説明

電動機の位置制御装置

【課題】一定加速中にも回転角指令信号と実回転角信号との偏差を小さくする電動機の位置制御装置を得る。
【解決手段】速度フィードフォワード信号演算回路7は、回転角指令信号θmsから速度フィードフォワード信号ωffを算出。機械系模擬回路4は、トルク伝達機構、負荷機械及び直流電動機11を近似し、トルク信号τ2から模擬速度信号ωa及び模擬回転角信号θaを出力。第2の位置制御回路5は、θms及びθaから速度信号ω2を出力。第1の速度制御回路9は、速度信号ω3及び実速度信号ωmからトルク信号τ1を出力。第2の速度制御回路6は、ω2、ωa及びωffからτ2を出力。制御手段は、τ1とτ2に基づいて電動機11のトルクを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、工作機械におけるテーブルや電動式産業用ロボットのアームのような負荷機械を駆動する電動機(直流電動機、誘導電動機、同期電動機、リニアモータなど)の位置制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の位置制御装置の構成を図13を参照しながら説明する。図13は例えば特許文献1に示された従来の位置制御装置を示すブロック図である。図13において、位置制御装置は、直流電動機11の回転角指令信号を発生する回転角指令信号発生回路1と、トルク伝達機構(図示せず)を介して負荷機械(図示せず)を駆動する直流電動機11と、直流電動機11の回転速度及び回転角を検出する回転検出器2と、第1の位置制御回路3と、機械系模擬回路4と、第2の位置制御回路5と、第2の速度制御回路6と、加算器8と、第1の速度制御回路9と、加算器10と、電力変換回路12と、トルク制御回路13とから構成されている。
【0003】
次に上述した従来の位置制御装置の動作については、まず、第1の位置制御回路3によって、第1の速度信号が得られ、さらに、機械系模擬回路を制御対象とする第2の位置制御回路5によって、第2の速度制御信号が得られる。つづいて、上記第1の速度信号と第2の速度信号の和である第3の速度信号が加算器8によって求められ、第1の速度制御回路9に供給され、第1の速度制御回路によって、第1のトルク信号が得られる。同様に、第2の速度信号を第2の速度制御回路6に入力すると、第2のトルク信号が得られる。さらに、第3の速度制御回路から第3のトルク信号が出力される。又、制御手段によって、上記第1のトルク信号と第2のトルク信号と第3のトルク信号とを加算した最終トルク信号に、電動機の発生トルクが追随するように制御される。
【0004】
このように、従来の位置制御装置では、機械系模擬回路を制御対象とする第2の位置制御回路と第2の速度制御回路と第3の速度制御回路と機械系模擬回路からの信号を、フィードフォワード的に、第1の位置制御回路、第1の速度制御回路及びトルク制御回路からなる実制御ループに取り入れている。そうすることで、回転角指令信号の変化が急峻な場合においても機械に衝撃を与えることなく高応答のゲイン調整可能な制御装置を実現している。
【0005】
【特許文献1】特開平6−30578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の位置制御装置では、一定速中の回転角位置偏差を抑えることはできても、一定加速中の回転角位置偏差を抑えることができない。
【0007】
そのため、例えば、複数軸の電動機から構成されて、所定軸の電動機実際位置を監視しながら他軸の電動機の起動をかけることにより装置全体の駆動高速化を図るような機械装置や、精度の高い位置軌跡制御が要求されるような機械装置に対して所望の性能を得ることが難しい場合がある。
【0008】
本発明は上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、高速応答性を有しかつ機械振動を生じない特性を有すると共に、一定加速中にも回転角指令信号と実回転角信号の偏差を最小に抑える電動機の位置制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し目的を達成するために、第1の発明に係る電動機の位置制御装置は、以下のものを備えている。
(1)回転角指令信号及び電動機の実回転角信号に基づいて、第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路。
(2)上記回転角指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路。
(3)電動機、トルク伝達機構及び負荷機械を二つの積分要素として近似し模擬速度信号及び模擬回転角信号を出力する機械系模擬回路。
(4)上記回転角指令信号及び上記模擬回転角信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路。
(5)上記第1の速度信号と上記模擬速度信号を加算して第3の速度信号を出力する加算器。
(6)上記第3の速度信号及び上記電動機の上記実速度信号に基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路。
