説明

P2X7受容体のベンズアミド阻害剤

本発明は、式(I)[式中、R〜Rは、本明細書に定義される通りである]のP2X受容体のベンズアミド阻害剤を提供する。本発明の化合物は、骨関節炎及び慢性関節リウマチのような炎症性疾患;アレルギー、喘息、COPD、癌、卒中又は心臓発作時の再灌流又は虚血、自己免疫疾患や他の疾患が限定なしに含まれる、IL−1仲介性障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、P2X受容体の新規ベンズアミド阻害剤、その製造の方法、その製造に有用な中間体、それらを含有する医薬組成物、及び療法におけるその使用に関する。本発明の活性化合物は、骨関節炎及び慢性関節リウマチのような炎症性疾患;アレルギー、喘息、COPD、癌、卒中又は心臓発作時の再還流又は虚血、自己免疫疾患や他の障害の治療に有用である。この活性化合物は、P2X受容体のアンタゴニストでもある。
【0002】
リガンドでゲート制御されるイオンチャネルであるP2X受容体(以前はP2Z受容体として知られた)は、多様な細胞種、主に炎症/免疫プロセスに関与していることが知られているもの、具体的には、マクロファージ、肥満細胞、及びリンパ球(T及びB)上に存在する。細胞外ヌクレオチド、特にアデノシン三リン酸によるP2X受容体の活性化は、インターロイキン−1β(IL−1β)の放出と巨大細胞形成(マクロファージ/小膠細胞)、脱顆粒(肥満細胞)及び増殖(T細胞)、アポトーシス、及びL−セレクチン発散(リンパ球)をもたらす。P2X受容体は、抗原提示細胞(APC)、角化細胞、唾液腺房細胞(耳下腺細胞)、肝細胞、及び糸球体間質細胞上にも位置している。
【0003】
P2Xアンタゴニストは、国際特許公開公報WO01/46200、WO01/42194、WO01/44213、WO99/29660、WO00/61569、WO99/29661、WO99/29686、WO00/71529、及びWO01/44170に記載されるもののように、当該技術分野で知られている。他のP2X阻害剤は、米国非仮特許出願10/292887(2002年11月12日出願;2001年11月12日出願の米国仮特許出願60/336781に対して優先権を主張した)に記載されている。他のアダマンチルP2X阻害剤は、米国非仮特許出願10/292886(2002年11月12日出願;2001年11月12日出願の米国仮特許出願60/336892に対して優先権を主張した)に記載されている。さらに他のP2X阻害剤は、米国仮特許出願60/437228及び60/437505(いずれも2002年12月31日出願)に記載されている。上記の出願のいずれもそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
P2X受容体の阻害以外の使用へのベンズアミド、ヘテロアリールアミド、及びリバースアミドについては、国際特許公開公報WO97/22600、EP138,527、WO00/71509、WO98/28269、WO99/17777、及びWO01/58883のような様々な公開公報に記載されている。
【0005】
発明の要約
1つの側面において、本発明は、式:
【0006】
【化1】

【0007】
[式中:Rは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、オキソ、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1又は2の残基で随意に置換される(C〜C)アルキルであり;
ここで前記R(C〜C)アルキルは、(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリールより独立して選択される1又は2の基で随意に置換されてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル基は、アダマンチル以外であり;ここで前記(C〜C)アルキル及び(C〜C10)シクロアルキルは、オキソで随意に置換されてよく;ここで前記(C〜C10)ヘテロアリールは、フラニル、チオフェニル、ベンズチオフェニル、ベンズフラニル、及びクロマニルより選択され;ここで前記(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリール基のそれぞれは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換されてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル及び(C〜C10)アリール残基は、ハロ、(C〜C)アルキル、−CN、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1〜3の部分により随意に置換され;
は、ハロ、−CN、又は(C〜C)アルキルであり;ここで前記(C〜C)アルキルは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、CFO−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]N−、(C〜C)アルキル−S−、(C〜C)アルキル−(S=O)−、(C〜C)アルキル−(SO)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、及び(C〜C)シクロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;
は、随意に置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルであり;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜3のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの炭素原子上にあってもよく;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜2のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの窒素原子上にあってもよく;
ここでそれぞれのRは、ハロ、−CN、NH、ヒドロキシ、HN(C=O)−、HN−SO、及び随意に置換されるR置換基からなる群より独立して選択され;
ここで前記随意に置換されるR置換基は、(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、(C〜C10)ヘテロアリール、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−からなる群より選択され;
ここで前記(C〜C10)ヘテロシクリルの炭素原子上のどの2つのR残基も、一緒になってオキソ基又はスピロ(C〜C)炭素環式又は(C〜C)複素環式基を形成してよく;
ここでそれぞれのRは、HN(C=O)−と以下の随意に置換されるR基:(C〜C)アルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、及び(C〜C)アルキル−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記随意に置換されるR置換基のそれぞれは、ハロ、NH、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルキル−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−、(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、及び随意に置換されるR基からなる群より独立して選択される1〜3の基で置換されてよく;
ここで前記随意に置換されるR基のそれぞれは、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、(C〜C10)ヘテロアリール、フェノキシ、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C10)アリール−SO−、及び(C〜C10)ヘテロアリール−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記随意に置換されるR基のそれぞれは、ハロ、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)ヘテロアリール、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で随意に置換されてよく;
ここで前記随意に置換されるR基のそれぞれは、ハロ、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)O−、((C〜C)アルキル)N−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]N−SO−、及び随意に置換されるR基からなる群より独立して選択され得る1〜3の置換基で置換されてよく;
ここで前記随意に置換されるR基のそれぞれは、(C〜C10)アリール、(C〜C10)シクロアルキル−NH(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−NH−(C=O)−、(C〜C10)アリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記随意に置換されるR基のそれぞれは、ハロ、(C〜C)アルキル、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、((C〜C)アルキル)−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で随意に置換されてよい]の化合物(ここで、式Iの前記化合物の分子量は700AMU未満である)、又はその医薬的に許容される塩に関する。
【0008】
本発明はまた、式Iの化合物の医薬的に許容される酸付加塩に関する。本発明の上記の塩基性化合物の医薬的に許容される酸付加塩を製造するために使用される酸は、無毒の酸付加塩、即ち、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、酸リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酸クエン酸、酒石酸、重酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びパモ酸[即ち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフト酸)]の塩のように、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものである。
【0009】
本発明はまた、式Iの塩基付加塩に関する。性質が酸性である式Iの化合物の医薬的に許容される塩基性塩を製造するための試薬として使用し得る化学塩基は、そのような化合物と無毒の塩基性塩を形成するものである。そのような無毒の塩基性塩には、限定されないが、アルカリ金属カチオン(例、カリウム及びナトリウム)及びアルカリ土類金属カチオン(例、カルシウム及びマグネシウム)のようなそうした薬理学的に許容されるカチオンより派生するもの、アンモニウム又はN−メチルグルカミン−(メグルミン)のような水溶性アミン付加塩、及び低級アルカノールアンモニウムと他の医薬的に許容される有機アミンの塩基性塩が含まれる。
【0010】
本発明にはまた、式Iの化合物のプロドラッグを含有する医薬組成物が含まれる。フリーのアミノ、アミド、ヒドロキシ、又はカルボキシル基を有する式Iの化合物は、プロドラッグへ変換することができる。プロドラッグには、アミノ酸残基、又は2以上(例、2、3、又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が式Iの化合物のフリーアミノ、ヒドロキシ、又はカルボン酸基へペプチド結合を介して共有結合している化合物が含まれる。アミノ酸残基には、3文字記号により通常表記される20の天然に存在するアミノ酸が含まれ、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、及びメチオニンスルホンも含まれる。プロドラッグには、カーボネート、カルバメート、アミド、及びアルキルエステルが、カルボニル炭素のプロドラッグ側鎖を介して式Iの上記置換基へ共有結合する化合物も含まれる。
【0011】
本発明には、保護基を含有する式Iの化合物も含まれる。当業者はまた、本発明の化合物が精製又は保存に有用であり、患者への投与の前に外すことができる特定の保護基とともに製造してもよいことを理解されよう。官能基の保護及び脱保護については、「有機化学の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」J. W. F. McOmie 監修、プレナムプレス(1973)及び「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第3版、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, ウィリー・インターサイエンス(1999)に記載されている。
【0012】
本発明の化合物には、式Iの化合物のすべての立体異性体(例、cis及びtrans異性体)とすべての光学異性体(例、R及びS−エナンチオマー)、並びにこのような異性体のラセミ、ジアステレオマー、及び他の混合物が含まれる。
【0013】
本発明の化合物、塩、及びプロドラッグは、エノール及びイミン型とケト及びエナミン型、及び幾何異性体とそれらの混合物が含まれる、いくつかの互変異性型で存在する場合がある。すべてのそうした互変異性型が本発明の範囲に含まれる。互変異性体は、溶液状態では、互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常1つの互変異性体が優勢である。1つの互変異性体について記載される場合があるとしても、本発明には、本化合物のすべての互変異性体が含まれる。互変異性構造の1つの例は、Rが式:
【0014】
【化2】

【0015】
の基であるときである。
当業者は、この基が、その互変異性体:
【0016】
【化3】

【0017】
と図示してもよいことを理解されよう。
本発明には、本発明のアトロプ異性体も含まれる。アトロプ異性体は、回転的に束縛された異性体へ分離することができる式Iの化合物を意味する。
【0018】
本発明の化合物は、オレフィン様の二重結合を含有する場合がある。そのような結合が存在するとき、本発明の化合物は、cis及びtrans配置として、そしてその混合物として存在する。
【0019】
本明細書に使用する用語「スピロ」は、以下の式:
【0020】
【化4】

