説明

電力変換装置

【課題】電力変換を行う複数の半導体素子の温度を正確に検知することができ、これを安価で小型な回路で実現すること。
【解決手段】複数のスイッチング素子35a,35bの温度検出回路100として、各スイッチング素子35a,35bに対応付けられた複数のダイオード122a,122bの各々の電圧発生側に個別に接続され、各々の発生電圧をパルス幅変調により各々デューティが異なるデューティ信号AD,BDに変換する複数のデューティ変換部106a,106bと、これらデューティ変換部106a,106bで変換された各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDを選択する切替スイッチ104と、この切替スイッチ104で各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように制御する制御部110とを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電力変換用の半導体素子を用いて交流モータやモータジェネレータを駆動する電力変換装置に関し、特に半導体素子の温度を温度検出素子で検出する機能を有する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の電力変換装置のように、スイッチング素子などの半導体素子の検出温度をアナログ信号で出力し、これをデジタル信号へ変換した後、マイコン(マイクロコンピュータ)で検出して温度を認識する回路が備わっている。
【0003】
アナログ信号をデジタル信号に変調して出力する手法として、PWM変調(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)と呼ばれる方式が広く知られている。この変調方式は、例えば特許文献2に記載のように三角波もしくは鋸波などの基準波形とアナログ入力信号とのレベルをコンパレータなどで比較してデジタル信号を生成する。又は、A/D(アナログ/デジタル)コンバータによって取得したデジタル値に従ってデューティ信号を生成するデューティ変換手段を用いるなどの方式が一般的である。
【0004】
このようなアナログ/デジタル変換を行う前述の特許文献1の電力変換装置では、インバータの3相電力を出力する半導体素子としてのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)には、温度検出素子としてのダイオードが内蔵されている。このダイオードの電圧をデジタル信号に変換してマイコンへ送出することで、マイコンがIGBTの温度を認識することができ、これによって最適な制御を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−51775号公報
【特許文献2】特開平10−337036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の電力変換装置では、複数のIGBTを並列に接続して使用することがある。この場合、電力変換装置を安全に制御するために、特に高温側のIGBTの温度をマイコンが検知する必要がある。このため、特許文献1では、高温度側のIGBTの温度のみを選択してマイコンへ送出するようになっている。しかし、実際にはダイオード等の温度検出素子の検出特性にばらつきがあるため、単純に温度検出素子の電圧を検出しただけでは、どちらのIGBTの温度が高いのかを正確に判別することができないという問題がある。
【0007】
高温側のIGBTの温度を適正に検知するためには、予め検知誤差が許容範囲内の温度検出素子を選別するか、又は、温度検出素子のばらつきそのものを改善する等の対策が必要であり、これらの対策を実施する場合、コスト高となってしまう問題がある。
【0008】
また、複数のIGBTの温度を正確に認識するために、図1に示すように、2つのアナログ温度信号1,2を各々、個別のデューティ変換手段3,4に入力して各デューティ信号5,6に変換し、これを個別のフォトカプラ7,8を介してマイコン9に入力する構成も考えられる。しかし、このような2系統の信号伝達経路を設けた場合、フォトカプラ7,8が2つになることや、マイコン9への配線領域が増加するため、コストが高くなったり、全体のサイズが大きくなったりする問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電力変換を行う複数の半導体素子の温度を正確に検知することができ、これを安価で小型な回路で実現することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、前記複数の温度検出素子の各々の電圧発生側に個別に接続され、各々の発生電圧をパルス幅変調により各々デューティが異なるデューティ信号に変換する複数のデューティ変換手段と、前記複数のデューティ変換手段で変換された各々デューティの異なるデューティ信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で前記各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように当該選択手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、複数の温度検出素子で個別に検出される複数の半導体素子の温度を示す電圧が、個別にデューティ変換手段で変換された後、選択手段で選択されて1系統の信号伝送経路で伝送される。従って、従来のような複数の温度情報分の系統数の信号伝送経路が不要となるので、信号伝送経路毎の後段に必要であったフォトカプラ等の信号伝達素子や各経路の配線領域を削減することが出来る。これによって半導体素子の温度検出部分の回路を、安価で小型に実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記選択手段の出力側に、この選択手段で選択された前記デューティ信号を伝達する信号伝達素子を介して接続された演算制御手段を備え、この演算制御手段は、前記温度検出素子の特性バラツキを記憶し、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力されるデューティ信号より検知される温度情報を、当該記憶された特性バラツキで補正することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、各半導体素子の温度を正確に検知することが出来る。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記複数の温度検出素子と前記複数のデューティ変換手段との各々の間に、当該複数の温度検出素子の発生電圧を個別に保持して当該デューティ変換手段へ出力する保持手段を接続し、前記制御手段は、前記保持手段で個別に保持された発生電圧が前記複数のデューティ変換手段で変換されたデューティ信号が、交互に選択されて配列され、この配列順の組が同一に複数回繰り返されるように前記選択手段の選択を制御し、前記演算制御手段は、前記選択手段で選択された同一の複数組同士のデューティ信号を比較し、互いの差異が予め定めた基準値以内の場合にのみデューティ信号を前記温度情報の検知に採用することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、温度検出素子の発生電圧にノイズによる影響が生じても、そのノイズが影響したデューティ信号は演算制御手段で温度情報として採用されなくなるので、演算制御手段が温度情報の誤認識を行うことが無くなる。言い換えれば、演算制御手段では適正な温度情報しか採用されないので、温度情報を正確に認識することが出来る。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記複数の温度検出素子と前記複数のデューティ変換手段との各々の間に、当該複数の温度検出素子の発生電圧を個別に保持して当該デューティ変換手段へ出力する保持手段を接続し、前記制御手段は、前記保持手段で個別に保持された発生電圧が前記複数のデューティ変換手段で変換されたデューティ信号が、交互に選択されて配列され、この配列順の組が同一に複数回繰り返されるように前記選択手段の選択を制御し、前記演算制御手段は、前記選択手段で選択された同一の複数組内のデューティ信号の中から、予め定めた基準値を超えるデューティ信号を排除し、排除されないデューティ信号を前記温度情報の検知に採用することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、温度検出素子の発生電圧にノイズによる影響が生じても、そのノイズが影響したデューティ信号は演算制御手段で温度情報として採用されなくなるので、演算制御手段が温度情報の誤認識を行うことが無くなる。言い換えれば、演算制御手段では適正な温度情報しか採用されないので、温度情報を正確に認識することが出来る。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記デューティ変換手段は、一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成する基準波生成手段と、この基準波生成手段で生成された基準波と前記複数の温度検出素子の発生電圧とを比較して当該発生電圧をデューティ信号に変換する複数の演算増幅手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、各デューティ変換手段が1つの基準波をもとにデューティ変換を行うので、この変換動作が同期する。従って、各デューティ変換手段の後段の選択手段で各デューティ信号を例えば交互に選択する際に、同一タイミングで交互に各デューティ信号を先頭から所定周期選択することが出来る。