説明

MEMSデバイス及びその製造方法

【課題】湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくく、MEMS素子の特性への影響を低減することのできるMEMSデバイスを提供すること。
【解決手段】基板と、前記基板上に配置され、支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材と、を有するMEMS素子と、少なくとも前記MEMS素子の周囲を覆う発泡体と、を備えることを特徴とするMEMSデバイスを提供する。また、支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材とを有するMEMS素子を基板上に配置し、前記MEMS素子上に発泡性の樹脂を滴下し、前記発泡性の樹脂を発泡させることを特徴とするMEMSデバイスの製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡体で封止してパッケージ化されたMEMSデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器の小型軽量化、多機能化や高機能化が進み、実装される電子部品に高密度化が要求されている。このような要求に応じて各種電子部品が半導体デバイスとして製造されるものが増加している。また、回路素子として製造される半導体デバイス以外に各種センサ等も半導体デバイスとして製造されて、小型軽量化が図られている。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて小型MEMSデバイスが実用化されている。MEMSデバイスとしては、加速度センサ、角速度センサ、圧力センサ等の、静電、ピエゾ、圧電、流体等を検出方式とするMEMSセンサや、MEMSミラー等を含むものが実用化されている。
【0003】
このようなMEMS素子をパッケージしたMEMSデバイスには、従来、樹脂モールドパッケージが利用されている。樹脂モールドパッケージは、蓋付のMEMS素子をリードフレームあるいはケースに載置した後、樹脂で覆い、その後樹脂を硬化させる。一般に、樹脂としてはエポキシ樹脂等が用いられる。このような樹脂モールドパッケージは、外部からの衝撃や水分からMEMS素子を保護する。しかし、樹脂が硬化した際に発生する応力が、MEMS素子躯体に影響を及ぼすことがあった。また、例えば、ピエゾ抵抗型のMEMSセンサの場合は、外部温度の影響を受け易いため、外部環境の変化によるMEMSセンサの特性への影響を低減させる必要があった。
【0004】
従来の樹脂モールドパッケージの構成として、MEMSセンサの空洞部に低弾性ゲル(熱硬化型シリコーン樹脂)を注入してMEMSセンサの錘部を覆い、その周囲をモールド樹脂で封止したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂を含む第1封止部材でMEMS素子を封止した後、その周囲を第1封止部材とは異なる第2封止部材で封止したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006―3277号公報
【特許文献2】特開2009−226571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1により提案された樹脂モールドパッケージによると、MEMSセンサの錘部を樹脂で覆うことから、樹脂が錘部の作動に影響し、応力の検出精度に影響を与える可能性がある。また、特許文献2により提案された樹脂モールドパッケージによると、MEMS素子を第1封止部材で覆った後さらに第2封止部材で覆うことから、樹脂の応力が大きくなりMEMS素子の作動に影響を与えてしまう可能性がある。
【0007】
このように従来の樹脂モールドパッケージは、検出部に薄肉状の梁やダイアフラムを有するMEMSセンサの場合、樹脂の応力によってMEMSセンサの検出精度を低下させるおそれがあった。また、温度や湿気等の外部環境がMEMS素子の特性に影響を与えるため、これを低減させる必要があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくく、MEMS素子の特性への影響を低減できるMEMSデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスは、基板と、前記基板上に配置され、支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材と、を有するMEMS素子と、少なくとも前記MEMS素子の周囲を覆う発泡体と、を備えることを特徴とする。このMEMSデバイスによれば、MEMS素子を発泡体により覆うことにより、湿気や温度等によるMEMS素子への影響を低減でき、且つ樹脂による応力の発生を抑えてMEMS素子の特性への影響を低減することができるため、MEMSデバイスの信頼性を向上させることができる。さらに、発泡体を衝撃吸収材として機能させることができる。
【0010】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスは、前記発泡体は、独立気泡構造を有することを特徴とする。発泡体が独立気泡構造を有することにより、より湿気や温度等の影響を受けにくく、耐衝撃性を向上させたMEMSデバイスを提供することができる。
