説明

ACF貼付状態検査装置またはACF貼付・貼付状態検査装置

【課題】本発明は、コンパクトな光学系にて、透明又は半透明であるACFを貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくし、ACFの貼付状態の検査精度を向上させることができるACF貼付状態検査装置を、及び光学系を有し、ACFの貼付けとACFの貼付状態の検査とをする小型なACF貼付・貼付状態検査装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、被貼付物が有する複数の貼付箇所に貼付された透明又は半透明のACFに対して照明光を照射する照明装置と、前記貼付箇所から反射された反射光を撮影する撮像装置と、前記照射光または前記反射光の少なくとも一方を偏光する偏光フィルタとを具備するACF状態検査光学系を有し、前記照明装置の光軸と前記撮像装置に入射する光軸とが平行になうように平行配置し、前記照射光または前記反射光の少なくとも一方を反射させるミラーを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶パネル等の製造工程において、液晶セルを構成する透明基板やPCB(Print Circuit Board)に、集積回路素子をフレキシブル基板に実装した電子回路部品すなわちCOF(Chip on Film)やFPC(Flexible Printed Circuits)をTAB(Tape Automated Bonding)搭載するために、基板に異方性導電膜(ACF=Anisotropic Conductive Film)を貼付ける工程で、ACFが正しく貼付けられているか否かの検査を行うACF貼付状態検査装置またはACF貼付・貼付状態検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶やプラズマなどのFPD(Flat Panel Display)には、複数の処理ステーションによって、その周囲に様々な電子部品が接続又は実装される。実装される電子部品の具体例としては、駆動ICの搭載やCOF、FPCなどのいわゆるTAB及び、PCBが挙げられる。また、表示基板とPCB基板との接続には、TCP(Tape Carrier Package)が用いられている。
【0003】
それらの工程の中に、ACFをPCBに貼り付け、表示基板に搭載され本圧着されたTAB搭載基板にPCBを貼付け搭載しPCBを本圧着するPCB工程がある。このような工程によって、表示基板上の電極とTABやPCB等に設けた電極との間を熱圧着し、ACF内部の導電性粒子を介して電気的な接続がなされる。なお、このとき同時に、ACF基材樹脂の硬化により、基板と搭載基板またはPCB基板が機械的にも接着される。
【0004】
ここで、ACFが、PCBにおける所定の位置、すなわち電極に正確に貼付されているかを検査する方法として、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。この特許文献1に開示されている技術では、貼付箇所に光を照射し、貼付箇所で反射された光を撮影している。そして、撮影した画像信号からシート材を貼付した箇所と貼付していない箇所との光のコントラストを比較することで、シート材が正確な位置に貼付されているかを検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−69199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シート材であるACFは、半透明であるため、被貼付物であるPCBの電極との輝度差が少なかった。その結果、貼付箇所と貼付していない箇所との反射光のコントラストの差が大きく表れず、ACFの貼付状態の検査精度が低くなっていた。
一方、透明又は半透明である部材にブリュスター角でP偏光の光を入射すると反射率が0になるという特性が知られている。そこで、この特性を利用した場合、透明又は半透明であるACFを貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくできるが、ブリュスター角が約60°と大きい為、光学系の実装領域が水平方向に大きくなってしまう。また、光学系の斜め方向への実装は、光軸、視野、焦点等の調整が困難である。
【0007】
