高ラジアル衝突速度の磁気パルスを使用する高圧容器の封止方法;この方法によって製造される容器
容器(20)を封止するパルス磁気方法を提供する。当該方法は、少なくとも1の開放端を具える容器本体部(21)を提供するステップと、溶接部(24)を具えるカバー(23)を提供するステップとを具える。前記カバー(25)の前記溶接部(24)を前記容器本体部(21)の開放端に配置して、前記容器本体部(21)の少なくとも一部を覆うようにし、これにより、前記容器本体部(21)の前記部分と前記カバー(23)の前記溶接部(24)の間にエアギャップ(26)を規定する。溶接用誘導コイル(22)を前記容器本体部(21)の周囲の前記カバー(25)の前記溶接部(24)が配置された位置に提供する。溶接用誘導コイル(22)を励磁して、前記カバー(21)の前記溶接部(24)を前記エアギャップ(26)内へ前記容器本体部(21)の前記部分周囲で半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成する。パルス磁力は、前記容器本体部(21)と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記カバーの溶接部分(24)の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記容器本体部(21)と前記カバー(23)の原子の相互拡散を提供する値を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス磁力(PMF)によって容器を封止する、具体的には、高圧容器を封止する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、気体および/または液体の貯蔵に使用するコンテナ、キャニスタ、タンク、フラスコなどの容器は、一般的に、容器本体部とカバー部を別個に製造することによって作られる。溶接、蝋付け、半田付け、又は圧着方法を用いて、カバー部を容器本体部に接合し容器を封止することができる。
【0003】
以下、溶接とは、第1及び第2の被対象物が、これらの原始の相互拡散によって、互いに一体になるときに、第1及び第2の被対象物の2つの対向面が「典型的な」金属結合(分子間結合)、すなわち、物理的接合を形成する処理をいう。
【0004】
蝋付けは、非鉄フィラー金属又は合金を溶解温度(一般的に450℃以上)に加熱して、毛細管現象によって2又はそれ以上の合致している被対象物の間に分散させることによる接合処理である。この液体温度で、溶解したフィラー金属及びフラックスはベースメタルの薄い層と相互に作用し、冷えて、粒状構造の相互作用によって封止結合を形成する。蝋付け結合は、異なる層のサンドイッチ構造となり、それぞれが隣接する層と金属結合する。
【0005】
半田付けは、一般的に溶解温度が450℃以下のフィラー金属(はんだ)を用いて金属部品を接合する処理をいう。半田付けは、溶解温度の低いフィラー金属によって蝋付けと区別される。これは、接合処理中に、溶解しないベースメタルによって溶接と区別される。半田付け処理では、被接合部品を加熱して、半田が溶解し、毛細管現象によって接合部内へ吸い込まれ、ウェッティング作用によって被接合材料が結合する。
【0006】
さらに、圧着とは、他方を保持するようにこれらの一方又は両方を変形させること(又はスエージ加工すること)によって2つの被対象物を接合させることをいう。圧着によって、少なくとも1の被対象物の表面は、波打ったり、湾曲したり、縮んだりして、第2の被対象物の本体部内へ第1の被対象物の原子が貫入することなく2つの被対象物の間に「純粋な」機械的接合が提供される。
【0007】
圧着は、一般的に、プレス成形またはロール成形によって行われる。さらに、過渡磁場によって発生する力を容器の封止に利用する種々の圧着技術も当技術分野において知られている。
【0008】
例えば、Gereによる米国特許第3,581,456号は、過渡磁場によって発生する力を使用して、充填した容器のネック端部の閉止部の形成方法を開示している。コンテナのネックに位置するキャップの縁部をネック端部に対して磁場によって押圧し、この縁部をこのネック端部の輪郭に合わせ、これによって、コンテナのネックのネック端部と係合させてキャップを保持する。
【0009】
Koideらによる米国特許第4,934,552号は、開放端を具える円筒形本体部と、本体部の開放端に一致するカバーとを具える封止された容器を作る方法を開示している。この封止された容器は、カバーの外周面周囲に少なくとも1の環状の溝が設けられたカバーの外周面へ向けて本体部の外側から本体部の開放端をプレスすることによって作られる。プレス加工手段として電磁力を用いると、本体部の一部は、瞬時に強固にかつ気密性を有して環状の溝に固定され、封止された容器が作られる。
【0010】
Siinaらによる米国特許第5,191,775号は、底部および開放上端部を有する管状本体部、ならびに、その開放端部に嵌合される閉止体を有する冷媒保存容器を封止するための技術を開示している。開放端部は、電磁成形によって締め圧着され、その結果、曲げられて溝に合うことによって閉止体に固定される。米国特許第5,191,775号は、その方法では、閉止体を本体部に接合するために溶接を使用しないと記述している。
【0011】
Aronneによる米国特許第5,671,522号は、磁気パルス成形技術によってコンテナを封止する別のスエージ加工技術を開示している。このコンテナは、それぞれが周辺部に形成された環状の凹部を具える一対の特別に構成された端部キャップによって閉止される。コンテナの端部は、凹部内で係合して磁気パルス成形によって接合される。キャップに形成された凹部にはめ込まれたマンドレルに向けて半径方向内側へ磁気パルスの力が加えられる。
【0012】
圧着による気体貯蔵容器の封止は、何らかの制約を逸脱しない圧力に合わせて設計される圧力容器、例えば、フロンなどのクロロフルオロカーボン(CFC)冷媒を充填した、冷蔵庫や、エアーコンディショニングシステムなどで使用される封止された圧力容器に用いることができると理解すべきである。しかしながら、CFCは、地球大気に有害な影響を与える地球温暖化及びオゾン破壊化学物質として認識されている。特に、南極上にオゾンホールが発見されて世界の注目が高まり、1989年のモントリオール議定書へと至った。同時期に、CFCが地球温暖化問題へ著しく寄与していることも発見された。従って、地球温暖化及びオゾン破壊化学物質を環境に優しい物質に代替することが主な問題である。
【0013】
地球大気へのCFCの有害な影響を緩和する解決方法の一つは、従来の地球温暖化及びオゾン破壊化学物質の代わりに冷却剤として環境に優しい二酸化炭素を使用することである。二酸化炭素は地球温暖化ガスであるが、従来の冷却剤(例えば、クロロフルオロカーボンや、ヒドロフルオロカーボンなど)は、同量の二酸化炭素の約1000倍以上の地球温暖化をもたらす。その一方、エアーコンディショナから放出されうるわずかな二酸化炭素は、エネルギや輸送用に化石燃料を燃やして発生する大量の二酸化炭素と比較してとるにたらない量である。
【0014】
二酸化炭素のエアーコンディショニングシステムの一つの欠点は、これらは、CFC技術において通常公知であるように、例えば3倍又はそれ以上の高圧で動作しなければならないことである。高圧で動作するために、ある工学的挑戦が課され、太く重い管の使用を必要とする。例えば、フロンを充填した容器と比較すると、二酸化炭素を充填した容器の壁厚は1.5倍乃至4.5倍に厚くしなければならない。
【0015】
容器内の圧力を二酸化炭素の貯蔵容器が必要とする値まで増加させなければならない場合、圧着による封止方法では壊れてしまう。これらの難点を克服するために、容器の封止は、圧着ではなく溶接によってなされるべきである。
【0016】
図1は、高温の融接技術を用いて、カバー1によって円筒形容器本体部2が封止される一例を示している。融接技術の欠点の一つは、実際には、高温のために熱作用領域3が形成されることである。熱作用領域3の材料の機械的及び金属特性は、封止される容器の質及び性能が劣化する元の材料の特性と著しく異なってもよい。具体的には、高圧の二酸化炭素の貯蔵用に厚みのある容器の壁の使用を必要としてもよい。
【0017】
パルス磁気成形技術を使用して、上述した米国特許第3,581,456、4,934,552、5,191,775、及び5,671,522号における圧着だけではなく、ある技術(例えば、この出願の出願人による米国特許第5,824,998号参照)において、焼きなましの変化領域を形成することなく2の金属の被対象物を冷間溶接できることが知られている。
【0018】
溶接によって容器を封止する磁気パルス技術が本出願の出願人によるWO05002777において開示されている。この方法は、開放端を具える容器本体部と、溶接部分及び縁部分を具えるカバーとを提供するステップを具える。溶接部分のカバーの径は容器本体部の径より小さく、容器本体部と溶接部分の間にエアギャップを提供する。カバーは容器本体部の前記開放端内に配置される。溶接用誘導コイルは、カバーの溶接部分が配置される位置で容器本体部周囲に提供される。溶接用誘導コイルを励磁して、エアギャップにおいて、容器本体部の一部をカバー周囲で半径方向内側に曲げるために十分なパルス磁力を生成する。パルス磁力は、衝突時に容器本体部とカバーの原子が相互に拡散することを提供し、これによって容器本体部とカバーを互いに溶接するものとして重要である。
【0019】
WO05002777において開示した方法は、高圧容器の封止に用いることができるが、この方法の適用例は、カバーが容器本体部内に配置される場合という、特有の容器の構造に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
磁気パルス成形技術によるコンテナ封止の分野における上記従来技術があるにもかかわらず、容器本体部とカバーの間の原子の相互拡散を提供する磁気パルス力(PMF)の使用により、高圧容器を封止するための新規な方法に関する技術が依然として求められており、また、そのようなものがあれば有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一の広い態様に従って、
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部を提供するステップと;
(b)溶接部を具えるカバーを提供するステップと;
(c)前記カバーの前記溶接部を前記容器本体部の少なくとも1の開放端に配置して、前記容器本体部の少なくとも一部を覆うようにし、これにより、前記容器本体部の前記部分と前記カバーの前記溶接部の間にエアギャップを規定するステップと;
(d)溶接用誘導コイルを前記容器本体部の周囲の少なくとも前記カバーの前記溶接部が配置された位置に提供するステップと;