【0011】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスは、前記発泡体は、曲げ弾性率が0.1MPa以上5GPa以下のシリコーン樹脂材料であることを特徴とする。このMEMSデバイスによれば、樹脂による応力の発生を抑えてMEMS素子の特性への影響を低減することができる。
【0012】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスは、前記基板上に枠体をさらに有し、前記MEMS素子は前記枠体の内側に配置され、前記発泡体は前記枠体の内側に配置されることを特徴とする。このMEMSデバイスによれば、MEMSデバイスの強度を高め、耐衝撃性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスは、前記発泡体の周囲に、前記発泡体を覆う樹脂がさらに配置されることを特徴とする。このMEMSデバイスによれば、さらにMEMSデバイスの強度を高め、耐衝撃性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材とを有するMEMS素子を基板上に配置し、前記MEMS素子上に発泡性の樹脂を滴下し、前記発泡性の樹脂を発泡させることを特徴とする。このMEMSデバイスの製造方法により製造されたMEMSデバイスによれば、MEMS素子を発泡体により覆うため、MEMSデバイス内の残留応力を小さくすることができる。また、外部からの応力を吸収することができ、さらに、湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくく、MEMS素子の特性への影響を小さくすることができる。
【0015】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、前記発泡体は、独立気泡構造を有することを特徴とする。発泡体が独立気泡構造を有することにより、より湿気や温度等の影響を受けにくく、耐衝撃性を向上させたMEMSデバイスを提供することができる。
【0016】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、前記発泡体は、曲げ弾性率が0.1MPa以上5GPa以下のシリコーン樹脂材料であることを特徴とする。この製造方法により製造されたMEMSデバイスによれば、樹脂による応力の発生を抑えてMEMS素子の特性への影響を低減することができる。
【0017】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、前記基板上且つ前記MEMS素子の外側に枠体をさらに配置し、前記枠体の内側且つ前記MEMS素子上に発泡性の樹脂を滴下し、前記発泡性の樹脂を発泡させることを特徴とする。この製造方法により製造されたMEMSデバイスによれば、MEMSデバイスの強度を高め、耐衝撃性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の一実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、前記発泡体の周囲に、前記発泡体を覆う樹脂をさらに形成することを特徴とする。この製造方法により製造されたMEMSデバイスによれば、さらにMEMSデバイスの強度を高め、耐衝撃性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、MEMS素子を発泡体により覆うため、MEMSデバイス内の残留応力を小さくすることができる。また、外部からの応力を吸収することができ、さらに、湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくく、MEMS素子の特性への影響を小さくすることができるMEMSデバイス及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMEMSデバイスの概略構成を示す図であり、(a)はMEMSデバイスの断面図であり、(b)はMEMSデバイスの上面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るMEMSデバイスの他の例の概略構成を示す図であり、(a)はMEMSデバイスの断面図であり、(b)はMEMSデバイスの上面図である。
【図3】図1に示した本発明の第1の実施の形態に係るMEMSデバイスに含まれるMEMS素子の一例を示す断面図である。
【図4】図3に示した本発明の第1の実施の形態に係るMEMS素子の上面を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るMEMSデバイスの他の例の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るMEMSデバイスの概略構成を示す図であり、(a)はMEMSデバイスの断面図であり、(b)はMEMSデバイスの上面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るMEMSデバイスの他の例の概略構成を示す図であり、(a)はMEMSデバイスの断面図であり、(b)はMEMSデバイスの上面図である。
