説明

アライメントステージ

【課題】 移動荷重を受けるワークの高精度な位置補正を行う。
【解決手段】 ベース1の上方に、移動荷重が作用するワークを保持するトップテーブル4aを配置し、ベース1とトップテーブル4aとの間にて、荷重移動方向Lに千鳥配置となるトップテーブル4aの中央と四角部に対応する個所に、X、Y、θの3自由度を備えた支持ユニット13と、支持ユニット13と同様の構成に加えて一軸方向のボールねじ直動機構9を有する駆動ユニット14A,14B,14C,14Dを介装する。一方と他方の対角位置の駆動ユニット14A,14Bと14C,14Dは、ボールねじ直動機構9を直交配置させる。ワークを介してトップテーブル4aに荷重移動方向Lに移動しながら作用する移動荷重を、各駆動ユニット14A,14C、支持ユニット13、各駆動ユニット14B,14Dで連続的に受けることで、トップテーブル4aの変形を抑制させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X、Y、θの3自由度を備えたアライメントステージに関するもので、特に、移動荷重を受けるワークのアライメントを行うために用いるアライメントステージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等の電極パターン(導電パターン)を所要の基板上に形成する手法として、金属蒸着膜のエッチング等による微細加工に代えて、導電性ペーストを印刷インクとして用いた印刷技術、たとえば、凹版オフセット印刷技術を用いて基板上に電極パターンを印刷して形成する手法が提案されてきている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
上記電極パターンのような精細な印刷パターンを上記基板のような平板状の印刷対象にオフセット印刷する場合は、高い印刷精度が要求される。そのため、高い印刷精度のオフセット印刷を行う場合のオフセット印刷装置としては、版として印刷対象と同様の平板状の版を用いる形式の平板印刷装置とすることが有利とされている。
【0004】
一般に、平板状の版と印刷対象を用いてオフセット印刷を実施する場合は、予めインキングした版に対し、回転させたブランケットロールを所要の接触圧力で押し当てながら該版に対して相対移動させることで、上記版より上記ブランケットロールの表面にインクを転写(受理)し、次いで、該ブランケットロールを回転させた状態で、上記印刷対象に所要の接触圧力で押し当てながら該印刷対象に対して相対移動させることで、上記ブランケットロールより印刷対象の表面へインクを再転写(印刷)して、上記版の印刷パターンを上記印刷対象の表面に再現するようにしてある。
【0005】
ところで、印刷対象を順次新たなものに取り替えて印刷作業を行う際に、印刷対象ごとに設置位置の位置ずれが生じると、印刷位置の再現性が低下するという問題が生じる。
【0006】
又、版は、印刷に用いることで徐々に摩耗(消耗)するため、所要の印刷回数や印刷時間ごとに交換する必要が生じる。又、重ね刷りを行う際には版の交換が必要とされる。このような版の交換に伴い、交換後の版の設置位置が交換前の版の設置位置に対して位置ずれを生じると、印刷位置の再現性が低下してしまう。
【0007】
上記したような印刷対象や版の設置位置の位置ずれに起因する印刷位置の再現性の低下が生じると、電極パターンのような精細な印刷パターンをオフセット印刷する場合に必要とされる高い印刷精度を満足できなくなる虞が懸念される。
【0008】
そのために、本出願人は、オフセット印刷に用いる上記版及び印刷対象をアライメントステージに保持させて、版ごと及び印刷対象ごとに印刷作業開始前にアライメントを行うことで、版及び印刷対象の設置位置の位置ずれを補正し、ブランケットロールに対する版や印刷対象の接触位置が毎回同一となるよう位置の再現性を高めて、版より該ブランケットロールを介し印刷対象に印刷させる印刷パターンの位置の再現性を高めることを計画している。
【0009】
更に、設計誤差等に起因して、回転するブランケットロールの外周面の移動方向、すなわち、該ブランケットロールの軸心に直角な方向と、該ブランケットロールを版や印刷対象に押し当てながら相対移動させるときの相対移動方向に傾きやずれが生じている場合、あるいは、ブランケットロールに偏心が存在していて、或る一定の回転速度で回転させるブランケットロールの周速に変動が生じている場合に、ブランケットロールを上記アライメントステージに保持させた版や印刷対象に対して接触させている間に、該版や印刷対象を上記ブランケットロールの外周面における接触部分の動きに追従させて移動させることができるように、アライメントステージにより上記版や印刷対象の位置補正を行うことを計画している。
【0010】
なお、液晶ディスプレイや半導体の製造工程では、積層する部材や層の重ね合わせ精度を確保する必要があり、そのために、ワークのXY直交座標平面における配置と、回転角度θのアライメントを行うためのアライメントステージとして、たとえば、図8及び図9に一例の概略を示す如きアライメントステージが使用されている。
【0011】
これは、固定側のベース1の四角部に、1つの支持ユニット2と3つの駆動ユニット3A,3B,3Cをそれぞれ設けると共に、該支持ユニット2及び各駆動ユニット3A,3B,3Cの上側に、移動側となるトップテーブル4の四角部を載置して取り付けた構成としてある。
【0012】
上記支持ユニット2は、直線状のガイドレール6a,6bと、該ガイドレール6a,6bにスライド可能に取り付けたガイドブロック7a,7bからなる2つの直動ガイド5aと5bを、直交する姿勢で上下2段に重ねて配置すると共に、下段の直動ガイド5aのガイドブロック7aの上側に、上段の直動ガイド5bのガイドレール6bを取り付け、更に、上記上段の直動ガイド5bのガイドブロック7bの上側に、水平面内で旋回可能な旋回ベアリング8を取り付けてなる構成としてある。これにより、上記支持ユニット2の下端部となる上記下段直動ガイド5aのガイドレール6aを基準として、該支持ユニット2の上端部となる上記旋回ベアリング8の頂部に、X、Y、θの3自由度を得ることができるようにしてある。
【0013】
上記構成としてある支持ユニット2は、上記下段直動ガイド5aのガイドレール6aを、上記ベース1の対応する個所に設置すると共に、上記旋回ベアリング8の上側に、上記トップテーブル4の対応する個所を取り付けるようにしてある。
