FFSモード液晶表示装置及びその製造方法
【課題】 比較的簡単な工程で画素領域にコンタクトホールを形成せず、ダーク領域とディスクリネーションを最大限除去することによって、開口率を増加させることができるようにする。
【解決手段】 本発明による液晶表示装置は、画素領域内に透明画素電極と透明共通電極を備えて液晶を駆動し、透明共通電極は、複数のスリットを有し、単位画素が互いに連結されるようにスイッチング素子の少なくとも一部をオープンして形成され、スリットは、ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行に構成される。本発明によれば、開口率の低下要因を除去し、光の漏れ現象を遮断し、内部反射をさらに向上させることができる。
【解決手段】 本発明による液晶表示装置は、画素領域内に透明画素電極と透明共通電極を備えて液晶を駆動し、透明共通電極は、複数のスリットを有し、単位画素が互いに連結されるようにスイッチング素子の少なくとも一部をオープンして形成され、スリットは、ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行に構成される。本発明によれば、開口率の低下要因を除去し、光の漏れ現象を遮断し、内部反射をさらに向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、より詳細には、開口率の低下要因を除去し、光の漏れ現象を遮断し、内部反射をさらに向上させることができる液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、FFSモード(Fringe Field Switching Mode;FFSモード)液晶表示装置は、IPSモード(In-Plane Switching Mode;IPSモード)液晶表示装置の低い開口率及び透過率を改善させるために提案された。
【0003】
このようなFFSモード液晶表示装置は、共通電極(相手電極)と画素電極を透明な導電体で形成し、IPSモード液晶表示装置に比べて開口率及び透過率を高めながら、共通電極と画素電極との間隔を上下部ガラス基板間の間隔より狭く形成することによって、共通電極と画素電極との間にフリンジフィールドを形成することによって、電極の上部に存在する液晶分子までもすべて動作するようにして、さらに向上した透過率を得る。FFSモード液晶表示装置に関する従来技術は、例えば、本出願人によって出願されて登録された特許文献1、2及び3などに開示されている。
【0004】
従来のFFSモード液晶表示装置は、データラインと画素電極との間にクロストーク(Cross-talk)が発生し、画素電極のスリットの端部で液晶が異常駆動するディスクリネーション(disclination)が発生し、相当な部分を遮光膜(Black Matrix;BM)で遮光するので、開口率が低下し、解像度が増加するほど単位画素の大きさは小さくなるが、コンタクトホールの大きさは、一定の大きさに維持されなければならないので、さらに開口率が低くなる問題点があった。
【0005】
このような問題点を解消するために、コンタクトホールを除去して開口率を高め、データライン上の透過率を最小にし、データライン付近の液晶効率を最大に高めることができる構造として韓国特許第849599号が提案された。しかし、データライン付近の液晶効果を最大に得る構造なので、データライン付近の電界が隣りのピクセルの液晶に影響を及ぼすようになって、混色が発生する可能性があって、相変らず最小限の遮光膜が必要であり、データラインを基準にして所定の角度でラビングをすることによって、データラインの一側の付近にラビング不良による光の漏れが発生するという問題点があり、内部反射を利用して外部視認性を高めるのに限界がある構造であった。
【0006】
したがって、従来のFFS液晶表示装置が有している開口率の低下要因を除去し、光の漏れ発生を低減し、内部反射をさらに向上させることができる液晶表示装置が相変らず求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6256081号明細書
【特許文献2】米国特許第6226118号明細書
【特許文献3】大韓民国特許第653474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、比較的簡単な工程で画素領域にコンタクトホールを形成せず、ダーク領域とディスクリネーションを最大限除去することによって、開口率を増加させることができるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、開口率を向上させ、光の漏れを除去し、内部反射を確保することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係るFFSモード液晶表示装置は、下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入された液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ゲートラインと前記データラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置において、液晶層に電圧を印加して光透過量を調節するために、前記画素領域内には、透明画素電極と、前記透明画素電極の上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、前記画素領域内には複数のスリットを有する透明共通電極とを備え、前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行し、前記スイッチング素子のドレーン電極は、前記透明画素電極と電気的に連結される。
【0011】
好ましくは、データラインの下部には、絶縁層を間に置いてゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物をさらに含む。
【0012】
一方、反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことが好ましい。
【0013】
また、スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に回転方向が互いに異なるように構成されることができ、透明画素電極の下部には、透明補助電極がさらに追加されることができる。また、 透明共通電極は前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンにして形成することができる。透明共通電極がスイッチング素子を全体的に覆う構造に形成することもできる。
【0014】
