説明

イオンチャネルモジュレータ−

本教示は、式(I)の化合物


およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルに関し、式中、Ar、R、R、R、pおよびXは、本明細書に定義されるとおりである。さらに、本教示は、上述の化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルを製造するプロセス、病的な状態または障害を治療する方法、またはその症状を軽減する方法、医薬的に許容される塩、水和物およびエステルを含む上述の化合物を使用する方法も提供する。この化合物は、1つ以上の電圧依存性カルシウムチャネルの異常な調節状態に関連する種々の状態を治療することを含む、イオンチャネルの活性を調節することに有用な場合がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年12月11日に出願された米国仮特許出願第60/874,102号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本教示は、特定の置換脂肪族アミドおよび関連する誘導体、これらの調製プロセス、ならびに治療での使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
あらゆる細胞において、重要な生理学的機能を行うために、無機イオンの細胞膜透過が制御されている。電気興奮性、シナプス可塑性およびシグナル伝達は、イオン濃度の変化が重要な役割をはたすプロセスの例である。一般的に、イオン濃度の変化を可能にするイオンチャネルは、1個または複数個のサブユニットからなるタンパク質の孔であり、それぞれ、2個以上の膜貫通ドメインを含有している。ほとんどのイオンチャネルは、適合するイオンの大きさおよび電荷が異なるため、特定のイオン(主に、Na、K、Ca2+またはCl)に対する選択性を有している。能動輸送ではなく、電気化学的な力によってイオンが膜を通り、1個のチャネルにのみ、1秒間に数百万個のイオンが通過する。チャネルが開く、すなわち「ゲーティング」は、チャネルの種類に依存して、電圧の変化またはリガンドの結合によって精密に制御されている。イオンチャネルは、多くの生理学的プロセスに関与しているため、魅力的な治療標的であるが、特定の組織の特定のチャネルに特異性を有する薬物の作成は、最も困難な課題である。
【0004】
電圧依存性イオンチャネルは、膜電位の変化に応答して開く。例えば、励起性細胞(例えばニューロン)の脱分極によって、Naイオンが一時的に流入し、神経インパルスが伝わる。この膜電位の変化が電圧依存性Kチャネルによって感知され、Kイオンが流出する。Kイオンの流出によって、膜が再び分極する。他の種類の細胞は、電圧依存性Ca2+チャネルによって活動電位が発生する。さらに、電圧依存性イオンチャネルは、励起性細胞以外の細胞に対しても重要な機能を発揮する(例えば、分泌制御、恒常性維持プロセスおよび線維芽細胞増殖作用)。リガンド依存性イオンチャネルは、細胞外からの刺激(例えば、神経伝達物質(例えば、グルタミン酸、セロトニンおよびアセチルコリン))または細胞内からの刺激(例えば、cAMP、Ca2+およびリン酸化)によって開く場合がある。
【0005】
Ca2型電圧依存性カルシウムチャネルは、3種の主要なサブタイプCa2.1(P型カルシウム電流またはQ型カルシウム電流)、Ca2.2(N型カルシウム電流)およびCa2.3(R型カルシウム電流)からなる。これらの電流は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)および神経内分泌細胞でほぼ排他的に存在し、シナプス前の電圧依存性カルシウム電流の主要な形態を構成している。シナプス前のカルシウム流入は、多くの型のG−タンパク質接合受容体(GPCR)によって調節され、Ca2チャネルの調節は、神経伝達を制御する広範囲にわたる、きわめて効果的な手段である。Ca2チャネルのサブユニットの組成は、αサブユニットと定義される、孔を形成し、電圧感受性のゲート(α2.1、α2.2およびα2.3、それぞれ、α1A、α1Bおよびα1Eとしても知られている)と、βサブユニットおよびαサブユニットとを備えている。
【0006】
イオンチャネルの機能における遺伝子の変動または薬理学的変動によって、顕著に臨床結果が変わることがある。QT延長症候群、てんかん、嚢胞性線維症および一過性運動失調は、イオンチャネルのサブユニットの突然変異から生じる、遺伝性疾患の例である。有害な副作用(例えば、特定の薬物によって引き起こされる不整脈および発作)は、イオンチャネルの機能が妨害されたことによるものであるとされている(非特許文献1;非特許文献2)。イオンチャネルの活性を治療的に調節するには、薬物が有用であり、この薬物は、高血圧、狭心症、心筋虚血、喘息、膀胱の過活動、脱毛症、疼痛、心不全、月経困難症、II型糖尿病、不整脈、移植片拒絶反応、発作、痙攣、てんかん、卒中、胃の運動亢進、精神病、癌、筋ジストロフィーおよびナルコレプシーを含む多くの病的な状態の治療に適用される(非特許文献3;非特許文献4)。特定されたイオンチャネルの数は増え続けており、その複雑性を理解することが、イオンチャネルの機能を調節可能な将来の治療薬開発に役立つ。
【0007】
Ca2チャネルの活性を治療的に調節することは、多くの病的な状態の治療に適用される。あらゆる一次感覚求心神経は、脊髄後角のニューロンおよび脊髄後角の後根神経節ニューロンに情報を伝え、カルシウムがCa2.2チャネルを通って流入し、脊髄のシナプス前神経末端から神経伝達物質が放出するきっかけとなる。したがって、Ca2.2チャネルは、疼痛を調整する多くの受容体による一般的な経路の下流にあるため、Ca2.2チャネルを遮断すると、広範囲にわたり影響が出ると予想される(非特許文献5)。実際に、Ca2.2選択性のコノトキシンジコニチド(conotoxin ziconitide)(SNX−111)をくも膜下注射すると、動物およびヒトにおいて、神経障害性の疼痛および炎症に効果的であることが示されている(非特許文献6)。さらに、ジコノチドは、全身虚血または局所虚血のラットモデルで神経保護剤として有効であることも示されている(非特許文献7)。したがって、Ca2.2の調節が、神経保護および/または卒中の治療という意味合いをもつと結論付けることは合理的である。
【0008】
Ca2.2チャネルは、末梢で見られ、交感神経ニューロンおよび副腎クロム親和性細胞(adrenal chroffin cell)からのカテコールアミン放出を媒介する。高血圧のいくつかの形態では、交感神経系の緊張が高まる。Ca2.2モジュレータ−は、この障害の治療に特に有効である。Ca2.2チャネルを完全に遮断すると、低血圧または圧受容器反射不全を引き起こすが、Ca2.2モジュレータ−によって部分的に阻害すると、反射性頻脈は最小限にとどめつつ、高血圧を減らす(非特許文献8)。
【0009】
過活動膀胱(OAB)は、切迫した頻繁な夜間頻尿のような貯蔵の症状を特徴とし、急な失禁を伴う場合も伴わない場合もあり、膀胱の排尿筋の過活動から生じる。OABによって、急な失禁が起こることがある。OABおよび膀胱疼痛症候群の病因は知られていないが、神経、平滑筋および尿路上皮の障害によってOABが起こることがある(Steers,W.、Rev.Urol.、4:S7−S18)。膀胱の過活動が、Ca2.2チャネルおよび/またはCa1チャネルの阻害によって間接的に影響を受けることを示唆する証拠が存在する。
【0010】
Ca2.1チャネルが脊髄後角の表在層に局在化することは、特定の形態の疼痛の知覚および維持にこれらのチャネルが関与していることを示唆している(非特許文献9)。Ca2.1カルシウム電流を完全に排除すると、シナプス伝達が変化し、重篤な運動失調を引き起こす。ガバペンチンは、てんかん治療のアドオン治療として、何年にもわたって臨床で使用されてきた。近年、ガバペンチンは、神経障害性の疼痛の主要な治療であった。臨床試験によれば、ガバペンチンが、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、三叉神経痛、片頭痛および線維筋痛を治療するのに有効であることが示された(非特許文献10)。ガバペンチンは、代謝で安定なGABA模倣物として設計されたが、ほとんどの試験では、GABA受容体に対してなんら効果がなかった。電圧依存性カルシウムチャネルのαδサブユニットは、CNSにおけるガバペンチンの高アフィニティ結合部位として同定された。ガバペンチンが、αδサブユニットの機能を妨害し、シナプス前のカルシウム電流を阻害することによって、脊髄の神経伝達を阻害することを示唆する証拠が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Sirois,J.E.およびAtchison、W.D.(1996)、Neurotoxicology、17(1):63−84
【非特許文献2】Keating、M.T.(1996)、Science、272:681−685
【非特許文献3】Coghlan,M.J.ら(2001)、J.Med.Chem.、44:1627−1653
【非特許文献4】Ackerman,M.J.およびClapham、D.E.(1997)、N.Eng.J.Med.、336:1575−1586
【非特許文献5】Julius,D.およびBasbaum,A.I.(2001)、Nature、413:203−216
【非特許文献6】Bowersox,S.S.ら(1996)、J.Pharmacol.Exp.Ther.、279:1243−1249
【非特許文献7】Colburne,F.ら(1999)、Stroke、30:662−668
【非特許文献8】Uneyama,O.D.(1999)、Int.J.Mol.Med.、3:455−466
【非特許文献9】Vanegas,H.およびSchaible,H.(2000)、Pain、85:9−18
【非特許文献10】Mellegers,P.G.ら(2001)、Clin.J.Pain、17:284−295
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本教示は、式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルに関する。
【0013】
【化1】

式中、Ar、R、R、R、pおよびXは、本明細書に記載されるとおりの定義である。本明細書に記載の「化合物」に言及する場合、その化合物には、その医薬的に許容される塩、水和物およびエステルも含まれることが理解される。
【0014】
さらに、本教示は、式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを製造する方法、およびイオンチャネル機能を治療的に調節するための式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを使用する方法、1つ以上の状態(特に、特定のカルシウムチャネルサブタイプ標的によって媒介される状態)の治療を提供する。この化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルを使用する方法は、一般的に、治療有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを哺乳動物に投与する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施形態は、哺乳動物においてイオンチャネル(例えば、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節可能であり、種々の病的状態、病状、障害または疾患を治療可能な化合物を提供する。
【0016】
他の意味であると示されていない限り、以下の用語は、本明細書で使用する場合、以下の意味を有すると考える。
【0017】
用語「哺乳動物」は、任意の温血動物(例えばヒト)を指す。用語「イオンチャネル
」は、少なくとも電圧依存性カルシウムチャネルおよび電圧依存性ナトリウムチャネルを含み、限定されないが、例えば、Ca1.1、Ca1.2、Ca1.3、Ca2.1、Ca2.2、Ca2.3、Ca3.1、Ca3.2、Na1.1、Na1.2、Na1.3、Na1.7、Na1.8およびNa1.9が挙げられる。本明細書で使用される場合、「Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル」は、少なくとも1個のCa2.2 αサブユニットを含む電圧依存性カルシウムチャネルを指す。句「イオンチャネルによって媒介される状態」は、哺乳動物の任意の状態または病的な状態、または哺乳動物が発症する任意の疾患または疾患の症状のうち、1つ以上のイオンチャネル(例えば、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節することによって治療可能な疾患または改善可能な症状を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「オキソ」は、二重結合酸素(すなわち=O)を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル基(例えば、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル)、ペンチル基(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが挙げられる。低級アルキル基は、典型的には、炭素原子数が6までのアルキル基である。種々の実施形態では、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有し、この基は「C1〜6アルキル基」と呼ばれる。C1〜6アルキル基の例としては、限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)およびブチル基(例えば、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル)が挙げられる。分枝アルキル基は、少なくとも3個の炭素原子を有し(例えば、イソプロピル基)、6個までの炭素原子を有する(例えば、C3〜6アルキル基であり、分枝低級アルキル基である)。分枝低級アルキル基としては、限定されないが、
【0021】
【化2】

