説明

PLL回路

【課題】 電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できるPLL回路を提供する。
【解決手段】 位相の進み/遅れを検出器11で検出し、位相の進み/遅れに相当する信号を積分器12で積分し、起動パルス生成部13が、電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスをLPF5と積分器12に出力し、LPF5と積分器12が、起動パルス生成部13からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するPLL回路である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL(Phase Locked Loop)回路に係り、特に、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できるPLL回路に関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
[従来のPLL回路:図6]
次に、従来のPLL回路について図6を参照しながら説明する。図6は、一般的PLL回路の構成ブロック図である。
PLL回路は、図6に示すように、外部基準信号(Fref )と1/N分周された信号を比較し、位相差信号を出力する位相比較器(Phase Comparator)102と、位相差をパルス幅の電圧で出力するチャージポンプ(Charge Pump)103と、チャージポンプ103からの出力電圧を平滑化するループフィルタ(Loop Filter)104と、ループフィルタ104からの制御電圧によって周波数を変更して希望する周波数(内部基準信号:Output Frequency)を発振出力する電圧制御機能付き水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)105と、VCXO105の出力(内部基準信号)を1/Nに分周する分周器(Divider)106とを備えている。
尚、内部基準信号は、N×Fref の信号である。
【0003】
PLL回路は、外部より入力された基準信号と内部のVCXO105の位相差が一定になるよう、内部のVCXO105に対してフィードバック制御をかけることで、基準信号に同期した発振器出力を得るものである。
【0004】
具体的には、位相比較器102は、高安定な外部基準信号と、入力電圧により周波数制御するVCXO105からの出力信号との位相を比較し、位相比較結果を平滑化した直流電圧がVCXO105にフィードバックされるPLL制御を行うことで、高精度の信号生成を行うものである。PLL回路は、通信、放送装置などにおいて広く使用されている。
【0005】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2003−008433号公報「PLL回路」(宮城日本電気株式会社)[特許文献1]、特開2007−259170号公報「PLL回路」(日本電波工業株式会社)[特許文献2]がある。
【0006】
特許文献1には、PLL回路において、位相差検出手段の後段で積分回路の前段に積分回路入力制御手段を設け、位相差が所定の範囲内であれば、出力をハイ・インピーダンスとし、位相差が所定範囲外であれば出力をHレベル又はLレベルのいずれかに固定することが示されている。
【0007】
特許文献2には、PLL回路において、OCXO1からの基準周波数信号を第3の分周器9で分周し、VCXO8からの出力信号を第4の分周器10で分周して位相進み/遅れ検出器11で位相の進みと遅れを検出し、その検出結果を積分器12で積分してLPF5からの出力に加算して増幅器7に出力し、第1の分周器2と第2の分周器3の出力周波数は最大公約数で求められる周波数より高い周波数とし、第3の分周器9と第4の分周器10の出力は同じ周波数となるまで分周するものであり、ループゲインを大きくでき、位相ノイズ特性を改善でき、位相の進み/遅れに応じてロックを維持できることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−008433号公報
【特許文献2】特開2007−259170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のPLL回路では、位相比較周波数が低くなるにつれて、ローパスフィルタ、積分器のコンデンサ容量が大きくなる傾向にあるが、コンデンサ容量が大きくなるに従って、電圧制御型水晶発振器への制御電圧の中心付近になるまでの時間が遅くなり、電源起動からロックまで長くなってしまうという問題点があった。
【0010】
また、電源断の時にコンデンサの電荷が放電されるまでに時間を要し、一時的に電子部品への過電圧状態になるという問題点があった。
【0011】
