アンテナ指向特性の制御装置並びに位置検出装置及びその方法
【課題】 低コストかつ小型化を容易に実現できるアンテナ指向特性の制御方法及び位置検出装置を提供する。
【解決手段】 制御アンテナ基板12に、制御アンテナ21,22,23,24を無指向性の主アンテナ13の周辺に規則的に配設した。制御アンテナ21,22,23,24は、制御アンテナ基板12の中心部から放射状に延びる直線状の径方向部21a,22a,23a,24aと、各径方向部21a,22a,23a,24aから円周方向に沿って一方向に延びる円弧状の周方向部21b,22b,23b,24bとからなる。制御アンテナ21,22,23,24には、接地手段としてのスイッチング素子31,32,33,34を設けた。スイッチング素子31,32,33,34で制御アンテナ21,22,23,24の接地と非接地を切り替えて、主アンテナ13の指向特性を変える。
【解決手段】 制御アンテナ基板12に、制御アンテナ21,22,23,24を無指向性の主アンテナ13の周辺に規則的に配設した。制御アンテナ21,22,23,24は、制御アンテナ基板12の中心部から放射状に延びる直線状の径方向部21a,22a,23a,24aと、各径方向部21a,22a,23a,24aから円周方向に沿って一方向に延びる円弧状の周方向部21b,22b,23b,24bとからなる。制御アンテナ21,22,23,24には、接地手段としてのスイッチング素子31,32,33,34を設けた。スイッチング素子31,32,33,34で制御アンテナ21,22,23,24の接地と非接地を切り替えて、主アンテナ13の指向特性を変える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を用いてアンテナの指向特性を制御することにより、例えば離れている移動体の位置を把握できるアンテナ指向特性の制御方法及び位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、衛星を使ったGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)情報や、PHS(Personal Handy-phone System)又は携帯電話用に設置された基地局で得られる情報などを利用して、移動体が所有している端末の位置を特定する位置情報サービスがある。
このような位置情報サービスを利用すれば、その端末を持たせた子供や老人が現在いる位置をその家族が地図上で把握することができるので、その家族に安心感をもたらし、万が一事件に巻き込まれたり徘徊等の事態が生じたりしたときに対応することができるようになる。
【0003】
その他には、比較的限られた範囲を自由に移動する動物について生態調査を行う際に、複数の動物の身体に端末を取り付けておくことで、複数の動物の位置を容易に補足することができる位置検出システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そのような位置検出システムは、与えられた制御信号によって水平面内の指向方向または指向特性を変化させることができるアンテナ装置を固定局が備え、固定局が水平面内の全方向に無線信号を送出して移動局の呼出しを行い、これに応じて移動局が固定局に対して信号を返送したときに移動局からの受信信号が最大となるようにアンテナの指向方向を制御するものである。また、この位置検出システムは、固定局が移動局に向けて送出した信号と、この信号に対して移動局から返送されて固定局が受信した信号との時間関係から移動局までの距離を算出するものであり、固定局に対する移動局の方向及び距離を表示する。
【0005】
また、上述の位置検出システムでは、指向方向を変化させるアンテナとして、同じアンテナを多数配列したアンテナ素子からなるアレーアンテナ(Array Antenna)を用いている。具体的には、給電位相を可変にして電子的にビーム走査や指向性合成を行うフェーズドアレーアンテナ(Phased Array Antenna)や、受信信号に応じてアンテナの特性を制御するアダプティブアンテナ(Adaptive Array Antenna)等を用いて行うことが開示されている。
【0006】
ここで、フェーズドアレーアンテナ及びアダプティブアンテナについて概説する。
例えばダイポールアンテナを等間隔で複数個並べると、それぞれのアンテナからの放射は開口からの放射のように重ね合わされて平面波を作る。そのままでは面開口アンテナとあまり変わらないが、各アンテナに移相器(phase shifter)をつけて移相遅れを電子的に制御すると、平面波の波面を制御して任意の方向に電磁波を収束させることができる。このようなアンテナをフェーズドアレーアンテナとよぶ。
また、アダプティブアレイアンテナは、概念的にはフェーズドアレーアンテナと似ているが、指向性のヌル点(null point)を任意の方向に作って例えばマルチパス(multipath)によるフェージング(phasing)を除去するために用いる点で、指向性を可変するためのフェーズドアレーアンテナとは異なる。
【0007】
【特許文献1】特開平8−19035号公報(第4〜5頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなフェーズドアレーアンテナ及びアダプティブアンテナは、電気的もしくは機械的に伝送路を伝達する信号の位相を変化させる移相器を、1つ1つのアンテナ素子に取り付ける構造であり、これらのアンテナは高価なため、軍事用等の利用分野が限定されている。このように、コストが高く、しかも大型となるアンテナを用いていることから、位置検出システムのコスト低減や小型化を図ることが困難な状況であった。
【0009】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、低コストかつ小型化を容易に実現できるアンテナ指向特性の制御方法及び位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のもと、本発明が適用されるアンテナ指向特性の制御装置は、電波を受信する第1のアンテナと、第1のアンテナの近傍に設けられ、第1のアンテナに近い側の一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、一端から他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである第2のアンテナと、第2のアンテナを選択により接地する接地手段とを含む。
第1のアンテナは1つからなり、第1のアンテナが貫通し、かつ第2のアンテナが第1のアンテナを中心に略等角度で複数配置された基板を更に含むことを特徴とすることができる。このようにすると、制御装置の構成を簡易にすることができる。
また、第2のアンテナは、一端を含み、第1のアンテナから離れる方向に直線状に延びる直線部と、直線部の一端とは反対側の端部から第1のアンテナを中心として一方向に円弧状に延びて他端を含む円弧部とを備え、直線部の長さ、円弧部の弧長及び円弧部の曲率半径は、使用周波数の1/4と略同一であることを特徴とすることができる。また、第2のアンテナの一端から、円弧部が延びる方向とは反対の方向に突出した小突出部を更に含むことを特徴とすることができる。このように小突出部を設けると、第2のアンテナの誘起電圧を増加させることができ、より高い前後比特性及びより鋭い指向特性を実現することができる。
【0011】
他の観点から捉えると、本発明が適用される位置検出装置は、子機の発する信号を主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて子機の位置を検出する位置検出装置において、主アンテナの近傍に位置し、一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、一端から他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである複数の制御アンテナと、制御アンテナごとに接地又は非接地の制御をして主アンテナの指向特性の方向を変える制御手段とを含む。
