説明

かしめ固定治具及びサスペンションブッシュのかしめ固定構造

【課題】アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュを常に確実にかしめて高い保持力を確保することができるかしめ固定治具を提供すること。
【解決手段】アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュをアルミニウム製のサスペンションアームにかしめ固定するためのかしめ部11を有するかしめ固定治具10の前記かしめ部11に、前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を押圧して押し潰す押圧部11aと、該押圧部11aの内径側に設けられて前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を拡径させる変形規制部11bを設ける。又、かしめ固定治具10に、サスペンションブッシュの内筒内に挿入嵌合される位置決め部12を設ける。更に、サスペンションブッシュの内筒の端面に当接して外筒の圧縮量を規制するリング状の溝部13をかしめ部11の内径側に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュをアルミニウム製のサスペンションアームにかしめるためのかしめ固定治具とこれを用いてサスペンションアームにかしめられるサスペンションブッシュのかしめ固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の車輪を車体に上下に揺動可能に懸架するサスペンションのサスペンションアームには、従来、比較的安価な鉄鋼材料のプレス成形品が使用されていたが、近年は軽量化や車両の操縦安定性向上のためにアルミニウム製のものが使用されている。
【0003】
上記サスペンションアームは、振動の減衰や動きを許容するためにサスペンションブッシュを介して車体や他のサスペンション部品に取り付けられているが、サスペンションブッシュ109は、図9の断面図に示すように、同心状に配された金属製の内筒109Aと外筒109Bとの間にゴム状弾性体109Cを加硫接着等によって充填して構成されている。
【0004】
而して、サスペンションブッシュ109は、外筒109Bがサスペンションアーム105に形成された取付孔105aに圧入固定され、内筒109Aがこれに挿通する不図示のボルトによって車体や他のサスペンション部品に固定されたブラケットに固定されることによってサスペンションアーム105がサスペンションブッシュ109を介して車体や他のサスペンション部品に取り付けられる。
【0005】
ところで、サスペンションアーム105をアルミニウムで構成した場合、これに圧入されるサスペンションブッシュ109の外筒109Bも電食を避けるために同種のアルミニウムで構成する必要があるが、このようにサスペンションアーム105とサスペンションブッシュ109の外筒109Bをアルミニウムで構成すると、サスペンションブッシュ109の圧入による固定が弱くなってしまう。このため、サスペンションブッシュ109を圧入した後に図10に示すようなかしめ固定治具110を用いてサスペンションブッシュ109の外筒109Bをかしめることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
即ち、図10はかしめ固定治具110を用いてサスペンションブッシュ109をかしめている状態を示す断面図であり、図示のように円筒状の一対のかしめ固定治具110をサスペンションブッシュ109の両側に対向させて配置し、これらのかしめ固定治具110でサスペンションブッシュ109の外筒109Bの軸方向両端を挟んで図示矢印方向に加圧することによって、外筒109Bの軸方向両端部が拡開し、サスペンションブッシュ109がかしめによってサスペンションアーム105に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−173155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、サスペンションブッシュ109のアルミニウム製の外筒109Bは、脆性材料であるアルミニウムの性質上、伸びが少なく割れが発生し易い。このため、外筒109Bのかしめによる変形量の管理が難しく、変形量が小さ過ぎると保持力が不足し、逆に変形量が大き過ぎると割れが発生して十分なかしめ効果が得られないという問題が発生する。
【0009】
又、図10に示したかしめ固定治具110によっては、サスペンションブッシュ109の外筒109Bの軸方向両端を常に確実に拡径させることができず、かしめが安定的に成されない場合があるという問題もある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュを常に確実にかしめて高い保持力を確保することができるかしめ固定治具及びサスペンションブッシュのかしめ固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュをアルミニウム製のサスペンションアームにかしめ固定するためのかしめ部を有するかしめ固定治具の前記かしめ部に、前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を押圧して押し潰す押圧部と、該押圧部の内径側に設けられて前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を拡径させる変形規