説明

高速CMOS共存Ge−オン−インシュレータ光検出器の構造および製作方法

【課題】SiCMOS技術と共存可能な高速高効率光検出器を作る問題に対処すること。
【解決手段】本構造は、薄いSOI基板の上のGe吸収層から成り、分離領域、交互になるn型およびp型コンタクト、および低抵抗表面電極を利用する。本デバイスは、下の基板で生成されたキャリアを分離するために埋込み絶縁物を利用して高帯域幅を、Ge吸収層を利用して広いスペクトルにわたった高量子効率を、薄い吸収層および狭い電極間隔を利用して低電圧動作を、さらに平面構造およびIV族吸収材料の使用によってCMOSデバイスとの共存性を、達成する。本光検出器を製作する方法は、薄いSOIまたはエピタキシャル酸化物へのGeの直接成長および高品質吸収層を達成するための後の熱アニールを使用する。この方法は、相互拡散に利用可能なSiの量を制限し、それによって、下のSiによるGe層の実質的な希釈を起こすことなく、Ge層をアニールすることができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体および光検出器に関し、より詳細には、ゲルマニウム−オン−インシュレータ光検出器およびこれの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、従来のSi相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術と共存可能な高速、高効率光検出器を作ることについて問題がある。そのようなものとして、この問題を解決しようとして、多くの研究の努力がなされた。
【0003】
1つの解決策は、例えばM. Yang, et al., IEEE Elect. Dev. Lett, vol. 23, p.395 (2002)および米国特許No. 6,177,289(Crow, et al.)に記載された横方向トレンチ検出器である。この検出器は、基板の深いところで吸収される光を集めるためにSi中のディープ・トレンチを使用する。このデバイスは、CMOSと一体化し易いにもかかわらず、トレンチ深さよりも深いところで生成されたキャリアを集める能力の限界だけでなく、高キャパシタンスによるRC遅延のために高速を達成することについて問題がある。埋込みpn接合(Q. Quyang, et al., Device Research Conference, (2003))または埋込み絶縁物層(M. Yang, et al., IEDM Tech. Digest, p.547, 2001)の使用のような革新は、後者の問題をいくらか改善することができるが、フィンガ(finger)の深さ(数ミクロン)のために、これらの革新は、標準CMOSプロセスに一体化するのが容易でない。
【0004】
他の解決策は、純粋Siから純粋GeまでSiGeのGe含有量を徐々に変化させて成長された緩和Ge層に、横方向または垂直方向p−i−n検出器を作ることである。例えば、J. Oh, IEEE J. Quantum Electron., vol. 38, 1238 (2002)およびS. B. Samavedam, et al., Appl. Phys. Lett., vol. 73, 2125 (1998)を参照されたい。この技術には、特に850nmでGeがSiよりも遥かに高い吸収を有し、その結果、ディープ・トレンチが必要でなく、低キャパシタンスの検出器を作ることができるという有利点がある。また、Geは、Siよりも高い電子移動度および正孔移動度を有し、光生成キャリアのより速い収集を可能にする。また、漸変バッファ層によって、最終Ge層に低欠陥密度を達成することができる。しかし、この技術には、転位密度を減少させ、かつ上部Ge層で全ての光が集められることを保証するために、(ほぼ1μmよりも大きな)非常に厚い層が必要になるという問題がある。基板の中の深いところで生成されたキャリアが電極に到達するのに比較的長い距離があるので、このことは帯域幅減少につながることがある。また、厚い層は一般に平面でない表面を加工にもたらすので、この厚い層は一体化の問題を引き起こす。
【0005】
提案された他の解決策は、Si基板に直接成長されたGeを使用して垂直方向または横方向p−i−n検出器を作ることである。例えば、L. Colace, et al., IEEE J. QuantumElectron., vol. 35, 1843 (1999)を参照されたい。この技術には、GeがバルクSi基板に直接成長されるので、厚い漸変層が必要でないという有利点がある。したがって、長波長(λ>1.1μm)で、吸収層はGe層に限定され、高速キャリア収集を可能にする。しかし、この技術には、より短い波長の光(例えば、850nmのような)で、キャリアが下のSi層でも生成されて、検出器の速度が大幅に減少するという問題がある。さらに、Siに直接成長されたGeは高い欠陥密度を有し、それで、転位密度を減少させるために、選択領域成長か高温アニールかのどちらかが必要になる。例えば、H. S. Luan, et al., Appl. Phys. Lett,vol.75, 2909 (1999)および米国特許 No.6,635,110(Luan, et al.)を参照されたい。アニールは、Ge層中への重大なSi拡散につながることがあり、これによって吸収が大幅に減少することがあるので、アニールは特に問題である。Siは全Ge層全体を通して拡散することができるので、薄いGe層の場合に相互拡散は特別な問題である。
【0006】
さらに他の解決策は、J.D. Schaub, etal., IEEE Phot. Tech. Lett.,vol. 11, 1647 (1999)に述べられているように共振空洞検出器を作ることである。この従来検出器は、吸収領域の上面と底面にミラーを利用して、依然として高速を達成しながら応答度を高める。この場合、吸収材料はやはりSiであってもよい。しかし、この技術には、共振波長の近くで高吸収を有するだけで、これは相当に狭いピークであることがあるという問題がある。したがって、入射波長と空洞寸法を正確に合わせることが必要とされる。また、底面ミラーの製作およびこのミラーを覆ってSiを生成ために必要な横方向全面成長エピタキシィは複雑である。
【0007】
上述の問題は、米国特許 No. 5,525,828 (Bassous, et al.)に記載された発明の一態様を、SiおよびSiGe横方向p−i−n検出器およびMSM検出器についてのより広い発明の一部として利用することによって、解決することができるだろう。米国特許 No. 5,525,828では、埋込み絶縁層の上のGeから成る吸収領域を利用するp−i−nまたはMSM検出器が記載されている。これは、高性能光検出器を作るために必要な基本構造である。その理由は、Geは850nmで極めて高い吸収を有し(同じ波長でのSiのそれの〜×70)、一方で、埋込み絶縁層は、Si基板で生成された遅いキャリアが表面電極に集められるのを阻止するからである。しかし、米国特許 No. 5,525,828は、実際に高性能を達成するかもしれないしまたはCMOS共存可能であるかもしれない特定の構造を記載していないし、そのような構造を作ることができるだろう方法もまた提供していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許 No. 6,177,289
【特許文献2】米国特許 No. 6,635,110
【特許文献3】米国特許 No. 5,525,828
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】M. Yang, et al., IEEE Elect. Dev. Lett., vol. 23, p.395 (2002)
【非特許文献2】Q. Quyang, et al., Device Research Conference, (2003)
【非特許文献3】M. Yang, et al., IEDM Tech. Digest, p.547,2001)
【非特許文献4】J. Oh, IEEE J. Quantum Electron., vol. 38,1238 (2002)
