電子部品実装装置
【課題】冷却風によって圧着ヘッドの温度が変化する心配が無く、且つ、偏光板を傷つけないようにしながら、圧着ヘッドによる高温の輻射から偏光板を保護する。
【解決手段】電子部品実装装置は、圧着ヘッド21と、ヒータ22と、防熱板41と、冷却手段42とを備えている。圧着ヘッド21は、ヒータ22によって加熱され、表面に偏光板104aが配設されたパネル基板101の少なくとも一辺にドライバIC回路105を圧着する。防熱板41は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間に、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態で圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する。冷却手段42は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間に、防熱板41に対して空気を吹き付ける。
【解決手段】電子部品実装装置は、圧着ヘッド21と、ヒータ22と、防熱板41と、冷却手段42とを備えている。圧着ヘッド21は、ヒータ22によって加熱され、表面に偏光板104aが配設されたパネル基板101の少なくとも一辺にドライバIC回路105を圧着する。防熱板41は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間に、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態で圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する。冷却手段42は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間に、防熱板41に対して空気を吹き付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、COG(Chip On Glass)方式やTAB(Tape Automated Bonding)方式によってディスプレイパネルに電子部品を搭載する場合に用いられる電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)は、パネル基板に電子部品(ドライバIC回路)を搭載して製造される。このドライバIC回路は、一般的に、パネル基板の少なくとも一つの辺に複数搭載される。ドライバIC回路の搭載方式としては、例えば、COG方式やTAB方式が採用されている。
【0003】
COG方式では、ドライバIC回路としてのICチップとパネル基板との間に、例えば、ACF(AnisotropicConductive Film:異方性導電膜)を介在させて熱圧着により直接接続する。一方、TAB方式では、パネル基板とICチップが実装されているフィルム状基板であるドライバIC回路との間にACFを介在させ、両者を熱圧着により接続する。つまり、パネル基板とドライバIC回路は、ACFのバインダ樹脂が熱硬化することによって機械的に接続され、ドライバIC回路の電極とパネル基板の配線がACFの導電粒子を介して電気的に接続される。
【0004】
ところで、パネル基板におけるドライバIC回路の搭載領域は、画像が表示される領域に近接した位置にある。そして、パネル基板の画像が表示される領域には、偏光板が貼り付けられている。この偏光板は、耐熱性の低いフィルムからなり、その耐熱温度が約60℃とされている。
【0005】
これに対して、ACFのバインダ樹脂の硬化温度が約150℃又はそれよりも高い温度であるため、圧着ヘッドの温度は、150℃よりも高温にする必要がある。そして、近年は、圧着作業の高速化を実現するために、圧着ヘッドの温度を高温化する傾向にある。したがって、圧着ヘッドによってパネル基板とドライバIC回路とを熱圧着するときに、その圧着ヘッドの熱が偏光板に伝わって熱ダメージを与える可能性がある。その結果、FPDに表示ムラが生じて、ディスプレイ装置としての品質を低下させてしまう。
【0006】
特許文献1には、パネル基板に電子部品を実装するときにパネル基板の冷却を行う表示パネル用実装装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された表示パネル用実装装置では、パネル基板と電子部品とを熱圧着するときに、板状部材を偏光板の端部に当接させることにより、圧着ヘッドから偏光板に伝わる熱を吸収するようになっている。
【0007】
また、熱圧着を行うときに圧着ヘッドの熱が偏光板に伝わらないようにする技術としては、偏光板の端部に放熱フィンを押し付けて偏光板の熱を吸収し、放熱フィンに空気を吹き付けることで偏光板の冷却を行うものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−230577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された表示パネル用実装装置では、板状部材を偏光板の端部に当接させるため、軟弱である偏光板が傷ついてしまうという問題があった。これと同様に、偏光板の端部に放熱フィンを押し付ける方法においても、放熱フィンによって偏光板が傷ついてしまうという問題がある。
【0010】
また、放熱フィンを用いる場合には、放熱フィンに吹き付けられる空気が圧着ヘッドに当たると、圧着ヘッドの温度が変化(低下)する可能性がある。そのため、圧着ヘッドに空気が吹き付けられないように、放熱フィンの形状を複雑にする必要があった。その結果、圧着ヘッドの平行度を調節する場合に放熱フィンが邪魔になり作業性が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術における実情からなされたものであり、冷却風によって圧着ヘッドの温度が変化する心配が無く、且つ、偏光板を傷つけないようにしながら、圧着ヘッドによる高温の輻射から偏光板を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するため、本発明の電子部品実装装置は、圧着ヘッドと、加熱部と、防熱部材と、冷却手段とを備えている。圧着ヘッドは、加熱部によって加熱され、表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する。防熱部材は、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間に、圧着ヘッドと偏光板との間に配置され、端部が圧着ヘッドと偏光板に接近した状態で圧着ヘッドの輻射熱を遮断する。冷却手段は、圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間に、防熱部材に対して空気を吹き付ける。
【0013】
このように構成した本発明の電子部品実装装置では、防熱部材によって圧着ヘッドの輻射熱を遮断し、偏光板に輻射熱が伝わらないようにする。つまり、防熱部材は、偏光板に伝わった熱を吸収するものではなく、偏光板及びパネル基板に当接しない。したがって、防熱部材により偏光板及びパネル基板を傷つけないようにすることができる。
【0014】
また、この電子部品実装装置では、圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間に、冷却手段が防熱部材に対して空気を吹き付ける。そのため、冷却手段によって噴射された空気が圧着ヘッドに当たる心配がない。この防熱部材に吹き付けられる空気は、圧着ヘッドの輻射熱によって温められた防熱部材を冷やすことができればよいため、冷気である必要はなく、室温と同じ温度(常温)であってもよい。
【0015】
また、本発明の電子部品実装装置の他の形態は、防熱部材がV字状に折り返された板体からなっている。この防熱部材は、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間に、圧着ヘッドと偏光板との間に配置され、折り返された角部が圧着ヘッドと偏光板に接近した状態で圧着ヘッドの輻射熱を遮断する。そして、冷却手段は、防熱部材の内側から角部に向けて空気を吹き付ける。
【0016】
このように構成した本発明の電子部品実装装置では、冷却手段が防熱部材の内側から角部に向けて空気を吹き付ける。そのため、防熱部材に吹き付けられる空気が圧着ヘッドに当たる心配がない。しかも、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間においても、防熱部材に空気を吹き付けることができ、輻射熱の遮断効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品実装装置によれば、冷却風によって圧着ヘッドの温度が変化する心配が無く、且つ、偏光板を傷つけないようにしながら、偏光板を高温の輻射から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネルの側面図である。
【図2】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱ユニットを示す側面図である。
【図4】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態に係る防熱部材を熱遮断位置に配置した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【図6】本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱ユニットを示す側面図である。
【図7】本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【図8】本発明の電子部品実装装置の第3の実施の形態に係る防熱部材を示す斜視図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】本発明の電子部品実装装置の第4の実施の形態に係る防熱部材を示す部分断面図である。
【図11】図10のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の電子部品実装装置を実施するための形態について、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0020】
1.第1の実施の形態
まず、本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネル100について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネルの側面図である。
【0021】
本発明の電子部品実装装置は、パネル基板101を搬送しながら、このパネル基板101の周辺部に各種処理作業を行って電子部品を搭載し、表示パネル100を製造する。本実施の形態においては、電子部品であるドライバIC回路105をTAB方式によってパネル基板101に搭載する。そのため、本実施の形態の電子部品実装装置では、仮圧着ステージ(不図示)において、ドライバIC回路105がパネル基板101に仮圧着される。
【0022】
図1に示すように、パネル基板101は、透明なガラス基板である下基板102及び上基板103を有している。これら上下の基板102,103間には、液晶層(不図示)が介在されている。下基板102は、上基板103よりも外形が大きくなっており、周縁部が上基板103の外縁から側方に突出している。上下の基板102,103には、透過する光の振動を1つの方向に揃えて光量を調節する偏光板104a,104bが配置されている。これら偏光板104a,104bは、上基板103の外形と略等しい外形とされている。