【図8】図6に示した本発明の第2の実施の形態に係るMEMSデバイスの製造方法を説明するための断面図であり、(a)は、基板上に形成されたMEMS素子を示す断面図、(b)は、MEMS素子を囲む枠体の形成工程を説明するための断面図、(c)は、MEMS素子を覆う発泡体の形成工程を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るMEMSデバイスの概略構成を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明のMEMSデバイス及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。本発明のMEMSデバイス及びその製造方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態及び後述する実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0022】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイスの構成について図1及び図2を参照して説明する。図1(a)及び(b)は、それぞれ、第1の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス100の概略構成を示す断面図及び上面図である。図1(a)は図1(b)に示すMEMSデバイス100のA1−A1’における断面図である。図2(a)及び(b)は、それぞれ、第1の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス100の他の例の概略構成を示す断面図及び上面図である。図2(a)は図2(b)に示すMEMSデバイス100のA2−A2’における断面図である。
【0023】
図1を参照すると、本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス100は、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a及び105b、並びに発泡体106を含む。
【0024】
基板101は、配線を有する。基板101には、如何なる基板を用いてもよいが、有機材料を含む基板であってもよい。図1においては、基板101を1つの層として図示しているが、基板101は多層構造のプリント配線基板であってもよく、例えば、3層構造のプリント配線基板であってもよい。基板101が3層構造を有する場合、基板101は、導電物質を含む配線層、絶縁物質を含む絶縁層、及び導電物質を含む配線層を有するようにしてもよい。配線層に含まれる導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。絶縁層に含まれる絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネートなどを用いることができる。上記樹脂は、単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、シリカなどの無機フィラーを併用して用いてもよい。しかしこれに限定されず、基板101の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。
【0025】
図1に示す本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイスにおいては、基板101上には制御IC102が配置され、制御IC102上にはMEMS素子103が配置される。制御IC102は、MEMS素子103を制御するために用いられるが、MEMS素子103からの信号を増幅するなど、MEMS素子103から出力される信号を処理するものであってもよい。また、MEMS素子103から出力される信号の処理以外の処理を行うものであってもよい。図1に示すように、基板101と制御IC102とは、配線105bにより電気的に接続される。また、制御IC102とMEMS素子103とは、配線105aにより電気的に接続される。
【0026】
また、図2に示す本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス110は、図1に示す例と同様に、基板111、制御IC112、MEMS素子113、蓋部材114、配線115a及び115b、並びに発泡体116を含む。図1との違いは、図2に示す本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス110は、基板111に制御IC112とMEMS素子113とが並んで配置されていることである。図2に示すように、基板111と制御IC112とは、配線115bにより電気的に接続される。また、制御IC112とMEMS素子113とは、配線115aにより電気的に接続される。なお、本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス110において、基板111と制御IC112との配置の仕方は図2に示す形態に限定されるわけではなく、如何なる配置形態を採用してもよい。
【0027】
MEMS素子103は、加速度センサ、角速度センサ、圧力センサ等の、静電、ピエゾ、圧電、流体等を検出方式とするMEMSセンサや、MEMSミラー等を含み、MEMS素子全般を示すものである。なお、本願では、一例として、支持部と、支持部に対して変位する可動部とを含む力学量センサである場合を以下に説明する。この場合、MEMS素子103の可動部は外力に応じて変位し、可動部の変位が加速度あるいは角速度等を示す電気信号の変化として検出される。しかし、これに限定されず、他の多様なMEMS素子が適用されてもよい。
【0028】