従って、各デューティ信号の同期が取れていない場合に各々のデューティ信号の選択位置が異なり、選択手段からの出力波形が乱れるといった事が無くなる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、前記デューティ変換手段は、前記複数の温度検出素子の発生電圧をオフセットして前記複数の演算増幅手段に出力するレベルシフト手段を更に備え、前記複数の演算増幅手段の何れかが前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を、前記基準波との比較に用いることにより、当該複数の演算増幅手段で変換される各デューティ信号が各々異なるデューティとなるようにすることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、複数の温度検出素子の発生電圧を確実に判別することができ、この判別後に各々異なるデューティのデューティ信号に変換することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、前記デューティ変換手段は、前記基準波生成手段で生成された基準波のレベルをオフセットする第2のレベルシフト手段を更に備え、前記複数の演算増幅手段の何れかが前記第2のレベルシフト手段でオフセットされた基準波を前記発生電圧との比較に用いることにより、当該複数の演算増幅手段で変換される各デューティ信号が各々異なるデューティとなるようにすることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、複数の温度検出素子の発生電圧を、確実に各々異なるデューティのデューティ信号に変換することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、前記基準波生成手段は、前記基準波のピークでピーク信号を生成し、前記制御手段は、前記基準波生成手段で生成されるピーク信号に同期して、前記複数の演算増幅手段からの各々デューティの異なるデューティ信号の選択制御を、前記選択手段に対して行うことを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、複数の演算増幅手段から出力される各々デューティの異なるデューティ信号を選択して演算制御手段へ出力する選択手段の選択動作を、一定に生成されるピーク信号に同期させて行うので、演算制御手段で適正にデューティ信号を取得することが出来る。また、一定に生成されるピーク信号に同期させてデューティ信号の選択を行うので、選択の誤動作を防止することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、前記演算制御手段は、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力される前記デューティ信号の立上りエッジ又は立下りエッジでリセット後にカウント動作を開始するカウンタと、当該立上りエッジ又は当該立下りエッジで当該リセット前にカウンタのカウント値をレジスタ値として保持するレジスタとを備え、前記レジスタに保持されたレジスタ値を用いて前記デューティ信号のデューティを求める演算を含む演算処理を行い、この演算処理を行う演算制御手段のメインループの周期よりも当該デューティ信号の周期が長く設定されていることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、デューティ信号の周期を、演算制御手段のメインループの周期よりも長くしたので、演算制御手段がレジスタ値を読み込んでデューティ信号のデューティを演算する処理を、メインループの中で割り込み無しで行うことが可能となる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、前記複数のデューティ変換手段の何れかは、前記複数の温度検出素子の発生電圧をデューティ信号に変換する際に、当該デューティ信号のデューティ比が100%未満となるように制限することを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、デューティ信号のデューティ比を100%未満とすれば、必ずデューティ信号の立上りエッジ又は立下りエッジが存在するので、演算制御手段でデューティ信号を必ず識別することが可能となる。
【0030】
請求項11に記載の発明は、前記基準波生成手段は、前記基準波として一定の傾斜で立上り立下りを交互に繰り返す三角波を生成すると共に当該三角波の頂点又は最下点で、立ち下げ又は立ち上がる第2のピーク信号を生成し、前記複数の演算増幅手段は、前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を含む前記複数の温度検出素子の発生電圧を、前記三角波と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号を生成し、前記制御手段は、前記複数の演算増幅手段から出力される各々デューティが異なるデューティ信号の内、前記第2のピーク信号をもとに同一のデューティ信号が少なくとも2つ以上連続するように、前記選択手段の選択を制御することを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、同一デューティ信号が少なくとも2つ以上連続するようになっているので、デューティ信号の切替時に、同一「L」又は「H」レベルが連続し、この連続区間で何れのデューティ信号か認識できず、正確なデューティが演算制御手段で求められなくなるといったことを無くすことが出来る。即ち、2つの同一デューティ信号が連続していれば、例えばそれら「H」と「H」との間の「L」区間を検知することができるので、これによって正確にデューティを求めることが出来る。
【0032】
請求項12に記載の発明は、前記基準波生成手段は、前記基準波として立上りと立下りを一定周期で繰り返す鋸波を生成し、前記複数の演算増幅手段は、前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を含む前記複数の温度検出素子の発生電圧を、前記鋸波と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号を生成し、前記制御手段は、前記選択手段で前記各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように当該選択手段を制御することを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、前記各々デューティの異なるデューティ信号が交互に伝送されるので、上記請求項11の三角波を用い同一デューティ信号が少なくとも2つ以上連続する構成に比べ、伝送を高速化することが出来る。
【0034】
請求項13に記載の発明は、前記デューティ変換手段は、前記複数の温度検出素子の発生電圧をパルス幅変調による所定のデューティのデューティ信号に変換する手段に代え、前記複数の温度検出素子の発生電圧の何れかをデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、その変換されたデジタル信号の幅を所定デューティのデューティ信号に変換するカウンタ手段とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、アナログ/デジタル変換手段で複数種類の発生電圧をデジタル信号に変換するので、パルス幅変調によりデューティ信号に変換する手段のようにパルス幅変調を行うための基準波の電圧が変化することが無くなるので、適正なデューティのデューティ信号を得ることができる。
【0036】
請求項14に記載の発明は、直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成する基準波生成手段と、前記複数の温度検出素子の何れかの発生電圧をオフセットして前記複数の演算増幅手段に出力するレベルシフト手段と、このレベルシフト手段でオフセットされた発生電圧と、当該複数の温度検出素子のオフセットされない発生電圧とを選択する選択手段と、この選択手段で選択された発生電圧と、当該基準波生成手段で生成された基準波とを比較して、当該選択手段で交互に選択される発生電圧を各々デューティの異なるデューティ信号に変換する演算増幅手段とを有するデューティ変換手段を備えることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、複数の温度検出素子で個別に検出される複数の半導体素子の温度を示す電圧が、個別にデューティ変換手段で変換された後、1系統の信号伝送経路で伝送される。従って、従来のような複数の温度情報分の系統数の信号伝送経路が不要となるので、信号伝送経路毎の後段に必要であったフォトカプラ等の信号伝達素子や各経路の配線領域を削減することが出来る。これによって半導体素子の温度検出部分の回路を、安価で小型に実現することができる。
【0038】
請求項15に記載の発明は、直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成すると共に当該基準波のピークでピーク信号を生成する基準波生成手段と、この基準波生成手段からの基準波をオフセットするレベルシフト手段と、前記複数の温度検出素子の発生電圧を選択すると共に、前記レベルシフト手段でオフセットされた基準波又はオフセットされていない基準波の何れかを選択し、これら選択動作が前記ピーク信号の入力に応じて同時に行われる選択手段と、この選択手段で選択された発生電圧と、当該オフセット後の基準波又はオフセットされていない基準波とを比較して、当該選択手段で交互に選択される発生電圧を各々デューティの異なるデューティ信号に変換する演算増幅手段とを有するデューティ変換手段を備えることを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、複数の温度検出素子で個別に検出される複数の半導体素子の温度を示す電圧が、個別にデューティ変換手段で変換された後、1系統の信号伝送経路で伝送される。従って、従来のような複数の温度情報分の系統数の信号伝送経路が不要となるので、信号伝送経路毎の後段に必要であったフォトカプラ等の信号伝達素子や各経路の配線領域を削減することが出来る。これによって半導体素子の温度検出部分の回路を、安価で小型に実現することができる。
【0040】