【0023】
下基板102のドライバIC回路105が搭載される周縁部には、微小間隔をあけてパネル側電極(不図示)が設けられている。ドライバIC回路105は、IC(Integrated Circuit)チップ105aをフレキシブル基板105bに実装したCOF(Chip On Film)である。ドライバIC回路105のフレキシブル基板105bには、パネル基板101のパネル側電極に接合されるリード電極(不図示)が設けられている。
【0024】
仮圧着ステージでは、下基板102の周縁部に貼り付けられたACF106の上にドライバIC回路105のフレキシブル基板105bを載置して所定の圧力を加えることにより、ドライバIC回路105の仮圧着が行われる。ACF106は、テープ状に形成されたバインダ樹脂内に微小な導電粒子を分散させたものである。なお、下基板102の周縁部には、少なくとも1つの辺に沿って複数個のドライバIC回路105が仮圧着される。ドライバIC回路105が仮圧着されたパネル基板101は、搬送手段(不図示)によって本圧着ステージに搬送される。
【0025】
次に、本圧着ステージについて、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態を示すものであり、本圧着ステージの斜視図である。
【0026】
本圧着ステージ1では、ドライバIC回路105をパネル基板101に熱圧着(本圧着)する。これにより、ACFのバインダ樹脂が圧縮され、ドライバIC回路105のリード電極がパネル基板101のパネル側電極に導電粒子を介して電気的に接続される。また、バインダ樹脂が熱硬化することにより、ドライバIC回路105は、パネル基板101に機械的に接続される。
【0027】
図2に示すように、本圧着ステージ1には、支持台2と、この支持台2に配設されたフレーム3及び受け台4と、受け台4の上方に配置された熱圧着ユニット5と、この熱圧着ユニット5を昇降させる昇降機構6と、防熱ユニット7(図3参照)が設けられている。支持台2は、直方体状に形成されており、パネル基板101の長辺よりも長い長辺を有している。この支持台2の上面2aには、フレーム3及び受け台4が設けられている。
【0028】
フレーム3は、支持台2の幅方向Xに対向する側部11,12と、これら側部11,12を連結する上部13からなっている。側部11,12は、略長方形の板体からなり、支持台2の奥行き方向Yに沿って延びる短辺と、上下方向Zに延びる長辺を有している。上部13は、側部11,12の上端(一方の短辺)に連続しており、支持台2の上方に位置している。
【0029】
受け台4は、フレーム3の側部11,12間に設けられている。この受け台4の上には、保持台(不図示)に着脱可能に固定されたパネル基板101の一辺が載置される。昇降機構6は、例えば、ボールねじを用いた駆動機構であり、フレーム3の上部13に固定されるモータ15と、このモータ15の回転軸として設けられたねじ軸16と、このねじ軸16に係合される送りナット17と、この送りナット17が固定されるスライダ18から構成されている。
【0030】
送りナット17は、スライダ18に固定されることにより、ねじ軸16の軸周りの移動が規制されている。また、スライダ18には、熱圧着ユニット5が取り付けられている。この昇降機構6では、モータ15が駆動するとことでねじ軸16が回転し、送りナット17がねじ軸16の軸方向へ相対的に移動する。これにより、スライダ18が送りナット17と一体的に上下方向Zへ移動し、スライダ18に取り付けられた熱圧着ユニット5全体が上下方向Zへ移動する。
【0031】
次に、熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7について、図3を参照して説明する。
図3は、熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7を示す側面図である。
【0032】
まず、熱圧着ユニット5について説明する。熱圧着ユニット5は、圧着ヘッド21と、加熱部の一具体例を示すヒータ22と、断熱材23と、姿勢調整機構24と、加圧部であるエアシリンダ25を備えている。
【0033】
圧着ヘッド21は、上下方向Zで受け台4と対向する圧着刃21aを有している。この圧着刃21aは、受け台4との間にパネル基板101及びドライバIC回路105(図1参照)を挟んで両者を熱圧着する。ヒータ22は、圧着ヘッド21の上部に接合しており、圧着ヘッド21を加熱する。このヒータ22には、ヒータ線27と熱電対28が接続されている。
【0034】
断熱材23は、例えば、セラミックス材料から形成されており、ヒータ22の上面に接合している。この断熱材23は、ヒータ22の熱を遮断し、姿勢調整機構24及びエアシリンダ25へヒータ22の熱が伝わらないようにしている。姿勢調整機構24は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105(図1参照)の圧着部分を略垂直に押圧するように、圧着ヘッド21の幅方向Xと奥行き方向Yへの傾き(姿勢)を調整する。
【0035】
姿勢調整機構24は、枠状に形成されており、上下方向Zに対向する上部片24a(図2参照)及び下部片24bと、支持台2の奥行き方向Yに対向する2つの側部片24c,24dを有している。上部片24aには、エアシリンダ25の後述するシャフト31が貫通している。下部片24bの上面には、シャフト31が固定されており、下面には、断熱材23を介してヒータ22が固定されている。
【0036】
側部片24cは、上下方向Zに延びる調整軸29によって下部片24bに連結されている。調整軸29には、側部片24c又は下部片24bとの接続位置を変更するためのナット30が螺合されている。側部片24c又は下部片24bに対する調整軸29の接続位置を変更することにより、側部片24cと下部片24bとの間の距離が変更される。これにより、下部片24bが軸ピン20を中心に回動し、圧着ヘッド21の奥行き方向Yへの傾きが調整される。
【0037】
側部片24dは、ガイド部(不図示)に回動可能に取り付けられており、奥行き方向Yに延びる軸を中心に回動する。これにより、姿勢調整機構24全体が回動し、圧着ヘッド21の幅方向Xへの傾きを調整することができる。また、不図示のガイド部は、スライダ18(図2参照)に摺動可能に支持されており、上下方向Zへ移動可能になっている。
【0038】
エアシリンダ25は、圧着ヘッド21の上方に配置されている。このエアシリンダ25は、シャフト31と、このシャフト31を空気圧により上下方向Zへ移動させる駆動部32(図2参照)からなっている。シャフト31は、適当な強度を有する鋼鉄、ステンレス鋼材、アルミニウム鋼材などの金属材料によって棒状に形成されており、姿勢調整機構24及びヒータ22などを介して圧着ヘッド21に連結されている。したがって、シャフト31が上下方向Zへ移動すると、姿勢調整機構24、断熱材23、ヒータ22及び圧着ヘッド21がシャフト31と一緒に上下方向Zへ移動する。
【0039】
次に、防熱ユニット7について説明する。防熱ユニット7は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する防熱板41と、防熱板41に空気を吹き付ける冷却手段42と、防熱板41を移動させる防熱板移動手段43とを備えている。なお、防熱板41及び防熱板移動手段43は、それぞれ防熱部材及び防熱部材移動手段の第1の具体例を示すものである。
【0040】
防熱板41は、略四角形の板体からなり、パネル基板101と対面する下面と、この下面の反対側の上面を有している。防熱板41の一辺を形成する端部41aは、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。
【0041】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間では、防熱板41が、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置された状態になっている(図5参照)。そして、防熱板41の一辺に対向した他辺を形成する端部41bは、圧着ヘッド21及び偏光板104aの端部に接近している。なお、防熱板41の端部41bにおける端面は、上面と下面に連続する円弧状に形成されている。これにより、万が一防熱板41の端部41bがパネル基板101の偏光板104aに接触しても、偏光板104aが傷つくことを防止或いは抑制できる。
【0042】
防熱板41は、例えば、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板によって形成されている。アルミニウム鋼板は、赤外線の反射が期待でき、熱を拡散し易くて冷却が容易であるため、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断するための部材に好適である。なお、アルミニウム鋼板に陽極酸化処理を施すことにより、耐食性及び耐摩耗性を向上させることができる。
【0043】
また、ステンレス鋼板は、防錆処理の必要が無く鏡面加工が可能であるため、反射性能を高めることができる。さらに、鉄や銅よりも熱伝導率が低く、薄くしても熱の遮断が期待できる。したがって、ステンレス鋼板は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断するための部材に好適である。
【0044】
取付部45は、略長方形の直方体状に形成されており、防熱板移動手段43の後述する直動アーム55に回動可能に支持されている。この取付部45の上面には、傾き調整ねじ48が設けられている。この傾き調整ねじ48を回転させることにより、取付部45は、幅方向X(図2参照)に延びる軸を中心に回動する。これにより、防熱板41のパネル基板101に対する傾き(角度)を変更して、端部41bの上下方向Zの位置を調整することができる。
【0045】
冷却手段42は、圧縮空気が充填されたエアタンク(不図示)と、このエアタンク内の圧縮空気を噴射するノズル51と、ノズル51とエアタンクとを接続するパイプ52を備えている。ノズル51は、取付部45に取り付けられており、防熱板41の上面に向けて空気を噴射する。
【0046】
パイプ52には、電磁バルブ(不図示)が設けられている。この電磁バルブを開閉することで、エアタンク内の圧縮空気をノズル51へ送ったり、エアタンクからノズル51へ向かう空気を遮断したりすることができる。本実施の形態では、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間中に電磁バルブを開き、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中に電磁バルブを閉じる。
【0047】
防熱板移動手段43は、ガイドレール54と、このガイドレール54に案内されて上下方向Zへ直動する直動アーム55とを備えている。直動アーム55には、取付部45が回動可能に支持されている。また、直動アーム55は、上下方向Zへの駆動力を発生するアクチュエータ(不図示)に連結されている。したがって、防熱板移動手段43は、取付部45を介して防熱板41を上下方向Zへ移動させる。
【0048】
防熱板移動手段43は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間になると、直動アーム55を上昇させ、防熱板41を図3に示す待機位置に配置する。このとき、防熱板41は、パネル基板101から離反しており、パネル基板101との間に適当な間隔があいている。したがって、パネル基板101を搬送するときに、パネル基板101が防熱板41に接触することを防ぐことができる。
