説明

障害物検出装置

【課題】道路構造物を障害物として誤検出することを防止可能な障害物検出装置を提供する。
【解決手段】障害物検出装置1は、ECU2、実測データ生成部3および車両状態計測部4を備える。ECU2は、データベース5、予測データ生成部6および障害物検出部7を有する。実測データ生成部3は、車両周辺の所定領域に存在する物体からのレーダ反射に基づいて物体を検出し、検出結果を示す実測データを生成する。データベース5は、所定領域に存在する道路構造物に関する道路構造物データをあらかじめ保持する。車両状態計測部4は、車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態を計測する。予測データ生成部6は、車両状態および道路構造物データに基づいて、道路構造物からのレーダ反射を予測して予測結果を示す予測データを生成する。障害物検出部7は、実測データおよび予測データに基づいて障害物を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され車両の周辺の所定領域に存在する障害物を検出する障害物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周辺の所定領域に存在する障害物を検出する装置として、従来、レーダを用いて障害物までの距離や方向を取得してモニタに表示する物体検出装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この物体検出装置は、レーダとレーダを制御する障害物検出制御装置とを備えている。そして、この物体検出装置においては、レーダが車両周辺の所定領域にビーム電波を発射して障害物からの反射電波を受信することにより所定領域における障害物の距離や速度を検出し、検出結果を障害物検出制御装置に入力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−9914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された物体検出装置においては、反射電波に含まれる情報のみに基づいて、障害物の位置や速度の検出を行っている。このため、例えば、道路上に反射率の高い道路構造物が存在する場合などには、この道路構造物を障害物として誤検出する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、道路構造物を障害物として誤検出することを防止可能な障害物検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明の障害物検出装置は、車両に搭載され車両の周辺の所定領域に存在する障害物を検出する障害物検出装置であって、所定領域に存在する物体からのレーダ反射に基づいて、物体を検出して検出結果を示す実測データを生成する実測データ生成手段と、車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態を計測する車両状態計測手段と、所定領域に存在する道路構造物に関する道路構造物データをあらかじめ保持するデータ保持手段と、車両状態および道路構造物データに基づいて、道路構造物からのレーダ反射を予測して予測結果を示す予測データを生成する予測データ生成手段と、実測データおよび予測データに基づいて障害物を検出する障害物検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る障害物検出装置においては、実測データ生成手段が生成した実測データと予測データ生成手段が生成した予測データとに基づいて、障害物を検出する。このように、本発明に係る障害物検出装置は、障害物を検出する際に、物体からのレーダ反射に基づいて生成される実測データのみならず、構造物からのレーダ反射を予測して生成される予測データを参照するので、道路構造物を障害物として誤検出することを防止することができる。
【0008】
ここで、障害物検出手段は、実測データと予測データとを比較して、実測データ生成手段によって検出された物体のうち予測データ生成手段によってレーダ反射が予測された道路構造物以外のものを障害物として検出する態様とすることができる。
【0009】
この場合、障害物検出手段は、実測データ生成手段が生成した実測データと予測データ生成手段が生成した予測データとを比較して、実測データ生成手段によって検出された物体のうち予測データ生成手段によってレーダ反射が予測された道路構造物以外のものを障害物として検出する。このため、あらかじめ存在する道路構造物を障害物の候補から除外することができる。したがって、道路構造物を障害物として誤検出することを確実に防止することができる。
【0010】
ここで、実測データおよび予測データに基づいて、車両状態の誤差を補正し、補正後の車両状態を算出する誤差補正手段をさらに備え、予測データ生成手段は、補正後の車両状態および道路構造物データに基づいて、補正後予測データを生成し、障害物検出手段は、実測データと補正後予測データとを比較して、障害物を検出する態様とすることができる。
【0011】
この場合、誤差補正手段は、実測データと予測データとに基づいて車両状態の誤差を補正し、予測データ生成手段は、補正後の車両状態に応じた予測データである補正後予測データを生成する。そして、障害物検出手段は、補正後予測データを用いて障害物を検出する。このため、障害物検出の精度を一層向上させることができる。