(e)前記カバーの前記溶接部を前記エアギャップ内へ前記容器本体部の前記部分周囲で半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイルを励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記容器本体部と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記カバーの溶接部分の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記容器本体部と前記カバーの原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具える容器を封止する方法が提供される。
【0022】
本発明の一実施例に従って、前記溶接部が、前記容器本体部の前記開放端近傍に位置する。
【0023】
本発明の一実施例に従って、カバーは、容器本体部内側に配置される保持部を具える。
【0024】
接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施例に従って、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップの厚さ(m)、hcは、前記誘導コイルと前記溶接部の間の隙間の厚さ(m)、Lcoilは、作動領域内のコイル22の縦の長さ
、Cは、パルス溶接装置(図示せず)のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部の速度(m/秒)、kは、3乃至15の範囲で変えることができる実験係数である。
【0026】
従って、前記容器本体部を前記カバーの前記溶接部に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られる。
【0027】
本発明の一実施例に従って、溶接用誘導コイルに励磁する前に、弾性Oリングがカバーと容器本体部の間のギャップ内に配置される。
【0028】
本発明の別の広い態様に従って、
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部を提供するステップと;
(b)前記容器本体部の端部を中に配置するように構成された凹部を具えるカバーを提供するステップと;
(c)前記少なくとも1の開放端を前記凹部内へ配置するステップと;
(d)封止シリンダを、当該シリンダが前記カバーと、前記容器本体部の前記端部とを覆い、これにより、これらの間にエアギャップを規定するように、前記カバーと、前記凹部内に配置された前記容器本体部の前記端部の上に提供するステップと;
(e)溶接用誘導コイルを前記封止シリンダの周囲の少なくとも前記カバー及び前記容器本体部の前記端部が配置された位置に提供するステップと;
(f)前記封止シリンダを前記エアギャップ内へ半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイルを励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記カバー及び前記容器本体部の前記端部と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記シリンダの曲げ部分の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記カバー及び前記容器本体部の原子と共に前記封止シリンダの曲げ部分の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具える容器を封止する方法が提供される。
【0029】
本発明のさらに一実施例に従って、この方法がさらに、少なくとも1の追加の封止シリンダを提供するステップと;
前記封止シリンダの上に前記少なくとも1の追加の封止シリンダを適用するステップと;
前記追加の封止シリンダを前記封止シリンダに合体させるステップと;
を具える。
【0030】
作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、封止シリンダの物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、環状のエアギャップの厚さ(m)、hcは、誘導コイルと封止シリンダの間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、衝突における半径方向の封止シリンダの速度(m/秒)、kは実験係数である。
【0031】
従って、容器本体部(21)を封止シリンダに溶接するために必要なエネルギWは、
によって得ることができる。
【0032】
本発明のさらに別の広い態様に従って、上述の実施例のうちの1つに従った方法によって作られた封止された容器が提供される。
【0033】
本発明の封止された容器及び封止方法は、上述の技術の多くの利点を有する一方、同時に、これに伴う通常の不利点のいくつかを克服する。
【0034】
本発明に従った封止された容器は、耐久性があり、信頼性のある構造である。
【0035】
本発明に従った封止された容器は、製造コストを安くすることができる。
【0036】
具体的には、融接に基づく容器及び封止方法と比較すると、この容器は、加熱作用領域がないことによって壁厚を小さくできる。たとえば、容器が、アルミニウム6061T6で作られているとき、拡散溶接処理中の加熱は、276MPaから80MPaへの降伏力の減少と共に、容器の加熱作用領域をアルミニウム6061−W(溶接)成形へ変形させる。結果的に、容器が少なくとも40MPaの圧力に耐えるために、この厚さは3.5mm(アルミニウム6061T6)から12mm(アルミニウム6061−W)へと大きくするべきである。
【0037】
次に、圧着技術によって形成される容器と比較すると、本発明に従った封止された容器は、高圧又は真空をより良好に保持できる。例えば、ヘリウム漏れ試験において、磁気パルス溶接によって作られる溶接部は、10−10mm Hg以下まで真空を保持できる野に対し、圧着方法による接合部は、漏れ試験においてどんな真空をも保持できない。
【0038】
本発明の封止技術の適用例の実施例は、限定ではないが、空気室、空気乾燥機、空気タンクなどエアーコンディショニングシステムの部品を作ることを含む。
【0039】
例えば、本発明の方法によって作られた封止された容器は、圧縮された二酸化炭素を貯蔵するために使用できる。
【0040】
後述するこの詳細な記述をより理解しやすいように本発明のより重要な特性について、幅広く概要を述べている。本発明の追加の詳細や利点が詳細な記述において説明され、部分的に、記述から認識されうるか本発明の実施によって理解されてもよい。
【0041】
本発明を理解し、実際にどのように実施されうるかが分かるように、添付図面を参照して、非制限的な例示としてのみ好適な実施例がここに開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、拡散溶接処理によって封止した後の容器の断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による封止処理前の容器の断面図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施例による封止処理前の容器の断面図である。
【図4】図4A乃至4Dは、本発明の一実施例に係る溶接処理の連続段階を示す。
【図5】図5A及び5Bは、さらに本発明の別の実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【図6】図6A及び6Bは、本発明のさらに別の実施例による容器の溶接処理の2段階を示す。図6Cは、本発明のさらなる実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに別の実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明による方法および装置の原理および動作は、図面およびその説明を参照して、よりよく理解されるが、それらの図面は、例示する目的だけのために与えられるものであって、それに限定することを意味しないということを理解されたい。本発明の説明の記載を通して、図面に示される容器および作用コイルにおいて共通な構成要素には同一の参照番号を用いる。容器の寸法、容器およびカバーの壁の厚さ、容器とカバーの間のギャップ、並びに部分間のギャップは、明確化のために誇張して表示する。
【0044】
図2を参照すると、本発明の一実施例による溶接処理前の容器20の断面図が示されている。容器20は、開放端を具える円筒形容器本体部21と、カバー23とを具える。カバー23は、円筒形容器本体部21の一部を覆う溶接部24を具える。また、カバー23は、容器本体部21の内側でカバー23を保持するために構成されている保持部25を具える。従って、保持部25においてカバー23の径dhは、容器本体部21の内径dinと等しい。本発明に従って、溶接部24におけるカバー23の内径dwは容器本体部21の外径doutより大きく、カバー23が容器本体部21の開放端内へ配置されるとき、円筒形容器本体部21とカバーの溶接部24の間に環状エアギャップ26を提供する。溶接部24と円筒形容器本体部21の間の重複部分は、溶接部24の厚さの2倍以上厚いことが好ましい。
【0045】
容器20は、用途に応じて、必要な強度および形成特性を有する任意の金属材料を用いて構成することができる。容器本体部21及びカバー23は、同じ材料または異なる材料から作成してよい。容器本体部21及びカバー23を作成する金属材としては、例えば、アルミニウム、低炭素鋼、黄銅、銅等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの合金を用いてもよいし他の材料を用いてもよい。
【0046】
カバー23を容器本体部21に溶接するのに必要な力を得るため、カバーの溶接部24が容器本体部21に配置される位置において、容器本体21の周囲に、高出力パルス磁場を生成する。必要な磁気パルス磁場を提供するのに適したデバイスは公知であり、したがってその構造および動作は以下に詳述しない。例えば、この出願の出願人による米国特許第5,824,998号に開示されたデバイスを本発明の目的のために用いてよい。そのようなデバイスは、用途に応じて構成可能な溶接用誘導コイル22を具える。図2において、溶接用誘導コイル22は、カバーの溶接部24が配置される位置において容器本体部21を囲んでいる。所望される場合、コイル22の縦の長さLcoilは溶接部24の縦の長さlwより大きく、カバーの溶接部24を曲げるために、誘導コイル22によって発生するパルス磁力が溶接部24のエッジ28に集中するように構成されている。接合領域は、溶接部24を囲むコイル22用の隙間44を有することに留意すべきである。