【0021】
に従って図示することができるように、同一の炭素原子で生じる、2つの基、置換基、等の間の連結を意味する。
本発明に使用する用語「アルキル」、並びに本明細書に言及される他の基(例、アルコキシ)のアルキル部分は、直鎖でも分岐鎖でもよく(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、二級(secondary-)ブチル、三級(tertiary-)ブチルのように);上記に定義されるように、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、又は(C〜C)アルキルのような1〜3の好適な置換基により随意に置換される。本明細書に使用する句「前記アルキルのそれぞれ」は、アルコキシ、アルケニル、又はアルキルアミノのような基の内部の先述するアルキル部分のいずれかを意味する。好ましいアルキルには(C〜C)アルキルが含まれ、より好ましいのは(C〜C)アルキルであり、そして最も好ましいのは、メチル及びエチルである。
【0022】
本明細書に使用する用語「シクロアルキル」は、単環、二環、又は三環系の炭素環式環(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、及びビシクロ[5.2.0]ノナニル、等)を意味し;1又は2の二重結合を随意に含有し、上記に定義されるような、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、又は(C〜C)のような1〜3の好適な置換基により随意に置換される。
【0023】
本明細書に使用する用語「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、又は、フッ化物、塩化物、臭化物、又はヨウ化物が含まれる。
本明細書に使用する用語「カルボニル」又は「(C=O)」は(アルキルカルボニル、アルキル−(C=O)−、又はアルコキシカルボニルのような句において使用するように)、アルキル又はアミノ基のような第二の部分への>C=O部分の結合部(joinder)を意味する(即ち、アミド基)。アルコキシカルボニルアミノ(即ち、アルコキシ(C=O)−NH−)は、アルキルカルバメート基を意味する。カルボニル基はまた、本明細書において、(C=O)と同等に定義される。アルキルカルボニルアミノは、アセトアミドのような基を意味する。
【0024】
本明細書に使用する用語「オキソ」は、本明細書において、結合パートナーが炭素原子である二重結合の酸素(=O)残基を意味するために使用する。そのような残基は、カルボニル基と考えてもよい。
【0025】
本明細書に使用する用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、等のような芳香族基を意味し;上記に定義されるように、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、又は(C〜C)のような1〜3の好適な置換基により随意に置換される。
【0026】
本明細書に使用する用語「ヘテロアリール」は、通常、O、S、及びNより選択される1つのヘテロ原子が環にある、芳香族の複素環式基を意味する。前記ヘテロ原子に加えて、芳香族基は、その環中に4つまでのN原子を随意に有してよい。例えば、ヘテロアリール基には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、等が含まれ;上記に定義されるように、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、又は(C〜C)のような1〜3の好適な置換基により随意に置換される。特に好ましいRヘテロアリール基には、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピリダジニル、及びピラゾリルが含まれる。
【0027】
本明細書に使用する用語「複素環式」又は「ヘテロシクリル」は、1〜10の炭素原子と、N、O、S(O)、又はNR(ここで、「R」は、上記に定義されるような好適な置換基である)より選択される1〜4のヘテロ原子を含有する環式基を意味する。複素環式基には、1〜10の炭素原子と、N、O、S(O)、又はNRより選択される1〜4のヘテロ原子を有する、単環、二環系、又は三環系の環を含めてよい。そのような環の例には、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキサジニル、等が含まれる。前記単環式の飽和又は一部飽和環系の例は、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、チオモルホリン−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テトラヒドロチアジアジン−イル、モルホリン−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イル、1,2,5−オキサジアジン−4−イル、等であり;1又は2の二重結合を随意に含有し、上記に定義されるように、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、又は(C〜C)のような1〜3の好適な置換基により随意に置換される。好ましいR複素環式基には、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルが含まれる。
【0028】
本明細書に使用する窒素ヘテロ原子は、N=、>N、及び−NHを意味し;ここで−N=は、窒素二重結合を意味し;>Nは、2つの結合連結を含有する窒素を意味し;−Nは、1つの結合を含有する窒素を意味する。
【0029】
本明細書に使用する「態様」は、化合物又は使用を別個の亜属(subgenera)へ具体的に群分けすることに関連する。そのような亜属は、特定のR又はR基のような1つの特別の置換基に従って認識することができる。他の亜属は、Rがクロロであり、Rが(C〜C)アルキルであり、(C〜C)シクロアルキルにより随意に置換されるすべての化合物といった、様々な置換基の組合せに従って認識可能である。句「上記態様のそれぞれと組み合わせて」は、本明細書においてすでに確定されたそれぞれの態様と、確定される態様の組合せに関連する。従って、Rが「上記態様のそれぞれと組み合わせて」(C〜C)シクロアルキルにより随意に置換される(C〜C)アルキルである化合物の態様は、本明細書においてすでに確定されたそれぞれの態様との組合せを含んでなる追加の態様に関連する。
【0030】
本発明の1つの態様には、Rがハロゲン及び(C〜C)アルキルである式(I)の化合物、そして好ましくは、Rがクロロ、メチル、又はエチルである化合物が含まれる。
【0031】
本発明の別の態様には、Rが、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜6(好ましくは、1〜3)の残基により随意に置換される(C〜C12)アルキルである、式(I)の化合物が含まれる。
【0032】
本発明の別の態様には、Rが随意に置換される(C〜C)アルキルである、式(I)の化合物が含まれる。
本発明の別の態様には、Rが1又は2(好ましくは、1)の(C〜C10)シクロアルキルで置換される(C〜C)アルキルである、式(I)の化合物が含まれ;ここで前記(C〜C)アルキル(より好ましくは、(C〜C)アルキル)はまた、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル残基は、ハロゲン及び(C〜C)アルキルより独立して選択される1〜3の部分により随意に置換される。
【0033】
本発明の別の態様には、Rが1又は2(好ましくは、1)の(C〜C10)シクロアルキルで置換される(C〜C)アルキル(より好ましくは、(C〜C)アルキル)である、式(I)の化合物が含まれ;ここで前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)アリールからなる群より選択される残基により(C〜C)アルキル連結でスピロ置換される。
【0034】
本発明の別の態様には、Rが1又は2(好ましくは、1)の(C〜C10)アリールで置換される(C〜C)アルキルである、式(I)の化合物が含まれ;ここで前記(C〜C)アルキル(より好ましくは、(C〜C)アルキル)はまた、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、HN(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)アリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル残基は、ハロゲン及び(C〜C)アルキルより独立して選択される1〜3の部分により随意に置換される。
【0035】
本発明の別の態様には、Rが1又は2(好ましくは、1)の(C〜C10)ヘテロアリールで置換される(C〜C)アルキルである、式(I)の化合物が含まれ;ここで前記(C〜C)アルキル(より好ましくは、(C〜C)アルキル)はまた、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル残基は、ハロゲン及び(C〜C)アルキルより独立して選択される1〜3の部分により随意に置換される。
【0036】
本発明の別の態様は、Rが、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、及び−CNからなる群より独立して選択される1〜3のR(より好ましくは、環につき1又は2のR)での置換が可能な、どの炭素又は窒素原子上でも随意に置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである、式(I)の化合物であり;ここで前記Rの1つは、水素、−CN、又はハロである。
【0037】
式Iのある態様には、Rがハロ又は(C〜C)アルキルである化合物がある。式Iのある態様には、Rが1又は2の(C〜C10)シクロアルキルで置換される(C〜C)アルキルである化合物があり;ここで前記(C〜C)アルキルはまた、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;ここで前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;そして前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)アリールからなる群より選択される残基により(C〜C)アルキル連結で随意にスピロ置換されてよい。
【0038】
式Iのある態様には、Rが、1〜3のRでの置換が可能な炭素原子上で置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物があり;ここで前記Rは、(C〜C)アルコキシ又はフェノキシであり;ここでRは、ハロ、ヒドロキシ、−CN、−NH、及び(C〜C)アルコキシ、及び、(C〜C)アルキル−(C=O)−及び(C〜C)アルキル−O(C=O)−からなる群より選択される随意に置換されるR置換基からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で随意に置換されるか、又はここでRは、ハロ、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]NH−SO−、[(C〜C)アルキル]N−SO−、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より選択される1つの置換基で随意に置換され得る(C〜C10)ヘテロシクリルで随意に置換される。
【0039】
式Iのある態様には、Rが、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリールからなる群より独立して選択される1〜3の随意に置換されるR置換基での置換が可能な、どの炭素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物がある。
【0040】
式Iのある態様には、Rが、HNSOからなる群より選択される1つのRと、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び((C〜C)アルキル)N−SO−からなる群より選択される随意に置換されるR置換基での置換が可能な、どの炭素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物がある。
【0041】
式Iのある態様には、Rが、環につき1つのRでの置換が可能な、どの窒素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物があり;ここでRは、ハロ、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)O−、((C〜C)アルキル)N−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−と、(C〜C10)アリール、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−NH(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−NH−(C=O)−、(C〜C10)アリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、及び(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−からなる群より選択される随意に置換されるRからなる群より独立して選択される1〜3の置換基で随意に置換され得る(C〜C)アルキル−であり;
ここで前記随意に置換されるRは、ハロ、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されてよい。
【0042】
式Iのある態様には、Rが、式II(a)〜II(j):
【0043】
【化5】

【0044】
の好適に置換される5員の炭素連結(C〜C)ヘテロシクリルである化合物がある。
式Iのある態様には、Rが、1〜3のR置換基を含有する、式III(a)〜III(h):
【0045】
【化6】

【0046】
の6員の炭素連結(C〜C)ヘテロシクリルである化合物がある。
式Iのある態様には、Rが、1〜3のRを含有する、式IV(a)〜IV(n):
【0047】
【化7】

【0048】
の縮合二環式炭素連結(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物がある。
式Iのある態様には、Rが、式V(a)〜V(d):
【0049】
【化8】

【0050】
の好適に置換される、オキソ置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロシクリルである化合物がある。
式Iのある態様には、式XXIX:
【0051】
【化9】

【0052】
の化合物がある。
式XXIXのある態様には、Rが、式II(a)〜II(j)の好適に置換される5員の炭素連結(C〜C)ヘテロシクリルである化合物がある。
【0053】
式Iの好ましい化合物の例は以下の通りである:
2−クロロ−5−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
5−[1−(2−アミノ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(2−アミノ−エチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(1H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−{1−[(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{5−メチル−1−[(メチルカルバモイルメチル−カルバモイル)−メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−5−{1−[2−(3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;及び
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド。
【0054】
本発明の特定の具体的な化合物は、実施例1〜58において同定する化合物である。
本発明の他の具体的な化合物には:
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−N−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド;
N−(1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド;
5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−メチル−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−N−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−2−メチル−ベンズアミド;
N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド;
N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド; 5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル)−ベンズアミド;
5−[5−(2−アミノ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−(1−アゼチジン−3−イル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル)−ベンズアミド;
5−(1−アゼチジン−3−イル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド;
5−(1−アゼチジン−3−イル−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド;
5−(1−アゼチジン−3−イル−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−クロロ−N−(1−フェニル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−5−[1−(4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[5−シクロプロピル−1−(4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−メチル−1−(2−オキソ−ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−メチル−1−(5−オキソ−ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1−ピリミジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1−ピリミジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1−ピリミジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−N−(1−フェニル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−シアノ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(1H−インダゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[5−(2−アミノ−エトキシ)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;及び
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミドが含まれる。
【0055】
本発明には、天然に通常見出される原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子により1以上の原子が置き換えられていることを除けば式Iに引用されるものと同一である、同位体標識化合物も含まれる。本発明の化合物へ取り込むことができる同位体の例には、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clといった、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体が含まれる。上記の同位体、及び/又は他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、及び前記化合物又は前記プロドラッグの医薬的に許容される塩は、本発明の範囲内にある。本発明のある種の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cのような放射活性同位体が取り込まれているもの)は、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(即ち、H)及び炭素−14(即ち、14C)同位体は、その調製の容易さと検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素(即ち、H)のようなより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性(例えば、in vivo 半減期の増加又は必要投与量の低下)より生じるある種の治療上の利点をもたらす可能性があり、それ故に、ある状況において好ましい場合がある。本発明の式Iの同位体標識化合物とそのプロドラッグは、一般に、以下の「スキーム」及び/又は「実施例」及び「製法」に開示される手順を行うことによって、容易に利用可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代用とすることによって、製造することができる。
【0056】
式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩は、限定されないが、単球及び/又はマクロファージのような哺乳動物の細胞による過剰又は非調節のサイトカイン産生によって悪化されるか又は引き起こされる、ヒトや他の哺乳動物の病態の予防的又は療法的治療への医薬品の製造に使用することができる。
【0057】
本発明は、IL−1仲介性の疾患を、その治療の必要な哺乳動物、好ましくはヒトにおいて治療するための方法に関し、該方法は、式Iの化合物の有効量を前記哺乳動物へ投与することを含む。
【0058】
本発明はまた、IL−1仲介性の状態を治療する方法に関する。本明細書において定義される「IL−1仲介性の状態」には、限定されないが、哺乳動物、好ましくはヒトにおける、関節炎(乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風性関節炎、及び急性滑膜炎が含まれる)、炎症性腸疾患、クローン病、気腫、急性呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、アレルギー反応、アレルギー性接触過敏症、湿疹、接触皮膚炎、乾癬、日焼け、癌、組織潰瘍化、再狭窄、歯周疾患、表皮水疱症、骨粗鬆症、骨再吸収疾患、人工関節インプラントの弛緩、アテローム性動脈硬化症、大動脈瘤、鬱血性心不全、心筋梗塞、卒中、脳虚血、頭部外傷、神経外傷、脊髄損傷、神経変性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、偏頭痛、うつ病、末梢性ニューロパシー、疼痛、脳アミロイド血管症、精神向性又は認知亢進、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼血管新生、角膜損傷、黄斑変性、角膜瘢痕形成、強膜炎、異常な創傷治癒、熱傷、自己免疫障害、ハンチントン病、糖尿病、AIDS、悪液質、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、結膜炎ショック、グラム陰性敗血症、有毒ショック症候群、脳性マラリア、心臓及び腎臓の再灌流損傷、血栓症、糸球体腎炎、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、臓器移植毒性、潰瘍性大腸炎、又は筋肉変性が含まれ、(本方法は)このような状態を治療するのに有効な式Iの化合物の量を前記哺乳動物へ投与することを含んでなる。
【0059】
本発明は、式Iによる化合物の有効量と医薬的に許容される担体を含む、IL−1仲介性の疾患を哺乳動物において治療するための医薬組成物に関する。
本発明は、IL−1仲介性の状態を治療するのに有効な式Iの化合物の量と医薬的に許容される担体を含んでなる、そのような状態を哺乳動物、好ましくはヒトにおいて治療するための医薬組成物に関する。
【0060】
好ましくは、本発明の化合物は、慢性関節リウマチ、骨関節炎、乾癬、アレルギー皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道の過敏反応性、敗血症性ショック、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、アテローム性動脈硬化症、悪性細胞の増殖及び転移、筋芽細胞白血病、糖尿病、アルツハイマー病、髄膜炎、骨粗鬆症、熱傷損傷、虚血性心疾患、卒中、及び拡張蛇行静脈の治療に有用である。
【0061】
本発明はまた、療法における使用への、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を提供する。
別の側面において、本発明は、療法における使用への医薬品の製造における、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の使用を提供する。
【0062】
さらに本発明は、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療有効量を患者へ投与することを含む、骨関節炎を治療する方法を提供する。
【0063】
さらに本発明は、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療有効量を患者へ投与することを含む、免疫抑制を有効にする方法(例えば、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、アテローム性動脈硬化症、又は乾癬の治療において)を提供する。
【0064】
本発明はまた、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の治療有効量を患者、好ましくはヒトへ投与することを含む、閉塞性気道疾患(例、喘息又はCOPD)を治療する方法を提供する。
【0065】
本発明はまた、式:
【0066】
【化10】