【0012】
また、誤差補正手段は、実測データと予測データとを比較して、所定領域のうちの少なくとも一部の領域において、実測データと予測データとが一致するように、車両状態の誤差を補正する態様とすることができる。
【0013】
この場合、誤差補正手段は、一部の領域において予測データと計測データとが一致するように車両状態の誤差を補正する。このため、容易に補正後の車両状態を算出することができる。
【0014】
さらに、データ保持手段が保持する道路構造物データは、道路構造物の反射率を示すデータを含む態様とすることができる。
【0015】
この場合、道路構造物データが道路構造物の反射率を示すデータを含んでいるので、予測データ生成手段は、例えば、検出し難い低反射率の道路構造物や誤検出し易い高反射率の道路構造物について、その反射率に応じたレーダ反射の予測データをあらかじめ生成することができる。したがって、障害物検出の精度を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る障害物検出装置によれば、道路構造物を障害物として誤検出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。
【図2】実測データ生成部による実測データ生成の様子を表す図である。
【図3】予測データ生成部の動作の手順を示すフローチャートである。
【図4】データベース上の仮想的な3次元空間を模式的に表す図である。
【図5】障害物検出部の動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】車両周辺の所定領域を示す図である。
【図7】車両周辺の所定領域を示す図である。
【図8】車両周辺の所定領域を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。
【図10】誤差補正部の動作の手順を示すフローチャートである。
【図11】誤差補正部の動作の手順を示すフローチャートである。
【図12】誤差補正部によるグループ化の様子を表す図である。
【図13】形状一致の評価手順を示す図である。
【図14】一致度投票の様子を表す図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。
【図16】実測データと予測データとの比較の様子を表す図である。
【図17】未検出障害物領域推定部の動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。図1に示されるように、障害物検出装置1は、ECU(Electronic Control Unit)2、実測データ生成部3および車両状態計測部4を備える。ECU2は、データベース5、予測データ生成部6および障害物検出部7を有する。この障害物検出装置1は、車両に搭載され、車両周辺の所定領域に存在する障害物を検出する装置である。
【0020】
ECU2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および入出力インターフェイスなどを備えて構成されるコンピュータである。ECU2が有する各部の機能は、CPUなどのハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより実現される。ECU2には、実測データ生成部3および車両状態計測部4が接続されている。
【0021】
実測データ生成部3は、測距可能なレーダであるレーザレーダを含む。実測データ生成部3は、車両周辺の領域に存在する物体からのレーダ反射に基づいて、この物体を検出して検出結果を示す実測データを生成する。そして、実測データ生成部3は、生成した実測データをECU2の障害物検出部7に送信する。なお、レーダ反射とは、たとえば、レーザレーダから出射された後、物体により反射され、再びレーザレーダによって受信されるレーザ反射波である。これによれば、実測データ生成部3は、たとえば、レーザが出射されてから、この出射されたレーザに応じたレーザ反射波が受信されるまでの時間を計測することによって、物体を検出してその位置を計測する。
【0022】
図2は、実測データ生成部3による実測データ生成の様子を表す図である。図2に示されるように、実測データ生成部3のレーザレーダは、レーザYをX方向に走査するように出射する。そして、実測データ生成部3のレーザレーダは、車両Aの周辺の領域に存在する道路構造物Z,Zや他車両Zなどの物体に生じるレーザ反射点sからのレーザの反射波を受信することによって、これらの物体の位置や形状を計測する。
【0023】
図1を参照して説明を続ける。車両状態計測部4は、例えばGPS(Global Positioning System)などの位置計測装置や、ジャイロなどの姿勢計測装置を有している。車両状態計測部4は、車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態を計測して、計測結果を示す車両状態データをECU2の予測データ生成部6に送信する。
【0024】