【0047】
図3を参照すると、本発明の別の実施例による溶接処理前に容器30の断面図が示されている。この実施例に従って、円筒形容器30は2端部において開いている。従って、所望される場合、2つの開放端で容器本体部31を封止するためにカバー27a及び27bを使用してもよい。
【0048】
図4A乃至4Dを参照すると、本発明の一実施例に係る溶接処理の連続段階が示されている。これらの図は、明確化の目的のために、一定の縮尺比で縮尺されてもいなければ、比例してもいないということに注意されたい。使用時において、溶接用誘導コイル22によって生成された磁場に付随するパルス磁力Fは、カバー23の溶接部24に印加される(図4A参照)。この実施例では、溶接部24は、容器本体部21の開放端の近傍に位置している。しかしながら、容器溶接部24の位置は、容器本体21の長さ方向に沿った部位に限定されないことを理解されたい。
【0049】
従来技術の圧着技術(パルス磁場が印加される前に接合部が互いに取り付けられる)に反して、本発明のパルス磁気溶接方法は、カバーの溶接部24と容器本体部21の間にギャップ26を使用することを教示している。このようなギャップにより、カバーの溶接部24が容器本体部21に向けて加速されて動き、衝突時に容器本体部とカバーの原子が相互に拡散するのに十分に大きい速度値が得られる可能性を提供する。
【0050】
封止するために容器を溶接する処理は、溶接用誘導コイル22を励磁して、容器本体部21の周囲で半径方向内側にカバーの溶接部24を曲げるパルス磁力Fを生成するステップを具える。溶接部24のエッジ41が容器本体部21の表面42に接触した瞬間に、溶接が開始する。溶接中、容器本体部21の周囲で溶接領域WZを規定する前面接触ライン43は、容器の端部に向かって接線方向に移動し(図4C参照)、これにより容器が封止される(図4D参照)。
【0051】
高速の衝突において、カバーへの容器本体部の溶接に必要とされる原子の相互拡散を提供するために、パルス磁力Fは所定の値を有する必要がある。より具体的には、カバーの溶接部24が容器本体部21の表面42に向けてギャップ26内を加速して動いていく間に、容器本体部の原子がカバーの原子の間の空間内へ十分に貫入する速度を実現できる値を、パルス磁力Fは有する必要がある。特に、図1及び2に示されたカバーの溶接部24及び容器本体部21の構成において、衝突時における半径方向においてカバーの溶接部24の実効速度値Vrが150m/秒乃至600m/秒の範囲にあり、接合領域内の前面接触ライン43の見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲内にあるとき、この溶接が可能であることを出願人は見いだした。見かけの接線速度Vtは、Vt=Vr/tanα、αは衝突角度によって得ることができる。
【0052】
このように制御された衝突において、結合する金属の2面間に、高圧の衝突が生じる。2つの隣接する金属の原子は、実際、自然の斥力に勝る力によって互いに推進され、これらは電子を共有して安定平衡となる。この処理は圧力を使用しており、加熱しないことによって、相変化、金属間の構造、再結晶粒など、溶接において見られる従来の加熱に起因する問題全てを回避している。この結合は、母材自体よりも一層強くでき、破壊は、接合部ではなく2金属のより脆弱な部分において起こることに制限される。処理において加熱しないことによって、広く異なる溶解温度を有する金属、例えばアルミニウムと鋼を結合することができる。
【0053】
さらに、前面接触ライン43の高接線速度Vtによって、これらに作用する衝突力によって2つの結合面の間に噴流が作り出される。この噴流作用は、微量の酸化物、表面の汚染物質や何らかの汚れを溶接領域から除去し、衝突をもたらす磁気圧力によって、短時間で金属を塑性変形し、互いに面を合わせることができる。これによって、酸化被膜を取り去った2つのバージン面をかなりの高圧下で互いに溶接することができ、各金属の原子が互いに接触するほど十分に近くなって、原子間引力が働くようになる。
【0054】
本発明は、容器本体部21及びカバー23を互いに溶接するために必要な誘導コイル22に印加する電圧Uおよび/またはエネルギWを予め計算するために、物理的に正当化された方向性を規定する。特に、所定の電圧U及びエネルギWは、(i)カバー23の溶接部24が、容器本体部21に向けて動いていく間に、衝突時に、約150m/秒乃至600m/秒の範囲で内側方向における速度値を実現し、(ii)前面接触ライン43が衝突時に約1000m/秒乃至2500m/秒の範囲で接線速度値を実現するようにしなければならない。
【0055】
特に、本発明によって得られる速度値を考慮することによって、当業者は、容器本体部21をカバー23の溶接部24に溶接するために必要とされる誘導コイルに印加される電圧Uおよび/またはエネルギWの大きさを常に計算することができ、原子の相互拡散を得ることができる。
【0056】
たとえば、溶接部24と容器本体部21との溶接に必要とされる作動電圧Uは、
によって推定され、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部24の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ26の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル22と前記溶接部24の間の隙間44の厚さ(m)、Lcoilは、作動領域内のコイル22の縦の長さ
、Cは、パルス溶接装置(図示せず)のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部24の速度(m/秒)、kは、2乃至20の範囲で変えることができる実験係数である。
【0057】
従って、前記容器本体部21を前記カバー23の前記溶接部24に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られる。
【0058】
例えば、溶接のパラメータが、ρw=2700kg/m3(アルミニウム)、rw=0.02m、hc=0.0015m、hg=0.0015m、lw=0.015m、δw=0.002m、C=550μF、Vr=300m/s、k=10であるとき、作動電圧Uは約5kVであり、溶接に必要なエネルギWは約16kJである。
【0059】
図5A及び5Bを参照すると、本発明のさらなる実施例による溶接後の接合領域の断面図が示されている。これらの実施例に従って、封止機能を強化するために、溶接用誘導コイルに励磁する前に、弾性Oリング28が、カバー23と容器本体部21の間のギャップ内に配置される。図5Aに示した実施例に従って、Oリング28は容器本体部21の突き合わせ端部に配置される。しかしながら、所望される場合、Oリング28は、カバーの溶接部24と容器本体部21の間の任意の場所に配置することができる(図5B参照)。
【0060】
図6A及び6Bを互いに参照すると、本発明のさらに別の実施例による容器の溶接処理の2段階が示されている。この実施例に従って、容器本体部21は、封止シリンダ62を用いてカバー61に接合する。この場合、カバー61は、容器本体部21の端部66が配置される凹部63を具える。凹部63の深さlrは、容器本体部21の厚さlv(lv=dout−din)に等しいことが好ましい。このような構造では、その突き合わせ端部64におけるカバー61の径は容器本体部21の外径に等しい。
【0061】
図6Aに示すように、封止シリンダ62は、容器本体部21の端部66及びカバー61を覆うように、カバー61及び容器本体部21の端部66に配置される。シリンダの大きさは、封止シリンダ62の内面と凹部63内に配置される容器本体部21の端部66に接触するカバー61との間にギャップ65を提供する大きさである。
【0062】
カバー61、容器本体部21、及びシリンダ62を互いに溶接するために、溶接用誘導コイル22が封止シリンダ62の周囲に、好ましくは、端部66の突き合わせ端部66aの位置を中心に配置される。コイル22を励磁して、この位置を中心にシリンダ62は曲げられる(図6B参照)。
【0063】
本発明のこの実施例により、封止シリンダ62の曲げ部分が、ギャップ65内で動いていく間、容器本体部21の原子とカバー61の原子の間の空間内へその原子が十分に貫入する半径方向の速度を実現できる値を、パルス磁力Fは有する必要があり、これにより、カバー61、容器本体部21、及びシリンダ62の曲げ部分69が互いに溶接される。前面ライン67a及び67bの高接線速度Vtによって、2の結合面の間に2つの対向する噴流が作り出される。この噴流作用は、微量の酸化物、表面の汚染物質や何らかの汚れを溶接領域から除去し、衝突をもたらす磁気圧力によって、短時間で金属を塑性変形し、互いに面を合わせることができる。例えば、衝突時における半径方向において、封止シリンダ62の曲げ部分69の実効速度値が150m/秒乃至600m/秒の範囲にあり、接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度Vtが約1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあるときに、この溶接が可能である。
【0064】
溶接に必要とされる作動電圧及びエネルギの値、及び、ギャップ65内誘導コイル22によって発生する磁場B(Teslaで計算される)は、上述のように計算できる。
【0065】
特に、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、誘導コイル(22)と封止シリンダ(62)の間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、衝突における半径方向の封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数である。
【0066】
従って、容器本体部(21)を封止シリンダ(62)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得ることができる。
【0067】
所望される場合、封止機能を強化するために、封止処理の前に弾性Oリング68a及び68bそれぞれを、カバー61と封止シリンダ62の間、カバー61と容器本体部21の端部66の間に配置することができる(図6Cを参照)。
【0068】
図7を参照すると、本発明のさらに別の実施例による封止処理後の容器の断面図が示されている。この実施例に従って、容器本体部21の封止処理は2段階で行われる。第1段階で、容器本体部21、カバー61、及び封止シリンダ62の接合が、図6A及び6Bを参照して上述したように達成される。第2段階で、追加の封止シリンダ71を封止シリンダ62に適用することによって封止を強化できる。このような場合、封止した壁は、封止シリンダ62や71などの2つのシリンダを具える。