【0067】
[式中、Rは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、オキソ、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1又は2の残基で随意に置換される(C〜C)アルキルであり;
ここで前記R(C〜C)アルキルは、(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリールより独立して選択される1又は2の基で随意に置換されてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル基は、アダマンチル以外であり;ここで前記(C〜C)アルキル及び(C〜C10)シクロアルキルは、オキソで随意に置換されてよく;ここで前記(C〜C10)ヘテロアリールは、フラニル、チオフェニル、ベンズチオフェニル、ベンズフラニル、及びクロマニルより選択され;ここで前記(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリール基のそれぞれは、ヒドロキシ、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により随意に置換されてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル及び(C〜C10)アリール残基は、ハロゲン、−CN、(C〜C)アルキル、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1〜3の部分により随意に置換され;
は、ハロゲン、−CN、又は(C〜C)アルキルであり;ここで前記(C〜C)アルキルは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、CFO−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−S−、(C〜C)アルキル−(S=O)−、(C〜C)アルキル−(SO)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、及び(C〜C)シクロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3の残基により随意に置換され;
は、随意に置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルであり;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜3のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの炭素原子上にあってもよく;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜2のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの窒素原子上にあってもよく;
それぞれのRは、ハロゲン、−CN、(R−(C〜C)アルキル、(R−(C〜C10)シクロアルキル、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル、(R−(C〜C10)アリール、(R−(C〜C10)ヘテロアリール、ヒドロキシ、(R−(C〜C)アルコキシ、(R−(C〜C)アルキル−(C=O)O−;−NH、(R−(C〜C)アルキル−NH−、[(R−(C〜C)アルキル]−N−、(R−(C〜C10)アリール−NH−、(R−(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(R−(C〜C)アルキル−SO−NH−、(R−(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(R−(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(R−(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(R−(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(R−(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(R−(C〜C10)アリール−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(R−(C〜C)アルキル−SO−、(R−(C〜C10)アリール−SO−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(R−(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(R−(C〜C)アルキル]−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記(C〜C10)ヘテロシクリルの炭素原子上のどの2つのR残基も、一緒になってオキソ基又はスピロ(C〜C)炭素環式又は(C〜C)複素環式基を形成してよく;
それぞれのRは、(R−(C〜C)アルキル、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル、(R−(C〜C10)ヘテロアリール、(R−(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(R−(C〜C)アルキル−NH−(C=O)、[(R−(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(R−(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(R−(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(R−(C〜C10)アリール−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、及び(R−(C〜C)アルキル−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記Rのそれぞれは、水素、ハロゲン、−CN、(R−(C〜C10)シクロアルキル、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル、(R−(C〜C10)アリール、(R−(C〜C10)ヘテロアリール、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(R−フェノキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−;NH、(R−(C〜C)アルキル−NH−、[(R−(C〜C)アルキル]−N−、(R−(C〜C10)アリール−NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(R−(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(R−(C〜C10)アリール−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(R−(C〜C10)アリール−SO−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]N−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記Rのそれぞれは、水素、ハロゲン、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)ヘテロアリール、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]N−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記Rのそれぞれは、水素、ハロゲン、−CN、(R−(C〜C10)アリール、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−;NH−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)O−、((C〜C)アルキル)N−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(R−(C〜C10)シクロアルキル−NH(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル−NH(C=O)−、(R−(C〜C10)アリール−NH(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(R−(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(R−(C〜C10)アリール−(C=O)−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(R−(C〜C10)アリール−SO−、(R−(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]N−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記Rのそれぞれは、水素、ハロゲン、(C〜C)アルキル、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−;NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、((C〜C)アルキル)−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より独立して選択され;
ここでm、n、p、及びtのそれぞれは、独立して、0〜3の整数である]の化合物(ここで、式Iの前記化合物の分子量は700AMU未満、好ましくは550AMU未満である)、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物又はプロドラッグに関する。
【0068】
本明細書に使用する用語「治療する」は、そのような用語が適用される障害又は状態、又はそのような障害又は状態の1以上の症状を逆転させる、緩和する、その進行を阻害する、又は予防することを意味する。本明細書に使用する用語「治療」は、治療する行為を意味し、「治療する」は、直前に定義されている。
【0069】
本発明はまた、上記に定義される、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体とともに含んでなる医薬組成物を提供する。
【0070】
さらに本発明は、上記に定義される、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造の方法を提供する。
【0071】
上記の療法的使用では、投与する投与量は、当然ながら、利用する化合物、投与の形式、望まれる治療、及び適用される障害に応じて変動するものである。式Iの化合物/塩/溶媒和物(有効成分)の1日投与量は、1mg〜1グラム、好ましくは1mg〜250mg、より好ましくは10mg〜100mgの範囲であり得る。
【0072】
本発明にはまた、持続放出組成物が含まれる。
本発明はまた、式Iの化合物とその製造に使用する中間体を製造する方法に関する。
本発明の方法の1つの態様は、以下に詳細に記載するスキームI〜VIIIに概説する1以上の合成法によって行なうことができる、式Iの化合物の製造に関する。本発明はまた、式(I)の化合物の合成に有用で、以下のスキームI〜VIIIに同定される方法及び中間体を提供する。
【0073】
当業者は、本発明の化合物が多様な数の疾患を治療するのに有用であることを理解されよう。当業者はまた、特定の疾患の治療に本発明の化合物を使用するとき、その疾患用に使用する様々な既存の治療薬剤と本発明の化合物を組み合わせてよいことを理解されよう。
【0074】
慢性関節リウマチの治療では、抗TNFモノクローナル抗体(Remicade、CDP−870、及びDのような)及びTNF受容体免疫グロブリン分子(Enbrel(登録商標)のような)のようなTNF−α阻害剤、COX−2阻害剤(メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パラコキシブ、及びエトリコキシブのような)、低用量メトトレキセート、レフノミド;シクレソニド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィン、又は非経口又は経口金製剤といった薬剤と本発明の化合物を組み合わせてよい。
【0075】
なおさらに、本発明は、ジレウトン;ABT−761;フェンロイトン;テポキサリン;Abbott−79175;Abbott−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン;Zeneca AD−2138のようなメトキシテトラヒドロピラン;化合物SB−2100661;L−739,010のようなピリジニル置換2−シアノナフタレン化合物;L−746,530のような2−シアノキノリン化合物;MK−591、MK−886、及びBAYx1005のようなインドール及びキノリン化合物といった2−シアノキノリン化合物からなる群より選択される、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポソームキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤又は5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニストと一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0076】
なおさらに、本発明は、L−651,392のようなフェノチアジン−3−オン;CGS−25019cのようなアミジノ化合物;オンタゾラストのようなベンゾキサルアミン;BIIL284/260のようなベンゼンカルボキシイミダミド;及びザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP45715A)、及びBAYx7195のような化合物からなる群より選択される、ロイコトリエンLTB、LTC、LTD、及びLTEの受容体アンタゴニストと一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0077】
なおさらに、本発明は、アイソフォームPDE4Dの阻害剤が含まれる、PDE4阻害剤と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
なおさらに、本発明は、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、及びクロルフェニラミンが含まれる、抗ヒスタミン性H受容体アンタゴニストと一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0078】
なおさらに、本発明は、胃保護性H受容体アンタゴニストと一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
なおさらに、本発明は、プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、及び塩酸エチルノルエピネフリンが含まれる、α及びα−アドレナリン受容体アゴニスト、血管収縮剤、交感神経作用剤と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0079】
なおさらに、本発明は、臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;及びテレンゼピンが含まれる、抗コリン作用剤と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0080】
なおさらに、本発明は、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、及びピルブテロールが含まれるβ〜β−アドレナリン受容体アゴニスト;又は、テオフィリン及びアミノフィリンが含まれるメチルキサンタニン;クロモグリシン酸ナトリウム;又はムスカリン作用受容体(M1、M2、及びM3)アンタゴニストと一緒の、本発明の組合せに関する。
【0081】
なおさらに、本発明は、インスリン様増殖因子I型(IGF−I)模倣体と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
なおさらに、本発明は、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、及びフランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)が含まれる、全身性の副作用を減らした、吸入グルココルチコイドと一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0082】
なおさらに、本発明は、(a)トリプターゼ阻害剤;(b)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(c)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(d)IMPDH阻害剤;(e)VLA−4アンタゴニストが含まれる、吸着分子阻害剤;(f)カテプシン;(g)MAPキナーゼ阻害剤;(h)グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;(i)キニン−B及びB−受容体アンタゴニスト;(j)抗痛風剤、例えば、コルヒチン;(k)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール;(l)尿酸尿剤、例えば、プロベニシド、スルフィンピラゾン、及びベンズブロマロン;(m)成長ホルモン分泌促進剤;(n)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(o)血小板由来増殖因子(PDGF);(p)線維芽細胞増殖因子、例えば、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);(q)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(r)カプサイシンクリーム剤;(s)NKP−608C;SB−233412(タルネタント);及びD−4418からなる群より選択される、タキキニンNK及びNK受容体アンタゴニスト;及び(t)UT−77及びZD−0892からなる群より選択されるエラスターゼ阻害剤と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0083】
さらに本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、即ち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼ、並びにアグリカナーゼ;具体的には、コラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、及びストロメライシン−3(MMP−11)の阻害剤と一緒の、本発明の化合物の組合せに関する。
【0084】
本発明の化合物は、骨関節炎の治療用の既存の治療薬剤との組合せにおいて使用してもよい。組合せにおいて使用するのに適した薬剤には、ピロキシカム、ジクロフェナク、ナプロキセン、フェニプロフェン、ケトプロフェン、及びイブプロフェンのようなプロピオン酸、メフェナム酸のようなフェナメート、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、フェニルブタゾンのようなピラゾロン、アスピリンのようなサリチル酸塩といった標準的な非ステロイド性抗炎症剤(以下、NSAID)、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、及びエトリコキシブのようなCOX−2阻害剤、コルチコステロイドやヒアルガン及びシンビスクのようなヒアルロン酸といった鎮痛薬及び関節内治療薬が含まれる。
【0085】
本発明の化合物は、エンドスタチン及びアンジオスタチン、又はアドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン、エトポシド、タキソール、タキソテレ、及びファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、VEGF阻害剤、COX−2阻害剤、及びメトトレキセート抗新生物剤のような代謝拮抗薬、特に、ビンブラスチン及びビンクリスチンのような植物アルカロイドが含まれる抗細胞分裂剤のような細胞傷害薬といった抗癌剤との組合せにおいて使用してもよい。
【0086】
本発明の化合物は、Viracept、AZT、アシクロビル、及びファムシクロビルのような抗ウイルス剤と、Valantのような抗敗血症化合物との組合せにおいて使用してもよい。
【0087】
本発明の化合物は、カルシウムチャネルブロッカー、スタチン、フィブラートのような脂質降下剤、β−ブロッカー、ACE阻害剤、アンジオテンシン−2受容体アンタゴニスト、及び血小板凝集阻害剤のような心臓血管系薬剤との組合せにおいて使用してもよい。
【0088】
本発明の化合物は、抗うつ薬(セルトラリンのような)、抗パーキンソン薬(デプレニル、L−ドーパ、Requip、Mirapex、セレジン及びラサジリンのようなMAOB阻害剤、TasmarのようなcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドパミン再取込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドパミンアゴニスト、及びニューロン一酸化窒素シンターゼの阻害剤のような)、及びドネペジル、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリン、又はメトリホン酸(metryfonate)のような抗アルツハイマー薬といったCNS薬剤との組合せにおいて使用してもよい。
【0089】
本発明の化合物は、ロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソホキシフェン又はホソマクスのような骨粗鬆症剤と、FK−506、ラパマイシン、シクロスポリン、アザチオプリン、及びメトトレキセートのような免疫抑制剤との組合せにおいて使用してもよい。
【0090】
発明の詳細な説明
式Iの化合物は、以下の反応スキーム及び考察に従って製造することができる。他に示さなければ、以下に続く反応スキーム及び考察中のR〜Rは、上記に定義される通りである。
【0091】
【化11】

