説明

非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びにこれを備えた半導体実装装置

【課題】測定対象物の位置・姿勢を直接測定して、精度の高い位置・姿勢の測定及び制御を可能にするとともに、測定対象物の位置・姿勢を非接触で測定することでモデル化を簡略にし、モデル化に起因した誤差を小さくすることを可能にした非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びにこれを備えた半導体実装装置を提供する。
【解決手段】エンコーダ10の位置検出器15と距離計16、17が取り付けられた測定装置2と、測定対象物9に取り付けられたエンコーダ10のスケール11とを備えてなる非接触型位置・姿勢測定装置Bを用い、距離計16、17によって位置検出器15とスケール11の間隔及び平行度を測定し、間隔と平行度が一定となるように測定装置2のマニピュレータ13を制御し、測定装置2の位置情報と距離計16、17の計測値とエンコーダ10の計測値とを用いて測定対象物9の位置と姿勢を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の位置と姿勢を非接触で測定する非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びにこれを備えた半導体実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置(チップマウンター)や工作機械などにおいては、直交座標型、多関節型のマニピュレータの先端に取り付けられたエンドエフェクタ(測定対象物)の位置や姿勢を精度よく制御することが製品の品質を確保する上で非常に重要である。そして、従来、エンドエフェクタの位置や姿勢の制御には、直動軸や関節回転軸などに取り付けたエンコーダの計測値とマニピュレータ及びエンドエフェクタの構造的なパラメータから計算してエンドエフェクタの位置や姿勢を特定(測定)する方法が多用されている。
【0003】
例えば、半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置では、マニピュレータの駆動によって先端に取り付けられたエンドエフェクタが水平方向、上下方向などに移動し、供給装置で供給された半導体素子を吸着保持するとともに実装基板の所定位置に搬送し、半導体素子と実装基板との位置決めを行った上で、エンドエフェクタにより半導体素子を実装基板に加圧して実装(マウント)する。そして、このようなエンドエフェクタによる半導体素子の実装基板への加圧は、実装基板に半導体素子を押し付ける動作であるため、エンドエフェクタには加圧力に応じた外力が加わり、また、エンドエフェクタから伝達してマニピュレータに外力が作用する。このため、マニピュレータの構成部材が変形し、エンドエフェクタの位置・姿勢が変化して、実装基板と半導体素子(エンドエフェクタ)の相対位置に誤差を生じさせる場合があった。
【0004】
一方、エンドエフェクタに力を伝達する駆動経路と、エンドエフェクタの位置及び姿勢を測定する測定経路とを分離しておけば、外力を受けてマニピュレータの構成部材に変形が生じたとしても、エンドエフェクタの位置や姿勢を測定して精度よく制御することが可能になる。
【0005】
これに対し、特許文献1では、ベースプラットフォームとムービングプラットフォーム上に、それぞれ6個の球面ジョイントあるいはユニバーサルジョイントを配置し、その間をそれぞれ直動ジョイントとリニアスケール等の測長器を内蔵した6組のリンクにより接続してなるリンク装置(測定機構、測定経路)を、エンドエフェクタとワークテーブル(駆動機構、駆動経路)の間に設置している(エンドエフェクタとワークテーブルの間に受動リンク型のセンサを設置している)。これにより、リンク装置が6自由度(並進位置3自由度と姿勢3自由度)で相対的に運動し、駆動経路と測定経路とが分離され、マニピュレータの構成部材に変形が生じた場合であってもエンドエフェクタの位置や姿勢の誤差を補正して、工作物を高精度で加工することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−7489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された方法においては、外力や熱膨張などによるマニピュレータの変形の影響を軽減することが可能である反面、受動リンクの質量が非常に大きくなる。このため、工作機械の送り機構のような大出力のマニピュレータ以外には適用することが難しい。
【0008】
