説明

集積接続部およびその製造方法

本発明は、電気的に導電性ではない絶縁層(34,36)における切り欠き部(37)に、少なくとも部分的または全体的に配置された外部導電構造部(44)を有する接続部に関する。切り欠き部(37)の底部には、導電性の内部導電構造部(22)が、絶縁層(34,36)の一方側に配置され、コンタクト領域において外部導電構造部と境界を形成している。コンタクト面は、切り欠き部(37)の他方側において、外部導電構造部(44)に配置されている。コンタクト領域とコンタクト面とは、互いに重ならないか、部分的にのみ重なっている。切り欠き部(37)の底部は、法線方向から見ると、コンタクト面の少なくとも半分または全面に重なるように配置されている。その結果、絶縁層(34、36)の段状部分は、コンタクト面と内部導電構造部(22)との間に延びる主要電流路の外側において、切り欠き部(37)の端部に位置する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、基板と、基板から離れた位置にある外部導電構造部と、基板に近い位置に配置される内部導電構造部とを有する集積接続部に関するものである。例えばトランジスタなどの半導体素子といった複数の電子素子は、基板の主要領域に配置されている。
【0002】
このような集積回路部は、例えば国際特許出願WO 03/003458 A2号に開示されている。この公報において、外部導電構造部は、ボンディングゾーンとテストゾーンとを有するボンディングパッドである。この公知の集積回路部では、相互接続部を有する2つの金属膜間に、ビアと呼ばれる別の金属膜が配置されている。この金属膜のビアでは、集積回路部の動作中に、実質的に主要領域の法線方向または主要領域の法線方向とは逆の方向に電流が流れるが、主要領域と平行方向または法線方向を横切る方向には電流が流れない。
【0003】
ビアには様々な種類があるが、ビアに共通の特徴点は以下のとおりである。
・ビアでは、主要領域の法線方向、または法線方向とは逆の方向に、電流が流れるが、主要領域と平行方向には電流が流れない。
・ビアは、主要領域に平行な断面の大部分に配置され、あるいは、下部相互接続部または上部相互接続部に完全に重なるように配置されている。
・上部相互接続部または下部相互接続部に重ならないビアの部分、すなわち、これらの相互接続部を埋め合わせる部分は、集積回路部の機能に影響を与えない。すなわち、このような部分は、特に、集積回路部の機能に必要とされる導電接続のために用いられない。
【0004】
一方では相互接続部とビアとを有する金属膜を生成し、他方ではビアのみを有する金属膜を生成することは、集積回路部の製造技術において一般的であり、良く行なわれている技術である。これら金属膜のビアの大きさが互いに等しい場合、プロセス工学的観点から見れば利点がある。一方、金属膜の相互接続部の外形は、互いに著しく異なる。相互接続部の長さは、例えば相互接続部の幅の倍数となっている。
【0005】
本発明の目的は、公知の接続部に比べて、特に電気的特性が改善され、改良された接続部を提供することである。さらに、本発明の目的は、この接続部の製造方法を提供することである。
【0006】
この接続部に関する目的は、請求項1の特徴を有する接続部により達成される。さらなる発展形態は従属請求項に示されている。
【0007】
本発明は、特に、集積回路部の製造において新しい技術世代になる毎に、金属膜に対する要求が増えていることに基づいている。特に、バイポーラ技術およびCMOS技術においては、非常に小さいサイズが必要となるにもかかわらず、非常に高い電流密度、例えば、バルク断面領域の1mm当たりで、1ミリアンペア、5ミリアンペア、または10ミリアンペアを越える電流密度が要求され、または、非常に低い体抵抗が要求されている。これは、銅金属膜により実現されている。銅表面については、コスト的に有利でかつ製造面で保証されたマウント技術がまだ存在しないため、最終の金属面については、現在、アルミニウムが用いられている。しかし、アルミニウムは、銅と比較して通電容量が低い。そのため、アルミニウムボンディングパッドでは、同じ寸法の銅の構造に比べて、より低い絶対電流しかかけることができない、あるいは、エレクトロマイグレーションに対してより抵抗が低い。これにより、ボンディングパッドは、製品全体の寿命に対して著しい影響を与える重要な回路部分となる。今後も、必要な電流密度は増加するであろう。さらに、付加機能による集積密度の増加によって、テスト用およびマウント用ボンディングパッドの小型化が要求されるであろう。これにより、ボンディングパッド当たりの電流密度は、さらに増大することになる。