【0014】
上記各駆動ユニット3A,3B,3Cは、上記支持ユニット2と同様の構成において、下段直動ガイド5aのガイドレール6aと平行に、サーボモータ10と、その出力軸に連結したねじ軸11と、該ねじ軸11に螺合させたナット部材12からなるボールねじ直動機構9を配置すると共に、該ボールねじ直動機構9の上記ナット部材12を、上記下段直動ガイド5aのガイドブロック7aに連結してなる構成としてある。これにより、上記ボールねじ直動機構9のサーボモータ10による上記ねじ軸11の正逆転駆動により、上記ナット部材12を上記ねじ軸11の軸心方向に沿って移動させることで、該ナット部材12と一体に上記下段直動ガイド5aのガイドブロック7aを、ガイドレール6aの長手方向に沿って移動させることができるようにしてある。
【0015】
上記構成としてある各駆動ユニット3A,3B,3Cは、上記ベース1のそれぞれ対応する個所に、下段直動ガイド5aのガイドレール6aと、ボールねじ直動機構9を設置すると共に、上記旋回ベアリング8の上側に、上記トップテーブル4の対応する個所を取り付けるようにしてあり、この際、上記各駆動ユニット3A,3B,3Cのうち、2つの駆動ユニット3A,3Bのボールねじ直動機構9の向き(駆動方向)と、残る1つの駆動ユニット3Cのボールねじ直動機構9の向き(駆動方向)が、それぞれX軸方向と、Y軸方向で互いに直交する配置となるようにしてある。
【0016】
以上の構成としてあるアライメントステージによれば、上記各駆動ユニット3A,3BのX軸方向のボールねじ直動機構9と、駆動ユニット3Cのボールねじ直動機構9によるそれぞれ対応する下段直動ガイド5aのガイドブロック7aの位置保持と移動、更には、該ガイドブロック7aを移動させるときの移動方向とその移動量を適宜調整することで、上記トップテーブル4にX−Y平面内での水平変位と、回転角度θの回転変位を組み合わせて行わせ、これにより、上記トップテーブル4上に保持するアライメント対象の図示しないワークについて、X、Y、θの3軸方向のアライメントを行うことができるようにしてある(たとえば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第2797567号公報
【特許文献2】特許第3904433号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】THK株式会社、カタログ「アライメントステージ CMX」、2007年8月3日、カタログ番号238−4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところが、上記図8及び図9に示した従来のアライメントステージは、液晶ディスプレイや半導体の製造工程における光プロセスを想定してワークのアライメントを行うことを想定したものであるため、荷重を負荷することがあまり考慮されていないというのが実状である。
【0020】
すなわち、前記した平板状の版や印刷対象を用いたオフセット印刷にて、版や印刷対象を上記図8及び図9に示したアライメントステージに保持させてアライメントを行うことで該版や印刷対象を所望の位置に位置補正を行わせ、次いで、上記アライメントステージに保持させた版や印刷対象に回転させたブランケットロールを所要の接触圧力で押し当てながら該版や印刷対象に対して相対移動させると、版や印刷対象を保持している上記アライメントステージには、上記版や印刷対象と上記ブランケットロールの外周面との接触部分に対応した該ブランケットロールの軸心方向に延びる細長い帯状の領域に荷重が作用するようになると共に、この荷重の作用している細長い帯状の領域が、時間の経過に伴い上記版や印刷対象に対するブランケットロールの相対移動方向に沿って移動するようになることから、上記アライメントステージには移動荷重が作用するようになる。
【0021】
しかし、上記図8及び図9に示したアライメントステージでは、トップテーブル4は、その四角部を、支持ユニット2と駆動ユニット3Aと3Bと3Cで支持するようにしてあるため、たとえば、Y軸方向に沿って延びる細長い領域に作用する荷重が、X軸方向に移動する移動荷重として作用する場合は、該移動荷重が上記トップテーブル4における支持ユニット2と駆動ユニット3Aと3Bと3Cのいずれによる支持も行われていないトップテーブル4のX軸方向の中間部に作用するようになる時点で、該トップテーブル4の鉛直方向の支持剛性が低下することに起因して、該トップテーブル4が撓むように変形する虞があり、よって、該トップテーブル4の上に保持する版や印刷対象等の図示しないワークに位置ずれが生じる虞がある。
【0022】
更に、上記図8及び図9に示したアライメントステージでは、ボールねじ直動機構9を備えた3つの駆動ユニット3A,3B,3Cにより、トップテーブル4にX−Y平面内での水平変位と、回転角度θの回転を組み合わせて、X、Y、θの3軸のアライメントを行わせるようにしてあるが、X軸方向の駆動を行うための駆動ユニット3A,3Bのボールねじ直動機構9の数と、Y軸方向の駆動を行うための駆動ユニット3Cのボールねじ直動機構9の数が相違するため、X軸方向とY軸方向の水平方向剛性に差が生じてしまっているというのが実状である。そのために、たとえば、上記オフセット印刷にてブランケットロールを接触させることで版や印刷対象に移動荷重が作用している状態で、該版や印刷対象の位置補正を上記アライメントステージにより行おうとすると、該アライメントステージのX軸方向とY軸方向の水平方向剛性の差に起因して、X軸方向への移動とY軸方向への移動の行い易さに差が生じてしまい、よって、上記版や印刷対象に所望する位置補正を行うことができなくなる可能性がある。
【0023】
しかも、上記図8及び図9に示したアライメントステージでは、上記各駆動ユニット3A,3B,3Cの各ボールねじ直動機構9の各サーボモータ10に内蔵されたエンコーダにより、該各ボールねじ直動機構9による駆動を行うときの駆動量を制御して、トップテーブル4の位置制御を行うようにしてあるが、上記トップテーブル4に上記したような移動荷重が作用したり、上記トップテーブル4を移動荷重が作用している状態で水平変位や回転変位させようとするときに、上記荷重が外力として作用する上記各ボールねじ直動機構9のねじ軸11やナット部材12等の推力伝達部に撓みやがた等が生じた場合は、その誤差要素を排除することができず、しかも、誤差要素の存在自体を検知することができないため、トップテーブル4の高精度な位置制御ができなくなる虞が懸念される。