また、特許文献1に開示された方法においては、測長器を内蔵したリンクがベースプラットフォームとムービングプラットフォームにそれぞれ球面ジョイントあるいはユニバーサルジョイントで接続され、この測定機構が摩擦力を生じる構造となっている。このため、測定対象のモデル化が複雑になり、このモデル化の精度に起因した誤差が生じるおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、測定対象物の位置・姿勢を直接測定して、精度の高い位置・姿勢の測定及び制御を可能にするとともに、測定対象物の位置・姿勢を非接触で測定することでモデル化を簡略にし、モデル化に起因した誤差を小さくすることを可能にした非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びにこれを備えた半導体実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0011】
本発明の非接触型位置・姿勢測定方法は、測定対象物の位置と姿勢を非接触で測定する方法であって、エンコーダの位置検出器と距離計が取り付けられた測定装置と、前記測定対象物に取り付けられたエンコーダのスケールとを備えてなる非接触型位置・姿勢測定装置を用い、前記距離計を使用して前記位置検出器と前記スケールの間隔及び平行度を測定し、前記間隔と前記平行度がそれぞれ一定となるように前記測定装置のマニピュレータを制御するとともに、前記測定装置の位置情報と前記距離計の計測値と前記エンコーダの計測値とを用いて前記測定対象物の位置と姿勢を測定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の非接触型位置・姿勢測定方法においては、前記非接触型位置・姿勢測定装置が半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置に具備され、前記非接触型位置・姿勢測定装置によって、前記半導体素子を前記実装基板に実装する半導体実装装置本体のエンドエフェクタの位置と姿勢を測定することが望ましい。
【0013】
本発明の非接触型位置・姿勢測定装置は、測定対象物の位置と姿勢を非接触で測定するための装置であって、エンコーダの位置検出器と距離計が取り付けられた測定装置と、前記測定対象物に取り付けられたエンコーダのスケールとを備えてなり、前記距離計を使用して前記位置検出器と前記スケールの間隔及び平行度を測定し、前記間隔と前記平行度がそれぞれ一定となるように前記測定装置のマニピュレータを制御するとともに、前記測定装置の位置情報と前記距離計の計測値と前記エンコーダの計測値とを用いて前記測定対象物の位置と姿勢を測定するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体実装装置は、半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置であって、上記の非接触型位置・姿勢測定装置を備え、該非接触型位置・姿勢測定装置が、前記半導体素子を前記実装基板に実装する半導体実装装置本体のエンドエフェクタの位置と姿勢を測定するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びに半導体実装装置によれば、測定対象物の位置・姿勢を直接測定できるため、精度の高い位置・姿勢の測定及び制御が可能になる。また、測定対象物の位置・姿勢を非接触で測定できるため、測定対象のモデル化が簡略になり、モデル化に起因する誤差を小さくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る非接触型位置・姿勢測定装置(非接触型位置・姿勢測定装置を備えた半導体実装装置)を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る非接触型位置・姿勢測定装置の動作(非接触型位置・姿勢測定方法)を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る非接触型位置・姿勢測定装置の動作(非接触型位置・姿勢測定方法)の説明に用いた半導体実装装置を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る非接触型位置・姿勢測定装置(非接触型位置・姿勢測定装置を備えた半導体実装装置)の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第一実施形態]
