電子機器
【課題】導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器を提供すること。
【解決手段】基板11は、所定のパターンを有するメタライズ配線12を有している。メタライズ配線12は、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合している。絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたもので、メタライズ層121の外面を覆っている。電子部品14は、メタライズ配線12のメタライズ層121に電気的に接続されている。
【解決手段】基板11は、所定のパターンを有するメタライズ配線12を有している。メタライズ配線12は、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合している。絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたもので、メタライズ層121の外面を覆っている。電子部品14は、メタライズ配線12のメタライズ層121に電気的に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、即ち、電子工学の技術を応用した電気製品に関する。本発明に係る電子機器には、基板上に電子部品を配置した一般的な電子機器は勿論のこと、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオードを用いた発光装置、照明装置、信号灯等の電子機器等も含まれる。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、周知のように、基板の一面上に、所定のパターンを有する配線パターンを形成し、この配線パターン上に能動部品や受動部品等の電子部品をはんだ付けする。配線パターンは、基板上に予め形成されているCu箔に、エッチング・レジストを塗布した後、Cu箔をフォト・リソグラフィ工程によってパターン化することによって得られる。配線パターンのうち、電子部品をはんだ付けするのに必要な部分だけ、Cu箔が露出し、はんだ付けの不要な部分にはんだが付かないように、基板上に熱硬化性エポキシ樹脂などでなるソルダ・レジスト皮膜を形成する。そして、露出したCu箔に電子部品をはんだ付けする。
【0003】
このように、従来の電子機器では、銅貼基板の準備、エッチング・レジスト塗布工程、フォト・リソグラフィ工程、ソルダ・レジスト塗布工程及び部品実装工程という多数の工程を経て製造しなければならなかった。このため、コスト低減や、量産性向上に限界があった。
【0004】
上述した手法とは異なって、基板上に、導電ペーストを直接にスクリーン印刷する手法がとられることもある。このときに用いられる導電性ペーストは、導電成分となる金属粉末又は合金粉末を、有機ビヒクル中に分散させたものである。有機ビヒクルは、熱硬化性絶縁樹脂、又は、熱可塑性絶縁樹脂などの絶縁樹脂及び溶剤を含んでいる。場合によっては、金属粉末の分散性向上、或いは、難燃性確保のために、第3成分が添加されることもある。
【0005】
こうして得られた配線パターンは、絶縁樹脂中に金属粉末が分散した構成になる。このため、金属導体そのものによる場合と比較して、導電性が悪くなる。
【0006】
そこで、導電性を向上させるために、粒径の小さい金属粉末を用いて、充てん率を増加させることが考えられる。しかし、金属粉末は、粒径の小さいほど凝集しやすいため、導電性ペースト中に均一に分散させるのが難しい上、隣り合う金属粒子間の接触部分が増加して、接続抵抗が増加する分、充てん率の増加に見合う導電性向上の効果が得られない。
【0007】
また、上記金属粉末として、銀粉またはCu粉を用いると、導電性の良好な配線が得られることが知られている。
【0008】
しかし、銀粉を含有する導電性ペーストは、高温多湿の雰囲気下で電界が印加されると、電気回路や電極にマイグレーションと称する銀の電析を生じ、配線パターンによって形成される電極間または配線間に短絡現象が発生するという欠点が生じる。このマイグレーションを防止するための対策手段として、例えば、銀粉の表面に防湿塗料を塗布することや、導電性ペーストに窒素化合物などの腐食抑制剤を添加する等の手法が知られているが、十分な効果の得られるものではなかった(特許文献1参照)。また、導電性の高い導体を得るには銀粉の配合量を増加しなければならず、銀粉が高価であることから、電子機器が高価になるという欠点があった。
【0009】
また、Cu粉を含有する導電性ペーストは、加熱硬化後のCuの酸化性が高いため、空気中及びバインダ中に含まれる酸素とCu粉が反応し、その表面に酸化膜を形成し、導電性を著しく低下させる。その対策として、特許文献2には、各種添加剤を加えて、Cu粉の酸化を防止し、導電性を安定させたCuペーストが開示されている。しかし、その導電性が銀ペーストには及ばず、また保存・安定性にも欠点があった。
【0010】
マイグレーションを改善し、安価な導電性ペーストを得るために、銀メッキCu粉を使用した導電性ペーストが提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。しかし、銀を均一に、かつ、厚く被膜すると、マイグレーションの改善効果が十分に得られない場合がある。逆に、薄く被膜すると、良好な導電性確保のために導電粉の充てん量を増加させる必要があり、その結果、相対的なバインダ成分の減少に伴う接着力(接着強度)の低下が起こるという問題が生じる場合があった。
【0011】
更に、屋外で使用される電子機器、例えば、太陽電池では、長期間にわたって、過酷な環境変動に耐え得る耐久性が要求される。特に、太陽電池が、日照時間の長い砂漠等に設置された場合には、設置場所の温度変動幅が100℃を超えることがある。ところが、上述した技術によって電極を形成した従来の太陽電池は、このような厳しい自然環境におかれた場合、数年程度で電極が劣化し、剥離等を生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−189107号公報
【特許文献2】特開平5−212579号公報
【特許文献3】特開平7−138549号公報
【特許文献4】特開平10−134636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、基板と、電子部品とを含む。前記基板は、メタライズ配線を有しており、前記電子部品は、前記基板上で前記メタライズ配線に電気的に接続されている。
【0015】
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでいる。前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分は互いに拡散接合している。前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆う保護膜を構成している。
【0016】
上述したように、本発明において、メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるから、低融点金属成分の有する低い融点で、高融点金属成分と低融点金属成分との間に拡散接合を生じさせることができる。
【0017】
上述のように、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合しているので、電気化学的安定性、耐酸化性に優れ、マイグレーションや酸化膜等を生じにくいメタライズ層を有する電子機器を実現することができる。
【0018】
また、高融点金属成分及び低融点金属成分の拡散接合により、ポアや、断線のほとんどない連続するメタライズ層となるので、メタライズ層の充填度、緻密性が上がり、導電性が高く、機械的・物理的強度の高いメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。しかも、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるので、その材料選定により、導電性の高いメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。
【0019】
さらに、絶縁層が、メタライズ層の外面を覆う保護膜を構成しているから、メタライズ層の外的損傷を回避することができるほか、耐酸化性、耐久性、耐候性が向上する。しかも、基板に対するメタライズ層自体の密着力・接着力の他に、絶縁層による密着力・接着力も発生するので、メタライズ配線の全体としての密着力・接着力が向上する。
【0020】
また、絶縁層は、メタライズ層と同時に形成されたものであるので、メタライズ層と絶縁層とを異時に形成したものと異なって、メタライズ層が空気に触れることがない。よって、酸化を受けない高品質のメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。
【0021】
上述した作用効果の総合として、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器が得られる。
【0022】
メタライズ配線は、Cu膜(Cu箔)等の金属または合金膜の上に形成されていてもよい。高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ配線を、Cu膜の上に形成すれば、Cu箔の厚みは変えないままで、メタライズ配線全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。また、Cu箔を薄くしたままで、メタライズ配線全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。
【0023】
本発明において、電子機器には、電子工学の技術を応用した電気製品の全てを含むことができる。本発明では、それらのうち、コンピュータ、携帯電話機、積層電子装置、電子機器、電子部品、太陽電池、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯及び液晶ディスプレイについて開示する。これらは、具体的な名称によって特定されているが、電子工学の技術を応用した電気製品であるという点で、本発明にいう電子機器のカテゴリに含まれる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明によれば、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、導電性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器を提供することができる。
【0025】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単なる例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る電子機器の一例を示す図である。
【図2】図1に示した電子機器に用いられているメタライズ配線の一部を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図1に示した電子機器に用いられているメタライズ配線の別の位置における断面図である。
【図5】メタライズ配線形成用導電ペーストを示す図である。
【図6】図5に示した導電ペーストの塗布状態を示す図である。
【図7】メタライズ配線形成用導電ペーストの他の例を示す図である。
【図8】本発明に係る電子機器に用いられるメタライズ配線の別の例を示す断面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係る電子機器のメタライズ配線の断面写真である。
