説明

(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態及びその使用

(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態、及び(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態を製造する方法、並びに(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態を使用する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年1月25日に出願された米国仮特許出願第61/023,808号、及び2008年12月11日に出願された第61/121,859号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張すると共に、各々は、参照により全体として援用される。
【0002】
分野
(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態、(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態を含む医薬組成物、及び(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態を製造する方法が開示される。この(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態は、例えば、神経障害痛、癲癇、全般性不安障害、線維筋痛、片頭痛、一過性熱感、下肢静止不能症候群、及び睡眠障害を含むある種の疾患及び障害の治療における治療薬として使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
背景
一般に、薬物の結晶形態は、部分的にはそれらの優れた安定性のために、薬物の非晶形態よりも好ましい。例えば、多くの状況において、非晶性薬物は、保存に応じて結晶性薬物形態に変換する。薬物の非晶形態及び結晶形態は、典型的には、異なる物理的/化学的特性、潜在力及び/又は生物学的利用能を有するため、このような相互変換は医薬的な投与には安定性の理由で望ましくない。いずれかの結晶性薬物物質の主要な特徴は、このような材料の多形である。結晶格子が分子の異なる整列を含むため、多形は異なる物理的特性を有する同じ文勢の結晶である。多形によって示される異なる物理的特性は、重要な医薬的パラメータ、例えば、保存、安定性、圧縮性、密度(製剤及び製品製造において重要である)、並びに溶解速度(生物学的利用能の決定に重要である)に影響を及ぼす場合がある。安定性の相違は、化学反応性(例えば、異なった加水分解又は酸化、その結果、投薬形態は、別の多形よりはむしろ1つの多形を含む場合にはより急速に変色する)、機械的変化(例えば、動力学的に好ましい結晶形態が熱力学的により安定な結晶形態に変換するので、錠剤は保存中に崩壊する)、又はその両方(例えば、1多形の錠剤は高湿度で分解により影響を受けやすい)における変化に起因する可能性がある。多形間の安定性の相違は、極限状態において、結果として、効力を欠如する及び/又は毒性である結晶形態に移行する場合がある。さらに、結晶形態の物理的特性は、製剤過程で重要であり得る。例えば、特定の結晶形態は、より迅速に溶媒和物を形成してもよく、又は他の形態よりも不純物がなく、ろ過及び洗浄がより困難であってもよい(例えば、粒子形状及びサイズ分布は、他の形態と比較して1つの形態で異なっていてもよい)。
【0004】
米国食品医薬品局などの政府機関は、固体投薬形態の有効成分の多形含量を厳密に調節する。一般に、規制機関は、純粋であり熱力学的に好ましい多形以外のものを市場に出す場合には、多形薬物についてバッチごとの監視を要求する。従って、医薬及び市販の理由は、動力学的に好ましい多形を実質的に含まない熱力学的に安定な多形として、固形薬物を合成し、市場に出すことを好む。
【0005】
(3S)−{[1−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(1)は、GABA類似体プレガバリン、(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸(2)のプロドラッグであり、哺乳動物の結腸に経口又は直接的に投与された場合にプレガバリンとして高い生物学的利用能を有する(Gallop et al.,US6,972,341;及びGallop et al.,US7,186,855、各々は、参照により全体として援用される)。
【0006】
【化1】

【0007】
この高い経口及び/又は結腸の生物学的利用脳は、このプロドラッグを、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏などの疾患を治療するために有用である経口投薬形態(持続放出投薬形態を含む)における使用に適したものにする。
【0008】
化合物(1)は、Gallopら,US6,972,341及びGallopら,US7,227,028に開示されるにように製造され、2つのジアステレオマー((1S)/(1R))の混合物からなり、有機溶媒中から濃縮後、粘性のある油状物として単離される。Gallopらに開示されたこのプロセスによって得られる材料の油性は、安定な医薬として適切な経口投薬形態を製剤化の観点から望ましくない。さらに、ジアステレオマー化合物のある種のアルカリ金属塩形態(例えば、ナトリウム塩)への変換は、非常な吸湿性である固体材料を与えることが見出されている。さらに、吸湿性固体は、低バルク密度及び不都合な流動性のため、典型的な製剤プロセス条件を用いて操作することが困難である。さらに、吸湿性固体の操作は、例えば、再生できる量の活性化合物又は固体製剤安定性を得るために、特別な技術及び装置を必要とする。さらに、吸湿性の薬物は、水蒸気に影響されない特別な容器に包装されなければならず、実質的に、このような製品の費用が増大する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
したがって、製剤過程及び医薬組成物において好都合に使用可能である物理化学的特性を有した(3S)−{[1−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(1)の血漿形態及びその医薬として許容される塩の必要性がある。
【0010】
この必要性及び他の必要性を満足する(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(3)の結晶形態が提供される。
【0011】
【化2】

【0012】
より具体的には、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸・水和物(3a)及び結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸・一水和物が開示される。
【0013】
【化3】

【0014】
第1の局面では、Cu−Kα放射線を用いて測定されたX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が提供される。
【0015】
第2の局面では、Cu−Kα放射線を用いて測定されたX線粉末回折において、少なくとも55.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、及び医薬として許容されるビヒクルを含む医薬組成物が提供される。
【0016】
第3の局面では、Cu−Kα放射線を用いて測定されたX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結晶化合物を製造する方法が提供され、該方法は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、水、及び水混和性溶媒を含む溶液を提供し;そして、溶液の温度を調整して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を提供する工程を含む。
【0017】
第4の局面では、患者における疾患を治療する方法が提供され、該方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療的に有効量の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記疾患は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される。
【0018】
第5の局面では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物、並びに運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される疾患を治療するために、それを必要とする患者に前記医薬組成物を投与するために指示書を含むキットが提供される。
【0019】
第6の局面では、患者における電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットを調節する方法が提供され、該方法は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物を患者に投与することを含む。
【0020】
第7の局面では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と、オピオイド作動薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、及び選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬から選択される薬物とを含む医薬組成物、並びに慢性疼痛を管理するためにそれを必要とする患者に前記医薬組成物を投与するための指示書を含むキットが提供される。
【0021】
第8の局面では、患者における慢性疼痛を管理する方法が提供され、該方法は、そのような処置を必要とする患者に、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と、オピオイド作動薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、及び選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬から選択される薬物と、並びに医薬として許容されるビヒクルとを含む医薬組成物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】エタノール/水から結晶化させた結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のX線粉末回折を示す。
【図2】イソプロパノール/水から結晶化させた結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のX線粉末回折を示す。
【図3】アセトン/ヘキサンから結晶化させた(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム無水物のX線粉末回折を示す。
【図4】結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の熱重量分析を示す。
【図5】結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の赤外スペクトルを示す。
【図6】結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の異なるバッチのX線粉末回折を示す。
【図7】10mg当量のプレガバリン/kgのプレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結腸内投薬後のサルの血中プレガバリンの平均(SD)濃度を示す。
【図8】結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含有する錠剤の溶解プロフィールを示す。
【図9】プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の経口投与後のサルの血中プレガバリンの平均(SD)濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
定義
「生物学的利用能」とは、薬物又はそのプロドラッグの患者への投与後に、患者の全身循環に到達する薬物の量を指し、例えば、薬物の血漿又は血中濃度対時間プロフィールを評価することによって決定されてもよい。血漿又は血中濃度対時間曲線の特徴付けに有用なパラメータには、曲線下の面積(AUC)、濃度が最大となる時間(Tmax)、及び最大薬物濃度(Cmax)が挙げられ、ここで、Cmaxは、ある投薬量の薬物又はそのプロドラッグの患者への投与後に患者の血漿又は血液中の薬物の最大濃度であり、Tmaxは、ある投薬量の薬物又はそのプロドラッグの患者への投与後に患者の血漿又は血液の最大濃度(Cmax)までの時間である。
【0024】
「(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム」(3)とは、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸の陰イオンとカルシウム(2+)の陽イオンを[2:1]のモル比で含む塩を指す。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムについての他の化学名は、3−({[(1R)−1−(2−メチルプロパノイルオキシ)エトキシ]−カルボニルアミノ}メチル)(3S)−5−メチルヘキサン酸カルシウム塩、及び(1−(R)−3−({[1−(2−メチルプロパノイルオキシ)−エトキシ]カルボニルアミノ}メチル)(3S)−5−メチルヘキサン酸、カルシウム塩が含まれる。
【0025】
「結晶性」とは、分子の規則正しい繰り返し配置を有することを意味する。
「疾患」とは、疾患、障害、状態、症状、又は兆候を指す。
「水和物」とは水との関連を意味する。
【0026】
「結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの水和物」、又は「結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・一水和物(3a)は、無水(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムが僅かな水分子を含む水分子と結合されている化合物を指す。例えば、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、1モル未満の僅かな水、又は約1〜約3モルの水を含んでいてもよく、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の1モルあたり僅かな水が含まれる。例えば、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約2w%の水〜約5wt%の水を含んでいてもよい。1以上の水分子は、結晶格子に取り込まれてもよく、又は結晶格子に緩く結合されてもよい。ある種の態様では、無水(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの1分子あたり、1分子の水が結晶格子に取り込まれ、任意の更なる含水量が結晶格子の外側に結合される。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・一水和物、及び結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・二水和物を含む。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・一水和物についての他の化学名は、3−({[(1R)−1−(2−メチルプロパノイルオキシ)エトキシ]−カルボニルアミノ}メチル)(3S)−5−メチルヘキサン酸カルシウム塩(2:1)・一水和物;3−({[(1R)−1−(2−メチルプロパノイルオキシ)エトキシ]カルボニルアミノ}メチル)(3S)−5−メチルヘキサン酸カルシウム塩,一水和物;及び、(1−(R)−3−({[1−(2−メチルプロパノイルオキシ)−エトキシ]カルボニルアミノ}メチル)(3S)−5−メチルヘキサン酸、カルシウム塩、一水和物である。
【0027】
「患者」には、哺乳動物、例えば、ヒトが含まれる。
「医薬組成物」とは、本開示によって提供される少なくとも1つの化合物、該化合物と共に患者に投与される少なくとも1つの医薬として許容されるビヒクルを含む組成物を意味する。
【0028】
「医薬として許容される」とは、連邦政府又は州政府の規制機関によって承認され、又は承認できることをいい、米国薬局方に列挙され、又はヒトを含む哺乳動物における使用のための他の一般的に認識されている薬局において列挙されている。
【0029】
「医薬として許容されるビヒクル」とは、医薬として許容される希釈剤、医薬として許容されるアジュバント、医薬として許容される賦形剤、医薬として許容される担体、又は前述のいずれかの組み合わせを指し、それと共に、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を患者に投与することができ、その薬理活性は崩壊することなく、治療的に有効量の化合物を提供するのに十分な投薬量で投与されても毒性がない。
【0030】
「プロモイエティ(promoiety)」とは、使用の特定の条件下で切断可能な結合(単数又は複数)を介して、薬物、典型的には薬物の官能基に結合される基を指す。薬物及びプロモイエティ間の結合(単数又は複数)は、酵素的手段又は非酵素的手段によって切断されてもよい。使用のための条件下では、例えば、患者への投与後、薬物とプロモイエティ間の結合(単数又は複数)が切断されて、親薬物を放出することができる。プロモイエティの切断は、例えば加水分解反応を介して自発的に進められてもよく、あるいは、別の薬物、例えば、酵素によって、光によって、酸によって、又は物理的若しくは環境的パラメータの変化若しくは曝露によって、例えば温度、pHなどの変化によって触媒されるか又は誘導されてもよい。薬物は、使用の条件、例えば、薬物が投与される全身循環に存在する酵素、又は胃の酸性条件に内因性であってもよく、又は薬物は、外因的に供給されてもよい。例えば、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティは以下である。
【0031】
【化4】

【0032】
「持続放出」とは、薬物の即時放出製剤よりも長い機関、治療的若しくは予防的な量の薬物又はその活性代謝物の放出を指す。経口投与について、用語「持続放出」とは、典型的には、ある期間、例えば、約2〜30時間、ある種の態様では、約4〜約24時間の期間、消化管腔内での薬物の放出を意味する。持続放出製剤は、典型的には、薬物の即時放出製剤の経口投与によって達成される濃度と比較して、全身循環における薬物の治療的に有効な濃度を達成する。
【0033】
任意の疾患又は障害「を治療すること」又は「の治療」とは、疾患、障害、又は疾患若しくは障害の臨床症状の少なくとも1つを抑制又は改善すること、疾患、障害、又は疾患若しくは障害の臨床症状の少なくとも1つを減少させること、疾患、障害、又は疾患若しくは障害の臨床症状の少なくとも1つの発症を減少させること、あるいは、疾患、障害、又は疾患若しくは障害の臨床症状の少なくとも1つの危険性を減少させることを意味する。また、「治療すること」又は「治療」は、肉体的に(例えば、識別できる症状の安定化)、生理的に(例えば、肉体的パラメータの安定化)、若しくはその両方で疾患又は障害を阻害し、患者に識別されてもよい又は識別されなくてもよい少なくとも1つの肉体的パラメータを阻害するこを指す。ある種の態様では、「治療すること」又は「治療」は、患者が疾患又は障害の症状をいまだに経験しておらず、症状を示していないとしても、疾患又は障害に晒され又はその傾向にあり得る患者における疾患若しくは症状、又はその少なくとも1つの症状の開始を遅延させることを指す。
【0034】
「治療的に有効な量」とは、疾患若しくは障害、又は疾患若しくは障害の少なくとも1つの臨床症状を治療するために対象に投与された場合、疾患、障害、又は症状のそのような治療に影響を与えるには十分である化合物の量を指す。「治療的に有効な量」は、化合物、疾患、障害、及び/又は疾患若しくは障害の症状、疾患、障害、及び/又は疾患若しくは障害の症状の重症度、治療されるべき患者の年齢、体重、及び/又は健康、並びに意思の判断に応じて変化させることができる。任意の所定の例における適切な量は、当業者によって容易に確定することができ、又は日常的な経験によって決定可能である。
【0035】
(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸プロドラッグの結晶形態
化合物(1)の個々のジアステレオマーは、結晶性固体として単離されるべきそれらの特性において相違するカルシウム塩を形成する。このようにして、(3S)−{[1−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(1)のジアステレオマー塩、即ち、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、及び(3S)−{[(1S)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムについて、1つの異性体である(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(1−R):
【0036】
【化5】

【0037】
は、形態学的に結晶形態でより容易に単離される。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(3)は、水和物形態(3a)で単離することができ、この材料は、X線粉末回折(XRPD)の回折図内で低角度反射と高角度反射の両方の幅広いパターンによって証明されるように、高秩序の結晶格子を示す固体を提供するために結晶化され得る。
【0038】
カルシウムへの言及
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩(3)は、この化合物について、慣習の化学構造の全ての可能な互変異性形態、及びこの化合物の全ての同位体(例えば、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18Oなど)標識された誘導体を含む。
【0039】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムは、スキーム1に記載される方法に従って合成することができる。
【0040】
【化6】

