説明

非破壊検査装置および非破壊検査方法

【課題】 非破壊検査の効率を向上する。
【解決手段】 従来の被検査体上で光スポットを2次元的に走査する方法の替わりに、被検査体上で光ラインをX方向およびY方向に1回ずつ走査することにより、2つの1次元像を取得し、取得した2つの1次元像から演算により2次元像を再構築する。これにより、被検査体と光ラインの相対走査が、第1および第2の1次元像を得るための2度の走査で済むため、走査時間が従来に比べ大幅に短縮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の非破壊検査装置および非破壊検査方法に関し、特に、半導体装置の欠陥を検査するのに適した非破壊検査装置および非破壊検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体チップ等の電子部品(被検査体)の非破壊検査方法として、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance CHange)法が知られている。OBIRCH法では、レーザ光で半導体チップ上を走査しながら配線を加熱した際の配線抵抗の変化を画像にする。この方法によれば、電流が流れている配線が可視化でき、さらに、配線中にボイド等の欠陥がある個所と欠陥の無い個所とでは温度上昇の程度が異なるため、欠陥を画像の上で識別できるというものである(非特許文献1参照)。図13は、OBIRCH法を用いた従来の非破壊検査装置の基本原理図である。被検査体1である半導体チップの上には、配線4が形成されている。配線4の一端は電圧供給源5に接続され、他端は変動電流検出部6に接続されており、配線4の抵抗の変化の状態が検出される。OBIRCH法では、レーザビーム2を集光した光スポット3で被検査体1の上を走査し、配線4を加熱した際の配線抵抗の変化を画像化する。OBIRCH法によれば、電流が流れている配線が可視化でき、さらに、配線中にボイド等の欠陥がある個所と欠陥の無い個所とでは温度上昇の程度が異なるため、欠陥を画像の上で識別できる。図14は、上述の方法で取得した2次元像である。観測エリア7には、配線4の像と欠陥8の像が画像化されている。
【0003】
また、従来の半導体チップ等の電子部品(被検査体)の非破壊検査方法として、RIL(Resistive Interconnection Localization)法あるいはそれより一般的な呼称であるSDL(Soft Defect Localization)と呼ばれる方法が知られている。この方法を用いれば、温度や電源電圧や動作周波数に対してマージナルな不良品に関して、動的な故障解析ができる。レーザ光をゆっくり走査し、半導体チップ上を順に加熱しながら、LSIテスタで機能試験を行い良否の判定を行なう。LSIテスタでの良否判定結果をレーザ光が照射されている個所と対応させて、像のピクセル毎に白黒で表示することで、動的な異常個所絞り込みができるというものである(非特許文献1参照)。
【0004】
また、従来の半導体チップ等の電子部品(被検査体)の非破壊検査方法として、OBIC(Optical Beam Induced Current)法が知られている。OBIC法は光により励起された電子・正孔対が電界により引き離され、電流として観測される現象を利用する方法である。電子・正孔対を引き離す内部電界の源としては、p−n接合や不純物濃度勾配などがある。外部からの電圧印加による電界を利用する場合もある。この方法によれば、ショートや断線などにより内部電界や外部電界のかかり方が変化するため、故障個所の検出ができる(非特許文献1参照)。
【0005】
また、OBICの系統に属する故障解析技術として、SCOBIC(Single Contact OBIC)と走査レーザSQUID(Superconducting QUantum Interference Devices)顕微鏡(L−SQ)法が知られている。OBIC法では、2端子間で観測を行なうが、それだとOBIC発生経路が限定される。1端子のみ接続し観測を行なえば、OBIC発生経路の制限が緩くなり、より多くの個所を観測することができる。この方法はSCOBICと呼ばれている。
【0006】
電流の観測を外部端子から行なう代わりに、OBIC電流が発生する磁場を超高感度の磁場検出器であるSQUIDで観測する方法が提案されている。この方法はL−SQ法と呼ばれている。この方法により、電気的な接続すら不要な、完全に非接触な解析が可能となる。観測できるサンプルの形態もウェハの前工程の途中、配線工程の途中、ウェハ工程完了後、パッケージング後、実装後、と幅広い(非特許文献1参照)。
【0007】
また、従来の半導体チップ等の電子部品(被検査体)の非破壊検査方法として、LTEM(Laser Terahertz Emission Microscope)法が知られている。LTEM法では、p−n接合部など電界が存在する個所にフェムト秒レーザを照射した際に発生する過渡的な光電流を起源として放射されるテラヘルツ電磁波を検出する。LTEM法では高速デバイスの動作観測の可能性を示すデータが報告されている。また、L−SQ法と同様、電気的な接続すら不要な、完全に非接触な解析である無バイアスLTEM法の可能性も示されている(非特許文献1参照)。
【0008】
