説明

金属製部品の塑性加工装置

【課題】円環状の第三中間素材21をローリング加工により拡径して第四中間素材22とする際に、破断面の溝底を起点とする微小なクラックの発生を防止して歩留りを向上させ、製造コストの低減を図る。
【解決手段】円板状の第一中間素材19の片面に揺動鍛造により円形凹部45を形成した後、中央部をこの円形凹部45と反対側から打ち抜いて、上記第三中間素材21とする。打ち抜きに伴って内周面に生じる破断面が、軸方向中間部に位置する。この破断面は、上記ローリング加工の初期段階で押し潰されて平滑面となる。この為、上記第三中間素材21の直径が拡がる段階でこの第三中間素材21の内周面には、上記クラック発生の起点となる様な溝が存在しない状態となり、上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアル転がり軸受用の軌道輪等の金属製リング状部品の製造方法及びこの製造方法の実施に直接使用する製造装置の改良に関する。具体的には、上述の様な金属製リング状部品を低コストで造れる製造方法を改良して、製造過程で割れ等の損傷が発生する事を防止して歩留りを向上させ、上記金属製リング状部品の製造コストをより低減する事を意図したものである。
【背景技術】
【0002】
例えば圧延機等の各種産業機械の回転支持部に組み込むラジアル転がり軸受を構成する軌道輪(外輪、内輪)の如き金属製リング状部品を低コストで得る為に、この金属製リング状部品を、図13に示す様な製造方法により造る事が考えられる。
この製造方法では、先ず、長尺な素材を所定長さに切断する事により、図13の(A)に示す様な円柱状の素材1を得る。次いで、この素材1を軸方向に押し潰して、図13の(B)に示す様な円板状の第一中間素材2とする。次いで、この第一中間素材2の片面中央部を、プレス加工により打ち抜き除去して、図13の(C)に示す様な、円環状の第二中間素材3を得る。次に、この第二中間素材3をローリング加工により拡径して、図13の(D)に示す様な、円環状の第三中間素材4とする。更に、この第三中間素材4に、軌道面を形成する為の仕上ローリング加工、軌道面を硬化する為の熱処理加工、軌道面の表面粗さを向上させる為の研削加工等の、造るべき金属製リング状部品に応じて異なる、所定の仕上加工を施して、上記軌道輪等の金属製リング状部品とする。
【0003】
但し、上述の様な工程で、特に大径(例えば外径が200mm以上)の金属製リング状部品を造る場合に、図13の(B)に示した第一中間素材2を、図13の(C)に示した第二中間素材3とする過程で、中間素材の内径側に微小な亀裂が発生し、当該中間素材を不良品として廃棄しなければならなくなる可能性がある事が、本発明者等の研究により分かった。この点に就いて、図13に図14〜17を加えて説明する。
【0004】
図13の(B)→(C)に示す様に、第一中間素材2の中央部を打ち抜いて第二中間素材3とする作業は、図14の(A)→(B)→(C)に示す様に、上記第一中間素材2の下面外径寄り部分をダイス5により抑えた状態で、この第一中間素材2の上面中央部にパンチ6を押し付ける事により行う。この打ち抜き作業の過程では、図14の(A)→(B)に示す様に、上記パンチ6の押し込みに伴って、上記第一中間素材2の上面のうちでこのパンチ6の外周縁に当接している部分、及び、この第一中間素材2の下面のうちで上記ダイス5の内周縁に当接している部分から、この第一中間素材2の厚さ方向中央部に向けてクラック7a、7bが生じる(走る)。そして、これら両クラック7a、7bの先端同士が連続した瞬間に、上記第一中間素材2の中央部が外径寄り部分から分離され、この中央部がスクラップ8として排出され、この外径寄り部分が上記第二中間素材3となる。
【0005】
この様にして得られる上記第二中間素材3の中心孔13の内周面には、図15に示す様に、上記パンチ6の押し込み側である上側から順番に、ダレ9と、剪断面10と、破断面11と、カエリ12とが存在する。このうちの破断面11は、上記図14に示したクラック7a、7bにより形成された面である。この為、この破断面11の表面は、図16の(A)に示す様に表面粗さが大きい、断面形状が鋸歯状の粗面である。図13の(B)→(C)及び図14に示す様な方法で円環状の第二中間素材3を造ると、上述の様な破断面11が、この第二中間素材3の中心孔13の開口端部寄り部分に存在する状態となる。
【0006】
特に、例えば外径が200mm以上である、大径のリング状部品を製造する場合等に、上述の様な第二中間素材3を、図17に示す様な、冷間ローリング加工装置14により拡径すると、上記破断面11部分から、図16の(B)に示す様に、微小な亀裂17、17が発生し易い。先ず、冷間ローリング加工は、上記第二中間素材3を、上記冷間ローリング加工装置14を構成する、回転自在に支持されたマンドレル15に外嵌し、この第二中間素材3の外周面に成形ロール16を押し付けつつ、この成形ロール16を回転駆動する事により行う。この様な冷間ローリング加工を行う際、上記破断面11の一部で上記中心孔13の開口端部寄り部分に存在する部分は、上記マンドレル15による圧接が十分に行われず、この部分の破断面11は、このマンドレル15により十分に押し潰される事なく(圧縮方向の荷重を受けて平滑面とされる事なく)他の部分の拡径に伴って大幅に拡径される。この結果、図16の(B)に示す様に、上記破断面11の一部で上記中心孔13の開口端部寄り部分から、この破断面11の溝底部分を起点とする、微小な亀裂17、17が発生するものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−317650号公報
【特許文献2】特開平3−110038号公報
【特許文献3】特開平8−47741号公報
【特許文献4】特開平10−5919号公報
【特許文献5】特開2000−117379号公報
【特許文献6】特許第3692635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特に大径(例えば外径が200mm以上)の金属製リング状部品を造る場合に、上述の様な原因によると考えられる微小なクラックの発生を防止して歩留りを向上させ、金属製リング状部品の製造コストをより低減すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の金属製リング状部品の製造方法及び金属製部品の塑性加工装置のうち、金属製リング状部品の製造方法は、先ず、円柱状の素材を据え込み加工により軸方向に押し潰して円板状の第一中間素材とする。
その後、上記第一中間素材の片面中央部を軸方向に押し潰すと共に軸方向片面外径寄り部分をこの押し潰し方向と逆方向に突出させる後方押し出し加工により、軸方向片面中央部に円形凹部を有する第二中間素材とする。
続いて、この第二中間素材の軸方向片面の上記円形凹部よりも外径寄り部分をダイスにより抑え付けた状態で、軸方向他面側中央部に打ち抜きパンチを押し付ける事により、上記第二中間素材の中央部でこの円形凹部に対応する部分を打ち抜き除去して、円環状の第三中間素材とする。
次に、この第三中間素材をローリング加工により拡径して、円環状の第四中間素材とする。
更に、この第四中間素材に所定の仕上加工を施して、金属製リング状部品とする。