(7)上記第2の速度信号、上記模擬速度信号及び上記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路。
(8)上記第1のトルク信号及び上記第2のトルク信号に基づいて上記電動機の発生トルクを制御する制御手段。
【0010】
また、第2の発明に係る電動機の位置制御装置は、第1の発明に係る電動機の位置制御装置に加えて、上記回転角指令信号の状態から回転角判定信号を出力する回転角指令状態判定器と、上記模擬速度信号と上記回転角判定信号とから模擬速度変換信号を出力する第1の乗算器と、上記第2のトルク信号と上記回転角判定信号とからトルク変換信号を出力する第2の乗算器を備えている。
【0011】
さらに、第3の発明に係る電動機の位置制御装置は、以下のものを備えている。
(1)回転角指令信号及び電動機の実回転角信号に基づいて、第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路。
(2)上記回転角指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路。
(3)上記速度フィードフォワード信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算によりトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード信号演算回路。
(4)電動機、トルク伝達機構及び負荷機械を二つの積分要素として近似し模擬速度信号及び模擬回転角信号を出力する機械系模擬回路。
(5)上記回転角指令信号及び上記模擬回転角信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路。
(6)上記第1の速度信号と上記模擬速度信号とを加算して第3の速度信号を出力する第1の加算器。
(7)上記第3の速度信号及び上記電動機の上記実速度信号に基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路。
(8)上記第2の速度信号、上記模擬速度信号及び上記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路。
(9)上記第2のトルク信号と上記トルクフィードフォワード信号とを加算して第3のトルク信号を出力する第2の加算器。
(10)上記第1のトルク信号と上記第3のトルク信号に基づいて上記電動機の発生トルクを制御する制御手段。
【0012】
さらにまた、第4の発明に係る電動機の位置制御装置は、第3の発明に係る電動機の位置制御装置に加えて、上記回転角指令信号の状態から回転角判定信号を出力する回転角指令状態判定器と、上記模擬速度信号と上記回転角判定信号とから模擬速度変換信号を出力する第1の乗算器と、上記第2のトルク信号と上記回転角判定信号とからトルク変換信号を出力する第2の乗算器を備えている。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明に係る電動機の位置制御装置においては、まず、第1の位置制御回路によって、第1の速度信号が得られる。さらに、機械系模擬回路によって、模擬速度信号が得られる。つづいて、上記第1の速度信号と模擬速度信号の和である第3の速度信号が加算器によって求められ、第1の速度制御回路に供給され、第1の速度制御回路によって第1のトルク信号が得られる。同様に、第2の位置制御回路によって、第2の速度信号が得られる。また、第1のフィードフォワード信号演算回路により、速度フィードフォワード信号が得られる。第2の速度信号と速度フィードフォワード信号と模擬速度信号を第2の速度制御回路に入力することにより、第2のトルク信号が得られる。又、制御手段によって、上記第1のトルク信号と第2のトルク信号を加算した最終トルク信号に、電動機の発生トルクが追随するように制御されることで電動機の実回転角信号と回転角指令信号の偏差を最小にするように作用する。これにより、高速応答性を有しかつ機械振動を生じない特性を有すると共に、一定加速中の回転角指令信号に対する実回転角指令信号の偏差が0に抑えることができることから、機械装置において精度の高い位置軌道追従制御を実現することができる。
【0014】
また、第2の発明に係る電動機の位置制御装置は、第1の発明に係る電動機の位置制御装置において、回転角指令の状態に応じた回転角判定信号を出力し、この信号を模擬速度信号ならびに第2のトルク信号に乗算することで、回転角指令信号が0になる間際に電動機の実回転角信号と回転角指令信号の偏差が発生しないように作用する。これにより、第1の発明に係る電動機の位置制御装置の効果に加え指令停止時のオーバーシュートが0となることで高速位置決め整定性を実現することができ、装置全体として高速化を実現することが可能となる。
【0015】
