説明

高速ガス切り替えプラズマ処理装置

【解決手段】電極を有するプラズマ閉じ込め区域を備えたプラズマチャンバを提供する。第1のガスおよび第2のガスを供給するガス分配システムが、プラズマチャンバに接続されており、ガス分配システムは、1秒未満の期間内でプラズマ区域内の一方のガスを他方のガスで実質的に置き換えることができる。第1の周波数帯域で電極に電力を提供するための第1の周波数調整RF電源が、少なくとも1つの電極に電気的に接続されており、第1の周波数整RF電源は、反射RF電力を最小化することができる。第1の周波数帯域の外側の第2の周波数帯域で前記プラズマチャンバに電力を供給するための第2の周波数調整RF電源が備えられており、第2の周波数調整RF電源は、反射RF電力を最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体構造は、プラズマ処理チャンバと、処理ガスをチャンバに供給するガス源と、処理ガスからプラズマを生成するエネルギ源とを備えたプラズマ処理装置内で処理される。半導体構造は、かかる装置内で、ドライエッチング処理、蒸着処理(金属、誘導体、および、半導体材料の化学蒸着(CVD)、物理蒸着、または、プラズマ化学蒸着(PECVD)など)、および、レジスト剥離処理などの技術によって処理される。これらの処理技術に対して、また、半導体構造における異なる材料の処理に対して、異なる処理ガスが利用される。
【発明の概要】
【0002】
上記に鑑みて本発明の目的に従い、プラズマウエハ処置ツールが提供される。体積を有するプラズマ閉じ込め区域と少なくとも1つの電極とを備えたプラズマチャンバが準備される。第1のガスおよび第2のガスを供給するためのガス分配システムがプラズマチャンバに接続されており、ガス分配システムは、1秒未満の期間内で、プラズマ区域内の第1のガスおよび第2のガスの内の一方を第1のガスおよび第2のガスの内の他方で実質的に置き換えることが可能であり、プラズマ区域内で第1のガスから形成される第1のプラズマは、第1のインピーダンス負荷を提供し、プラズマ区域内で第2のガスから形成される第2のプラズマは、第1のインピーダンス負荷と異なる第2のインピーダンス負荷を提供する。第1の周波数帯域で前記少なくとも1つの電極に電力を供給するための第1の周波数調整RF電源が、少なくとも1つの電極に電気的に接続されており、反射RF電力を受信して、反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる。第1の周波数帯域の外側の第2の周波数帯域でプラズマチャンバに電力を供給するための第2の周波数調整RF電源が、備えられており、反射RF電力を受信して、反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる。
【0003】
本発明の別の態様では、プラズマ処理装置が提供される。内側区域および外側区域を有するシャワーヘッド電極アセンブリと、約1/2リットルから4リットルの内部容積とを備えたプラズマ処理チャンバが準備される。ガス分配システムが、シャワーヘッド電極アセンブリの内側および外側区域と流体連通しており、約1秒未満の期間内に、プラズマ閉じ込め区域内の第1の処理ガスまたは第2の処理ガスを第1の処理ガスまたは第2の処理ガスの内の他方で実質的に置き換えるよう動作可能である。ガス分配システムは、第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを供給するガス供給システムと、ガス供給システムと流体連通し、第1の処理ガスの流れを第1の処理ガスの内側区域流および第1の処理ガスの外側区域流に分流させると共に、第2の処理ガスの流れを第2の処理ガスの内側区域流および第2の処理ガスの外側区域流に分流させる流量制御システムと、流量制御システムとガス分配部材の内側区域および外側区域との間に流体連通し、第1の処理ガスの内側区域流と第2の処理ガスの内側区域流との間でガス分配部材の内側区域への流れを切り替え、第1の処理ガスの外側区域流と第2の処理ガスの外側区域流との間でガス分配部材の外側区域への流れを切り替える切り替え部と、を備える。第1の周波数帯域でプラズマ処理装置に電力を供給するための第1の周波数調整RF電源が備えられており、反射RF電力を受信して、反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる。第1の周波数帯域の外側の第2の周波数帯域でプラズマ処理装置に電力を供給するための第2の周波数調整RF電源が備えられており、反射RF電力を受信して、反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる。
【0004】
本発明の別の態様では、プラズマ処理チャンバ内で半導体構造を処理する方法が提供される。a)第2の処理ガスをバイパスラインに迂回させつつ、第1の処理ガスがプラズマ処理チャンバ内に供給され、プラズマ処理チャンバは、少なくとも1つの層と、その層の上に位置するパターニングされたレジストマスクとを備えた半導体基板を収容する。b)第1の処理ガスは励起されて第1のインピーダンス負荷を有する第1のプラズマを生成し、(i)層に少なくとも1つのフィーチャをエッチングする、または、(ii)マスク上にポリマ蒸着物を形成する。c)第1のRF電源が、第1のインピーダンス負荷に整合するように第1の周波数に周波数同調される。d)第2のRF電源が、第1のインピーダンス負荷に整合するように第1の周波数とは異なる第2の周波数に周波数同調される。e)第1の処理ガスをバイパスラインに迂回させつつ、第2の処理ガスがプラズマ処理チャンバ内に供給されるように、第1および第2処理ガスの流れが切り替えられ、第1の処理ガスは、プラズマ処理チャンバのプラズマ閉じ込め区域において、約1秒未満の期間内に第2の処理ガスで実質的に置き換えられる。f)第2の処理ガスは励起されて第1のインピーダンス負荷とは異なる第2のインピーダンス負荷を有する第2のプラズマを生成し、(iii)層に少なくとも1つのフィーチャをエッチングする、または、(iv)層およびマスク上にポリマ蒸着物を形成する。g)第1のRF電源は、第2のインピーダンス負荷に整合するように、第1および第2の周波数とは異なる第3の周波数に周波数同調される。h)第2のRF電源は、第2のインピーダンス負荷に整合するように、第1、第2、および、第3の周波数とは異なる第4の周波数に周波数同調される。i)第2の処理ガスをバイパスラインに迂回させつつ、第1の処理ガスがプラズマ処理チャンバ内に供給されるように、第1および第2処理ガスの流れが切り替えられ、第2の処理ガスは、プラズマ処理チャンバのプラズマ閉じ込め区域において、約1秒未満の期間内に第1の処理ガスで実質的に置き換えられる。j)基板に対して、工程b)ないしi)が複数回繰り返される。
【0005】
添付の図面を参照しつつ行う本発明の詳細な説明において、本発明の上述の特徴およびその他の特徴を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ガス分配システムの好ましい実施形態と共に利用できるプラズマ処理装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】ガス分配システムの好ましい実施形態を示す図。
【図3】ガス分配システムのガス供給部の好ましい実施形態を示す図。
【図4】ガス分配システムの流量制御部の好ましい実施形態を示す図。
【図5】ガス分配システムのガス切り替え部の第1の好ましい実施形態を示す図。
【図6】ガス分配システムのガス切り替え部の第2の好ましい実施形態を示す図。
【図7】ガス分配システムのガス切り替え部の第3の好ましい実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
半導体基板(例えば、シリコンウエハ)上に形成された半導体デバイスなどの半導体材料を処理するためのプラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバに処理ガスを供給するガス分配システムとを備える。ガス分配システムは、プラズマ処理中に基板の表面における単一の区域または複数の区域にガスを分配することができる。ガス分配システムは、それらの区域への同一または異なる処理ガス(またはガス混合物)の流量比を制御するための流量制御部を備えてよく、それにより、基板全体でのガス流量およびガス組成の均一性を処理中に調節することができる。
【0008】
複数区域ガス分配システムは、単一区域システムに比べて、流量制御を改善できるものの、ガス組成および/またはガス流量を短期間で変更できる基板処理動作を可能にする構成を、かかるシステムに備えることが望ましい場合がある。
【0009】
