説明

電気光学装置および電子機器

【課題】製造コストを大幅に増大させずに情報を記録することができるとともに、情報を容易に再生することのできる電気光学装置、および電子機器を提供すること。
【解決手段】電気光学装置100の素子基板10において、外周領域10cに複数の容量素子56を形成しておき、外部からいずれの容量素子56に高い電圧を印加して絶縁破壊させるかによって、電気光学装置100の一つ一つにID等情報を記録する。容量素子56は、ダミー画素100bに設けた蓄積容量55であり、データ線6a、走査線3aおよび容量線5bのうち、外周領域10cで延在している部分を配線として利用して、容量素子56への電圧印加および信号検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ID(個体識別のための符号(Identification))等の情報の記録および再生が可能な電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置では、画素電極やスイッチング素子を備えた画素が構成されており、かかる画素が複数配列されることにより、画素領域が構成されている。ここで、画素電極やスイッチング素子は、素子基板の一方面側に半導体プロセス等を利用した複数の工程により形成されることから、工程履歴や素子基板に用いた基板のロット等の情報を追跡できるようにしておけば、不具合が発生したときの原因を解析するのに都合がよい。
【0003】
そこで、液晶装置に形成した金属膜の抜き部分を利用して文字情報を記録する技術が提案されており、かかる技術によれば、電気光学装置のID等を文字情報として記録し、光学的に再生することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、フォトリソグラフィー技術を利用するため、ID等を記録するには、多数の露光マスクを準備しておく必要があり、製造コストが増大する。また、特許文献1に記載の構成では、情報が記録されている個所が他の部材で覆われていると、情報を光学的に再生することが困難であるという問題点もある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、製造コストを大幅に増大させずに情報を記録することができるとともに、情報を容易に再生することのできる電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、画素電極を備えた画素が素子基板の一方面側に複数配列された画素領域と、前記素子基板の一方面側で前記素子基板の端部と前記画素領域との間に設けられ、第1電極および該第1電極に誘電体層を介して積層された第2電極を備えた複数の容量素子と、前記素子基板の一方面側で前記複数の容量素子に電気的に接続された配線と、を有し、前記複数の容量素子には、前記誘電体層により前記第1電極と前記第2電極とが絶縁状態にある第1容量素子と、前記誘電体層の絶縁破壊により前記第1電極と前記第2電極とが短絡状態にある第2容量素子と、が含まれていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、素子基板の端部と画素領域との間に複数の容量素子が構成されており、かかる複数の容量素子には配線が電気的に接続されている。このため、配線を介して複数の容量素子に電圧を印加する際に、一部の容量素子に絶縁耐圧を超える電圧を印加して絶縁破壊させれば、複数の容量素子のいずれが絶縁破壊されているかによって情報を記録することができる。また、配線を介して複数の容量素子のいずれが絶縁破壊されているかを検出すれば、情報を再生することができる。従って、本発明によれば、電気光学装置に複数の容量素子を形成しておき、外部からいずれの容量素子に高い電圧を印加するかを決定するだけで情報を記録することができるので、フォトリソグラフィー技術によって情報を記録する場合と違って、製造コストを大幅に増大させることがない。また、外部から複数の容量素子のいずれに絶縁破壊が発生しているかを電気的に検出することによって情報を再生することができるので、光学的に情報を再生する場合と違って、情報が記録されている領域が他の部材で覆われていても、情報を再生することができる。それ故、製造コストを大幅に増大させずにID等の情報を記録することができるとともに、情報を容易に再生することのできる電気光学装置を実現することができる。それ故、電気光学装置のトレーサビリティを向上することができる。
【0009】
本発明では、nを正の整数としたとき、前記複数の容量素子において前記第1電極と前記第2電極とが絶縁状態にあるか短絡状態にあるかによってnビットの情報が書き込まれている構成を実現することができる。
【0010】
本発明において、前記素子基板の一方面側には、前記複数の画素の各々で前記画素電極に対応して設けられたスイッチング素子と、前記複数の画素の各々で前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、前記画素領域で延在して前記スイッチング素子に電気的に接続された複数本のデータ線と、前記画素領域で前記データ線に交差する方向に延在して前記スイッチング素子に電気的に接続された複数本の走査線と、前記画素領域で延在して前記蓄積容量に電気的に接続された容量線と、が設けられ、前記蓄積容量は、前記第1電極と同一の層に形成された電極、前記誘電体層と同一の層に形成された誘電体層、および前記第2電極と同一の層に形成された電極を備えていることが好ましい。かかる構成によれば、画素を形成する工程を利用して容量素子を構成することができる。
【0011】
本発明において、前記容量素子は、前記蓄積容量に比して絶縁破壊電圧が低いことが好ましい。かかる構成によれば、情報の記録が容易である。
【0012】
本発明において、前記配線は、前記データ線、前記走査線および前記容量線のいずれかの線において前記素子基板の端部と前記画素領域との間で延在している部分により構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、データ線、走査線および容量線等を形成する工程を利用して、容量素子に電気的に接続する配線を形成することができる。
【0013】
本発明において、前記素子基板の端部と前記画素領域との間には、前記蓄積容量を備えたダミー画素が複数設けられ、前記容量素子は、前記複数のダミー画素の少なくとも一部に前記蓄積容量として構成された素子であることが好ましい。かかる構成によれば、容量素子を別途設けなくても、ダミー画素の一部や全てを利用して情報を記録することができる。
【0014】
本発明において、電気光学装置は、例えば液晶装置として構成され、この場合、電気光学装置は、前記素子基板と該素子基板に対向する対向基板との間には液晶層が保持されている構成を有することになる。
【0015】