が挙げられる。本明細書で使用する場合、二価C1〜6アルキル基は、直鎖または分枝鎖のアルキル基であってもよく、この基は、連結基として、2個の他の部分と共有結合を形成することができる。二価C1〜6アルキル基の例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、n−ブチレン基およびt−ブチレン基があげられる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、限定されないが、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基などが挙げられる。1個以上の炭素−炭素二重結合は、内部にあってもよく(例えば2−ブテン)、末端にあってもよい(例えば1−ブテン)。分枝アルケニル基は、少なくとも3個の炭素原子を有し、種々の実施形態では、6個までの炭素原子を有する(例えば、C3〜6アルケニル基)。
【0023】
用語「アルキニル」は、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどが挙げられる。1個以上の炭素−炭素三重結合は、内部にあってもよく(例えば2−ブチン)、末端にあってもよい(例えば1−ブチン)。アルキニル基は、C3〜6アルキニル基が適している。
【0024】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、−O−アルキル基を指す。ここで、アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。アルコキシ基の例としては、限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシ基などが挙げられる。
【0025】
二価アルコキシ基は、連結基として、2個の他の部分と共有結合を形成することができるアルコキシ基を意味する(−O−アルキル−)。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、限定されないが、−CF、−C、−CHF、−CHF、−CCl、−CHCl、−CHCl、−CClなどが挙げられる。ペルハロアルキル基(すなわち、全ての水素原子がハロゲン原子と置き換わったアルキル基、例えば、CFおよびC)も、「ハロアルキル」の定義に含まれる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、1個以上のハロゲン置換基を有するアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基の例としては、限定されないが、−OCF、−OC、−OCHFなどが挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、環状アルキル基、環状アルケニル基および環状アルキニル基を含む、芳香族ではない炭素環基を指す。シクロアルキル基は、単環であってもよく(例えばシクロヘキシル)、多環であってもよく(例えば、縮合系、架橋系および/またはスピロ環系を含むもの)、炭素原子は、環系の内側または外側に位置している。シクロアルキル基の環の任意の適切な位置で、所定の化学構造に共有結合していてもよい。種々の実施形態では、シクロアルキル基は3〜6個の炭素原子を有し、「C3〜6シクロアルキル基」と称される。C3〜6シクロアルキル基の例としては、限定されないが、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基およびシクロヘキサジエニル基が挙げられ、これらのホモログ、異性体なども含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を指し、例えば、窒素、酸素、硫黄、リンおよびセレンが挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「シクロヘテロアルキル」は、5〜10個の環原子を有し、そのうち1〜3個の環原子が、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)から独立して選択されるヘテロ原子であり、場合により、1個以上(例えば、2個)の二重結合または三重結合を含む、芳香族ではないシクロアルキル基を指す。シクロヘテロアルキル環の1以上のN原子またはS原子は、酸化されていてもよい(例えば、モルホリン N−オキシド、チオモルホリン S−オキシド、チオモルホリン S,S−ジオキシド)。シクロヘテロアルキル基は、1個以上のオキソ基を含有してもよく、例えば、ピペリドン、オキサゾリジノン、ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン、ピリジン−2(1H)−オンなどが挙げられる。シクロへテロアルキル基の例としては、特に、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロイソキノリン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられる。シクロヘテロアルキル基は、場合により置換されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シクロヘテロアルキル基の1個以上の環炭素原子は、ハロゲン、C1〜6アルキル基、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基から独立して選択される置換基を有していてもよく、および/またはシクロヘテロアルキル基の1個以上の環窒素原子は、ハロゲン、C1〜6アルキル基、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−Y−C(O)NRおよび−S(O)−C1〜6アルキル基、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基または5〜7員環ヘテロアリール基から独立して選択される置換基を有していてもよく、Y、R、RおよびRは、本明細書で以下に定義されるとおりである。さらに、ここで示したフェニル置換基はそれぞれ、場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基およびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ここで示した5〜7員環シクロヘテロアルキル置換基、5〜7員環ヘテロアリール置換基および5〜9員環ヘテロアリール置換基は、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、芳香族単環炭化水素環系であるか、または2個以上の芳香族炭化水素環が縮合している(すなわち、共通の結合を有する)多環式環系、または少なくとも1個の環芳香族単環炭化水素環が1個以上のシクロアルキル環および/またはシクロヘテロアルキル環に縮合している多環式環系を指す。アリール基は、環系に6〜14個の炭素原子を有してもよく、複数の縮合環を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、多環状アリール基は、7〜14個の炭素原子を有していてもよい。アリール基の任意の適切な環内の位置で、所定の化学構造に共有結合していてもよい。芳香族炭素環系のみを有するアリール基の例としては、限定されないが、フェニル基、1−ナフチル基(二環)、2−ナフチル基(二環)、アントラセニル基(三環)、フェナントレニル基(三環)などの基が挙げられる。少なくとも1個の芳香族炭素環が1個以上のシクロアルキル環および/またはシクロヘテロアルキル環に縮合している多環式環系の例としては、特に、シクロペンタンのベンゾ誘導体(すなわち、5,6−二環シクロアルキル/芳香族環系であるインダニル基)、シクロヘキサン(すなわち、6,6−二環シクロアルキル/芳香族環系であるテトラヒドロナフチル基)、イミダゾリン(すなわち、5,6−二環シクロヘテロアルキル/芳香族環系であるベンズイミダゾリニル基)およびピラン(すなわち、6,6−二環シクロヘテロアルキル/芳香族環系であるクロメニル基)が挙げられる。アリール基の他の例としては、限定されないが、ベンゾジオキサニル基、ベンゾジオキソリル基、クロメニル基、インドリニル基などが挙げられる。いくつかの実施形態では、アリール基は、場合により、独立して選択された置換基を3個まで含有する。例えば、いくつかの実施形態では、フェニル基は、場合により、ハロゲン、CN、−C(O)OR、−NR、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基およびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、R、RおよびRは、本明細書で以下に定義されるとおりである。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、5〜7個または5〜9個の環原子を含有し、そのうち1〜3個の環原子が、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)から独立して選択されるヘテロ原子である芳香族単環系、または環系に存在する少なくとも1個の環が芳香族である多環式環系を指す。多環ヘテロアリール基としては、2個以上のヘテロアリール環が縮合した環、および1個以上の芳香族炭素環、非芳香族炭素環および/または非芳香族シクロへテロアルキル環に縮合した単環ヘテロアリール環が挙げられる。ヘテロアリール基は、安定な構造を生じるように、任意のヘテロ原子または炭素原子で所定の化学構造に結合していてもよい。一般的に、ヘテロアリール環は、O−O結合、S−S結合またはS−O結合を含有しない。しかし、ヘテロアリール基の1個以上のN原子またはS原子は、酸化されていてもよい(例えば、ピリジン N−オキシド、チオフェン S−オキシド、チオフェン S,S−ジオキシド)。ヘテロアリール基の例としては、例えば、以下に示す5員環単環および5〜6二環系が挙げられる。
【0033】
【化3】

式中、Kは、O、S、NHまたはNR’であり、R’は、ハロゲン、C1〜6アルキル基、C(O)R基、C2〜6アルキル−OR基、C2〜6アルキル−NR基、−Y−C(O)NR基、S(O)−C1〜6アルキル基、5〜7員環ヘテロアリール基およびC2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基から選択してもよく、Y、R、RおよびRは、本明細書で以下に定義されるとおりである。このようなヘテロアリール環の例としては、限定されないが、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、2−メチルキノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾキサジアゾール、ベンズオキサゾール、シンノリン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、インドリジン、イソベンゾフラン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、プリン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピリジン、フロピリジン、チエノピリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、ピリドピリダジン、チエノチアゾール、チエノオキサゾールおよびチエノイミダゾールが挙げられる。ヘテロアリール基のさらなる例としては、限定されないが、4,5,6,7−テトラヒドロインドール、テトラヒドロキノリン、ベンゾチエノピリジン、ベンゾフロピリジンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、3個までの独立して選択された置換基で置換されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1個以上の窒素原子は、上に定義した独立して選択されたR’基で置換されていてもよく、および/またはシクロヘテロアルキル基の1個以上の環炭素原子は、ハロゲン、C1〜6アルキル基、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基から独立して選択される置換基を有していてもよく、Y、R、RおよびRは、本明細書で以下に定義されるとおりである。さらに、ここで示したフェニル置換基はそれぞれ、場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基およびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ここで示した5〜7員環シクロヘテロアルキル置換基、5〜7員環ヘテロアリール置換基および5〜9員環ヘテロアリール置換基は、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
「二価の基」は、本明細書では、2個の他の部分と共有結合を形成可能な連結基であると定義する。本明細書で使用される場合、「脱離基」(「LG」)は、例えば、置換反応または脱離反応の結果として安定な種に交換可能な、電荷を有する原子または電荷を有さない原子(または原子群)を指す。脱離基の例としては、限定されないが、ハロゲン化合物(例えば、Cl、Br、I)、トシレート(トルエンスルホニル基、TsO)、メシレート(メタンスルホニル基、MsO)、ブロシレート(p−ブロモベンゼンスルホニル基、BsO)、ノシレート(4−ニトロベンゼンスルホニル基、NsO)、水(HO)、アンモニア(NH)およびトリフラート(トリフルオロメタンスルホニル基、OTf)が挙げられる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「保護基」(「PtG」)は、望ましくない反応に対する官能基の反応性を減らす、官能基の修飾部分を指す。アミンの保護基の例としては、限定されないが、tert−ブチルオキシカルボニル(t−BOC)基、ベンジル(Bn)基およびカルボベンジルオキシ(Cbz)基が挙げられる。カルボニルの保護基の例としては、限定されないが、アセタールおよびケタールが挙げられる。カルボン酸の保護基の例としては、限定されないが、メチルエステル、ベンジルエステル、tert−ブチルエステルおよびシリルエステルが挙げられる。Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、Wiley & Sons、1991(全開示内容が、あらゆる目的のために本明細書に参考として組み込まれる)を参照。
【0036】
本明細書の種々の箇所で、化合物の置換基を、群または範囲で開示している。その記載には、このような群および範囲のそれぞれの副次的な組み合わせおよびあらゆる副次的な組み合わせが含まれることが、特に意図されている。例えば、用語「C〜Cアルキル」は、特に、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cアルキルを個々に開示しているという意図がある。別の例を挙げると、用語「5〜9員環ヘテロアリール基」は、特に、5個、6個、7個、8個、9個、5〜9個、5〜8個、5〜7個、5〜6個、6〜9個、6〜8個、6〜7個、7〜9個、7〜8個および8〜9個の環原子を有するヘテロアリール基を個々に開示しているという意図がある。
【0037】
本教示は、式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルを提供する。
【0038】
【化4】

式中、
Xは、−NR−、−O−または共有結合であり;
は、C1〜10アルキル基、分枝C3〜10アルキル基、分枝C3〜10アルケニル基、C3〜8シクロアルキル基または5〜10員環シクロヘテロアルキル基であり、
ここで、C1〜10アルキル基、分枝C3〜10アルキル基および分枝C3〜10アルケニル基は、場合により、ハロゲンおよび5〜7員環ヘテロアリール基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、−C(O)OR、−Y−NRおよび−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
5〜10員環シクロヘテロアルキル基は、場合により、C1〜6アルキル基、オキソ基および−Y−フェニル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、フェニル基は、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
3〜8シクロアルキル基は、場合により、C1〜6アルキル基および−Y−フェニル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、−Y−フェニル基は、Xには結合していない炭素原子に結合しており、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、C3〜6シクロアルキル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、インドール、ベンジルまたはフェニルであり、ここで、
フェニルおよびベンジルは、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、CN、−C(O)ORおよび−NRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;−C3〜6シクロアルキルは、場合により、1〜3個のC1〜6アルキル基で置換されており;
Ar−Rは、
【0039】
【化5】

から選択され;
は、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C1〜10ハロアルキル、C1〜10ハロアルコキシ、C(O)R、ピペリジン−4−イル、C3〜6シクロアルキル、フェニル、2−キノリン−3−イルおよび−Y−NRから選択され、ここで、フェニルは、場合により、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、−ORおよび−C(O)ORから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;C1〜10アルキルおよびC1〜10アルコキシは、場合により、ハロゲン、フェニルおよび−OHから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
Yは、それぞれの場合に、独立して、二価C1〜6アルキル基または共有結合であり;
、RおよびRは、それぞれの場合に、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;
およびRは、それぞれの場合に、独立して、−H、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、C1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、−Y−フェニル基、−C(O)−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)基および−C2〜6アルキル−O−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)基からなる群から選択されるか;
または、RおよびRは、これらが結合する窒素原子とともに、5〜8員環シクロヘテロアルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基を形成し、5〜7員環シクロヘテロアルキル基および5〜7員環ヘテロアリール基は、それぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される2個までの環へテロ原子を含有し、
環のいずれかの硫黄原子は、場合により、1〜2個のオキソ基で置換されており、
環の1個以上の窒素原子は、場合により独立して、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−Y−C(O)NR、−S(O)−C1〜6アルキル基、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、C1〜6アルキル基、−Y−(フェニル)基、−C(O)O−C1〜6アルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基で置換されており、
環の1個以上の炭素原子は、場合により独立して、CN、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)基、C1〜6アルキル基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基で置換されており;
およびRのいずれかの位置に存在するフェニル基は、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基およびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、
およびRのいずれかの位置に存在する5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜7員環ヘテロアリール基および5〜9員環ヘテロアリール基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
pは、1、2、3または4であり;
qは、1、2または3である。
【0040】
いくつかの実施形態では、Xは、−NH−、−O−または共有結合であってもよい。特定の実施形態では、Xは共有結合であってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、Rはメチル基である。
【0042】
特定の実施形態では、Rは、分枝低級アルキル基、例えば、
【0043】
【化6】

であってもよく、ここで、分枝低級アルキル基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよび5〜7員環ヘテロアリール基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、−C(O)OR、−Y−NRおよび−Y−フェニル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、Y、R、RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、Rは、5〜7員環ヘテロアリール基で場合により置換されたtert−ブチル基であってもよく、5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、上述のように置換されていてもよい。
【0044】
他の実施形態では、Rは、C3〜6シクロアルキル基であってもよい。例えば、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであってもよい。
【0045】
特定の実施形態では、Rは、C1〜6アルキル基またはベンジル基で場合により置換された5〜10員環シクロヘテロアルキル基であってもよい。例えば、Rは、酸素を含有するシクロヘテロアルキル基(例えば、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イルまたはテトラヒドロピラン−4−イル)、または窒素を含有するシクロヘテロアルキル基(例えば、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イルまたはイソキノリン−3−イル)であってもよく、これらはそれぞれ、場合により、メチル基またはベンジル基で置換された環窒素原子を含んでいてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、C1〜6アルキル基、CN、−C(O)ORおよび−NRから独立して選択される1〜2個の置換基で場合により置換されたフェニル基であってもよく、R、RおよびRは、上に定義したとおりである。例えば、Rは、4−フルオロフェニル基、4−クロロ−フェニル基、4−メチル−フェニル基、3−メチル−フェニル基、2−メチル−フェニル基、4−フルオロ−2−メチル−フェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基および3−イソプロピル−フェニル基であってもよい。
【0047】
他の実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルから選択されてもよい。
【0048】
特定の実施形態では、Ar−Rは、
【0049】
【化7】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0050】
いくつかの実施形態では、Ar−Rは、
【0051】
【化8】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0052】
いくつかの実施形態では、Ar−Rは、
【0053】
【化9】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0054】
いくつかの実施形態では、Ar−Rは、
【0055】
【化10】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0056】
いくつかの実施形態では、RはNRであってもよく、RおよびRは、上に定義したとおりである。特定の実施形態では、Rは、NH、NH−C1〜6アルキル基、N(C1〜6アルキル)基(C1〜6アルキル基は、同じである必要はない)、NH−C3〜6シクロアルキル基、N(C1〜6アルキル)−C3〜6シクロアルキル基、N(C1〜6アルキル)−C2〜6アルキル−OR基、N(C1〜6アルキル)−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、N(C1〜6アルキル)−フェニル基、N(C1〜6アルキル)−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)基およびN(C1〜6アルキル)−C2〜6アルキル−O−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)基から選択されてもよく、フェニル基、5〜7員環シクロヘテロアルキル基および5〜7員環ヘテロアリール基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、YおよびRは、上に定義したとおりである。例えば、Rは、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基またはシクロプロピル(エチル)アミノ基であってもよい。
【0057】
他の実施形態では、Rは、本明細書に記載したような、場合により置換された5〜7員環シクロヘテロアルキル基または場合により置換された5〜7員環ヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、Rは、ジアゼパニル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピリジル基、ピロリジル基、アゼパニル基、アゾカニル基、アゼパニル基およびチオモルホリニル基から選択されてもよく、これらの基はそれぞれ、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−Y−C(O)NR、−S(O)−C1〜6アルキル基、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、C1〜6アルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基で場合により置換された環窒素原子、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基で場合により置換された環炭素原子、および/または1個または2個のオキソ基で置換された環硫黄原子を含み、ここで示したフェニル基は、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基およびC1〜6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、ここで示した5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜7員環ヘテロアリール基および5〜9員環ヘテロアリール基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、Y、R、RおよびRは、上に定義したとおりである。
【0058】
特定の実施形態では、Rは、1−[1,4]ジアゼパニル基、1−イミダゾリル基、4−モルホリニル基、1−ピペリジニル基、1−ピペラジニル基、4−ピリジル基、1−ピロリジル基および4−チオモルホリニル基から選択されてもよく、これらの基は、それぞれ場合により、上述のように置換されていてもよい。例えば、Rは、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル基、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル基、3−ヒドロキシピペリジン−1−イル基、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル基および3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル基であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−アルキル−C(O)NR、S(O)−C1〜6アルキル基、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、C1〜6アルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基によって場合により置換された窒素原子を環に有する1−ピペラジニル基であってもよい。例えば、Rは、4−メチルピペラジン−1−イル基であってもよい。
【0060】
他の実施形態では、Rは、−NR、−C(O)−NR、−Y−OR、5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜9員環ヘテロアリール基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基で場合により置換された炭素原子を環に有する1−ピペリジニル基であってもよい。
【0061】
他の実施形態では、Rは、ハロゲンまたはC1〜6ハロアルキル基であってもよい。例えば、Rは、クロロ基、ヨード基、ブロモ基またはトリフルオロメチル基であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、Rは、ハロゲン基、C1〜6ハロアルキル基、−ORおよび−C(O)ORから独立して選択される1〜2個の置換基で場合により置換されたフェニル基であってもよい。例えば、Rは、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、2−ヒドロキシルフェニル基、3−ヒドロキシルフェニル基、4−ヒドロキシルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基または4−フルオロフェニル基であってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、pは1である。
【0064】
いくつかの実施形態では、pは2である。
【0065】
特定の実施形態では、pは3である。
【0066】
特定の好ましい実施形態では、Ar−Rは、
【0067】
【化11】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0068】
いくつかの好ましい実施形態によれば、Ar−Rは、
【0069】
【化12】

