説明

駐車場案内システム、駐車場案内方法及び駐車場案内プログラム

【課題】グループで同じ目的地に向かう場合に、グループを構成する各車両にその目的地又は目的地周辺の駐車可能な駐車場を案内することができる駐車場案内システム、駐車場案内方法及び駐車場案内プログラムを提供する。
【解決手段】駐車場案内システム1は、駐車場管理サーバ2、駐車場案内サーバ3、車両Cに搭載されたナビゲーション装置を備える。駐車場案内サーバ3は、複数の車両Cから構成されるグループの車両台数と、グループの目的地とをナビゲーション装置から取得し、目的地又は目的地周辺の駐車場を検索する。また、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数を取得し、該空車枠数に基づき、グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を到着地点として設定する。また、到着地点に関する情報を、グループの車両Cの各ナビゲーション装置のタッチパネルディスプレイに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場案内システム、駐車場案内方法及び駐車場案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメンバーからなるグループが、複数の車両で同じ目的地に向かう場合、各メンバーは、各メンバーが所有する車両に搭載されたナビゲーションシステムを用いて、目的地として設定し、現在位置から目的地までの経路をそれぞれ探索する。グループで同じ目的地又は待ち合わせ場所に向かう場合に、メンバーを支援するシステムとして、例えば特許文献1には、各車両の位置が異なる場合であっても、各車両の待ち合わせ場所を決定し、該待ち合わせ場所を各車両間に案内することができるシステムが記載されている。このシステムでは、一方の車両Aの乗員が、待ち合わせ場所をナビゲーション装置及びサーバを用いて検索し、待ち合わせ場所が確定するとサーバを介して他方の車両Bに待ち合わせ場所を転送する。
【特許文献1】特開2002−333338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記したシステムでは、待ち合わせ場所を選択する際に、駐車場の空車枠の有無等は考慮されていない。このため、待ち合わせ場所に各車両が到着しても、すべての車両が駐車できないことがある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グループで同じ目的地に向かう場合に、グループを構成する各車両にその目的地又は目的地周辺の駐車可能な駐車場を案内することができる駐車場案内システム、駐車場案内方法及び駐車場案内プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、目的地又は目的地周辺の駐車場を案内する駐車場案内システムにおいて、複数の車両から構成されるグループの車両台数を取得する台数取得手段と、前記グループの目的地を取得する目的地取得手段と、目的地又は目的地周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段と、前記駐車場の空車枠数を取得する空車枠数取得手段と、目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を到着地点として設定する到着地点設定手段と、前記到着地点に関する情報を出力手段に出力する出力制御手段とを備えることを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駐車場案内システムにおいて、前記到着地点設定手段は、前記車両台数以上の空車枠を有する駐車場を検索し、前記車両台数以上の空車枠を有する駐車場が検出された際に、該駐車場を到着地点として設定することを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駐車場案内システムにおいて、前記到着地点設定手段は、前記各車両が複数の駐車場に分かれて駐車する場合に、目的地又は目的地周辺の各駐車場が有する空車枠の総和が、前記車両台数以上である場合に、前記各駐車場を到着地点としてそれぞれ設定することを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、駐車場を案内する案内制御手段を用いて、目的地又は目的地