請求項16に記載の発明は、前記デューティ変換手段の出力側に、当該デューティ変換手段からのデューティ信号を伝達する信号伝達素子を介して接続された演算制御手段を備え、この演算制御手段は、前記温度検出素子の特性バラツキを記憶し、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力されるデューティ信号より検知される温度情報を、当該記憶された特性バラツキで補正することを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、各半導体素子の温度を正確に検知することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来の電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図4】第1実施形態の電力変換装置の温度検出回路のマイコンに入力されるデータ信号の配列パターンを示す図である。
【図5】第1実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の第1変形例の構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の第2変形例の構成を示すブロック図である。
【図7】第2変形例の電力変換装置の温度検出回路のマイコンに入力されるデータ信号の配列パターンを示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図10】第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路のマイコンの演算処理を説明するための信号波形図である。
【図11】第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の第1変形例の構成を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の第2変形例の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図14】第3実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図15】第3実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の変形例の構成を示すブロック図である。
【図16】第3実施形態の変形例に係る電力変換装置の温度検出回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【図19】鋸波生成用の基準波生成部の詳細回路構成を示すブロック図である。
【図20】本実施形態の電力変換装置の温度検出回路のデューティ変換部の他の構成を示すブロック図である。
【図21】第2実施形態の電力変換装置の温度検出回路の欠点を説明するための信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
【0044】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【0045】
図2に示す温度検出回路100は、モータジェネレータMGに接続されたスイッチング回路102と、Ach(Aチャンネル)側デューティ変換部(デューティ変換手段)106aと、Bch(Bチャンネル)側デューティ変換部(デューティ変換手段)106bと、切替スイッチ(選択手段)104と、制御部(制御手段)110と、フォトカプラ(信号伝達素子)112と、マイコン(演算制御手段)114と、バッファ116とを備えて構成されている。
【0046】
スイッチング回路102は、図3に示す電力変換装置10に備えられており、電力変換装置10は、コンバータ20と、モータジェネレータMGを駆動制御するインバータ30とを備え、マイコン114により制御されるように構成されている。
【0047】
コンバータ20には、バッテリ40が接続され、バッテリ40はコンバータ20に直流電力を供給すると共に、コンバータ20から回生される直流電力を蓄電する。また、コンバータ20は、バッテリ40から供給された直流電力を昇圧してインバータ30へ出力し、インバータ30から出力された直流電力を降圧してバッテリ40へ出力する。更に、コンバータ20は、コンデンサ23と、リアクトル24と、高圧側の半導体素子である上アーム用のスイッチング素子(電力変換用スイッチング素子)21と、高圧GND(グランド)側の半導体素子である下アーム用のスイッチング素子(電力変換用スイッチング素子)22と、ダイオードD1,D2を含んで構成されている。
【0048】
これら構成要素は、バッテリ40の正極側にコンデンサ23及びリアクトル24の一端が接続され、負極側にコンデンサ23の他端とスイッチング素子22のエミッタ端子が接続されている。スイッチング素子21とスイッチング素子22とは直列に接続されており、リアクトル24の他端は、その間、つまりスイッチング素子21のエミッタ端子及びスイッチング素子22のコレクタ端子に接続されている。
【0049】
上アーム用のスイッチング素子21のコレクタ端子は、インバータ30の一端側に接続されている。下アーム用のスイッチング素子22のエミッタ端子は、インバータ30の他端側に接続されている。スイッチング素子21のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD1が接続され、同様にスイッチング素子22のコレクタ−エミッタ間にもダイオードD2が接続されている。
【0050】
モータジェネレータMGは、インバータ30に接続されており、バッテリ40から供給される電力により駆動する。発電機として働く場合は、交流電力をインバータ30に出力する。
【0051】
インバータ30は、U相、V相及びW相からなり、U相、V相及びW相はコンバータ20に並列に接続され、このコンバータ20によって昇圧された直流電力を三相交流に変換して、モータジェネレータMGに出力する。また、モータジェネレータMGが発電機として働く場合は、モータジェネレータMGから出力される交流電力を直流に変換してコンバータ20に出力する。更に、インバータ30は、コンバータ20との接続側に、蓄電の役割も有するサージ電圧吸収用のコンデンサ31を備えている。
【0052】
インバータ30のU相は、高圧側の半導体素子の上アーム用のスイッチング素子34と高圧GND側の半導体素子の下アーム用のスイッチング素子35とが直列に接続されてなる。同様に、V相は上アーム用のスイッチング素子36と下アーム用のスイッチング素子37、W相は上アーム用のスイッチング素子38と下アーム用のスイッチング素子39が直列に接続されてなる。
【0053】
各スイッチング素子34〜39のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。UVW各相の中間点は、モータジェネレータMGの各相コイル(図示略)の各相端に接続されている。ここで、コンバータ20及びインバータ30にそれぞれ含まれるスイッチング素子は、IGBT等のパワーデバイスが用いられているとする。
【0054】
更に、コンバータ20の各スイッチング素子21,22及びインバータ30の各スイッチング素子34〜39は、上アーム用のスイッチング素子がオンの場合は下アーム用のスイッチング素子がオフ、上アーム用のスイッチング素子がオフの場合は下アーム用のスイッチング素子がオンとなるように、マイコン114でスイッチング制御(オン/オフ制御)される。
【0055】
この電力変換装置10によれば、制御部11によるコンバータ20の各スイッチング素子21,22及びインバータ30の各スイッチング素子34〜39のスイッチング制御によって、バッテリ40の直流電力がコンバータ20で昇圧されてインバータ30で三相交流に変換され、この三相交流でモータジェネレータMGが駆動される。一方、モータジェネレータMGが発電機として働く場合は、モータジェネレータMGから出力される交流電力がインバータ30で直流電力に変換され、更にコンバータ20で降圧されてバッテリ40に回生される。
【0056】
ところで、電力変換装置10のインバータ30の各スイッチング素子34〜39は、詳細には、スイッチング素子35に代表して破線枠102で囲むように、図2に示す構成のスイッチング回路102となっている。
【0057】
スイッチング回路102は、モータジェネレータMGとアース(グランド)間に並列接続された2つのスイッチング素子35a,35bと、これらスイッチング素子35a,35bに個別に対応付けられて一点鎖線枠120a,120bで示すように1パッケージ化された温度検出素子としての2つのダイオード122a,122bと、各ダイオード122a,122bのアノード側に個別に接続された2つの定電流回路124a,124bと、これら定電流回路124a,124bに電流を供給する電源126と、各スイッチング素子35a,35bの各々のベース端とバッファ116との間に接続された2つの抵抗器Ra,Rbとを備えて構成されている。但し、電源126は、コンバータ20を介したバッテリ40である。
【0058】
ここで、一方のダイオード122aをAch側、他方のダイオード122bをBch側と定義する。Ach側のダイオード122aには、スイッチング素子35aの温度に応じた量の電流が定電流回路124aから流れ、Bch側のダイオード122bには、スイッチング素子35bの温度に応じた量の電流が定電流回路124bから流れるようになっている。Ach側のダイオード122aのアノード端はAch側デューティ変換部106aに配線接続され、Bch側のダイオード122bのアノード端はBch側デューティ変換部106bに配線接続されている。
【0059】
Ach側デューティ変換部106aは、Ach側の発生電圧であるアナログ信号をPWM変調してデューティが0〜49%のAchのデューティ信号(デジタル信号)ADに変換し、これを切替スイッチ104の一方の入力端へ出力する。Bch側デューティ変換部106bは、Bch側の発生電圧であるアナログ信号をPWM変調してデューティが51〜100%のBchのデューティ信号(デジタル信号)BDに変換し、これを切替スイッチ104の他方の入力端へ出力する。つまり、Achのデューティ信号ADとBchのデューティ信号BDとは、デューティが異なる固有の信号となっている。図4(a)にAchのデューティ信号AD及びBchのデューティ信号BDの一例を示す。