であってもよく、Rは、上に定義したとおりである。
【0070】
本発明の実施形態によれば、式(I)の代表的な化合物としては、限定されないが、以下の表1に示す化合物が挙げられる。
【0071】
【表1−1】

【0072】
【表1−2】

【0073】
【表1−3】

【0074】
【表1−4】

【0075】
【表1−5】

【0076】
【表1−6】

【0077】
【表1−7】

【0078】
【表1−8】

【0079】
【表1−9】

【0080】
【表1−10】

【0081】
【表1−11】

【0082】
【表1−12】

【0083】
【表1−13】

【0084】
【表1−14】

【0085】
【表1−15】

【0086】
【表1−16】

【0087】
【表1−17】

【0088】
【表1−18】

【0089】
【表1−19】

【0090】
【表1−20】

【0091】
【表1−21】

【0092】
【表1−22】

【0093】
【表1−23】

【0094】
【表1−24】

【0095】
【表1−25】

【0096】
【表1−26】

【0097】
【表1−27】

【0098】
【表1−28】

【0099】
【表1−29】

【0100】
【表1−30】

式(I)の化合物の医薬的に許容される塩は、酸性部分を有していてもよく、この塩は、有機塩基および無機塩基を用いて合成することができる。脱プロトン化に利用可能な酸性水素の数に依存して、モノアニオン塩およびポリアニオン塩の両方が想定される。塩基を用いて合成される適切な塩としては、金属塩(例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩またはマグネシウム塩);アンモニア塩および有機アミン塩(例えば、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ低級アルキルアミン、ジ低級アルキルアミン、トリ低級アルキルアミン(例えば、エチル−tert−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンまたはジメチルプロピルアミン)を用いて合成される塩、またはモノヒドロキシ低級アルキルアミン、ジヒドロキシ低級アルキルアミン、トリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン)を用いて合成される塩が挙げられる。無機塩基の特定の非限定例としては、NaHCO、NaCO、KHCO、KCO、CsCO、LiOH、NaOH、KOH、NaHPO、NaHPOおよびNaPOが挙げられる。分子内塩を形成してもよい。同様に、本明細書に開示される化合物が塩基性部分を含有する場合、有機酸および無機酸を用いて塩を合成してもよい。例えば、以下の酸から塩を合成することができる。酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、ジクロロ酢酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、フタル酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸、ならびに他の既知の医薬的に許容される酸。
【0101】
本発明の医薬的に許容されるエステルは、式(I)の化合物の非毒性エステル、好ましくは、アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステルまたはペンチルエステル)を指し、メチルエステルが好ましい。しかし、フェニル−C1〜5アルキルのような他のエステルも、所望な場合には使用してもよい。医薬的に許容されるエステルの例としては、限定されないが、C〜Cアルキルエステル(例えば、メチルエステルおよびエチルエステル)が挙げられる。医薬的に許容されるエステルとしては、脂肪族カルボン酸エステル、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有する直鎖脂肪族カルボン酸(好ましくは酢酸)のエステル、芳香族カルボン酸エステル、例えば、C〜C12酸(例えば安息香酸)のエステルが挙げられる。脂肪族および芳香族の酸は、場合により、1個以上のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい。
【0102】
本教示によれば、本明細書に開示されるプロドラッグも提供される。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」は、哺乳動物被検体に投与された場合、本教示の化合物を生成し、生じるかまたは放出する部分を指す。プロドラッグは、親化合物から、化合物に存在する官能基を、通常の操作またはin vivoのいずれかで修飾が開裂するような様式で修飾することによって調製することができる。プロドラッグの例としては、化合物のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基またはカルボキシル基に接続する1つ以上の分子部分を含有し、哺乳動物被検体に投与されると、それぞれin vivoで開裂し、遊離したヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基またはカルボキシル基を生じる本明細書に記載の化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、限定されないが、本教示の化合物のアルコール官能基およびアミン官能基のアセテート誘導体、ホルメート誘導体およびベンゾエート誘導体が挙げられる。プロドラッグの調製および使用は、the A.C.S.Symposium SeriesのT.Higuchi and V. Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に記載されており、これらの内容全体は、あらゆる目的のために本明細書に参考として組み込まれる。
【0103】
本発明によれば、式(I)のカルボン酸アミド化合物は、以下のスキームに概略が記載され、以下の実施例に記載されるように(a)市販の出発物質から、(b)文献公知の化合物から、または文献の手順を用いて容易に調製できる中間体から、または(c)本明細書に記載のスキームおよび実験手順に記載の新規中間体から調製することができる。
【0104】
有機分子を調製し、官能基を変換する標準的な合成方法および手順は、当該技術分野の標準的な教本の関連する科学文献から、容易に得ることができる。典型的なプロセス条件または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応剤のモル比、溶媒、圧力など)が与えられている場合、他の意味で言及されていない限り、他のプロセス条件を使用してもよい。最適反応条件は、使用する特定の反応剤または溶媒によって変わってもよいが、当業者は通常の最適化手順によって条件を決定することができる。有機合成分野の当業者は、本明細書に記載の化合物の合成を最適化する目的で、記載の合成工程の性質および順番を変えてもよいことを理解する。
【0105】
使用する試薬および物質に適し、変換を行うのに適した溶媒中で反応が行われる。適切な溶媒は、典型的には、反応剤、中間体および/または生成物と、反応を行う温度(すなわち、溶媒の凍結温度から沸点までの温度)では実質的に反応しない。1種の溶媒または2種以上の溶媒混合物中で所与の反応を行ってもよい。特定の反応工程に依存し、特定の反応工程に適した溶媒を選択してもよい。有機合成分野の当業者は、適切な溶媒を容易に選択することができる。
【0106】
有機合成分野の当業者は、分子に存在する種々の官能基が、提案した化学変換と一致しなければならないことを理解する。合成工程の順序、および遠くにある官能基に対する保護基の必要性とともに、この判断が通常の判断に必要な場合がある。当業者は、保護および脱保護の必要性を容易に決定し、適切な保護基を選択することができる。保護基の化学は、例えば、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、Wiley & Sons、1991に記載されており、開示内容全体は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0107】
本明細書に記載のプロセスは、当該技術分野で既知の任意の適切な方法にしたがって監視してもよい。例えば、生成物の生成は、分光手段、例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外線分光法、分光光度法(例えば、UV−可視光)または質量分析によって、またはクロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー)によって監視してもよい。
【0108】
本明細書に記載のスキームでは、反対の意味であらわされていない限り、化学式の変数は、本明細書の他の式で定義されるとおりである。例えば、スキームのAr、R、R、RおよびXは、それぞれのスキームで他の意味であると定義されていないかぎり、本明細書の任意の式で定義されるとおりである。
【0109】
式(I)の化合物(Xが共有結合である)を調製する1つの方法は、脂肪酸または酸誘導体(II)と、適切なアミン(III)とを、以下のスキーム1で示されるようにカップリングすることを含む。
【0110】
【化13】

脂肪酸(II)(または活性化した酸誘導体)を、所望のアミン(III)とカップリングさせ、式(I)の化合物を得る。多くの脂肪酸およびその誘導体は市販されているか、または文献の方法によって調製することができる。
【0111】
活性化した酸誘導体の例としては、例えば、酸塩化物、エステル、アシルイミダゾール、酸無水物が挙げられ、これらの活性化した酸誘導体は、in situで生成してもよいし、または化合物として単離されたものであってもよい。代表的な活性化剤としては、限定されないが、塩化スルフリル、塩化チオニル、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンおよびカルボジイミド(例えば、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチル−カルボジイミドおよびジシクロヘキシルカルボジイミド)が挙げられ、アミド結合形成および酸活性化の例としては、Montalbetti C.A.G.N.およびFalque,V.(2005)、Tetrahedron、61(46):10827−10852が挙げられ、開示内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる。
【0112】
スキーム2は、適切なイソシアネート(IV)と、所望のアミン(III)とをカップリングすることによる、式(I)の化合物(Xは−NR−である)を調製する方法を記載している。
【0113】
【化14】

スキーム3は、適切なギ酸塩(V)と、所望のアミン(III)とをカップリングすることによる、式(I)の化合物(Xは−O−である)を調製する方法を記載している。
【0114】
【化15】

または、R基は、以下のスキーム4に示されるように、合成の最後の工程で組み込まれてもよい。
【0115】
【化16】

このスキームでは、酸ハロゲン化物、酸無水物または活性化した酸誘導体(VI)を、適切なアミン(R−NH)と反応させ、アミド(VII)を得る。得られたアミド(VII)を式(VIII)の化合物でアルキル化し、置換アミド(IX)を得る。式(VIII)の化合物は、市販されているか、または容易に合成することができる。置換アミド(IX)の脱離基を所望のR基と交換し、式(I)の化合物を得る。
【0116】
アミン(III)は、以下のスキーム5に示されるように合成してもよい。
【0117】
【化17】

このスキームでは、保護されたアミン(X)を式(VIIIa)の化合物でアルキル化し、保護されたアルキル化アミン(XI)を得る。化合物(XI)の脱離基を適切なアミン(R、RはNRである)と交換し、アミン−置換アリール/ヘテロアリール誘導体(XII)を得る。あるいは、保護されたアミン(X)を式(VIIIb)の化合物でアルキル化し、アミン−置換アリール/ヘテロアリール誘導体(XII)を直接得る。標準的な条件下での保護基(PtG)の除去によって、アミン(III)を得る。
【0118】
あるいは、アミン(III)は、以下のスキーム6に記載されるように、市販の置換酸ハロゲン化物、酸無水物または他の活性化したカルボン酸誘導体(VIIIaまたはVIIIb)から合成されてもよい。
【0119】
【化18】

このスキームでは、置換酸ハロゲン化物、酸無水物または他の活性化したカルボン酸誘導体(XIIIaまたはXIIIb)を、適切なアミンR−NHと反応させ、アミド(XIVaまたはXIVb)を得る。アミド(XIVb)の場合、脱離基(LG)を適切なアミン(R、RはNRである)と交換し、アミド(XIVa)を得る。最後に、アミド(XIVa)を標準的な条件下で還元し、所望のアミン(III)を得る。
【0120】
第3のアプローチは、以下のスキーム7に記載されるように、置換アリール/ヘテロアリール化合物(XV)から開始する。
【0121】
【化19】