【図11】比較例のメタライズ配線の断面写真である。
【図12】本発明に係る電子機器の一例であるコンピュータの構成を示す図である。
【図13】本発明に係る電子機器の他の例である携帯電話機の構成を示す図である。
【図14】本発明に係る電子機器の一例たる積層電子装置を示す図である。
【図15】図14に示した積層電子装置の製造工程を示す図である。
【図16】本発明に係る電子機器の他の例である太陽電池の平面図である。
【図17】図16に示した太陽電池の底面図(光入射側とは反対側)である。
【図18】太陽電池の別の例を示す断面図である。
【図19】図16〜図18に示した太陽光発電装置のブロック図である。
【図20】本発明に係る電子機器の他の例である発光ダイオードの断面図である。
【図21】図20に示した発光ダイオードを用いた発光装置、照明装置又は信号灯を示す図である。
【図22】図20に示した発光ダイオードをバックライトして用いた液晶ディスプレイの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1を参照すると、本発明に係る電子機器は、基板11と、電子部品141〜146とを含む。これらは、一般に、外装体2の内部に配置される。
【0028】
基板11は、所定のパターンを有するメタライズ配線12を有している。基板11は、有機基板であってもよいし、無機基板であってもよい。また、半導体回路を構成し得る基板、例えばSi基板であってもよいし、単なる絶縁基板であってもよい。
【0029】
電子部品141〜146は、基板11上でメタライズ配線12に電気的に接続されている。図1には、電子部品141〜146を、群として表示する参照符号14が付されている。電子部品141〜146は、能動部品、受動部品又はそれらの複合部品であり、その個数、種類、形状等は電子機器の機能、設計に応じて変化する。電子部品141〜146は、電子システム内で電子の振る舞いやそれに関わる力場に決まった形で影響を与え、システムが意図した機能を果たすようにするものである。電子部品141〜146は、メタライズ配線12で相互に接続され、特定の機能を持った電子回路を構成する。電子部品141〜146は個別にパッケージングされる場合と、集積回路の形で複合的にパッケージングされ、モジュール化される場合がある。
【0030】
更に、本発明の電子機器に含まれるものとしては、基板11と電子部品141〜146との明確な区分をもたず、基板11が電子部品141〜146としての機能を担う電子機器、例えば太陽電池等もある。
【0031】
メタライズ配線12は、図2及び図3に図示されているように、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合し、充填密度の高い一連の連続する金属層を構成している。高融点金属成分は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、Si、または、Niの群から選択された少なくても1種を含むことができ、低融点金属成分は、Sn、In、BiまたはGaの群から選択された少なくても1種を含むことができる。
【0032】
絶縁層122は、絶縁樹脂からなるものであって、メタライズ層121と同時に形成され、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成している。絶縁層122は、図2及び図3に図示するように、所定の厚みをもって、メタライズ層121の表面、線幅方向の両側面及び長さ方向の端面を連続して覆っている。
【0033】
また、電子部品141〜146は、図4に図示するように、その端子電極13が、絶縁層122を突き抜け、その下側のメタライズ層121に食い込むようにして、接続されている。端子電極13の周囲は、絶縁層122によって覆われている。
【0034】
上述したように、メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるから、低融点金属成分の有する低融点を利用して、高融点金属成分と低融点金属成分の間に拡散接合を生じさせることができる。このように、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合しているので、以下に述べるような作用効果が得られる。
【0035】
まず、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合しているので、電気化学的安定性、耐酸化性に優れたメタライズ層121を有する電子機器を実現することができる。
【0036】
例えば、融点金属成分としてAgを使用した場合、メタライズ層121では、Agと低融点金属成分との間で拡散接合が生じることにより、その電気化学的安定性が増し、Agのマイグレーションが確実に防止される。高融点金属成分としてCuを使用した場合にも、Cuと低融点金属成分との間に拡散接合が生じ、Cuの酸化が防止される。
【0037】
次に、高融点金属成分及び低融点金属成分の拡散接合により、ポアや、断線のない連続するメタライズ層121となるので、メタライズ層121の充填度、緻密性が上がり、導電性が高くなるとともに、機械的・物理的強度が増す。しかも、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるので、その材料選定により、導電性の高いメタライズ層121を有する電子機器を得ることができる。
【0038】
また、絶縁層122が、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成しているから、メタライズ層121の外的損傷を回避することができるほか、耐酸化性、耐久性及び耐候性が向上する。しかも、メタライズ層121自体の密着力・接着力の他に、絶縁層122による密着力・接着力も発生するので、メタライズ配線12の全体としての密着力・接着力が向上する。
【0039】
更に、絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたものであるので、メタライズ層121と絶縁層122とを異時に形成したものと異なって、メタライズ層121が空気に触れることがない。よって、酸化を受けない高品質のメタライズ層121を有する電子機器を得ることができる。
【0040】
上述した作用効果の総合として、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121を有する電子機器が得られる。
【0041】
メタライズ層121及び絶縁層122は、絶縁樹脂と、金属成分と、溶剤とを含む導電ペーストを用いて形成することができる。絶縁層122を構成する絶縁樹脂は、熱硬化性絶縁樹脂、または、熱可塑製絶縁樹脂を含むもので構成することができる。熱硬化性絶縁樹脂を使用する場合、その硬化点は、低融点金属成分の融点より高く、高融点金属成分の融点より低いものが好ましい。
【0042】
好ましくは、絶縁樹脂は、エポキシ絶縁樹脂、アクリレート絶縁樹脂又はフェノール絶縁樹脂から選択された少なくとも1種を含む。ペースト化のための溶剤としては、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、トルエン、または、キシレンのような公知の有機溶媒を使用することができる。
【0043】
メタライズ層121及び絶縁層122は、図5に図示するように、金属粒子たる高融点金属成分124及び金属粒子たる低融点金属成分123よりなる金属成分と、絶縁樹脂122とを含む導電ペーストを、スクリーン印刷技術を用いて、図6に図示するように、所定のパターンとなるように、基板11に塗布し、熱処理して得られる。したがって、従来必須であった銅貼基板の準備、エッチング・レジスト塗布工程及びフォト・リソグラフィ工程が不要になり、著しいコスト低減及び量産性向上の効果が得られる。
【0044】
熱処理にあたっては、低融点金属成分123の融点より高く、高融点金属成分124の融点より低い温度、例えば100〜300℃で加熱することが望ましい。この熱処理により、低融点金属成分123が溶解し、高融点金属成分124及び低融点金属成分123が凝集し、高融点金属成分124の相互間が、溶解した低融点金属成分123によって埋めた充てん構造が得られるとともに、低融点金属成分123と高融点金属成分124との間に拡散接合(金属間結合)が生じる。この拡散接合により、絶縁樹脂を含有しないメタライズ層121が形成される。メタライズ層121は、その比重差によって絶縁樹脂層122よりも下側に沈降する。これによって、基板11に付着したメタライズ層121の外面(表面及び側面)を、絶縁樹脂でなる保護層122で覆った2層構造のメタライズ配線12が形成される。絶縁層122は、メタライズ層121の外面(表面、側面)を覆う保護膜122を構成するから、保護膜122を塗布するための別工程が不要である。
【0045】
また、高融点金属成分としてAgを使用した場合も、メタライズ層121では、Agと低融点金属成分との間で、拡散接合が生じ、更に、導電性組成物全体では、メタライズ層121を絶縁層122が被覆する。この構成により、Agのマイグレーションを確実に防止することができる。同様に、高融点金属成分として、Cuを使用した場合にも、Cuと低融点金属成分との間に拡散接合が生じ、更にメタライズ層121が絶縁層122によって被覆されるから、Cuの酸化が防止される。
【0046】
導電ペーストの別の例としては、図7に図示するように、高融点金属粒子124の表面を、低融点金属膜123で覆った金属粒子を用いたものであってもよいし、あるいはこれとは逆に、低融点金属粒子の表面を高融点金属膜で覆った金属粒子を用いたものであってもよい。
【0047】
高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ配線12は、図8及び図9に例示するように、Cu膜等の金属膜125の上に形成されていてもよい。高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ層121を、Cu膜125(Cu箔)の上に形成すれば、Cu膜125の厚みは変えないままで、メタライズ配線12全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。或いは、Cu膜125の厚みを薄くしながら、その上に付着される高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ層121を、厚く形成することによって、メタライズ配線12の全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。
【0048】
図10は、本発明に係るメタライズ配線12の断面写真である。メタライズ配線12は、Sn、Bi、Agを含む系であり、絶縁層122、メタライズ層121の2層に分かれ、メタライズ層121の表面を絶縁層122が被膜している。図10を見ると、メタライズ層121には隙間や断線等がないことが分かる。
【0049】
図11は、銀粒子、及び、エポキシ絶縁樹脂でなる導電性ペーストを用いて得られた比較例における配線の断面写真である。この断面写真により、銀粒子は、その表面を被膜されることなく、個々に存在することが分かる。また、断線部が見られる。
【0050】
更に、本発明に係るメタライズ配線12では、図10に示すように、絶縁樹脂層と、メタライズ層121の2層に分かれ、絶縁層122の表面を絶縁樹脂層が被膜している。これに対して、比較例では、図11の断面写真に示されたように、銀粒子が、その表面を被膜されることなく、個々に存在しており、銀マイグレーションが起こったことが分かる。図11の中間部に現れた暗色部分が銀マイグレーションによる断線部分を示している。
【0051】