【0010】
この様な本発明の金属製リング状部品の製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記第二中間素材の軸方向片面外径寄り部分に加えて、外周面、上記円形凹部の内周面、及び軸方向他面外径寄り部分も抑え付ける事により、上記第二中間素材を圧縮状態(静水圧状態)とする。そして、この状態で、この第二中間素材にパンチを押し付ける。
この様な請求項2に記載した金属製リング状部品の製造方法を実施する場合に、より好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記第一中間素材を上記第二中間素材とする後方押し出し加工を、揺動鍛造により行う。この揺動鍛造は、これら両中間素材の外周面及び軸方向他面を抑えた状態でこれら両中間素材の軸方向片面に、これら両中間素材の中心軸に対し傾斜した中心軸を有し、加工面のうちで上記第一中間素材に当接する部分の方向がこれら両中間素材の中心軸に対し直角方向である、ロールを押し付ける事により行う。そして、上記第二中間素材の軸方向片面の外径寄り部分及び軸方向他面全体を、この第二中間素材の中心軸に対し直角方向の平坦面とする。
【0011】
又、上述の様な本発明の金属製リング状部品の製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記素材を軸方向に押し潰して円板状の前記第一中間素材とする加工に就いても、揺動鍛造により行う。この揺動鍛造は、この第一中間素材の外周面を規制するダイス内に上記素材を収めた状態でこの素材の軸方向片面に、これら素材乃至第一中間素材の中心軸に対し傾斜した中心軸を有し、加工面のうちでこれら素材乃至第一中間素材に当接する部分の方向がこれら素材乃至第一中間素材の中心軸に対し直角方向である、ロールを押し付ける事により行う。
更に好ましくは、請求項5〜7に記載した発明の様に、ローリング加工或いは揺動鍛造に関して、使用する工具の回転速度とストローク速度とのうちの少なくとも一方の速度の調節をサーボ制御により行う。このうちのストローク速度に関しては、ラムのストロークをサーボ制御するプレス加工機を使用する事により調節する。
【0012】
一方、本発明の金属製部品の塑性加工装置(ダイセット)は、下板と、保持部と、上板と、加工工具と、電動モータとを備える。
このうちの下板は、プレス加工機の加工テーブルの上面に載置される。
又、上記保持部は、被加工物を保持する為のもので、上記下板の上面に設けられる。
又、上記上板は、この下板の上方で上記プレス加工機のラムの下面に設置され、上記プレス加工機のラムにより下方に押圧される。
又、上記加工工具は、上記上板の下面に設けられて、この上板の下降に伴って上記被加工物を押圧する。
更に、上記電動モータは、上記加工工具を回転駆動する為のもので、上記上板の一部に支持固定されている。
【0013】
上述の様な本発明の金属製部品の塑性加工装置を、上述した本発明の金属製リング状部品の製造方法の実施に使用するのに、具体的には、例えば請求項9に記載した発明の様に、上記保持部を、上記被加工物の加工完了時点での外周面形状に一致する内周面形状を有するダイスとする。又、上記加工工具を、揺動鍛造により上記被加工物を塑性変形させる為のロールとする。
或は、請求項10に記載した発明の様に、上記保持部を、水平方向に配置されて円環状の被加工物を緩く外嵌した状態で回転するマンドレルとする。又、上記加工工具を、この被加工物をこのマンドレルに押圧しつつ回転し、ローリング加工によりこの被加工物の直径を拡げる成形ロールとする。
又、好ましくは、請求項11に記載した発明の様に、上記電動モータを、回転速度を調節可能なサーボモータとしたり、或いは、請求項12に記載した発明の様に、上記上板を押圧するラムを備えたプレス加工機を、このラムのストロークをサーボ制御する機能を有するものとする。
【発明の効果】
【0014】
前述の様な本発明の金属製リング状部品の製造方法によれば、例えば外径が200mm以上である大径のラジアル転がり軸受を構成する軌道輪等の金属製リング状部品を低コストで造れる製造方法を実施する過程で、割れ等の損傷が発生する事を防止して歩留りを向上させ、上記金属製リング状部品の製造コストをより低減できる。
先ず、本発明の金属製リング状部品の製造方法の場合には、第二中間素材を円環状の第三中間素材とすべく、この第二中間素材の中央部を打ち抜き除去する事に伴ってこの第二中間素材の内周面に生じる破断面を、この第二中間素材の軸方向中間寄り部分に位置させられる。言い換えれば、この破断面が、この第二中間素材の内周面の開口端寄り部分に存在しない様にできる。従って、上記第三中間素材をローリング加工により拡径して第四中間素材とする過程で、マンドレルにより上記破断面を押し潰せる。即ち、この破断面が存在していた部分を、圧縮方向の力を加える事により平滑面にする事ができる。そして、上記第三中間素材の直径が拡がる際に、上記破断面の溝底部分を起点として微小な亀裂が発生する事を防止し、歩留りの向上を図れる。
【0015】
又、請求項2に記載した発明の様に、第二中間素材を第三中間素材とする為の打ち抜き加工を、この第二中間素材を圧縮状態として行えば、上記破断面の面積(軸方向に関する幅寸法)を小さく抑えられる。そして、この破断面を起点とする、上記微小な亀裂の発生を、より十分に抑えられる。
この場合に、請求項3に記載した発明の様に、揺動鍛造により加工すれば、低荷重で加工を行う事ができ、又、必要箇所の面精度を、低コストで確保できる。
又、請求項4に記載した様に、素材を第一中間素材とする加工を揺動鍛造により行えば、設備コストを低く抑えられる、加工荷重が小さなプレス加工機を使用しても、この第一中間素材の形状精度を良好にできて、金属製リング状部品の低コスト化を図るのに有利になる。
【0016】
更に、前述の様な本発明の金属製部品の塑性加工装置によれば、同じプレス加工機を使用して、互いに異なる寸法、形状を有する金属製部品、異なる工程に対応する中間素材の加工を行える。しかも、異種の金属製部品や中間素材の加工をする為の段取り変更を、プレス加工機の加工テーブルとラムとの間に上記金属製部品の塑性加工装置(ダイセット)を脱着する事により、容易且つ迅速に行える。この為、多品種少量生産品に関して、製造コストの上昇を抑えられる。
特に、請求項11、12に記載した発明の様に、電動モータをサーボモータとしたり、請求項12に記載した発明の様に、プレス加工機をサーボ制御する機能を有するものとすれば、多品種少量生産に容易に対応でき、しかも、信頼性の高い加工を行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の1例を、工程順に示す、素材乃至は第四中間素材の断面図。
【図2】素材を第一中間素材とする揺動鍛造の実施状態を、加工開始直後と加工終了直前との状態で示す断面図。
【図3】揺動鍛造に使用するダイセットを、加工開始前の状態(A)と加工途中の状態(B)とで示す正面図。
【図4】素材を第一中間素材とする為の好ましくない加工方法の1例を示す断面図。
【図5】第一中間素材を第二中間素材とする揺動鍛造の実施状態を、加工開始直後と加工終了直前との状態で示す断面図。