本発明の他の態様に係るFFSモード液晶表示装置の製造方法は、下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入される液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置の製造方法において、ゲートラインを形成する段階と、前記ゲートラインの上部にゲート絶縁膜及び活性層を形成する段階と、前記画素領域の内部に透明画素電極を形成する段階と、透明画素電極が形成された結果物上にドレーン電極及びデータラインを形成し、前記ドレーン電極の一部が前記画素電極の一部と電気的に接続されるように形成する段階と、前記透明共通電極上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンする形態で透明共通電極を形成する段階とを備える。
【0015】
好ましくは、スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画素領域内に、コンタクトホールを除去し、高解像度を具現することができる。
【0017】
また、データラインとゲートライン部の金属物質による反射を利用することができる構造なので、外部視認性を増加させることができる。
【0018】
また、ラビング工程をゲートラインと0゜またはほぼ0゜に処理するので、従来技術におけるようなデータライン部における光の漏れ現象を防止することができる長所を有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の下部基板に形成された画素領域の一部を示す平面図である。
【図2】図1のI−I’線に沿う断面図である。
【図3a】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3b】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3c】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3d】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3e】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図4】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図5】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図6】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図7】本発明の実施例による液晶表示装置の内部反射と光の漏れ防止効果を従来の韓国特許第849599号と比較して説明した斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例を説明した図である。
【図9】本発明の他の実施例を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施例は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が下記に説明する実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当業界における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
【0021】
本発明の実施例による液晶表示装置は、下部基板と、上部基板と、下部基板と上部基板との間に挿入された液晶層とを含み、下部基板には、液晶層に電圧を印加するために相互交差する方向に形成される電極によって各画素領域が規定されている。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の下部基板に形成された画素領域の一部を示す平面図であり、図2は、図1のI−I’線に沿う断面図である。図3a乃至図3eは、各層が段階的に形成されて重畳されていく状況を順に示している平面図である。
【0023】
下部基板(100)には、不透明金属よりなるゲートライン(200a)とデータライン(600)が垂直交差するように配列されて単位画素を形成し、単位画素領域内には、透明画素電極(400)と透明共通電極(800)が絶縁層(700)を間に置いて配置され、透明画素電極(400)は、例えば、プレート形態でデータライン(600)と同一層に配置され、スイッチング素子のドレーン電極(600b)が透明画素電極(400)の少なくとも一部をオーバーラップすることによって、電気的に連結される。このような構造では、コンタクトホール形成工程を必要としないので、コンタクトホールの形成工程によって画素を小さく形成することができない問題点を解決することができる。このような構造によれば、高解像度が可能である。
【0024】
透明共通電極(800)は、絶縁層(700)上に蒸着された透明導電層のパターニングによって多数のスリットを有する形態で設けられ、透明画素電極(400)と所定領域が重畳される。
【0025】
ゲートライン(200a)上には、ゲート絶縁膜(300)を介在してa−Si膜とn+ a−Si膜が順に蒸着されたアクティブパターン(500)と、ソース/ドレーン電極(600a)、(600b)が設けられ、薄膜トランジスタ(T)を形成する。ドレーン電極(600b)は、透明画素電極(400)と電気的に接続されて、単位画素にデータ信号が印加される。
【0026】
一方、ゲートライン(200a)の形成とともに、データライン(600)の下部には、ゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物(200b)を形成する。反射構造物(200b)の形成物質は、ゲートライン(200a)の物質以外の物質で形成することも可能であるが、工程の簡素化のために、ゲートライン(200a)と同一の物質を使用する。反射構造物(200b)は、内部反射率を向上させるために形成されるもので、その機能については後述する。
【0027】
透明共通電極(800)は、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンしながら形成される。すなわち、単位画素領域がマトリックス形態よりなる場合、単位画素領域は、透明共通電極(800)によって全体的に連結された構造を有しながら、スリットとスイッチング素子の一部のみをオープンする形態で形成される。このように全体的に連結された構造を有することによって、共通電極の全体抵抗を減少させることができるようになる。
【0028】
スリットは、ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、液晶層のラビング方向は、ゲートライン方向と実質的に平行に形成する。液晶層のラビング方向がゲートライン方向と実質的に平行するので、光の漏れ現象とディスクリネーション現象を減少させることができる効果がある。上部及び下部基板に付着される偏光板の軸は、液晶層のラビング方向と同一に具現することができる。
【0029】