周辺の駐車場を案内する駐車場案内方法において、前記案内制御手段が、複数の車両から構成されるグループの車両台数と、該グループの目的地とを取得するとともに、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数を取得し、目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索して、該駐車場を到着地点として設定し、該到着地点に関する情報を出力手段に出力することを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、駐車場を案内する案内制御手段を用いて、目的地又は目的地周辺の駐車場を案内する駐車場案内プログラムにおいて、前記案内制御手段を、複数の車両から構成されるグループの車両台数を取得する台数取得手段と、前記グループの目的地を取得する目的地取得手段と、目的地又は目的地周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段と、前記駐車場の空車枠数を取得する空車枠数取得手段と、目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を到着地点として設定する到着地点設定手段と、前記到着地点に関する情報を出力手段に出力する出力制御手段として機能させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、駐車場案内システムは、複数の車両が同じ目的地に向かう際に、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数に基づき、グループの車両台数が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を出力手段に出力して案内することができる。このため、グループを構成するユーザ全員が、駐車場を探すことなく、速やかに指定された駐車場に集合することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、車両台数以上の空車枠を有する駐車場をユーザに案内するので、各車両が同じ駐車場に速やかに集合することができる。
請求項3に記載の発明によれば、各駐車場が有する空車枠の総和が車両台数以上である場合に、各駐車場を到着地点として設定するので、車両台数が多い場合にも、速やかに到着地点となる駐車場を案内することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、複数の車両が同じ目的地に向かう際に、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数に基づき、グループの車両台数が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を出力手段に出力して案内することができる。このため、グループを構成するユーザ全員が、駐車場を探すことなく、速やかに指定された駐車場に集合することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、駐車場案内プログラムにより、複数の車両が同じ目的地に向かう際に、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数に基づき、グループの車両台数が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を出力手段に出力して案内することができる。このため、グループを構成するユーザ全員が、駐車場を探すことなく、速やかに指定された駐車場に集合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。図1は、駐車場案内システム1の概略図である。駐車場案内システム1は、グループを構成するメンバーの各車両が目的地に向かう際に、目的地又は目的地周辺に位置するとともに全ての車両Cに対し駐車可能な駐車場を案内する。この駐車場案内システム 1は、駐車場管理サーバ2と、駐車場案内サーバ3と、各車両Cに搭載されたナビゲーション装置5(図2参照)とから構成されている。
【0015】
駐車場管理サーバ2は、各駐車場等にそれぞれ設置され、各駐車場の空車枠数をモニタリングする。駐車場案内サーバ3は、公衆回線網又は専用線等のネットワークN1を介し
て駐車場管理サーバ2と接続され、各駐車場管理サーバ2から各駐車場の空車枠数を取得する。
【0016】
また、駐車場案内サーバ3は、公衆回線網又は専用線等のネットワークN2及び送受信機6を介してナビゲーション装置5と接続され、ナビゲーション装置5からグループの目的地とグループに関する情報とを取得する。送受信機6は、公衆回線網等を構成する基地局でも良いし、道路脇に設置された狭域通信を行う路側機でもよい。駐車場案内サーバ3は、各駐車場管理サーバ2から受信した各駐車場の空車枠数と、ナビゲーション装置5から取得した目的地、グループの車両台数(以下集合台数という)とに基づき、各車両が駐車可能であって目的地又はその周辺に位置する駐車場を検索する。また、該当する駐車場が抽出された場合には、その駐車場に関する情報を各ナビゲーション装置5に送信する。
【0017】
次に、各車両Cに搭載されたナビゲーション装置5について、図2に従って説明する。ナビゲーション装置5は、ナビゲーションECU10、GPS(Global Positioning System)受信部11、地図データ記憶部12、検索データ記憶部13、出力手段としてのタ
ッチパネルディスプレイ15、通信インターフェース19を備えている。
【0018】