【図6】第一中間素材を第二中間素材とする為の好ましくない加工方法の1例を示す断面図。
【図7】第二中間素材を第三中間素材とする打ち抜き加工の実施状態を、工程順に示す断面図。
【図8】打ち抜き加工に伴って第二中間素材の中央部が打ち抜かれる状態を模式的に示す断面図。
【図9】得られた第三中間素材の内周面の性状を説明する為の模式図。
【図10】冷間ローリング加工に使用するダイセットを、加工開始前の状態で示す、正面図(A)及び側面図(B)。
【図11】同じく加工途中の状態で示す、正面図(A)及び側面図(B)。
【図12】同じく加工終了後に第四中間素材を取り出す状態で示す、正面図(A)及び側面図(B)。
【図13】先に考えた金属製リング状部品の製造方法を、工程順に示す、素材乃至は第四中間素材の断面図。
【図14】打ち抜き加工に伴って第一中間素材の中央部が打ち抜かれる状態を模式的に示す断面図。
【図15】得られた第二中間素材の内周面の性状を説明する為の模式図。
【図16】第二中間素材の内周面を単に拡大して示す(A)とローリング加工に伴って亀裂が発生する状態で示す(B)との模式図。
【図17】冷間ローリング加工の実施状況を示す略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態の1例]
図1〜12により、本件各発明の実施の形態の1例に就いて説明する。本例では、図1の(A)に示す様な素材18を、同(B)に示す様な第一中間素材19、同(C)に示す様な第二中間素材20、同(D)に示す様な第三中間素材21を経て、同(E)に示す様な第四中間素材22とし、この第四中間素材22に所定の仕上加工を施して、ラジアル軸受用軌道輪等の金属製リング状部品とする。尚、上記素材18を上記第四中間素材とするまでの全工程は、冷間加工により行う。本例に於けるこれら素材18乃至第四中間素材22のうち、素材18及び第一中間素材19は、前述の図13に示した先に考えた製造方法に於ける素材1及び第一中間素材2に対応する。又、本例に於ける第三中間素材21及び第四中間素材22は、それぞれ先に考えた製造方法に於ける第二中間素材3及び第三中間素材4に対応する。本例の場合には、先に考えた製造方法では造らない第二中間素材20を造り、この第二中間素材20に関する加工方向及び加工方法を工夫する事により、例えば完成状態での外径が200mmを越える様な大径の製品を造る場合でも、上記第二中間素材20の内周面の開口端部寄り部分に破断面が存在しない様にしている。以下、本例を、加工工程順に説明する。
【0019】
先ず、長尺な丸棒を、プレス、鋸切断、レーザ切断等、適宜の方法により所望長さに切断し、図1の(A)に示した素材(ビレット)18を得る。
次いで、この素材18に据え込み加工を施して、図1の(B)に示した第一中間素材19とする。この据え込み加工は、揺動鍛造により行う。一般的な据え込み鍛造ではなく揺動鍛造により行う理由は、低い成形荷重で、外径を精度良く仕上げ、且つ、外周面の真円度並びに軸方向両端面の平行度、直角度の良好な円盤形状を得る為である。
【0020】
上記揺動鍛造では、図2に示す様に、先ず、上記素材18をダイスユニット23の中央部上面に供給する。このダイスユニット23は、固定板24の上方にフローティングダイス25を、ばね26、26により昇降可能に設置している。又、上記固定板24の上面中央部に載置したアンカブロック27を、上記フローティングダイス25を構成する浮動板28の中心孔29に、上下方向(軸方向)の相対変位を可能に、且つ隙間なく内嵌している。更に、この浮動板28の上面外径寄り部分に、同じく上記フローティングダイ25を構成する円環状の周壁ブロック30を、上記中心孔29と同心に固定している。この周壁ブロック30の内径は、この中心孔29の内径よりも十分に大きく、得るべき上記第一中間素材19の外径と等しい。又、上記アンカブロック27の厚さと上記浮動板28の厚さとは、互いに等しい。従って、このフローティングダイス25が上記各ばね26、26の弾力に抗して下降し切った状態では、このフローティングダイス25を構成する浮動板28の上面と上記アンカブロック27の上面とが、同一水平面上に位置する。
【0021】
上記揺動鍛造の開始時には、上記フローティングダイス25を上昇させ切った状態で上記素材18を供給し、この素材18の下端部を上記浮動板28の中心孔29の上端部に、がたつきなく内嵌する。この状態で上記素材18が上記ダイスユニット23内の所定の位置に保持される。次いで、それ迄このダイスユニット23の上方で停止していたロール31を、自身の中心軸X31回りに自転させつつ、上記素材18の中心軸X18回りに公転させながら下方に押圧する。上記ロール31は、上記素材18乃至第一中間素材19の中心軸X18に対し傾斜した、上記中心軸X31を有する。又、加工面32を円すい凸面状としている。そして、これら両中心軸X18、X31同士の交叉角度を、このうちの中心軸X31に対し直交する仮想平面に対する上記加工面32の傾斜角度に一致させている。従って、上記加工面32のうちで上記素材18乃至第一中間素材19に当接する部分の方向は、これら素材18乃至第一中間素材19の中心軸X18に対し直角方向である。
【0022】
上述の様なロール31を、自転及び公転させつつ、上記素材18乃至第一中間素材19を押圧しながら下降させる。そして、図2の(A)に示す様に、上記加工面32を上記素材18の軸方向端面(上端面)に押し付けると、この素材18が軸方向に押し潰されて、この素材18の直径が次第に大きくなる。この様にこの素材18の直径が大きくなる初期段階で、この素材18の下部外周面が上記浮動板28の上面を押圧し、この浮動板28を含む上記フローティングダイス25を、前記各ばね26、26の弾力に抗して下方に押圧する。これら各ばね26、26の弾力は弱い為、上記初期段階で、上記浮動板28の下面が前記固定板24の上面に当接し、上記フローティングダイス25はそれ以上下方に変位する事はなくなる。
【0023】
上記ロール31の下降は、上記浮動板28の下面と上記固定板24の上面とが当接した後も継続するので、上記素材18の軸方向寸法が更に縮まると共に、その直径が、前記周壁ブロック30の内周面に当接する迄拡がり、円板状の上記第一中間素材19となる。この過程で上記ロール31は、図2の(B)に示す様に、外周を上記周壁ブロック30の内周面で拘束し、自転運動だけでなく公転運動を安定して行わせる。この結果、上記加工面32の形状を上記第一中間素材19に、精度良く転写できる。この様にして上記素材18を上記第一中間素材19に加工した後、上記固定板24の中央部に設けたノックアウトピン33を上昇させて、前記アンカブロック27を介して上記第一中間素材19を上記周壁ブロック30内で上昇させ、この第一中間素材19をこの周壁ブロック30から取り出す。取り出したこの第一中間素材19は、次の工程に送る。
【0024】