異なるガス組成および/または流量比をチャンバに供給するガス分配システムが提供されている。好ましい実施形態において、ガス分配システムは、プラズマ処理装置のプラズマ処理チャンバなど、真空チャンバの内部と流体連通し、処理動作中に、異なるガス化学組成および/またはガス流量を真空チャンバに供給することができるよう適合されている。プラズマ処理装置は、RFエネルギ、マイクロ波エネルギ、磁場などを用いてプラズマを生成するエネルギ源を備える低密度、中密度、または、高密度プラズマリアクタであってよい。例えば、高密度プラズマは、誘導結合プラズマリアクタとしても知られるトランス結合プラズマ(TCP(商標))リアクタ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマリアクタ、容量型放電などにおいて生成可能である。ガス分配システムの好ましい実施形態と共に利用できるプラズマリアクタの例としては、カリフォルニア州フレモントにあるラムリサーチ社から入手可能な2300Excelan(商標)プラズマリアクタなど、Exelan(商標)プラズマリアクタが挙げられる。プラズマエッチング処理中に、電極と静電チャックとを組み込んだ基板支持体に対して、複数の周波数を印加することができる。あるいは、二重周波数プラズマリアクタにおいて、基板支持体および電極(基板から離間したシャワーヘッド電極など)に対して、異なる周波数を印加することができる。
【0010】
ガス分配システムの好ましい実施形態は、プラズマ処理チャンバなどの真空チャンバの内部に、単一の区域または複数の区域、好ましくは、少なくとも、処理される基板の露出表面に隣接したガス分配部材の内側区域および外側区域、を通して第1のガスを供給することができる。内側および外側区域は、プラズマ処理チャンバ内で、互いに半径方向に離間しており、互いに流れが遮断されていることが好ましい。ガス分配システムは、同時に、第1のガスとは異なる第2のガスを真空チャンバのバイパスラインに迂回させることができる。バイパスラインは、真空ポンプなどと流体連通してよい。好ましい実施形態において、第1のガスは第1の処理ガスであり、第2のガスは別の処理ガスである。例えば、第1のガスは、第1のエッチングガス化学物質または蒸着ガス化学物質であってよく、第2のガスは、別のエッチングガス化学物質または蒸着ガス化学物質であってよい。ガス分配システムは、第2のガスがバイパスラインに迂回されている間に、異なる流量に制御された第1のガスをそれぞれ内側区域および外側区域に同時に供給することが可能であり、その逆を行うこともできる。ガスの内の一方をバイパスラインに迂回させることによって、真空チャンバに供給されるガスの変更を短時間で行うこができる。
【0011】
ガス分配システムは、単一の区域または複数の区域を備えた真空チャンバの内部に供給される第1のガスおよび第2のガスの間で、短時間にガス切り替えまたはガス変更を行うことを可能にする切り替え装置を備える。複数区域システムに対して、ガス分配システムは、第2のガスがバイパスラインに迂回されている間に第1のガスを内側区域および外側区域に供給し、その後、第1のガスがバイパスラインに迂回されている間に第2のガスが内側区域および外側区域に供給されるように短時間でガスの分配を切り替えることができる。ガス分配システムは、異なるガス化学物質を用いる異なる処理動作(例えば、半導体デバイスの処理方法において交互に行う工程)の速やかな変更を可能にするために、第1および第2のガスを真空チャンバの内部にそれぞれ所望の期間にわたって交互に供給することができる。好ましい実施形態において、かかる方法の工程は、複数の異なるエッチング工程(例えば、メインエッチングなどの比較的速いエッチング工程およびオーバエッチング工程などの比較的遅いエッチング工程)、エッチング工程および材料蒸着工程、または、基板上に異なる材料を蒸着する複数の異なる材料蒸着工程であってよい。
【0012】
ガス分配システムの好ましい実施形態では、真空チャンバ内の密閉領域(好ましくはプラズマ閉じ込め区域)内の或る体積のガス組成物が、真空チャンバに導入された別のガス組成物によって短期間で置き換えられる(すなわち、流し出される)ことが可能である。かかるガスの置き換えは、迅速な切り替え能力を有するバルブをガス分配システムに備えることによって、約1秒未満で実行可能であることが好ましく、約200ミリ秒未満で実行可能であることがより好ましい。プラズマ閉じ込め区域は、200mmまたは300mmのウエハを処理するプラズマ処理チャンバについては約1/2リットルから約4リットルのガス容積を有しうる。プラズマ閉じ込め区域は、共同所有の米国特許第5,534,751号に開示されているものなど、閉じ込めリングのスタックによって規定されることが可能であり、その米国特許は、参照によって本願に全体が組み込まれる。
【0013】
図1は、ガス分配システム100の実施形態と共に利用できる半導体材料プラズマ処理装置10の一例を示す図である。装置10は、プラズマ処理中に基板16を支持する基板支持体14を含む内部を有する真空チャンバすなわちプラズマ処理チャンバ12を備える。基板支持体14は、処理中に基板16を基板支持体14上に固定するよう動作可能な固定装置(静電チャック18であることが好ましい)を備える。基板は、フォーカスリングおよび/またはエッジリング、接地延長部またはその他の部品、例えば、共同所有の米国特許出願公開第2003/0029567号に公開されている部品など、によって取り囲まれてよく、その米国特許出願は、参照によって本願に全体が組み込まれる。
【0014】
好ましい実施形態において、プラズマ処理チャンバ12は、約1/2リットルから約4リットル、好ましくは約1リットルから約3リットル、の容積を有するプラズマ閉じ込め区域を備える。例えば、プラズマ処理チャンバ12は、プラズマ閉じ込め区域を規定するために、共同所有の米国特許第5,534,751号に開示されているような、閉じ込めリング構成を備えることが可能であり、この米国特許は、参照によって本願に全体が組み込まれる。ガス分配システムは、プラズマ閉じ込め区域内のかかる体積のガスを、約1秒未満、好ましくは約200マイクロ秒未満の期間内に、実質的な逆拡散なしに、別のガスに置き換えることができる。閉じ込めリング120などの閉じ込め機構は、プラズマ体積から、プラズマ処理チャンバ12の内部におけるプラズマ体積以外の部分への流体の流れを制限することができる。
【0015】
基板16は、シリコンウエハなどの基材と、基材の上に配置され、処理(例えば、エッチング)を施される材料の中間層と、中間層の上のマスキング層と、を備えてよい。中間層は、導電体、誘電体、または、半導体材料であってよい。マスキング層は、中間層および/または1以上の他の層に、所望のフィーチャ(例えば、ホール、ビア、および/または、トレンチ)をエッチングするための開口パターンを有するパターニングされたフォトレジスト材料であってよい。基板は、基材上に形成される半導体デバイスのタイプに応じて、基材とマスキング層との間に、導電体、誘電体、または、半導体材料の追加の層を備えることができる。
【0016】
処理可能な誘電体材料の例としては、例えば、フッ素添加酸化シリコンなどのドープ酸化シリコン、二酸化シリコンなどの非ドープ酸化シリコン、スピンオンガラス、ケイ酸塩ガラス、ドープまたは非ドープ熱酸化シリコン、および、ドープまたは非ドープのTEOSを蒸着された酸化シリコンが挙げられる。かかる誘導体材料は、多結晶シリコンなどの導電体または半導体層;アルミニウム、銅、チタン、タングステン、モリブデン、および、それらの合金などの金属;窒化チタンなどの窒化物;ケイ化チタン、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデンなどの金属ケイ化物、の上に配置されてよい。
【0017】
図1に示したプラズマ処理装置10の一例は、プラズマチャンバの壁を形成する支持板20と、支持板に取り付けられたシャワーヘッド22とを有するシャワーヘッド電極アセンブリを備える。シャワーヘッドの背面28に処理ガスを均一に供給するために、バッフルアセンブリがシャワーヘッド22と支持板20との間に配置されている。バッフルアセンブリは、1または複数のバッフル板を備えてよい。この実施形態では、バッフルアセンブリは、バッフル板30A、30B、および、30Cを含む。開放プレナム48A、48B、および、48Cが、バッフル板30A、30B、および、30Cの間と、バッフル板30Cおよびシャワーヘッド22の間とに規定されている。バッフル板30A、30B、および、30Cとシャワーヘッド22は、プラズマ処理チャンバ12の内部へ処理ガスを流入させるための貫通流路を備える。
【0018】
第1の周波数調整RF電源104が、制御部500に制御可能に接続されており、第1の機械整合器106を通してシャワーヘッド電極22へ電力を供給する。第1の周波数調整RF電源104は、可変周波数を供給し、この実施形態では、可変周波数は、1.7MHzから2.2MHzの範囲であるため、2MHzは可変周波数帯域内に存在する。第1の周波数調整RF電源は、出力電力および反射RF電力を受信して測定し、1.7MHzから2.2MHzの周波数帯域内で周波数を変化させることで第1の周波数調整RF電源104からの反射RF電力を最小化するよう形成される。
【0019】
第2の周波数調整RF電源108が、制御部500に制御可能に接続されており、第2の機械整合器110を通してシャワーヘッド電極22へ電力を供給する。第2の周波数調整RF電源108は、可変周波数を供給し、この実施形態では、可変周波数は、26.7MHzから27.2MHzの範囲であるため、27MHzは可変周波数帯域内に存在する。第2の周波数調整RF電源は、出力電力および反射RF電力を受信して測定し、26.7MHzから27.2MHzの周波数帯域内で周波数を変化させることで第2の周波数調整RF電源108からの反射RF電力を最小化するよう形成される。