【0024】
更には、上記図8及び図9に示したアライメントステージでは、各駆動ユニット3A,3B,3Cの各ボールねじ直動機構9の駆動源である各サーボモータ10を、上記ベース1上における上記トップテーブル4により覆われる位置に配置するようにしてあるため、該各サーボモータ10の発熱の影響によりトップテーブル4やベース1に熱変形が生じ、このトップテーブル4やベース1の熱変形に伴って、上記トップテーブル4に保持させる図示しないワークに位置ずれが生じる虞も懸念される。
【0025】
したがって、上記図8及び図9に示した従来のアライメントステージでは、移動荷重が作用するワークをX、Y、θの3軸方向に高精度な位置決めを行った状態のまま保持したり、移動荷重が作用している状態でワークをX、Y、θの3軸方向に高精度な位置補正を行わせることは困難である。
【0026】
そこで、本発明は、移動荷重が作用するワークをX、Y、θの3軸方向に高精度な位置決めを行った状態のまま保持でき、更に、荷重が作用している状態であっても、ワークをX、Y、θの3軸方向に高精度に変位させることができるアライメントステージを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えた所要数の支持ユニットと、該支持ユニットに一軸方向の直動機構を具備してなる3つ以上の駆動ユニットとを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残りの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成とする。
【0028】
又、上記構成において、移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とした構成とする。
【0029】
同様に、上記構成において、移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とし、且つ上記トップテーブルの四角部に対応する個所に、それぞれ駆動ユニットを設けると共に、上記トップテーブルの中央に対応する個所に、支持ユニットを設けるようにした構成とする。
【0030】
又、請求項4に対応して、ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、更に、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えると共に一軸方向の直動機構を備えた構成を有する駆動ユニットを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残る2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成とする。
【0031】
更に、上記各構成において、移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの各辺の中間位置と該トップテーブルの中央とを結ぶ線上に対応する個所とした構成とする。
【0032】
上述の各構成において、各駆動ユニットの一軸方向の直動機構を、モータと、その出力軸に連結したねじ軸と、該ねじ軸に螺合させたナット部材を具備したボールねじ直動機構とからなるものとし、且つ該各ボールねじ直動機構の上記モータを、ベースの外方へ突出させて配置するようにした構成とする。
【0033】
更に、上述の各構成において、各駆動ユニット近傍のベース上に、該各駆動ユニットの一軸方向の直動機構による駆動量を検出するためのリニアスケールを設けるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明のアライメントステージによれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えた所要数の支持ユニットと、該支持ユニットに一軸方向の直動機構を具備してなる3つ以上の駆動ユニットとを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残りの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成としてあるので、上記3つ以上設けてある駆動ユニットの駆動を組み合わせることで、トップテーブルのX−Y平面内での水平移動と、回転角度θの回転を組み合わせた移動を行わせることができるため、該トップテーブルに保持するワークについて、X、Y、θの3軸方向に位置補正することができる。
(2)更に、トップテーブルに保持するワークに対して移動荷重が作用しても、該ワークを介して上記トップテーブルに作用する上記移動荷重を、該移動荷重の移動方向に沿って千鳥配置してある各駆動ユニット及び支持ユニットにより連続的に受けることができるため、トップテーブルの鉛直方向の剛性を高めることができて、上記移動荷重によりトップテーブルが変形する虞を未然に防止でき、よって、該トップテーブルの変形に起因する上記ワークの位置ずれを未然に防止することができる。
(3)移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とした構成とすることにより、各駆動ユニットと支持ユニットの移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を容易に行うことができると共に、上記各駆動ユニット及び支持ユニットにより、上記トップテーブルを、前後左右方向にバランスよく支持することができる。
(4)移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とし、且つ上記トップテーブルの四角部に対応する個所に、それぞれ駆動ユニットを設けると共に、上記トップテーブルの中央に対応する個所に、支持ユニットを設けるようにした構成とすることにより、上記(3)と同様の効果に加えて、直動機構を備えた駆動ユニットを、直交する方向に2つずつ配置することができて、トップテーブルのX軸方向に沿う水平方向剛性とY軸方向に沿う水平方向剛性を同等にすることができ、よって、上記トップテーブルに保持したワークに移動荷重が作用している状態で、上記トップテーブルを動かして上記ワークの位置補正を行うときに、X軸方向への移動とY軸方向への移動に偏りが生じる虞を未然に防止できて、上記ワークに所望する位置補正を行うことが可能になる。