制御手段は、複数の制御アンテナのいずれか1つ又は隣り合う2つの制御アンテナを非接地にし、他の制御アンテナを接地させるように制御することを特徴とすることができる。
【0012】
更に本発明を別の観点から捉えると、本発明が適用される位置検出方法は、子機の発する信号を親機の主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて親機に対する子機の位置を検出する位置検出方法において、使用周波数の1/4の長さと略同一の物理的長さを有するとともに使用周波数の1/2の長さと略同一の電気的な長さを有する制御アンテナを接地又は非接地させて、制御アンテナを近傍に配置した主アンテナの指向特性を変える指向特性変更ステップと、指向特性変更ステップにより変えた主アンテナの指向特性において子機の発する信号を計測する計測ステップと、計測ステップによる計測結果に基づいて子機の位置を演算する演算ステップと、演算ステップによる演算結果を親機に表示する表示ステップとを含む。
指向特性変更ステップの前に、子機と親機との間で同期をとる同期ステップを行うことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アンテナの指向特性の制御を低コストかつ小型化を容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1の(a)は、本実施の形態に係る位置検出装置(親機)10及びその子機60の外観を示す説明図であり、図1の(b)は子機60が位置検出装置10に向けて発する電波を示す説明図である。図2は、位置検出装置10の内部の概略構成図であり、図2の(a)は側面図、図2の(b)は平面図である。
図1の(a)に示すように、位置検出装置10は、外形が円盤形状で、電源スイッチ10a及びサーチボタン10bを有し、また、後述する表示部56を有する。また、子機60も外形が小さな円盤形状で、電源スイッチ60aと、電源スイッチ60aをONにすると点灯するLED60bとを有する。
子機60は、電源スイッチ60aをONにすると、無線LAN(Local Area Network)の例えば2.45GHz(IEEE802.11bまたはIEEE802.11g)の周波数の電波を発する図示しないトランスミッタ(transmitter)を有し、位置検出装置10は、子機60からの図1の(b)に示す電波(パルス波形)に基づいて子機60の位置を検出することができる。具体的には、位置検出装置10は、子機60が発信した電波を受信し、その電波に基づいて子機60が位置検出装置10に対してどの方向にあり、かつ、どれくらい離れているかを検出し、その内容が表示部56に表示される。
このような位置検出装置10と子機60の利用方法としては、例えば遊園地内で遊ぶ子供に子機60を持たせ、例えばその子供が迷子になったときには、位置検出装置10を所持している親が、位置検出装置10のサーチボタン10bを押すと、位置検出装置10の表示部56に子供の位置が表示されるので、子供を容易に探すことができる。このように、大規模な設備を予め設けておかなくても、子供の位置検出を容易に行うことができる。
【0015】
位置検出装置10は、図2の(a)に示すように、円盤状の主基板11と、主基板11の外径と略同一の外径を有する円盤状の制御アンテナ基板12と、主基板11の中心部に一端部が取り付けられるとともに制御アンテナ基板12の中心部に他端部が取り付けられた主アンテナ13とを内部に備えている。主アンテナ13は、図示しない子機からの電波を受信するためのもので、無指向性である。主基板11と制御アンテナ基板12とは互いに略平行に離間して配置されている。
【0016】
図2の(b)に示すように、制御アンテナ基板12の表面側には、4本の制御アンテナ21,22,23,24が主アンテナ13の周辺に規則的に、パターンにより配設されている。制御アンテナ21,22,23,24は、制御アンテナ基板12の中心部から、円周方向に90度の間隔をあけて放射状に延びる直線状の径方向部21a,22a,23a,24aと、各径方向部21a,22a,23a,24aの周面寄りの端部から円周方向に沿って一方向に延びる円弧状の周方向部21b,22b,23b,24bとを備えている。各制御アンテナ21,22,23,24の径方向部21a,22a,23a,24aと周方向部21b,22b,23b,24bとは連続して形成されている。
【0017】
ここで、4本の制御アンテナ21,22,23,24における各周方向部21b,22b,23b,24bの曲率半径は略同一であり、約λ/4である。例えば、使用周波数fが2.45GHzのときには、波長λが122.95mmであるので、制御アンテナ21,22,23,24の曲率半径は、30.74mmである。
また、隣接する周方向部21b,22b,23b,24b同士は所定の距離をもって離間しており、周方向部21b,22b,23b,24bの弧長は、約λ/4(30.74mm)である。すなわち、制御アンテナ21,22,23,24の電気的な長さは約λ/2(61.48mm)であり、制御アンテナ21,22,23,24の物理的な長さはλ/4(30.74mm)である。なお、4本の制御アンテナ21,22,23,24は互いに交差しないように配置されている。
【0018】
4本の制御アンテナ21,22,23,24における各径方向部21a,22a,23a,24aの中心寄りの端部は主アンテナ13の近傍に位置している。すなわち、制御アンテナ21,22,23,24の一端を、主アンテナ13の最も輻射強度の高い場所の近傍、例えば2〜3mm程度離して配置し、主アンテナ13からの輻射電磁界を制御アンテナ21,22,23,24に誘導させるようにしている。
なお、制御アンテナ21,22,23,24の材料として、板金アンテナ、プリントアンテナ、針金アンテナその他形状が限定されない高周波材料であれば用いることができる。
【0019】
制御アンテナ基板12には、接地手段としてのスイッチング素子(switching element)31,32,33,34が各制御アンテナ21,22,23,24ごとに設けられている。スイッチング素子31,32,33,34は、その一端がグランドGに接続されていて、後述する制御手段の制御により選択的に作動する。このため、4本の制御アンテナ21,22,23,24ごとにグランドGに落としたり落とさなかったりすることができる。
なお、本実施の形態では、制御アンテナ21,22,23,24の片方をグランドGに落としているが、両方をグランドGに落とすと、接地効果がより確実になる。
【0020】
次に、スイッチング素子の切り替えにより主アンテナ13の指向特性が変化する理論について説明する。
図3は、主アンテナ13及び制御アンテナ20の配置構成を説明する説明図であり、図4は、図3の順方向における指向特性を説明するためのグラフであり、図5は、図3の逆方向における指向特性を説明するためのグラフであり、図6は、主アンテナ13の指向特性を示す図である。図4の(a)〜(f)及び図5の(a)〜(g)の各縦軸は電圧電源であり、各横軸は時間である。
図3に示す発信源14に接続された主アンテナ13と、主アンテナ13の近傍に配置した制御アンテナ20(21,22,23,24)とを用いた場合についてシミュレーションした。このシミュレーションは、制御アンテナ20による効果を明らかにするために、非接触状態(グランドGに接続していない状態)の制御アンテナ20にて行われたものである。
ここで、シミュレーションの他の条件を説明すると、制御アンテナ20の電気的な長さはおよそλ/2であり、物理的な長さはおよそλ/4である。また、制御アンテナ20の主アンテナ13に隣接する一端をA点とし、他端をB点としている。また、C点は、主アンテナ13に対して制御アンテナ20のB点とは反対側に位置している。主アンテナ13からC点までの離間距離はおよそλ/4である。