【0020】
第3の周波数調整RF電源112が、制御部500に制御可能に接続されており、第3の機械整合器114を通してシャワーヘッド電極22へ電力を供給する。第3の周波数調整RF電源112は、可変周波数を供給し、この実施形態では、可変周波数は、59.7MHzから60.2MHzの範囲であるため、60MHzは可変周波数帯域内に存在する。第3の周波数調整RF電源は、出力電力および反射RF電力を受信して測定し、59.7MHzから60.2MHzの周波数帯域内で周波数を変化させることで第3の周波数調整RF電源112からの反射RF電力を最小化するよう形成される。
【0021】
この例において、第1、第2、および、第3の周波数調整RF電源は、RF調整を提供するために、0.5MHzの範囲で周波数を変化させる。他の実施形態においては、周波数調整RF電源は、2MHz未満の範囲で周波数を変化させる。周波数調整RF電源は、1MHz未満の範囲で周波数を変化させることが、より好ましい。調整帯域は、反射電力を最小化するのに十分大きい上で、高速の調整を可能にするのに十分小さいことが好ましい。
【0022】
実施形態において、板20およびバッフル板30Aの間のプレナムと、バッフル板30A、30B、および、30Cの間のプレナム48A、48B、および、48Cは、Oリングなどのシール38a、38b、38c、および、38dによって内側区域42および外側区域46に分割される。内側区域42および外側区域46は、好ましくは、制御部500の制御下で、ガス分配システム100によって、それぞれ異なるガス化学組成および/または流量を有する処理ガスを供給されることができる。ガスは、内側区域ガス供給部40から内側区域42へ供給され、外側区域ガス供給部44から環状チャネル44aおよびその後外側区域46へ供給される。処理ガスは、バッフル板30A、30B、30C、および、シャワーヘッド22内の流路を通って、プラズマ処理チャンバ12の内部へ流れる。
【0023】
他の好ましい実施形態において、プラズマ処理装置10は、プラズマ処理チャンバ内に処理ガスを注入するガス注入システムを備えてもよい。例えば、ガス注入システムは、共同所有の米国特許出願第09/778,365号、米国特許出願第10/024,208号、米国特許第6,013,155号、または、米国特許第6,270,862号に開示されているような構成を有してよく、それぞれ、参照によって本願に全体が組み込まれる。
【0024】
処理ガスは、電極22を駆動するRF電源または基板支持体14の電極を駆動する電源などの電源によって、プラズマ処理チャンバ12内で励起されてプラズマ状態になる。電極22に印加されたRF電力は、異なるガス組成がプラズマ処理チャンバ12に供給される時に、好ましくは約1秒未満の期間内で、さらに好ましくは約200マイクロ秒未満の期間内で、変更されることができる。ガス組成の変化は、ガスからの負荷すなわちインピーダンスを変化させうる。第1のRF電源104、第2のRF電源108、第3のRF電源112は、機械インピーダンス整合器を有してよいが、かかるデバイスは、異なるガス組成が約1秒未満の期間内に供給される時に変化するインピーダンスの整合に十分なほど高速でない場合がある。したがって、第1、第2、および、第3のRF電源は、可変周波数を有しており、出力および反射RF電力を測定し、周波数を変化させることで反射RF電力を最小化することができる。反射RF電力を最小化することで、処理チャンバ内のプラズマからの負荷のインピーダンスを、整合器を通したRF電力に整合させる。
【0025】
図2は、ガス分配システム100が、互いに流体連通するガス供給部200、流量制御部300、ガス切り替え部400を備える好ましい実施形態を示す図である。ガス分配システム100は、さらに、制御部500(図1)を備えることが好ましく、制御部500は、ガス供給部200、流量制御部300、および、ガス切り替え部400の動作を制御するよう制御通信に結合している。
【0026】
ガス分配システム100において、ガス供給部200は、第1および第2の処理ガスなど、異なるガスを、それぞれ第1および第2のガスライン235および245を通して流量制御部300に供給することができる。第1および第2のガスは、互いに異なる組成および/またはガス流量を有することができる。
【0027】
流量制御部300は、切り替え部400に供給可能な異なるガスの流量の制御、および、随意的に組成の調整、を行うよう動作可能である。流量制御部300は、異なる流量および/または化学的組成の第1および第2のガスを、それぞれ、ガス流路324、326、および、ガス流路364、366を通して、切り替え部400に供給することができる。さらに、(他方のガスが、ターボポンプと粗引きポンプの間など、真空ポンプシステムと流体連通可能なバイパスライン50に迂回されている間に)プラズマ処理チャンバ12に供給される第1のガスおよび/または第2のガスの流量および/または化学的組成は、内側区域42と外側区域46に対して異なることができる。したがって、流量制御部300は、基板16全体にわたって所望のガス流量および/またはガスの化学的組成を提供することにより、基板処理の均一性を高めることができる。
【0028】
ガス分配システム100において、切り替え部400は、単一の区域または複数の区域(例えば、内側区域42と外側区域46など)内で第2のガスによって第1のガスを置き換えることを可能にするために短期間内で第1のガスから第2のガスへ切り替えつつ、同時に第1のガスをバイパスラインに迂回させるように動作可能であり、その逆も可能である。ガス切り替え部400は、いずれのガス流においても望ましくない圧力サージおよび流量不安定性の発生なしに、第1および第2のガスの間の切り替えを実行できることが好ましい。必要であれば、ガス分配システム100は、プラズマ処理チャンバ12を通して第1および第2のガスの実質的に一定の連続的な体積流量を維持することができる。
【0029】
図3は、ガス分配システム100のガス供給部200の好ましい実施形態を示している。ガス供給部200は、流量制御構成要素(バルブおよび流量制御部など)の動作を制御し、ガス供給部200によって供給可能な2以上のガスの組成の制御を可能にするように、制御装置500と接続されていることが好ましい。実施形態において、ガス供給部200は、それぞれが第1のガスライン235および第2のガスライン245と流体連通している複数のガス源202、204、206、208、210、212、214、および、216を備えている。したがって、ガス供給部200は、多くの異なる所望のガス混合物をプラズマ処理チャンバ12に供給することができる。ガス分配システム100が備えるガス源の数は、ガス源の任意の特定の数に限定されることはないが、少なくとも2つの異なるガス源を備えることが好ましい。例えば、ガス供給部200が備えるガス源は、図3に示した実施形態に含まれる8つのガス源より多くても少なくてもよい。例えば、ガス供給部200は、2、3、4、5、10、12、16またはそれ以上のガス源を備えてもよい。それぞれのガス源によって供給可能な異なるガスとしては、O2、Ar、H2、Cl2、N2など、個々のガスと、CF4、CH3Fなど、フルオロカーボンおよび/またはフルオロハイドロカーボンのガスと、が挙げられる。好ましい一実施形態において、プラズマ処理チャンバは、エッチングチャンバであり、ガス源202−216は、Ar、O2、N2、Cl2、CH3、CF4、C48、および、CH3FまたはCHF3を(任意の適切な順番で)供給することができる。それぞれのガス源202−216によって供給される特定のガスは、例えば、特定のドライエッチングおよび/または材料蒸着処理など、プラズマ処理チャンバ12内で実行される所望の処理に基づいて選択可能である。ガス供給部200は、エッチング処理および/または材料蒸着処理の実行のために供給可能なガスの選択に関して幅広い対応が可能である。
【0030】
ガス供給部200は、ガス組成を調整するために、少なくとも1つの調整ガス源をさらに備えることが好ましい。調整ガスは、例えば、O2、アルゴンなどの不活性ガス、または、フルオロカーボンまたはフルオロハイドロカーボンガスなどの反応性ガス(例えば、C48)であってよい。図3に示す実施形態において、ガス供給部200は、第1の調整ガス源218および第2の調整ガス源219を備えている。以下に述べるように、第1の調整ガス源218および第2の調整ガス源219は、ガス切り替え部400に供給される第1および/または第2のガスの組成を調整するために調整ガスを供給することができる。
【0031】
図3に示したガス供給部200の実施形態において、流量制御装置240が、ガス源202、204、206、208、210、212、214、および、216とそれぞれ流体連通するガス流路222、224、226、228、230、232、234、および、236の各々に配置され、さらに、第1の調整ガス源218および第2の調整ガス源219にそれぞれ流体連通するガス流路242、244に配置されていることが好ましい。流量制御装置240は、関連するガス源202−216および218、219によって供給されるガスの流れを制御するように動作可能である。流量制御装置240は、マスフローコントローラ(MFC)であることが好ましい。
【0032】