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びに半導体実装装置について説明する。ここで、本実施形態は、半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置に組み込まれ、半導体素子を保持したエンドエフェクタの位置・姿勢を精度よく測定して補正し、半導体素子を実装基板の所定位置に実装するための非接触型位置・姿勢測定装置を備えた半導体実装装置に関するものである。
【0018】
本実施形態の半導体実装装置Aは、図1に示すように、搭載ロボット(半導体実装装置本体)1と、測定ロボット(測定装置)2と、供給装置(不図示)から供給された実装基板3を載置、保持する搭載ステージ4と、固定台5とを備えて構成されている。
【0019】
本実施形態において、搭載ロボット1は、支柱7(マニピュレータ)と、搭載アーム8(マニピュレータ)と、搭載ヘッド9(エンドエフェクタ)とを備えて構成されている。また、支柱7は、下端を固定台5に接続して上下方向T1に立設されている。搭載アーム8は、前後の横方向T2に延設され、後端側を支柱7に上下方向T1及び前後の横方向T2に進退自在に支持させて設けられている。搭載ヘッド9は、半導体素子6を例えば吸着保持できるように構成されており、搭載アーム8の先端側に取り付けられている。また、搭載ヘッド9は、左右の横方向T3に延びる回動軸周りに回動自在に取り付けられている。さらに、搭載ヘッド9には、リニアエンコーダ10のリニアスケール11(エンコーダのスケール)が取り付けられている。
【0020】
測定ロボット2は、支柱12(マニピュレータ)と、測定アーム13(マニピュレータ)と、測定ヘッド14とを備えて構成されている。支柱12は、下端を固定台5に接続して上下方向T1に立設されるとともに、搭載ロボット1の支柱7に対向配置されている。測定アーム13は、搭載ロボット1側に向け、前後の横方向T2に延設されており、後端側を支柱12に上下方向T1及び前後の横方向T2に進退自在に支持させて設けられている。測定ヘッド14は、測定アーム13の先端側に取り付けられている。また、測定ヘッド14は、左右の横方向T3に延びる回動軸周りに回動自在に取り付けられている。さらに、測定ヘッド14には、リニアエンコーダ10の位置検出器15と、2つの距離計16、17が取り付けられている。
【0021】
そして、本実施形態では、搭載ヘッド9に取り付けられたリニアスケール11と、測定ヘッド14に位置検出器15及び2つの距離計16、17を備える測定ロボット2とによって非接触型位置・姿勢測定装置Bが構成されている。
【0022】
次に、図2及び図3を参照して、上記構成からなる本実施形態の非接触型位置・姿勢測定装置Bの動作(非接触型位置・姿勢測定方法)について説明する。
【0023】
まず、非接触型位置・姿勢測定装置Bの使用開始前に、位置検出器15とリニアスケール11の間隔及び平行度が許容範囲の中心となるように、且つ位置検出器15の検出位置Sがリニアスケール11の中心位置となるように、測定ロボット2及び搭載ロボット1を移動させる。
【0024】
このように測定ロボット2及び搭載ロボット1を移動させた後に、図2に示すように、距離計16、17及びリニアエンコーダ10のカウンタをリセットし、位置検出器15及びリニアスケール11の間隔と平行度の基準値、リニアエンコーダ10の原点を設定する。なお、このとき、例えば測定ロボット2及び搭載ロボット1を固定し、位置検出器15及びリニアスケール11の間隔と平行度、位置検出器15の検出位置を一意的に決定できる治具を使用してもよい。この場合には、位置検出器15及びリニアスケール11の間隔と平行度の基準値、リニアエンコーダ10の原点を容易に設定することが可能になる。
【0025】
そして、搭載ロボット1によって実装基板3への半導体素子6の実装作業を開始すると、測定ロボット2は、2つの距離計16、17を常にモニタリングし、位置検出器15とリニアスケール11の間隔及び角度が基準値となるように、且つリニアエンコーダ10の計測値が原点となるように、搭載アーム8に測定アーム13が追従制御される。
【0026】
ここで、図3は、搭載ロボット1が移動したことで、位置検出器15とリニアスケール11の間隔及び平行度が基準値からずれ、また、リニアエンコーダ10の計測値が原点からずれた状態を示している。そして、この状態で、2つの距離計16、17が測定ヘッド14と搭載ヘッド9の距離d1および距離d2を測定し、この計測値d1、d2からリニアエンコーダ10の位置検出器15とリニアスケール11の間隔d0が(d1+d2)/2で求められる。また、リニアエンコーダ10の位置検出器15とリニアスケール11の角度θが、arctan((d1−d2)/L)で求められる。さらに、リニアエンコーダ10の計測値は、スケール中心Sを原点としたので、この原点Sからのずれuで表せる。
【0027】