【0069】
一実施例に従って、追加の封止シリンダ71が、シリンダ62に関し上述した溶接方法と同じ溶接処理によって封止シリンダ62に接合される。
【0070】
別の実施例に従って、追加の封止シリンダ71を、背景において上述した従来技術の圧着方法のうちの一つによって封止シリンダ62に接合することができる。
【0071】
必要な場合、1以上の追加のシリンダ(図示せず)を用いることによって、封止をさらに強化することができ、これによって、封止壁の全体の厚さが厚くなると理解されるべきである。
【0072】
このように、本発明に関係する当業者は、本発明は好適な実施例に関して開示され、この開示を基礎とする概念は、本発明のいくつかの目的を果たすために他の構造、システム、及び処理を設計するための基礎として容易に用いることができると理解することができる。
【0073】
本発明の容器の実施例は、円形断面の容器本体部について示されているが、本発明の封止方法は、必要な変更を行って任意の断面形状を有する容器の封止に用いることができることは自明である。
【0074】
また、本明細書において使用されている専門用語および術語は、説明のためのものであって、それに限定するものと見なすべきでないことを理解されたい。
【0075】
プロセスについての以下の請求項において、ステップを指定するために用いられるアルファベットは、便宜だけのために付与されているものであって、それらのステップを遂行する如何なる特定の順序も意味しない。
【0076】
したがって、本発明の範囲を、本明細書に述べた例示的な実施の形態に制限されるように解釈しないことが重要である。他の変形例が、添付する請求項およびそれらの均等物において定められる本発明の範囲内において可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス磁力(PMF)によって容器を封止する、具体的には、高圧容器を封止する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、気体および/または液体の貯蔵に使用するコンテナ、キャニスタ、タンク、フラスコなどの容器は、一般的に、容器本体部とカバー部を別個に製造することによって作られる。溶接、蝋付け、半田付け、又は圧着方法を用いて、カバー部を容器本体部に接合し容器を封止することができる。
【0003】
以下、溶接とは、第1及び第2の被対象物が、これらの原始の相互拡散によって、互いに一体になるときに、第1及び第2の被対象物の2つの対向面が「典型的な」金属結合(分子間結合)、すなわち、物理的接合を形成する処理をいう。
【0004】
蝋付けは、非鉄フィラー金属又は合金を溶解温度(一般的に450℃以上)に加熱して、毛細管現象によって2又はそれ以上の合致している被対象物の間に分散させることによる接合処理である。この液体温度で、溶解したフィラー金属及びフラックスはベースメタルの薄い層と相互に作用し、冷えて、粒状構造の相互作用によって封止結合を形成する。蝋付け結合は、異なる層のサンドイッチ構造となり、それぞれが隣接する層と金属結合する。
【0005】
半田付けは、一般的に溶解温度が450℃以下のフィラー金属(はんだ)を用いて金属部品を接合する処理をいう。半田付けは、溶解温度の低いフィラー金属によって蝋付けと区別される。これは、接合処理中に、溶解しないベースメタルによって溶接と区別される。半田付け処理では、被接合部品を加熱して、半田が溶解し、毛細管現象によって接合部内へ吸い込まれ、ウェッティング作用によって被接合材料が結合する。
【0006】
さらに、圧着とは、他方を保持するようにこれらの一方又は両方を変形させること(又はスエージ加工すること)によって2つの被対象物を接合させることをいう。圧着によって、少なくとも1の被対象物の表面は、波打ったり、湾曲したり、縮んだりして、第2の被対象物の本体部内へ第1の被対象物の原子が貫入することなく2つの被対象物の間に「純粋な」機械的接合が提供される。
【0007】
圧着は、一般的に、プレス成形またはロール成形によって行われる。さらに、過渡磁場によって発生する力を容器の封止に利用する種々の圧着技術も当技術分野において知られている。
【0008】
例えば、Gereによる米国特許第3,581,456号は、過渡磁場によって発生する力を使用して、充填した容器のネック端部の閉止部の形成方法を開示している。コンテナのネックに位置するキャップの縁部をネック端部に対して磁場によって押圧し、この縁部をこのネック端部の輪郭に合わせ、これによって、コンテナのネックのネック端部と係合させてキャップを保持する。
【0009】
Koideらによる米国特許第4,934,552号は、開放端を具える円筒形本体部と、本体部の開放端に一致するカバーとを具える封止された容器を作る方法を開示している。この封止された容器は、カバーの外周面周囲に少なくとも1の環状の溝が設けられたカバーの外周面へ向けて本体部の外側から本体部の開放端をプレスすることによって作られる。プレス加工手段として電磁力を用いると、本体部の一部は、瞬時に強固にかつ気密性を有して環状の溝に固定され、封止された容器が作られる。
【0010】
Siinaらによる米国特許第5,191,775号は、底部および開放上端部を有する管状本体部、ならびに、その開放端部に嵌合される閉止体を有する冷媒保存容器を封止するための技術を開示している。開放端部は、電磁成形によって締め圧着され、その結果、曲げられて溝に合うことによって閉止体に固定される。米国特許第5,191,775号は、その方法では、閉止体を本体部に接合するために溶接を使用しないと記述している。
【0011】
Aronneによる米国特許第5,671,522号は、磁気パルス成形技術によってコンテナを封止する別のスエージ加工技術を開示している。このコンテナは、それぞれが周辺部に形成された環状の凹部を具える一対の特別に構成された端部キャップによって閉止される。コンテナの端部は、凹部内で係合して磁気パルス成形によって接合される。キャップに形成された凹部にはめ込まれたマンドレルに向けて半径方向内側へ磁気パルスの力が加えられる。
【0012】
圧着による気体貯蔵容器の封止は、何らかの制約を逸脱しない圧力に合わせて設計される圧力容器、例えば、フロンなどのクロロフルオロカーボン(CFC)冷媒を充填した、冷蔵庫や、エアーコンディショニングシステムなどで使用される封止された圧力容器に用いることができると理解すべきである。しかしながら、CFCは、地球大気に有害な影響を与える地球温暖化及びオゾン破壊化学物質として認識されている。特に、南極上にオゾンホールが発見されて世界の注目が高まり、1989年のモントリオール議定書へと至った。同時期に、CFCが地球温暖化問題へ著しく寄与していることも発見された。従って、地球温暖化及びオゾン破壊化学物質を環境に優しい物質に代替することが主な問題である。
【0013】
地球大気へのCFCの有害な影響を緩和する解決方法の一つは、従来の地球温暖化及びオゾン破壊化学物質の代わりに冷却剤として環境に優しい二酸化炭素を使用することである。二酸化炭素は地球温暖化ガスであるが、従来の冷却剤(例えば、クロロフルオロカーボンや、ヒドロフルオロカーボンなど)は、同量の二酸化炭素の約1000倍以上の地球温暖化をもたらす。その一方、エアーコンディショナから放出されうるわずかな二酸化炭素は、エネルギや輸送用に化石燃料を燃やして発生する大量の二酸化炭素と比較してとるにたらない量である。
【0014】
二酸化炭素のエアーコンディショニングシステムの一つの欠点は、これらは、CFC技術において通常公知であるように、例えば3倍又はそれ以上の高圧で動作しなければならないことである。高圧で動作するために、ある工学的挑戦が課され、太く重い管の使用を必要とする。例えば、フロンを充填した容器と比較すると、二酸化炭素を充填した容器の壁厚は1.5倍乃至4.5倍に厚くしなければならない。
【0015】
容器内の圧力を二酸化炭素の貯蔵容器が必要とする値まで増加させなければならない場合、圧着による封止方法では壊れてしまう。これらの難点を克服するために、容器の封止は、圧着ではなく溶接によってなされるべきである。
【0016】
図1は、高温の融接技術を用いて、カバー1によって円筒形容器本体部2が封止される一例を示している。融接技術の欠点の一つは、実際には、高温のために熱作用領域3が形成されることである。熱作用領域3の材料の機械的及び金属特性は、封止される容器の質及び性能が劣化する元の材料の特性と著しく異なってもよい。具体的には、高圧の二酸化炭素の貯蔵用に厚みのある容器の壁の使用を必要としてもよい。
【0017】
パルス磁気成形技術を使用して、上述した米国特許第3,581,456、4,934,552、5,191,775、及び5,671,522号における圧着だけではなく、ある技術(例えば、この出願の出願人による米国特許第5,824,998号参照)において、焼きなましの変化領域を形成することなく2の金属の被対象物を冷間溶接できることが知られている。
【0018】
溶接によって容器を封止する磁気パルス技術が本出願の出願人によるWO05002777において開示されている。この方法は、開放端を具える容器本体部と、溶接部分及び縁部分を具えるカバーとを提供するステップを具える。溶接部分のカバーの径は容器本体部の径より小さく、容器本体部と溶接部分の間にエアギャップを提供する。カバーは容器本体部の前記開放端内に配置される。溶接用誘導コイルは、カバーの溶接部分が配置される位置で容器本体部周囲に提供される。溶接用誘導コイルを励磁して、エアギャップにおいて、容器本体部の一部をカバー周囲で半径方向内側に曲げるために十分なパルス磁力を生成する。パルス磁力は、衝突時に容器本体部とカバーの原子が相互に拡散することを提供し、これによって容器本体部とカバーを互いに溶接するものとして重要である。
【0019】
WO05002777において開示した方法は、高圧容器の封止に用いることができるが、この方法の適用例は、カバーが容器本体部内に配置される場合という、特有の容器の構造に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
磁気パルス成形技術によるコンテナ封止の分野における上記従来技術があるにもかかわらず、容器本体部とカバーの間の原子の相互拡散を提供する磁気パルス力(PMF)の使用により、高圧容器を封止するための新規な方法に関する技術が依然として求められており、また、そのようなものがあれば有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一の広い態様に従って、
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部を提供するステップと;