ここで、図1及び図2に示すMEMSデバイス100に含まれるMEMS素子103の構成例について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、MEMSデバイス100に含まれるMEMS素子103の一例(ピエゾ抵抗素子型加速度センサ)を示す断面図であり、図4は、図3に示すMEMS素子103の上面図である。なお、図3は、図4に示したMEMS素子103のA3−A3’線による断面図である。
【0029】
図3を参照すると、MEMSデバイス100は、図1に示すMEMSデバイス100と同様に、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105b、及び発泡体106を含む。また、MEMS素子103は、図3に示すように、可動部103a、錘部103b、及び支持部103cを含み、図4に示すように、ピエゾ抵抗素子121を有する加速度センサである。
【0030】
図3及び図4を参照して、MEMS素子103の動作を簡単に説明する。MEMS素子103に外力が加わると、MEMS素子103の錘部103bが変位し、この変位に伴って可動部103aが撓む。可動部103aが撓むと、可動部103aに配置されたピエゾ抵抗素子121に力が加わり、ピエゾ抵抗素子121の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、MEMS素子103に加えられた外力、例えば、加速度の大きさ、方向などを検出する。MEMS素子103からの信号は、ピエゾ抵抗素子121に接続されている配線122に接続された外部接続端子120から配線105a、105bを通じて外部に伝達される。
【0031】
MEMS素子103上には、支持部103cに固定され、可動部103a及び錘部103bを覆う蓋部材104が配置される。蓋部材104は、MEMS素子103が可動部103aの微小な変位を検出することから、MEMS素子103の上部を保護するために配置される。すなわち、可動部103aの上方向への過大な変位を制限し、MEMS素子103上部及び内部の破損を防止する。従って、蓋部材104にはある程度の強度が必要とされる。例えば、蓋部材104は、シリコン基板、セラミック基板、絶縁性樹脂基板、金属板等で形成されてもよい。また、図1に示すMEMS素子103は可動部を基板101側に向けて配置することも可能である。この場合、MEMS素子103の基板101側の面及び基板101の反対側の面に蓋部材104が配置されるようにしてもよい。MEMS素子103は可動部を基板101側に向けて配置する場合、制御IC102とMEMS素子103又は基板101とを配線105a、105bで接続する代わりに、金属バンプ等を介して接続するようにしてもよい。同様に、図2に示すMEMS素子103の可動部を基板101側に向けて配置することも可能である。
【0032】
図1及び図2に図示したように、基板101上に配置された制御IC102、MEMS素子103、配線105a、105b、及び蓋部材104は、発泡体106により覆われてパッケージ化されMEMSデバイス100となる。発泡体106は、樹脂を発泡させた発泡体である。例えば、熱処理により発泡させた樹脂の発泡体であってもよく、他の多様な発泡方法が用いられてもよい。
【0033】
発泡体106に用いられる樹脂としては、応力によるMEMS素子103の特性への影響を考慮し、低弾性率の樹脂を用いることが望ましい。低弾性率樹脂の条件として、曲げ弾性率が、0.1MPa以上5GPa以下であることが望ましい。なお、曲げ弾性率は、JIS K6911規格に基づいて測定したものとする。曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂材料であれば、発泡体106が硬化収縮する際の応力の発生を抑え、蓋部材104に反りが発生すること等を防止することができる。しかし、曲げ弾性率が0.1MPa未満である場合には、吸水性が大きくなり、電極パッド等の酸化防止効果が低下する虞がある。また、流動性が高まることにより、耐衝撃性や強度の面において、発泡体の効果が低下する虞がある。従って、曲げ弾性率が、0.1MPa以上5GPa以下の樹脂を選択することが望ましい。このような低弾性率の樹脂材料を用いることにより、図1及び図2に示した配線105a、105b等を発泡体106で覆った場合にも、断線や配線の変形を生じさせずに覆うことが可能となる。
【0034】
また、発泡体106は、配線105a、105b、122等を含む電極部分が外部から水分が混入して腐食することを防ぐために、吸水性(吸水率)の低い絶縁性を有する樹脂材料を用いることが望ましい。例えば、吸水率は、温度85°C、湿度85%RHの恒温室内で樹脂を保存し、その保存前と72時間保存後の樹脂の質量変化を測定し、樹脂の質量に占める水の割合から求めることができる。吸水率の低い樹脂材料として、例えば、シリコーン系樹脂の吸水率は0.02%、アクリル系樹脂の吸水率は0.68%、エポキシ系樹脂の吸水率は1.0%、ポリイミド系樹脂の吸水率は0.12%、ウレタン系樹脂の吸水率は0.6%であるため、電極部分等の防腐食を考慮すると、シリコーン系樹脂を選択することが望ましい。
【0035】
さらに、発泡体106は、独立気泡構造、連続気泡構造のいずれであってもよいが、MEMSデバイス100内に水分が混入することを防ぐため、独立気泡構造であることが好ましい。独立気泡構造の発泡体106によれば、樹脂の応力を気泡により分散させることもでき、衝撃吸収材としての耐衝撃性を向上させることもできる。また、独立気泡構造であることにより、断熱効果が期待でき、温度によるMEMSデバイス特性への影響も低減させることができる。
【0036】
