電子装置及び光共振器
【課題】例えば、エッチング液の染み込みを低減でき、且つ製造プロセスの煩雑化を招くこともなく製造可能な電子装置、及び光共振器を提供する。
【解決手段】絶縁膜47は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでおり、無機材料のみからなる絶縁膜を絶縁膜47として形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることが可能である。加えて、絶縁膜47は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、エッチング液が穴部85の内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むことを低減可能であり、内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むエッチング液によって反射膜86が損傷を受けることを低減できる。
【解決手段】絶縁膜47は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでおり、無機材料のみからなる絶縁膜を絶縁膜47として形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることが可能である。加えて、絶縁膜47は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、エッチング液が穴部85の内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むことを低減可能であり、内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むエッチング液によって反射膜86が損傷を受けることを低減できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、有機EL表示装置或いは液晶装置等の表示装置のように画像を表示可能な電子装置、及び光共振器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子装置の一例である有機EL装置等の表示装置では、光源である有機EL素子を囲むように、アクリル樹脂等の絶縁材料を含む絶縁層によって構成されたマイクロキャビティ構造が形成され、その光学特性が高められている。尚、特許文献1は、自発光素子を備えた発光素子の光学特性及び寿命を高める技術を提案している。また、特許文献2及び3は、表示装置を含む半導体装置において絶縁膜をSOG(Spin On Glass)法を用いて形成する技術を提案している。
【0003】
【特許文献1】特開2006−4917号公報
【特許文献2】特開2003−57626号公報
【特許文献3】特開2000−200785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ITO等の透明導電膜で構成された画素電極は、一旦透明導電膜が絶縁膜上に形成された後、当該透明導電膜を所定の形状にエッチング処理することにより形成される場合が多い。このようなエッチング処理が施されると、絶縁膜の下層側に形成された導電部、より具体的には、画素スイッチング用素子の端子部と画素電極とを電気的に接続するために絶縁膜に形成された穴部を介して当該エッチング液が絶縁膜に染み込む。ここで、絶縁膜中に、反射膜或いは配線層等の膜状の構造物が形成されている場合、絶縁膜に染み込んだエッチング液によって膜状の構造物が損傷を受け、表示装置の光学特性、及び寿命の低下等の問題点が生じる虞がある。
【0005】
より具体的には、例えば、画素部の開口率を高めることによって表示性能を向上させる際には、光を遮る接続部が形成されたコンタクトホール等の穴部と、光を反射する反射膜、或いは光を透過させる画素電極との距離を狭める、即ちコンタクトホール及び反射膜等の間のマージンを削ることも必要となる場合がある。したがって、反射膜或いは画素電極等の膜状構造物がエッチング液の染み込みによって損傷を受け易くなる。
【0006】
また、基板上に設けられる複数の画素部の夫々において画素電極の膜厚が相互に異なる場合には、所望の膜厚を有する画素電極が形成するために繰り返しエッチング処理が施され、エッチング処理に伴ってエッチング液が絶縁膜へ染み込む可能性は高くなる。特に、絶縁膜に微小なひび割れや孔が発生している場合には、エッチング液の染み込みに起因する反射膜及び画素電極等の膜状構造物が受ける損傷はより顕在化する。このようなエッチング液の染み込みに起因して発生する不具合は、有機EL装置及び液晶装置等の表示装置に限定されるものではなく、絶縁膜に形成された穴部及び当該絶縁膜上でエッチング処理が施される製造プロセスを経て製造される電子装置一般で生じる虞がある。
【0007】
また、SiN等の無機材料で構成された絶縁膜を形成する際の温度は、アクリル樹脂の耐熱温度より高いため、アクリル樹脂等の有機物で構成された絶縁膜上にSiN等の無機材料で構成された絶縁膜を形成する場合には、熱によってアクリル樹脂が劣化しないように、絶縁膜を形成する工程の段取りに手間がかかり、有機EL装置及び液晶装置等を含む表示装置の製造プロセスを煩雑化させてしまう。
【0008】
尚、エッチング液の染み込みによる膜状構造の劣化は、エッチング処理によって所定の形状パターンに形成された複数の誘電体膜を有する光共振器でも同様に生じる虞がある。
【0009】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、エッチング液の染み込みを低減でき、且つ製造プロセスの煩雑化を招くこともなく製造可能な電子装置、及び光共振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の発明に係る電子装置は上記課題を解決するために、基板上に形成された第1導電膜と、前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、前記穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように前記内壁から前記第1膜に渡って延びており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、前記第1導電膜のうち前記穴部に露出する部分に電気的に接続された第2導電膜とを備えている。
【0011】
本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、第1導電膜は、例えば、単一或いは複数の金属層、或いは半導体層等の導電材料で構成されており、当該電子装置を駆動するために基板上に形成される回路部の一部を構成している。
【0012】
第1絶縁膜は、第1導電膜上に形成されており、第1導電膜が露出する穴部を有している。第1絶縁膜は、例えば、第1導電膜及びその上層側に形成される他の導電膜を相互に電気的に絶縁する層間絶縁膜である。このような第1絶縁膜が有する穴部は、第1導電膜と、その上層側に形成された第2導電膜とを電気的に接続するためのコンタクトホールとして機能する。
【0013】
第1膜は、第1絶縁膜上における穴部が設けられていない領域に形成されている。このような第1膜は、導電膜、半導体層、或いは絶縁膜等からなる膜状構造を有していればよく、導電率の大小は問わない。言い換えれば、第1膜は、当該電子装置において何らかの機能を有するものであればよく、特定の機能を有する膜に限定されるものではない。
【0014】
第2絶縁膜は、第1絶縁膜が有する穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように、当該穴部の内壁から第1膜に渡って延びているため、内壁及び第1膜を保護する保護膜として機能する。このような第2絶縁膜は有機官能基を含んでいるため、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)を用いて形成された無機材料のみからなる絶縁膜を形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることができ、第2絶縁膜の下層側に先に形成された第1膜及び第1絶縁膜が熱によって劣化することを低減可能になる。また、スピンコートなどの技術を用いて、塗布成形することも可能であり、CVDなどの技術よりも、より簡単に形成することが可能である。
【0015】
加えて、第2絶縁膜は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、エッチング液をはじく。したがって、第2絶縁膜は、エッチング液を用いてエッチングされる際に、エッチング液が穴部の内壁から第1絶縁膜にエッチング液が染み込むことを低減できる。即ち、穴部の内壁から第1絶縁膜に染み込むエッチング液によって第1膜が損傷を受けることを低減できる。よって、第2絶縁膜によれば、当該電子装置における第1膜の機能或いは用途に応じて第1膜のサイズ、或いは形成位置が制約を受けることを低減でき、例えば、第1膜及び穴部間の距離、言い換えれば、エッチング液の染み込みの影響を低減するためのマージンを削ることが可能である。
【0016】
