説明

ワイヤ駆動機構、ロボットアーム機構及びロボット

【課題】軽量で、コンパクトにできるワイヤ駆動機構、ロボットアーム機構及びロボットを提供する。
【解決手段】回転軸2を中心に回転するプーリ1と、回転軸2と直交する方向で、回転軸2と同一平面上にあるように配置される回転軸4を中心に回転するプーリ3と、プーリ1周面の所定方向に巻きつけられるとともに、プーリ3周面にプーリ1の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるワイヤ5を有し、一方のプーリ1の回転によるワイヤ5の引っ張り力により他方のプーリ3に駆動力を伝達可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤにより動力を伝達するワイヤ駆動機構、該ワイヤ駆動機構を適用したロボットアーム機構及びロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のロボット技術の発展が目覚しいものがあり、例えば人の近くで動き、人に対し補助的な作業を行うことで、人の生活を支援するアーム付の各種サービスロボットが開発されている。
【0003】
ところで、このような人の近くで動き、補助的な作業を行うロボットは、人と接触する機会が多いことから、万一、人に接触しても危害を加えないようにする機能が求められる。このような安全性を確保するための対策の一つとして、ロボットアームをできるだけ軽量化して、人との衝突時の衝撃を減らすという方法が考えられる。
【0004】
従来、ロボットアームを構成する場合、アームの関節部分にアクチュエータを配置し、このアクチュエータにより関節部分を駆動することが多かった。しかし、ロボットアームにより有用な作業を行うためには、大きなペイロードを扱えるようにしなければならず、アクチュエータも大きなものを用いなければならない。しかし、このような大きなアクチュエータを用いると、アクチュエータ自身の重さを支えるために、ロボットアームの根元側の関節ではさらに大きなアクチュエータを用いなければならないという悪循環に陥っていた。
【0005】
そこで、従来、アクチュエータを関節部分ではなく、ロボット本体側に配置し、このロボット本体側からワイヤなどで関節まで動力を伝達するワイヤ駆動機構が考えられている。このようなワイヤ駆動機構によれば、アームをできるだけ軽く作ることができるので、仮にアームが人に衝突しても安全性を確保することができる。
【0006】
一方、ロボットアームは、回転軸が様々な方向を向いた関節の組み合わせで構成する。このようなロボットアームをワイヤ駆動機構で構成しようとすると、ワイヤ伝達の回転方向を変更する変更機構を設けなければならない。特許文献1は、ワイヤを使用したワイヤ駆動機構を示すもので、出力軸に固定されたワイヤプーリと、出力軸に対して直交する軸周りの可動部との間にワイヤガイドを配置し、このワイヤガイドを介してワイヤを配置し、ワイヤプーリの回転とともにワイヤにより、ワイヤガイドを介して可動部に引っ張り力を伝え、可動部を出力軸に対して直交する軸まわりで回転させるものが開示されている。
【特許文献1】特開平11−234376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1のものは、ワイヤガイドを中継用プーリとして使用しワイヤ伝達方向を変更しているが、この種の中継用プーリを使用することは、駆動機構が大きくなってしまい、特にロボットアームのように、アーム内にコンパクトに機構を配置しなければならない場合には、アーム自身サイズが大きくなるとともに、重くなるという問題を生じる。また、中継用プーリを経由することは、ワイヤ長も大きくなるので、伝達効率の低下も招くという問題もあった。
【0008】
一方、ワイヤ伝達の回転方向の変更機構として傘歯車を用いることも考えられるが、傘歯車を用いることは、関節部分がさらに重くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、軽量で、コンパクトにできるワイヤ駆動機構、ロボットアーム機構及びロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかるワイヤ駆動機構は、
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリ周面に前記第1のプーリの巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるワイヤと
を具備したことを特徴としている。
【0011】
本発明にかかるワイヤ駆動機構は、
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される、同軸上に直径の異なるプーリを一体に設けた第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリの一方プーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、第2のプーリの一方プーリ周面に前記第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第1のワイヤと、前記第1のプーリの他方プーリ周面に該第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリの他方プーリ周面に該第2のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第2のワイヤと、
を具備したことを特徴としている。
【0012】
本発明にかかるロボットアーム機構は、