【0041】
O−(1−イソブタノイルオキシエチル)S−メチルチオカルボネート(4)は、Gallopら(US7,227,028)に開示されている手法に従ってラセミ混合物として調製され、水性媒体(任意には約pH7に緩衝される)中の適切なエステラーゼ又はリパーゼ(例えば、Candida antarctica由来のリパーゼ)で処理され、S−鏡像体を選択的に分解し、高いエナンチオ選択性及び良好な収率を有する所望のR−鏡像体(5)を得ることができる。[((1R)−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニルオキシ]スクシンイミド(6)への(5)の変換、及びGallopら(US7,227,028)に記載されるプロトコールに従ってプレガバリンとのカップリングにより、プレガバリンプロドラッグ(1−R)の遊離酸形態を得る。1モル当量の適切なナトリウム塩基(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド)を用いた、水性/有機溶媒中の(1−R)の処理により、ナトリウム塩(7)が得られ、真空中での溶媒除去後、吸湿性固体として単離されてもよい。水溶性カルシウム塩(例えば、酢酸カルシウム、又は塩化カルシウム)を用いた(7)の水溶液の処理により、溶液から沈殿し、ろ過又は遠心分離によって単離される白色固形物として化合物(3)を得る。
【0042】
水性溶媒混合物からの(3)の結晶化は、白色の結晶固体として、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物(3a)を与える。ある種の態様では、溶媒混合物は、水及び水混和性アルコールを含み、化合物(3)は白色の結晶性水和物塩(3a)として単離することができる。ある種の態様では、水混和性アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、及びイソプロパノールから選択される。ある種の態様では、水混和性アルコールは、メタノール及びイソプロパノールから選択される。ある種の態様では、水性溶媒混合物は、水及びエタノールを含み、化合物(3)は白色の結晶性水和物塩(3a)として単離される。ある種の態様では、水性溶媒混合物は水おお日イソプロパノールを含み、化合物(3)は白色の結晶性水和物塩(3a)として単離される。
【0043】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されたX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.2°、7.4°±0.2°、7.9°±0.2°、11.6°±0.2°、15.5°±0.2°、17.2°±0.2°、及び19.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.2°、7.4°±0.2°、7.9°±0.2°、11.6°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.6°±0.2°、17.2°±0.2°、及び19.0°±0.2°、22.2°±0.2°、及び24.9°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.2°、7.0°±0.2°、7.4°±0.2°、7.9°±0.2°、11.1°±0.2°、11.6°±0.2°、12.8°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、15.1°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.6°±0.2°、17.2°±0.2°、17.5°±0.2°、17.8°±0.2°、18.1°±0.2°、18.4°±0.2°、18.6°±0.2°、19.0°±0.2°、19.6°±0.2°、19.8°±0.2°、20.7°±0.2°、21.0°±0.2°、22.2°±0.2°、23.1°±0.2°、24.9°±0.2°、26.1°±0.2°、26.8°±0.2°、27.8°±0.2°、28.0°±0.2°、28.8°±0.2°、29.7°±0.2°、及び30.5°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。
【0044】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されたX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.1°、7.4°±0.1°、7.9°±0.1°、11.6°±0.1°、15.5°±0.1°、17.2°±0.1°、及び19.0°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.1°、7.4°±0.1°、7.9°±0.1°、11.6°±0.1°、15.5°±0.1°、16.3°±0.1°、16.6°±0.1°、17.2°±0.1°、及び19.0°±0.1°、22.2°±0.1°、及び24.9°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.0°±0.1°、7.0°±0.1°、7.4°±0.1°、7.9°±0.1°、11.1°±0.1°、11.6°±0.1°、12.8°±0.1°、13.7°±0.1°、14.1°±0.1°、15.1°±0.1°、15.5°±0.1°、16.3°±0.2°、16.6°±0.1°、17.1°±0.1°、17.5°±0.1°、17.8°±0.1°、18.1°±0.1°、18.4°±0.1°、18.6°±0.1°、19.0°±0.1°、19.6°±0.1°、19.8°±0.1°、20.7°±0.1°、21.0°±0.1°、22.2°±0.1°、23.1°±0.1°、24.9°±0.1°、26.1°±0.1°、26.8°±0.1°、27.8°±0.1°、28.0°±0.1°、28.8°±0.1°、29.7°±0.1°、及び30.5°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。
【0045】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.7°±0.2°、17.3°±0.2°、19.2°±0.2°、22.4°±0.2°、及び25.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.3°±0.2°、11.6°±0.2°、12.9°±0.2°、13.0°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.7°±0.2°、17.3°±0.2°、17.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.6°±0.2°、19.7°±0.2°、20.9°±0.2°、21.3°±0.2°、22.4°±0.2°、25.1°±0.2°、及び26.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。
【0046】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.1°、8.0°±0.1°、11.1°±0.2°、及び19.1°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.1°、8.0°±0.1°、11.6°±0.1°、16.3°±0.1°、及び19.2°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.1°、7.3°±0.1°、8.0°±0.1°、11.6°±0.1°、16.3°±0.1°、17.3°±0.1°、及び19.2°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.1°、7.3°±0.1°、8.0°±0.1°、11.6°±0.1°、15.5°±0.1°、16.3°±0.1°、16.7°±0.1°、17.3°±0.1°、19.2°±0.1°、22.4°±0.1°、及び25.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.1°、7.3°±0.1°、8.0°±0.1°、11.3°±0.1°、11.1°±0.2°、12.9°±0.1°、13.0°±0.1°、15.5°±0.1°、16.3°±0.1°、16.7°±0.1°、17.3°±0.1°、17.5°±0.1°、18.1°±0.1°、18.6°±0.1°、19.7°±0.1°、20.9°±0.1°、21.3°±0.1°、22.4°±0.1°、25.1°±0.1°、及び26.0°±0.1°の特徴的散乱角(2θ)を示す。
【0047】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、1モルの(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムあたり約1モルの水〜1モルの(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムあたり約3モルの水を含む。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、1モルの(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムあたり約1モルの水を含む。
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は約2wt%の水〜約5wt%の水を含む。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約2.6wt%の水を含む。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約105℃〜約120℃の間で融液相遷移を受ける。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約107℃〜約115℃の間で融液相遷移を受ける。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約107℃〜約111℃の間で融液相遷移を受ける。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約91℃〜約129℃の間で融液相遷移を受ける。
【0048】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムは、最初に(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムを溶媒混合物に添加し、溶液又は懸濁液を形成することによって調製されてもよい。本明細書中で使用するとき、溶液及び懸濁液なる用語は、置換可能に使用され、溶解性にかかわらずに溶媒又は溶媒混合物に化合物が存在する態様を含むことが意味される。溶媒の組み合わせは、溶液中の化合物が温度依存的な溶解性を示すようなものであり得る。一般に、化合物が第1の温度範囲内で可溶性であり、第2の温度範囲内で難溶性である溶媒の組み合わせは、本明細書に開示されている結晶法において使用することができる。また、「良」溶媒及び「抗溶媒(anti−solvent)」の混合物を使用することができ、温度依存的可溶化であり、即ち、高温で溶解し、室温で結晶化する。適切な「良」溶媒、即ち、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムが可溶性の溶媒の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、及び前述のいずれかの混合物が挙げられる。適切な「抗溶媒」、即ち、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムが難溶性を示す溶媒の例には、水、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、クロロベンゼン、アルカン、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シス−又はトランス−デカリン、シクロヘキサン、メチルクロロヘキサン、及び前述のいずれかの混合物が挙げられる。
【0049】
ある種の態様では、この溶解プロセスは、溶媒組み合わせの沸点以下の高温で行うことができる。したがって、ある種の態様では、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムは、加熱しながら、場合により振とうし、撹拌しながら、水性溶媒混合物中で溶解することができる。加熱された溶液は、化合物の完全な溶解を確認するために高温で維持されてもよい。また、加熱された溶液は、任意の溶解していない成分を除去するために高温でろ過されてもよい。
【0050】
次に、加熱された溶液は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を結晶化するためにゆっくりと冷却することができ、ろ過し及び/又は減圧下で乾燥させることによって残渣溶媒から分離されてもよい。ある種の態様では、溶液を約0℃〜約25℃に冷却することができる。また、結晶化の分野における当業者に知られている他の方法(例えば、溶媒蒸発、浸漬、化学反応、少量の所望の結晶形態の播種など)は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を結晶化するために採用されてもよい。
【0051】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、水、及び水混和性溶媒を含む溶液を提供し;並びに、溶液の温度を調節して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を得ることを含む工程によって調製することができる。ある種の態様では、水混和性溶媒は、エタノール及びイソプロパノールから選択される。ある種の態様では、溶液は、約40v/v%〜約5v/v%の範囲の量の水を含む。
【0052】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム及び絶対エタノールを含む第1溶液を提供し;この混合物の温度を調節して、第2溶媒を提供し;並びに第2溶液の温度を調節して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を提供することを含む工程によって調製することができる。ある種の態様では、この方法を用いて調製された(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、融点が約107℃〜約111℃を示す。前述のある種の態様では、脱イオン水を第1溶液に添加して、不透明な混合物を提供することができる。
【0053】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム及びイソプロパノールの第1溶液を提供し;脱イオン水を第1溶液に添加して、混合物を形成し;混合物の温度を調節して、第2の溶液を提供し;第2の溶液の温度を約室温に調節して、第3溶液を提供し;並びに、第3溶液の温度を調節して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を提供することを含む工程によって調製可能である。ある種の態様では、この方法を用いて調製された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和は、約112℃〜約117℃の範囲の融点を示す。前述のある種の態様では、脱イオン水を第1溶液に添加して、不透明な混合物を提供することができる。
【0054】
治療的使用
(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸の薬理学的活性は、電位依存性のカルシウムチャネルのα2δサブユニットへの結合、及びノルアドレナリン、グルタミン酸塩、及びサブスタンスPなどの神経伝達物質のシナプス放出の同時減少を介して影響を受けると考えられている(例えば、Taylor et al.,Epilepsy Res 2007,73,137−50を参照)。したがって、患者への結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の投与は、電位依存性のカルシウムチャネルのα2δサブユニットと関連した弛緩及び障害の治療に有用であると期待され得る。臨床試験では、(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸は、例えば、術後の疼痛(Dahl et al.,Acta Anaesthesiol Scand 2004,48,1130−1136);神経障害痛(Zareba,Drugs Today 2005,41(8),509−16;Blommel and Blommel,Am J Health Syst Pharm 2007,64(14),1475−82);化学療法誘導の疼痛(Rao et al.,Cancer 2007,110(9),2110−8;Saif and Hashmi,Cancer Chemother Pharmacol 2008,61,349−354);全般的不安障害(Rickels et al.,Arch Gen Psychiatry 2005,62,1022−1030);不安神経症(Pohl et al.,J Clin Psychopharmacol 2005,25,151−8);後部疱疹性神経痛及び痛みを伴う糖尿病性末梢神経障害(Freynhagen et al.,Pain 2005,115,254−63);睡眠障害(Sabatowski et al.,Pain 2004,109,26−35;Hindmarch et al.,Sleep 2005,28(2),187−93);エタノール禁断症候群(Becker et al.,Alcohol & Alcoholism 2006,41(4),399−406);線維筋痛(Crofford et al.,Arthritis and Rheumatism 2005,52,1264−73);むずむず脚症候群(Sommer et al.,Acta Neruol Scand 2007,115(5),347−50);脊髄損傷関連の疼痛(Siddall et al.,Neurology 2006,67(10),1792−800);対人恐怖症(Pande et al.,J Clin Psychopharmacol 2004,24(2),141−149)他を含む疾患及び障害の治療に効果的であることが示された。多数の研究により、α2δサブユニットに親和性を有する別のGABA類似体であるガバペンチンは、片頭痛の予防に有用であることが示されている(例えば、Mathew et al.,Headache 2001,41,119−128;Mathew,Cephalalgia 1996,16,367;Wessely et al.,Cephalalgia 1987,7(Suppl 6),477−478)。
【0055】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される疾患の治療から被っているヒトなどの患者に投与されてもよい。
さらに、ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、様々な疾患に対する予防対策として、ヒトなどの患者に投与することができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏の素因を有する患者に予防対策として投与されてもよい。したがって、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、ある疾患又は障害の予防、及び別の疾患又は予防(例えば、消化器疾患;エタノール禁断症候群を処置しながら神経障害痛の予防)のために使用することができる。
【0056】
運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、又は早漏を治療するための(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の投与効果は、線維筋痛の動物及びヒトモデルを用いて、並びに臨床結果に対して当該技術分野において知られている方法を用いて評価されてもよい。
【0057】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、当該技術分野において報告されている手法を用いて、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、又は早漏を治療するために用いられてもよい。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、又は早漏の治療における親の薬物分子(即ち、プレガバリン)よりも効果的であってもよい。それは、経口投与されると、この化合物は、(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸の持続された治療的な有効な血中濃度を与えるからである。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の代謝物、例えばその(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸アニオン又はそのプロトン化形態は、プレガバリン及び他の既知のGABA類似体が吸収されるよりも、異なる機構により、消化管腔から血液に吸収されると考えられる。例えば、プレガバリンは、ヒトの小腸に局在化された担体トランスポーターによる腸壁を横切って能動的に輸送されると考えられる。プレガバリンとは対照的に、本明細書に開示される化合物は、結腸を含む消化管のより大きな部分に沿って、腸壁を横切って吸収されると考えられる。
【0058】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の代謝物、例えば、その(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩アニオン又はプロトン化された形態は、結腸を含む消化管を通じて吸収可能であるため、この化合物は、好都合には、数時間の期間、消化管へのこの化合物の持続放出、特に結腸内への放出を与える持続放出経口製剤に調合することができ、また、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏の治療において、プレガバリンよりも効果的であり得る。持続放出経口投薬形態に使用されるべき結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の能力は、治療的に有効なプレガバリンmの血中濃度を維持するのに必要な投薬回数を減少させる治療的投薬計画を容易にすることができる。
【0059】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、運動障害、例えば、癲癇、運動機能低下症、痙性、及びむずむず脚症候群を治療するために患者に投与可能である。
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、むずむず脚症候群を治療するために患者に投与することができ、例えば、患者は、日中の症状などの重篤な症状を有する。
【0060】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、過敏性腸症候群などの消化器疾患を治療するために、患者に投与することができる。
【0061】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、統合失調症などの精神異常を治療するために、患者に投与することができる。
【0062】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、気分障害、例えば、抑鬱障害、気分変調性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、循環病、及び気分障害を治療するために患者に投与することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、双極性I型障害及び双極性II型障害を治療するために患者に投与することがききる。
【0063】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、不安障害、例えば、全般性不安障害、薬物又は医療問題によって誘導される不安、パニック発作、パニック障害、恐怖性障害、例えば、広場社会恐怖症、特定恐怖症、強迫神経症、心的外傷後ストレス障害、及び急性ストレス障害を治療するために患者に投与することができる。
【0064】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、睡眠障害、例えば、一次性不眠、原発性過眠症、ナルコレプシー、呼吸関連睡眠障害、サーカディアンリズム睡眠障害、錯眠、一般的な病状に起因した睡眠障害、及び物質誘導性睡眠障害を治療するために患者に投与することができる。
【0065】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、肺疾患、例えば、喘息、咳、及び慢性閉塞性肺疾患を治療するために患者に投与することがききる。
【0066】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、及び筋萎縮性側索硬化症を治療するために患者に投与することができる。
【0067】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、炎症性疾患、例えば、慢性炎症性気道障害、例えば、喘息、運動誘発性気管支攣縮(EIB)、及び慢性閉塞性肺疾患;慢性炎症性腸疾患、例えば、潰瘍性大腸炎、及びクローン病;慢性炎症性結合組織病、例えば、紅斑性狼瘡、強皮症、シェーグレン症候群、ポリ及び皮膚筋炎、脈管炎、及びMCTD;慢性炎症性関節疾患、例えば、関節リウマチ、若年性慢性関節炎(スティル病)、リウマチ様脊椎炎、紅斑性狼瘡、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、及び反応性関節炎;慢性炎症性皮膚疾患、例えば、乾癬、円板状紅斑性狼瘡、強皮症、蕁麻疹、酒さ、皮膚炎、及びアトピー性皮膚炎;炎症と関連した他の疾、例えば、脊椎関節症、心筋症、アテローム性動脈硬化脈管炎、急性腎臓病、慢性腎臓病、糸球体腎炎、炎症性眼疾患、結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、橋本甲状腺炎、珪肺症、及び他の塵肺症、並びに高IgG4疾患を治療するために患者に投与することができる。
【0068】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、疼痛を治療するために患者に投与することができる。疼痛には、身体組織に対する損傷によって引き起こされる侵害受容性疼痛、及び神経、脊髄、及び/又は脳における以上によって引き起こされる神経障害痛が含まれる。疼痛には、機械的異痛、熱的異痛、過形成、中心性疼痛、末梢神経障害痛、糖尿病性神経障害、突出痛、癌疼痛、除神経後痛、感覚異常、線維筋肉痛症候群、痛覚過敏、偶発的な痛み、運動関連疼痛、顔面疼痛、及び錯感覚が挙げられる。
【0069】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、神経障害痛を治療するために患者に投与することができる。神経障害痛にはいくつかのタイプがある。疼痛を伴う神経障害を引き起こす損傷又は関連する病態生理学に関する分類には、手根管症候群、椎間板ヘルニア、エントラップメント神経障害、尺骨神経障害、及び神経性胸郭出口症候群等の機械的な神経損傷に関連する神経障害;糖尿病性多発神経障害等の代謝性疾患に関連する神経障害;帯状疱疹及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)疾患等の神経向性ウイルス性疾患に関連する神経障害;癌若しくは結核の化学治療、放射線治療、薬剤誘導性神経障害、及びアルコール性神経障害等の神経毒性に関連する神経障害;多発性硬化症、抗スルファチド抗体神経障害、単クローン性免疫グロブリン血症に関連する神経症、シェーグレン症候群、狼瘡、脈管神経痛、多クローン性炎症性神経障害、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性神経障害、多巣性運動神経障害、腫瘍随伴自律神経障害、神経節アセチルコリン受容体抗体自立性神経障害、ランバート・イートン筋無力症症候群及び重症筋無力症等の炎症並びに/又は免疫学的機構に関連する神経障害;視床症候群(有痛性知覚脱失)等の神経系局所的虚血に関連する神経障害;複合性局所疼痛症候群(CRPS)等の多発性神経伝達物質系不全に関連する神経障害;変形性関節症、腰痛、線維筋痛、癌性骨痛、慢性断端痛、幻肢痛、及び腫瘍随伴性神経障害等の慢性/神経障害性疼痛に関連する神経障害;毒性神経障害(例えば、アクリルアミド、3−クロロフェン、カルバミン酸塩、二硫化炭素、エチレンオキサイド、n−ヘキサン、メチルn−ブチルケトン、臭化メチル、有機リン酸エステル、ポリ塩化ビフェニル、ピリミニール、トリクロロエチレン、若しくはジクロロアセチレンへの暴露等の化学物質への暴露)、局所性外傷性神経障害、慢性断端痛及び幻肢痛、一神経根障害、並びに三叉神経痛;並びに虚血性脳血管損傷(脳梗塞)、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン症、筋萎縮性側索硬化症、腫瘍、くも膜炎、及び手術後の疼痛等を含む中枢神経障害;糖尿病性神経障害(感覚若しくは感覚運動神経障害、選択的小径線維性多発性神経障害、及び自律神経障害等の対称性多発性神経障害;脳神経障害、肢単発神経障害、胴体単発神経障害、単発神経障害の多重化、並びに非対称性下肢運動神経障害を含む)及び交感神経依存性疼痛等の混在した神経痛が含まれる。他の神経痛には、局所性神経障害;舌咽神経痛;虚血性疼痛;三叉神経痛;ファブリー病、セリアック病、遺伝性感覚性神経障害、若しくはB12−欠乏に関連する非定型顔面痛;シャルコー−マリー−トゥース病、レフスム病、シュトリンペル−ロラン病、及び網膜色素変性症等の遺伝性末梢神経痛;急性多発性神経根障害;並びに慢性神経根障害が含まれる。腫瘍随伴性神経障害には、腫瘍随伴性準急性感覚神経障害、腫瘍随伴性運動神経疾患、腫瘍随伴性神経性筋強直症、腫瘍随伴性脱髄性神経障害、腫瘍随伴性脈管神経障害、及び腫瘍随伴性自律神経不全症が含まれる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、前述のいずれかの型の神経障害痛を治療するために使用され得る。ある種の態様では、神経障害痛は、術後/外科後疼痛(術中の疼痛)、疱疹性神経痛、末梢神経障害、HIV関連神経障害痛、癌関連神経障害痛、及び化学療法誘導性疼痛から選択される。
【0070】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、化学療法誘導の関節痛、筋肉通痛、及び/又は神経障害痛を治療するために患者に投与することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、HIV誘導の神経障害を治療するために患者に投与することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、ヘルペス後神経障害を治療するために患者に投与することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、痛みを伴う糖尿病性神経障害を治療するために患者に投与することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、線維筋痛を治療するために患者に投与することができる。
【0071】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、筋骨格系疼痛を治療するために患者に投与することができる。圧痛及び筋肉の痙攣を引き起こす筋骨格の状態には、線維筋痛、緊張性頭痛、筋筋膜疼痛症候群、面関節痛、内部円盤崩壊、体性機能不全、脊椎骨折、化膿性脊椎炎、リウマチ性多発性筋痛、環軸関節の不安定、環椎後頭関節痛、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、ショイエルマン病、脊椎症、脊椎すべり症、棘突起接触症、仙腸関節痛、仙骨の疲労骨折、尾骨痛、腰椎術後疼痛症候群、及び機械的な腰痛又は頭痛が含まれる。これらの状態において、筋肉の痙攣は、痙直に典型的な緊張高進又は反射を示さない、罹患した筋肉群を含む、局所的な要因に関連する。筋肉、腱、靭帯、椎間板、関節軟骨、及び骨は、筋骨格痛を生じ得る。頸部及び背部の痛みをもたらし得る障害には、筋挫傷、靭帯の捻挫、筋筋膜痛、線維筋痛、面関節痛、内部円盤崩壊、体性機能不全、脊椎骨折、化膿性脊椎炎、並びにリウマチ性多発性筋痛、環軸関節の不安定及び環椎後頭関節痛が含まれる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を使用して、筋骨格系疼痛の前述の型のいずれかを治療することができる。ある種の態様では、筋骨格系疼痛は線維筋痛である。
【0072】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、片頭痛の治療、例えば片頭痛の素因又は病歴を有する患者における片頭痛の予防のために患者に投与することができる。
【0073】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される疾患を治療するために患者に投与することができる。
【0074】