上記素材18の上記第一中間素材19への加工(据え込み)を、一般的な据え込み鍛造ではなく、上述した様な揺動鍛造により行う理由は、前述した様に、低い成形荷重で形状精度を良好にできる為である。一般的な据え込み鍛造で被加工物(素材18乃至中間素材19)の外径を拘束すると、成形荷重が大きくなるだけでなく、図4に示す様に、完全密閉拘束になってしまい、パンチ34の下降に伴ってダイス35を破壊する可能性がある。又、破壊に至らなくても、上記被加工物を十分に押圧できず、これらダイス35と被加工物との間に空間が残る、所謂欠肉の発生により、この被加工物の形状精度を確保しにくくなる。これに対して、本例の様な揺動鍛造により、上記素材18を上記第一中間素材19に加工する場合には、被加工物の外径を拘束しても上端面に関しては、全域を同時には拘束しないので、加工の最終段階に至る迄、完全密閉状態にはならず、加工荷重の小さな、小型の設備であっても、上記被加工物を、欠肉を生じる事なく加工できる。この為、上記第一中間素材19の外径を精度良く成形できる。更に本例の場合には、上記ロール31の加工面32を、上述の様な円すい状凸面としているので、上記第一中間素材19の外面(表面)の形状精度を、外径面だけでなく軸方向端面に関しても十分良好にできる。
【0025】
上述の様な揺動鍛造は、特許文献1〜3に記載されている様な、専用の揺動鍛造装置により行う事も可能である。但し、これら各特許文献に記載された専用の揺動鍛造装置は、少品種大量生産品の加工には適しているが、多品種少量生産品の加工には不向きである。本例は、大径のラジアル転がり軸受を構成する軌道輪の如く、多品種少量生産品の加工を意図しているので、揺動鍛造装置を構成する揺動鍛造の為のユニット(コア要素)を、図3に示す様なダイセットに組み込んでいる。
【0026】
上記揺動鍛造の為のダイセットは、プレス加工機の加工テーブルの上面に位置決め支持する下板36の上面に前記ダイスユニット23を設置すると共に、この下板36の上方に設置した上板37の下方に、上記ロール31に加えて、ヘッド38、スピンドルユニット39、減速機ユニット40、駆動モータ41を設置して成る。上記ダイスユニット23は、被加工物(素材18乃至第一中間素材19)の形状及び大きさ等に応じて各種用意したものを、容易に交換できる様にしてある。又、上記ヘッド38は、上記スピンドルユニット39を構成する回転軸の下端部に、この回転軸と同軸に支持されており、上記被加工物の形状及び大きさ、ロール31の中心軸X31(図2参照)の傾斜角度等に応じて各種用意したものを、容易に交換できる様にしてある。尚、上記プレス加工機の種類は特に問わない。汎用の各種プレス加工機(メカプレス、油圧プレス、何れも可)を使用できる。但し、本例の場合には、上記プレス加工機として、ラムのストローク速度(例えば等速)を簡単に設定でき、次述する駆動モータ41との組み合せにより、上記ロール31が1回転(公転)する間の潰し量の制御を精密に行える、サーボプレスを使用している。プレス加工機としてサーボプレスを使用する点は、後述する揺動鍛造やローリングの工程に就いても同様である。
【0027】
又、上記スピンドルユニット39を構成する固定ハウジングは、上記上板37の下面に支持固定している。上記回転軸はその上端部乃至中間部をこの固定ハウジングに回転自在に支持すると共に、その先端部(下端部)に、上記ヘッド38を支持固定している。又、上記回転軸の中間部下端寄り部分に、上記減速機ユニット40の出力部となる減速大歯車を固定し、この減速機ユニット40の入力部となる減速小歯車を、上記駆動モータ41の出力軸に固定している。この構成により上記ヘッド38を、この駆動モータ41により、低速且つ大きなトルクで、回転駆動自在としている。上記ロール31はこのヘッド38に、前述の様な所定の傾斜角度を付した状態で、回転自在に支持している。以上の構成により、上記ロール31を上記駆動モータ41で、上記スピンドルユニット39の中心軸回りに公転運動させられる様にしている。上記ロール31の自転運動は、このロール31の加工面32を被加工物の上端面に押し付けつつ、このロール31を公転させる事で、自動的に行われる。又、上記ロール31の下方への押圧は、上記プレス加工機のラムを下降させる事により行われる。
【0028】
上述の様に本例の場合には、上記下板36の上面と上記上板37の下面との間に、揺動鍛造に必要なコア要素である、上記ダイスユニット23、上記ロール31、上記ヘッド38、上記スピンドルユニット39、上記減速機ユニット40、上記駆動モータ41を設置してダイセットとしている。この為、異なる種類の被加工物の加工を行う為の段取り変更を、容易に、しかも、生産を殆ど止めずに行える。例えば、或る型番の金属製リング状部品を生産中、別途用意したダイセットに関するコア要素の組み立てを、別の場所で予め完了しておき、上記或る型番の生産が完了した後、それ迄生産に使用していたダイセットをプレス加工機から取り出し、上記別途用意したダイセットをこのプレス加工機に取り付ければ、直ちに生産を再開できる。そして、取り出したダイセットは、次の段取り変更までに、別の場所で、次に生産する別の型番の為のコア要素を組み付けておく。この様な段取り変更と生産の流れとを採用する事により、生産を殆ど止めずに、多品種の型番を生産できる。
【0029】
プレス加工機にダイセットを短時間で取り付ける具体的手順としては、先ず、プレス加工機のテーブル上でダイセットを滑らせ、位置決めピン等の所定の位置決め手段を利用して、このダイセットを位置決めする。次に、このダイセットの下板をプレス加工機のテーブルにボルト固定すると共に、上板をラムにボルト固定してから、上記ダイセットを使用して生産を開始する。又、本例の場合、このダイセットは、ガイドポスト42、42とガイドプッシュ43、43とを、加工中の横揺れ防止用に備えているので、ダイスユニットやロール、ヘッド、スピンドル等の芯出しが容易で、コア要素の組み立てが容易になり、上記ダイセットの段取り変更を容易にできる。従って、型番によって、コア要素を種々変更する必要を生じ、中には、非常に複雑な構成でコア要素や部品を組み立てなければならない場合もあるが、上述の様な段取り変更と生産の流れによって、生産を殆ど止めずに、多品種少量生産を行える。
【0030】
前記駆動モータ41として好ましくは、サーボモータを使用する。この理由の第一は、揺動回転数を正確に規制する為である。即ち、揺動鍛造は1回転当たりの圧下量が、被加工物の変形に影響する。そして、この圧下量は、ストローク(ラムの降下量)と上記揺動回転数に関係するので、このうちの揺動回転数を制御(適正に規制)する為に、サーボモータを使用する。理由の第二は、揺動鍛造による成形中には上記ロール31が発熱するので、成形中にも被加工物から熱を逃がす必要があり、揺動回転数を低回転数(10Hz以下)にする必要がある為、低回転数でもトルクが安定するサーボモータを使用する。理由の第三は、上記ダイセットに組み込む必要上、設置スペースが限られる為、小型で必要なトルクを得られるサーボモータを使用する。
【0031】
又、揺動鍛造の加工荷重は、前記一般的な冷間据え込み鍛造{例えば29.4MN(3000tonf}に比べて低く抑えられる。従って、前記プレス加工機の容量は、冷間加工を行う場合であっても、980kN(100tonf)程度あれば、外径が200〜400mm程度の金属製リング状部品を造る場合であれば、前記素材18を前記第一中間素材19とする加工も、この第一中間素材19を前記第二中間素材20とする加工も、問題なく行える。但し、前記各構成要素23、31、38、39、40、41を上記下板36の上面と上記上板37の下面との間に組み込んで上記ダイセットとするには、これら両板36、37同士の間隔を確保する必要がある(ダイセットの全高が大きくなる)。そこで、加工テーブルの上面とラムの片面との間隔を確保する必要上、容量が1470〜5880kN(150〜600tonf)程度のプレス加工機を使用する。
