説明

アクチュエータ及び電動パワーステアリング装置

【課題】コストの増大を抑えつつ、搭載性に優れたアクチュエータ及び電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】EPSアクチュエータ22は、同軸上に並置される第1モータ21a及び第2モータ21bと、第1モータ21aと第2モータ21bとの間に配置され、これら第1及び第2モータ21a,21bの各第1及び第2出力軸51a,51bに連結されるウォーム軸26を有する減速機構25とを備えた。そして、第1モータ21aと第2モータ21bとの間で、第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとを接続する接続線62を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ及び電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータにウォーム減速機等の減速機構を設けてなるアクチュエータがある。こうしたアクチュエータは、例えば車両用の電動パワーステアリング装置(EPS)において、操舵系にアシスト力を付与するEPSアクチュエータとして用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、こうしたアクチュエータとして、同軸上に設けられた2つのモータ間に減速機構を配置したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の構成では、モータが減速機構の一方側にのみ設けられる構成(特許文献1、第3図参照)に比べ、アクチュエータの出力性能を維持しつつ、減速機構からモータが大きく突出することを抑制できるため、車両への搭載性が向上する等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−96213号公報
【特許文献2】特開2004−224280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献2の構成では、減速機構(ウォーム軸)の両側に設けられたモータがそれぞれ独立した別個のモータとして構成されているため、その電機子コイルに駆動電力を供給するための部品(整流子や駆動回路等)が各モータにそれぞれ必要となる。その結果、アクチュエータを構成する部品点数が多くなり、コストの増大を招くといった問題が生じていた。
【0006】
なお、このような問題は、アクチュエータをEPSに用いた場合に限らず、他の機器に用いた場合にも同様に生じ得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストの増大を抑えつつ、搭載性に優れたアクチュエータ及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1モータ及び第2モータと、前記第1モータと前記第2モータとの間に配置され、該第1モータ及び該第2モータの各出力軸に連結される駆動ギアを有する減速機構とを備え、前記第1モータと前記第2モータとの間で、該第1モータの電機子コイルと該第2モータの電機子コイルとを接続する接続線を備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、接続線を介して第1モータ及び第2モータの電機子コイル同士が電気的に接続されるため、いずれか一方の電機子コイルに駆動電力を供給することにより、いずれか他方の電機子コイルにも駆動電力が供給されるようになる。そのため、電機子コイルに駆動電力を供給するための部品をいずれか一方のモータに設けることにより、第1及び第2モータの双方を駆動することが可能になる。従って、減速機構の両側にそれぞれモータを配置しても、部品点数が増加することを抑制できるため、コストの増大を抑えつつ、搭載性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ステアリング操作を補助するためのアクチュエータとして請求項1に記載のアクチュエータを備えた電動パワーステアリング装置であることを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、搭載性に優れた電動パワーステアリング装置を低コストで提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、搭載性に優れたアクチュエータ及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。
【図2】第1実施形態のEPSアクチュエータを示す断面図。
【図3】(a)第1実施形態のロータを示す斜視図、(b)ステータを示す斜視図。
【図4】第1実施形態の電機子コイルのティースへの巻回状態を示す模式図。
【図5】第1実施形態の電機子コイルの結線図。
【図6】第2実施形態のEPSアクチュエータを示す断面図。
【図7】第2実施形態のロータを示す斜視図。
【図8】第2実施形態の電機子コイルのティースへの巻回状態を示す模式図。
【図9】第2実施形態の電機子コイルの結線図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。これにより、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。なお、ステアリングシャフト3は、コラム軸8、中間軸9、及びピニオン軸10を連結してなる。そして、ステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
【0014】