【0021】
まず、図3に示す順方向におけるB点での指向特性について図4を用いて説明する。
図4の(a)および(b)に示すように、主アンテナ13の電界と磁界との位相は同じである。磁界を微分すると(e=dφ/dt)、図4の(c)に示すように、制御アンテナ20のA点の誘起電圧を求めることができる。
ここで、制御アンテナ20におけるA点とB点との電気的な長さが約λ/2のため、制御アンテナ20のB点の電圧(電界)は、図4の(d)に示すように、図4の(c)における制御アンテナ20のA点の誘起電圧の位相に対して逆位相となる。
また、制御アンテナ20におけるA点とB点との物理的な長さが約λ/4のため、図4の(e)に示すように、B点における主アンテナ13の電界は、A点における主アンテナ13の電界に対して90度の位相ずれが生じる。
図4の(d)に示す主アンテナ13の電界の位相と、図4の(e)に示す制御アンテナ20の電界の位相は同位相のため、これらを合成したB点の合成電界は、図4の(f)に示すように、強め合って電界が大きくなる。すなわち、B点における合成電界(図4の(f))は、主アンテナ13の電界(図4の(d))よりも電界強度が高まっている。
【0022】
次に、図3に示す逆方向におけるC点での指向特性について説明する。なお、図5の(a)〜(d)は、図4の(a)〜(d)と同じものゆえ、その説明を省略する。
制御アンテナ20におけるA点とC点との物理的な長さが約λ/4のため、図5の(e)に示すように、C点における主アンテナ13の電界は、A点における主アンテナ13の電界に対して90度の位相ずれが生じる。なお、結果として、図5の(e)は図4の(e)と同じ位相となる。
また、制御アンテナ20におけるB点とC点との物理的な長さがλ/2のため、図5の(f)に示すように、C点における制御アンテナ20の電界は、B点における制御アンテナ20の電界(図5の(d)参照)に対して180度の位相ずれが生じる。
図5の(e)に示す主アンテナ13の電界の位相と、図5の(f)に示す制御アンテナ20の電界の位相は逆位相のため、これらを合成したC点の合成電界は、図5の(g)に示すように、弱め合って電界が小さくなる。すなわち、C点における合成電界(図5の(g))は、主アンテナ13の電界(図5の(e))よりも電界強度が弱まっている。
【0023】
このようなシミュレーションの結果から、図6の(a)に示すように、順方向においては電界が強くなり、逆方向においては電界が弱くなるという指向特性を得ることができる。その一方で、制御アンテナ20を接地すると、制御アンテナ20による効果がなくなり、図6の(b)に示すように、主アンテナ13自身の指向特性すなわち無指向性に変わる。
よって、制御アンテナ20の接地と非接地を切り替えることにより、一方向への指向性を高めることができる。すなわち、接地非接地を切り替えるだけで、指向特性を変えることができる。
【0024】
次に、制御アンテナ21,22,23,24による主アンテナ13の指向特性の制御について図2及び図7に基づいて説明する。
図7は、図2に示す構成で制御された指向特性を示す図であり、(a)〜(e)は図2の(b)の制御アンテナ21,22,23,24の接地非接地を切り替えることによる指向特性の変化を示したものである。
図2の(b)に示す直交座標系X−Yにおいて、4つの制御アンテナ21,22,23,24のいずれか1つのみを非接地にすると、その非接地の制御アンテナが主アンテナ13に対して位置する方向に強い指向特性に変わる。具体的に説明すると、制御アンテナ21のみを非接地にすると、図7の(a)に示すようにX軸の正方向に強く負方向に弱い指向特性を得ることができる。そして、制御アンテナ22のみを非接地にすると、図7の(b)に示すようにY軸の正方向に強くて負方向に弱い指向特性を得ることができる。制御アンテナ23のみを非接地にすると、図7の(c)に示すようにX軸の負方向に強くて正方向に弱い指向特性を得ることができ、制御アンテナ24のみを非接地にすると、図7の(d)に示すようにY軸の負方向に強くて正方向に弱い指向特性を得ることができる。すなわち、ゲインをとりたい方向に設置された制御アンテナを非接地にすると、主アンテナ13の特性のゲインは、最大で6dB増加し、その反対方向には最大で6dB減少する。
さらには、4つの制御アンテナ21,22,23,24のうちの隣り合う2つの制御アンテナのみを非接地にすると、X軸又はY軸に対して45度傾斜した方向に強い指向特性に得ることもできる。例えば、制御アンテナ22と制御アンテナ23のみを非接地状態にすると、図7の(e)に示すような指向特性を得ることができる。すなわち、4つの制御アンテナ21,22,23,24を用いると、X軸方向とY軸方向という4つの方向と、各軸に45度で交差する4つの方向、合わせて8つの方向に指向特性を変えることができる。
このような指向特性の制御は、図2の(b)に示すスイッチング素子31,32,33,34の作動を切り替えることにより実現することができる。
【0025】
次に、スイッチング素子31,32,33,34の切り替えの制御について説明する。
図8は、位置検出装置10の主要部分の機能ブロック図であり、図9は、位置検出のための手順を示すフローチャートであり、図9の(a)は、位置検出装置10の電源スイッチ10aと子機60の電源スイッチ60aとをONにしたときの内部処理手順を概略的に示したものであり、図9の(b)は、位置検出装置10のサーチボタン10bが押されたときの内部処理手順を概略的に示したものである。
位置検出装置10は、図8に示すように、主アンテナ13に接続された高周波部(RF:Radio Frequency)51と、中間周波増幅部(IF−AM:Intermediate Frequency Amplifier)52と、検波部(DET:Detection)53と、データ処理部54と、マイコン(Microcomputer)55と、表示部56と、制御アンテナ21,22,23,24に接続されたスイッチング素子(SW)30(31,32,33,34)とを備えている。
子機60から発信された電波を主アンテナ13が受信すると、その電波について高周波部51で高周波増幅して同調を取り、かつ図示しない発振器の出力をその電波に加える。中間周波増幅部52では、中間周波数に変換して増幅され、検波器53では、所定の電波が取り出される。取り出した電波は、データ処理部54を介してマイコン55に送られ、その内容が表示部56に表示される。マイコン55は、スイッチング素子30に対して制御アンテナ21,22,23,24の接地と非接地の切り替えを指示し、これにより、指向特性を制御している。
【0026】
ここで、図1の(a)に示すように表示部56は、位置検出装置10の上面部に設けられ、制御アンテナ21,22,23,24の位置に対応して円周方向に沿って等間隔に設けた8つのLED(Light Emitting Diode)56aと、その中央部に設けた液晶画面56bとからなる。位置検出装置10が子機60の位置を検出すると、子機60の方向にある1つのLED56aのみが点灯し、また、液晶画面56bでは、子機60との距離を表示する。また、LED56aは、後述する同期モード時に8つ全てのLEDを点灯させて使用者に知らせるようにすることもできる。
なお、表示部56として地図を表示できるような液晶画面だけを設け、検出した子機60の位置を、その画面上の地図に点で表示することも考えられる。
【0027】
位置検出のための手順は、同期モードとサーチモードに分けることができる。まず、同期モードは、図9の(a)に示すように、位置検出装置10及び子機60の電源スイッチ10a,60aをONにしたときに同期動作を開始し(S101)、同期が成功したかどうかを判断する(S102)。同期が成功したときは、終了し、同期が成功していないときにはその旨を表示部56に表示し(S103)、その後に終了する。