本発明を適用した電気光学装置は、直視型表示装置や投射型表示装置等の各種電子機器に用いることができる。電子機器が投射型表示装置である場合、投射型表示装置は、前記電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、前記電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した電気光学装置の液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明を適用した電気光学装置の画素の具体的構成を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した電気光学装置に構成したダミー画素の断面構成を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した電気光学装置におけるID等の情報の記録方法および再生方法を示す説明図である。
【図6】本発明の別の実施の形態に係る電気光学装置全体の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。なお、電界効果型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。また、対向基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは対向基板の基板本体が位置する側とは反対側(素子基板が位置する側)を意味し、下層側とは対向基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0018】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置の電気的構成を示すブロック図であり、図1(a)、(b)、(c)は、電気光学装置全体の電気的構成を示すブロック図、画素領域内の画素の電気的構成を示すブロック図、および画素領域外に設けたダミー画素の電気的構成を示すブロック図である。
【0019】
図1(a)、(b)において、電気光学装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを備えた液晶装置であり、液晶パネル100pの素子基板10(図2等を参照)には、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10a(有効画素領域/実際の画像構成に必要な領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10では、画素領域10aの内側で複数本のデータ線6a(画像信号線)および複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交差部分に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、画素トランジスターを構成するスイッチング素子としての電界効果型トランジスター30、および画素電極9aが形成されている。電界効果型トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、電界効果型トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、電界効果型トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0020】
素子基板10において、画素領域10aより外周側(素子基板10の端部と画素領域10aとの間の外周領域10c)には、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0021】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、素子基板10には、複数の画素100aに跨って延在する容量線5bが形成されている。本形態において、容量線5bは、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通している。
【0022】
図1(a)に示すように、素子基板10の端部と画素領域10aとの間の外周領域10cには、複数のダミー画素100bが形成されている。図1(a)、(c)に示すように、ダミー画素100bは、画素領域10a内の画素100aと同一の構成を有しており、複数のダミー画素100bの各々には、電界効果型トランジスター30(スイッチング素子)、およびダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素100bにおいても、電界効果型トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、電界効果型トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、電界効果型トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。また、ダミー画素100bには、画素100aと同様、蓄積容量55が付加されており、ダミー画素100bの蓄積容量55にも、画素100aの蓄積容量55と同様、容量線5bが電気的に接続されている。
【0023】
かかる複数のダミー画素100bの一部あるいは全部のダミー画素100bに形成されている蓄積容量55は、後述するように、電気光学装置100のID等の情報を記録する容量素子56として利用される。また、容量素子56として利用される蓄積容量55には、容量線5bが電気的に接続しているとともに、データ線6aおよび走査線3aが電界効果型トランジスター30を介して電気的に接続している。このため、本形態では、容量線5b、データ線6aおよび走査線3aのうち、素子基板10の端部と画素領域10aとの間の外周領域10cで延在している部分は、容量素子56を利用して情報を記録するとともに、情報を再生する際の配線として利用されている。
【0024】
(液晶パネル100pおよび素子基板10の具体的構成)
図2は、本発明を適用した電気光学装置100の液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0025】
図2に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には液晶層50が保持されている。本形態において、シール材107には、液晶注入口として利用される途切れ部分107cが形成されており、かかる途切れ部分107cは、液晶材料の注入後、封止材108によって塞がれている。
【0026】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1(a)を参照して説明した画素領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、画素領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0027】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0028】
詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、画素領域10aには、図1を参照して説明した電界効果型トランジスター30、および電界効果型トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0029】