また、EPS1は、第1及び第2モータ21a,21bを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ22と、同EPSアクチュエータ22の作動を制御するECU23とを備えている。
【0015】
EPSアクチュエータ22は、所謂コラムアシスト型のEPSアクチュエータとして構成されており、第1及び第2モータ21a,21bは、減速機構25を介してコラム軸8と駆動連結されている。本実施形態の第1及び第2モータ21a,21bには、ブラシレスモータが採用されており、ECU23から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。また、減速機構25には、第1及び第2モータ21a,21bが連結された駆動ギアとしてのウォーム軸26と、コラム軸8に連結された従動ギアとしてのウォームホイール27とを噛合してなるウォーム減速機が採用されている。そして、第1及び第2モータ21a,21bの回転を減速機構25により減速してコラム軸8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成になっている。
【0016】
一方、ECU23には、車速センサ28及びトルクセンサ29が接続されている。そして、ECU23は、これらセンサにより検出される車速V及び操舵トルクτに基づいて、EPSアクチュエータ22の作動、すなわち操舵系に付与するアシスト力の制御を実行する構成になっている。なお、ECU23は、車速V及び操舵トルクτに基づいてモータ制御信号を出力するマイコン31と、そのモータ制御信号に基づいて第1及び第2モータ21a,21bに三相の駆動電力を供給する駆動回路(インバータ)32とを備えている。
【0017】
次に、本実施形態におけるEPSアクチュエータの構成について説明する。
図2に示すように、EPSアクチュエータ22は、減速機構25を収容する減速機ハウジング41を備えている。減速機ハウジング41は、ウォーム軸26が収容されるウォーム軸収容部42、及び同ウォーム軸収容部42に連続して形成されるとともにウォームホイール27が収容されるウォームホイール収容部43を有している。ウォーム軸収容部42は、ウォーム軸26の軸方向(図2における左右方向)両端が開口した略円筒状に形成されている。そして、ウォーム軸26は、ウォーム軸収容部42内において回転可能に収容されるとともに、ステアリングシャフト3に連結されたウォームホイール27に噛合されている。
【0018】
一方、第1及び第2モータ21a,21bは、同性能、同重量及び同形状であり、ウォーム軸26(ウォーム軸収容部42)の両端に同ウォーム軸26と同軸配置されている。つまり、同軸上に配置された第1及び第2モータ21a,21bの間に減速機構25が配置されている。
【0019】
詳述すると、ウォーム軸収容部42の各開口端には、有底円筒状の第1及び第2ハウジング44a、44bが固定されている。そして、第1及び第2モータ21a,21bは、第1及び第2ハウジング44a、44b内に収容される第1及び第2ステータ45a,45bと、同第1及び第2ステータ45a,45bの径方向内側において回転可能に支持される第1及び第2ロータ46a,46bとをそれぞれ備えている。
【0020】
図2及び図3(a)に示すように、第1ロータ46aは、ウォーム軸26の一端(図2における左端)からその軸方向に一体的に延出された第1出力軸51aとともに一体回転する円筒状の第1ロータコア52aと、第1ロータコア52aの外周に固定される第1マグネット53aとを備えている。同様に、第2ロータ46bは、ウォーム軸26の他端(図2における右端)からその軸方向に一体的に延出された第2出力軸51bとともに一体回転する円筒状の第2ロータコア52bと、第2ロータコア52bの外周に固定される第2マグネット53bとを備えている。すなわち、ウォーム軸26と、第1及び第2出力軸51a,51bとは一体形成されている。なお、第1及び第2マグネット53a,53bには、円筒状のリングマグネットが用いられるとともに、第1及び第2マグネット53a,53bの外周には、着磁により複数(本実施形態では、4つ)の磁極が交互に形成されている。
【0021】
第1出力軸51aは、その先端が第1ハウジング44aの底部に設けられた軸受55aにより回転可能に支持され、第2出力軸51bは、その先端が第2ハウジング44bの底部に設けられた軸受55bにより回転可能に支持されている。これにより、第1及び第2ロータ46a,46bが第1及び第2ステータ45a,45bの内側において回転可能に支持されるとともに、上記ウォーム軸26がウォーム軸収容部42内で回転可能に支持されている。
【0022】
図2及び図3(b)に示すように、第1ステータ45aは、第1ハウジング44aの内周に固定された第1円筒部56a、及び第1円筒部56aから径方向内側に突出する複数(本実施形態では、3本)の第1ティース57aからなる第1ステータコア58aを備えている。同様に、第2ステータ45bは、第2ハウジング44bの内周に固定された第2円筒部56b、及び第2円筒部56bから径方向内側に突出する複数の第2ティース57bからなる第2ステータコア58bを備えている。第1及び第2ティース57a,57bには、各相の第1及び第2電機子コイル61a,61bがそれぞれ集中巻にて巻回されている。
【0023】
そして、図2、図3(b)及び図4に示すように、各相の第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとは、第1モータ21aと第2モータ21bとの間で、それぞれ接続線62を介して直列に接続されている。なお、図5に示すように、直列に接続された第1及び第2電機子コイル61a,61bの各組はデルタ結線されている。
【0024】