(5)ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、更に、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えると共に一軸方向の直動機構を備えた構成を有する駆動ユニットを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残る2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成とすることにより、上記(1)(2)(3)(4)と同様の効果を得ることができる。
(6)移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの各辺の中間位置と該トップテーブルの中央とを結ぶ線上に対応する個所とした構成とすることにより、各ユニットをより近接させて配置することができるため、平面形状がより小さいサイズのアライメントステージに適用する場合に有利な構成とすることができる。
(7)各駆動ユニットの一軸方向の直動機構を、モータと、その出力軸に連結したねじ軸と、該ねじ軸に螺合させたナット部材を具備したボールねじ直動機構とからなるものとし、且つ該各ボールねじ直動機構の上記モータを、ベースの外方へ突出させて配置するようにした構成とすることにより、各駆動ユニットの駆動源となる各ボールねじ直動機構の各サーボモータの発する熱を、雰囲気中へ効率よく放散させることができる。よって、上記各サーボモータの発熱に起因するベースやトップテーブルの熱変形を抑えることができるため、上記ベースやトップテーブルの熱変形の影響で上記トップテーブル保持するワークに位置ずれが生じる虞を未然に防止することができる。
(8)各駆動ユニット近傍のベース上に、該各駆動ユニットの一軸方向の直動機構による駆動量を検出するためのリニアスケールを設けるようにした構成とすることにより、各駆動ユニットの一軸方向の直動機構を、該各駆動ユニットの外部に設けたリニアスケールを用いてスケールフィードバック制御することができる。よって、上記トップテーブルに保持したワークに作用する移動荷重が、外力として上記各駆動ユニットの一軸方向の直動機構に作用することで、該直動機構に機械的な歪み等が生じたとしても、その影響を受けることなく、各駆動ユニットの高精度な位置制御を行うことができて、トップテーブルに保持するワークの高精度な位置制御を行うことができる。
(9)以上により、移動荷重が作用するワークを、X、Y、θの3軸方向に高精度な位置決めを行った状態のまま保持することができると共に、移動荷重が作用している状態で上記ワークをX、Y、θの3軸方向に高精度な位置補正を行わせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のアライメントステージの実施の一形態を示す一部切断概略平面図である。
【図2】図1のアライメントステージの概略側面図である。
【図3】図1のアライメントステージにおける支持ユニットを示すもので、(イ)は切断平面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図、(ハ)は(イ)のB−B方向矢視図である。
【図4】図1のアライメントステージにおける駆動ユニットを示すもので、(イ)は切断平面図、(ロ)は(イ)のC−C方向矢視図、(ハ)は(イ)のD−D方向矢視図である。
【図5】図1のアライメントステージにおける荷重移動方向に関する支持ユニットと各駆動ユニットの配置を示す概要図である。
【図6】本発明の実施の他の形態を示す概略平面図である。
【図7】図6の実施の形態の応用例を示す概略平面図である。
【図8】従来提案されているアライメントステージの一例の概要を示す一部切断斜視図である。
【図9】図8のアライメントステージにおける駆動ユニットを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0037】
図1乃至図5は本発明のアライメントステージの実施の一形態を示すもので、以下のようにしてある。
【0038】
すなわち、固定側となるベース1の所要寸法上方に、移動荷重が作用する図示しないワーク、たとえば、オフセット印刷時に回転するブランケットロールを押し当てながら相対移動させることで移動荷重が作用するようになる版や印刷対象等のような移動荷重が作用する図示しないワークを保持するためのトップテーブル4aを配置する。且つ上記ベース1とトップテーブル4aとの間において、上記図示しないワークに作用する移動荷重の移動方向(以下、単に荷重移動方向と云う、図中に矢印Lで示す。図6、図7においても同様。)に千鳥状の配置となる所要個所、たとえば、荷重移動方向Lの上流側より順に荷重移動方向Lと直角方向に2個所−1個所−2個所の千鳥配置となる上記トップテーブル4aの中央及び四角部にそれぞれ対応する5個所に、直交する2方向スライド可能なガイドとその上側の旋回ベアリング8からなり下端部に対し上端部にX、Y、θの3自由度を備えた支持ユニット13と、該支持ユニット13と同様の構成に加えて一軸方向の直動機構、たとえば、図8及び図9に示したと同様のボールねじ直動機構9を具備してなる4つの駆動ユニット14A,14B,14C,14Dを、それぞれ配置し、更に、上記4つの各駆動ユニット14のうち、2つの駆動ユニット14A,14Bのボールねじ直動機構9の向きと、残る2つの駆動ユニット14C,14Dのボールねじ直動機構9の向きが互いに水平面内で直交する配置となるようにした状態で、上記支持ユニット13及び各駆動ユニット14の下端部と上端部を、それぞれ上記ベース1とトップテーブル4aの対応する個所にそれぞれ取り付けて本発明のアライメントステージを構成する。
【0039】