(b)溶接部を具えるカバーを提供するステップと;
(c)前記カバーの前記溶接部を前記容器本体部の少なくとも1の開放端に配置して、前記容器本体部の少なくとも一部を覆うようにし、これにより、前記容器本体部の前記部分と前記カバーの前記溶接部の間にエアギャップを規定するステップと;
(d)溶接用誘導コイルを前記容器本体部の周囲の少なくとも前記カバーの前記溶接部が配置された位置に提供するステップと;
(e)前記カバーの前記溶接部を前記エアギャップ内へ前記容器本体部の前記部分周囲で半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイルを励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記容器本体部と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記カバーの溶接部分の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記容器本体部と前記カバーの原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具える容器を封止する方法が提供される。
【0022】
本発明の一実施例に従って、前記溶接部が、前記容器本体部の前記開放端近傍に位置する。
【0023】
本発明の一実施例に従って、カバーは、容器本体部内側に配置される保持部を具える。
【0024】
接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施例に従って、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップの厚さ(m)、hcは、前記誘導コイルと前記溶接部の間の隙間の厚さ(m)、Lcoilは、作動領域内のコイル22の縦の長さ
、Cは、パルス溶接装置(図示せず)のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部の速度(m/秒)、kは、3乃至15の範囲で変えることができる実験係数である。
【0026】
従って、前記容器本体部を前記カバーの前記溶接部に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られる。
【0027】
本発明の一実施例に従って、溶接用誘導コイルに励磁する前に、弾性Oリングがカバーと容器本体部の間のギャップ内に配置される。
【0028】
本発明の別の広い態様に従って、
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部を提供するステップと;
(b)前記容器本体部の端部を中に配置するように構成された凹部を具えるカバーを提供するステップと;
(c)前記少なくとも1の開放端を前記凹部内へ配置するステップと;
(d)封止シリンダを、当該シリンダが前記カバーと、前記容器本体部の前記端部とを覆い、これにより、これらの間にエアギャップを規定するように、前記カバーと、前記凹部内に配置された前記容器本体部の前記端部の上に提供するステップと;
(e)溶接用誘導コイルを前記封止シリンダの周囲の少なくとも前記カバー及び前記容器本体部の前記端部が配置された位置に提供するステップと;
(f)前記封止シリンダを前記エアギャップ内へ半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイルを励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記カバー及び前記容器本体部の前記端部と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記シリンダの曲げ部分の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記カバー及び前記容器本体部の原子と共に前記封止シリンダの曲げ部分の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具える容器を封止する方法が提供される。
【0029】
本発明のさらに一実施例に従って、この方法がさらに、少なくとも1の追加の封止シリンダを提供するステップと;
前記封止シリンダの上に前記少なくとも1の追加の封止シリンダを適用するステップと;
前記追加の封止シリンダを前記封止シリンダに合体させるステップと;
を具える。
【0030】
作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、封止シリンダの物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、環状のエアギャップの厚さ(m)、hcは、誘導コイルと封止シリンダの間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、衝突における半径方向の封止シリンダの速度(m/秒)、kは実験係数である。
【0031】
従って、容器本体部(21)を封止シリンダに溶接するために必要なエネルギWは、
によって得ることができる。
【0032】
本発明のさらに別の広い態様に従って、上述の実施例のうちの1つに従った方法によって作られた封止された容器が提供される。
【0033】
本発明の封止された容器及び封止方法は、上述の技術の多くの利点を有する一方、同時に、これに伴う通常の不利点のいくつかを克服する。
【0034】
本発明に従った封止された容器は、耐久性があり、信頼性のある構造である。
【0035】
本発明に従った封止された容器は、製造コストを安くすることができる。
【0036】
具体的には、融接に基づく容器及び封止方法と比較すると、この容器は、加熱作用領域がないことによって壁厚を小さくできる。たとえば、容器が、アルミニウム6061T6で作られているとき、拡散溶接処理中の加熱は、276MPaから80MPaへの降伏力の減少と共に、容器の加熱作用領域をアルミニウム6061−W(溶接)成形へ変形させる。結果的に、容器が少なくとも40MPaの圧力に耐えるために、この厚さは3.5mm(アルミニウム6061T6)から12mm(アルミニウム6061−W)へと大きくするべきである。
【0037】
次に、圧着技術によって形成される容器と比較すると、本発明に従った封止された容器は、高圧又は真空をより良好に保持できる。例えば、ヘリウム漏れ試験において、磁気パルス溶接によって作られる溶接部は、10−10mm Hg以下まで真空を保持できる野に対し、圧着方法による接合部は、漏れ試験においてどんな真空をも保持できない。
【0038】
本発明の封止技術の適用例の実施例は、限定ではないが、空気室、空気乾燥機、空気タンクなどエアーコンディショニングシステムの部品を作ることを含む。
【0039】
例えば、本発明の方法によって作られた封止された容器は、圧縮された二酸化炭素を貯蔵するために使用できる。
【0040】
後述するこの詳細な記述をより理解しやすいように本発明のより重要な特性について、幅広く概要を述べている。本発明の追加の詳細や利点が詳細な記述において説明され、部分的に、記述から認識されうるか本発明の実施によって理解されてもよい。
【0041】
本発明を理解し、実際にどのように実施されうるかが分かるように、添付図面を参照して、非制限的な例示としてのみ好適な実施例がここに開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、拡散溶接処理によって封止した後の容器の断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例による封止処理前の容器の断面図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施例による封止処理前の容器の断面図である。
【図4】図4A乃至4Dは、本発明の一実施例に係る溶接処理の連続段階を示す。
【図5】図5A及び5Bは、さらに本発明の別の実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【図6】図6A及び6Bは、本発明のさらに別の実施例による容器の溶接処理の2段階を示す。図6Cは、本発明のさらなる実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに別の実施例による封止処理後の容器の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明による方法および装置の原理および動作は、図面およびその説明を参照して、よりよく理解されるが、それらの図面は、例示する目的だけのために与えられるものであって、それに限定することを意味しないということを理解されたい。本発明の説明の記載を通して、図面に示される容器および作用コイルにおいて共通な構成要素には同一の参照番号を用いる。容器の寸法、容器およびカバーの壁の厚さ、容器とカバーの間のギャップ、並びに部分間のギャップは、明確化のために誇張して表示する。
【0044】
図2を参照すると、本発明の一実施例による溶接処理前の容器20の断面図が示されている。容器20は、開放端を具える円筒形容器本体部21と、カバー23とを具える。カバー23は、円筒形容器本体部21の一部を覆う溶接部24を具える。また、カバー23は、容器本体部21の内側でカバー23を保持するために構成されている保持部25を具える。従って、保持部25においてカバー23の径dhは、容器本体部21の内径dinと等しい。本発明に従って、溶接部24におけるカバー23の内径dwは容器本体部21の外径doutより大きく、カバー23が容器本体部21の開放端内へ配置されるとき、円筒形容器本体部21とカバーの溶接部24の間に環状エアギャップ26を提供する。溶接部24と円筒形容器本体部21の間の重複部分は、溶接部24の厚さの2倍以上厚いことが好ましい。
【0045】
容器20は、用途に応じて、必要な強度および形成特性を有する任意の金属材料を用いて構成することができる。容器本体部21及びカバー23は、同じ材料または異なる材料から作成してよい。容器本体部21及びカバー23を作成する金属材としては、例えば、アルミニウム、低炭素鋼、黄銅、銅等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの合金を用いてもよいし他の材料を用いてもよい。
【0046】