制部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、かしめ固定治具は、前記サスペンションブッシュの内筒内に挿入嵌合される位置決め部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記サスペンションブッシュの内筒の端面に当接して外筒の圧縮量を規制するリング状の溝部を前記かしめ部の内径側に形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュを請求項1〜3の何れかに記載のかしめ固定治具を用いてアルミニウム製のサスペンションアームにかしめ固定するサスペンションブッシュのかしめ固定構造として、前記サスペンションブッシュのかしめ固定後の外筒に、前記かしめ固定治具のかしめ部の押圧部によって押し潰されて径方向の肉厚が増加した潰れ部と、前記かしめ固定治具のかしめ部の変形規制部によって拡径した拡径部を形成することによってサスペンションブッシュを前記サスペンションアームにかしめ固定する構成を採用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、かしめ固定治具のかしめ部に設けられた押圧部によってサスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁が押圧されて押し潰されるために該外筒の径方向の肉厚が増加し、外筒がサスペンションアームの取付孔の内周面に押圧されて保持力が高められる。又、かしめ固定治具の押圧部の内径側に設けられた変形規制部によってサスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁が外側のみに変形して安定的に拡径するため、この拡径によっても外筒がかしめられ、アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュに高い保持力が確保される。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、かしめ固定治具の位置決め部をサスペンションブッシュの内筒内に挿入嵌合させることによって、該かしめ固定治具とサスペンションブッシュとの位置決めが確実になされて両者間に芯ズレが発生せず、かしめ固定治具はサスペンションブッシュの内筒をガイドとして外筒を安定的に加圧してこれを変形させることができ、該外筒の変形によるサスペンションブッシュのかしめが安定的になされる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、かしめ固定治具をこれに形成された溝部がサスペンションブッシュの内筒の端面に当接するまで加圧すれば、外筒の圧縮量(圧潰量)を最適値に管理することができ、外筒の割れを抑えつつ、高い保持力を確保することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、かしめ固定治具による加圧によって外筒に形成される潰れ部と拡径部の形状によって該外筒の材料の流れ(変形)がスムーズに行われるため、材料のボリュームを有効に利用して外筒を塑性変形させることができ、該外筒の割れを防ぎつつ、高い保持力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両のサスペンションを示す部分正面図である。
【図2】図1のA部拡大詳細図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】本発明に係るかしめ固定治具の斜視図である。
【図5】本発明に係るかしめ固定治具の正面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】図5のD−D線断面図である。
【図8】(a)〜(c)はサスペンションブッシュのかしめ方法をその工程順に示す断面図である。
【図9】サスペンションブッシュのかしめ構造の従来例を示す断面図である。
【図10】サスペンションブッシュの従来のかしめ方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は車両のサスペンションを示す部分正面図、図2は図1のA部拡大詳細図、図3は図2のB−B線断面図である。
【0022】
図1に示す車両のサスペンション1は、車輪2を回転可能に支持するナックル3を車幅方向(図1の左右方向)に配された上下のアッパアーム4とサスペンションアーム(ロアアーム)5を介して車体フレーム6に揺動可能に連結して成るマルチリンク式サスペンションであって、サスペンションアーム5の中間部と車体フレーム6との間にはコイルスプリング7が介装されている。
【0023】
そして、上記アッパアーム4の基端部はサスペンションブッシュ(以下、単に「ブッシュ」と称する)8を介して車体フレーム6に揺動可能に枢支され、先端部はナックル3の上部に回動可能に連結されている。同様にサスペンションアーム5もその基端部がブッシュ9を介して車体フレーム6に揺動可能に枢支され、先端部はナックル3の下部に回動可能に連結されている。
【0024】
ところで、本実施の形態では、サスペンションアーム5は軽量化等の目的のために軽量なアルミニウムで構成されており、その基端部に貫設された円孔状の取付孔5a内には前記ブッシュ9が圧入された後、該ブッシュ9がかしめられることによってサスペンションアーム5に確実に固定されている。
【0025】