具体的には、ウォーム軸収容部42の内周面には、その軸方向に延びる複数の収容溝63が形成されている。そして、各接続線62が同収容溝63内に配置されることにより、ウォーム軸収容部42の両側に設けられた第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとが互いに接続されている。そして、第1及び第2電機子コイル61a,61bは、その端末線がバスバー(図示略)を介してECU23(図1参照)に接続されている。
【0025】
このように構成されたEPSアクチュエータ22では、第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとが接続線62を介して直列に接続されているため、単独のECU23(駆動回路32)から第1及び第2電機子コイル61a,61bの双方に駆動電力が供給される。そして、第1及び第2電機子コイル61a,61bが励磁されて第1及び第2ステータ45a,45bにそれぞれ回転磁界が発生し、その回転磁界と第1及び第2マグネット53a,53bとの間に生じる電磁力に基づいて第1及び第2ロータ46a,46bがウォーム軸26と一体で回転する。これにより、第1及び第2モータ21a,21bで発生するモータトルクが減速機構25を介して操舵系に付与されるようになっている。
【0026】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)第1モータ21aと第2モータ21bとの間で、第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとを接続する接続線62を備えた。これにより、接続線62を介して第1及び第2電機子コイル61a,61b同士が電気的に接続されるため、共通の駆動回路32により第1及び第2モータ21a,21bの双方を駆動することが可能になる。従って、減速機構25の両側にそれぞれ第1及び第2モータ21a,21bを配置しても、EPSアクチュエータ22の部品点数が増加することを抑制できるため、コストの増大を抑えつつ、搭載性の向上を図ることが可能になる。これにより、搭載性に優れたEPS1を低コストで提供することができる。
【0027】
(2)ウォーム軸26の両端に第1出力軸51a及び第2出力軸51bを一体形成したため、ウォーム軸26、第1及び第2出力軸51a,51bを別部材により構成する場合に比べ、部品点数を削減してより一層コストの増大を抑えることができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、第1及び第2モータにブラシ付きモータが採用されている点である。このため、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図6に示すように、本実施形態の第1及び第2ステータ45a,45bは、第1及び第2ハウジング44a、44bの内周に複数(本実施形態では、2つ)の第1及び第2マグネット71a,71bを固定することによりそれぞれ構成されている。なお、第1及び第2マグネット71a,71bは、それぞれ等角度間隔で互いに異なる磁極となるように第1及び第2ハウジング44a、44bの内周に固定されている。
【0030】
図6及び図7に示すように、第1ロータ46aは、第1出力軸51aと一体回転可能に固定された第1円筒部72a、及び第1円筒部72aから径方向外側に向って延びる複数(本実施形態では、3本)の第1ティース73aからなる第1ロータコア74aを備えている。同様に、第2ロータ46bは、第2出力軸51bと一体回転可能に固定された第2円筒部72b、及び第2円筒部72bから径方向外側に向って延びる複数の第2ティース73bからなる第2ロータコア74bを備えている。これら各第1及び第2ティース73a,73bには、第1及び第2電機子コイル75a,75bがそれぞれ集中巻にて巻回されている。
【0031】
そして、図6〜図8に示すように、軸方向において対向する第1及び第2ティース73a,73bに巻回された第1及び第2電機子コイル75a,75bは、第1モータ21aと第2モータ21bとの間で、それぞれ接続線76を介して直列に接続されている。なお、図9に示すように、直列に接続された第1及び第2電機子コイル75a,75bの各組はデルタ結線されている。
【0032】
具体的には、ウォーム軸26における歯部77の径方向内側部分には、軸方向に延びる複数の貫通孔78が形成されている。そして、各接続線76が同貫通孔78内に挿通されることにより、ウォーム軸収容部42の両側に設けられた第1電機子コイル75aと第2電機子コイル75bとが互いに接続されている。なお、本実施形態では、ウォーム軸26は、第1及び第2出力軸51a,51bの先端を支持する軸受55a,55bに加え、ウォーム軸収容部42の両端に設けられた軸受79a,79bにより歯部77の両端が回転可能に支持されている。
【0033】
また、第1モータ21aは、整流子81と、整流子81の径方向外側に配置され、同整流子81のセグメント82に摺接する複数(2本)の給電ブラシ83を備えている。
整流子81は、第1出力軸51aに固定された円筒体84の外周面に複数(本実施形態では、3つ)のセグメント82を固定することにより形成されている。円筒体84は、第1出力軸51aの先端側(図6における左側)に配置されており、各セグメント82は、円筒体84の外周面に等角度間隔で配置されている。そして、各セグメント82には、対応する第1及び第2電機子コイル75a,75bの端末線がそれぞれ接続されている。
【0034】