前記上部基板には、下部基板(100)に形成された画素領域の各々に対応して画面の色相を示すカラーフィルタ(図示せず)が設けられ、データライン(600)の上部においては、遮光膜が除去されるか、または、一部だけを形成することも可能である。
【0030】
次に、図1及び図2、図3a乃至図3eを参照して本発明のFFSモード液晶表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0031】
下部基板(100)上にゲート電極を含むゲートライン(200a)を形成し、これと同時に反射構造物(200b)を形成する。すなわち、下部基板(100)上に不透明金属膜の蒸着及びパターニングにより薄膜トランジスタ(T)形成部に対応する下部基板(100)部分上にゲート電極を含むゲートライン(200a)と反射構造物(200b)を形成する。反射構造物は、データライン(600)の下部に形成する。
【0032】
その後、ゲートライン(200a)と反射構造物(200b)を覆うように下部基板(100)の全体上部にゲート絶縁膜(300)を蒸着し、ゲート絶縁膜(300)上にa−Si膜とn+ a−Si膜を順に蒸着した状態でこれらをパターニングして、ゲート電極上部のゲート絶縁膜(300)部分上に活性層(500)を形成する。
【0033】
次に、基板結果物上に、透明導電層の蒸着及びパターニングにより各画素領域内に配置されるようにプレート形状の透明画素電極(400)を形成する。
【0034】
その後、ソース/ドレーン用金属膜を蒸着した後、これをパターニングして、ソース/ドレーン電極(600a)、(600b)を含むデータライン(600)を形成し、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(T)を構成する。この際、ドレーン電極(600b)は、共通画素電極(400)の一部をオーバーラップするように形成することによって、電気的に接続されるように形成する。
【0035】
次に、薄膜トランジスタ(T)が形成された結果構造物上に、例えばSiNx材質の絶縁層(700)を塗布した後、透明画素電極(400)と少なくとも一部が重畳するようにスリットを有する透明共通電極(800)を形成する。透明共通電極(800)は、画素領域内には複数のスリットを有し、薄膜トランジスタ(T)の少なくとも一部をオープンしながら形成される。
【0036】
その後、図示してはいないが、透明共通電極(800)が形成された基板結果物の最上部に配向膜を塗布してアレイ基板の製造を完成する。一方、前記上部基板には、カラーフィルタを選択的に形成し、その上部に配向膜を形成する。前記上部基板と下部基板(100)は、液晶層を介してラミネートさせて、本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の製造を完成する。勿論、基板のラミネート後には、各基板の外側面に偏光板を付着させることができる。
【0037】
次に、本発明の効果を従来技術の液晶表示装置と比較して詳しく説明する。
【0038】
図4乃至図6は、それぞれ従来の韓国特許第653474号と第849599号及び本発明の実施例による液晶表示装置のデータライン部の一部平面図及び断面図であり、本発明の実施例による液晶表示装置においてデータライン近くの光の内部反射向上、光の漏れ防止、ディスクリネーション防止などの効果を説明するための図である。図7は、本発明の実施例による液晶表示装置の内部反射と光の漏れ防止効果を従来の韓国特許第849599号と比較して説明した斜視図である。
【0039】
本発明の実施例は、外部視認性を高めるために、単位画素領域の内部反射を誘導し、外部でもよく見えるようにしたものである。
【0040】
本発明の実施例では、データラインとともにゲートライン物質を利用してデータラインの下部に反射構造物を形成することによって、ゲートライン部による反射も可能にする。すなわち、室内で駆動時には、反射によって光が通過しないので、遮光膜(BM)としての役目をし、室外で駆動時には、外部の光源がデータライン、ゲートライン及び反射構造物などの金属によって反射され、外部視認性を増加させる。
【0041】
図4乃至図6を参照すれば、図4は、特許第653474号の構造では、データライン部の上部に遮光膜が形成され、駆動されないダーク領域と異常駆動されるディスクリネーション領域が発生し得ることを示しており、図5は、特許第849599号でまた一部の遮光膜形成領域が存在し、ラビング不良による光の漏れが発生することを確認することができる。
【0042】
これに対し、図6では、データライン部の下部に反射構造物を備え、上部基板に遮光膜(BM)を形成しないか、薄膜トランジスタ形成領域など一部領域の上部にのみ遮光膜(BM)を形成することによって、開口率を向上させ、内部反射率を極大化させることができる。
【0043】
また、ラビング方向をゲートラインと実質的に0度に処理し、液晶を水平に配向させて配向方向がデータラインの方向に実質的に垂直になるようにし、液晶の配向方向と上部及び下部基板の偏光板の透過軸の方向を互いに0°または90°になるように配置することによって、ラビング処理が確実に行われないことがあるデータライン部の一側上の液晶の長軸が上部及び下部基板の偏光板の透過軸または吸収軸と一致するようにして、当該領域で光の漏れが現われないようにすることができる効果がある。
【0044】
一方、反射構造物の幅(W1)は、データラインの幅(W2)より広いことが好ましく、反射構造物の幅(W1)をデータラインの幅(W2)より広くすることによって、隣接画素間の混色を防止し、内部反射率をさらに高めることができる。
【0045】
また、透明共通電極のスリットの末端部(E1)は、前記末端部(E1)に隣接する前記データラインの一端部(S1)と反射構造物の一端部(S2)との間に位置させる。これにより、一般的にスリットの端部のディスクリネーション領域を遮光することができる。
【0046】
また、透明画素電極の末端部(E2)は、反射構造物の一端部(S2)とデータラインの一端部(S1)との間に位置させることがさらに好ましい。これは、透明画素電極と反射構造物との間の共通電極スリット部分に光が漏れるのを防止するために、透明画素電極と反射構造物は少なくとも一部が重畳することが効果的である。しかし、データラインと画素電極は、工程的に同じ層に形成されるので、工程進行中にショートが発生するおそれがあるので、一定の距離をもって形成する。
【0047】
図8は、本発明の他の実施例を説明した図である。図8を参照すれば、透明共通電極のスリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士を線対称に形成する。このような構成によって、液晶の駆動時に、隣接の画素同士の回転方向が反対になるように形成することが可能である。すなわち、1つのピクセルと隣接のピクセルの透明共通電極のスリットの角度がゲートラインまたはデータラインを基準にして互いに対称になるように形成し、駆動時に、1つのピクセルの液晶が時計方向に回転すれば、隣りのピクセルの液晶は、反時計方向に回転するようにして、視野角による屈折率を補償して、カラーシフトを防止することができる効果がある。