カバー23を容器本体部21に溶接するのに必要な力を得るため、カバーの溶接部24が容器本体部21に配置される位置において、容器本体21の周囲に、高出力パルス磁場を生成する。必要な磁気パルス磁場を提供するのに適したデバイスは公知であり、したがってその構造および動作は以下に詳述しない。例えば、この出願の出願人による米国特許第5,824,998号に開示されたデバイスを本発明の目的のために用いてよい。そのようなデバイスは、用途に応じて構成可能な溶接用誘導コイル22を具える。図2において、溶接用誘導コイル22は、カバーの溶接部24が配置される位置において容器本体部21を囲んでいる。所望される場合、コイル22の縦の長さLcoilは溶接部24の縦の長さlwより大きく、カバーの溶接部24を曲げるために、誘導コイル22によって発生するパルス磁力が溶接部24のエッジ28に集中するように構成されている。接合領域は、溶接部24を囲むコイル22用の隙間44を有することに留意すべきである。
【0047】
図3を参照すると、本発明の別の実施例による溶接処理前に容器30の断面図が示されている。この実施例に従って、円筒形容器30は2端部において開いている。従って、所望される場合、2つの開放端で容器本体部31を封止するためにカバー27a及び27bを使用してもよい。
【0048】
図4A乃至4Dを参照すると、本発明の一実施例に係る溶接処理の連続段階が示されている。これらの図は、明確化の目的のために、一定の縮尺比で縮尺されてもいなければ、比例してもいないということに注意されたい。使用時において、溶接用誘導コイル22によって生成された磁場に付随するパルス磁力Fは、カバー23の溶接部24に印加される(図4A参照)。この実施例では、溶接部24は、容器本体部21の開放端の近傍に位置している。しかしながら、容器溶接部24の位置は、容器本体21の長さ方向に沿った部位に限定されないことを理解されたい。
【0049】
従来技術の圧着技術(パルス磁場が印加される前に接合部が互いに取り付けられる)に反して、本発明のパルス磁気溶接方法は、カバーの溶接部24と容器本体部21の間にギャップ26を使用することを教示している。このようなギャップにより、カバーの溶接部24が容器本体部21に向けて加速されて動き、衝突時に容器本体部とカバーの原子が相互に拡散するのに十分に大きい速度値が得られる可能性を提供する。
【0050】
封止するために容器を溶接する処理は、溶接用誘導コイル22を励磁して、容器本体部21の周囲で半径方向内側にカバーの溶接部24を曲げるパルス磁力Fを生成するステップを具える。溶接部24のエッジ41が容器本体部21の表面42に接触した瞬間に、溶接が開始する。溶接中、容器本体部21の周囲で溶接領域WZを規定する前面接触ライン43は、容器の端部に向かって接線方向に移動し(図4C参照)、これにより容器が封止される(図4D参照)。
【0051】
高速の衝突において、カバーへの容器本体部の溶接に必要とされる原子の相互拡散を提供するために、パルス磁力Fは所定の値を有する必要がある。より具体的には、カバーの溶接部24が容器本体部21の表面42に向けてギャップ26内を加速して動いていく間に、容器本体部の原子がカバーの原子の間の空間内へ十分に貫入する速度を実現できる値を、パルス磁力Fは有する必要がある。特に、図1及び2に示されたカバーの溶接部24及び容器本体部21の構成において、衝突時における半径方向においてカバーの溶接部24の実効速度値Vrが150m/秒乃至600m/秒の範囲にあり、接合領域内の前面接触ライン43の見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲内にあるとき、この溶接が可能であることを出願人は見いだした。見かけの接線速度Vtは、Vt=Vr/tanα、αは衝突角度によって得ることができる。
【0052】
このように制御された衝突において、結合する金属の2面間に、高圧の衝突が生じる。2つの隣接する金属の原子は、実際、自然の斥力に勝る力によって互いに推進され、これらは電子を共有して安定平衡となる。この処理は圧力を使用しており、加熱しないことによって、相変化、金属間の構造、再結晶粒など、溶接において見られる従来の加熱に起因する問題全てを回避している。この結合は、母材自体よりも一層強くでき、破壊は、接合部ではなく2金属のより脆弱な部分において起こることに制限される。処理において加熱しないことによって、広く異なる溶解温度を有する金属、例えばアルミニウムと鋼を結合することができる。
【0053】
さらに、前面接触ライン43の高接線速度Vtによって、これらに作用する衝突力によって2つの結合面の間に噴流が作り出される。この噴流作用は、微量の酸化物、表面の汚染物質や何らかの汚れを溶接領域から除去し、衝突をもたらす磁気圧力によって、短時間で金属を塑性変形し、互いに面を合わせることができる。これによって、酸化被膜を取り去った2つのバージン面をかなりの高圧下で互いに溶接することができ、各金属の原子が互いに接触するほど十分に近くなって、原子間引力が働くようになる。
【0054】
本発明は、容器本体部21及びカバー23を互いに溶接するために必要な誘導コイル22に印加する電圧Uおよび/またはエネルギWを予め計算するために、物理的に正当化された方向性を規定する。特に、所定の電圧U及びエネルギWは、(i)カバー23の溶接部24が、容器本体部21に向けて動いていく間に、衝突時に、約150m/秒乃至600m/秒の範囲で内側方向における速度値を実現し、(ii)前面接触ライン43が衝突時に約1000m/秒乃至2500m/秒の範囲で接線速度値を実現するようにしなければならない。
【0055】
特に、本発明によって得られる速度値を考慮することによって、当業者は、容器本体部21をカバー23の溶接部24に溶接するために必要とされる誘導コイルに印加される電圧Uおよび/またはエネルギWの大きさを常に計算することができ、原子の相互拡散を得ることができる。
【0056】
たとえば、溶接部24と容器本体部21との溶接に必要とされる作動電圧Uは、
によって推定され、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部24の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ26の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル22と前記溶接部24の間の隙間44の厚さ(m)、Lcoilは、作動領域内のコイル22の縦の長さ
、Cは、パルス溶接装置(図示せず)のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部24の速度(m/秒)、kは、2乃至20の範囲で変えることができる実験係数である。
【0057】
従って、前記容器本体部21を前記カバー23の前記溶接部24に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られる。
【0058】
例えば、溶接のパラメータが、ρw=2700kg/m3(アルミニウム)、rw=0.02m、hc=0.0015m、hg=0.0015m、lw=0.015m、δw=0.002m、C=550μF、Vr=300m/s、k=10であるとき、作動電圧Uは約5kVであり、溶接に必要なエネルギWは約16kJである。
【0059】
図5A及び5Bを参照すると、本発明のさらなる実施例による溶接後の接合領域の断面図が示されている。これらの実施例に従って、封止機能を強化するために、溶接用誘導コイルに励磁する前に、弾性Oリング28が、カバー23と容器本体部21の間のギャップ内に配置される。図5Aに示した実施例に従って、Oリング28は容器本体部21の突き合わせ端部に配置される。しかしながら、所望される場合、Oリング28は、カバーの溶接部24と容器本体部21の間の任意の場所に配置することができる(図5B参照)。
【0060】
図6A及び6Bを互いに参照すると、本発明のさらに別の実施例による容器の溶接処理の2段階が示されている。この実施例に従って、容器本体部21は、封止シリンダ62を用いてカバー61に接合する。この場合、カバー61は、容器本体部21の端部66が配置される凹部63を具える。凹部63の深さlrは、容器本体部21の厚さlv(lv=dout−din)に等しいことが好ましい。このような構造では、その突き合わせ端部64におけるカバー61の径は容器本体部21の外径に等しい。
【0061】
図6Aに示すように、封止シリンダ62は、容器本体部21の端部66及びカバー61を覆うように、カバー61及び容器本体部21の端部66に配置される。シリンダの大きさは、封止シリンダ62の内面と凹部63内に配置される容器本体部21の端部66に接触するカバー61との間にギャップ65を提供する大きさである。
【0062】
カバー61、容器本体部21、及びシリンダ62を互いに溶接するために、溶接用誘導コイル22が封止シリンダ62の周囲に、好ましくは、端部66の突き合わせ端部66aの位置を中心に配置される。コイル22を励磁して、この位置を中心にシリンダ62は曲げられる(図6B参照)。
【0063】
本発明のこの実施例により、封止シリンダ62の曲げ部分が、ギャップ65内で動いていく間、容器本体部21の原子とカバー61の原子の間の空間内へその原子が十分に貫入する半径方向の速度を実現できる値を、パルス磁力Fは有する必要があり、これにより、カバー61、容器本体部21、及びシリンダ62の曲げ部分69が互いに溶接される。前面ライン67a及び67bの高接線速度Vtによって、2の結合面の間に2つの対向する噴流が作り出される。この噴流作用は、微量の酸化物、表面の汚染物質や何らかの汚れを溶接領域から除去し、衝突をもたらす磁気圧力によって、短時間で金属を塑性変形し、互いに面を合わせることができる。例えば、衝突時における半径方向において、封止シリンダ62の曲げ部分69の実効速度値が150m/秒乃至600m/秒の範囲にあり、接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度Vtが約1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあるときに、この溶接が可能である。
【0064】
溶接に必要とされる作動電圧及びエネルギの値、及び、ギャップ65内誘導コイル22によって発生する磁場B(Teslaで計算される)は、上述のように計算できる。
【0065】
特に、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、誘導コイル(22)と封止シリンダ(62)の間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、衝突における半径方向の封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数である。
【0066】
従って、容器本体部(21)を封止シリンダ(62)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得ることができる。
【0067】
所望される場合、封止機能を強化するために、封止処理の前に弾性Oリング68a及び68bそれぞれを、カバー61と封止シリンダ62の間、カバー61と容器本体部21の端部66の間に配置することができる(図6Cを参照)。