ECU2におけるデータベース5は、車両周辺の所定領域に存在する道路構造物に関する道路構造物データをあらかじめ保持している。道路構造物データは、予測データ生成部6によって読み出しを行うことができる。道路構造物データには、道路構造物の反射率を示すデータが含まれている。なお、ここでいう反射率とは、実測データ生成部3のレーザレーダから出射されるレーザの波長における反射率である。また、道路構造物データには、道路構造物の凹凸などの形状に関するデータが含まれている。データベース5は、本発明のデータ保持手段を構成する。
【0025】
予測データ生成部6は、車両状態計測部4から送信された車両状態データとデータベース5から読み出した道路構造物データとに基づいて、道路構造物からのレーダ反射を予測して予測結果を示す予測データを生成する。そして、予測データ生成部6は、生成した予測データを障害物検出部7に送信する。予測データ生成部6の動作については後に詳述する。
【0026】
障害物検出部7は、実測データ生成部3から送信される実測データと予測データ生成部6から送信される予測データとに基づいて障害物を検出する。具体的には、障害物検出部7は、実測データと予測データとを比較して、実測データ生成部3によって検出された物体のうち予測データ生成部6によってレーダ反射が予測された道路構造物以外のものを障害物として検出する。障害物検出部7の動作については後に詳述する。
【0027】
次に、予測データ生成部6の動作について、図3を参照して説明する。図3は、予測データ生成部6の動作の手順を示すフローチャートである。まず、予測データ生成部6は、車両の現在位置X=(xs,ys,zs)を中心とする所定領域の道路構造物データをデータベース5から読み出す(ステップS1)。
【0028】
図4は、データベース5上の仮想的な3次元空間を模式的に示す図である。図4(a)はこの3次元空間の平面図であり、図4(b)はこの3次元空間の側面図である。データベース5が保持する道路構造物データは、図4に示されるように、データベース5上の仮想的な3次元空間を一定の間隔で格子状の領域に区切った場合の、各格子状の領域Rの中心位置(データ位置)pdb=(xdb,ydb,zdb)上において与えられるデータである。また、道路構造物データは、道路構造物データの観測距離のばらつきを示す離散分布Ndistx,y,zを含む。ここで、左上の添え字gは、各座標がデータベース5上の座標であることを示している。
【0029】
続いて、読み出した道路構造物データを、実測データ生成部3における現在のレーダの向きに合わせるように変換する(ステップS2)。道路構造物データをレーダの向きに合わせることにより、実測データと予測データとの対応を容易にすることができる。任意のデータベース5上のデータ位置pdbの変換後の位置pdbは、レーダと車両中心との回転補正行列、レーダと車両中心との並進補正行列、車両中心とデータベース5上の座標との回転補正行列および車両中心とデータベース5上の座標との並進補正行列を用いて、下式によって算出される。なお、左上の添え字Lおよびvは、レーダ座標系および車両座標系をそれぞれ示している。
【数1】




【0030】
続いて、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS3)。ここで、レーダ数bnは、自然数であって、レーダが所定領域内に出射した複数のレーザに対して、所定の順番によって割り振った番号を示す変数である。また、Nbeamは、レーダが出射したレーザの総数である。なお、レーザ数bnの初期値は1である。
【0031】
ステップS3の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS3:YES)、データ数rnが1〜Ndbの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS4)。ここで、データ数rnは、自然数であって、車両周辺の所定領域内の複数のデータ位置に対して、所定の順番によって割り振った番号を示す変数である。また、Ndbは、車両周辺の所定領域内に存在するデータ位置の総数である。なお、データ数rnの初期値は1である。
【0032】
ステップS4の判定の結果が、データ数rnが1〜Ndbの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS4:YES)、bn番目のレーザとrn番目のデータ位置とが交差するか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、bn番目のレーザの方向nbn=(xnbn,ynbn,znbn)を中心として、この中心からレーザの広がり角φ以内の領域に、rn番目のデータ位置pdbrn=(xdbrnydbrnzdbrn)があるか否かを判定する。この判定は、例えば、内積nbnpdbrnにより、下式のように計算することができる。
【数2】



【0033】
ステップS5の判定の結果が、bn番目のレーザとrn番目のデータ位置とが交差することを示す結果である場合(ステップS5:YES)、離散分布Ndistx,y,zpdbrnの距離分シフトして、予測データ用領域EHistbn,rnに加算し、データ位置の分布を合成する(ステップS6)。そして、データ数rnに1を加算してステップS4に戻る。
【0034】
ステップS5の判定の結果が、bn番目のレーザとrn番目のデータ位置とが交差しないことを示す結果である場合(ステップS5:NO)、データ数rnに1を加算してステップS4に戻る。