また、素子基板10の一方面10sの側において、画素領域10aより外側の外周領域10cのうち、画素領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9a(画素100a)と同時形成されたダミー画素電極9b(ダミー画素100b)が形成されている。
【0030】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0031】
また、対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の表面には配向膜26が積層されている。本形態において、遮光層29は、画素領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されている。また、本形態において、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。ここで、額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0032】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極部25tが形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極部25t)と対向する位置に基板間導通用電極部6tが形成されている。基板間導通用電極部6tは、共通電位Vcomが印加された定電位配線6sに導通しており、定電位配線6sは、端子102のうち、共通電位印加用の端子102aに導通している。基板間導通用電極部6tと基板間導通用電極部25tとの間には、導電粒子を含んだ基板間導通材109が配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極部6t、基板間導通材109および基板間導通用電極部25tを介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極部6t、25tを避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0033】
かかる構成の電気光学装置100において、本形態では、画素電極9aおよび共通電極21がITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成されており、電気光学装置100は透過型の液晶装置である。かかる透過型の電気光学装置100では、対向基板20の側から入射した光が素子基板10を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。なお、画素電極9aおよび共通電極21のうち、例えば、共通電極21を透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム膜等の反射性導電膜により形成する場合もあり、かかる構成によれば、反射型の電気光学装置100を構成することができる。かかる反射型の電気光学装置100では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0034】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20あるいは素子基板10には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0035】
本形態において、電気光学装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる透過型の液晶装置であって、対向基板20から入射した光が素子基板10を透過して出射される場合を中心に説明する。また、本形態において、電気光学装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0036】
(画素100aの具体的構成)
図3は、本発明を適用した電気光学装置100の画素100aの具体的構成を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、画素100aの平面図、および電気光学装置100のF−F′断面図である。なお、図3(a)では、各層を以下の線
下層側の遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5b=太い一点鎖線
上層側の遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
で示してある。また、図3(a)では、互いの端部が重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0037】
図3(a)に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する一方面10sには、複数の画素100aの各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域10fに沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域10fは縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域10fのうち、X方向(第1方向)に延在する第1画素間領域10gに沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向(第2方向)に延在する第2画素間領域10hに沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して電界効果型トランジスター30が形成されており、本形態において、電界効果型トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5bが形成されており、かかる容量線5bには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。電界効果型トランジスター30の上層側には遮光層7aが形成されており、かかる遮光層7aは、データ線6aに重なるように延在している。電界効果型トランジスター30の下層側には遮光層8aが形成されており、かかる遮光層8aは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0038】
図3(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の電界効果型トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0039】
素子基板10において、基板本体10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の遮光層8aが形成されている。本形態において、遮光層8aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して電界効果型トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。なお、遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3cと遮光層8aを導通させた構成とする。