【0049】
また、非圧着期間では、圧着ヘッド21も上昇し、圧着刃21aがパネル基板101から離反している。そして、待機位置に配置された防熱板41は、上下方向Zにおける圧着刃21aとパネル基板101との間に位置している。つまり、待機位置に配置された防熱板41は、パネル基板101だけでなく、圧着ヘッド21からも離れている。これにより、非圧着期間中に、防熱板41が圧着ヘッド21の輻射熱によって温められないようにすることができる。
【0050】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中は、防熱板41が熱遮断位置に配置されている(図5参照)。つまり、防熱板移動手段43は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着する場合に、防熱板41を熱遮断位置に配置する。このとき、防熱板41は、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態になる。
【0051】
次に、本圧着ステージ1の動作について、図3〜図5を参照して説明する。
図4は、防熱板41を熱遮断位置に配置した状態の側面図である。図5は、圧着期間における熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7を示す側面図である。
【0052】
複数のドライバIC回路105が仮固定されたパネル基板101が搬送手段(不図示)によって本圧着ステージ1に搬送されているときは、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間である。このとき、圧着ヘッド21は、受け台4から離反しており、防熱板41は、待機位置に配置されている(図3参照)。また、冷却手段42の電磁バルブは開かれており、ノズル51から防熱板41の上面に向けて空気が噴射している。これにより、防熱板41が冷却され、防熱板41の輻射熱を低くすることができる。
【0053】
ドライバIC回路105が仮固定されたパネル基板101が本圧着ステージ1に搬送されると、パネル基板101は、保持台(不図示)に保持され、一辺が受け台4上に載置される。このとき、保持台は、パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部を圧着ヘッド21の圧着刃21aに対して位置決めする。
【0054】
次に、防熱板41が防熱板移動手段43によって下降し、熱遮断位置に配置される(図4参照)。これにより、防熱板41の端部41bは、偏光板104aにおけるドライバIC回路105側の一辺に接近する。しかしながら、防熱板41は、偏光板104a及びパネル基板101に当接しない。したがって、防熱板41で偏光板104a及びパネル基板101を傷つけないようにすることができる。
【0055】
また、防熱板41が熱遮断位置に配置されると、冷却手段42の電磁バルブが閉じられて、ノズル51からの空気の噴射が遮断される。次に、エアシリンダ25の駆動部32(図2参照)が駆動し、シャフト31を下方に移動させる。その結果、図5に示すように、圧着ヘッド21がドライバIC回路105に接近する。そして、ドライバIC回路105と圧着ヘッド21との間が所定の距離になると、エアシリンダ25の駆動部32が停止する。
【0056】
続いて、昇降機構6のモータ15(図2参照)が駆動力を発生し、スライダ18を介して熱圧着ユニット5全体を下方へ移動させる。エアシリンダ25では、シャフト31の速度を制御することが難しいため、シャフト31の移動によって圧着ヘッド21をドライバIC回路105に接触させると、ドライバIC回路105が破損する可能性がある。そこで、圧着ヘッド21がドライバIC回路105にある程度接近した後は、昇降機構6によって圧着ヘッド21が移動する速度を制御し、ドライバIC回路105に接触する直前で圧着ヘッド21の速度を減速させる。
【0057】
熱圧着ユニット5全体が下方に移動すると、パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部が、圧着ヘッド21の圧着刃21aと受け台4によって挟まれて加圧される(図5参照)。これにより、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間になる。このときに作用する加圧力は、エアシリンダ25による空気ばねで適切な値に調整される。なお、エアシリンダ25による空気ばねの大きさは、駆動部32に供給されるエア(空気)の量によって調整することができる。
【0058】
圧着期間中は、防熱板41が圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、その端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近する。その結果、防熱板41によって圧着ヘッド21の輻射熱を遮断し、偏光板104aに輻射熱が伝わらないようにすることができる。また、圧着期間中は、ノズル51からの空気の噴射が電磁バルブにより遮断されているため、ノズル51から噴射される空気によって圧着ヘッド21の温度が変化(低下)しないようにすることができる。
【0059】
パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部に圧力が加えられると、パネル基板101とドライバIC回路105との間に介在されているACFのバインダ樹脂が加圧及び加熱される。その結果、パネル基板101とドライバIC回路105が電気的且つ機械的に接続され、ドライバIC回路105の本圧着が完了する。ドライバIC回路105が本圧着されたパネル基板101は、搬送手段(不図示)によって次のステージ、例えば、パネル基板101に搭載されたドライバIC回路105のズレ検査を行う検査ステージに搬送される。
【0060】
2.第2の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、電子部品実装装置の第2の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱部材を示す側面図である。図7は、電子部品実装装置の第2の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【0061】
第2の実施の形態の電子部品実装装置が前述した第1の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、防熱ユニット60のみである。そのため、ここでは、防熱ユニット60について説明し、第1の実施の形態の電子部品実装装置と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0062】
防熱ユニット60は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する防熱板61と、防熱板61に空気を吹き付ける冷却手段42と、防熱板61を移動させる防熱板移動手段63とを備えている。なお、防熱板61及び防熱板移動手段63は、それぞれ防熱部材及び防熱部材移動手段の第2の具体例を示すものである。
【0063】
防熱板61は、曲げ加工することにより略V字状に折り返された板体からなり、第1の実施の形態に係る防熱板41と同様に、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。この防熱板61は、パネル基板101と対面する下板部61Aと、この下板部61Aに対して折り返され、下板部61Aと共に角部61aを形成する上板部61Bを有している。
【0064】
下板部61Aにおける角部61aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。また、上板部61Bにおける角部61aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の上面に固定されている。
【0065】
冷却手段42のノズル51は、取付部45に取り付けられており、防熱板61の内側から角部61aに向けて空気を噴射する。このノズル51から噴射された空気は、角部61aに当たって進行方向を変え、下板部61Aと上板部61Bによって形成される略三角形の開口61bから排出される。したがって、ノズル51から噴射された空気が圧着ヘッド21に当たる心配がない。そのため、本実施の形態では、非圧着期間中だけではなく、圧着期間中においても電磁バルブを開き、ノズル51から空気を噴射する。これにより、防熱板61による輻射熱の遮断効果を高めることができる。
【0066】
防熱板移動手段63は、防熱板61を奥行き方向Yへ移動させる水平移動機構64と、この水平移動機構64を熱圧着ユニット5と一体に昇降させる昇降機構6(図2参照)から構成されている。
【0067】
水平移動機構64は、取付部45を回動可能に支持する直動アーム65と、この直動アーム65に固定されるロッド66と、ロッド66を摺動可能に支持して奥行き方向Yへ移動させる駆動部67を備えている。駆動部67は、熱圧着ユニット5の側部片24dが取り付けられるガイド部(不図示)に固定又は連結されており、水平移動機構64は、ガイド部(不図示)を介して昇降機構6に連結されている。
【0068】
防熱板移動手段63は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間になると、防熱板61を図6に示す待機位置に配置する。つまり、昇降機構6が熱圧着ユニット5と一緒に防熱板61を上昇させると共に、水平移動機構64が防熱板61を奥行き方向Yの駆動部67側に移動させる。
【0069】
待機位置に配置された防熱板61は、パネル基板101から離反しており、パネル基板101との間に適当な間隔があいている。したがって、パネル基板101を搬送するときに、パネル基板101が防熱板61に接触することを防ぐことができる。また、待機位置に配置された防熱板61は、圧着ヘッド21からも離反している。したがって、非圧着期間中に、防熱板61が圧着ヘッド21の輻射熱によって温められないようにすることができる。
【0070】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中は、防熱板61が図7に示す熱遮断位置に配置された状態になる。つまり、防熱板移動手段63の昇降機構6が熱圧着ユニット5と一緒に防熱板61を下降させると共に、水平移動機構64が防熱板61を奥行き方向Yの圧着ヘッド21側に移動させる。熱遮断位置に配置された防熱板61は、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、角部61aが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態になる。
【0071】
その結果、防熱板61によって圧着ヘッド21の輻射熱を遮断し、偏光板104aに輻射熱が伝わらないようにすることができる。また、防熱板61が偏光板104a及びパネル基板101に当接しないため、防熱板61で偏光板104a及びパネル基板101を傷つけないようにすることができる。
【0072】
3.第3の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第3の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、電子部品実装装置の第3の実施の形態に係る防熱部材を示す斜視図である。図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。