詳述すると、上記支持ユニット13は、図3(イ)(ロ)(ハ)に示すように、水平方向に所要寸法延びる下段ガイドレール15に、下段ガイドブロック16aと上段ガイドブロック16bとを直交配置した状態で背面合わせに一体化してなる構成のガイドブロック16における上記下段ガイドブロック16aをスライド可能に取り付け、且つ該ガイドブロック16の上記上段ガイドブロック16bの上側に、上記下段ガイドレール15と直交する水平方向に所要寸法延びる上段ガイドレール17を長手方向にスライド可能に保持させて、上下2段の直動ガイドを背面合わせに連結した構造とすることで直交する2方向にスライド可能なガイドを形成し、更に、上記上段ガイドレール17の上側に、旋回ベアリング8を取り付けてなる構成としてある。これにより、上記下段ガイドレール15に沿うガイドブロック16の下段ガイドブロック16aのスライドと、該ガイドブロック16の上段ガイドブロック16bに対する上段ガイドレール17の長手方向へのスライドと、上記旋回ベアリング8の旋回により、支持ユニット13の下端部となる上記下段ガイドレール15を基準として、該支持ユニット13の上端部となる上記旋回ベアリング8の頂部にX、Y、θの3自由度を得ることができるようにしてある。
【0040】
上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dは、図4(イ)(ロ)(ハ)に示すように、上記図3(イ)(ロ)(ハ)に示した支持ユニット13と同様の下段ガイドレール15、ガイドブロック16、上段ガイドレール17及び旋回ベアリング8からなる構成に加えて、上記下段ガイドレール15と平行に上記ボールねじ直動機構9を配置すると共に、該ボールねじ直動機構9のナット部材12を、上記ガイドブロック16の下段ガイドブロック16aに、連結部材18を介して連結した構成としてある。これにより、上記ボールねじ直動機構9によりナット部材12と一体に上記ガイドブロック16を下段ガイドレール15の長手方向に沿って移動させることができるようにしてある。
【0041】
更に、図1に示すように、上記ベース1上におけるトップテーブル4aの中央と対応する個所には、上記支持ユニット13を、その下段ガイドレール15がX軸方向又はY軸方向のいずれか一方に沿う姿勢で配置して(図ではX軸方向に沿う姿勢が示してある)、該下段ガイドレール15を、ベース1の対応する個所に取り付けるようにしてある。
【0042】
又、図1及び図2に示すように、上記ベース1上におけるトップテーブル4aの四角部と対応する4個所のうち、トップテーブル4aの一方の対角位置と対応する2個所には、上記駆動ユニット14Aと14Bが、そのボールねじ直動機構9をY軸方向に沿う姿勢で配設してあり、且つトップテーブル4aの他方の対角位置と対応する2個所には、上記駆動ユニット14Cと14Dが、そのボールねじ直動機構9をX軸方向に沿う姿勢として配設してある。更に、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dは、各々のボールねじ直動機構9に装備されているサーボモータ10を、いずれも上記ベース1の外周縁より外方へ突出させた状態で、下段ガイドレール15と、ボールねじ直動機構9をベース1の対応する個所に取り付けるようにしてある。
【0043】
なお、図5に示すように、前記した荷重移動方向Lに沿って千鳥配置となるように順に配置されている荷重移動方向L上流側の2つの駆動ユニット14A,14Cと、支持ユニット13と、荷重移動方向L下流側の2つの駆動ユニット14D,14Bは、各々の旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士が、多少オーバーラップするようにしてあるものとする。なお、図示してないが、上記荷重移動方向Lに沿って千鳥配置で順に配置されている駆動ユニット14A,14Cと、支持ユニット13と、駆動ユニット14D,14Bの各々の旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士の間に、トップテーブル4aに保持する図示しないワークに作用させる移動荷重の幅よりも狭くなる範囲内の寸法の隙間が形成されるようにしてもよい。これにより、上記支持ユニット13と各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの旋回ベアリング8の上側に取り付けてある上記トップテーブル4aに保持する図示しないワークに対して荷重移動方向Lに沿って移動荷重が作用するときに、該移動荷重を、上記荷重移動方向Lに沿って千鳥配置で順に配置されている荷重移動方向L上流側の2つの駆動ユニット14A,14Cから、支持ユニット13を経て、荷重移動方向L下流側の2つの駆動ユニット14D,14Bまで連続的に受けることで、上記トップテーブル4aに上記移動荷重が作用している間に、鉛直方向の支持剛性が低下する虞を解消できるようにしてある。
【0044】
更に又、上記ベース1上における上記各駆動ユニット14の下段ガイドレール15に沿って下段ガイドブロック16aを介して移動するガイドブロック16の近傍となる個所には、該ガイドブロック16の下段ガイドレール15に沿う移動軌跡に沿わせて配置したリニアスケール19を設けて、上記下段ガイドレール15の長手方向の所要個所、たとえば、長手方向の中央を原点として上記ガイドブロック16の変位量を検出することができるようにしてあり、該リニアスケール19の検出信号を基に、図示しない制御器により、対応する駆動ユニット14のボールねじ直動機構9へ指令を与えることで、下段ガイドレール15の長手方向に沿って移動させる上記ガイドブロック16の位置を、スケールフィードバック制御できるようにしてある。
【0045】
その他、図8及び図9に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0046】
以上の構成としてある本発明のアライメントステージを用いる場合は、X軸方向に沿うボールねじ直動機構9を備えた各駆動ユニット14C,14Dの各ガイドブロック16のX軸方向に沿う移動を停止した状態で、Y軸方向に沿うボールねじ直動機構9を備えた各駆動ユニット14A,14Bにて各ボールねじ直動機構9の駆動により各ガイドブロック16をY軸方向に沿う同方向へ同期して移動させると、該各ガイドブロック16の移動方向及び移動量に応じた移動方向及び移動量でトップテーブル4aがY軸方向へ移動させられるようになる。
【0047】
