定された技術的結果は、燃焼生成物の媒体(気相)の関連する組成、2.0を超える空気過剰係数αの提案された値における高温空気及び液体燃料又は気体燃料の混合物を保証することによって達成される。特に、酸素の濃度(部分圧力)の増大時にさえも、水蒸気の濃度(部分圧力)における明らかにされた減少は、金属の燃焼損失及び水素吸収における減少に責任がある。
【0112】
非鉄金属の要求のための直接燃焼反射炉における提供された方法及び装置の採用は、燃焼損失の減少による金属歩留りの増大をも提供する。
【0113】
間接燃焼炉における提供された方法及び装置の採用は、被覆体(放射管、坩堝)のより長い寿命及び被覆体壁部の燃焼損失の減少により金属熱処理の運転費用及び製造コストの関連する減少を保証する。
【0114】
2.0を超える空気過剰係数を備えた直接又は間接燃焼炉における提供された方法及び装置を使用する金属及び非金属製品の熱処理時に、空気の増大した容積は、炉の加熱された空間又は放射管に供給される。さらに、熱交換の対流成分は、炉又は放射管の加熱される空間における燃焼生成物の移動比率の増大により増大する。結果は、燃焼炉において処理される製品への燃焼生成物からの熱伝達の時間の減少と、炉能力の増大とである。加熱時間の減少は、加熱される金属の、熱損失、脱炭及び水素吸収の付加的な減少を保証する。
【0115】
燃焼された加熱時の金属の熱処理の減じられたコスト、及び(提供された方法及び電気炉における金属空気加熱の公知の方法を使用して得られる)燃焼損失のレベルの達成された比較可能性は、提供された方法及びこの方法を実施する装置の適用の範囲の拡大を保証し、提供された方法のための電気炉における金属の熱処理の公知の方法の代用を保証する。
【0116】
直接又は間接燃焼炉(αの可変の値を備えた3段加熱)における金属の熱処理のための方法の第2の変化態様は、(αの一定の値を備えた)1段第1辺か態様と比較して、より経済的である。方法の第2の変化態様の実施の第1の段階において、金属表面の温度がかなり低い場合(例えば、鋼の場合、650〜800℃を超えない)、中間温度まで加熱するとき、酸化プロセスはゆっくりと進行し、空気過剰係数の値を増大しかつ空気及び燃焼生成物の増大した容積を供給/除去するために電力を使用することが実用的である。実施の方法の第2及び第3の段階(作動温度にまで加熱し、作動温度に保持する)において温度上昇と共に燃焼損失は(実質的に指数的に)増大し、空気過剰係数αの値の増大及びバーナへの加熱された空気の関連する付加的な量の供給によって、制御しなければならない。さらに、パワーコストは、炉における金属酸化の減少及び金属歩留りの対応する増大によって相殺される。同様の効果は、水素チャージ金属の熱処理時に達せられる。
【0117】
直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置の第1の変化態様は、全ての提供された装置の最も一般的なものであり、設定タスクの溶解性を保証する。これは、所要の量での各バーナへの空気加熱及び供給のシステムの設計により保証される。これは、2.0を超える空気過剰係数の値を保証する量での空気の加熱及び供給を保証し、主に6.0までの範囲の設定を保証する。この変化態様は、燃焼炉における少なくとも1つのバーナの使用を前提とする。このバーナへの加熱された空気の供給は、択一的にパルスモードで作動される再生ヘッドピースの助けにより、及び連続的なモードにおける空気の加熱のための伝熱式熱交換器又は電気ヒータを使用することにより、保証されることができる。
【0118】
直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置の第2の変化態様は、発明の目的を達する燃焼炉の最適な設計に従う。それは、燃料の燃焼のために択一的に作動する2つのバーナと、2つの再生ヘッドピースと、バーナに供給される空気の加熱のための各再生ヘッドピースの択一的な作動を保証する制御及び交換のシステム(周期的パルスモード)とを有する。各ヘッドピースは、2.0を超える空気過剰係数α(主に6.0までの範囲)における燃焼炉の加熱の提供された方法の実施を保証する。
【0119】
直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置の第3の変化態様は、発明の目的を達する燃焼炉の設計に従う。それは、燃料の燃焼のために択一的に作動する2つのバーナと、2つの再生ヘッドピースと、逆転弁(2・3入力又は1・4入力)とを有する。弁は、交換システムの設計のうちの1つとして使用されており、周期的パルスモードにおいてバーナに供給される空気の加熱のための各再生ヘッドピースの択一的に作動を保証する。各ヘッドピースは、2.0を超える空気過剰係数α(主に6.0までの範囲)での燃焼炉の加熱の提供された方法の実施を保証する。
【0120】
直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピースの提供された変化態様は、金属の加熱のための提供された燃焼炉のエレメント(部材)を使用する設定タスクを解決する。