【非特許文献1】二川 清、「光を用いたLSIの故障解析技術」、日本信頼性学会誌「信頼性」、Vol.26, No.1, pp.28−36 (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のOBIRCH法などを用いた非破壊検査装置などで観測する際には、レーザ光をスポット状に集光した光スポット3が被検査体1に照射される。OBIRCH法を例にとると、従来の非破壊検査装置では、例えば図13に示すように、半導体チップの2端子間に電圧を印加し、光スポット3を照射した際の電流の変化を輝度値として、図14のような走査個所に対応した画像が得られる。しかし、この走査により2次元の像を得るためには、例えば、1000×1000画素で表示するためには、各画素に光スポット3が滞在、あるいは通過する時間の百万倍(1000×1000)程度、あるいはそれ以上(ロスタイムがあるため)の時間が必要となる。
【0010】
本発明の主な課題は、このような走査にかかる時間を大幅に短縮し、非破壊検査の効率を大幅に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の非破壊検査方法は、ライン状の光(光ライン)を被検査体上に照射し、前記光ラインと交差する第1の方向に前記被検査体を前記光ラインにより相対的に走査して第1の1次元像を取得し、次に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記被検査体を光ラインにより相対的に走査して第2の1次元像を取得することを特徴とする。取得した第1および第2の1次元像間に演算を施し、2次元画像を得るというものである。
【0012】
本発明の非破壊検査装置は、被検査体をライン状の光(光ライン)で照射する光源と、前記光ラインと前記被検査体とを相対的に移動させる移動部と、前記光ラインを照射したことにより発生する現象の観測結果から1次元像を取得する1次元像形成部と、複数の1次元像から2次元情報または2次元像を取得する2次元像形成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被検査体と光ラインの相対走査が、第1および第2の1次元像を得るための2度の走査で済むため、走査時間が従来に比べ大幅に短縮される、また、2つの1次元像間の演算により2次元像を得る時間は光ラインの走査時間に比べ短いため、その結果、2次元像の取得時間が従来に比べ大幅に短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述した本発明の光ライン走査法について、さらに詳細に説明する。被検査体を光ラインにより相対的に走査すると、光ラインが照射されたライン状の領域全体で生じた配線抵抗の変化などの情報が、1次元情報として取得される。光ラインを第1の方向(X方向)および第2の方向(Y方向)に1回ずつ走査して、第1の1次元像(X走査像)および第2の1次元像(Y走査像)を取得する。光ラインの走査方向は、光ラインの長手方向に直交させるのが最も効率的である。第1の1次元像(X走査像)および第2の1次元像(Y走査像)が、例えば各々1000画素で表示されるとすると、光ラインの走査時間は、各画素列に光ラインが滞在、あるいは通過する時間の2000倍(1000×2)程度(プラス従来と同程度のロスタイム)の時間となる。第1の1次元像(X走査像)および第2の1次元像(Y走査像)に演算を施すことにより、2次元像が得られる。演算方法は任意である。例えば、第1の1次元像(X走査像)の各画素の値(x1,x2,・・・,x1000)と、第2の1次元像(Y走査像)の各画素の値(y1,y2,・・・,y1000)から、2次元像の各画素の値a(x,y)を得るためには、a(1,1)=x1+y1,a(1,2)=x1+y2,・・・,a(1000,1000)=x1000+y1000のような和の演算や、a(1,1)=x1×y1,a(1,2)=x1×y2,・・・,a(1000,1000)=x1000×y1000のような積の演算などを用いれば良い。
良品の被検査体と不良品の被検査体の2次元像を比較して、差がある個所またはその関連個所に異常個所が存在する可能性がある。観測エリア内に異常個所が1個所だけ存在する場合には、異常個所の特定は容易である。しかし、後述するように、観測エリア内に異常個所が複数個所ある場合や、観測に用いる検出器の感度が不均一な場合は、工夫が必要である。そのような場合、配線レイアウトなどの設計レイアウト情報があれば、異常個所の特定に役立つ。
【実施例1】
【0015】
本発明の光ライン走査法による非破壊検査装置および非破壊検査方法について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の光ライン走査法をOBIRCH法に適用した実施例1を説明するための基本原理図である。図2(A)は、欠陥8が存在する被検査体1の平面図と、本発明の光ライン走査法を用いて取得した第1および第2の1次元像13、14との対比図、(B)は当該取得した第1および第2の1次元像13、14と、それを元に演算で得られた2次元像15の対比図である。
【0016】