【0060】
切替スイッチ104は、Ach又はBchのデューティ信号AD又はBDを、制御部110の制御に応じて図4(a)に示すように交互に選択してフォトカプラ112へ出力する。これによってAch又はBchのデューティ信号AD又はBDが交互に配列されるデータ信号DSが、フォトカプラ112を介してマイコン114へ出力される。
【0061】
マイコン114は、データ信号DSの信号配列から異なるデューティを検出してAchのデューティ信号AD又はBchのデューティ信号BDを検出し、この検出したデューティ信号AD,BDから半導体素子であるスイッチング素子35a,35bの温度を検知する。この検知に応じてバッファ116を介してスイッチング素子35a又は35bが所定の温度以下となるように制御する。
【0062】
ここで、温度検出素子であるダイオード122a,122bには、製造時の特性バラツキがあり、このため、検出温度情報であるデューティ信号AD,BDも誤差を含むことになる。そこで、マイコン114に予めダイオード122a,122bの特性バラツキ、例えばダイオード122aは出力特性に3%のバラツキ、ダイオード122bは5%のバラツキがあることを記憶しておき、Achのデューティ信号ADから検知される温度情報に対して3%の補正を行い、Bchのデューティ信号BDから検知される温度情報に対して5%の補正を行う。
【0063】
このような第1実施形態の電力変換装置10は、複数のスイッチング素子35a,35bの温度検出回路100として、各スイッチング素子35a,35bに対応付けられた複数のダイオード122a,122bの各々の電圧発生側に個別に接続され、各々の発生電圧をパルス幅変調により各々デューティが異なるデューティ信号AD,BDに変換する複数のデューティ変換部106a,106bと、これらデューティ変換部106a,106bで変換された各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDを選択する切替スイッチ104と、この切替スイッチ104で各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように当該切替スイッチ104を制御する制御部110とを備えて構成した。
【0064】
これによって、複数のダイオード122a,122bで個別に検出される複数のスイッチング素子35a,35bの温度を示す電圧が、個別に各デューティ変換部106a,106bで変換された後、切替スイッチ104で選択されて1系統の信号伝送経路で伝送される。従って、従来のような複数の温度情報分の系統数の信号伝送経路が不要となるので、信号伝送経路毎の後段に必要であったフォトカプラ等の信号伝達素子や各経路の配線領域を削減することが出来る。これによって電力変換装置10おけるスイッチング素子35a,35bの温度検出回路100を、安価で小型に実現することができる。
【0065】
また、切替スイッチ104の出力側に、フォトカプラ112を介して接続された演算制御手段としてのマイコン114は、各ダイオード122a,122bの特性バラツキを記憶し、切替スイッチ104からフォトカプラ112を介して入力されるデューティ信号より検知される温度情報を、その記憶された特性バラツキで補正する。これによって、各ダイオード122a,122bの温度を正確に検知することが出来る。
【0066】
また、図5に示す温度検出回路100−1のように、各ダイオード122a,122bと各デューティ変換部106a,106bとの間に、ダイオード122a,122b毎の発生電圧を保持する保持手段としてのホールド部130a,130bを接続してもよい。各ホールド部130a,130bは、制御部110の保持制御によって各ダイオード122a,122bからの発生電圧を保持し、この保持された電圧をデューティ変換部106a,106bへ出力し、また、解除制御によってその保持を解除する。
【0067】
各ホールド部130a,130bがAchの発生電圧とBchの発生電圧を保持して出力している間は、各デューティ変換部106a,106bにおいて同一電圧がデューティ信号AD,BDに変換されて切替スイッチ104へ出力されることになる。そこで、制御部110は、図4(b)に示すように、Achのデューティ信号201及びBchのデューティ信号202の組が同一順序で例えば2組、フォトカプラ112を介してマイコン114へ出力されるように切替スイッチ104を制御する。
【0068】
この後、制御部110は、各ホールド部130a,130bの保持を一旦解除し、再度保持制御によって各ダイオード122a,122bからの新たな発生電圧を保持させる。そして、図4(b)に示すように、Achのデューティ信号211及びBchのデューティ信号212の組が同一順序で例えば2組、フォトカプラ112を介してマイコン114へ出力されるように切替スイッチ104を制御する。なお、この制御は、図4(c)に示すようにAchとBchとが逆になるように行ってもよい。
【0069】
このように制御すれば次のような効果が得られる。インバータ30などの大電力を扱う装置においては、ノイズによる影響で正確にデータ信号を読み込めない場合がある。特にここで扱うデューティ信号はノイズによって波形が崩れると温度情報が変化してしまう。
【0070】
そこで、上述の図4(b)又は(c)に示したように、同一デューティ信号を少なくとも2回送信し、マイコン114でその2回のデューティ信号の読み取り値(温度値)を比較して、双方の差異が予め定めた基準値以内の場合のみ読み取り値(温度値)を採用するようにする。又は、同一データ信号が3回以上送信された場合は、それら読み取り値の内、多数を占める読み取り値のみを有効にする。更には、同一データ信号が3回以上送信された場合に、それら読み取り値の内、予め定めた基準値を超える読み取り値を排除し、残りの読み取り値を有効にする。
【0071】
これらのようにすれば、ダイオード122a,122bの発生電圧にノイズによる影響が生じても、そのノイズが影響したデータ信号としてのデューティ信号はマイコン114で温度情報として採用されないので、誤認識が生じることは無くなる。また、マイコン114では適正な温度情報しか採用されないので、温度情報を正確に認識することが出来る。
【0072】
また、上記では、温度検出素子としてのダイオード122a,122bが2つの構成を示したが、図6に示すように、ダイオード122cが1つ追加された3つの構成の場合でも上述同様に効果を得ることが出来る。即ち、3つの構成の場合、バッファ116の出力側に抵抗器Rcを介して接続されたスイッチング素子35cに、一点鎖線枠120cで示すようにCch側のダイオード122cが対応付けられて1パッケージ化されており、そのCch側のダイオード122bのアノード端が、Cch側デューティ変換部106cに配線接続されている。更に、各デューティ変換部106a,106b,106cが3入力タイプの切替スイッチ104−1に接続されている。
【0073】
但し、この構成の場合、各デューティ変換部106a〜106cは各々異なるデューティのデューティ信号AD,BD,CDとなるようにPWM変調を行う。例えば、Ach側デューティ変換部106aはAch側の発生電圧をデューティが0〜33%のAchのデューティ信号ADとなるようにPWM変調し、Bch側デューティ変換部106bはBch側の発生電圧をデューティが34〜66%のBchのデューティ信号BDとなるようにPWM変調し、Cch側デューティ変換部106cはCch側の発生電圧をデューティが67〜100%のCchのデューティ信号CDとなるようにPWM変調する。
【0074】
このような構成の温度検出回路100−2では、図7(a)〜(c)に示すように、Achのデューティ信号AD、Bchのデューティ信号BD、Cchのデューティ信号CDが、AD、BD及びCD、又は、AD、CD及びBD、又は、CD、BD及びADの順で配列されて、フォトカプラ112を介してマイコン114へ出力される。
【0075】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【0076】
図8に示す温度検出回路100−3は、複数の発生電圧を異なるデューティのデューティ信号に変換するデューティ変換部106を、オペアンプによるコンパレータ(演算増幅手段)106a1,106b1と、コンパレータ106b1の非反転入力端「+」とBch側のダイオード122bのアノード側との間に接続されたレベルシフト部106jと、基準波としての図9(b)に示す鋸波J1を生成する基準波生成部106kとを用いてPWM変調するように構成したものである。
【0077】
レベルシフト部106jは、Bch側の発生電圧のレベルを、図9(b)に示すようにAch側の発生電圧のレベルよりも高くオフセット(レベルシフト)し、且つコンパレータ106―1,106−2でそのAch側又はBch側のレベルと鋸波J1とを比較してAch及びBchのデューティ信号AD,BDを生成した際に、Achのデューティ信号ADのデューティが0〜49%の範囲となり、Bchのデューティ信号BDのデューティが51〜100%の範囲となるようにオフセットする。
【0078】
一方のコンパレータ106a1は、非反転入力端「+」がAch側のダイオード122aのアノード側に接続され、反転入力端「−」が基準波生成部106bの鋸波J1の生成端に接続され、出力端が切替スイッチ104の一方の入力端に接続されている。
【0079】
他方のコンパレータ106b1は、非反転入力端「+」がレベルシフト部106jの出力端に接続され、反転入力端「−」が基準波生成部106bの鋸波J1の生成端に接続され、出力端が切替スイッチ104の他方の入力端に接続されている。
【0080】
基準波生成部106kは、鋸波J1を生成する他に、鋸波J1の立下りエッジで図9(c)に示す細長く立上るパルス状のピーク信号P1を生成し、これを制御部110へ出力するようになっている。
【0081】
制御部110は、ピーク信号P1を基準に、図9(d)に示す切替制御信号K1を切替スイッチ104へ出力する。つまり、時刻t1の鋸波J1の頂点(ピーク)によりピーク信号P1が生成され、このピーク信号P1によって切替制御信号K1が立ち上がり、これに応じて切替スイッチ104がAchのデューティ信号ADを選択する側に切り替わる。また、鋸波J1はピークから「L」まで瞬時に立ち下がって、再度徐々に右肩上がりで立上りコンパレータ106a1の反転入力端「−」に供給される。この鋸波J1の供給によってコンパレータ106a1からのAchのデューティ信号ADが「H」となる。