【0008】
さらに、本発明は、特にビア金属膜が、接続部を有する金属膜の下方に配置され得るという考えに基づいている。しかし、これにより空間的段状部分が生じうる。すなわち、例えば、酸化物、3.7より小さい誘電率を有する材料、フルオロシリケートガラス(FSG)、ポリイミド、または窒化シリコンを有する誘電層が生じうる。誘電層中の段状部分では、導電層の圧縮が生じ、すなわち、導電層の厚さが局所的に薄くなり、したがって、通電容量も小さくなる。これに関しては、以下に、図4を参照してより詳しく説明する。この段状部分に金属膜が堆積されれば、処理の影響により、この段状部分における層の厚さが小さくなり、例えば、平坦部分における層の厚さの約50%にもなる。これにより、この段状部分において電流密度が大きくなってしまう。したがって、形状ゆえに電流密度が大きくなるか、あるいは、厚さが薄くなることにより局所的に電流密度が大きくなる。
【0009】
ダマシン法により生成された相互接続部上のアルミニウムボンディングパッドでは、相互接続部が、酸化物層中のビア、いわゆるパッドビアにより、最後のダマシンワイヤ面、例えば、銅に接続されている。アルミニウム層の厚さは、一般的に600nm〜1200nmの間である。電流は、「パッドビア」と、「パッドビア」に接続された酸化物端部とを通る方向に依存せずに流れる。平坦なアルミニウムの領域は、例えばボンディングワイヤ、または、フリップチップ技術で用いられる、いわゆるはんだボンドを、テストするためおよび/またはマウントするための領域として用いられる。テスト用パッドとしてのみ用いることも可能である。全面に渡って銅をボンディングパッドの下に設けると、銅のワイヤリングが、接続またはテストのために用いられるアルミニウムパッドの下で、機構的な安定性を損ねるという障害が生じる。
【0010】
したがって、本発明の集積接続部は、冒頭で述べた特徴以外に、以下の特徴点を有する。
・外部導電構造部と内部導電構造部との間にあるコンタクトゾーンに隣接している内部導電構造部の領域の法線方向から見ると、コンタクトゾーンは、コンタクト領域には重なっておらず、または部分的にのみ重なっており、
・完全にまたは部分的に外部導電構造部を含む切り欠き部の底部は、法線方向から見ると、コンタクト領域の少なくとも半分またはコンタクト領域の全面と重なって配置されている。
【0011】
本発明の集積回路部の効果は、特に上述のアルミニウムボンディングパッドの場合、電流密度が高まる誘電性の段状部分が、主要電流路には生じないことである。主要電流路には、例えば、コンタクト領域を流れる全電流の50%を越える電流が流れる。この電流のうちの少量は、例えば接続部の横を通り過ぎて、外部導電構造部の別の電流路を介して流れる。電流密度は、均一になり、もはや局部的には増大しないため、製品の信頼性は向上する。特に、エレクトロマイグレーション効果は小さくなる。さらに、内部導電構造部と外部導電構造部との間のコンタクトゾーンと、このコンタクトゾーンの外の平面領域とにおいて、主要電流路に障壁を設けることが可能となり、障壁の寿命中に局部的な欠陥がほとんど生じなくなる。その結果、集積回路部の寿命を、再び著しく長くすることができる。
【0012】
本発明の集積回路部では、通電ゾーンの領域において、外部導電構造部と内部導電構造部との間の酸化物を取り除くことにより、段状部分を避けることができる。特に通電ゾーンにおいて、特にコンタクト領域50とその次に内側に位置する内部相互接続部22との間にある電流密度が高いゾーンにおいて、外部導電構造部は内部導電構造部に平坦な形で隣接する。これにより、数多くの技術的効果が生じる。
・コンタクト領域50と最も近い内部相互接続部22との間の通電部において、段状部分を避けることができる。
・信頼性を従来と同じように保ちつつ、許容可能な電流密度を大きくすることができる。あるいは、信頼性を著しく高めつつ、電流密度を従来と同じように保つことができる。
・回路設計上の利点がある。例えば、導電のために必要な領域を小さくすることができる。
・配置上の変更以外に、従来の一連の方法を変更する必要がない。
・層中の段状部分における局部的な欠陥はもはや生じない。これにより信頼性を、より高めることができる。