そして、測定ロボット2は、間隔d0及び角度θが基準値D及び角度θ=0となるように、且つリニアエンコーダ10の計測値がu=0となるように制御される。例えば、測定ロボット2に、式1の指令値が送られることで、測定ロボット2は、搭載ロボット1(搭載ヘッド9、エンドエフェクタ)に追従するように制御される。このように測定ロボット2を追従制御するとともに、図2に示すように、搭載ヘッド9の位置・姿勢補正値が計算され、搭載ヘッド9に補正動作指令が出される。これにより、搭載ヘッド9ひいてはこの搭載ヘッド9に保持された半導体素子6が搭載ステージ4上の実装基板3の所定位置に実装されることになる。
【0028】
【数1】

【0029】
また、測定ロボット2が搭載ロボット1に完全に追従すれば、すなわち、d0=D及びθ=0であれば、搭載ロボット1(搭載ヘッド9)の位置及び姿勢は、式2のように表せる。
【0030】
【数2】

【0031】
さらに、測定ロボット2が搭載ロボット1に完全に追従していなくてもよく、この場合には、完全に追従した場合を想定した測定ロボット2の位置を使用すればよい。すなわち、式3に示す測定ロボット2の追従の目標値を設定して使用すればよい。
【0032】
【数3】

【0033】
なお、本実施形態では、上記の計算式を用いて測定ロボット2を搭載ロボット1に追従制御するものとしたが、測定ロボット2が搭載ロボット1を追従でき、そのときの測定ロボット2の目標値を搭載ロボット1の現在値とする方法であればよい。
【0034】
そして、本実施形態では、非接触且つ搭載ヘッド9(測定対象物)に軽量な部品(リニアエンコーダ10のリニアスケール11)を取り付けて高精度に位置・姿勢測定が可能になる。また、リニアスケール11と位置検出器15の間隔及び平行度、その許容誤差は製品によって規定されるものであり、この許容範囲内であれば測定が可能である。
【0035】
ここで、リニアエンコーダ10の最も標準的な利用法であるリニアステージを用いた場合には、リニアステージが許容誤差の範囲内で直線運動するように高精度にガイドが組み込まれていることが必要になるが、本実施形態では、このような高精度にガイドを組み込む必要がなく、搭載ヘッド9に取り付けたリニアスケール11に対向する位置検出器15の位置と姿勢を搭載ロボット1(搭載アーム8、マニピュレータ)で制御することにより、リニアスケール11と位置検出器15の間隔及び平行度が許容範囲内に保たれる。
【0036】
また、搭載ヘッド9の位置及び姿勢は、リニアスケール11の計測値、リニアスケール11と位置検出器15の角度計測値から位置検出器15を操作する測定ロボット2のマニピュレータ(測定アーム13)の位置・姿勢を計算することで求められる。なお、このように、位置検出器15を操作する測定ロボット2のマニピュレータ13の位置・姿勢を使用して搭載ヘッド9の位置及び姿勢を制御する場合であっても、測定ロボット2は外力を受けないため、その変形を考慮する必要はない。
【0037】
さらに、位置検出器15を操作する測定ロボット2のマニピュレータ13の運動が測定対象の搭載ヘッド9の運動よりも高速で制御可能であれば、マニピュレータ13によって位置検出器15の移動が可能な範囲で搭載ヘッド9の位置・姿勢を測定することができる。但し、位置検出器15のマニピュレータ13の運動が搭載ヘッド9よりも高速でなくても、搭載ヘッド9がリニアエンコーダ10の測定許容範囲内にあれば、測定を継続することが可能である。
【0038】
したがって、本実施形態の非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置B及び半導体実装装置Aによれば、搭載ヘッド9(測定対象物)の位置・姿勢を直接測定できるため、精度の高い位置・姿勢の測定及び制御が可能になる。また、搭載ヘッド9の位置・姿勢を非接触で測定できるため、測定対象のモデル化が簡略になり、モデル化に起因する誤差を小さくすることが可能になる。
【0039】
以上、本発明に係る非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置並びに半導体実装装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、半導体素子6を実装基板3に実装するための半導体実装装置Aに対し、本発明に係る非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置Bを適用した例を挙げて説明したが、本発明に係る非接触型位置・姿勢測定方法及び非接触型位置・姿勢測定装置Bは、半導体実装装置Aに限定して用いる必要はなく、工作機械など他の装置に使用してもよい。
【0040】