【非特許文献5】S. B. Samavedam, et al., Appl. Phys. Lett., vol. 73, 2125 (1998)
【非特許文献6】L. Colace, et al., IEEE J. Quantum Electron., vol. 35, 1843(1999)
【非特許文献7】H. S. Luan, et al., Appl. Phys. Lett, vol. 75, 2909 (1999)
【非特許文献8】J. D. Schaub, et al., IEEE Phot. Tech. Lett.,vol. 11,1647 (1999)
【非特許文献9】W. A. Wohlmuth, et al., Appl. Phys. Lett., vol. 69, pg. 3578 (1996)
【非特許文献10】C. O. Chui, et al., IEEE Phot.Tech. Lett., vol. 15, p. 1585 (2003)
【非特許文献11】J. D. Schaub, et al., IEEE Phot. Tech. Lett.vol. 11, 1647 (1999)
【非特許文献12】S. Guha, et al., Appl. Phys. Lett.vol. 80, 766 (2002)
【非特許文献13】A. Reznicek, et al., Spring MRS Meeting, San Francisco, 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のSi相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術と共存可能な高速、高効率光検出器及びこの製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、薄いSOI基板の上にGe吸収層を含み、交互になるn型とp型の表面電極を利用する高性能光検出器の構造を提供する。語「高性能」によって、15GHzよりも大きな−3dB帯域幅、および15%よりも大きな外部量子効率を示す光検出器が意味される。
【0012】
有利なことには、本発明の光検出器は、(a)下の基板で生成されたキャリアを分離するように埋込み絶縁層を利用して、広帯域を、(b)Ge吸収層を利用して、広いスペクトルにわたった高量子効率を、(c)薄い吸収層および狭い電極間隔を利用して、低電圧動作を、さらに(d)平面構造およびIV族吸収材料の使用によって、CMOSデバイスとの共存性を、達成する。IV族吸収材料の例には、C、Si、Ge、Sn、Pbおよびこれらの組合せがある。
【0013】
本発明は、また、薄いSOI層へのGeの直接成長および高品質吸収層を達成するための後の熱アニールを使用して高性能光検出器を製作する方法を提供する。
【0014】
有利なことには、本発明の方法は、相互拡散に利用可能なSiの量を制限し、それによって、下のSiによるGe層の実質的な希釈を引き起こすことなく、Ge層をアニールすることができるようにする。
【0015】
本発明の光検出器および方法のさらなる特徴、態様および有利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関してより適切に理解されるようになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図であり、高速横方向p−i−nGe−オン−インシュレータ光検出器から成る。
【図2】本発明の一実施例を示す平面図であり、高速横方向p−i−nGe−オン−インシュレータ光検出器から成る。
【図3】片側横方向p−i−nGe−オン−インシュレータ光検知器を示す断面図である。
【図4】対称金属−半導体−金属(MSM)Ge−オン−インシュレータ光検知器を示す断面図である。
【図5】非対称MSMGe−オン−インシュレータ光検出器を示す断面図である。
【図6】図1のデバイスを示す断面図であり、アニールおよび後の相互拡散によって形成された組成漸変Si1−xGe層をSi層とGe層の間に含む。
【図7】図6と同じデバイスを示し、埋込み絶縁層の上の全領域が組成漸変Si1−xGe層から成るようにアニールによって十分な相互拡散が起こっている。
【図8】帯域幅対バイアスのデータを示す図である。
【図9】吸収対波長のデータを示す図である。
【図10】図6に表すものと同様なデバイス構造に関して、λ=822nmでのLIV特性を示す図である。
【図11】図1のデバイス構造を示す図であり、さらに反射防止膜を含む。
【図12】図1のデバイス構造を示す図であり、さらに表面SiGe層を含む。
【図13】本発明の他の実施例を示す断面図であり、Ge層が埋込み絶縁物の直ぐ上に配置されている。
【図14】SOICMOSと組み合わされた図1のデバイス構造を示す図である。
【図15】選択SOIを使用してバルクCMOSと組み合わされた図1のデバイス構造を示す図である。
【図16】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図17】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図18】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図19】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図20】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図21】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【図22】本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例の断面図および平面図を図1および図2に示す。図1に示すように、本発明は、単結晶半導体基板10(例えば、Si、Ge、SiGe、GaAs、InAs、SiGeCまたはSiC)、絶縁層20(例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物またはこれらの任意の組合せ)、および本質的にSiの薄い層(以下で、Si層)30(例えば、SOI層、エピSi、または非晶質Si)で構成されたGe−オン−インシュレータ光検出器を提供する。本発明の好ましい実施例では、最初の基板はSi−オン−インシュレータ(SOI)・ウェーハであり、したがって層10はSiであり、層20は埋込み酸化物、例えばSiOである。薄いSi層30の上に、本発明に従ってSi層30よりも遥かに厚い本質的にGeの層(以後、Ge層)40がある。本発明の好ましい実施形態では、薄いSi層30およびGe層40は故意でなくドープされており、できる限り低ドーピング濃度であるべきである。光検出器の残り部分は、分離領域50、交互配置されたp型コンタクト領域60とn型コンタクト領域70、および表面電極80から成る。図2の平面図は、分離領域50がデバイスの全能動領域を囲繞していることを示す。交互の表面電極は、分離領域50を越えてデバイスの能動領域から離れるように一緒に接続されている。本発明に従って、Si層およびGe層の合計平均Ge濃度は80%よりも大きい。
【0018】
本発明の光検出器は、Ge層40の上面に垂直な近赤外光の光を照射することによって動作する。Ge層40で生成された電子−正孔対は、n型コンタクト60およびp型コンタクト70でそれぞれ集められる。絶縁層20の下で、すなわち基板10中で生成された電子−正孔対は、コンタクト60および70から分離されており、したがって、ただ再結合するだけである。光は絶縁層20の上のSi層30およびGe層40で吸収されるだけであり、それで吸収領域すなわちSi層30およびGe層40を非常に薄くすることができるので、本発明の光検出器デバイスは、約15GHz以上程度の高速を達成する。また、Ge中での赤外光の短い吸収長(λ=850nmで〜0.25μm、λ=1300nmで〜1μm)のために、本デバイスは高い応答度を達成する。本発明の好ましい実施形態では、Si層30とGe層40の合計厚さdは、決して約500nmを超えるべきでない。さらに、有用な検出器を作るように十分な光を吸収するために、Ge層40は、50nmの最小厚さを有すべきである。