サーチモードでは、図9の(b)に示すように、位置検出装置10のサーチボタン10bが押されたか否かを判定し(S201)、サーチボタン10bが押されたときには子機60の位置検出を開始するが、その位置検出が成功したか否かを判定し(S202)、子機60の位置検出が成功したときには子機60の位置(方向と距離)を位置検出装置10の表示部56に表示し(S203)、終了する。位置検出装置10のサーチボタン10bが押されていないとき及び子機60の位置検出が成功しなかったときは、ステップS201に戻る。なお、サーチモードでは、位置検出装置10及び子機60の電源がONになっていることが前提となる。また、位置検出装置10は、子機60のID情報を予め記憶しておき、そのID情報により子機60を識別することができる。
【0028】
ここで、子機60の位置検出は、スイッチング素子31,32,33,34により主アンテナ13の指向特性を8つの方向に順次変えていき、子機60が発する電波の最も受信状態のよい方向を検出することにより、位置検出装置10に対して子機60が存在する方向がわかる。また、ゲインを変えることで子機60との距離を算出することができる。
このように、簡単な構造で指向特性を変えることができ、高い利得と適正な指向性を確保することができる。
【0029】
次に、本実施の形態に係る位置検出装置10における制御アンテナの変形例について説明する。
図10〜図12は、制御アンテナの変形例を説明する説明図である。なお、各変形例において、以下に説明する構成以外は、上述した実施の形態と同じであり、スイッチング素子31,32,33,34及びグランドGの図示を省略している(図2の(b)参照)。
【0030】
第1の変形例としては、図10に示すように、制御アンテナ21,22,23,24における主アンテナ13側の端部に小突出部21c,22c,23c,24cを設けている。この小突出部21c,22c,23c,24cは、制御アンテナ21,22,23,24の周方向部21b,22b,23b,24bとは反対の方向に突出している。このように構成すると、誘起電圧を高くすることができ、ゲインを大きくすることができる。
【0031】
第2の変形例では、図11に示すように、制御アンテナ21,22,23,24において、周方向部21b,22b,23b,24b(図2の(b)参照)の代わりに、立設部21d,22d,23d,24dを備えている。周方向部21b,22b,23b,24bは、制御アンテナ12の表面に設けられているが、立設部21d,22d,23d,24dは、制御アンテナ12から立設し、主アンテナ13と同じ方向に延びている。
このように構成することで、レイアウト的に制御アンテナの間隔を詰めて配置することができ、多くの数の制御アンテナを設けることができるようになる。このため、より精度の高い位置検出が可能となる。
【0032】
第3の変形例は、図12に示すように、半径方向に延びる制御アンテナ41,42,43,44を制御アンテナ基板12の表面に設けられている。この制御アンテナ41,42,43,44は、両端が直線状で、かつ、中間部にコイル部41a,42a,43a,44aが設けられている。各制御アンテナ41,42,43,44は、上述した制御アンテナ21,22,23,24と同様、物理的な長さがおよそλ/4で、電気的な長さがおよそλ/2である。
このように構成することで、位置制御装置10をコンパクトにしつつ、より精度の高い位置検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係る位置検出装置及びその子機を示す説明図である。
【図2】図1に示す位置検出装置の内部の概略構成図である。
【図3】主アンテナ及び制御アンテナの配置構成を説明する説明図である。
【図4】図3の順方向における指向特性を説明するためのグラフである。
【図5】図3の逆方向における指向特性を説明するためのグラフである。
【図6】図3に示す主アンテナの指向特性を説明する説明図である。
【図7】図2に示す主アンテナの指向特性を説明する説明図である。
【図8】図1に示す位置検出装置の主要部分の機能ブロック図である。
【図9】図1に示す位置検出装置が子機の位置検出をするためのフローチャートである。
【図10】制御アンテナの第1の変形例を説明する説明図である。
【図11】制御アンテナの第2の変形例を説明する説明図である。
【図12】制御アンテナの第3の変形例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10…位置検出装置、11…主基板、12…制御アンテナ基板、13…主アンテナ、14…発信源、20,21,22,23,24…制御アンテナ、21a,22a,23a,24a…径方向部、21b,22b,23b,24b…周方向部、30,31,32,33,34…スイッチング素子、60…子機、G…グランド
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を用いてアンテナの指向特性を制御することにより、例えば離れている移動体の位置を把握できるアンテナ指向特性の制御方法及び位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、衛星を使ったGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)情報や、PHS(Personal Handy-phone System)又は携帯電話用に設置された基地局で得られる情報などを利用して、移動体が所有している端末の位置を特定する位置情報サービスがある。
このような位置情報サービスを利用すれば、その端末を持たせた子供や老人が現在いる位置をその家族が地図上で把握することができるので、その家族に安心感をもたらし、万が一事件に巻き込まれたり徘徊等の事態が生じたりしたときに対応することができるようになる。
【0003】
その他には、比較的限られた範囲を自由に移動する動物について生態調査を行う際に、複数の動物の身体に端末を取り付けておくことで、複数の動物の位置を容易に補足することができる位置検出システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そのような位置検出システムは、与えられた制御信号によって水平面内の指向方向または指向特性を変化させることができるアンテナ装置を固定局が備え、固定局が水平面内の全方向に無線信号を送出して移動局の呼出しを行い、これに応じて移動局が固定局に対して信号を返送したときに移動局からの受信信号が最大となるようにアンテナの指向方向を制御するものである。また、この位置検出システムは、固定局が移動局に向けて送出した信号と、この信号に対して移動局から返送されて固定局が受信した信号との時間関係から移動局までの距離を算出するものであり、固定局に対する移動局の方向及び距離を表示する。
【0005】
また、上述の位置検出システムでは、指向方向を変化させるアンテナとして、同じアンテナを多数配列したアンテナ素子からなるアレーアンテナ(Array Antenna)を用いている。具体的には、給電位相を可変にして電子的にビーム走査や指向性合成を行うフェーズドアレーアンテナ(Phased Array Antenna)や、受信信号に応じてアンテナの特性を制御するアダプティブアンテナ(Adaptive Array Antenna)等を用いて行うことが開示されている。
【0006】
ここで、フェーズドアレーアンテナ及びアダプティブアンテナについて概説する。
例えばダイポールアンテナを等間隔で複数個並べると、それぞれのアンテナからの放射は開口からの放射のように重ね合わされて平面波を作る。そのままでは面開口アンテナとあまり変わらないが、各アンテナに移相器(phase shifter)をつけて移相遅れを電子的に制御すると、平面波の波面を制御して任意の方向に電磁波を収束させることができる。このようなアンテナをフェーズドアレーアンテナとよぶ。