尚、特許文献2では、ループゲインを大きくでき、位相ノイズ特性を改善でき、位相の進み/遅れに応じてロックを維持できるものではあるが、電源起動からロックまでの時間を短くし、電源断時に電荷を速く放電できる構成とはなっていないものである。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであり、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できるPLL回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、電圧制御機能付き水晶発振器を備えるPLL回路であって、基準周波数信号を入力し、分周する第1の分周器と、水晶発振器からの出力を分周する第2の分周器と、第1の分周器からの出力と第2の分周器からの出力との位相を比較し、位相差の信号を出力する位相比較器と、位相比較器からの出力を低域通過させる低域通過フィルタと、基準周波数信号を入力し、分周する第3の分周器と、水晶発振器からの出力を分周する第4の分周器と、第3の分周器からの出力と第4の分周器からの出力とを入力し、位相の進み又は遅れを検出して位相の進み又は遅れに対応する信号を出力する位相進み/遅れ検出器と、第4の分周器からの出力から電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスを出力する起動パルス生成部と、位相進み/遅れ検出器からの信号を積分すると共に、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電する積分器と、低域通過フィルタからの出力に積分器からの出力を加算する加算器とを有し、水晶発振器は、加算器からの出力に基づいて電圧制御が為されるものであり、低域通過フィルタは、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で前記内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するものであることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記PLL回路において、低域通過フィルタと積分器が、電源断によって内部のコンデンサに充電された電荷を放電する回路を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記PLL回路において、位相進み/遅れ検出部が、第3の分周器から出力される信号の立ち上がりを起点として、第4の分周器からの信号の立ち上がりの位相位置が、進んでいれば論理ロー(L)レベルを出力し、遅れていれば論理ハイ(H)レベルを出力する論理回路であることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記PLL回路において、低域通過フィルタが、位相比較器からの出力を入力する入力端子と、加算器への出力端子と、入力端子と出力端子との間に第1の抵抗が直列に接続され、第1の抵抗と出力端子との間に、第2の抵抗の一端が接続すると共に第2の抵抗の他端が第1のコンデンサの一端に接続し、第1のコンデンサの他端が接地し、第1の抵抗と出力端子との間に、第3の抵抗の一端が接続すると共に第3の抵抗の他端が第1のダイオードのカソードに接続し、第1のダイオードのアノードが起動パルス生成部からのパルスを入力する端子に接続し、第1の抵抗と出力端子との間に、第2のダイオードのアノードが接続すると共に第2のダイオードのカソードが電源電圧端子に接続する構成であることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記PLL回路において、低域通過フィルタが、位相比較器からの出力を入力する入力端子と、加算器への出力端子と、入力端子と出力端子との間に第1の抵抗が直列に接続され、第1の抵抗と出力端子との間に、第2の抵抗の一端が接続すると共に第2の抵抗の他端が第1のコンデンサの一端に接続し、第1のコンデンサの他端が接地し、第2の抵抗の他端と第1のコンデンサの一端との間に、第3の抵抗の一端が接続すると共に第3の抵抗の他端が第1のダイオードのカソードに接続し、第1のダイオードのアノードが起動パルス生成部からのパルスを入力する端子に接続し、第2の抵抗の他端と第1のコンデンサの一端との間に、第2のダイオードのアノードが接続すると共に第2のダイオードのカソードが電源電圧端子に接続する構成であることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記PLL回路において、積分器が、位相進み/遅れ検出器からの出力を入力する入力端子と、起動パルス生成部からのパルスを入力するパルス入力端子と、積分出力を出力する出力端子とを備え、入力端子からの入力をオアゲートの一方の入力端子とアンドゲートの一方の入力端子に入力し、パルス入力端子からの出力をオアゲートの他方の入力端子に入力すると共に、パルス入力端