【0040】
基板本体10wの一方面10s側において、遮光層8aの上層側には、透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、半導体層1aを備えた電界効果型トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリコン酸化膜(シリケートガラスも含む。)や、シリコン窒化膜からなる。かかる絶縁膜12は、シランガス(SiH4)、2塩化シラン(SiCl22)、TEOS(テトラエトキシシラン/テトラ・エチル・オルソ・シリケート/Si(OC254)、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)等を用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法等により形成される。
【0041】
電界効果型トランジスター30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えており、本形態において、ゲート電極3cは走査線3aの一部からなる。電界効果型トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、電界効果型トランジスター30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0042】
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0043】
ゲート電極3cの上層側には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1cに導通している。
【0044】
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の絶縁膜49、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5bが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5bは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5bは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、蓄積容量55を構成している。
【0045】
容量線5bの上層側には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、絶縁膜49、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42および絶縁膜49を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0046】
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、遮光層7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、遮光層7aを容量線5bと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0047】
遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側には、ITO膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されている。本形態において、画素電極9aは、ITO膜からなる。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、表面は平坦化されている。
【0048】
画素電極9aは、中継電極7bと部分的に重なっており、層間絶縁膜45を貫通するコンタクトホール45aを介して中継電極7bに導通している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。
【0049】
画素電極9aの表面には、ポリイミド膜や無機配向膜等の配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜)からなる。
【0050】
(対向基板20の構成)
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミド膜や無機配向膜等の配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。また、配向膜26は、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。
【0051】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、電界効果型トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0052】
(ダミー画素100bの具体的構成)
図4は、本発明を適用した電気光学装置100に構成したダミー画素100bの断面構成を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、ダミー画素100bのうち、容量素子56に2進数表現の情報として「0」が記録されている第1容量素子の説明図、および容量素子56に2進数表現の情報として「1」が記録されている第2容量素子の説明図である。
【0053】
図4(b)と図3(b)とを比較すれば分かるように、ダミー画素100bは、画素領域10a内の画素100aと同一構成を有している。ここで、ダミー画素100bのうち、情報の記録に用いられるダミー画素100bでは、蓄積容量55が情報記録用の容量素子56として利用されている。かかる容量素子56においては、ドレイン電極4aによって情報記録用の第1電極561が構成され、容量線5bによって情報記録用の第2電極562が構成されており、第1電極561と第2電極562とは誘電体層40を挟んで積層されている。
【0054】
なお、ダミー画素100bでは、画素電極9aに代えて、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。本形態では、ダミー画素電極9bについては、電界効果型トランジスター30と電気的に接続されている構成が採用されているが、電界効果型トランジスター30と電気的に接続されずにダミー画素電極9b同士が連結部分で繋がっている構成を採用してよい。また、ダミー画素電極9bについては、共通電位Vcomが印加されて画素領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する構成が採用される他、ダミー画素電極9bを電位的にフロート状態とする場合もある。
【0055】
(情報の記録)