【0092】
【化12】

【0093】
【化13】

【0094】
【化14】

【0095】
【化15】

【0096】
【化16】

【0097】
【化17】

【0098】
【化18】

【0099】
【化19】

【0100】
【化20】

【0101】
【化21】

【0102】
【化22】

【0103】
【化23】

【0104】
【化24】

【0105】
【化25】

【0106】
スキーム1は、式Iの化合物の製法に関連する。式Iの化合物は、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドのような非プロトン溶媒中の1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカップリング試薬とジメチルアミノピリジン(DMAP)又はトリエチルアミンのような塩基、好ましくはジメチルホルムアミド中の1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド及びジメチルアミノピリジンの存在下での、式:HN−Rのアミンとの反応によって式IIの化合物より製造することができる。上記の反応は、約22℃〜約60℃の温度で約1時間〜約20時間の間、好ましくは約22℃で約18時間、行ってよい。
【0107】
式IIの化合物は、水を加えたメタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような溶媒において、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムのような塩基と式III(ここでPは保護基である)の化合物を反応させることによって製造することができる。好ましい条件には、水酸化カリウムとメタノールが含まれる。上記の反応は、約22℃〜約60℃の温度で約1時間〜約20時間の間、好ましくは約22℃で約18時間、行ってよい。
【0108】
あるいは、式Iの化合物は、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒及び塩基の存在下での、式:R−X(ここでXは、好適な脱離基である)の化合物との反応によって式VIIの化合物より製造してもよい。好適な脱離基には、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、トシラート、又はメシレートが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、メチレンジメチルホルムアミドが含まれる。好ましい条件は、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、炭酸ナトリウム水溶液、及びジメチルホルムアミドである。上記の反応は、約22℃〜約100℃の温度で約1時間〜約24時間の間、好ましくは約80℃で約12時間、行ってよい。
【0109】
式IIIの化合物は、スキーム2及び4〜7の方法に従って作製することができる。式VIIの化合物は、スキーム3の方法に従って作製することができる。
スキーム2は、式Iの化合物の製造用のスキーム1の中間体である、式IIIの化合物の製法に関連する。スキーム2へ言及すると、式IIIの化合物は、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒及び塩基の存在下に、式IVの化合物を式:R−X(ここでXは、好適な脱離基である)の化合物と反応させることによって製造することができる。好適な脱離基には、クロロ、ブロモ、又はヨード、好ましくはヨードが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレンとジメチルホルムアミドが含まれる。好ましい条件には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、炭酸ナトリウム水溶液、及びジメチルホルムアミドが含まれる。上記の反応は、約22℃〜約60℃の温度で約1時間〜約20時間の間、好ましくは約80℃で約18時間、行ってよい。
【0110】
式IVの化合物は、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒及び塩基の存在下に、式V(ここでXは、好適な脱離基である)の化合物をビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させることによって製造することができる。好適な脱離基には、ブロモ、ヨード、クロロ、及びトリフレートが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレンとジメチルホルムアミドが含まれる。好ましい条件には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、酢酸カリウム、及びジメチルホルムアミドが含まれる。
【0111】
式Vの化合物は、硫酸又は気体状塩酸のような酸の存在下に22℃と還流の間の温度で4〜24時間の間、好ましくは気体状塩酸の存在下に22℃で24時間のメタノールとの反応によって式VIの化合物より製造することができる。
【0112】
式VIの化合物は、市販品より入手可能であるか、当業者によく知られた方法に従って作製することができる。
スキーム3は、スキーム1における式Iの化合物の製造用の中間体である、式VIIの化合物の製法に関連する。スキーム3へ言及すると、式VIIの化合物は、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒及び塩基の存在下に、式VIII(ここでXは、脱離基である)の化合物をビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させることによって製造することができる。好適な脱離基には、クロロ、ブロモ、ヨード、又はトリフレート、好ましくはブロモ又はヨードが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレンとジメチルホルムアミドが含まれる。好ましい条件には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、酢酸カリウム、及びジメチルホルムアミドが含まれる。
【0113】
あるいは、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒及び塩基の存在下に、式:R−B(OH)のホウ酸塩との反応によって、式VIIIの化合物を式Iの化合物へ直接変換してよい。好適な触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0);好ましくはテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが含まれる。好ましい条件には、ジメチルホルムアミド中の炭酸ナトリウム水溶液が含まれる。上記の反応は、22℃〜100℃の温度で1時間〜20時間の間、好ましくは80℃で18時間、行ってよい。式:R−B(OH)のホウ酸塩は、非プロトン溶媒において式:R−X(ここでXは、上記に記載のような脱離基である)の化合物を塩基と式:B(OR)のホウ酸トリアルと反応させることによって製造することができる。好適な塩基には、n−ブチルリチウム又は塩化イソプロピルマグネシウム、好ましくは塩化イソプロピルマグネシウムが含まれる。好適な溶媒には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、好ましくはテトラヒドロフランが含まれる。上記の反応は、−78℃〜22℃の温度で1時間〜24時間の間、好ましくは22℃で18時間、行ってよい。生じる生成物を塩酸、硫酸、クエン酸、又は過塩素酸のような酸水溶液、好ましくは塩酸を使用して加水分解する。この加水分解反応は、22℃〜100℃の温度で1時間〜24時間の間、好ましくは22℃で4時間、行ってよい。
【0114】
式VIIIの化合物は、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドのような非プロトン溶媒中の1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカップリング試薬とジメチルアミノピリジン(DMAP)又はトリエチルアミンのような塩基、好ましくはジメチルホルムアミド中の1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド及びジメチルアミノピリジンの存在下での、式:RNHの化合物との反応によって式VIの化合物より製造することができる。上記の反応は、22℃〜60℃の温度で1時間〜20時間の間、好ましくは22℃で18時間、行ってよい。
【0115】
式VIIIの化合物は、非プロトン溶媒中の塩基の存在下に、式:RNHの化合物との反応によって式IXの化合物より製造してもよい。好適な塩基には、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化カリウム水溶液が含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレン、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド、好ましくはジイソプロピルエチルアミン及びジクロロエタンが含まれる。上記の反応は、22℃〜60℃の温度で1時間〜24時間の間、好ましくは22℃で3時間、行ってよい。
【0116】
式IXの化合物は、酢酸エチル、塩化メチレン、又はジクロロエタンのような極性の非プロトン溶媒の存在下又は非存在下に22℃〜80℃の温度で1時間〜24時間の間、塩化チオニル又は塩化オキサリルのような酸塩化物を生成することが可能な試薬との反応によって、式VIの化合物より製造することができる。好ましい条件には、塩化チオニル、80℃で4時間が含まれる。
【0117】
式VIの化合物は、当業者によく知られた方法によって製造することができる。
スキーム4は、スキーム1及び2における式Iの化合物の製造に有用な中間体である、式IIIの化合物の代替的な製法に関連する。スキーム4へ言及すると、式IIIの化合物は、メタノール、エタノール、又はイソプロパノールのようなプロトン溶媒において式Xの化合物を環化試薬と反応させることによって製造することができる。上記の反応は、約22℃〜約100℃の温度で約1〜約24時間の間、好ましくはエタノールにおいて約22℃で約16時間、行ってよい。
【0118】
環化試薬がヒドラジンであるとき、式IIIの化合物は、式:
【0119】
【化26】