子からの出力をインバータゲートで反転してオアゲートの他方の入力端子に入力し、入力端子からの出力が第4の抵抗を介してオペアンプの一方の入力端子に入力されると共に、オペアンプの他方の入力端子は基準電圧端子に接続され、オペアンプの一方の入力端子と出力端子との間が第5の抵抗と第6の抵抗が直列に接続され、第6の抵抗には第2のコンデンサが並列接続され、第5の抵抗と第6の抵抗との間に、第3のダイオードのアノードが接続すると共に第3ダイオードのカソードが電源供給端子に接続し、オアゲートの出力端子が第4のダイオードのカソードに接続し、アンドゲートの出力端子が第5のダイオードのアノードに接続し、第4のダイオードのアノードと第5のダイオードのカソードが第7の抵抗の一端に接続すると共に、第7の抵抗の他端が第5の抵抗と第6の抵抗の間に接続する構成であることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記PLL回路において、積分器が、位相進み/遅れ検出器からの出力を入力する入力端子と、起動パルス生成部からのパルスを入力するパルス入力端子と、積分出力を出力する出力端子とを備え、入力端子からの出力が第8の抵抗を介してオペアンプの一方の入力端子に入力されると共に、オペアンプの他方の入力端子は基準電圧端子に接続され、オペアンプの一方の入力端子と出力端子との間が第9の抵抗と第10の抵抗が直列に接続され、第10の抵抗には第3のコンデンサが並列接続され、第9の抵抗と第10の抵抗との間に、第6のダイオードのアノードが接続すると共に第6ダイオードのカソードが電源供給端子に接続し、パルス入力端子が第7のダイオードのアノードが接続すると共に、第7のダイオードのカソードが第11の抵抗を介して第9の抵抗と第10の抵抗の間に接続する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の分周器が、基準周波数信号を入力して分周し、第2の分周器が、水晶発振器からの出力を分周し、位相比較器が、第1の分周器からの出力と第2の分周器からの出力との位相を比較し、位相差の信号を出力し、低域通過フィルタが、位相比較器からの出力を低域通過させ、第3の分周器が、基準周波数信号を入力して分周し、第4の分周器が、水晶発振器からの出力を分周し、位相進み/遅れ検出器が、第3の分周器からの出力と第4の分周器からの出力とを入力し、位相の進み又は遅れを検出して位相の進み又は遅れに対応する信号を出力し、起動パルス生成部が、第4の分周器からの出力から電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスを出力し、積分器が、位相進み/遅れ検出器からの信号を積分すると共に、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電し、加算器が、低域通過フィルタからの出力に積分器からの出力を加算し、水晶発振器が、加算器からの出力に基づいて電圧制御が為されるものであり、低域通過フィルタが、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するPLL回路としているので、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るPLL回路の構成ブロック図である。
【図2】LPFの回路図である。
【図3】別のLPFの回路図である。
【図4】積分器の回路図である。
【図5】別の積分器の回路図である。
【図6】一般的PLL回路の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るPLL回路は、位相比較器が、第1の分周器からの出力と第2の分周器からの出力との位相を比較し、位相差の信号を出力し、低域通過フィルタが、位相比較器からの出力を低域通過させ、位相進み/遅れ検出器が、第3の分周器からの出力と第4の分周器からの出力とを入力し、位相の進み又は遅れを検出して位相の進み又は遅れに対応する信号を出力し、起動パルス生成部が、第4の分周器からの出力から電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスを出力し、積分器が、位相進み/遅れ検出器からの信号を積分すると共に、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電し、加算器が、低域通過フィルタからの出力に積分器からの出力を加算し、水晶発振器が、加算器からの出力に基づいて電圧制御が為されるものであり、低域通過フィルタが、起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するものであり、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できる。
【0023】
[PLL回路の構成:図1]