図3に示した実施形態では、バルブ250および252が、ガス流路に沿って各ガス源202−216の下流に配置されている。バルブ250および252は、好ましくは制御部500の制御下で、異なるガス混合物が第1のガスライン235および/または第2のガスライン245に流されることを可能にするよう選択的に開閉されることができる。例えば、ガス源202−216の内の1または複数と関連するバルブ252を(その他のガス源202−216と関連する残りのバルブ252が閉じられた状態で)開けることによって、第1のガス混合物を第1のガスライン235に供給することができる。同様に、他方のガス源202−216の内の1または複数と関連するバルブ250を(その他のガス源202−216と関連する残りのバルブ250が閉じられた状態で)開けることによって、第2のガス混合物を第2のガスライン245に供給することができる。したがって、ガス供給部200の動作を制御することによって、様々な混合および質量流量の第1および第2のガスを、第1のガスライン235および第2のガスライン245に供給することが可能である。
【0033】
好ましい実施形態において、ガス供給部200は、それぞれ、第1のガスライン235および第2のガスライン245を通して、第1のガスおよび第2のガスの連続的な流れを供給するように動作可能である。第1のガスまたは第2のガスは、他方のガスがバイパスラインに迂回された状態で、プラズマ処理チャンバ12に流される。バイパスラインは、真空ポンプなどに接続されてよい。第1および第2のガスの両方を連続的に流すことによって、ガス分配システム100は、ガス流の迅速な変更を実現できる。
【0034】
図4は、ガス分配システム100の流量制御部300の好ましい実施形態を示している。流量制御部300は、ガス供給部200からの第1のガスライン235と流体連通した第1の流量制御部305と、ガス供給部200からの第2のガスラインと流体連通した第2の流量制御部315とを含む。流量制御部300は、第2のガスがバイパスラインに迂回された状態で、内側区域42および外側区域46にそれぞれ供給される第1のガスの比を制御し、第1のガスがバイパスラインに迂回された状態で、内側区域42および外側区域46にそれぞれ供給される第2のガスの比を制御するよう動作可能である。第1の流量制御部305は、第1のガスライン235に導入された第1のガスの流れを、第1のガスの2つの別個の流出に分け、第2の流量制御部315は、第2のガスライン245に導入された第2のガスの流れを、第2ガスの2つの別個の流出に分ける。第1の流量制御部305は、切り替えシステム400を介して内側区域42および外側区域46とそれぞれ流体連通した第1および第2のガス流路324および326を備え、第2の流量制御部315は、切り替えシステム400を介して内側区域42および外側区域46とそれぞれ流体連通した第1および第2のガス流路364および366を備える。
【0035】
好ましい構成において、第1の流量制御部305および第2の流量制御部315は、それぞれ、少なくとも2つの流量制限器を備える。各流量制限器を通るガス流の制限サイズは固定していることが好ましい。流量制限器は、オリフィスであることが好ましい。流量制限器は、ガス流を制限し、オリフィス上流のガス流路の領域とオリフィスの近傍においてほぼ一定のガス圧を維持する。第1の流量制御部305および第2の流量制御部315の各々は、例えば、2、3、4、5、または、それ以上のオリフィスのネットワークを備えることが好ましく、各オリフィスは、例えば、異なる直径または異なる断面積など、異なる断面制限サイズを有することが好ましい。オリフィスの制限サイズは、ガス分配システム100のガス流路の他の部分の断面積よりも小さい。オリフィスは、音速オリフィスであることが好ましい。ガス流は、与えられたオリフィスの流れコンダクタンスがその制限サイズおよび上流の圧力だけによって決定されるように、流量制御部300において臨界流れ様式で操作されることが好ましい。オリフィスの流れコンダクタンスが増大すると、オリフィスを通して所与の流量を実現するためのオリフィスを通しての圧力降下が小さくなる。
【0036】
図4に示した実施形態において、第1および第2の流量制御部305および315は各々、5つのオリフィス330、332、334、336、および、338を備える。例えば、オリフィス330、332、334、336、および、338は、それぞれ、1、2、4、8、および、16など相対的な制限サイズ(例えば、直径)を有しうる。これによると、ガス流がすべての5つのオリフィス330−338で起きる場合、4つのオリフィス330−336は、単一のオリフィス338のコンダクタンスとほぼ同じ総コンダクタンスを有する。あるいは、オリフィス338のコンダクタンスに対するオリフィス330−336の総コンダクタンスの様々な比を提供して、内側区域42および外側区域46へ第1のガス流および第2のガス流を異なる比で供給するために、4つのオリフィス330−336の内の3つまでを開くこともできる。
【0037】
別の実施形態は、別の数のオリフィスを備えてよく、例えば、オリフィス338と、複数のオリフィス330−336の代わりの第2のオリフィスなど、全部で2つのオリフィスを備えてもよい。第2のオリフィスは、オリフィス338と同じ制限サイズを有することが好ましい。かかる実施形態においては、内側区域42および外側区域46に供給される第1のガスおよび/または第2ガスの流量比は、約1対1である。
【0038】
オリフィスへの第1および第2のガスの流れを制御するために、それぞれのオリフィス330−338の上流に、バルブ320が配置されることが好ましい。例えば、第1の流量制御部305および/または第2の流量制御部315において、バルブ320の内の1または複数を開くことで、他のバルブ320が、オリフィス338に第1のガスおよび/または第2のガスが流れることを可能にするよう開かれている状態で、第1のガスおよび/または第2のガスが、関連するオリフィス330−336の内の1または複数に流れることを可能にすることができる。
【0039】
第1の流量制御部305において、オリフィス330−336は、ガス流路322と流体連通している。ガス流路322は、ガス切り替え部と流体連通している第1および第2のガス流路324および326に分岐される。第1の流量制御部305のオリフィス330−336の内の1または複数を通して内側区域42および/または外側区域46に流される第1のガスの流れを制御するために、一対のバルブ320が、第1および第2のガス流路324、326に配置されている。別の実施形態においては、ガス流路324および326に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0040】
第1の流量制御部305において、オリフィス338は、ガス流路319に沿って配置されている。ガス流路319は、第1および第2のガス流路324、326にそれぞれ流体連通するガス流路331、333に分岐される。オリフィス338を通して第1および第2のガス流路324、326に流される第2のガスの流れを制御するために、一対のバルブ320が、ガス流路331、333に配置されている。別の実施形態においては、ガス流路331および333に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0041】
第2の流量制御部315においては、オリフィス330−336の内の1または複数を通してプラズマ処理チャンバの内側区域42および外側区域46に流される第2のガスの流量を制御するために、一対のバルブ320が、第1および第2のガス流路364および366に沿って配置されている。別の実施形態においては、ガス流路364および366に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0042】
第2の流量制御部315において、オリフィス338は、ガス流路359に沿って配置されている。ガス流路359は、第1および第2のガス流路364、366にそれぞれ流体連通しているガス流路372、374に分岐される。オリフィス338を通して第1のガス流路364および/または第2のガス流路366に流される第2のガスの流れを制御するために、一対のバルブ320が、ガス流路372および374に配置されている。別の実施形態においては、ガス流路372および374に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0043】
オリフィス330−336は、ガス分配システム100がプラズマ処理チャンバ12に流されるガスを第1のガスから第2のガスへ変更する時、および、その逆の変更を行う時に、ガス流における圧力サージおよび流量不安定性を防ぐために、流量制御部300に備えられている。
【0044】
図4に示した実施形態において、第1の調整ガス源218のガス流路242(図3)は、第1のガス組成を調整するために、第1の調整ガスを第1の流量制御部305の第1のガス流路324および/または第2のガス流路326へ供給するよう構成されている。第2の調整ガス源219のガス流路244(図3)は、第2のガス組成を調整するために、第2の調整ガスを第2の流量制御部315の第1のガス流路364および/または第2のガス流路366へ供給するよう構成されている。第1および第2の調整ガスは、同じ調整ガスであってもよいし異なる調節ガスであってもよい。