【0019】
薄いGe吸収層40のために、コンタクト領域60および70を互いに近接させることができ、光生成キャリアの高速収集が可能になる。好ましい実施形態では、p型コンタクト領域60とn型コンタクト領域70の間の間隔Sは、d<S<2dの範囲にあり、一般的な値は0.1と1.0μmの間である。一般に、Sがdよりも遥かに小さいとき、キャパシタンスの増加およびより高い表面反射で性能が悪化し、一方で、Sが2dよりも遥かに大きいとき、長いキャリア輸送時間で帯域幅が減少する。過剰な暗電流は、また、dが小さすぎることに起因することがある。また、表面電極80を金属で作り、かつ直列抵抗を減らすためにできるだけ厚くすることが望ましい。
【0020】
電極の候補材料には、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN、Pt、Pd、Hf、インジウム錫酸化物(ITO)およびこれらの組合せまたは合金があるが、これらに限定されない。電極材料は、また、前述の金属のシリサイドまたはゲルマニド(germanide)あるいはその両方を含むことがある。Geの高い吸収係数に加えて、横方向形状寸法による低キャパシタンス、厚い金属電極による低直列抵抗、および短い輸送時間の組合せによって、本発明の光検出器は高速と高い応答度を同時に達成することができる。
【0021】
本発明の他の実施形態では、打込み領域の一方または両方を無くすることができる。多くの高仕事関数金属はGeの価電子帯に対して低い障壁高さを有するので、特に、p型打込みを無くすることが好都合であることが多い。「低い障壁高さ」によって、電極フェルミ・レベルとGeの伝導帯または価電子帯との差が、正バイアスまたは負バイアス電極の場合に、それぞれEg/2よりも小さいことが意味される。ここで、EgはGe吸収層のバンド・ギャップである。この状況を図3に示し、ここで、前にp型打込みの上であった電極82は、今は、Ge層40に直接接触する。好ましい実施形態では、暗電流を最小限にするために、電極82はGe層40の価電子帯に対して低い障壁高さを有する。同様にして、p型打込みを使用し、n型打込みを無くすることができるだろう。両方の打込みが無くされる場合には、検出器は本質的に金属−半導体−金属(MSM)光検出器になり、両方の組の電極はGe吸収層と直接接触している。この構成は、横方向p−i−n形状よりも大きな暗電流を有する傾向があるが、MSM形状は、十分に低いバイアス電圧で動作させると、許容可能な低い暗電流を有することができるだろう。MSM形状は、図4に示すように同じ金属の電極を有するか(対称構成)、または図5に示すように正電極および負電極に異なる材料を利用することができるだろう(非対称構成)。対称構成では、電極85は、吸収領域40と直接接触し、そして、好ましくは、暗電流を最小限にするために、Geのギャップ中間近くにフェルミ・レベルを有する材料を備える。暗電流を減らすように非対称MSM光検出器を使用するという概念は、W. A. Wohlmuth, et al., Appl. Phys. Lett., vol. 69, pg. 3578 (1996)によってIII−Vで、またC. O. Chui, et al., IEEE Phot. Tech. Lett., vol. 15, p. 1585 (2003)によってバルクGeで、既に実証されている。この構成では、正バイアス電極90および負バイアス電極92は、伝導帯および価電子帯に対して、Eg/2よりも小さく、かつ好ましくはできるだけ低い障壁高さをそれぞれ有している。
【0022】
図1に示す多層構造設計は、また、絶縁層20の表面間の光学干渉を利用するように最適化することができる。これらの界面で反射された光強度のピークは、次の関係が満たされるときに起こる。
t2 = 0.5(i +0.5) (λ/n2)
ここで、iは整数であり、λは入射光の真空中の波長であり、tは絶縁層20の厚さであり、nは絶縁層20の屈折率である。埋込み酸化物が反射ピークの条件の厚さか、またはこの条件に近い厚さを有する場合、Si層30の厚さtおよびGe層40の厚さtは、また、吸収ピークを達成するように調整することができる。この場合、吸収ピークの条件は、次式のとき起こる。
t3n3+ t4n4= (i + 1)(λ/2)
ここで、iは整数であり、λは入射光の真空中の波長であり、nおよびnはそれぞれSi層30およびGe層40の屈折率である。しかし、Geによる赤外放射の強い吸収のために、共振外れ条件でもやはり適切な応答を達成することができ、それで、上の条件はデバイス性能を最適化するための手段を与えるが、厳密な要求条件ではない。本発明の一実施例では、絶縁層は、次の関係に従うように厚さtおよび屈折率nを有する。
0.5(i+ 0.4)(λ/n2) < t2 < 0.5(i + 0.6)(λ/n2)
ここで、iは整数であり、λは入射光の真空中の波長である。本発明のさらに他の実施形態では、次の関係に従うように、Si層は厚さtおよび屈折率nを有し、Ge層は厚さtおよび屈折率nを有する。
(i+ 0.9)(λ/2) < t3n3 + t4n4 < (i + 1.1)(λ/2)
ここで、iは整数であり、λは入射光の真空中の波長である。
【0023】
材料が高温アニールにかけられる場合、層構造設計に対して更なる制約が課せられる。「高温」によって、アニール温度が約750℃よりも高いことが意味される。アニールは、成長されたままの材料の転位密度を減少させるために使用され、また、コンタクト領域60および70を形成する際に使用されたn型およびp型打込みをそれぞれ活性化するために、製作プロセスの一部としても必要である。この場合、デバイス構造は図6で表され、このデバイス構造は、単結晶半導体基板110、絶縁層120、Si層130、相互拡散Si1−xGe層140、およびGe層150を備える。相互拡散Si1−xGe層140は、Si層130に隣接した0とGe層150に隣接した1の間で連続的に変化するGe濃度xを有する。図6に示す構造は、また、交互になるコンタクト領域60および70、電極80、および分離領域50を含む。
【0024】
Ge層の最初の成長の後で使用されることがあるような(例えば、米国特許 No. 6,635,110 to Luan, et al.を参照されたい)非常に高い温度でのアニールの限定的な場合には、図7に示すように、絶縁層120の上の全領域が、絶縁層120に隣接した最小およびSi1−xGe層160の上面での最大を有するGe濃度xを有する組成漸変Si1−xGe層160から成るように、十分な相互拡散が起こる。図7に示す構造は、また、交互になるコンタクト領域60および70、電極80、および分離領域50を含む。埋込み絶縁物が相互拡散に利用可能なSiを最初のSi層に限定するので、本発明の利点が相当に大きいのは、これらの条件の下である。したがって、図7に示す実施形態では、最初のSi層およびGe層の厚さは、埋込み絶縁物120の上の層構造全体の平均Ge濃度がほぼ0.8よりも大きく、かつできるだけ1に近いようなものであるべきである。この指針に従うために、最初のGe層は、最初のSi層の最初の厚さの少なくとも5倍であるべきである。例えば、最初のSi層が50nmであると、Ge層は250nmほども厚くあるべきである。
【0025】
図6に表されたものと同様な光検出器を製作し、その結果を図8〜10に表す。最初のSi層は厚さ約45nmであり、Ge層は400nmの全厚さに成長された。成長後、多層構造は、H. S. Luan, et al., Appl. Phys. Lett, vol. 75, 2909 (1999)に与えられた説明と同様な熱サイクル・アニールにかけられた。ここで、温度は、780℃と900℃の間で10回傾斜上昇され、かつ各温度にほぼ6分間維持された。n型およびp型コンタクト領域の幅は0.3μmであり、コンタクト領域間の間隔は0.3と1.3μmの間に及んだ。コンタクト金属は、低抵抗を達成するための150nmのAlの付いた30nmのTiであり、コンタクトは、両側に0.05μmの隙間のあるコンタクト境界内に含まれていた。