次に、本発明に係るメタライズ配線を有するPETフィルムと、上述した比較例の銀配線を有するPETフィルムについて、何回折り曲げると、断線が生じるかを測定する強度試験を行った。加える荷重や、塗布する厚さ、室温等の実験条件は同一とした。
【0052】
比較例の銀配線を有するPETフィルムは、50回程度の折り曲げ操作で、断線が生じたのに対し、本発明に係るメタライズ配線を有するPETフィルムは、5000回を超過する折り曲げによって、初めて断線が生じた。
【0053】
本発明における電子機器には、電子工学の技術を応用した電気製品の全てを含むことができる。代表的に例示すると、例えば、コンピュータ、モバイル情報機器、コンピュータ周辺端末装置、OA機器、通信機器、業務用情報端末・自動認識装置、カーエレクトロニクス機器、産業用機械、エンターテインメント機器、音響機器、映像機器又は家庭用電気機器等である。限定するものではないが、その具体例として、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話機、積層電子装置、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯、ゲーム機、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、DVDプレイヤー、電子手帳、電子辞書、ハードディスクレコーダ、携帯情報端末(PDA)、ビデオカメラ、プリンタ、プラズマディスプレイ、ラジオ等を例示することができる。紙面に限りがあるところから、上述した電子機器の一例として、コンピュータ、携帯電話機、積層電子装置、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯、及び、液晶ディスプレイを例にとって説明する。
【0054】
<パーソナル・コンピュータ>
多くのパーソナル・コンピュータは、例えば、図12に図示するように、CPU(Central Processing Unit)141と、DRAM等のメイン・メモリ143が中心をなし、これにハードディスク・コントローラ146、グラフィック・コントローラ145等を付加した基本的な構成を有する。各構成部分は、通信路となるCPUバス12B1、メモリバス12B2、内部バス12B3、12B4等によって結ばれており、これらのバス12B1〜12B4はチップ・セット144によって結合されている。CPU141は、多くの場合、メモリ機能の一部(キャッシュメモリ)142を含んでおり、メイン・メモリ143は、データとプログラムの情報を保持する。更に、周辺装置4として、入力装置43(キーボード、マウス、スキャナ等)、出力装置41(液晶ディスプレイ、スピーカ等)、二次記憶装置(ハード・ディスク・ドライブ等)42及び通信装置(モデム、ネットワークインターフェース等)を備える。
【0055】
本発明に係るメタライズ配線は、CPUバス12B1、メモリバス12B2、内部バス12B3、12B4に適用できる他、各構成部分141〜146、4とバス12B1〜12B4との間の配線12Aにも適用できる。即ち、ボード(基板)に、バス12B1〜12B4や、構成部分141〜146、4とバス12B1〜12B4との間の配線12Aを形成する場合に、これらの配線を、本発明に係るメタライズ配線とするものである。メタライズ配線は、図2〜図4に図示したように、メタライズ層121と絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合し、連続する一連の層を構成する。絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたもので、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成する。各構成部分とバス12B1〜12B4との間の配線12Aについても同様である。
【0056】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のバス12B1〜12B4、及び、配線12Aを有するパーソナル・コンピュータが得られる。
【0057】
<携帯電話機>
次に、携帯電話は、例えば、図13に例示するように、アンテナ154、フロント・エンド・モジュール141、電力増幅回路142、トランシーバIC140及びデジタル・ベース・バンド147等を有する。トランシーバICは、送信回路143、受信回路148、ベースバンド帯の処理を行うアナログ回路145及び入出力インターフェースI/O146等を有している。アナログ回路145は、A/D変換回路151及びD/A変換回路等152を含んでいる。
【0058】
本発明に係るメタライズ配線は、アンテナ154、フロント・エンド・モジュール141、電力増幅回路142、トランシーバIC140及びデジタル・ベース・バンド147の間の配線12Aに適用できるし、各構成部分141〜154の内部配線に適用することもできる。
【0059】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度の配線12A及び内部配線を有する携帯電話機が得られる。
【0060】
<積層電子装置>
次に、図14を参照すると、第1のチップ部品14Aと、第2のチップ部品14Bと、第3のチップ部品14Cとを積層した積層電子装置が図示されている。第1のチップ部品14A及び第3のチップ部品14Cは、例えば図12に示したコンピュータにおいて、メイン・メモリ143のチップ及びそれに接続されるロジックICチップ等である。第2のチップ部品14Bは、例えばインターポーザであり、メイン・メモリ・チップを構成する第1のチップ部品14Aと、ロジックICチップを構成する第3のチップ部品14Cとの間にあって、両者間に所定の配線を形成するものである。第2のチップ部品14Bと第3のチップ部品14Cとの間、及び、第2のチップ部品14Bと第1のチップ部品14Aとの間には、所定のパターンを有するメタライズ配線12が形成されている。
【0061】
メタライズ配線12は、本発明に係るものであって、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合し、一連の連続するメタライズ層121を形成している。絶縁層122は、絶縁樹脂からなり、メタライズ層121と同時に形成され、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成している。
【0062】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板相互間の接着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線12を有する積層電子装置が得られる。
【0063】
図14に示す3次元積層電子装置を得るには、図15に図示するように、第2のチップ部品14Bの片面又は両面に、本発明に係る導電性ペースト12を塗布し、塗布した後に熱処理を施す。導電性ペースト12は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含むから、熱処理にあたっては、低融点金属成分の融点より高く、高融点金属成分の融点より低い温度、例えば100〜300℃で加熱する。この熱処理により、低融点金属成分が溶解する。これにより、高融点金属成分及び低融点金属成分が凝集し、高融点金属成分の間が、溶解した低融点金属成分によって埋められた充てん構造を形成するとともに、低融点金属成分と高融点金属成分との間に拡散接合が生じる。
【0064】
低融点金属成分及び高融点金属成分は、第1のチップ部品14Aの端子電極13と第2のチップ部品14Bの端子電極125、及び、第2のチップ部品14Bの端子電極13と第3のチップ部品14Cの端子電極125とに向かって凝集するから、第1のチップ部品14Aの端子電極13と第2のチップ部品14Bの端子電極1125とを接続するメタライズ層121、及び、第2のチップ部品14Bの端子電極13と第3のチップ部品14Cの端子電極125とを接続するメタライズ層121が形成されることになる。メタライズ層121の外面(表面及び側面)は、絶縁樹脂でなる保護層122で覆われる。
【0065】
第2のチップ部品14Bが、インターポーザである場合、いわゆるTSV(Through Siliconn Via)技術を適用し、厚み方向に貫通電極を形成したものであることが望ましい。これにより、三次元回路配置構造を実現し、線幅の微細化とは異なる手法で、大容量化、転送速度の高速化、高周波特性の改善などに資することができる。
【0066】
TSV構造の実現において、中心的な役割を担う縦導体は、溶融金属充填法によって形成した溶融凝固導体であることが好ましい。溶融金属充填法によって溶融凝固体でなる縦導体(貫通電極)を形成するには、例えば、予め、基板に開けられた微細孔内に溶融金属を充填し、充填された溶融金属に、押圧板を用いたプレス、インジェクション射出圧又は転圧を印加したままで、冷却し、硬化させる。この溶融金属充填法によれば、めっきなどに比較して、極めて短時間に、空洞等のない高品質の縦導体(貫通電極)を形成することができる。したがって、線幅の微細化とは異なる手法で、大容量化、転送速度の高速化、高周波特性の改善などを図った高品質の三次元構造の電子機器が実現される。
【0067】
別の形態として、メモリや論理IC等の電子部品141〜146そのものに、TSV 技術を適用して、三次元構造を実現してもよい。図13に示した携帯電話機においても、主要な構成部分について、TSV技術を適用することができる。
【0068】
<太陽電池>
図16及び図17を参照すると、シリコン基板11の裏面(光入射面とは反対側)のp+半導体層14Pおよびn+半導体層14nとの電気的接続を行なうために、シリコン基板11の裏面に形成されたパッシベーション膜126が所望のパターン形状に除去され、パッシベーション膜126が除去された部分に合わせて、p+半導体層14P上にp電極コンタクト15pが形成されるとともに、n+半導体層14n上にn電極コンタクト15pが形成される。また、パッシベーション膜126及びn電極コンタクト15nの上に、nメタライズ配線12nが形成されるとともに、パッシベーション膜126及びp電極コンタクト15pの上にpメタライズ配線12pが形成される。pメタライズ配線12Pおよびnメタライズ配線12nは、主に太陽電池セルに発生した電流を収集する電極であり、これらは、インター・デジタル電極として形成されている。一枚のシリコン基板11上に、多数の太陽電池セルを配列してゆく場合には、pメタライズ配線12pおよびnメタライズ配線12nの何れか一方に、太陽電池セル間を接続するバス電極としての役割を担わせることができる。
【0069】
ここで、pメタライズ配線12pは、メタライズ層121pと、絶縁層122pとを含んでいる。メタライズ層121pは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいる。高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122pは、メタライズ層121pと同時に形成され、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。
【0070】
nメタライズ配線12nも同様であって、メタライズ層121nと、絶縁層122nとを含んでいる。メタライズ層121nは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいる。高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合し、メタライズ層121nを構成している。絶縁層122nは、メタライズ層121nと同時に形成され、メタライズ層121nの外面を覆う保護膜を構成している。その形成方法については、既に述べたとおりである。