【0120】
を有する。
環化試薬がヒドロキシルアミンであるとき、式IIIの化合物は、式:
【0121】
【化27】

【0122】
を有する。
環化試薬がアミジンであるとき、式IIIの化合物は、式:
【0123】
【化28】

【0124】
を有する。
式Xの化合物は、エタノール、メタノール、又はテトラヒドロフラン溶媒の存在下又は非存在下に22℃〜100℃の温度で、好ましくは溶媒の非存在下に90℃で約4時間の間、式XIの化合物を式XIIの反応体と反応させることによって製造することができる。
【0125】
式XIの化合物は、非プロトン溶媒中の無水酢酸、パラジウム触媒、塩化リチウム、及び塩基との反応によって、式V(ここでXは、好適な脱離基である)の化合物より製造することができる。好適な脱離基には、ブロモ、ヨード、クロロ、又はトリフレート、好ましくはヨードが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン、テトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)、又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が含まれる。好適な塩基には、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンが含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレン、酢酸エチル、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド、好ましくはジイソプロピルエチルアミン及びジメチルホルムアミドが含まれる。上記の反応は、約22℃〜約100℃の温度で約1時間〜約24時間の間、好ましくは約100℃で約12時間、行ってよい。
【0126】
式Vの化合物は、スキーム2の方法に従って製造することができる。式XIIの化合物は、市販品より入手可能であるか、当業者によく知られた方法によって作製することができる。
【0127】
スキーム5は、スキーム1及び2における式Iの化合物の製造に有用な中間体である、式III(即ち、IIIa、IIIb、及びIIIc)の化合物の代替的な製法に関連する。スキーム5へ言及すると、式III(即ち、IIIa、IIIb、及びIIIc)の化合物は、メタノール、エタノール、又はイソプロパノールのようなプロトン溶媒において式XIIIの化合物を環化試薬と反応させることによって製造することができる。好適な環化試薬は、式Xの化合物の、それぞれ式IIIa、IIIb、及びIIIcの化合物への変換についてスキーム4で上記に記載される通りである。上記の反応は、約22℃〜約100℃の温度で1〜約24時間の間、好ましくはエタノールにおいて約22℃で約16時間、行ってよい。
【0128】
式XIIIの化合物は、非プロトン溶媒において式XIの化合物を式:R−(C=O)−X(ここでXは、脱離基である)の化合物と塩基と反応させることによって製造することができる。好適な脱離基には、クロロ、ブロモ、又はアルコキシ、好ましくはクロロが含まれる。好適な塩基には、カリウム三級ブトキシド、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンが含まれる。好適な溶媒には、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、又はジメチルホルムアミド、好ましくはトルエンが含まれる。上記の反応は、0℃〜80℃の温度で約1〜約24時間、好ましくは約0℃〜約22℃で約2時間、行ってよい。
【0129】
式XIの化合物は、スキーム4の方法に従って製造することができる。
スキーム6は、式III(ここでRは、トリアゾリルである)の化合物である、式IIIdの化合物の代替的な製法に関連する。式IIIdの化合物は、スキーム1及び2における式Iの化合物の製法において有用な中間体である。スキーム6へ言及すると、式IIIdの化合物は、メタノール、エタノール、又はn−ブチルアルコールのようなプロトン溶媒、好ましくはn−ブチルアルコールにおいて式XIVの化合物をアジ化トリメチルシリルと反応させることによって製造することができる。上記の反応は、約22℃〜約150℃の温度で約1時間〜約144時間の間、好ましくは約125℃で約120時間、行ってよい。
【0130】
式XIVの化合物は、式XVの化合物を96%〜98%のギ酸と反応させることによって製造することができる。上記の反応は、約22℃〜約120℃の温度で約1時間〜約120時間の間、好ましくは98%ギ酸と約22℃で約12時間、行ってよい。
【0131】
式XVの化合物は、非プロトン溶媒の存在下又は非存在下に式V(ここでXは、好適な脱離基である)の化合物を式:(CHSi−C≡C−Hのアセチレンと塩基と反応させることによって製造することができる。好適な脱離基には、ブロモ、ヨード、クロロ、又はトリフレート、好ましくはヨードが含まれる。好適な塩基には、トリエチルアミンとジイソプロピルエチルアミンが含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又はジオキサン、好ましくは溶媒の非存在下が含まれる。上記の反応は、約22℃〜約100℃の温度で1時間〜20時間の間、好ましくは100℃で18時間、行ってよい。
【0132】
式XVの化合物は、スキーム4における式IIIの化合物の製法の中間体である、式XIの化合物を生成するための代替的な製法に使用してもよい。式XVの化合物は、96%〜98%ギ酸と反応させて、式XIの化合物を生成することができる。上記の反応は、約22℃〜約120℃の温度で約1時間〜約120時間の間、好ましくは98%ギ酸と約100℃で約120時間、行ってよい。
【0133】
式Vの化合物は、スキーム2の方法に従って製造することができる。
スキーム7は、式IIIe及びIIIfの化合物の代替的な製法に関連する。式Ifの化合物は、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又はトルエンのような非プロトン溶媒中に約0℃〜約100℃に及ぶ温度で約15分〜約18時間の間の、式:R−(C=NH)−NHの化合物との反応によって式XVIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、テトラヒドロフラン、約60℃で約1時間である。
【0134】
式IIIeの化合物は、ジメチルスルホキシド、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又はトルエンのようなプロトン又は非プロトン溶媒中に約0℃〜約100℃に及ぶ温度で約15分〜約18時間の間の、式:R−(C=S)−NHの化合物との反応によって式XVIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、エタノール、約50℃で約0.5時間である。
【0135】
式XVIの化合物は、当業者に知られた様々な条件下での臭素との反応によって式XIの化合物より製造することができる(H. O. House,「現代の合成反応(Modern Synthetic Reactions)」W. A. Benjamin 社、カリフォルニア州メンローパーク (1992), 459-478頁)。
【0136】
式XIの化合物は、スキーム4及び6の方法によって作製することができる。
スキーム8は、式Iaの化合物の代替的な製法に関連する。式Iaの化合物は、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又は塩化メチレンのような非プロトン溶媒の存在下又は非存在下に約20℃〜約150℃に及ぶ温度で約1時間〜約18時間の間の、式:R(C=O)Cl又は(R(C=O))Oの化合物との反応によって式XVIIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、無溶媒系(neat)、約120℃で約2時間である。
【0137】
式XVIIの化合物は、メタノール又はエタノールのようなプロトン溶媒中に約20℃〜約100℃に及ぶ温度で約1時間〜約24時間の間の、ヒドロキシルアミンとの反応によって式XVIIIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、メタノール、約60℃で約18時間である。
【0138】
式XVIIIの化合物は、非プロトン溶媒中のパラジウム触媒の存在下又は非存在下に約50℃〜約200℃に及ぶ温度で約1時間〜約48時間の間の、シアニド試薬との反応によって式VIIIの化合物より製造することができる(Tetrahedron Letters 40 (1999) 8193-8195; 41 (2000) 3271-3273; 42 (2001) 6707-6710; 43 (2002) 387-389)。好適なシアニド試薬には、シアン化亜鉛、シアン化銅、シアン化ナトリウム、及びシアン化カリウムが含まれる。好適なパラジウム触媒には、二塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)、ジクロロメタン、又はテトラキス・トリフェニルホスフィンパラジウム(0)が含まれる。好適な溶媒には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、及びトルエンが含まれる。
【0139】
式XVIIIの化合物は、当業者に知られた条件の下で塩酸ヒドロキシルアミンとその誘導体との反応によって式XIXの化合物より製造してもよい(March, J.「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク (1985);806-807 頁)。
【0140】
式XIXの化合物は、非プロトン溶媒中のジメチルアミノピリジン(DMAP)又はトリエチルアミンのようなカップリング試薬及び塩基の存在下に、式:NH−Rの試薬との反応によって式XXの化合物より製造することができる。好適なカップリング剤には、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ポリマー結合性カルボジイミド、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが含まれる。好ましい溶媒には、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが含まれる。好ましい条件には、ジメチルホルムアミド中のポリマー結合性カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが含まれる。上記の反応は、約22℃〜約60℃の温度で約1時間〜約20時間の間、好ましくは約22℃で約18時間、行ってよい。
【0141】
式XXの化合物は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、又はヘキサンのような非プロトン溶媒中、約−80℃〜約25℃に及ぶ温度で約10分〜約1時間の間の、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、又はtert−ブチルリチウムのような塩基との反応に続く、同じポット中で約0.5時間〜約3時間の間のジメチルホルムアミドとの反応によって、式VIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、テトラヒドロフラン中のメチルリチウム(1当量)に続くtert−ブチルリチウム(1当量)、約−78℃で約10分間に続く、約30分間のジメチルホルムアミドとの反応である。
【0142】
式VIの化合物は、市販品として知られているか、当業者によく知られた方法に従って製造することができる。
スキーム9は、スキーム10〜12における式Iの化合物の製法の中間体である、式XXI及びXXIIの化合物の製法に関連する。スキーム9へ言及すると、式XXIの化合物は、当業者に知られた様々な方法によって、式XXIIの化合物より製造することができる[R. C. Larock,「有機変換総覧:官能基製造の手引き(Comprehensive Organic Transformations. A Guide to Functional Group Preparations)」VCHパブリッシャーズ社、ニューヨーク州ニューヨーク(1989)966-972 頁]。
【0143】
式XXIIの化合物は、当業者に知られた様々な方法によっても、式XXIIIの化合物から製造することができる(R. C. Larock,「有機変換総覧:官能基製造の手引き(Comprehensive Organic Transformations. A Guide to Functional Group Preparations)」VCHパブリッシャーズ社、ニューヨーク州ニューヨーク(1989)838-841 頁)。
【0144】
式XXIIIの化合物は、市販品として入手可能であるか、当業者によく知られた方法に従って作製することができる。
スキーム10は、式Idの化合物の代替的な製法に関連する。式Idの化合物は、ジクロロメタン又はジクロロエタンのような溶媒中、0℃〜60℃に及ぶ温度で3時間〜72時間の間の、式:HC≡C−Rの試薬、次亜塩素酸ナトリウム、及びトリエチルアミン又はジエチルイソプロピルアミンのような塩基との反応によって、式XXIVの化合物より製造することができる。好ましい条件は、トリエチルアミン、ジクロロメタン、22℃、20時間である。
【0145】
式XXIVの化合物は、当業者に知られた条件の下でヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンとの反応によって式XXIIIの化合物より製造することができる(March, J.「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク (1985);805-806 頁)。
【0146】
スキーム11は、式Icの化合物の代替的な製法に関連する。式Icの化合物は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、又はジメチルホルムアミドのような溶媒の存在下又は非存在下に、22℃〜150℃に及ぶ温度で1時間〜24時間の間の、式:NHNHRの試薬との反応によって、式XXVの化合物より製造することができる。好ましい条件は、エタノール、80℃、12時間である。
【0147】
式XXVの化合物は、限定されないが、テトラヒドロフラン、エーテル、及びジクロロメタンが含まれる溶媒中、0℃〜60℃に及ぶ温度で1時間〜24時間の間のカルボニルジイミダゾールとの反応に続く、0℃〜60℃に及ぶ温度で1時間〜24時間の間のマロン酸モノメチルのマグネシウム塩との反応によって式XXIIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、テトラヒドロフラン中のカルボニルジイミダゾール、22℃で6時間に続く、22℃で12時間のマロン酸モノメチルのマグネシウム塩との反応である(D. W. Brooks, L. D. Lu and S. Masamune Angew. Chem. Int. Ed. Eng. 18 (1979) p. 72)。
【0148】
スキーム12は、式Ibの化合物の代替的な製法に関連する。式Ibの化合物は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、又はキシレンのような溶媒の存在下又は非存在下、50℃〜200℃に及ぶ温度で1時間〜12時間の間の、式:RC(−OR)の試薬との反応によって式XXVIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、溶媒なし、140℃、2時間である。
【0149】
式XXVIの化合物は、メタノール又はエタノールのような溶媒の存在下又は非存在下、50℃〜150℃に及ぶ温度で1時間〜24時間の間の、ヒドラジン又はヒドラジン水和物との反応によって式XXIの化合物より製造することができる。好ましい条件は、溶媒なし、120℃、2時間である。
【0150】
スキーム13は、式Igの化合物の代替的な製法に関連する。式Igの化合物は、塩基の存在下に、式:L−R(ここでLは、クロロ、ブロモ、ヨード、トシラート、又はメシレートのような好適な脱離基である)の化合物との反応によって式I(ここでRは、Hである)の他の化合物より製造することができる。好適な塩基には、トリエチルアミン、ポリマー支持2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(BEMP)、炭酸セシウム、炭酸カリウム、及び水素化ナトリウムが含まれ;炭酸セシウムが好ましい。上記の反応は、0℃〜100℃に及ぶ温度で、限定されないが、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、等量のジメチルスルホキシド及びアセトン、又は等量のジメチルホルムアミド及びアセトンが含まれる極性溶媒の存在下に、一般的には2時間〜72時間の間、行ってよく;ここで好ましい条件は、ジメチルスルホキシド、80℃で18時間である。
【0151】
式Igの化合物は、無溶媒系、又は限定されないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びテトラヒドロフランが含まれる極性溶媒の存在下のいずれかで、式XXVIIの適切に置換されたエポキシドの反応によって式Iの他の化合物より製造してもよい。上記の反応は、0℃〜100℃に及ぶ温度で2〜72時間の間、実施してよく、ここで好ましい条件は、ジメチルホルムアミド、60℃で16時間である。
【0152】
スキーム14は、式Ih、Ii、Ijの化合物の代替的な製法に関連する。式Ijの化合物は、非プロトン溶媒中のカップリング試薬とジメチルアミノピリジン(DMAP)又はトリエチルアミンのような塩基の存在下に、式:HN(R10(ここでR10は、R中のアミド置換基について上記に記載される通りである)の化合物との反応によって式Iiの化合物より製造することができる。好適なカップリング剤には、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ポリマー結合性カルボジイミド、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが含まれる。好適な溶媒には、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが含まれる。好ましい条件には、ジメチルホルムアミド中のポリマー結合性カルボジイミド及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが含まれる。上記の反応は、約22℃〜約60℃の温度で約1時間〜約20時間の間、好ましくは約22℃で約18時間、行ってよい。
【0153】
式Iiの化合物は、式Ihの化合物と、水を加えたメタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような溶媒中の炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムのような塩基を、好ましくは水酸化カリウム及びメタノールを反応させることによって製造することができる。上記の反応は、22℃〜60℃の温度で1時間〜20時間の間、好ましくは22℃で18時間、行ってよい。
【0154】
式Ihの化合物は、塩基の存在下に、式:L−(CH)−COP(ここでLは、クロロ、ブロモ、ヨード、トシラート、又はメシレートのような好適な脱離基であり;そしてPは、アルキルのような好適な保護基である)の化合物との反応によって式Iの他の化合物より製造することができる。好適な塩基には、トリエチルアミン、ポリマー支持BEMP、炭酸セシウム、炭酸カリウム、及び水素化ナトリウムが含まれ;ポリマー支持BEMPが好ましい。上記の反応は、0℃〜100℃に及ぶ温度で、アセトニトリル、様々な組合せのアセトニトリル及びジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、等量のジメチルスルホキシド及びアセトン、又は等量のジメチルホルムアミド及びアセトンのような極性溶媒の存在下に、一般的には2時間〜72時間の間、実施してよく;ここで好ましい条件は、3:2の比のアセトニトリル及びジメチルホルムアミド、22℃で4時間である。
【0155】
スキーム15は、式Ik及びImの化合物の製法に関連する。式Imの化合物は、無溶媒系、又は限定されないが、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びテトラヒドロフランが含まれる極性溶媒の存在下のいずれかで、式:HN(R10(ここでR10は、R中のアミン置換基について上記に記載される通りである)の化合物と反応させることによって式Ikの化合物より製造することができる。上記の反応は、0℃〜100℃に及ぶ温度で2〜72時間の間、実施してよく、ここで好ましい条件は、メタノール、65℃で16時間である。
【0156】
式Ikの化合物は、塩基の存在下に、式XXVIII(ここでLは、クロロ、ブロモ、ヨード、トシラート、ノシラート、又はメシレートのような好適な脱離基である)の化合物との反応によって式Iの他の化合物より製造することができる。好適な塩基には、限定されないが、トリエチルアミン、ポリマー支持BEMP、炭酸セシウム、炭酸カリウム、及び水素化ナトリウムが含まれ;ポリマー支持BEMPが好ましい。上記の反応は、0℃〜100℃に及ぶ温度で、アセトニトリル、様々な組合せのアセトニトリル及びジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、等量のジメチルスルホキシド及びアセトン、又は等量のジメチルホルムアミド及びアセトンのような極性溶媒の存在下に、一般的には2時間〜72時間の間、実施してよく;ここで好ましい条件は、3:2の比のアセトニトリル及びジメチルホルムアミド、80℃で8時間である。
【0157】
本発明の化合物の上記に記載される様々な障害についての活性は、以下のアッセイの1以上に従って決定することができる。試験した本発明の化合物は、いずれも以下に記載する in vitro アッセイにおいて10μM未満のIC50を有した。
【0158】
好ましくは、本発明の化合物は、以下に記載する in vitro アッセイにおいて100nM未満、より好ましくは50nM未満、そして最も好ましくは10nM未満のIC50を有する。なおさらに、本発明の化合物は、好ましくは0.01nM〜100nMの範囲、より好ましくは0.05nM〜50nMの間、そして最も好ましくは0.10nM〜10nMの間のIC50を有する。
【0159】
薬理学的分析
ベンゾイルベンゾイルアデノシン三リン酸(bbATP)のような特定の化合物は、P2X受容体のアゴニストであり、形質膜に空孔の形成をもたらすことが知られている(Drug Development Research (1996), 37(3), p. 126)。必然的に、臭化エチジウム(蛍光DNAプローブ)の存在下にbbATPを使用してこの受容体を活性化すると、細胞内DNA結合臭化エチジウムの蛍光の増加が観察される。あるいは、プロピジウム色素のYOPRO−1を臭化エチジウムに代用して、この色素の取込みを検出してよい。蛍光の増加は、P2X受容体活性化の尺度として、それ故にある化合物のP2X受容体に対する効果を定量するために使用することができる。
【0160】
このやり方で、本発明の化合物についてP2X受容体でのアンタゴニスト活性を試験することができる。96ウェル平底マイクロタイタープレートを、10−4M臭化エチジウムを含有する200μlのTHP−1細胞懸濁液(2.5x10細胞/ml、より好ましくは、先の文献に記載のように、LPS及びTNFの組合せで予め刺激して受容体発現を促進させる)、10−5M bbATPを含有する25μlの高カリウム、低ナトリウム緩衝溶液(10mM Hepes,150mM KCl,5mM D−グルコース、及び1.0% FBS,pH7.5)、及び、3x10−5Mの試験化合物(より好ましくは5x10−4M、より好ましくは1x10−4M、より好ましくは1x10−3M)を含有する25μlの高カリウム緩衝溶液を含んでなる、250μlの試験溶液で満たす。このプレートをプラスチックシートでカバーして、37℃で1時間インキュベートする。次いで、このプレートをパーキン・エルマー蛍光プレートリーダー(励起520nm、放射595nm、スリット幅:Ex15nm,Em20nm)で読み取る。比較のために、bbATP(P2X受容体アゴニスト)とピリドキサール5−リン酸(P2X受容体アンタゴニスト)をこの試験で対照として別々に使用してよい。得られる読取り値より、それぞれの試験化合物についてpIC50値を計算することができる。この数字は、bbアゴニスト活性を50%抑制するのに必要な試験化合物の濃度の負の対数である。
【0161】
同じやり方で、本発明の化合物について、サイトカインIL−1βをリードアウトとして使用して、P2X受容体でのアンタゴニスト活性を試験することができる。健常ボランティアよりヘパリンの存在下に採取した血液を、Organon Technica(ペンシルヴェニア州ウェストチェスター)より得られるリンパ球分離培地を使用して分画する。帯状単核細胞を含有する、生じる勾配の領域を採取して、10mlの維持培地(RPMI 1640,5% FBS,25mM Hepes(pH7.2),1%ペニシリン/ストレプトマイシン)で希釈し、細胞を遠心分離により採取する。生じる細胞ペレットを10mlの維持培地に懸濁し、細胞カウントを実施した。平均的な実験では、96ウェルプレートの各ウェルへ2x10単核細胞を全量0.1mlで播く。単球を2時間付着させ、その後で上清を捨て、付着した細胞を2回濯いでから、維持培地において、5% CO環境に37℃で一晩インキュベートする。
【0162】
この培養した単球は、10ng/ml LPS(大腸菌血清型 055:B55;シグマケミカルズ、ミズーリ州セントルイス)で活性化することができる。2時間インキュベーションに続き、活性化培地を除去し、細胞を0.1mlのChase培地(RPMI 1640,1% FBS,20mM Hepes,5mM NaHCO,pH6.9)で2回濯いでから、試験薬剤を含有する0.1mlのChase培地を加え、プレートを30分間インキュベートする。それぞれの試験薬剤濃度は、同一3検体のウェルで評価することができる。次いで、ATPを導入して(100mMストック溶液、pH7より)、2mMの最終濃度を達成して、プレートを37℃でさらに3時間インキュベートする。培地を採取し、遠心分離により澄明にし、そのIL−1β含量をELISA(R&Dシステムズ;ミネソタ州ミネアポリス)によって決定した。
【0163】
本発明の組成物は、1以上の医薬的に許容される担体を使用して慣用的な手段で製剤化することができる。従って、本発明の活性化合物は、経口、頬内、鼻腔内、非経口(例、静脈内、筋肉内、又は皮下)、局所、又は直腸での投与用に製剤化しても、吸入又は通気による投与に適した形態で製剤化してもよい。
【0164】
経口投与では、医薬組成物は、例えば、錠剤又はカプセル剤の形態をとる場合があり、結合剤(例、ゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例、乳糖、微結晶性セルロース、又はリン酸カルシウム);滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、タルク、又はシリカ);崩壊剤(例、ジャガイモデンプン、又はナトリウムデンプングリコラート);又は湿潤剤(例、ラウリル硫酸ナトリウム)のような医薬的に許容される賦形剤を用いた慣用の手段によって調製してよい。錠剤は、当該技術分野でよく知られた方法によってコートしてよい。経口投与用の液体調製物は、例えば、溶液剤、シロップ剤、又は懸濁液剤の形態をとってよく、又はそれらは、使用前に水や他の好適な担体で構成するための乾燥製品として提示してもよい。このような液体調製物は、懸濁剤(例、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、又は水素添加食用脂肪);乳化剤(例、レシチン又はアカシア);非水系担体(例、ヘントウ油、油性エステル、又はエチルアルコール);及び保存剤(例、p−ヒドロキシ安息香酸メチル又はプロピル、又はソルビン酸)のような医薬的に許容される添加剤を用いた慣用の手段によって調製してよい。
【0165】
頬内投与では、組成物は、慣用の手段で製剤化した錠剤又はトローチ剤(lozenges)の形態をとってよい。
式Iの化合物は、当業者によく知られた方法に従って持続送達用に製剤化してもよい。そのような製剤の例は、米国特許第3,538,214,4,060,598,4,173,626、3,119,742、及び3,492,397号に見出すことができて、これらは、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0166】
本発明の活性化合物は、慣用のカテーテル挿入技術又は注入を使用することが含まれる、注射による非経口投与用に製剤化してよい。注射用の製剤は、単位剤形、例えば、保存剤を加えたアンプル剤又は多用量容器において提示してよい。この組成物は、油系又は水系の担体中の懸濁液剤、溶液剤、又は乳剤のような形態をとってよく、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤のような製剤化剤を含有してよい。あるいは、有効成分は、好適な担体、例えば、発熱物質を含まない滅菌水を用いた使用前の復元用の粉末型であってもよい。
【0167】
本発明の活性化合物は、例えば、ココア脂や他のグリセリドのような慣用の坐剤基剤を含有する、坐剤又は停留浣腸剤のような直腸組成物に製剤化してもよい。
鼻腔内投与又は吸入による投与では、本発明の活性化合物を、簡便には、溶液剤、乾燥粉末製剤、又は懸濁液剤の形態で、患者により搾出又は押出されるポンプスプレー容器からか、又は加圧容器又はネブライザーよりエアゾールスプレー提示として、好適な推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヘプタフルオロアルカン、二酸化炭素、又は他の好適な気体の使用を伴って送達する。加圧エアゾール剤の場合、投与単位は、目盛量を送達するための栓を提供することによって決定してよい。加圧容器又はネブライザーは、活性化合物の溶液剤又は懸濁液剤を含有してよい。吸入器又は通気器に使用のカプセル剤又はカートリッジ剤(例えば、ゼラチンより作製する)は、本発明の化合物と乳糖又はデンプンのような好適な粉末基剤の粉末ミックスを含有して製剤化してよい。
【0168】
上記に言及された状態(炎症)の治療用に平均的な成人へ経口、非経口、又は頬内投与するための本発明の活性化合物の提唱量は、0.1〜200mgの有効成分/単位量であり、例えば、1日につき1〜4回投与することができよう。
【0169】
式(I)の化合物とその医薬的に許容される塩及び溶媒和物は、それ自身で使用してもよいが、一般的には、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(有効成分)が医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と結びついている医薬組成物の形態で投与される。投与の形式に依存して、医薬組成物は、好ましくは、0.05〜99%w(重量百分率)、より好ましくは0.10〜70%wの有効成分、そして1〜99.95%w、より好ましくは30〜99.90%wの医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体を含有する(すべての重量百分率は、組成物全体に基づく)。
【0170】
上記に言及された状態の平均的な成人における治療用のエアゾール製剤は、好ましくは、エアゾールの各目盛量又は「パフ」が20μg〜1000μgの本発明の化合物を含有するように配置される。エアゾールでの全体の1日量は、100μg〜10mgの範囲内である。投与は、1日数回、例えば2、3、4又は8回であってよく、例えば、各回に1、2、又は3用量を与える。
【0171】
上記に言及された状態(例えば、成人呼吸窮迫症候群)の平均的な成人における治療用のエアゾール組合せ製剤は、好ましくは、エアゾールの各目盛量又は「パフ」が約1μg〜1000μgの本発明の化合物を含有するように配置される。エアゾールでの全体の1日量は、100μg〜10mgの範囲内である。投与は、1日数回、例えば2、3、4又は8回であってよく、例えば、各回に1、2、又は3用量を与える。
【0172】
上記に言及された状態(例えば、成人呼吸窮迫症候群)の平均的な成人における治療用のエアゾール製剤は、好ましくは、エアゾールの各目盛量又は「パフ」が約20μg〜1000μgの本発明の化合物を含有するように配置される。エアゾールでの全体の1日量は、100μg〜10mgのP2X受容体阻害剤の範囲内である。投与は、1日数回、例えば2、3、4又は8回であってよく、例えば、各回に1、2、又は3用量を与える。
【0173】
本発明には、式Iの化合物のプロドラッグを含有する医薬組成物と、プロドラッグを投与することを含んでなる治療又は予防の方法も含まれる。フリーのアミノ、アミド、ヒドロキシ、又はカルボキシル基を有する式Iの化合物は、プロドラッグへ変換することができる。プロドラッグには、アミノ酸残基、又は2以上(例えば、2、3、又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が式Iの化合物のフリーのアミノ、ヒドロキシ、又はカルボン酸基へペプチド結合を介して共有結合している化合物が含まれる。アミノ酸残基には、通常3つの文字記号で表記される20の天然に存在するアミノ酸が含まれ、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシルリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、及びメチオニンスルホンも含まれる。プロドラッグには、カーボネート、カルバメート、アミド、及びアルキルエステルがプロドラッグ側鎖のカルボニル炭素を介して式Iの上記の置換基へ共有結合している化合物も含まれる。
【0174】
以下の実施例は、本発明の化合物の製法を例示する。本発明は、本明細書に記載される特定の態様により範囲を限定されない。実際、本明細書に記載するものに加えて本発明の様々な修飾が先述の記載と付帯の図面より当業者に明らかになろう。そのような修飾は、付帯の特許請求項の範囲に該当すると企図される。本明細書に引用するすべての特許、特許出願、公開公報、試験法、文献、及び他の資料は、そのまま参照により本明細書に組み込まれる。融点は補正しない。NMRデータは、百万分率(d)で報告し、試料溶媒(他に特定しなければ、重水素クロロホルム)からの重水素ロックシグナルを対照とする。質量スペクトルデータは、Gilson勾配高速液体クロマトグラフ装備のMicromass ZMD APCI 質量分析計を使用して入手した。以下の溶媒及び勾配を分析に使用した。溶媒A;98%水/2%アセトニトリル/0.01%ギ酸、そして溶媒B;0.005%ギ酸を含有するアセトニトリル。典型的には、95%溶媒Aで始めて、100%溶媒Bで終わる約4分の間にわたり勾配を行った。次いで、165AMU〜1100AMUに及ぶ分子量を走査するポジティブ又はネガティブイオン形式で主要な溶出成分の質量スペクトルを入手した。比旋光度は、室温でナトリウムD線(589nm)を使用して測定した。市販の試薬は、さらなる精製なしに利用した。THFは、テトラヒドロフランを意味する。DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドを意味する。クロマトグラフィーは、32〜63mmシリカゲルを使用して実施して、窒素圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で遂行するカラムクロマトグラフィーを意味する。室温又は周囲温度は、20〜25℃を意味する。非水系の反応は、いずれも簡便のためと収率を最大化するために窒素気体下で行った。減圧での濃縮は、ロータリーエバポレーターを使用したことを意味する。
【0175】
当業者は、ある事例では、製造の間に基を保護することが必要とされる場合があることを理解されよう。標的分子を作製した後で、保護基は、Greene and Wuts「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、1999)に記載のように、当業者によく知られた方法によって外すことができる。
【0176】
実施例1
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド
【0177】
【化29】