【0026】
様々の電極間隔について、10×10μmの能動面積を有するデバイスの−3dB帯域幅のバイアス依存性を図8に示す。帯域幅は、モード・ロックTi−サファイア・レーザを使用して850nmの波長で行なわれたインパルス応答測定から得られた。帯域幅は、電極間隔に依存して1〜2Vの極めて低いバイアス電圧で飽和する。ゼロ・バイアスでも、帯域幅は20GHz程度に大きい。達成された最も大きな帯域幅は、0.4μmのコンタクト間隔の25GHzの値であった。
【0027】
図9は、1.3μmのフィンガ間隔を有する30×30μmのデバイスについて、波長に対する計算された量子効率および測定された量子効率を示す。ここで、電極陰影率(ほぼ0.8)は計算で考慮されていない。850nmおよび900nmの波長で、38%および52%の量子効率がそれぞれ得られた。これらの結果は本発明の利益を実証し、非常に高い温度のアニールにもかかわらず、少量の相互拡散でも吸収を減少させることができる非常に長い波長を除いて、純粋Geの理論予測に非常に近い量子効率が得られた。デバイスは、中程度の振動のある応答の依存性を示すが、特に短波長での強い吸収のために、J. D. Schaub, et al., IEEE Phot. Tech. Lett. vol. 11, 1647(1999)に述べられているSi共振空洞検出器と違って、許容可能応答度を達成するために正確な同調が全く必要でないというわけではない。
【0028】
図10は、S=0.4μmおよび0.6μmである上述のような検出器の暗電流および光電流を示す。図は、通常照明条件下で、103よりも大きな光電流対暗電流比が得られることを示す。高バイアスにおけるS=0.4μm形状寸法のより大きな暗電流は問題ではない。というのは、図8に示すように、<1Vのバイアス電圧またはゼロ・バイアスでも、これらのデバイスで高速動作が得られるからである。
【0029】
図11に示すように反射防止膜をさらに含むことによって、デバイス応答度はさらに改善することができるだろう。反射防止膜の無い場合、Ge表面に当たる光の約1/3は、デバイスの吸収領域にも入らないうちに反射される。Ge表面220の上に配置された透明誘電体層210を利用することによって、反射は、ほぼ0%に減らすことができる。誘電体層210は、電極間の領域で反射防止膜として機能するだけであるが、図面に示すように、処理の便宜のために全デバイスを覆って堆積することができるだろう。誘電体層210は、理想的には、ほぼGe層の誘電率nの平方根である屈折率narを有すべきである。しかし、1とnの間の誘電率を有するどんな層でも、ある程度の利益をもたらすだろう。反射防止膜の候補材料には、SiO、SiON、SiN、ダイアモンド状炭素(DLC)、SiLK(Dow Chemical Co.で供給される熱硬化ポリアリレーン重合体)、およびSiCOH(炭素ドープ酸化物とも呼ばれる)、およびこれらの組合せがあるが、これらに限定されない。図11に示す構造は、また、基板10、絶縁層20、Si層30、Ge層40、交互になるコンタクト領域60および70、電極80、および分離領域50を含む。
【0030】
本発明の他の実施形態を図12に示し、ここでは、暗電流を改善するために薄い表面Si1−zGe層が利用されている。一般に、Geは不満足な表面パシベーション特性を有し、暗電流の主な根源がコンタクト間の表面層に沿った漏れであることがしばしばある。薄いSi1−zGe表面層310をGe層320の上に利用することによって、より制御可能な表面が得られる。
【0031】
Ge層の欠陥を減少させるための高温アニールの前または後に、Si1−zGe表面層310を堆積することができるだろう。Si1−zGe表面層310は引っ張り歪みを受けているので、Si1−zGe表面層は欠陥形成の臨界厚さよりも薄いことが重要である。というのは、表面電極近くの欠陥はデバイス性能にとって有害であるかもしれないからである。Ge含有率zに依存して、厚さzは、z=0.8のときのほぼ20nmから純粋Siのときのほんの数単分子層までに及ぶことができるだろう。図12に示す構造は、また、基板10、絶縁層20、Si層30、交互になるコンタクト領域60および70、電極80、並びに分離領域50を含む。
【0032】
上述の実施形態の追加の利益は、SiGe−オン−インシュレータ(SGOI)基板にフォトダイオードを作ることによって得ることができる。緩和SiGeは歪みSi成長用のテンプレートとして作用し、この歪みSiはCMOS性能を改善することができるので、この基板はCMOS用途に有用である。これらの実施形態では、埋込み酸化物の上の最初のSi層は、SiGe層と取り替えられる。本発明のこの実施形態は、相互拡散に利用可能な最初のSiの量をさらにもっと減らすことで、光検出器性能に役立つ。SiGeは、また、格子定数が純粋SiよりもGeのそれに近いので、Ge層の転位密度を減少させるのに役立つことができる。転位密度の減少は、電子−正孔対の生成率を減少させて暗電流を改善するかもしれない。
【0033】
指摘すべきことであるが、図11に示す実施形態では、高温アニールが相互拡散を引き起こし、図6または図7に示すような層構造プロファイルを少し変えるかもしれない。さらに、理解されることであるが、図12に示す実施形態の高温アニールは、層310と層320の間に追加の相互拡散領域をもたらすだろう。
【0034】
前に言及したように、相互拡散に利用可能なSiを制限するために、埋込み絶縁物の上の最初のSi層をできるだけ薄くしておくことが望ましい。しかし、上に示した実施形態では、横方向全面成長のような珍しい技術を使用しないでSiOの上に単結晶Geの核を生成することはできないので、Si厚さをゼロに減らすことができない。しかし、本発明は、また、図13に示すように、埋込み絶縁物層の直ぐ上にGeを利用してこの問題を解決する光検出器構造を提供する。
【0035】
埋込み絶縁物の直ぐ上にGe層を実現する1つの方法は、図13に示すように、単結晶絶縁物の上にGe層を利用することである(例えば、S. Guha, et al., Appl. Phys. Lett. vol. 80, 766 (2002)を参照されたい)。この実施形態では、多層構造は、次に単結晶絶縁物層420およびGe層430が続くSi基板410から成る。図13に示す構造は、また、交互になるコンタクト領域60および70、電極80、および分離領域50を含む。
【0036】
絶縁物層420は結晶であるので、挟込みSi層を必要とすることなく、絶縁物層420の直ぐ上にエピタキシャルGeを成長させることができる。もちろん、Geは結晶絶縁物420と依然として格子不整合であり、したがって、Ge層430と絶縁物層420の間の界面での不整合転位の形成によって、やはり厚いGe層はおそらく緩和される。しかし、ペロブスカイト酸化物では、酸化物が回転結晶構造を持つようなやり方で、ペロブスカイトの(110)結晶面がSiの(100)結晶面に一致し、その結果、格子定数がSiよりも約2%大きくなっている。このことは、SiとGeの間の4%の格子不整合の一部を吸収するのに役立つことができ、それによって、欠陥密度の減少したより高品質のGe層をもたらす。結晶酸化物は、吸収領域と下の基板の間のトンネリングを抑制するように十分に厚い必要があるだけであり、したがって、約5nmよりも大きな厚さが必要である。結晶酸化物の候補材料には、(Ba,Sr)O、BaTiO、SrTiO、SrRuO、MgO、TiO、およびこれらの組合せがあるが、これらに限定されない。
【0037】
埋込み絶縁物層の上にGe層を有する光検出器構造を実現する他の方法は、結合Ge−オン−インシュレータ基板を利用することである(例えば、A. Reznicek, et al., Spring MRS Meeting, San Francisco, 2004を参照されたい)。この実施形態では、多層構造は、次に絶縁物層420およびGe層430が続いているSi基板410から成る。好ましい実施形態では、絶縁物層はSiOであり、バルクGeウェーハかまたは組成を徐徐に変化させてSi基板上に成長されたGe層かのどちらかをウェーハ結合し、それからウェーハ分割または選択エッチングで残りの基板を除去することによって、最初のGe層がSiO層に移される。どちらの場合にも、この実施形態は、Geと埋込み酸化物の間のSi下層の必要性を無くし、かつGe吸収層の品質を改善するという利点を有する。