図5は、本発明を適用した電気光学装置100におけるID等の情報の記録方法および再生方法を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、情報の記録時に各配線に印加される信号等の説明図、および情報の再生時に各配線に印加される信号等の説明図である。
【0056】
本形態の電気光学装置100では、素子基板10の外周領域10cに複数の容量素子56を形成しておき、素子基板10を製造した後、あるいは電気光学装置100を製造した後、n個の容量素子56のうち、所定の容量素子56を絶縁破壊させ、容量素子56が絶縁状態にあるか、絶縁破壊により短絡状態にあるかによって、ID等をnビットの情報として記録する。また、いずれの容量素子56が絶縁状態にあって、いずれの容量素子56が絶縁破壊により短絡状態にあるかを検出して情報を再生する。
【0057】
そこで、図5等を参照して電気光学装置100における情報の記録方法および再生方法を説明する。なお、以下の説明では、図1(b)に示すダミー画素100bのうち、6つのダミー画素100b11、100b12、100b21、100b22、100b31、100b32の容量素子56を利用して情報の記録および再生を行う場合を説明する。
【0058】
本形態では、まず、ダミー画素100bの容量素子56においても全て、図4に示す第1電極561と第2電極562とが誘電体層40によって絶縁状態となるように素子基板10を製造する。この時点では、いずれのダミー画素100bの容量素子56も、図4(a)に示すように、第1電極561と第2電極562とが誘電体層40によって絶縁状態となっている第1容量素子56aである。
【0059】
そして、端子102、102aにプローブ等を接触させて、図5(a)に示すように、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104に信号を供給し、ダミー画素100b11、100b12、100b21、100b22、100b31、100b32の容量素子56に電気的に接続するデータ線6a、走査線3aおよび容量線5bを利用してID等の情報を記録する。
【0060】
より具体的には、走査線駆動回路104から、ダミー画素100b11、100b12の容量素子56に電気的に接続する走査線3a1、ダミー画素100b21、100b22の容量素子56に電気的に接続する走査線3a2、およびダミー画素100b31、100b32の容量素子56に電気的に接続する走査線3a3に対して順次、走査信号を供給し、ダミー画素100bの電界効果型トランジスター30をオフ状態からオン状態に順次切り換える。その間、容量線5bには、端子102aおよび定電位配線6sを介して一定の電位(例えば、0V)を印加する。一方、所定のダミー画素100bの電界効果型トランジスター30がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングに合わせて、データ線駆動回路101から、ダミー画素100b11、100b21、100b31の容量素子56に電気的に接続するデータ線6a1、およびダミー画素100b12、100b22、100b32の容量素子56に電気的に接続するデータ線6a2に対して容量素子56が絶縁破壊する電圧を供給する。
【0061】
例えば、図5(a)に示すように、ダミー画素100b12の電界効果型トランジスター30がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミング(時間t11から時間t12の間)に合わせて、データ線駆動回路101からデータ線6a2に対して容量素子56が絶縁破壊する電圧を供給する。また、ダミー画素100b21の電界効果型トランジスター30がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミング(時間t12から時間t13の間)に合わせて、データ線駆動回路101からデータ線6a1に対して容量素子56が絶縁破壊する電圧を供給する。その他の期間では、データ線駆動回路101からデータ線6a1、6a2、6a3に対して印加される電圧は例えば0Vである。
【0062】
その結果、ダミー画素100b12、100b21以外のダミー画素100b11、100b22、100b31、100b32に形成されている容量素子56は、図4(a)に示すように、誘電体層40により第1電極561と第2電極562とが絶縁状態にある第1容量素子56aのままである。
【0063】
これに対して、ダミー画素100b12、100b21に形成されている容量素子56は、図4(b)において誘電体層40に「×」を付して示すように、誘電体層40が絶縁破壊されて、第1電極561と第2電極562とが導通状態にある第2容量素子56bとなる。それ故、電気光学装置100に情報を記録した以降、素子基板10には第1容量素子56aと第2容量素子56bとが存在することになる。
【0064】
ここで、第1電極561と第2電極562とが絶縁状態にある第1容量素子56aは、2進数表現の情報として「0」に対応し、第1電極561と第2電極562とが短絡状態にある第2容量素子56bは、2進数表現の情報として「1」に対応する。それ故、ダミー画素100b11、100b12、100b21、100b22、100b31、100b32をこの順にnビットの情報の上位から下位に対応させると、nビットの情報「011000」が記録されたことになる。このような情報の記録の際、情報の記録を行うダミー画素100bを増やせば、情報のビット数を増やすことができるので、電気光学装置100のID情報を記録することができる。
【0065】
(情報の再生)
次に、電気光学装置100に記録した情報を再生するには、端子102、102aにプローブ等を接触させて、図5(b)に示すように、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104に信号を供給する一方、容量線5b、定電位配線6sおよび端子102aを介して信号を検出し、情報を再生する。
【0066】
より具体的には、走査線駆動回路104から、ダミー画素100b11、100b12の容量素子56に電気的に接続する走査線3a1、ダミー画素100b21、100b22の容量素子56に電気的に接続する走査線3a2、およびダミー画素100b31、100b32の容量素子56に電気的に接続する走査線3a3に対して順次、走査信号を供給し、ダミー画素100bの電界効果型トランジスター30をオフ状態からオン状態に順次切り換える。一方、ダミー画素100bの電界効果型トランジスター30がオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングに合わせて、データ線駆動回路101から、ダミー画素100b11、100b21、100b31の容量素子56に電気的に接続するデータ線6a1、およびダミー画素100b12、100b22、100b32の容量素子56に電気的に接続するデータ線6a2に対して検出用の電圧を供給する。
【0067】