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される、同軸上に直径の異なるプーリを一体に設けた第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリと同軸上に配置される第3のプーリと、
前記第3のプーリとともに回転可能に設けられる第1のリンク及び該第1のリンクに回転可能に支持されるとともに前記第2のプーリとともに回転可能な第2のリンクと、
前記第1のプーリの一方プーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、第2のプーリの一方プーリ周面に前記第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第1のワイヤと、前記第1のプーリの他方プーリ周面に該第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリの他方プーリ周面に該第2のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第2のワイヤと、
前記第3のプーリに巻きつけられる第3のワイヤと、
前記第1及び第2のワイヤを駆動する第1のアクチュエータ及び前記第3のワイヤを駆動する第2のアクチュエータと を具備したことを特徴としている。
【0013】
本発明にかかるロボットは、
請求項6記載のロボットアーム機構を適用している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽量で、コンパクトにできるワイヤ駆動機構、ロボットアーム機構及びロボットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るワイヤ駆動機構の基本構成を示している。
【0017】
図1において、1はプーリで、このプーリ1は、回転軸2に支持され、この回転軸2を中心に回転する。また、プーリ1は、両端周縁に沿って高さhの鍔部1a、1bが一体に形成されている。
【0018】
このようなプーリ1に対応して他のプーリ3が配置されている。このプーリ3は、回転軸4に支持され、この回転軸4を中心に回転する。この回転軸4は、回転軸2と所定角度をもって交差、ここでは直交する方向で、回転軸2と同一平面上にあるように配置されている。また、プーリ3は、両端周縁に沿ってワイヤ外れ防止手段として高さhの鍔部3a、3bが一体に形成されている。この場合、プーリ3は、一方の周縁部である鍔部3aをプーリ1の一方の周縁部である鍔部1aに対し、後述するワイヤ5の直径以下の隙間xをあけて近接して配置されている。
【0019】
そして、これらプーリ1、3は、プーリ1周面のワイヤ固定点1cにワイヤ5の一端を固定するとともに、プーリ1周面に沿って巻きつけ、さらにプーリ3周面にプーリ1への巻き付け方向と反対方向に沿ってワイヤ5を巻きつけるとともに、プーリ3周面のワイヤ固定点3cにワイヤ5の他端を固定することで連結されている。この場合、ワイヤ5は、隙間xをあけて近接して配置される鍔部1a、3aによりプーリ1、3周面から外れることなく巻き付けられる。
【0020】
このような構成において、例えば、プーリ1を図示矢印a方向に回転すると、ワイヤ固定点1cの移動により、ワイヤ5の引っ張り力がプーリ3のワイヤ固定点3cに作用し、プーリ3が図示矢印b方向に回転される。つまり、プーリ1の回転とともにワイヤ5によりプーリ3に駆動力が伝達され、プーリ3をプーリ1の回転軸2に対して直交する軸周りで回転させることが可能となる。
【0021】
このようにすれば、1本のワイヤ5を使用してワイヤ伝達の回転方向の変更を行うことができるので、従来の中継用プーリや傘歯車を用いたものと比べ、最低限の構成要素により、軽量で、コンパクトなワイヤ駆動機構が実現できる。
【0022】
なお、上述した実施の形態では、回転軸4と回転軸2は直交する方向で、回転軸4と回転軸2が同一平面上にあるように配置される場合を述べたが、回転軸4と回転軸2は、必ずしも直角に交わらなくてもよく、また、同一平面状に配置されなくてもよい。また、プーリ1、3として、例えば2段プーリを使用し、プーリ1の1段目プーリとプーリ3の1段目プーリの間、プーリ1の2段目プーリとプーリ3の2段目プーリの間に、それぞれワイヤを上述した関係で巻きつけるようにすれば、これら2本のワイヤにより、より大きな動力伝達が可能になる。
【0023】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、一つの方向の動力しか伝達することができないが、この第2の実施の形態では、2本のワイヤを用いることにより、どちらの方向の回転でも、ワイヤ駆動力を伝えることができるようにしている。
【0024】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るワイヤ駆動機構の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。
【0025】
この場合、プーリ1は、同軸上に直径の小さなプーリ6を一体に設け、いわゆる2段プーリに構成されている。プーリ6は、プーリ1側と反対側端の周縁に沿って鍔部6aが一体に形成されている。同様にプーリ3も、同軸上に直径の小さなプーリ7を一体に設け、いわゆる2段プーリに構成されている。プーリ7は、プーリ3側と反対側端の周縁に沿って鍔部7aが一体に形成されている。
【0026】