【0038】
本発明の重要な有利点の1つは、SiCOMSと直接一体化することができることである。特に、図14は、図1〜2に示す実施形態をSOICMOSとどのように組み合わせることができるかを示す。この実施形態では、CMOSおよび光検出器は共通の基板510および埋込み絶縁物520を利用する。埋込み絶縁物の上の薄いSi層530は、CMOSデバイス540の能動領域として作用し、かつ光検出器560のGe層550の下の下層として作用する。完全空乏SOIの場合には、Siの同じ厚さをCMOSおよび光検出器に利用することができる。若しくは、CMOSが部分空乏SOIである場合、CMOSデバイスの領域に追加のSiを再成長させるか、または光検出器の領域の過剰なSiをエッチ・バックするかのどちらかによって、より厚いSiをCMOSデバイスに利用することができる。好ましい実施形態では、光検出器の吸収領域は50nmから500nmの範囲であるので、検出器はCMOSデバイスと妥当な平面性を維持することができ、CMOSデバイスは一般に埋込み酸化物より上に200nmから250nmの範囲の高さを有している。図14に示す構造は、また、交互になるコンタクト領域60および70、電極80および分離領域50を光検出器領域560に含む。
【0039】
光検出器は、また、図15に示すように、バルクSiCMOSとも組み合わせることができるだろう。この実施例では、両方のデバイスが共通の基板610を共有するが、光検出器は選択埋込み絶縁物620を利用し、この選択埋込み絶縁物620は光検出器630の下の領域にはあるが、CMOSデバイス640の下にはない。選択埋込み絶縁物を作る1つの可能な方法は、酸素の打込みによる分離(SIMOX)と呼ばれるプロセスであり、このプロセスでは、最初に酸素イオンが少なくとも損傷領域を形成するようにSi基板に打ち込まれ、次にアニール・プロセスが続く。この場合、酸素イオンを打ち込み、それから非常に高い温度でアニールすることによって、埋込みSiO層は作られる。若しくは、光検出器は、図13の実施形態で説明したように、結晶絶縁物を使用することができるだろう。この場合、埋込み絶縁物の上の薄いSi層650は、光検出器の能動領域がGeだけから成るように無くすることができるだろう。図15に示す構造は、また、交互になるコンタクト領域60および70、電極80および分離領域50を光検出器領域630に含む。
【0040】
図14および図15に示す両方の実施形態で、Geがウェーハ全体にわたってではなく選択的に堆積されることが好ましいだろう。どのようにしてGeをSiOまたはSiNに選択的に堆積するかは当技術分野で非常によく知られているので、これは全く容易に達成することができるだろう。Geの選択的堆積は、CMOSデバイスに関していつ光検出器を作るかについての自由度を与える。選択的堆積は、また、欠陥低減が小面積構造で比較的容易に達成されるという有利点も有している。結晶酸化物構造を利用する光検出器は、この点で特に有利である。
【0041】
図16〜22は、本発明の高速Ge−オン−インシュレータ光検出器構造を製作する1つの方法を示す。この実施形態では、開始材料は図16に示すように薄いSOI基板700である。基板700は、Si基板701、埋込み絶縁物702、およびSOI層703を含む。次に、図17に示すように、SOI層703の直ぐ上にGe層704がエピタキシャル成長される。場合によっては、Ge層の品質を高めるために、Ge層704の前に薄いSiシード層(5〜30nm)を成長させることができる。最初のGe成長の温度は、3次元成長が起きないようにするために非常に低く保たれる(ほぼ300°〜350℃)。それから、この最初のGe層の成長後に、層の残りの部分を成長させるために温度を上げることができる。通常、成長後、Ge層は非常に緩和されるが、ほぼ109cm−2の高い貫通転位密度を有している。転位密度を減少させるために、図18に示す構造を実現するように材料はアニールされる。アニールは、一様な温度で行なうことができ、または米国特許 No. 6,635,110に記載されるように繰返しアニールを使用して行なうことができる。図18で、参照数字705は、相互拡散によって生じたSi1−xGe層を指し、参照数字706は、相互拡散後に残っている上部Ge層を指す。
【0042】
アニールの温度および時間は、Ge層の厚さ、この層が一様に成長されているかまたはパターン形成されているかどうか、および下の絶縁物が非晶質絶縁物かまたは結晶絶縁物かどうかに依存して変化する。アニールは、結果として得られた多層構造の貫通転位を減少させるように行なわれる。一般的なアニール温度は、約750°から約900℃である。それにもかかわらず、アニールは、一般に、転位密度を減少させかつ材料品質を改善するために有利であるので、埋込み絶縁物の使用は、相互拡散に利用可能なSiを制限するために極めて重要である。アニール後、図19に示すように、埋込み酸化物層までエッチングし、それから絶縁材料を再び満たすことによって、分離領域707が形成される。図では、絶縁分離領域707はGe能動領域と同じ高さに示されているが、分離領域はGe能動領域と同じ高さである必要はない。しかし、分離領域707は、Si/Ge界面近くの高欠陥領域を覆うように十分に厚くなければならない。これによって、表面電極が分離領域端を横切るときに、すなわち過剰なデバイス漏れを引き起こすかもしれない状況で、表面電極が高欠陥領域に接しないことが保証される。
【0043】
次に、図20および21に示すように、交互になるp型およびn型コンタクト709および708がそれぞれ形成される。p形打込みが最初に形成され次にn型打込みが続くように示されているが、打込みの順序は逆にすることができるだろう。好ましい実施形態では、コンタクトは、レジスト・マスクまたは誘電体マスクを使用してイオン打込みによって形成される。各種を打ち込んだ後で、打込みを活性化するためにコンタクトをアニールすることができる。若しくは、両方の組のコンタクトを打ち込み、それから同時にアニールすることができる。n型コンタクトでは、好ましいドーパント種はAs、PまたはSbであり、一方で、p型コンタクトでは、好ましいドーパント種はBである。ドーパント種がGe層の底近くの欠陥層から遠く離れた状態であるように、打込み物の深さは十分に小さくされるべきである。したがって、好ましい実施形態では、n型コンタクトとp型コンタクトの両方の打ち込まれたままのピーク・ドーパント濃度は、表面からほんの約5〜30nmであるべきである。
【0044】
それから、図22に示すように、導電電極710が形成される。この電極は、蒸着、スパッタリング、または化学気相成長を含んだ、ただしこれらに限定されないいくつかの手段によって作ることができるだろう。電極パターン形成は、また、リフトオフ、堆積とエッチング、または化学機械研磨のようないくつかの技術によって行なうことができる。電極抵抗は、デバイス性能がRC遅延によって制限されないように十分に小さくすべきであり、したがって、フィンガの最適厚さおよび幅は、デバイス面積(キャパシタンスに影響する)およびフィンガ材料の抵抗率の関数である。例えば、10×10μmの能動面積の場合、キャパシタンスは一般に50fFである。したがって、30GHzの帯域幅を達成するために、電極抵抗は約100Ω未満であるべきである。200nmの幅のAlフィンガの場合、これは、ほぼ150から300nmの厚さ範囲に対応する。正方形のデバイス形状の場合、キャパシタンスはデバイス面積に比例し、一方で電極抵抗は一定のままであるので、入射光を効果的に集める能力を損なうことなくデバイス面積をできるだけ小さくしておくことが望ましい。デバイス面積は、また、光電流対暗電流の比を最大限にするために、デバイスの能動面積に光を結合させるために必要とされる程度であるべきである。これらの条件を考慮に入れると、100μmから1000μmの範囲のデバイス面積が好ましい。
【0045】