その間、定電位配線6sおよび端子102aを介して容量線5bの電位を監視する。その結果、ダミー画素100bのうち、容量素子56が第1容量素子56aになっているダミー画素100bに検出用の電圧が印加されても、容量線5bの電位は低レベルである。これに対して、容量素子56が第2容量素子56bになっているダミー画素100bに検出用の電圧が印加されると、誘電体層40が絶縁破壊されているので、データ線6aを介して供給された信号が容量素子56から出力され、容量線5bの電位(端子102aの電位)は高レベルとなる。本形態では、図1(c)および図4(b)に「×」を付したように、ダミー画素100b12、100b21に形成されている容量素子56が第2容量素子56bになっているので、ダミー画素100b12の容量素子56に検出用の電圧が印加されるタイミング(時間t21から時間t22の間)に合わせて、容量線5bの電位は高レベルとなる。また、ダミー画素100b21の容量素子56に検出用の電圧が印加されるタイミング(時間t22から時間t23の間)に合わせて、容量線5bの電位は高レベルとなる。それ故、容量線5bの電位の変化を時系列的にnビットの情報の上位から下位に対応させると、nビットの情報「011000」が再生されることになる。
【0068】
なお、電気光学装置100で画像を表示する場合は、データ線6aのうち、画素領域10aの画素100aに設けられているデータ線6aのみに画像信号を供給することになる。
【0069】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100では、素子基板10に複数の容量素子56を形成しておき、外部からいずれの容量素子56に高い電圧を印加するかを決定するだけで電気光学装置100の一つ一つに情報を記録することができる。従って、フォトリソグラフィー技術によって素子基板に情報を記録する場合と違って、製造コストを大幅に増大させることがない。また、外部から複数の容量素子56のいずれに絶縁破壊が発生しているかを電気的に検出することによって情報を再生することができるので、光学的に情報を再生する場合と違って、情報が記録されている領域が他の部材で覆われていても、情報を再生することができる。それ故、製造コストを大幅に増大させずにID等の情報を記録することができるとともに、情報を容易に再生することのできる電気光学装置100を実現することができる。
【0070】
また、本形態ではn個の容量素子56を利用すれば、nビットの情報を記録することができるので、電気光学装置100のID等を十分に記録することができる。
【0071】
また、本形態では、蓄積容量55と容量素子56とは、同一の層構成であるので、画素100aを形成する工程を利用して容量素子56を構成することができる。また、データ線6a、走査線3aおよび容量線5bのうち、外周領域10cで延在している部分により、容量素子56に電気的に接続する配線を構成したので、データ線6a、走査線3aおよび容量線5bを形成する工程を利用して、容量素子56に電気的に接続する配線を形成することができる。
【0072】
しかも、容量素子56は、ダミー画素100bに蓄積容量55として構成された素子であるので、容量素子56を別途設けなくても、情報を記録することができる。
【0073】
[改良例]
上記実施の形態では、容量素子56(ダミー画素100bの蓄積容量55)と、画素領域10aの画素100aに設けた蓄積容量55において誘電体層40が共通であったが、容量素子56の誘電体層40については、画素100aの蓄積容量55に用いた誘電体層40よりも膜厚を薄くする等の構成を採用すれば、容量素子56の絶縁破壊電圧を画素100aの蓄積容量55の絶縁破壊電圧より低くすることができる。かかる構成によれば、情報の記録が容易であるという利点がある。
【0074】
[別の実施の形態]
図6は、本発明の別の実施の形態に係る電気光学装置全体の電気的構成を示すブロック図である。上記実施の形態では、ダミー画素100bに電気的に接続されたデータ線6aについてもデータ線駆動回路101によって駆動したが、図6に示すように、ダミー画素100bに電気的に接続されたデータ線6aについては端子102に直接、導通させ、外部から直接、ダミー画素100bに信号を供給するように構成してもよい。
【0075】
[さらに別の実施の形態]
上記実施の形態では、ダミー画素100bの蓄積容量55を容量素子56として利用したが、画素100aに設けた蓄積容量55とは異なる構造の容量素子56を利用して情報を記録してもよい。例えば、互いに異なる層に第1配線と第2配線とを交差するように複数本ずつ延在させ、かかる第1配線と第2配線との間に誘電体層を設けて複数の容量素子56を構成してもよい。また、上記実施の形態では、情報再生の際、容量素子56に通電して短絡状態にあるか絶縁状態にあるかを検出したが、容量素子56に通電して充電し、その充電された電荷を検出して容量素子56が短絡状態にあるか絶縁状態にあるかを検出してもよい。
【0076】
[他の電気光学装置への適用例]
上記実施の形態では、電気光学装置100として液晶装置を例示したが、電気光学装置100が有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマ表示装置等である場合に本発明を適用してもよい。
【0077】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る電気光学装置100を適用した電子機器について説明する。図7は、本発明を適用した電気光学装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図7(a)、(b)は各々、透過型の電気光学装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の電気光学装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0078】
(投射型表示装置の第1例)
図7(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(電気光学装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
【0079】
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0080】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0081】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0082】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0083】
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0084】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0085】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0086】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0087】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0088】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0089】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0090】