ナビゲーションECU10は、GPS受信部11から、緯度・経度等の座標を示す位置検出信号を入力して、電波航法により自車の絶対位置を算出する。また、ナビゲーションECU10は、自車に設けられた車速センサ20及びジャイロセンサ21から車速パルス、角速度をそれぞれ入力し、車速パルス及び角速度を用いる自律航法により、基準位置からの相対位置を算出し、電波航法で算出した絶対位置と組み合わせて自車位置を特定する。
【0019】
地図データ記憶部12は、内蔵ハードディスク、又は光ディスク等の外部記憶媒体である。この地図データ記憶部12には、目的地までの経路を探索するための各経路ネットワークデータ(以下、経路データ16という)と、タッチパネルディスプレイ15に地図画面15aを出力するための各地図描画データ17とが格納されている。
【0020】
図3(a)に示すように、経路データ16は、各メッシュの識別子であるメッシュID16a、リンクID16b、ノードID16c、ノードの座標を示すノード座標16d、リンクコスト16e、高速道路、国道等を示す道路種別16fを有している。ノードは、交差点、インターチェンジ、道路の端点等を示し、リンクは各ノードを接続する。リンクコスト16eは、リンク長等に基づく、リンク自身のコストである。ナビゲーションECU10は、例えば現在位置の座標と目的地の座標とを取得すると、リンクコスト16eを用いて、複数の条件下で目的地までの経路を探索する。
【0021】
また、地図描画データ17は、全国の地図を分割したメッシュ毎に格納され、図3(b)に示すように、メッシュID17a、道路、市街地、施設等を描画するための背景データ17b、道路の形状を示す道路データ17c等を有している。
【0022】
ナビゲーションECU10は、自車位置周辺又は指定された地域の地図を描画するための地図描画データ17を地図データ記憶部12から読出し、出力用のデータを生成する。また、出力用データに基づく映像信号をタッチパネルディスプレイ15に出力し、図1に示すような地図画面15a等の各種画面を表示する。また、ナビゲーションECU10は、この地図画面15aのうち、車両Cの現在位置に相当する位置に、自車指標を重畳する。
【0023】
また、図2に示すように検索データ記憶部13には、検索データ18が記憶されている。図4に示すように、検索データ18は、管理ヘッダ18a、インデックス18b、施設
名称18c、座標データ18dを有している。インデックス18bは、「見る・遊ぶ」、「泊まる」等の目的別のジャンルや、「ガソリンスタンド」、「駐車場」等の施設を検索するためのジャンル、住所、電話番号、郵便番号等、施設検索の際に索引として用いられるデータである。施設名称18cは、施設名称、地点名称等のデータである。座標データ18dは、その施設等の座標を示すデータである。
【0024】
ナビゲーションECU10は、タッチパネル操作等により、ユーザが指定するジャンル、住所等の検索条件を取得すると、検索データ18のインデックス18bが検索条件に該当する施設を検索する。そして、検出された施設等をリストにしてタッチパネルディスプレイ15に表示する。ユーザは、リストから一つの施設を選択して目的地を設定する。
【0025】
また、ナビゲーションECU10は、通信インターフェース19を用いて、道路近傍に設置された送受信機6とデータを送受信する。
次に、駐車場案内サーバ3の構成を図5に従って説明する。駐車場案内サーバ3は、CPU30、RAM31、ROM32、通信I/F33、登録データ記憶部34、施設データ記憶部36を備えている。CPU30は、RAM31を作業領域として用い、RAM31又はROM32に記憶された駐車場案内プログラムを用いて各種処理を行う。また、通信I/F33を用いて、駐車場管理サーバ2及びナビゲーション装置5と各種データを送受信する。尚、CPU30は、台数取得手段、目的地取得手段、駐車場検索手段、空車枠数取得手段、到着地点設定手段、出力制御手段、案内制御手段に対応する。
【0026】
登録データ記憶部34には、グループを構成する各メンバーのうち、メンバーの指定等の設定を行うユーザ(代表ユーザ)が予め登録した登録データ37が記憶されている。図6(a)に示すように、登録データ37は、代表ユーザが所有するナビゲーション装置5のID(ナビID)37a、ナビゲーション装置5から送信された目的地37b、グループを構成するメンバーの車両Cに搭載されたナビゲーション装置5の識別データ(他車識別データ)37c等が記憶されている。目的地37b及び他車識別データ37cは、ナビゲーション装置5からそれらのデータが送信された場合に記憶されるデータであって、それらのデータを受信していない場合には「Null」等に設定されている。他車識別データ37cは、他車に搭載されたナビゲーション装置5のナビID、又は他車のナビゲーション装置5で使用可能な電子メールアドレス等を記憶している。尚、目的地37b及び他車識別データ37cは、代表ユーザが所有する別の端末から予め送信してもよい。
【0027】