本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法においては、検査対象となるLSIチップ等の電子部品(被検査体1)の2端子間に電圧供給源5および変動電流検出部6を接続し、定電圧を印加した状態で被検査体1の裏面側からライン状のレーザ光11を照射し、第1の方向(X方向)に被検査体1を光ライン12にて相対的に走査する。走査方向は、光ライン12の長手方向に直交する方向とするのが効率的である。変動電流検出部6により、光ライン12の走査によって被検査体1が加熱された結果生じる電流変化を検出する(図1(A))。次に、光ライン12を第2の方向(Y方向)に走査して、先と同様に電流変化を検出する(図1(B))。光ライン12のX方向およびY方向への1次元走査で、第1の1次元像(X走査像)13および第2の1次元像(Y走査像)14の2つの1次元像を取得する(図2(A))。第1および第2の1次元像13、14には、欠陥8に対応する異常コントラスト16が現れる。取得した2つの1次元像に演算を施すことで、2次元像15を得る(図2(B))。2次元像15に現れた異常コントラスト17は、被検査体1の欠陥8に対応していることがわかる。
【0017】
図3は、本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH装置100を説明するための装置構成図である。被検査体1はステージ21に搭載され、被検査体1の2端子間に電圧供給源5および変動電流検出部6が接続される。被検査体1は、裏面側が赤外光のレーザ光発生部22、レーザ光走査部23、レーザ光集光部24に対面するように載置され、ライン状のレーザ光11が被検査体1に照射される。ここで、赤外光として波長が1μm程度以上のものを用いれば、例えば、LSIチップの裏面側からシリコン基板を透過してLSIチップの表面付近に集光し、当該表面付近を集中的に加熱することが可能である。システム制御部25からの制御により、レーザ光走査部23にてライン状のレーザ光11をX−Y方向に走査するか、またはステージ21をX−Y方向に移動することによって、被検査体1が光ライン12により相対的に走査される。光ライン12により被検査体1の表面(主面)側の加熱部分における電流変化は、変動電流検出部6により検出され、記憶部26に第1および第2の1次元情報として記憶される。演算部27は、第1および第2の1次元情報を元に2次元情報を得るための演算を行う。演算結果を記憶部26に記憶しても良い。表示部28は、第1および第2の1次元情報と2次元情報に基づき、第1および第2の1次元像13、14と2次元像15を表示する。故障個所を特定しやすくするために、被検査体1の表面(主面)側の顕微鏡像や、設計レイアウトをこれらの像とともに表示するようにしても良い。
【0018】
図4は、本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法の手順を説明するためのフローチャートである。まず、被検査体1である電子部品(例えば、LSIチップ)の2端子間に定電圧を印加し、かつ2端子の一方で電流変化をモニターする状態に設定する(ステップS1)。次ぎに、被検査体1の裏面側から、赤外光または赤外レーザ光をライン状に照射し、被検査体1の表面(主面)側を光ライン12により加熱しながらX方向に走査し、光照射個所と電流変化を対応させた第1の1次元像(X走査像)13を得る(ステップS2)。次に、光ライン12と被検査体1の相対角度を90度回転させた後、ステップS2と同じ動作をY方向について行なうことで、第2の1次元像(Y走査像)14を得る(ステップS3)。次に、第1の1次元像13と第2の1次元像14の間に演算を施すことで2次元像を得る(ステップS4)。
【0019】
1000×1000画素(100万画素)の像を得るために要する時間を、従来法と本発明よる方法で比較してみる。1画素あたりの滞在時間を1ミリ秒とすると、従来法では、ロスタイムがゼロとしても、1ミリ秒×1000×1000=1000秒(約17分)の時間を要するが、本発明による方法では、1ミリ秒×1000×2=2秒と、従来法の500分の1という大幅な時間短縮が図れる。なお、演算に要する時間は通常のパソコンを用いた場合でも十分短く、無視できる程度の時間である。
【0020】
なお、図1、図2では本発明による光ライン走査法の原理を、従来法のひとつであるOBIRCH法を例に取り上げて説明したが、他の方法でも、光照射の結果起きる現象が異なるだけで基本は同じである。例えば、OBIRCH法においては、光照射の結果起きる現象は抵抗の変化であるが、RIL法あるいはSDL法においては、光照射の結果起きる現象はLSIテスタによる良・不良の判定結果の変化である。OBIC法あるいはSCOBIC法においては、光照射の結果起きる現象は電流の変化である。L−SQ法においては、光照射の結果起きる現象は磁場の変化である。LTEM法あるいは無バイアスLTEM法においては、光照射の結果起きる現象はテラヘルツ電磁波の変化である。これらの光照射の結果起きた現象を検出した信号を、ライン光走査の位置に対応させて1次元像として取得する点は、OBIRCH法を例にして説明した事例を参照すれば全て理解できるので、個々の説明は省略する。
【0021】
次に、本発明の実施例1の効果について、図面を用いて説明する。いくつかの例を説明する前に、この後説明する例が系統的に理解できるように、本発明による光ライン走査法が有効に働く条件について説明しておく。
【0022】
まず被検査体1側の条件として、(条件1)光スポットにより平面走査した場合にコントラスト異常が局所的に存在する、という条件がある。つまり、観測エリア内に故障個所が1個所のみ存在する場合、故障個所が複数個所存在する場合よりも異常個所の特定が容易である。不良チップ内の故障はこれに相当する場合がある。この場合は後で、図5を用いて説明するように、第1の1次元像13と第2の1次元像14の演算で得る2次元像15上の異常コントラスト17として、故障個所が容易に特定できる。また、ウェハ全体で見たときの不良チップも局所的に存在する場合があるため、これに相当する。この場合も、第1の1次元像13と第2の1次元像14の演算で得る2次元像15上の異常コントラスト17として、不良チップが特定できる。