ある種の態様では、治療方法は、経口投薬製剤中の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を患者に投与することを含む。ある種の態様では、治療方法は、持続放出経口投薬製剤中の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を患者に投与することを含む。ある種の態様では、治療方法は、経口投薬製剤中の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を患者に投与することを含み、ここで、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、結腸を含む消化管を通して放出され、患者の体循環において、維持された濃度の(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸を提供する。このような態様では、維持された濃度の(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸は、患者に結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を投与後、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、又は少なくとも24時間維持することができる。
【0075】
投与様式
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、ヒトの医薬において有意に使用されてもよい。本明細書中に開示されているように、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、又は早漏の治療に有用である。
【0076】
上記疾患を治療するために使用される場合、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、単独で若しくは他の薬物と組み合わせて投与又は適用されてもよい。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物はまた、単独で、若しくは他のGABA類似体を含む他の医薬として活性な薬物と組み合わせて投与又は適用されてもよい。
【0077】
治療方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療的に有効量の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物を投与することを含む。患者は、哺乳動物、例えば、ヒトなどの動物であってもよい。
【0078】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、経口的に投与することができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、任意の他の好都合な経路によって投与されてもよく、例えば、注入若しくはボーラス注入、又は上皮若しくは皮膚粘膜裏層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜など)を介した吸収が挙げられる。投与は全身又は局所であってもよい。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物を投与するために使用することができる種々の送達システムが知られている(例えば、リポソームへのカプセル化、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなど)。投与法には、限定されないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、経鼻的、硬膜外、経口、舌下腺、鼻腔内、大脳内、膣内、経皮的、直腸内、吸入、又は局所的、特に耳、鼻、目若しくは皮膚に対するものが含まれる。
【0079】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、持続放出システム、例えば、経口持続放出システムを介して送達されてもよい。
【0080】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、患者へのインビボ投与に応じてプレガバリンを与える。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその代謝物、例えば、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩、及び/又は(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸は、受動拡散、能動輸送、又は受動及び能動プロセスの両方のいずれかによって消化管から体循環に吸入されてもよい。
【0081】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティは、化学的及び/又は酵素的に切断されてもよい。哺乳動物の胃、腸管腔、腸組織、血液、肝臓、脳又は任意の他の組織に存在する1以上の酵素は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティを切断してもよい。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティは、消化管(例えば、胃又は腸管腔)による吸収前、及び/又は消化管(例えば、哺乳動物の腸組織、血液、肝臓又は他の適切な組織)による吸収後に切断されてもよい。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティが消化管による吸収前に切断される場合、通常(小腸に局在した大きな中性アミノ酸トランスポーターを部分的に媒介して)、体循環に吸収されてもよい。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティが消化管による吸収後に切断される場合、プレガバリンプロドラッグは、受動拡散、能動輸送、又は受動及び能動プロセスの両方のいずれかによって体循環に吸収されてもよい。
【0082】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩のプロモイエティが消化管による吸収後に切断される場合、このプレガバリンプロドラッグは、大腸から体循環に吸収されてもよい。プレガバリンプロドラッグが大腸によって吸収される場合、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、持続放出システムとして好都合に投与され得る。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、経口持続放出投与によって送達され得る。持続放出製剤を用いて投与されると、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、1日2回、又は1日1回投与され得る。
【0083】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む経口持続放出投薬形態の経口投与は、その投薬形態の投与後の少なくとも約4時間の期間、少なくとも約8時間の期間、ある種の態様では少なくとも約12時間の期間、ある種の態様では少なくとも約24時間の期間、患者の血漿中に治療的に有効濃度の(3S)−アミノメチル−5−ヘキサン酸を与えることができる。
【0084】
医薬組成物
本開示によって与えられる医薬組成物は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、並びに患者への適切な経口投与のための形態を与えるような適切な量の医薬として許容されるビヒクルを含む。
ある種の態様では、本開示によって与えられる医薬組成物は、治療的に有効量の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、並びに患者への適切な経口投与のための形態を与えるような適切な量の医薬として許容されるビヒクルを含む。適切な医薬としてのビヒクルには、賦形剤、例えば、スターチ、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、ライス、フラワー、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。また、本開示によって提供される医薬組成物は、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤を含んでもよい。さらに、助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤を用いてもよい。
【0085】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物は、混合、溶解、粒化、ドラジェ製造、粉化、乳化、カプセル化、封入、凍結乾燥、又は医薬製剤の分野の当業者に知られている他のプロセスによって製造されてもよい。医薬組成物は、持続放出経口投薬製剤などの経口投薬製剤に結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を加工することを促進する1以上の医薬として許容されるビヒクルを用いて調合されてもよい。
【0086】
本開示によって与えられる医薬組成物は、溶液、水性若しくは油性懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、液体を含むカプセル、顆粒、粉末、持続放出製剤、坐薬、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤、又は経口投薬に適切な任意の他の形態を採用することができる。経口投与される医薬組成物は、1以上の任意の薬物を含むことができ、例えば、甘味剤、例えば、フルクトース、アスパルターム若しくはサッカリン、香味剤、例えば、ペパーミント、冬緑油若しくはチェリー着色剤、及び防腐剤が挙げられ、医薬として口当たりのよい調製物が与えられる。さらに、錠剤又はピルの形態では、医薬組成物は、分解、及び消化管への吸収を遅延させるためにコーティングされてもよく、それにより、長期間、持続作用を与える。浸透活性駆動化合物を取り囲む選択的透過性膜はまた、本明細書に開示されている化合物及び組成物を経口投与するのに適切である。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの流動体は、駆動化合物によって吸収され、それは、開口を通じて薬物又は薬物組成物を置換するために増加する。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイクプロフィールとは対照的に、本質的には0次元の到達プロフィールを与えることができる。また、モノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料を用いてもよい。経口医薬組成物には、医薬として許容されるビヒクル、例えば、マンニトリール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどが含まれ得る。
【0087】
例えば、懸濁液、エリキシル及び溶液などの経口液体調製物については、適切なビヒクルには、水、サリン、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)オイル、アルコール、僅かに酸性な緩衝液、pH4〜pH6(例えば、約5mM〜約50mMの酢酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩)などが含まれる。さらに、香味剤、防腐剤、着色剤、胆汁塩、アシルカルニチンなどが添加されてもよい。
【0088】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、例えば、ココアバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤の基剤を含む坐剤又は保持浣腸剤などの直腸又は膣用組成物で調合されてもよい。
【0089】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、単一の活性薬物として調合されてもよい。
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、1以上の他のプレガバリンプロドラッグ又はその塩、例えば、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩、(3S)−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩、(3S)−{[(1R)−ベンゾイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、及び/又は(3S)−{[(1R)−ベンゾイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムとの混合物として調合されてもよい。
【0090】
投薬形態の溶解プロフィール
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む本開示によって提供さえる投薬形態は、部分的には、インビトロの溶解プロフィールによって特徴付けられてもよい。投薬形態の溶解プロフィールを決定する方法は、当業者に周知である。米国薬局方に記載される標準的な方法論を用いてもよい。例えば、溶解プロフィールは、米国薬局方I型装置(バスケット)又は米国薬局方II型装置(パンドル)のいずれかにおいて測定されてもよい。本開示によって提供される投薬形態のための溶解プロフィールを決定する手法は、実施例15に開示されている。
【0091】
ある種の態様では、本開示によって提供される投薬形態からの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の放出は、37℃、100rpm(USPII型)で撹拌された50mMリン酸ナトリウム一塩基緩衝液(pH6.8)中におけるインビトロの溶解プロフィールを示し、そこでは、約27%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約3時間以内に放出され;約49%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約6時間以内に放出され;約75%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約12時間以内に放出され;並びに、約100%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約18時間以内に放出される。
【0092】
ある種の態様では、本開示によって提供される投薬形態からの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の放出は、37℃、100rpm(USPII型)で撹拌された50mMリン酸ナトリウム一塩基緩衝液(pH6.8)中におけるインビトロの溶解プロフィールを示し、そこでは、約46%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約3時間以内に放出され;約72%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約6時間以内に放出され;並びに、約100%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約12時間以内に放出される。
【0093】
ある種の態様では、本開示によって提供される投薬形態からの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の放出は、37℃、100rpm(USPII型)で撹拌された50mMリン酸ナトリウム一塩基緩衝液(pH6.8)中におけるインビトロの溶解プロフィールを示し、そこでは、約83%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約3時間以内に放出され;並びに、約100%の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が約6時間以内に放出される。ある種のこのような態様では、錠剤投薬形態は、計量して約500mgであり、約32.7wt−%(約163.5mg)の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む。ある種の態様では、錠剤投薬形態は、実施例13に従って調製される。
【0094】
キット
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、疾患を治療するために患者に化合物を投与するために使用されてもよいキットに含めることができる。キットは、患者への投与に適した結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物、及び患者への医薬組成物を投与するための指示書を含むことができる。キットは、1以上の医薬組成物を含む1以上の容器を含むことができ、別々のボトル又は別々のホイルパケットなどの別々の容器が含まれてもい。容器は、医薬として許容される材料からできた任意の適切な形状又は形態であってもよい。特定の容器は、投薬形態、及び提供される投薬形態の数に依存し得る。キットとともに提供される指示書は、投与のための使用法を含むことがえき、記憶補助を含んでもよい。キットで供給される指示は、印刷されるか、及び/又は、例えば、電子的に読み取り可能な媒体、ビデオカセット、オーディオテープ、フラッシュメモリデバイスとして供給されてもよく、あるいは、インターネットのウェブサイトで公開されるか、又は電子メールとして患者に配信されてもよい。記憶補助は、書面による記憶補助であってもよく、投薬処方計画の順守を促すために、医師、薬剤師、及び/又は患者のための情報及び/又は指示を含む。また、記憶補助は、機械的又は電子的であってもよい。治療処方計画が結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及び少なくとも1つの他の治療薬を含む場合、キットは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と同じであるか又は別の容器にその少なくとも1つの治療薬を含むことができる。
【0095】
ある種の態様では、キットは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物、並びに運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される疾患を治療するためにそれを必要とする患者に医薬組成物を投与するための指示を含む。
【0096】
ある種の態様では、キットは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の医薬組成物、及び慢性疼痛を管理するためにそれを必要とする患者に医薬組成物を投与するための指示書を含む。ある種の態様では、キットは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びオピオイド作動薬を含む医薬組成物、並びに慢性疼痛を管理するためにそれを必要とする患者に医薬組成物を投与するための指示書を含む。ある種の態様では、キットは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びオピオイド作動薬を含む医薬組成物、並びに、腰痛、筋肉痛、癌の痛み、関節炎痛、変形性関節痛、骨粗鬆症痛、線維筋痛、炎症性腸疾患に関連した疼痛、過敏性腸症候群に関連した疼痛、又は関節リウマチに関連した疼痛を管理するためにそれを必要とする患者に医薬組成物を投与するための指示書を含む。
【0097】
本開示によって提供される方法は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を形成させることを含む、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の保存期間を増加させる方法を含む。ある種の態様では、Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結晶化合物の保存期間を増加させる方法を含む。
【0098】
投薬
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、一般的には、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、若しくは早漏などの疾患又は障害の治療のための使用などの意図された目的を達成するのに有効な量で使用することができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、治療的に有効量で投与可能である。
【0099】
特定の疾患又は障害の治療に有効であろう結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物の量は、障害又は状態の性質に依存し、前述される当該技術分野において知られている標準的な臨床技術によって決定可能である。さらに、インビトロ又はインビボ圧政は、場合により、最適な投薬範囲の同定を助けるために採用してもよい。投与される結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、他の因子の中で、治療される対象、対象の体重、苦痛の重傷度、投与方式、及び医師の判断に依存する。
【0100】
投薬は、1以上の投薬形態の1回投薬、又は複合投与によって医薬組成物において送達されてもよい。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、経口持続放出投与によって送達可能である。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物を含む持続放出製剤は、1日2回又は1日1回投与されてもよい。投薬は、断続的に繰り返されてもよく、単独又は他の薬物を併用して与えられてもよく、疾患又は障害の有効な治療に必要とされる限り継続されてもよい。
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物若しくはその医薬組成物の投薬又は複数回投薬は、約10mg/日〜約2,000mg/日の(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸、ある種の態様では、約50mg/日〜約1,000mg/日の(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸、ある種の態様では、約100mg/日〜約600mg/日の(3S)−アミノメチル−5−メチル−ヘキサン酸を与えることができる。特定の疾患を治療するための適切な投薬範囲は、当業者に知られている方法によって容易に決定されてもよい。
【0101】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、ヒトへの使用前に所望の治療的又は予防的活性について、インビトロ及びインビボで評価することができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物の治療的に有効な投薬量は、実質的な毒性及び有害な副作用を引き起こすことなしに治療的利益を与えることができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物の毒性及び有害な副作用は、標準的な医薬的手法を用いて決定されてもよく、当業者によって容易に確認されてもよい。毒性及び有害な副作用と治療的効果との投薬比が治療的指標である。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物の投薬は、毒性及び有害な副作用がほとんどないか又は全くない治療的に有効な濃度内にある(3)−5−メチル−ヘキサン酸の血中濃度を与えることができる。
【0102】
併用療法
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療薬を併用して使用することができる。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物、及び少なくとも1つの他の治療薬は、付加的又は相乗的に作用することができる。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物は、別の治療薬の投与と同時に投与することができ、それは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と同じ医薬組成物の一部であり得て、又は他の治療薬は、異なる医薬組成物にあってもよい。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む医薬組成物は、別の治療薬の投与前又は投与後に投与することができる。
【0103】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、非晶質形態の(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、(3S)−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、又は(3S)−{[(1R)−ベンゾイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム;別の結晶形態の(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、(3S)−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、又は(3S)−{[(1R)−ベンゾイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム;プレガバリン;ガバペンチン;又は前述のいずれかの組合せを併用して投与されてもよい。
【0104】
追加の治療薬は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、若しくは早漏を治療するために有効であってもよく;あるいは、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏以外の疾患を治療するために有効であってもよい。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏を治療するための追加の治療薬とともに投与される場合、各々の活性薬物は、単独で使用される場合よりも低投薬量で使用されてもよい。
【0105】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と第2の治療薬との重量比は変化可能であり、各薬物の有効投薬量に依存してもよい。治療的に有効量の各化合物を用いることができる。このようにして、例えば、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が別の治療薬と組合せられる場合、本開示によって提供される化合物と第2の治療薬との重量比は、約1000:1〜約1:1000、約200:1〜約1:200、約20:1〜約1:20、ある種の態様では、約50:1〜約1:5であってもよい。
【0106】
また、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と第2の治療薬の組合せは、前述の範囲内であってもよいが、各場合において、有効な投薬量の各活性化合物を用いることができる。 このような組合せにおいて、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物と第2の治療薬は、別々に又は同時に投与することができる。さらに、1つの要素の投与は、別の治療薬(単数又は複数)の投与前、それと同時、又はその後であってもよい。したがって、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、単独で、又は運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、若しくは早漏の治療に有益であることが知られている他の治療薬と併用して使用されてもよく、あるいは、その有効性、安全性、利便性を増加させるか、又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及び/又はその代謝物の不要な副作用又は毒性を現象させる受容体又は酵素に影響を及ぼす他の治療薬と併用して使用されてもよい。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及び他の治療薬は、併用療法又は固定併用において同時投与されてもよい。更なる治療薬は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物の投与に使用される経路と同じであるか又は異なった経路によって投与することができる。
【0107】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、若しくは早漏を治療するために、それぞれ、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏の治療に有効であることが知られているか又はそうであると考えられている療法又は治療薬を併用して患者に投与されてもよく、ある種の態様では、それぞれ、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、若しくは早漏と関連した疾患、障害、又は状態を対象とする。
【0108】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、片頭痛の治療に有効であることが知られているか又はそうであると考えられている療法又は別の治療薬を併用して、片頭痛を利用するために患者に投与されてもよい。片頭痛の治療に有用な薬物は、片頭痛が起こらないようにし、始まっている片頭痛を押さえ、又は片頭痛エピソード中の痛みを和らげることができる。
【0109】
予防的な片頭痛治療は、片頭痛の頻度を少なくするものであり、以下が含まれる:非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、アドレナリンβ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取込み阻害薬、抗痙攣薬、NMDAレセプター拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンレセプター遮断薬(ARB)、ロイコトリエン拮抗薬、ドパミン作動薬、選択的5HT−1D作動薬、選択的5HT−1F作動薬、AMPA/KA拮抗薬、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)拮抗薬、NOS(一酸化窒素合成酵素)阻害薬、皮質拡延性抑制の遮断薬、および他の療法。片頭痛の予防に有用なNSAIDの例としては、アスピリン、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メフェナム酸、およびナプロキセンが挙げられる。片頭痛の予防に有用なアドレナリンβ遮断薬の例としては、アセブトロール、アテノロール、イミロール、メトプロロール、ナドロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびチモロールが挙げられる。片頭痛の予防に有用なカルシウムチャネル遮断薬の例としては、アムロジピン、ジルチアゼム、ドタリジン、フェロジピン、フルナリジン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、およびベラパミルが挙げられる。片頭痛の予防に有用な三環系抗うつ薬の例としては、アミトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、およびプロトリプチリンが挙げられる。片頭痛の予防に有用な選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)の例としては、フルオキセチン、メチセルジド、ネファゾドン、パロキセチン、セルトラリン、およびベンラファキシンが挙げられる。片頭痛の予防に有用な他の抗うつ薬の例としては、ブプロピオン、ネファゾドン、ノルエピネフリン、およびトラゾドンが挙げられる。
【0110】
片頭痛の予防に有用な抗痙攣薬(抗てんかん薬)の例としては、ジバルプロックスナトリウム、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸塩、およびゾニサミドが挙げられる。片頭痛の予防に有用なNMDAレセプター拮抗薬の例としては、デキストロメトルファン、マグネシウム、およびケタミンが挙げられる。片頭痛の予防に有用なアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の例としては、リシノプリルが挙げられる。片頭痛の予防に有用なアンジオテンシンレセプター遮断薬(ARB)の例としては、カンデサルタンが挙げられる。片頭痛の予防に有用なロイコトリエン拮抗薬の例としては、ジロイトン(zileuton)、ザフィルルカスト(zafirlukast)、モンテルカスト、およびプランルカストが挙げられる。片頭痛の予防に有用なドパミン作動薬の例としては、α−ジヒドロエルゴクリプチンが挙げられる。片頭痛の予防に有用な他の療法の例としては、ボツリヌス毒素、マグネシウム、ホルモン療法、リボフラビン、メチルエルゴノビン、シプロヘプタジン、およびフェネルジン、ならびに補完療法、例えば、カウンセリング/心理療法、リラクゼーション・トレーニング、漸進的筋弛緩、イメージ誘導法、横隔膜呼吸、バイオフィードバック、鍼灸、および理学マッサージ療法が挙げられる。
【0111】
片頭痛が始まった後の頭痛と関連症状を取り除くか、またはその重症度を軽減することを目的とした急性治療には、以下が含まれる:セロトニンレセプター作動薬、例えばトリプタン類(5−ヒドロキシトリプトファン(5−HT)作動薬)、例えばアルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、およびゾルミトリプタン;エルゴタミン系化合物、例えばジヒドロエルゴタミン、およびエルゴタミン;制吐薬、例えばメトクロプラミド、およびプロクロルペラジン;並びに鎮痛効果をもたらす化合物。
【0112】
いったん始まった片頭痛を治療するために用いられる薬物の他の例には、以下が含まれる:アセトアミノフェン−アスピリン、カフェイン、シプロヘプタジン、メチセルジド、バルプロ酸、NSAID、例えばジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケタプロフェン、ケトロラク、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナム酸塩、及びナプロキセンナトリウム、オピオイド類、例えばコデイン、メペリジン、およびオキシコドン、ならびにグルココルチコイド類、例えばデキサメタゾン、プレドニゾン、およびメチルプレドニゾロン。