【0071】
次に、図18を参照すると、シリコン基板11の一面に設けられたパッシベーション膜126上に、n+半導体層14nと電気的に接続されるn電極コンタクト15n、及び、p+半導体層14pと電気的に接続されるP電極コンタクト15Pが形成される。n電極コンタクト15n及びパッシベーション膜126の上に、nメタライズ配線12nが形成され、更に、nメタライズ配線12nの表面を覆うとともに、p電極コンタクト15pの表面を露出するように、pメタライズ配線12pが形成される。
【0072】
nメタライズ配線12nのメタライズ層121nは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122nは、メタライズ層121nと同時に形成され、メタライズ層121nの外面を覆う。メタライズ層121nは、n電極コンタクト15nに接続される。
【0073】
Pメタライズ配線12pのメタライズ層121pは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでおり、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122pは、メタライズ層121pと同時に形成されたもので、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。メタライズ層121pは、p電極コンタクト15pに接続される。基板11の太陽光入射面には、反射防止膜129が付着されている。
【0074】
上記構成によれば、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121p、121nを有する太陽電池が得られることは、既に述べたところから明らかである。そして、この本発明の効果は、太陽電池が砂漠等の自然環境の厳しい場所に設置された場合でさえも、その大きな温度変動に耐え、長期間にわたって安定に動作させ得る、という点で、極めて有用なものである。
【0075】
本発明に係るメタライズ配線は、図示の太陽電池のみならず、他のタイプの太陽電池にも適用することができる。例えば、太陽光入射側にITO等の透明電極を有する太陽電池において、透明電極を形成する場合や、色素増感型太陽電池において、電極を形成する場合等である。
【0076】
<太陽光発電装置>
図19を参照すると、太陽電池を用いた太陽光発電装置6が図示されている。図示の太陽光発電装置は、太陽電池61から出力された直流電力を、電力変換装置62によって交流に変換し、変換された交流電力を、分電装置63を経て、負荷65に供給するとともに、余剰電力を商用交流系統7に売電するようになっている。電力変換装置62及び分電装置63は、制御装置64によって制御される。太陽電池61は、図16〜図18に示した太陽電池を多数集合したものである。
【0077】
<発光ダイオード>
次に、図20を参照すると、本発明に係る発光ダイオードが図示されている。図20に例示された発光ダイオードは、発光素子14と、nメタライズ配線(第1メタライズ配線)12nと、pメタライズ配線(第2メタライズ配線)12pとを含んでいる。発光素子14は、透明結晶基板161に積層されている。透明結晶基板161は、サファイヤ等で構成されたもので、表面が光出射面であり、発光素子14は透明結晶基板2の光出射面とは反対側の他面に積層されている。
【0078】
発光素子14は、透明結晶基板161に積層したバッファ層162の上に、n型半導体層14nを形成し、n型半導体層14nの上に、活性層14aを介して、p型半導体層14pを積層した構造になっている。透明結晶基板161の側に位置するn型半導体層14nは、P型半導体層14Pと重ならない部分164を有しており、この部分164の段差が金属導電層165によって埋められている。
【0079】
nメタライズ配線12nは、n型半導体層14nに接続され、pメタライズ配線12pは、p型半導体層14pに接続されている。nメタライズ配線12nは、メタライズ層121nと絶縁層122nとを含み、メタライズ層121nが金属導電層165の表面に接合されている。pメタライズ配線12pのメタライズ層121pは、nメタライズ配線12nと同じ側の面に設けられ、反射膜163を介して、p型半導体層14pに接続されている。
【0080】
メタライズ層121n及びメタライズ層121pには、支持基板11及び絶縁層122n、122pを貫通する第1及び第2貫通電極17NT、17PTが接続されている。
【0081】
nメタライズ配線12nは、絶縁樹脂と金属成分とを含む同一導電ペーストを用いて同時に形成されたものである。金属成分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合して、メタライズ層121nを構成している。絶縁層122nは、絶縁樹脂からなり、メタライズ層121nの外面を覆う。メタライズ層121nは、n電極コンタクト15nに接続される。
【0082】
Pメタライズ配線12pも、絶縁樹脂と金属成分とを含む同一導電ペーストを用いて同時に形成されたものである。金属成分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分124及び低融点金属成分123は互いに拡散接合して、メタライズ層121pを構成している。絶縁層122pは絶縁樹脂からなり、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。
【0083】
上記構成によれば、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121p、121nを有する発光ダイオードが得られることは明らかである。
【0084】
なお、本発明に係るメタライズ配線は、図示の発光ダイオードのみならず、他のタイプの発光ダイオードにも適用することができる。例えば、光出射側にITO等の透明電極を有する発光ダイオード池において、透明電極を形成する場合等である。
【0085】
<発光装置、照明装置又は信号灯>
図21を参照すると、m個の発光ダイオードLED1〜LEDmを有する発光装置が図示されている。発光ダイオードLED1〜LEDmは、図20に示したものであって、発光素子14と、nメタライズ配線(第1メタライズ配線)12nと、pメタライズ配線(第2メタライズ配線)12pとを含んでいる。発光ダイオードLED1〜LEDmの具体的な構造は、図20を参照して詳説したとおりである。発光ダイオードLED1〜LEDmは、単列、又は、複数列配置してもよい。また、基板は、発光ダイオードLED1〜LEDmにおいて、共通のものであってもよい。更に、R、G、Bの発光ダイオードの配列であってもよいし、単色光の発光ダイオードを配列したものであってもよい。
【0086】
図21に示した発光装置は、照明装置としても用いることができるし、交通信号の信号灯として用いることもできる。これらの発光装置、照明装置又は信号灯が、高品質で、信頼性が高くなることは、これまでの説明から自明である。
【0087】
<液晶ディスプレイ>
図22は、液晶ディスプレイを示す図で、液晶パネル8とバックライト9とを組み合わせた構造となっている。バックライト9は、図20に示したm個の発光ダイオードLED1〜LEDmを、行列状に整列したものである。この液晶ディスプレイが、高品質で、信頼度が高いものであることは、これまでの説明から明らかである。
【0088】
以上、好ましい試料を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0089】
11 基板
12 メタライズ配線
121 メタライズ層
122 絶縁層
14 電子部品
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、即ち、電子工学の技術を応用した電気製品に関する。本発明に係る電子機器には、基板上に電子部品を配置した一般的な電子機器は勿論のこと、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオードを用いた発光装置、照明装置、信号灯等の電子機器等も含まれる。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、周知のように、基板の一面上に、所定のパターンを有する配線パターンを形成し、この配線パターン上に能動部品や受動部品等の電子部品をはんだ付けする。配線パターンは、基板上に予め形成されているCu箔に、エッチング・レジストを塗布した後、Cu箔をフォト・リソグラフィ工程によってパターン化することによって得られる。配線パターンのうち、電子部品をはんだ付けするのに必要な部分だけ、Cu箔が露出し、はんだ付けの不要な部分にはんだが付かないように、基板上に熱硬化性エポキシ樹脂などでなるソルダ・レジスト皮膜を形成する。そして、露出したCu箔に電子部品をはんだ付けする。
【0003】
このように、従来の電子機器では、銅貼基板の準備、エッチング・レジスト塗布工程、フォト・リソグラフィ工程、ソルダ・レジスト塗布工程及び部品実装工程という多数の工程を経て製造しなければならなかった。このため、コスト低減や、量産性向上に限界があった。
【0004】
上述した手法とは異なって、基板上に、導電ペーストを直接にスクリーン印刷する手法がとられることもある。このときに用いられる導電性ペーストは、導電成分となる金属粉末又は合金粉末を、有機ビヒクル中に分散させたものである。有機ビヒクルは、熱硬化性絶縁樹脂、又は、熱可塑性絶縁樹脂などの絶縁樹脂及び溶剤を含んでいる。場合によっては、金属粉末の分散性向上、或いは、難燃性確保のために、第3成分が添加されることもある。
【0005】
こうして得られた配線パターンは、絶縁樹脂中に金属粉末が分散した構成になる。このため、金属導体そのものによる場合と比較して、導電性が悪くなる。
【0006】
そこで、導電性を向上させるために、粒径の小さい金属粉末を用いて、充てん率を増加させることが考えられる。しかし、金属粉末は、粒径の小さいほど凝集しやすいため、導電性ペースト中に均一に分散させるのが難しい上、隣り合う金属粒子間の接触部分が増加して、接続抵抗が増加する分、充てん率の増加に見合う導電性向上の効果が得られない。
【0007】
また、上記金属粉末として、銀粉またはCu粉を用いると、導電性の良好な配線が得られることが知られている。
【0008】
しかし、銀粉を含有する導電性ペーストは、高温多湿の雰囲気下で電界が印加されると、電気回路や電極にマイグレーションと称する銀の電析を生じ、配線パターンによって形成される電極間または配線間に短絡現象が発生するという欠点が生じる。このマイグレーションを防止するための対策手段として、例えば、銀粉の表面に防湿塗料を塗布することや、導電性ペーストに窒素化合物などの腐食抑制剤を添加する等の手法が知られているが、十分な効果の得られるものではなかった(特許文献1参照)。また、導電性の高い導体を得るには銀粉の配合量を増加しなければならず、銀粉が高価であることから、電子機器が高価になるという欠点があった。
【0009】
また、Cu粉を含有する導電性ペーストは、加熱硬化後のCuの酸化性が高いため、空気中及びバインダ中に含まれる酸素とCu粉が反応し、その表面に酸化膜を形成し、導電性を著しく低下させる。その対策として、特許文献2には、各種添加剤を加えて、Cu粉の酸化を防止し、導電性を安定させたCuペーストが開示されている。しかし、その導電性が銀ペーストには及ばず、また保存・安定性にも欠点があった。
【0010】