本発明の実施の形態に係るPLL回路について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るPLL回路の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係るPLL回路(本回路)は、図1に示すように、入力端子1と、第1の分周器2と、第2の分周器3と、位相比較器(PC)4と、ローパスフィルタ(LPF)5と、加算器6と、増幅器7と、電圧制御機能付き水晶発振器(VCXO)8と、第3の分周器9と、第4の分周器10と、位相進み/遅れ検出部11と、積分器12と、起動パルス生成部13と、出力端子14とを有している。
【0024】
[PLL回路の各部と接続関係]
入力端子1は、基準周波数信号を入力し、第1の分周器2と第3の分周器9に出力する。
第1の分周器2は、入力端子1からの基準周波数信号を分周し、PC4に出力する。
第2の分周器3は、VCXO8からの出力を分岐して入力し、VCXO8からの出力を分周してPC4に出力する。
ここで、第1の分周器2と第2の分周器3の出力周波数は、最大公約数があれば同じである必要はなく、最大公約数で求められる周波数より高い周波数とするものである。
【0025】
位相比較器(PC)4は、第1の分周器2からの分周信号と第2の分周器3からの分周信号を入力し、両者の位相を比較し、位相差を示す信号をLPF5に出力する。
ローパスフィルタ(LPF)5は、PC4からの出力を入力し、低周波帯域の周波数信号を通過させるものであり、第1の分周器2と第2の分周器3との位相差に比例する電圧を生成して加算器6に出力する。
また、起動パルス生成部13からのパルス幅(Hレベルの長さ=ロックまでの時間)で内部のコンデンサに電荷を充電し、電源断でコンデンサに充電された電荷が放電される。
【0026】
加算器6は、LPF5からの出力と積分器12からの出力を加算して増幅器7に出力する。
増幅器7は、加算器6からの出力を増幅してVCXO8の制御電圧を出力する。
VCXO8は、水晶振動子を備えた電圧制御機能付き水晶発振器であり、増幅器7からの制御電圧によってPLLとしてロックを維持するよう動作するものである。
【0027】
第3の分周器9は、入力端子1からの基準周波数信号を分周し、位相進み/遅れ検出部11に出力する。
第4の分周器10は、VCXO8からの出力を分岐して入力し、VCXO8からの出力を分周して位相進み/遅れ検出部11と起動パルス生成部13に出力する。
尚、第3の分周器9の出力と第4の分周器10の出力は、同じ周波数となるまで分周を行うよう設定されている。
【0028】
位相進み/遅れ検出部11は、第3の分周器9から出力される信号の立ち上がりを起点として、第4の分周器10からの信号の立ち上がりの位相位置が、進んでいれば論理Low(L)レベルを出力し、遅れていれば論理High(H)レベルを出力する論理回路である。
【0029】
積分器12は、位相進み/遅れ検出部11の出力を積分して定電圧を加算器6に出力する。
また、積分器12は、起動パルス生成部13からのパルス信号のパルス幅(パルスHレベルの幅)に応じて内部のコンデンサに電荷を充電して、電源起動からロックまでの時間を短くするものであり、また、電源断時には、起動パルス生成部13からのパルス信号(Lレベル)により内部のコンデンサに蓄積されている電荷が放電されるものである。
【0030】
起動パルス生成部13は、第4の分周器10からの出力を入力し、電源起動を検出してLPF5、積分器12のコンデンサに電荷を充電するための時間、H(High)レベルのパルスを発生する。従って、充電時間以外はL(Low)レベル固定となる。
Hパルスの時間は、VCXO8の出力を第4の分周器10で分周した周波数をタイマーとして、ロックまでの時間次第で適宜決定する。
また、コンデンサの充電の速さは、直列抵抗の抵抗値で決定する。抵抗値を大きくすると遅くなり、抵抗値を小さくすると速くなる。
出力端子14は、VCXO8からの発振出力を出力する出力端子である。
【0031】
[LPF5:図2]
次に、LPF5について図2を参照しながら説明する。図2は、LPFの回路図である。
LPFは、図2に示すように、従来のラグリードフィルタにダイオード(D2)29、ダイオード(D1)24、抵抗器(Ra)を付加した回路である。
【0032】
具体的には、PC4の出力を入力する入力端子21と、加算器6への出力端子30との間に抵抗(R1)22が直列に接続されている。
そして、抵抗(R1)22と出力端子30との間に、抵抗(Ra)28の一端が接続され、その他端がダイオード(D1)24のカソードに接続し、ダイオード(D1)24のアノードが起動パルス生成部13からのパルスが入力される入力端子(パルス入力端子)25に接続している。
【0033】
また、抵抗(R1)22と出力端子30との間に、抵抗(R2)26の一端が接続され、その他端がコンデンサ(C1)の一端に接続され、コンデンサ(C1)の他端が接地されている。