(投射型表示装置の第2例)
図7(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤、緑、青の3色に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射光学系1029とを備えている。
【0091】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の電気光学装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0092】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色(R)の光は、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、赤色(R)用の電気光学装置100に入射する。
【0093】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色(G)の光は、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、緑色(G)用の電気光学装置100に入射する。
【0094】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色(B)の光は、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過する一方でs偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、青色(B)用の電気光学装置100に入射する。なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、電気光学装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0095】
このように構成した投射型表示装置1000では、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各電気光学装置100において変調される。その際、電気光学装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aはR光を反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bはB光を反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)に投射する。
【0096】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0097】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0098】
3a・・走査線(配線)、4a・・ドレイン電極(第1電極)、5b・・容量線(第2電極、配線)、6a・・データ線(配線)、9a・・画素電極、9b・・ダミー画素電極、10・・素子基板、10a・・画素領域、10c・・外周領域、40・・誘電体層、55・・蓄積容量、56・・容量素子、56a・・第1容量素子、56b・・第2容量素子、100・・電気光学装置、100a・・画素、100b・・ダミー画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極を備えた画素が素子基板の一方面側に複数配列された画素領域と、
前記素子基板の一方面側で前記素子基板の端部と前記画素領域との間に設けられ、第1電極および該第1電極に誘電体層を介して積層された第2電極を備えた複数の容量素子と、
前記素子基板の一方面側で前記複数の容量素子に電気的に接続された配線と、
を有し、
前記複数の容量素子には、前記誘電体層により前記第1電極と前記第2電極とが絶縁状態にある第1容量素子と、前記誘電体層の絶縁破壊により前記第1電極と前記第2電極とが短絡状態にある第2容量素子と、が含まれていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
nを正の整数としたとき、
前記複数の容量素子において前記第1電極と前記第2電極とが絶縁状態にあるか短絡状態にあるかによってnビットの情報が書き込まれていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記素子基板の一方面側には、
前記複数の画素の各々で前記画素電極に対応して設けられたスイッチング素子と、
前記複数の画素の各々で前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、
前記画素領域で延在して前記スイッチング素子に電気的に接続された複数本のデータ線と、
前記画素領域で前記データ線に交差する方向に延在して前記スイッチング素子に電気的に接続された複数本の走査線と、
前記画素領域で延在して前記蓄積容量に電気的に接続された容量線と、
が設けられ、
前記蓄積容量は、前記第1電極と同一の層に形成された電極、前記誘電体層と同一の層に形成された誘電体層、および前記第2電極と同一の層に形成された電極を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記容量素子は、前記蓄積容量に比して絶縁破壊電圧が低いことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記配線は、前記データ線、前記走査線および前記容量線のいずれかの線において前記素子基板の端部と前記画素領域との間で延在している部分により構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記素子基板の端部と前記画素領域との間には、前記蓄積容量を備えたダミー画素が複数設けられ、
前記容量素子は、前記複数のダミー画素の少なくとも一部に前記蓄積容量として構成された素子であることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記素子基板と該素子基板に対向する対向基板との間には液晶層が保持されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、
前記電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、
を有していることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109259(P2013−109259A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255858(P2011−255858)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】