【0032】
更に、揺動鍛造工程の間、上記ダイスユニット23と上記ロール31とが水平方向にぶれない(横揺れしない)様に、且つ、芯(中心軸)が安定し、平行度、直角度等に関する精度を安定させられる様に、前記下板36の上面四隅部分から鉛直方向上方に植立した各ガイドポスト42、42と、前記上板37の下面四隅部分から鉛直方向下方に垂下した各ガイドブッシュ43、43とを、少なくとも揺動鍛造の進行中、がたつきなく、且つ、鉛直方向の相対変位を自在に係合させている。この構成により、偏荷重を生じながらの成形である揺動鍛造に拘らず、上記ダイスユニット23と上記ロール31とが水平方向にぶれる事を防止すると共に芯を安定させて、上記素材18から上記第一中間素材19への加工を、上記ダイスユニット23や上記ロール31に無理な力を加えずに、且つ、精度良く行える様にしている。尚、上記各ガイドポスト42、42と上記各ガイドブッシュ43、43とは、前述した様に、芯出しを容易に行え、コア要素の組み立てを容易にできると言った機能も有する。
【0033】
以上に述べた様な構成を有するダイセットにより、上記素材18を上記第一中間素材19に加工するには、この素材18を図3の(A)に示す様に上記ダイスセット23にセットした後、上記駆動モータ41により前記ロール31を公転運動させながら、このロール31を設けた前記上板37を下方に押圧し、1公転当たりの潰し量を制御しながら、図3の(B)に示す状態にまで下降させる。この過程で、前記図2により説明した様に、上記素材18を上記第一中間素材19に加工する。
【0034】
上述の様にして上記素材18を上記第一中間素材19に加工したならば、次いで、この第一中間素材19を前記第二中間素材20に、後方押し出し加工により加工する。尚、本例の場合、多品種少量生産を意図しているので、上記第一中間素材19を必要数加工したならば、この第一中間素材19の加工の為に上記プレス加工機に装着していた上記ダイセットをこのプレス加工機から取り外す。その後、同じプレス加工機に、上記第一中間素材19を上記第二中間素材20に加工する為の、別のダイセットを装着する。この別のダイセットは、以下に述べる図5に示す様に、ダイスユニット23a及びロール31aの構造或いは形状が、上記素材18を上記第一中間素材19に加工する為のダイセットのダイスユニット23及びロール31(図2参照)と異なるが、基本的には類似した構造を有する。以下に、上記別のダイセットの構造及びこの別のダイセットにより上記第一中間素材19を前記第二中間素材20に加工する工程に就いて説明する。尚、少数(例えば1台)のプレス加工機しか使えない場合、上記の様に、1台のプレス加工機で複数工程を行う。これに対して、若し、より多くのプレス加工機を使える場合は、各工程にプレス加工機をそれぞれ用意して、製造ラインを構成しても良い。製造ラインを構成すれば、同一型番の生産性を高くできるので、特定の型番を大量生産する場合に有利になる。又、プレス加工機を多数使用できる場合は、製造するリング状部品の生産数に応じ、プレス加工機の構成を種々変えて生産する。
【0035】
上記ダイスユニット23aは、固定板24aの上面に周壁ブロック30aを直接固定したもので、浮動板28やばね26、26(図2参照)は設けられていない。又、上記ロール31aは、加工面32aを、径方向中間部に段差面44を有する2段構造とし、中央部分と外径寄り部分とを、同じ方向に同じ角度だけ傾斜させている。各部分の傾斜方向及び傾斜角度、並びに、上記ロール31a全体としての傾斜角度に関しては、前記図2に示したロール31の場合と同じとしているが、必ずしも同じでなくても良い。尚、上記段差面44の外径は、上記ロール31aの基端部に向かう程小さくしている。そして、このロール31a全体を傾斜させて上記ダイセットに組み込んだ状態で、上記段差面44のうちで上記第一中間素材19乃至上記第二中間素材20を加工する部分の方向が、これら両中間素材19、20の中心軸の方向に向く様にしている。
【0036】
上記第一中間素材19を上記第二中間素材20に加工するには、先ず、図5の(A)に示す様に、この第一中間素材19を、上記周壁ブロック30aに内嵌する。この周壁ブロック30aの内径は、この第一中間素材19の外径よりも僅かに(内嵌作業を容易に行える程度でできるだけ小さな値だけ)大きい。従って、上記周壁ブロック30aに上記第一中間素材19を内嵌した状態で、この第一中間素材19が上記固定板24aの上面の所定位置に載置された状態となる。そこで、上記ロール31aを回転させつつ下方に押圧し、このロール31aの加工面32aの中央部を、上記第一中間素材19の上面中央部に押し付ける。この結果、図5の(B)に示す様に、この第一中間素材19の中央部が円形に凹むと共に、この第一中間素材19の外径寄り部分が上記段差面44の周囲部分に入り込む、後方押し出し加工が行われる。同時に、上記第一中間素材19の外周面が上記周壁ブロック30aの内周面に、強く押し付けられる。そして、上記中央部が或る程度深く凹んだ段階で、外径側部分が、上記加工面32aの外径寄り部分に突き当たり、この外径寄り部分で平滑化されて、上記第二中間素材20の成形作業が完了する。
【0037】
尚、この成形作業が完了した後、過度に長い時間、下死点近くで上記ロール31aを回転し続けると、得られた上記第二中間素材20の外周縁にバリを生じる可能性がある。そこで、このバリを除去する手間を省略する為には、前記素材18の容積のばらつきを考慮して、下死点近くで上記ロール31aを適切な成形時間(ロール回転数)だけ回転させてから、上記第二中間素材20の加工作業を終了する。この様にして得られた、上面中央部に円形凹部45を有する円板状の第二中間素材20は、ノックアウトピン33aにより上記周壁ブロック30aから押し出されて前記ダイスユニット23aから取り出され、次の工程に送られる。
【0038】
上述の様に、上記第一中間素材19を後方押し出し加工により加工すると、得られる第二中間素材20の形状精度、即ち、上記円形凹部45の形状、外周面の形状、軸方向両端面の形状及び直角度、並びに、これら円形凹部45と外周面との同軸度を良好にできる。尚、上記後方押し出し加工に関しても、図6に示す様な一般的な鍛造加工により行うと、成形荷重が高くなり過ぎるだけでなく、前述の図4で説明した場合と同様に、完全密閉拘束になって、パンチ34aの下降に伴ってダイス35aを破壊する可能性を生じる他、欠肉により、被加工物の形状精度を確保しにくくなる。これに対して本例の場合には、加工完了迄完全密閉拘束とはならないので、上記第一中間素材19乃至は第二中間素材20の表面が、上記ロール31a及び上記周壁ブロック30aを含むダイスユニット23aに、欠肉を生じさせる様な隙間を生じる事なく当たり、被加工物の形状精度を確保できる。尚、上記第一中間素材19を上記第二中間素材20に加工する事で、破断面を小さくできて、微小割れによる不良をなくせると共に、材料の歩留り向上を図れる。
【0039】