【0178】
2−クロロ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
【0179】
【化30】

【0180】
HClガスで飽和したメタノール(500mL)中の2−クロロ−5−ヨード−安息香酸(25.63g,90ミリモル)の溶液を室温で48時間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮し、1:1 酢酸エチル/ジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(25.0g)を得た。
【0181】
2−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
【0182】
【化31】

【0183】
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の2−クロロ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(3.0g,10.17ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボラン(4.12g,16.27ミリモル)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン(0.37g,0.46ミリモル)、及び酢酸カリウム(4.48g,45.77ミリモル)の混合物を90℃で7時間、次いで室温でさらに16時間加熱した。この混合物を2:1 酢酸エチル−ジエチルエーテル(250mL)で希釈して、濾過した。濾液を水と塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、真空で濃縮した。ジエチルエーテルで溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、表題化合物(2.5g)を黒ずんだオイルとして得た。
【0184】
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−安息香酸メチルエステル
【0185】
【化32】

【0186】
1,4−ジオキサン(10mL)中の2−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(628mg,2.12ミリモル)、炭酸セシウム(1.38g,4.25ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(62mg,0.08ミリモル)、及び分子篩い(2g,4A(オングストローム))の混合物へ2−クロロ−5−メチルピリジン(226mg,1.77ミリモル)を加えた。この混合物を室温で数分間撹拌してから、80℃まで4時間温めた。さらなる分量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(120mg,0.10ミリモル)を加え、生じる混合物を80℃で16時間撹拌した。第二分量の2−クロロ−5−メチルピリジン(117mg,0.66ミリモル)を加えた。生じる混合物を80℃でさらに5時間撹拌した。この反応混合物をアセトニトリル(30mL)で希釈して、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配:5〜100%酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、表題化合物(146mg)を得た。
【0187】
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−安息香酸
【0188】
【化33】

【0189】
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−安息香酸メチルエステル(146mg,0.56ミリモル)のメタノール性水酸化カリウム(2.24mL,1M)溶液を80℃で16時間撹拌した。この反応混合物を1N HClで酸性化(pH3)して、真空で濃縮した。残渣をメタノールとともに徹底的に振り混ぜて、濾過した。濾液を真空で濃縮して、表題化合物(170mg)を得た。
【0190】
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド
【0191】
【化34】

【0192】
2−クロロ−5−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−安息香酸(73mg,0.29ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)溶液へ連続的に、それぞれの添加後に室温で10分間撹拌しながら、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(48mg,0.35ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(62mg,0.32ミリモル)、C−(1−p−トリル−シクロヘキシル)−メチルアミン(60mg,0.29ミリモル)、及びトリエチルアミン(31mg,0.31ミリモル)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(35mg)を得た。LCMS(m/z)433.2 M+1。
【0193】
以下の化合物は、実施例1の方法に従って作製することができる:
【0194】
【表1】