施設データ記憶部36には、施設データ38が記憶されている。施設データ38は、各施設に関するデータであって、施設名38a、検索に用いられるインデックス38b、駐車場データ38c、座標データ38dが記憶されている。駐車場データ38cは、施設データ38が示す施設に駐車場があるか否かを示すデータである。駐車場がある場合には、さらに、その駐車場の管理番号や駐車場の名称、駐車場の座標等が記憶されている。座標データ38dは、その施設の位置を示す。
【0028】
次に、本実施形態の処理手順について、図7及び図8に従って説明する。本実施形態では、上記代表ユーザが、自身が所有するナビゲーション装置5を用いて目的地及び車両Cの指定等の設定を行う。
【0029】
代表ユーザの該メンバーが所有するナビゲーション装置5のナビゲーションECU10は、グループに対する案内の開始を待機する(ステップS1)。このとき、タッチパネルディスプレイ15に表示された設定画面において、案内を開始するための所定のタッチパネル操作が行われたり、画面近傍に設けられ、案内を開始するための操作スイッチ22が押釦操作されると、案内を開始すると判断する(ステップS1においてYES)。
【0030】
次に、代表ユーザは、タッチパネルディスプレイ15の画面に従って、ジャンル検索、住所検索等を行い、目的地を入力する。この操作により、ナビゲーションECU10は、目的地を取得し(ステップS2)、目的地を示すデータを、装置の識別子であるナビID37aとともに送受信機6及びネットワークN2を介して駐車場案内サーバ3に送信する(ステップS3)。駐車場案内サーバ3は、ナビID37a及び目的地のデータを受信すると、該目的地を、受信したナビID37aに対応する登録データ37に記憶する(ステップS4)。
【0031】
次に、代表ユーザは、タッチパネルディスプレイ15の画面に従って、グループを構成するメンバーが乗車する全ての車両Cを指定する。メンバーの車両Cに関するデータは、各メンバーの名前と、そのメンバーのナビゲーション装置5を識別するための他車識別データ37cとを関連付けて、予め自車のナビゲーション装置5に登録しておく。そして、登録した車両Cの中から、今回集合するメンバーの車両Cを選択する。或いは、各メンバーに関するデータを記憶した代表ユーザ又はグループで所有するアドレス帳を駐車場案内サーバ3に記憶し、このアドレス帳を呼び出して、車両Cを選択するようにしてもよい。
【0032】
グループを構成する車両Cが指定されると、ナビゲーションECU10は、例えば内蔵したメモリから、他車識別データ37cを取得する(ステップS5)。他車識別データ37cを取得すると、ナビゲーションECU10は、その他車識別データ37cを駐車場案内サーバ3に送信する(ステップS6)。駐車場案内サーバ3は、他車識別データ37cを受信すると、送信元のナビゲーション装置5に対応する登録データ37に、他車識別データ37c等を記憶する(ステップS7)。尚、代表ユーザが使用する別の端末により、他車識別データ37cが予め記憶されている場合は、ステップS6〜S7を省略する。また、目的地の指定の前に、車両Cの指定を行ってもよい。
【0033】
このように駐車場案内サーバ3が、目的地等を受信すると、駐車場検索処理を行う(ステップS8)。この駐車場検索処理について、図8に従って説明する。駐車場案内サーバ3のCPU30は、上記代表ユーザに対応する登録データ37に記憶された他車識別データ37cの数を算出し、目的地に向かう集合台数を取得する(ステップS8−1)。また、登録データ37から目的地を取得する(ステップS8−2)。尚、集合台数は、代表ユーザがナビゲーション装置5に手動で入力してもよい。
【0034】
さらに、CPU30は、取得した目的地に基づき、目的地に併設された駐車場の空車枠数を取得する(ステップS8−3)。具体的には、CPU30は、施設データ記憶部36内を検索して、指定された目的地に対応する施設データ38を抽出する。また、抽出した施設データ38に含まれる駐車場データ38cに基づき、目的地に駐車場が併設されているか否かを判断する。目的地に併設された駐車場がある場合には、該駐車場の空車状況を管理する駐車場管理サーバ2に対し、空車枠数の送信要求を行う。駐車場管理サーバ2は、この送信要求を受信すると、その時点での空車枠数を駐車場案内サーバ3に送信する。
【0035】
駐車場案内サーバ3のCPU30は、駐車場管理サーバ2から受信した空車枠数と、ステップS7−1で取得した集合台数とを比較して、集合台数分の車両Cがその駐車場に駐車可能であるか否かを判断する(ステップS8−4)。空車枠数が集合台数以上であって、集合台数分の車両Cが駐車可能であると判断すると(ステップS8−4においてYES)、その駐車場を各車両Cが集合する車両到着位置に設定する(ステップS8−5)。
【0036】
一方、ステップS8−4において、上記駐車場の空車枠数が集合台数未満であって、集合台数分の車両Cが駐車不可能と判断した場合には(ステップS8−4においてNO)、駐車場案内サーバ3のCPU30は、目的地周辺の駐車場を検索する(ステップS8−6)。ここで、CPU30は、集合台数全てが駐車できる一つの駐車場を検索するようにし