本発明の第1の目的は、上記の問題点を考慮し、コンパクトな光学系にて、透明又は半透明であるACFを貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくし、ACFの貼付状態の検査精度を向上させることができるACF貼付状態検査装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、前記コンパクトな光学系を有し、ACFの貼付けとACFの貼付状態の検査とをすることができる小型なACF貼付・貼付状態検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の目的を達成するために少なくとも以下の特徴を有する。
【0010】
本発明は、第1の目的を達成するため、被貼付物が有する複数の貼付箇所に貼付された透明又は半透明のACFのうち、検査位置の貼付箇所のACFに対して照明光を照射する照明装置と、前記貼付箇所から反射された反射光を撮影する撮像装置と、前記照明装置と前記検査位置との間、または前記検査位置と前記撮像装置との間の少なくとも一方に設けられた偏光フィルタとを具備するACF状態検査光学系を有する貼付状態検査装置において、前記照明装置の光軸と前記撮像装置に入射する光軸とが平行になうように平行配置し、前記ACF状態検査光学系は前記照明装置と前記検査位置との間、または前記検査位置と前記撮像装置との間の少なくとも一方に設けられたミラーとを有することを第1の特徴とする。
【0011】
また、第1の目的を達成するため、前記偏光フィルタは、前記照明装置と前記検査位置との間、及び前記検査位置と前記撮像装置との間の両方に配置されていることを第2の特徴とする。
さらに、第1の目的を達成するため、前記偏光フィルタは、P偏光成分の光を透過させるP偏光フィルタであることを第3の特徴とする。
【0012】
また、第1の目的を達成するため、前記ミラーは、前記照明光の前記P偏光成分が検査中の前記貼付箇所に略ブリュスター角で入射するように設定されていることを第4の特徴とする。
さらに、第1の目的を達成するため、前記平行配置は前記複数の貼付箇所で形成されるラインと平行に配置されていることを第5の特徴とする。
【0013】
また、第1の目的を達成するため、前記平行配置は前記貼付箇所に対して垂直に配置されていることを第6の特徴とする。
さらに、第1の目的を達成するため、前記平行配置は前記貼付箇所に対して平行に配置されていることを第7の特徴とする。
【0014】
また、第2の目的を達成するため、前記ACF状態検査光学系と被貼付物が有する複数の貼付箇所に透明又は半透明のACFを貼付ける貼付ユニットとを一体に設けて、前記ACFの貼付けと当該ACFの貼付状態の検査とをすることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コンパクトな光学系にて、透明又は半透明であるACFを貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくし、ACFの貼付状態の検査精度を向上させることができるACF貼付状態検査装置を提供できる。
【0016】
また、本発明によれば、前記コンパクトな光学系を有し、ACFの貼付けとACFの貼付状態の検査とをすることができる小型なACF貼付・貼付状態検査装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】液晶ディスプレイパネルを示す正面図である。
【図2】液晶ディスプレイパネルとプリント基板との接続状態を示す斜視図である。
【図3】ACF貼付状態検査装置の課題を示す概略構成図である。
【図4】P偏光とS偏光におけるガラスへの反射率を示すグラフである。
【図5】P偏光、S偏光及び無偏光時のコントラスト比を示すグラフである。
【図6】本発明の状態検査装置の第1の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の状態検査装置の第2の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の状態検査装置の第2の実施形態のACF状態検査光学系の第2の実施例であるACF状態検査光学系を説明する図である。
【図9】本発明の状態検査装置の第3の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の貼付状態検査装置の実施の形態例について、図を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0019】