マイグレーションを改善し、安価な導電性ペーストを得るために、銀メッキCu粉を使用した導電性ペーストが提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。しかし、銀を均一に、かつ、厚く被膜すると、マイグレーションの改善効果が十分に得られない場合がある。逆に、薄く被膜すると、良好な導電性確保のために導電粉の充てん量を増加させる必要があり、その結果、相対的なバインダ成分の減少に伴う接着力(接着強度)の低下が起こるという問題が生じる場合があった。
【0011】
更に、屋外で使用される電子機器、例えば、太陽電池では、長期間にわたって、過酷な環境変動に耐え得る耐久性が要求される。特に、太陽電池が、日照時間の長い砂漠等に設置された場合には、設置場所の温度変動幅が100℃を超えることがある。ところが、上述した技術によって電極を形成した従来の太陽電池は、このような厳しい自然環境におかれた場合、数年程度で電極が劣化し、剥離等を生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−189107号公報
【特許文献2】特開平5−212579号公報
【特許文献3】特開平7−138549号公報
【特許文献4】特開平10−134636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、基板と、電子部品とを含む。前記基板は、メタライズ配線を有しており、前記電子部品は、前記基板上で前記メタライズ配線に電気的に接続されている。
【0015】
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでいる。前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分は互いに拡散接合している。前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆う保護膜を構成している。
【0016】
上述したように、本発明において、メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるから、低融点金属成分の有する低い融点で、高融点金属成分と低融点金属成分との間に拡散接合を生じさせることができる。
【0017】
上述のように、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合しているので、電気化学的安定性、耐酸化性に優れ、マイグレーションや酸化膜等を生じにくいメタライズ層を有する電子機器を実現することができる。
【0018】
また、高融点金属成分及び低融点金属成分の拡散接合により、ポアや、断線のほとんどない連続するメタライズ層となるので、メタライズ層の充填度、緻密性が上がり、導電性が高く、機械的・物理的強度の高いメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。しかも、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるので、その材料選定により、導電性の高いメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。
【0019】
さらに、絶縁層が、メタライズ層の外面を覆う保護膜を構成しているから、メタライズ層の外的損傷を回避することができるほか、耐酸化性、耐久性、耐候性が向上する。しかも、基板に対するメタライズ層自体の密着力・接着力の他に、絶縁層による密着力・接着力も発生するので、メタライズ配線の全体としての密着力・接着力が向上する。
【0020】
また、絶縁層は、メタライズ層と同時に形成されたものであるので、メタライズ層と絶縁層とを異時に形成したものと異なって、メタライズ層が空気に触れることがない。よって、酸化を受けない高品質のメタライズ層を有する電子機器を得ることができる。
【0021】
上述した作用効果の総合として、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器が得られる。
【0022】
メタライズ配線は、Cu膜(Cu箔)等の金属または合金膜の上に形成されていてもよい。高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ配線を、Cu膜の上に形成すれば、Cu箔の厚みは変えないままで、メタライズ配線全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。また、Cu箔を薄くしたままで、メタライズ配線全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。
【0023】
本発明において、電子機器には、電子工学の技術を応用した電気製品の全てを含むことができる。本発明では、それらのうち、コンピュータ、携帯電話機、積層電子装置、電子機器、電子部品、太陽電池、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯及び液晶ディスプレイについて開示する。これらは、具体的な名称によって特定されているが、電子工学の技術を応用した電気製品であるという点で、本発明にいう電子機器のカテゴリに含まれる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明によれば、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、導電性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線を有する電子機器を提供することができる。
【0025】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単なる例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る電子機器の一例を示す図である。
【図2】図1に示した電子機器に用いられているメタライズ配線の一部を示す断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図1に示した電子機器に用いられているメタライズ配線の別の位置における断面図である。
【図5】メタライズ配線形成用導電ペーストを示す図である。
【図6】図5に示した導電ペーストの塗布状態を示す図である。
【図7】メタライズ配線形成用導電ペーストの他の例を示す図である。
【図8】本発明に係る電子機器に用いられるメタライズ配線の別の例を示す断面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係る電子機器のメタライズ配線の断面写真である。
【図11】比較例のメタライズ配線の断面写真である。
【図12】本発明に係る電子機器の一例であるコンピュータの構成を示す図である。
【図13】本発明に係る電子機器の他の例である携帯電話機の構成を示す図である。
【図14】本発明に係る電子機器の一例たる積層電子装置を示す図である。
【図15】図14に示した積層電子装置の製造工程を示す図である。
【図16】本発明に係る電子機器の他の例である太陽電池の平面図である。
【図17】図16に示した太陽電池の底面図(光入射側とは反対側)である。
【図18】太陽電池の別の例を示す断面図である。
【図19】図16〜図18に示した太陽光発電装置のブロック図である。
【図20】本発明に係る電子機器の他の例である発光ダイオードの断面図である。
【図21】図20に示した発光ダイオードを用いた発光装置、照明装置又は信号灯を示す図である。
【図22】図20に示した発光ダイオードをバックライトして用いた液晶ディスプレイの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1を参照すると、本発明に係る電子機器は、基板11と、電子部品141〜146とを含む。これらは、一般に、外装体2の内部に配置される。
【0028】
基板11は、所定のパターンを有するメタライズ配線12を有している。基板11は、有機基板であってもよいし、無機基板であってもよい。また、半導体回路を構成し得る基板、例えばSi基板であってもよいし、単なる絶縁基板であってもよい。
【0029】
電子部品141〜146は、基板11上でメタライズ配線12に電気的に接続されている。図1には、電子部品141〜146を、群として表示する参照符号14が付されている。電子部品141〜146は、能動部品、受動部品又はそれらの複合部品であり、その個数、種類、形状等は電子機器の機能、設計に応じて変化する。電子部品141〜146は、電子システム内で電子の振る舞いやそれに関わる力場に決まった形で影響を与え、システムが意図した機能を果たすようにするものである。電子部品141〜146は、メタライズ配線12で相互に接続され、特定の機能を持った電子回路を構成する。電子部品141〜146は個別にパッケージングされる場合と、集積回路の形で複合的にパッケージングされ、モジュール化される場合がある。
【0030】
更に、本発明の電子機器に含まれるものとしては、基板11と電子部品141〜146との明確な区分をもたず、基板11が電子部品141〜146としての機能を担う電子機器、例えば太陽電池等もある。
【0031】
メタライズ配線12は、図2及び図3に図示されているように、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合し、充填密度の高い一連の連続する金属層を構成している。高融点金属成分は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、Si、または、Niの群から選択された少なくても1種を含むことができ、低融点金属成分は、Sn、In、BiまたはGaの群から選択された少なくても1種を含むことができる。
【0032】
絶縁層122は、絶縁樹脂からなるものであって、メタライズ層121と同時に形成され、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成している。絶縁層122は、図2及び図3に図示するように、所定の厚みをもって、メタライズ層121の表面、線幅方向の両側面及び長さ方向の端面を連続して覆っている。
【0033】
また、電子部品141〜146は、図4に図示するように、その端子電極13が、絶縁層122を突き抜け、その下側のメタライズ層121に食い込むようにして、接続されている。端子電極13の周囲は、絶縁層122によって覆われている。
【0034】
上述したように、メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるから、低融点金属成分の有する低融点を利用して、高融点金属成分と低融点金属成分の間に拡散接合を生じさせることができる。このように、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合しているので、以下に述べるような作用効果が得られる。
【0035】
まず、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合しているので、電気化学的安定性、耐酸化性に優れたメタライズ層121を有する電子機器を実現することができる。
【0036】
例えば、融点金属成分としてAgを使用した場合、メタライズ層121では、Agと低融点金属成分との間で拡散接合が生じることにより、その電気化学的安定性が増し、Agのマイグレーションが確実に防止される。高融点金属成分としてCuを使用した場合にも、Cuと低融点金属成分との間に拡散接合が生じ、Cuの酸化が防止される。
【0037】
次に、高融点金属成分及び低融点金属成分の拡散接合により、ポアや、断線のない連続するメタライズ層121となるので、メタライズ層121の充填度、緻密性が上がり、導電性が高くなるとともに、機械的・物理的強度が増す。しかも、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいるので、その材料選定により、導電性の高いメタライズ層121を有する電子機器を得ることができる。