【0121】
再生ヘッドピースの第1の変化態様はこのようなヘッドピースの提供された設計の最も一般的な形式に対応し、特許請求の範囲に指定されたヘッドピースの内部空間における熱伝達エレメントの容積のための、2.0を超える空気過剰係数(主に6.0までの範囲)における、直接又は間接燃焼炉の加熱の提供された方法の実施を保証する。
【0122】
再生ヘッドピースの第2の変化態様は、(熱伝達エレメントで充填された)再生ヘッドピースの内部空間の複数の区分を互いに上下に位置決めするという再生ヘッドピースの設計から成る。区分は、付加的な下側ヘッドピース空間によって相互結合されており、指定された区分は互いに連続して配置されており、燃料及び空気混合物の燃焼により生じる加熱された空気又は冷却された生成物の流れが、ヘッドピースの内部空間の各区分における熱伝達エレメントの指定された容積において、ヘッドピースを通過する。各区分のそれぞれの付加的な下側ヘッドピース空間における遮断弁を備えた、入出力窓の存在により、区分の一方又は他方のシーケンスを作動させ、その結果、2.0を超える(主に6.0までの範囲の)値を含む空気過剰係数αの様々な値において、提供された方法の第2の変化態様における再生ヘッドピースを使用するための機会を許容する。
【0123】
再生ヘッドピースの第2の変化態様は、互いに平行でかつガスの流れを許容するための、熱伝達エレメントで充填された再生ヘッドピースの複数の内部空間を備えた再生ヘッドピースの設計である。各内部空間は、下側ヘッドピース空間と、遮断弁を備えた入出力窓とを有している。遮断弁の存在は、ヘッドピースのいずれかの内部空間における空気加熱のプロセスを遮断するための機会を保証する、すなわち、2.0を超える(主に6.0までの範囲)を含む、提供された方法の第2の変化態様の実施のプロセスにおいて可変の、空気過剰係数αの様々な値においてこのヘッドピースを使用するための機会を保証する。
【0124】
すなわち、再生ヘッドピースの第2及び第3の変化態様は、αの可変の値を備える3段加熱を含む、直接又は間接燃焼炉における金属の熱処理の方法の第2の変化態様の実施に関して使用されることができる。空気過剰係数αの可変の値を備えた、加熱時のこのような再生ヘッドピースの使用は、作動中のヘッドピースの熱伝達エレメントの容積の物理的変更を介して、係数αの変化によるヘッドピースの熱慣性を減じる。これは、炉内の温度に対する(ヘッドピースにおいて加熱された)空気の影響を減じ、金属を熱処理するときの予め設定された温度条件の維持安定性の増大を保証する。
【0125】
発明の設計の最良の形態。図1には、直接燃焼炉の加熱のための装置の第1及び第2の変化態様に対応する、(熱処理の経過において)空気過剰係数の一定の不変の値で作動する、金属の熱処理のための炉1が示されている。この炉は、2つのバーナと、2つの再生ヘッドピース(それぞれのヘッドピースは再生ヘッドピースの第1の変化態様に従って実施されている)と、制御及び交換のシステムにおける2・3入力逆転弁とを有している。これは、(熱処理の経過において)空気過剰係数αの一定の不変の値における金属熱処理の提供された方法の第1の変化態様であり、最適に実施されている。
【0126】
炉1は基礎2上に設置されている。炉は、加熱される空間3(作業空間とも呼ばれる)を含む加熱装置を有しており、加熱される空間には、熱処理される金属6を備えたプラットフォーム(底部)5が車輪(レール)又はローラ4に配置されている。鉄又は非鉄金属の製品及びそれらの合金は熱処理のために炉1に挿入されることができる。プラットフォーム5と加熱される空間3の壁部との間のサンドロック(シール)7は、加熱される空間3のシーリングを保証する。加熱装置は、炉1のライニングにおけるバーナセットを有している。第1のバーナ8は左側に、第2のバーナ9は右側に位置している。各バーナ(8,9)は、バーナストーン(10,11それぞれ)と、点火装置(図示せず)と、炉1への気体燃料の供給のための別のダクト(共通の管路)16に接続されておりかつ2入力パイロット操作遮断弁14,15によって操作される、気体燃料の供給のためのダクト(ガスランス)12,13とを有している。
【0127】
燃焼炉1の説明された設計において、各バーナ8,9の出力窓(バーナストーン)17,18は、バーナがオンであるならばバーナ火炎源として使用される。バーナがオフであるならば、出力窓は、炉1の作業空間(加熱される空間)3からの高温の燃焼生成物の除去のための窓として機能する。
【0128】
炉1のライニングには2つの再生ヘッドピースが設置されている。第1のヘッドピース19は炉の垂直な対称軸線の左側に配置されており、第2のヘッドピース20は軸線の右側に配置されている。各ヘッドピース19,20は、例えばコランド又は金属球の層の形式の、熱伝達エレメントで充填された内部空間21,22を備えたリア人具されたチャンバの形式で設計されている。各ヘッドピース19,20の内部空間21,22は、上部入出力窓23,24と下部入出力窓25,26とを有している。各ヘッドピース19(20)の内部空間21(22)における熱伝達エレメントは火格子に埋設されており、この火格子の下側には、下部入出力窓25(26)を備えた下側ヘッドピース空間が設けられている。