そして、プーリ1,3の間には、第1の実施の形態と同様にワイヤ5を巻きつけている。また、プーリ6、7は、プーリ6周面のワイヤ固定点6bにワイヤ8の一端を固定するとともに、プーリ6周面に沿って、プーリ1へのワイヤ5の巻きつけ方向と反対方向にワイヤ8を巻きつけ、さらにプーリ7周面にプーリ6への巻きつけ方向と反対方向で、しかもプーリ3へのワイヤ5の巻きつけ方向と反対方向にワイヤ8を巻きつけ、さらにプーリ7周面のワイヤ固定点7bにワイヤ8の他端を固定することで連結されている。この場合も、ワイヤ8は、鍔部6a、7aによりプーリ6、7周面から外れることなく巻き付けられる。
【0027】
このような構成において、プーリ1を図示矢印a1方向に回転すると、ワイヤ固定点1cの移動により、ワイヤ5の引っ張り力がプーリ3のワイヤ固定点3cに伝達され、プーリ3が図示矢印a2方向に回転される。また、プーリ6を上述と逆方向の図示矢印b1方向に回転すると、ワイヤ固定点6bの移動により、ワイヤ8の引っ張り力がプーリ7のワイヤ固定点7bに伝達され、プーリ7が図示矢印b2方向に回転される。
【0028】
このようにすれば、2本のワイヤ5,8を用いることにより、どちらの方向(双方向)の回転でも、ワイヤ駆動力を伝達することができる。勿論、第1の実施の形態で述べたと同様な効果を得ることもできる。
【0029】
なお、上述した実施の形態では、プーリ1と6、プーリ3と7は、それぞれ別体のもので説明したが、一体型の2段プーリであってもよい。
【0030】
(変形例1)
図3は、第2の実施の形態の変形例1の概略構成を示すもので、図2と同一部分には同符号を付している。
【0031】
第2の実施の形態の図2に示すプーリ1,3は、一方端周縁に沿ってそれぞれ鍔部1a、3aが一体に形成され、プーリ6、7についても、端部周縁に沿ってそれぞれ鍔部6a、7aが一体に形成されている例を述べたが、図3では、鍔部1a、3aに代えてワイヤ外れ防止手段として、プーリ1,3周面にそれぞれピン9、10を設け、また、鍔部6a、7aに代えてプーリ6,7周面にそれぞれピン11、12を設けるようにしている。これらプーリ1,3周面に設けられるピン9、10及びプーリ6,7周面に設けられるピン11、12は、それぞれワイヤ5,8の移動をガイドするもので、プーリ1,3、プーリ6,7の周面からワイヤ5,8が外れるのを防止する。
【0032】
このようにすれば、プーリ1,3の周面にそれぞれピン9、10、プーリ6,7周面にもそれぞれピン11、12が設けられるので、仮に、ワイヤ5又は8がゆるんでもプーリ1,3、プーリ6,7のそれぞれの周面から外れるのを確実に防止することができる。
【0033】
なお、ピン9、10は、それぞれの位置が2つのプーリ1、3の近接部分にくると、動力伝達の効率が落ちてしまい、さらに回転すると、動力伝達が行えなくなってしまうので、これらピン9、10の位置は、プーリ1、3の回転範囲において、これらプーリ1、3が近接する位置に来ないように配慮する必要がある。このことは、プーリ6,7に設けられるピン11、12についても同様である。
【0034】
(変形例2)
図4は、第2の実施の形態の変形例2の概略構成を示すものである。
【0035】
この場合、第2の実施の形態の直径の小さなプーリ6を一体に設けたプーリ1について述べると、プーリ1は、プーリ6と反対側の端部周縁に沿って鍔部1bが一体に形成され、この鍔部1b側端部から他方端部に向けて徐々に直径を大きくするようにしている。つまり、プーリ1は、鍔部1b側端部から他方端部に向け(回転軸2方向)徐々に直径を大きくするようにして、周面をテーパαの傾斜面に形成し、ワイヤ外れ防止手段を構成している。また、プーリ6も同様で、プーリ1側端部から他方端部に向け(回転軸2方向)徐々に直径を大きくするようにして、周面をテーパαの傾斜面に形成している。
【0036】
このようにすれば、プーリ1、6は、ワイヤ5,8が巻き付けられる周面にテーパαが形成されている。したがって、例えば、ワイヤ8に張力がかかると、プーリ6には鉛直方向の力F1がかかるが、この力F1はテーパαにより、プーリ6周面の垂直抗力とその垂直抗力に垂直方向な力F2に分解される。この力F2がかかることにより、ワイヤ8にはプーリ1側方向への力が働き、ワイヤ8がプーリ6周面から外れるのを確実に防止することができる。
【0037】
なお、ここでは、プーリ6に巻き付けられるワイヤ8との関係について述べたが、プーリ1とワイヤ5の関係についても同様である。また、上述した同軸上に直径の小さなプーリ7を一体に設けたプーリ3についても同様であることは勿論である。
【0038】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0039】
図5は、上述したワイヤ駆動機構を適用したロボットアーム機構の概略構成を示している。図5において、21は台座部で、この台座部21には、所定長さの一対の主リンク22,23が平行に突設されている。これら主リンク22,23の先端部の間には、回転軸24が設けられている。
【0040】
回転軸24には、第1のリンク25が回転可能に設けられている。この第1のリンク25は、L字状をしたもので、基端部が回転軸24を中心に回転可能に支持されるとともに、直角に折り曲げられた先端部が主リンク22,23と直交する方向に配置され、基端部の回転軸24を中心にした回転により先端部が紙面に対し前後方向に回転可能になっている。
【0041】
第1のリンク25の基端部には、プーリ26が一体に設けられている。このプーリ26は、回転軸24を中心に回転可能になっている。プーリ26には、ワイヤ27が巻きつけられ、このワイヤ27により台座部21からの動力伝達を可能とし、第1のリンク25の回転軸24を中心とした回転を可能にしている。
【0042】