各給電ブラシ83は、ブラシホルダ86内に収容され、コイルバネ等の付勢部材87によって付勢されることにより、上記整流子81の外周面に固定された各セグメント82に摺接されている。また、各給電ブラシ83には、ECU23からモータ回転に応じた正負の電圧が印加される。そして、各給電ブラシ83が整流子81の回転位置に応じたセグメント82に摺接することにより、当該セグメント82に接続された第1及び第2電機子コイル75a,75bに駆動電力が供給される。
【0035】
このように構成されたEPSアクチュエータ22では、第1電機子コイル75aと第2電機子コイル75bとが接続線76を介して直列に接続されているため、単独の整流子81から第1及び第2電機子コイル75a,75bの双方に駆動電力が供給される。そして、第1及び第2電機子コイル75a,75bが励磁されて第1及び第2ロータ46a,46bにそれぞれ回転磁界が発生し、その回転磁界と第1及び第2マグネット71a,71bとの間に生じる電磁力に基づいて第1及び第2ロータ46a,46bがウォーム軸26と一体で回転するようになっている。
【0036】
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(2)と同様の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(3)第1モータ21aと第2モータ21bとの間で、第1電機子コイル75aと第2電機子コイル75bとを接続する接続線76を備えた。これにより、接続線76を介して第1及び第2電機子コイル75a,75b同士が電気的に接続されるため、共通の整流子81により、第1及び第2モータ21a,21bの双方を駆動することが可能になる。これにより、上記第1実施形態と同様に、搭載性に優れたEPS1を低コストで提供することができる。
【0037】
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態では、ウォーム軸26を第1及び第2出力軸51a,51bの先端に設けられた軸受55a,55bのみによって回転可能に支持したが、これに限らず、上記第2実施形態のように歯部77の両端を支持する軸受79a,79bを設けてもよい。なお、この場合には、ウォーム軸収容部42や第1及び第2ハウジング44a、44bに、各接続線76を挿通するための貫通孔を形成する。
【0038】
・上記第1実施形態では、各相の第1電機子コイル61aと第2電機子コイル61bとをそれぞれ接続線62を介して直列に接続したが、これに限らず、並列に接続してもよい。同様に、上記第2実施形態において、第1電機子コイル75aと第2電機子コイル75bとをそれぞれ接続線76を介して並列に接続してもよい。
【0039】
・上記各実施形態では、ウォーム軸26と第1及び第2出力軸51a,51bを一体に形成したが、これに限らず、ウォーム軸26と、第1及び第2出力軸51a,51bとをそれぞれ別部材により構成し、これらを互いに連結するようにしてもよい。
【0040】
・上記各実施形態では、第1及び第2モータ21a,21bにウォーム軸26とウォームホイール27を噛合してなるウォーム減速機を連結したが、これに限らず、例えば複数の平歯車を噛合させた歯車機構等の他の減速機構を連結してもよい。
【0041】
・上記各実施形態では、本発明をEPS用のアクチュエータに具体化したが、これに限らず、例えば対象物に連結されたワイヤーを巻き上げるワイヤー巻き上げ機等、EPS以外の機器に用いられるアクチュエータに適用してもよい。
【0042】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記駆動ギアの両端には、前記第1モータ及び前記第2モータの各出力軸が一体形成されたことを特徴とするアクチュエータ。上記構成によれば、駆動ギア、第1及び第2モータの各出力軸を別部材により構成し、これらを互いに連結する場合に比べ、部品点数を削減してより一層コストの増大を抑えることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、21a…第1モータ、21b…第2モータ、22…EPSアクチュエータ、23…ECU、25…減速機構、26…ウォーム軸、27…ウォームホイール、31…マイコン、32…駆動回路、41…減速機ハウジング、42…ウォーム軸収容部、43…ウォームホイール収容部、44a…第1ハウジング、44b…第2ハウジング、45a…第1ステータ、45b…第2ステータ、46a…第1ロータ、46b…第2ロータ、51a…第1出力軸、51b…第2出力軸、55a,55b,79a,79b…軸受、61a,75a…第1電機子コイル、61b,75b…第2電機子コイル、62,76…接続線、63…収容溝、64,85…引き出し線、77…歯部、78…貫通孔、81…整流子、82…セグメント、83…給電ブラシ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モータ及び第2モータと、
前記第1モータと前記第2モータとの間に配置され、該第1モータ及び該第2モータの各出力軸に連結される駆動ギアを有する減速機構とを備え、
前記第1モータと前記第2モータとの間で、該第1モータの電機子コイルと該第2モータの電機子コイルとを接続する接続線を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
ステアリング操作を補助するためのアクチュエータとして請求項1に記載のアクチュエータを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−192787(P2012−192787A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56928(P2011−56928)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】