【0023】
次に検出系の条件として、(条件2)光ライン12上のどの場所に異常がある場合でも、信号検出感度が同一感度である、という条件がある。信号検出感度には、信号検出系の感度ばらつきと光ライン12のライン内強度ばらつきが影響する。OBIRCH法、OBIC法、RIL法およびSDL法の場合は、従来の信号検出系でも感度は同一であるが、光ラインの強度ばらつきがあると条件2を満たさないことになる。また、L−SQ法、LTEM法および無バイアスLTEM法の場合は、従来の信号検出系では感度ばらつき以外に検出系内に不均一な感度分布がある場合があるので、その場合には条件2を満たすためには工夫が必要である。故障個所絞込みなどの非破壊検査は本来定性的検査であることから、条件2が満たされない場合であっても可能であるが、故障個所の絞込みはやや難しくなる。但し、L−SQ法などの場合は、被検査体と検出器の距離が離れると急速に感度が落ちることから、条件2が整わない場合は、定性的にすら厳しくなる。この場合でも、実施例2として図9および図10を用いて後述するように、複数のSQUID素子31をLSIチップの配列ピッチで並べ、LSIチップ中央直上に各SQUID素子31が配置するように並べることで対策可能である。
【0024】
この後の事例で詳細に説明するように、上記の条件1あるいは条件2のどちらかを満たせば、本発明による光ライン走査法は容易に有効に適用できる。また条件1、条件2の両方が満たされない場合でも、事例4に示す場合のように工夫を施すことで、本発明による光ライン走査法を有効に適用可能である。
【0025】
(事例1)
図5は、条件1および条件2が両方満たされた場合の観測結果を説明するための模式図である。つまり、故障個所は1点、信号検出感度は一定であり、本発明の適用が最も容易な事例である。図5(A)は、被検査体1を従来法で取得した2次元像29と、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14の対比図であり、図5(B)は、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14と、演算により求めた2次元像15の対比図である。OBIRCH法やRIL法またはSDL法に本発明を適用して、被検査体1であるLSIチップ上の配線系のビア部の高抵抗個所を検出するといった、現在の最先端のLSIチップで最も多い不良事例のひとつなどの場合はこれに対応する。
【0026】
図5(A)を参照すると、従来法の2次元像29上でも、第1の1次元像(X走査像)13および第2の1次元像(Y走査像)14でも、異常コントラスト30、16は1点のみである。なお、見やすくするため、故障箇所に対応した本来の異常コントラストは当該1点を塗りつぶした四角で示してある(以下の実施例でも同様)。
【0027】
一方、図5(B)を参照すると、第1および第2の1次元像13、14は図5(A)と同じものであるが、それらを元に演算を施した2次元像15では異常コントラスト17は1点のみではなく、薄くはあるがX方向およびY方向に伸びたコントラストとなっている。これは、例えば、X方向の1次元像(x1,x2,・・・,x1000)とY方向の1次元像(y1,y2,・・・,y1000)から得られた行列の要素として、2次元像の各画素の値a(x,y)を、a(1,1)=x1+y1,a(1,2)=x1+y2,・・・,a(1000,1000)=x1000+y1000のような和の演算を行なった結果の2次元像であることを理解してさえいれば、X方向とY方向に伸びた薄い線(アーティファクト18)の交点の最もコントラストの濃い個所が本来の異常コントラストの個所であることは容易に理解できる。なお、後の例でみるように、2次元像15を再構成する演算を和でなく積で行なえば、このように伸びた薄い線は現れない。
【0028】
例えば、LSIチップ上の配線系のビア底部の高抵抗欠陥の場合、OBIRCH法を用いれば、通常の配線に流れる電流は暗コントラスト(抵抗増に対応)で得られるのに対して、異常ビアのあるところでのみ明コントラスト(抵抗減に対応)が局所的に得られる。配線に用いられている銅やアルミニウムでは抵抗の温度係数が正(温度上昇で抵抗増加)であるのに対して、高抵抗欠陥はチタンなどの遷移金属の高抵抗合金になっており、抵抗の温度係数が負(温度上昇で抵抗減少)であるため、このような現象が起きる。このような異常ビアが観測エリア内で1個所の場合、条件1を満たすこととなる。
【0029】
(事例2)
図6は、条件2は満たすが、条件1を満たさない場合の観測結果を説明するための模式図である。図6(A)は、被検査体1を従来法で取得した2次元像29と、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14の対比図である。図6(B)は、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14と、演算により求めた2次元像15の対比図である。例えば、LSIチップ上の配線電流異常経路を検出するといった、現在の最先端のLSIで最も多い不良事例のひとつなどの場合はこれに対応する。条件1が満たされないため、故障個所の特定に工夫が必要となるが、従来法と比べるとトータルの解析時間は短縮できる。