図1は表示装置の一例として液晶パネル110を示している。液晶パネル110は、パネルアセンブリ100の周囲外側の長辺部及び短辺部にPCB106を取り付けたものからなる。パネルアセンブリ100は、TFTアレイ回路が形成されたTFTアレイ基板102とカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板101とからなるパネルアセンブリであり、内部には液晶素子が封入されている。そして、図1に示されるように、TFTアレイ基板102のサイズはカラーフィルタ基板101のサイズよりも若干大きめに製造されており、TFTアレイ基板102のカラーフィルタ基板101との接合面のうち一部は露出している。
【0020】
TFTアレイ基板102の駆動制御は、TCP105により電気的に接続されるPCB106により行われる。PCB106はマトリクス状に形成されているTFTアレイ基板102の各画素の液晶素子に対して電圧の印加のコントロールを行うことにより、画像表示制御を行っている。上述したように、TFTアレイ基板102の露出部分にTCP105が貼り付けられて、そしてTCP105とPCB106との接続が行われる。
【0021】
ここで、図2に示されるように、PCBの電極107とTCPの電極とは信号伝達のために、電気的に接続を行う必要があるが、そのピッチ間隔は極めて微小なものであるため、半田付けによって接続することは困難である。そこで、異方性導電膜であるACF108によりPCB106とTCP105との接合を行う。ACF108は微細な導電粒子をバインダ樹脂に均一に分散させたものであって、このACF108は予めPCB106に貼り付けておき、TCP105を重ねて加熱下で加圧を行う。そうすると、PCBの電極107がTCPの電極と導電粒子を介して電気的に接続されると共に、バインダ樹脂の接着力によって固着されて、PCB106がパネルアセンブリ100に接続される。これにより、液晶パネル110が構成される。
【0022】
この液晶モジュール組立工程において、PCB106の電極107上にACF108を貼付した後、適切な位置にACF108が貼付されているかを検査する必要がある。何故ならACF108が未貼付であったり、適切な位置からずれていたり、端部がめくれていた場合、電気的に接続されず、液晶ディスプレイとしての機能を発揮しないためである。
【0023】
図3は、ACF貼付状態検査装置の課題を示す概略構成図で、PCB106上に貼付されたACF108のACF貼付状態検査装置(以下、単に状態検査装置という)20と検査対象であるPCB106上のACF108及びACF貼付ユニット31(以下、単に貼付ユニットという)を示した図である。
図3に示す貼付ユニット31はACF貼付装置(図示せず)に少なくとも1台設けられた貼付ユニットの1台であり、PCB106上の適切な位置にACF108を貼付ける。
【0024】
状態検査装置20は、前記ACFの貼付部を撮像するためにACF状態検査光学系(以下、単に検査光学系という)21と、撮像した画像信号を処理する画像処理部とを有する検査制御装置22を有する。検査光学系21は、レンズ3を有する撮像装置2と、照明装置4と、偏光フィルタ5とを有する。検査光学系21は、複数の貼付ユニット31毎あるいは貼付ユニット31毎に対応して設けられている。
【0025】
上述した検査は、PCB106を載置したステージ(図示せず)を矢印A方向に移動させるか、もしくは検査光学系21を貼付ユニット31と連動して矢印B方向に移動して、ACF貼付部を撮像する。
【0026】
しかしながら、ACF108は半透明のシート材であるため、ACF貼付部とPCBの電極107とのコントラストが大きく得られず、ACFの貼付状態の検査精度が低くなってしまう。
【0027】
そこで、図4はP偏光とS偏光におけるガラスへの反射率を示すグラフである。P偏光の光は、屈折率nがACF108とほぼ等しいガラス(n=1.5)に、空気中から約60°の入射角で入射すると、その反射率がほぼ0となることがわかる。この反射率が0となる角度をブリュスター角という。よって、P偏光の光がACF108にブリュスター角で入射されると、その反射率が0であるため、ACF108が貼付された箇所では、反射光は検出されない。
ここで、空気の屈折率をn1とし、ACF108の屈折率をn2とすると、P偏光のブリュスター角θは、下記式(1)から算出される。
tanθ=n2/n1 (1)
また、空気の屈折率は、n1≒1であるため、式(1)を下記式(2)に変換することができる。
tanθ=n2 (2)
ACF108の屈折率は約1.5付近である為、ブリュスター角は約60°となる。
【0028】
この特性を利用して、P偏光成分の光のみで撮影することで、半透明であるACFを貼付した箇所と貼付していない箇所、つまりPCBの電極107との光のコントラストの差を大きくでき、ACFの貼付状態の検査精度を上げることができる。図5は、式(3)で定義されるコントラスト比Crを、P偏光、S偏光及び無偏光に対して示した図である。なお、横軸は入射角θ(°)である。