第1のリンク25は、直角に折り曲げられた先端部に軸受25aが設けられ、この軸受25aに第2のリンク28が回転可能に支持されている。この場合、第2のリンク28は、回転軸24と直交する方向で、前記一対の主リンク22,23に沿った方向に配置されている。第2のリンク28の先端には、ハンド29が設けられている。
【0043】
前記回転軸24と第2のリンク28の間には、第2の実施の形態で説明したのと同様なワイヤ駆動機構が配置されている。この場合、回転軸24に第1の2段プーリ30(上述したプーリ1、6に相当)が回転可能に設けられ、回転軸24と直交する方向の第2のリンク28の先端には、第2の2段プーリ31(上述したプーリ3、7に相当)が一体に設けられている。この場合、第2の2段プーリ31と第2のリンク28の回転中心は一致しており、第2の2段プーリ31の回転とともに第2のリンク28も回転する。また、第1の2段プーリ30と第2の2段プーリ31との間には、2本のワイヤ32,33(上述したワイヤ5,8に相当)が巻きつけられるとともに、これらワイヤ32,33により台座部21からの動力伝達を可能とし、第2のリンク28が回転中心28aまわりを、どちら方向にも回転できるようにしている。
【0044】
図6は、ワイヤプーリ駆動機構の概略構成を示すもので、図5と同一部分には同符号を付している。この場合、台座部21には、モータを有するアクチュエータ34、35が設けられ、このうちアクチュエータ34の回転軸には、プーリ36が取付けられ、また、アクチュエータ35の回転軸には、2段プーリ37が取付けられている。
【0045】
プーリ36には、上述したプーリ26に巻きつけられたワイヤ27が巻きつけられており、アクチュエータ34によるプーリ36の回転によりプーリ26に対しワイヤ27を介して動力を伝え、プーリ26とともに第1のリンク25を、回転軸24を中心に回転させる。
【0046】
また、2段プーリ37には、第1の2段プーリ30と第2の2段プーリ31との間に巻きつけられた2本のワイヤ32,33が巻きつけられ、アクチュエータ35による2段プーリ37の回転によりワイヤ32,33を介して第1の2段プーリ30及び第2の2段プーリ31に動力を伝える。この場合、ワイヤ32は、第2の実施の形態で説明したように、第2の2段プーリ31の大径プーリ31a周面に一端を固定されるとともに、上述の巻きつけ方向で2段プーリ31の大径プーリ31a、第1の2段プーリ30の大径プーリ30aに巻きつけられ、さらにアクチュエータ35側に導かれ、2段プーリ37の大径プーリ37aに巻きつけられるとともに周面に固定されている。同様にワイヤ33は、第2の2段プーリ31の小径プーリ31b周面に一端を固定されるとともに、上述の巻きつけ方向で2段プーリ31の小径プーリ31b、第1の2段プーリ30の小径プーリ30bに巻きつけられ、さらにアクチュエータ35側に導かれ、2段プーリ37の小径プーリ37bに巻きつけられるとともに周面に固定されている。この場合、2段プーリ37と大径プーリ37aと小径プーリ37bの半径比と2段プーリ30の大径プーリ30aと小径プーリ30bの半径比を同じにすれば、アクチュエータ35の回転に対して2段プーリ30の回転速度を変わらないようにでき、回転制御を容易に行うことができる。
【0047】
このような構成において、いま、アクチュエータ34によりプーリ36を回転させると、ワイヤ27を介してプーリ26に動力が伝えられ、プーリ26の回転とともに第1のリンク25を、回転軸24を中心に回転させることができる。これによりロボットアームの肘関節部分の折り曲げ動作を実現することができる。
【0048】
また、アクチュエータ35により2段プーリ37を回転させると、ワイヤ32,33を介して第1の2段プーリ30及び第2の2段プーリ31に動力が伝えられる。これにより、第1の2段プーリ30を、回転軸24を中心に回転させるとともに、第2の2段プーリ31を第2のリンク28の回転中心28aまわりを回転させることができる。この場合、アクチュエータ35の回転方向を切り換えると、このときの回転方向に応じた第1の2段プーリ30の回転方向により第2の2段プーリ31の回転方向が選択できる。これにより、第2の2段プーリ31とともに回転する第2のリンク28によりロボットアームの肘関節部分の回転動作を実現することができる。
【0049】
したがって、このようにすれば、アクチュエータ34、35をアームの関節部分でなく、ロボット本体側の台座部21に配置することができ、しかも、ワイヤ駆動機構を用いることにより回転軸が直交する関節部を構成できるので、軽量、コンパクトで伝達効率のよいロボットアーム機構が実現できる。
【0050】
(変形例1)
ところで、上述したロボットアーム機構では、ワイヤ駆動系のワイヤテンションがゆるむことにより、ワイヤがプーリから外れてしまう可能性がある。この対策として、ワイヤの経路長を調整することにより、ワイヤの張りが緩むのを防ぐ方法が考えられる。
【0051】
図7は、ワイヤテンション調整機構の概略構成を示すもので、図6と同一部分には同符号を付している。
【0052】
この場合、21とアクチュエータ34の間にはテンション調整機構41が配置され、台座部21とアクチュエータ35の間には、テンション調整機構42が配置されている。テンション調整機構41、42は、ばね、もしくはアクチュエータにより構成され、ワイヤテンションに応じた位置に、アクチュエータ34、35全体を図示矢印方向に移動させる機能を有している。
【0053】
例えば、プーリ36とプーリ26との間のワイヤ27の張りが緩んで、ワイヤテンションが小さくなると、テンション調整機構41によりアクチュエータ34全体を台座部21方向に動かすことで、ワイヤ経路長が大きくなり、ワイヤ27のテンションを大きくすることができる。勿論、2段プーリ37と2段プーリ30との間のワイヤ32,33の張りが緩んでワイヤテンションが小さくなった場合もテンション調整機構42により同様な動作が行われる。