さらに、第3の発明に係る電動機の位置制御装置においては、まず、第1の位置制御回路によって、第1の速度信号が得られる。さらに、機械系模擬回路によって、模擬速度信号が得られる。つづいて、上記第1の速度信号と模擬速度信号の和である第3の速度信号が加算器によって求められ、第1の速度制御回路に供給され、第1の速度制御回路によって第1のトルク信号が得られる。同様に、第2の位置制御回路によって、第2の速度信号が得られる。また、第1のフィードフォワード信号演算回路により、速度フィードフォワード信号が得られる。第2の速度信号と速度フィードフォワード信号と模擬速度信号を第2の速度制御回路に入力することにより、第2のトルク信号が得られる。さらにトルクフィードフォワード信号演算回路によりトルクフィードフォワード信号が得られ、この信号と第2のトルク信号が加算器により加算されて第3のトルク信号が得られる。又、制御手段によって、第1のトルク信号と第3のトルク信号を加算した最終トルク信号に、電動機の発生トルクが追随するように制御されることで、加速度が変化する際に発生する偏差をさらに小さく抑えるように作用する。これにより、加速変化時に生じていた偏差量をさらに減少させることが可能になり、機械装置においてさらに精度の高い位置軌道追従制御を実現することができる。
【0016】
さらにまた、第4の発明に係る電動機の位置制御装置は、第3の発明に係る電動機の位置制御装置において、回転角指令の状態に応じた回転角判定信号を出力し、この信号を模擬速度信号ならびに第2のトルク信号に乗算することで、回転角指令信号が0になる間際に電動機の実回転角信号と回転角指令信号の偏差が発生しないように作用する。これにより、第3の発明に係る電動機の位置制御装置に加え指令停止時のオーバーシュートが0となることで高速位置決め整定性を実現することができ、装置全体として高速化を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明にかかる電動機の位置制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図であり、直流電動機11と電力変換回路12は上記の位置制御装置と全く同一である。
【0019】
図1において、本実施の形態の位置制御装置は、トルク伝達機構(図示せず)を介して負荷機械(図示せず)を駆動する直流電動機11を、この直流電動機11に対して回転角指令信号発生回路1が発生する回転角指令信号θmsと、直流電動機11に接続された回転検出器2が直流電動機11から検出して出力する実回転角信号θm及び実速度信号ωmとに基づいて制御する位置制御装置であって、第1の位置制御回路3と、機械系模擬回路4と、第2の位置制御回路5と、第2の速度制御回路6と、速度フィードフォワード信号演算回路7、加算器8と、第1の速度制御回路9と、加算器10と、電力変換回路12と、トルク制御回路13とから構成されている。つまり、図13に示す従来の位置制御装置に加えて、速度フィードフォワード信号演算回路7が設けられている。そして、加算器8は、第1の速度信号ω1と模擬速度信号ωaとを加算して第3の速度信号ω3を出力するようにされ、第1の速度制御回路9は、この第3の速度信号ω3と実速度信号ωmとに基づいて第1のトルク信号τ1を出力するようにされている。
【0020】
回転検出器2は、例えばタコジェネレータのような速度検出器とエンコーダのような位置検出器(電動機がリニアモータの場合はリニアスケール)とから構成されている。また、直流電動機11のトルクの制御手段は、トルク制御回路13と、電力変換回路12とから構成されている。
【0021】
回転角指令信号発生回路1は、直流電動機11を駆動する指令として回転角指令信号θmsを発生する。回転検出器2は、直流電動機11の回転速度及び回転角を検出して、実速度信号ωm及び実回転角信号θmを出力する。第1の位置制御回路3は、直流電動機11の回転角指令信号θms及び回転検出器2から出力された実回転角信号θmに基づいて第1の速度信号ω1を出力する。第2の位置制御回路5は、回転角指令信号θms及び模擬回転角信号θaに基づいて第2の速度信号ω2を出力する。速度フィードフォワード信号演算回路7は、直流電動機11の回転角指令信号θmsを入力して、微分演算を含む所定の関数演算を実行することにより、回転角指令信号θmsから速度フィードフォワード信号ωffを算出する。そして、速度フィードフォワード信号演算回路7は、この速度フィードフォワード信号ωffを出力する。加算器10は、第2の速度信号ω2と速度フィードフォワード信号ωffとを加算してこれを第2の速度制御回路6に出力する。
【0022】
機械系模擬回路4は、トルク伝達機構、負荷機械及び直流電動機11を二つの積分要素として近似するとともに後述の第2のトルク信号τ2に基づいて模擬速度信号ωa及び模擬回転角信号θaを出力する。
【0023】
上述のように、加算器8は、第1の速度信号ω1と模擬速度信号ωaとを加算して第3の速度信号ω3を出力する。第1の速度制御回路9は、第3の速度信号ω3及び回転検出器2から出力された実速度信号ωmとに基づいて第1のトルク信号τ1を出力する。第2の速度制御回路6は、第2の速度信号ω2及び模擬速度信号ωaと速度フィードフォワード信号ωffに基づいて第2のトルク信号τ2を出力する。トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段は、第1のトルク信号τ1と第2のトルク信号τ2に基づいて直流電動機11のトルクを制御する。
【0024】