【0195】
【表2】

【0196】
実施例10
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−ベンズアミド
【0197】
【化35】

【0198】
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド(20mg,0.042ミリモル)のジクロロメタン(0.2mL)溶液へトリフルオロ酢酸(24mg,0.21ミリモル)及びアニソール(45mg,0.42ミリモル)を加えた。この混合物を110℃で16時間撹拌した。第二分量のトリフルオロ酢酸(0.2mL)及びアニソール(45μL)を加えて、この混合物を110℃でさらに6時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮乾固させ、ヘキサンで摩砕して、表題化合物(17mg)を橙色の固形物として得た。LCMS(m/z)358.5 M+1。
【0199】
実施例11
2−クロロ−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド
【0200】
【化36】

【0201】
2−クロロ−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル
【0202】
【化37】

【0203】
トリエチルアミン(40mL)中の2−クロロ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(3.5g,12ミリモル)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.04g,0.06ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.06g,0.24ミリモル)、ヨウ化銅(0.05g,0.24ミリモル)、(トリメチルシリル)アセチレン(1.9g,19.2ミリモル)の混合物を還流で12時間加熱した。この混合物を真空で濃縮し、酢酸エチル(150mL)で希釈して、10%クエン酸、水、及び塩水で連続的に洗浄した。この有機溶液を乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(3.14g)を得た。
【0204】
5−アセチル−2−クロロ−安息香酸メチルエステル
【0205】
【化38】

【0206】
ギ酸(50mL)中の2−クロロ−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(3.2g,12ミリモル)の混合物を還流で16時間加熱した。この混合物を室温へ冷やして、真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈して、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水、及び塩水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(1.4g)を得た。
【0207】
2−クロロ−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
【0208】
【化39】

【0209】
N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド中の5−アセチル−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(1.58g,7.5ミリモル)及びN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタールの溶液を90℃で3時間撹拌した。この混合物を室温へ冷やして、真空で濃縮した。残渣をエタノール(18mL)及びテトラヒドロフラン(2mL)で希釈した。ヒドラジン水和物(0.34mL)を加え、この混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配:0〜10%メタノール−酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(1.0g)を得た。
【0210】
2−クロロ−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸
【0211】
【化40】

【0212】
2−クロロ−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(4.5g,17.0ミリモル)のメタノール(20.0mL)溶液を水酸化カリウム(4.52g,80.0ミリモル)で処理した。この混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物を濃HClでpH4.0へ酸性化した。この混合物より真空でメタノールを除去した。残渣を室温で2時間撹拌し、固形物を濾過により採取し、水、2:1 ヘキサン/エーテルで洗浄し、乾燥させて、表題化合物(2.2g)を得た。
【0213】
2−クロロ−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド
【0214】
【化41】

【0215】
2−クロロ−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸(100mg、0.422ミリモル)のDMF(10mL)溶液へ1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(85mg,0.63ミリモル)、ポリスチレン支持1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.24g,1.27ミリモル)、及び1−アミノメチル−シクロヘプタノール塩酸塩(113.4mg,0.633ミリモル)を加えた。この混合物を室温で15分間撹拌してから、ポリスチレン支持N,N−ジメチルアミノピリジン(0.64g,0.93ミリモル)を加え、この混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物をガラスフリットに通して濾過して、残渣をメタノールで徹底的に洗浄した。濾液を真空で濃縮乾固させた。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(40mg)を白い固形物として得た。LC/MS(M/z):362.5(M+1)。
【0216】
以下の実施例は、実施例11の方法に従って作製することができる:
【0217】
【表3】

【0218】
【表4】

【0219】
【表5】

【0220】
実施例22
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸エチルエステル
【0221】
【化42】

【0222】
5−アセチル−2−クロロ−安息香酸エチルエステル(0.45g,2ミリモル)のトルエン(10mL)溶液へ0℃でカリウムtert−ブトキシド(2.0mL,2ミリモル、1M THF)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌してから、塩化シクロプロパンカルボニル(2.0mL,2ミリモル、1Mトルエン)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。ポリマー結合スルホン酸(3当量)を加え、この混合物を室温で10分間撹拌し、濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をエタノール(10mL)に溶かし、ヒドラジン(0.15mL)とともに室温で12時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、シリカ結合スルホン酸とともに10分間撹拌し、濾過し、メタノールで洗浄して、メタノール性アンモニア(1.0M)で溶出させた。この粗製残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル勾配)により精製して、表題化合物(0.05g)を得た。
【0223】
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸
【0224】
【化43】

【0225】
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸エチルエステル(0.05g,0.17ミリモル)のメタノール(4mL)溶液へKOH(0.12g)を加えた。この混合物を室温で16時間振り混ぜた。この混合物を10%クエン酸水溶液で酸性化して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水と塩水で洗浄し、真空で濃縮して、表題化合物(0.06g)を得た。
【0226】
2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド
【0227】
【化44】

【0228】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の2−クロロ−5−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸(0.06g,0.23ミリモル)、1−アミノメチル−シクロヘプタノール(0.082g,0.46ミリモル)、ポリスチレン支持カルボニルジイミダゾール(0.37g,0.46ミリモル)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.06g,0.46ミリモル)の混合物を室温で16時間振り混ぜた。MP−カーボネート(0.5g)を加え、生じる混合物を室温で2時間振り混ぜた。この混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.02g)を得た。LCMS(m/z)388.4 M+1。
【0229】
以下の実施例は、実施例22の方法に従って作製することができる:
【0230】
【表6】

【0231】
実施例25
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド
【0232】
【化45】

【0233】
ジメチルスルホキシド(50mL)中の2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド(5.0g,13.8ミリモル)及び炭酸セシウム(9.0g,27.7ミリモル)の混合物を室温で10分間撹拌した。ブロモエタノール(1.9g,15.2ミリモル)を加え、生じる混合物を80℃で12時間撹拌した。この混合物を室温へ冷やして、濾過した。濾液を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水と塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン−酢酸エチル−ジエチルエーテル(1:1:1,100mL)で摩砕し、酢酸エチルで洗浄して、表題化合物(3.3g)を得た。LCMS(m/z)406.1 M+1。
【0234】
以下の実施例は、実施例25の方法に従って作製することができる:
【0235】
【表7】

【0236】
【表8】

【0237】
【表9】

【0238】
実施例39
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド
【0239】
【化46】

【0240】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド(0.36g,1ミリモル)及び2−メトキシメチル−オキシラン(0.8mL)の混合物をN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)において90℃で12時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーに続く摩砕(1:1:1 ジエチルエーテル−ジクロロメタン−酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(0.08g)を得た。LCMS(m/z)450.1 M+1。
【0241】
以下の実施例は、実施例39の方法に従って作製することができる:
【0242】
【表10】

【0243】
【表11】

【0244】
実施例46
(3−{4−クロロ−3−[(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−カルバモイル]−フェニル}−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル
【0245】
【化47】

【0246】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド(1.08g,3ミリモル)、ポリスチレン上2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,2,3−ジアザホスホリン(2.0g,4.6ミリモル)、及びブロモ酢酸メチルエステル(0.69g,4.5ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルで摩砕して、表題化合物(1.05g)を得た。
【0247】
(3−{4−クロロ−3−[(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−カルバモイル]−フェニル}−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸
【0248】
【化48】

【0249】
メタノール(25mL)及び水(5mL)中の(3−{4−クロロ−3−[(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−カルバモイル]−フェニル}−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル(1.63g,3.76ミリモル)及び水酸化カリウム(1.12g,20ミリモル)の混合物を室温で6時間撹拌した。この混合物を10%クエン酸でpH6へ酸性化して、真空で濃縮した。この混合物がpH4に達するまで1M HClを加えた。生じる固形物を濾過により採取して、水、ヘキサン、及びジエチルエーテルで連続的に洗浄して、表題化合物(1.1g)を得た。
【0250】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−メチル−1−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド
【0251】
【化49】

【0252】
(3−{4−クロロ−3−[(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−カルバモイル]−フェニル}−5−メチル−ピラゾール−1−イル)−酢酸(41.9mg,0.1ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液へ1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20.25mg,0.15ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液とポリスチレン上カルボニルジイミダゾール(294mg,0.3ミリモル)を加えた。この混合物を室温で10分間振り混ぜた。ピロリジン(10.65mg,0.15ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中の溶液として加えた。ポリスチレン支持ジメチルアミノピリジン(152mg,0.22ミリモル)を加え、この混合物を室温で16時間振り混ぜた。MP−カーボネート樹脂(139mg,0.4ミリモル)を加え、この混合物を室温で3時間振り混ぜた。この混合物を濾過し、メタノールで洗浄して、真空で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(22mg)を得た。LCMS(m/z)473.4 M+1。
【0253】
以下の実施例は、実施例47の方法に従って作製することができる:
【0254】
【表12】

【0255】
【表13】

【0256】
実施例54
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1−オキシラニルメチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド
【0257】
【化50】

【0258】
アセトニトリル(60mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド(3.95g,11ミリモル)、ポリスチレン上2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,2,3−ジアザホスホリン(10.0g,23ミリモル)の混合物を室温で10分間撹拌した。2R−(−)−グリシジル3−ニトロベンゼンスルホネート(3.0g,12.5ミリモル)を加え、生じる混合物を80℃で8時間撹拌した。この混合物を濾過して、真空で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン−酢酸エチル−メタノール)により精製して、表題化合物(2.5g)を得た。
【0259】
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド
【0260】
【化51】

【0261】
メタノール性アンモニア(20mL,7.0N)中の2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−1−オキシラニルメチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミドの混合物を密封管において67℃まで16時間加熱した。この混合物を真空で濃縮し、残渣をジエチルエーテル−酢酸エチルで摩砕して、表題化合物(0.12g)を得た。LCMS(m/z)435.3 M+1。
【0262】
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド塩酸塩
【0263】
【化52】

【0264】
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド(1.05g,2.41ミリモル)のジクロロメタン(10.0mL)溶液へジエチルエーテル中2.0N塩酸(4.0mL,8.0ミリモル)を加えた。この混合物をエーテル(50mL)で希釈して、15分間撹拌した。沈殿した固形物を濾過により採取し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、表題化合物(1.0g)を得た:LCMS(m/z)435.3 M+1。
【0265】
以下の実施例は、実施例55の方法に従って作製することができる:
【0266】
【表14】

【0267】
実施例56
2−クロロ−5−(2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル
【0268】
【化53】

【0269】
n−ブタノール中の2−クロロ−5−エチニル−安息香酸メチルエステル(0.18,0.92ミリモル)及びアジ化トリメチルシリル(0.16g,1.39ミリモル)の混合物を加熱して16時間還流させた。第二分量のアジ化トリメチルシリル(0.16g,1.39ミリモル)を加え、この混合物をさらに16時間還流させた。第三分量のアジ化トリメチルシリル(0.16g,1.39ミリモル)を加え、この混合物をさらに16時間還流させた。シリカゲルを加え、この混合物を真空で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン−酢酸エチル)により精製して、表題化合物(0.095g)を得た。
【0270】
2−クロロ−5−(2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸
【0271】
【化54】

【0272】
2−クロロ−5−(2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル(0.095g,0.4ミリモル)のメタノール(2mL)溶液へ水酸化カリウム(0.25g)を加えた。この混合物を室温で12時間振り混ぜた。この混合物をメタノールで希釈して、HCl(2mL,6M)で酸性化した。この混合物を真空で濃縮し、水で希釈して、音波処理した。固形物を濾過により採取し、ヘキサンで洗浄して、表題化合物(0.075g)を得た。
【0273】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンズアミド
【0274】
【化55】

【0275】
2−クロロ−5−(2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸(0.03g,0.136ミリモル)のDMF(1.0mL)溶液へ1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(28mg,0.204ミリモル)、ポリスチレン支持1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.4g,0.4ミリモル)、及び1−アミノメチル−シクロヘプタノール塩酸塩(0.036g,0.204ミリモル)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌してから、ポリスチレン支持N,N−ジメチルアミノピリジン(0.2g,0.29ミリモル)を加え、この混合物を室温で16時間振り混ぜた。MP−カーボネート(200mg)を加え、この混合物を室温で3時間振り混ぜた。この混合物を濾過して、メタノールで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、逆相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(22mg)を得た。LCMS(m/z)349.3 M+1。
【0276】
実施例57
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(1H−イミダゾール−4−イル)−ベンズアミド
【0277】
【化56】

【0278】
2−クロロ−5−ホルミル−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド(50mg,0.16ミリモル)及び水酸化アンモニウム(0.5mL,0.44ミリモル)のTHF(5mL)溶液を室温で6時間撹拌した。p−トルエンスルホニルメチルイソシアネート(21mg,0.11ミリモル)とピペラジン(14mg,0.16ミリモル)を加え、この混合物を室温で5日間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水で希釈した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣をHCl(20mL,1M)に溶かし、酢酸エチルで洗浄した。水層を水酸化ナトリウム(6M)でpH12へ鹸化して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(12mg)を白い固形物として得た。
【0279】
2−クロロ−5−[1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシ−プロピル)−1H−イミダゾール−4−イル]−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド
【0280】
【化57】