・より高い絶対電流を用いて、信頼性を従来と同等に維持することができる。これにより、回路設計において、別の構成にする可能性を追求することができる。例えば、チップ毎の接続領域の数を少なくすることができる。
・本発明の集積回路部により、機構に対する高い要求を満たすことができる。これにより、導電構造部の障壁層または基板付近の導電構造部を壊すことなしに、コンタクト領域に、機構的に負荷することができる。
【0013】
ある発展形態では、外部導電構造部は、金属膜において横方向に電流を流すための相互接続部の一部分として機能し、該部分は好ましくは10nmよりも長く、または1μmよりも長く、または10μmよりも長く、または100μmよりも長い。この部分は、機構的な安定性を高め、設計を柔軟にし、および/または、外部金属膜が目標とした方法で、接続用のみならずワイヤリング用に用いられた場合、必要な金属膜の数を減らすことができる。
【0014】
別の発展形態では、内部導電構造部は、コンタクトゾーンに隣接した位置に、銅または銅合金からなる主要な導電体または導電コアを有する。この導電コアは、導電構造部を流れる電流の例えば90%を伝導する。基板から離れた位置にある外部導電構造部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる主要な導電体を有する。さらに、外部導電構造部は、コンタクトゾーンにおいて障壁層を含み、障壁層は、好ましくはタンタル、チタン、窒化チタン、窒化タンタル、または、これらの材料からなる連続した層の組み合わせを有する。障壁層により、銅がアルミニウムに貫通することを防ぎ、体積の変化(これにより、エレクトロマイグレーションを促し、かつ接続、例えばボンディング接続の質を損ねることになる)が起こることを防ぐ。この発展形態では、さらに、アルミニウムを良質にボンディングすることと、銅の高い導電性と組み合わせることとができる。
【0015】
別の発展形態では、外部導電構造部は、基板から離れた少なくとも1つの端部領域、好ましくは周囲全体に沿って、1つのパッシべーション層または連続したパッシベーション層により被覆されている。このパッシべーション層は、例えば、基板から離れた位置にある相互接続部において、湿気が集積回路部に入り込むのを防ぐ。
【0016】
別の発展形態では、外部導電構造部は、コンタクト領域を備える外部導電構造部の部分から離れた位置にある内部導電構造部の一方側において、コンタクトゾーンを越えて突出している。この突出部分は、特に10nmよりも大きい。(または、100nmよりも大きい。)エレクトロマイグレーションによる空所を充填する材料の貯蔵所は、このようにして形成される。突出部分は、好ましくは基板から離れた相互接続部より離れた位置でない位置で接続されている。
【0017】
別の発展形態では、外部導電構造部は、絶縁層に隣接する端部領域を少なくとも1つ有する。特に、これは外部導電構造部の端部領域全体である。
【0018】
外部導電構造部のパターン化は、これにより容易に行なうことができる。
【0019】
例えばCMP(化学機械研磨)法を、金属膜を生成する間に用いる場合、境界部分は平坦な領域である。金属膜間の領域を可能な限り平坦化することにより、さらなる処理の過程を単純にすることができる。これは例えば、フォトマスクの露光中の反射を少なくすることができるからである。
【0020】
次の発展形態では、集積回路部の動作中に、主に主要領域に対して法線方向のみに電流を流す構造のみを有する金属膜、すなわち、ビアのみを有する金属膜は、基板から最も離れた位置にある金属膜と基板に近い位置にある金属膜との間に配置されていない。
【0021】
本発明の別の点は、集積回路部、特に本発明の集積回路部、またはそのうちの1つの発展形態の製造方法に関する。上述の効果は、この製造方法に関しても当てはまる。
【0022】
本発明の別の発展形態によれば、基板に近い位置にある金属膜を、最後の平坦化工程を含むダマシン法により生成する。ダマシン法は、特に銅の相互接続部(これに限定されるのではないが)に適している。これに代えて、またはこれに加えて、外部金属層を、層を堆積させ、続いてフォトリソグラフィ法により層をパターン化することによって生成する。この方法は、特にアルミニウム層またはアルミニウムを含む層を生成するのに適している。
【0023】
本発明の例となる実施形態を,以下に添付の図面を参照して説明する。
図1は、銅の導電構造部とアルミニウムのボンディング接続部とを有する、集積回路部の断面図である。
図2は、集積回路部の平面図である。