ここで、ブッシュ9は、図2及び図3に示すように、同心状に配された金属製の内筒9Aと外筒9Bとの間にゴム状弾性体9Cを加硫接着等によって充填して構成されており、その外筒9Bがサスペンションアーム5の基端部に形成された前記取付孔5a内に圧入されるため、異種金属同士の接触による電食の問題を避けるために外筒9Bはサスペンションアーム5の素材と同種のアルミニウムによって構成されている。
【0026】
而して、ブッシュ9は、サスペンションアーム5の取付孔5aに圧入された後、その外筒9Bが軸方向に加圧されて塑性変形することによってかしめられ、図3に示すように外筒9Bの軸方向端部の周方向4箇所が押し広げられることによって該外筒9Bの端面形状は略四角形を成しており、この外筒9Bのかしめによってブッシュ9がサスペンションアーム5に確実に固定されてその保持力が高められる。
【0027】
ところで、ブッシュ9のかしめには、図4〜図7に示すかしめ固定治具10が使用されるが、このかしめ固定治具10の構成の詳細を以下に説明する。
【0028】
図4は本発明に係るかしめ固定治具の斜視図、図5は同かしめ固定治具の正面図、図6は図5のC−C線断面図、図7は図5のD−D線断面図であり、図示のかしめ固定治具10は底の浅い有底筒状に形成されており、図4及び図5に示すように、その円筒部10Aの端面の周方向4箇所には山形を成すかしめ部11が等角度ピッチ(90°ピッチ)で突設されている。このかしめ部11は、ブッシュ9の外筒9Bを加圧してこれをかしめ変形(塑性変形)させる部位であって、ブッシュ9の外筒9Bの軸方向端縁を押圧して押し潰す押圧部11aと、該押圧部11aの内径側に設けられてブッシュ9の外筒9Bの軸方向端縁を拡径させる(外筒9Bの端部の径方向内側への変形を規制する)変形規制部11bとで構成されている。
【0029】
ここで、各押圧部11aは、径方向外方に向かって高さが低くなるよう傾斜した滑らかな凸曲面で構成され、これの内側に形成された変形規制部11bは、押圧部11aとの境界から内径側に向かって高さが高くなるよう傾斜した滑らかな円弧面で構成されており、この変形規制部11bの垂直面に対する傾斜角は押圧部11aのそれよりも大きく設定されている。即ち、変形規制部11bはかしめ固定治具10の円筒部10Aの平坦面10a10a(図7参照)に対して押圧部11aよりも急傾斜を成して立ち上がっており(図6参照)、その先端エッジ部は押圧部11aの高さよりも高く、かしめ時にはブッシュ9の外筒9Bの内部に入り込むよう配置されている(図8(b),(c)参照)。
【0030】
又、かしめ固定治具10の円筒部10Aの底面の中心部には、かしめ時にブッシュ9の内筒9A内に挿入嵌合される(図8参照)ピン状の位置決め部12が底面に対して垂直方向に突設されており、その先端部12aは当該位置決め部12のブッシュ9の内筒9A内への挿入嵌合がスムーズになされるよう先細状に成形されている。又、この位置決め部12は、かしめ部11がブッシュ9の外筒9Bに当接する前に当該かしめ固定治具10の位置決めが完了するように、かしめ部11よりも先端が突出している。
【0031】
更に、かしめ固定治具10の円筒部10Aの底面の位置決め部12の周囲(かしめ部11の内径側)には、かしめの終期においてブッシュ9の内筒9Aの端面に当接して(図8(c)参照)外筒9Bの圧縮量を規制するリング状の溝部13が形成されている。
【0032】
以上のように構成されたかしめ固定治具10においては、図5に示すように、その中心に位置決め部12が形成され、該位置決め部12から径方向外方に向かって溝部13とかしめ部11が順次形成されており、このようなかしめ固定治具10を用いてブッシュ9のサスペンションアーム5へのかしめが図8(a)〜(c)に示す手順によってなされる。
【0033】
即ち、図8(a)〜(c)はブッシュ9のかしめ方法をその工程順に示す断面図であり、ブッシュ9をサスペンションアーム5の取付孔5aに圧入した後、図8(a)に示すように、一対のかしめ固定治具10をブッシュ9の両側に対向配置し、各かしめ固定治具10の位置決め部12をブッシュ9の内筒9A内にその軸方向両端から挿入嵌合させて各かしめ固定治具10をブッシュ9に対して位置決めする。
【0034】
次に、上記状態から各かしめ固定治具10を図8(b)に示すように矢印方向(ブッシュ9に近づく方向)に前進させてブッシュ9の外筒9Bの軸方向両端を両かしめ固定治具10によって挟持する。このとき、各かしめ固定治具10のかしめ部11の変形規制部11bの先端がブッシュ9の外筒9Bの内周に嵌合するため、これによっても両かしめ固定治具10がブッシュ9に対して正確に位置決めされる。又、このとき、各かしめ固定治具10の溝部は、ブッシュ9の外筒9Bよりも外側方に突出した内筒9Aの軸方向端部を受け入れ、両者の干渉を回避してかしめ固定治具10の必要なストロークを確保する。尚、図8(b)に示す状態では、各かしめ固定治具10の溝部13はブッシュ9の内筒9Aの軸方向端面に当接しておらず、両者の間には図示の隙間δが形成されている。
【0035】
而して、図8(b)に示す状態から両かしめ固定治具10を不図示のプレス装置等によって図8(c)に示すように矢印方向に前進させてブッシュ9の外筒9Bを軸方向に加圧すれば、各かしめ固定治具10の4つのかしめ部11に形成された押圧部11aがブッシュ9の外筒9Bに当接してこれを軸方向に圧縮するとともに、各かしめ部11に形成された変形規制部11bがブッシュ9の外筒9Bの軸方向端縁を径方向外方へと変形させて拡径させる。そして、このようなブッシュ9の外筒9Bのかしめによる塑性変形は、図8(c)に示すように各かしめ固定治具10の溝部13がブッシュ9の内筒9Aの軸方向端面に当接するまで継続され、両者が当接するとブッシュ9に対するかしめが完了し、各かしめ固定治具10は後退してブッシュ9から離間する。