また、アダプティブアレイアンテナは、概念的にはフェーズドアレーアンテナと似ているが、指向性のヌル点(null point)を任意の方向に作って例えばマルチパス(multipath)によるフェージング(phasing)を除去するために用いる点で、指向性を可変するためのフェーズドアレーアンテナとは異なる。
【0007】
【特許文献1】特開平8−19035号公報(第4〜5頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなフェーズドアレーアンテナ及びアダプティブアンテナは、電気的もしくは機械的に伝送路を伝達する信号の位相を変化させる移相器を、1つ1つのアンテナ素子に取り付ける構造であり、これらのアンテナは高価なため、軍事用等の利用分野が限定されている。このように、コストが高く、しかも大型となるアンテナを用いていることから、位置検出システムのコスト低減や小型化を図ることが困難な状況であった。
【0009】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、低コストかつ小型化を容易に実現できるアンテナ指向特性の制御方法及び位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的のもと、本発明が適用されるアンテナ指向特性の制御装置は、電波を受信する第1のアンテナと、第1のアンテナの近傍に設けられ、第1のアンテナに近い側の一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、一端から他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである第2のアンテナと、第2のアンテナを選択により接地する接地手段とを含む。
第1のアンテナは1つからなり、第1のアンテナが貫通し、かつ第2のアンテナが第1のアンテナを中心に略等角度で複数配置された基板を更に含むことを特徴とすることができる。このようにすると、制御装置の構成を簡易にすることができる。
また、第2のアンテナは、一端を含み、第1のアンテナから離れる方向に直線状に延びる直線部と、直線部の一端とは反対側の端部から第1のアンテナを中心として一方向に円弧状に延びて他端を含む円弧部とを備え、直線部の長さ、円弧部の弧長及び円弧部の曲率半径は、使用周波数の1/4と略同一であることを特徴とすることができる。また、第2のアンテナの一端から、円弧部が延びる方向とは反対の方向に突出した小突出部を更に含むことを特徴とすることができる。このように小突出部を設けると、第2のアンテナの誘起電圧を増加させることができ、より高い前後比特性及びより鋭い指向特性を実現することができる。
【0011】
他の観点から捉えると、本発明が適用される位置検出装置は、子機の発する信号を主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて子機の位置を検出する位置検出装置において、主アンテナの近傍に位置し、一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、一端から他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである複数の制御アンテナと、制御アンテナごとに接地又は非接地の制御をして主アンテナの指向特性の方向を変える制御手段とを含む。
制御手段は、複数の制御アンテナのいずれか1つ又は隣り合う2つの制御アンテナを非接地にし、他の制御アンテナを接地させるように制御することを特徴とすることができる。
【0012】
更に本発明を別の観点から捉えると、本発明が適用される位置検出方法は、子機の発する信号を親機の主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて親機に対する子機の位置を検出する位置検出方法において、使用周波数の1/4の長さと略同一の物理的長さを有するとともに使用周波数の1/2の長さと略同一の電気的な長さを有する制御アンテナを接地又は非接地させて、制御アンテナを近傍に配置した主アンテナの指向特性を変える指向特性変更ステップと、指向特性変更ステップにより変えた主アンテナの指向特性において子機の発する信号を計測する計測ステップと、計測ステップによる計測結果に基づいて子機の位置を演算する演算ステップと、演算ステップによる演算結果を親機に表示する表示ステップとを含む。
指向特性変更ステップの前に、子機と親機との間で同期をとる同期ステップを行うことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アンテナの指向特性の制御を低コストかつ小型化を容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1の(a)は、本実施の形態に係る位置検出装置(親機)10及びその子機60の外観を示す説明図であり、図1の(b)は子機60が位置検出装置10に向けて発する電波を示す説明図である。図2は、位置検出装置10の内部の概略構成図であり、図2の(a)は側面図、図2の(b)は平面図である。
図1の(a)に示すように、位置検出装置10は、外形が円盤形状で、電源スイッチ10a及びサーチボタン10bを有し、また、後述する表示部56を有する。また、子機60も外形が小さな円盤形状で、電源スイッチ60aと、電源スイッチ60aをONにすると点灯するLED60bとを有する。
子機60は、電源スイッチ60aをONにすると、無線LAN(Local Area Network)の例えば2.45GHz(IEEE802.11bまたはIEEE802.11g)の周波数の電波を発する図示しないトランスミッタ(transmitter)を有し、位置検出装置10は、子機60からの図1の(b)に示す電波(パルス波形)に基づいて子機60の位置を検出することができる。具体的には、位置検出装置10は、子機60が発信した電波を受信し、その電波に基づいて子機60が位置検出装置10に対してどの方向にあり、かつ、どれくらい離れているかを検出し、その内容が表示部56に表示される。
このような位置検出装置10と子機60の利用方法としては、例えば遊園地内で遊ぶ子供に子機60を持たせ、例えばその子供が迷子になったときには、位置検出装置10を所持している親が、位置検出装置10のサーチボタン10bを押すと、位置検出装置10の表示部56に子供の位置が表示されるので、子供を容易に探すことができる。このように、大規模な設備を予め設けておかなくても、子供の位置検出を容易に行うことができる。
【0015】
位置検出装置10は、図2の(a)に示すように、円盤状の主基板11と、主基板11の外径と略同一の外径を有する円盤状の制御アンテナ基板12と、主基板11の中心部に一端部が取り付けられるとともに制御アンテナ基板12の中心部に他端部が取り付けられた主アンテナ13とを内部に備えている。主アンテナ13は、図示しない子機からの電波を受信するためのもので、無指向性である。主基板11と制御アンテナ基板12とは互いに略平行に離間して配置されている。
【0016】
図2の(b)に示すように、制御アンテナ基板12の表面側には、4本の制御アンテナ21,22,23,24が主アンテナ13の周辺に規則的に、パターンにより配設されている。制御アンテナ21,22,23,24は、制御アンテナ基板12の中心部から、円周方向に90度の間隔をあけて放射状に延びる直線状の径方向部21a,22a,23a,24aと、各径方向部21a,22a,23a,24aの周面寄りの端部から円周方向に沿って一方向に延びる円弧状の周方向部21b,22b,23b,24bとを備えている。各制御アンテナ21,22,23,24の径方向部21a,22a,23a,24aと周方向部21b,22b,23b,24bとは連続して形成されている。
【0017】
ここで、4本の制御アンテナ21,22,23,24における各周方向部21b,22b,23b,24bの曲率半径は略同一であり、約λ/4である。例えば、使用周波数fが2.45GHzのときには、波長λが122.95mmであるので、制御アンテナ21,22,23,24の曲率半径は、30.74mmである。