図3は、集積回路部の製造工程を示す図である。
図4は、本発明を利用していない集積回路部の断面図である。
【0024】
図1は、本発明の集積回路部10を示す図であり、集積回路部10は、例えば、複数の半導体素子を備えた基板(図示せず)、例えばシリコン基板を有する。この基板に続いて、図1に示すように、集積回路部中には、複数の金属膜、すなわち、3つの金属膜12・14・16が存在する。金属膜12は、複数の銅のビアを有し、それぞれのビアが、銅のコア部18と、例えばタンタル、窒化タンタル、窒化チタンまたはこれらの組み合わせからできた導電障壁層とを有する。この導電障壁層は、拡散障壁として働き、接着を促進し、かつ銅の堆積時の方向付けを行なう(線引きの機能)。金属膜12の垂直方向の導電構造部は、例えば、二酸化シリコンなどの絶縁材料20の中に埋め込まれている。
【0025】
金属膜14は、複数の導電構造部、特に垂直方向の導電構造部および相互接続部を有するが、そのうちの、銅のコア部24を有する1つの相互接続部22を、図1に示す。金属膜14は、主に相互接続部の面にあり、しかし、その中にビアも配置されている。銅のコア部24は、その底面と側面とにおいて、障壁層26により囲まれ、この障壁層26は、相互接続部22と結合し、例えば、窒化チタンなどの導電材料から作られている。例えば二酸化シリコンなどの電気的に絶縁を行なう絶縁材料28が、金属膜14の複数の導電構造部、特に複数の相互接続部の間に配置されている。金属膜14は、さらに、任意選択的に、金属膜12に隣接する停止層30を有する。停止層30は、例えば窒化シリコンなどの電気的な絶縁性材料を有し、エッチングの停止を行なう部分、または研磨の停止を行なう部分として機能する。停止層30の厚さは、例えば50nmである。金属膜14の厚さは、全体で、例えば200nm〜5μmの間の値である。
【0026】
金属膜14と金属膜16との間には、平坦な界面部32が設けられ、この界面部32は、導電構造部22の領域において、銅のコア部24に隣接している。金属膜16は、界面部32に接する位置に、任意選択的に、停止層、または、例えば窒化シリコンといった電気的に絶縁性の材料からなる金属パッシベーション層(被膜保護層)34を有する。本実施形態では、停止層の厚さは、50nmである。金属膜16は、この停止層34に隣接した位置で、停止層の材料とは異なる材料でできた電気絶縁層36を有する。導電構造部22上で、電気絶縁層36と停止層34とは、左側切り欠き端部38と右側切り欠き端部40とを有する切り欠き部37により貫通されており、この結果、コンタクト領域B1は覆われていない。
【0027】
別の実施形態では、停止層34のみが用いられている。この場合、電気絶縁層36は、存在しない。
【0028】
切り欠き端部38・40間の距離A1は、導電構造部22の両側壁間の距離A2の倍数になっている。距離A2は、導電構造部22の幅に等しい。本実施形態では、距離A1は90μm(マイクロメーター)である。距離A2は、例えば、15μmである。導電構造部22は、左側切り欠き端部38付近に位置している。金属膜28中で、切り欠き端部38・40を有する切り欠き部の中央部と右側の部分とには、導電構造部、特に相互接続部は存在しない。基板表面に対して垂直方向から見た場合、コンタクト領域と基板との間には、相互接続部、特に銅の相互接続部が直接、配置されていないことが好ましい。
【0029】
金属膜16は、さらに、任意選択的であるが、導電障壁層42の領域を有する。この導電障壁層42は、例えば窒化チタンを含み、厚さは、例えば50nmである。図1において、このような領域は、切り欠き端部38・40を有する切り欠き部37の領域中にある。この領域は、図1に示すように、切り欠き部の底部である界面部32まで伸びると共に、切り欠き部37の側壁まで伸びており、電気絶縁層36と接する切り欠き部37の縁と重なっている。この重なった部分の長さは、例えばそれぞれ300nmである。金属膜16は、さらに、アルミニウム層の複数のアルミニウム構造部を有する。図1には、そのうちの1つのアルミニウム構造部44が示されている。アルミニウム構造部44の層厚さは、例えば、600nm〜1.2μmの間であり、導電障壁層42と同時にパターン化されている。
【0030】
集積回路部10は、さらに、下部電気絶縁層および上部電気絶縁層と共に、電気絶縁層36に隣接する一連の(連続した)被膜保護層を有する。下部電気絶縁層は、例えば二酸化シリコン層46であり、上部電気絶縁層は、例えば窒化シリコン層48である。二酸化シリコン層46と窒化シリコン層48との厚さは、それぞれ、本実施形態では300nmである。