又、上記各駆動ユニット14A,14Bの各ガイドブロック16のY軸方向に沿う移動を停止した状態で、上記各駆動ユニット14C,14Dにて各ボールねじ直動機構9の駆動により各々のガイドブロック16をX軸方向に沿う同方向へ同期して移動させると、その移動方向及び移動量に応じた移動方向及び移動量でトップテーブル4aがX軸方向へ移動させられるようになる。
【0048】
したがって、上記各駆動ユニット14A,14Bの各ガイドブロック16をY軸方向に沿う同方向へ同期して移動させると同時に、上記各駆動ユニット14C,14Dの各ガイドブロック16をX軸方向に沿う同方向へ同期して移動させると、上記トップテーブル4aは、上記各駆動ユニット14A,14Bの各ガイドブロック16のY軸方向の移動方向及び移動量と、上記各駆動ユニット14C,14Dの各ガイドブロック16のX軸方向の移動方向及び移動量が合成されたベクトルで、X−Y平面内を、斜めに移動させられるようになる。
【0049】
更に、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ガイドブロック16を、それぞれのボールねじ直動機構9によりサーボモータ10に近接する方向、又は、サーボモータ10より離反する方向へ同期して移動させると、上記トップテーブル4aは、該トップテーブル4aの中央を回転中心として、平面視反時計回り方向、又は、平面視時計回り方向へ回転させられるようになる。
【0050】
更には、上記トップテーブル4aをX軸方向へ移動させる場合、Y軸方向へ移動させる場合、X−Y平面内で斜めに移動させる場合における上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ガイドブロック16の移動と、上記トップテーブル4aを回転させる場合における上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ガイドブロック16の移動を組み合わせる(合成する)ことにより、上記トップテーブル4aを、X−Y平面内で水平移動させながら回転させることができるようになる。
【0051】
このように、本発明のアライメントステージによれば、トップテーブル4aに保持する版や印刷対象、その他の図示しないワークを、トップテーブル4aのX−Y平面内での水平移動と、回転角度θの回転を組み合わせて移動させることで、上記ワークについて、X、Y、θの3軸方向に位置補正することができる。
【0052】
更に、上記トップテーブル4aに保持する図示しないワークに対し、荷重移動方向Lに沿って移動荷重が作用する場合であっても、該トップテーブル4aに作用する上記移動荷重を、荷重移動方向Lに沿って順に千鳥配置してある各駆動ユニット14A,14Cと、支持ユニット13と、各駆動ユニット14D,14Bで連続的に受けることができることから、鉛直方向の剛性を高めることができて、上記トップテーブル4aが上記移動荷重により撓むように変形する変形量を低減でき、よって、該トップテーブル4aの変形に起因する上記図示しないワークの位置ずれが生じる虞を未然に防止することができる。
【0053】
更に、本発明のアライメントステージは、トップテーブル4aを、Y軸方向に沿うボールねじ直動機構9を備えた2つの駆動ユニット14A,14Bと、X軸方向に沿うボールねじ直動機構9を備えた2つの駆動ユニット14C,14Dにより移動させるようにしてあることから、X軸方向に沿う水平方向剛性とY軸方向に沿う水平方向剛性を同等にすることができる。
【0054】
したがって、上記トップテーブル4aに保持した図示しないワークに移動荷重が作用している状態で、上記トップテーブル4aを動かして上記図示しないワークの位置補正を行うときに、X軸方向への移動とY軸方向への移動に偏りが生じる虞を未然に防止できて、上記図示しないワークに所望する位置補正を行うことができる。
【0055】
更に、上記本発明のアライメントステージでは、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dを、該各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの外部に設けたリニアスケール19を用いてスケールフィードバック制御するようにしてあるため、上記トップテーブルに保持した図示しないワークに作用する移動荷重が、外力として上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ボールねじ直動機構9に作用することで、該各ボールねじ機構9のねじ軸11やナット部材12等の推力伝達部に撓みやがた等が生じたとしても、その影響を受けることなく、各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dのガイドブロック16を、上記リニアスケール19で検出される所望する位置へ移動させることができるため、上記トップテーブル4aの高精度な位置制御を行うことができる。
【0056】
更には、上記本発明のアライメントステージでは、各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ボールねじ直動機構9の駆動源である各サーボモータ10を、すべてベース1の外周側へ突出させて配置してあるため、該各サーボモータ10の発する熱を、雰囲気中へ効率よく放散させることができる。よって、上記各サーボモータ10の発熱に起因する上記ベース1やトップテーブル4aの熱変形を抑えることができて、上記ベース1やトップテーブル4aの熱変形の影響で上記トップテーブル4aに保持する図示しないワークに位置ずれが生じる虞を未然に防止することができる。
【0057】
以上により、本発明のアライメントステージによれば、移動荷重が作用する図示しないワークを、X、Y、θの3軸方向に高精度な位置決めを行った状態のまま保持することができると共に、移動荷重が作用している状態で上記図示しないワークをX、Y、θの3軸方向に高精度な位置補正を行わせることが可能になる。
【0058】