電極材料の他の要求条件は、n型Geとp型Geの両方と良好なオーミック・コンタクトを作るべきであるということである。しかし、Geの狭いバンド・ギャップを考慮に入れると、これは一般に問題でなく、ほとんどどんな金属でも十分なオーミック・コンタクトを作ることができる。電極の候補金属には、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN、Pt、Pd、Hf、ITO、およびこれらの組合せがあるが、これらに限定されない。前述の金属のシリサイドおよびゲルマニドも本明細書で予想される。
【0046】
図16〜22に示したプロセスは、また、反射防止膜の堆積を含むことができるだろう。反射防止膜は、図11に示すように電極形成後に、またはプロセスのもっと初期に、堆積することができるだろう。図12に示した表面SiGe層は、また、Ge層成長の直後かまたは好ましくは繰返しアニールの終了後かのどちらかで成長させることができるだろう。後者の状況は、転位がデバイス性能に比較的大きなマイナスの影響を及ぼすかもしれない試料表面近くで、転位の形成を防止するだろう。表面SiGe層は、また、分離層の形成後に選択的に堆積することができるだろう。その結果、残りの露出された側壁のどれもが覆われて、側壁による漏れの機会が減少するという有利点がある。有利なことに、分離領域の形成後に、全Ge層を成長させることができるだろう。この実施形態には、Ge層が小さな面積に成長されるだけかもしれないという有利点があり、したがって、成長およびその後のアニール中に、欠陥減少が促進されるはずである。しかし、この実施形態では、電極が高欠陥領域に接することよる漏れを防止するために、より低い側壁が成長後に露出されることを保証するように注意しなければならない。
【0047】
本発明は、例示の好ましい実施形態に関して具体的に示し、かつ説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形および細部に前述および他の変更を加えることができることを当業者は理解するであろう。
【符号の説明】
【0048】
10 単結晶半導体基板
110 単結晶半導体基板
510 単結晶半導体基板
610 単結晶半導体基板
20 絶縁層
120 絶縁層
520 絶縁層
620 絶縁層
702 絶縁層
30 Si層
130 Si層
530 Si層
650 Si層
40 Ge層
150 Ge層
550 Ge層
704 Ge層
706 Ge層
50 分離領域
707 分離領域
60 p型コンタクト領域
709 p型コンタクト領域
70 n型コンタクト領域
708 n型コンタクト領域
80 表面電極
82 表面電極
85 表面電極
710 表面電極
140 相互拡散Si1−xGe
705 相互拡散Si1−xGe
160 組成漸変Si1−xGe
210 透明誘電体層
220 Ge表面
540 CMOSデバイス
640 CMOSデバイス
560 光検出器
630 光検出器
700 SOI基板
701 シリコン基板
703 SOI層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上に配置された絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上に配置された本質的にSiを含む第3の層と、
前記第3の層の上に配置された本質的にGeを含む第4の層であって、表面層を有する第4の層と、
前記第3の層および前記第4の層を囲繞し、さらに、前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、1つの電極に直接隣接した前記第4の層の全部分がn型にドープされ、最も近い隣の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分がp型にドープされている半導体光検出器。
【請求項2】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項3】
前記第4の層が、50nmよりも大きな厚さを有し、前記第3の層と前記第4の層の組み合わされた厚さが500nmよりも小さい、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項4】
前記第3の層と前記第4の層の組み合わされた平均Ge濃度が、80%よりも大きい、請求項3に記載の半導体光検出器。
【請求項5】
前記第2の層が、次式の関係に従うように厚さtおよび屈折率nを有し、
0.5(i + 0.4)(λ/n2)< t2< 0.5(i + 0.6)(λ/n2)
ここでiが整数であり、λが入射光の真空中の波長である、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項6】
次式の関係に従うように、前記第3の層が厚さtおよび屈折率nを有し、前記第4の層が厚さtおよび屈折率nを有し、
(i + 0.9)(λ/2) < t3n3+t4n4 < (i + 1.1)(λ/2)
ここで、iが整数であり、λが入射光の真空中の波長である、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項7】
隣接したn型ドープ領域とp型ドープ領域が、0.1μmと1.0μmの間の範囲にある距離だけ離れている、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項8】
前記電極が、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN、Pt、Pd、Hf、ITO、およびこれらそれぞれのシリサイドまたはゲルマニドあるいはその両方、またはこれらの組合せを備える、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項9】
前記電極と直接接触していない前記表面層の部分の上に、反射防止膜として作用するように1と前記第4の層の屈折率との間の屈折率を有する透明誘電体層をさらに備える、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項10】
前記第3の層と前記第4の層の間に、前記第3の層のSiと前記第4の層のGeの間の相互拡散によって形成されたSi1−xGeの第5の層をさらに備える、請求項1に記載の半導体光検出器。
【請求項11】
前記第3の層と前記第4の層と前記第5の層の組み合わされた厚さが、500nmよりも小さく、前記第4の層の残りの部分が50nmよりも大きな厚さを有している、請求項10に記載の半導体光検出器。
【請求項12】
前記第3の層と前記第4の層と前記第5の層の組み合わされた平均Ge濃度が、80%よりも大きい、請求項11に記載の半導体光検出器。
【請求項13】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上に配置された絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上に配置された本質的にSiを含む第3の層と、
前記第3の層の上に配置された本質的にGeを含む第4の層であって、表面層を有する第4の層と、
前記第3の層および前記第4の層を囲繞し、さらに、前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、交互になる電極が第1の組の電極を含み、前記第1の組の電極の両側の最も近い隣の電極が第2の組の電極を含み、さらに、前記第1の組の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分が一伝導型にドープされ、前記第2の組の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分が前記第4の層の残りの部分と同じにドープされている半導体光検出器。
【請求項14】
前記第1の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分が、n型にドープされ、さらに、前記第2の電極のフェルミ・エネルギーと前記第4の層の価電子帯端との間の差が、Eg/2よりも小さく、ここでEgが前記第4の層のバンド・ギャップである、請求項13に記載の半導体光検出器。
【請求項15】