てもよいし、各車両を分けて駐車させるための複数の駐車場を検索するようにしてもよい。各車両を分けて異なる駐車場に駐車させても良い場合には、集合台数から、目的地に併設された駐車場の空車枠数を減算して残り台数を算出し、残り台数が駐車可能な他の駐車場を検索する。尚、ステップS8−3で目的地に併設された駐車場を非検出である場合にも、ステップS8−6に進み、目的地周辺の駐車場を検索する。
【0037】
目的地周辺の駐車場を検索する際には、駐車場案内サーバ3のCPU30は、施設データ38を用いて、目的地を中心に所定距離(例えば300m)範囲内の駐車場を検索する。例えば、インデックス38bが「駐車場」であるデータのうち、座標データ38dが目的地に近いデータを検索する。そして、目的地周辺の駐車場を一つ抽出する。このとき例えば、目的地に最も近い駐車場を抽出してもよいし、最初に該当すると判断したデータを抽出するようにしてもよい。
【0038】
駐車場案内サーバ3のCPU30は、目的地周辺の駐車場を一つ検出したか否かを判断する(ステップS8−7)。目的地周辺の駐車場が検出されなかった場合には(ステップS8−7においてNO)、図7に示すステップS9に進む。
【0039】
目的地周辺の駐車場が検出された場合には(ステップS8−7においてYES)、駐車場案内サーバ3のCPU30は、抽出した一つの駐車場に対応する駐車場管理サーバ2に空車台数の送信要求を送信し、駐車場管理サーバ2から空車枠数を取得する(ステップS8−8)。
【0040】
空車枠数を取得すると、駐車場案内サーバ3のCPU30は、集合台数分の空車枠の検出が完了したか否かを判断する(ステップS8−9)。CPU30が、集合台数全てが駐車できる駐車場を検索している場合には、集合台数以上の空車枠数を有する駐車場が検出されたか否かを判断する。各車両Cが駐車する駐車場が分かれてもよい場合には、集合台数分の空車枠を複数の駐車場に亘って検出したか否かを判断する。このとき例えば、抽出した各駐車場が有する空車枠の総和が、集合台数以上であるか否かを判断する。或いは、目的地に併設された駐車場に一部の車両Cを駐車させた場合の残り台数からステップS8−8で取得した空車枠数を減算し、更新された残り台数が「0」であるか否かを判断する。
【0041】
集合台数分の空車枠の検出が完了していない場合には(ステップS8−9においてNO)、ステップS8−6に戻り、次の駐車場を検索する。そして、目的地から所定距離範囲を対象とした検索を終了しても、次の駐車場が検出できなかった場合には(ステップS8−7においてNO)、ステップS9に進む。
【0042】
ステップS8−9において、集合台数分の空車枠の検出が完了すると(ステップS8−9においてYES)、空車枠を検出した各駐車場を車両到着位置とする(ステップS8−10)。例えば、集合台数全てが駐車できる、目的地周辺の駐車場を検出した場合には、該駐車場を車両到着位置とする。車両Cによって駐車場が分かれる場合には、複数の駐車場を各車両Cの車両到着位置に設定する。
【0043】
このように、駐車場の検索を終了すると、図7に示すステップS9に進み、駐車場案内サーバ3は、登録データ37に記憶されたナビID37aと他車識別データ37cとに基づいて、検索結果を代表ユーザと各メンバーのナビゲーション装置5に送信する。このとき、一つの駐車場が車両到着位置として設定されている場合には、該駐車場の名称又は座標データ等を各ナビゲーション装置5に送信する。複数の駐車場が車両到着位置として設定されている場合には、各車両Cに各駐車場を割り振って、各車両Cに割り振った駐車場の名称又は座標データ等を、各ナビゲーション装置5にそれぞれ送信する。また検索の結
果、集合台数分の空車枠が検出されなかった場合には、非検出を示すデータを送信する。
【0044】
ナビゲーション装置5は、検索結果を受信すると、検索結果に基づき車両到着位置の設定の有無を判断する(ステップS10)。集合台数分が駐車できる一つ又は複数の駐車場が車両到着位置として設定されている場合には(ステップS10においてYES)、ステップS11に進む。集合台数分が駐車できる駐車場が検出されていないと判断した場合には(ステップS10においてNO)、非検出を示す画面をタッチパネルディスプレイ15に表示して、処理を終了する。
【0045】
ステップS11では、ナビゲーションECU10は、車両到着位置の案内を行う。例えば、経路データ16を用いて、現在位置から目的地までの経路を探索し、探索した経路Rを図9に示すように地図画面15d上に表示する。例えば、この地図画面15dに表示された到着位置表示ボタン15eを操作すると、ナビゲーションECU10は、図10(a)に示すような目的地周辺の到着位置案内画面15gを表示する。到着位置案内画面15gには、目的地指標15hと、到着位置指標15iとが表示されている。尚、図10(a)は到着位置に設定された駐車場が一つの場合を示している。また、この到着位置案内画面15gは、例えばナビゲーション装置5が車両到着位置である駐車場のデータを受信した時点など、他のタイミングで表示するようにしてもよい。
【0046】