【0054】
したがって、このようにすれば、ワイヤテンションを常に適正な状態に調整することができるので、ワイヤの張りが緩んでプーリからのはずれるような事態を確実に防止することができる。
【0055】
ところで、この種のワイヤ駆動系においては、ワイヤがプーリから外れるのを防止するのと同時に、万が一、ワイヤがプーリから外れてもロボットアームが暴走しないようにする必要がある。つまり、ワイヤが外れたり、あるいは切れたりすると、リンクは回転フリーの状態になり、仮にリンクに大きな力がかかっていれば、リンクは暴走して危険である。
【0056】
この対策方法として、関節の急激な速度変化を防ぐ方法やワイヤの急激な張力変化を防ぐ方法などが考えられる。
【0057】
(変形例2)
図8は、関節の急激な速度変化を防ぐための機構を示すもので、図5と同一部分には同符号を付している。この場合、関節を構成する主リンク23と第1のリンク25との間が回転速度制御手段として遠心クラッチ43を介して連結されている。この遠心クラッチ43はある回転速度以下では動力は伝達せずにフリーであるが、ある回転速度以上になると動力が伝達される構成となっている。遠心クラッチ43については、周知の技術なので、ここでの説明は省略する。
【0058】
このような構成において、いま、第1のリンク25に急激な回転速度が生じると、遠心クラッチ43が動作し、主リンク23に対し動力が伝達される状態に切り替わる。これにより、第1のリンク25にはブレーキと同じ効果が作用し、急激な回転速度変化を防ぐことがきる。これにより、ワイヤがプーリから外れることを防止できるとともに、万が一ワイヤが外れても、第1のリンク25が暴走するのを未然に防ぐことができる。
【0059】
(変形例3)
図9は、ワイヤの急激な張力変化を防ぐための方法で、ワイヤ張力を検出してブレーキをかける構成を示している。
【0060】
この場合、プーリ44には、ワイヤ45が巻き付けられ、このワイヤ45を介して動力が伝達されている。プーリ44には、ブレーキドラム46が固定されている。ブレーキドラム46の周囲には、ブレーキシュー47、48が配置されている。ブレーキシュー47、48は、それぞれ一方端部を回転軸49に回転可能に支持され、それぞれのプーリ44側への回動によりブレーキドラム46を2方向から押圧できるようになっている。また、ブレーキシュー47、48の回転軸49と反対側端部の間には、ばね51が配置され、このばね51の引っ張り力によりブレーキシュー47、48は、ブレーキドラム46に対し2方向から押圧力をかけてプーリ44にブレーキをかける状態になっている。また、ブレーキシュー47、48の回転軸49と反対側の先端には、それぞれプーリ52,53が設けられている。これらプーリ52,53は、ワイヤ45に接しており、ワイヤ45の張力により、ブレーキシュー47、48をばね51の引っ張り力に抗した方向に回動させる。これにより、ワイヤ45の張力が一定以上であれば、ブレーキシュー47、48のばね51の引っ張り力に抗した回動によりブレーキシュー47、48は、ブレーキドラム46から離れ、ブレーキ状態が解除される。
【0061】
したがって、このようにすれば、ワイヤ45の張力が一定以上かかっている間は、ブレーキシュー47、48がブレーキドラム46から離れてブレーキフリーとなり、ワイヤ45の張力がゆるむとブレーキシュー47、48がばね51の引っ張り力によりブレーキドラム46に接触しブレーキがかかるようになる。これにより、ワイヤ45がプーリ44から外れるのを防止でき、万が一ワイヤ45が外れてもリンクを安全に止める構成が実現できる。
【0062】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0063】
この第4の実施の形態では、第3の実施の形態で述べたロボットアーム機構の速度制御部を示している。
【0064】
図10(a)は、ロボットアーム機構を示すもので、図5及び図6と同一部分には同符号を付している。この場合、例えば、主リンク23と第1のリンク25の間には、回転速度検出部55が配置されている。この回転速度検出部55は、主リンク23に対する第1のリンク25の回転速度を検出する。
【0065】
図10(b)は、ロボットアーム機構の速度制御を行う速度制御部の概略構成を示している。この場合、図6で述べたアクチュエータ34がモータの例を述べている。
【0066】
図10(b)に示すアクチュエータ(モータ)34は、図10(a)に示すワイヤ27を介してプーリ26に動力を伝え、第1のリンク25を回転軸24を中心に回転させる。このアクチュエータ34には、速度制御部57が接続されている。そして、速度制御部57には、上述した回転速度検出部55が接続されている。速度制御部57は、予めアクチュエータ34の標準速度が与えられており、この標準速度と回転速度検出部55で検出される第1のリンク25の回転速度を比較し、この比較結果に応じてアクチュエータ34の回転速度を制御する。つまり、回転速度検出部55で検出された第1のリンク25の回転速度と標準速度の比較結果に基づいて速度制御部57によりアクチュエータ34の回転速度を決定する。これにより、速度制御部57は、第1のリンク25の回転速度が標準速度より速ければ、アクチュエータ34により第1のリンク25の回転速度を落とし、回転速度が遅ければアクチュエータ34により第1のリンク25の回転速度を上げるような制御を行う。
【0067】