このような発泡体106として、例えば、気泡密度は、10個/cm以上1010個/cm以下であることが望ましい。気泡密度が、10個/cmより小さいと、ひずみを吸収し難くなり、また気泡密度が1010個/cmより大きいと、強度が不足する虞があるからである。なお、気泡密度は、発泡体106の破断面を走査型電子顕微鏡により観察して算出したものである。また、発泡体106の硬度としては、アスカーC硬度計で測定したとき、アスカーC硬度で5以上30以下であることが望ましい。アスカーC硬度が5より小さいと、変形し易く強度不足となり、またアスカーC硬度が30より大きいと、応力が大きくなる虞があるからである。
【0037】
また、発泡体106に用いられる樹脂材料と、発泡体106により封止される基板101、制御IC102、MEMS素子103、及び蓋部材104の各々に用いられる材料との、熱膨張係数の差は、できる限り小さくすることが望ましい。これらの熱膨張係数の差を小さくすることにより、発泡体106により生じる残留応力を低減することができる。
【0038】
さらに、発泡体106は、濡れ性の高い樹脂材料を用いることが望ましい。濡れ性の高い材料を用いることにより、より均一に基板101、制御IC102、MEMS素子103、及び蓋部材104上を発泡体106で覆うことができる。これにより、発泡体106のMEMS素子103に対する応力を低減することができる。
【0039】
以上のように、第1の実施の形態に係るMEMSデバイス100は、上述した樹脂材料を用いた発泡体106でMEMS素子103を封止することにより形成される。
【0040】
なお、基板101上に、複数のMEMS素子103が配置されている場合には、発泡体106によりMEMS素子103を封止した後、ダイシングブレード等により切断して個片化される。これにより、図1に示したようなMEMSデバイス100が形成される。
【0041】
上述したMEMSデバイス100によれば、発泡体106を、低弾性率樹脂を用いた発泡体とすることにより、MEMS素子103に対して生じる応力を低減し、MEMS素子103の検出精度に及ぼす影響を小さくすることができる。さらに、発泡体106が衝撃吸収材(緩衝材)として機能するため、MEMS素子の耐衝撃性を向上させる効果を期待できる。また、外部環境の温度や湿度の影響を受けにくく、厳しい環境下であっても安定した動作を実現できるという効果を期待できる。
【0042】
なお、図1及び図2には、個片化されたMEMSデバイス100の厚み方向の高さが均一である構成が図示されているが、これに限定されるものではない。例えば、図5は、MEMSデバイス100の他の例を示す断面図である。図5に図示されるように、MEMSデバイス200は、発泡体206の表面が表面張力により丸みを帯びた形状であってもよい。図5においては、発泡体206の上面は凸形状となっているが、凹形状であっても波形状などであってもよい。
【0043】
なお、図1乃至図5に示されたMEMSデバイス100及び200に用いる発泡体106、206の周囲には、さらに発泡体106、206を覆う樹脂が形成されてもよい、これにより、MEMSデバイス100及び200の強度を補強することができる。このとき、発泡体106、206を覆う樹脂は、例えば、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂を用いてもよい。これにより、耐衝撃性を高めることができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係るMEMSデバイスの構成について図6〜図8を参照して説明する。
【0045】
図6は、第2の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス300の概略構成を示す断面図である。図6(a)及び(b)は、それぞれ、第2の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス300の概略構成を示す断面図及び上面図である。図6(a)は図6(b)に示すMEMSデバイス300のB1−B1’における断面図である。図7(a)及び(b)は、それぞれ、第2の実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス310の他の例の概略構成を示す断面図及び上面図である。図7(a)は図7(b)に示すMEMSデバイス310のB2−B2’における断面図である。図8は、図5に示したMEMSデバイス300の製造方法を説明するための断面図である。図8(a)は、基板上に形成されたMEMS素子103及び制御IC102を載置した状態を示す断面図、図8(b)は、MEMS素子103及び制御IC102を囲む枠体の形成工程を説明するための断面図、図8(c)は、MEMS素子103及び制御IC102を覆う発泡体の形成工程を説明するための断面図を示す。
【0046】
図6を参照すると、MEMSデバイス300は、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105b、発泡体306、及び枠体307を含む。なお、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、及び配線105a、105bは、第1の実施の形態で説明した本発明のMEMSデバイス100の構成と同様であるため、説明については省略する。
【0047】