【0045】
流量制御装置340(MFCであることが好ましい)が、ガス流路242に沿って配置されている。バルブ320が、それぞれ、ガス流路326、324への第1の調整ガスの流れを制御するために、ガス流路337、339に沿って配置されている。別の実施形態においては、ガス流路337、339に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0046】
流量制御装置340(MFCであることが好ましい)が、ガス流路244に沿って配置されている。バルブ320が、それぞれ、ガス流路366、364への第2の調整ガスの流れを制御するために、ガス流路376、378に沿って配置されている。別の実施形態においては、ガス流路376、378に沿って配置された一対のバルブ320は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0047】
図4に示した流量制御部300の実施形態においては、第1の流量制御部305および第2の流量制御部315は、同じ構成に配列された同じ構成要素を備えている。しかしながら、ガス分配システム100の他の好ましい実施形態においては、第1の流量制御部305および第2の流量制御部315は、互いに異なる構成要素および/または構成を有することができる。例えば、第1の流量制御部305および第2流量制御部315は、異なる数のオリフィスおよび/または互いに異なる制限サイズのオリフィスを備えてよい。
【0048】
ガス分配システム100において、ガス切り替えシステム400は、流量制御部300と、真空チャンバの内部と、第1および第2ガスが流されるバイパスラインとに流体連通している。ガス切り替えシステム400の第1の好ましい実施形態を、図5に示す。ガス切り替えシステム400は、プラズマ処理チャンバ12の内側区域42および外側区域46の両方に第1および第2のガスを交互に供給することができる。ガス切り替えシステム400は、第1の流量制御部305の第1のガス流路324および第2のガス流路326と、第2のガス制御部315の第1のガス流路364および第2のガス流路366とに流体連通している。第1および第2のガスの変更の間の望ましくない圧力サージを防止するために、オリフィス430が、ガス流路324、326、364、および、366の各々に沿って配置されている。
【0049】
第1の流量制御部305の第1のガス流路324は、ガス流路448、450に分岐され、第1の流量制御部305の第2のガス流路326は、ガス流路442、444に分岐されており、第2の流量制御部315の第1のガス流路364は、ガス流路452、454に分岐され、第2の流量制御部315の第2のガス流路366は、ガス流路456、458に分岐されている。実施形態において、ガス流路442は、プラズマチャンバ12の外側区域46と流体連通しており、ガス流路448は、プラズマ処理チャンバ12の内側区域42と流体連通しており、ガス流路444は、バイパスラインを提供する。ガス流路456は、外側区域46へのガス流路442と流体連通している。ガス流路452は、内側区域42へのガス流路448と流体連通している。ガス流路450、454、および、458は、バイパスラインにつながるガス流路444と流体連通している。
【0050】
バルブ440が、ガス流路442、444、448、450、452、454、456、および、458の各々に沿って配置されている。別の実施形態においては、ガス流路442、444、448、450、452、454、および、456、458に沿って配置されたバルブ440の各対は、1つの四方バルブに置き換えることができる。バルブ440は、第1または第2のガスをチャンバへ供給しつつ、同時に他方のガスをバイパスラインに迂回させるために、好ましくは制御部500の制御下で、選択的に開閉されることが可能である。
【0051】
例えば、プラズマ処理チャンバ12の内側区域42および外側区域46に第1のガスを供給しつつ、バイパスラインに第2のガスを迂回させるには、ガス流路442、448および454、458に沿ったバルブ440が開かれると共に、ガス流路440、450および452、456に沿ったバルブ440が閉じられる。第1のガスがバイパスラインに迂回されつつ、第2ガスがプラズマ処理チャンバ12の内側区域42および外側区域46に供給されるようにガス流を切り替えるには、ガス流路444、450および452、456に沿ったバルブ440が開かれると共に、ガス流路442、448および454、458に沿ったバルブ440が閉じられる。換言すると、プラズマ処理チャンバ12に第1のガスを提供するには、第1群のバルブ440を開くと共に、第2群のバルブ440を閉じ、その後、プラズマ処理チャンバに第2のガスを供給するには、ガス流を変更するために、同じ第1群のバルブを閉じると共に、同じ第2群のバルブ440を開く。
【0052】
ガス切り替えシステム400において、バルブ440は高速切り替えバルブである。本明細書では、「高速切り替えバルブ」という用語は、開閉のための制御部500からの信号を受信した後、短期間内(約100マイクロ秒未満が好ましく、約50マイクロ秒未満がより好ましい)内に、開閉されることが可能なバルブを意味することとする。バルブ440は、電気的に制御され、制御部500からの開閉のための信号を受信することで作動されることが好ましい。ガス切り替えシステム400で利用可能な適切な「高速切り替えバルブ」としては、カリフォルニア州サンタクララにあるフジキンオブアメリカ社から入手可能なバルブ型番FSR−SD−71−6.35が挙げられる。
【0053】
したがって、ガス切り替えシステム400は、例えば真空チャンバの内部に第1のガスを供給しつつバイパスラインに第2のガスを迂回させ、その後、好ましくは制御部500の制御下で、速やかにこれらのガス流を切り替えて、第2のガスを真空チャンバに供給しつつ第1のガスをバイパスラインに迂回させることができる。ガスが切り替えられるまでに第1のガスまたは第2のガスが真空チャンバに供給される期間は、制御部500によって制御可能である。関連するオリフィス430およびバルブ440の間でのガス流路324、326、364、および、366の容積は、約10cm3未満であることが好ましい。上述したように、ガス分配システムは、プラズマ閉じ込め区域を備えるプラズマ処理チャンバで利用可能であり、約1秒未満の期間、より好ましくは約200ms未満の期間内で、約1/2リットルないし約4リットルのガス体積を置き換えることによってシステムを安定化させることができる。
【0054】
第2の好ましい実施形態に従ったガス切り替えシステム1400を、図6に示す。ガス切り替えシステム1400において、バルブ440およびオリフィス430(バルブ440の下流に位置する)が、ガス流路442−458の各々に沿って配置されている。それ以外では、ガス切り替えシステム1400は、ガス切り替えシステム400と同じ構成を有してよい。オリフィス430は、ガス切り替えの間、望ましくない圧力サージを防止する。別の実施形態においては、ガス流路442、444、448、450、452、454、および、456、458に沿って配置されたバルブ440の各対は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0055】
第3の好ましい実施形態に従ったガス切り替えシステム2400を、図7に示す。この実施形態において、ガス切り替えシステム2400は、第1のガス流路405および第2のガス流路415と流体連通している。第1のガス流路405および第2のガス流路415は、例えば、図4に示した流量制御部300と異なり、内側区域へのガス流出口と外側区域へのガス流出口の両方を含まない流量制御部のそれぞれ第1のガス流出口および第2のガス流出口であることができる。オリフィス430が、第1のガス流路405および第2のガス流路415の各々に沿って配置されている。第1のガス流路405は、ガス流路422、424に分岐され、第2のガス流路445は、ガス流路426、428に分岐されている。ガス流路422および426は、真空チャンバの内部と流体連通しており、ガス流路424および428は、バイパスラインと流体連通している。バルブ440が、ガス流路422、424、および、426、428の各々に沿って配置されている。別の実施形態においては、ガス流路422、424、および、426、428に沿って配置されたバルブ440の各対は、1つの四方バルブに置き換えることができる。
【0056】
例えば、真空チャンバに第1のガスを供給しつつ、同時にバイパスラインに第2のガスを送るには、流体流路422および428に沿ったバルブ440を開くと共に、ガス流路424および426に沿ったバルブ440を閉じる。第2のガスが真空チャンバに供給されつつ、第1のガスがバイパスラインに迂回されるようにガス流を切り替えるには、流体流路424および426に沿ったバルブ440を開くと共に、流体流路422および428に沿ったバルブ440を閉じる。
【0057】
ガス切り替えシステムの別の好ましい実施形態において、図7に示した実施形態は、バルブ440の上流の第1のガス流路405および第2のガス流路415に配置されたオリフィス430を取り除き、その代わりに、関連するバルブ440の下流のガス流路422、424、426、および、428の各々にオリフィスを配置することによって変形されてもよい。