【0073】
第3の実施の形態の電子部品実装装置は、前述した第2の実施の形態の電子部品実装装置と同様の構成を有している。この第3の実施の形態の電子部品実装装置が第2の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72を有する点である。そのため、ここでは、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72について説明し、第2の実施の形態の電子部品実装装置と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0074】
図8及び図9に示すように、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72は、圧着ヘッド21(図2参照)に沿って幅方向Xに並べられている。これら防熱部材71,72は、第2の実施の形態の防熱板61と同様の構成を有しており、下板部61Aと、上板部61Bを備えている。
【0075】
第1の防熱部材71は、第2の防熱部材72側の略三角形の開口を塞ぐ側板部73を有している(図9参照)。したがって、冷却手段42のノズル51から第1の防熱部材71へ噴射された空気は、第1の防熱部材71の角部61aに当たって進行方向を変え、第2の防熱部材72側とは反対側の開口61bから排出される。
【0076】
また、第2の防熱部材72は、第1の防熱部材71側の略三角形の開口を塞ぐ側板部74を有している。したがって、冷却手段42のノズル51から第2の防熱部材72へ噴射された空気は、第2の防熱部材72の角部61aに当たって進行方向を変え、第1の防熱部材71側とは反対側の開口61bから排出される。
【0077】
この第3の実施の形態の電子部品実装装置によれば、ノズル51から噴射された空気が第1の防熱部材71と第2の防熱部材72との間に排出されないようにすることができる。その結果、ノズル51から噴射された空気が圧着ヘッド21に当たる心配がない。
【0078】
4.第4の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第4の実施の形態について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、電子部品実装装置の第4の実施の形態に係る防熱部材を示す部分断面図である。図11は、図10のB−B線に沿う断面図である。
【0079】
第4の実施の形態の電子部品実装装置は、前述した第2の実施の形態の電子部品実装装置と同様の構成を有している。この第4の実施の形態の電子部品実装装置が第2の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、防熱部材80のみである。そのため、ここでは、防熱部材80について説明し、その他の構成についての重複した説明を省略する。
【0080】
図10に示すように、防熱部材80は、曲げ加工することにより略V字状に折り返された下板部81A及び上板部81Bと、2つの側板部82A,82Bと、これら側板部82A,82B間に設けられた4つの仕切り部83を備えている。この防熱部材80は、第1の実施の形態に係る防熱板41と同様に、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。
【0081】
図11に示すように、下板部81Aと上板部81Bは、角部81aを形成している。下板部81Aにおける角部81aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。また、上板部81Bにおける角部81aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の上面に固定されている。
【0082】
2つの側板部82A,82Bは、下板部81A、上板部81B及び取付部45によって形成される略三角形の開口を塞ぐ板体からなっている。4つの仕切り部83は、側板部82A,82Bと同じ形状の板体からなり、2つの側板部82A,82B間に等間隔で配置されている。
【0083】
4つの仕切り部83は、下板部81A、上板部81B、側板部82A,82B及び取付部45によって囲まれる内部空間を5つに仕切っている。したがって、防熱部材80の内部空間には、5つの通気室85が形成されている。そして、各通気室85には、冷却手段42のノズル51がそれぞれ配置されている。
【0084】
上板部81Bには、ノズル51から角部81aに向けて噴射された空気を排出する排気孔87が設けられている。この排気孔87は、上板部81Bに切り起こしによって複数のルーバ88を設けることで形成されている。複数のルーバ88は、上板部81Bの表面から斜め上方に向かって突出しており、排気孔87は、上板部81Bにおける角部81aとは反対側の端部に向けて開口している。
【0085】
各通気室85において、ノズル51から角部81aに向けて噴射された空気は、角部81aに当たって進行方向を変え、上板部81Bの内面に沿って進行して複数のルーバ88の排気孔87から排出される。したがって、各通気室85から排出される空気が圧着ヘッド21(図7参照)側に進行しないようにすることができる。その結果、ノズル51から噴射される空気によって圧着ヘッド21の温度が変化(低下)しないようにすることができる。
【0086】
本実施の形態では、下板部81A及び上板部81Bなどにより形成される内部空間を4つの仕切り部83で仕切るようにした。しかしながら、本発明に係る防熱部材としては、仕切り部83を設けずに、下板部81A、上板部81B、側板部82A,82Bから構成してもよい。なお、仕切り部83を設けることにより、内部空間の空気を効率よく排気孔から排出することできる。また、本発明に係る防熱部材に仕切り部は、4個に限定されるものではなく、1〜3個であってもよく、また、5個以上であってもよい。
【0087】
以上、本発明の電子部品実装装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の電子部品実装装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0088】
上述した4つの実施の形態では、防熱部材移動手段によって防熱部材を上下方向Zや奥行き方向Yへ移動させた。しかしながら、本発明に係る防熱部材移動手段としては、防熱部材を回動させるものにすることもできる。
【0089】
上述した4つの実施の形態では、加圧ツールとしてエアシリンダ25を用いる構成にした。しかしながら、本発明に係る加圧ツールとしては、例えば、油圧シリンダやサーボモータを用いた駆動機構を適用することもできる。サーボモータを用いた駆動機構としては、ボールねじ駆動機構、カム駆動機構、ラック・ピニオン駆動機構などをあげることができる。
【符号の説明】
【0090】
1…本圧着ステージ、 2…支持台、 3…フレーム、 4…受け台、 5…熱圧着ユニット、 6…昇降機構、 7,60…防熱ユニット、 21…圧着ヘッド、 21a…圧着刃、 22…ヒータ(加熱部)、 23…断熱材、 24…姿勢調整機構、25…エアシリンダ(加圧ツール)、 41,61…防熱板(防熱部材)、 41a,41b…端部、 42…冷却手段、 43,63…防熱板移動手段(防熱部材移動手段)、 45…取付部、 51…ノズル、 61A,81A…下板部、 61B,81B…上板部、 61a,81a…角部、 61b…開口、 64…水平移動機構、 71…第1の防熱部材、 72…第2の防熱部材、 73,74…側板部、 80…防熱部材、 82A,82B…側板部、 83…仕切り部、 85…通気室、 87…排気孔、 88…ルーバ、 100…表示パネル、 101…パネル基板、 102…下基板、 103…上基板、 104a,104b…偏光板、 105…ドライバIC回路(電子部品)、 106…ACF
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、COG(Chip On Glass)方式やTAB(Tape Automated Bonding)方式によってディスプレイパネルに電子部品を搭載する場合に用いられる電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)は、パネル基板に電子部品(ドライバIC回路)を搭載して製造される。このドライバIC回路は、一般的に、パネル基板の少なくとも一つの辺に複数搭載される。ドライバIC回路の搭載方式としては、例えば、COG方式やTAB方式が採用されている。
【0003】
COG方式では、ドライバIC回路としてのICチップとパネル基板との間に、例えば、ACF(AnisotropicConductive Film:異方性導電膜)を介在させて熱圧着により直接接続する。一方、TAB方式では、パネル基板とICチップが実装されているフィルム状基板であるドライバIC回路との間にACFを介在させ、両者を熱圧着により接続する。つまり、パネル基板とドライバIC回路は、ACFのバインダ樹脂が熱硬化することによって機械的に接続され、ドライバIC回路の電極とパネル基板の配線がACFの導電粒子を介して電気的に接続される。
【0004】
ところで、パネル基板におけるドライバIC回路の搭載領域は、画像が表示される領域に近接した位置にある。そして、パネル基板の画像が表示される領域には、偏光板が貼り付けられている。この偏光板は、耐熱性の低いフィルムからなり、その耐熱温度が約60℃とされている。
【0005】
これに対して、ACFのバインダ樹脂の硬化温度が約150℃又はそれよりも高い温度であるため、圧着ヘッドの温度は、150℃よりも高温にする必要がある。そして、近年は、圧着作業の高速化を実現するために、圧着ヘッドの温度を高温化する傾向にある。したがって、圧着ヘッドによってパネル基板とドライバIC回路とを熱圧着するときに、その圧着ヘッドの熱が偏光板に伝わって熱ダメージを与える可能性がある。その結果、FPDに表示ムラが生じて、ディスプレイ装置としての品質を低下させてしまう。
【0006】
特許文献1には、パネル基板に電子部品を実装するときにパネル基板の冷却を行う表示パネル用実装装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された表示パネル用実装装置では、パネル基板と電子部品とを熱圧着するときに、板状部材を偏光板の端部に当接させることにより、圧着ヘッドから偏光板に伝わる熱を吸収するようになっている。
【0007】
また、熱圧着を行うときに圧着ヘッドの熱が偏光板に伝わらないようにする技術としては、偏光板の端部に放熱フィンを押し付けて偏光板の熱を吸収し、放熱フィンに空気を吹き付けることで偏光板の冷却を行うものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−230577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された表示パネル用実装装置では、板状部材を偏光板の端部に当接させるため、軟弱である偏光板が傷ついてしまうという問題があった。これと同様に、偏光板の端部に放熱フィンを押し付ける方法においても、放熱フィンによって偏光板が傷ついてしまうという問題がある。
【0010】