尚、上記後方押し出し加工、及び、その前工程の据え込み加工に於いて、工具の公転数、及び、ストローク速度の両方をサーボ制御する事により、1公転当たりの潰し量を制御する事が好ましい。従って、上記量加工に使用するプレス加工機として、通常はサーボプレスを使用する。但し、工具の公転数とストローク速度とのうちの一方のみをサーボ制御するのでも良い。即ち、例えば、メカプレスのラムのストローク速度をセンサで検知し、そのストローク速度に応じて、サーボモータにより回転数をコントロールし、1公転当たりの潰し量を制御する事もできる。
【0040】
上述の様にして得られた、上記第二中間素材20は、上記ダイスユニット23aから取り出した後、上下方向を反転させてから、プレス加工機の加工テーブルとラムとの間に設置した、図7に示す様なダイセットにセットする。そして、このダイセットにより、上記円形凹部45の底部に対応する部分を打ち抜いて、円環状の第三中間素材21とする。この打ち抜き工程に使用するダイセットは、上記第二中間素材20を保持する為のダイスユニット23bと、上記部分を打ち抜く為のカウンターパンチ46及びパンチ47と、上記第二中間素材20を抑え付ける為のフローティングパンチ48とから成る。
【0041】
このうちのダイスユニット23bは、上記第二中間素材20を載置する為の固定板28aの上面に、この第二中間素材20を内嵌(圧入)する為の周壁ブロック30bを固定して成る。又、上記カウンターパンチ46は、上記固定板28aの中心孔49に、昇降可能に挿通して成るもので、上記円形凹部45に隙間なく内嵌(軽めに圧入)できる外径寸法を有する。又、上記パンチ47は上記カウンターパンチ46の上方に、このカウンターパンチ46と同心に配置されており、上記ラムにより下方に押圧される。更に、上記フローティングパンチ48は、上記パンチ47の周囲に、このパンチ47に対する昇降を可能に外嵌されており、ばね等の下圧手段50により、下方に向いた弾力を付与されている。
【0042】
上述の様なダイセットを使用して、上記第二中間素材20のうちで上記円形凹部45の底部に対応する部分を打ち抜くには、先ず、図7の(A)に示す様に、上記第二中間素材20を上記円形凹部45を下にして上記周壁ブロック30bの上端部に内嵌(圧入)すると共に、この円形凹部45に上記カウンターパンチ46の上端部を内嵌(軽く圧入)する。この状態から、図7の(B)に示す様に、上記パンチ47及び上記フローティングパンチ48を下降させ、このパンチ47の先端面(下端面)を上記第二中間素材20の上面中央部に突き当てると共に、上記フローティングパンチ48の下面によりこの第二中間素材20の上面外径寄り部分を抑え付ける。この状態で、この第二中間素材20が、表面全体を抑え付けられた、所謂静水圧状態となる。そこで、上記パンチ47を更に下降させて、図7の(C)に示す様に、上記第二中間素材20のうちで上記円形凹部45の底部に対応する部分を打ち抜き、前記第三中間素材21とする。本例の場合、上記第二中間素材20の形状精度が良好であるから、前記固定板28aと、上記周壁ブロック30bと、上記カウンターパンチ46と、上記パンチ47と、上記フローティングパンチ48とにより上記第二中間素材20を覆った状態で、この第二中間素材20の表面と相手面との間の隙間を、実質的にゼロにできる。この為、上記静水圧状態を十分に実現できる。
【0043】
上記打ち抜き加工に伴って{図7の(B)→(C)、図8の(A)→(B)→(C)の過程で}上記第二中間素材20の径方向中間部に、前記ダイスユニット23bを構成する固定板28aの中心孔49の上端開口部内周縁と、上記パンチ47の先端面外周縁との間で、剪断方向の力が加わる。この力により、図8の(B)に示す様に、上記第二中間素材20の厚さ方向中央部に向けてクラック7a、7bが生じる(走る)。そして、これら両クラック7a、7bの先端同士が連続した瞬間に、上記第二中間素材20の中央部が外径寄り部分から分離され、この中央部がスクラップ8aとして排出され、この外径寄り部分が上記第三中間素材21となる。
【0044】
この第三中間素材21の内周面には、図9に示す様に、上記パンチ47の押し込み側である上側から順番に、ダレ9aと、剪断面10aと、破断面11aと、上記円形凹部45の内周面であった、揺動鍛造により形成された平滑面52とが存在する。本例の場合には、上記パンチ47の押し込み方向と反対側に上記円形凹部45を設けている分、上記第三中間素材21全体として見た場合に、上記破断面11aが軸方向中間部に存在する状態となる。又、上記第二中間素材20の中央部の打ち抜きを、静水圧状態下で行う事により、静水圧状態下で行わない場合に比べて、上記剪断面10aの幅寸法を広くし、その分、上記破断面11aの幅寸法を、より狭くできる。この様に、この破断面11aの幅を狭くし、且つ軸方向中間部に位置させる事により、次述する冷間ローリング加工時に、上記第三中間素材21の破断面11aを押し潰し、微小な亀裂の発生に結び付く凹凸を押し潰し(平滑化し)て、大幅な拡径を行っても、亀裂損傷の発生を防止できる。
【0045】
尚、上記破断面11aを完全に無くす事も可能であるが、その場合には、前述の図7の(B)→(C)の過程で前記フローティングパンチ48を、非常に大きな力で下方に押圧する必要がある。この為には、打ち抜き加工の為の装置に、この大きな力を発生させる為の油圧装置を設置する必要があり、装置が複雑になってコストが嵩む。次述するローリング加工時に微小な亀裂が発生するのを防止する為には、上記破断面11aを上記第三中間素材21の軸方向中間部に位置させさえすれば、多少の破断面11aが残っても問題ない。そこで本例の場合には、前記下圧手段50を、ばねやガスクッションの如き、小型に構成できる簡便な構造を採用している。
【0046】
尚、上記破断面11aの幅をより狭くする為に本例の場合には、上記パンチ47と上記中心孔49とのクリアランス{(「中心孔49の内径」−「パンチ47の外径」)/2}は、通常の打ち抜き加工の場合よりも小さくする。具体的には、上記クリアランスを、上記第二中間素材20の中心部(円形凹部45部分)の厚さの1〜10%程度にする。又、上記円形凹部45への上記カウンターパンチ46の上端部の圧入代は、上記第二中間素材20の外径の0.1〜0.5%程度とする。尚、この圧入代のノミナル値(ねらい圧入代)は、実際の生産前に行う試作等により、適宜決定する。又、打ち抜き加工に要する荷重は、据え込み鍛造、後方押し出し加工等の通常の鍛造の為の荷重に比べて低くて済む為、通常のプレス加工と同様に決定できる。
【0047】
前述の様にして造った、上記第三中間素材21は、前記ラムを上昇させる事により、上記パンチ47及び上記フローティングパンチ48を上昇させてから、複数本(例えば円周方向等間隔に配置された3本)のノックアウトピン51、51により前記周壁ブロック30bの内径側から押し出し、次の工程に送る。
【0048】
上記第三中間素材21は、冷間ローリング加工を施して拡径し、図1の(E)に示す様な、この第三中間素材21よりも大径の、第四中間素材22とする。この第四中間素材22には、その後に旋盤工程で軌道溝等を形成する事が一般的となるが、上記冷間ローリング加工でこの軌道溝を形成し、上記旋盤工程を省略する事もできる。何れにしても、金属製リング状部品がラジアル転がり軸受用の軌道輪である場合には、軌道溝を形成した後に、必要な熱処理や研削等の仕上加工を行って、ラジアル転がり軸受用の軌道輪として完成する。