したがって、このようにすれば、速度制御部57により制御されるアクチュエータ34により第1のリンク25の回転速度が標準速度になるように制御できるので、ロボットアーム機構の関節部を構成する第1のリンク25の急激な回転速度の変化をおさえることができ、ワイヤ27がプーリ26から外れるのを確実に防止できる。
【0068】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0069】
この第5の実施の形態では、第3の実施の形態で述べたロボットアーム機構のワイヤ張力制御部を示している。
【0070】
図11(a)は、ロボットアーム機構を示すもので、図5及び図6と同一部分には同符号を付している。この場合、例えば、ワイヤ32の途中に張力検出部58が配置されている。この張力検出部58は、ワイヤ32の張力を検出する。
【0071】
図11(b)は、ワイヤ駆動系のワイヤ(ここではワイヤ32)の張力制御を行う張力制御部の概略構成を示している。この場合、図6で述べたアクチュエータ35がモータの例を述べている。
【0072】
図11(b)において、59はテンショナー部で、このテンショナー部59は、図7で述べたアクチュエータ35と台座部21の間に配置されるテンション調整機構42により構成されている。
【0073】
テンショナー部59には、テンショナー制御部60が接続されている。そして、テンショナー制御部60には、上述した張力検出部58が接続されている。テンショナー制御部60は、標準テンション値が与えられており、この標準テンション値と張力検出部58で検出されるワイヤ32の張力を比較し、この比較結果に応じてテンショナー部59でのテンション調整を行う。つまり、張力検出部58で検出されるワイヤ張力が急激に小さくなれば、ワイヤ張力が大きくなるように、逆にワイヤ張力が急激に大きくなれば、ワイヤ張力が小さくなるようにテンショナー部59を制御する。
【0074】
また、テンショナー制御部60には、トルク制御部61が接続され、このトルク制御部61には、アクチュエータ(モータ)35が接続されている。トルク制御部61は、テンショナー制御部60の出力に応じてアクチュエータ35が出力するトルクを制御する。つまり、テンショナー制御部60がテンショナー部59に対しワイヤ張力を調整するための出力を発生すると、それに応じてアクチュエータ35が出力するトルクを制御する。
【0075】
したがって、このようにすれば、ワイヤ32の張力を検出する張力検出部58に基づいて、ワイヤ32の張力を自動調整することができるので、ワイヤの緩みを防止でき、ワイヤがプーリから外れるのを確実に防止できる。
【0076】
なお、ここでは、図11(a)に示すワイヤ32についてのみ述べたが、ワイヤ33、27についても同様にして実施できる。
【0077】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0078】
図12(a)(b)は、上述したロボットアーム機構を複数設けることにより構成される多関節ロボットアーム機構を示している。
【0079】
この場合、アームは6自由度あり、これらを駆動するアクチュエータとして6つのモータ62〜67を有し、これらモータ62〜67は、不図示の台座部に配置されている。
【0080】
肩部68は、モータ62,63により駆動されるもので、台座部(不図示)に支持された一対のフレーム69先端の回転軸70に回転可能に支持される回転体71,72と、これら回転体71,72に連動する回転体73を有し、モータ62,63により回転体71,72を駆動することで回転軸70を中心とする回転を可能にするとともに、これら回転体71,72に連動する回転体73により回転軸70と直交する軸を中心とする回転を可能にしている。つまり、これら回転体71,72、73の回転により2自由度の動きを可能にしている。
【0081】
回転軸70には、フリープーリ741が設けられている。また、モータ64〜67により駆動される8本のワイヤ群74は、フリープーリ741を経由し、絞り機構75を介して肘部76及び手首部77に向けて送られる。この場合、絞り機構75は、肩部68から導出されたワイヤ群74を狭い通路に絞り込むもので、このような絞り機構75を経由させることにより、肩部68で2自由度の動きがあっても、そこから先にワイヤ駆動力を伝達することができる。特に、絞り機構75は、ワイヤ群74できるだけ、回転中心に近い所を通すことにより、肩部68の回転によりワイヤ経路長が大きく変化することを防ぐことができる。
【0082】
肘部76には、8本のワイヤ群74のうちモータ64、65により駆動される4本のワイヤ群74aが絞り機構75から、展開プーリ78を介して導かれ動力が伝達される。肘部76には、図6で述べたと同様にプーリ79、80,81(図5のプーリ26、30,31に相当)が設けられ、プーリ79による肘部76の折り曲げと、プーリ80,81による肘部76の回転の2自由度の動きを可能にしている。この場合、絞り機構75と展開プーリ78を介してワイヤの動力が伝達されるので、肘部76の2自由度が回転しても、ワイヤ群74aがプーリ79、80,81から外れないようにできる。
【0083】
手首部77には、8本のワイヤ群74のうちモータ66、67により駆動される4本のワイヤ群74bが肘部76のフリープーリ82、絞り機構83及び展開プーリ84を介して導かれ動力が伝達される。手首部77には、プーリ85、86,87(図5のプーリ26、30,31に相当)が設けられ、プーリ85による手首部77の折り曲げと、プーリ86,87による手首部77の回転の2自由度の動きを可能にしている。この場合も、絞り機構83と展開プーリ84を介してワイヤの動力が伝達されるので、手首部77の2自由度が回転しても、ワイヤ群74bがプーリ85、86,87から外れないようにできる。