【0281】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(1H−イミダゾール−4−イル)−ベンズアミド(5mg,0.014ミリモル)及び2−フルオロメチル−オキシラン(0.06mL,0.086ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)溶液を密封管において65℃で20時間加熱した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(5.2mg)を得た。
【0282】
実施例58
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(ヒドロキシイミノ−メチル)−ベンズアミド
【0283】
【化58】

【0284】
2−クロロ−5−ホルミル−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド(290mg,0.94ミリモル)、塩酸ヒドロキシルアミン(78mg,1.13ミリモル)、及び酢酸ナトリウム(223mg,2.72ミリモル)のメタノール(5mL)及び水(5mL)溶液を室温で3時間撹拌した。この混合物を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、シリカゲル上へ吸着させた。残渣をクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、表題化合物(140mg)を得た。
【0285】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−イソオキサゾール−3−イル]−ベンズアミド
【0286】
【化59】

【0287】
ジクロロメタン(2mL)中の2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(ヒドロキシイミノ−メチル)−ベンズアミド(50mg,0.15ミリモル)、ブト−3−イン−1−オール(27mg,0.38ミリモル)、次亜塩素酸ナトリウム(1mL,4%)、及びトリエチルアミン(2滴)の混合物を室温で5日間撹拌した。この混合物を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、シリカゲル上へ吸着させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(65%酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、表題化合物(13mg)を得た。
【0288】
実施例59
5−(2−ブロモ−アセチル)−2−クロロ−安息香酸メチルエステル
【0289】
【化60】

【0290】
5−アセチル−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(100mg,0.47ミリモル)の氷酢酸(5mL)溶液へ臭素(0.05mL,0.94ミリモル)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。臭化水素酸−酢酸(2滴、30%)を加えて、この混合物を10分間撹拌した。この混合物を真空で濃縮して、表題化合物(140mg)を得た。
【0291】
2−クロロ−5−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル
【0292】
【化61】

【0293】
エタノール(2mL)中の5−(2−ブロモ−アセチル)−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(25mg,0.09ミリモル)及びチオアセトアミド(6.5mg,0.08ミリモル)の混合物を50℃で15分間撹拌した。この混合物を室温へ冷やして、真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、水、及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(10mg)を得た。
【0294】
2−クロロ−5−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−安息香酸
【0295】
【化62】

【0296】
tert−ブタノール(1mL)中の2−クロロ−5−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル(10mg,0.04ミリモル)及び水酸化ナトリウム(80μL,1M水溶液、0.08ミリモル)の混合物を室温で3日間撹拌した。この混合物を真空で濃縮乾固させ、水(5mL)に溶かし、pH6へ酸性化して(1M HCl)、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(7mg)を得た。
【0297】
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−ベンズアミド
【0298】
【化63】

【0299】
N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の2−クロロ−5−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(7mg,0.027ミリモル)、1−アミノメチル−シクロヘプタノール(6mg,0.03ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5mg,0.03ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(6mg,0.03ミリモル)、及びトリエチルアミン(5μL,0.03ミリモル)の混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈して、5%クエン酸、水、次いで塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、表題化合物(3.4mg)を得た。
【0300】
実施例60
実施例1〜59の化合物について、サイトカインIL−1βをリードアウトとして使用して、P2X受容体でのアンタゴニスト活性を試験した。健常ボランティアよりヘパリンの存在下に血液を採取し、Organon Technica(ペンシルヴェニア州ウェストチェスター)より得られるリンパ球分離培地を使用して分画した。帯状単核細胞を含有する、生じる勾配の領域を採取して、10mlの維持培地(RPMI 1640,5% FBS,25mM Hepes(pH7.2),1%ペニシリン/ストレプトマイシン)で希釈し、単核細胞を遠心分離により採取した。生じる細胞ペレットを10mlの維持培地に懸濁し、細胞カウントを実施した。96ウェルプレートの各ウェルへ約2x10単核細胞を全量0.1mlで播いた。単球を2時間付着させ、その後で上清を捨て、付着した細胞を2回濯いでから、維持培地において、5% CO環境に37℃で一晩インキュベートした。
【0301】
この培養した単球を10ng/ml LPS(大腸菌血清型 055:B55;シグマケミカルズ、ミズーリ州セントルイス)で活性化した。2時間インキュベーションに続き、活性化培地を除去し、細胞を0.1mlのChase培地(RPMI 1640,1% FBS,20mM Hepes,5mM NaHCO,pH6.9)で2回濯いでから、実施例1〜59の化合物を含有する0.1mlのChase培地を加え、プレートを30分間インキュベートし、実施例1〜59の各化合物について、同一3検体のウェルで評価した。次いで、ATPを導入して(100mMストック溶液、pH7より)、2mMの最終濃度を達成して、プレートを37℃でさらに3時間インキュベートした。培地を採取し、遠心分離により澄明にし、そのIL−1β含量をELISA(R&Dシステムズ;ミネソタ州ミネアポリス)によって決定した。ATPによる単球からのIL−1β放出の刺激を50%阻害する、実施例1〜59の化合物の能力(即ち、「IC50」)を表1に報告する:
【0302】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中:Rは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、オキソ、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1又は2の残基で置換されていてもよい(C〜C)アルキルであり;
ここで前記R(C〜C)アルキルは、(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリールより独立して選択される1又は2の基で置換されていてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル基は、アダマンチル以外であり;ここで前記(C〜C)アルキル及び(C〜C10)シクロアルキルは、オキソで置換されていてもよく;ここで前記(C〜C10)ヘテロアリールは、フラニル、チオフェニル、ベンズチオフェニル、ベンズフラニル、及びクロマニルより選択され;ここで前記(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリール基のそれぞれは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により置換されてもよく;ここで前記(C〜C10)シクロアルキル及び(C〜C10)アリール残基は、ハロ、(C〜C)アルキル、−CN、及び(C〜C)アルコキシより独立して選択される1〜3の部分により置換されていてもよく;
は、ハロ、−CN、又は(C〜C)アルキルであり;ここで前記(C〜C)アルキルは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、CFO−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]N−、(C〜C)アルキル−S−、(C〜C)アルキル−(S=O)−、(C〜C)アルキル−(SO)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、及び(C〜C)シクロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3の残基により置換されていてもよく;
は、置換されていてもよい炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルであり;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜3のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの炭素原子上にあってもよく;ここで前記随意の置換基は、環につき1〜2のRでの置換が可能な前記(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルのどの窒素原子上にあってもよく;
ここでそれぞれのRは、ハロ、−CN、NH、ヒドロキシ、HN(C=O)−、HN−SO、及び置換されていてもよいR置換基からなる群より独立して選択され;
ここで前記置換されていてもよいR置換基は、(C〜C)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、(C〜C10)ヘテロアリール、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−からなる群より選択され;
ここで前記(C〜C10)ヘテロシクリルの炭素原子上のどの2つのR残基も、一緒になってオキソ基又はスピロ(C〜C)炭素環式又は(C〜C)複素環式基を形成してよく;
ここでそれぞれのRは、HN(C=O)−と以下の置換されていてもよいR基:(C〜C)アルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、及び(C〜C)アルキル−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記置換されていてもよいR置換基のそれぞれは、ハロ、NH、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルキル−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−、(C〜C)アルコキシ−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、及び置換されていてもよいR基からなる群より独立して選択される1〜3の基で置換されてよく;
ここで前記置換されていてもよいR基のそれぞれは、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、(C〜C10)ヘテロアリール、フェノキシ、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C10)アリール−SO−、及び(C〜C10)ヘテロアリール−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記置換されていてもよいR基のそれぞれは、ハロ、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)ヘテロアリール、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]−N−SO−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されていてもよく;
ここで前記置換されていてもよいR基のそれぞれは、ハロ、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)O−、((C〜C)アルキル)N−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、HN−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び[(C〜C)アルキル]N−SO−、及び置換されていてもよいR基からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されてよく;
ここで前記置換されていてもよいR基のそれぞれは、(C〜C10)アリール、(C〜C10)シクロアルキル−NH(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−NH−(C=O)−、(C〜C10)アリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C〜C10)アリール−SO−、(C〜C10)ヘテロアリール−SO−からなる群より独立して選択され;
ここで前記置換されていてもよいR基のそれぞれは、ハロ、(C〜C)アルキル、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、((C〜C)アルキル)−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されてよい]の化合物(ここで、式Iの前記化合物の分子量は700AMU未満である)、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
が、ハロ又は(C〜C)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、1又は2の(C〜C10)シクロアルキルで置換される(C〜C)アルキルであり;
ここで前記(C〜C)アルキルはまた、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、及び(C〜C)アルコキシからなる群より独立して選択される1〜3の残基により置換されていてもよく;
ここで前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)シクロアルキルより独立して選択される1〜3の残基により置換されていてもよく;そして
前記(C〜C10)シクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、−CN、(C〜C)アルキル、HO(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−NH(C=O)−、NH(C=O)−、(C〜C)アルコキシ、及び(C〜C10)アリールからなる群より選択される残基により(C〜C)アルキル連結でスピロ置換されてよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、1〜3のRでの置換が可能な、炭素原子上で置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルであり;
ここで前記Rは、(C〜C)アルコキシ又はフェノキシであり;
ここでRは、ハロ、ヒドロキシ、−CN、−NH、及び(C〜C)アルコキシ、及び、(C〜C)アルキル−(C=O)−及び(C〜C)アルキル−O(C=O)−からなる群より選択される置換されていてもよいR置換基からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されていてもよいか、又は
ここでRは、ハロ、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]NH−SO−、[(C〜C)アルキル]−SO−、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C10)アリール−NH−、NH(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より選択される1つの置換基で置換されていてもよい(C〜C10)ヘテロシクリルで置換されていてもよい、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)ヘテロシクリル、(C〜C10)アリール、及び(C〜C10)ヘテロアリールからなる群より独立して選択される1〜3の置換されていてもよいR置換基での置換が可能な、どの炭素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
が、HNSO−からなる群より選択される1つのRと、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−NH−SO−、及び((C〜C)アルキル)N−SO−からなる群より選択される置換されていてもよいR置換基での置換が可能な、どの炭素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
が、環につき1つのRでの置換が可能な、どの窒素原子上でも置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロアリール又は(C〜C10)ヘテロシクリルであり;
ここでRは、ハロ、−CN、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−(C=O)O−、HN−(C=O)O−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)O−、((C〜C)アルキル)N−(C=O)O−、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、(C〜C)アルキル−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)NH−、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN(C=O)−、[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O(C=O)−と、(C〜C10)アリール、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−NH(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−NH−(C=O)−、(C〜C10)アリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C〜C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C〜C10)ヘテロシクリル−(C=O)−、(C〜C10)アリール−(C=O)−、及び(C〜C10)ヘテロアリール−(C=O)−からなる群より選択される置換されていてもよいRからなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されていてもよい(C〜C)アルキル−であり;
ここで前記置換されていてもよいRは、ハロ、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、(C〜C)アルコキシ、NH、(C〜C)アルキル−NH−、[(C〜C)アルキル]−N−、HN(C=O)−、(C〜C)アルキル−NH−(C=O)−及び[(C〜C)アルキル]−N−(C=O)−からなる群より独立して選択される1〜3の置換基で置換されてよい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が、式II(a)〜II(j):
【化2】

の好適に置換される5員の炭素連結(C〜C)ヘテロシクリルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
が、1〜3のR置換基を含有する、式III(a)〜III(h):
【化3】

の6員の炭素連結(C〜C)ヘテロシクリルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
が、1〜3のRを含有する、式IV(a)〜IV(n):
【化4】

の縮合二環式炭素連結(C〜C10)ヘテロシクリルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
が、式V(a)〜V(d):
【化5】

の好適に置換される、オキソ置換される炭素連結(C〜C10)ヘテロシクリルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
2−クロロ−5−[1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
5−[1−(2−アミノ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
5−[1−(2−アミノ−エチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(1H−ピラゾール−3−イル)−N−(1−p−トリル−シクロヘキシルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−{1−[(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{5−メチル−1−[(メチルカルバモイルメチル−カルバモイル)−メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−5−{1−[(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチルカルバモイル)−メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−ベンズアミド;
2−クロロ−5−{1−[2−(3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミド;及び
5−[1−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−クロロ−N−(1−ヒドロキシ−シクロヘプチルメチル)−ベンズアミドからなる群より選択される化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量と、医薬的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風性関節炎、及び急性滑膜炎からなる群より選択される障害をその治療の必要な哺乳動物において治療する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量を前記哺乳動物へ投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項15】
慢性関節リウマチをその治療の必要な哺乳動物において治療する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量を前記哺乳動物へ投与することを含んでなる、前記方法。

【公表番号】特表2006−525991(P2006−525991A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506618(P2006−506618)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001525
【国際公開番号】WO2004/099146
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】