第2導電膜は、第2絶縁膜上に形成されていると共に、その形成時に、エッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、第1導電膜のうち穴部に露出する部分に電気的に接続されている。このような第2導電膜は、例えば、第1導電膜と共に回路部の一部を構成する。すでに述べたように、第2絶縁膜による内壁及び第1膜が保護されているため、エッチング処理を施す際のエッチング液による第1膜の劣化は低減可能である。
【0017】
よって、本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、基板上において第2絶縁膜の下層側に形成された部分が、第2絶縁膜を形成する際の熱によって劣化することを低減できると共に、エッチング液による第1膜の劣化も低減可能である。加えて、本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、エッチング液による劣化を低減する観点から要求される第1膜のサイズ或いは形成位置に関する制約を受けることなく、電子装置の設計における自由度を高めることが可能である。
【0018】
本発明の第1の発明に係る電子装置の一の態様では、前記第2導電膜は、複数の導電膜から構成されており、前記複数の導電膜の夫々についてエッチング処理が施されていてもよい。
【0019】
この態様によれば、複数の導電膜を互いに積層し、且つこれら積層された導電膜の夫々がエッチング液を用いて所定の形状にパターニングされている場合であっても、繰り返し施されるエッチング処理の各々について第1絶縁膜に対するエッチング液の染み込みを低減可能である。
【0020】
本発明の第1の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の夫々に形成された画素電極であり、前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であってもよい。
【0021】
この態様によれば、例えば、電子装置の一例である有機EL装置或いは液晶装置等の表示装置において、エッチング液による第1膜の劣化を低減しつつ、端子部を介して画素電極及び画素スイッチング用素子間の電気的に接続が可能になる。
【0022】
本発明の第2の発明に係る電子装置は上記課題を解決するために、基板上に形成された第1導電膜と、前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、前記第1導電膜に電気的に接続された第2導電膜と、前記第2導電膜上において前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3導電膜とを備えている。
【0023】
本発明の第2の発明に係る電子装置によれば、上述の第1の発明に係る電子装置と同様に、第1導電膜は、例えば、基板上の回路部の一部を構成し、第1絶縁膜が有する穴部はコンタクトホールとして機能する。また、第1膜も、同様に、その機能及び用途がなんら限定されるものではない。
【0024】
第2導電膜は、穴部及び第1膜を覆うように形成されており、第1導電膜に電気的に接続されている。このような第2導電膜は、例えば、第1導電膜のうち穴部に露出する部分に接しており、当該露出する部分を介して第1導電膜に電気的に接続されている。即ち、第2導電膜は、穴部及び第1膜を覆うように形成された段階で第1導電膜に電気的に接続されている。
【0025】
第2絶縁膜は、第2導電膜上において穴部及び第2膜を覆うように形成されており、有機官能基を含んでいる。したがって、第2絶縁膜によれば、第3導電膜についてエッチング処理が施される際に、第2導電膜を介して第1絶縁膜及び第1膜にエッチング液が染み込むことを低減でき、エッチング液による第1膜の劣化を低減できると共に、第1膜のサイズ、或いは形成位置等の設計に関する自由度を高めることが可能である。
【0026】
本発明の第2の発明に係る電子装置の一の態様では、前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の一の画素部に形成された画素電極の一部を構成する一の透明電極であり、前記第3導電膜は、前記一の透明電極と共に前記画素電極を構成する他の透明電極であってもよい。
【0027】
この態様によれば、複数の透明電極からなる画素電極を形成する際に施されるエッチング処理による第1膜の劣化を低減できる。より具体的には、例えば、赤色、緑色及び青色の夫々に対応する画素部毎に画素電極の膜厚が異なる場合、一の画素部において一の透明電極及び他の透明電極からなる多層構造の画素電極を形成することによって所望の膜厚になるように画素電極を形成できると共に、各透明電極を形成する際に施されるエッチング処理によって生じる虞のある第1膜の劣化を低減できる。
【0028】
この態様では、前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であってもよい。
【0029】
この態様によれば、画素スイッチング用素子を介して画像信号に応じた電位が画素電極に供給され、電子装置の一例である液晶装置等の表示装置において所望の画像が表示可能になる。
【0030】
本発明の第1及び第2の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第1膜は、前記基板上から照射された光を反射する反射膜であってもよい。
【0031】
この態様によれば、電子装置が反射型液晶表示装置等の表示装置である場合に、第2絶縁膜上から入射した光を反射でき、画像表示が可能になる。
【0032】
本発明の第1及び第2の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第1絶縁膜は、アクリル樹脂を含んでいてもよい。
【0033】
この態様によれば、アクリル樹脂の耐熱温度は220乃至250℃であり、例えば、CVD法によって第2絶縁膜を形成する場合に比べて、熱による第1絶縁膜の劣化を低減することが可能になる。
【0034】
本発明の第3の発明に係る光共振器は上述の課題を解決するために、基板上に形成された第1誘電体膜と、前記第1誘電体膜上に形成されており、有機官能基を含む第2誘電体膜と、前記第2誘電体膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3誘電体膜とを備えている。
【0035】
本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、第2誘電体膜は、上述の第1及び第2の発明における第2絶縁膜と同様に、有機官能基を含んで構成されているため、エッチング液をはじく。したがって、第2誘電体膜は、第1誘電体膜及び第3誘電体膜と共に当該光共振器を構成すると共に、第3誘電体膜がエッチング処理によって形成される際に、エッチング液が第1誘電体膜に到達することを低減し、エッチング液による第1誘電体膜の劣化を低減できる。
【0036】
したがって、本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、エッチング処理によって第3誘電体膜を所定の形状にパターニングできると共に、エッチング液による第1誘電体膜の劣化を低減できる。
【0037】
本発明の第3の発明に係る光共振器の一の態様では、前記第2誘電体膜は、前記第1誘電体膜の端面を覆っていてもよい。
【0038】
本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、エッチング液が染み込み易い第1誘電体膜の端部を第2誘電体膜で覆うことによって、第1誘電体膜に対するエッチング液の染み込みを効果的に低減できる。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
<第1実施形態>
図1乃至図4を参照しながら、本発明の第1の発明に係る電子装置の一実施形態である液晶装置を説明する。
【0041】
<1−1:液晶装置>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動され、後述する反射膜で光を反射する反射型表示装置である。
【0042】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素部が設けられる表示領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0043】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0045】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0046】
TFTアレイ基板10上の周辺領域には、タッチパネル機能を確保するために画素部に設けられた光センサを含むセンサ部(不図示)を制御するためのセンサ制御回路部201が形成されている。外部回路接続端子102は、外部回路及び液晶装置1を電気的に接続する接続手段の一例であるフレキシブル基板200に設けられた接続端子に接続されている。尚、センサ制御回路部201は、液晶装置1に内蔵されていてもよいし、液晶装置1の外部に形成されていてもよい。
【0047】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0048】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。液晶装置1によって表示される画像は、対向基板20の両面のうち液晶層50に面しない側の表示面20sに表示される。