【0084】
したがって、このようにすれば、人間の腕と同等の肩部68、肘部76及び手首部77の各関節の配置と、これらで構成される多関節の動きを実現でき、しかも、アクチュエータの各モータ62〜67を関節部分でなく、全て台座部側に集めることができるので軽量、コンパクトが実現できる。
【0085】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。
【0086】
図13は、ワイヤプーリ伝達機構の他の例を示している。
【0087】
この場合、101,102は、2段プーリで、これら2段プーリ101,102は、同じ回転軸103に回転可能に支持されている。また、これら2段プーリ101,102に対応して他の2段プーリ104が配置されている。このプーリ104は、2段プーリ101,102の回転軸103と直交する方向で、回転軸103と同一平面上にある回転軸105に回転可能に支持されている。
【0088】
一方、不図示の台座部側には、アクチュエータ106,107が配置されている。これらアクチュエータ106,107の回転軸には、それぞれ2段プーリ108、109が取付けられている。そして、アクチュエータ106からは、2段プーリ108に巻き付けられたワイヤ110により2段プーリ101を介して2段プーリ104に動力が伝達され、アクチュエータ107からは、2段プーリ109に巻き付けられたワイヤ111により2段プーリ102を介して2段プーリ104に動力が伝達され。この場合、ワイヤ110の2段プーリ101及び2段プーリ104への巻き付け方向、ワイヤ111の2段プーリ102及び2段プーリ104への巻き付け方向は、図6で述べたのと同様である。
【0089】
このような構成をすると、肘関節の折り曲げ、回転の2つ自由度回転を2つアクチュエータ106,107により干渉駆動することができる。つまり、これらアクチュエータ106,107の出力を協調して制御することにより、2つの自由度のうち、トルクが必要なほうの自由度を2つのアクチュエータ106,107により動かすなど、効率よくアクチュエータ106,107によりの出力を2自由度に振り分けることができる。
【0090】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。
【0091】
図14は、第6の実施の形態で述べた多関節ロボットアーム機構を適用したロボットの概略構成を示している。
【0092】
この場合、112,113は図12で述べた多関節のロボットアーム機構を適用したアームであり、モータ部114に配置されたモータ(不図示)で全ての関節を駆動する。この場合、各モータ部114ごとにアーム112,113全体を回転させることにより、さらに1自由度追加して、人間の腕と同じ7自由度の腕を実現できる。また、アーム112,113の先にはハンド115,116が設けられ、これらハンド115,116で物をつかむなどの作業を行うことができる。
【0093】
一方、ロボット本体117には、アーム112,113を始め、ロボット全体の制御を行う制御部118が内蔵されている。また、ロボット本体117は、移動機構119により自由に移動することができる。移動機構119は左右独立駆動車輪で構成され、これを制御することにより、ロボットは目標位置姿勢に移動することができる。また、ロボット本体117の低い位置にはセンサ120が取り付けられており、周りの障害物を検出することができる。ロボット本体117の上方には頭部121が配置されている。この頭部121は、ロボット本体117に対して方向を変える駆動機構を介して連結されている。また、頭部121には視覚122が搭載されており、例えばカメラなどを用いて画像処理によりアームで作業をする場合の作業対象物の位置、姿勢検出などを行うことができる。また、ロボットにはスピーカ123やマイク124が取り付けられており、人間とコミュニケーションを行うことができるようになっている。
【0094】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0095】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイヤ駆動機構の基本構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るワイヤ駆動機構の概略構成を示す図。
【図3】第2の実施の形態の変形例1の概略構成を示す図。
【図4】第2の実施の形態の変形例2の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図6】第3の実施の形態のワイヤプーリ駆動機構の概略構成を示す図。
【図7】第3の実施の形態に用いられるワイヤテンション調整機構の概略構成を示す図。
【図8】第3の実施の形態に用いられる関節の急激な速度変化を防ぐための機構を示す図。
【図9】第3の実施の形態に用いられるワイヤ張力を検出してブレーキをかける機構を示す図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の概略構成を示す図。
【図11】本発明の第5の実施の形態の概略構成を示す図。
【図12】本発明の第6の実施の形態の概略構成を示す図。
【図13】本発明の第7の実施の形態の概略構成を示す図。
【図14】本発明の第8の実施の形態の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0097】
1.3…プーリ、1a.1b、3a、3b…鍔部
1c、3c…ワイヤ固定点、2、4…回転軸
5.8…ワイヤ、6.7…プーリ
6a、7a…鍔部、6b、7b…ワイヤ固定点