また、放熱フィンを用いる場合には、放熱フィンに吹き付けられる空気が圧着ヘッドに当たると、圧着ヘッドの温度が変化(低下)する可能性がある。そのため、圧着ヘッドに空気が吹き付けられないように、放熱フィンの形状を複雑にする必要があった。その結果、圧着ヘッドの平行度を調節する場合に放熱フィンが邪魔になり作業性が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術における実情からなされたものであり、冷却風によって圧着ヘッドの温度が変化する心配が無く、且つ、偏光板を傷つけないようにしながら、圧着ヘッドによる高温の輻射から偏光板を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するため、本発明の電子部品実装装置は、圧着ヘッドと、加熱部と、防熱部材と、冷却手段とを備えている。圧着ヘッドは、加熱部によって加熱され、表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する。防熱部材は、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間に、圧着ヘッドと偏光板との間に配置され、端部が圧着ヘッドと偏光板に接近した状態で圧着ヘッドの輻射熱を遮断する。冷却手段は、圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間に、防熱部材に対して空気を吹き付ける。
【0013】
このように構成した本発明の電子部品実装装置では、防熱部材によって圧着ヘッドの輻射熱を遮断し、偏光板に輻射熱が伝わらないようにする。つまり、防熱部材は、偏光板に伝わった熱を吸収するものではなく、偏光板及びパネル基板に当接しない。したがって、防熱部材により偏光板及びパネル基板を傷つけないようにすることができる。
【0014】
また、この電子部品実装装置では、圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間に、冷却手段が防熱部材に対して空気を吹き付ける。そのため、冷却手段によって噴射された空気が圧着ヘッドに当たる心配がない。この防熱部材に吹き付けられる空気は、圧着ヘッドの輻射熱によって温められた防熱部材を冷やすことができればよいため、冷気である必要はなく、室温と同じ温度(常温)であってもよい。
【0015】
また、本発明の電子部品実装装置の他の形態は、防熱部材がV字状に折り返された板体からなっている。この防熱部材は、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間に、圧着ヘッドと偏光板との間に配置され、折り返された角部が圧着ヘッドと偏光板に接近した状態で圧着ヘッドの輻射熱を遮断する。そして、冷却手段は、防熱部材の内側から角部に向けて空気を吹き付ける。
【0016】
このように構成した本発明の電子部品実装装置では、冷却手段が防熱部材の内側から角部に向けて空気を吹き付ける。そのため、防熱部材に吹き付けられる空気が圧着ヘッドに当たる心配がない。しかも、圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間においても、防熱部材に空気を吹き付けることができ、輻射熱の遮断効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品実装装置によれば、冷却風によって圧着ヘッドの温度が変化する心配が無く、且つ、偏光板を傷つけないようにしながら、偏光板を高温の輻射から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネルの側面図である。
【図2】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱ユニットを示す側面図である。
【図4】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態に係る防熱部材を熱遮断位置に配置した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【図6】本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱ユニットを示す側面図である。
【図7】本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【図8】本発明の電子部品実装装置の第3の実施の形態に係る防熱部材を示す斜視図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】本発明の電子部品実装装置の第4の実施の形態に係る防熱部材を示す部分断面図である。
【図11】図10のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の電子部品実装装置を実施するための形態について、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0020】
1.第1の実施の形態
まず、本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネル100について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の電子部品実装装置によって製造される表示パネルの側面図である。
【0021】
本発明の電子部品実装装置は、パネル基板101を搬送しながら、このパネル基板101の周辺部に各種処理作業を行って電子部品を搭載し、表示パネル100を製造する。本実施の形態においては、電子部品であるドライバIC回路105をTAB方式によってパネル基板101に搭載する。そのため、本実施の形態の電子部品実装装置では、仮圧着ステージ(不図示)において、ドライバIC回路105がパネル基板101に仮圧着される。
【0022】
図1に示すように、パネル基板101は、透明なガラス基板である下基板102及び上基板103を有している。これら上下の基板102,103間には、液晶層(不図示)が介在されている。下基板102は、上基板103よりも外形が大きくなっており、周縁部が上基板103の外縁から側方に突出している。上下の基板102,103には、透過する光の振動を1つの方向に揃えて光量を調節する偏光板104a,104bが配置されている。これら偏光板104a,104bは、上基板103の外形と略等しい外形とされている。
【0023】
下基板102のドライバIC回路105が搭載される周縁部には、微小間隔をあけてパネル側電極(不図示)が設けられている。ドライバIC回路105は、IC(Integrated Circuit)チップ105aをフレキシブル基板105bに実装したCOF(Chip On Film)である。ドライバIC回路105のフレキシブル基板105bには、パネル基板101のパネル側電極に接合されるリード電極(不図示)が設けられている。
【0024】
仮圧着ステージでは、下基板102の周縁部に貼り付けられたACF106の上にドライバIC回路105のフレキシブル基板105bを載置して所定の圧力を加えることにより、ドライバIC回路105の仮圧着が行われる。ACF106は、テープ状に形成されたバインダ樹脂内に微小な導電粒子を分散させたものである。なお、下基板102の周縁部には、少なくとも1つの辺に沿って複数個のドライバIC回路105が仮圧着される。ドライバIC回路105が仮圧着されたパネル基板101は、搬送手段(不図示)によって本圧着ステージに搬送される。
【0025】
次に、本圧着ステージについて、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の電子部品実装装置の第1の実施の形態を示すものであり、本圧着ステージの斜視図である。
【0026】
本圧着ステージ1では、ドライバIC回路105をパネル基板101に熱圧着(本圧着)する。これにより、ACFのバインダ樹脂が圧縮され、ドライバIC回路105のリード電極がパネル基板101のパネル側電極に導電粒子を介して電気的に接続される。また、バインダ樹脂が熱硬化することにより、ドライバIC回路105は、パネル基板101に機械的に接続される。
【0027】
図2に示すように、本圧着ステージ1には、支持台2と、この支持台2に配設されたフレーム3及び受け台4と、受け台4の上方に配置された熱圧着ユニット5と、この熱圧着ユニット5を昇降させる昇降機構6と、防熱ユニット7(図3参照)が設けられている。支持台2は、直方体状に形成されており、パネル基板101の長辺よりも長い長辺を有している。この支持台2の上面2aには、フレーム3及び受け台4が設けられている。
【0028】
フレーム3は、支持台2の幅方向Xに対向する側部11,12と、これら側部11,12を連結する上部13からなっている。側部11,12は、略長方形の板体からなり、支持台2の奥行き方向Yに沿って延びる短辺と、上下方向Zに延びる長辺を有している。上部13は、側部11,12の上端(一方の短辺)に連続しており、支持台2の上方に位置している。
【0029】
受け台4は、フレーム3の側部11,12間に設けられている。この受け台4の上には、保持台(不図示)に着脱可能に固定されたパネル基板101の一辺が載置される。昇降機構6は、例えば、ボールねじを用いた駆動機構であり、フレーム3の上部13に固定されるモータ15と、このモータ15の回転軸として設けられたねじ軸16と、このねじ軸16に係合される送りナット17と、この送りナット17が固定されるスライダ18から構成されている。
【0030】
送りナット17は、スライダ18に固定されることにより、ねじ軸16の軸周りの移動が規制されている。また、スライダ18には、熱圧着ユニット5が取り付けられている。この昇降機構6では、モータ15が駆動するとことでねじ軸16が回転し、送りナット17がねじ軸16の軸方向へ相対的に移動する。これにより、スライダ18が送りナット17と一体的に上下方向Zへ移動し、スライダ18に取り付けられた熱圧着ユニット5全体が上下方向Zへ移動する。
【0031】
次に、熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7について、図3を参照して説明する。
図3は、熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7を示す側面図である。
【0032】
まず、熱圧着ユニット5について説明する。熱圧着ユニット5は、圧着ヘッド21と、加熱部の一具体例を示すヒータ22と、断熱材23と、姿勢調整機構24と、加圧部であるエアシリンダ25を備えている。
【0033】
圧着ヘッド21は、上下方向Zで受け台4と対向する圧着刃21aを有している。この圧着刃21aは、受け台4との間にパネル基板101及びドライバIC回路105(図1参照)を挟んで両者を熱圧着する。ヒータ22は、圧着ヘッド21の上部に接合しており、圧着ヘッド21を加熱する。このヒータ22には、ヒータ線27と熱電対28が接続されている。
【0034】
断熱材23は、例えば、セラミックス材料から形成されており、ヒータ22の上面に接合している。この断熱材23は、ヒータ22の熱を遮断し、姿勢調整機構24及びエアシリンダ25へヒータ22の熱が伝わらないようにしている。姿勢調整機構24は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105(図1参照)の圧着部分を略垂直に押圧するように、圧着ヘッド21の幅方向Xと奥行き方向Yへの傾き(姿勢)を調整する。
【0035】
姿勢調整機構24は、枠状に形成されており、上下方向Zに対向する上部片24a(図2参照)及び下部片24bと、支持台2の奥行き方向Yに対向する2つの側部片24c,24dを有している。上部片24aには、エアシリンダ25の後述するシャフト31が貫通している。下部片24bの上面には、シャフト31が固定されており、下面には、断熱材23を介してヒータ22が固定されている。
【0036】