また、図7に示す本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス310は、図6に示す例と同様、基板111、制御IC112、MEMS素子113、蓋部材114、配線115a及び115b、発泡体116、並びに枠体317を含む。図7に示す本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス310は、基板111に制御IC112とMEMS素子113とが並んで配置されている。図7に示すように、基板111と制御IC112とは、配線115bにより電気的に接続される。また、制御IC112とMEMS素子113とは、配線115aにより電気的に接続される。なお、本実施の形態に係る本発明のMEMSデバイス310において、基板111と制御IC112との配置の仕方は図7に示す形態に限定されるわけではなく、如何なる配置形態を採用してもよい。
【0048】
また、本実施の形態に係るMEMS素子113は可動部を基板111側に向けて配置することも可能である。この場合、MEMS素子113の基板111側の面及び基板111の反対側の面に蓋部材114が配置されるようにしてもよい。MEMS素子113は可動部を基板111側に向けて配置する場合、制御IC112とMEMS素子113又は基板111とを配線115a、115bで接続する代わりに、金属バンプ等を介して接続するようにしてもよい。同様に、図7に示すMEMS素子103の可動部を基板111側に向けて配置することも可能である。
【0049】
図6を参照すると、枠体307はフレーム形状を有し、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104を囲むように基板101上に配置される。図6及び図8に図示したように、フレーム形状の枠体307の内側に、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105bは、発泡体306により覆われる。なお、発泡体306は、上述した実施の形態1に係る発泡体106と同様の低弾性率樹脂の発泡体であり、発泡体106と同様の材料を用いて形成するものとする。枠体307は、接着剤等により、基板101上に固定される。また、枠体307の形状は、発泡体306の枠体として機能する形状であれば、図6に図示した四角形状のフレーム形状に限定されない。また、基板101及び枠体307が一体形成されたものを用いてもよい。このような構成を有することにより、MEMSデバイス300は、発泡体106のみで封止したMEMSデバイス100よりも、枠体307によりその強度を強化することができるため、MEMS素子への耐衝撃性を向上させることができる。
【0050】
図7を参照すると、図6に示す例と同様に、枠体317はフレーム形状を有し、制御IC112、MEMS素子113、蓋部材114を囲むように基板111上に配置される。図7に図示したように、フレーム形状の枠体317の内側に、制御IC112、MEMS素子113、蓋部材114、配線115a、115bは、発泡体316により覆われる。なお、発泡体316は、上述した実施の形態1に係る発泡体106と同様の低弾性率樹脂の発泡体であり、発泡体106と同様の材料を用いて形成するものとする。枠体317は、接着剤等により、基板111上に固定される。また、枠体317の形状は、発泡体316の枠体として機能する形状であれば、図7に図示した四角形状のフレーム形状に限定されない。このような構成を有することにより、MEMSデバイス310は、発泡体116のみで封止したMEMSデバイス100よりも、枠体317によりその強度を強化することができるため、MEMS素子への耐衝撃性を向上させることができる。
【0051】
以下、図8を参照して、MEMSデバイス300の製造方法を説明する。
【0052】
まず、図8(a)に図示したように、基板101上には、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、及び配線105a、105bが配置される。なお、図8(a)に示した構成は、上述した実施の形態1と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0053】
次に、図8(b)に図示したように、基板101上に、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105bを囲んで、フレーム形状の枠体307が配置される。枠体307は、後述する工程において枠体307の内側に形成される発泡体306に用いられる材料と熱膨張係数の差が小さい材料を用いて形成されることが望ましい。例えば、エポキシ樹脂等の樹脂を用いて形成されてもよい。なお、枠体307は、基板101上に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の接着剤を用いて固定されてもよい。
【0054】
次に、図8(c)に図示したように、基板101上の制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105bを覆う発泡体306が、枠体307の内側に充填されてパッケージ化され本発明のMEMSデバイス300が形成される。このとき、図8(c)に示すように、枠体307の厚み方向の高さを、基板101から蓋部材104の上面までの厚みよりも高いものとしてもよい。これにより、発泡体306を枠体307の内側に形成することが容易となる。
【0055】