【0038】
また、絶縁層122が、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成しているから、メタライズ層121の外的損傷を回避することができるほか、耐酸化性、耐久性及び耐候性が向上する。しかも、メタライズ層121自体の密着力・接着力の他に、絶縁層122による密着力・接着力も発生するので、メタライズ配線12の全体としての密着力・接着力が向上する。
【0039】
更に、絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたものであるので、メタライズ層121と絶縁層122とを異時に形成したものと異なって、メタライズ層121が空気に触れることがない。よって、酸化を受けない高品質のメタライズ層121を有する電子機器を得ることができる。
【0040】
上述した作用効果の総合として、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121を有する電子機器が得られる。
【0041】
メタライズ層121及び絶縁層122は、絶縁樹脂と、金属成分と、溶剤とを含む導電ペーストを用いて形成することができる。絶縁層122を構成する絶縁樹脂は、熱硬化性絶縁樹脂、または、熱可塑製絶縁樹脂を含むもので構成することができる。熱硬化性絶縁樹脂を使用する場合、その硬化点は、低融点金属成分の融点より高く、高融点金属成分の融点より低いものが好ましい。
【0042】
好ましくは、絶縁樹脂は、エポキシ絶縁樹脂、アクリレート絶縁樹脂又はフェノール絶縁樹脂から選択された少なくとも1種を含む。ペースト化のための溶剤としては、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、トルエン、または、キシレンのような公知の有機溶媒を使用することができる。
【0043】
メタライズ層121及び絶縁層122は、図5に図示するように、金属粒子たる高融点金属成分124及び金属粒子たる低融点金属成分123よりなる金属成分と、絶縁樹脂122とを含む導電ペーストを、スクリーン印刷技術を用いて、図6に図示するように、所定のパターンとなるように、基板11に塗布し、熱処理して得られる。したがって、従来必須であった銅貼基板の準備、エッチング・レジスト塗布工程及びフォト・リソグラフィ工程が不要になり、著しいコスト低減及び量産性向上の効果が得られる。
【0044】
熱処理にあたっては、低融点金属成分123の融点より高く、高融点金属成分124の融点より低い温度、例えば100〜300℃で加熱することが望ましい。この熱処理により、低融点金属成分123が溶解し、高融点金属成分124及び低融点金属成分123が凝集し、高融点金属成分124の相互間が、溶解した低融点金属成分123によって埋めた充てん構造が得られるとともに、低融点金属成分123と高融点金属成分124との間に拡散接合(金属間結合)が生じる。この拡散接合により、絶縁樹脂を含有しないメタライズ層121が形成される。メタライズ層121は、その比重差によって絶縁樹脂層122よりも下側に沈降する。これによって、基板11に付着したメタライズ層121の外面(表面及び側面)を、絶縁樹脂でなる保護層122で覆った2層構造のメタライズ配線12が形成される。絶縁層122は、メタライズ層121の外面(表面、側面)を覆う保護膜122を構成するから、保護膜122を塗布するための別工程が不要である。
【0045】
また、高融点金属成分としてAgを使用した場合も、メタライズ層121では、Agと低融点金属成分との間で、拡散接合が生じ、更に、導電性組成物全体では、メタライズ層121を絶縁層122が被覆する。この構成により、Agのマイグレーションを確実に防止することができる。同様に、高融点金属成分として、Cuを使用した場合にも、Cuと低融点金属成分との間に拡散接合が生じ、更にメタライズ層121が絶縁層122によって被覆されるから、Cuの酸化が防止される。
【0046】
導電ペーストの別の例としては、図7に図示するように、高融点金属粒子124の表面を、低融点金属膜123で覆った金属粒子を用いたものであってもよいし、あるいはこれとは逆に、低融点金属粒子の表面を高融点金属膜で覆った金属粒子を用いたものであってもよい。
【0047】
高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ配線12は、図8及び図9に例示するように、Cu膜等の金属膜125の上に形成されていてもよい。高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ層121を、Cu膜125(Cu箔)の上に形成すれば、Cu膜125の厚みは変えないままで、メタライズ配線12全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。或いは、Cu膜125の厚みを薄くしながら、その上に付着される高融点金属成分及び低融点金属成分でなるメタライズ層121を、厚く形成することによって、メタライズ配線12の全体としての断面積を増大させ、電気抵抗を低減することができる。
【0048】
図10は、本発明に係るメタライズ配線12の断面写真である。メタライズ配線12は、Sn、Bi、Agを含む系であり、絶縁層122、メタライズ層121の2層に分かれ、メタライズ層121の表面を絶縁層122が被膜している。図10を見ると、メタライズ層121には隙間や断線等がないことが分かる。
【0049】
図11は、銀粒子、及び、エポキシ絶縁樹脂でなる導電性ペーストを用いて得られた比較例における配線の断面写真である。この断面写真により、銀粒子は、その表面を被膜されることなく、個々に存在することが分かる。また、断線部が見られる。
【0050】
更に、本発明に係るメタライズ配線12では、図10に示すように、絶縁樹脂層と、メタライズ層121の2層に分かれ、絶縁層122の表面を絶縁樹脂層が被膜している。これに対して、比較例では、図11の断面写真に示されたように、銀粒子が、その表面を被膜されることなく、個々に存在しており、銀マイグレーションが起こったことが分かる。図11の中間部に現れた暗色部分が銀マイグレーションによる断線部分を示している。
【0051】
次に、本発明に係るメタライズ配線を有するPETフィルムと、上述した比較例の銀配線を有するPETフィルムについて、何回折り曲げると、断線が生じるかを測定する強度試験を行った。加える荷重や、塗布する厚さ、室温等の実験条件は同一とした。
【0052】
比較例の銀配線を有するPETフィルムは、50回程度の折り曲げ操作で、断線が生じたのに対し、本発明に係るメタライズ配線を有するPETフィルムは、5000回を超過する折り曲げによって、初めて断線が生じた。
【0053】
本発明における電子機器には、電子工学の技術を応用した電気製品の全てを含むことができる。代表的に例示すると、例えば、コンピュータ、モバイル情報機器、コンピュータ周辺端末装置、OA機器、通信機器、業務用情報端末・自動認識装置、カーエレクトロニクス機器、産業用機械、エンターテインメント機器、音響機器、映像機器又は家庭用電気機器等である。限定するものではないが、その具体例として、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話機、積層電子装置、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯、ゲーム機、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、DVDプレイヤー、電子手帳、電子辞書、ハードディスクレコーダ、携帯情報端末(PDA)、ビデオカメラ、プリンタ、プラズマディスプレイ、ラジオ等を例示することができる。紙面に限りがあるところから、上述した電子機器の一例として、コンピュータ、携帯電話機、積層電子装置、太陽電池、太陽光発電装置、発光ダイオード、発光装置、照明装置、信号灯、及び、液晶ディスプレイを例にとって説明する。
【0054】
<パーソナル・コンピュータ>
多くのパーソナル・コンピュータは、例えば、図12に図示するように、CPU(Central Processing Unit)141と、DRAM等のメイン・メモリ143が中心をなし、これにハードディスク・コントローラ146、グラフィック・コントローラ145等を付加した基本的な構成を有する。各構成部分は、通信路となるCPUバス12B1、メモリバス12B2、内部バス12B3、12B4等によって結ばれており、これらのバス12B1〜12B4はチップ・セット144によって結合されている。CPU141は、多くの場合、メモリ機能の一部(キャッシュメモリ)142を含んでおり、メイン・メモリ143は、データとプログラムの情報を保持する。更に、周辺装置4として、入力装置43(キーボード、マウス、スキャナ等)、出力装置41(液晶ディスプレイ、スピーカ等)、二次記憶装置(ハード・ディスク・ドライブ等)42及び通信装置(モデム、ネットワークインターフェース等)を備える。
【0055】
本発明に係るメタライズ配線は、CPUバス12B1、メモリバス12B2、内部バス12B3、12B4に適用できる他、各構成部分141〜146、4とバス12B1〜12B4との間の配線12Aにも適用できる。即ち、ボード(基板)に、バス12B1〜12B4や、構成部分141〜146、4とバス12B1〜12B4との間の配線12Aを形成する場合に、これらの配線を、本発明に係るメタライズ配線とするものである。メタライズ配線は、図2〜図4に図示したように、メタライズ層121と絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合し、連続する一連の層を構成する。絶縁層122は、メタライズ層121と同時に形成されたもので、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成する。各構成部分とバス12B1〜12B4との間の配線12Aについても同様である。
【0056】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のバス12B1〜12B4、及び、配線12Aを有するパーソナル・コンピュータが得られる。
【0057】
<携帯電話機>
次に、携帯電話は、例えば、図13に例示するように、アンテナ154、フロント・エンド・モジュール141、電力増幅回路142、トランシーバIC140及びデジタル・ベース・バンド147等を有する。トランシーバICは、送信回路143、受信回路148、ベースバンド帯の処理を行うアナログ回路145及び入出力インターフェースI/O146等を有している。アナログ回路145は、A/D変換回路151及びD/A変換回路等152を含んでいる。
【0058】
本発明に係るメタライズ配線は、アンテナ154、フロント・エンド・モジュール141、電力増幅回路142、トランシーバIC140及びデジタル・ベース・バンド147の間の配線12Aに適用できるし、各構成部分141〜154の内部配線に適用することもできる。
【0059】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度の配線12A及び内部配線を有する携帯電話機が得られる。
【0060】
<積層電子装置>