【0129】
図1に示された各再生ヘッドピース19(20)は、発明として見なされるヘッドピースの第1の変化態様である。再生ヘッドピースの設計は、発明に従う、内部空間21(22)内に熱伝達エレメント容積を含むことができることを前提とする。これは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲の空気過剰係数の目標値を保証する。直接に金属熱処理プロセスにおける、熱伝達エレメントの指定された容積の測定のための装置は、これらのヘッドピース(19,20)において予測されていない。
【0130】
燃焼炉の加熱のための装置の1つの運転サイクルの間、ヘッドピース19,20のそれぞれは特に高温の燃焼生成物を用いて熱伝達エレメント又はコランドボールの加熱のために使用される。別のサイクルの間、ヘッドピースのそれぞれは、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを使用して空気を加熱するために使用される。ヘッドピースのこのような運転を可能にするために、ヘッドピース19(20)の上部入出力窓23(24)は別のダクト27(28)を介してバーナ8(9)のダクト12(13)と接続されており、このダクト12(13)を介してバーナ8(9)の出力窓17(18)と接続されている。ヘッドピース19(20)の下部入出力窓25(26)は外部(空気源、ファンは示されていない)から低温の、加熱されていない空気を供給するためのダクト33に接続されており、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクト34に接続されている。接続は、管接合部29(30)の助けにより、3入力パイロット操作遮断弁31(32)を介して保証される。ダクト34は煤煙吐出器及び煙突積層体(図示せず)と接続されている。
【0131】
遮断弁14(15)は2つの位置、開放及び閉鎖を有している。開放した弁14(15)はダクト16からバーナ8(9)への気体燃料の供給を保証する。閉鎖した弁14(15)はバーナへの燃料の供給を遮断する。同時に、閉鎖した弁は、炉1の加熱される空間3からバーナ8(9)の窓17(18)に供給される燃焼生成物の逃げを妨げ、これらの燃焼生成物を、ダクト27(28)及び上部入出力窓23(24)を介してヘッドピース19(20)の内部空間21(22)へ方向付ける。
【0132】
3入力逆転弁31(32)も2つの位置、第1の位置及び第2の位置を有している。第1の位置において、弁31(32)は、管接合部29(30)を通ってヘッドピース19(20)から冷却された燃焼生成物を除去するためのダクト34との、ヘッドピース19(20)の下部入出力窓25(26)の接続を保証する。第2の位置において、弁31(32)は、管接合部29(30)を介してヘッドピース19,20に低温空気を供給するためのダクト33との、ヘッドピース19(20)の下部入出力窓25(26)の接続を保証する。
【0133】
バーナ8(9)がオンであるならば、ヘッドピース19(20)のダクト27(28)は、ヘッドピース19(20)からバーナ8(9)へ加熱された空気を供給するために働く。バーナ8(9)がオフであるならば、炉1の作業空間3からの燃焼生成物はダクト27(28)を介してヘッドピース19(20)に供給される。すなわち、ヘッドピース19,20の内部空間21,22において加熱された空気は、(図1によれば)底部から上方へ各ヘッドピースに流入するのに対し、高温の燃焼生成物は、上部から下方へヘッドピース19,20の内部空間21,22に進入する。
【0134】
熱伝達エレメントからスケールを除去しかつヘッドピース8(9)からスケールを除去するために、窓35(36)が各ヘッドピースの底部に配置されており、ドア37(38)が各ヘッドピースの上部に配置されており、新たな熱伝達エレメントの装入のためにも使用される。ドア37(38)及び窓35(36)を用いた熱伝達エレメントの取出し又は装入は約20〜30分かかる。実際には、これらの作業は、金属熱処理運転の間の停止中に、炉1を保守する場合に通常は行われる。
【0135】
炉1を加熱するための装置の運転を管理するための制御モジュール39が設けられている。このモジュールの出力部40,41,42及び43はそれぞれ弁31,14,15及び32の制御入力部に接続されている。バーナ8,9への燃料供給を同期的にするために、燃料及び加熱された空気の混合物の点火のための制御モジュール39は、バーナ8,9の点火装置(図示せず)との対応する接続を有している。制御モジュール39は、バーナ8,9及び再生ヘッドピース19,20の運転サイクルを決定する。
【0136】