より特定的には、式(XV)の化合物を対応する有機金属誘導体に変換し、ジメチルホルムアミド(MeNCHO)で処理し、アリール/ヘテロアリールアルデヒド(XVI)を得る。適切なアミン(R−NH)を用いた還元的アミノ化により、所望のアミン(III)を得る。
【0122】
本発明の実施形態の代表的な化合物の評価は、本教示の化合物が、哺乳動物のイオンチャネル(例えば、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節可能であることを示す。
【0123】
種々の病的な状態、状況、障害または疾患は、特定のイオンチャネルの活性を調節することによって治療することができる。本明細書で使用される場合、「イオンチャネルによって媒介される状態」は、哺乳動物の任意の状態または病的な状態、または哺乳動物が発症する任意の疾患または疾患の症状のうち、1つ以上のイオンチャネル(例えば、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節することによって治療可能な疾患または改善可能な症状を指す。イオンチャネルによって媒介される状態は、1つ以上のイオンチャネルの異常な機能による場合がある。イオンチャネルは、例えば、イオンチャネルの活性が異常に増大するか、または減少する場合、異常に機能する場合がある。
【0124】
非限定例として、イオンチャネルによって媒介される状態としては、ニューロンの過剰興奮に関連する状態、異常なグルタミン酸調節、疼痛、痙攣、てんかん、卒中、不安障害、神経障害、外傷性の脳障害、狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血、不整脈、糖尿病、尿失禁、顔面紅潮、熱の制御不能およびこれらの組み合わせに関連する状態が挙げられる。
【0125】
ニューロンの過剰興奮に関連する状態の例としては、限定されないが、痙攣(新生児の 痙攣を含む)、てんかん、一過性運動失調、ミオキミア、脳虚血、脳性麻痺、卒中、外傷性の脳障害、外傷性脊髄障害、呼吸停止、酸素欠乏症、長期にわたる心臓手術およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0126】
異常なグルタミン酸調節に関連する状態の例としては、限定されないが、異常なグルタミン酸調節に関連する低血糖または疾患、例えば、限定されないが、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、AIDSに関連する認知症およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0127】
不安障害の例としては、限定されないが、広場恐怖症、パニック障害、特定恐怖症、対人恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、分離不安障害、物質誘発性不安障害および特定されない他の不安障害が挙げられる。
【0128】
疼痛の例としては、限定されないが、種々の侵害重要性疼痛または神経障害性の疼痛、例えば、限定されないが、炎症性疼痛、筋骨格痛、骨痛、仙腰痛、首または背中上部の痛み、内臓痛、体性痛、糖尿病性ニューロパチーに関連する疼痛、癌の痛み、損傷または手術によって生じる疼痛(例えば火傷痛)、頭痛(例えば偏頭痛または緊張性頭痛)およびこれらの疼痛の組み合わせが挙げられる。当業者は、これらの疼痛が重複していてもよいことを理解する。例えば、炎症によって生じる疼痛は、性質上、内臓および筋骨格でおこることがある。他の疼痛の例としては、痛覚過敏症、異痛症または両方の状態に関連する疼痛が挙げられる。上に列挙した疼痛は、急性(持続時間が短い)または慢性(規則的に再発するか、または継続する)であってもよく、中枢性または末梢性であってもよく、末梢性感作または中枢性感作であってもよく、そうでなくてもよい。
【0129】
したがって、本教示の化合物は、哺乳動物(例えばヒト)の病的な状態、障害または疾患を治療し、その症状を軽減するのに有用である。病的な状態、障害または疾患またはその症状としては、限定されないが、上述の種々のイオンチャネルによって媒介される状態の1つを挙げることができる。いくつかの実施形態では、本教示の化合物を、疼痛治療に使用する(非限定例として、上述の種々の疼痛を治療する)ことができる。本明細書で使用される場合、「治療する」は、上述の状態を部分的または完全に軽減すること、抑制すること、予防すること、および/または改善することを指す。したがって、本教示は、種々のイオンチャネルによって媒介される状態の治療および疼痛治療のために、本明細書に開示した化合物を活性治療基質として使用することを含む。
【0130】
例えば、本明細書で開示した化合物は、上述のように、ニューロンの過剰興奮に関連する種々の状態、異常なグルタミン酸調節に関連する種々の状態、種々の不安症および神経障害、狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血、不整脈、糖尿病、尿失禁およびこれらの組み合わせを治療するのに有用である。
【0131】
本明細書に開示した化合物は、末梢神経系または中枢神経系の損傷または病的な変化に関連する、神経障害性の疼痛である慢性疼痛;非限定例として、例えば、腹部、骨盤および/または下腹部に関連する内臓痛または膵炎;筋骨格痛;非限定例として、例えば、骨または関節の変性障害、例えば、変形性関節症、関節リウマチまたは脊髄の狭窄に関連する骨痛;癌の痛み;非限定例として、例えば、腰または背中上部、脊柱、線維筋痛、顎関節に関連する筋骨格痛、または筋筋膜疼痛症候群;頭痛、例えば、偏頭痛または緊張性頭痛;感染に関連する疼痛、例えば、HIVまたは帯状疱疹、鎌状細胞貧血、自己免疫障害、多発性硬化症、および本明細書に記載の方法による炎症を含む、疼痛を治療するのにも有用である。
【0132】
炎症性疼痛は、例えば、変形性関節症、関節リウマチ、手術または損傷のような種々の医療状態に関連している。神経障害性の疼痛は、例えば、糖尿病性ニューロパチー、末梢性ニューロパチー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰部または頚部神経根障害、線維筋痛、舌咽神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、灼熱痛、視床症候群、神経根剥離、または、末梢性感作および/または中枢性感作を起こす損傷によって生じる神経の損傷(例えば幻肢痛)、反射性交感神経性ジストロフィーまたは開胸後の疼痛、癌、化学物質による損傷、毒素、栄養失調、またはウイルス感染または細菌感染(例えば、帯状疱疹またはHIV)、またはこれらの組み合わせと関連していてもよい。本発明の化合物の使用方法は、神経障害性の疼痛が、転移による浸潤に対する二次的な状態、有痛脂肪症、火傷または視床の状態に関連する中心性疼痛状態である、治療をさらに含む。
【0133】
慢性疼痛は、糖尿病、切断術の外傷後の疼痛、腰痛、脊髄損傷、癌、化学物質による損傷、化学療法によって誘発される末梢性ニューロパチー、毒素、大手術、外傷による末梢神経の損傷、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰部または頚部神経根障害、線維筋痛、舌咽神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、灼熱痛、視床症候群、神経根剥離、反射性交感神経性ジストロフィーまたは開胸後の疼痛、栄養失調、ウイルス感染、細菌感染、転移による浸潤、痛脂肪症、火傷、視床の状態に関連する中心性疼痛状態またはこれらの任意の組み合わせに関連してもよい
本明細書で使用される場合、「慢性疼痛」は、実際に、激しく、局在化しており、鋭く、またはさすような痛み、および/または鈍く、うずくような、広範性または火に焼けるような中枢性または末梢性の疼痛で、長期間続く(すなわち、持続的および/または規則的に再発する)ものを指し、本発明の目的のために、例えば、神経障害性の疼痛および癌の痛みが挙げられる。慢性疼痛としては、神経障害性の疼痛、痛覚過敏症および/または異痛症が挙げられる。
【0134】
当業者は、上述の少なくとも1種の疼痛は、1つ以上のイオンチャネルの異常な活性(例えば、限定されないが、異常なグルタミン酸調節)に関連する状態によるものであることを理解している。
【0135】
したがって、本教示は、治療有効量の本明細書に開示の化合物を哺乳動物に投与する方法を含む。本明細書で使用される場合、「投与する」または「投与すること」は、本教示の化合物またはこの化合物を含む医薬組成物を直接投与するか、またはこの化合物またはこの化合物を含む医薬組成物を、体内で活性な化合物または基質を等量生成するプロドラッグ誘導体またはアナログを経て間接的に投与することを指す。本方法は、上述の治療が必要な哺乳動物を特定すること、治療の必要な哺乳動物に、治療有効量の本明細書に開示の化合物を投与することを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、望ましい生体活性または効果を発揮する基質または量を指す。
【0136】
いくつかの実施形態では、この方法は、本明細書に開示した化合物を、医薬的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む。本教示の化合物は、単独で投与してもよいし、または上述の状態を治療する他の治療的に有効な化合物または治療と組み合わせて投与してもよい。例えば、他の治療的に有効な化合物は、心疾患用薬剤および/または神経系の疾患用薬剤を挙げることができる。神経系の疾患用薬剤は、末梢神経系(PNS)の疾患用薬剤および/または中枢神経系(CNS)の疾患用薬剤。
【0137】
さらに、本教示は、イオンチャネル(限定されないが、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節するin vitro法またはin vivo法に関する。いくつかの実施形態では、この方法は、Ca2.2電圧依存性カルシウムチャネルと、本明細書に開示の化合物とを接触させることを含む。特定の実施形態では、この方法は、この方法は、イオンチャネルの活性を監視することを含む。種々の実施形態では、本教示は、医薬的に有効量の式(I)の1つ以上の化合物をin vitroまたはin vivoで投与することを含む、イオンチャネル(例えばCa2.2電圧依存性カルシウムチャネル)の活性を調節する方法に関する。本明細書で使用される場合、「医薬的に有効」は、目的の生体活性または効果を誘発することができる量を指す。
【0138】
特定の疾患状態または障害の治療または抑制目的で投与する場合、有効投薬量は、使用する特定の薬剤、投与態様および治療される状態の重篤度、および治療される個体に関連する種々の身体因子に依存して変わってもよいことが理解される。治療用途では、本教示の化合物を、すでに疾患を発症した患者に対し、その疾患の症状または合併症を治療するのに充分な量で与えてもよい。特定の個体の治療で使用される投薬量は、典型的には、主治医によって主観的に決定される。関与する変数としては、特定の状態およびその状況、および患者の体の大きさ、年齢および応答パターンが挙げられる。
【0139】
さらに、本教示は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物と、1つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤または希釈剤とを含む医薬組成物を提供する。このような担体の例は、当業者には周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonoso R. Gennaro、Mack PublishingCompany、ペンシルバニア州イーストン(1985)(開示内容全体は、あらゆる目的のために、本明細書に参考として組み込まれる)に記載の、許容される医薬製造手順にしたがって調製することができる。本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される」は、毒性という観点で医薬用途で使用することが許容され、活性成分と有害な相互作用のない基質を指す。したがって、医薬的に許容される担体は、処方物の他の成分と適合性であり、生物学的に許容される担体である。補助的な活性成分を医薬組成物に組み込んでもよい。本教示の化合物は、経口または非経口で投与することができ、そのまま、または従来の医薬担体と組み合わせて投与することができる。適用可能な固体担体としては、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁剤、フィラー、流動促進剤、圧縮助剤、バインダーまたは錠剤−崩壊剤、またはカプセル化剤として作用可能な1つ以上の基質を挙げることができる。この化合物は、従来の様式で(例えば、既知の抗炎症剤に使用するのと類似した様式で)配合することができる。本明細書に開示の活性化合物を含有する経口処方物としては、任意の従来から使用されている経口形態(錠剤、カプセル、口腔形態、トローチ剤、薬用キャンデーおよび経口用の溶液、懸濁物または溶液)を挙げることができる。粉末の場合、担体は、精密に分割した固体であってもよく、この固体を、精密に分割した活性化合物と混合する。錠剤の場合、活性化合物を、必要な圧縮性能を示す担体と適切な比率で混合し、所望の形状および大きさに圧縮してもよい。この粉末および錠剤は、約99%まで、またはそれ以上の活性化合物を含有してもよい。
【0140】
カプセルは、活性化合物と、不活性フィラーおよび/または希釈剤(例えば、医薬的に許容されるデンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン)、糖類、人工甘味剤、粉末化セルロース(例えば、結晶性セルロースおよび微晶性セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ゴムなど)との混合物を含有してもよい。
【0141】
有用な錠剤処方物は、従来の圧縮法、湿式造粒法または乾式造粒法によって製造することができ、医薬的に許容される希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定化剤(限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微晶性セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンゴム、クエン酸ナトリウム、複合シリケート、炭酸カルシウム、グリシン、ショ糖、ソルビトール、二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂を利用してもよい。表面改質剤としては、非イオン性および陰イオン性の表面改質剤を挙げることができる。表面改質剤の代表例としては、限定されないが、ポロキソマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびトリエタノールアミンを挙げることができる。本明細書の経口処方物は、活性化合物の吸収性を変えるために、遅延性処方物または徐放性処方物を使用してもよい。さらに、経口処方物は、水または果汁を加え、必要な場合には適切な可溶化剤または乳化剤を加えた活性化合物を投与することからなってもよい。
【0142】
溶液、懸濁物、エマルション、シロップおよびエリキシル剤を調製するのに、液体担体を使用してもよい。本明細書に記載の活性化合物を、医薬的に許容される液体担体(例えば、水、有機溶媒、または水と有機溶媒の混合物、または医薬的に許容される油または脂肪)に溶解または懸濁させてもよい。液体担体は、他の適切な医薬添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、バッファ、防腐剤、甘味剤、香味剤、懸濁剤、増粘剤、色素、粘度調整剤、安定化剤および等張性調整剤)を含有してもよい。経口投与用および非経口投与用の液体担体の例としては、限定されないが、水(特に、上述の添加剤を含有するもの、例えば、セルロース誘導体、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの溶液)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを含む)およびその誘導体、および油(例えば、分画ココナツ油およびラッカセイ油)が挙げられる。非経口投与の場合、担体は、油性エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。滅菌液体担体は、非経口投与用の滅菌液体組成物で使用される。圧縮組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素または他の医薬的に許容される噴射剤であってもよい。
【0143】
液体医薬組成物(滅菌溶液または滅菌懸濁物)は、例えば、くも膜下用注射、筋肉内注射、腹腔内注射または皮下注射で利用してもよい。滅菌溶液を、静脈投与してもよい。経口投与用組成物は、液体形態または固体形態のいずれかであってもよい。
【0144】
好ましくは、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁物、エマルション、顆粒または坐剤のような単位投薬形態である。このような形態では、医薬組成物は、適切な量の活性化合物を含有する単位形態にさらに分けられていてもよい。単位投薬形態は、例えば、包装された粉末、バイアル、アンプル、中身の入ったシリンジまたは液体が入った小袋のような、包装された組成物であってもよい。あるいは、単位投薬形態は、カプセルまたは錠剤であってもよく、または包装形態にこのような組成物が適切な数入ったものであってもよい。このような単位投薬形態は、約1mg/kg〜約500mg/kgの活性化合物を含有してもよく、この量が、1回の投薬または2回以上の投薬で与えられてもよい。このような投薬量は、活性化合物を受容者の血流に入れるのに有用な任意の様式(経口投与、インプラントによる投与、非経口投与(静脈内注射、腹腔内注射および皮下注射)、直腸投与、膣投与および経皮投与)で投与されてもよい。このような投与は、本教示の化合物(その医薬的に許容される塩を含む)を、ローション、クリーム、泡状物、パッチ、懸濁剤、溶液および坐剤(例えば直腸用坐剤および膣用坐剤)に用いて行うことができる。
【0145】
いくつかの場合には、乾燥粉末またはエアロゾルの形態で、患者の気管に化合物を直接投与することが望ましい場合もある。鼻孔または気管支内に吸入させることによって投与する場合、本教示の化合物を、例えば、水溶液または部分的に水性の溶液になるように配合してもよい。
【0146】
本明細書に記載の化合物は、経腸または非経口で投与してもよい(例えば、限定されないが、腹腔内、筋肉内、血管内、くも膜下、関節内または皮下への注射または注入)。これらの活性化合物またはその医薬的に許容される塩の溶液または懸濁物は、ヒドロキシル−プロピルセルロースのような界面活性剤を用い、水と適切に混合して調製することができる。分散物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびこれらの油中の混合物を用いて調製することもできる。通常の貯蔵条件下および使用条件下では、これらの製剤は、典型的には、微生物の成長を抑えるために防腐剤を含有する。
【0147】
注射に適した医薬形態としては、滅菌水溶液または滅菌分散物、および滅菌注射溶液または滅菌注射分散物をその場で調製するための滅菌粉末が挙げられる。好ましい実施形態では、この形態は滅菌であり、シリンジの中を流れることが可能な粘度である。この形態は、好ましくは、製造条件下および貯蔵条件下で安定であり、細菌および真菌のような微生物の汚染作用から守ることができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物および植物油を含有する、溶媒または分散媒体であってもよい。
【0148】
本明細書に記載の化合物は、経皮投与されてもよい(すなわち、体表面および体内の経路(上皮組織および粘膜組織)の内壁を通って投与されてもよい)。このような投与は、本教示の化合物(その医薬的に許容される塩を含む)を、ローション、クリーム、泡状物、パッチ、懸濁剤、溶液および坐剤(例えば直腸用坐剤および膣用坐剤)に用いて行うことができる。活性化合物を表皮を介して送達する局所投与は、炎症および関節炎の局所的な治療に有用な場合がある。
【0149】
経皮投与は、活性化合物と、活性化合物に対して不活性な担体とを含有する経皮パッチを使用して達成することができ、皮膚に対して毒性がなく、皮膚を介して血液の流れにのって全身吸収させることが可能である。担体は、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲルおよび密封デバイスのような多くの形態をなしていてもよい。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中水型の、粘性液体エマルションまたは粘性半固体エマルションであってもよい。活性化合物を含有する石油または疎水性石油に吸収性粉末を分散させたもので構成されるペーストも適している。種々の密封性デバイス(例えば、活性化合物を含有し、容器を半透過性膜で覆ったもの(担体を含有してもしなくてもよい)、または活性化合物を含有するマトリックス)を使用し、活性化合物を血流に放出してもよい。他の密封性デバイスは、文献公知である。
【0150】
本明細書に記載の化合物を、従来の坐剤の形態で、体腔(例えば、直腸または膣)に投与してもよい。坐剤処方物は、従来の物質(ココアバター(坐剤の融点を変えるためのワックスを含有してもしなくてもよい)、グリセリンを含む)で製造することができる。水溶性坐剤用基剤(例えば、種々の分子量のポリエチレングリコール)を使用してもよい。
【0151】
液体処方物またはナノカプセルを使用し、in vitroまたはin vivoで本教示の化合物を宿主細胞に導入してもよい。液体処方物およびナノカプセルは、当該技術分野で既知の方法で調製することができる。例えば、本明細書に記載の化合物は、リポソームの形態で投与することができる。当該技術分野で知られているように、リポソームは、一般的に、リン脂質または他の脂質基質から誘導され、水性媒体に分散した単層または複数ラメラ層の水和液晶でできている。任意の毒性のない、リポソームを形成可能な薬理学的に許容される脂質を使用してもよい。
【0152】
本教示の化合物の有効性を高めるために、化合物を、標的疾患の治療に有効な他の薬剤と組み合わせることが望ましい場合がある。炎症性疾患の場合、炎症性疾患の治療(特に喘息および関節炎の治療)に有効な他の活性化合物(すなわち、他の活性成分または薬剤)を、本教示の活性化合物とともに投与してもよい。他の薬剤を本明細書に開示の化合物と同時に投与してもよいし、異なる時間帯に投与してもよい。
【0153】
本記載全体で、組成物が特定の成分を有し(having)、含み(including)または含む(comprising)と記載されている場合、またはあるプロセスが特定のプロセス工程を有し(having)、含み(including)または含む(comprising)と記載されている場合、本教示の組成物が、その引用した成分から本質的になるか、またはその成分からなることが想定されており、本教示のプロセスが、その引用したプロセス工程から本質的になるか、またはその成分からなることが想定されている。
【0154】
本明細書で、ある要素または成分が、引用した要素または成分のリストに含まれている、および/またはそのリストから選択されると記載されている場合、その要素または成分は、引用した要素または成分のいずれか1つであってもよく、引用した要素または成分の2つ以上からなる群から選択されてもよい。
【0155】
本明細書で単数形を使用している場合、他の意味であると特定的に記載されていない限り、複数形の意味も含む(逆に、本明細書で複数形を使用している場合、他の意味であると特定的に記載されていない限り、単数形の意味も含む)。それに加え、用語「約」が、定量的な数値の前についている場合、他の意味であると特定的に記載されていない限り、本教示は、特定の定量的な値そのものも含む。
【0156】
工程の順序または特定の作業を行う順序は、本教示が操作可能である範囲に限り、重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上の工程または操作は、同時に行ってもよい。
【0157】
本明細書に記載の化合物は、不斉原子を含有してもよく(キラル中心とも呼ばれる)、化合物のいくつかは、1つ以上の不斉原子または不斉中心を含有していてもよく、この場合、光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーを生じることがある。本教示および本明細書に開示した化合物は、このような光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマー(幾何異性体)だけではなく、ラセミ体および光学分割した純粋なエナンチオマーであるR立体異性体およびS立体異性体、およびR立体異性体およびS立体異性体の他の混合物およびその医薬的に許容される塩を含む。当業者に既知の標準的な手順によって、光学異性体を純粋な形態で得てもよい。この標準的な手順としては、限定されないが、ジアステレオマー塩形成、速度論的分割および不斉合成が挙げられる。さらに、本教示は、アルケニル部分を含有する化合物(例えば、アルケンおよびイミン)のcis異性体およびtrans異性体を包含する。本教示が、あらゆる可能な位置異性体およびその混合物を包含し、これらの化合物は、当業者に既知の標準的な分離手順(限定されないが、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィー)によって純粋な形態で得ることができることも理解される。
【0158】
本明細書全体で、構造は、化学名と一緒に記載されていてもよいし、化学名が記載されていなくてもよい。命名法に疑問が生じる場合、構造が優先する。
【0159】
本教示の局面は、以下の実施例の観点でさらに理解することができるが、本発明の範囲をいかなる様式にも限定することを意図したものではない。
【0160】
さらに特定的には、以下の実施例は、式(I)の化合物を調製するのに使用可能な試薬および中間体(適切なアミンおよびカルボン酸)を調製するために、使用可能な種々の合成経路を記載する。
【実施例】
【0161】
式RNH(CHArRのアミン(以下の実施例で提供されるアミン、および他の市販のアミンまたは当該技術分野で既知の手順によって調製されるアミンを含む)を、種々のカルボン酸および酸誘導体とカップリングさせ、式(I)の化合物を得ることができる。有用なカルボン酸および活性化誘導体としては、以下の実施例で提供される化合物、および市販の化合物または当該技術分野で既知の手順によって調製される化合物が挙げられる。
【0162】
化合物番号1〜261は、適切な出発物質を用い、代表的なスキーム1〜20および類似化合物の以下の特定例にしたがって調製した。選択した化合物を以下の表2に示す。
【0163】
出発物質の置換パターンによって生成物の置換パターンが決まることが有機合成分野の当業者には理解され、当業者は、特定の生成物を調製するための適切な出発物質の選択、合成工程の順序、離れた位置にある官能基を保護する必要性などを通常の判断によって決めることができる。
【0164】
アミンのアシル化に有用な活性化した酸誘導体の例として、特定の塩化アシルを代表的なスキームに示しているが、当該技術分野で知られるようなアミド結合形成の他の試薬を、本明細書の教示にしたがって式(I)の化合物の調製に利用することができる。
【0165】
いくつかの場合には、上述の化合物を、塩酸塩として単離してもよいし、ジオキサン溶液またはジエチルエーテル溶液として単離してもよい。塩酸塩は、気体の無水塩酸を用い、標準的なプロトコルで調製する。当業者は、試験化合物のプロトン化状態が、アッセイ条件(典型的にはアッセイプロトコルで特定される緩衝化状態)のpHによって変わり、合成時の化合物の塩形態または遊離塩基のプロトン化状態ではないことを理解している。
【0166】
HPLC保持時間について言及する場合、以下のHPLC条件を使用した。
【0167】
HPLC A:Waters Xterra RP18、3.5u、150×4.6mm;温度40℃;流速1.2mL/分;移動相の組成 10分間で85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液 pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持;注入容積5μL;検出波長210〜370nM。
【0168】
HPLC C:移動相の勾配=2.5分間で5% アセトニトリル/95% 酢酸アンモニウム(10mM)−95% アセトニトリル/5% 酢酸アンモニウム(10mM)、1.5分間保持、再平衡化。カラム=Keystone Aquasil(商標) C18カラム(2×50mm、5mM)。検出=214nmおよび254nm。
【0169】
【化20】