【0082】
その徐々に立上る鋸波J1のレベルが、時刻t2において、コンパレータ106a1の非反転入力端「+」に供給されているAch側の発生電圧レベルを超えると、コンパレータ106a1からのAchのデューティ信号ADが「H」から「L」に立ち下がる。
【0083】
更に、鋸波J1のレベルが徐々に高くなって時刻t3でピークになると、ピーク信号P1が生成され、このピーク信号P1で切替スイッチ104がBchのデューティ信号BDを選択する側に切り替わる。また、鋸波J1はピークから「L」まで瞬時に立ち下がって、再度徐々に右肩上がりで立上りコンパレータ106b1の反転入力端「−」に供給される。この鋸波J1の供給によってコンパレータ106b1からのBchのデューティ信号BDが「H」となる。
【0084】
その徐々に立上る鋸波J1のレベルが、時刻t4において、コンパレータ106b1の非反転入力端「+」に供給されているBch側の発生電圧レベルを超えると、コンパレータ106b1からのBchのデューティ信号BDが「H」から「L」に立ち下がる。
【0085】
更に、鋸波J1のレベルが徐々に高くなって時刻t5でピークになると、ピーク信号P1が生成され、このピーク信号P1で切替スイッチ104がAchのデューティ信号ADを選択する側に切り替わる。以降、時刻t1〜t5と同様な動作が繰り返される。
【0086】
次に、図9(a)に示すデータ信号DSがフォトカプラ112を介してマイコン114に入力された場合の演算処理について説明する。そのデータ信号DSを図10(a)にも示す。
【0087】
マイコン114は、図示せぬタイマカウンタと、第1及び第2のレジスタとを内蔵している。図10(b)にタイマカウンタのカウント値TC、(c)に第1のレジスタの第1レジスタ値RT1、(d)に第2のレジスタの第2レジスタ値RT2を示す。
【0088】
タイマカウンタは、データ信号DSの立上りエッジ又は立下りエッジでカウント値TCをリセットし、データ信号DSの「L」又は「H」の区間をゼロからカウントする。第1のレジスタは、データ信号DSの立下りエッジでカウント値TCを取得し、これを第1レジスタ値RT1として保持する。第2のレジスタは、データ信号DSの立上りエッジでカウント値TCを取得し、これを第2レジスタ値RT2として保持する。
【0089】
例えば、図10の時刻t1においてAchのデューティ信号adが立ち下がると、この立下りエッジでタイマカウンタのAchのデューティ信号ADの「H」区間のカウント値TCである「A1」が第1レジスタ値RT1として保持され、この保持後にカウント値「A1」がリセットされる。そして、タイマカウンタはAchのデューティ信号ADの「L」区間をカウントする。時刻t2においてBchのデューティ信号BDが立上ると、この立上りエッジでAchのデューティ信号ADの「L」区間のカウント値TCの「A2」が第2レジスタ値RT2として保持され、この保持後にカウント値TCがリセットされる。そして、タイマカウンタはBchのデューティ信号BDの「H」区間をカウントする。
【0090】
次に、時刻t3においてBchのデューティ信号BDが立ち下がると、この立下りエッジでBchのデューティ信号BDの「H」区間のカウント値「B1」が第1レジスタ値RT1として保持され、この保持後にタイマカウンタのカウント値「B1」がリセットされる。そして、タイマカウンタはBchのデューティ信号BDの「L」区間をカウントする。時刻t4においてAchのデューティ信号ADが立上ると、この立上りエッジでBchのデューティ信号BDの「L」区間のカウント値TCの「B2」が第2レジスタ値RT2として保持され、この保持後にタイマカウンタのカウント値「B2」がリセットされる。そして、タイマカウンタはAchのデューティ信号ADの「H」区間をカウントする。
【0091】
次に、時刻t5においてAchのデューティ信号ADが立ち下がると、この立下りエッジでAchのデューティ信号ADの「H」区間のカウント値「A1」が第1レジスタ値RT1として保持され、この保持後にタイマカウンタのカウント値「A1」がリセットされる。以降、この時刻t1〜t5の動作が繰り返される。
【0092】
また、マイコン114は、上記のように第1及び第2のレジスタに保持した第1及び第2レジスタ値RT1,RT2を用いて、Achのデューティ信号AD及びBchのデューティ信号BDの各デューティを演算する。Achのデューティ信号ADのデューティADDは、A1/(A1+A2)によって演算される。Bchのデューティ信号BDのデューティBDDは、B1/(B1+B2)によって演算される。
【0093】
このようにマイコン114が第1及び第2レジスタ値RT1,RT2を読み込み、デューティを演算するタイミングは、Ach及びBchのデューティ信号AD,BDの立下りエッジ又は立上りエッジで割り込みをかけて演算処理する方法も考えられる。この方法であれば、確実に全部のカウント値TCを取得することができるが、割り込み処理が入るとマイコン114の本来の処理が遅延してしまうことがある。
【0094】
そこで、第1及び第2レジスタ値RT1,RT2の更新が必ずデューティ信号AD,BDの基本周期Dcy(図10参照)よりも長い時間になることに着目し、その基本周期Dcyをマイコン114のメインループの時間よりも長く設定した。このように設定することで、マイコン114が第1及び第2レジスタ値RT1,RT2を読み込んで、Ach及びBchのデューティ信号AD,BDのデューティを演算する処理を、メインループの中で割り込み無しで行うことが可能となる。
【0095】
また、図11に示すように、ダイオード122cが1つ追加された3つ以上の構成の場合は、デューティ変換部106−1において、コンパレータも符号106a1,106b1,106c1で示すように3つ備え、これらコンパレータ106a1,106b1,106c1の非反転入力端「+」と、各ダイオード122a〜122cのアノード側との間に、レベルシフト部106j1を接続してもよい。
【0096】
このレベルシフト部106j1は、Ach側〜Cch側の発生電圧を各々異なるレベルにオフセットさせて、各コンパレータ106a1,106b1,106c1の非反転入力端「+」へ出力させる。従って、各コンパレータ106a1,106b1,106c1は、レベルシフト部106mでオフセットされた個々の電圧と鋸波J1とを比較して当該個々の電圧を各々異なるデューティのデューティ信号AD,BD,CDに変換する。
【0097】
このように第2実施形態の電力変換装置は、温度検出回路100−3又は100−4において、デューティ変換部106が、鋸波J1を生成する基準波生成部106kと、その鋸波J1と各チャンネルのダイオード122a,122bの発生電圧とを比較して当該発生電圧をデューティ信号AD,BDに変換する複数のコンパレータ106a1,106b1と、何れかの発生電圧をオフセットしてコンパレータ106a1,106b1に出力するレベルシフト部106jとを備える。そして、何れかのコンパレータ106b1がレベルシフト部106jでオフセットされた発生電圧を、鋸波J1との比較に用いることにより、各コンパレータ106a1,106b1で変換される各デューティ信号AD,BDが各々異なるデューティとなるようにした。
【0098】
これによって、複数のダイオード122a,122bの発生電圧を確実に判別することができ、この判別後に各々異なるデューティのデューティ信号AD,BDに変換することができる。
【0099】
また、各コンパレータ106a1,106b1が1つの基準波である鋸波J1をもとにデューティ変換を行うので、この変換動作が同期する。従って、各コンパレータ106a1,106b1の後段の切替スイッチ104で各デューティ信号AD,BDを例えば交互に選択する際に、同一タイミングで交互に各デューティ信号AD,BDを先頭から所定周期選択することが出来る。従って、各デューティ信号AD,BDの同期が取れていない場合に各々のデューティ信号AD,BDの選択位置が異なり、切替スイッチ104からの出力波形が乱れるといった事が無くなる。
【0100】
また、基準波生成部106kが、鋸波J1のピークでパルス状のピーク信号P1を生成し、制御部110が、そのピーク信号P1に同期して、複数のコンパレータ106a1,106b1からの各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDの選択制御を、切替スイッチ104に対して行うようにした。
【0101】
これによって、複数のコンパレータ106a1,106b1から出力される各々デューティの異なるデューティ信号を選択してマイコン114へ出力する切替スイッチ104の選択動作を、一定に生成されるピーク信号P1に同期させて行うので、マイコン114で適正にデューティ信号を取得することが出来る。また、一定に生成されるピーク信号P1に同期させてデューティ信号AD,BDの選択を行うので、選択の誤動作を防止することができる。
【0102】
また、図8に示した温度検出回路100−3の他に、この応用例である図12に示す温度検出回路100−5のように、デューティ変換部106−3が、基準波生成部106kと、複数のコンパレータ106a1,106b1と、基準波生成部106kで生成された鋸波J1のレベルをオフセットするレベルシフト部106j2(第2のレベルシフト手段)とを備える。そして、何れかのコンパレータ106a1がレベルシフト部106j2でオフセットされた鋸波J1を、Ach側の発生電圧との比較に用いることにより、複数のコンパレータ106a1,106b1で変換される各デューティ信号が各々異なるデューティとなるようにしてもよい。これによって、複数のダイオード122a,122bの発生電圧を、確実に各々異なるデューティのデューティ変換部106a,106bに変換することができる。
【0103】