【0049】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、偏光板及びカラーフィルタの図示を省略しているが、対向基板20上に偏光板及びカラーフィルタが配置されている場合には、図中において、液晶装置1の最上面が表示面になる。また、液晶装置1は、表示面20s側から入射した光を、後述する反射膜によって反射し、当該反射光を液晶層50によって変調することによって所望の画像を表示する反射型表示装置である。
【0050】
図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0051】
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の回路構成を説明する。図3は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
【0052】
図3において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72を備えている。画素部72は、画素電極9a、TFT30、及び液晶素子50aを備えている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0053】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0054】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、固定電位線300に電気的に接続されており、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0055】
次に、図4を参照しながら、液晶装置1の具体的な構成を説明する。図4は、液晶装置1の画素部の構造の一部を周辺回路部の一部と共に示した断面図である。
【0056】
図4において、液晶装置1は、TFTアレイ基板10、本発明の「第1導電膜」の一例である端子部84、本発明の「第1絶縁膜」の一例を構成する絶縁膜45及び46、本発明の「第1膜」の一例である反射膜86、本発明の「第2絶縁膜」の一例である絶縁膜47、並びに、本発明の「第2導電膜」の一例である画素電極9aを画素部72に備えて構成されている。
【0057】
画素電極9aは、TFTアレイ基板10上の表示領域たる画像表示領域10aを構成する複数の画素部72の夫々に形成されている。端子部84は、単一或いは複数の金属層から構成されており、画素部72を駆動する画素回路の一部を構成している。より具体的には、端子部84は、画素スイッチング用素子としてのTFT30にコンタクトホール82を介して電気的に接続されていると共に画素電極9aに電気的に接続されている。そして、液晶装置1の動作時に、画像信号に応じた電位が端子部84を介して画素電極9aに供給される。
【0058】
また、TFT30が有する半導体層1aは、ソース領域1d、チャネル領域1a´、ドレイン領域1e、LDD領域1b及び1cから構成されており、コンタクトホール81を介してデータ線から供給された画像信号が、ゲート電極3a1に印加されるゲート電圧に応じてコンタクトホール82を介して画素電極9aに供給される。尚、TFTアレイ基板10上において、TFT30と同層に、データ線駆動回路101等の周辺回路部の一部を構成するトランジスタ素子130が形成されている。
【0059】
絶縁膜45及び46は、端子部84上に順次形成された平坦な膜であり、端子部84と、その上層側に形成される画素電極9aを除く他の導電膜とを相互に電気的に絶縁する層間絶縁膜である。このような絶縁膜45は、例えば窒化珪素、絶縁膜46は、例えば、アクリル樹脂で構成されており、その耐熱温度は220乃至250℃である。
【0060】
絶縁膜45及び46を貫通する穴部85は、端子部84に重なっており、例えば、絶縁膜46に光を照射する光パターニング法によって絶縁膜46を部分的に除去したのち、絶縁膜46をマスクにして、絶縁膜45をエッチングすることによって形成されている。尚、端子部84は、絶縁膜47及び画素電極9aが形成されていない状態において、穴部85に露出し、端子部84及び画素電極9aを電気的に接続するためのコンタクトホールとして機能する。
【0061】
反射膜86は、基板10上の画素部72が占める領域のうち絶縁膜46上の穴部85が設けられていない領域に形成されている。反射膜86は、金属等の導電膜から構成されており、液晶装置1の動作時に図中上側から入射した光を反射する。
【0062】
画素電極9aは、絶縁膜45及び46上に形成されていると共に、その形成時に、エッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされ、端子部84のうち穴部85に露出する部分に電気的に接続されている。画素電極9aを所定の形状にパターニングするためのエッチング処理の方法は、例えば、王水等の酸をエッチング液として用いたウェットエッチング法である。
【0063】
絶縁膜47は、穴部85の内壁85a及び反射膜86を覆うように、穴部85の内壁85aから反射膜86に渡って延びており、画素電極9aをパターニングする際のエッチング処理から内壁85a及び反射膜86を保護する保護膜として機能する。絶縁膜47は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでおり、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)を用いて形成された無機材料のみからなる絶縁膜を絶縁膜47として形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることが可能である。より具体的には、例えば、絶縁膜47は、常温下で、内壁85a及び反射膜86に渡って有機官能基を含む絶縁材料が塗布されることによって形成可能である。
【0064】
したがって、300℃程度の温度下でCVD法を用いて絶縁膜47を形成する場合に比べて、絶縁膜47を形成する際の温度を下げることが可能であり、アクリル樹脂で構成された絶縁膜46が熱によって劣化することを抑制できる。
【0065】
加えて、絶縁膜47は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、画素電極9aをパターニングする際のエッチング処理に用いるエッチング液をはじく。したがって、絶縁膜47は、エッチング液が穴部85の内壁85aから絶縁膜45及び46が染み込むことを低減可能であり、内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むエッチング液によって反射膜86が損傷を受けることを低減できる。よって、絶縁膜47によれば、絶縁膜47を設けない場合に比べて反射膜86を穴部85に近づけて配置することが可能であり、反射膜86及び穴部85間の距離、言い換えれば、エッチング液の染み込みの影響を低減するためのマージンを削ることが可能である。このようなマージンを削ることが可能になることによって、画素部72において反射膜86が占める領域を広げることが可能になり、画素部72のうち実質的に画像表示に寄与する領域の増やすことができ、液晶装置1による画像の表示性能を高めることが可能である。
【0066】
よって、本実施形態に係る液晶装置1によれば、TFTアレイ基板10上において絶縁膜47の下層側に形成された絶縁膜45及び46が、絶縁膜47を形成する際の熱によって劣化することを低減できると共に、エッチング液による反射膜47の劣化も低減可能である。加えて、本実施形態に係る液晶装置1によれば、エッチング液による反射膜86の劣化が低減可能であるため、エッチング液の染み込みによる劣化を低減する観点から要求される反射膜86のサイズ或いは形成位置に関する制約を受けることなく、液晶装置1の設計における自由度を高めることが可能であると共に、画素部72のうち実質的に画像表示に寄与する領域を増やすことができ、液晶装置1による画像の表示性能を高めることが可能である。
【0067】
<1−2:変形例>
次に、図5を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置の変形例を説明する。図5は、本例に係る液晶装置の画素部の構造の一部を示した断面図である。尚、以下では、液晶装置1と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0068】
図5において、本例に係る液晶装置は、画素電極9aが複数の透明電極9a1、9a2及び9a2から構成されている点に特徴がある。
【0069】
ここで、本例に係る液晶装置が有する複数の画素部72は、赤色、緑色及び青色の夫々の色光を表示する3種類の画素部で構成されており、図5に示した画素部72は、赤色の色光を表示する画素部であり、画素電極9aの膜厚は、120nmである。液晶装置1が有する複数の画素電極の夫々の膜厚は、赤色、緑色及び青色の夫々を表示する画素部毎に異なっており、本例では青色の色光を表示する画素部における画素電極の膜厚は30nmであり、緑色の色光を表示する画素部における画素電極の膜厚は70nmである。これら画素電極は、例えば、50nm、40nm、及び30nmの順で各画素部に透明電極を形成しながら、各画素部に必要とされる画素電極の膜厚が残るように透明電極の余分な部分がエッチング処理によって除去されることによって形成される。ここで、繰り返し施されるエッチング処理によって絶縁膜45及び46にエッチング液が染み込み易くなることが考えられるが、本例に係る液晶装置では、穴部85から反射膜86に渡って形成された絶縁膜47がエッチング液から絶縁膜45及び46を保護し、エッチング液の染み込みによる反射膜86の劣化を低減可能である。