【0031】
コンタクト領域B1の上方では、二酸化シリコン層46と窒化シリコン層48とは、切り欠き部50により貫通されている。この切り欠き部50の両端部間の距離はA3である。本実施形態では、距離A3は60μmであり、切り欠き部50は、例えば長方形または正方形である。例えば、ボンディング接続部52は、この切り欠き部50中に配置されている。
【0032】
図1には、さらに、垂直方向Nが示されている。この方向で、相互接続部22および導電障壁層42のコンタクトゾーンと、切り欠き部50とが、互いに補い合っている。垂直方向Nから見れば、切り欠き部37の底部がさらに、切り欠き部50を完全に覆っている。垂直方向Nは、半導体基板の主要領域に対する垂直方向とも一致している。
【0033】
図2は、集積回路部10の平面図である。同図において、金属膜14から上の層が、透視的に示されている。一方の線は、切り欠き部37の輪郭の位置を示している。切り欠き部37の左側4分の1の下方には、金属膜14中の相互接続部22の半分が配置されている。切り欠き部37は、部分的にのみ、導電構造部22を越えて突出しており、その結果、導電構造部22は、垂直方向および横断方向の電流路として機能している。アルミニウム構造部44が重なっていない相互接続部22の端部には、金属膜12中にビア80がある。他方の線は、アルミニウム構造部44の位置を示している。このアルミニウム構造部44は、その周囲に沿って、切り欠き部37の外側かつ絶縁層36の上方に配置されている。
【0034】
別の実施形態では、切り欠き部37は、全面において導電構造部22を越えて突出しており、その結果、導電構造部22は、ビアの機能を有している(点線81を参照)。
【0035】
さらに別の実施形態では、相互接続部22が、金属膜14中で、切り欠き部37から異なる側へ延びている。金属膜14中で方向を変えることも可能である。
【0036】
図2に示すように、コンタクト領域用の切り欠き部50は、切り欠き部37の底部に完全に重なっている。切り欠き部37は、垂直方向の導電構造部22における長軸方向に、例えば45μm延びている。
【0037】
図2は、さらに、金属膜14の相互接続部82を示している。この相互接続部82は、例えば垂直方向の導電構造部22の縦軸と平行に設けられている。相互接続部82も、同様に銅のコア部分と、拡散障壁とを有する。この相互接続部82は、金属膜14において横方向の電流路として機能している。
【0038】
図3に、集積回路部10の製造方法の工程を示す。この製造方法は、金属膜12の下に、能動的な電子素子と金属膜とを生成し、かつ、金属膜12を生成する工程150から開始する。
【0039】
次の工程152では、金属膜14を、例えばシングルダマシン法により生成する。別の実施形態では、金属膜12・14の代わりに、1つの金属膜を、デュアルダマシン法により生成する、その結果、金属膜は、従来の金属膜16に隣接する相互接続金属膜層と、その下部にある従来のビア金属膜層とを有する。
【0040】
次の工程154で、例えばCMP(化学機械研磨)法を用いて平坦化した金属膜14に、窒化シリコン層34と二酸化シリコン層36とを生成する。次に、工程156で、窒化シリコン層34と二酸化シリコン層36とをパターン化する。二酸化シリコン層36にフォトレジスト層を生成し、選択的に露光させ、現像する。
【0041】
パターン化されたフォトレジスト層を用いて、エッチング法により、二酸化シリコン層36をエッチングするが、この際、特に反応性イオンエッチングを用いる。この場合、切り欠き部37の上部分が生成される。このエッチング操作は、切り欠き部の底部が、窒化シリコン層34に到達し、この窒化シリコン層34がまだ薄くなっていない時点で終了する。続いて、フォトレジスト層の残余部分を取り除く。
【0042】
フォトレジスト層の残余部分を取り除いた後、例えば異方性エッチング法を用いて、切り欠き部37を集積回路部10の内部にまで至らせる。異方性エッチング法により、銅に対して選択的に酸化物と窒化物との両方が取り除かれる。ここで、二酸化シリコン層36と、窒化シリコン層34の覆われていない領域とを薄くする。エッチング操作は、切り欠き部37の底部が、銅のコア部24に到達し、窒化シリコンが銅のコア部24から完全に除去された時点で終了する。この方法において得られるのは、フォトレジスト層のフォトレジストの焼却により、導電部の有効な断面部を小さくする酸化銅が形成されないようにすることである。