この場合、所要の量におけるバーナ8(9)への空気加熱及び供給のシステムは、外部から空気を供給するためのダクト33と、冷却された燃焼生成物を排出するためのダクト34と、2つの再生ヘッドピース19,20とを有している。各ヘッドピースは、2つの入出力窓23,25及び24,26を備えた内部空間21,22を有しており、ある容積の、熱伝達エレメントとして使用されるコランドボールの層で充填されている。再生ヘッドピース19,20の入出力窓23,26は、上述のように、外部から空気を供給するためのダクト33と、炉1における加熱される空間の出力窓17,18と、バーナ8,9と、冷却された燃焼生成物を除去するためのダクト34とに接続されている。発明の最良の形態のための設計の詳細、熱伝達エレメントによる再生ヘッドピースの充填、再生ヘッドピースのパラメータの計算、装置の運転は、以下に明記される。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】第1の変化態様による再生ヘッドピースを備えた、発明の第1及び第2の変化態様の実施のための直接燃焼炉を加熱するための装置のブロック図である。
【図2】St10鋼標本を加熱する場合の空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する金属廃棄物(Y軸、g/cm2)のグラフである。
【図3】空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する酸素O2、二酸化炭素CO2、及び水蒸気H2Oの濃度(Y軸、%)のグラフである。
【図4】チタン合金Ti−6Al−4Vの標本を加熱する場合の空気過剰係数α(X軸、無次元値)に対する金属廃棄物(Y軸、g/cm2)のグラフである。
【図5】この場合、2.0〜7.0の範囲の空気過剰係数αの値における、燃料消費、特に天然ガスの消費(X軸、m3/h)に対する、20mmの直径を備えた鋼玉の形式の再生ヘッドピースにおける熱伝達エレメントの容積(Y軸、m3)のグラフである。
【図6】2つのバーナと、それぞれ再生ヘッドピースの第1の変化態様に従って製作された2つの再生ヘッドピースと、交換システムにおける4入力逆転弁とを備えた、3つの変化態様による直接燃焼炉を加熱するための装置の単純化されたブロック図である。
【図7】運転の経過において変化する異なる空気過剰係数αにおける運転のための、再生ヘッドピースの内部空間の連続して配置されかつ相互結合された区分を備えた、第2の変化態様による再生ヘッドピースの図である。
【図8】運転の経過において変化する異なる空気過剰係数における運転のための、互いに平行に配置された再生ヘッドピースの内部空間を備えた、第3の変化態様による再生ヘッドピースの図である。
【図9】放射管を用いて間接燃焼炉を加熱するための装置である。
【図10】坩堝を用いて間接燃焼炉を加熱するための装置である。
【図11】提供された方法を実施するための試し計画の図の左側部分である。
【図12】提供された方法を実施するための試し計画の図の右側部分である。
【符号の説明】
【0138】
1 炉、 2 基礎、 3 加熱される空間、 4 ローラ、 5 プラットフォーム、 7 サンドロック、 8,9 バーナ、 10,11 バーナストーン、 12,13 ダクト、 14,15 パイロット操作遮断弁、 17,18 出力窓、 19,20 ヘッドピース、 21,22 内部空間、 23,24 上部入出力窓、 25,26 下部入出力窓、 27,28ダクト、 29,30 管接合部、 31,32 パイロット操作遮断弁、 33,34 ダクト、 35,36 窓、 37,38 ドア、 39 制御モジュール、 40,41,42,43 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気過剰計数のある値における液体燃料又は気体燃料及び管津された空気の混合物の燃焼に基づく、直接又は間接燃焼炉における金属の熱処理の方法において、燃料及び空気の指定された混合物が、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に設定された空気過剰係数の値において燃焼させられることを特徴とする、直接又は間接燃焼炉における金属の熱処理の方法。
【請求項2】
液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物の燃焼に基づく、直接又は間接燃焼炉における金属の熱処理の方法であって、該方法が、中間温度までの金属の加熱と、作動温度までの金属のその後の加熱と、作動温度における金属の保持とを含んでおり、燃料及び加熱された空気の指定された混合物が、2.0を超えない空気過剰係数の値において少なくとも中間温度までの金属の加熱時に燃焼させられる方法において、
処理される金属が、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に含まれる値まで空気過剰係数を増大することに基づき作動温度まで加熱され、作動温度における保持が、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に含まれる空気過剰係数の一定の又は可変の値において行われることを特徴とする、直接又は間接燃焼炉における金属の熱処理の方法。