Cr=(RL−RA)/(RL+RA) (3)
ここで、RL:PCBの電極にACFが貼付けられていない場合の濃淡値
RA:PCBの電極にACFが貼付けられた場合の濃淡値
図5に示すように、P偏光でブリュスター角の場合が一番コントラスト比が高いことがわかる。
【0029】
従って、P偏光でブリュスター角で検査することが最適ではあるが、P偏光でブリュスター角以外の角度、或いはS偏光でもコントラスト比の高い値があり、コントラスト比の絶対値が0.4以上を満たす条件でも差し支えない。以下の説明では、P偏光でブリュスター角である条件を基本に説明する。
【0030】
しかしながら、図3に示すように、ブリュスター角が約60°と大きくなると、光学系の実装領域がライン方向(矢印A、B方向)に長くなってしまう。以下、ライン方向の長さをライン長という。このような状態検査装置20を液晶モジュール組立装置へ実装する場合、図3に示すように貼付ユニット31との干渉が問題になったり、検査光学系21自体のライン長が長くなってしまうという課題がある。これを回避するために、図3に示す検査光学系21を90度回転して用いると、撮像装置2又は照明装置4がワーク上に配置され、そのケーブル等から出る異物を表示部分上へ落下させる可能性があり、好ましくない。また、光学系の斜め方向への実装は、装置を製造する上で、光軸、視野、焦点等の調整が困難である。
【0031】
そこで、検査光学系21を上記の課題を解決するような実装構成とすることが重要である。
【0032】
図6は上記課題を解決する本発明の状態検査装置20の第1の実施形態を示す図である。図6(a)は、第1の実施形態の状態検査装置20の検査光学系21である第1実施例と、検査対象であるPCB106上のACF108と、貼付ユニット31とを示した概略構成図である。図6(b)は第1の実施例の検査光学系21の構成を示す図である。
図6に示す第1の実施形態では、貼付ユニット31でACF108をPCB106に全て又は一つ貼付けた後に、PCB106を矢印A方向に搬送させ、状態検査装置20でACF106の貼付状態を検査する。
【0033】
図6(a)に示す第1の実施形態の実施例の検査光学系21は、撮像装置2と照明装置4とを、それらの光軸2c、4cがPCB106に対して垂直になるように平行配置にしている。かつ、第1実施例の検査光学系21は、撮像装置2と照明装置4とを、照明装置4からの照明光4hがACFの貼付箇所で反射する位置を挟んで、搬送方向Aに前後になるように配置している。また、ミラー6a、6bは、照明装置4からの照明光4hとACFの貼付箇所から反射された反射光2hとが略ブリュスター角θを形成する位置に設けられている。さらに、偏光フィルタ5が反射光側に設けられ、反射光2hのP偏光成分のみを透過させている。なお、照射光4hのP偏光成分のみを透過させる偏光フィルタ5を、図6(b)に破線で示すように照明光側に設けても良いし、両側に設けてもよい。
【0034】
このような構成により、照明装置4からの照射光4hはミラー6aで反射され、ACF108の貼付箇所にブリュスター角θまたはその前後角度で入射し、反射され、ミラー6b、偏光フィルタ5を通り、レンズ3で集光されて撮像装置2に入射する。この結果、ACF108の貼付箇所が撮像される。
【0035】
検査制御装置22は、貼付ユニット31の、またはACF貼付装置の、或いはこれらの上位の制御装置の情報に基づいて、撮像開始時期、撮像場所等を判断して撮像し、得られた撮像結果により、ACFの貼付状態を検査する。なお、検査制御装置22は分り易く検査光学系21の横に示しているが、ライン長が長くならないように、検査光学系21の裏側にあるいは他の装置の制御機構近くなどに配置する。
【0036】
上述した第1の実施形態によれば、撮像装置2と照明装置4とを平行配置し、2枚のミラー6a、6bで略ブリュスター角θを確保することで、検査光学系21、即ち状態検査装置をライン方向に短くでき、半透明であるACFの貼付状態の検査精度を上げることができる。
【0037】
また、第1の実施形態によれば、撮像装置2と照明装置4とを垂直に平行配置にすることで、光学系の光軸、視野、焦点等の調整が容易になる。
【0038】
さらに、第1の実施形態によれば、検査光学系21をワーク上から外れた位置に配置できるので、撮像装置2や照明装置4のケーブル等から出る異物をワーク上へ落下させないようにすることができる。
【0039】