9.10…ピン、11.12…ピン
21…台座部、22.23…主リンク
24…回転軸、25…第1のリンク
25a…軸受、26…プーリ
27…ワイヤ、28…第2のリンク
28a…回転中心、29…ハンド
30…2段プーリ、30a…大径プーリ
30b…小径プーリ、31…2段プーリ
31a…大径プーリ、31b…小径プーリ
32.33…ワイヤ、34.35…アクチュエータ
36…プーリ、37…2段プーリ
37a…大径プーリ、37b…小径プーリ
41.42…テンション調整機構
43…遠心クラッチ、44…プーリ
45…ワイヤ、47.48…ブレーキシュー
49…回転軸、51…ばね、52.53…プーリ
55…回転速度検出部、57…速度制御部
58…張力検出部、59…テンショナー部
60…テンショナー制御部、61…トルク制御部
62〜67…モータ、68…肩部、69…フレーム
70…回転軸、71.72、73…回転体
74…ワイヤ群、74a…ワイヤ群、74b…ワイヤ群
741…フリープーリ、75…絞り機構
76…肘部、77…手首部、78…展開プーリ
79.80、81…プーリ、82…フリープーリ
83…絞り機構、84…展開プーリ
85.86、87…プーリ、101.102…2段プーリ
103…回転軸、104…2段プーリ、105…回転軸
106.107…アクチュエータ、108.109…2段プーリ
110、111…ワイヤ、112.113…アーム
114…モータ部、115.116…ハンド
117…ロボット本体、118…制御部
119…移動機構、120…センサ、121…頭部
122…視覚、123…スピーカ、124…マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリ周面に前記第1のプーリの巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるワイヤと
を具備したことを特徴とするワイヤ駆動機構。
【請求項2】
前記第1のプーリと第2のプーリとの間隙は、前記ワイヤの直径より小さいことを特徴とする請求項3に記載のワイヤ駆動機構。
【請求項3】
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される、同軸上に直径の異なるプーリを一体に設けた第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリの一方プーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、第2のプーリの一方プーリ周面に前記第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第1のワイヤと、前記第1のプーリの他方プーリ周面に該第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリの他方プーリ周面に該第2のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第2のワイヤと、
を具備したことを特徴とするワイヤ駆動機構。
【請求項4】
前記第1および第2のプーリは、前記ワイヤの外れを防止するワイヤ外れ防止手段を有することを特徴とする請求項1又は3記載のワイヤ駆動機構。
【請求項5】
前記第1のプーリと第2のプーリとの間隙は、前記第1および第2のワイヤのうち細い方の直径より小さいことを特徴とする請求項3に記載のワイヤ駆動機構。
【請求項6】
互いの回転軸が所定角度をもち、且つ互いに近接して配置される、同軸上に直径の異なるプーリを一体に設けた第1及び第2のプーリと、
前記第1のプーリと同軸上に配置される第3のプーリと、
前記第3のプーリとともに回転可能に設けられる第1のリンク及び該第1のリンクに回転可能に支持されるとともに前記第2のプーリとともに回転可能な第2のリンクと、
前記第1のプーリの一方プーリ周面の所定方向に巻きつけられるとともに、第2のプーリの一方プーリ周面に前記第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第1のワイヤと、前記第1のプーリの他方プーリ周面に該第1のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられるとともに、前記第2のプーリの他方プーリ周面に該第2のプーリの一方プーリ周面の巻きつけ方向と反対方向に巻きつけられる第2のワイヤと、
前記第3のプーリに巻きつけられる第3のワイヤと、
前記第1及び第2のワイヤを駆動する第1のアクチュエータ及び前記第3のワイヤを駆動する第2のアクチュエータと
を具備したことを特徴とするロボットアーム機構。
【請求項7】
前記第1乃至第3のワイヤのいずれか一つには、ワイヤ経路長を可変してワイヤテンションを調整するテンション調整機構が設けられたことを特徴とする請求項6記載のロボットアーム機構。
【請求項8】
前記第1及び第2のプーリ及び第3のプーリの少なくとも一つは、それぞれ巻きつけられるワイヤの張力が所定より小さくなると回転を制限するブレーキ機構を有することを特徴とする請求項6記載のロボットアーム機構。
【請求項9】
請求項6記載のロボットアーム機構を適用したロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−232360(P2008−232360A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75502(P2007−75502)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】