また、マイコン114は、切替スイッチ104から信号伝達素子を介して入力されるデューティ信号AD,BDの立上りエッジ又は立下りエッジでリセット後にカウント動作を開始するタイマカウンタと、当該立上りエッジ又は立下りエッジで当該リセット前にタイマカウンタのカウント値TCを第1及び第2レジスタ値RT1,RT2として保持するレジスタとを備え、レジスタに保持された第1及び第2レジスタ値RT1,RT2を用いてデューティ信号AD,BDのデューティを求める演算を含む演算処理を行う。本実施形態では、その演算処理を行うマイコン114のメインループの周期よりも、当該デューティ信号AD,BDの周期を長く設定した。
【0104】
従って、デューティ信号AD,BDの周期を、マイコン114のメインループの周期よりも長くしたので、マイコン114がレジスタ値を読み込んでデューティ信号AD,BDのデューティを演算する処理を、メインループの中で割り込み無しで行うことが可能となる。
【0105】
また、デューティ変換部106〜106−3は、複数チャンネルの発生電圧をパルス幅変調によりデューティ信号AD,BDに変換する際に、当該デューティ信号AD,BDのデューティ比が100%未満となるように制限する。
【0106】
このようにすれば、デューティ信号AD,BDの立上りエッジ又は立下りエッジが必ず存在するので、マイコン114でデューティ信号AD,BDを必ず識別することが可能となる。
【0107】
(第3実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【0108】
図13に示す温度検出回路100−6は、複数の発生電圧を異なるデューティのデューティ信号に変換するデューティ変換部106−4を、コンパレータ106a1,106b1と、コンパレータ106b1の非反転入力端「+」とBch側のダイオード122bのアノード側との間に接続されたレベルシフト部106jと、基準波としての図14(b)に示す三角波J2を生成する基準波生成部106mとを用いてPWM変調するように構成したものである。
【0109】
レベルシフト部106jは、Bch側の発生電圧のレベルを、図14(b)に示すようにAch側の発生電圧のレベルよりも低くオフセットし、且つコンパレータ106―1,106−2でそのAch側又はBch側のレベルと三角波J2とを比較してAch及びBchのデューティ信号AD,BDを生成した際に、Achのデューティ信号ADのデューティが0〜49%の範囲となり、Bchのデューティ信号BDのデューティが51〜100%の範囲となるようにオフセットする。
【0110】
基準波生成部106mは、三角波J2を生成する他に、図14(c)に示すように、三角波J2の最下点(下ピークとも称す)で立上り、頂点(上ピークとも称す)で立下る矩形状のピーク信号(第2のピーク信号)P2を生成し、これを制御部110へ出力するようになっている。
【0111】
制御部110は、ピーク信号P2を基準に、図14(d)に示す切替制御信号K2を切替スイッチ104へ出力する。つまり、時刻t1のピーク信号P2の立上りエッジによって切替制御信号K2が立上り、これに応じて切替スイッチ104がAchのデューティ信号ADを選択する側に切り替わり、これによってデューティ信号ADがデータ信号DS1としてフォトカプラ112を介してマイコン114へ出力される。
【0112】
その後、各コンパレータ106a1,106b1の反転入力端「−」に供給される三角波J2が、時刻t1から徐々に右肩上がりで立上って非反転入力端「+」に供給されているAch側の発生電圧のレベルを時刻t2において上回ると、コンパレータ106a1から出力されているAchのデューティ信号ADが、「L」から「H」に立上る。
【0113】
三角波J2が時刻t3で上ピークとなると、ピーク信号P2が立ち下がる。更に、三角波J2が上ピークから立ち下がって時刻t4においてAch側の発生電圧を下回ると、Achのデューティ信号ADが「H」から「L」へ立ち下がる。更に三角波J2が時刻t5で下ピークになるとピーク信号P2が立ち上がり、その後、時刻t5〜t9において時刻t1〜t4と同様な動作を行うことにより所定デューティのAchのデューティ信号ADが切替スイッチ104で選択される。つまり、時刻t1〜t9において同じデューティのデューティ信号ADが2つ連続してマイコン114へ出力される。
【0114】
次に、時刻t9のピーク信号P2の立下りエッヂによって切替制御信号K2が立下り、これに応じて切替スイッチ104がBchのデューティ信号BDを選択する側に切り替わり、これによってデューティ信号BDがデータ信号DS1としてフォトカプラ112を介してマイコン114へ出力される。
【0115】
その後、三角波J2が、時刻t9から徐々に右肩上がりで立上ってレベルシフト部106jでオフセットされたBch側の発生電圧のレベルを時刻t10において上回ると、コンパレータ106b1から出力されているBchのデューティ信号BDが、「L」から「H」に立上る。
【0116】
三角波J2が時刻t11で上ピークとなると、ピーク信号P2が立ち下がる。更に、三角波J2が上ピークから立ち下がって時刻t12において、オフセット後のBch側の発生電圧を下回ると、Bchのデューティ信号BDが「H」から「L」へ立ち下がる。更に三角波J2が時刻t13で下ピークになるとピーク信号P2が立ち上がり、その後、時刻t13〜t17において時刻t9〜t13と同様な動作を行うことにより所定デューティのBchのデューティ信号BDが切替スイッチ104で選択される。つまり、時刻t9〜t17において同じデューティのデューティ信号BDが2つ連続してマイコン114へ出力される。以降、時刻t1〜t17と同様な動作が繰り返される。
【0117】
このように同じチャンネルのデューティ信号AD又はBDが2つ連続するようにしたのは次の理由による。例えば時刻t9に示すAchのデューティ信号ADからBchのデューティ信号BDへの切替タイミングでは、同じ「L」レベルで切り替わるので、マイコン114でその切替タイミングが判別できない。この場合、Ach又はBchの「L」が正確に検知できないので、Ach又はBchのデューティを正確に検知でき無くなる。
【0118】
そこで、時刻t9〜t17に示すように、連続する2つのBchのデューティ信号BDの「H」と「H」との間の「L」区間を検知し、これをデューティ演算に用いれば正確にBchのデューティを求めることが出来る。Ach側も同様である。
【0119】
このように第3実施形態の電力変換装置は、温度検出回路100−6において、基準波生成部106mが基準波として一定の傾斜で立上り立下りを交互に繰り返す三角波J2を生成すると共に三角波J2の頂点又は最下点で、立ち下げ又は立ち上がる第2のピーク信号P2を生成する。複数のコンパレータ106a1,106b1が、レベルシフト部106jでオフセットされた発生電圧を含む複数のダイオード122a,122bの発生電圧を、三角波J2と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号AD,BDを生成する。そして、制御部110が、各コンパレータ106a1,106b1から出力される各々デューティが異なるデューティ信号AD,BDの内、ピーク信号P2をもとに同一のデューティ信号AD又はBDが少なくとも2つ以上連続するように、切替スイッチ104の選択を制御するようにした。
【0120】
これによって、第1及び第2実施形態と同様な効果を得ることができる。また、デューティ信号AD又はBDの同一チャンネルが少なくとも2つ以上連続するようになっているので、デューティ信号AD,BDのチャンネル切替時に、同一「L」又は「H」レベルが連続し、この連続区間で何れのデータ信号か認識できず、正確なデューティがマイコン114で求められなくなるといったことを無くすことが出来る。即ち、2つの同一チャンネル(例えばAch)のデューティ信号ADが連続していれば、その「H」と「H」との間の「L」区間を検知することができるので、これによって正確にマイコン114でデューティを求めることが出来る。
【0121】
この他、図15に示す温度検出回路100−7のように、ダイオード122aとコンパレータ106a1の非反転入力端「+」との間に保持手段としてのホールド部130aを、ダイオード122bとレベルシフト部106jとの間にホールド部130bを接続してもよい。
【0122】
各ホールド部130a,130bは、図16に示すように制御部110の切替制御信号K3による保持制御によって、切替制御信号K3がピーク信号P2の4周期分の「H」の場合にダイオード122aからのAch側の発生電圧を保持し、この保持された電圧をデューティ変換部106a1へ出力する。また、切替制御信号K3がピーク信号P2の4周期分の「L」の場合にダイオード122bからのBch側の発生電圧を保持し、この保持された電圧をレベルシフト部106jを介してデューティ変換部106bへ出力する。
【0123】
このように制御すれば次のような効果が得られる。インバータ30などの大電力を扱う装置においては、ノイズによる影響で正確にデータ信号を読み込めない場合がある。特にここで扱うデューティ信号はノイズによって波形が崩れると温度情報が変化してしまう。
【0124】
そこで、Ach側又はBch側の発生電圧をホールドして、このホールドされた発生電圧に基づく同一デューティ信号を複数回づつ送信し、マイコン114でその複数回のデューティ信号の読み取り値(温度値)を比較して、双方の差異が予め定めた基準値以内の場合のみ読み取り値(温度値)を採用するようにする。又は、同一データ信号が3回以上送信された場合は、それら読み取り値の内、多数を占める読み取り値のみを有効にする。更には、同一データ信号が3回以上送信された場合に、それら読み取り値の内、予め定めた基準値を超える読み取り値を排除し、残りの読み取り値を有効にする。
【0125】
これらのようにすれば、ダイオード122a,122bの発生電圧にノイズによる影響が生じても、そのノイズが影響したデータ信号としてのデューティ信号はマイコン114で温度情報として採用されないので、誤認識が生じることは無くなる。また、マイコン114では適正な温度情報しか採用されないので、温度情報を正確に認識することが出来る。
【0126】