次に、図6は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図5に示したと同様の構成において、ベース1とトップテーブル4aとの間に、荷重移動方向Lと直角方向に並ぶユニット数が、荷重移動方向Lの上流側より順に2個−1個−2個の千鳥配置となるように上記トップテーブル4aの四角部及び中央と対応する位置に各駆動ユニット14A,14B,14C,14D及び支持ユニット13をそれぞれ介装させるようにした構成に代えて、荷重移動方向Lと直角方向に並ぶユニット数が、荷重移動方向Lの上流側より順に1個−2個−1個の千鳥配置となるように、上記トップテーブル4aの各辺の中間位置と該トップテーブル4aの中央とを結ぶ4本の各線上に、4つの駆動ユニット14A,14B,14C,14Dをそれぞれ配置して、ベース1とトップテーブル4aとの間に介装させるようにしたものである。
【0059】
なお、上記荷重移動方向Lに沿って千鳥配置となるように順に配置されている荷重移動方向L上流側の1つの駆動ユニット14Aと、荷重移動方向L中間部の2つの駆動ユニット14C,14Dと、荷重移動方向L下流側の1つの駆動ユニット14Bは、各々の旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士が、多少オーバーラップするようにしてあるものとする。又、図示してないが、上記荷重移動方向Lに沿って千鳥配置で順に配置されている駆動ユニット14Aと、駆動ユニット14C,14Dと、駆動ユニット14Bの各々の旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士の間に、トップテーブル4aに保持する図示しないワークに作用させる移動荷重の幅よりも狭くなる範囲内の寸法の隙間が形成されるようにしてもよい。
【0060】
その他、図1乃至図5に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0061】
本実施の形態によっても、図1乃至図5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、上記4つの駆動ユニット14A,14B,14C,14D同士をより近接させて配置することができるため、平面形状がより小さいサイズのアライメントステージに適用する場合に有利な構成とすることができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図1乃至図5の実施の形態では、トップテーブル4aを方形として、1つの支持ユニット13と4つの駆動ユニット14A,14B,14C,14Dを、上記トップテーブル4aの中央を中心とする4回回転対称となる位置に配設するようにしてあるが、支持対象となる図示しないワークの平面形状に対応させて、上記トップテーブル4aの平面形状を拡大したり、長方形としてもよく、この場合、上記トップテーブル4aの四角部の各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの間に配置する支持ユニット13の数を増やしてもよい。すなわち、たとえば、上記トップテーブル4aのサイズが大きい場合は、各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dと各支持ユニット13の荷重移動方向Lと直角方向に並ぶユニット数が、荷重移動方向Lの上流側より順に3個−2個−3個−2個−3個等となる千鳥配置となるようにしてもよい。又、上記トップテーブル4aが荷重移動方向Lに沿って長い長方形の場合は、各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dと支持ユニット13の荷重移動方向Lと直角方向に並ぶユニット数が、荷重移動方向Lの上流側より順に2個−1個−2個−1個−2個等となる千鳥配置となるようにしてもよく、又、上記トップテーブル4aが荷重移動方向Lと直交する方向に長い長方形の場合は、各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dと支持ユニット13の荷重移動方向Lと直角方向に並ぶユニット数が、荷重移動方向Lの上流側より順に3個−2個−3個や、4個−3個−4個等となる千鳥配置となるようにしてもよい。
【0063】
更に、図7に示すように、ベース1とトップテーブル4aとの間に介装する4つの駆動ユニット14A,14B,14C,14Dを、該各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの旋回ベアリング8を結んで形成される四角形が荷重移動方向Lに対し45度未満の所要角度傾斜した配置とすることで、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dが荷重移動方向Lに対し左右不均等な千鳥配置となるようにしてもよい。なお、上記図7に示したような配置とする場合は、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dのうち、荷重移動方向Lに沿って2番目と3番目に位置する駆動ユニット14Cと14Dの各旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士が、多少オーバーラップするか、あるいは、駆動ユニット14Cと14Dの各旋回ベアリング8の上記荷重移動方向Lに占める領域M同士の間に、トップテーブル4aに保持する図示しないワークに作用させる移動荷重の幅よりも狭い寸法の隙間が形成されるような配置とすればよい。
【0064】
支持ユニット13及び駆動ユニット14A,14B,14C,14Dにおける直交する2方向スライド可能なガイドを、それぞれ図8及び図9に示した支持ユニット2及び駆動ユニット3A,3B,3Cと同様に、下段直動ガイド5aのガイドブロック7aの上に上段直動ガイド5bのガイドレール6bを取り付けてなる構成としてもよい。
【0065】
トップテーブル4aに保持する図示しないワークに移動荷重が作用するときの該トップテーブル4aの鉛直方向の剛性を高めることが主目的であって、トップテーブル4aに保持する上記図示しないワークを移動荷重が作用した状態で位置補正する必要がなく、よって、上記トップテーブル4aについてX軸方向とY軸方向の水平方向剛性に差があっても問題が生じない場合は、上記各実施の形態における各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dのうちのいずれか1つを、支持ユニット13に置き替えてもよい。
【0066】