【0030】
図6(A)を参照すると、従来の2次元像29上でも、第1および第2の1次元像13、14でも、異常コントラスト30、16は図5(A)の場合と比べるとかなり複雑になっている。従来の2次元像29では、異常コントラスト30が配線様になっている。本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14では、濃い部分と薄い部分が混在する異常コントラスト16が得られる。
【0031】
また、図6(B)を参照すると、第1および第2の1次元像13、14は図6(A)と同じものであるが、それを元に演算を施した2次元像15では異常コントラスト17は面上に広がっている。図6(A)の従来の2次元像29の情報は含んでいるものの、それ以外のコントラスト(アーティファクト18)が多く見える。ただ、この程度のアーティファクトなら、LSIの設計レイアウト情報との比較により、本来の配線があるべき位置と比較することで、本来の異常コントラストを再構築することはかなりの確率で可能である。なお、設計レイアウト情報を用いての故障個所絞込みは、現在の最先端のLSIの故障解析には必須のこととなりつつあるので、特別のことを行なうわけではない。万が一、設計レイアウト情報が無いときには、本発明による光ライン走査法で故障個所を絞り込んだ後、従来の2次元走査法で2次元像取得を行なえばよい。この場合は、低倍率から徐々に倍率を上げていく大まかな絞込みを本発明による光ライン走査法で行い、高倍率での最後の絞込みを従来の2次元走査法で行なうことにより、トータルの絞込み時間は大幅に短縮される。
【0032】
(事例3)
図7は、条件1は満たすが、条件2を満たさない場合の観測結果を説明するための模式図である。つまり、故障個所は1点、信号検出感度は不均一であり、本発明の適用が比較的容易な事例である。図7(A)は、被検査体1を従来法で取得した2次元像29と、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14の対比図である。図7(B)は、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14と、演算により求めた2次元像15の対比図である。この事例では、検出器の感度が観測エリアの中央部で高く、周辺にいくほど感度が低くなる場合を想定している。これは、L−SQ法においてある種のSQUID素子の中心と被検査体の中心を揃えた場合に相当する。または、光ラインの強度が観測エリアの中央部で強く、周辺ほど弱くなるような、光ライン強度が不均一な場合もこの事例に相当する。
【0033】
図7(A)を参照すると、従来の2次元像29上でも本発明の第1および第2の1次元像13、14でも、異常コントラスト30、16は図5(A)の場合と比べて、定性的には差がない。しかし、周辺の感度が弱いことに対応して、第2の1次元像(Y走査像)14の異常コントラストが、第1の1次元像(X走査像)13のコントラストと比べて弱いことが分かる。
【0034】
一方、図7(B)を参照すると、第1および第2の1次元像13、14は図7(A)と同じものであるが、それを元に和の演算を施した2次元像15では異常コントラスト17は1点のみではなく、薄くはあるがX方向およびY方向に伸びたコントラストとなっている。これは定性的には図5(B)の場合と同じであるが、定量的には、第1の1次元像13のコントラストと第2の1次元像14のコントラストの違いに対応して、異常コントラスト17から伸びた部分のコントラストに差が見られる。ただ、この違いは本来の異常コントラスト17である交点を識別するのには支障は生じない。このように、図7の事例の場合は、本発明による光ライン走査法が有効に働くことが分かる。この場合も、2次元像15を再構成する演算を和でなく積で行なえば、伸びた薄い線は現れない。
【0035】
(事例4)
図8は、条件1および条件2を両方満たさない場合の観測結果を説明するための模式図である。図8(A)は、被検査体1を従来法で取得した2次元像29と、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14の対比図である。図8(B)は、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14と、演算により求めた2次元像15の対比図である。この事例では、今まで示した3例のように2次元像15の再構成の演算を和で行なうのではなく、積で行ったため、図8(B)の2次元像には異常コントラスト17を示す点から伸びたコントラストが見られない。また、この事例は条件1も条件2も満たさない場合であり、本発明の適用が比較的難しい事例である。図8は検出器の感度が観測エリアの中央部で高く周辺にいくほど感度が低くなる場合を想定している。これはL−SQ法においてある種のSQUID素子の中心と被検査体の中心を揃えた場合に相当する。または、光ラインの強度が観測エリアの中央部で強く、周辺ほど弱くなるような、光ライン強度が不均一な場合もこの事例に相当する。
【0036】