【0058】
ガス分配システム100の好ましい実施形態は、様々なエッチングおよび/または蒸着処理を実行するために、異なるガス化学的組成および/または流量をプラズマ処理チャンバ12に供給するために利用可能である。例えば、ガス分配システム100は、UVレジストマスクなどの上層のマスクで保護されたSiO2層などの酸化シリコンにフィーチャをエッチングするために、処理ガスをプラズマ処理チャンバに供給することができる。SiO2層は、直径200mmまたは300mmの半導体ウエハ(シリコンウエハなど)の上に形成されうる。フィーチャは、例えば、ビアおよび/またはトレンチであってよい。かかるエッチング処理中に、SiO2にエッチングされたフィーチャが、例えば、円形断面を持つビアなど、所望の形状を有するよう、マスクにおけるクラックまたは亀裂(fissure)などのストリエーションを修復する(すなわち、ストリエーションを埋める)ために、マスクの部分上にポリマを蒸着することが望ましい。ストリエーションを修復しないと、それらは、最終的にマスクの下にある層に到達し、実際に、エッチングの間にその層にまで及ぶ場合がある。また、フィーチャの側壁上にポリマを蒸着することもできる。
【0059】
しかしながら、エッチングされるフィーチャの側壁および底面上に蒸着されたポリマの厚さがエッチング速度に影響することが、明らかになった。異方性エッチング処理において、フィーチャの底面上に蒸着されたポリマは、エッチングの間に実質的に除去される。しかしながら、ポリマが側壁および/または底面上で厚くなりすぎると、SiO2のエッチング速度は減速され、完全に停止される場合もある。また、ポリマは、厚くなりすぎた場合に、表面からはがれる場合がある。したがって、マスクおよびフィーチャ上へのポリマ蒸着物を形成するためのガス混合物がプラズマ処理チャンバに供給される期間は、マスクの十分な修復および保護を提供しつつSiO2層上に形成されたポリマ蒸着物の厚さを制御するように制御されることが好ましい。SiO2層のエッチングの間、ポリマは定期的にマスクから除去される。したがって、ポリマは、マスクの十分な修復および保護が実現されることを確実にするために、SiO2層のエッチング期間の合間に、マスク上に蒸着されることが好ましい。
【0060】
ガス分配システム100は、フィーチャ上に蒸着されたポリマの厚さの制御と、マスクの修復および保護とを実現しつつ、上層のマスク(例えば、UVレジストマスク)によって保護されたSiO2をエッチングするよう、プラズマ処理チャンバに処理ガスを供給するために用いられることができる。ガス分配システム100のガス切り替えシステムは、ポリマ蒸着物を形成するために用いられる第2のガス混合物がバイパスラインに迂回される第1の期間に、SiO2をエッチングするために用いられる第1の処理ガスがプラズマ処理チャンバに供給されることを可能にし、その後、第2ガス混合物がポリマ蒸着物を形成するためにプラズマ処理チャンバに供給される間に第1のガス混合物がバイパスラインに供給されるように、ガス流を速やかに切り替えよう動作可能である。プラズマ処理チャンバのプラズマ閉じ込め区域に供給される第1のガス混合物は、少なくとも実質的に、約1秒未満の期間、より好ましくは約200マイクロ秒未満の期間内で第2のガス混合物に置き換えられることが好ましい。このプラズマ閉じ込め区域は、約1/2リットルから約4リットルの容積を有することが好ましい。
【0061】
SiO2のエッチングに用いられる第1のガス混合物は、例えば、C48などのフルオロカーボン種、O2、および、アルゴンを含みうる。C48/O2/アルゴンの流量比は、例えば、20/10/500sccmであってよい。電力が、60MHz、27MHz、2MHzの周波数の組み合わせで供給され、50から5000Wの範囲が可能である。ポリマ蒸着物を形成するために用いられる第2のガス混合物は、例えば、CH3Fなどのフルオロハイドロカーボン種、および、アルゴンを含みうる。CH3F/アルゴンの流量比は、例えば、15/500sccmであってよい。第2のガス混合物は、随意的に、O2をさらに含んでもよい。電力が、60MHz、27MHz、2MHzの周波数の組み合わせで供給され、50から5000Wの範囲が可能である。200mmまたは300mmウエハの処理のための容量結合プラズマエッチングリアクタについては、チャンバ圧は、例えば、70−90mTorrであってよい。第1のガス混合物は、(第2のガスがバイパスラインに迂回されている間に)チャンバに導入される毎に、約5秒から約20秒間プラズマ処理チャンバ内に流されることが好ましく、第2のガス混合物は、(第1のガスがバイパスラインに迂回されている間に)チャンバに導入される毎に、約1秒から約3秒間プラズマ処理チャンバ内に流されることが好ましい。基板上のSiO2のエッチングの間、エッチング期間および/またはポリマ蒸着期間の長さは、好ましい期間の範囲内で長くまたは短くすることができる。ポリマ蒸着物は、通例は最長約3分まで継続するエッチング処理の間に、約100オングストローム未満の最大厚さに達することが好ましい。エッチング中に、ストリエーションを修復しマスク保護を提供するために、マスク上にポリマを蒸着することが可能である。したがって、エッチング処理の間、マスクの開口部の形状を維持できることが好ましい。
【0062】
第1、第2、第3の機械整合器106、110、114は、第1、第2、第3の周波数調整RF電源104、108、112と、プラズマ処理チャンバ12内に含まれる負荷との間での総インピーダンスの整合を提供するために用いられる。第1、第2、第3の機械整合器106、110、114は、迅速に変化するレシピによって引き起こされる迅速に変化するインピーダンス負荷を正確に整合することができない。したがって、本発明は、第1、第2、第3の周波数調整RF電源104、108、112によって提供される周波数調整を用いて、負荷および第1、第2、第3の機械整合器106、110、114の迅速に変化するインピーダンスを、第1、第2、第3の周波数調整RF電源104、108、112のインピーダンスに迅速かつ正確に整合させる。
【0063】
プラズマ条件は、蒸着と成形(エッチング)との間にきわめて迅速に切り替わる必要があるため、協働する必要があるいくつかのハードウエア機能がある。処理チャンバにおけるガスの移行時間を短くするには、ガス体積が小さい必要がある。これは、閉じ込めリングを用いて、プラズマ体積をできる限り小さくすることで実現される。また、RFジェネレータは、迅速に変化するプラズマ条件に対して、迅速な周波数の調整を行うことができる必要がある。これは、従来の機械整合装置ではなく、電子的に周波数調整されるジェネレータを利用することで実現される。最適なクリティカルディメンション制御(CD)および均一性制御のために、主ガスが分流され、中央部のガス流と端部のガス流の比が選択可能になっている。最終的に、主ガスと同じまたは異なるものであってよい調整ガスが、必要であり、ウエハの端部または中心部へ選択可能に流されることができる。したがって、上述のすべてのハードウエアを組み合わせることで、本明細書に記載した応用処理にとって望ましい全体的な性能が実現される。
【0064】
いくつかの好ましい実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明の範囲内で、種々の代替物、置き換え物、および等価物が存在する。また、本発明の方法および装置を実施する他の態様が数多く存在することにも注意されたい。したがって、以下に示す特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれる代替物、置き換え物、および等価物の全てを網羅するものとして解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマウエハ処理ツールであって、
体積を有するプラズマ閉じ込め区域と少なくとも1つの電極とを備えたプラズマチャンバと、
第1のガスおよび第2のガスを供給するためのガス分配システムであって、1秒未満の期間内で、前記プラズマ区域内の前記第1のガスおよび前記第2のガスの内の一方を前記第1のガスおよび第2のガスの内の他方で実質的に置き換えることが可能であり、前記プラズマ区域内で前記第1のガスから形成される第1のプラズマが、第1のインピーダンス負荷を提供し、前記プラズマ区域内で前記第2のガスから形成される第2のプラズマが、前記第1のインピーダンス負荷と異なる第2のインピーダンス負荷を提供する、ガス分配システムと、
第1の周波数帯域で前記少なくとも1つの電極に電力を供給するための第1の周波数調整RF電源であって、反射RF電力を受信して、前記反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる、第1の周波数調整RF電源と、
前記第1の周波数帯域の外側の第2の周波数帯域で前記プラズマチャンバに電力を供給するための第2の周波数調整RF電源であって、反射RF電力を受信して、前記反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる、第2の周波数調整RF電源と、