ところで、図8に示したように上記第2実施形態の温度検出回路100−3は、基準波生成部106kが鋸波J1を生成し、各コンパレータ106a1,106b1がレベルシフト部106jでオフセットされた発生電圧を含む複数チャンネルの発生電圧を、鋸波J1と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号AD,BDを生成する。そして、制御部110が図9(a)のように各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDが交互に選択されるように切替スイッチ104を制御する。
【0127】
従って、第2実施形態の温度検出回路100−3の構成の場合、各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDが交互に伝送されるので、第3実施形態の三角波J2を用い同一デューティ信号が少なくとも2つ以上連続する構成に比べ、伝送を高速化することが出来る。
【0128】
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【0129】
図17に示す第4実施形態の温度検出回路100−8が、図2に示した第2実施形態の温度検出回路100−3と異なる点は、切替スイッチ104及び制御部110を無くし、デューティ変換部106−5を次のように構成したことにある。即ち、デューティ変換部106−5は、レベルシフト部106jと、2入力タイプの切替スイッチ105と、コンパレータ106abと、鋸波J1及びピーク信号P1を生成する基準波生成部106kとを備え、Ach側のダイオード122aのアノードを切替スイッチ105の一方の入力端に接続し、切替スイッチ105の出力端をコンパレータ106abの非反転入力端「+」に接続し、また、Bch側のダイオード122bのアノードを切替スイッチ105の他方の入力端に接続し、更に、コンパレータ106abの出力端をフォトカプラ112に接続した。更に、基準波生成部106kの鋸波J1がコンパレータ106abの反転入力端「−」に供給され、ピーク信号P1が切替スイッチ105の制御端に供給されるようにした。
【0130】
このような構成によれば、Ach側の発生電圧又はレベルシフト部106jによりオフセットされたBch側の発生電圧が、ピーク信号P1に応じて切り替わる切替スイッチ105によって選択される。この選択されたAch側又はBch側の発生電圧が非反転入力端「+」に供給され、この供給時に反転入力端「−」に供給される鋸波J1によって、各々デューティの異なるデューティ信号AD,BDに変換される。この変換されたデューティ信号AD,BDがフォトカプラ112へ出力される。
【0131】
このような第4実施形態の電力変換装置の温度検出回路100−8によっても、第2実施形態と同様な効果を得ることが出来る。
【0132】
(第5実施形態)
図18は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の温度検出回路の構成を示すブロック図である。
【0133】
図18に示す第4実施形態の温度検出回路100−9が、図12に示した第2実施形態の応用例の温度検出回路100−5と異なる点は、切替スイッチ104及び制御部110を無くし、デューティ変換部106−6を次のように構成したことにある。即ち、デューティ変換部106−6は、レベルシフト部106j2と、4入力タイプで2出力タイプの切替スイッチ106と、コンパレータ106abと、鋸波J1及びピーク信号P1を生成する基準波生成部106kとを備えて構成されている。但し、切替スイッチ106は、第1及び第2の入力端及び第1出力端の切替構成と、第3及び第4の入力端及び第2出力端の切替構成とを備えて構成されている。
【0134】
Ach側のダイオード122aのアノードを切替スイッチ106の第1入力端に接続し、Bch側のダイオード122bのアノードを第2入力端に接続し、第1出力端をコンパレータ106abの非反転入力端「+」に接続した。また、基準波生成部106kからの鋸波J1が供給されるレベルシフト部106jの出力端を切替スイッチ106の第3入力端に接続し、切替スイッチ106の鋸波J1の出力端を第4入力端に接続し、第2出力端をコンパレータ106abの反転入力端「−」に接続した。更に、基準波生成部106kのピーク信号P1が切替スイッチ106の制御端に供給されるようにした。
【0135】
このような構成によれば、ピーク信号P1に応じて切替スイッチ106の第1入力端が第1出力端に接続され、第3入力端が第2出力端に接続されている場合に、コンパレータ106aの非反転入力端「+」にAch側の発生電圧が供給され、反転入力端「−」にオフセットされた鋸波J1が供給される。これによって、Ach側の発生電圧が所定デューティのデューティ信号ADに変換されてフォトカプラ112へ出力される。
【0136】
その後、次のピーク信号P1が切替スイッチ106に入力されると、第2入力端が第1出力端に接続され、第4入力端が第2出力端に接続され、コンパレータ106aの非反転入力端「+」にBch側の発生電圧が供給され、反転入力端「−」に鋸波J1が供給される。これによって、Bch側の発生電圧が所定デューティのデューティ信号BDに変換されてフォトカプラ112へ出力される。以降、このようにAch又はBchのデューティ信号AD,BDが交互にフォトカプラ112へ出力される。
【0137】
このような第5実施形態の電力変換装置の温度検出回路100−9によっても、第2実施形態の応用例と同様な効果を得ることが出来る。
【0138】
但し、上述した基準波生成部106kの詳細回路は、図19に示すように、電源126と、定電流回路131a,131bと、コンパレータ134と、スイッチ135,136と、コンデンサC1と、抵抗器Rc,Rd,Reとを備えて構成されている。この構成において、コンパレータ134が非反転入力端「+」を介してコンデンサC1の電圧を検出しており、その電圧が低ければ定電流回路131aがコンデンサC1に電流を供給する。これにより電圧が徐々に高くなり、この電圧が所定値となるとコンパレータ134がオンとなってピーク信号P1が生成され、このピーク信号P1でスイッチ135,136をオンする。
【0139】
これによって、定電流回路131aに直列接続され、当該定電流回路131aよりも引き込み電流が2倍大きな定電流回路131bでコンデンサC1の電荷が放電され、コンデンサC1の電圧値が急激に下がる。この電圧が所定値以下となるとピーク信号P1が無くなってスイッチ135,136がオフとなり、コンデンサC1へのチャージが再度開始される。以降同様に繰り返され、鋸波J1が連続して生成される。なお、温度検出回路100−8〜100−9には鋸波J1を発生する基準波生成部106bを用いたが、三角波J2及びピーク信号P2を発生する基準波生成部106mを用いても良い。
【0140】
この他、上述の実施形態における温度検出回路100〜100−7において、デューティ変換部106〜106−4を、図20に示すように、Ach側及びBchの発生電圧をA/D(アナログ/デジタル)コンバータ141でデジタル信号に変換し、このデジタル信号の幅をタイマ142によるカウンタ値で読むことによりデューティ信号を得る構成としてもよい。デジタル信号の幅をタイマ142によるカウンタ値で読むとは、例えばデューティ信号の1周期が「100」であるとすると、デジタル信号の「H」の幅を「10」、「L」の幅を「90」として読み、デューティ「10」のデューティ信号を得るようにする。
【0141】
このようにデューティ変換部にA/Dコンバータ141及びタイマ142を用いた構成では、図8に示した温度検出回路100―3のような鋸波J1のピークからの電圧低下の遅れによるデューティの変化を考えなくてもよい。
【0142】
例えば、図21(b)に示すように、第2実施形態の温度検出回路100−3における鋸波J1のピークからの立下りは、鋸波J1を生成するための図示せぬコンデンサに電荷を充放電する内の放電により行っているので、放電に必要以上に時間がかかることがある。このため時刻t9から必要以上に時間経過tdbした時刻t9bまでかかる場合がある。
【0143】
このように放電に時間がかかると、鋸波J1の立下りエッジの傾斜が滑らかになる。この滑らかな立下りエッジの場合、実際には時刻t9でBch側の発生電圧を下回る立下りエッヂが、時間tda遅れた時刻t9aでBch側の発生電圧を下回り、この時点でヘッダ信号HdBからBchのデューティ信号BDへ切り替わることになる。この場合、遅れ時間tda分、Bchのデューティ信号BDのデューティが所定のものと異なることになる。このようにデューティが異なるとマイコン114が誤った値として認識する虞が有る。
【0144】
しかし、上記のデューティ変換部にA/Dコンバータ141及びタイマ142を用いた構成では、鋸波J1のように放電時の電圧低下の時間を考える必要はないため、デューティが変化しないので、マイコン114が誤って認識することが無くなる。
【符号の説明】
【0145】
10 電力変換装置
20 コンバータ
21,22 スイッチング素子
23 コンデンサ
24 リアクトル
30 インバータ
34〜39 スイッチング素子
D1〜D8 ダイオード
MG モータジェネレータ
100,100−1〜100−9 温度検出回路
102 スイッチング回路
104〜106 切替スイッチ
106〜106−6 デューティ変換部
110 制御部
112 フォトカプラ
114 マイコン
116 バッファ
35a,35b スイッチング素子
120a,120b パッケージ
122a,122b ダイオード
124a,124b,131a,131b 定電流回路
126 電源
Ra,Rb,Rc,Rd,Re 抵抗器
130a,130b ホールド部
106a,134 コンパレータ
106b,106c 基準波生成部
P1,P2 ピーク信号
J1 鋸波
J2 三角波
K1,K2,K3 切替制御信号
AD,BD デューティ信号
DS〜DS1 データ信号
135,136 スイッチ
141 A/Dコンバータ
142 タイマ
C1 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、
前記複数の温度検出素子の各々の電圧発生側に個別に接続され、各々の発生電圧をパルス幅変調により各々デューティが異なるデューティ信号に変換する複数のデューティ変換手段と、