図7は、本発明の状態検査装置20の第2の実施形態を示す図である。第2の実施形態が第1の実施形態と大きく異なる点は検査光学系21である。第2の実施形態の検査光学系である第1実施例は、更にライン長を短くするために、ミラー6cを設けることで、撮像装置2と照明装置4とを撮像箇所に対して同一側に前後配置している。
【0040】
また、ミラー6cの配置位置を工夫することで、例えばミラー6cを貼付ユニット31の下(圧着刃を避けた位置)に配置することで、更に、検査光学系のライン長を短くできる。
【0041】
以上説明したように、第2の実施形態において、第1の実施形態にミラーを1枚追加することで、撮像装置2と照明装置4とを垂直に平行配置し、且つ撮像箇所に対して同一側に前後配置とすることで、ライン長を更に短くでき、透明又は半透明であるACFの貼付状態の検査精度を上げることができる。
【0042】
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態の他の効果を奏することができる。
【0043】
さらに、第2の実施形態では、検査光学系21のライン長がより短くコンパクトになったので、検査光学系21を貼付ユニット31と一体ユニットにすることが、第1の実施形態よりもより可能となる。
一体ユニットにすることで、両ユニットの移動制御が容易になる。また、仮に貼付ユニット31が矢印B方向に移動しACF108を貼付けた場合に、ACF貼付直後、或いは次の貼付位置に移動中に当該ACFの貼付状態を検査でき、検査時間の短縮を図ることができる。さらに、一体ユニットにした場合に、検査制御装置22を貼付ユニット31の制御装置32に内蔵させることができる。
【0044】
上記説明した一体ユニットの第2の実施形態によれば、ACF貼付け及びACF貼付状態の検査が一つの装置でできるACF貼付・貼付状態検査装置を提供できる。
なお、一体ユニットを固定し、PCB108を移動させても、上述した第2の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0045】
図8は、本発明の状態検査装置20の第2の実施形態の検査光学系21の第2の実施例である検査光学系を説明する図である。図8(a)は図7に示す撮像装置2と照明装置4との配置を同図矢印C方向から見た図ある。図8(b)は、検査光学系21の第2の実施例における撮像装置2と照明装置4との配置を図8(a)と同様に見た図である。
図8から分るように、第1の実施例では撮像装置2と照明装置4とを、ACFの貼付位置の配列方向、即ち本実施形態ではPCBの搬送方向Aに対して前後に配置しているのに対し、第2の実施例では、搬送方向Aに対して左右に配置している。本実施例では、場合によっては、検査光学系21がワーク上にかかる虞が多少あるものの、ライン方向に対して長さが、第2実施例に比べても短くできる利点がある。
【0046】
図9は本発明の状態検査装置20の第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態が第1、第2の実施形態と大きく異なる点は検査光学系21である。第3の実施形態の光学系の実施例は、第1から第2の実施形態の実施例のように、撮像装置2と照明装置4との光軸を垂直に平行配置するのではなく、本実施形態でのPCB106の搬送方向(矢印A)又は貼付ユニット31の移動方向(矢印B)に対して水平(平行)に平行配置にしている。
【0047】
第3の実施形態の実施例では、ライン長を短くするために、貼付ユニット31の圧着刃31aが貼付処理を終了後、照明光4hが圧着刃31aと干渉することなく通過し、ACFの貼付箇所にできる限りブリュスター角θに近い入射角で入射できる位置にミラー6dを設け、また、撮像装置2が反射光2hを捉えることができる位置にミラー6eを設ける。本検査光学系21の第3の実施形態の実施例において、実質的なライン長を規定するのは、撮像位置から撮像装置2または照明装置4までの長さである。
【0048】
以上説明した第3の実施形態によれば、撮像装置2と照明装置4とを水平に上下に平行配置し、2枚のミラー6d、6eでブリュスター角θ又はそれに近い角度を確保することで、検査光学系21、即ち状態検査装置をライン方向に短くでき、半透明であるACFの貼付状態の検査精度を上げることができる。
【0049】
また、第3の実施形態によれば、撮像装置2と照明装置4とを水平に平行配置にすることで、光学系の光軸、視野、焦点等の調整が容易になる。
【0050】
さらに、第3の実施形態によれば、検査光学系21をワーク上から外れた位置に配置できるので、撮像装置2や照明装置4のケーブル等から出る異物をワーク上へ落下させないようにすることができる。
