説明

PI3キナーゼ阻害物質としてのキノキサリン誘導体

本発明は、キノキサリン誘導体を用いるPI3キナーゼの活性/機能を阻害する方法である。本発明はまた、キノキサリン誘導体の投与による、自己免疫障害、炎症性疾患、心血管疾患、神経変性疾患、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器機能不全、腎疾患、血小板凝集、癌、精子運動性、移植拒絶反応、移植片拒絶反応および肺損傷からなる群から選択される1つ以上の病態の治療方法である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
R1は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII):
【化2】

からなる群から選択される置換されていてもよい環系であり;
R2、R3およびR4は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボキシ、アミノアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシおよびアリールオキシから独立して選択され;
nは、0〜2であり;
Xは、CまたはNであり;Yは、C、O、NまたはSである]
で示される化合物および/またはその医薬上許容される塩(ただし、
式(V)〜(VIII)の各々において、少なくとも1つのYは炭素ではなく;
また、式(VIII)は少なくとも1つのオキソ基で置換されており;
また、R1はイミダゾリジンジオンではなく、R1が4−ピリジニルである場合にはR2は置換アリール、チエニルまたは置換チエニルではない)。
【請求項2】
R1が、式(II)、(III)および(IV)からなる群から選択される、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
R1が、少なくとも1つの窒素を含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R1が、式(V)および(VI)からなる群から選択され、ここで、YがCまたはNである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
R1が、式(VII)および(VIII)からなる群から選択される、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
R1が置換されていてもよいピリジニル環である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R3およびR4が水素であり、R2が、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、C1〜6アルキルおよび置換C1〜6アルキルからなる群から選択される、請求項1〜6いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩(ただし、R2はチエニルまたは置換チエニルではない)。
【請求項8】
式(I)(G):
【化3】

[式中、
R2、R3、R4およびR5は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボキシ、アミノアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールシクロアルキル、置換アリールシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アシルオキシおよびアリールオキシから独立して選択されるか;
または、R5はR6であり、ここで、R6は−SO2NR80または−NSO2R80であり、ここで、R80は、C1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヘテロシクロアルキル、置換C1〜C6アルキル、置換C1〜C6シクロアルキル、置換C1〜C6ヘテロシクロアルキル、5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいアリール、または5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
nは0〜2であり、mは0〜2である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩(ただし、R2はチエニルまたは置換チエニルではない)。
【請求項9】
化合物が、式(I)(H):
【化4】

[式中、R2は、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルコキシ、C1〜6アルキルおよび置換C1〜6アルキルからなる群から選択され;
R3およびR4は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、シアノ、ヒドロキシルおよびアルコキシから独立して選択され;
R5は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、ニトロから独立して選択されるか;またはR5はR6であり、ここで、R6は−SO2NR80または−NSO2R80であり、ここで、R80は、C1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヘテロシクロアルキル、置換C1〜C6アルキル、置換C1〜C6シクロアルキル、置換C1〜C6ヘテロシクロアルキル、5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいアリール、または5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
nは0〜2であり、mは0〜2である]
で示される化合物である、請求項8記載の化合物またはその医薬上許容される塩(ただし、R2はチエニルまたは置換チエニルではない)。
【請求項10】
化合物が、式(I)(J):
【化5】

[式中、
R2は、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルコキシ、C1〜6アルキルおよび置換C1〜6アルキルからなる群から選択され;
R3およびR4は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、シアノ、ヒドロキシルおよびアルコキシから独立して選択され;
R5は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、置換C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、置換C3〜7ヘテロシクロアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、ニトロから独立して選択され;
R6は−SO2NR80または−NSO2R80であり、ここで、R80は、C1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヘテロシクロアルキル、置換C1〜C6アルキル、置換C1〜C6シクロアルキル、置換C1〜C6ヘテロシクロアルキル、5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいアリール、または5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
nは0〜2であり、mは0〜2である]
で示される化合物である、請求項8記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項11】
化合物が、式(I)(M):
【化6】

[式中、
R2は、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノアルコキシ、C1〜6アルキルおよび置換C1〜6アルキルからなる群から選択され;
R5は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシから独立して選択され;
mは0〜1であり;
R6は−NSO2R80であり、ここで、R80は、C1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヘテロシクロアルキル、置換C1〜C6アルキル、置換C1〜C6シクロアルキル、置換C1〜C6ヘテロシクロアルキル、5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいアリール、または5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、nは0〜2である]
で示される化合物である、請求項8記載の化合物。
【請求項12】
化合物が、式(I)(N):
【化7】

[式中、
R2は、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アミノ、置換アミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ アルコキシ、C1〜6アルキルおよび置換C1〜6アルキルからなる群から選択され;
R5は各々、水素、ハロゲン、アシル、アミノ、置換アミノ、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシから独立して選択され;
mは0〜1であり;
R6は−SO2NR80であり、ここで、R80は、C1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヘテロシクロアルキル、置換C1〜C6アルキル、置換C1〜C6シクロアルキル、置換C1〜C6ヘテロシクロアルキル、5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいアリール、または5員環と縮合していてもよいかまたはC1〜C6アルキル、C1〜C6シクロアルキル、ハロゲン、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソもしくは−(CH2)nCOOHからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、nは0〜2である]
で示される化合物である、請求項8記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜12いずれか1項記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
ヒトにおける1つ以上のホスファトイノシチド3−キナーゼ(PI3K)を阻害する方法であって、該ヒトに請求項1〜12いずれか1項記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の治療上有効量を投与することを含む、方法。
【請求項15】
ヒトにおける自己免疫障害、炎症性疾患、心血管疾患、神経変性疾患、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器機能不全、腎疾患、血小板凝集、癌、精子運動性、移植拒絶反応、移植片拒絶反応および肺損傷からなる群から選択される1つ以上の病態を治療する方法であって、該治療を必要とするヒトに請求項1〜12いずれか1項記載の化合物の治療上有効量を投与することを含む、方法。
【請求項16】
請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびに、微小管阻害薬、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生物質、トポイソメラーゼII阻害物質、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI阻害物質、ホルモンおよびホルモンアナログ、シグナル伝達経路阻害物質、非受容体チロシンキナーゼ血管新生抑制剤、免疫療法薬、アポトーシス促進剤および細胞周期シグナル阻害物質から選択される抗腫瘍薬のような少なくとも1つの抗腫瘍薬を共投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項17】
疾患が癌である、請求項15記載の方法。
【請求項18】
癌が、脳腫瘍(神経膠腫)、神経膠芽腫、白血病、バンナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、骨芽細胞腫、結腸癌、頭頚部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫および甲状腺癌からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
疾患が、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌および白血病からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項20】
PI3キナーゼがPI3αである、請求項14記載の方法。
【請求項21】
請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩が医薬組成物にて投与される、請求項14記載の方法。

【公表番号】特表2010−526823(P2010−526823A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507641(P2010−507641)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/063010
【国際公開番号】WO2008/141065
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(591002957)グラクソスミスクライン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (341)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline LLC
【Fターム(参考)】