図8(A)を参照すると、従来の2次元像29では2個所に異常コントラスト30が見られる。L−SQ法でこのようなコントラストが見られる場所は、p−n接合のp側とn側の各々から伸びた配線がショートなどにより閉ループを形成している場合であり、異常コントラスト30の個所はp−n接合部に相当する。このとき、本発明の第1および第2の1次元像13、14の異常コントラスト16は、従来法の異常コントラスト30と比べて定性的には差がないが、周辺の感度が弱いことに対応して強い部分と弱い部分が混在することが分かる。
【0037】
一方、図8(B)を参照すると、再構成された2次元像15には、本来の2次元像29にはないコントラスト(アーティファクト18)が2個所余分に見える。一方、感度の弱い部分で検出した欠陥の異常コントラスト(左下の最も薄い点)は、アーティファクトよりも弱くなるきらいがある。4個所のコントラストのどれが本物の異常コントラストで、どれがアーティファクトかを見分けるには、設計レイアウト情報との比較が有効な場合が多い。すなわち、設計レイアウト上でこの4個所にp−n接合が存在するかどうかを見ることで、アーティファクトをかなりの確率で取り除くことができる。それでもアーティファクトが取り除けない場合や設計レイアウト情報との比較ができない場合は、本発明による光ライン走査法で異常コントラストの位置を絞り込んだ後、従来の2次元走査法で2次元像取得を行なえばよい。この場合は、低倍率から徐々に倍率を上げていく大まかな絞込みは本発明の光ライン走査法で行い、高倍率での最後の絞込みを従来の2次元走査法で行なうことにより、トータルの絞込み時間は大幅に短縮される。
【実施例2】
【0038】
図9は、本発明の光ライン走査法をL−SQ法に適用した実施例2を説明するための基本原理図である。被検査体1の裏面側からライン状のレーザ光36を照射し、実施例1と同様に、第1および第2の方向(XおよびY方向)に被検査体1を光ライン33にて相対的に走査する。磁場検出器であるSQUID素子アレイ32は、従来のL−SQ法のようにSQUID素子31を1個だけ用いるのではなく、アレイ状に一列に複数個配置したものとする。光ライン33とSQUID素子アレイ32とは、長手方向に上下に重なるように配置する。L−SQ法では、光ライン33とSQUID素子アレイ32の位置ずれが感度を悪くする原因となるため、これらを固定し、被検査体1を移動させるようにして光ライン33を相対的に走査する方が良い。
【0039】
図10は、本発明の光ライン走査法を適用した実施例2のL−SQ装置200を説明するための装置構成図である。レーザ光発生部34で発生したレーザ光は、変調ビーム生成部35にて変調および成形され、ライン状のレーザ光36として被検査体1の裏面から照射される。ステージ37は、システム制御部39からの制御により、第1および第2の方向(XおよびY方向)に被検査体1を光ライン33にて相対的に走査できるように、水平方向への移動および回転する機構を備えている。被検査体1の上方にはSQUID素子アレイ32が配置され、被検査体1から発生する磁場を検出する。検出した磁場は、磁場信号検出部38にて第1および第2の1次元情報として抽出され、システム制御部39に送られる。2次元像の演算および表示は、実施例1と同様である。
【0040】
図11は、本発明の光ライン走査法を適用した実施例2のL−SQ法による観測結果の一例である不良LSIチップ選別法を説明するための模式図である。図11(A)は被検査体1である半導体ウェハ41を上から投影した図、図11(B)は、従来法で取得した2次元像29と、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14の対比図、図11(C)は、本発明による方法で取得した第1および第2の1次元像13、14と、演算により求めた2次元像15の対比図である。2次元像15では、半導体ウェハ41の輪郭とスクライブ線42を重ね合わせて示してある。この例は、LSIチップ内の故障個所を絞り込むのではなく、半導体ウェハ41全体から不良LSIチップ43を選別する事例である。また、光レーザ照射により起きる現象としてはL−SQ現象を例に用いて説明する。この例では、被検査体の300mmΦの半導体ウェハ41に、例えば30mm角のLSIチップが形成されているものとする。SQUID素子アレイ32は、LSIチップの配列ピッチと同じ30mmピッチで、10個のSQUID素子31を配列したものとする。このSQUID素子31の数と配列ピッチは、LSIチップサイズに応じて可変となる構成をとればよい。SQUID素子31の配列ピッチをLSIチップサイズと揃えることで、不良LSIチップ43を識別する感度のLSIチップ間ばらつきを無くすことができる。光ライン33の走査は、半導体ウェハ41の全体をカバーできるように300mmの長さの光ラインを用い、距離300mmの走査を行なう。走査は、光ライン33とSQUID素子アレイ32を固定したまま、半導体ウェハ41を移動するのが最も効率的である。X方向の走査が終了した後、半導体ウェハ41を90度回転してY方向の走査を行なうようにすれば良い。
【0041】
この実施例では、2次元像15の再構成の演算を和で行うのではなく、積で行った。また、本実施例は、説明を簡単にするために、不良LSIチップ43は半導体ウェハ41の中に1個のみ存在し、異常個所は不良LSIチップ43の中で1個所のみ存在する場合を示した。
【0042】
図11(B)を参照すると、従来法の2次元像29では1個所に異常コントラスト30が見られる。この異常コントラスト30が見られるLSIチップが不良LSIチップ43であることが識別できる。L−SQ法でこのようなコントラストが見られる場所は、p−n接合のp側とn側の各々から伸びた配線がショートなどにより閉ループを形成している場合である。1次元像でも、異常コントラスト16は、X走査像13、Y走査像14とも1点のみである。