また、隣接する周方向部21b,22b,23b,24b同士は所定の距離をもって離間しており、周方向部21b,22b,23b,24bの弧長は、約λ/4(30.74mm)である。すなわち、制御アンテナ21,22,23,24の電気的な長さは約λ/2(61.48mm)であり、制御アンテナ21,22,23,24の物理的な長さはλ/4(30.74mm)である。なお、4本の制御アンテナ21,22,23,24は互いに交差しないように配置されている。
【0018】
4本の制御アンテナ21,22,23,24における各径方向部21a,22a,23a,24aの中心寄りの端部は主アンテナ13の近傍に位置している。すなわち、制御アンテナ21,22,23,24の一端を、主アンテナ13の最も輻射強度の高い場所の近傍、例えば2〜3mm程度離して配置し、主アンテナ13からの輻射電磁界を制御アンテナ21,22,23,24に誘導させるようにしている。
なお、制御アンテナ21,22,23,24の材料として、板金アンテナ、プリントアンテナ、針金アンテナその他形状が限定されない高周波材料であれば用いることができる。
【0019】
制御アンテナ基板12には、接地手段としてのスイッチング素子(switching element)31,32,33,34が各制御アンテナ21,22,23,24ごとに設けられている。スイッチング素子31,32,33,34は、その一端がグランドGに接続されていて、後述する制御手段の制御により選択的に作動する。このため、4本の制御アンテナ21,22,23,24ごとにグランドGに落としたり落とさなかったりすることができる。
なお、本実施の形態では、制御アンテナ21,22,23,24の片方をグランドGに落としているが、両方をグランドGに落とすと、接地効果がより確実になる。
【0020】
次に、スイッチング素子の切り替えにより主アンテナ13の指向特性が変化する理論について説明する。
図3は、主アンテナ13及び制御アンテナ20の配置構成を説明する説明図であり、図4は、図3の順方向における指向特性を説明するためのグラフであり、図5は、図3の逆方向における指向特性を説明するためのグラフであり、図6は、主アンテナ13の指向特性を示す図である。図4の(a)〜(f)及び図5の(a)〜(g)の各縦軸は電圧電源であり、各横軸は時間である。
図3に示す発信源14に接続された主アンテナ13と、主アンテナ13の近傍に配置した制御アンテナ20(21,22,23,24)とを用いた場合についてシミュレーションした。このシミュレーションは、制御アンテナ20による効果を明らかにするために、非接触状態(グランドGに接続していない状態)の制御アンテナ20にて行われたものである。
ここで、シミュレーションの他の条件を説明すると、制御アンテナ20の電気的な長さはおよそλ/2であり、物理的な長さはおよそλ/4である。また、制御アンテナ20の主アンテナ13に隣接する一端をA点とし、他端をB点としている。また、C点は、主アンテナ13に対して制御アンテナ20のB点とは反対側に位置している。主アンテナ13からC点までの離間距離はおよそλ/4である。
【0021】
まず、図3に示す順方向におけるB点での指向特性について図4を用いて説明する。
図4の(a)および(b)に示すように、主アンテナ13の電界と磁界との位相は同じである。磁界を微分すると(e=dφ/dt)、図4の(c)に示すように、制御アンテナ20のA点の誘起電圧を求めることができる。
ここで、制御アンテナ20におけるA点とB点との電気的な長さが約λ/2のため、制御アンテナ20のB点の電圧(電界)は、図4の(d)に示すように、図4の(c)における制御アンテナ20のA点の誘起電圧の位相に対して逆位相となる。
また、制御アンテナ20におけるA点とB点との物理的な長さが約λ/4のため、図4の(e)に示すように、B点における主アンテナ13の電界は、A点における主アンテナ13の電界に対して90度の位相ずれが生じる。
図4の(d)に示す主アンテナ13の電界の位相と、図4の(e)に示す制御アンテナ20の電界の位相は同位相のため、これらを合成したB点の合成電界は、図4の(f)に示すように、強め合って電界が大きくなる。すなわち、B点における合成電界(図4の(f))は、主アンテナ13の電界(図4の(d))よりも電界強度が高まっている。
【0022】
次に、図3に示す逆方向におけるC点での指向特性について説明する。なお、図5の(a)〜(d)は、図4の(a)〜(d)と同じものゆえ、その説明を省略する。
制御アンテナ20におけるA点とC点との物理的な長さが約λ/4のため、図5の(e)に示すように、C点における主アンテナ13の電界は、A点における主アンテナ13の電界に対して90度の位相ずれが生じる。なお、結果として、図5の(e)は図4の(e)と同じ位相となる。
また、制御アンテナ20におけるB点とC点との物理的な長さがλ/2のため、図5の(f)に示すように、C点における制御アンテナ20の電界は、B点における制御アンテナ20の電界(図5の(d)参照)に対して180度の位相ずれが生じる。
図5の(e)に示す主アンテナ13の電界の位相と、図5の(f)に示す制御アンテナ20の電界の位相は逆位相のため、これらを合成したC点の合成電界は、図5の(g)に示すように、弱め合って電界が小さくなる。すなわち、C点における合成電界(図5の(g))は、主アンテナ13の電界(図5の(e))よりも電界強度が弱まっている。
【0023】
このようなシミュレーションの結果から、図6の(a)に示すように、順方向においては電界が強くなり、逆方向においては電界が弱くなるという指向特性を得ることができる。その一方で、制御アンテナ20を接地すると、制御アンテナ20による効果がなくなり、図6の(b)に示すように、主アンテナ13自身の指向特性すなわち無指向性に変わる。
よって、制御アンテナ20の接地と非接地を切り替えることにより、一方向への指向性を高めることができる。すなわち、接地非接地を切り替えるだけで、指向特性を変えることができる。
【0024】
次に、制御アンテナ21,22,23,24による主アンテナ13の指向特性の制御について図2及び図7に基づいて説明する。
図7は、図2に示す構成で制御された指向特性を示す図であり、(a)〜(e)は図2の(b)の制御アンテナ21,22,23,24の接地非接地を切り替えることによる指向特性の変化を示したものである。
図2の(b)に示す直交座標系X−Yにおいて、4つの制御アンテナ21,22,23,24のいずれか1つのみを非接地にすると、その非接地の制御アンテナが主アンテナ13に対して位置する方向に強い指向特性に変わる。具体的に説明すると、制御アンテナ21のみを非接地にすると、図7の(a)に示すようにX軸の正方向に強く負方向に弱い指向特性を得ることができる。そして、制御アンテナ22のみを非接地にすると、図7の(b)に示すようにY軸の正方向に強くて負方向に弱い指向特性を得ることができる。制御アンテナ23のみを非接地にすると、図7の(c)に示すようにX軸の負方向に強くて正方向に弱い指向特性を得ることができ、制御アンテナ24のみを非接地にすると、図7の(d)に示すようにY軸の負方向に強くて正方向に弱い指向特性を得ることができる。すなわち、ゲインをとりたい方向に設置された制御アンテナを非接地にすると、主アンテナ13の特性のゲインは、最大で6dB増加し、その反対方向には最大で6dB減少する。
さらには、4つの制御アンテナ21,22,23,24のうちの隣り合う2つの制御アンテナのみを非接地にすると、X軸又はY軸に対して45度傾斜した方向に強い指向特性に得ることもできる。例えば、制御アンテナ22と制御アンテナ23のみを非接地状態にすると、図7の(e)に示すような指向特性を得ることができる。すなわち、4つの制御アンテナ21,22,23,24を用いると、X軸方向とY軸方向という4つの方向と、各軸に45度で交差する4つの方向、合わせて8つの方向に指向特性を変えることができる。