【0170】
【化21】

【0171】
【化22】

【0172】
【化23】

【0173】
【化24】

【0174】
【化25】

【0175】
【化26】

【0176】
【化27】

【0177】
【化28】

【0178】
【化29】

【0179】
【化30】

【0180】
【化31】

【0181】
【化32】

【0182】
【化33】

(実施例1A:{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチルアミンの調製)
【0183】
【化34】

第I工程:6−クロロ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミドの調製
4−フルオロアニリン(15.8g、142mmol)のジクロロメタン(450mL)溶液に、0℃で、6−クロロ−ニコチノイルクロリド(25g、142mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液をゆっくりと加え、次いでトリエチルアミン(23.7mL、170mmol)をゆっくりと加えた。加え終わったら、反応物を0℃で30分間攪拌し、室温まで加温した。30分攪拌した後、得られた固体を濾過し、水で洗浄し、減圧下で乾燥し、6−クロロ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミド(35g、139.6mmol)を白色固体として得た。
【0184】
第II工程:N−(4−フルオロ−フェニル)−6−ヨード−ニコチンアミドの調製
6−クロロ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミド(6.4g、25.5mmol)のアセトン(130mL)溶液に、ヨウ化ナトリウム(38.2g、255.3mmol)を加え、塩化アセチル(7.3mL、102mmol)を滴下した。黄色混合物を加熱し、1時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)と1N水酸化ナトリウム(10mL)とに分配した。有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、N−(4−フルオロ−フェニル)−6−ヨード−ニコチンアミド(6.76g、19.8mmol)を白色固体として得た。
【0185】
第III工程:6−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミドの調製
N−(4−フルオロ−フェニル)−6−ヨード−ニコチンアミド(684mg、2mmol)、塩酸ジエチルアミン(0.326g、4mmol)および炭酸カリウム(911mg、6.6mmol)を1−メチル−2−ピロリジノン(2mL)中で混合し、密閉管で140℃で65時間加熱した。室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、6−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミドを固体として得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。
【0186】
第IV工程:{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチル−アミンの調製
6−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミドを、トルエン(5mL)とテトラヒドロフラン(10mL)との混合物に懸濁させ、0℃で攪拌した。この反応物に、ナトリウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド(トルエン中65wt%、1.8mL)をゆっくりと加えた。この反応物を室温まで加温し、15分間攪拌し、50℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)および6N水酸化ナトリウム(10mL)をゆっくりと加えることによって反応を停止させ、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}ジエチル−アミン(300mg、1.2mmol)を油状物として得た。
【0187】
(実施例1B:{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチルアミン二塩酸塩の代替的な調製法)
【0188】
【化35】

第I工程:(6−クロロ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1g、2.97mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、m−クロロ過安息香酸(1g、4.5mmol)を加え、反応物を50℃で6時間加熱した。(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルは、後述の実施例3の手順にしたがって、(6−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルと同様の方法で調製することができる。反応物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(6mL)で希釈し、3N水酸化ナトリウム(6mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;3:7 酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、(6−クロロ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1g、2.8mmol)を無色油状物として得た。
【0189】
第II工程:(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製)
(6−クロロ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1g、2.8mmol)およびジエチルアミン(2.9mL、28.4mmol)を密閉管中で混合した。この反応物を130℃で一晩加熱した。この反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル)で精製し、(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1g、2.5mmol)を褐色油状物として得た。
【0190】
第III工程:(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1g、2.5mmol)をクロロホルム(10mL)に溶解した。三塩化リン(336μL、3.85mmol)を加え、反応混合物を室温で45分間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、3N水酸化ナトリウム(20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;1:9 酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(920mg、2.5mmol)を無色油状物として得た。
【0191】
第IV工程:{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチル−アミン二塩酸塩の調製
(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(900mg、2.4mmol)のメタノール(10mL)溶液に、塩酸ガスを0℃で加えた。反応物を室温まで加温し、30分間攪拌した。反応物を濃縮し、{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチル−アミン二塩酸塩(665mg、2.4mmol)を白色固体として得た。
【0192】
(実施例2:シクロプロピル−{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン二塩酸塩
【0193】
【化36】

第I工程:6−シクロプロピルアミノ−ニコチン酸エチルエステルの調製
エチル−6−クロロ−ニコチネート(10g、53.9mmol)とシクロプロピルアミン(10mL)とを混合し、密閉容器中で80℃で12時間加熱した。反応物を冷却し、混合物をクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶液)で精製し、6−シクロプロピルアミノ−ニコチン酸エチルエステル(6.9g、32.2mmol)を油状物として得た。
【0194】
第II工程:6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ニコチン酸エチルエステルの調製
6−シクロプロピルアミノ−ニコチン酸エチルエステル(6.9g、32.2mmol)を、ジメチルホルムアミド(50μL)を含有する無水テトラヒドロフラン(80mL)に0℃で溶解し、この溶液に水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、1.85g、48.3mmol)を加えた。反応物を室温まで加温し、30分間撹拌した。反応物をヨウ化エチル(3.0mL、48.3mmol)で処理し、反応物を一晩撹拌した。水(10mL)を加えることによって反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(50mL×2回)。有機相を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶出液)で精製し、6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ニコチン酸エチルエステル(6.45g、27.5mmol)を油状物として得た。
【0195】
第III工程:6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミドの調製
4−フルオロアニリン(4.65mL、35.8mmol)のトルエン(50mL)溶液に、2M トリメチルアルミニウム トルエン溶液(16.5mL、33mmol)をゆっくりと加え、反応物を1時間撹拌した。6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ニコチン酸エチルエステル(6.45g、27.5mmol)のトルエン(25mL)溶液を加え、反応物を60℃まで加熱した。12時間後、反応物を室温まで冷却し、メタノールを滴下して反応を停止させた。反応物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(100mL)に入れた。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(25mL)、飽和酒石酸カリウムナトリウム(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶出液)で精製し、6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミド(7.25g、24.1mmol)を得た。
【0196】
第IV工程:シクロプロピル−{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン二塩酸塩の調製
6−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−N−(4−フルオロ−フェニル)−ニコチンアミド(7.25g、24.1mmol)を、トルエン(20mL)および無水テトラヒドロフラン(40mL)の混合物中で撹拌し、0℃で、ナトリウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド(トルエン中65wt%、16mL)をゆっくりと加えた。反応物を室温まで加温し、15分間攪拌し、50℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)および6N水酸化ナトリウム(20mL)をゆっくりと加えることによって反応を停止させ、酢酸エチル(60mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶出液)で精製し、シクロプロピル−{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン(8.0g、23.1mmol)を得た。
【0197】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、シクロプロピル−{5−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン二塩酸塩(6.8g、23.1mmol)を白色固体として得た。
【0198】
(実施例3:ジエチル−{6−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−アミン二塩酸塩の調製)
【0199】
【化37】

第I工程:2−ブロモ−6−クロロメチル−ピリジンの調製
(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−メタノール(1.5g、8.0mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、塩化スルフリル(1.29mL、16mmol)を滴下し、反応物を一晩撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、黄色半固体を得た。この物質をジエチルエーテル/ヘキサンで磨砕し、固体を集め、2−ブロモ−6−クロロメチル−ピリジン(900mg、4.37mmol)を粘着性白色固体として得た。
【0200】
第II工程:(6−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(60144−53−8、750mg、3.55mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、150mg、3.9mmol)を加えた。30分後、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(51mg、0.36mmol)および2−ブロモ−6−クロロメチル−ピリジン(804mg、3.9mmol)を反応物に加え、混合物を70℃まで加熱した。1時間後、反応物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応を終了させ、酢酸エチルで抽出した(15mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(6−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(700mg、1.84mmol)を油状物として得て、この油状物は放置すると固化した。
【0201】
第III工程:(6−ブロモ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(6−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(700mg、1.84mmol)のクロロホルム(8mL)溶液に、m−クロロ過安息香酸(477mg、2.76mmol)を加え、反応物を50℃まで加熱した。一晩撹拌した後、反応物を室温まで冷却し、クロロホルム(10mL)で希釈し、3N水酸化ナトリウム(5mL)で洗浄した。層分離させ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、放置すると黄色固体が得られた。クロマトグラフィー(シリカゲル;10−20% 酢酸エチル クロロホルム溶液)で精製し、(6−ブロモ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(400mg、1.0mmol)を白色固体として得た。
【0202】
第IV工程:(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(6−ブロモ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(400mg、1.0mmol)のジエチルアミン(7mL)懸濁物を密閉容器中で130℃まで加熱した。一晩撹拌した後、反応物を室温まで冷却し、塩水(10mL)と酢酸エチル(15mL)とに分配した。層分離させ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、暗色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;30−75% 酢酸エチル クロロホルム溶液)で精製し、(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(230mg、0.59mmol)を淡黄色油状物として得た。
【0203】
第V工程:ジエチル−{6−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−アミン二塩酸塩の調製
(6−ジエチルアミノ−1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(230mg、0.59mmol)のクロロホルム(2mL)溶液に、三塩化リン(121mg、0.89mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応物をクロロホルム(10mL)で希釈し、3N 水酸化ナトリウム(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色油状物を得た。この油状物をクロロホルム(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)で処理し、1時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、残渣を塩酸エーテル溶液で処理した。得られた固体を集め、ジエチル−{6−[(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−アミン二塩酸塩(182mg、0.59mmol)を白色固体として得た。
【0204】
(実施例4:エチル−シクロプロピル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミンの調製
【0205】
【化38】