【0035】
一方、ステップS4の判定の結果が、データ数rnが1〜Ndbの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS4:NO)、予測データ用領域EHistbn,rnをデータ数rnについて総和をとり、総和をとって得られる総予測データ用領域EHistbnにより各予測データ用領域EHistbn,rnを正規化し、正規化して得られる各正規予測データ用領域EHistbn,rnのうち所定の閾値THR_HISTを超えるものを各レーザの予測データELbn,rnとする(ステップS7)。そして、レーザ数bnに1を加算してステップS3に戻る。
【0036】
なお、道路構造物データの観測距離のばらつきは、離散分布に限らず正規分布などにより近似してもよい。また、道路構造物データの観測距離のばらつきは、事前の実測データを用いて生成してもよいし、反射率と形状の反射モデルから合成してもよい。
【0037】
そして、ステップS3の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS3:NO)、処理を終了する。以上の処理によって、各レーザによって検出された物体の位置に応じた各予測データが生成される。
【0038】
次に、障害物検出部7の動作について、図5を参照して説明する。図5は、障害物検出部7の動作の手順を示すフローチャートである。まず、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS11)。なお、レーザ数bnの初期値は1である。
【0039】
ステップS11の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS11:YES)、bn番目のレーザにより検出された物体の位置に応じたデータ位置に対応するデータ数rnにおける予測データELbn,rnが0を超えるか否かを判定する(ステップS12)。
【0040】
ステップS12の判定の結果が、予測データELbn,rnが0を超えることを示す結果である場合(ステップS12:YES)、bn番目のレーザにより検出された物体を、道路構造物であると判断する(ステップS13)。つまり、bn番目のレーザにより検出された物体は、障害物ではないと判断する。そして、レーザ数bnに1を加算してステップS11に戻る。
【0041】
ステップS12の判定の結果が、予測データELbn,rnが0を超ないことを示す結果である場合(ステップS12:NO)、bn番目のレーザにより検出された物体を、障害物であると判断する(ステップS14)。そして、レーザ数bnに1を加算してステップS11に戻る。
【0042】
そして、ステップS11の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS11:NO)、処理を終了する。
【0043】
次に、第1実施形態に係る障害物検出装置1の作用効果について、図面を参照して説明する。図6〜図8は、車両周辺の所定領域を示す図である。図6(a)、図7(a)および図8(a)はこの所定領域の平面図であり、図6(b)、図7(b)および図8(b)はこの所定領域の側面図である。レーザレーダなどによる実測データのみによって障害物を検出する従来の障害物検出装置は、図6に示されるように、道路上に実際に障害物Zが存在するときには、この障害物Zを検出することができる。
【0044】
しかし、路面からの高さによって物体を区別して、障害物のみを検出することは困難である。このため、例えば、図7に示されるように、道路上に高反射率の道路構造物Zが存在する場合においては、従来の障害物検出装置は、道路構造物Zを障害物として誤検出する場合がある。
【0045】
レーダから出射されるレーザに広がりがあるので、レーダは、レーザの反射点s付近の領域に存在する様々な物体からの反射波を受信する。このため、レーザの反射点s付近の領域に高反射率の物体がある場合、この高反射率の物体の位置に実測データが引き寄せられてしまい、このような誤検出が生じる。
【0046】
また、図8に示されるように、道路上に側溝の格子蓋のような凹凸のある道路構造物Zが存在する場合、その凹凸によって実測データが乱れるので、従来の障害物検出装置では、道路構造物Zを障害物として誤検出する場合がある。このように、レーザレーダなどによって生成される実測データのみを用いて道路構造物と障害物とを区別して障害物を検出することは一般に困難である。
【0047】
第1実施形態に係る障害物検出装置1においては、実測データ生成部3が生成した実測データと予測データ生成部6が生成した予測データとに基づいて障害物を検出する。このように、障害物検出装置1は、障害物を検出する際に、物体からのレーダ反射に基づいて生成される実測データのみならず、道路構造物からのレーダ反射を予測して生成される予測データを参照するので、道路構造物を障害物として誤検出することを防止することができる。
【0048】
また、道路構造物データに含まれる道路構造物の反射率を示すデータを用いることによって、例えば、検出し難い低反射率の道路構造物や誤検出し易い高反射率の道路構造物について、その反射率に応じたレーダ反射の予測データをあらかじめ生成することができる。あらかじめ生成した予測データを使用することにより、障害物検出の精度を向上させることができる。