前記複数のデューティ変換手段で変換された各々デューティの異なるデューティ信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で前記各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように当該選択手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記選択手段の出力側に、この選択手段で選択された前記デューティ信号を伝達する信号伝達素子を介して接続された演算制御手段を備え、この演算制御手段は、前記温度検出素子の特性バラツキを記憶し、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力されるデューティ信号より検知される温度情報を、当該記憶された特性バラツキで補正することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記複数の温度検出素子と前記複数のデューティ変換手段との各々の間に、当該複数の温度検出素子の発生電圧を個別に保持して当該デューティ変換手段へ出力する保持手段を接続し、
前記制御手段は、前記保持手段で個別に保持された発生電圧が前記複数のデューティ変換手段で変換されたデューティ信号が、交互に選択されて配列され、この配列順の組が同一に複数回繰り返されるように前記選択手段の選択を制御し、
前記演算制御手段は、前記選択手段で選択された同一の複数組同士のデューティ信号を比較し、互いの差異が予め定めた基準値以内の場合にのみデューティ信号を前記温度情報の検知に採用することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記複数の温度検出素子と前記複数のデューティ変換手段との各々の間に、当該複数の温度検出素子の発生電圧を個別に保持して当該デューティ変換手段へ出力する保持手段を接続し、
前記制御手段は、前記保持手段で個別に保持された発生電圧が前記複数のデューティ変換手段で変換されたデューティ信号が、交互に選択されて配列され、この配列順の組が同一に複数回繰り返されるように前記選択手段の選択を制御し、
前記演算制御手段は、前記選択手段で選択された同一の複数組内のデューティ信号の中から、予め定めた基準値を超えるデューティ信号を排除し、排除されないデューティ信号を前記温度情報の検知に採用することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記デューティ変換手段は、一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成する基準波生成手段と、この基準波生成手段で生成された基準波と前記複数の温度検出素子の発生電圧とを比較して当該発生電圧をデューティ信号に変換する複数の演算増幅手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記デューティ変換手段は、前記複数の温度検出素子の発生電圧をオフセットして前記複数の演算増幅手段に出力するレベルシフト手段を更に備え、
前記複数の演算増幅手段の何れかが前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を、前記基準波との比較に用いることにより、当該複数の演算増幅手段で変換される各デューティ信号が各々異なるデューティとなるようにすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記デューティ変換手段は、前記基準波生成手段で生成された基準波のレベルをオフセットする第2のレベルシフト手段を更に備え、
前記複数の演算増幅手段の何れかが前記第2のレベルシフト手段でオフセットされた基準波を前記発生電圧との比較に用いることにより、当該複数の演算増幅手段で変換される各デューティ信号が各々異なるデューティとなるようにすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記基準波生成手段は、前記基準波のピークでピーク信号を生成し、
前記制御手段は、前記基準波生成手段で生成されるピーク信号に同期して、前記複数の演算増幅手段からの各々デューティの異なるデューティ信号の選択制御を、前記選択手段に対して行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記演算制御手段は、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力される前記デューティ信号の立上りエッジ又は立下りエッジでリセット後にカウント動作を開始するカウンタと、当該立上りエッジ又は当該立下りエッジで当該リセット前にカウンタのカウント値をレジスタ値として保持するレジスタとを備え、前記レジスタに保持されたレジスタ値を用いて前記デューティ信号のデューティを求める演算を含む演算処理を行い、この演算処理を行う演算制御手段のメインループの周期よりも当該デューティ信号の周期が長く設定されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記複数のデューティ変換手段の何れかは、前記複数の温度検出素子の発生電圧をデューティ信号に変換する際に、当該デューティ信号のデューティ比が100%未満となるように制限することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記基準波生成手段は、前記基準波として一定の傾斜で立上り立下りを交互に繰り返す三角波を生成すると共に当該三角波の頂点又は最下点で、立ち下げ又は立ち上がる第2のピーク信号を生成し、
前記複数の演算増幅手段は、前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を含む前記複数の温度検出素子の発生電圧を、前記三角波と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号を生成し、
前記制御手段は、前記複数の演算増幅手段から出力される各々デューティが異なるデューティ信号の内、前記第2のピーク信号をもとに同一のデューティ信号が少なくとも2つ以上連続するように、前記選択手段の選択を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記基準波生成手段は、前記基準波として立上りと立下りを一定周期で繰り返す鋸波を生成し、
前記複数の演算増幅手段は、前記レベルシフト手段でオフセットされた発生電圧を含む前記複数の温度検出素子の発生電圧を、前記鋸波と比較することにより、各々デューティが異なるデューティ信号を生成し、
前記制御手段は、前記選択手段で前記各々デューティの異なるデューティ信号が交互に選択されるように当該選択手段を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記デューティ変換手段は、前記複数の温度検出素子の発生電圧をパルス幅変調による所定のデューティのデューティ信号に変換する手段に代え、前記複数の温度検出素子の発生電圧の何れかをデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、その変換されたデジタル信号の幅を所定デューティのデューティ信号に変換するカウンタ手段とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、
一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成する基準波生成手段と、前記複数の温度検出素子の何れかの発生電圧をオフセットして前記複数の演算増幅手段に出力するレベルシフト手段と、このレベルシフト手段でオフセットされた発生電圧と、当該複数の温度検出素子のオフセットされない発生電圧とを選択する選択手段と、この選択手段で選択された発生電圧と、当該基準波生成手段で生成された基準波とを比較して、当該選択手段で交互に選択される発生電圧を各々デューティの異なるデューティ信号に変換する演算増幅手段とを有するデューティ変換手段
を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項15】
直流電圧を昇圧する複数の半導体素子を有するコンバータと、このコンバータでの昇圧電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有するインバータとの双方又は何れか一方を有し、前記複数の半導体素子に個別に対応付けられて半導体素子個々の温度に応じた電圧を発生する複数の温度検出素子とを有する電力変換装置において、
一定周期で立上り立下りを繰り返す基準波を生成すると共に当該基準波のピークでピーク信号を生成する基準波生成手段と、この基準波生成手段からの基準波をオフセットするレベルシフト手段と、前記複数の温度検出素子の発生電圧を選択すると共に、前記レベルシフト手段でオフセットされた基準波又はオフセットされていない基準波の何れかを選択し、これら選択動作が前記ピーク信号の入力に応じて同時に行われる選択手段と、この選択手段で選択された発生電圧と、当該オフセット後の基準波又はオフセットされていない基準波とを比較して、当該選択手段で交互に選択される発生電圧を各々デューティの異なるデューティ信号に変換する演算増幅手段とを有するデューティ変換手段
を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項16】
前記デューティ変換手段の出力側に、当該デューティ変換手段からのデューティ信号を伝達する信号伝達素子を介して接続された演算制御手段を備え、この演算制御手段は、前記温度検出素子の特性バラツキを記憶し、前記選択手段から前記信号伝達素子を介して入力されるデューティ信号より検知される温度情報を、当該記憶された特性バラツキで補正することを特徴とする請求項14又は15に記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−172336(P2011−172336A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32119(P2010−32119)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】