【0048】
図9は、本発明の他の実施例を説明した図である。
【0049】
図9は、図1の液晶表示装置に別途の1つの工程を追加する形態である。説明の便宜のために、図1の液晶表示装置との差異点だけを説明する。
【0050】
図9を参照すれば、透明画素電極(400)の下部には、透明補助電極(900)が追加で形成されている。透明補助電極(900)は、ゲートライン(200a)と反射構造物(200b)が形成された後に、画素領域の内部に透明導電層を利用して形成し、ゲートライン方向に隣接する画素領域の間には、互いに電気的に連結されるように形成する。その後、図3b以後の工程(ゲート絶縁膜形成、活性層形成、透明画素電極形成、データライン形成、保護膜形成及び透明共通電極形成などの一連の工程)が進行される。一方、透明補助電極(900)の大きさは、透明画素電極(400)の内部に含まれるように形成することが好ましい。透明補助電極(900)の役目は、蓄積容量を増加させることである。
【0051】
透明補助電極(900)の機能は、高解像度による画素の大きさの変化や各画素の既存蓄積容量の変化によって透明補助電極(900)による補助蓄積容量を調節することによって、全体的な蓄積容量を維持するか、または増加させて、画素品質を効果的に向上させることができるようにするものである。
【0052】
以上、本発明によるFFSモード液晶表示装置及びその製造方法の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付の図面の範囲内で様々な形態に変形して実施することが可能であり、これも本発明に属する。
【符号の説明】
【0053】
100 下部基板
200a ゲートライン
200b 反射構造物
300 ゲート絶縁膜
500 活性層
400 透明画素電極
600 データライン
600a、600b ソース/ドレーン電極
700 絶縁層
800 透明共通電極
T 薄膜トランジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、より詳細には、開口率の低下要因を除去し、光の漏れ現象を遮断し、内部反射をさらに向上させることができる液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、FFSモード(Fringe Field Switching Mode;FFSモード)液晶表示装置は、IPSモード(In-Plane Switching Mode;IPSモード)液晶表示装置の低い開口率及び透過率を改善させるために提案された。
【0003】
このようなFFSモード液晶表示装置は、共通電極(相手電極)と画素電極を透明な導電体で形成し、IPSモード液晶表示装置に比べて開口率及び透過率を高めながら、共通電極と画素電極との間隔を上下部ガラス基板間の間隔より狭く形成することによって、共通電極と画素電極との間にフリンジフィールドを形成することによって、電極の上部に存在する液晶分子までもすべて動作するようにして、さらに向上した透過率を得る。FFSモード液晶表示装置に関する従来技術は、例えば、本出願人によって出願されて登録された特許文献1、2及び3などに開示されている。
【0004】
従来のFFSモード液晶表示装置は、データラインと画素電極との間にクロストーク(Cross-talk)が発生し、画素電極のスリットの端部で液晶が異常駆動するディスクリネーション(disclination)が発生し、相当な部分を遮光膜(Black Matrix;BM)で遮光するので、開口率が低下し、解像度が増加するほど単位画素の大きさは小さくなるが、コンタクトホールの大きさは、一定の大きさに維持されなければならないので、さらに開口率が低くなる問題点があった。
【0005】
このような問題点を解消するために、コンタクトホールを除去して開口率を高め、データライン上の透過率を最小にし、データライン付近の液晶効率を最大に高めることができる構造として韓国特許第849599号が提案された。しかし、データライン付近の液晶効果を最大に得る構造なので、データライン付近の電界が隣りのピクセルの液晶に影響を及ぼすようになって、混色が発生する可能性があって、相変らず最小限の遮光膜が必要であり、データラインを基準にして所定の角度でラビングをすることによって、データラインの一側の付近にラビング不良による光の漏れが発生するという問題点があり、内部反射を利用して外部視認性を高めるのに限界がある構造であった。
【0006】
したがって、従来のFFS液晶表示装置が有している開口率の低下要因を除去し、光の漏れ発生を低減し、内部反射をさらに向上させることができる液晶表示装置が相変らず求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6256081号明細書
【特許文献2】米国特許第6226118号明細書
【特許文献3】大韓民国特許第653474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、比較的簡単な工程で画素領域にコンタクトホールを形成せず、ダーク領域とディスクリネーションを最大限除去することによって、開口率を増加させることができるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、開口率を向上させ、光の漏れを除去し、内部反射を確保することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係るFFSモード液晶表示装置は、下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入された液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ゲートラインと前記データラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置において、液晶層に電圧を印加して光透過量を調節するために、前記画素領域内には、透明画素電極と、前記透明画素電極の上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、前記画素領域内には複数のスリットを有する透明共通電極とを備え、前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行し、前記スイッチング素子のドレーン電極は、前記透明画素電極と電気的に連結される。
【0011】
好ましくは、データラインの下部には、絶縁層を間に置いてゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物をさらに含む。
【0012】
一方、反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことが好ましい。
【0013】