第I工程:(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
4−フルオロアニリン(4.2mL、44.1mmol)およびカルボン酸 ジ−tert−ブチルエステル(11.55g、52.9mmol)をトルエン(100mL)中で混合し、加熱して一晩還流させた。反応物を室温まで冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をヘキサンで磨砕し、(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(8.4g、39.8mmol)をオフホワイト色固体として得た。
【0206】
第II工程:(4−フルオロ−フェニル)−(4−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(9.98g、47.3mmol)の無水テトラヒドロフラン(150mL)溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、2.3g、56.8mmol)で処理した。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。この反応物に1−ブロモメチル−4−ヨード−ベンゼン(14.0g、47.3mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(50mL×3回)。有機相を合わせ、塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;5% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(4−フルオロ−フェニル)−(4−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(18g、42.1mmol)を無色油状物として得た。
【0207】
第III工程:(4−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(4−フルオロ−フェニル)−(4−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(10g、23.4mmol)、シクロプロピルアミン(4.86mL、70.2mmol)、ヨウ化銅(I)(445mg、2.34mmol)、炭酸カリウム(6.5g、46.8mmol)およびL−プロリン(540mg、4.68mmol)の混合物をジメチルスルホキシド(100mL)と混合し、80℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100mL×2回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。(4−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを精製することなく次の工程で使用した。
【0208】
第IV工程:[4−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル]−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
上の工程で得た(4−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルをジクロロメタン(100mL)と混合し、これにアセトアルデヒド(1.44mL、25.7mmol)および酢酸(1.6mL、28.1mmol)を加えた。この溶液を室温で30分間撹拌し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2.0g、9.4mmol)を加えた。30分後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2.0g、9.4mmol)をさらに加えた。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2.0g、9.4mmol)をさらに加え、反応物を30分間撹拌した。反応混合物を1N水酸化ナトリウムでpH10の塩基性にし、ジクロロメタンで抽出した(50mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、[4−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル]−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得て、これを次の工程で直接使用した。
【0209】
第V工程:エチル−シクロプロピル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミンの調製
上の工程で得た[4−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル]−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルのジクロロメタン(20mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。この溶液を室温まで加温し、30分間撹拌した。反応物を減圧下で乾燥するまで濃縮し、残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解した。有機層を3N水酸化ナトリウム(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、エチル−シクロプロピル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン(6g、21.1mmol)を黄色油状物として得た。
【0210】
(実施例5:ジエチル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン二塩酸塩の調製)
【0211】
【化39】

第I工程:4−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ベンズアミドの調製
4−ジエチルアミノ−安息香酸(1.0g、5.2mmol)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(1.4g、9.4mmol)のピリジン(10mL)溶液に、4−フルオロアニリン(446μL、4.7mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して赤色油状物を得て、これを飽和炭酸水素ナトリウムとヘキサンおよび少量の酢酸エチルとに分配し、赤色油状物を得て、これを飽和炭酸水素ナトリウムとヘキサンおよび少量の酢酸エチルとに分配した。得られた沈殿を集め、減圧下で乾燥し、4−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ベンズアミド(1.2g、4.2mmol)を白色固体として得た。
【0212】
第II工程:ジエチル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン二塩酸塩の調製
4−ジエチルアミノ−N−(4−フルオロ−フェニル)−ベンズアミド(600mg、2.1mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液に、1M ボランテトラヒドロフラン錯体(6.3mL、6.3mmol)を加えた。反応物を加熱して還流させ、3時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、飽和塩酸メタノール溶液(6mL)で処理し、加熱して3時間還流させた。反応物を室温まで冷却し、得られた沈殿を濾過し、乾燥し、ジエチル−{[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン二塩酸塩(622mg、1.8mmol)を白色固体として得た。
【0213】
(実施例6:エチル−シクロプロピル−{[3−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル})アミンの調製)
【0214】
【化40】

第I工程:(4−フルオロ−フェニル)−(3−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(5g、47.3mmol)の無水テトラヒドロフラン(80mL)溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、1.1g、28.4mmol)で処理した。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。この反応物に、1−ブロモメチル−3−ヨード−ベンゼン(7.0g、23.7mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(50mL×3回)。有機相を合わせ、塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル;5% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(4−フルオロ−フェニル)−(3−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(9g、21.1mmol)を無色油状物として得た。この油状物には、残った(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルが含まれていた。
【0215】
第II工程:(3−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(4−フルオロ−フェニル)−(3−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(5.8g、13.6mmol)、シクロプロピルアミン(3.8mL、54.4mmol)、ヨウ化銅(I)(260mg、1.36mmol)、炭酸カリウム(7.5g、54.4mmol)およびL−プロリン(313mg、2.72mmol)の混合物をジメチルスルホキシド(60mL)と混合し、80℃で4時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100mL×2回)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。(3−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを精製することなく次の工程で使用した。
【0216】
第III工程:[3−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル]−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
上の工程で得た(3−シクロプロピルアミノ−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルをジクロロメタン(30mL)と混合し、これにアセトアルデヒド(840μL、15mmol)および酢酸(933μL、16.3mmol)を加えた。この溶液を室温で30分間撹拌し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(3.5g、16.32mmol)を加えた。30分後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(3.5g、16.32mmol)をさらに加えた。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(3.5g、16.32mmol)をさらに加え、反応物を30分間撹拌した。反応混合物を1N水酸化ナトリウムでpH10の塩基性にし、ジクロロメタンで抽出した(50mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(3−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得て、これを次の工程で直接使用した。
【0217】
第IV工程:エチル−シクロプロピル−{[3−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミンの調製
上の工程で得た[3−(シクロプロピル−エチル−アミノ)−ベンジル]−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルのジクロロメタン(20mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。この溶液を室温まで加温し、30分間撹拌した。反応物を減圧下で乾燥するまで濃縮し、残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解した。有機層を3N水酸化ナトリウム(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、エチル−シクロプロピル−{[3−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン(3.4g、12mmol)を黄色油状物として得た。
【0218】
(実施例7:(4−フルオロ−フェニル)−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−アミンの調製)
【0219】
【化41】

第I工程:N−(4−フルオロ−フェニル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミドの調製
4−フルオロアニリン(15.8g、142mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に、0℃で4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンゾイルクロリド(25g、142mmol)の溶液を滴下した。沈殿が生成したら、反応物にジクロロメタン(300mL)を加えて希釈した。トリエチルアミン(23.7mL、170mmol)を加え、反応物を30分間撹拌した。次いで、反応物を室温まで加温し、30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄した。濾液を水で処理すると、さらに沈殿が生成した。沈殿を集め、すでに得られた沈殿と合わせた。この物質を減圧下で一晩乾燥し、N−(4−フルオロ−フェニル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(35g、140mmol)を白色固体として得た。
【0220】
第II工程:(4−フルオロ−フェニル)−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−アミンの調製
N−(4−フルオロ−フェニル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(7.6g、24.2mmol)を無水トルエン(50mL)および無水テトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、0℃で、ナトリウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド(トルエン中65wt%、22mL)を滴下した。滴下が終了したら、反応物を加熱して還流させ、1時間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、反応物に6N水酸化ナトリウム(50mL)を滴下して処理した。反応物を室温まで加温し、トルエン(50mL)で希釈し、2時間撹拌した。層分離させ、水相をトルエン(50mL)で洗浄した。有機相を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)、水(30mL)および塩水(30mL)で洗浄した。有機相をCelite(登録商標)パッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。有機濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、黄色固体を得た。この物質をジクロロメタンおよびヘキサンで処理し、(4−フルオロ−フェニル)−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−アミン(5.7g、19mmol)を白色固体として得た。
【0221】
(実施例8:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−アミンの調製)
【0222】
【化42】

第I工程:5−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−ピリミジンの調製
5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン(3.0g、15.5mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、室温でピペリジン(1.53mL、15.5mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(3.23mL、23.3mmol)を滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、塩水(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;5% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、5−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−ピリミジンを白色固体として得た(3.74g、15.5mmol)。
【0223】
第II工程:2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−カルボアルデヒドの調製
5−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン(1.3g、5.4mmol)の無水テトラヒドロフラン(30mL)溶液に、−78℃で1.6M n−ブチルリチウム ヘキサン混合物(3.7mL、5.93mmol)を加えた。混合物を−70℃未満で1時間撹拌した。ジメチルホルムアミド(4.2mL、53.9mmol)を滴下し、反応物を−70℃未満で1時間撹拌した。反応物に飽和塩化アンモニウムクロリド(10mL)を加えて反応を停止させ、水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(20mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、粘性褐色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;5〜30% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−カルボアルデヒド(0.76g、4.0mmol)を白色固体として得た。
【0224】
第III工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−アミンの調製
2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−カルボアルデヒド(0.76g、4.0mmol)、4−フルオロアニリン(0.76mL、8.0mmol)および酢酸(0.25mL、4.4mmol)をジクロロメタン(8mL)と混合した。溶液を室温で30分間撹拌し、次いでトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.28mg、1.32mmol)を加えた。30分後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.28mg、1.32mmol)をさらに加えた。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.28mg、1.32mmol)をさらに加え、反応物を30分間撹拌した。反応混合物を1N水酸化ナトリウムでpH10の塩基性にし、ジクロロメタンで抽出した(50mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;5〜30% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−アミン(0.93g、3.25mmol)を黄色油状物として得た。
【0225】
(実施例9:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製)
【0226】
【化43】

第I工程:2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールの調製
2−クロロ−チアゾール−5−イル−メタノール(1g、6.7mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に塩化チオニル(1.6g、13.4mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、濁った油状物(1.1g、6.5mmol)を得て、これを精製することなく、次の反応に直接使用した。
【0227】
第II工程:2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル−4−フルオロフェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
4−フルオロフェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.3g、6.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、261mg、6.8mmol)を加えた。最初の気体発生がおさまってから、反応物を15分間撹拌した。次いで、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(227mg、0.6mmol)を反応物に加え、次いで、上で調製した2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを加えた。混合物を加熱して1時間還流させた。冷却した後、冷飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応物を注意深く中和し、酢酸エチルで抽出した(20mL×2回)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、暗色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;5〜10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル−4−フルオロフェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.5g、4.4mmol)を黄色油状物として得た。
【0228】
第III工程:4−フルオロフェニル−2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル−4−フルオロフェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.5g、4.4mmol)のピロリジン(1.6mL、22mmol)溶液を密閉管中で130℃まで加熱し、一晩撹拌した。冷却した後、反応物を水と酢酸エチルとに分配した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、4−フルオロフェニル−2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得た。
【0229】
第IV工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製
4−フルオロフェニル−2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの遊離塩基をジクロロメタン(10mL)と混合し、これにトリフルオロ酢酸(4mL)を加え、反応物を室温で3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、得られた油をジエチルエーテルに溶解し、過剰の塩酸エーテル溶液で処理した。得られた固体を濾過によって集め、乾燥し、(4−フルオロフェニル)−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩(274mg、1.2mmol)を白色固体として得た。
【0230】
(実施例10:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製)
【0231】
【化44】

第I工程:1−(4−クロロメチル−チアゾール−2−イル)−ピペリジンの調製
ピペリジン−1−カルボチオアミド(1.0g、6.9mmol)および1,3−ジクロロ−プロパン−2−オン(876mg、6.9mmol)のエタノール(10mL)懸濁物を80℃まで加熱し、液体クロマトグラフィー(LC)/質量分析(MS)で反応を監視した。1時間後、反応物を冷却し、減圧下で溶媒を除去し、ピンク色がかった紫色の液体を得た。液体を氷水(10mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウムの固体でゆっくりと処理すると、白色沈殿が生成した。濾過によって固体を集め、減圧下で乾燥した。固体をヘキサンで磨砕し、濾過した。濾液を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、1−(4−クロロメチル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン(1.1g、5.1mmol)をオフホワイト色固体として得た。
【0232】
第II工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
4−フルオロフェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.02g、4.6mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、206mg、5.1mmol)を加えた。最初の気体発生がおさまってから、反応物を15分間撹拌した。次いで、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(189mg、0.5mmol)を反応物に加え、次いで、上で調製した1−(4−クロロメチル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン(1.1g、5.1mmol)を加えた。混合物を加熱して1時間還流させた。冷却した後、冷飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応物を注意深く中和し、酢酸エチルで抽出した(20mL×2回)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.25g、3.2mmol)を白色固体として得た。
【0233】
第III工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製
(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.25g、3.2mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液にトリフルオロ酢酸(4mL)を加え、反応物を室温で1.5時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、得られた油状物をジエチルエーテルに溶解し、過剰の塩酸エーテル溶液で処理した。得られた固体を濾過によって集め、乾燥し、(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミン二塩酸塩(1.05g、3.2mmol)を白色固体として得た。
【0234】
(実施例11:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製)
【0235】
【化45】

第I工程:(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
2−クロロ−チアゾール−5−イル−メタノール(1g、6.7mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に塩化チオニル(1.6g、13.4mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、濁った油状物(1.1g、6.5mmol)を得て、これを精製することなく、次の反応に直接使用した。
【0236】
(4−フルオロフェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.3g、6.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、261mg、6.8mmol)を加えた。最初の気体発生がおさまってから、反応物を15分間撹拌した。次いで、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(227mg、0.6mmol)を反応物に加え、次いで、上で調製した2−クロロ−5−クロロメチルチアゾールを加えた。混合物を加熱して1時間還流させた。冷却した後、冷飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応物を注意深く中和し、酢酸エチルで抽出した(20mL×2回)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、暗色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;5〜10% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロフェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得た(1.5g、4.4mmol)。
【0237】
第II工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの調製
(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロフェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.5g、4.4mmol)のピペリジン(10mL)溶液を密閉管中で130℃まで加熱し、一晩撹拌した。冷却した後、反応物を水と酢酸エチルとに分配した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;10〜20% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを淡黄色油状物として得た(981mg、2.6mmol)。
【0238】
第III工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩の調製
(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(981mg、2.6mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にトリフルオロ酢酸(4mL)を加え、反応物を室温で3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、得られた油をジエチルエーテルに溶解し、過剰の塩酸エーテル溶液で処理した。得られた固体を濾過によって集め、乾燥し、(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン二塩酸塩を白色固体として得た(472mg、1.7mmol)。
【0239】
(実施例12.2−クロロ−4−クロロメチル−チアゾール塩酸塩の調製)
【0240】
【化46】