【0049】
この様な冷間ローリング加工は、特許文献4〜6に記載されている様な、専用のローリング加工装置により行う事も可能である。但し、これら各特許文献に記載された専用のローリング加工装置に関しても、少品種大量生産品の加工には適しているが、多品種少量生産品の加工には不向きである。又、大径の金属製リング状部品を造る場合には、大型の専用装置が必要になる。そこで本例の場合には、上述の様な冷間ローリング加工に就いても、図10〜12に示す様なダイセットを、プレス加工機の加工テーブルとラムとの間に設置して行う。このダイセットは、水平方向の軸回りの回転を可能として配置された、マンドレル15aと、同じく1対の第一サポートロール53、53と、同じく1対の第二サポートロール54、54と、同じく成形ロール16aと、減速機ユニット55と、駆動モータ56とを備える。このうちのマンドレル15aと、1対の第一サポートロール53、53と、1対の第二サポートロール54、54とは、プレス加工機の加工テーブルの上面に支持される下板57の上方に設けられている。又、上記マンドレル15aは、図12の(A)に矢印で示す様に、軸方向の変位を可能として、このマンドレル15aの周囲への、被加工物である前記第三中間素材21乃至前記第四中間素材22の着脱を可能としている。このマンドレル15aの軸方向移動は、油圧シリンダ、エアシリンダ等の、直動式のアクチュエータ61により行う。これに対して、上記成形ロール16aと、減速機ユニット55と、駆動モータ56とは、上記プレス加工機のラムの下面に支持される上板58の下方に設けられている。
【0050】
上記マンドレル15aの軸方向2箇所位置は、図10〜12の(A)の左右方向、同じく(B)の表裏方向に離隔して設けられた上記両第一サポートロール53、53の上端部外周面に当接させている。又、これら両第一サポートロール53、53の下端部外周面は、図10〜12の(A)の表裏方向、同じく(B)の左右方向に離隔して設けられた上記両第二サポートロール54、54の上端部外周面に当接させている。更に、これら各サポートロール53、54は、上記下板57の上面に設けた下側支持フレーム59に、回転自在に支持している。この構成により、上記冷間ローリング加工時に、上記マンドレル15aに加わるラジアル荷重を支承しつつ、このマンドレル15aの回転を許容する様にしている。従って、このマンドレル15aの回転中心軸と、上記各サポートロール53、54の回転中心軸とは、互いに平行である。
【0051】
尚、上記両第一サポートロール53、53は上記下側支持フレーム59に対して片持ち式の支持軸により支持している。従って、これら両第一サポートロール53、53同士の間には支持軸が存在せず、図11に示す様に、直径の大きな第四中間素材22の加工を行っても、これら支持軸と第四中間素材22とが干渉する事はない。但し、最終的に加工荷重を支承する上記両第二サポートロール54、54は上記下側支持フレーム59に対し、両持式に支持して、耐荷重性能を確保している。
【0052】
又、上記成形ロール16aは、上記上板58の下面に固定された上側支持フレーム60に、回転可能に支持されている。又、上記成形ロール16aは、上記駆動モータ56により、上記減速機ユニット55を介して、回転駆動可能としている。又、上記成形ロール16aは、十分に太い支持軸により上記上側支持フレーム60に対し、両持式に支持して、大きな加工荷重を支承可能としている。従って、この上側支持フレーム60側には、サポートロールは設けられていない。上記駆動モータ56に関しても、前述の揺動鍛造用のダイセットと同じ理由で、好ましくはサーボモータを使用する。
【0053】
上述の様な冷間ローリング加工用のダイセットを使用して、前記第三中間素材21を上記第四中間素材22に加工するには、先ず、図10に示す様に、上記マンドレル15aに上記第三中間素材21を緩く外嵌する。この作業は、このマンドレル15aを図10の(A)の左方に退避させた状態で上記第三中間素材21を所定位置に持ち込んだ後、上記マンドレル15aを図10の(A)の右方に前進させる事により行う。上記第三中間素材21の持ち込みは、ロボットアームにより、或いは作業員の手で行う。この様にして上記第三中間素材21をセットした状態では、この第三中間素材21の下半部を、上記両第一サポートロール53、53の上端部同士の間に配置する。又、この第三中間素材21の直上に、上記成形ロール16aを位置させる。
【0054】
この状態から、この成形ロール16aを上記駆動モータ56により、上記減速機ユニット55を介して回転駆動しつつ、プレス加工機のラムを下降させる。そして、上記上板58を介して上記成形ロール16aを下方に押圧し、この成形ロール16aの下端部外周面を、上記第三中間素材21の上端部外周面に強く押し付ける。この結果、この第三中間素材21が上記マンドレル15aの外周面と上記成形ロール16aの外周面との間で強く押圧されて、図10に示した状態から図11に示した状態に迄、その直径が次第に拡がり、図1の(E)に示す様な第四中間素材22となる。この様に上記第三中間素材21をこの第四中間素材22とする過程で、この第三中間素材21の内周面の軸方向中間部に存在する破断面11aで亀裂が発生する事はなく、上記マンドレル15aの外周面により十分に押し潰されて平滑面となる。即ち、上記第三中間素材21の直径が拡がり始める際には、この第三中間素材21の内周面に、前述の図16により説明した様な、亀裂の発生の起点となる様な溝部が存在しない状態となり、上記第四中間素材14を、歩留り良く加工できる。この様にして得られた第四中間素材22は、図12に示す様にマンドレル15aを退避させて取り出し、次の仕上げ工程に送る。この取り出し作業に関しても、ロボットアームにより、或いは作業員の手で行う。
【0055】
尚、上記ローリング加工に於いては、リング状素材である、上記第三中間素材21乃至上記第四中間素材22の回転数、及び、上記成形ロール16aのストローク速度の両方をサーボ制御する事により、上記第三中間素材21乃至上記第四中間素材22の1回転当たりの潰し量を制御する事が好ましい。但し、これら第三中間素材21乃至第四中間素材22の回転数と上記成形ロール16aのストローク速度とのうちの一方のみサーボ制御する事でも良い。例えば、メカプレスのラムのストローク速度をセンサーで検知し、そのストローク速度に応じて、サーボモータにより回転数をコントロールし、1回転当たりの潰し量を制御しても良い。この様に、ストローク速度と回転数とが制御に関して重要なパラメータである点は、前述の揺動鍛造による、据え込み加工や後方押し出し加工の制御の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明を実施する場合に使用する素材18は、主に軸受鋼又は浸炭鋼であり、加工の為の潤滑は、ボンデ処理により行う。但し、この素材18の切断面(軸方向両端面)の面積が大きい場合には、この素材18を第一中間素材19とする工程及びそれ以降の工程の潤滑を、油塗布により行う事もできる。