【0049】
さらに、道路構造物データに含まれる道路構造物の凹凸などの形状に関するデータを用いることによって、例えば、誤検出し易い凹凸を有する道路構造物について、その形状に応じた予測データをあらかじめ生成することができる。あらかじめ生成した予測データを使用することにより、障害物検出の制度を向上させることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。図9に示されるように、障害物検出装置1aは、第1実施形態に係る障害物検出装置1のECU2に替えて、ECU2aを備える。障害物検出装置1aの他の構成は障害物検出装置1と同様である。
【0051】
ECU2aは、ECU2の各部に加えて誤差補正部8をさらに有する。ECU2aの他の構成はECU2と同様である。
【0052】
誤差補正部8は、実測データ生成部3が生成した実測データと、予測データ生成部6が生成した予測データと、を取得する。そして、誤差補正部8は、実測データおよび予測データに基づいて、車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態の誤差を補正する。
【0053】
具体的には、誤差補正部8は、実測データと予測データとを比較して、車両周辺の領域のうちの少なくとも一部の領域において、実測データと予測データとが一致するように、車両状態の誤差を補正する。誤差補正部8は、補正後の車両状態を示す補正後車両状態データを予測データ生成部6に送信する。誤差補正部8の動作については後に詳述する。
【0054】
予測データ生成部6は、誤差補正部8から送信される補正後車両状態データとデータベース5から読み出した道路構造物データとに基づいて、補正後予測データを生成する。予測データ生成部6は、生成した補正後予測データを、誤差補正部8を介して障害物検出部7に送信する。障害物検出部7は、実測データおよび補正後予測データに基づいて障害物を検出する。
【0055】
次に、誤差補正部8の動作について、図10および図11を参照して説明する。図10および図11は、誤差補正部8の動作の手順を示すフローチャートである。まず、図12(a)に示されるように、各予測データELbn,rnを、対応する各反射点s同士の距離の近さによりグループ化する(ステップS21)。図12は、誤差補正部8が行うグループ化の様子を表す図である。図12(a)は実測データを示す図であり、図12(b)は予測データを示す図である。このグループ化により生じる予測データグループの総数をNegpとする。図12(a)において、各予測データグループGは破線により示されている。
【0056】
その後、各予測データグループGの平均位置G=(Gx,Gy,Gz)を算出する(ステップS22)。
【0057】
続いて、図12(b)に示されるように、各実測データRLbnを、対応する各反射点s同士の距離の近さによりグループ化する(ステップS23)。このグループ化により生じる実測データグループの総数をNrgpとする。図12(b)において、各実測データグループgは破線により示されている。
【0058】
その後、各実測データグループgの平均位置g=(gx,gy,gz)を算出する(ステップS24)。
【0059】
続いて、一致度投票空間Crr△x,△y,△αを0に初期化する(ステップS25)。
【0060】
そして、実測データグループ数rが1〜Nrgpの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS26)。ここで、実測データグループ数rは、自然数であって、各実測データグループgに対して所定の順番によって割り振った番号を示す変数である。なお、実測データグループ数rの初期値は1である。
【0061】
ステップS26の判定の結果が、実測データグループ数rが1〜Nrgpの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS26:YES)、最短距離平均位置Minlenを所定値LMAXに設定し、最短距離グループMingpを0に初期化する(ステップS27)。ただし、所定値LMAXは、レーダの最大検知距離程度の値とする。
【0062】
続いて、予測データグループ数eが1〜Negpの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS28)。ここで、予測データグループ数eは、自然数であって、各予測データグループGに対して所定の順番によって割り振った番号を示す変数である。なお、予測データグループ数eの初期値は1である。
【0063】
ステップS28の判定の結果が、予測データグループ数eが1〜Negpの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS28:YES)、r番目の実測データグループgの平均位置=(gxgygz)と、e番目の予測データグループGの平均位置=(GxGyGz)と、の距離Lr,eを算出する(ステップS29)。
【0064】
そして、距離Lr,eが閾値Reθより小さいか否かの判定を行う(ステップS30)。これにより、距離Lr,eが閾値Reθ以上のグループを対応付けないようにする。
【0065】