また、抵抗(R1)22と出力端子30との間に、ダイオード(D2)29のアノードが接続され、ダイオード(D2)29のカソードが電源供給端子(Vcc)28に接続されている。
【0034】
[LPF5の動作]
LPF5の動作を説明する。
起動パルス生成部13から電源起動のパルス出力の入力端子25にHレベルが加えられると、ダイオード(D1)24が順方向電位となり、抵抗器(Ra)23、抵抗器(R2)26を経由してコンデンサ(C1)27に電荷が充電される。
【0035】
電源起動のパルス出力の入力端子25がLレベルとなると、ダイオード(D1)24は逆方向電位となり、コンデンサ(C1)の電位より低くなるので、ダイオードは無視でき、またダイオード(D2)29は電源起動後では逆方向電位であり、従来動作と等価となる。
つまり、コンデンサ(C1)27に充電された電荷が保持されることになる。
【0036】
また、電源断時は、電源供給端子28に電源電圧が印加しなくなり、コンデンサ(C1)27の電荷は、抵抗器(R2)26、ダイオード(D2)29を経てグランドと等価の電源供給端子28に放電される。
尚、一般的に、抵抗器(R1)22≫抵抗器(R2)23の値となるので、抵抗器(R2)23を経由して電荷の充放電の実施例を示したが、コンデンサ(C1)に直接、抵抗器(Ra)、ダイオード(D2)29を接続してもよい。
【0037】
請求項において、第1のダイオードはダイオード(D1)24に、第2のダイオードはダイオード(D2)29に、第1のコンデンサは(C1)27に、第1の抵抗は抵抗(R1)22に、第2の抵抗は抵抗(R2)26に、第3の抵抗は抵抗(Ra)23に相当している。
【0038】
[別のLPF:図3]
次に、別のLPFの構成について図3を参照しながら説明する。図3は、別のLPFの回路図である。
別のLPFは、抵抗(Ra)23の一端が抵抗(R1)22と出力端子30との間に接続するのではなく、抵抗(R2)26の他端とコンデンサ(C1)27の一端の間に接続され、更にその接続部分がダイオード(D2)29のアノードが接続されている点が図2のLPF5と相違している。
従って、抵抗(R1)22と出力端子30との間には、抵抗(R2)26の一端が接続されている。
【0039】
[積分器12:図4]
次に、本回路の積分器12について図4を参照しながら説明する。図4は、積分器の回路図である。
積分器12は、図4に示すように、位相進み/遅れ検出器11からの出力を入力する入力端子31が、オアゲート34の一方の入力端子に接続し、アンドゲート35の一方の入力端子に接続し、抵抗(R3)39の一端に接続している。
【0040】
また、積分器12は、起動パルス生成部13からのパルスが入力される入力端子(パルス入力端子)32が、アンドゲート35の他方の端子に接続し、インバータゲート33の入力端子に接続している。
インバータゲート33の出力端子は、オアゲート34の他方の入力端子に接続している。
【0041】
オアゲート34の出力端子は、ダイオード(D4)36のカソードに接続し、アンドゲート35の出力端子は、ダイオード(D5)37のアノードに接続し、ダイオード(D4)36のアノードとダイオード(D5)37のカソードが接続され、抵抗(Rb)38の一端に接続している。
【0042】
抵抗(R3)39の他端は、オペアンプ42の一方の入力端子(−)に接続し、基準電圧供給端子(VREF)41は、オペアンプ42の他方の入力端子(+)に接続している。
また、オペアンプ42の一方の入力端子(−)とオペアンプ42の出力端子とが抵抗(R4)40、抵抗(R5)46が直列に接続されている。
【0043】
抵抗(Rb)38の他端は、抵抗(R4)40と抵抗(R5)46の間に接続している。
また、抵抗(R4)40と抵抗(R5)46の間の点が、ダイオード(D3)44のアノードに接続し、ダイオード(D3)44のカソードが電源供給端子(Vcc)43に接続している。
ダイオード(D3)44のアノード側と抵抗(R5)46の他端との間にコンデンサ(C2)45が直列に接続されている。
オペアンプ42の出力端子が積分器の出力端子47に接続している。
【0044】
[積分器の動作]
電源起動のパルス出力の入力端子32にHレベルが加えられると、オアゲート34の他方の入力端子にはインバータゲート33を介してLレベルが入力される。
アンドゲート35の他方の入力端子にはHレベルが入力されるので、結果として位相進み/遅れ検出器出力の入力端子31の論理が動作を決定することになる。
【0045】
位相進み/遅れ検出器出力の入力端子31の論理をHレベル/Lレベルの2値として、Hレベル時は、基準周波数に対してVCXO側の位相遅れ、Lレベル時は、VCXO側の位相進みとし、Hレベル時は、ダイオード(D5)37、抵抗器(Rb)38を経由して、コンデンサ(C2)45に電荷を充電する。
【0046】
尚、Lレベル時は、抵抗器(Rb)38、ダイオード(D4)36を経由して、コンデンサ(C2)45の電荷を放電する。従って、充放電を繰り返すことで、積分器出力47は一定値(中央値)に近づくことになる。尚、抵抗器(Rb)の抵抗値は、ロックまでの時間次第で適宜決定する。