【0113】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物はまた、片頭痛と関連した症状、例えば悪心や嘔吐、及びうつ病を治療するのに有用な薬物と一緒に投与することもできる。嘔吐を治療又は予防するための有用な治療薬の例としては、限定しないが、以下が挙げられる:5−HT3レセプター拮抗薬、例えばオンダンセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、及びトロピセトロン;ドパミンレセプター拮抗薬、例えばプロクロルペラジン、チエチルペラジン、クロルプロマジン、メトクロプラミド、及びドンペリドン;グルココルチコイド類、例えばデキサメタゾン;並びにベンゾジアゼピン類、例えばロラゼパム、およびアルプラゾラム。うつ病を治療又は予防するための有用な治療薬の例としては、限定しないが、以下が挙げられる:三環系抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、マプロチリン、ネファザドン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トラゾドン、トリミプラミン、及びベンラファキシン;選択的セロトニン再取込み阻害薬、例えばフルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリン;モノアミンオキシダーゼ阻害薬、例えばイソカルボキサジド、パージリン(pargyline)、フェニジン、およびトラニルシプロミン;並びに精神刺激薬、例えばデキストロアンフェタミン、及びメチルフェニデート。
【0114】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、神経障害痛の治療に効果的であることが知られ、又は考えられている療法又は別の治療剤を併用して、神経障害痛の治療のために患者に投与されてもよい。神経障害痛の治療のために有用な薬物の例には、モルヒネ、コデイン、フェンタニル、メペリジン、メタドン、プロポキシフェン、レボルファノール、ヒドロモルフォン、オキシコドン、オキシモルフォン、トラマドール、及びペンタゾシン等のオピオイド鎮痛剤;アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、及びアセとアミノフェン等の非オピオイド鎮痛剤;アスピリン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサル、サルサレート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、及びトメチン等の非ステロイド抗炎症薬;ガバペンチン、プレガバリン、カルバナゼピン、フェニトイン、ラモトリギン、及びトピラメート等の抗癲癇剤;ズロキセチン、アミトリプチリン、ベンラファキシン、ノルトリプチリン、イミプラミン、及びデシプラミン等の抗鬱剤;リドカイン、及びメキシレチン等の局所麻酔剤;デキストロペトルファン、メマンチン、及びケタミン等のNMDA受容体アンタゴニスト;ジコノチド等のN型カルシウムチャネルブロッカー;カプサイシン等のバニロイド受容体−1モジュレーター;サティベックス等のカンナビロイド受容体モジュレーター;ラネピタント等のニューロキニン受容体アンタゴニスト;ニューロトロピン等の他の鎮痛剤;並びにデシプラミン、クロナゼパム、ジバルプロエクス、オキシカルバゼピン、ジバルプロエクス、ブトルフタノール、バルデコキシブ、ビコプロフェン、ペンタゾシン、プロポキシヘン、フェノプロフェン、ピロキシカム、インドメトナシン、ヒドロキシジン、ブプレノルフィン、ベンゾカイン、クロニジン、フルルビプロフェン、メペリジン、ラコサミド、デスベンラファキシン、及びビシファジン等の他の薬物が含まれる。
【0115】
ある種の態様では、神経障害痛の治療のために有用な薬物は、プロポキシフェン、メペリジン、ヒドロモルフォン、ハイドロコドン、モルヒネ、コデイン、2−ピペリジノール−1−アルカノール、エリプロジル、イフェンプロジル、ロフェコキシブ、セレコキシブ、サリチル酸、ジクロフェナク、ピロキシカムインドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、ガバペンチン、カルバマゼピン、プレガバリン、トピラメート、バルプロ酸、スマトリプタン、エリトリプタン、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、フレキセリル、カリソプロドール、ロバキシサル(robaxisal)、ノルゲシク(norgesic)、ダントリウム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、ロラゼパム、アセトアミノフェン、亜酸化窒素、ハロタン、リドカイン、エチドカイン、ロピバカイン、クロロプロカイン、サラピン、ブピバカイン、カプサイシン、デシプラミン、アミトリプチリン、ドキセピン、ペルフェナジン、プロトリプチリン、トラニルシプロミン、バクロフェン、クロニジン、メキセリチン、ジフェニルヒドラミン、ヒドロキシジン、カフェイン、プレドニソン(prednisone)、メチルプレドニソン、デカドロン、セルトラリン、パロキセチン、フルオキセチン、トラマドール、レボドパ、デキストロメトルファン、サブスタンスPアンタゴニスト、及びボツリヌス毒素から選択される。ある種の態様では、神経障害痛の治療に有用な薬物は、ニコチン受容体部分的作用薬から選択し得る。神経障害痛を治療するための非薬理学的療法には、経皮(transcutaneous)電気的神経刺激、経皮(percutaneous)電気的神経刺激、及び鍼治療が挙げられる。
【0116】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、ヘルペス後神経障害に有効であることが知られているか又はそうであると信じられている療法又は別の治療薬を併用して、ヘルペス後神経障害を治療するために患者に投与されてもよい。ヘルペス後神経障害を治療するために有用である薬物の例には、アマンタジン、アシクロビル、シドフォビル、デスシクロビル、デオキサシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネット、ガンシクロビル、ペンシクロビル、アジドウリジン、アナスマシシン、アマンタジン、ブロモビニルデオキシウシジン、クロロビニルデオキシウシジン、シタラビン、ジダノシン、デオキシノジリマイシン、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシヌクレオシド、エドクスウリジン、エンビロキシム、フィアシタビン、ホスカルネット、フィアルリジン、フルオロチミジン、フロクスウリジン、ヒペリシン、インターフェロン、インターロイキン、イセチオン酸塩、ネビラピン、ペンタミジン、リバビリン、リマンタジン、スタビルジン、サルグラモスチン、スラミン、トリコサンチン、トリブロモチミジン、トリクロロチミジン、ビダラビン、ジドビリジン、ザルシタビン、3−アジド−3−デオキシチミジン、2’,3’−ジデオキシアデノシン(ddA)、2’,3’−ジデオキシグアノシン(ddG)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC)、2’,3’−ジデオキシチミジン(ddT)、2’,3’−ジデオキシ−ジデオキシチミジン(d4T)、2’−デオキシ−3’−チア−シトシン(3TG又はラミブジン)、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロアデノシン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロイノシン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロチミジン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロシトシン、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−2’−フルオロチミジン(Fd4T)、2’3’−ジデオキシ−2’−β−フルオロアデノシン(F−ddA)、2’3’−ジデオキシ−2’−β−フルオロ−イノシン(F−ddI)、及び2’3’−ジデオキシ−2’−β−フルオロシトシン(F−ddC)、ホスホモノギ酸三ナトリウム、トリフルオロチミジン、3’アジド−3’チミジン(AZT)、ジデオキシイノシン(ddI)、及びイドクスウリジンなどの抗ウイルス剤が挙げられる。
【0117】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、手術前後及び急性術後疼痛を治療又は管理するために用いられてもよい。手術前後疼痛管理は、一般に、外科の3段階:術前、術中、及び術後に言及され、それらの段階又は測定は、外科と関連した疼痛を妨げ及び軽減するように制定される。術後の疼痛自体は、中心神経系の過敏性を刺激する外科中の組織外傷に対する複雑な応答である。結果は、外科処置によって直接には影響を受けない領域における疼痛である。患者が外科処置を受けると、組織及び神経末端が損傷を受け、その結果、外科による切開疼痛に至る。この外傷は、過剰誘導されるようになる脊髄にメッセージを送信する疼痛受容体に負担をかけすぎる。疼痛シグナルの第1の求心砲火、及び第2の炎症応答がある。この組み合わせは、術後疼痛に有意に寄与する。結果としての中枢性感作は、痛み及び深いなどのいずれかの刺激を説明する脊椎に対するある種の外傷後ストレスである。末梢感作及び中枢性感作(脊椎ニューロンの興奮性における増加)であると考えられているものがある。これらの2つのプロセスは、現在、傷害部位(外科部位)での痛みの閾値、及び周辺の傷害されていない組織の減少に関与する、脊椎の「巻き上げ(wind up)」と呼ばれている。疼痛治療の最適形式は、痛みの過敏症の発生を妨げるために術前、術中、及び術後に提供されるものである。患者が外科部位から離れた位置での動作の痛みや身体的接触を感じるのは珍しいことではない。生体内で損傷又は疾患の存在を痛みによって合図されると、手術前後の疼痛管理の目的は、潜在的な副作用を最小にし、患者の利便性を最大にしながら、外科と関連した疼痛及び不快を妨げ、減少させ、又は排除することである。粗末な手術前後の疼痛管理は、術後の合併症の可能性を増加させ、日常生活の正常な活動への患者の復帰と回復を妨げる。また、手術前後のセッティングにおける急性疼痛は、事前の疾患、外科的処置、又は疾患に関連し、手法に関連した供給源の組合せのために外科患者に存在する疼痛として定義可能である。
【0118】
急性外科疼痛の手術前後の管理のためにプレガバリンへの至適な曝露は、より少ない山/谷の生存性を有する安定な治療的血漿濃度であり得る。狭い治療的範囲にある持続されたプレガバリン曝露を維持することによって、特に、外科中及び術後の最初の24時間に、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が痛みの減少における改善された有効性、及び標的集団におけるオピオイド使用をもたす場合があることをが予期される。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、即時放出(IR)及び持続放出(SR)製剤として製剤化され得る。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、単一錠剤におけるIR及びSRの成分を有するように製剤化されてもよい。IR成分は、血中のプレガバリン濃度の即時放出を生じさせるように含ませることができ、痛みの過敏性を妨げる(Woolf,Anesth Analg 1993,77,362−79;Dahl et al.,Acta Anesthesiol Scand 2004, 48(8),1130−39)。SR製剤は、持続された血中のプレガバリン濃度を生じさせるように期待され、痛みからより長く、持続的に救済されるようになる。
【0119】
プレガバリンは、手術前後及び急性術後疼痛を治療又は管理するのに有効であることが示されている(Hill et al.,Eur J Pain 2001,5,119−124;Tiippana et al.,Anesth Analg 2007,104,1545−56;Jokela et al.,Pain 2008,134,106−112;Gilron,Curr Opin Anaesthesiol 2007,20,456−472;Freedman and O’Hara,Aesthetic Surgery J 2008,28(4),421−424)。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、手術前後の疼痛の治療のために患者に約50mg/日〜900mg/日、ある種の態様では約150mg/日〜約600mg/日の量で投与されてもよい。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、手術前後の疼痛の治療のために、患者に約25mg当量のプレガバリン/日〜約450mg当量のプレガバリン/日、ある種の態様では約75mg当量のプレガバリン/日〜約300mg当量のプレガバリン/日を提供するような量で投与されてもよい。投与は、外科前であってもよく、外科の1又は2日前、外科の当日、及び/又は術後の約1〜20日、あるいは他の適切な時期である。
【0120】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、例えば、オピオイド作動薬などの手術前後の疼痛を治療するために有用である別の治療薬とともに投与されてもよい。ある種の態様では、オピオイド作動薬などの他の治療薬は、持続放出経口製剤としてであってもよい、単一の医薬組成物として手術前後の疼痛を治療するために患者に投与される。
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、手術前後の疼痛を治療するために、トラマドール、タペンタドール、及びオキシコドンから選択されるオピオイド作動薬とともに投与される。
【0121】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物は、患者の慢性疼痛を治療又は管理するために、単独で、又は使用される別の治療薬を併用して投与されてもよい。慢性疼痛は、3カ月以上持続する痛みであり、腰痛、筋肉痛、癌の痛み、関節炎痛、変形性関節痛、骨粗鬆症痛、線維筋痛、慢性神経障害痛、慢性術後疼痛、炎症性腸疾患に関連した疼痛、過敏性腸症候群に関連した疼痛、又は関節リウマチに関連した疼痛が挙げられる。
【0122】
慢性疼痛の治療又は管理に使用される薬物の例には、例えば、アセトアミノフェン、アミトリプチリン、アミトリプチリン、アスピリン、ブトルファノール、セレコクシブ、サリチル酸コリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、デュロキセチン、エトドラク、フェンタニル、ガバペンチン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イミプラミン、インドメタシン、ケトプロフェン、リドカイン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、ナプロキセン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プラモキシン、プレガバリン、プロポキシフェン、ロフェコキシブ、タペンタドール、トルメチン、トラマドール、トロラミンサリチル塩、及びバルデコキシブが挙げられる。
【0123】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、患者の慢性疼痛を治療するために、オピオイド作動薬とともに投与されてもよい。オピオイド作動薬の例には、フェナントレン、例えば、コデイン、モルヒネ、テバイン、オリパビン;半合成誘導体、例えば、ジアセチルモルフィン(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ニコモルフィン、オキシコドン、及びオキシモルフォン;アニリドピペリジン、例えば、フェンタニル、アルファメチルフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カーフェンタニル、及びオームフェンタニル;フェニルピペリジン、例えば、ペチジン(メペリジン)、ケトベミドン、MPPP、アリルプロジン、プロジン、及びPEPAP;ジフェニルプロピルアミン誘導体、例えば、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、ベジトラミド、ピリトラミド、メタドン、ジピパノン、レボメタジルアセテート(LAAM)、ロペラミド、及びジフェノキシレート;ベンゾモルファン誘導体、例えば、デゾシン、ペンタゾシン、フェナゾシン;オリパビン誘導体、例えば、ブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、及びエトルフィン;モルフィナン誘導体、例えば、ブトルファノール、ナルブフィン、レボルファノール、及びレボメトルファン;並びに、その他、例えば、レフェタミン、メプタジノール、チリジン、トラマドール、及びトラマドールが挙げられる。ある種の態様では、オピオイド作動薬は、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カーフェンタニル、クロニタゼン、コデイン、シクロルフェン、シプレノルフィン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロールファン、レボルファノール、レヴォフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メチルモルフィン、メトポン、ミルフェンタニル、モルフィン、モルフィン−6−グルクロニド、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレヴォルファノール、ノルメタドン、ノシセプチン/オルファニンFA(N/OFQ)、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベルレツム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、フォルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロファドール、プロペリジン、プロピラン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スルフェンタニル、タペンタドール、トラマドール、トレフェンタニル、及びチリジンから選択される。オピオイド作動薬には、μ−、κ−、δ−、及び/又はノシセプチン受容体を含むオピオイド受容体で作動性効果を示す化合物が含まれる。また、オピオイド作動薬は、他の受容体でアゴニスト又はアンタゴニスト活性を示してもよい。
【0124】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、患者の慢性疼痛を治療するためにトラマドール、タペンタドール、及びオキシコドンから選択されるオピオイド作動薬とともに投与されてもよい。
【0125】
トラマドール(1R,2R又は1S,2S)−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサノール)は、慢性疼痛管理のために幅広く使用されている合成の中枢作用鎮痛剤である。その鎮痛作用は、2つの異なる薬理学的作用に起因する。トラマドールは、μ−及びδ−オピオイド受容体で弱い鎮痛作用を示し、κ−オピオイド受容体に対してはより弱い親和性を示す(Grond and Sablotzky,Clin Pharmacokinet 2004,43(13),879−923))。トラマドールは、2つの鏡像体からなるラセミ混合物として製剤化されている。(−)−鏡像体の主な活性は、ノルアドレナリンのニューロン性再吸収の阻害であり、一方、(+)−鏡像体は、μ−オピオイド受容体と相互作用し、セロトニン再吸収をブロックすることによってセロトニンシナプス濃縮を増加する。1日1回のトラマドール製剤が知られている(Coluzzi and Mattia,Therapeutics and Clinical Risk Management 2007,3(5),819−29)。トラマドールは、慢性腰痛の治療に効果的であることが示されている(Ruoff et al.,Clinical Ther 2003,25(4),1123−1141)。トラマドールには、化合物(1R,2R)−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサノール、(1S,2S)−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサノール、前述のいずれかのO−デスメチル誘導体、前述のいずれかの医薬として許容される塩、前述のいずれかの医薬として許容されるN−オキシド、及び前述のいずれかの医薬として許容される溶媒和物が含まれる。疼痛を治療するためのガバペンチン及びプレガバリンなどのトラマドール及び抗痙攣薬が報告されている(Codd et al.,WO2001/013904;Codd et al.,US6,562,865;Codd et al.,Pain 2008,134,254−262;Armenta et al.,WO2007/052999;Keskinbora et al.,J Pain Symptom Manage 2007,34,183−189)。
【0126】
トラマドール((−)−(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチルプロピル)フェノール塩酸塩は、穏やかなμ−オピオイド受容体アゴニスト及びノルエピネフリン再吸収阻害剤を有する鎮痛剤であり、急性及び慢性疼痛モデルで効果が示されている(Tzschentke et al.,J Pharm Expt’l Ther 2007,323(1),265−276)。
【0127】
神経障害痛を治療するためにオキシコドン及びプレガバリンを同時投与する利点が認められている(Gatti et al.,Eur Neurol 2009,61,129−137; and Hanna et al.,Eur J Pain 2008,12,804−13)。
【0128】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びオピオイド作動薬は、同一の医薬組成物又は別の医薬組成物で製剤化されてもよい。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びオピオイド作動薬を含む医薬組成物は持続放出製剤である。ある種の態様では、持続放出製剤は、1日1回又は1日2回、患者に投与されるように適合されてもよい。ある種の態様では、投薬形態は、約50mg〜約1,200mgの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、及び約10mg〜約400mgのオピオイド作動薬を含んでもよい。ある種の態様では、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩の量とオピオイド作動薬の量の比は、約1:4〜4:1である。
【0129】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、患者の慢性疼痛を治療するために、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)とともに投与されてもよい。ある種の態様では、SSRIは、セリクラミン、シタロプラム、シアノドチエピンD,L−フェンフルラミン、ダポキセチン、デメチルセルタラリン、デスメチルシタロプラム、エシタロプラム、フェノキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、イフォキセチン、リトキセチン、ネファザオドン、ノルフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン、及びジメリジンから選択される。SSRIは、求心ニューロンによるセロトニン再吸収を阻害することによって機能する。
【0130】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、患者の慢性疼痛を治療するために選択的ノルアドレナリン/ノルエピネフリン再吸収阻害剤(SNRI)とともに投与されてもよい。ある種の態様では、SNRIは、アトモキセチン、ビシファジン、ブプロプリオン、デスイプラミン、フェゾルアミン、ヒドロキシブプロプリオン、ロフェプラミン、マプロチリン、ミアンセリン、シブトラミン、ミルタゼピン、ノミフェンシン、オキサプロチリン、レボキセチン、及びビロキサジンから選択される。
【0131】
ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、患者における慢性疼痛を治療するために、セロトニン及びノルエピネフリンの両方の再吸収を阻害する化合物とともに投与されてもよい。 ある種の態様では、セロトニン及びノルエピネフリンの両方の再吸収を阻害する化合物は、クロミプラミン、デスメチルクロミプラミン、デュロキセチン、イミプラミン、ミルナシプラン、O−デスメチルヴェンラファキシン、及びヴェンラファキシンから選択される。
【0132】
慢性疼痛を治療するために結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はその医薬組成物と同時に投与されてもよい他の薬物には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、及びゾメピラック;バルビツレート鎮痛剤、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルチタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール、及びチオペンタール;ベンゾジアゼピン、例えば、クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸塩、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、及びトリアゾラム;H1拮抗剤、例えば、ジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニルアミン、及びクロルシクリジン;他の鎮痛剤、例えば、グルテチミド、メプロバメート、メタカロン、及びジクロラルフェナゾン;骨格筋弛緩剤、例えば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、及びオルフレナジン;NMDA受容体拮抗剤、例えば、デキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、デキストロルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキニーネ、及びシス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸;α−アドレナリン作動剤、例えば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン、及び4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタンスルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン;三環系抗鬱剤、例えば、アミトリプチリン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドスレピン塩酸塩、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、オピプラモール、プロトリプチリン、及びトイミプラミン;抗痙攣剤、例えば、カルバマゼピン、及びバルプロ酸;タキキニン(NK)拮抗剤、例えば、拮抗剤、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]−ナフチリジン−6−13−ジオン、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]−メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン、ラネピタント、ダピタント、及び3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−メチルアミノ]−2−フェニルピペリジン(2S,3S);ムスカリン性拮抗剤、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム、及びダリフェナシン;COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、及びバルデコキシブ;非選択的COX阻害剤、例えば、コールタール鎮痛剤、例えば、パラセタモール;神経遮断剤、例えば、ドロペリドール;バニロイド受容体作用剤、例えば、レシンフェラトキシン);β−アドレナリン性化合物、例えば、プロプラノロール;局所麻酔剤、例えば、メキシレチン;コルチコステロイド、例えば、デキサメタゾン;セロトニン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト;コリン作動性(ニコチン性)鎮痛剤;及びPDEV阻害剤、例えば、シルデナフィル、ヴァルデナフィル、及びタラダフィルが挙げられる。
【0133】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、及び疼痛を治療するための他の薬物、例えば、SSRI、SNRI、セロトニン及びノルエピネフリンの両方の再吸収を阻害する化合物、又は疼痛を治療するための他の化合物は、同一の医薬組成物又は別の医薬組成物に製剤化されてもよい。ある種の態様では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及び慢性疼痛を治療するための他の薬物を含む医薬組成物は、持続放出製剤である。ある種の態様では、持続放出製剤は、1日1回又は1日2回、患者に投与されるように適合されてもよい。ある種の態様では、投薬形態は、約50mg〜約1,200mgの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物、及び疼痛を治療するための約10mg〜約1,200mgの他の薬物を含んでもよい。ある種の態様では、投薬形態における結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の量とオピオイド作動薬の量の比は、約1:200〜約200:1;約1:50〜約50:1、約1:10〜約10:1、及びある種の態様では約1:4〜4:1である。
【0134】
ある種の態様では、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、(3S)−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、又は(3S)−{[(1R)−ベンゾイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムは、バクロフェン又はバクロフェンプロドラッグ、例えば、(3R)−4−{[(1S)−2−メチル−1−(2−メチルプロパノイルオキシ)プロポキシ]カルボニルアミノ}−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸、又はGallopら、米国特許第7,109,239号(参照により全体として援用される)に開示される他のバクロフェンプロドラッグとともに同時に投与されてもよい。
【実施例】
【0135】
以下の実施例は、詳細に、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、および結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の調製、特性、及び使用を説明する。材料及び方法の両方に対する多くの変更は、開示の範囲から逸脱することなしに実施されてもよいことは当業者に明らかとなる。
【0136】
実施例1
O−[(1R)−イソブタノイルオキシエチル]S−メチルチオカルボネートt(5)
O−(1−イソブタノイルオキシエメチル)S−メチルチオカルボネート(180g)をGallopら(米国特許第7,227028号)に記載されるように調製し、Candida antarctica由来のリパーゼをアクリル樹脂(8.0g)に固相化し、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.2(1.6L)中、室温で撹拌した。反応の進行は、キラル溶媒和剤である[(R)−(+)−2,2,2−トリフルオロ−1−(9−アントリル)エタノール]を用いて、1H−NMRによってモニターし、16時間以内に完了した。反応混合物をエーテルで希釈し、エーテル層を分別し、Celiteのパッドを通過させてろ過し、酵素を除去した。エーテル層を水、次にブラインで繰り返し洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。真空中での溶媒除去により、表題化合物(5)を単一の鏡像体として定量的収量(90g)を可能にした。絶対配置は次によって確立した:(i)化合物(6)への変換(下記の実施例2を参照);(ii)(6)とガバペンチンとの反応により、1−{[(α−(R)−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニル]アミノメチル}−1−シクロヘキサン酢酸を得てること;並びに(iii)Gallopら(米国特許第6,927,036号)に記載される1−{[(α−(R)−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニル]アミノメチル}−1−シクロヘキサン酢酸の立体選択的なBaeyer−Villiger酸化によって形成された生成物との相関。
【0137】
【化7】