図2は本実施の形態の位置制御装置をモデル化して示す図である。図2において、回路3aは図1の第1の位置制御回路3のモデルを示し、回路9aは第1の速度制御回路9のモデルを示す。回路4aは機械系模擬回路4のモデルを示し、回路5aは第2の位置制御回路5を示す。回路6aは第2の速度制御回路6のモデルを示し、回路7aは速度フィードフォワード信号演算回路7のモデルを示す。回路15aは図1の直流電動機11、回転検出器2、トルク制御回路13および電力変換回路12を合わせたもののモデルを示す。そして回路1aは回転角指令信号発生回路1のモデルを示す。速度フィードフォワード信号演算回路7は、回路7aに示されるように、微分演算を含む関数演算を実行して、回転角指令信号θmsから速度フィードフォワード信号ωffを算出する。
【0025】
図14は同じように図13に示す従来の位置制御装置をモデル化して示す図である。図2及び図14において、Kp1(s)、Kv1(s)、Kp2(s)、Kv2(s)、θms(s)は一般的な意味での伝達関数を示している。図2及び図14を用いて本実施の形態の位置制御装置の制御方式の原理ついて説明する。ここで簡単のため各伝達関数を次式とおく。
【数1】

ここで、Kp1、Ku、Ki、Kp2、Kv2、ωvは適当な定数である。
【0026】
まず、従来の制御方式における偏差Δθms(s)(=θms(s)−θm(s))は、θms(s)を用いて次式の形になる。
【数2】

αk、βkは、それぞれ図14のブロック図を解くことによりKp1、Ku、Ki、Kp2、Kv2を用いて表される適当な定数であり、少なくともα1、β3は0以外の定数である。このような従来の位置制御装置に、一定速回転角指令信号としてθms(s)を次式(6)で与えたとする。
【数3】

偏差Δθms(s)を逆ラプラス変換して求められる偏差Δθms(s)の時間領域表現をΔθms(t)とおくと、Δθms(t)の定常状態は、最終値の定理により式(5)を用いて、
【数4】

となる。このことから、図14(図13)に示す従来の位置制御装置が、一定速回転角指令信号に対して実回転角信号を偏差なく追従させることができると分かる。
【0027】
同様にして、従来の位置制御装置に、一定加速回転角指令信号を次式(7)で与えたとする。
【数5】

このときの定常状態におけるΔθms(t)は上記と同様にして最終値の定理を用いると、
【数6】

となる。このことから、従来の位置制御装置においては、一定速回転角指令信号に対しては、偏差Δθms(t)を0にすることができても、一定加速回転角指令信号に対しては偏差Δθms(t)を0にできないと分かる。
【0028】
一方、図2(図1)に示す本実施の形態の位置制御装置を用いたとき、偏差Δθms(s)はθms(s)を用いて次式の形として求められる。
【数7】

γk、εkはそれぞれ図2のブロック図を解くことによりKp1、Ku、Ki、Kp2、Kv2、ωvを用いて表される適当な定数であり、少なくともε6は0以外の定数である。このような本実施の形態の位置制御装置に対して、回転角指令信号を上記の式(7)で与えたとき、このときの定常状態におけるΔθms(t)は最終値の定理により式(8)を用いて、
【数8】

となる。このことから、本実施の形態の位置制御装置が、一定加速回転角指令に対しても実回転角信号を偏差なく追従させることができると分かる。
【0029】
この実施の形態1を用いた時の偏差Δθms(t)の波形を図3に示す。ただし、回転角指令信号θmsは図15のように与えたとすると、その1回微分である速度指令信号は図3のグラフのように台形波形になる。図3から分かるように、一定加速中の偏差Δθms(t)は0となっている。
【0030】
このような本実施の形態の位置制御装置においては、第1の位置制御回路3によって、第1の速度信号ω1が得られる。さらに、機械系模擬回路4によって、模擬速度信号ωaが得られる。次いで、上記第1の速度信号ω1と模擬速度信号ωaの和である第3の速度信号ω3が加算器8によって求められ、第1の速度制御回路9に供給され、第1の速度制御回路9によって第1のトルク信号τ1が得られる。
【0031】
同様に、第2の位置制御回路5によって、第2の速度信号ω2が得られる。また、第1のフィードフォワード信号演算回路7により、速度フィードフォワード信号ωffが得られる。第2の速度信号ω2と速度フィードフォワード信号ωffと模擬速度信号ωaを第2の速度制御回路6に入力することにより、第2のトルク信号τ2が得られる。
【0032】
そして、トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段によって、上記第1のトルク信号τ1と第2のトルク信号τ2を加算した最終トルク信号に、直流電動機11の発生トルクが追随するように制御されることで直流電動機11の実回転角信号θmと回転角指令信号θmsとの偏差が最小になるように動作する。
【0033】
このようなことから、本実施の形態の位置制御装置は、高速応答性を有しかつ機械振動を生じない特性を有すると共に、一定加速中の回転角指令信号θmsに対する実回転角指令信号の偏差が0に抑えることができ、機械装置において精度の高い位置軌道追従制御を実現することができる。
【0034】
なお、本実施の形態の位置制御装置が制御する電動機は、直流電動機に限らず、誘導電動機、同期電動機、リニアモータなどの電動機であれば制御することができる。