【0070】
<第2実施形態>
次に、図6を参照しながら、本発明の第2の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の実施形態を説明する。尚、本実施形態に係る液晶装置の構成は、概ね第1実施形態に係る液晶装置と同様であるため、以下では、本実施形態において特徴的な構成を中心に説明する。
【0071】
本実施形態に係る液晶装置は、本発明の「第1導電膜」の一例である端子部84、本発明の「第1絶縁膜」の一例である絶縁膜46、本発明の「第1膜」の一例である反射膜86、本発明の「第2導電膜」の一例である透明電極9b1、本発明の「第2絶縁膜」の一例である絶縁膜47a、並びに、本発明の「第3導電膜」の一例である透明電極9b2を備えて構成されている。
【0072】
端子部84は、絶縁膜44を貫通するコンタクトホールを介して不図示の画素スイッチング用素子であるTFTに電気的に接続されている。絶縁膜46は、端子部84が露出する穴部85を有する層間絶縁膜である。
【0073】
透明電極9b1は、穴部85及び反射膜86を覆うように形成されており、端子部84に電気的に接続されている。透明電極9b1は、その上層側に形成された透明電極9b2と共に画素部72における画素電極を構成しており、端子部84を介して画像信号に応じた電位が供給される。
【0074】
絶縁膜47aは、透明電極9b1上において穴部85及び反射膜86を覆うように形成されており、メチル基(CH3)等の有機官能基を含むSiO2等の絶縁性の膜構造を有している。したがって、絶縁膜47aは、その上に形成された透明電極9b2がエッチング液を用いてエッチング処理される際に、透明電極9b1を介して絶縁膜49及び反射膜86にエッチング液が染み込むことを低減でき、エッチング液による反射膜86の劣化を低減できると共に、反射膜86のサイズ、或いは形成位置等の設計に関する自由度を高めることが可能である。より具体的には、画素部72における穴部85及び反射膜86間の距離を狭めることが可能になるため、画素部72において実質的に画像表示に寄与する領域を増やすことが可能になる。
【0075】
尚、本実施形態では、赤色、緑色及び青色の夫々に対応する画素部毎に画素電極の膜厚が異なる場合であっても、画素電極の膜厚が所望の膜厚となるように透明電極9b1及び9b2のように複数の透明電極を積層してなる画素電極を形成可能であると共に、穴部85が絶縁膜47aによって保護されているため、エッチング液にいる反射膜86の劣化を低減できる。
【0076】
加えて、絶縁膜47aは、第1実施形態における絶縁膜47と同様に常温で形成可能であるため、アクリル樹脂等の絶縁材料で構成された絶縁膜46及び反射膜86の熱による劣化も低減できる。
【0077】
<第3実施形態>
次に、図7を参照しながら、本発明の第3の発明に係る光共振器の実施形態を説明する。図7は、本実施形態に係る光共振器400の構造を示した断面図である。
【0078】
図7において、光共振器400は、第1誘電体膜404、第2誘電体膜405、及び第3誘電体406を備えて構成されている。
【0079】
第1誘電体膜404には、下地膜402を介して基板401上に形成された光源である有機EL素子403が埋め込まれており、有機EL素子403から図中上側に出射された光が光共振器400によって増幅された後、増幅された光が上側に取り出される。第1誘電体膜404及び第3誘電体膜406は、SiO2から構成されており、第2誘電体膜405は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含むSiNから構成されている。第3誘電体膜406は、第2誘電体膜405上に形成された後、ウェットエッチング法を用いてエッチング処理され、所定の形状にパターニングされている。ここで、第2誘電体膜405は、有機官能基を含んでいるため、王水等の酸からなるエッチング液をはじく。したがって、第2誘電体膜405は、その下層側に形成された第1誘電体膜404がエッチング液によって劣化することを低減可能である。特に、本実施形態では、第2誘電体膜405が、エッチング液が染み込み易い第1誘電体膜404の端面を覆っているため、第1誘電体膜404に対するエッチング液の染み込みを効果的に低減できる。
【0080】
尚、このような光共振器400は、単独の素子として、或いは、有機EL装置等の表示装置の一部として組み込まれていてもよい。
【0081】
<電子機器>
次に、図8及び図9を参照しながら、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。
【0082】
図8は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図8において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、高品位の画像表示が可能である。
【0083】
次に、上述した液晶装置1を携帯電話に適用した例について説明する。図9は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図9において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。したがって、携帯電話1300によれば、高品位の画像表示が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の発明に係る電子装置の一実施形態である液晶装置の平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の等価回路部である。
【図4】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置における画素部の構造を詳細に示した断面図である。
【図5】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置における画素部の構造の変形例を示した断面図である。
【図6】本発明の第2の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の画素部の構造を詳細に示した断面図である。
【図7】本発明の第3の発明に係る光共振器の構造を詳細に示した断面図である。
【図8】本発明の第1又は第2の発明に係る電子装置の実施形態である液晶装置、或いは第3の発明に係る光共振器の実施形態である光共振器を搭載した電子機器の一例の斜視図である。
【図9】本発明の第1又は第2の発明に係る電子装置の実施形態である液晶装置、或いは第3の発明に係る光共振器の実施形態である光共振器を搭載した電子機器の他の例の斜視図である。
【符号の説明】
【0085】
1・・・液晶装置、9a・・・画素電極、9b1,9b2・・・透明電極、45,46,47,47a、49・・・絶縁膜、84・・・端子部、86・・・反射膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、有機EL表示装置或いは液晶装置等の表示装置のように画像を表示可能な電子装置、及び光共振器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子装置の一例である有機EL装置等の表示装置では、光源である有機EL素子を囲むように、アクリル樹脂等の絶縁材料を含む絶縁層によって構成されたマイクロキャビティ構造が形成され、その光学特性が高められている。尚、特許文献1は、自発光素子を備えた発光素子の光学特性及び寿命を高める技術を提案している。また、特許文献2及び3は、表示装置を含む半導体装置において絶縁膜をSOG(Spin On Glass)法を用いて形成する技術を提案している。
【0003】
【特許文献1】特開2006−4917号公報
【特許文献2】特開2003−57626号公報
【特許文献3】特開2000−200785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ITO等の透明導電膜で構成された画素電極は、一旦透明導電膜が絶縁膜上に形成された後、当該透明導電膜を所定の形状にエッチング処理することにより形成される場合が多い。このようなエッチング処理が施されると、絶縁膜の下層側に形成された導電部、より具体的には、画素スイッチング用素子の端子部と画素電極とを電気的に接続するために絶縁膜に形成された穴部を介して当該エッチング液が絶縁膜に染み込む。ここで、絶縁膜中に、反射膜或いは配線層等の膜状の構造物が形成されている場合、絶縁膜に染み込んだエッチング液によって膜状の構造物が損傷を受け、表示装置の光学特性、及び寿命の低下等の問題点が生じる虞がある。
【0005】
より具体的には、例えば、画素部の開口率を高めることによって表示性能を向上させる際には、光を遮る接続部が形成されたコンタクトホール等の穴部と、光を反射する反射膜、或いは光を透過させる画素電極との距離を狭める、即ちコンタクトホール及び反射膜等の間のマージンを削ることも必要となる場合がある。したがって、反射膜或いは画素電極等の膜状構造物がエッチング液の染み込みによって損傷を受け易くなる。