【0043】
工程156の後に、導電障壁層42と、アルミニウム構造部44を生成するためのアルミニウム層とを堆積させる(工程158・160参照)。次の工程162で、導電障壁層42とアルミニウム層とを、フォトリソグラフィ法によりパターン化し、アルミニウム構造部44を生成する。
【0044】
次の工程164で、パッシベーションのための二酸化シリコン層46と、窒化シリコン層48とを堆積させる。次に、工程166で、フォトリソグラフィ法により、二酸化シリコン層46と、窒化シリコン層48とをパターン化し、切り欠き部50を生成する。任意選択的ではあるが、例えばポリイミド層を、パッシベーション層に塗布し、二酸化シリコン層46および窒化シリコン層48と同じ工程で、または別の工程で、パターン化しても良い。
【0045】
この製造方法は、工程168で終了する。この工程で、例えば、集積回路部のテストを、コンタクト領域B1を用いて行い、続いて、集積回路部を、ボンディングワイヤ52を用いてコンタクト領域B1を介して接続し、かつ集積回路部を、例えばパッケージに収容する。
【0046】
図1から図3を参照して説明した本実施形態では、2つの金属膜14・16が互いに、界面部32で隣接し、この金属膜は両方とも、集積回路部10の動作時には、横断方向に電流を伝導する相互接続部を有する。従って、垂直方向に電流を伝導する目的のみを有する構造(すなわち、ここではビアと呼ぶ導電構造部)を有する金属膜または金属膜層は、相互接続部を有する金属膜16・14間には存在しない。1つの金属膜の導電構造部を、別の金属膜の導電構造部から絶縁するための絶縁膜も存在していない。
【0047】
別の実施形態では、銅のコア部24と、アルミニウム構造部44との重なり方に変更が加えられている。例えば、切り欠き部37の左側の端部38が、銅のコア部24に接し、または特に主要電流路の外側において、部分的に銅のコア部24中に突出する。アルミニウム構造部44上のパッシベーションも、変更可能である。
【0048】
図4は、切り欠き部37aの端部38aの別の位置を、矢印200で示している。矢印202は、切り欠き部37aの端部40aの別の位置を示す。この場合、切り欠き部37aの底部は、切り欠き部50に対応する切り欠き部50a中のコンタクト領域B1とは重複しない。端部40aすなわち矢印202で示した位置における酸化物段状部分は、相互接続部22aと切り欠き部50aとの間の主要電流路に隣接し、主要電流路を圧縮する。主要電流路は、相互接続部22aを流れる電流の90%を伝導する。電流密度がこの段状部分で増加する。端部40aを、矢印202で示す位置から、図1に示す位置付近に移動することにより、端部40aが図1に示す位置に近づくにつれ、誘電性の段状部分、特に酸化物段状部分における悪影響を、より低減することができる。製造方法は、図1に示す位置付近に移動しても、図4の場合と同じであり、配置のみが代わる。
【0049】
本発明では、矢印200で示した位置に左側の端部38aを設けても良いが、矢印202で印した位置に右側の端部40aを設けることはできない。この理由は、端部38aは、相互接続部22aとコンタクト領域50aとの間で、主要電流路を圧縮することがないからである。
【0050】
相互接続部22aからアルミニウム構造部44aを通って切り欠き部50aに向かって強い電子の流れが生じる際には、位置200では、切り欠き部40aの左側の端部38aは、アルミニウム構造部44aにおけるエレクトロマイグレーションから生じる空洞を充填するための限られた供給貯蔵部のみを構成することができる。この貯蔵部は、部分的に絶縁層36a上に存在する。しかし、端部38aが、相互接続部22aから離れた位置に配置されていれば、アルミニウム貯蔵部は、切り欠き部37a内で設けることができるという利点がある。集積回路部10の電気的特性は、大幅に改善され、特にエレクトロマイグレーションに対する抵抗が改善される。
【0051】
別の実施形態では、コンタクト領域は、テストのみのための領域であり、例えば、20μm×20μmより小さい。一方、外部コンタクト用の接続領域は、40μm×40μmより大きい。
【0052】
上述の外部コンタクトに代えて、他の技術、例えばフリップチップ技術または液体はんだ拡散方法を用いることも可能である。
【0053】