次に、図14を参照すると、第1のチップ部品14Aと、第2のチップ部品14Bと、第3のチップ部品14Cとを積層した積層電子装置が図示されている。第1のチップ部品14A及び第3のチップ部品14Cは、例えば図12に示したコンピュータにおいて、メイン・メモリ143のチップ及びそれに接続されるロジックICチップ等である。第2のチップ部品14Bは、例えばインターポーザであり、メイン・メモリ・チップを構成する第1のチップ部品14Aと、ロジックICチップを構成する第3のチップ部品14Cとの間にあって、両者間に所定の配線を形成するものである。第2のチップ部品14Bと第3のチップ部品14Cとの間、及び、第2のチップ部品14Bと第1のチップ部品14Aとの間には、所定のパターンを有するメタライズ配線12が形成されている。
【0061】
メタライズ配線12は、本発明に係るものであって、メタライズ層121と、絶縁層122とを含んでいる。メタライズ層121は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分が互いに拡散接合し、一連の連続するメタライズ層121を形成している。絶縁層122は、絶縁樹脂からなり、メタライズ層121と同時に形成され、メタライズ層121の外面を覆う保護膜を構成している。
【0062】
これにより、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板相互間の接着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ配線12を有する積層電子装置が得られる。
【0063】
図14に示す3次元積層電子装置を得るには、図15に図示するように、第2のチップ部品14Bの片面又は両面に、本発明に係る導電性ペースト12を塗布し、塗布した後に熱処理を施す。導電性ペースト12は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含むから、熱処理にあたっては、低融点金属成分の融点より高く、高融点金属成分の融点より低い温度、例えば100〜300℃で加熱する。この熱処理により、低融点金属成分が溶解する。これにより、高融点金属成分及び低融点金属成分が凝集し、高融点金属成分の間が、溶解した低融点金属成分によって埋められた充てん構造を形成するとともに、低融点金属成分と高融点金属成分との間に拡散接合が生じる。
【0064】
低融点金属成分及び高融点金属成分は、第1のチップ部品14Aの端子電極13と第2のチップ部品14Bの端子電極125、及び、第2のチップ部品14Bの端子電極13と第3のチップ部品14Cの端子電極125とに向かって凝集するから、第1のチップ部品14Aの端子電極13と第2のチップ部品14Bの端子電極1125とを接続するメタライズ層121、及び、第2のチップ部品14Bの端子電極13と第3のチップ部品14Cの端子電極125とを接続するメタライズ層121が形成されることになる。メタライズ層121の外面(表面及び側面)は、絶縁樹脂でなる保護層122で覆われる。
【0065】
第2のチップ部品14Bが、インターポーザである場合、いわゆるTSV(Through Siliconn Via)技術を適用し、厚み方向に貫通電極を形成したものであることが望ましい。これにより、三次元回路配置構造を実現し、線幅の微細化とは異なる手法で、大容量化、転送速度の高速化、高周波特性の改善などに資することができる。
【0066】
TSV構造の実現において、中心的な役割を担う縦導体は、溶融金属充填法によって形成した溶融凝固導体であることが好ましい。溶融金属充填法によって溶融凝固体でなる縦導体(貫通電極)を形成するには、例えば、予め、基板に開けられた微細孔内に溶融金属を充填し、充填された溶融金属に、押圧板を用いたプレス、インジェクション射出圧又は転圧を印加したままで、冷却し、硬化させる。この溶融金属充填法によれば、めっきなどに比較して、極めて短時間に、空洞等のない高品質の縦導体(貫通電極)を形成することができる。したがって、線幅の微細化とは異なる手法で、大容量化、転送速度の高速化、高周波特性の改善などを図った高品質の三次元構造の電子機器が実現される。
【0067】
別の形態として、メモリや論理IC等の電子部品141〜146そのものに、TSV 技術を適用して、三次元構造を実現してもよい。図13に示した携帯電話機においても、主要な構成部分について、TSV技術を適用することができる。
【0068】
<太陽電池>
図16及び図17を参照すると、シリコン基板11の裏面(光入射面とは反対側)のp+半導体層14Pおよびn+半導体層14nとの電気的接続を行なうために、シリコン基板11の裏面に形成されたパッシベーション膜126が所望のパターン形状に除去され、パッシベーション膜126が除去された部分に合わせて、p+半導体層14P上にp電極コンタクト15pが形成されるとともに、n+半導体層14n上にn電極コンタクト15pが形成される。また、パッシベーション膜126及びn電極コンタクト15nの上に、nメタライズ配線12nが形成されるとともに、パッシベーション膜126及びp電極コンタクト15pの上にpメタライズ配線12pが形成される。pメタライズ配線12Pおよびnメタライズ配線12nは、主に太陽電池セルに発生した電流を収集する電極であり、これらは、インター・デジタル電極として形成されている。一枚のシリコン基板11上に、多数の太陽電池セルを配列してゆく場合には、pメタライズ配線12pおよびnメタライズ配線12nの何れか一方に、太陽電池セル間を接続するバス電極としての役割を担わせることができる。
【0069】
ここで、pメタライズ配線12pは、メタライズ層121pと、絶縁層122pとを含んでいる。メタライズ層121pは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいる。高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122pは、メタライズ層121pと同時に形成され、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。
【0070】
nメタライズ配線12nも同様であって、メタライズ層121nと、絶縁層122nとを含んでいる。メタライズ層121nは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでいる。高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合し、メタライズ層121nを構成している。絶縁層122nは、メタライズ層121nと同時に形成され、メタライズ層121nの外面を覆う保護膜を構成している。その形成方法については、既に述べたとおりである。
【0071】
次に、図18を参照すると、シリコン基板11の一面に設けられたパッシベーション膜126上に、n+半導体層14nと電気的に接続されるn電極コンタクト15n、及び、p+半導体層14pと電気的に接続されるP電極コンタクト15Pが形成される。n電極コンタクト15n及びパッシベーション膜126の上に、nメタライズ配線12nが形成され、更に、nメタライズ配線12nの表面を覆うとともに、p電極コンタクト15pの表面を露出するように、pメタライズ配線12pが形成される。
【0072】
nメタライズ配線12nのメタライズ層121nは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122nは、メタライズ層121nと同時に形成され、メタライズ層121nの外面を覆う。メタライズ層121nは、n電極コンタクト15nに接続される。
【0073】
Pメタライズ配線12pのメタライズ層121pは、高融点金属成分と低融点金属成分とを含んでおり、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合している。絶縁層122pは、メタライズ層121pと同時に形成されたもので、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。メタライズ層121pは、p電極コンタクト15pに接続される。基板11の太陽光入射面には、反射防止膜129が付着されている。
【0074】
上記構成によれば、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121p、121nを有する太陽電池が得られることは、既に述べたところから明らかである。そして、この本発明の効果は、太陽電池が砂漠等の自然環境の厳しい場所に設置された場合でさえも、その大きな温度変動に耐え、長期間にわたって安定に動作させ得る、という点で、極めて有用なものである。
【0075】
本発明に係るメタライズ配線は、図示の太陽電池のみならず、他のタイプの太陽電池にも適用することができる。例えば、太陽光入射側にITO等の透明電極を有する太陽電池において、透明電極を形成する場合や、色素増感型太陽電池において、電極を形成する場合等である。
【0076】
<太陽光発電装置>
図19を参照すると、太陽電池を用いた太陽光発電装置6が図示されている。図示の太陽光発電装置は、太陽電池61から出力された直流電力を、電力変換装置62によって交流に変換し、変換された交流電力を、分電装置63を経て、負荷65に供給するとともに、余剰電力を商用交流系統7に売電するようになっている。電力変換装置62及び分電装置63は、制御装置64によって制御される。太陽電池61は、図16〜図18に示した太陽電池を多数集合したものである。
【0077】
<発光ダイオード>
次に、図20を参照すると、本発明に係る発光ダイオードが図示されている。図20に例示された発光ダイオードは、発光素子14と、nメタライズ配線(第1メタライズ配線)12nと、pメタライズ配線(第2メタライズ配線)12pとを含んでいる。発光素子14は、透明結晶基板161に積層されている。透明結晶基板161は、サファイヤ等で構成されたもので、表面が光出射面であり、発光素子14は透明結晶基板2の光出射面とは反対側の他面に積層されている。
【0078】
発光素子14は、透明結晶基板161に積層したバッファ層162の上に、n型半導体層14nを形成し、n型半導体層14nの上に、活性層14aを介して、p型半導体層14pを積層した構造になっている。透明結晶基板161の側に位置するn型半導体層14nは、P型半導体層14Pと重ならない部分164を有しており、この部分164の段差が金属導電層165によって埋められている。
【0079】
nメタライズ配線12nは、n型半導体層14nに接続され、pメタライズ配線12pは、p型半導体層14pに接続されている。nメタライズ配線12nは、メタライズ層121nと絶縁層122nとを含み、メタライズ層121nが金属導電層165の表面に接合されている。pメタライズ配線12pのメタライズ層121pは、nメタライズ配線12nと同じ側の面に設けられ、反射膜163を介して、p型半導体層14pに接続されている。
【0080】
メタライズ層121n及びメタライズ層121pには、支持基板11及び絶縁層122n、122pを貫通する第1及び第2貫通電極17NT、17PTが接続されている。
【0081】
nメタライズ配線12nは、絶縁樹脂と金属成分とを含む同一導電ペーストを用いて同時に形成されたものである。金属成分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分及び低融点金属成分は互いに拡散接合して、メタライズ層121nを構成している。絶縁層122nは、絶縁樹脂からなり、メタライズ層121nの外面を覆う。メタライズ層121nは、n電極コンタクト15nに接続される。
【0082】
Pメタライズ配線12pも、絶縁樹脂と金属成分とを含む同一導電ペーストを用いて同時に形成されたものである。金属成分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分124及び低融点金属成分123は互いに拡散接合して、メタライズ層121pを構成している。絶縁層122pは絶縁樹脂からなり、メタライズ層121pの外面を覆う保護膜を構成している。