上述した製造方法によれば、第2の実施の形態に係るMEMSデバイス300は、枠体307が発泡体306の周囲に形成されることから、枠体307によって発泡体306の振動を抑えることができ、耐衝撃性を有するMEMSデバイス300を、提供することが可能となる。また、上述のように簡易な製造方法で実現できる。また、第1の実施の形態に係るMEMSデバイス100と同様に、MEMSデバイス300は、発泡体306を、低弾性率樹脂を用いた発泡体とすることにより、湿気や気温等の外部環境の影響を受けにくく、且つMEMS素子103に対して生じる応力を低減することができ、MEMS素子103の検出精度に及ぼす影響を小さくすることのできるMEMSデバイスを提供することができる。
【0056】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態に係るMEMSデバイスの構成について図9を参照して説明する。
【0057】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るMEMSデバイスの概略構成を示した断面図である。
【0058】
図9を参照すると、MEMSデバイス400は、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105b、発泡体306、枠体307、及びパッケージキャップ408を含む。なお、基板101、制御IC102、MEMS素子103、蓋部材104、配線105a、105b、発泡体306、及び枠体307は、第2の実施の形態で説明した構成と同様であるため、説明については省略する。
【0059】
図9に図示したように、第3の実施の形態に係るMEMSデバイス400は、第2の実施の形態に係るMEMSデバイス300の枠体307上に、パッケージキャップ408が固定されて配置されたものである。パッケージキャップ408は、枠体307との熱膨張係数の差が小さい材料を用いて形成されることが望ましい。なお、枠体307と同じ材料を用いて形成してもよい。パッケージキャップ408は、接着剤等を用いて枠体307の上面に固定される。
【0060】
パッケージキャップ408は、発泡体306の上面から湿気や異物等が侵入することを防ぐ。また、パッケージキャップ408により、耐衝撃性を高めることもできる。従って、パッケージキャップ408は、発泡体306を覆った状態で、枠体307上に接着されて固定される。このとき、湿気や異物等の侵入を防ぐためなどのためには、パッケージキャップ408は、発泡体306を完全に覆うのが好ましい。なお、パッケージキャップ408が枠体307に固定されていれば、発泡体306が上方向に流動した場合のストッパとしての機能を果たすこともできるため、図8に図示されるように、パッケージキャップ408と発泡体306との間に隙間がある状態であってもよい。このような構成により、第3の実施の形態に係るMEMSデバイス400は、第2の実施の形態に係るMEMSデバイス300と比較して、さらに耐衝撃性を高め、湿気や気温等の外部環境の影響を受けにくいMEMSデバイスを提供することができる。
【0061】
また、図7に示す実施の形態2に係る本発明のMEMSデバイス310に、本実施形態で説明したパッケージキャップ408を用いてもよい。
【0062】
以下、第3の実施の形態に係るMEMSデバイス400の実施例と比較例とについて説明する。
【0063】
(実施例1)
基板101として、エポキシ樹脂からなるプリント基板(50mm×200mm×0.2mm)に、3.5mm角のチップ面積で電極パターンを配置加工した両面配線基板を用意した。
【0064】
基板101上に、制御IC102(1.9mm×1.9mm、0.1mmt)をシリコーン系のダイアタッチ剤であるXE13−C2476(東芝モメンティブ製)によりダイアタッチし、さらにその上に、MEMS素子103及びMEMS素子103上の蓋部材104を含む加速度センサチップ(1.4mm×1.2mm×0.6mm)を積層ダイアタッチした。
【0065】
基板101と制御IC102とを、また、制御IC102とMEMS素子103とを、25μmの金ワイヤでワイヤボンディングを行い、結線した。
【0066】
エポキシモールド材であるCEL−9750ZHF10(日立化成製)を枠幅0.4mmの「田」字型の金型にトランスファーモールド成型し、枠体307を形成した。
【0067】
枠体307を、上述したダイボンディング及びワイヤボンディング済みの基板101に、接着材としてQMI538(ヘンケル製)を用いて貼り合わせ、150℃、1時間で硬化させた。
【0068】
この枠体307の内側であって、制御IC、MEMS素子103、及び蓋部材104上から、発泡体306として、液状発泡シリコーンTB5277C(スリーボンド製)をディスペンサーで滴下・充填し、熱処理150℃、1時間、熱エージング処理を行い、発泡体を形成した。発泡倍率は6倍、独立気泡構造であった。硬度はアスカーCで8であった。なお、曲げ弾性率は、0.5GPaであった。
【0069】
0.05mm厚のSUS304をエッチング加工し、パッケージキャップ408を形成した。このパッケージキャップ408を、QMI538(ヘンケル製)を介して枠体307に接着した。貼り合わせ条件は150℃、1時間であった。
【0070】
ダイシングブレードにて、パッケージキャップ408から基板101までを切断して個片化し、本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスである加速度センサデバイス400を得た。
【0071】
この加速度センサデバイス400の25℃でのオフセット電圧を調べたところ、−5mV〜+5mVの範囲に収まっていた。また、オフセット電圧の−30℃〜85℃の温度依存性を調べたところ、−2mVから+2mVに収まることが確認された。