【0051】
第3の実施形態では、ミラー6dの位置にもよるが、基本的には検査光学系21と貼付ユニット31とを一体ユニットとして移動させる。即ち、ACF108を貼付後、圧着刃31aを上昇させて、上昇後又は次のACF貼付位置に移動しながら撮像し、検査する。また、第2の実施形態同様に、PCB106を移動させ、一体ユニットを固定してもよい。
【0052】
第3の実施形態においても、第2の実施形態の有する一体ユニットの効果を奏することができる。
また、第3の実施形態の検査光学系の実施例においても、第2の実施形態の検査光学系21の第2実施例のように、撮像装置2や照明装置4を本実施形態でのPCBの搬送方向に対して左右に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
2:撮像装置 2c:撮像装置の光軸 2h:反射光
3:レンズ 4:照明装置 4c:照明装置の光軸
4h:照射光 5:偏光フィルタ
6a、6b、6c、6d、6e:ミラー
20:ACF貼付状態検査装置(状態検査装置)
21:ACF状態検査光学系(検査光学系) 22:検査制御装置
31:ACF貼付ユニット31(貼付ユニット)
32:ACF貼付ユニットの制御装置
100:パネルアセンブリ 106:PCB 107:PCBの電極
108:ACF 110:液晶パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被貼付物が有する複数の貼付箇所に貼付された透明又は半透明のACFのうち、検査位置の貼付箇所のACFに対して照明光を照射する照明装置と、前記貼付箇所から反射された反射光を撮影する撮像装置と、前記照明装置と前記検査位置との間、または前記検査位置と前記撮像装置との間の少なくとも一方に設けられた偏光フィルタとを具備するACF状態検査光学系を有する貼付状態検査装置において、
前記照明装置の光軸と前記撮像装置に入射する光軸とが平行になうように平行配置し、前記ACF状態検査光学系は前記照明装置と前記検査位置との間、または前記検査位置と前記撮像装置との間の少なくとも一方に設けられたミラーとを有することを特徴とする貼付状態検査装置。
【請求項2】
前記偏光フィルタは、前記照明装置と前記検査位置との間、及び前記検査位置と前記撮像装置との間の両方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の貼付状態検査装置。
【請求項3】
前記偏光フィルタは、P偏光成分の光を透過させるP偏光フィルタであることを特徴とする請求項1または2に記載の貼付状態検査装置。
【請求項4】
前記ミラーは、前記照明光の前記P偏光成分が検査中の前記貼付箇所に略ブリュスター角で入射するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の貼付状態検査装置。
【請求項5】
前記平行配置は前記複数の貼付箇所で形成されるラインと平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の貼付状態検査装置。
【請求項6】
前記平行配置は前記貼付箇所に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1又は5に記載の貼付状態検査装置。
【請求項7】
前記照明装置と前記撮像装置は検査中の前記貼付箇所を挟んで配置されていることを特徴とする請求項6に記載の貼付状態検査装置。
【請求項8】
前記照明装置と前記撮像装置は検査中の前記貼付箇所に対して片側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の貼付状態検査装置。
【請求項9】
前記平行配置は検査中の前記貼付箇所に対して平行に配置されていることを特徴とする請求項1又は5に記載の貼付状態検査装置。
【請求項10】
請求項1に記載の前記ACF状態検査光学系と被貼付物が有する複数の貼付箇所に透明又は半透明のACFを貼付ける貼付ユニットとを一体に設けて、前記ACFの貼付けと当該ACFの貼付状態の検査とをすることを特徴とするACF貼付・貼付状態検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−42223(P2012−42223A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181003(P2010−181003)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】