【0006】
また、基板上に設けられる複数の画素部の夫々において画素電極の膜厚が相互に異なる場合には、所望の膜厚を有する画素電極が形成するために繰り返しエッチング処理が施され、エッチング処理に伴ってエッチング液が絶縁膜へ染み込む可能性は高くなる。特に、絶縁膜に微小なひび割れや孔が発生している場合には、エッチング液の染み込みに起因する反射膜及び画素電極等の膜状構造物が受ける損傷はより顕在化する。このようなエッチング液の染み込みに起因して発生する不具合は、有機EL装置及び液晶装置等の表示装置に限定されるものではなく、絶縁膜に形成された穴部及び当該絶縁膜上でエッチング処理が施される製造プロセスを経て製造される電子装置一般で生じる虞がある。
【0007】
また、SiN等の無機材料で構成された絶縁膜を形成する際の温度は、アクリル樹脂の耐熱温度より高いため、アクリル樹脂等の有機物で構成された絶縁膜上にSiN等の無機材料で構成された絶縁膜を形成する場合には、熱によってアクリル樹脂が劣化しないように、絶縁膜を形成する工程の段取りに手間がかかり、有機EL装置及び液晶装置等を含む表示装置の製造プロセスを煩雑化させてしまう。
【0008】
尚、エッチング液の染み込みによる膜状構造の劣化は、エッチング処理によって所定の形状パターンに形成された複数の誘電体膜を有する光共振器でも同様に生じる虞がある。
【0009】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、エッチング液の染み込みを低減でき、且つ製造プロセスの煩雑化を招くこともなく製造可能な電子装置、及び光共振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の発明に係る電子装置は上記課題を解決するために、基板上に形成された第1導電膜と、前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、前記穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように前記内壁から前記第1膜に渡って延びており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、前記第1導電膜のうち前記穴部に露出する部分に電気的に接続された第2導電膜とを備えている。
【0011】
本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、第1導電膜は、例えば、単一或いは複数の金属層、或いは半導体層等の導電材料で構成されており、当該電子装置を駆動するために基板上に形成される回路部の一部を構成している。
【0012】
第1絶縁膜は、第1導電膜上に形成されており、第1導電膜が露出する穴部を有している。第1絶縁膜は、例えば、第1導電膜及びその上層側に形成される他の導電膜を相互に電気的に絶縁する層間絶縁膜である。このような第1絶縁膜が有する穴部は、第1導電膜と、その上層側に形成された第2導電膜とを電気的に接続するためのコンタクトホールとして機能する。
【0013】
第1膜は、第1絶縁膜上における穴部が設けられていない領域に形成されている。このような第1膜は、導電膜、半導体層、或いは絶縁膜等からなる膜状構造を有していればよく、導電率の大小は問わない。言い換えれば、第1膜は、当該電子装置において何らかの機能を有するものであればよく、特定の機能を有する膜に限定されるものではない。
【0014】
第2絶縁膜は、第1絶縁膜が有する穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように、当該穴部の内壁から第1膜に渡って延びているため、内壁及び第1膜を保護する保護膜として機能する。このような第2絶縁膜は有機官能基を含んでいるため、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)を用いて形成された無機材料のみからなる絶縁膜を形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることができ、第2絶縁膜の下層側に先に形成された第1膜及び第1絶縁膜が熱によって劣化することを低減可能になる。また、スピンコートなどの技術を用いて、塗布成形することも可能であり、CVDなどの技術よりも、より簡単に形成することが可能である。
【0015】
加えて、第2絶縁膜は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、エッチング液をはじく。したがって、第2絶縁膜は、エッチング液を用いてエッチングされる際に、エッチング液が穴部の内壁から第1絶縁膜にエッチング液が染み込むことを低減できる。即ち、穴部の内壁から第1絶縁膜に染み込むエッチング液によって第1膜が損傷を受けることを低減できる。よって、第2絶縁膜によれば、当該電子装置における第1膜の機能或いは用途に応じて第1膜のサイズ、或いは形成位置が制約を受けることを低減でき、例えば、第1膜及び穴部間の距離、言い換えれば、エッチング液の染み込みの影響を低減するためのマージンを削ることが可能である。
【0016】
第2導電膜は、第2絶縁膜上に形成されていると共に、その形成時に、エッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、第1導電膜のうち穴部に露出する部分に電気的に接続されている。このような第2導電膜は、例えば、第1導電膜と共に回路部の一部を構成する。すでに述べたように、第2絶縁膜による内壁及び第1膜が保護されているため、エッチング処理を施す際のエッチング液による第1膜の劣化は低減可能である。
【0017】
よって、本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、基板上において第2絶縁膜の下層側に形成された部分が、第2絶縁膜を形成する際の熱によって劣化することを低減できると共に、エッチング液による第1膜の劣化も低減可能である。加えて、本発明の第1の発明に係る電子装置によれば、エッチング液による劣化を低減する観点から要求される第1膜のサイズ或いは形成位置に関する制約を受けることなく、電子装置の設計における自由度を高めることが可能である。
【0018】
本発明の第1の発明に係る電子装置の一の態様では、前記第2導電膜は、複数の導電膜から構成されており、前記複数の導電膜の夫々についてエッチング処理が施されていてもよい。
【0019】
この態様によれば、複数の導電膜を互いに積層し、且つこれら積層された導電膜の夫々がエッチング液を用いて所定の形状にパターニングされている場合であっても、繰り返し施されるエッチング処理の各々について第1絶縁膜に対するエッチング液の染み込みを低減可能である。
【0020】
本発明の第1の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の夫々に形成された画素電極であり、前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であってもよい。
【0021】
この態様によれば、例えば、電子装置の一例である有機EL装置或いは液晶装置等の表示装置において、エッチング液による第1膜の劣化を低減しつつ、端子部を介して画素電極及び画素スイッチング用素子間の電気的に接続が可能になる。
【0022】
本発明の第2の発明に係る電子装置は上記課題を解決するために、基板上に形成された第1導電膜と、前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、前記第1導電膜に電気的に接続された第2導電膜と、前記第2導電膜上において前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3導電膜とを備えている。
【0023】
本発明の第2の発明に係る電子装置によれば、上述の第1の発明に係る電子装置と同様に、第1導電膜は、例えば、基板上の回路部の一部を構成し、第1絶縁膜が有する穴部はコンタクトホールとして機能する。また、第1膜も、同様に、その機能及び用途がなんら限定されるものではない。
【0024】
第2導電膜は、穴部及び第1膜を覆うように形成されており、第1導電膜に電気的に接続されている。このような第2導電膜は、例えば、第1導電膜のうち穴部に露出する部分に接しており、当該露出する部分を介して第1導電膜に電気的に接続されている。即ち、第2導電膜は、穴部及び第1膜を覆うように形成された段階で第1導電膜に電気的に接続されている。
【0025】
第2絶縁膜は、第2導電膜上において穴部及び第2膜を覆うように形成されており、有機官能基を含んでいる。したがって、第2絶縁膜によれば、第3導電膜についてエッチング処理が施される際に、第2導電膜を介して第1絶縁膜及び第1膜にエッチング液が染み込むことを低減でき、エッチング液による第1膜の劣化を低減できると共に、第1膜のサイズ、或いは形成位置等の設計に関する自由度を高めることが可能である。
【0026】
本発明の第2の発明に係る電子装置の一の態様では、前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の一の画素部に形成された画素電極の一部を構成する一の透明電極であり、前記第3導電膜は、前記一の透明電極と共に前記画素電極を構成する他の透明電極であってもよい。
【0027】