【0068】
図7を参照すると、本発明のさらに別の実施例による封止処理後の容器の断面図が示されている。この実施例に従って、容器本体部21の封止処理は2段階で行われる。第1段階で、容器本体部21、カバー61、及び封止シリンダ62の接合が、図6A及び6Bを参照して上述したように達成される。第2段階で、追加の封止シリンダ71を封止シリンダ62に適用することによって封止を強化できる。このような場合、封止した壁は、封止シリンダ62や71などの2つのシリンダを具える。
【0069】
一実施例に従って、追加の封止シリンダ71が、シリンダ62に関し上述した溶接方法と同じ溶接処理によって封止シリンダ62に接合される。
【0070】
別の実施例に従って、追加の封止シリンダ71を、背景において上述した従来技術の圧着方法のうちの一つによって封止シリンダ62に接合することができる。
【0071】
必要な場合、1以上の追加のシリンダ(図示せず)を用いることによって、封止をさらに強化することができ、これによって、封止壁の全体の厚さが厚くなると理解されるべきである。
【0072】
このように、本発明に関係する当業者は、本発明は好適な実施例に関して開示され、この開示を基礎とする概念は、本発明のいくつかの目的を果たすために他の構造、システム、及び処理を設計するための基礎として容易に用いることができると理解することができる。
【0073】
本発明の容器の実施例は、円形断面の容器本体部について示されているが、本発明の封止方法は、必要な変更を行って任意の断面形状を有する容器の封止に用いることができることは自明である。
【0074】
また、本明細書において使用されている専門用語および術語は、説明のためのものであって、それに限定するものと見なすべきでないことを理解されたい。
【0075】
プロセスについての以下の請求項において、ステップを指定するために用いられるアルファベットは、便宜だけのために付与されているものであって、それらのステップを遂行する如何なる特定の順序も意味しない。
【0076】
したがって、本発明の範囲を、本明細書に述べた例示的な実施の形態に制限されるように解釈しないことが重要である。他の変形例が、添付する請求項およびそれらの均等物において定められる本発明の範囲内において可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を封止するパルス磁気方法において:
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部(21)を提供するステップと;
(b)溶接部(24)を具えるカバー(23)を提供するステップと;
(c)前記カバー(23)の前記溶接部(24)を前記容器本体部(21)の少なくとも1の開放端に配置して、前記容器本体部の少なくとも一部を覆うようにし、これにより、前記容器本体部(21)の前記部分と前記カバー(23)の前記溶接部(24)の間にエアギャップ(26)を規定するステップと;
(d)溶接用誘導コイル(22)を前記容器本体部の周囲の少なくとも前記カバー(23)の前記溶接部(24)が配置された位置に提供するステップと;
(e)前記カバー(23)の前記溶接部(24)を前記エアギャップ(26)内へ前記容器本体部(21)の前記部分周囲で半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記容器本体部(21)と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記カバーの溶接部分(24)の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記容器本体部(24)と前記カバー(23)の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記溶接部(24)が、前記容器本体部(21)の前記開放端近傍に位置することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、接合領域内の前面接触ライン(43)の見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記溶接部(24)と前記容器本体部(21)との溶接に必要とされる作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部(24)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(26)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記溶接部(24)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部(24)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記容器本体部(21)を前記カバー(23)の前記溶接部(24)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部(24)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(26)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記溶接部(24)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部(24)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか1項に記載の方法において、kが2乃至20の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記カバー(23)が前記容器本体部(21)内側に配置される保持部(25)を具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法が、前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップの前に、前記カバー(23)と前記容器本体部(21)の間のギャップ内に弾性Oリング(28)を配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記溶接用誘導コイル(22)が前記溶接部(24)のエッジにパルス磁力を生成するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法がさらに、封止した後、前記容器内に圧縮された二酸化炭素を貯蔵するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1項に従ったパルス磁気方法によって作られたことを特徴とする封止された容器。
【請求項12】
請求項11に記載の封止された容器が圧縮された二酸化炭素を貯蔵することを特徴とする封止された容器。
【請求項13】
容器を封止するパルス磁気方法において:
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部(21)を提供するステップと;
(b)前記容器本体部(21)の端部(66)を中に配置するように構成された凹部(63)を具えるカバー(61)を提供するステップと;
(c)前記少なくとも1の開放端(66)を前記凹部(63)内へ配置するステップと;
(d)封止シリンダ(62)を、当該シリンダ(62)が前記カバー(61)と前記容器本体部(21)の前記端部(66)とを覆い、これにより、これらの間にエアギャップ(65)を規定するように、前記カバー(61)と、前記凹部(63)内に配置された前記容器本体部(21)の前記端部(66)の上に提供するステップと;
(e)溶接用誘導コイル(22)を前記封止シリンダ(62)の周囲の少なくとも前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の前記端部(66)が配置された位置に提供するステップと;
(f)前記封止シリンダ(62)を前記エアギャップ内へ半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の前記端部(66)と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記シリンダ(62)の曲げ部分(69)の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の原子と共に前記封止シリンダ(62)の曲げ部分(69)の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、前記封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記封止シリンダ(62)の間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、前記容器本体部(21)を前記封止シリンダ(62)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、前記封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記封止シリンダ(62)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15又は16のいずれか1項に記載の方法において、kが2乃至20の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法が、前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップの前に、前記エアギャップ(65)内に2つの弾性Oリング(68a及び68b)を配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法が、さらに:
少なくとも1の追加の封止シリンダ(71)を提供するステップと;
前記封止シリンダ(62)の上に前記少なくとも1の追加の封止シリンダ(71)を適用するステップと;
前記追加の封止シリンダ(71)を前記封止シリンダ(62)に合体させるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項13乃至19のいずれか1項に記載の方法がさらに、封止した後、前記容器内に圧縮された二酸化炭素を貯蔵するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項10乃至19のいずれか1項に従ったパルス磁気方法によって作られたことを特徴とする封止された容器。