を備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記第1の周波数調整RF電源は、インピーダンス整合するために前記第1のインピーダンス負荷に対して第1の周波数を提供し、インピーダンス整合するために前記第2のインピーダンス負荷に対して第2の周波数を提供することが可能であり、前記第1の周波数は前記第2の周波数と異なる、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記第2の周波数調整RF電源は、インピーダンス整合するために前記第1のインピーダンス負荷に対して第3の周波数を提供し、インピーダンス整合するために前記第2のインピーダンス負荷に対して第4の周波数を提供することが可能であり、前記第4の周波数は、前記第1、第2、および、第3の周波数と異なる、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記ガス分配システムは、200マイクロ秒未満の期間内に、前記プラズマ区域内の前記第1のガスまたは前記第2のガスを前記第1のガスまたは前記第2のガスの内の他方で実質的に置き換えることができる、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記プラズマチャンバは、さらに、
前記プラズマチャンバ内でウエハを支持するための基板支持体と、
前記基板支持体から3cm未満離間したチャンバトップと、
を備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記チャンバトップと前記基板支持体との間に離間して配置された閉じ込めリングをさらに備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項7】
請求項6に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記閉じ込めリング、前記基板支持体、および、前記チャンバトップの内側が、前記プラズマ区域を規定する、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記第1の周波数調整RF電源および前記第2の周波数調整RF電源は、1MHz未満の範囲にわたって前記出力RF周波数を調整する、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記ガス分配システムは、
第1のガスラインと流体連通するよう適合された第1のガス流路および第2のガス流路と、
第2のガスラインと流体連通するよう適合された第3のガス流路および第4のガス流路と、
を備え、
前記第1および第3のガス流路は、前記真空チャンバにガスを供給するよう適合されており、前記第2および第4のガス流路は、バイパスラインにガスを供給するよう適合されており、
前記ガス分配システムは、さらに、
前記第1のガス流路に沿って配置された第1の高速切り替えバルブと、
前記第2のガス流路に沿って配置された第2の高速切り替えバルブと、
前記第3のガス流路に沿って配置された第3の高速切り替えバルブと、
前記第4のガス流路に沿って配置された第4の高速切り替えバルブと、
を備え、
前記第1および第4の高速切り替えバルブは、信号を受信して、前記第2のガスが前記第2のガスラインと前記第2および第4のガス流路とを通して前記バイパスラインに供給されている間に前記第1のガスが前記第1のガスラインと第1および第3のガス流路とを通して前記真空チャンバに供給されるように、前記第2および第3の高速切り替えバルブが閉じられている間に開くよう適合されており、
前記第2および第3の高速切り替えバルブは、信号を受信して、前記第1のガスが前記第1のガスラインと前記第2のガス流路とを通して前記バイパスラインに供給されている間に前記第2のガスが前記第2のガスラインと第3のガス流路とを通して前記真空チャンバに供給されるように、前記第1および第4の高速切り替えバルブが閉じられている間に開くよう適合されている、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項10】
請求項9に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記ガス分配システムは、さらに、
前記第1および第2の高速切り替えバルブの上流に前記第1のガスラインに沿って配置されるよう適合された第1の流量制限器と、
前記第3および第4の高速切り替えバルブの上流に前記第2のガスラインに沿って配置されるよう適合された第2の流量制限器と、
を備え、
前記第1および第2の流量制限器は、前記第1および第2の流量制限器の上流および近傍の前記第1および第2のガスラインの領域においてほぼ一定のガス圧を維持するよう適合されている、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記第1のガスラインは、前記第1の流量制限器と前記第1および第2の高速切り替えバルブとの間に約10cm3未満の容積を有し、前記第2のガスラインは、前記第2の流量制限器と前記第3および第4の高速切り替えバルブとの間に約10cm3未満の容積を有する、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記ガス分配システムは、さらに、
前記第1の高速切り替えバルブの下流に前記第1のガス流路に沿って配置されるよう適合された第3の流量制限器と、
前記第2の高速切り替えバルブの下流に前記第2のガス流路に沿って配置されるよう適合された第4の流量制限器と、
前記第3の高速切り替えバルブの下流に前記第3のガス流路に沿って配置されるよう適合された第5の流量制限器と、
前記第4の高速切り替えバルブの下流に前記第4のガス流路に沿って配置されるよう適合された第6の流量制限器と、
を備え、
前記第3、第4、第5、および、第6の流量制限器は、それぞれ前記第1、第2、第3、第4、第5、および、第6の流量制限器の上流および近傍の前記第1、第2、第3、および、第4のガス流路の領域においてほぼ一定のガス圧を維持するよう適合されている、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項13】
請求項9から12のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、さらに、前記第1、第2、第3、および、第4の高速切り替えバルブの開閉を制御するよう動作可能な制御部を備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項14】
請求項9から13のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記第1、第2、第3、および、第4の高速切り替えバルブは、信号受信後の約100マイクロ秒未満の期間内に開かれるおよび/または閉じられることができる、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載のプラズマウエハ処理ツールであって、さらに、互いに流れが遮断された内側区域および外側区域を有するガス分配部材を備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項16】
請求項15に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記ガス分配システムは、
前記第1のガスおよび前記第2のガスを供給するガス供給システムと、
前記ガス供給システムと流体連通し、前記第1のガスの流れを前記第1のガスの内側区域流および前記第1のガスの外側区域流に分流させると共に、前記第2のガスの流れを前記第2のガスの内側区域流および前記第2のガスの外側区域流に分流させる流量制御システムと、
前記流量制御システムと前記ガス分配部材の前記内側区域および外側区域との間に流体連通する切り替え部と、
を備え、
前記切り替え部は、前記第1のガスの前記内側区域流と前記第2のガスの前記内側区域流との間で前記ガス分配部材の前記内側区域への流れを切り替え、前記第1のガスの前記外側区域流と前記第2のガスの前記外側区域流との間で前記ガス分配部材の前記外側区域への流れを切り替える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項17】
請求項16に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、さらに、バイパスラインを備え、前記切り替え部は、さらに、前記第1のガスの前記内側区域流、前記第2のガスの前記内側区域流、前記第1のガスの前記外側区域流、および、前記第2のガスの前記外側区域流を、前記バイパスラインに切り替える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項18】
請求項17に記載のプラズマウエハ処理ツールであって、前記流量制御システムは、さらに、前記第1のガスの流れが前記第1のガスの前記内側区域流と前記第1のガスの前記外側区域流に分流された後に、前記第1のガスの前記内側区域流または前記第1のガスの前記外側区域流の少なくとも一方に流体接続する調整ガス源を備える、プラズマウエハ処理ツール。
【請求項19】
プラズマ処理装置であって、