【0035】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2の構成を、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。本実施の形態の位置制御装置においては、実施の形態1の位置制御装置に加えて、回転角指令信号θmsの状態から回転角判定信号を出力する回転角指令状態判定器100と、模擬速度信号ωaと回転角判定信号から模擬速度変換信号ωatを出力する第1の乗算器101と、第2のトルク信号τ2と回転角判定信号からトルク変換信号τ2tを出力する第2の乗算器102が設けられている。
【0036】
図5は本実施の形態の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。図5において、回路101a、102aはそれぞれ図4の第1の乗算器101と第2の乗算器102のモデルである。回転角指令状態判定器100は、回転角指令信号θmsを入力して、回転角指令信号θmsの変化量が0以外のときは「1」の判定信号(回転角判定信号)を出力し、回転角指令信号θmsの変化量が0となるときは「0」の判定信号(回転角判定信号)を出力する。
【0037】
第1の乗算器101は、模擬速度信号ωaと回転角判定信号とを乗算して模擬速度変換信号ωatを出力する。第2の乗算器102は、第2のトルク信号τ2と回転角判定信号とを乗算してトルク変換信号τ2tを出力する。加算器8は、第1の速度信号ω1と模擬速度変換信号ωatとを加算して第3の速度信号ω3を出力する。第1の速度制御回路9は、第3の速度信号ω3及び回転検出器2から出力された実速度信号ωmとに基づいて第1のトルク信号τ1を出力する。トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段は、第1のトルク信号τ1とトルク変換信号τ2tに基づいて直流電動機11のトルクを制御する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0038】
この実施の形態2を用いた時の偏差Δθms(t)の波形を図6に示す。ただし、回転角指令信号θmsは図15のように与えたとすると、その1回微分である速度指令信号は図6のグラフのように台形波形になる。図6から分かるように、一定加速中の偏差Δθms(t)は0となっているのに加え、速度指令信号が0すなわち回転角指令信号の変化量が0となる間際のオーバーシュートが発生していないことが分かる。
【0039】
このように、本実施の形態の電動機の位置制御装置おいては、回転角指令状態判定器100は、回転角指令信号θmsの状態に応じた回転角判定信号を出力し、この信号を模擬速度信号ωaならびに第2のトルク信号τ2に乗算することで、回転角指令信号θmsが0になる間際に直流電動機11の実回転角信号θmと回転角指令信号θmsの偏差が発生しないように動作する。そのため、実施の形態1の効果に加え、指令停止時のオーバーシュートが0となることで高速位置決め整定性を実現することができ、装置全体として高速化を実現することが可能となる。
【0040】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3の構成を、図7〜図9を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態3の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。本実施の形態の位置制御装置においては、実施の形態1の位置制御装置に加えて、トルクフィードフォワード信号演算回路17と第2の加算器16とが設けられている。そして、トルクフィードフォワード信号演算回路17の出力するトルクフィードフォワード信号τffと第2のトルク信号τ2を加算した第3のトルク信号τ3が機械系模擬回路4とトルク制御回路13に入力される。
【0041】
図8は本実施の形態の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。図8において、回路17aはトルクフィードフォワード信号演算回路17のモデルを示す。トルクフィードフォワード信号演算回路17は、速度フィードフォワード信号ωffを入力して、微分演算を含む所定の関数演算を実行することにより、速度フィードフォワード信号ωffからトルクフィードフォワード信号τffを算出して、このトルクフィードフォワード信号τffを出力する。第2の加算器16は、第2のトルク信号τ2とトルクフィードフォワード信号τffを加算して第3のトルク信号τ3を出力する。機械系模擬回路4は、第3のトルク信号τ3に基づいて模擬速度信号ωa及び模擬回転角信号θmを出力する。トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段は、第1のトルク信号τ1と第3のトルク信号τ3に基づいて直流電動機11のトルクを制御する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0042】