ステップS30の判定の結果が、距離Lr,eが閾値Reθより小さいことを示す結果である場合(ステップS30:YES)、最短距離平均位置Minlenを距離Lr,eとし、最短距離グループMingpを予測データグループ数eとする(ステップS31)。そして、予測データグループ数eに1を加算してステップS28に戻る。
【0066】
ステップS30の判定の結果が、距離Lr,eが閾値Reθ以上であることを示す結果である場合(ステップS30:NO)、予測データグループ数eに1を加算してステップS28に戻る。
【0067】
一方、ステップS28の判定の結果が、予測データグループ数eが1〜Negpの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS28:NO)、最短距離グループMingpが0以外であるか否かの判定を行う(ステップS32)。
【0068】
ステップS32の判定の結果が、最短距離グループMingpが0以外であることを示す結果である場合(ステップS32:YES)、r番目の計測データグループgに対して、角度ステップαで各点の重さを1と換算した実測慣性モーメント分布mrを算出する(ステップS33)。
【0069】
続いて、Mingp番目の予測データグループGに対して、角度ステップαで各点の重さを予測データELbn,rnと換算した予測慣性モーメント分布meを算出する(ステップS34)。なお、最短距離グループMingpの値は、r番目の計測データグループgに最も近い予測データグループGの予測データグループ数eとなっている。
【0070】
続いて、ずれ量△αがMax_dalfa以下であるか否かの判定を行う(ステップS35)。なお、すれ量△αの初期値は0である。また、Max_dalfaは、車両状態計測部4が計測する車両の現在姿勢における姿勢推定誤差に相応するように設定される。
【0071】
ステップS35の判定の結果が、ずれ量△αがMax_dalfa以下であることを示す結果である場合(ステップS35:YES)、図13に示されるように、実測慣性モーメント分布mrと予測慣性モーメント分布meとをずれ量△αずらして比較して、その一致度が閾値THR_M以上か否かの判定を行う(ステップS36)図13は、形状一致の評価手順を示す図である。
【0072】
ステップS36の判定の結果が、一致度が閾値THR_M以上であることを示す結果である場合(ステップS36:YES)、r番目の実測データグループgの点群を、平均位置=(gxgygz)を中心として一時的に△α回転する(ステップS37)。
【0073】
そして、x方向のずれ量△xがMax_dx以下であるか否かの判定を行う(ステップS38)。なお、ずれ量△xの初期値は0である。また、Max_dxは、車両状態計測部4が計測する車両の現在位置における位置推定誤差に相応するように設定される。
【0074】
ステップS38の判定の結果が、x方向のずれ量△xがMax_dx以下であることを示す結果である場合(ステップS38:YES)、y方向のずれ量△yがMax_dy以下であるか否かの判定を行う(ステップS39)。なお、ずれ量△yの初期値は0である。また、Max_dyは、車両状態計測部4が計測する車両の現在位置における位置推定誤差に相応するように設定される。
【0075】
ステップS39の判定の結果が、y方向のずれ量△yがMax_dy以下であることを示す結果である場合(ステップS39:YES)、r番目の実測データグループgの点群()に対して最も近い(MingpMingp)を見つけ、その距離を計算し、それをr番目の実測データグループgの点群に対して一致度に加算する(ステップS40)。
【0076】
その後、図14に示されるように、一致度投票空間Crr△x,△y,△αの△x、△yおよび△αの位置に一致度を投票する(ステップS41)。そして、△yに所定値を加算してステップS39に戻る。図14は、一致度投票の様子を表す図である。図14(a)は一致度の分布を示す図であり、図14(b)は図14(a)に示された一致度を投票した結果を示す図である。
【0077】
ステップS39の判定の結果が、y方向のずれ量△yがMax_dyより大きいことを示す結果である場合(ステップS39:NO)、△xに所定値を加算してステップS38に戻る。
【0078】
ステップS38の判定の結果が、x方向のずれ量△xがMax_dxより大きいことを示す結果である場合(ステップS38:NO)、△αに所定値を加算してステップS35に戻る。
【0079】
また、ステップS36の判定の結果が、一致度が閾値THR_Mより小さいことを示す結果である場合(ステップS36:NO)、△αに所定値を加算してステップS35に戻る。
【0080】
そして、ステップS35の判定の結果が、ずれ量△αがMax_dalfaより大きいことを示す結果である場合(ステップS35:NO)、最も一致度投票空間Crr△x,△y,△αを大きくする△x、△yおよび△αを、車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態の誤差の補正量として決定する(ステップS42)。そして、実測データグループ数rに1を加算して、ステップS26に戻る。
【0081】
一方、ステップS32の判定の結果が、最短距離グループMingpが0であることを示す結果である場合(ステップS32:YES)、実測データグループ数に1を加算して、ステップS26に戻る。