また、スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に回転方向が互いに異なるように構成されることができ、透明画素電極の下部には、透明補助電極がさらに追加されることができる。また、 透明共通電極は前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンにして形成することができる。透明共通電極がスイッチング素子を全体的に覆う構造に形成することもできる。
【0014】
本発明の他の態様に係るFFSモード液晶表示装置の製造方法は、下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入される液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置の製造方法において、ゲートラインを形成する段階と、前記ゲートラインの上部にゲート絶縁膜及び活性層を形成する段階と、前記画素領域の内部に透明画素電極を形成する段階と、透明画素電極が形成された結果物上にドレーン電極及びデータラインを形成し、前記ドレーン電極の一部が前記画素電極の一部と電気的に接続されるように形成する段階と、前記透明共通電極上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンする形態で透明共通電極を形成する段階とを備える。
【0015】
好ましくは、スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画素領域内に、コンタクトホールを除去し、高解像度を具現することができる。
【0017】
また、データラインとゲートライン部の金属物質による反射を利用することができる構造なので、外部視認性を増加させることができる。
【0018】
また、ラビング工程をゲートラインと0゜またはほぼ0゜に処理するので、従来技術におけるようなデータライン部における光の漏れ現象を防止することができる長所を有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の下部基板に形成された画素領域の一部を示す平面図である。
【図2】図1のI−I’線に沿う断面図である。
【図3a】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3b】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3c】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3d】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図3e】各層が段階的に形成されて重畳されて行く状況を順に示している平面図である。
【図4】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図5】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図6】本発明の実施例による効果を従来の韓国特許第653474号と韓国特許第849599号の実施例と比較して説明した平面図と断面図である。
【図7】本発明の実施例による液晶表示装置の内部反射と光の漏れ防止効果を従来の韓国特許第849599号と比較して説明した斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例を説明した図である。
【図9】本発明の他の実施例を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施例は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が下記に説明する実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当業界における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
【0021】
本発明の実施例による液晶表示装置は、下部基板と、上部基板と、下部基板と上部基板との間に挿入された液晶層とを含み、下部基板には、液晶層に電圧を印加するために相互交差する方向に形成される電極によって各画素領域が規定されている。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の下部基板に形成された画素領域の一部を示す平面図であり、図2は、図1のI−I’線に沿う断面図である。図3a乃至図3eは、各層が段階的に形成されて重畳されていく状況を順に示している平面図である。
【0023】
下部基板(100)には、不透明金属よりなるゲートライン(200a)とデータライン(600)が垂直交差するように配列されて単位画素を形成し、単位画素領域内には、透明画素電極(400)と透明共通電極(800)が絶縁層(700)を間に置いて配置され、透明画素電極(400)は、例えば、プレート形態でデータライン(600)と同一層に配置され、スイッチング素子のドレーン電極(600b)が透明画素電極(400)の少なくとも一部をオーバーラップすることによって、電気的に連結される。このような構造では、コンタクトホール形成工程を必要としないので、コンタクトホールの形成工程によって画素を小さく形成することができない問題点を解決することができる。このような構造によれば、高解像度が可能である。
【0024】
透明共通電極(800)は、絶縁層(700)上に蒸着された透明導電層のパターニングによって多数のスリットを有する形態で設けられ、透明画素電極(400)と所定領域が重畳される。
【0025】
ゲートライン(200a)上には、ゲート絶縁膜(300)を介在してa−Si膜とn+ a−Si膜が順に蒸着されたアクティブパターン(500)と、ソース/ドレーン電極(600a)、(600b)が設けられ、薄膜トランジスタ(T)を形成する。ドレーン電極(600b)は、透明画素電極(400)と電気的に接続されて、単位画素にデータ信号が印加される。
【0026】
一方、ゲートライン(200a)の形成とともに、データライン(600)の下部には、ゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物(200b)を形成する。反射構造物(200b)の形成物質は、ゲートライン(200a)の物質以外の物質で形成することも可能であるが、工程の簡素化のために、ゲートライン(200a)と同一の物質を使用する。反射構造物(200b)は、内部反射率を向上させるために形成されるもので、その機能については後述する。
【0027】
透明共通電極(800)は、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンしながら形成される。すなわち、単位画素領域がマトリックス形態よりなる場合、単位画素領域は、透明共通電極(800)によって全体的に連結された構造を有しながら、スリットとスイッチング素子の一部のみをオープンする形態で形成される。このように全体的に連結された構造を有することによって、共通電極の全体抵抗を減少させることができるようになる。