この態様によれば、複数の透明電極からなる画素電極を形成する際に施されるエッチング処理による第1膜の劣化を低減できる。より具体的には、例えば、赤色、緑色及び青色の夫々に対応する画素部毎に画素電極の膜厚が異なる場合、一の画素部において一の透明電極及び他の透明電極からなる多層構造の画素電極を形成することによって所望の膜厚になるように画素電極を形成できると共に、各透明電極を形成する際に施されるエッチング処理によって生じる虞のある第1膜の劣化を低減できる。
【0028】
この態様では、前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であってもよい。
【0029】
この態様によれば、画素スイッチング用素子を介して画像信号に応じた電位が画素電極に供給され、電子装置の一例である液晶装置等の表示装置において所望の画像が表示可能になる。
【0030】
本発明の第1及び第2の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第1膜は、前記基板上から照射された光を反射する反射膜であってもよい。
【0031】
この態様によれば、電子装置が反射型液晶表示装置等の表示装置である場合に、第2絶縁膜上から入射した光を反射でき、画像表示が可能になる。
【0032】
本発明の第1及び第2の発明に係る電子装置の他の態様では、前記第1絶縁膜は、アクリル樹脂を含んでいてもよい。
【0033】
この態様によれば、アクリル樹脂の耐熱温度は220乃至250℃であり、例えば、CVD法によって第2絶縁膜を形成する場合に比べて、熱による第1絶縁膜の劣化を低減することが可能になる。
【0034】
本発明の第3の発明に係る光共振器は上述の課題を解決するために、基板上に形成された第1誘電体膜と、前記第1誘電体膜上に形成されており、有機官能基を含む第2誘電体膜と、前記第2誘電体膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3誘電体膜とを備えている。
【0035】
本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、第2誘電体膜は、上述の第1及び第2の発明における第2絶縁膜と同様に、有機官能基を含んで構成されているため、エッチング液をはじく。したがって、第2誘電体膜は、第1誘電体膜及び第3誘電体膜と共に当該光共振器を構成すると共に、第3誘電体膜がエッチング処理によって形成される際に、エッチング液が第1誘電体膜に到達することを低減し、エッチング液による第1誘電体膜の劣化を低減できる。
【0036】
したがって、本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、エッチング処理によって第3誘電体膜を所定の形状にパターニングできると共に、エッチング液による第1誘電体膜の劣化を低減できる。
【0037】
本発明の第3の発明に係る光共振器の一の態様では、前記第2誘電体膜は、前記第1誘電体膜の端面を覆っていてもよい。
【0038】
本発明の第3の発明に係る光共振器によれば、エッチング液が染み込み易い第1誘電体膜の端部を第2誘電体膜で覆うことによって、第1誘電体膜に対するエッチング液の染み込みを効果的に低減できる。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
<第1実施形態>
図1乃至図4を参照しながら、本発明の第1の発明に係る電子装置の一実施形態である液晶装置を説明する。
【0041】
<1−1:液晶装置>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動され、後述する反射膜で光を反射する反射型表示装置である。
【0042】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素部が設けられる表示領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0043】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0045】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0046】
TFTアレイ基板10上の周辺領域には、タッチパネル機能を確保するために画素部に設けられた光センサを含むセンサ部(不図示)を制御するためのセンサ制御回路部201が形成されている。外部回路接続端子102は、外部回路及び液晶装置1を電気的に接続する接続手段の一例であるフレキシブル基板200に設けられた接続端子に接続されている。尚、センサ制御回路部201は、液晶装置1に内蔵されていてもよいし、液晶装置1の外部に形成されていてもよい。
【0047】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0048】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。液晶装置1によって表示される画像は、対向基板20の両面のうち液晶層50に面しない側の表示面20sに表示される。
【0049】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、偏光板及びカラーフィルタの図示を省略しているが、対向基板20上に偏光板及びカラーフィルタが配置されている場合には、図中において、液晶装置1の最上面が表示面になる。また、液晶装置1は、表示面20s側から入射した光を、後述する反射膜によって反射し、当該反射光を液晶層50によって変調することによって所望の画像を表示する反射型表示装置である。
【0050】
図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0051】
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の回路構成を説明する。図3は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
【0052】
図3において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72を備えている。画素部72は、画素電極9a、TFT30、及び液晶素子50aを備えている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0053】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0054】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、固定電位線300に電気的に接続されており、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0055】
次に、図4を参照しながら、液晶装置1の具体的な構成を説明する。図4は、液晶装置1の画素部の構造の一部を周辺回路部の一部と共に示した断面図である。
【0056】
図4において、液晶装置1は、TFTアレイ基板10、本発明の「第1導電膜」の一例である端子部84、本発明の「第1絶縁膜」の一例を構成する絶縁膜45及び46、本発明の「第1膜」の一例である反射膜86、本発明の「第2絶縁膜」の一例である絶縁膜47、並びに、本発明の「第2導電膜」の一例である画素電極9aを画素部72に備えて構成されている。
【0057】
画素電極9aは、TFTアレイ基板10上の表示領域たる画像表示領域10aを構成する複数の画素部72の夫々に形成されている。端子部84は、単一或いは複数の金属層から構成されており、画素部72を駆動する画素回路の一部を構成している。より具体的には、端子部84は、画素スイッチング用素子としてのTFT30にコンタクトホール82を介して電気的に接続されていると共に画素電極9aに電気的に接続されている。そして、液晶装置1の動作時に、画像信号に応じた電位が端子部84を介して画素電極9aに供給される。
【0058】
また、TFT30が有する半導体層1aは、ソース領域1d、チャネル領域1a´、ドレイン領域1e、LDD領域1b及び1cから構成されており、コンタクトホール81を介してデータ線から供給された画像信号が、ゲート電極3a1に印加されるゲート電圧に応じてコンタクトホール82を介して画素電極9aに供給される。尚、TFTアレイ基板10上において、TFT30と同層に、データ線駆動回路101等の周辺回路部の一部を構成するトランジスタ素子130が形成されている。
【0059】
絶縁膜45及び46は、端子部84上に順次形成された平坦な膜であり、端子部84と、その上層側に形成される画素電極9aを除く他の導電膜とを相互に電気的に絶縁する層間絶縁膜である。このような絶縁膜45は、例えば窒化珪素、絶縁膜46は、例えば、アクリル樹脂で構成されており、その耐熱温度は220乃至250℃である。
【0060】
絶縁膜45及び46を貫通する穴部85は、端子部84に重なっており、例えば、絶縁膜46に光を照射する光パターニング法によって絶縁膜46を部分的に除去したのち、絶縁膜46をマスクにして、絶縁膜45をエッチングすることによって形成されている。尚、端子部84は、絶縁膜47及び画素電極9aが形成されていない状態において、穴部85に露出し、端子部84及び画素電極9aを電気的に接続するためのコンタクトホールとして機能する。
【0061】