4−クロロメチル−チアゾール−2−イルアミン塩酸塩(3.0g、16.2mmol)をHCl 25mLに溶解した。硫酸銅(90mg、0.5mmol)を加え、反応混合物を0℃まで冷却した。亜硝酸ナトリウム(2.29g、33mmol)を水15mLに溶解し、15分間かけて加えた。室温まで加温しつつ、反応を1時間行った。塩化銅(1.6g、16.2mmol)をHCl 5mLに溶解し、5分間かけて何回かにわけて加えた。反応混合物をジエチルエーテル100mLで2回抽出した。有機層を合わせ、水150mL、10%水酸化アンモニウム150mL、飽和塩化ナトリウム150mLで順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去し、2−クロロ−4−クロロメチル−チアゾール(1.67g、9.9mmol)を橙色油状物として得た。この油状物を精製することなく使用した。
【0241】
(実施例13:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号1)の調製)
【0242】
【化47】

(4−フルオロフェニル)−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−アミン(180mg、0.65mmol、実施例9)およびトリエチルアミン(270μL、1.95mmol)のクロロホルム(4mL)溶液に、トリメチルアセチルクロリド(120μL、0.975mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。逆相クロマトグラフィーによって遊離塩基を単離し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−プロピオンアミドをオフホワイト色固体として得た。
【0243】
この遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(150mg、0.42mmol)を白色固体として得た。
【0244】
(実施例14:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号2)の調製)
【0245】
【化48】

N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド(335mg、1.72mmol)の無水テトラヒドロフラン(6mL)溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(60%鉱物油分散物、32mg、2.1mmol)で処理した。混合物を室温まで加温し、15分間撹拌した。この反応物に、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(125mg、0.34mmol)および(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミン(456mg、2.1mmol、実施例10)をに加え、混合物を80℃まで加熱した。1時間後、反応物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応を終了させた。反応物を酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた半固体を酢酸エチル/ヘキサンおよび水で磨砕し、濾過後に白色固体を得た。MS(塩基):m/z 376[M+H];HPLC(塩基):t=3.4分。
【0246】
遊離塩基をメタノール(2mL)に縣濁させ、塩酸エーテル溶液で処理した。溶媒を除去し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(493mg、1.20mmol)を得た。
【0247】
(実施例15:N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドトリフルオロ酢酸塩(化合物番号3)の調製)
【0248】
【化49】

{5−[(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−ジエチルアミン(232mg、0.85mmol)およびトリエチルアミン(142μL、1.0mmol、実施例1)の無水テトラヒドロフラン(4.2mL)溶液に、0℃で、トリメチルアセチルクロリド(125μL、1.0mmol)を加えた。反応物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(15mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル:10% 酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド(320mg、0.9mmol)を得た。
【0249】
遊離塩基を1%トリフルオロ酢酸水溶液で処理し、凍結乾燥し、N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドトリフルオロ酢酸塩(423mg、0.9mmol)を無色ガム状固体として得た。
【0250】
(実施例16:N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−2−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号4)の調製)
【0251】
【化50】

ジエチル−{6−[(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−アミン(195mg、0.56mmol、実施例3)の無水テトラヒドロフラン(5mL)懸濁物に、トリエチルアミン(124μL、2.24mmol)およびトリメチルアセチルクロリド(224μL、1.82mmol)を加え、混合物を加熱して還流させた。2時間後、反応物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル:10〜15% 酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−2−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドを白色固体として得た。
【0252】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−2−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(170mg、0.43mmol)をガム状泡状物として得た。
【0253】
(実施例17:N−(4−ジエチルアミノベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号5)の調製)
【0254】
【化51】

ジエチル−{[4−(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン(450mg、1.65mmol、実施例5)の無水テトラヒドロフラン(10mL)懸濁物に、トリメチルアセチルクロリド(224μL、1.82mmol)およびトリエチルアミン(101μL、7.26mmol)を加え、混合物を加熱して還流させた。2時間後、反応物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル:10% 酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、N−(4−ジエチルアミノベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドを得た。
【0255】
遊離塩基を塩酸メタノール溶液で処理し、減圧下で濃縮し、N−(4−ジエチルアミノベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(500mg、1.28mmol)を白色泡状物として得た。
【0256】
(実施例18:N−(3−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号6)の調製)
【0257】
【化52】

エチル−シクロプロピル−{[3−(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−フェニル)}アミン(300mg、1.05mmol、実施例6)およびトリエチルアミン(220μL、1.58mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液に、0℃でトリメチルアセチルクロリド(155μL、1.58mmol)を加え、反応物を室温まで加温した。30分間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相クロマトグラフィーによって遊離塩基を単離し、N−(3−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド(272mg、0.74mmol)を白色固体として得た。
【0258】
この遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、N−(3−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(300mg、0.74mmol)を白色固体として得た。
【0259】
(実施例19:N−[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号7)の調製)
【0260】
【化53】

エチル−シクロプロピル−{[4−(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミン(200mg、0.56mmol、実施例4)のジクロロメタン(4mL)溶液に、トリメチルアセチルクロリド(83μL、0.67mmol)およびトリエチルアミン(312μL、2.24mmol)を加えた。1時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相クロマトグラフィーによって遊離塩基を単離し、N−(6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドを得た。
【0261】
この遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、N−[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド塩酸塩(180mg、0.45mmol)を白色固体として得た。
【0262】
(実施例20:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(化合物番号8)の調製)
【0263】
【化54】

(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−アミン(50mg、0.175mmol、実施例8)およびトリエチルアミン(37μL、0.26mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、0℃でトリメチルアセチルクロリド(24μL、0.19mmol)を加え、反応物を室温まで加温した。1時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相クロマトグラフィーによって遊離塩基を単離し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−プロピオンアミド(50mg、0.14mmol)を白色固体として得た。
【0264】
この遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−プロピオンアミド塩酸塩(57mg、0.14mmol)を白色固体として得た。
【0265】
(実施例21:3−tert−ブチル−1−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル)−ウレア塩酸塩(化合物番号11)の調製)
【0266】
【化55】

(4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミン(150mg、0.5mmol)のアセトニトリル(2mL)懸濁物に、tert−ブチルイソシアネート(171μL、1.5mmol)を加え、反応物を90℃まで加熱した。2日後、反応物を室温まで冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を塩酸エーテル溶液で処理し、3−tert−ブチル−1−(4−フルオロフェニル)−1−(6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル)−ウレア塩酸塩を得た(160mg、0.37mmol)。MS(塩基):m/z 400[M+H];HPLC(塩基):t=4.4分。
【0267】
(実施例22:1−ベンジル−ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミン二塩酸塩(化合物番号12)の調製)
【0268】
【化56】

シクロプロピル−{5−[(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン(358mg、1mmol、実施例2)および1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−カルボン酸(252mg、1.1mmol)のピリジン(10mL)懸濁物に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(233mg、1.5mmol)と、4−ジメチルアミノピリジンの種晶とを加えた。一晩攪拌した後、反応物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水で洗浄し(20mL×2回)、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄し、塩水(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、4−{[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−カルバモイル}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得た。
【0269】
4−{[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−カルバモイル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加えた。2時間攪拌した後、反応物を減圧下で濃縮し、ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド(447mg、0.9mmol)を得た。
【0270】
ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド(447mg、0.9mmol)のメタノール(10mL)溶液に、臭化ベンジル(108μL、0.9mmol)および炭酸カリウム(373mg、2.7mmol)を加え、反応物を加熱して還流させた。一晩攪拌した後、反応物を室温まで冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(20mL)に入れ、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、1−ベンジル−ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミドを得た。MS(塩基):m/z 487[M+H];HPLC(塩基):t=3.8分。
【0271】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、1−ベンジル−ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド二塩酸塩(448mg、0.8mmol)を白色固体として得た。
【0272】
(実施例23:4−メチル−ペンタン酸 [6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド塩酸塩(化合物番号13)の調製)
【0273】
【化57】

シクロプロピル−{5−[(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン(259mg、0.72mmol、実施例2)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(167mg、1.1mmol)のピリジン(4mL)溶液に、4−メチル吉草酸(139mg、1.2mmol)と、4−ジメチルアミノピリジンの種晶とを加えた。一晩攪拌した後、反応物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水で洗浄し(20mL×2回)、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄し、塩水(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、4−メチル−ペンタン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミドを得た。
【0274】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、4−メチル−ペンタン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド塩酸塩(231mg、0.55mmol)をガム状固体として得た。
【0275】
(実施例24:1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド二塩酸塩(化合物番号14)の調製)
【0276】
【化58】

シクロプロピル−{5−[(4−フルオロフェニルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−エチル−アミン(358mg、1.0mmol、実施例2)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(233mg、1.5mmol)のピリジン(4mL)溶液に、3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2,3−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル(342mg、1.1mmol)と、4−ジメチルアミノピリジンの種晶とを加えた。一晩攪拌した後、反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄し(20mL×2回)、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄し、塩水(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、3−{[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−カルバモイル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸ベンジルエステル(434mg、0.75mmol)を得た。
【0277】
3−{[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−カルバモイル}−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸ベンジルエステル(434mg、0.75mmol)の酢酸エチル溶液に、5%パラジウム/炭素を加え、水素30psi雰囲気下、反応物を一晩攪拌した。水素雰囲気を窒素と交換し、反応物をCelite(登録商標)で濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーで精製し、遊離塩基を単離し、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミドを得た。MS(塩基):m/z 445[M+H];HPLC(塩基):t=3.6分。
【0278】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド二塩酸塩(245mg、0.55mmol)を白色固体として得た。
【0279】
(実施例25:2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド二塩酸塩(化合物番号15)の調製)
【0280】
【化59】

1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド(322mg、0.67mmol、実施例25)の遊離塩基をジクロロメタン(8mL)およびホルムアルデヒド水溶液(37%、60μL)と混合し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(636mg、3.0mmol)を加え、反応物を一晩撹拌した。冷飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応物を注意深く中和し、酢酸エチルで抽出した(20mL×2回)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミドを得た。MS(塩基):m/z 459[M+H];HPLC(塩基):t=3.5分。
【0281】
遊離塩基を塩酸エーテル溶液で処理し、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド二塩酸塩(320mg、0.6mmol)を白色固体として得た。
【0282】
(実施例26:テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸(4−フルオロフェニル)−(6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(化合物番号16)の調製)
【0283】
【化60】

2−テトラヒドロフロ酸(288mL、3mmol)をクロロホルム(5mL)と混合し、これに塩化チオニル(660μL、9mmol)を加え、反応物を加熱し、1時間還流させた。反応物を冷却し、減圧下で濃縮し、テトラヒドロ−フラン−2−カルボニルクロリド(405mg、3mmol)を得た。
【0284】
テトラヒドロ−フラン−2−カルボニルクロリド(135mg、1mmol)をジクロロメタン(5mL)およびトリエチルアミン(278μL、2mmol)に溶解し、(4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミン(300mg、1.0mmol)を加えた。30分間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した(10mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相クロマトグラフィーで精製し、遊離塩基を単離し、2−(4−クロロ−フェニル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−(6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル)−イソブチルアミドトリフルオロ酢酸塩を得た。MS(塩基):m/z 399[M+H];HPLC(塩基):t=3.7分。
【0285】
(実施例27:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド(化合物番号180)の調製)
【0286】
【化61】

第1工程:4−クロロメチル−2−フェニルチアゾールの調製
チオベンズアミド(3.0g、21.9mmol)を、エタノール100mLおよびテトラヒドロフラン40mLに溶解し、65℃でジクロロアセトン(3.05g、24mmol)を加えた。還流させて反応を5時間行った。減圧下で溶媒を除去し、炭酸水素ナトリウムで反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせ、塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をシリカで乾燥し、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜100% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、4−クロロメチル−2−フェニルチアゾール(2.1g、10mmol)を橙色油状物として得た。
【0287】
第II工程:(4−フルオロ−フェニル)−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−アミンの調製
4−クロロメチル−2−フェニルチアゾール(2.1g、10mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解した。4−フルオロアニリン(4.8mL、50mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.5g、10mmol)および炭酸カリウム(2.76g、20mmol)を加え、65℃で2日間加熱した。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲル上で蒸発させた。反応混合物をクロマトグラフィー(シリカゲル;0〜100% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製し、暗色油状物を得た。過剰の4−フルオロアニリンを減圧下で除去した。得られた油状物をジエチルエーテルに溶解し、2N HClで洗浄した。次いで、有機層を2N NaOHで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去し、(4−フルオロ−フェニル)−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−アミン(1.42g、5mmol)を褐色粉末として得た。
【0288】
第III工程:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミドの調製
(4−フルオロ−フェニル)−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−アミン(200mg、0.7mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した。トリメチルアセチルクロリド(0.104mL、0.84mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.146ml、0.84mmol)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をシリカゲル上で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜30% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製した。減圧下で溶媒を除去し、オフホワイト色固体のN−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド(76.3mg、0.2mmol)を得た。
【0289】
(実施例28:N−{[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(化合物番号181)の調製)
【0290】
【化62】

N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(415mg、1.1mmol)を、1,4−ジオキサン−8−アザスピロ[4.5]−デカン(1.08mL、8.4mmol)に溶解した。反応物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチル20mLと飽和炭酸水素ナトリウム20mLとに分配した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。得られた白色固体を減圧下で乾燥し、N−{[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(450mg、0.104mmol)を得た。
【0291】
(実施例29:N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(化合物番号187)の調製)
【0292】
【化63】

N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(200mg、0.54mmol)を、ジメチルスルホキシド1mLに溶解した。3−ピペリジンメタノール(435mg、3.78mmol)を加え、80℃で一晩反応を行った。反応混合物を酢酸エチル20mLと飽和炭酸水素ナトリウム2mLとに分配した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカ上で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜100% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製した。減圧下で溶媒を除去し、N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(110mg、0.27mmol)をオフホワイト色固体として得た。
【0293】
(実施例30:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−キノリン−3−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド(化合物番号240)の調製)
【0294】
【化64】