このような指向特性の制御は、図2の(b)に示すスイッチング素子31,32,33,34の作動を切り替えることにより実現することができる。
【0025】
次に、スイッチング素子31,32,33,34の切り替えの制御について説明する。
図8は、位置検出装置10の主要部分の機能ブロック図であり、図9は、位置検出のための手順を示すフローチャートであり、図9の(a)は、位置検出装置10の電源スイッチ10aと子機60の電源スイッチ60aとをONにしたときの内部処理手順を概略的に示したものであり、図9の(b)は、位置検出装置10のサーチボタン10bが押されたときの内部処理手順を概略的に示したものである。
位置検出装置10は、図8に示すように、主アンテナ13に接続された高周波部(RF:Radio Frequency)51と、中間周波増幅部(IF−AM:Intermediate Frequency Amplifier)52と、検波部(DET:Detection)53と、データ処理部54と、マイコン(Microcomputer)55と、表示部56と、制御アンテナ21,22,23,24に接続されたスイッチング素子(SW)30(31,32,33,34)とを備えている。
子機60から発信された電波を主アンテナ13が受信すると、その電波について高周波部51で高周波増幅して同調を取り、かつ図示しない発振器の出力をその電波に加える。中間周波増幅部52では、中間周波数に変換して増幅され、検波器53では、所定の電波が取り出される。取り出した電波は、データ処理部54を介してマイコン55に送られ、その内容が表示部56に表示される。マイコン55は、スイッチング素子30に対して制御アンテナ21,22,23,24の接地と非接地の切り替えを指示し、これにより、指向特性を制御している。
【0026】
ここで、図1の(a)に示すように表示部56は、位置検出装置10の上面部に設けられ、制御アンテナ21,22,23,24の位置に対応して円周方向に沿って等間隔に設けた8つのLED(Light Emitting Diode)56aと、その中央部に設けた液晶画面56bとからなる。位置検出装置10が子機60の位置を検出すると、子機60の方向にある1つのLED56aのみが点灯し、また、液晶画面56bでは、子機60との距離を表示する。また、LED56aは、後述する同期モード時に8つ全てのLEDを点灯させて使用者に知らせるようにすることもできる。
なお、表示部56として地図を表示できるような液晶画面だけを設け、検出した子機60の位置を、その画面上の地図に点で表示することも考えられる。
【0027】
位置検出のための手順は、同期モードとサーチモードに分けることができる。まず、同期モードは、図9の(a)に示すように、位置検出装置10及び子機60の電源スイッチ10a,60aをONにしたときに同期動作を開始し(S101)、同期が成功したかどうかを判断する(S102)。同期が成功したときは、終了し、同期が成功していないときにはその旨を表示部56に表示し(S103)、その後に終了する。
サーチモードでは、図9の(b)に示すように、位置検出装置10のサーチボタン10bが押されたか否かを判定し(S201)、サーチボタン10bが押されたときには子機60の位置検出を開始するが、その位置検出が成功したか否かを判定し(S202)、子機60の位置検出が成功したときには子機60の位置(方向と距離)を位置検出装置10の表示部56に表示し(S203)、終了する。位置検出装置10のサーチボタン10bが押されていないとき及び子機60の位置検出が成功しなかったときは、ステップS201に戻る。なお、サーチモードでは、位置検出装置10及び子機60の電源がONになっていることが前提となる。また、位置検出装置10は、子機60のID情報を予め記憶しておき、そのID情報により子機60を識別することができる。
【0028】
ここで、子機60の位置検出は、スイッチング素子31,32,33,34により主アンテナ13の指向特性を8つの方向に順次変えていき、子機60が発する電波の最も受信状態のよい方向を検出することにより、位置検出装置10に対して子機60が存在する方向がわかる。また、ゲインを変えることで子機60との距離を算出することができる。
このように、簡単な構造で指向特性を変えることができ、高い利得と適正な指向性を確保することができる。
【0029】
次に、本実施の形態に係る位置検出装置10における制御アンテナの変形例について説明する。
図10〜図12は、制御アンテナの変形例を説明する説明図である。なお、各変形例において、以下に説明する構成以外は、上述した実施の形態と同じであり、スイッチング素子31,32,33,34及びグランドGの図示を省略している(図2の(b)参照)。
【0030】
第1の変形例としては、図10に示すように、制御アンテナ21,22,23,24における主アンテナ13側の端部に小突出部21c,22c,23c,24cを設けている。この小突出部21c,22c,23c,24cは、制御アンテナ21,22,23,24の周方向部21b,22b,23b,24bとは反対の方向に突出している。このように構成すると、誘起電圧を高くすることができ、ゲインを大きくすることができる。
【0031】
第2の変形例では、図11に示すように、制御アンテナ21,22,23,24において、周方向部21b,22b,23b,24b(図2の(b)参照)の代わりに、立設部21d,22d,23d,24dを備えている。周方向部21b,22b,23b,24bは、制御アンテナ12の表面に設けられているが、立設部21d,22d,23d,24dは、制御アンテナ12から立設し、主アンテナ13と同じ方向に延びている。
このように構成することで、レイアウト的に制御アンテナの間隔を詰めて配置することができ、多くの数の制御アンテナを設けることができるようになる。このため、より精度の高い位置検出が可能となる。
【0032】
第3の変形例は、図12に示すように、半径方向に延びる制御アンテナ41,42,43,44を制御アンテナ基板12の表面に設けられている。この制御アンテナ41,42,43,44は、両端が直線状で、かつ、中間部にコイル部41a,42a,43a,44aが設けられている。各制御アンテナ41,42,43,44は、上述した制御アンテナ21,22,23,24と同様、物理的な長さがおよそλ/4で、電気的な長さがおよそλ/2である。
このように構成することで、位置制御装置10をコンパクトにしつつ、より精度の高い位置検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係る位置検出装置及びその子機を示す説明図である。
【図2】図1に示す位置検出装置の内部の概略構成図である。
【図3】主アンテナ及び制御アンテナの配置構成を説明する説明図である。
【図4】図3の順方向における指向特性を説明するためのグラフである。
【図5】図3の逆方向における指向特性を説明するためのグラフである。
【図6】図3に示す主アンテナの指向特性を説明する説明図である。
【図7】図2に示す主アンテナの指向特性を説明する説明図である。
【図8】図1に示す位置検出装置の主要部分の機能ブロック図である。
【図9】図1に示す位置検出装置が子機の位置検出をするためのフローチャートである。
【図10】制御アンテナの第1の変形例を説明する説明図である。
【図11】制御アンテナの第2の変形例を説明する説明図である。
【図12】制御アンテナの第3の変形例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10…位置検出装置、11…主基板、12…制御アンテナ基板、13…主アンテナ、14…発信源、20,21,22,23,24…制御アンテナ、21a,22a,23a,24a…径方向部、21b,22b,23b,24b…周方向部、30,31,32,33,34…スイッチング素子、60…子機、G…グランド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナの近傍に設けられ、当該第1のアンテナに近い側の一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、当該一端から当該他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである第2のアンテナと、