各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dには、外部のリニアスケール19を付設して、下段ガイドレール15に沿うガイドブロック16の移動をスケールフィードバック制御できるようにすることが望ましいが、上記各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ボールねじ直動機構9のねじ軸11の剛性等、該各ボールねじ直動機構9の機械的な剛性が十分に高くて、上記トップテーブル4aに保持する図示しないワークに作用させる移動荷重が外力として上記各ボールねじ直動機構9に作用しても、該各ボールねじ直動機構9の推力伝達部に撓みや方が容易に生じないようにしてあれば、該各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの下段ガイドレール15に沿うガイドブロック16の移動を、各ボールねじ直動機構9のサーボモータ10に内蔵されたエンコーダの信号を基に制御する構成としてもよい。
【0067】
各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ボールねじ直動機構9の駆動源となる各サーボモータ10は、放熱の観点からすると、ベース1の外側に突出するように配置することが望ましいが、該各サーボモータ10の発熱量が、上記ベース1やトップテーブル4aやその他の構成部材の熱容量に比して十分小さい場合や、各サーボモータにアライメントステージの外部に熱を放出するための放熱機構を別途備えている等により、上記各ボールねじ直動機構9のサーボモータ10の発熱の影響により、上記ベース1やトップテーブル4aやその他の構成部材の熱変形による上記トップテーブル4aに保持するワークの位置ずれが生じる虞がない場合は、上記各ボールねじ直動機構9のサーボモータ10を、ベース1とトップテーブル4aとの間に配置するようにしてもよい。
【0068】
各駆動ユニット14A,14B,14C,14Dの各ガイドブロック16を下段ガイドブロック16aを介して下段ガイドレール15の長手方向に沿って移動させるための直動機構は、トップテーブル4aに作用する移動荷重が外力として該直動機構に作用しても、対応するガイドブロック16の位置を保持することができ、更には、必要に応じて、上記トップテーブル4aに作用している移動荷重が外力として作用している状態で、対応するガイドブロック16を駆動することができれば、ボールねじ直動機構9以外のいかなる形式の直動機構を採用してもよい。
【0069】
移動荷重が作用するワークを保持してそのアライメントを行うことが必要とされるものであれば、オフセット印刷装置における版や印刷対象を保持するためのアライメントステージ以外のいかなる機械、装置のアライメントステージとして適用してもよい。
【0070】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
1 ベース
4a トップテーブル
8 旋回ベアリング
9 ボールねじ直動機構(直動機構)
10 サーボモータ(モータ)
11 ねじ軸
12 ナット部材
13 支持ユニット
14 駆動ユニット
15 下段ガイドレール(ガイド)
16 ガイドブロック(ガイド)
17 上段ガイドレール(ガイド)
19 リニアスケール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えた所要数の支持ユニットと、該支持ユニットに一軸方向の直動機構を具備してなる3つ以上の駆動ユニットとを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残りの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成を有することを特徴とするアライメントステージ。
【請求項2】
移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とした請求項1記載のアライメントステージ。
【請求項3】
移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの四角部及び中央に対応する個所とし、且つ上記トップテーブルの四角部に対応する個所に、それぞれ駆動ユニットを設けると共に、上記トップテーブルの中央に対応する個所に、支持ユニットを設けるようにした請求項1記載のアライメントステージ。
【請求項4】
ベースの上方位置に、移動荷重が作用するワークを保持するためのトップテーブルを配置し、更に、上記ベースとトップテーブルとの間に、直交する2方向にスライド可能なガイドとその上に設けた旋回ベアリングからなるX、Y、θの3自由度を備えると共に一軸方向の直動機構を備えた構成を有する駆動ユニットを、上記移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置で介装し、且つ上記各駆動ユニットのうち、2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向と、残る2つの駆動ユニットの直動機構による駆動方向を、X−Y平面内で直交させてなる構成を有することを特徴とするアライメントステージ。
【請求項5】
移動荷重の移動方向に沿う千鳥状の配置を、トップテーブルの各辺の中間位置と該トップテーブルの中央とを結ぶ線上に対応する個所とした請求項1又は4記載のアライメントステージ。
【請求項6】
各駆動ユニットの一軸方向の直動機構を、モータと、その出力軸に連結したねじ軸と、該ねじ軸に螺合させたナット部材を具備したボールねじ直動機構とからなるものとし、且つ該各ボールねじ直動機構の上記モータを、ベースの外方へ突出させて配置するようにした請求項1、2、3、4又は5記載のアライメントステージ。
【請求項7】
各駆動ユニット近傍のベース上に、該各駆動ユニットの一軸方向の直動機構による駆動量を検出するためのリニアスケールを設けるようにした請求項1、2、3、4、5又は6記載のアライメントステージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−274429(P2010−274429A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126034(P2009−126034)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】