【0083】
上記構成によれば、導電性、電気化学的安定性、耐酸化性、充填性、緻密性、機械的・物理的強度に優れ、しかも基板に対する接着力・密着力の高い高品質・高信頼度のメタライズ層121p、121nを有する発光ダイオードが得られることは明らかである。
【0084】
なお、本発明に係るメタライズ配線は、図示の発光ダイオードのみならず、他のタイプの発光ダイオードにも適用することができる。例えば、光出射側にITO等の透明電極を有する発光ダイオード池において、透明電極を形成する場合等である。
【0085】
<発光装置、照明装置又は信号灯>
図21を参照すると、m個の発光ダイオードLED1〜LEDmを有する発光装置が図示されている。発光ダイオードLED1〜LEDmは、図20に示したものであって、発光素子14と、nメタライズ配線(第1メタライズ配線)12nと、pメタライズ配線(第2メタライズ配線)12pとを含んでいる。発光ダイオードLED1〜LEDmの具体的な構造は、図20を参照して詳説したとおりである。発光ダイオードLED1〜LEDmは、単列、又は、複数列配置してもよい。また、基板は、発光ダイオードLED1〜LEDmにおいて、共通のものであってもよい。更に、R、G、Bの発光ダイオードの配列であってもよいし、単色光の発光ダイオードを配列したものであってもよい。
【0086】
図21に示した発光装置は、照明装置としても用いることができるし、交通信号の信号灯として用いることもできる。これらの発光装置、照明装置又は信号灯が、高品質で、信頼性が高くなることは、これまでの説明から自明である。
【0087】
<液晶ディスプレイ>
図22は、液晶ディスプレイを示す図で、液晶パネル8とバックライト9とを組み合わせた構造となっている。バックライト9は、図20に示したm個の発光ダイオードLED1〜LEDmを、行列状に整列したものである。この液晶ディスプレイが、高品質で、信頼度が高いものであることは、これまでの説明から明らかである。
【0088】
以上、好ましい試料を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0089】
11 基板
12 メタライズ配線
121 メタライズ層
122 絶縁層
14 電子部品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、電子部品とを含む電子機器であって、
前記基板は、メタライズ配線を有しており、
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っており、
前記電子部品は、前記メタライズ層に電気的に接続されている。
【請求項2】
請求項1に記載された電子機器であって、前記高融点金属成分は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、SiまたはNiの群から選択された少なくとも1種を含んでおり、
前記低融点金属成分は、Sn、In、BiまたはGaの群から選択された少なくとも1種を含んでいる。
【請求項3】
請求項1に記載された電子機器であって、前記メタライズ配線は、金属膜の上に形成され、前記メタライズ層が前記金属膜の上に付着している。
【請求項4】
請求項1に記載された電子機器であって、コンピュータ、モバイル情報機器、コンピュータ周辺端末装置、OA機器、通信機器、業務用情報端末・自動認識装置、カーエレクトロニクス機器、産業用機械、エンターテインメント機器、音響機器、映像機器又は家庭用電気機器の群から選択された少なくとも一種である。
【請求項5】
複数のチップ部品を積層した電子部品であって、
前記複数のチップ部品は、メタライズ配線によって接合されており、
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っており、
前記チップ部品は、その端子電極が前記メタライズ層に電気的に接続されている。
【請求項6】
半導体基板と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含む太陽電池であって、
前記半導体基板は、n型半導体層及び前記p型半導体層を有しており、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項7】
太陽電池を含む太陽光発電装置であって、
前記太陽電池は、半導体基板と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記半導体基板は、n型半導体層及び前記p型半導体層を有しており、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項8】
発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含む発光ダイオードであって、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項9】
発光ダイオードを有する発光装置であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項10】
発光ダイオードを有する照明装置であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項11】
発光ダイオードを有する信号灯であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層とp型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項12】
液晶パネルと、バックライトとを含む液晶ディスプレイであって、
前記バックライトは、前記液晶パネルを照射するものであって、複数の発光ダイオードを配列したものでなり、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項1】
基板と、電子部品とを含む電子機器であって、
前記基板は、メタライズ配線を有しており、
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っており、
前記電子部品は、前記メタライズ層に電気的に接続されている。
【請求項2】
請求項1に記載された電子機器であって、前記高融点金属成分は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、SiまたはNiの群から選択された少なくとも1種を含んでおり、
前記低融点金属成分は、Sn、In、BiまたはGaの群から選択された少なくとも1種を含んでいる。
【請求項3】
請求項1に記載された電子機器であって、前記メタライズ配線は、金属膜の上に形成され、前記メタライズ層が前記金属膜の上に付着している。
【請求項4】
請求項1に記載された電子機器であって、コンピュータ、モバイル情報機器、コンピュータ周辺端末装置、OA機器、通信機器、業務用情報端末・自動認識装置、カーエレクトロニクス機器、産業用機械、エンターテインメント機器、音響機器、映像機器又は家庭用電気機器の群から選択された少なくとも一種である。
【請求項5】
複数のチップ部品を積層した電子部品であって、
前記複数のチップ部品は、メタライズ配線によって接合されており、
前記メタライズ配線は、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層分は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っており、
前記チップ部品は、その端子電極が前記メタライズ層に電気的に接続されている。
【請求項6】
半導体基板と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含む太陽電池であって、
前記半導体基板は、n型半導体層及び前記p型半導体層を有しており、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項7】
太陽電池を含む太陽光発電装置であって、
前記太陽電池は、半導体基板と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記半導体基板は、n型半導体層及び前記p型半導体層を有しており、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項8】
発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含む発光ダイオードであって、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項9】
発光ダイオードを有する発光装置であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項10】
発光ダイオードを有する照明装置であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項11】
発光ダイオードを有する信号灯であって、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層とp型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【請求項12】
液晶パネルと、バックライトとを含む液晶ディスプレイであって、
前記バックライトは、前記液晶パネルを照射するものであって、複数の発光ダイオードを配列したものでなり、
前記発光ダイオードは、発光素子と、第1メタライズ配線と、第2メタライズ配線とを含んでおり、
前記発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層とを積層した構造を含んでおり、
前記第1メタライズ配線は、前記n型半導体層に接続されており、
前記第2メタライズ配線は、前記p型半導体層に接続されており、
前記第1メタライズ配線及び前記第2メタライズ配線のそれぞれは、メタライズ層と、絶縁層とを含んでおり、
前記メタライズ層は、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分が互いに拡散接合しており、
前記絶縁層は、前記メタライズ層と同時に形成され、前記メタライズ層の外面を覆っている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図10】
【図11】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図10】
【図11】
【図18】
【公開番号】特開2012−191157(P2012−191157A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145825(P2011−145825)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【分割の表示】特願2011−50361(P2011−50361)の分割
【原出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(504034585)有限会社 ナプラ (55)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【分割の表示】特願2011−50361(P2011−50361)の分割
【原出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(504034585)有限会社 ナプラ (55)
【Fターム(参考)】
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