側部片24cは、上下方向Zに延びる調整軸29によって下部片24bに連結されている。調整軸29には、側部片24c又は下部片24bとの接続位置を変更するためのナット30が螺合されている。側部片24c又は下部片24bに対する調整軸29の接続位置を変更することにより、側部片24cと下部片24bとの間の距離が変更される。これにより、下部片24bが軸ピン20を中心に回動し、圧着ヘッド21の奥行き方向Yへの傾きが調整される。
【0037】
側部片24dは、ガイド部(不図示)に回動可能に取り付けられており、奥行き方向Yに延びる軸を中心に回動する。これにより、姿勢調整機構24全体が回動し、圧着ヘッド21の幅方向Xへの傾きを調整することができる。また、不図示のガイド部は、スライダ18(図2参照)に摺動可能に支持されており、上下方向Zへ移動可能になっている。
【0038】
エアシリンダ25は、圧着ヘッド21の上方に配置されている。このエアシリンダ25は、シャフト31と、このシャフト31を空気圧により上下方向Zへ移動させる駆動部32(図2参照)からなっている。シャフト31は、適当な強度を有する鋼鉄、ステンレス鋼材、アルミニウム鋼材などの金属材料によって棒状に形成されており、姿勢調整機構24及びヒータ22などを介して圧着ヘッド21に連結されている。したがって、シャフト31が上下方向Zへ移動すると、姿勢調整機構24、断熱材23、ヒータ22及び圧着ヘッド21がシャフト31と一緒に上下方向Zへ移動する。
【0039】
次に、防熱ユニット7について説明する。防熱ユニット7は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する防熱板41と、防熱板41に空気を吹き付ける冷却手段42と、防熱板41を移動させる防熱板移動手段43とを備えている。なお、防熱板41及び防熱板移動手段43は、それぞれ防熱部材及び防熱部材移動手段の第1の具体例を示すものである。
【0040】
防熱板41は、略四角形の板体からなり、パネル基板101と対面する下面と、この下面の反対側の上面を有している。防熱板41の一辺を形成する端部41aは、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。
【0041】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間では、防熱板41が、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置された状態になっている(図5参照)。そして、防熱板41の一辺に対向した他辺を形成する端部41bは、圧着ヘッド21及び偏光板104aの端部に接近している。なお、防熱板41の端部41bにおける端面は、上面と下面に連続する円弧状に形成されている。これにより、万が一防熱板41の端部41bがパネル基板101の偏光板104aに接触しても、偏光板104aが傷つくことを防止或いは抑制できる。
【0042】
防熱板41は、例えば、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板によって形成されている。アルミニウム鋼板は、赤外線の反射が期待でき、熱を拡散し易くて冷却が容易であるため、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断するための部材に好適である。なお、アルミニウム鋼板に陽極酸化処理を施すことにより、耐食性及び耐摩耗性を向上させることができる。
【0043】
また、ステンレス鋼板は、防錆処理の必要が無く鏡面加工が可能であるため、反射性能を高めることができる。さらに、鉄や銅よりも熱伝導率が低く、薄くしても熱の遮断が期待できる。したがって、ステンレス鋼板は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断するための部材に好適である。
【0044】
取付部45は、略長方形の直方体状に形成されており、防熱板移動手段43の後述する直動アーム55に回動可能に支持されている。この取付部45の上面には、傾き調整ねじ48が設けられている。この傾き調整ねじ48を回転させることにより、取付部45は、幅方向X(図2参照)に延びる軸を中心に回動する。これにより、防熱板41のパネル基板101に対する傾き(角度)を変更して、端部41bの上下方向Zの位置を調整することができる。
【0045】
冷却手段42は、圧縮空気が充填されたエアタンク(不図示)と、このエアタンク内の圧縮空気を噴射するノズル51と、ノズル51とエアタンクとを接続するパイプ52を備えている。ノズル51は、取付部45に取り付けられており、防熱板41の上面に向けて空気を噴射する。
【0046】
パイプ52には、電磁バルブ(不図示)が設けられている。この電磁バルブを開閉することで、エアタンク内の圧縮空気をノズル51へ送ったり、エアタンクからノズル51へ向かう空気を遮断したりすることができる。本実施の形態では、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間中に電磁バルブを開き、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中に電磁バルブを閉じる。
【0047】
防熱板移動手段43は、ガイドレール54と、このガイドレール54に案内されて上下方向Zへ直動する直動アーム55とを備えている。直動アーム55には、取付部45が回動可能に支持されている。また、直動アーム55は、上下方向Zへの駆動力を発生するアクチュエータ(不図示)に連結されている。したがって、防熱板移動手段43は、取付部45を介して防熱板41を上下方向Zへ移動させる。
【0048】
防熱板移動手段43は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間になると、直動アーム55を上昇させ、防熱板41を図3に示す待機位置に配置する。このとき、防熱板41は、パネル基板101から離反しており、パネル基板101との間に適当な間隔があいている。したがって、パネル基板101を搬送するときに、パネル基板101が防熱板41に接触することを防ぐことができる。
【0049】
また、非圧着期間では、圧着ヘッド21も上昇し、圧着刃21aがパネル基板101から離反している。そして、待機位置に配置された防熱板41は、上下方向Zにおける圧着刃21aとパネル基板101との間に位置している。つまり、待機位置に配置された防熱板41は、パネル基板101だけでなく、圧着ヘッド21からも離れている。これにより、非圧着期間中に、防熱板41が圧着ヘッド21の輻射熱によって温められないようにすることができる。
【0050】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中は、防熱板41が熱遮断位置に配置されている(図5参照)。つまり、防熱板移動手段43は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着する場合に、防熱板41を熱遮断位置に配置する。このとき、防熱板41は、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態になる。
【0051】
次に、本圧着ステージ1の動作について、図3〜図5を参照して説明する。
図4は、防熱板41を熱遮断位置に配置した状態の側面図である。図5は、圧着期間における熱圧着ユニット5及び防熱ユニット7を示す側面図である。
【0052】
複数のドライバIC回路105が仮固定されたパネル基板101が搬送手段(不図示)によって本圧着ステージ1に搬送されているときは、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間である。このとき、圧着ヘッド21は、受け台4から離反しており、防熱板41は、待機位置に配置されている(図3参照)。また、冷却手段42の電磁バルブは開かれており、ノズル51から防熱板41の上面に向けて空気が噴射している。これにより、防熱板41が冷却され、防熱板41の輻射熱を低くすることができる。
【0053】
ドライバIC回路105が仮固定されたパネル基板101が本圧着ステージ1に搬送されると、パネル基板101は、保持台(不図示)に保持され、一辺が受け台4上に載置される。このとき、保持台は、パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部を圧着ヘッド21の圧着刃21aに対して位置決めする。
【0054】
次に、防熱板41が防熱板移動手段43によって下降し、熱遮断位置に配置される(図4参照)。これにより、防熱板41の端部41bは、偏光板104aにおけるドライバIC回路105側の一辺に接近する。しかしながら、防熱板41は、偏光板104a及びパネル基板101に当接しない。したがって、防熱板41で偏光板104a及びパネル基板101を傷つけないようにすることができる。
【0055】
また、防熱板41が熱遮断位置に配置されると、冷却手段42の電磁バルブが閉じられて、ノズル51からの空気の噴射が遮断される。次に、エアシリンダ25の駆動部32(図2参照)が駆動し、シャフト31を下方に移動させる。その結果、図5に示すように、圧着ヘッド21がドライバIC回路105に接近する。そして、ドライバIC回路105と圧着ヘッド21との間が所定の距離になると、エアシリンダ25の駆動部32が停止する。
【0056】
続いて、昇降機構6のモータ15(図2参照)が駆動力を発生し、スライダ18を介して熱圧着ユニット5全体を下方へ移動させる。エアシリンダ25では、シャフト31の速度を制御することが難しいため、シャフト31の移動によって圧着ヘッド21をドライバIC回路105に接触させると、ドライバIC回路105が破損する可能性がある。そこで、圧着ヘッド21がドライバIC回路105にある程度接近した後は、昇降機構6によって圧着ヘッド21が移動する速度を制御し、ドライバIC回路105に接触する直前で圧着ヘッド21の速度を減速させる。
【0057】
熱圧着ユニット5全体が下方に移動すると、パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部が、圧着ヘッド21の圧着刃21aと受け台4によって挟まれて加圧される(図5参照)。これにより、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間になる。このときに作用する加圧力は、エアシリンダ25による空気ばねで適切な値に調整される。なお、エアシリンダ25による空気ばねの大きさは、駆動部32に供給されるエア(空気)の量によって調整することができる。
【0058】
圧着期間中は、防熱板41が圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、その端部41bが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近する。その結果、防熱板41によって圧着ヘッド21の輻射熱を遮断し、偏光板104aに輻射熱が伝わらないようにすることができる。また、圧着期間中は、ノズル51からの空気の噴射が電磁バルブにより遮断されているため、ノズル51から噴射される空気によって圧着ヘッド21の温度が変化(低下)しないようにすることができる。
【0059】
パネル基板101と複数のドライバIC回路105との接続部に圧力が加えられると、パネル基板101とドライバIC回路105との間に介在されているACFのバインダ樹脂が加圧及び加熱される。その結果、パネル基板101とドライバIC回路105が電気的且つ機械的に接続され、ドライバIC回路105の本圧着が完了する。ドライバIC回路105が本圧着されたパネル基板101は、搬送手段(不図示)によって次のステージ、例えば、パネル基板101に搭載されたドライバIC回路105のズレ検査を行う検査ステージに搬送される。