【0047】
電源起動のパルス出力の入力端子32がLレベルの時は、オアゲート34の出力はHレベル固定となり、アンドゲート35の出力はLレベル固定となり、ダイオード(D4)36、ダイオード(D5)37共に逆方向電位となり、従来の積分器動作と等価となる。ダイオード(D3)44は電源起動後では逆方向電位であり、無視できる。
また、電源断時は、電源供給端子43に電源電圧が印加しなくなり、コンデンサ(C2)45から電荷がダイオード(D3)44を経てグランドと等価の電源供給端子43に放電される。
【0048】
請求項において、第3のダイオードはダイオード(D3)44に、第4のダイオードはダイオード(D4)36に、第5のダイオードはダイオード(D5)37に、第2のコンデンサはコンデンサ(C2)45に、第4の抵抗は抵抗(R3)39に、第5の抵抗は抵抗(R4)40に、第6の抵抗は抵抗(R5)46に、第7の抵抗は抵抗(Rb)38に相当している。
【0049】
[別の積分器:図5]
次に、別の積分器について図5を参照しながら説明する。図5は、別の積分器の回路図である。
別の積分器は、図5に示すように、位相進み/遅れ検出器11からの出力を入力する入力端子51は、抵抗(R51)55を介してオペアンプ58の一方の入力端子(−)に接続し、基準電圧供給端子(VREF)57は、オペアンプ58の他方の入力端子(+)に接続している。
【0050】
また、オペアンプ58の一方の入力端子(−)とオペアンプ58の出力端子とが抵抗(R52)56、抵抗(R53)62が直列に接続されている。
起動パルス生成部13からのパルスが入力される入力端子(パルス入力端子)52が、ダイオード(D7)53のアノードに接続し、ダイオード(D7)53のカソードが抵抗(Rc)54を介して抵抗(R52)56と抵抗(R53)62の間に接続している。
【0051】
また、抵抗(R52)56と抵抗(R53)62の間の点が、ダイオード(D6)60のアノードに接続し、ダイオード(D6)60のカソードが電源供給端子(Vcc)59に接続している。
ダイオード(D6)60のアノード側と抵抗(R53)62の他端との間にコンデンサ(C3)61が直列に接続されている。
オペアンプ58の出力端子が積分器の出力端子63に接続している。
【0052】
ロックまでの時間次第で、電源起動のパルス出力の入力端子52に加えるHレベルの時間と抵抗(Rc)54の抵抗値を適宜決定する。
【0053】
[別の積分器の動作]
電源起動のパルス出力の入力端子52にHレベルが加えられると、ダイオード(D7)53、抵抗(Rc)54を介して抵抗(R52)56と抵抗(R53)62との間がHレベルとなり、コンデンサ(C3)61に電荷が充電される。
【0054】
位相進み/遅れ検出器出力の入力端子51の論理をHレベル/Lレベルの2値として、Hレベル時は、基準周波数に対してVCXO側の位相遅れ、Lレベル時は、VCXO側の位相進みとし、Hレベル時は、抵抗(R51)55、抵抗(R52)56、抵抗(R53)62を介して、コンデンサ(C3)61の電荷が保持される。
【0055】
また、Lレベル時は、抵抗器(R52)56、抵抗(R51)55を経由して、コンデンサ(C3)61の電荷を放電する。従って、充放電を繰り返すことで、積分器出力63は一定値(中央値)に近づくことになる。
【0056】
電源起動のパルス出力の入力端子52がLレベルの時は、ダイオード(D7)53は逆方向電位となり、従来の積分器動作と等価となる。ダイオード(D6)60は電源起動後では逆方向電位であり、無視できる。
また、電源断時は、電源供給端子59に電源電圧が印加しなくなり、コンデンサ(C3)61から電荷がダイオード(D6)60を経てグランドと等価の電源供給端子59に放電される。
【0057】
請求項において、第6のダイオードはダイオード(D6)60に、第7のダイオードはダイオード(D7)53に、第4のコンデンサはコンデンサ(C3)61に、第8の抵抗は抵抗(R51)55に、第9の抵抗は抵抗(R52)56に、第10の抵抗は抵抗(R53)62に、第11の抵抗は抵抗(Rc)54に相当している。
【0058】
[実施の形態の効果]
本回路によれば、位相比較器4が、第1の分周器2からの出力と第2の分周器3からの出力との位相を比較し、位相差の信号をLPF5に出力し、位相進み/遅れ検出器11が、第3の分周器9からの出力と第4の分周器10からの出力とを入力し、位相の進み又は遅れを検出して位相の進み又は遅れに対応する信号を積分器12に出力し、起動パルス生成部13が、第4の分周器10からの出力から電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスをLPF5と積分器12に出力し、積分器12が、位相進み/遅れ検出器11からの信号を積分すると共に、起動パルス生成部13からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電し、加算器6が、LPF5からの出力に積分器12からの出力を加算し、増幅器7で増幅してVCXO8に電圧制御を出力し、LPF5が、起動パルス生成部13からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するものであり、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、電源起動からロックまでの時間を短くすると共に、電源断時に電荷を速く放電できるPLL回路に好適である。