【0043】
図11(C)を参照すると、第1および第2の1次元像13、14から再構成された2次元像15で、異常コントラスト17は明確に再現され、不良LSIチップ43も明確に識別できることが分かる。なお、見やすくするため、図11(C)では異常コントラスト17を塗りつぶした四角で示してある。
【0044】
この実施例で、本発明による方法では従来法と比べてどの程度選別に要する時間が短縮されるかを見積もってみる。L−SQ法ではレーザ光に強度変調をかけ、ロックインアンプで変調周波数の信号のみを取り出すことでS/N(信号対ノイズ比)を上げている。その変調周波数に対応する周期の10倍程度の時定数をロックインアンプで設定する。光ライン33の走査のスピードは、その時定数と同じ時間の経過で、画像での一画素分を通過する程度に設定する。1MHzで変調をかけると、時定数は10マイクロ秒となる。1画素を0.5マイクロメータ角とすると、300mmは60万画素の1次元像で表示することになる。一方向の走査に要する時間は10マイクロ秒×60万=6秒である。半導体ウェハ41を搭載するステージの送り速度の制限は、例えば現在我々が開発しているL−SQ法を用いた非破壊検査装置では100mm/秒であるから、300mmを走査するのに3秒あれば可能で、ネックにはならない。6秒かけて半導体ウェハ41をX方向に移動した後、ステージ37を90度回転させ、次にY方向に6秒かけて半導体ウェハ41を移動すれば、本発明による像取得は終了する。ステージ37の回転に要する時間を長めに1秒と見積もり、2次元像15の再生に要する時間を長めに1秒と見積もっても、トータルで14秒しかかからない。一方、従来法で2次元走査を行なうために要する時間は、走査のロスタイムを無視しても、10マイクロ秒×60万×60万=360万秒=1000時間と非現実的な時間となる。すなわち、短縮の程度を見積もる以前に、本発明による方法を用いない限り、L−SQ法による不良LSIチップの選別は不可能に近いことが分かる。
【実施例3】
【0045】
図12は、本発明の光ライン走査法を無バイアスLTEM法に適用した実施例3を説明するための基本原理図である。被検査体1の裏面側からライン状のフェムト秒レーザ光51を照射し、第1および第2の方向(XおよびY方向)に被検査体1を光ライン52にて走査する。被検査体1から発生したテラヘルツ(THz)電磁波53は、THz電磁波検出器54により検出する。第1および第2の1次元像から2次元像を再構成する方法は、上述と同様である。無バイアスLTEM法の場合も、L−SQ法と同様、検出器であるTHz電磁波検出器54を複数配置したものとし、光ライン52と検出器を固定して被検査体1を移動させるようにする方が、検出感度も効率も良いであろう。
【0046】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の光ライン走査法をOBIRCH法に適用した実施例1を説明するための基本原理図である。
【図2】本発明の光ライン走査法を用いて取得した1次元像および2次元像と、被検査体の平面図との対比図である。
【図3】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH装置を説明するための装置構成図である。
【図4】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法による観測結果の一例を説明するための模式図である。
【図6】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法による観測結果の他の一例を説明するための模式図である。
【図7】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法による観測結果の第3の一例を説明するための模式図である。
【図8】本発明の光ライン走査法を適用した実施例1のOBIRCH法による観測結果の第4の一例を説明するための模式図である。
【図9】本発明の光ライン走査法をL−SQ法に適用した実施例2を説明するための基本原理図である。
【図10】本発明の光ライン走査法を適用した実施例2のL−SQ装置を説明するための装置構成図である。
【図11】本発明の光ライン走査法を適用した実施例2のL−SQ法による観測結果の一例を説明するための模式図である。
【図12】本発明の光ライン走査法を無バイアスLTEM法に適用した実施例3を説明するための基本原理図である。
【図13】従来の2次元走査法を用いたOBIRCH法を説明するための基本原理図である。
【図14】従来の2次元走査法を用いたOBIRCH法による被検査体の観測結果を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0048】
1 被検査体
8 欠陥
11、36 ライン状のレーザ光
12、33、52 光ライン
13 第1の1次元像
14 第2の1次元像
15 2次元像
16、17 異常コントラスト
21 ステージ
22 レーザ光発生部
23 レーザ光走査部
24 レーザ光集光部
25 システム制御部
26 記憶部
27 演算部
28 表示部
29 従来の2次元像
30 異常コントラスト
31 SQUID素子
32 SQUID素子アレイ
37 ステージ
43 不良LSIチップ