【0138】
実施例2
{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルオキシ}スクシンイミド(6)
表題化合物(6)は、Gallopら(米国特許第7,227,028号)の実施例9に開示される方法に従って、化合物(5)から調製された。例えば、CH2Cl2(10mL)中の化合物(5)(1g、4.8mmol)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.1g、9.5mmol)を添加し、反応混合物を0ドに冷却した。32%(V/v)過酢酸溶液(3.4mL、1.1g、14.4mmol)を10分かけて滴下して添加し、この溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物をエーテル(50mL)で希釈し、水(2×10mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、表題化合物(6)を無色油状物として得た(1g、77%)。ヘキサン(20mL)を用いた粉砕後、表題化合物(6)を白色固体として得た。
【0139】
【化8】

【0140】
実施例3
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(1−R)
化合物(6)(52.8g、0.193 mol)及びプレガバリン(31.7g、0.199mol)をアセトニトリルと水の混合物(200mL、4:1中、室温で16時間撹拌し、真空にしてアセトニトリルを除去した。残渣をMTBEと水で分割し、MTBE層を水、次にブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。真空中で溶媒を除去して、表題化合物(1−R)を無色油状物として得た(61.3g、100%収率)。
【0141】
【化9】

【0142】
実施例4
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサンカルシウム(3)
0℃のアセトニトリル中の化合物(1−R)(16.63g,52.5mmol)の撹拌溶液に、NaHCO3(4.28g、50.9mmol)の水溶液を滴下した添加した。得られた混合物を撹拌し、1時間超音波処理し、次に、減圧下で濃縮して、アセトニトリルを完全に除去した。得られた溶液に、Ca(OAc)2・H2O(4.48g、25.4mmol)の水溶液を0℃で撹拌しながら滴下して添加した。白色固体として沈殿した表題化合物(3)をろ過し、冷水で洗浄し、次に、真空中で乾燥させ、表題化合物(3)を白色固体として得た(10.33g)。上清を凍結乾燥し、得られた白色粉末を水で洗浄して、表題化合物(3)の第2の収穫物(3.83g)を得た。表題化合物(3)をさらに、以下に記載される様々な溶媒系から結晶化した。
【0143】
【化10】