この実施の形態3を用いた時の偏差Δθms(t)の波形を図9に示す。ただし、回転角指令信号は図15のように与えたとすると、その1回微分である速度指令信号は図9のグラフのように台形波形になる。図9から分かるように、一定加速中の偏差Δθms(t)は0となっているのに加え、速度指令信号が切り替わるときに発生しているオーバーシュート量が実施の形態1と比べて減少していることが分かる。
【0043】
本実施の形態の位置制御装置においては、第1の位置制御回路3によって、第1の速度信号ω1が得られる。さらに、機械系模擬回路4によって、模擬速度信号ωaが得られる。次いで、上記第1の速度信号ω1と模擬速度信号ωaの和である第3の速度信号ω3が加算器8によって求められ、第1の速度制御回路9に供給され、第1の速度制御回路9によって第1のトルク信号τ1が得られる。
【0044】
同様に、第2の位置制御回路5によって、第2の速度信号ω2が得られる。また、第1のフィードフォワード信号演算回路7により、速度フィードフォワード信号ωffが得られる。第2の速度信号ω2と速度フィードフォワード信号ωffと模擬速度信号ωaを第2の速度制御回路6に入力することにより、第2のトルク信号τ2が得られる。
【0045】
さらに、トルクフィードフォワード信号演算回路17によりトルクフィードフォワード信号τffが得られ、この信号と第2のトルク信号τ2とが第2の加算器16により加算されて第3のトルク信号τ3が得られる。また、トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段によって、第1のトルク信号τ1と第3のトルク信号τ3を加算した最終トルク信号に、直流電動機11の発生トルクが追随するように制御されることで、加速度が変化する際に発生する偏差を上記実施の形態1よりもさらに最小に抑えるように動作する。これにより、機械装置においてさらに精度の高い位置軌道追従制御を実現することができる。
【0046】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4の構成を、図10〜図12を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態4の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。本実施の形態の位置制御装置においては、実施の形態2の位置制御装置に加えて、実施の形態3のトルクフィードフォワード信号演算回路17と第2の加算器16とが設けられている。図11は本実施の形態の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【0047】
トルクフィードフォワード信号演算回路17は、速度フィードフォワード信号ωffを入力して微分演算を含む所定の関数演算によりトルクフィードフォワード信号τffを出力する。第2の加算器16は、第2のトルク信号τ2とトルクフィードフォワード信号τffを加算して第3のトルク信号τ3を出力する。第2の乗算器102は、第3のトルク信号τ3と回転角判定信号を乗算してトルク変換信号τ3tを出力する。トルク制御回路13および電力変換回路12からなる制御手段は、第1のトルク信号τ1とトルク変換信号τ3tに基づいて直流電動機11のトルクを制御する。その他の構成は実施の形態2と同様である。
【0048】
この実施の形態4を用いた時の偏差Δθms(t)の波形を図12に示す。ただし、回転角指令信号は図15のように与えたとすると、その1回微分である速度指令信号は図12のグラフのように台形波形になる。図12から分かるように、一定加速中の偏差Δθms(t)は実施の形態3と同等な効果があるのに加え、速度指令信号が0すなわち回転角指令信号が0となる間際のオーバーシュートが発生していないことが分かる。
【0049】
本実施の形態の位置制御装置においては、回転角指令状態判定器100は、回転角指令信号θmsの状態に応じた回転角判定信号を出力し、この信号を模擬速度信号ωaならびに第2のトルク信号τ2に乗算することで、回転角指令信号θmsが0になる間際に直流電動機11の実回転角信号θmと回転角指令信号θmsの偏差が発生しないように動作する。そのため、実施の形態3の効果に加え、指令停止時のオーバーシュートが0となることで高速位置決め整定性を実現することができ、装置全体として高速化を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明の電動機の位置制御装置は、トルク伝達機構を介して負荷機械を駆動する電動機を、回転角指令信号、電動機から検出された実回転角信号及び実速度信号とに基づいて制御する電動機の位置制御装置に適用されて好適なものであり、例えば、工作機械におけるテーブルや電動式産業用ロボットのアームのような負荷機械を駆動する電動機の位置制御装置に適用されて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態1の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【図3】実施の形態1の電動機の位置制御装置の偏差量と従来装置の偏差量とを比較して示すグラフ図である。
【図4】実施の形態2の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【図6】実施の形態2の電動機の位置制御装置の偏差量と従来装置の偏差量とを比較して示すグラフ図である。