【請求項3】
空気過剰係数のある値において直接又は間接燃焼炉において液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物を燃焼する方法において、燃料及び空気の指定された混合物が、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に設定された空気過剰係数の値において燃焼させられることを特徴とする、空気過剰係数のある値において直接又は間接燃焼炉において液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の混合物を燃焼する方法。
【請求項4】
直接又は間接燃焼炉を加熱するための装置において、燃焼生成物を排出するための窓を備えた加熱される空間が設けられており、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比で混合された気体燃料又は液体燃料を燃焼させるための少なくとも1つのバーナが設けられており、空気を加熱しかつ所要の量で各バーナに空気を供給するためのシステムが設けられている形式のものにおいて、空気を加熱しかつ空気を所要の量で各バーナに供給するシステムが、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内に設定された空気過剰係数の値を保証する量での空気の加熱及び供給を許容することを特徴とする、直接又は間接燃焼炉を加熱するための装置。
【請求項5】
直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置であって、加熱される空間が設けられており、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比において加熱された空気と混合された気体燃料又は液体燃料の燃焼のための2つのバーナが設けられており、冷却された燃焼生成物の排出のためのダクトが設けられており、外部から空気を供給するためのダクトを有する、空気を加熱しかつ空気を各バーナに供給するためのシステムが設けられており、2つの再生ヘッドピースが設けられており、各再生ヘッドピースが、ある量で熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間と、指定されたダクト、バーナ及び再生ヘッドピースの制御及び交換のためのシステムとを有しており、該システムが、バーナと再生ヘッドピースとの間の機能の周期的な変化を伴うパフォーマンス能力を備えるように設計されており、各再生ヘッドピースが、燃焼炉の加熱のためのユニットの1つの運転サイクルの間に高温の燃焼生成物を用いて熱伝達エレメントを加熱するために使用され、特に、各再生ヘッドピースが、前のサイクルの間に加熱された熱伝達エレメントを用いて空気を加熱するために使用され、各バーナが、燃焼炉の加熱のためのユニットの1つの運転サイクルの間にバーナとして、別の運転サイクルの間に、加熱された空間からの燃焼生成物を除去するための窓として機能するようになっている形式のものにおいて、
各再生ヘッドピースの内部空間が、公式
V=k・α・B1
に対応する熱伝達エレメント容積の層で充填されており、この場合、Vは再生ヘッドピースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプと、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法と、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度と、燃焼炉の加熱のためのユニットの運転サイクルの継続時間とに応じた比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内の、燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された空気過剰係数を無次元値で表し、B1は、α=1のバーナごとの燃料(気体燃料又は液体燃料)消費をm3/hで表すことを特徴とする、直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置。
【請求項6】