【0028】
スリットは、ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、液晶層のラビング方向は、ゲートライン方向と実質的に平行に形成する。液晶層のラビング方向がゲートライン方向と実質的に平行するので、光の漏れ現象とディスクリネーション現象を減少させることができる効果がある。上部及び下部基板に付着される偏光板の軸は、液晶層のラビング方向と同一に具現することができる。
【0029】
前記上部基板には、下部基板(100)に形成された画素領域の各々に対応して画面の色相を示すカラーフィルタ(図示せず)が設けられ、データライン(600)の上部においては、遮光膜が除去されるか、または、一部だけを形成することも可能である。
【0030】
次に、図1及び図2、図3a乃至図3eを参照して本発明のFFSモード液晶表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0031】
下部基板(100)上にゲート電極を含むゲートライン(200a)を形成し、これと同時に反射構造物(200b)を形成する。すなわち、下部基板(100)上に不透明金属膜の蒸着及びパターニングにより薄膜トランジスタ(T)形成部に対応する下部基板(100)部分上にゲート電極を含むゲートライン(200a)と反射構造物(200b)を形成する。反射構造物は、データライン(600)の下部に形成する。
【0032】
その後、ゲートライン(200a)と反射構造物(200b)を覆うように下部基板(100)の全体上部にゲート絶縁膜(300)を蒸着し、ゲート絶縁膜(300)上にa−Si膜とn+ a−Si膜を順に蒸着した状態でこれらをパターニングして、ゲート電極上部のゲート絶縁膜(300)部分上に活性層(500)を形成する。
【0033】
次に、基板結果物上に、透明導電層の蒸着及びパターニングにより各画素領域内に配置されるようにプレート形状の透明画素電極(400)を形成する。
【0034】
その後、ソース/ドレーン用金属膜を蒸着した後、これをパターニングして、ソース/ドレーン電極(600a)、(600b)を含むデータライン(600)を形成し、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(T)を構成する。この際、ドレーン電極(600b)は、共通画素電極(400)の一部をオーバーラップするように形成することによって、電気的に接続されるように形成する。
【0035】
次に、薄膜トランジスタ(T)が形成された結果構造物上に、例えばSiNx材質の絶縁層(700)を塗布した後、透明画素電極(400)と少なくとも一部が重畳するようにスリットを有する透明共通電極(800)を形成する。透明共通電極(800)は、画素領域内には複数のスリットを有し、薄膜トランジスタ(T)の少なくとも一部をオープンしながら形成される。
【0036】
その後、図示してはいないが、透明共通電極(800)が形成された基板結果物の最上部に配向膜を塗布してアレイ基板の製造を完成する。一方、前記上部基板には、カラーフィルタを選択的に形成し、その上部に配向膜を形成する。前記上部基板と下部基板(100)は、液晶層を介してラミネートさせて、本発明の一実施例によるFFSモード液晶表示装置の製造を完成する。勿論、基板のラミネート後には、各基板の外側面に偏光板を付着させることができる。
【0037】
次に、本発明の効果を従来技術の液晶表示装置と比較して詳しく説明する。
【0038】
図4乃至図6は、それぞれ従来の韓国特許第653474号と第849599号及び本発明の実施例による液晶表示装置のデータライン部の一部平面図及び断面図であり、本発明の実施例による液晶表示装置においてデータライン近くの光の内部反射向上、光の漏れ防止、ディスクリネーション防止などの効果を説明するための図である。図7は、本発明の実施例による液晶表示装置の内部反射と光の漏れ防止効果を従来の韓国特許第849599号と比較して説明した斜視図である。
【0039】
本発明の実施例は、外部視認性を高めるために、単位画素領域の内部反射を誘導し、外部でもよく見えるようにしたものである。
【0040】
本発明の実施例では、データラインとともにゲートライン物質を利用してデータラインの下部に反射構造物を形成することによって、ゲートライン部による反射も可能にする。すなわち、室内で駆動時には、反射によって光が通過しないので、遮光膜(BM)としての役目をし、室外で駆動時には、外部の光源がデータライン、ゲートライン及び反射構造物などの金属によって反射され、外部視認性を増加させる。
【0041】
図4乃至図6を参照すれば、図4は、特許第653474号の構造では、データライン部の上部に遮光膜が形成され、駆動されないダーク領域と異常駆動されるディスクリネーション領域が発生し得ることを示しており、図5は、特許第849599号でまた一部の遮光膜形成領域が存在し、ラビング不良による光の漏れが発生することを確認することができる。
【0042】
これに対し、図6では、データライン部の下部に反射構造物を備え、上部基板に遮光膜(BM)を形成しないか、薄膜トランジスタ形成領域など一部領域の上部にのみ遮光膜(BM)を形成することによって、開口率を向上させ、内部反射率を極大化させることができる。
【0043】
また、ラビング方向をゲートラインと実質的に0度に処理し、液晶を水平に配向させて配向方向がデータラインの方向に実質的に垂直になるようにし、液晶の配向方向と上部及び下部基板の偏光板の透過軸の方向を互いに0°または90°になるように配置することによって、ラビング処理が確実に行われないことがあるデータライン部の一側上の液晶の長軸が上部及び下部基板の偏光板の透過軸または吸収軸と一致するようにして、当該領域で光の漏れが現われないようにすることができる効果がある。
【0044】
一方、反射構造物の幅(W1)は、データラインの幅(W2)より広いことが好ましく、反射構造物の幅(W1)をデータラインの幅(W2)より広くすることによって、隣接画素間の混色を防止し、内部反射率をさらに高めることができる。
【0045】
また、透明共通電極のスリットの末端部(E1)は、前記末端部(E1)に隣接する前記データラインの一端部(S1)と反射構造物の一端部(S2)との間に位置させる。これにより、一般的にスリットの端部のディスクリネーション領域を遮光することができる。
【0046】
また、透明画素電極の末端部(E2)は、反射構造物の一端部(S2)とデータラインの一端部(S1)との間に位置させることがさらに好ましい。これは、透明画素電極と反射構造物との間の共通電極スリット部分に光が漏れるのを防止するために、透明画素電極と反射構造物は少なくとも一部が重畳することが効果的である。しかし、データラインと画素電極は、工程的に同じ層に形成されるので、工程進行中にショートが発生するおそれがあるので、一定の距離をもって形成する。
【0047】