51 ライン状のフェムト秒レーザ光
54 THz電磁波検出器
100 OBIRCH装置
200 走査レーザSQUID顕微鏡装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン状の光(光ライン)を被検査体上に照射し、前記光ラインと交差する第1の方向に前記被検査体を前記光ラインにより相対的に走査して第1の1次元像を取得し、次に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記被検査体を光ラインにより相対的に走査して第2の1次元像を取得することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項2】
前記第1の方向は、前記光ラインの長手方向に直交する方向であり、前記第2の方向は、前記第1の方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査方法。
【請求項3】
前記第1および第2の1次元像から演算により2次元像を得ることを特徴とする請求項1または2記載の非破壊検査方法。
【請求項4】
前記2次元像から前記被検査体の異常個所を絞り込むことを特徴とする請求項3記載の非破壊検査方法。
【請求項5】
前記第1および第2の1次元像が、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance CHange)法、RIL(Resistive Interconnection Localization)法、SDL(Soft Defect Localization)法、OBIC(Optical Beam Induced Current)法、SCOBIC(Single Contact OBIC)法、走査レーザSQUID(Superconducting QUantum Interference Devices)顕微鏡(L−SQ)法、LTEM(Laser Terahertz Emission Microscope)法、無バイアスLTEM法のいずれか1または複数の方法の組合せに基づく像であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非破壊検査方法。
【請求項6】
被検査体をライン状の光(光ライン)で照射する光源と、
前記光ラインと前記被検査体とを相対的に移動させる移動部と、
前記光ラインを照射したことにより発生する現象の観測結果から1次元像を取得する1次元像形成部と、
複数の1次元像から2次元情報または2次元像を取得する2次元像形成部と、
を備えることを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項7】
前記光ラインを照射したことにより発生する現象を観測する観測系が、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance CHange)法、RIL(Resistive Interconnection Localization)法、SDL(Soft Defect Localization)法、OBIC(Optical Beam Induced Current)法、SCOBIC(Single Contact OBIC)法、走査レーザSQUID(Superconducting QUantum Interference Devices)顕微鏡(L−SQ)法、レーザ・テラヘルツ・エミッション顕微鏡(Laser Terahertz Emission Microscope)(LTEM)法、無バイアスLTEM法の少なくとも1つを利用することを特徴とする請求項6記載の非破壊検査装置。
【請求項8】
前記移動部は、前記光ラインを移動する光ライン走査部を含むことを特徴とする請求項7記載の非破壊検査装置。
【請求項9】
前記移動部は、前記被検査体を移動するステージを含むことを特徴とする請求項7記載の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記光ラインと、前記観測系の検出器の位置が固定されていることを特徴とする請求項9記載の内、L−SQ、LTEM、無バイアスLTEMの少なくとも一つを利用した非破壊検査装置。
【請求項11】
前記観測系の検出器は、ライン状に配置された複数のSQUID素子を有し、前記光ラインと、前記ライン状に配置された前記複数のSQUID素子が長手方向で上下に重なるように固定されていることを特徴とする請求項10記載の非破壊検査装置。
【請求項12】
前記2次元像形成部は、取得した2次元像と、その元となった複数の1次元像とを表示する表示部を含むことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の非破壊検査装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記被検査体のレイアウトと前記2次元像を重ねて表示することを特徴とする請求項12記載の非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−127499(P2007−127499A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319858(P2005−319858)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】