【0082】
そして、ステップS26の判定の結果が、実測データグループ数rが1〜Nrgpの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS26:YES)、処理を終了する。
【0083】
以上説明したように、第2実施形態に係る障害物検出装置1aにおいては、誤差補正部8は、実測データと予測データとに基づいて車両状態の誤差を補正し、予測データ生成部6は、補正後の車両状態に応じた予測データである補正後予測データを生成する。そして、障害物検出部7は、補正後予測データを用いて障害物を検出する。このため、障害物検出の精度を一層向上させることができる。
【0084】
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態に係る障害物検出装置のブロック構成図である。図15に示されるように、障害物検出装置1bは、第2実施形態に係る障害物検出装置1aのECU2aに替えて、ECU2bを備える。障害物検出装置1bの他の構成は障害物検出装置1aと同様である。
【0085】
ECU2bは、ECU2aの各部に加えて未検出障害物領域推定部9をさらに有する。ECU2bの他の構成はECU2aと同様である。
【0086】
未検出障害物領域推定部9は、実測データ生成部3が生成した実測データと、予測データ生成部6が生成した予測データと、を比較することにより、予測データが得られている領域のうちの実測データが得られていない領域を算出して、実測データ生成部3が検出できていない未検出の障害物が存在する領域を推定する。
【0087】
図16は、実測データと予測データとの比較を表す図である。図16(a)は実測データを表しており、図16(b)は予測データを表している。図16(c)は、予測データが得られている領域のうちの実測データが得られていない領域を表す図である。図16(b)に示される予測データには、反射点Sが存在するが、図16(a)に示される実測データには、反射点Sは存在しない。
【0088】
このように、未検出障害物領域推定部9は、実測データと予測データとを比較することにより、レーダの位置から反射点Sの位置に至る領域Rを、予測データが得られている領域のうちの実測データが得られていない領域として算出する。そして、未検出障害物領域推定部9は、この算出された領域に基づいて、実測データ生成部3が検出できていない未検出の障害物zが存在する領域を推定する。
【0089】
未検出の障害物zが存在する領域の推定は、低反射率の物体が存在する場合にはその低反射率の物体によりレーザが遮られ、その低反射率の物体の先に存在する物体からの反射波が得られない、ということを利用して行われる。
【0090】
次に、未検出障害物領域推定部9の動作について、図17を参照して説明する。図17は、未検出障害物領域推定部9の動作の手順を示すフローチャートである。まず、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS51)。なお、レーザ数bnの初期値は1である。
【0091】
ステップS51の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS51:YES)、bn番目のレーザの反射波が受信されたか否かの判定を行う(ステップS52)。
【0092】
ステップS52の判定の結果が、反射波が受信されていないことを示す結果である場合(ステップS52:NO)、bn番目のレーザに対応する予測データを生成し、そのうちの最短距離MinLmを算出する(ステップS53)。
【0093】
続いて、データ数rnが1〜Nkの範囲にあるか否かの判定を行う(ステップS54)。ここで、Nkは、車両の現在位置X=(xs,ys,zs)を中心とする所定の領域内に存在するデータ位置の総数である。なお、データ数rnの初期値は1である。
【0094】
ステップS54の判定の結果が、データ数rnが1〜Nkの範囲にあることを示す結果である場合(ステップS54:YES)、レーダ原点からrn番目のデータ位置pdbrn=(xdbrnydbrnzdbrn)までの距離Lrnが所定値THR_MINLEN〜MinLmの範囲であるか否かの判定を行う(ステップS55)。ここで、所定値THR_MINLENは、低反射率の物体の存在を考慮しなければならない最短の距離としてあらかじめ設定される値であり、例えば、ソナーなど近傍用のセンサの検知距離とすることができる。
【0095】
ステップS55の判定の結果が、距離Lrnが所定値THR_MINLEN〜MinLmの範囲であることを示す結果である場合(ステップS55:YES)、データ位置pdbrn=(xdbrnydbrnzdbrn)を、下式によって、レーダ上の座標系におけるデータ位置pdbrnに変換する(ステップS56)。
【数3】



【0096】
そして、bn番目のレーザと変換後のデータ位置pdbrnとが交差するか否かを判定する(ステップS57)。
【0097】
ステップS57の判定の結果が、bn番目のレーザと変換後のデータ位置pdbrnとが交差することを示す結果である場合(ステップS57:YES)、データ位置pdbrnの未検出尤度Hmrnに未検出度log(Pm)を加算する(ステップS58)。なお、Pmは、未検出が発生する確率である。データ位置pdbrnの未検出尤度Hmrnには、所定時間前の時刻における結果が加算済みである。