【0144】
化合物(3)の代替合成において、−5℃の無水エタノール(450mL)中の(1−R)(73g、0.23mol)の撹拌溶液に、80mLのエタノール中のNaOH(8.83g、0.22mol)の溶液を添加した(添加は完了するまで2時間要した)。 塩基性溶液の添加中、温度を−5℃に維持した。反応混合物をさらに1時間、−5℃で撹拌し、次に、徐々に室温まで温めた。この撹拌溶液にエタノール(100mL)中のCaCl2・2H2O(16.2g、0.11mol)を添加した。得られた反応混合物を3時間、室温で撹拌し、次に、撹拌せずに氷浴中で冷却した。結晶NaClをろ過により除去し、上清を元々の体積の約3分の1になるまでロータリーエバポレーターによって濃縮した。脱イオン水をこの溶液に添加し、表題化合物(3)を形成した(70.2g、2つの収穫物において91%収率)、融点111.4〜116.0℃。
【0145】
実施例5
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩の結晶化(3)
エタノール−水から:
化合物(3)(4g)を15mLの無水エタノールに45℃で溶解し、透明な溶液を形成した。この溶液に、濁りが見られるまで、脱イオン水をゆっくり添加した(約15.5mLの水)。次に、混合物を45℃に加温し、透明な溶液を形成した。この溶液を室温まで冷却し、結晶化を促進した。固体をろ過し、真空デシケーター中、室温で乾燥させ、次に、真空オーブン中、一晩、45℃で乾燥させて、水和物としての結晶(3a)(3.51g、87%回収)を白色結晶固体として得た。融点107.1〜110.9℃。この方法によって調製され、実施例10に記載されるように得た結晶水和物(3a)のX線粉末回折を図1に示す。
【0146】
【化11】

【0147】
エタノール−水(代替条件)から:
化合物(3)(2g)を12mLの無水エタノールに45℃で溶解し、透明は溶液を形成した。この溶液に脱イオン水を、溶液が濁るようになるまでゆっくり添加した(約24mLの水)。次に、混合物を45℃に加温し、透明な溶液を形成した。溶液を室温まで一晩かけてゆっくり冷却し、生成物を溶液から結晶化させた。固体をろ過し、真空デシケーター中、室温で乾燥させ、次に、真空デシケーター中、一晩、45℃で乾燥させて、結晶水和物(3a)を白色固体として得た(1.4g、70%回収)。融点110.1〜117.0℃。
【0148】
イソプロパノール−水から:
化合物(3)(6.87g)を30mLのイソプロパノールに45℃で溶解し、透明な溶液を形成し、次に、70mLの水を添加して、濁った混合物を得た。混合物を50℃に加温し、透明な溶液を形成し、次に、最初に室温まで冷却し、一晩、4℃に冷却し、結晶化を促進した。固体をろ過し、真空デシケーター中、室温で乾燥させ、次に、真空オーブン中、一晩、45℃で乾燥させ、結晶水和物(3a)を白色固体として得た(5.06g、74%回収)。融点111.7〜117.0℃。この方法に従って調製され、実施例7に記載されるように得られた結晶水和物(3a)のX線粉末回折を図2に示す。
【0149】
実施理6
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(3)の代替合成
工程A:1−クロロ−メチルプロピルメチルチオギ酸塩(6a)
ジクロロメタン(DCM)中の1−クロロ−2−メチルプロピルメチルギ酸塩の撹拌溶液に、水中のナトリウム・メタンチオラート(CH3−SNa)(1.0当量)と0.02当量の臭化テトラブチルアンモニウムの溶液を添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に、ジクロロメタン(DCM)で希釈した。ジクロロメタン層を分別し、次に、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。溶媒を除去するためのロータリーエバポレーション後、表題化合物(6a)を得た。
【0150】
【化12】

【0151】
工程B:1−メチルチオカルボニルオキシエチル2−メチルプロパン酸塩(6b)
カルボン酸(4当量)及びジイイソプロピルエチルアミン(DIEA)(2当量)の混合物に1−クロロ−2−メチルプロピルメチルチオギ酸塩(6a)を添加した。混合物を75℃で24時間撹拌した。次に、混合物を水とメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)で分割した。MTBE層を水、重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCo3)、水、及びブラインで3回洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥させた。ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去後、ラセミ表題化合物(6b)を60〜80%収率で得た。
【0152】
【化13】

【0153】
工程C:(1R)−1−メチルチオカルボニルオキシエチル−2−メチルプロパン酸塩(5)
【0154】
【化14】

【0155】
20Lの複数の口を有するシリンダ状リアクターであって、振動メタンチオール及びアセトアルデヒドを酸化するために、機械的スターラー、酸化槽及び漂白槽(14%NaOCl)を連結させた窒素入口及び出口を装備した前記リアクターをラセミ1−メチルチオカルボニルオキシエチル−2−メチルプロパン酸塩(6b)(5.32g、25.8mol)及び0.8Mリン酸緩衝液(10L,pH7.0)をチャージした。固相支持されたCandida antarcticaリパーゼB(125g、Novozyme 435)を撹拌しながら、ゆっくり添加した。反応混合物を室温(22〜24℃)で約18時間撹拌した。
【0156】
反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(8L)で希釈し、有機相を分別した。有機相をリン酸緩衝液(0.57M、2×5L)、水(10L)及びブライン(7L)で洗浄した。固相支持された酵素をろ過によって除去され、有機相を硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーションによって濃縮して、表題化合物(5)を淡黄色の油状物として得た。生成物を65℃、減圧下でさらに濃縮し、2.45kgの表題化合物(5)を得た(92%収率)。
【0157】
【化15】

【0158】
比較のため、ラセミ1−メチルチオカルボニルオキシエチル−2−メチルプロパン酸塩:キラル溶媒和剤(CDCl3)として(R)−(−)−2,2,2−トリフルオロ−(9−アントリル)エタノールの存在下での1H−NMR:
【0159】
【化16】

【0160】
工程D:{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルオキシ}スクシンイミド(6)
【0161】
【化17】

【0162】
機械的スターラー、内部サーモメーター及び窒素入口を装備した20Lのジャケット付きの反応容器に、ジクロロメタン(DCM)(8L)中の(1R)−1−メチルチオカルボニルオキシエチル−2−メチルプロパン酸塩(5)(1.44g、7mol)、及びN−ヒドロキシスクシンイミド(1.61kg、14mol)を添加した。得られた上清を9℃に冷却した。酢酸中の過酢酸の溶液(3%、4.98kg、4.4L;21mol)を、9℃と15℃との間の反応温度を維持しながらゆっくり添加した。次に、反応混合物を9℃で約23時間撹拌した。
【0163】
その後、反応混合物を水(3L)で希釈し、有機相を分別した。水(2×2L)、飽和重炭酸カリウム溶液(4L)、及びチオ硫酸ナトリウムの溶液(水4L中の350g)で有機相を洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥し、揮発物を真空下で除去し、粗製生成物を白色固体として得た。この固体に2−プロパノール(3L)及びヘキサン(3L)を添加した。得られたスラリーを30分間、30℃に加温した。得られたスラリーを氷浴を用いて2時間冷却した。生成物をろ過によって回収した。ろ過ケーキをヘキサン(4L)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(6)を白色固体として得た(1kg、50%収率)。
【0164】
【化18】

【0165】
工程E:(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸(3)
【0166】
【化19】

【0167】
機械的スターラー及び窒素入口を装備した20Lのパイロットプラントは、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)と水の混合物(3:1;10L)中のNHS−カーボネート、(1R)−1−(5−メチレン−2−おきさぞりジニルオキシカルボニルオキシ)エチル−2−メチルプロパン酸塩(6)(1.31kg、4.7mol)及び(S)−プレガバリン(431g;全体でプレガバリンの1.2当量)でチャージされた。得られた上清を24時間、室温で撹拌した。反応混合物を水(3L)で希釈した。有機相を分別し、水(3×3L)、硫酸水溶液(5%、4L)、及び水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾燥させ、揮発物を真空下で除去して、表題化合物(3)を透明な粘性油状物として得た(1.33kg、89%収率)。
【0168】
実施例7
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の水分含量及び元素解析
熱重量解析は、TA Instruments 2950熱重量解析装置を用いて行った。各資料をアルミニウム試料パンに置き、熱重量炉に挿入した。炉は、最初に25℃に平衡にし、次に、窒素雰囲気下、10℃/分の速度で加熱し、最終温度を350℃とした。ニッケル及びアルメル(商標)を較正標準として用いた。実施例5に従ってエタノール/水から結晶化された(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの熱重量解析は、25℃〜75℃で約3%の重量喪失、75℃〜125℃で2.75%の重量喪失を示した。75℃〜125℃の間の重量喪失は、水和水の喪失に起因している可能性がある。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の試料の熱重量解析は、約75℃〜125℃の間で2.86%が重量喪失し、図4に示される。
【0169】
水分測定の電量Karl Fisher(KF)解析は、Mettler Toledo DL39 Karl Fischer滴定装置を用いて行った。約14mgの試料を約3.8gのHydranal−Coulomat ADに溶解した。約0.9〜1.0gの抽出された溶液は、Hydranal−Coulomat ADを含むKF滴定容器に入れ、10秒間混合し、溶解を確実にした。次に、試料は、発生電極によって滴定され、それは、電気化学的酸化によって要素を生成する。実施例5に従ってエタノール/水から結晶化した(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のKarl Fisher解析は、水分含量を約4.1%水に決定した。Karl Fisher解析によって決定された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の他のバッチの水分含量は、約2.9%〜約4.5%の範囲であった。
【0170】
化合物の元素的微量分析は、Desert Analytics(Tucson,AZ)によって行われた。(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(C3052CaN212)についての理論的な元素解析は、以下の元素成分を与える:53.55%C;7.79%H;4.16%N;5.96%Ca。
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・一水和物についての理論的な元素解析は、以下の元素成分を与える:52.16%C;7.88%H;4.05%N;5.80%Ca。一水和物の理論的な水分含量は約2.6%(w/w)である。
【0171】
実施例5に従ってエタノール/水から結晶化された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物についての実験的元素解析は、以下の元素成分を与えた:51.70%C;7.66%H;3.92%N;5.78%Ca。この実験的元素回scFv期は、約3.9%(w/w)の水分含量に対応し、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの1モルあたり約1.6モルの水に同等である。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の別のバッチの元素解析は、以下の元素成分を示した:52.02%C;7.97%H;4.00%N;5.81%Ca。
【0172】
また、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のカルシウム含量は、イオンクロマトグラフィーによって決定された。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、少量の水に溶解させ、20mMメタンスルホン酸で希釈し、次に、イオンクロマトグラフィーによってカルシウム含量を解析した。この方法は、IonPac CS12A(250×4mm、Art.46073 Dionex)を分離カラムとして使用し、IonPac CG12A(250×4mm、Art.46074 Dionex)プレ絡むを室温で操作して、電導度を検出した。移動相はアイソクラチックであり(20mM メタンスルホン酸)、流速は1.0mL/分であった。カルシウム含量(%w/w)は、ICピーク領域を比較することによって決定し、参照標準は塩化カルシウム、二水和物であった。イオンクロマトグラフィーによって決定した結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の様々なバッチのCa2+含量は、約5.4%〜約5.8%の範囲であった。
【0173】
水分含量熱重量解析、水分含量のKarl Fisher解析、元素解析、及びXRPD(実施例7及び10を参照)の結果は、結晶格子に組み込まれた(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの分子あたり1分子を有する結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物(すなわち、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・一水和物と一致し、緩く結合した水分含量を有していた。他の実験では、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、吸湿性であることを示した。
【0174】
実施例8
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の示差走査熱量測定
示差走査熱量測定は、Perkin ElmerのPuris Diamond示差走査熱量計(DSC)を用いて行った。30℃の平衡後、試料細胞を窒素雰囲気下で10℃/分の速度で加熱し、最終温度が150℃であった。インジウム金属を較正標準として用いた。
【0175】
実施例5に従ってエタノール/水から調製された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約101℃〜約116℃の融解転移を示し、約110℃で最大ピークとなり、ΔHは約42.5J/gであった。
【0176】
実施例5に従ってイソプロパノール/水から調製された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、約105℃〜約122℃の金属遷移を示し、約115℃で最大ピークとなり、ΔHは約38.8J/gであった。
【0177】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の別のバッチの示差走査熱量測定は、TA装置Q2000示差走査熱量計を用いて行った。試料をアルミニウム試料パンに入れ、重量を正確に記録した。パンに蓋をかぶせ、次に厚着した。試料セルを25℃で平衡にし、窒素雰囲気下で10℃/分の速度で加熱し、最終温度が最大250℃であった。インジウム金属を較正標準として使用した。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のDSCサーモグラムは、約91℃から約129℃への融解転移を示し、最大ピークが約117℃であった。ブロードな転移は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結晶から中間相形態への相転移と一致する。
【0178】
実施例9
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のIR分光測定
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物のFT−IRスペクトルを図5に示す。標準的なレンジの臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター、及び重水素化された硫酸トリグリシン(DTGS)検出器を装備したNicolet Avatar 370 DTGS Fourier transform infrared(FT−IR)分光計(Thermo−Nicolet)でスペクトルを獲得した。CHCl3に試料を100mg/mLの濃度で溶解した。液体試料を取り外し可能なパスレングスセル(Thermo−Nicolet)に解析前に入れた。4cm-1解像度で32スキャンを用いてスペクトルを得て、後処理なしに行った。主要な吸光度頻度の割り当てを表1に列挙する。
【0179】
【表1】