誘電層36中の切り欠き部37の場合は、端部を丸めるための別の方策は実施されず、従って段状部分を丸めるための別の方策は実施しない。それにもかかわらず、段状部分は、主要電流路においては避けることができる。
【0054】
さらに別の実施形態では、外部導電構造部は、主に銅を含み、この銅が研磨方法により平坦化され、切り欠き部37の上端部を越える位置に、銅は重なっていない。
【0055】
さらに別の実施形態では、すべての金属膜は、主にアルミニウムまたは別の適切な材料から作られている。
【0056】
切り欠き部37は、誘電層36中に配置される。この誘電層は、基板から最も離れた位置にあり、誘電層の切り欠き部はフォトリソグラフィによりパターン形成されており、好ましくは完全に組み込まれた導電構造部で充填されている。換言すれば、誘電層36のパターン化の後には、別の誘電層(例えば、フォトリソグラフィにより作られた切り欠き部中に、金属膜の導電構造部が集積されているような誘電層)は存在しない。例えば、パッシベーション層のみが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】銅の導電構造部とアルミニウムのボンディング接続部とを有する、集積回路部の断面図である。
【図2】集積回路部の平面図である。
【図3】集積回路部の製造工程を示す図である。
【図4】本発明を利用していない集積回路部の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性の絶縁層(34,36)の切り欠き部(37)に、少なくとも部分的または全体的に配置された導電性の外部導電構造部(44)と、
前記切り欠き部(37)の一方側である該切り欠き部(37)の底部に配置されると共に、前記切り欠き部(37)の底部のコンタクトゾーンにおいて前記外部導電構造部(44)と隣接する導電性の内部導電構造部(22)と、
前記切り欠き部(37)の他方側において、前記外部導電構造部(44)に配置されたコンタクト領域(B1)とを有し、
前記コンタクトゾーンは、該コンタクトゾーンに隣接する前記内部導電構造部(22)の領域に対する法線方向において、前記コンタクト領域とは重ならず、
前記切り欠き部(37)の底部は、前記法線方向において、前記コンタクト領域の少なくとも半分の領域または前記コンタクト領域の全領域と重なるように配置されている集積接続部(10)。
【請求項2】
前記切り欠き部(37)の端部(38,40)は、前記コンタクト領域(B1)と前記内部導電構造部(22)との間に配置される前記外部導電構造部(44)の主要電流路から距離をおいた位置に配置され、該距離は、好ましくは10nmよりも長く、または100nmよりも長く、
および/または、前記切り欠き部(37)の端部は、前記主要電流路を妨げることなく、
および/または、前記切り欠き部(37)の端部は、前記主要電流路の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の集積接続部(10)。
【請求項3】
前記外部導電構造部(44)は、金属膜(16)において横方向に電流を流すための相互接続部の一部分として機能し、該部分は好ましくは10nmよりも長く、または1μmよりも長く、または10μmよりも長く、または100μmよりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載の集積接続部(10)。
【請求項4】
前記外部導電構造部(44)は、前記コンタクト領域(B1)を有する部分から離れた前記内部導電構造部(22)側において、前記コンタクトゾーンから突出し、特に10nmよりも大きく突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項5】
前記内部導電構造部(22)は、金属膜(14)において横方向に電流を流すための相互接続部をも含む該金属膜(14)の一部分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項6】
前記外部導電構造部(44)は、外部接続部が配置された接続領域、特にボンディング接続部(52)またははんだ接続部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項7】
前記内部導電構造部(22)は、ダマシン法により生成され、
前記内部導電構造部(22)は、好ましくは、銅、または、銅の質量が好ましくは90%よりも大きい銅合金、からなる主要な導電体を含み、