【0060】
2.第2の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第2の実施の形態について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、電子部品実装装置の第2の実施の形態に係る熱圧着ユニット及び防熱部材を示す側面図である。図7は、電子部品実装装置の第2の実施の形態における圧着期間の状態を示す側面図である。
【0061】
第2の実施の形態の電子部品実装装置が前述した第1の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、防熱ユニット60のみである。そのため、ここでは、防熱ユニット60について説明し、第1の実施の形態の電子部品実装装置と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0062】
防熱ユニット60は、圧着ヘッド21の輻射熱を遮断する防熱板61と、防熱板61に空気を吹き付ける冷却手段42と、防熱板61を移動させる防熱板移動手段63とを備えている。なお、防熱板61及び防熱板移動手段63は、それぞれ防熱部材及び防熱部材移動手段の第2の具体例を示すものである。
【0063】
防熱板61は、曲げ加工することにより略V字状に折り返された板体からなり、第1の実施の形態に係る防熱板41と同様に、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。この防熱板61は、パネル基板101と対面する下板部61Aと、この下板部61Aに対して折り返され、下板部61Aと共に角部61aを形成する上板部61Bを有している。
【0064】
下板部61Aにおける角部61aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。また、上板部61Bにおける角部61aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の上面に固定されている。
【0065】
冷却手段42のノズル51は、取付部45に取り付けられており、防熱板61の内側から角部61aに向けて空気を噴射する。このノズル51から噴射された空気は、角部61aに当たって進行方向を変え、下板部61Aと上板部61Bによって形成される略三角形の開口61bから排出される。したがって、ノズル51から噴射された空気が圧着ヘッド21に当たる心配がない。そのため、本実施の形態では、非圧着期間中だけではなく、圧着期間中においても電磁バルブを開き、ノズル51から空気を噴射する。これにより、防熱板61による輻射熱の遮断効果を高めることができる。
【0066】
防熱板移動手段63は、防熱板61を奥行き方向Yへ移動させる水平移動機構64と、この水平移動機構64を熱圧着ユニット5と一体に昇降させる昇降機構6(図2参照)から構成されている。
【0067】
水平移動機構64は、取付部45を回動可能に支持する直動アーム65と、この直動アーム65に固定されるロッド66と、ロッド66を摺動可能に支持して奥行き方向Yへ移動させる駆動部67を備えている。駆動部67は、熱圧着ユニット5の側部片24dが取り付けられるガイド部(不図示)に固定又は連結されており、水平移動機構64は、ガイド部(不図示)を介して昇降機構6に連結されている。
【0068】
防熱板移動手段63は、圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着していない非圧着期間になると、防熱板61を図6に示す待機位置に配置する。つまり、昇降機構6が熱圧着ユニット5と一緒に防熱板61を上昇させると共に、水平移動機構64が防熱板61を奥行き方向Yの駆動部67側に移動させる。
【0069】
待機位置に配置された防熱板61は、パネル基板101から離反しており、パネル基板101との間に適当な間隔があいている。したがって、パネル基板101を搬送するときに、パネル基板101が防熱板61に接触することを防ぐことができる。また、待機位置に配置された防熱板61は、圧着ヘッド21からも離反している。したがって、非圧着期間中に、防熱板61が圧着ヘッド21の輻射熱によって温められないようにすることができる。
【0070】
圧着ヘッド21がドライバIC回路105を圧着している圧着期間中は、防熱板61が図7に示す熱遮断位置に配置された状態になる。つまり、防熱板移動手段63の昇降機構6が熱圧着ユニット5と一緒に防熱板61を下降させると共に、水平移動機構64が防熱板61を奥行き方向Yの圧着ヘッド21側に移動させる。熱遮断位置に配置された防熱板61は、圧着ヘッド21と偏光板104aとの間に配置され、角部61aが圧着ヘッド21と偏光板104aに接近した状態になる。
【0071】
その結果、防熱板61によって圧着ヘッド21の輻射熱を遮断し、偏光板104aに輻射熱が伝わらないようにすることができる。また、防熱板61が偏光板104a及びパネル基板101に当接しないため、防熱板61で偏光板104a及びパネル基板101を傷つけないようにすることができる。
【0072】
3.第3の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第3の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、電子部品実装装置の第3の実施の形態に係る防熱部材を示す斜視図である。図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。
【0073】
第3の実施の形態の電子部品実装装置は、前述した第2の実施の形態の電子部品実装装置と同様の構成を有している。この第3の実施の形態の電子部品実装装置が第2の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72を有する点である。そのため、ここでは、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72について説明し、第2の実施の形態の電子部品実装装置と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0074】
図8及び図9に示すように、第1の防熱部材71と第2の防熱部材72は、圧着ヘッド21(図2参照)に沿って幅方向Xに並べられている。これら防熱部材71,72は、第2の実施の形態の防熱板61と同様の構成を有しており、下板部61Aと、上板部61Bを備えている。
【0075】
第1の防熱部材71は、第2の防熱部材72側の略三角形の開口を塞ぐ側板部73を有している(図9参照)。したがって、冷却手段42のノズル51から第1の防熱部材71へ噴射された空気は、第1の防熱部材71の角部61aに当たって進行方向を変え、第2の防熱部材72側とは反対側の開口61bから排出される。
【0076】
また、第2の防熱部材72は、第1の防熱部材71側の略三角形の開口を塞ぐ側板部74を有している。したがって、冷却手段42のノズル51から第2の防熱部材72へ噴射された空気は、第2の防熱部材72の角部61aに当たって進行方向を変え、第1の防熱部材71側とは反対側の開口61bから排出される。
【0077】
この第3の実施の形態の電子部品実装装置によれば、ノズル51から噴射された空気が第1の防熱部材71と第2の防熱部材72との間に排出されないようにすることができる。その結果、ノズル51から噴射された空気が圧着ヘッド21に当たる心配がない。
【0078】
4.第4の実施の形態
次に、本発明の電子部品実装装置の第4の実施の形態について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、電子部品実装装置の第4の実施の形態に係る防熱部材を示す部分断面図である。図11は、図10のB−B線に沿う断面図である。
【0079】
第4の実施の形態の電子部品実装装置は、前述した第2の実施の形態の電子部品実装装置と同様の構成を有している。この第4の実施の形態の電子部品実装装置が第2の実施の形態の電子部品実装装置と異なるところは、防熱部材80のみである。そのため、ここでは、防熱部材80について説明し、その他の構成についての重複した説明を省略する。
【0080】
図10に示すように、防熱部材80は、曲げ加工することにより略V字状に折り返された下板部81A及び上板部81Bと、2つの側板部82A,82Bと、これら側板部82A,82B間に設けられた4つの仕切り部83を備えている。この防熱部材80は、第1の実施の形態に係る防熱板41と同様に、アルミニウム鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。
【0081】
図11に示すように、下板部81Aと上板部81Bは、角部81aを形成している。下板部81Aにおける角部81aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の下面に固定されている。また、上板部81Bにおける角部81aとは反対側の端部は、固定ねじ47によって取付部45の上面に固定されている。
【0082】
2つの側板部82A,82Bは、下板部81A、上板部81B及び取付部45によって形成される略三角形の開口を塞ぐ板体からなっている。4つの仕切り部83は、側板部82A,82Bと同じ形状の板体からなり、2つの側板部82A,82B間に等間隔で配置されている。
【0083】
4つの仕切り部83は、下板部81A、上板部81B、側板部82A,82B及び取付部45によって囲まれる内部空間を5つに仕切っている。したがって、防熱部材80の内部空間には、5つの通気室85が形成されている。そして、各通気室85には、冷却手段42のノズル51がそれぞれ配置されている。
【0084】
上板部81Bには、ノズル51から角部81aに向けて噴射された空気を排出する排気孔87が設けられている。この排気孔87は、上板部81Bに切り起こしによって複数のルーバ88を設けることで形成されている。複数のルーバ88は、上板部81Bの表面から斜め上方に向かって突出しており、排気孔87は、上板部81Bにおける角部81aとは反対側の端部に向けて開口している。
【0085】
各通気室85において、ノズル51から角部81aに向けて噴射された空気は、角部81aに当たって進行方向を変え、上板部81Bの内面に沿って進行して複数のルーバ88の排気孔87から排出される。したがって、各通気室85から排出される空気が圧着ヘッド21(図7参照)側に進行しないようにすることができる。その結果、ノズル51から噴射される空気によって圧着ヘッド21の温度が変化(低下)しないようにすることができる。
【0086】
本実施の形態では、下板部81A及び上板部81Bなどにより形成される内部空間を4つの仕切り部83で仕切るようにした。しかしながら、本発明に係る防熱部材としては、仕切り部83を設けずに、下板部81A、上板部81B、側板部82A,82Bから構成してもよい。なお、仕切り部83を設けることにより、内部空間の空気を効率よく排気孔から排出することできる。また、本発明に係る防熱部材に仕切り部は、4個に限定されるものではなく、1〜3個であってもよく、また、5個以上であってもよい。
【0087】
以上、本発明の電子部品実装装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の電子部品実装装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0088】