車両到着位置に設定された駐車場が複数の場合には、図10(b)に示すように、自車が向かう到着位置指標15iの他に、他車が向かう到着位置指標15jを表示するようにしてもよい。
【0047】
各ナビゲーション装置5のナビゲーションECU10は、車両到着位置である駐車場を案内しながら、車両到着位置に到着したか否か等を判断し、案内終了であるか否かを判断する(ステップS12)。集合位置に到着したり、ユーザの操作により途中で案内が中断された場合には、案内終了であると判断して(ステップS12においてYES)、処理を終了する。
【0048】
また、各駐車場の空車枠は常に変動するため、駐車場案内サーバ3は、到着位置選択処理(S8)を所定時間毎に行い、最初に設定した車両到着位置に変更があるか否かを判断する。車両到着位置が変更された場合には、新たな車両到着位置となる駐車場のデータを各ナビゲーション装置5に送信する。各ナビゲーション装置5は、駐車場のデータを受信して、その駐車場への案内を行う。
【0049】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、駐車場案内サーバ3は、ナビゲーション装置5から、複数の車両Cから構成されるグループの目的地を取得するようにした。また、ナビゲーション装置5から受信した他車識別データ37cに基づき、集合台数を取得するようにした。さらに、施設データ38を用いて、目的地又は目的地周辺の駐車場を検索するとともに、該駐車場の空車枠数を駐車場管理サーバ2から取得するようにした。そして、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数に基づき、グループを構成する各車両Cが駐車可能な駐車場を検索するようにした。さらに、車両到着位置となる駐車場が検出された際に該駐車場に関するデータを、ナビゲーション装置5のタッチパネルディスプレイ15に出力するようにした。このため、グループを構成するメンバーが目的地又は目的地周辺で駐車場を探すことがなく、グループの一部の車両Cだけ駐車できないといった事態を抑制し、全ての車両Cが速やかに案内に従って車両到着位置に駐車することができる。
【0050】
(2)上記実施形態では、駐車場案内サーバ3は、車両台数以上の空車枠を有する駐車場を検索し、車両台数以上の空車枠を有する駐車場が検出された際に、空車枠を有する該
駐車場を車両到着地点として設定するようにした。このため、各車両が同じ駐車場に速やかに集合することができる。
【0051】
(3)上記実施形態では、駐車場案内サーバ3は、目的地又は目的地周辺の各駐車場が有する空車枠の総和が、集合台数以上である場合に、各駐車場を集合位置として設定するようにした。このため、集合台数が多い場合にも、車両到着地点となる各駐車場を高い確率で案内することができる。
【0052】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、駐車場をタッチパネルディスプレイ15に出力するようにしたが、図示しないスピーカ(出力手段)から駐車場を案内する音声を出力するようにしてもよい。
【0053】
・上記実施形態では、目的地や集合台数を設定する端末をナビゲーション装置5としたが、ユーザが所有する携帯端末に具体化してもよい。また、駐車場案内サーバ3が選択した駐車場を案内する装置をナビゲーション装置5ではなく、ユーザが所有する携帯端末に具体化してもよい。
【0054】
・上記実施形態では、駐車場案内サーバ3に、経路データ16及び地図描画データ17を記憶した地図データ記憶部を設けてもよい。この場合、ナビゲーション装置5と同じ経路データ16又は地図描画データ17を用いて、目的地周辺の駐車場を検索することができる。
【0055】
・登録データ記憶部34に記憶された登録データ37は、各ナビゲーション装置5の識別データを記憶するデータであればよい。また、施設データ記憶部36に記憶された施設データ38は、駐車場に関するデータのみを記憶した駐車場データにしてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、各メンバーの車両Cのうち少なくとも1台が、目的地を中心とした所定距離範囲内に進入した際に、上記処理を行うようにしてもよい。この場合、目的地に向かうまで広域の地図画面15dを表示して目的地までの経路を案内し、目的地に近づいた際に、詳細な地図画面や到着位置案内画面15gを表示して駐車場を案内する。このようにすると、各車両Cが目的地から遠い場所にいるときには処理を行わないので、駐車場案内サーバ3及びナビゲーション装置5の処理量を軽減することができる。
【0057】
・上記実施形態では、駐車場の検索結果を、駐車場案内サーバ3から各ナビゲーション装置5にそれぞれ送信するようにしたが、代表ユーザのナビゲーション装置5のみに送信するようにしてもよい。またこの場合、検索結果を、代表ユーザのナビゲーション装置5から車車間通信等によって、他のメンバーのナビゲーション装置5に送信するようにしてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、到着位置検索処理を駐車場案内サーバ3が行うようにしたが、ナビゲーション装置5が到着位置検索処理を行うようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置5のナビゲーションECU10は、台数取得手段、目的地取得手段、駐車場検索手段、空車枠数取得手段、到着地点設定手段、出力制御手段、案内制御手段に対応し、駐車場管理サーバ2から各駐車場の空車枠数を取得し、各車両Cが駐車可能な駐車場を検索する。