前記外部導電構造部(44)は、アルミニウム、または、アルミニウムの質量が好ましくは90%よりも大きいアルミニウム合金、からなる主要な導電体を含み、
および/または、前記外部導電構造部(44)は、前記コンタクトゾーンにおいて障壁層(42)を含み、該障壁層(42)は、好ましくは、タンタル、またはチタン、または窒化チタン、または窒化タンタル、またはこれらの材料からなる連続した層を有する層、またはこのような連続した層を含む層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項8】
前記外部導電構造部(44)は、前記コンタクト領域の少なくとも1つの端部領域、好ましくは前記コンタクト領域の周囲全体に沿って、1つのパッシべーション層または連続したパッシベーション層(46,48)、特に、二酸化シリコン層(46)と窒化シリコン層(48)とにより被覆されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項9】
前記外部導電構造部(44)は、前記切り欠き部(37)の外側において前記絶縁層(34,36)に隣接する端部領域を少なくとも1つ有し、該端部領域は、好ましくは前記切り欠き部(37)の周囲に広がる端部領域であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項10】
前記コンタクトゾーンは平坦なゾーンであり、
および/または前記集積接続部は、特に複数の集積半導体素子を主要領域に搭載した半導体基板を有する集積回路部(10)に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項11】
集積回路部(10)の動作中に、半導体基板の主要領域に対して法線方向、または該法線方向とは反対の方向にのみ電流を流す構造のみを有する、金属膜または金属膜層が、前記外部導電構造部(44)と前記内部導電構造部(22)との間に配置されていないことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の集積接続部(10)。
【請求項12】
集積回路部(10)、特に請求項1〜11のいずれか1項に記載の集積接続部を有する集積回路部(10)を製造する方法であって、
基板の主要領域に複数の電子素子を形成する工程と、
少なくとも1つの内部導電構造部(22,82)が、前記集積回路部の動作中に前記主要領域に対して平行に電流を流す相互接続部(82)として形成される、複数の内部導電構造部(22,82)を備える内部金属膜(14)を生成する工程と、
複数の外部導電構造部(44)を備える外部金属膜であって、そのうちの少なくとも1つの外部導電構造部(44)がコンタクトゾーンにおいて内部導電構造部(22)に隣接する外部金属膜を、前記内部金属膜(14)に隣接させる工程と
前記外部導電構造部(44)にコンタクト領域(B1)を形成する工程と、が上述の順番に限定されることなく行なわれ、
前記コンタクトゾーンは、該コンタクトゾーンに隣接する内部導電構造部(22)の領域に対する法線方向(N)において、コンタクト領域とは重ならず、
前記コンタクトゾーンは、前記法線方向において、前記コンタクト領域の少なくとも半分の領域または前記コンタクト領域の全領域と重なるように配置される集積回路部(10)の製造方法。
【請求項13】
少なくとも1つの外部導電構造部(44)を、前記集積回路部の動作中に前記主要領域に対して平行に電流を流す相互接続部(44)として形成することを特徴とする請求項12に記載の集積回路部(10)の製造方法。
【請求項14】
前記内部金属膜を、平坦化工程を含むダマシン法により生成し
および/または、外側金属膜(16)を、層の堆積、およびその後のフォトリソグラフィ法による前記層のパターン化により生成することを特徴とする請求項12または13に記載の集積回路部(10)の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−502532(P2007−502532A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523006(P2006−523006)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051569
【国際公開番号】WO2005/020321
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】