内側区域および外側区域を有するシャワーヘッド電極アセンブリと、約1/2リットルから4リットルの内部容積とを備えたプラズマ処理チャンバと、
前記シャワーヘッド電極アセンブリの前記内側および外側区域と流体連通し、約1秒未満の期間内に、前記プラズマ閉じ込め区域内の第1の処理ガスまたは第2の処理ガスを前記第1の処理ガスまたは前記第2の処理ガスの内の他方で実質的に置き換えるよう動作可能であるガス分配システムと、
前記第1の処理ガスおよび前記第2の処理ガスを供給するガス供給システムと、
前記ガス供給システムと流体連通し、前記第1の処理ガスの流れを前記第1の処理ガスの内側区域流および前記第1の処理ガスの外側区域流に分流させると共に、前記第2の処理ガスの流れを前記第2の処理ガスの内側区域流および前記第2の処理ガスの外側区域流に分流させる流量制御システムと、
前記流量制御システムと前記ガス分配部材の前記内側区域および外側区域との間に流体連通する切り替え部であって、前記第1の処理ガスの前記内側区域流と前記第2の処理ガスの前記内側区域流との間で前記ガス分配部材の前記内側区域への流れを切り替え、前記第1の処理ガスの前記外側区域流と前記第2の処理ガスの前記外側区域流との間で前記ガス分配部材の前記外側区域への流れを切り替える切り替え部と、
第1の周波数帯域で前記プラズマ処理装置に電力を供給するための第1の周波数調整RF電源であって、反射RF電力を受信して、前記反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる、第1の周波数調整RF電源と、
前記第1の周波数帯域の外側の第2の周波数帯域で前記プラズマ処理装置に電力を供給するための第2の周波数調整RF電源であって、反射RF電力を受信して、前記反射RF電力を最小化するように出力RF周波数を調整することができる、第2の周波数調整RF電源と、
を備える、プラズマ処理装置。
【請求項20】
請求項19に記載のプラズマ処理装置であって、さらに、バイパスラインを備え、前記切り替え部は、さらに、前記第1の処理ガスの前記内側区域流、前記第2の処理ガスの前記内側区域流、前記第1の処理ガスの前記外側区域流、および、前記第2の処理ガスの前記外側区域流を、前記バイパスラインに切り替える、プラズマ処理装置。
【請求項21】
請求項19または20に記載のプラズマ処理装置であって、前記流量制御システムは、さらに、前記第1の処理ガスの流れが前記第1の処理ガスの前記内側区域流と前記第1の処理ガスの前記外側区域流に分流された後に、前記第1の処理ガスの前記内側区域流または前記第1の処理ガスの前記外側区域流の少なくとも一方に流体接続する調整ガス源を備える、プラズマ処理装置。
【請求項22】
請求項19ないし21のいずれかに記載のプラズマ処理装置であって、前記第1の周波数調整RF電源は、インピーダンス整合するために前記第1の処理ガスから形成されたプラズマの第1のインピーダンス負荷に対して第1の周波数を供給し、インピーダンス整合するために前記第2のプラズマガスから形成されたプラズマに対して第2のインピーダンス負荷に第2の周波数を供給することが可能であり、前記第1の周波数は前記第2の周波数と異なり、
前記第2の周波数調整RF電源は、インピーダンス整合するために前記第1のインピーダンス負荷に対して第3の周波数を供給し、インピーダンス整合するために前記第2のインピーダンス負荷に対して第4の周波数を供給することが可能であり、前記第4の周波数は、前記第1、第2、および、第3の周波数と異なる、プラズマ処理装置。
【請求項23】
プラズマ処理チャンバ内で半導体構造を処理する方法であって、
a)第1の処理ガスを前記プラズマ処理チャンバ内に供給しつつ、第2の処理ガスをバイパスラインに迂回させる工程であって、前記プラズマ処理チャンバは、少なくとも1つの層と前記層の上に位置するパターニングされたレジストマスクとを備えた半導体基板を収容する、工程と、
b)前記第1の処理ガスを励起して第1のインピーダンス負荷を有する第1のプラズマを生成し、(i)前記層に少なくとも1つのフィーチャをエッチングする、または、(ii)前記マスク上にポリマ蒸着物を形成する工程と、
c)前記第1のインピーダンス負荷に整合するように第1の周波数に第1のRF電源を周波数同調させる工程と、
d)前記第1のインピーダンス負荷に整合するように前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に第2のRF電源を周波数同調させる工程と、
e)前記第1の処理ガスをバイパスラインに迂回させつつ、前記第2の処理ガスが前記プラズマ処理チャンバ内に供給されるように前記第1および第2処理ガスの流れを切り替える工程であって、前記第1の処理ガスは、前記プラズマ処理チャンバのプラズマ閉じ込め区域において、約1秒未満の期間内に前記第2の処理ガスで実質的に置き換えられる、工程と、
f)前記第2の処理ガスを励起して前記第1のインピーダンス負荷とは異なる第2のインピーダンス負荷を有する第2のプラズマを生成し、(iii)前記層に前記少なくとも1つのフィーチャをエッチングする、または、(iv)前記層および前記マスク上にポリマ蒸着物を形成する工程と、
g)前記第2のインピーダンス負荷に整合するように前記第1および第2の周波数とは異なる第3の周波数に前記第1のRF電源を周波数同調させる工程と、
h)前記第2のインピーダンス負荷に整合するように前記第1、第2、および、第3の周波数とは異なる第4の周波数に前記第2のRF電源を周波数同調させる工程と、
i)前記第2の処理ガスを前記バイパスラインに迂回させつつ、前記第1の処理ガスが前記プラズマ処理チャンバ内に供給されるように前記第1および第2の処理ガスの流れを切り替える工程であって、前記第2の処理ガスは、前記プラズマ処理チャンバの前記プラズマ閉じ込め区域において、約1秒未満の期間内に前記第1の処理ガスで実質的に置き換えられる、工程と、
j)前記基板に対して前記工程b)ないしi)を複数回繰り返す工程と、
を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記約1秒未満の期間は、200マイクロ秒未満である、方法。
【請求項25】
請求項23または24に記載の方法であって、前記ポリマ蒸着物は、前記基板に対して前記工程a)ないしi)を複数回繰り返すと、約100オングストローム未満の最大厚さに形成される、方法。
【請求項26】
請求項23ないし25のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記第1の処理ガスの流れを内側区域流および外側区域流に分流する工程を備え、
前記第1の処理ガスを前記プラズマ処理チャンバ内に供給する工程は、前記内側区域流を前記処理チャンバの内側区域に供給し、前記外側区域流を前記処理チャンバの外側区域に供給する、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、さらに、前記第1の処理ガスの前記内側区域流および前記第1の処理ガスの前記外側区域流の少なくとも一方に調整ガスを供給する工程を備え、
前記調整ガスは、前記第1の処理ガスの流れを分流する工程の後に供給される、方法。
【請求項28】
請求項23から27のいずれかに記載の方法であって、前記第1のプラズマは、前記層に前記少なくとも1つのフィーチャをエッチングし、前記第2のプラズマは、前記層および前記マスク上に前記蒸着物を形成し、前記蒸着は前記マスクにおけるストリエーションを修復する、方法。
【請求項29】
請求項23から28のいずれかに記載の方法であって、前記プラズマ閉じ込め区域は、約1/2リットルから約4リットルの容積を有する、方法。
【請求項30】
請求項23から29のいずれかに記載の方法であって、
前記第1の層はSiO2であり、
前記マスクはUVレジストマスクであり、
前記第1の処理ガスは、C48、O2、および、アルゴンの混合物を含み、前記第1のプラズマは前記層をエッチングし、
前記第2の処理ガスは、CH3F、アルゴンと、さらに、随意的にO2とを含む混合物を含み、
前記第2のプラズマは、前記フィーチャおよび前記マスク上に前記ポリマ蒸着物を形成する、方法。
【請求項31】
請求項23から30のいずれかに記載の方法であって、前記第1のインピーダンス負荷に整合するように前記第1のRF電源を第1の周波数に周波数同調させる工程、および、前記第2のインピーダンス負荷に整合するように前記第1のRF電源を第3の周波数に周波数同調させる工程は、整合器を用いて、前記第1のインピーダンス負荷および第3のインピーダンス負荷への整合を部分的に行い、周波数同調を用いて、前記第1のインピーダンス負荷および前記第2のインピーダンス負荷への最終的な整合を提供する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−510669(P2010−510669A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537300(P2009−537300)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/084465
【国際公開番号】WO2008/061069
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】