【0098】
続いて、未検出尤度Hmrnが閾値THR_HMを超えた場合、データ位置pdbrnが属する領域を、未検出物体が存在する領域であると推定する(ステップS59)。そして、データ数rnに1を加算してステップS54に戻る。
【0099】
一方、ステップS57の判定が、bn番目のレーザと変換後のデータ位置pdbrnとが交差しないことを示す結果である場合(ステップS57:NO)、データ数rnに1を加算してステップS54に戻る。
【0100】
また、ステップS55の判定の結果が、距離Lrnが所定値THR_MINLEN〜MinLmの範囲でないことを示す結果である場合(ステップS55:NO)、データ数rnに1を加算してステップS54に戻る。
【0101】
また、ステップS54の判定の結果が、データ数rnが1〜Nkの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS54:NO)、レーザ数bnに1を加算してステップS51に戻る。
【0102】
さらに、ステップS52の判定の結果が、レーザ反射波が受信されていることを示す結果である場合(ステップS52:YES)、レーザ数bnに1を加算してステップS51に戻る。
【0103】
そして、ステップS51の判定の結果が、レーザ数bnが1〜Nbeamの範囲から外れることを示す結果である場合(ステップS51:NO)、処理を終了する。
【0104】
以上説明したように、第3実施形態に係る障害物検出装置1bにおいては、未検出障害物領域推定部9は、実測データ生成部3が生成した実測データと、予測データ生成部6が生成した予測データと、を比較することにより、予測データが得られている領域のうちの実測データが得られていない領域を算出して、実測データ生成部3が検出できていない未検出の障害物が存在する領域を推定する。これにより、例えば、反射率が低く、レーザを反射しない障害物が存在する領域をあらかじめ推定することができる。
【0105】
なお、本実施形態において、実測データ生成部3は、レーザレーダを含むとしたが、これに限らず、例えば、実測データ生成部3は、ミリ波レーダを含むことができる。また、予測データ生成部6による予測データの生成方法、障害物検出部7による障害物の検出方法、誤差補正部8による誤差の補正方法および未検知障害物領域推定部9による未検出の障害物が存在する領域の推定方法は、上記の各実施形態に記した方法に限られない。
【符号の説明】
【0106】
1,1a,1b…障害物検出装置、2,2a,2b…ECU、3…実測データ生成部、4…車両状態計測部、5…データベース、6…予測データ生成部、7…障害物検出部、8…誤差補正部、9…未検知障害物領域推定部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され前記車両の周辺の所定領域に存在する障害物を検出する障害物検出装置であって、
前記所定領域に存在する物体からのレーダ反射に基づいて、前記物体を検出して検出結果を示す実測データを生成する実測データ生成手段と、
前記車両の現在位置および現在姿勢を含む車両状態を計測する車両状態計測手段と、
前記所定領域に存在する道路構造物に関する道路構造物データをあらかじめ保持するデータ保持手段と、
前記車両状態および前記道路構造物データに基づいて、前記道路構造物からのレーダ反射を予測して予測結果を示す予測データを生成する予測データ生成手段と、
前記実測データおよび前記予測データに基づいて障害物を検出する障害物検出手段と、を備えることを特徴とする障害物検出装置。
【請求項2】
前記障害物検出手段は、前記実測データと前記予測データとを比較して、前記実測データ生成手段によって検出された前記物体のうち前記予測データ生成手段によってレーダ反射が予測された前記道路構造物以外のものを障害物として検出する請求項1に記載の障害物検出装置。
【請求項3】
前記実測データおよび前記予測データに基づいて、前記車両状態の誤差を補正し、補正後の車両状態を算出する誤差補正手段をさらに備え、
前記予測データ生成手段は、前記補正後の車両状態および前記道路構造物データに基づいて、補正後予測データを生成し、
前記障害物検出手段は、前記実測データと前記補正後予測データとを比較して、障害物を検出する請求項1または請求項2に記載の障害物検出装置。
【請求項4】
前記誤差補正手段は、前記実測データと前記予測データとを比較して、前記所定領域のうちの少なくとも一部の領域において、前記実測データと前記予測データとが一致するように、前記車両状態の誤差を補正する請求項3に記載の障害物検出装置。
【請求項5】
前記データ保持手段が保持する前記道路構造物データは、前記道路構造物の反射率を示すデータを含む請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の障害物検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−271166(P2010−271166A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122954(P2009−122954)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】