図8は、本発明の他の実施例を説明した図である。図8を参照すれば、透明共通電極のスリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士を線対称に形成する。このような構成によって、液晶の駆動時に、隣接の画素同士の回転方向が反対になるように形成することが可能である。すなわち、1つのピクセルと隣接のピクセルの透明共通電極のスリットの角度がゲートラインまたはデータラインを基準にして互いに対称になるように形成し、駆動時に、1つのピクセルの液晶が時計方向に回転すれば、隣りのピクセルの液晶は、反時計方向に回転するようにして、視野角による屈折率を補償して、カラーシフトを防止することができる効果がある。
【0048】
図9は、本発明の他の実施例を説明した図である。
【0049】
図9は、図1の液晶表示装置に別途の1つの工程を追加する形態である。説明の便宜のために、図1の液晶表示装置との差異点だけを説明する。
【0050】
図9を参照すれば、透明画素電極(400)の下部には、透明補助電極(900)が追加で形成されている。透明補助電極(900)は、ゲートライン(200a)と反射構造物(200b)が形成された後に、画素領域の内部に透明導電層を利用して形成し、ゲートライン方向に隣接する画素領域の間には、互いに電気的に連結されるように形成する。その後、図3b以後の工程(ゲート絶縁膜形成、活性層形成、透明画素電極形成、データライン形成、保護膜形成及び透明共通電極形成などの一連の工程)が進行される。一方、透明補助電極(900)の大きさは、透明画素電極(400)の内部に含まれるように形成することが好ましい。透明補助電極(900)の役目は、蓄積容量を増加させることである。
【0051】
透明補助電極(900)の機能は、高解像度による画素の大きさの変化や各画素の既存蓄積容量の変化によって透明補助電極(900)による補助蓄積容量を調節することによって、全体的な蓄積容量を維持するか、または増加させて、画素品質を効果的に向上させることができるようにするものである。
【0052】
以上、本発明によるFFSモード液晶表示装置及びその製造方法の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付の図面の範囲内で様々な形態に変形して実施することが可能であり、これも本発明に属する。
【符号の説明】
【0053】
100 下部基板
200a ゲートライン
200b 反射構造物
300 ゲート絶縁膜
500 活性層
400 透明画素電極
600 データライン
600a、600b ソース/ドレーン電極
700 絶縁層
800 透明共通電極
T 薄膜トランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入された液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ゲートラインと前記データラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置において、
液晶層に電圧を印加して光透過量を調節するために、前記画素領域内には、透明画素電極と、前記透明画素電極の上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、前記画素領域内には複数のスリットを有する、透明共通電極とを備え、
前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行し、前記スイッチング素子のドレーン電極は、前記透明画素電極と電気的に連結されるFFSモード液晶表示装置。
【請求項2】
前記データラインの下部には、絶縁層を間に置いてゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項3】
前記反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことを特徴とする請求項2に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項4】
前記透明共通電極のスリットの末端部は、前記末端部に隣接する前記データラインの一端部と前記反射構造物の一端部との間に位置することを特徴とする請求項3に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項5】
前記透明画素電極の末端部は、前記末端部に隣接する前記反射構造物の一端部とデータラインの一端部との間に位置することを特徴とする請求項3に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項6】
前記スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に、回転方向が互いに異なるように構成することを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項7】
前記透明画素電極の下部には、透明補助電極がさらに追加されたことを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項8】
前記透明共通電極は、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンすることを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項9】
下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入される液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置の製造方法において、
ゲートラインを形成する段階と、
前記ゲートラインの上部にゲート絶縁膜及び活性層を形成する段階と、
前記画素領域の内部に透明画素電極を形成する段階と、
前記透明画素電極が形成された結果物上にドレーン電極及びデータラインを形成し、前記ドレーン電極の一部が前記透明画素電極の一部と電気的に接続されるように形成する段階と、
前記透明共通電極上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンする形態で透明共通電極を形成する段階とを備えるFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ゲートラインを形成するとき、前記データラインが形成される領域の下部に反射構造物を形成することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことを特徴とする請求項11に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記透明共通電極のスリットの末端部は、前記末端部に隣接する前記データラインの一端部と前記反射構造物の一端部との間に位置することを特徴とする請求項12に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記透明画素電極の末端部は、反射構造物の一端部とデータラインの一端部との間に位置することを特徴とする請求項13に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に、回転方向が互いに異なるように構成することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記透明画素電極の下部には、透明補助電極を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項1】