前記第2のアンテナを選択により接地する接地手段と、
を含むアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項2】
前記第1のアンテナは1つからなり、
前記第1のアンテナが貫通し、かつ前記第2のアンテナが当該第1のアンテナを中心に略等角度で複数配置された基板を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項3】
前記第2のアンテナは、前記一端を含み、前記第1のアンテナから離れる方向に直線状に延びる直線部と、当該直線部の当該一端とは反対側の端部から当該第1のアンテナを中心として一方向に円弧状に延びて前記他端を含む円弧部とを備え、
前記直線部の長さ、前記円弧部の弧長及び当該円弧部の曲率半径は、使用周波数の1/4と略同一であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項4】
前記第2のアンテナの一端から、前記円弧部が延びる方向とは反対の方向に突出した小突出部を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項5】
子機の発する信号を主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて当該子機の位置を検出する位置検出装置において、
前記主アンテナの近傍に位置し、一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、当該一端から当該他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである複数の制御アンテナと、
前記制御アンテナごとに接地又は非接地の制御をして前記主アンテナの指向特性の方向を変える制御手段と
を含む位置検出装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記複数の制御アンテナのいずれか1つ又は隣り合う2つの制御アンテナを非接地にし、他の制御アンテナを接地させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
子機の発する信号を親機の主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて当該親機に対する当該子機の位置を検出する位置検出方法において、
使用周波数の1/4の長さと略同一の物理的長さを有するとともに当該使用周波数の1/2の長さと略同一の電気的な長さを有する制御アンテナを接地又は非接地させて、当該制御アンテナを近傍に配置した前記主アンテナの指向特性を変える指向特性変更ステップと、
前記指向特性変更ステップにより変えた前記主アンテナの指向特性において前記子機の発する信号を計測する計測ステップと、
前記計測ステップによる計測結果に基づいて当該子機の位置を演算する演算ステップと、
前記演算ステップによる演算結果を前記親機に表示する表示ステップと
を含む位置検出方法。
【請求項8】
前記指向特性変更ステップの前に、前記子機と前記親機との間で同期をとる同期ステップを行うことを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項1】
電波を受信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナの近傍に設けられ、当該第1のアンテナに近い側の一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、当該一端から当該他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである第2のアンテナと、
前記第2のアンテナを選択により接地する接地手段と、
を含むアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項2】
前記第1のアンテナは1つからなり、
前記第1のアンテナが貫通し、かつ前記第2のアンテナが当該第1のアンテナを中心に略等角度で複数配置された基板を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項3】
前記第2のアンテナは、前記一端を含み、前記第1のアンテナから離れる方向に直線状に延びる直線部と、当該直線部の当該一端とは反対側の端部から当該第1のアンテナを中心として一方向に円弧状に延びて前記他端を含む円弧部とを備え、
前記直線部の長さ、前記円弧部の弧長及び当該円弧部の曲率半径は、使用周波数の1/4と略同一であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項4】
前記第2のアンテナの一端から、前記円弧部が延びる方向とは反対の方向に突出した小突出部を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ指向特性の制御装置。
【請求項5】
子機の発する信号を主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて当該子機の位置を検出する位置検出装置において、
前記主アンテナの近傍に位置し、一端から他端までの物理的な長さが使用周波数の1/4と略同一の長さであり、かつ、当該一端から当該他端までの電気的な長さが使用周波数の1/2と略同一の長さである複数の制御アンテナと、
前記制御アンテナごとに接地又は非接地の制御をして前記主アンテナの指向特性の方向を変える制御手段と
を含む位置検出装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記複数の制御アンテナのいずれか1つ又は隣り合う2つの制御アンテナを非接地にし、他の制御アンテナを接地させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
子機の発する信号を親機の主アンテナで受信し、その受信状態に基づいて当該親機に対する当該子機の位置を検出する位置検出方法において、
使用周波数の1/4の長さと略同一の物理的長さを有するとともに当該使用周波数の1/2の長さと略同一の電気的な長さを有する制御アンテナを接地又は非接地させて、当該制御アンテナを近傍に配置した前記主アンテナの指向特性を変える指向特性変更ステップと、
前記指向特性変更ステップにより変えた前記主アンテナの指向特性において前記子機の発する信号を計測する計測ステップと、
前記計測ステップによる計測結果に基づいて当該子機の位置を演算する演算ステップと、
前記演算ステップによる演算結果を前記親機に表示する表示ステップと
を含む位置検出方法。
【請求項8】
前記指向特性変更ステップの前に、前記子機と前記親機との間で同期をとる同期ステップを行うことを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−20246(P2006−20246A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198438(P2004−198438)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(504259030)株式会社エーディープラン (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(504259030)株式会社エーディープラン (21)
【Fターム(参考)】
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