【符号の説明】
【0060】
1...入力端子、 2...第1の分周器、 3...第2の分周器、 4...位相比較器(PC)、 5...ローパスフィルタ(LPF)、 6...加算器、 7...増幅器、 8...電圧制御機能付き水晶発振器(VCXO)、 9...第3の分周器、 10...第4の分周器、 11...位相進み/遅れ検出部、 12...積分器、 13...起動パルス生成部、 14...出力端子、 21...入力端子、 22...抵抗(R1)、 23...抵抗(Ra)、 24...ダイオード(D1)、 25...パルス入力端子、 26...抵抗(R2)、 27...コンデンサ(C1)、 28...電源供給端子(Vcc)、 29...ダイオード(D2)、 30...出力端子、 31...入力端子、 32...パルス入力端子、 33...インバータゲート、 34...オアゲート、 35...アンドゲート、 36...ダイオード(D4)、 37...ダイオード(D5)、 38...抵抗(Rb)、 39...抵抗(R3)、 40...抵抗(R4)、 41...基準電圧供給端子(VREF)、 42...オペアンプ、 43...電源供給端子(Vcc)、 44...ダイオード(D3)、 45...コンデンサ(C2)、 46...抵抗(R5)、 47...出力端子、 51...入力端子、 52...パルス入力端子、 53...ダイオード(D7)、 54...抵抗(Rc)、 55...抵抗(R51)、 56...抵抗(R52)、 57...基準電圧供給端子(VREF)、 58...オペアンプ、 59...電源供給端子(Vcc)、 60...ダイオード(D6)、 61...コンデンサ(C3)、 62...抵抗(R53)、 63...出力端子、 102...位相比較器(Phase Comparator)、 103...チャージポンプ(Charge Pump)、 104...ループフィルタ(Loop Filter)、 105...電圧制御機能付き水晶発振器(VCXO)、 106...分周器(Divider)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御機能付き水晶発振器を備えるPLL回路であって、
基準周波数信号を入力し、分周する第1の分周器と、
前記水晶発振器からの出力を分周する第2の分周器と、
前記第1の分周器からの出力と前記第2の分周器からの出力との位相を比較し、位相差の信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器からの出力を低域通過させる低域通過フィルタと、
基準周波数信号を入力し、分周する第3の分周器と、
前記水晶発振器からの出力を分周する第4の分周器と、
前記第3の分周器からの出力と前記第4の分周器からの出力とを入力し、位相の進み又は遅れを検出して位相の進み又は遅れに対応する信号を出力する位相進み/遅れ検出器と、
前記第4の分周器からの出力から電源起動を検出し、ロックまでの時間に基づいたパルス幅のパルスを出力する起動パルス生成部と、
前記位相進み/遅れ検出器からの信号を積分すると共に、前記起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で前記内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電する積分器と、
前記低域通過フィルタからの出力に前記積分器からの出力を加算する加算器とを有し、
前記水晶発振器は、前記加算器からの出力に基づいて電圧制御が為されるものであり、
前記低域通過フィルタは、前記起動パルス生成部からのパルスによって内部のコンデンサを充電すると共に電源断で前記内部のコンデンサに蓄積された電荷を放電するものであることを特徴とするPLL回路。
【請求項2】
低域通過フィルタと積分器は、電源断によって内部のコンデンサに充電された電荷を放電する回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
【請求項3】
位相進み/遅れ検出部は、第3の分周器から出力される信号の立ち上がりを起点として、第4の分周器からの信号の立ち上がりの位相位置が、進んでいれば論理ロー(L)レベルを出力し、遅れていれば論理ハイ(H)レベルを出力する論理回路であることを特徴とする請求項1又は2記載のPLL回路。