【図7】実施の形態3の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【図9】実施の形態3の電動機の位置制御装置の偏差量と従来装置の偏差量とを比較して示すグラフ図である。
【図10】実施の形態4の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。
【図11】実施の形態4の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【図12】実施の形態4の電動機の位置制御装置の偏差量と従来装置の偏差量とを比較して示すグラフ図である。
【図13】従来の電動機の位置制御装置の全体を示すブロック図である。
【図14】従来の電動機の位置制御装置をモデル化して示す図である。
【図15】実施の形態1から4の位置制御装置に与えた回転角指令信号の波形を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0052】
1 回転角指令信号発生回路
1a 回転角指令信号発生回路のモデル
2 回転角検出器
3 第1の位置制御回路
3a 第1の位置制御回路のモデル
4 機械系模擬回路
4a 機械系模擬回路のモデル
5 第2の位置制御回路
5a 第2の位置制御回路のモデル
6 第2の速度制御回路
6a 第2の速度制御回路のモデル
7 速度フィードフォワード信号演算回路
7a 速度フィードフォワード信号演算回路のモデル
8 加算器(第1の加算器)
9 第1の速度制御回路
9a 第1の速度制御回路のモデル
11 直流電動機(電動機)
12 電力変換回路(制御手段)
13 トルク制御回路(制御手段)
14 第3の速度制御回路
15a トルク制御回路と電力変換回路と電動機と回転検出器のモデル
16 加算器(第2の加算器)
17 トルクフィードフォワード演算回路
17a トルクフィードフォワード演算回路のモデル
100 回転角指令状態判定器
101 第1の乗算器
101a 第1の乗算器のモデル
102 第2の乗算器
102a 第2の乗算器のモデル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷機械を駆動する電動機を、該電動機に対して指令される位置指令信号と、前記電動機から検出された実位置信号及び実速度信号とに基づいて制御する電動機の位置制御装置であって、
前記位置指令信号及び前記実位置信号に基づいて第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路と、
前記位置指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路と、
前記負荷機械及び前記電動機を二つの積分要素として近似するとともに後述の第2のトルク信号に基づいて模擬速度信号及び模擬位置指令信号を出力する機械系模擬回路と、
前記位置指令信号及び前記模擬位置指令信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路と、
前記第1の速度信号と前記模擬速度信号とを加算して第3の速度信号を出力する加算器と、
前記第3の速度信号及び前記実速度信号に基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路と、
前記第2の速度信号、前記模擬速度信号及び前記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路と、
前記第1のトルク信号及び前記第2のトルク信号に基づいて前記電動機のトルクを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする電動機の位置制御装置。
【請求項2】
負荷機械を駆動する電動機を、該電動機に対して指令される位置指令信号と、前記電動機から検出された実位置信号及び実速度信号とに基づいて制御する電動機の位置制御装置であって、
前記位置指令信号及び前記実位置信号に基づいて第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路と、
前記位置指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路と、
前記負荷機械及び前記電動機を二つの積分要素として近似するとともに後述の第2のトルク信号に基づいて模擬速度信号及び模擬位置指令信号を出力する機械系模擬回路と、
前記位置指令信号及び前記模擬位置指令信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路と、
前記第1の速度信号と後述の模擬速度変換信号とを加算して第3の速度信号を出力する加算器と、
前記位置指令信号に基づいて位置指令判定信号を出力する位置指令状態判定器と、
前記模擬速度信号と前記位置指令判定信号とを乗算して模擬速度変換信号を出力する第1の乗算器と、
前記第2のトルク信号と前記位置指令判定信号とを乗算してトルク変換信号を出力する第2の乗算器と、
前記第3の速度信号及び前記実速度信号とに基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路と、