【0180】
実施例10
X線粉末回折解析
X線粉末回折解析は、Shimazu XRD−6000 X線粉末回折計又はInel XRG−3000解析計を用いて、Cu−Kα放射線(1.54178Å)を使用して行った。Shimazu装置は、長いファインフォーカスのX線チューブを装備していた。チューブ電圧と電流は、それぞれ40kVと40mAに設定された。発散及び分散スリットを1°に設定し、受入スリットを150μmに設定した。回折された放射線は、NaIシンチレーション検出器によって検出された。3°/分、2.5°〜40°の2θのθ−2θ連続スキャンを使用した。シリコン標準を解析し、装置の位置合わせを確認した。データを回収し、XRD−6100/7000v.5.0ソフトウェアを用いて解析した。シリコンインサートを有するアルミニウムホルダー上に化合物を置くことによって、試料を解析のために調製した。
【0181】
データは、0.03°2θの解像度でInel装置で回収した。チューブ電圧と電流は、それぞれ40kV及び30mAに設定した。単色光分光器スリットを5mm×160μmに設定した。回折パターンを2.5°〜40°2θで表示した。薄肉ガラスキャピラリー内に化合物を置くことによって試料を調製した。各キャピラリーは、データ獲得中のスピニングを可能にするように電動化されたゴニオメーターヘッドに積層された。試料を5分間解析し、シリコン参照標準を用いて装置較正を行った。
【0182】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の様々なバッチについてのX線粉末回折結果を図1及び図2に示し、各バッチについて同じ反射を示し、これは、同じ結晶形態が生成されたことを示唆する。45℃から室温の温度でエタノール/水又はイソプロパノール/水から結晶化によって調製された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の多数のバッチは、図6に示されるものと同じXPRDスペクトルを有し、これは、これらの結晶化条件下では、たった1つの形態の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物が生じることを示唆する。図1、2、及び6に示される(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の種々のバッチについての特徴的散乱角を表2に示す。
【0183】
【表2】

【0184】
実施例11
サルにおける(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの結腸内生物学的利用能
雄性カニクイザル(体重約2.3kg)を研究に用いた。研究前の一晩、投薬の4時間後までサルを絶食させた。水は随意に与えた。
【0185】
実施例4によって調製された(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(実施例5に従って凍結乾燥後であって結晶化前)を0.5%メチルセルロース/0.1%Tween−80(NaH2PO4、pH7.02)中の懸濁液(21.4mg/mL)として調製した。
【0186】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(1mL/kg;10mg当量プレガバリン/kg)を4匹のマウスに対して結腸内に投与した。血液試料を投薬前、投薬後の0.17、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12、18、および24時間に回収した。約0.3mLの血液を予め冷却したK2EDTAチューブに回収した。内容物を低速でゆっくりボルテックスし、サンプリングされた血液が、全ての時間で試料上に氷を維持しながら、EDTAと接触していることを確認した。約0.1mLの抗凝固処理血液を2つの予め冷却された冷凍バイアルの各々に添加され、各々は、約0.3mLのクエンチング媒体(すなわち、メタノール)を含み、採血の5分以内に行った。各凍結バイアルをボルテックスし、クエンチング媒体の混合が完全であることを確認した。次に、試料を−70℃で保存した。
【0187】
血液試料は、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩及びプレガバリンの同時決定のための精度が高く、特異的なLC−MS/MS法によって解析された。
【0188】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの結腸内投与後のプレガバリンの結腸内生物学的利用能(F%)は、同等の投薬量のプレガバリンの結腸内投与後のプレガバリンの結腸内生物学的利用能よりも少なくとも5倍高いことが分かった。
【0189】
実施例12
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結腸内投与後のプレガバリン薬物動態
結腸内投与後のプレガバリンおよび結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の薬物動態を決定した。
【0190】
4匹のカニクイザルの一群は、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物(10mg当量のプレガバリン/kg)の結腸内投薬を受けた。7日間の投薬中止期間を処置間で置いた。投薬前、及び投薬後の最大24時間の間隔で全ての動物から血液試料(300μL)を回収し、即座にK2EDTAを含むチューブ内でクエンチし、加水分解を妨げた。2つのアリコート(各100μL)を300μLメタノールで即座にクエンチした。クエンチされた全ての血液試料は、その後、LC−MS/MSを用いて、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸塩遊離酸およびプレガバリンについて分析された。
【0191】
プレガバリンはTeva(Peteh Tiqva,Israel)から入手した。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、実施例1〜6による市販のプレガバリンから合成した。
【0192】
カニクイザル(体重は約2.5kg〜5.0kg)を試験に使用した。サルは、一晩、及び投薬後の最初の4時間絶食された。水は随意に与えた。結腸内投与について、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物をリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中の0.5%メチルセルロース/0.1%Tween−80に懸濁した。血液試料を解析し、実施例14に記載されるように薬物動態の解析を行った。
【0193】
表3は、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結腸内投与後の血中のプレガバリンについての平均薬物動態パラメータを示す。
【0194】
表3.サルにおけるプレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結腸内投与後の血中のプレガバリンについての平均(SD)薬物動態パラメータ
【0195】
【表3】

【0196】
省略形:PG=プレガバリン;SD=標準偏差;Cmax=到達した最大濃度;Tmax=最大濃度に到達する時間;T1/2=半減期;AUClast=測定可能な濃度を用いた時間ゼロから最後の時間点までの濃度対時間曲線下の面積;AUCinf=無限に外挿された濃度対時間曲線下の面積;F=8mg/kgのIVプレガバリンと比較した生物学的利用能%。
a遊離酸同動物。
【0197】
図7は、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結腸内投与との血中のプレガバリンの平均濃度−時間プロフィールをしmmolスクリーニング。
【0198】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の投与後の非常に増強された結腸生物学的利用能は、プロドラッグの持続放出製剤の開発を支持する。
【0199】
実施例13
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の経口投薬形態
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を含む錠剤投薬製剤を調製した。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、実施例1〜6に従って市販のプレガバリンから合成された。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel K100M Premium)をFMC Biopolymerから得た;ラクトース(Direct Tableting 5X59009(IR),Impalpable 5X73240(SR))をKerry Bioscienceから得た;微結晶性セルロース(Avicel PH 102又はAvicel PH 302)をDow Chemicalから得た;コロイド状二酸化ケイ素(Cab−O−Sil M5P)をCabotから得た;硫酸マグネシウムをMallinckrodtから得た;クロスカルメロースナトリウム(Ac−di−sol SD−711)をFMC Biopolymerから得た。
【0200】
651mg/ユニットを有する、サルの薬物動態研究に使用された結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の組成を表4に与える。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の追加の錠剤製剤の組成を表5に与える。
【0201】
表4.結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の経口錠剤製剤の組成
【0202】
【表4】

【0203】
a.25.0mgの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の遊離酸の22.9mgに同等である。
【0204】
表5.結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の経口錠剤製剤の組成
【0205】
【表5】

【0206】
a.163mgの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物(3a)は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の遊離酸の150mg、及びプレガバリンの75mg当量に同等である。
【0207】
ローラー圧縮造粒過程は、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の即時及び持続放出錠剤の製造に使用された。錠剤を調製するために、全ての成分を計量した。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物は、20番又はそれより小さいメッシュを通過させてスクリーニングした。硫酸マグネシウムを除く全ての賦形剤は、30番のメッシュを通過させてスクリーニングした。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及び全ての賦形剤(硫酸マグネシウムを除く)をV−ブレンダーで混合した。硫酸マグネシウムを70番のメッシュスクリーンを通過させ、混和物に添加し、全硫酸マグネシウムの3分の1をV−ブレンダーに混和した。混和物をAlexanderwerk WP120×40Vローラー圧縮機(25mmのギザギザしたロール)を通過させて、リボンを生成した。ローラー圧縮機上の造粒機を通過させることによって粉砕した(スクリーンサイズ:2mmと0.8mm)。残りの硫酸マグネシウムを造粒物に添加し、V−ブレンダーで混合した。潤滑造粒物は、凹面の、修飾された卵型(0.5910−in×0.2750−in)ツーリングを用いて500mg錠剤に形成された。
【0208】
USP装置II(パンドル)法を用いて溶解試験を行った。パンドル溶解試験を準備するため、6個の溶解容器は、1%ラウリル酸ナトリウムを含む50mMのリン酸ナトリウム・一塩基性緩衝液(pH6.8)の900mLを含むように充填され、37℃で平衡された。1つの錠剤を各容器に滴下し、溶解媒体を100rpmで撹拌した。必要に応じて、日本のシンカーを使用した。IR錠剤については15、30、45、及び60分、SR錠剤については0.5、2、4、6、8、12、18、及び24時間で試料をHPLCバイアルに入れた。溶解媒体中の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の含量は、210nmで、UV検出器を装備した逆そうHPLC(Sunfire(登録商標)C18、4.6×150mm、3.5μm)によって決定された。アイソクラチック移動相(リン酸緩衝液/アセトニトリル)を使用した。上記手法に従って調製され、表4に与えられた組成を有する、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の651mg/ユニット投薬IR及びSR錠剤製剤についての溶解プロフィールを図8に示す。
【0209】
実施例14
経口錠剤製剤の投与後のプレガバリンの薬物動態
4匹の雄性カニクイザルの一群を研究に使用した。平均体重は、研究開始では約2.9kgであり、研究の9カ月間で約3.4kgに増加した。動物を一晩、各試験製剤の投与後の研究の最初4時間、絶食した。水は随意に与えた。
【0210】
全ての製剤は、4匹の絶食された雄性のカニクイザルの単一の群において評価され、処置間の投薬中止期間は少なくとも5日であった。IF錠剤製剤を75mg当量のプレガバリン(1錠剤/動物)で投与した。3種のSR錠剤製剤は、75mg当量のプレガバリン、又は69mg当量のプレガバリン(1錠剤/動物)で経口投与された。
【0211】
血液試料は、投薬後の最大24時間の間隔で全ての動物から得た。約0.3mLの血液は、0.3mLのメタノールを含む、予め冷却されたK2EDTAチューブに回収された。30分以内に、血液試料を−70℃以下に保存した。
【0212】
クエンチされた血液試料を凍結し、分析前に−20℃で保存した。結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物とプレガバリンの濃度の同時決定のために精度が高く、特異的なLC−MS/MS法によって試料を解析した。
【0213】
全ての分析物の血液濃度データは、WinNonlin(WinNonlinTMソフトウェア、バージョン5.2、Pharsight Corp.Mountain View,CA)を用いて、非コンパートメント法により解析された。非コンパートメント解析は、各動物の個別のプロフィールについて行われた。定量限界以下(BLQ)の全ての濃度値は、薬物動態改正について0(ゼロ)として処理された。前投薬の低濃度値は、BLQとして処理された。名目上の試料回収時間点は、薬物動態パラメータの計算のために使用された。全ての濃度データは、SigmaPlot(SigmaPlot(商標)、バージョン9.0、Systat Software Inc.,Richmond,CA)を用いてプロットされた。
【0214】
最大濃度(Cmax)及びCmaxまでの時間(Tmax)は観察によって得られた。明らかな排出半減期(T1/2)は、終末過程における3以上のlog対数変換データの線形回帰によって得られた。濃度対時間曲線下の面積(AUClast)は、最後の定量化できる濃度まで濃度データを用いた線形台形法によって得られた。無限に外挿されたAUC値は以下のように計算された:
AUCinf = AUClast + Clast/λz
ここで、tlastは、最後の定量化できる濃度(Clast)の時間であり、λzは、見掛けの終末排出期の速度定数である。
【0215】
プレガバリン又はプロドラッグの血管外投薬後のプレガバリンの生物学的利用能(F)は、以下のようなプレガバリンの静脈内投与後のデータと比較することによって計算された:
F(%) = 100×(AUCex/Doseex)/(AUCiv/Doseiv
ここで、AUCexは、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の血管外投与後のプレガバリン濃度対時間曲線下の面積である(μg×hr/mL);Doseexは、プレガバリンのmg当量/kg体重で表される血管外投薬である;AUCivは、プレガバリンの静脈投与後のプレガバリン濃度対時間曲線下の面積である(μg×hr/mL);Doseivは、プレガバリン濃度のmg当量/kg体重で表される静脈内投薬である。
【0216】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の経口投薬後のプレガバリン濃度の相対的生物学的利用能(Frel)は、以下のようにLYRICA(プレガバリン;Pfizer)の経口投与後のデータと比較することによって計算された:
Frel(%) = 100×(AUCPO/DosePO)/(AUCLyrica/DoseLyrica
ここで、AUCPOは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の経口投与後のプレガバリン濃度対時間曲線下の面積である(μg×hr/mL);DosePOは、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤におけるプレガバリン濃度のmg当量で表されるプレガバリン投薬量である;AUCLyricaは、LYRIC製剤の経口投与後のプレガバリン濃度対時間曲線下の面積である(μg×hr/mL);DoseLyricaは、LYRICA製剤におけるプレガバリンのmgを表す経口投薬量である。
【0217】
表6は、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の経口投与後のサルの血中プレガバリンについての平均(SD)薬物動態パラメータを示す。
【0218】
表6.サルにおけるプレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物製剤の経口投与後のサルの血中プレガバリンについての平均(SD)薬物動態パラメータ
【0219】
【表6】