【0072】
(実施例2)
実施例1と同様の工程で、発泡体306を、液状発泡シリコーンTB5277(スリーボンド製)としてディスペンサーで充填し、熱処理150℃、1時間、熱エージング処理を行い、発泡体を形成した。発泡倍率は2倍、独立気泡構造であった。硬度はアスカーCで14であった。なお、曲げ弾性率は、1.2GPaであった。その他の構成は、実施例1と同じである。
【0073】
この加速度センサデバイス400の25℃でのオフセット電圧を調べたところ、−5mV〜+5mVの範囲に収まっていた。また、オフセット電圧の−30℃〜85℃の温度依存性を調べたところ、−2mVから+2mVに収まることが確認された。
【0074】
(比較例)
実施例1及び2と異なり、枠体を形成せず、液状ポッティング材のみで基板上の制御IC、センサ、蓋部材を封止する成型加工を行った。液状ポッティング材は、Sylgard184(東レダウコーニングシリコン製)を用いた。曲げ弾性率は2GPaであった。硬化後、ダイシングブレードにて切断して個片化し、加速度センサデバイスを得た。
【0075】
しかしながら、ダイシング時に、樹脂の変形が見られた。また、この加速度センサパッケージの25℃でのオフセット電圧を調べたところ、−5mV〜+5mVの範囲を外れてしまった。
【0076】
以上の実施例と比較例とによれば、応力の影響が大きくなると、MEMS素子のオフセット電圧も大きくなることから、低弾性率樹脂を用いた発泡体でMEMS素子をパッケージ化することにより、MEMS素子に対して生じる応力を低減し、オフセット電圧を低くすることができることがわかる。従って、本発明に係るMEMSデバイスによれば、MEMS素子の特性への影響を小さくすることができる。
【0077】
以上のように、本発明の第1乃至第3の実施の形態に係るMEMSデバイスによれば、発泡体を用いてMEMS素子を封止することにより、耐衝撃性を向上させ、湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくく、且つMEMS素子の検出精度に及ぼす影響を低減することの可能なMEMSデバイスを提供することができる。特に、独立気泡構造を有する樹脂の発泡体を用いた場合、湿気や温度等の外部環境の影響を受けにくいMEMSデバイスを実現することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…MEMSデバイス、101…基板、102…制御IC、103…MEMS素子、104…蓋部材、105a、105b…配線、106…発泡体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材と、を有するMEMS素子と、
少なくとも前記MEMS素子の周囲を覆う発泡体と、を備えることを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記発泡体は、独立気泡構造を有することを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記発泡体は、曲げ弾性率が0.1MPa以上5GPa以下のシリコーン樹脂材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記基板上に枠体をさらに有し、
前記MEMS素子は前記枠体の内側に配置され、前記発泡体は前記枠体の内側に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記発泡体の周囲に、前記発泡体を覆う樹脂がさらに配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
支持部と、前記支持部に対して変位する可動部と、前記可動部を覆い、前記支持部に固定された蓋部材とを有するMEMS素子を基板上に配置し、
前記MEMS素子上に発泡性の樹脂を滴下し、
前記発泡性の樹脂を発泡させることを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
【請求項7】
前記発泡体は、独立気泡構造を有することを特徴とする請求項6に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項8】
前記発泡体は、曲げ弾性率が0.1MPa以上5GPa以下のシリコーン樹脂材料であることを特徴とする請求項6または7に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項9】
前記基板上且つ前記MEMS素子の外側に枠体をさらに配置し、
前記枠体の内側且つ前記MEMS素子上に発泡性の樹脂を滴下し、
前記発泡性の樹脂を発泡させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項10】
前記発泡体の周囲に、前記発泡体を覆う樹脂をさらに形成することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のMEMSデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−35338(P2012−35338A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174908(P2010−174908)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】