前記第1の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分が、p型にドープされ、さらに、前記第4の層の伝導帯端と前記第2の電極のフェルミ・エネルギーとの間の差が、Eg/2よりも小さく、ここでEgが前記第4の層のバンド・ギャップである、請求項13に記載の半導体光検出器。
【請求項16】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上に配置された絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上に配置された本質的にSiを含む第3の層と、
前記第3の層の上に配置された本質的にGeを含む第4の層であって、表面層を有する第4の層と、
前記第3の層および前記第4の層を囲繞し、さらに、前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、交互になる電極が第1の組の電極を含み、前記第1の組の電極の両側の最も近い隣の電極が第2の組の電極を含み、前記第1および第2の組の電極に直接隣接した前記第4の層の全部分が前記第4の層の残りの部分と同じにドープされている半導体光検出器。
【請求項17】
前記第1の電極のフェルミ・エネルギーと前記第4の層の価電子帯端との間の差が、Eg/2よりも小さく、さらに前記第4の層の伝導帯端と前記第2の電極のフェルミ・エネルギーとの間の差が、Eg/2よりも小さく、ここでEgが前記第4の層のバンド・ギャップである、請求項16に記載の半導体光検出器。
【請求項18】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上の絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上の本質的にSi1−xGeを含む第3の層であって、表面層を有する第3の層と、ここでGe濃度xは前記第2の層に隣接した最小値から前記表面層の最大値まで連続的に変化しており、
前記第3の層を囲繞し、さらに、前記第3の層に隣接するかまたは前記第3の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、1つの電極に直接隣接した前記第3の層の全部分がn型にドープされ、最も近い隣の電極に直接隣接した前記第3の層の全部分がp型にドープされている半導体光検出器。
【請求項19】
前記第3の層の厚さが、50nmと500nmの間の範囲にある、請求項18に記載の半導体光検出器。
【請求項20】
前記第3の層の平均Ge濃度が、80%よりも大きい、請求項19に記載の半導体光検出器。
【請求項21】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上の絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上の本質的にSiを含む第3の層と、
前記第3の層の上の本質的にGeを含む第4の層と、
前記第4の層の上の、本質的にSi1−zGeを含みかつ表面層を有する第5の層と、
前記第3の層および前記第4の層および前記第5の層を囲繞し、さらに、前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、1つの電極に直接隣接した前記第5の層の全部分がn型にドープされ、最も近い隣の電極に直接隣接した前記第5の層の全部分がp型にドープされている半導体光検出器。
【請求項22】
前記第5の層の厚さおよびGe濃度は、前記第5の層が熱力学的安定性の厚さ限界を超えないようなものである、請求項21に記載の半導体光検出器。
【請求項23】
前記第4の層が、50nmよりも大きな厚さを有し、前記第3の層および前記第4の層および前記第5の層の組み合わされた厚さが500nmよりも小さい、請求項21に記載の半導体光検出器。
【請求項24】
単結晶半導体基板の第1の層と、
前記第1の層の上の絶縁材料の第2の層と、
前記第2の層の上の、本質的にGeを含みかつ表面層を有する第3の層と、
前記第3の層を囲繞し、さらに、前記第3の層に隣接するかまたは前記第3の層より上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有する分離領域と、
複数の交互配置された部材を含んだ、前記表面層上の一組の電極と、を備え、1つの電極に直接隣接した前記第3の層の全部分がn型にドープされ、最も近い隣の電極に直接隣接した前記第3の層の全部分がp型にドープされている半導体光検出器。
【請求項25】
前記第2の層が、結晶酸化物である、請求項24に記載の半導体光検出器。
【請求項26】
前記第2の層が、(Ba,Sr)O、BaTiO、SrTiO、SrRuO、MgO、TiO、またはこれらの組合せを含む、請求項25に記載の半導体光検出器。
【請求項27】
前記第3の層の厚さが、50nmと500nmの間の範囲にある、請求項24に記載の半導体光検出器。
【請求項28】
請求項1に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項29】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項28に記載の半導体集積回路。
【請求項30】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項28に記載の半導体集積回路。
【請求項31】
請求項13に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項32】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項31に記載の半導体集積回路。
【請求項33】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項31に記載の半導体集積回路。
【請求項34】
請求項16に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項35】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項34に記載の半導体集積回路。
【請求項36】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項34に記載の半導体集積回路。
【請求項37】
請求項18に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項38】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項37に記載の半導体集積回路。
【請求項39】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項37に記載の半導体集積回路。
【請求項40】
請求項21に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項41】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項40に記載の半導体集積回路。
【請求項42】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項40に記載の半導体集積回路。
【請求項43】
請求項24に記載の光検出器および複数のSOIMOSFETデバイスを備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板および絶縁材料の前記第2の層が、前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有されている半導体集積回路。
【請求項44】
前記単結晶半導体基板がSiであり、前記第2の層がシリコン酸化物である、請求項43に記載の半導体集積回路。
【請求項45】
前記複数のSOIMOSFETデバイスが、CMOS回路に配線されている、請求項43に記載の半導体集積回路。
【請求項46】