【0059】
・上記実施形態では、駐車場管理サーバ2及び駐車場案内サーバ3を別設したが、一つのサーバにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態の駐車場案内システムの概略図。
【図2】ナビゲーション装置のブロック図。
【図3】(a)は経路データ、(b)は地図描画データの説明図。
【図4】検索データの説明図。
【図5】駐車場案内サーバのブロック図。
【図6】(a)は登録データ、(b)は施設データの説明図。
【図7】本実施形態の処理手順のフロー。
【図8】駐車場検索処理のフロー。
【図9】目的地までの地図画面の画面図。
【図10】(a)は車両到着位置の駐車場位置が一つの場合、(b)は該駐車場が複数の場合の集合位置案内画面の画面図。
【符号の説明】
【0061】
1…駐車場案内システム、10…台数取得手段、目的地取得手段、駐車場検索手段、空車枠数取得手段、到着地点設定手段、出力制御手段及び案内制御手段としてのナビゲーションECU、15…出力手段としてのタッチパネルディスプレイ15、30…台数取得手段、目的地取得手段、駐車場検索手段、空車枠数取得手段、到着地点設定手段、出力制御手段及び案内制御手段としてのCPU、37b…目的地、C…車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地又は目的地周辺の駐車場を案内する駐車場案内システムにおいて、
複数の車両から構成されるグループの車両台数を取得する台数取得手段と、
前記グループの目的地を取得する目的地取得手段と、
目的地又は目的地周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段と、
前記駐車場の空車枠数を取得する空車枠数取得手段と、
目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を到着地点として設定する到着地点設定手段と、
前記到着地点に関する情報を出力手段に出力する出力制御手段と
を備えることを特徴とする駐車場案内システム。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場案内システムにおいて、
前記到着地点設定手段は、前記車両台数以上の空車枠を有する駐車場を検索し、前記車両台数以上の空車枠を有する駐車場が検出された際に、該駐車場を到着地点として設定することを特徴とする駐車場案内システム。
【請求項3】
請求項1に記載の駐車場案内システムにおいて、
前記到着地点設定手段は、前記各車両が複数の駐車場に分かれて駐車する場合に、目的地又は目的地周辺の各駐車場が有する空車枠の総和が、前記車両台数以上である場合に、前記各駐車場を到着地点としてそれぞれ設定することを特徴とする駐車場案内システム。
【請求項4】
駐車場を案内する案内制御手段を用いて、目的地又は目的地周辺の駐車場を案内する駐車場案内方法において、
前記案内制御手段が、
複数の車両から構成されるグループの車両台数と、該グループの目的地とを取得するとともに、目的地又は目的地周辺の駐車場の空車枠数を取得し、
目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索して、該駐車場を到着地点として設定し、該到着地点に関する情報を出力手段に出力することを特徴とする駐車場案内方法。
【請求項5】
駐車場を案内する案内制御手段を用いて、目的地又は目的地周辺の駐車場を案内する駐車場案内プログラムにおいて、
前記案内制御手段を、
複数の車両から構成されるグループの車両台数を取得する台数取得手段と、
前記グループの目的地を取得する目的地取得手段と、
目的地又は目的地周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段と、
前記駐車場の空車枠数を取得する空車枠数取得手段と、
目的地又は目的地周辺の前記駐車場の空車枠数に基づき、前記グループの各車両が駐車可能な駐車場を検索し、該駐車場を到着地点として設定する到着地点設定手段と、
前記到着地点に関する情報を出力手段に出力する出力制御手段として機能させることを特徴とする駐車場案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−2783(P2009−2783A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163738(P2007−163738)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】