また、本実施形態では、搭載ロボット1、測定ロボット2のマニピュレータ7、8、12、13が直動型(直交座標型)であるものとして説明を行ったが、図4に示すように、マニピュレータ18、19が回転関節型(多関節型)であっても、本実施形態と同様にして、搭載ヘッド9(測定対象物、エンドエフェクタ)の位置・姿勢を測定することが可能である。
【0041】
さらに、本実施形態では、搭載ロボット1と測定ロボット2が二次元で移動するように構成されているが、三次元で移動するように構成してもよい。この場合には、リニアエンコーダ10をサーフェースエンコーダ(エンコーダ)に変更する。そして、サーフェースエンコーダは、スケールの平面方向の直進2自由度と回転1自由度の計3自由度を測定する。また、距離計は、3つ使用し、サーフェースエンコーダと位置検出器の間隔及び2自由度の角度を測定する。したがって、サーフェースエンコーダと3つの距離計によって、空間の6自由度の測定が可能になる。また、これに伴い、測定ロボットの測定アーム(測定装置のマニピュレータ)は、6自由度のマニピュレータに変更する。
【0042】
さらに、エンコーダによる検出を画像認識による検出に変更してもよい。すなわち、位置検出器及びスケールをカメラ及び被認識パターンに置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 搭載ロボット(半導体実装装置本体)
2 測定ロボット(測定装置)
3 実装基板
4 搭載ステージ
5 固定台
6 半導体素子
7 支柱(マニピュレータ)
8 搭載アーム(マニピュレータ)
9 搭載ヘッド(エンドエフェクタ)
10 リニアエンコーダ(エンコーダ)
11 リニアスケール(スケール)
12 支柱(マニピュレータ)
13 測定アーム(マニピュレータ)
14 測定ヘッド
15 位置検出器
16 距離計
17 距離計
18 マニピュレータ
19 マニピュレータ
A 半導体実装装置
B 非接触型位置・姿勢測定装置
T1 上下方向
T2 前後の横方向
T3 左右の横方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の位置と姿勢を非接触で測定する方法であって、
エンコーダの位置検出器と距離計が取り付けられた測定装置と、前記測定対象物に取り付けられたエンコーダのスケールとを備えてなる非接触型位置・姿勢測定装置を用い、
前記距離計を使用して前記位置検出器と前記スケールの間隔及び平行度を測定し、
前記間隔と前記平行度がそれぞれ一定となるように前記測定装置のマニピュレータを制御するとともに、
前記測定装置の位置情報と前記距離計の計測値と前記エンコーダの計測値とを用いて前記測定対象物の位置と姿勢を測定することを特徴とする非接触型位置・姿勢測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の非接触型位置・姿勢測定方法において、
前記非接触型位置・姿勢測定装置が半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置に具備され、
前記非接触型位置・姿勢測定装置によって、前記半導体素子を前記実装基板に実装する半導体実装装置本体のエンドエフェクタの位置と姿勢を測定することを特徴とする非接触型位置・姿勢測定方法。
【請求項3】
測定対象物の位置と姿勢を非接触で測定するための装置であって、
エンコーダの位置検出器と距離計が取り付けられた測定装置と、前記測定対象物に取り付けられたエンコーダのスケールとを備えてなり、
前記距離計を使用して前記位置検出器と前記スケールの間隔及び平行度を測定し、
前記間隔と前記平行度がそれぞれ一定となるように前記測定装置のマニピュレータを制御するとともに、
前記測定装置の位置情報と前記距離計の計測値と前記エンコーダの計測値とを用いて前記測定対象物の位置と姿勢を測定するように構成されていることを特徴とする非接触型位置・姿勢測定装置。
【請求項4】
半導体素子を実装基板に実装するための半導体実装装置であって、
請求項3記載の非接触型位置・姿勢測定装置を備え、該非接触型位置・姿勢測定装置が、前記半導体素子を前記実装基板に実装する半導体実装装置本体のエンドエフェクタの位置と姿勢を測定するように構成されていることを特徴とする半導体実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−102767(P2011−102767A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258163(P2009−258163)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】