請求項1に記載の光検出器を備え、かつ複数のバルクMOSFETデバイスをさらに備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板が前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有され、かつ絶縁材料の前記第2の層が前記半導体光検出器の下の領域だけに配置されている半導体集積回路。
【請求項47】
請求項24に記載の光検出器を備え、かつ複数のバルクMOSFETデバイスをさらに備える半導体集積回路であって、前記単結晶半導体基板が前記MOSFETデバイスと前記光検出器の間で共有され、かつ絶縁材料の前記第2の層が前記半導体光検出器の下の領域だけに配置されている半導体集積回路。
【請求項48】
前記第2の層が、結晶酸化物である、請求項47に記載の半導体集積回路。
【請求項49】
半導体光検出器を製作する方法であって、
単結晶半導体基板、絶縁材料の第2の層、および本質的にSiを含む第3の層を備える半導体構造を形成するステップと、
本質的にGeの第4の層をエピタキシャル成長させるステップであって、前記第4の層が表面層を有しているステップと、
貫通転位密度を減少させるようにアニールするステップと、
前記第3の層および前記第4の層を囲繞する分離領域を形成するステップであって、前記分離領域が前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層よりも上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有しているステップと、
故意でなくドープされた材料の領域が、p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の交互になるストライプの間に残っているように、前記表面層に隣接して前記交互になるストライプを形成するステップと、
複数の交互配置された部材を含む一組の電極を前記表面層に形成するステップと、を備え、前記表面層と接触している前記電極の部分の全体が、また、p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の前記ストライプと接触している方法。
【請求項50】
前記第4の層が、50nmよりも大きな厚さを有し、前記第3の層と前記第4の層の組み合わされた厚さが、500nmよりも小さい、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第3の層と前記第4の層の組み合わされた平均Ge濃度が、80%よりも大きい、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
Geの前記第4の層の成長前に、Siシード層を形成するステップをさらに備える、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の前記ストライプが、イオン打込みおよびその後のアニールによって形成される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記電極と直接接触していない前記表面層の部分の上に、反射防止膜として作用するように1と前記第4の層の屈折率との間の屈折率を有する透明誘電体層を堆積するステップさらに備える、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記アニールが、750℃と900℃の間の範囲の温度で行なわれる、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
前記アニールが、相互拡散の結果として、Siの前記第3の層とGeの前記第4の層との間にSi1−xGeの追加の層を形成する、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
Siの前記第3の層およびGeの前記第4の層が、前記アニール中に相互拡散して、前記第2の層に隣接した最小値から前記表面層での最大値まで連続的に変化するGe濃度xを有するSi1−xGeの層を形成する、請求項49に記載の方法。
【請求項58】
半導体光検出器を製作する方法であって、
単結晶半導体基板、絶縁材料の第2の層、および本質的にSiを含む第3の層を備える半導体構造を形成するステップと、
本質的にGeの第4の層をエピタキシャル成長させるステップと、
本質的にSi1−zGeの第5の層をエピタキシャル成長させるステップであって、前記第5の層が表面層を有しているステップと、
貫通転位密度を減少させるようにアニールするステップと、
前記第3の層および前記第4の層および前記第5の層を囲繞する分離領域を形成するステップであって、前記分離領域が、前記第4の層に隣接するかまたは前記第4の層よりも上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有しているステップと、
故意でなくドープされた材料の領域が、p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の交互になるストライプの間に残っているように、前記表面層に隣接して前記交互になるストライプを形成するステップと、
複数の交互配置された部材を含む一組の電極を前記表面層に形成するステップと、を備え、前記表面層と接触している前記電極の部分の全体が、また、前記n型にドープされた材料または前記p型にドープされた材料と接触している方法。
【請求項59】
本質的にSi1−zGeの前記第5の層が、前記アニールの後であるが前記分離領域の形成の前に、成長される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記分離領域を形成するステップの後であるが、p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の前記交互になるストライプを形成する前に、本質的にSi1−zGeの前記第5の層が成長される、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
半導体光検出器を製作する方法であって、
単結晶半導体を含む半導体構造を形成するステップと、
結晶絶縁材料の第2の層をエピタキシャル成長させるステップと、
本質的にGeの第3の層をエピタキシャル成長させるステップであって、前記第3の層が表面層を有しているステップと、
貫通転位密度を減少させるようにアニールするステップと、
前記第3の層を囲繞する分離領域を形成するステップであって、前記分離領域が前記第3の層に隣接するかまたは前記第3の層よりも上にある上の境界および前記第2の層に隣接した下の境界を有しているステップと、
故意でなくドープされた材料の領域が、p型にドープされた材料とn型にドープされた材料の交互になるストライプの間に残っているように、前記表面層に隣接して前記交互になるストライプを形成するステップと、
複数の交互配置された部材を含む一組の電極を前記表面層に形成するステップと、を備え、前記表面層と接触している前記電極の部分の全体が、また、前記n型にドープされた材料または前記p型にドープされた材料と接触している方法。
【請求項62】
前記第2の層が、(Ba,Sr)O、BaTiO、SrTiO、SrRuO、MgO、TiO、またはこれらの組合せを備える、請求項61に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−186507(P2012−186507A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138161(P2012−138161)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【分割の表示】特願2007−500920(P2007−500920)の分割
【原出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
【復代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
【Fターム(参考)】