反射膜86は、基板10上の画素部72が占める領域のうち絶縁膜46上の穴部85が設けられていない領域に形成されている。反射膜86は、金属等の導電膜から構成されており、液晶装置1の動作時に図中上側から入射した光を反射する。
【0062】
画素電極9aは、絶縁膜45及び46上に形成されていると共に、その形成時に、エッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされ、端子部84のうち穴部85に露出する部分に電気的に接続されている。画素電極9aを所定の形状にパターニングするためのエッチング処理の方法は、例えば、王水等の酸をエッチング液として用いたウェットエッチング法である。
【0063】
絶縁膜47は、穴部85の内壁85a及び反射膜86を覆うように、穴部85の内壁85aから反射膜86に渡って延びており、画素電極9aをパターニングする際のエッチング処理から内壁85a及び反射膜86を保護する保護膜として機能する。絶縁膜47は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでおり、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)を用いて形成された無機材料のみからなる絶縁膜を絶縁膜47として形成する場合に比べて、成膜時における温度を下げることが可能である。より具体的には、例えば、絶縁膜47は、常温下で、内壁85a及び反射膜86に渡って有機官能基を含む絶縁材料が塗布されることによって形成可能である。
【0064】
したがって、300℃程度の温度下でCVD法を用いて絶縁膜47を形成する場合に比べて、絶縁膜47を形成する際の温度を下げることが可能であり、アクリル樹脂で構成された絶縁膜46が熱によって劣化することを抑制できる。
【0065】
加えて、絶縁膜47は、例えば、メチル基(CH3)等の有機官能基を含んでいるため、画素電極9aをパターニングする際のエッチング処理に用いるエッチング液をはじく。したがって、絶縁膜47は、エッチング液が穴部85の内壁85aから絶縁膜45及び46が染み込むことを低減可能であり、内壁85aから絶縁膜45及び46に染み込むエッチング液によって反射膜86が損傷を受けることを低減できる。よって、絶縁膜47によれば、絶縁膜47を設けない場合に比べて反射膜86を穴部85に近づけて配置することが可能であり、反射膜86及び穴部85間の距離、言い換えれば、エッチング液の染み込みの影響を低減するためのマージンを削ることが可能である。このようなマージンを削ることが可能になることによって、画素部72において反射膜86が占める領域を広げることが可能になり、画素部72のうち実質的に画像表示に寄与する領域の増やすことができ、液晶装置1による画像の表示性能を高めることが可能である。
【0066】
よって、本実施形態に係る液晶装置1によれば、TFTアレイ基板10上において絶縁膜47の下層側に形成された絶縁膜45及び46が、絶縁膜47を形成する際の熱によって劣化することを低減できると共に、エッチング液による反射膜47の劣化も低減可能である。加えて、本実施形態に係る液晶装置1によれば、エッチング液による反射膜86の劣化が低減可能であるため、エッチング液の染み込みによる劣化を低減する観点から要求される反射膜86のサイズ或いは形成位置に関する制約を受けることなく、液晶装置1の設計における自由度を高めることが可能であると共に、画素部72のうち実質的に画像表示に寄与する領域を増やすことができ、液晶装置1による画像の表示性能を高めることが可能である。
【0067】
<1−2:変形例>
次に、図5を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置の変形例を説明する。図5は、本例に係る液晶装置の画素部の構造の一部を示した断面図である。尚、以下では、液晶装置1と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0068】
図5において、本例に係る液晶装置は、画素電極9aが複数の透明電極9a1、9a2及び9a2から構成されている点に特徴がある。
【0069】
ここで、本例に係る液晶装置が有する複数の画素部72は、赤色、緑色及び青色の夫々の色光を表示する3種類の画素部で構成されており、図5に示した画素部72は、赤色の色光を表示する画素部であり、画素電極9aの膜厚は、120nmである。液晶装置1が有する複数の画素電極の夫々の膜厚は、赤色、緑色及び青色の夫々を表示する画素部毎に異なっており、本例では青色の色光を表示する画素部における画素電極の膜厚は30nmであり、緑色の色光を表示する画素部における画素電極の膜厚は70nmである。これら画素電極は、例えば、50nm、40nm、及び30nmの順で各画素部に透明電極を形成しながら、各画素部に必要とされる画素電極の膜厚が残るように透明電極の余分な部分がエッチング処理によって除去されることによって形成される。ここで、繰り返し施されるエッチング処理によって絶縁膜45及び46にエッチング液が染み込み易くなることが考えられるが、本例に係る液晶装置では、穴部85から反射膜86に渡って形成された絶縁膜47がエッチング液から絶縁膜45及び46を保護し、エッチング液の染み込みによる反射膜86の劣化を低減可能である。
【0070】
<第2実施形態>
次に、図6を参照しながら、本発明の第2の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の実施形態を説明する。尚、本実施形態に係る液晶装置の構成は、概ね第1実施形態に係る液晶装置と同様であるため、以下では、本実施形態において特徴的な構成を中心に説明する。
【0071】
本実施形態に係る液晶装置は、本発明の「第1導電膜」の一例である端子部84、本発明の「第1絶縁膜」の一例である絶縁膜46、本発明の「第1膜」の一例である反射膜86、本発明の「第2導電膜」の一例である透明電極9b1、本発明の「第2絶縁膜」の一例である絶縁膜47a、並びに、本発明の「第3導電膜」の一例である透明電極9b2を備えて構成されている。
【0072】
端子部84は、絶縁膜44を貫通するコンタクトホールを介して不図示の画素スイッチング用素子であるTFTに電気的に接続されている。絶縁膜46は、端子部84が露出する穴部85を有する層間絶縁膜である。
【0073】
透明電極9b1は、穴部85及び反射膜86を覆うように形成されており、端子部84に電気的に接続されている。透明電極9b1は、その上層側に形成された透明電極9b2と共に画素部72における画素電極を構成しており、端子部84を介して画像信号に応じた電位が供給される。
【0074】
絶縁膜47aは、透明電極9b1上において穴部85及び反射膜86を覆うように形成されており、メチル基(CH3)等の有機官能基を含むSiO2等の絶縁性の膜構造を有している。したがって、絶縁膜47aは、その上に形成された透明電極9b2がエッチング液を用いてエッチング処理される際に、透明電極9b1を介して絶縁膜49及び反射膜86にエッチング液が染み込むことを低減でき、エッチング液による反射膜86の劣化を低減できると共に、反射膜86のサイズ、或いは形成位置等の設計に関する自由度を高めることが可能である。より具体的には、画素部72における穴部85及び反射膜86間の距離を狭めることが可能になるため、画素部72において実質的に画像表示に寄与する領域を増やすことが可能になる。
【0075】
尚、本実施形態では、赤色、緑色及び青色の夫々に対応する画素部毎に画素電極の膜厚が異なる場合であっても、画素電極の膜厚が所望の膜厚となるように透明電極9b1及び9b2のように複数の透明電極を積層してなる画素電極を形成可能であると共に、穴部85が絶縁膜47aによって保護されているため、エッチング液にいる反射膜86の劣化を低減できる。
【0076】
加えて、絶縁膜47aは、第1実施形態における絶縁膜47と同様に常温で形成可能であるため、アクリル樹脂等の絶縁材料で構成された絶縁膜46及び反射膜86の熱による劣化も低減できる。
【0077】
<第3実施形態>
次に、図7を参照しながら、本発明の第3の発明に係る光共振器の実施形態を説明する。図7は、本実施形態に係る光共振器400の構造を示した断面図である。
【0078】
図7において、光共振器400は、第1誘電体膜404、第2誘電体膜405、及び第3誘電体406を備えて構成されている。
【0079】
第1誘電体膜404には、下地膜402を介して基板401上に形成された光源である有機EL素子403が埋め込まれており、有機EL素子403から図中上側に出射された光が光共振器400によって増幅された後、増幅された光が上側に取り出される。第1誘電体膜404及び第3誘電体膜406は、SiO2から構成されており、第2誘電体膜405は、メチル基(CH3)等の有機官能基を含むSiNから構成されている。第3誘電体膜406は、第2誘電体膜405上に形成された後、ウェットエッチング法を用いてエッチング処理され、所定の形状にパターニングされている。ここで、第2誘電体膜405は、有機官能基を含んでいるため、王水等の酸からなるエッチング液をはじく。したがって、第2誘電体膜405は、その下層側に形成された第1誘電体膜404がエッチング液によって劣化することを低減可能である。特に、本実施形態では、第2誘電体膜405が、エッチング液が染み込み易い第1誘電体膜404の端面を覆っているため、第1誘電体膜404に対するエッチング液の染み込みを効果的に低減できる。
【0080】