又、加工温度は全工程で冷間とする事が基本であるが、造るべき金属製リング状部品の直径が特に大きい場合には、温間(200〜700℃)で成形する事もできる。
又、上記素材18を第一中間素材19とする工程及びそれ以降の工程に使用するプレス加工機は、各工程共に、1回転当たりの圧下量が重要になるので、ロールの回転数に合わせてプレス加工機の下降速度を制御するべく、サーボプレスを使用する事が好ましい。但し、プレス機は、メカプレス、油圧プレス、トランスファープレスの何れに就いても使用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 素材
2 第一中間素材
3 第二中間素材
4 第三中間素材
5 ダイス
6 パンチ
7a、7b クラック
8、8a スクラップ
9、9a ダレ
10、10a 剪断面
11、11a 破断面
12、12a カエリ
13 中心孔
14 冷間ローリング加工装置
15、15a マンドレル
16、16a 成形ロール
17 亀裂
18 素材
19 第一中間素材
20 第二中間素材
21 第三中間素材
22 第四中間素材
23、23a、23b ダイスユニット
24、24a 固定板
25 フローティングダイス
26 ばね
27 アンカブロック
28、28a 浮動板
29 中心孔
30、30a、30b 周壁ブロック
31、31a ロール
32、32a 加工面
33、33a ノックアウトピン
34、34a パンチ
35、35a ダイス
36 下板
37 上板
38 ヘッド
39 スピンドルユニット
40 減速機ユニット
41 駆動モータ
42 ガイドポスト
43 ガイドブッシュ
44 段差面
45 円形凹部
46 カウンターパンチ
47 パンチ
48 フローティングパンチ
49 中心孔
50 下圧手段
51 ノックアウトピン
52 平滑面
53 第一サポートロール
54 第二サポートロール
55 減速機ユニット
56 駆動モータ
57 下板
58 上板
59 下側支持フレーム
60 上側支持フレーム
61 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の素材を据え込み加工により軸方向に押し潰して円板状の第一中間素材とした後、この第一中間素材の片面中央部を軸方向に押し潰すと共に軸方向片面外径寄り部分をこの押し潰し方向と逆方向に突出させる後方押し出し加工により、軸方向片面中央部に円形凹部を有する第二中間素材とし、続いて、この第二中間素材の軸方向片面の上記円形凹部よりも外径寄り部分をダイスにより抑え付けた状態で、軸方向他面側中央部に打ち抜きパンチを押し付ける事により、上記第二中間素材の中央部でこの円形凹部に対応する部分を打ち抜き除去して円環状の第三中間素材とし、次にこの第三中間素材をローリング加工により拡径して円環状の第四中間素材とし、更に、この第四中間素材に所定の仕上加工を施して金属製リング状部品とする金属製リング状部品の製造方法。
【請求項2】
第二中間素材の軸方向片面外径寄り部分に加えて、外周面、円形凹部の内周面、及び軸方向他面外径寄り部分も抑え付ける事により、上記第二中間素材を圧縮状態とした状態で、この第二中間素材にパンチを押し付ける、請求項1に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項3】
第一中間素材を第二中間素材とする後方押し出し加工を、これら両中間素材の外周面及び軸方向他面を抑えた状態でこれら両中間素材の軸方向片面に、これら両中間素材の中心軸に対し傾斜した中心軸を有し、加工面のうちで上記第一中間素材に当接する部分の方向がこれら両中間素材の中心軸に対し直角方向であるロールを押し付ける揺動鍛造により行い、上記第二中間素材の軸方向片面の外径寄り部分及び軸方向他面全体を、この第二中間素材の中心軸に対し直角方向の平坦面とする、請求項2に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項4】
素材を軸方向に押し潰して円板状の第一中間素材とする加工を、この第一中間素材の外周面を規制するダイス内に上記素材を収めた状態でこの素材の軸方向片面に、これら素材乃至第一中間素材の中心軸に対し傾斜した中心軸を有し、加工面のうちでこれら素材乃至第一中間素材に当接する部分の方向がこれら素材乃至第一中間素材の中心軸に対し直角方向であるロールを押し付ける揺動鍛造により行う、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項5】
ローリング加工に関して、使用する工具の回転速度とストローク速度とのうちの少なくとも一方の速度の調節をサーボ制御により行う、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項6】
揺動鍛造に関して、使用する工具の回転速度とストローク速度とのうちの少なくとも一方の速度の調節をサーボ制御により行う、請求項3〜5のうちの何れか1項に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項7】
ラムのストロークをサーボ制御するプレス加工機を使用する事により、ストローク速度を調節する、請求項5〜6のうちの何れか1項に記載した金属製リング状部品の製造方法。
【請求項8】
プレス加工機の加工テーブルの上面に載置される下板と、この下板の上面に設けられた、被加工物を保持する為の保持部と、この下板の上方に設置され、上記プレス加工機のラムにより下方に押圧される上板と、この上板の下面に設けられて、この上板の下降に伴って上記被加工物を押圧する加工工具と、この上板の一部に支持固定された、この加工工具を回転駆動する為の電動モータとを備えた金属製部品の塑性加工装置。
【請求項9】
保持部が、被加工物の加工完了時点での外周面形状に一致する内周面形状を有するダイスであり、加工工具が、揺動鍛造により上記被加工物を塑性変形させる為のロールである、請求項8に記載した金属製部品の塑性加工装置。
【請求項10】
保持部が、水平方向に配置されて円環状の被加工物を緩く外嵌した状態で回転するマンドレルであり、加工工具が、この被加工物をこのマンドレルに押圧しつつ回転し、ローリング加工によりこの被加工物の直径を拡げる成形ロールである、請求項8に記載した金属製部品の塑性加工装置。
【請求項11】
電動モータが回転速度を調節可能なサーボモータである、請求項8〜10のうちの何れか1項に記載した金属製部品の塑性加工装置。
【請求項12】
上板を押圧するラムを備えたプレス加工機が、このラムのストロークをサーボ制御する機能を有するものである、請求項8〜11のうちの何れか1項に記載した金属製部品の塑性加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−49094(P2013−49094A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273103(P2012−273103)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2009−38448(P2009−38448)の分割
【原出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】