【請求項4】
低域通過フィルタは、位相比較器からの出力を入力する入力端子と、加算器への出力端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に第1の抵抗が直列に接続され、
前記第1の抵抗と前記出力端子との間に、第2の抵抗の一端が接続すると共に前記第2の抵抗の他端が第1のコンデンサの一端に接続し、前記第1のコンデンサの他端が接地し、
前記第1の抵抗と前記出力端子との間に、第3の抵抗の一端が接続すると共に前記第3の抵抗の他端が第1のダイオードのカソードに接続し、前記第1のダイオードのアノードが起動パルス生成部からのパルスを入力する端子に接続し、
前記第1の抵抗と前記出力端子との間に、第2のダイオードのアノードが接続すると共に前記第2のダイオードのカソードが電源電圧端子に接続する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のPLL回路。
【請求項5】
低域通過フィルタは、位相比較器からの出力を入力する入力端子と、加算器への出力端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に第1の抵抗が直列に接続され、
前記第1の抵抗と前記出力端子との間に、第2の抵抗の一端が接続すると共に前記第2の抵抗の他端が第1のコンデンサの一端に接続し、前記第1のコンデンサの他端が接地し、
前記第2の抵抗の他端と前記第1のコンデンサの一端との間に、第3の抵抗の一端が接続すると共に前記第3の抵抗の他端が第1のダイオードのカソードに接続し、前記第1のダイオードのアノードが起動パルス生成部からのパルスを入力する端子に接続し、
前記第2の抵抗の他端と前記第1のコンデンサの一端との間に、第2のダイオードのアノードが接続すると共に前記第2のダイオードのカソードが電源電圧端子に接続する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のPLL回路。
【請求項6】
積分器は、位相進み/遅れ検出器からの出力を入力する入力端子と、起動パルス生成部からのパルスを入力するパルス入力端子と、積分出力を出力する出力端子とを備え、
前記入力端子からの入力をオアゲートの一方の入力端子とアンドゲートの一方の入力端子に入力し、前記パルス入力端子からの出力を前記オアゲートの他方の入力端子に入力すると共に、前記パルス入力端子からの出力をインバータゲートで反転して前記オアゲートの他方の入力端子に入力し、
前記入力端子からの出力が第4の抵抗を介してオペアンプの一方の入力端子に入力されると共に、前記オペアンプの他方の入力端子は基準電圧端子に接続され、
前記オペアンプの一方の入力端子と前記出力端子との間が第5の抵抗と第6の抵抗が直列に接続され、
前記第6の抵抗には第2のコンデンサが並列接続され、
前記第5の抵抗と前記第6の抵抗との間に、第3のダイオードのアノードが接続すると共に前記第3ダイオードのカソードが電源供給端子に接続し、
前記オアゲートの出力端子が第4のダイオードカソードに接続し、前記アンドゲートの出力端子が第5のダイオードのアノードに接続し、前記第4のダイオードのアノードと前記第5のダイオードのカソードが第7の抵抗の一端に接続すると共に、前記第7の抵抗の他端が前記第5の抵抗と前記第6の抵抗の間に接続する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のPLL回路。
【請求項7】
積分器は、位相進み/遅れ検出器からの出力を入力する入力端子と、起動パルス生成部からのパルスを入力するパルス入力端子と、積分出力を出力する出力端子とを備え、
前記入力端子からの出力が第8の抵抗を介してオペアンプの一方の入力端子に入力されると共に、前記オペアンプの他方の入力端子は基準電圧端子に接続され、
前記オペアンプの一方の入力端子と前記出力端子との間が第9の抵抗と第10の抵抗が直列に接続され、
前記第10の抵抗には第3のコンデンサが並列接続され、
前記第9の抵抗と前記第10の抵抗との間に、第6のダイオードのアノードが接続すると共に前記第6ダイオードのカソードが電源供給端子に接続し、
前記パルス入力端子が第7のダイオードのアノードが接続すると共に、前記第7のダイオードのカソードが第11の抵抗を介して前記第9の抵抗と前記第10の抵抗の間に接続する構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のPLL回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−142764(P2012−142764A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293611(P2010−293611)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】