直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置であって、加熱される空間が設けられており、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比において加熱された空気と混合された気体燃料又は液体燃料の燃焼のための2つのバーナが設けられており、2つの再生ヘッドピースが設けられており、各再生ヘッドピースが、ある量で熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間を有しており、各バーナが、整流器を介して気体燃料又は液体燃料を供給するためのダクトに接続されておりかつ再生ヘッドピースのうちの一方の入出力窓のうちの1つにも接続されており、各ヘッドピースの別の入出力窓が、空気を供給するためのダクトと、個々に各ヘッドピースを介して、3入力逆転弁、又は両方のヘッドピースの組み合わせを介して、4入力逆転弁、燃焼生成物を除去するためのダクトとに接続されている形式のものにおいて、
各再生ヘッドピースの内部空間が、公式
V=k・α・B1
に対応する熱伝達エレメント容積の層で充填されており、この場合、Vは再生ヘッドピースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプと、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法と、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度と、燃焼炉の加熱のためのユニットの運転サイクルの継続時間とに応じた比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内の、燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された空気過剰係数を無次元値で表し、B1は、α=1のバーナごとの燃料(気体燃料又は液体燃料)消費をm3/hで表すことを特徴とする、直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置。
【請求項7】
ある量の熱伝達エレメントの層で充填された2つの入出力窓を備えた内部空間を有する、空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比における液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の燃焼された混合物によって加熱される直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピースにおいて、
各再生ヘッドピースの内部空間が、公式
V=k・α・B1
に対応する熱伝達エレメント容積の層で充填されており、この場合、Vは再生ヘッドピースの内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積をm3で表し、kは燃料のタイプと、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法と、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度と、燃焼炉の加熱のためのユニットの運転サイクルの継続時間とに応じた比例定数をhで表し、αは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲内の、燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された空気過剰係数を無次元値で表し、B1は、α=1のバーナごとの燃料(気体燃料又は液体燃料)消費をm3/hで表すことを特徴とする、直接又は間接燃焼炉の加熱のための装置。
【請求項8】
空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱される空気の比で、液体又は気体燃料と加熱される空気との燃焼された混合物で加熱される、直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピースにおいて、熱伝達エレメントで充填されかつ熱伝達エレメントの下側に配置された下部ヘッドピース空間に結合された内部空間が設けられており、該内部空間が上側部分に1つの入出力窓を有しており、下側ヘッドピース空間が、遮断弁を備えた別の入出力窓を有しており、ヘッドピースが、熱伝達エレメントで充填された内部空間が、互いに上下に配置された複数の、少なくとも2つの、区分の形式で設計されていることを特徴としており、最下部を除く区分のそれぞれは、これらの区分の間に配置された付加的な下側ヘッドピース空間によって、下側に位置する区分に接続されており、これらの付加的な空間のそれぞれは、付加的な遮断弁を備えた付加的な入出力窓を有しており、内部空間のそれぞれの区分は、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填されており、区分の合計容積は公式
max=k・αmax・B1