前記第2の速度信号、前記模擬速度信号及び前記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路と、
前記第1のトルク信号及び前記トルク変換信号に基づいて前記電動機のトルクを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする電動機の位置制御装置。
【請求項3】
負荷機械を駆動する電動機を、該電動機に対して指令される位置指令信号と、前記電動機から検出された実位置信号及び実速度信号とに基づいて制御する電動機の位置制御装置であって、
前記位置指令信号及び前記実位置信号に基づいて第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路と、
前記位置指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路と、
前記速度フィードフォワード信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算によりトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード信号演算回路と、
前記負荷機械及び前記電動機を二つの積分要素として近似するとともに後述の第3のトルク信号に基づいて模擬速度信号及び模擬位置指令信号を出力する機械系模擬回路と、
前記位置指令信号及び模擬位置指令信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路と、
前記第1の速度信号と前記模擬速度信号とを加算して第3の速度信号を出力する第1の加算器と、
前記第3の速度信号及び前記実速度信号とに基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路と、
前記第2の速度信号、前記模擬速度信号及び前記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路と、
前記第2のトルク信号と前記トルクフィードフォワード信号とを加算して第3のトルク信号を出力する第2の加算器と、
前記第1のトルク信号及び前記第3のトルク信号に基づいて前記電動機のトルクを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする電動機の位置制御装置。
【請求項4】
負荷機械を駆動する電動機を、該電動機に対して指令される位置指令信号と、前記電動機から検出された実位置信号及び実速度信号とに基づいて制御する電動機の位置制御装置であって、
前記位置指令信号及び前記実位置信号に基づいて第1の速度信号を出力する第1の位置制御回路と、
前記位置指令信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算により速度フィードフォワード信号を出力する速度フィードフォワード信号演算回路と、
前記速度フィードフォワード信号を入力して少なくとも1回の微分演算を含む所定の関数演算によりトルクフィードフォワード信号を出力するトルクフィードフォワード信号演算回路と、
前記負荷機械及び前記電動機を二つの積分要素として近似するとともに後述の第3のトルク信号に基づいて模擬速度信号及び模擬位置指令信号を出力する機械系模擬回路と、
前記位置指令信号及び模擬位置指令信号に基づいて第2の速度信号を出力する第2の位置制御回路と、
前記位置指令信号に基づいて位置指令判定信号を出力する位置指令状態判定器と、
前記模擬速度信号と前記位置指令判定信号とを乗算して模擬速度変換信号を出力する第1の乗算器と、
後述の第3のトルク信号と前記位置指令判定信号とを乗算してトルク変換信号を出力する第2の乗算器と、
前記第1の速度信号と前記模擬速度信号とを加算して第3の速度信号を出力する第1の加算器と、
前記第3の速度信号及び前記実速度信号とに基づいて第1のトルク信号を出力する第1の速度制御回路と、
前記第2の速度信号、前記模擬速度信号及び前記速度フィードフォワード信号に基づいて第2のトルク信号を出力する第2の速度制御回路と、
前記第2のトルク信号と前記トルクフィードフォワード信号とを加算して第3のトルク信号を出力する第2の加算器と、
前記第1のトルク信号及び前記トルク変換信号に基づいて前記電動機のトルクを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする電動機の位置制御装置。
【請求項5】
前記位置指令状態判定器は、前記位置指令信号の変化量が0以外のときは「1」の位置指令判定信号を出力し、位置指令信号の変化量が0となるときは「0」の位置指令判定信号を出力する
ことを特徴とする請求項2または4に記載の電動機の位置制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−109781(P2008−109781A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290428(P2006−290428)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】