【0036】
而して、上記かしめにおいて、ブッシュ9の外筒9Bの各かしめ固定治具10のかしめ部11が当接する周方向4箇所は軸方向に押圧されて押し潰されつつ拡径される。つまり、ブッシュ9の外筒9Bのかしめ形状は、かしめ固定治具10のかしめ部11に形成された変形規制部11bによって押圧されて拡径し、変形規制部11bの形状が転写された斜面状の拡径部9aと、かしめ部11の押圧部11aによって押し潰されて径方向の肉厚が増加するとともに、押圧部11aの形状が転写された斜面状の潰れ部11bとを有する形状となっている。このため、かしめ後のブッシュ9においては、外筒9Bの潰れ部9bの内径側に拡径部9aが配置され、該拡径部9aの内筒9Aの軸線に対する傾きが潰れ部9bの傾きよりも大きく設定されている(図3参照)。このため、外筒9Bの材料の流れ(変形)がスムーズに行われ、材料のボリュームが有効に利用されて外筒9Bが塑性変形され、これによって該外筒9Bの割れを防ぎつつ、高い保持力を得ることができる。
【0037】
以上のように、本発明に係るかしめ固定治具10を用いたブッシュ9のかしめによれば、各かしめ固定治具10のかしめ部11に設けられた押圧部11aによってブッシュ9の外筒9Bの軸方向端縁が押圧されて押し潰されるために該外筒9Bの径方向の肉厚が増加し、外筒9Bがサスペンションアーム5の取付孔5aの内周面に押圧されて保持力が高められる。又、かしめ固定治具10の押圧部11aの内径側に設けられた変形規制部11bによってブッシュ9の外筒9Bの軸方向端縁が外側のみに変形して安定的に拡径するため、この拡径によっても外筒9Bがかしめられ、アルミニウム製の外筒9Bを有するブッシュ9に高い保持力が確保される。
【0038】
更に、ブッシュ9のかしめに際してかしめ固定治具10の位置決め部12をブッシュ9の内筒9A内に挿入嵌合させるようにしたため、該かしめ固定治具10とブッシュ9との位置決めが確実になされて両者間に芯ズレが発生せず、かしめ固定治具10はブッシュ9の内筒9Aをガイドとして外筒9Bを安定的に加圧してこれを変形させることができ、該外筒9Bの変形によるブッシュ9のサスペンションアーム5へのかしめが安定的になされる。
【0039】
又、本発明に係るかしめ固定治具10には溝部13が形成されているため、各かしめ固定治具10をこれに形成された溝部13がブッシュ9の内筒9Aの端面に当接するまで加圧すれば、外筒9Bの圧縮量(圧潰量)を最適値に管理することができ、外筒9Bの割れを抑えつつ、高い保持力を確保することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0040】
1 サスペンション
2 車輪
3 ナックル
4 アッパアーム
5 サスペンションアーム
5a サスペンションアームの取付孔
6 車体フレーム
7 コイルスプリング
8,9 ブッシュ(サスペンションブッシュ)
9A ブッシュの内筒
9B ブッシュの外筒
9C ブッシュのゴム状弾性体
9a 外筒の拡径部
9b 外筒の潰れ部
10 かしめ固定治具
10A かしめ固定治具の円筒部
10a 円筒部の平坦面
11 かしめ固定治具のかしめ部
11a かしめ部の押圧部
11b かしめ部の変形規制部
12 かしめ固定治具の位置決め部
13 かしめ固定治具の溝部
δ かしめ固定治具の溝部とブッシュの内筒都の隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュをアルミニウム製のサスペンションアームにかしめ固定するためのかしめ部を有するかしめ固定治具であって、
前記かしめ部に、前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を押圧して押し潰す押圧部と、該押圧部の内径側に設けられて前記サスペンションブッシュの外筒の軸方向端縁を拡径させる変形規制部を設けたことを特徴とするかしめ固定治具。
【請求項2】
前記サスペンションブッシュの内筒内に挿入嵌合される位置決め部を有することを特徴とする請求項1記載のかしめ固定治具。
【請求項3】
前記サスペンションブッシュの内筒の端面に当接して外筒の圧縮量を規制するリング状の溝部を前記かしめ部の内径側に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のかしめ固定治具。
【請求項4】
アルミニウム製の外筒を有するサスペンションブッシュを請求項1〜3の何れかに記載のかしめ固定治具を用いてアルミニウム製のサスペンションアームにかしめ固定するサスペンションブッシュのかしめ固定構造であって、
前記サスペンションブッシュのかしめ固定後の外筒に、前記かしめ固定治具のかしめ部の押圧部によって押し潰されて径方向の肉厚が増加した潰れ部と、前記かしめ固定治具のかしめ部の変形規制部によって拡径した拡径部を形成することによってサスペンションブッシュを前記サスペンションアームにかしめ固定することを特徴とするサスペンションブッシュのかしめ固定構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−168113(P2011−168113A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32001(P2010−32001)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】