【0220】
省略形:PG=プレガバリン;SD=標準偏差;Cmax=最大濃度;Tmax=Cmaxに到達する時間;AUClast=時間ゼロから測定できる濃度を有する再度の時間点までの濃度対時間曲線下の面積;F=同一サルにおける8mg/kgの静脈内プレガバリンのAUCinfと対比した生物学的利用能%(AUClastに基づく)。
【0221】
図9は、プレガバリン又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物錠剤製剤の経口投薬との血中プレガバリンの平均(SD)濃度−時間プロフィールを示す。比較のため、LYRICA及びSR2製剤のプレガバリン濃度を75mg当量のプレガバリン濃度を75mg当量に標準化した。
【0222】
実施例15
手術前後の疼痛の管理における有効性を評価するための臨床試験
全腹式子宮摘出術、腹腔鏡の子宮摘出、主要な腹腔鏡手術、及び脊髄融合手術などの様々な外科手法を受けている患者において行われる最近の臨床試験に基づいて、外科手術の1〜2時間前に投与される150mg〜300mgのプレガバリン投薬が、疼痛減少及びオピオイド使用の減少に効果的であった(Reuben et al.,Anesth Analg 2006,103(5),1271−7;Reuben et al.,J Bone and Joint Surgery 2007,89,1343−58;Buvanendran et al.,Anesthesiology 2007,107,358−359;Jokela,Pain 2008,134,106−112)。これらの研究及び他の研究に基づいて、急性術後疼痛の手術中管理のためのプレガバリンの有効な投薬のてまのCmax及びAUCinfは、それぞれ4.73〜9.46μg/mL、及び33.2〜66.3μg×hr/mLの範囲にあることが予測されることが期待される。
【0223】
疼痛の処置及び間の有効性は、不安のための視覚的アナログ尺度、追加のオピオイド追加、疼痛制御の患者の全体的な評価、手術後の認識機能障害、及び運動複合の範囲を含む1以上の結果判定法を用いて評価することができる。視覚的アナログ尺度(VAS)は、無痛を表す線の左端と最も悪い疼痛を表す線の右端を有する直線である。
【0224】
疼痛強度評定尺度は、疼痛を定量するのに利用可能ないくつかの異なる疼痛強度ツールの1つである。疼痛強度は、数値式で測定可能であり、この場合、個体は、数字目盛りの0(無痛)〜10(最も悪い疼痛)を選択することによって、どれだけの疼痛を有しているかを特定するように聞かれる。VAS不安尺度では、左から右への水平線上の患者の不安率では、0=不安なし、100=最も悪い不安であった。追加のオピオイド消費は、特定の時間フレーム中の疼痛を調節するために使用される追加のオピオイドの量を反映する。疼痛制御の患者の全体的評価において、患者は、術後の所定間隔で、疼痛制御についてどのように感じるのかを応答する。疼痛制御の医師の全体的評価では、医師は、術後の所定間隔で、患者における疼痛制御に関してどのように感じるのかを応答する。認識機能障害は、高いリスク設定における精神科でない医師のためのDSM−IIIR評価に基づいて、スクリーニング装置として開発された混乱評価法評定尺度(CAM)の使用によって術後設定において評価可能である。運動評価の範囲は、ひざなどの特定の関節を曲げ、伸ばす患者の能力を評価するために使用されてもよい。
【0225】
腱膜瘤切除術を受けている患者における、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の術後の鎮静効果とその術前の投薬の安全性の多角的であり、任意に抽出された、二重盲検の、プラセボを対照とした、並行グループ研究を行う。
【0226】
男性及び女性の研究患者は、各処置群において約50人であり、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はプラセボの単一の蛍光投薬を受けるために、均等分配において無作為に割り当てられる。全ての患者は、外科的切開の約1時間前、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はプラセボを受け、外科後のモルヒネなどの患者管理無痛法(PCA)を入手できる。
【0227】
外科後の2、4、6、12及び24時間後のVASに関する患者によって報告される疼痛強度、外科後の24時間中に消費されたオピオイド量、外科期間後の24時間中の救助PCA疼痛医薬のために最初に要求する磁化、及び外科後の所定の時間点での鎮静状態のレベルを決定する。
【0228】
結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びプラセボを受ける患者における決定測定法を比較することによって、有効性を評価する。
【0229】
原発性一側性人工膝関節全置換術を受けている患者における、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の術後の鎮静効果とその術前の投薬の安全性の多角的であり、任意に抽出された、二重盲検の、プラセボを対照とした、並行グループ研究を行う。
【0230】
外科手術前の夕方に、患者は、疼痛(VAS疼痛)及び不安(VAS不安)の100mmの視覚アナログ尺度の使用について指示を受ける。また、この夕方の巡回中に、患者の制御された患者管理無痛法(PCA)装置の使用に関する指示を与える。患者は、5つの研究治療群の1つに無作為に抽出される。プラセボ+IV PCAモルヒネ又は結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の4つの投薬量のうちの1つ(例えば、150mg、300mg、600mg、若しくは900mg、又は他の適切な投薬量)+PCAモルヒネ。外科手術の朝に、患者は、外科的切開の約1時間前に結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物又はプラセボを受ける。回復室で所定時間後、PCAモルヒネを患者に与える。患者は、術後の24時間で10分間の締め出しで、2.5mgの投薬量でモルヒネでPCAを受ける。バイコディン(ヒドロコドン7.5mg/アセトアミノフェン500g)は、PCAモルヒネを代えるために術後の24時間に与え、患者は、外来患者として次の5日間の午前に300mgの結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を継続する。疼痛制御は、理学療法中に評価される。
【0231】
術後の2、4、6、12、24、及び48時間での疼痛のためのVAS、術後の48、72、96及び120時間の午前、並びに予定された身体のリハビリテーションの直前の分類別の疼痛強度スコア、24時間の外科後に使用されたIVオピオイド(モルヒネ同等物)量(24時間フレーム)、二重盲検期間中の最初の救助PCA疼痛医薬を必要とする時間、救助(Vicodin)医薬の量、並びに外科手術後の所定の時間点の鎮静状態のレベルを決定する。外科的手法の結果は、膝機能全体評価項目;運動複合の範囲の疼痛、膝機能複合評価を用いて決定される;
【0232】
実施例16
骨関節炎疼痛管理における有効性評価のための動物モデル
骨関節炎疼痛のヨウ化酢酸一ナトリウムラットモデルを用いて、骨関節炎疼痛の管理における結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の有効性を評価することができる。
【0233】
Sprague−Dawley雄性ラット(体重220〜230グラム)を衛生換気された動物部屋のワイヤーケージに単独で入れ、温度、湿度及び定期的ライトサイクルが調節されている。齧歯類の餌及び水を随意に与える。動物は、使用前の少なくとも1週間順応させる。
【0234】
関節炎は、麻酔されたラットの膝関節にヨード酢酸の1回の関節内注射によって誘導される。ヨウ化酢酸一ナトリウムの10mg/mL溶液は、ビヒクルとして注射可能な生理食塩水を用いて調製される。適切な麻酔後、各ラットを仰向けにし、左脚を膝で90°に固定する。膝蓋靱帯は、膝蓋骨下で触診され、この領域に注射を行う。各ラットは、左膝に0.025mLの関節内注射を受ける。ヨード酢酸の注射後、ラットは、経口的に、ビヒクル又は試験組成物、例えば、ビヒクル中の結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物及びオピオイド作動薬、例えば、トラマドール、タペンタドール若しくはオキシコドンを用いて、3週間又は他の適切な期間処置される。研究の終端に応じて、安楽死させた動物の左膝は、撮像された脛骨プラトーで関節を外される。この画像における損傷の重症度を評価する。
【0235】
痛覚過敏応答は、Hargraevesモデルを用いて評価することができる。研究の第1日目に、各動物は、試験装置に順応させられ、温熱性痛覚過敏は、Hargraeves Plantar Device(赤外線放射熱源)を用いて測定され、基底の逃避潜時(PWL)値を確認する。基底のPWL値は、投薬前値の平均として計算される。動物は、投薬前の一晩、絶食される。次の日、動物は、ビヒクル又は試験組成物で経口投薬される。投薬の30分後、各動物を麻酔し、Carrageenan Viscarin GP 109の1.2%溶液(w/v)の0.1mLを足底内に注射を受け、ケージに戻して回復させる。注射の4時間後、各ラットの左後肢を温熱性痛覚過敏について評価される。動物を再び、Hargreaves Plantar Deviceに置き、熱刺激に対する応答を逃避する時間として決定する。
【0236】
中断異痛の評価は、後肢の足底面に対する力の昇順における、von Freyヘアーの応用によって評価される。動的異痛は、綿棒を用いて後肢の足底面を軽く撫でることによって評価される。von Freyヘアーに対する逃避潜時(PWT)及び綿棒刺激に対する逃避する潜在時間は、関節内注射後の種々の日数に応じて同じ群の動物で評価される。
【0237】
右(関節炎)及び左(未処理)膝の重量配分による関節損傷の効果は、インキャパシタンステスター(incapacitance tester)を用いて評価され、2つの後肢に対して重量配分を測定する。
【0238】
中断異痛及び体重負荷欠損に対する試験組成物及びオピオイド作動薬の阻害効果を決定するために、関節内注射後の14日(又は他の適切な時間)に化合物を投与し、薬物投与前の安定な基底PWT及び体重負荷欠損を確立した。動物にビヒクル又は試験化合物(単数又は複数)を(別々の日に)投与し、最大3時間又は他の適切な期間、評価された基底から変更する。
【0239】
実施例17
筋肉痛の管理における有効性評価のための動物モデル
成熟雄性Sprague−Dawleyラット(体重250〜300g)を使用する。筋肉痛を誘導するために、50μL中の1μgの濃度の0.9%NaClに希釈された組換えラットTNFは、腓腹筋又は上腕二頭筋に左右相称に注入される。TNF誘導の痛覚過敏の時間経過をパイロット実験において決定する。M.腓腹筋への注入後、加圧痛覚過敏は、約18時間後に最大となる。M.上腕二頭筋への1μgTNFの注入後、握力減少は、約6時間で最大となる。
【0240】
筋肉圧に対する機械的離脱閾値は、痛覚計を用いて測定される。ラットは、ラットを寛がせる靴下に入れる。後肢は、圧力増加が腓腹筋に適用可能なように位置される(最大250g)。離脱を発揮するのに必要とされる圧力を記録する。両方の後肢を10回試験し(>30秒の刺激間隔)、全ての離脱閾値の平均を各ラットについて計算する。
【0241】
前肢の握力は、デジタル握力メーターで試験される。ラットは、前肢で格子を掴むように位置され、握力が記録できるようにゆっくり引っ張られる。10回試行の平均を計算する。痛覚過敏は、TNF注入の前後の試験の平均が有意に異なるかどうか、基底に対する相違が、圧力をかける離脱閾値について少なくとも1gであり、握力が少なくとも0.5gであるかどうかについて評価される。
【0242】
試験手法に動物を慣らすために、TNF注射の連続3日前にラットは行動試験を受ける。3日目に得られる阿智を基底として使用する。次に、別々の群のラットは、M.腓腹筋にTNFを左右相称に注射し、圧力痛覚過敏について18時間後に試験されるか、又はM.上腕二頭筋にTNFを左右相称に注射し、握力について6時間後に試験される。次に、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を投与し、その後、行動試験は、投与後の適切な間隔で繰り返される。
【0243】
全てのラットは、薬物投与後の一般的行動についてモニターされる。鎮静運動失調、又は他の歩行異常症、他の動物との相互作用及び摂食行動を観察する。
【0244】
比較例1
非水性溶媒からの(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウムの結晶化
アセトン−ヘキサンから:
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(3)(500mg)を2mLのアセトンに溶解し、次に、ヘキサン(9mL)を抗溶媒として添加した。懸濁液を40℃に加温し、透明な溶液を形成した。この溶液を室温に冷却し、一晩放置して、結晶化させた。生成物をろ過し、真空デシケーター中で乾燥させ、(3)を白色の結晶固体として得た(338mg、67%回収)。融点103.3〜117.0℃。この方法によって調製され、実施例10に記載されるように得られる(3)のX線粉末回折結果を図3に示し、中間の無水物として特徴付けられる。
【0245】
THF−ヘキサンから:
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム(3)(200mg)を1mLのTHFに溶解し、透明な溶液を形成し、次に、抗溶媒としてのヘキサン(9mL)を添加し、懸濁液を形成した。懸濁液を45℃に加温し、透明な溶液を得た。溶液を最初に室温に冷却し、次に、4℃にし、結晶を形成させた。生成物をろ過し、真空デシケーター中で乾燥させ、(3)を白色の結晶固体として得た(78mg、39%回収)。融点95.5〜113.7℃。この方法によって調製され、実施例10に記載されるように得られる(3)のX線粉末回折結果を図3に示し、中間の無水物として特徴付けられる。
【0246】
最後に、本明細書に開示される態様を実施するための代替法があることに留意すべきである。あるいは、この態様は、例示的であるものとして考慮され、限定的であるとすべきではない。さらに、特許請求の範囲は、本明細書の詳細に限定されるべきではなく、それらの包括的かつ均等物に権利付与される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結晶化合物。
【請求項2】
Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.7°±0.2°、17.3°±0.2°、19.2°±0.2°、22.4°±0.2°、及び25.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において、少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.3°±0.2°、11.6°±0.2°、12.9°±0.2°、13.0°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、16.7°±0.2°、17.3°±0.2°、17.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.6°±0.2°、19.7°±0.2°、20.9°±0.2°、21.3°±0.2°、22.4°±0.2°、25.1°±0.2°、及び26.0°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム化合物1モルあたり約1モル〜約3モルの水を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
約2wt%〜約5wt%の水を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
約107℃〜約111℃の範囲に融点を示す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
結晶性3−({[(1R)−1−(2−メチルプロパノイルオキシ)エトキシ]−カルボニルアミノ}methyl)(3S)−5−メチルヘキサン酸カルシウム・一水和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物及び医薬として許容されるビヒクルを含む医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物が持続放出経口投薬製剤である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
オピオイド作動薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、及び選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬から選択される薬物を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
オピオイド作動薬を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項12】
オピオイド作動薬が、トラマドール、タペンタドール、及びオキシコドンから選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
医薬組成物中の請求項1に記載の化合物の量とオピオイド作動薬の量との比が約1:4〜約4:1である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
持続放出経口投薬製剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記持続放出経口投薬製剤が、
約50mg〜約1200mgの請求項1に記載の化合物;及び
約10mg〜約400mgのオピオイド作動薬
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
Cu−Kα放射線を用いて測定されるX線粉末回折において少なくとも5.1°±0.2°、7.3°±0.2°、8.0°±0.2°、11.6°±0.2°、16.3°±0.2°、17.3°±0.2°、及び19.2°±0.2°の特徴的散乱角(2θ)を示す(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物の結晶化合物を製造するための方法であって、
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム、水、及び水混和性溶媒を含む溶液を提供し;そして
溶液の温度を調整して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を提供する
工程を含む方法。
【請求項17】
前記水混和性溶媒が、エタノール及びイソプロパノールから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記溶液が、約40v/v%〜約75v/v%の範囲の量の水を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が、
(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム及びアルコール溶媒を含む第1溶液を提供し;
脱イオン水を前記第1溶液に添加して、混合物を提供し;
前記混合物の温度を調整して、第2溶液を提供し;そして、
前記第2溶液の温度を調整して、結晶性(3S)−{[(1R)−イソブタノイルオキシエトキシ]カルボニルアミノメチル}−5−メチル−ヘキサン酸カルシウム・水和物を提供する
ことを含む工程によって製造される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記アルコール溶媒が、エタノール及びイソプロパノールから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
患者の疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、治療的に有効量の請求項8に記載の医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記疾患が、運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される方法。
【請求項22】
前記医薬組成物が持続放出経口投薬製剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項8に記載の医薬組成物、並びに運動障害、消化器疾患、精神異常、気分障害、不安障害、睡眠障害、肺疾患、神経変性障害、炎症性疾患、神経障害痛、筋骨格系疼痛、慢性疼痛、片頭痛、一過性熱感、脱力発作、尿失禁、エタノール禁断症候群、及び早漏から選択される疾患を治療するための医薬組成物をそれを必要とする患者に投与するための指示書を含むキット。
【請求項24】
請求項10に記載の医薬組成物、及び慢性疼痛を管理するための医薬組成物をそれを必要とする患者に投与するための指示書を含むキット。
【請求項25】
患者の慢性疼痛を管理するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、請求項1に記載の化合物;オピオイド作動薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、及び選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬から選択される薬物;並びに医薬として許容されるビヒクルを含む医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項26】
前記薬物がオピオイド作動薬である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
オピオイド作動薬が、トラマドール、タペンタドール、及びオキシコドンから選択される、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−510930(P2011−510930A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544448(P2010−544448)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031867
【国際公開番号】WO2009/094563
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(503455503)ゼノポート,インコーポレイティド (22)
【Fターム(参考)】