【請求項22】
請求項21に記載の封止された容器が圧縮された二酸化炭素を貯蔵することを特徴とする封止された容器。
【請求項1】
容器を封止するパルス磁気方法において:
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部(21)を提供するステップと;
(b)溶接部(24)を具えるカバー(23)を提供するステップと;
(c)前記カバー(23)の前記溶接部(24)を前記容器本体部(21)の少なくとも1の開放端に配置して、前記容器本体部の少なくとも一部を覆うようにし、これにより、前記容器本体部(21)の前記部分と前記カバー(23)の前記溶接部(24)の間にエアギャップ(26)を規定するステップと;
(d)溶接用誘導コイル(22)を前記容器本体部の周囲の少なくとも前記カバー(23)の前記溶接部(24)が配置された位置に提供するステップと;
(e)前記カバー(23)の前記溶接部(24)を前記エアギャップ(26)内へ前記容器本体部(21)の前記部分周囲で半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記容器本体部(21)と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記カバーの溶接部分(24)の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記容器本体部(24)と前記カバー(23)の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記溶接部(24)が、前記容器本体部(21)の前記開放端近傍に位置することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、接合領域内の前面接触ライン(43)の見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記溶接部(24)と前記容器本体部(21)との溶接に必要とされる作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部(24)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(26)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記溶接部(24)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部(24)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記容器本体部(21)を前記カバー(23)の前記溶接部(24)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られ、ここで、ρw、rw、δw、及びlwは、前記溶接部(24)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(26)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記溶接部(24)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記カバーの溶接部(24)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか1項に記載の方法において、kが2乃至20の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記カバー(23)が前記容器本体部(21)内側に配置される保持部(25)を具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法が、前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップの前に、前記カバー(23)と前記容器本体部(21)の間のギャップ内に弾性Oリング(28)を配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記溶接用誘導コイル(22)が前記溶接部(24)のエッジにパルス磁力を生成するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法がさらに、封止した後、前記容器内に圧縮された二酸化炭素を貯蔵するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1項に従ったパルス磁気方法によって作られたことを特徴とする封止された容器。
【請求項12】
請求項11に記載の封止された容器が圧縮された二酸化炭素を貯蔵することを特徴とする封止された容器。
【請求項13】
容器を封止するパルス磁気方法において:
(a)少なくとも1の開放端を具える容器本体部(21)を提供するステップと;
(b)前記容器本体部(21)の端部(66)を中に配置するように構成された凹部(63)を具えるカバー(61)を提供するステップと;
(c)前記少なくとも1の開放端(66)を前記凹部(63)内へ配置するステップと;
(d)封止シリンダ(62)を、当該シリンダ(62)が前記カバー(61)と前記容器本体部(21)の前記端部(66)とを覆い、これにより、これらの間にエアギャップ(65)を規定するように、前記カバー(61)と、前記凹部(63)内に配置された前記容器本体部(21)の前記端部(66)の上に提供するステップと;
(e)溶接用誘導コイル(22)を前記封止シリンダ(62)の周囲の少なくとも前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の前記端部(66)が配置された位置に提供するステップと;
(f)前記封止シリンダ(62)を前記エアギャップ内へ半径方向内側へ曲げるために十分なパルス磁力を生成するために必要な所定の値の作動電圧Uを加えることによって前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップであって、前記作動電圧の前記所定の値が、前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の前記端部(66)と衝突したときに150m/秒乃至600m/秒の範囲で前記シリンダ(62)の曲げ部分(69)の実効半径速度値を提供し、これにより、これらの衝突で前記カバー(61)及び前記容器本体部(21)の原子と共に前記封止シリンダ(62)の曲げ部分(69)の原子の相互拡散を提供する値であるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、接合領域内の前面接触ラインの見かけの接線速度が1000m/秒乃至2500m/秒の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、作動電圧Uは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、前記封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記封止シリンダ(62)の間の隙間の厚さ(m)、Cは、パルス溶接装置のエネルギ保存バンクのキャパシタンス(F)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、前記容器本体部(21)を前記封止シリンダ(62)に溶接するために必要なエネルギWは、
によって得られ、ここで、ρcyl、rcyl、δcyl、及びlcylは、前記封止シリンダ(62)の物質密度(kg/m3)、内部半径、厚さ、及び長さ(m)であり、付随して、hgは、前記環状のエアギャップ(65)の厚さ(m)、hcは、前記誘導コイル(22)と前記封止シリンダ(62)の間の隙間(44)の厚さ(m)、Vrは、前記衝突における半径方向の前記封止シリンダ(62)の速度(m/秒)、kは実験係数であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15又は16のいずれか1項に記載の方法において、kが2乃至20の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法が、前記溶接用誘導コイル(22)を励磁するステップの前に、前記エアギャップ(65)内に2つの弾性Oリング(68a及び68b)を配置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法が、さらに:
少なくとも1の追加の封止シリンダ(71)を提供するステップと;
前記封止シリンダ(62)の上に前記少なくとも1の追加の封止シリンダ(71)を適用するステップと;
前記追加の封止シリンダ(71)を前記封止シリンダ(62)に合体させるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項13乃至19のいずれか1項に記載の方法がさらに、封止した後、前記容器内に圧縮された二酸化炭素を貯蔵するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項10乃至19のいずれか1項に従ったパルス磁気方法によって作られたことを特徴とする封止された容器。
【請求項22】
請求項21に記載の封止された容器が圧縮された二酸化炭素を貯蔵することを特徴とする封止された容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【公表番号】特表2009−537327(P2009−537327A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510618(P2009−510618)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000595
【国際公開番号】WO2007/132468
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(500307775)パルサー・ウェルディング・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000595
【国際公開番号】WO2007/132468
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(500307775)パルサー・ウェルディング・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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