に対応し、Vmaxは再生ヘッドピースの内部空間の全ての区分の熱伝達エレメントの層の合計容積をm3表し、kは、燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度、燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存する比例定数をhで表し、αmaxは、2.0を超えておりかつ主に6.0までの範囲の燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された再生ヘッドピースの最大空気過剰係数を無次元値で表しており、B1は、α=1の場合の再生ヘッドピースごとの燃料消費(気体又は液体燃料)をm3/hで表しており、再生ヘッドピースの最大空気過剰係数と、再生ヘッドピースの内部空間のそれぞれの区分のための空気過剰係数は、公式
αmax=Σαi
によって互いに関連させられており、αiは、再生ヘッドピースの内部空間の区分iの空気過剰係数の選択された値を無次元値で表しており、iは、1からnまで変化する、再生ヘッドピースの内部空間の区分の通常の数を表し、nは再生ヘッドピースの内部空間の区分の数に等しく、内部空間のそれぞれの区分を充填する熱伝達エレメントの層の容積は
i=k・αi・B1
に相当し、Viは、再生ヘッドピースの内部空間の区分iの熱伝達エレメントの層の容積をm3で表している(変数i及び項k、B1は上に規定されている)ことを特徴とする、直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピース。
【請求項9】
空気過剰係数の関連する値によって特徴付けられたある燃料対加熱された空気比における液体燃料又は気体燃料及び加熱された空気の燃焼された混合物で加熱される直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピースにおいて、2つの入出力窓を備えた、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填された第1の内部空間が設けられており、上側の窓は再生ヘッドピースの上側の入出力窓に接続されており、下側の窓は第1の遮断弁を有しており、ヘッドピースは、再生ヘッドピースが、ある容積の熱伝達エレメントの層で充填された少なくとも1つの付加的な内部空間が設けられていることを特徴とし、該付加的な空間は、固有の上側ヘッドピース空間と、上部及び下部の入出力窓とを有しており、上側の窓は、再生ヘッドピースの上側の入出力窓に接続されており、下部の窓には付加的な遮断弁が設けられており、再生ヘッドピースの全ての内部空間における熱伝達エレメントの層の合計容積は、公式
max=k・αmax・B1r
に対応し、Vmaxは再生ヘッドピースの全ての内部空間の熱伝達エレメントの層の合計容積をm3表し、kは、燃料のタイプ、熱伝達エレメントのタイプ及び寸法、再生ヘッドピースの入出力窓における空気及び燃焼生成物の温度、燃焼炉の加熱のための装置の運転サイクルの継続時間に依存する比例定数をhで表し、αmaxは、2.0を超えかつ主に6.0までの範囲の燃焼炉における熱処理の所要のモードに応じて選択された再生ヘッドピースの最大空気過剰係数を無次元値で表しており、B1は、α=1の場合の再生ヘッドピースごとの燃料消費(気体又は液体燃料)をm3/hで表しており、再生ヘッドピースの最大空気過剰係数及び再生ヘッドピースの各内部空間の空気過剰係数は公式
αmax=Σαi
によって互いに関連させられており、αiは、再生ヘッドピースの内部空間iの空気過剰係数の選択された値を無次元値で表しており、iは、1からnまで変化する、再生ヘッドピースの内部空間の区分の通常の数を表し、nは再生ヘッドピースの内部空間の数に等しく、各内部空間を充填する熱伝達エレメントの層の容積は
i=k・αi・B1
に対応し、Viは、再生ヘッドピースの内部空間iの熱伝達エレメントの層の容積をm3で表している(変数i及び項k、B1は上に規定されている)ことを特徴とする、直接又は間接燃焼炉の再生ヘッドピース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−528444(P2009−528444A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556272(P2008−556272)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【国際出願番号】PCT/RU2007/000083
【国際公開番号】WO2007/097663
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508258862)
【氏名又は名称原語表記】Igor Mikhaylovich Distergeft
【住所又は居所原語表記】ul. Belinskogo, 218−2−36, Ekaterinburg, 620130, Russian Federation
【出願人】(508258873)
【氏名又は名称原語表記】Ilia Igorevich Distergeft
【住所又は居所原語表記】ul 8.Marta, 7−64, Ekaterinburg, 620014, Russian Federation
【Fターム(参考)】