尚、このような光共振器400は、単独の素子として、或いは、有機EL装置等の表示装置の一部として組み込まれていてもよい。
【0081】
<電子機器>
次に、図8及び図9を参照しながら、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。
【0082】
図8は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図8において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、高品位の画像表示が可能である。
【0083】
次に、上述した液晶装置1を携帯電話に適用した例について説明する。図9は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図9において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。したがって、携帯電話1300によれば、高品位の画像表示が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の発明に係る電子装置の一実施形態である液晶装置の平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の等価回路部である。
【図4】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置における画素部の構造を詳細に示した断面図である。
【図5】本発明の第1の発明に係る電子装置の一例である液晶装置における画素部の構造の変形例を示した断面図である。
【図6】本発明の第2の発明に係る電子装置の一例である液晶装置の画素部の構造を詳細に示した断面図である。
【図7】本発明の第3の発明に係る光共振器の構造を詳細に示した断面図である。
【図8】本発明の第1又は第2の発明に係る電子装置の実施形態である液晶装置、或いは第3の発明に係る光共振器の実施形態である光共振器を搭載した電子機器の一例の斜視図である。
【図9】本発明の第1又は第2の発明に係る電子装置の実施形態である液晶装置、或いは第3の発明に係る光共振器の実施形態である光共振器を搭載した電子機器の他の例の斜視図である。
【符号の説明】
【0085】
1・・・液晶装置、9a・・・画素電極、9b1,9b2・・・透明電極、45,46,47,47a、49・・・絶縁膜、84・・・端子部、86・・・反射膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された第1導電膜と、
前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、
前記穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように前記内壁から前記第1膜に渡って延びており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、前記第1導電膜のうち前記穴部に露出する部分に電気的に接続された第2導電膜と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第2導電膜は、複数の導電膜から構成されており、
前記複数の導電膜の夫々についてエッチング処理が施されていること
を特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の夫々に形成された画素電極であり、
前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
基板上に形成された第1導電膜と、
前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、
前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、前記第1導電膜に電気的に接続された第2導電膜と、
前記第2導電膜上において前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3導電膜と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の一の画素部に形成された画素電極の一部を構成する一の透明電極であり、
前記第3導電膜は、前記一の透明電極と共に前記画素電極を構成する他の透明電極であること
を特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であること
を特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1膜は、前記基板上から照射された光を反射する反射膜であること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1絶縁膜は、アクリル樹脂を含んでいること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
基板上に形成された第1誘電体膜と、
前記第1誘電体膜上に形成されており、有機官能基を含む第2誘電体膜と、
前記第2誘電体膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3誘電体膜と
を備えたことを特徴とする光共振器。
【請求項10】
前記第2誘電体膜は、前記第1誘電体膜の端面を覆っていること
を特徴とする請求項9に記載の光共振器。
【請求項1】
基板上に形成された第1導電膜と、
前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、
前記穴部の内壁及び前記第1膜を覆うように前記内壁から前記第1膜に渡って延びており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされており、前記第1導電膜のうち前記穴部に露出する部分に電気的に接続された第2導電膜と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第2導電膜は、複数の導電膜から構成されており、
前記複数の導電膜の夫々についてエッチング処理が施されていること
を特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の夫々に形成された画素電極であり、
前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
基板上に形成された第1導電膜と、
前記第1導電膜上に形成されており、前記第1導電膜が露出する穴部を有する第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上における前記穴部が設けられていない領域に形成された第1膜と、
前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、前記第1導電膜に電気的に接続された第2導電膜と、
前記第2導電膜上において前記穴部及び前記第1膜を覆うように形成されており、有機官能基を含む第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3導電膜と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
前記第2導電膜は、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素部の一の画素部に形成された画素電極の一部を構成する一の透明電極であり、
前記第3導電膜は、前記一の透明電極と共に前記画素電極を構成する他の透明電極であること
を特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1導電膜は、前記画素部毎に形成された画素スイッチング用素子に電気的に接続された端子部であること
を特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1膜は、前記基板上から照射された光を反射する反射膜であること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1絶縁膜は、アクリル樹脂を含んでいること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
基板上に形成された第1誘電体膜と、
前記第1誘電体膜上に形成されており、有機官能基を含む第2誘電体膜と、
前記第2誘電体膜上に形成されていると共にエッチング処理されることによって所定の形状にパターニングされた第3誘電体膜と
を備えたことを特徴とする光共振器。
【請求項10】
前記第2誘電体膜は、前記第1誘電体膜の端面を覆っていること
を特徴とする請求項9に記載の光共振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−31393(P2009−31393A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192991(P2007−192991)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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