下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入された液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ゲートラインと前記データラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置において、
液晶層に電圧を印加して光透過量を調節するために、前記画素領域内には、透明画素電極と、前記透明画素電極の上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、前記画素領域内には複数のスリットを有する、透明共通電極とを備え、
前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行し、前記スイッチング素子のドレーン電極は、前記透明画素電極と電気的に連結されるFFSモード液晶表示装置。
【請求項2】
前記データラインの下部には、絶縁層を間に置いてゲートラインを形成した物質で構成される反射構造物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項3】
前記反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことを特徴とする請求項2に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項4】
前記透明共通電極のスリットの末端部は、前記末端部に隣接する前記データラインの一端部と前記反射構造物の一端部との間に位置することを特徴とする請求項3に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項5】
前記透明画素電極の末端部は、前記末端部に隣接する前記反射構造物の一端部とデータラインの一端部との間に位置することを特徴とする請求項3に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項6】
前記スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に、回転方向が互いに異なるように構成することを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項7】
前記透明画素電極の下部には、透明補助電極がさらに追加されたことを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項8】
前記透明共通電極は、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンすることを特徴とする請求項1に記載のFFSモード液晶表示装置。
【請求項9】
下部基板と、上部基板と、前記基板の間に挿入される液晶層とを含み、前記下部基板には、相互交差する方向に形成されるゲートラインとデータラインによって各画素領域が規定され、前記ラインの交差部には、スイッチング素子が配置されているFFSモード液晶表示装置の製造方法において、
ゲートラインを形成する段階と、
前記ゲートラインの上部にゲート絶縁膜及び活性層を形成する段階と、
前記画素領域の内部に透明画素電極を形成する段階と、
前記透明画素電極が形成された結果物上にドレーン電極及びデータラインを形成し、前記ドレーン電極の一部が前記透明画素電極の一部と電気的に接続されるように形成する段階と、
前記透明共通電極上部に絶縁層を間に置いて離隔配置され、画素領域内には複数のスリットを有し、前記スイッチング素子の少なくとも一部をオープンする形態で透明共通電極を形成する段階とを備えるFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記スリットは、前記ゲートラインと5乃至10度の角度をもって形成され、前記液晶層のラビング方向は、ゲート方向と実質的に平行することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ゲートラインを形成するとき、前記データラインが形成される領域の下部に反射構造物を形成することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記反射構造物の幅は、前記データラインの幅より広いことを特徴とする請求項11に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記透明共通電極のスリットの末端部は、前記末端部に隣接する前記データラインの一端部と前記反射構造物の一端部との間に位置することを特徴とする請求項12に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記透明画素電極の末端部は、反射構造物の一端部とデータラインの一端部との間に位置することを特徴とする請求項13に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記スリットが形成される角度は、隣接の画素領域同士が線対称に形成され、液晶の駆動時に、回転方向が互いに異なるように構成することを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記透明画素電極の下部には、透明補助電極を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のFFSモード液晶表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−107678(P2011−107678A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146980(P2010−146980)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(303016487)ハイディス テクノロジー カンパニー リミテッド (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(303016487)ハイディス テクノロジー カンパニー リミテッド (21)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]