上述した4つの実施の形態では、防熱部材移動手段によって防熱部材を上下方向Zや奥行き方向Yへ移動させた。しかしながら、本発明に係る防熱部材移動手段としては、防熱部材を回動させるものにすることもできる。
【0089】
上述した4つの実施の形態では、加圧ツールとしてエアシリンダ25を用いる構成にした。しかしながら、本発明に係る加圧ツールとしては、例えば、油圧シリンダやサーボモータを用いた駆動機構を適用することもできる。サーボモータを用いた駆動機構としては、ボールねじ駆動機構、カム駆動機構、ラック・ピニオン駆動機構などをあげることができる。
【符号の説明】
【0090】
1…本圧着ステージ、 2…支持台、 3…フレーム、 4…受け台、 5…熱圧着ユニット、 6…昇降機構、 7,60…防熱ユニット、 21…圧着ヘッド、 21a…圧着刃、 22…ヒータ(加熱部)、 23…断熱材、 24…姿勢調整機構、25…エアシリンダ(加圧ツール)、 41,61…防熱板(防熱部材)、 41a,41b…端部、 42…冷却手段、 43,63…防熱板移動手段(防熱部材移動手段)、 45…取付部、 51…ノズル、 61A,81A…下板部、 61B,81B…上板部、 61a,81a…角部、 61b…開口、 64…水平移動機構、 71…第1の防熱部材、 72…第2の防熱部材、 73,74…側板部、 80…防熱部材、 82A,82B…側板部、 83…仕切り部、 85…通気室、 87…排気孔、 88…ルーバ、 100…表示パネル、 101…パネル基板、 102…下基板、 103…上基板、 104a,104b…偏光板、 105…ドライバIC回路(電子部品)、 106…ACF
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを加熱する加熱部と、
前記圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間は、前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置され、端部が前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近した状態で前記圧着ヘッドの輻射熱を遮断する防熱部材と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記防熱部材は、板状に形成されており、一方の面が前記偏光板に対面する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置して、前記防熱部材の端部を前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近させ、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドから離れた位置に配置する防熱部材移動手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない少なくとも非圧着期間に、前記防熱部材に対して空気を吹き付ける冷却手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを加熱する加熱部と、
V字状に折り返された板体からなり、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間は、前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置され、折り返された角部が前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近した状態で前記圧着ヘッドの輻射熱を遮断する防熱部材と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項6】
前記防熱部材は、前記圧着ヘッドに沿って2つ並べて配置されており、
隣り合う防熱部材の対向する開口は、側板部によって塞がれている
ことを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装装置。
【請求項7】
前記防熱部材の内側から前記角部に向けて空気を吹き付ける冷却手段を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子部品実装装置。
【請求項8】
前記防熱部材は、
前記圧着期間に前記パネル基板と対面する下板部と、
前記下板部に連続する上板部と、
前記下板部と前記上板部によって形成される開口を塞ぐ2つの側板部と、を有し、
前記上板部には、前記冷却手段によって吹き付けられた空気を排出する排気孔が設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の電子部品実装装置。
【請求項9】
前記排気孔は、冷却手段によって吹き付けられた空気を前記角部と反対側の斜め上方に排出するように、前記上板部を切り起こして形成される
ことを特徴とする請求項8に記載の電子部品実装装置。
【請求項10】
前記下板部、前記上板部及び前記2つの側板部に囲まれた内部空間を仕切る仕切り部を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子部品実装装置。
【請求項11】
前記圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置して、前記防熱部材の角部を前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近させ、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドから離れた位置に配置する防熱部材移動手段を備える
ことを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項12】
前記防熱部材は、ステンレス鋼板又はアルミニウム鋼板によって形成されている
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項13】
前記防熱部材をステンレス鋼板によって形成する場合は、表面を鏡面加工する
ことを特徴とする請求項12に記載の電子部品実装装置。
【請求項1】
表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを加熱する加熱部と、
前記圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間は、前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置され、端部が前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近した状態で前記圧着ヘッドの輻射熱を遮断する防熱部材と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記防熱部材は、板状に形成されており、一方の面が前記偏光板に対面する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置して、前記防熱部材の端部を前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近させ、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドから離れた位置に配置する防熱部材移動手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない少なくとも非圧着期間に、前記防熱部材に対して空気を吹き付ける冷却手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
表面に偏光板が配設されたパネル基板の少なくとも一辺に電子部品を圧着する圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを加熱する加熱部と、
V字状に折り返された板体からなり、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着している圧着期間は、前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置され、折り返された角部が前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近した状態で前記圧着ヘッドの輻射熱を遮断する防熱部材と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項6】
前記防熱部材は、前記圧着ヘッドに沿って2つ並べて配置されており、
隣り合う防熱部材の対向する開口は、側板部によって塞がれている
ことを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装装置。
【請求項7】
前記防熱部材の内側から前記角部に向けて空気を吹き付ける冷却手段を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子部品実装装置。
【請求項8】
前記防熱部材は、
前記圧着期間に前記パネル基板と対面する下板部と、
前記下板部に連続する上板部と、
前記下板部と前記上板部によって形成される開口を塞ぐ2つの側板部と、を有し、
前記上板部には、前記冷却手段によって吹き付けられた空気を排出する排気孔が設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の電子部品実装装置。
【請求項9】
前記排気孔は、冷却手段によって吹き付けられた空気を前記角部と反対側の斜め上方に排出するように、前記上板部を切り起こして形成される
ことを特徴とする請求項8に記載の電子部品実装装置。
【請求項10】
前記下板部、前記上板部及び前記2つの側板部に囲まれた内部空間を仕切る仕切り部を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子部品実装装置。
【請求項11】
前記圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドと前記偏光板との間に配置して、前記防熱部材の角部を前記圧着ヘッドと前記偏光板に接近させ、前記圧着ヘッドが電子部品を圧着していない非圧着期間は、前記防熱部材を前記圧着ヘッドから離れた位置に配置する防熱部材移動手段を備える
ことを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項12】
前記防熱部材は、ステンレス鋼板又はアルミニウム鋼板によって形成されている
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子部品実装装置。
【請求項13】
前記防熱部材をステンレス鋼板によって形成する場合は、表面を鏡面加工する
ことを特徴とする請求項12に記載の電子部品実装装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−118059(P2011−118059A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273835(P2009−273835)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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