第I工程:(2−ブロモ−チアゾール−4−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミンの調製
2−ブロモチアゾール−4−カルボアルデヒド(5.0g、26mmol)をジクロロメタン500mLに溶解した。4−フルオロアニリン(4.99mL、52mmol)を加え、次いで酢酸2.5mLを加えた。反応物を室温で20分間攪拌した。窒素下、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(7.2g、34mmol)を45分間かけて反応混合物に加えた。室温で反応を一晩行った。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム500mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物をシリカ上で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜30% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製した。減圧下で溶媒を除去し、透明油状物を得て、これをヘキサンから再結晶させ、白色固体を得た。濾過し、固体を減圧下で乾燥し、(2−ブロモ−チアゾール−4−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミン(4.23g、14.7mmol)を得た。
【0295】
第II工程:N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミドの調製
(2−ブロモ−チアゾール−4−イルメチル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミン(4.23g、14.7mmol)をテトラヒドロフラン200mLに溶解した。トリメチルアセチルクロリド(2.19mL、17.8mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(3.1ml、17.8mmol)を加えた。反応を室温で一晩行った。反応混合物を酢酸エチル250mLと水250mLとに分配した。水層を酢酸エチル250mLで3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物をシリカ上で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜20% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製した。減圧下で溶媒を除去し、透明油状物を得て、これを冷ヘキサンから再結晶させた。得られた白色粉末を濾過し、固体を減圧下で乾燥し、N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(3.4g、9.2mmol)を得た。
【0296】
第III工程:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−キノリン−3−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミドの調製
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(100mg、0.27mmol)を、マイクロ波反応容器中で、ジメチルアセトアミド2mLに溶解した。キノリン−3−ボロン酸(69.2mg、0.4mmol)を加え、次いで、テトラキスパラジウム(16mg、5mol%)を加え、炭酸ナトリウムを加えた。マイクロ波を照射し、125℃で15分間反応を行った。反応混合物を酢酸エチル20mLと飽和炭酸水素ナトリウム20mLとに分配した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、反応混合物をシリカ上で蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル;0〜100% 酢酸エチル ヘキサン溶液)で精製した。次いで、減圧下で溶媒を除去し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−キノリン−3−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド(44.9mg、0.11mmol)をオフホワイト色固体として得た。
【0297】
(実施例31.N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド(化合物番号151)およびN−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド(化合物番号150)の調製)
【0298】
【化65】

第I工程:N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−4−フルオロアニリン
2−ブロモチアゾール−4−カルボアルデヒド(7.5g、39mmol)、4−フルオロアニリン(7.5mL、78mmol)および酢酸(3mL)をジクロロメタン(750mL)中で混合した。混合物を20分間攪拌し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(10.8g、51mmol)を45分間かけて、何度かにわけて加えた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム/酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;10〜30% 酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出液)で精製し、N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−4−フルオロアニリン(7g、62%)を得た。
【0299】
第II工程:N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−4−フルオロアニリン(0.900g、3.14mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.6mL、3.5mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)中で混合し、トリメチルアセチルクロリド(0.43mL、3.5mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。混合物を水/酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出液)で精製し、N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.800g、69%)を得た。
【0300】
第III工程:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.240g、0.640mmol)および1−(2−ピリジル)ピペラジン(0.88mL、6.4mmol)の混合物を合わせ、50℃で16時間加熱した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム/酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;20〜50% 酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出液)で精製し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド(0.150g、51%)を得た。
【0301】
得られた油状物をジエチルエーテルに溶解し、沈殿生成がおさまるまで4N HCl/ジオキサンを加えた。減圧下で溶媒を除去し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド三塩酸塩(0.150g、41%)を得た。
【0302】
第IV工程:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド
第III工程の手順にしたがう。相違点:1−メチルピペラジン(0.64mL、6.4mmol)。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;2% 7N アンモニア/MeOH/ジクロロメタン)で精製し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミドを不純物を含んだ油状物として得た(0.130g)。N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド0.130g(MeOH 4mL中)をSupercritical Fluid Chromatography(SFC)装置に注入し、Berger MultiGram Prep SFC(Berger Instruments,Inc.Newark,DE)で集めた。条件は以下のとおり:Achiral prep SFCカラム(5μ、250mmL×内径20mm)、カラム温度35℃、20% MeOH w/CO改質剤として0.2%DMEA、流速50mL/分、出口圧力100bar、UV検出波長220nm。N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド(0.100g、40%)を得た。得られた油状物をジエチルエーテル(10mL)に溶解し、沈殿生成がおさまるまで4N HCl/ジオキサンを加えた。この懸濁物にMeOHを加え(沈殿が溶解するのに十分な量)、わずかに濁るまでエーテルを加え、フラスコの壁面をこすり、結晶化したN−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミドを集め、乾燥し、得た(0.035g、12%)。
【0303】
第V工程:N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.200g、0.54mmol)および1−(2−ピリミジル)ピペラジン(0.600mL、3.6mmol)の混合物をジメチルスルホキシド(1mL)中で混合し、75℃で16時間加熱した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム/酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;20〜50% 酢酸エチル/ヘキサン、勾配溶出液)で精製し、N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3− チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド(0.090g、36%)を得た。
【0304】
得られた油状物をジエチルエーテル(10mL)に溶解し、4N HCl/ジオキサン0.7mLを加えた。この懸濁物にMeOHを加え(沈殿が溶解するのに十分な量)、わずかに濁るまでエーテルを加え、フラスコの壁面をこすり、結晶化したN−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド二塩酸塩を集め、乾燥し、得た(0.100g、35%)。
【0305】
(実施例32:N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−フェニルプロパンアミド(化合物168)の調製)
【0306】
【化66】

工程I.2−(シクロプロピル(エチル)アミノ)チアゾール−4−カルボアルデヒドの調製
4−(クロロメチル)−N−シクロプロピル−N−エチルチアゾール−2−アミン(4.59g、21.17mmol)のDMSO(100mL)溶液を炭酸水素ナトリウム(7.1g、85mmol)で処理し、窒素下で100℃まで加熱した。16時間後、反応物を冷却し、水とジエチルエーテルとに分配し、有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル 1:0から1:1)で精製し、生成物を得た(2.81g、14.3mmol)。
【0307】
工程II.N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−フェニルプロパンアミドの調製
アニリン(0.082mL、0.9mmol)を、酢酸(0.1mL)を含有するジクロロメタン(5mL)に溶かし、これに2−(シクロプロピル(エチル)アミノ)チアゾール−4−カルボアルデヒド(0.20g、1.01mmol)およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.425g、2mmol)を加えた。室温で2時間経過後、混合物をトリメチルアセチルクロリド(0.24mL、2mmol)およびピリジン(0.17mL、2.1mmol)で処理した。室温で16時間経過後、混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル、勾配溶出液)で精製し、表題化合物を遊離塩基として得た。
【0308】
生成物の遊離塩基に、塩酸(4N ジオキサン溶液)を加えた。混合物を蒸発させ、エタノールを用いた共沸によって蒸発させ、表題化合物を塩酸塩として得た(92.2mg)。
【0309】
(実施例33:tert−ブチル(3S)−3−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](4−フルオロフェニル)カルバモイル}ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物番号254)の調製)
【0310】
【化67】

S−1−Boc−ピロリジン−3−カルボン酸(0.22g、1.0mmol)およびDMAP(0.12g、1.0mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を攪拌し、これにEDC(0.21g、1.09mmol)を加え、得られた溶液を室温で攪拌した。20分後、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−4−フルオロアニリン(0.20g、0.84mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液を加え、合わせた溶液を室温で一晩攪拌した。次いで、混合物を水で洗浄し、濃縮した。0〜50% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムによって分離し、tert−ブチル (3S)−3−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](4−フルオロフェニル)カルバモイル}ピロリジン−1−カルボキシレートを油状物として得た(0.24g、65%)。
【0311】
(実施例34:(3S)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド(化合物番号259)の調製)
【0312】
【化68】

第1工程:tert−ブチル (3S)−3−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](4−フルオロフェニル)カルバモイル}ピロリジン−1−カルボキシレート(0.21g、0.49mmol)のTHF(1mL)溶液を攪拌し、これにN−メチルピペリジン(0.3mL、2.7mmol)を加え、得られた溶液にマイクロ波を180℃で60分間照射した。得られた混合物を濃縮し、0〜8% メタノール/塩化メチレンを用いたフラッシュカラムによって分離し、tert−ブチル(3S)−3−[(4−フルオロフェニル){[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}カルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレートを白色固体として得た。
【0313】
第2工程:tert−ブチル(3S)−3−[(4−フルオロフェニル){[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}カルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレートの酢酸エチル溶液を攪拌し、これに4N HCl 1,4−ジオキサン溶液(2mL)を加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。濃縮し、エチルエーテルを用いて磨砕し、(3S)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミドを白色固体として得た(0.03g、全体で15%)。
【0314】
(実施例35:(3S)−1−(2,2−ジメチルプロパノイル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド(化合物番号260)
【0315】
【化69】

(3S)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド(0.11g、0.22mmol)およびトリエチルアミン(0.15mL、1.0mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を攪拌し、これに塩化ピバロイル(0.027g、0.22mmol)を加え、得られた溶液を室温で数時間攪拌した。反応物を1N NaOHで洗浄し、濃縮した。0〜7% メタノール/塩化メチレンを用いたフラッシュカラムによって分離し、(3S)−1−(2,2−ジメチルプロパノイル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミドを白色固体として得た(0.033g、27%)。
【0316】
(実施例36:N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド(化合物番号252)の調製)
【0317】
【化70】

2−テトラヒドロフロ酸(0.11g、0.95mmol)のジクロロメタン(2mL)混合物を攪拌し、これに塩化オキサリル(0.85mL、9.7mmol)を加え、得られた溶液を室温で一晩攪拌した。次いで、混合物を濃縮し、クロロホルム(3mL)に再び溶解し、再び濃縮した。この粗物質をTHF(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.3mL、2.1mmol)およびN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−4−フルオロアニリン(0.15g、0.63mmol)を加えた。得られた溶液を1時間攪拌し、水で洗浄し、濃縮した。10〜60% 酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュカラムによって分離し、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミドを透明油状物として得た(0.125g、59%)。
【0318】
(実施例37:N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド(化合物番号225))
【0319】
【化71】

N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミドの調製。N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(0.10g、0.3mmol)のTHF(0.5mL)溶液を攪拌し、これに3−ピペリジンメタノール(0.29mg、2.5mmol)を加え、得られた溶液にマイクロ波を180℃で10分間照射した。粗物質を濃縮し、0〜6% メタノール/塩化メチレンを用いたフラッシュカラムによって分離し、N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミドを白色固体として得た(0.07g、58%)。
【0320】
(実施例36:N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミド(化合物番号226))
【0321】
【化72】

N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミドの調製。N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(0.10g、0.36mmol)のTHF(0.5mL)溶液を攪拌し、これに1−メチルホモピペリジン(0.3mL、2.4mmol)を加え、得られた溶液にマイクロ波を180℃で60分間照射した。粗物質を濃縮し、0〜10% メタノール/塩化メチレンを用いたフラッシュカラムによって分離し、N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミドを白色固体として得た(0.103g、67%)。
【0322】
【表2A−1】

【0323】
【表2A−2】

【0324】
【表2A−3】

【0325】
【表2A−4】

【0326】
【表2A−5】

【0327】
【表2A−6】

【0328】
【表2A−7】

【0329】
【表2A−8】

【0330】
【表2A−9】

【0331】
【表2A−10】

【0332】
【表2A−11】

【0333】
【表2A−12】

【0334】
【表2A−13】

【0335】
【表2B−1】

【0336】
【表2B−2】

【0337】
【表2B−3】

【0338】
【表2B−4】

【0339】
【表2B−5】

【0340】
【表2B−6】

(実施例39:薬理試験)
いくつかの標準的な薬理試験でのカルシウムチャネルの標的に対する活性について、式(I)の代表的な化合物をスクリーニングする。標準的な薬理試験の手順で示される活性にしたがい、本教示の化合物は、イオンチャネルモジュレーターとして有用であり得る。
【0341】
(卵母細胞アッセイ)
このアッセイは、本質的に、Linら(1997)、Neuron 18(11):153−166;Pan J.およびLipsombe D.(2000)、J.Neurosci.、20(13):4768−75;およびXu W.およびLipscombe D.(2001)、J.Neurosci.、21(16):5944−5951に記載されるように、Xenopus卵母細胞異種発現系を用いて行った(これらの開示内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる)。種々のカルシウムチャネルについてアッセイを行った(例えば、Ca2.2サブファミリー)。各試験化合物について、カルシウムチャネルの調節を調べた。Ca2.2に対する化合物の効力を測定するために、30秒ごとに、保持電位−100mVから約+10mVへのパルス間隔20〜30msの5つの脱分極パルスを波長5Hzで適用した。5番目のパルス(P)で得られた電流を測定することによって、試験化合物の50%阻害濃度(IC50)を算出した。
【0342】
(HEKアッセイ)
FuGENE 6 Package Insert Version 7(2002年4月、Roche Applied Science、インディアナ州インディアナポリス)に記載されるのと類似の様式で、HEK−293T/17細胞を一過性にトランスフェクトした。6ウェルプレートに、2mL中に2.5×10細胞で細胞を接種し、一晩インキュベートし、約30〜40%の密集度を達成した。小さな滅菌管に、血清を含まない培地を十分に加え、FuGENE Transfection Reagent(Roche Applied Science、インディアナ州インディアナポリス)を希釈し、合計容積を100μLにした。この培地に、FuGENE 6 Reagent3μLを加えた。混合物を穏やかに叩き、混合した。あらかじめ希釈したFuGENE 6 Reagentに、DNA溶液2μg(0.8〜2.0μg/μL)を加えた。DNA/Fugene 6混合物を穏やかにピペッティングし、内容物を混合し、室温で約15分間インキュベートした。次いで、完全な混合物をHEK−293T/17細胞に加え、ウェルに分布させ、回転させて均一に分散させた。細胞をインキュベーターに戻し、24時間放置した。次いで、トランスフェクトした細胞を、35mm皿に密度2.5×10で繰り返し接種し、5つのガラスカバー片をのせ、低血清(1%)培地で24時間成長させた。単離した細胞のついたカバー片をチャンバに移し、一過性にトランスフェクトしたHEK−293T/17細胞から、カルシウムチャネル(例えば、L型、N型など)の電流またはカウンタスクリーニングの他の電流を記録した。
【0343】
ThompsonおよびWong(1991)、J.Physiol.、439:671−689(開示内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる)に本質的に記載されるように、パッチクランプ技術の全細胞電圧クランプの構造を使用し、電圧依存性カルシウム電流を評価した。化合物の阻害効力を評価する(定常状態の濃度−応答分析)ためにカルシウムチャネル(例えば、L型、N型など)の電流を記録するために、30秒ごとに、保持電位−100mVから約+10mV(電流電圧相関関係のピーク)へのパルス間隔20〜30msの5つの脱分極パルスを波長5Hzで適用した。試験化合物の用途に依存する遮断度の概算値を得るために、一連のパルスの1番目および5番目のパルスで、IC50値を決定した(それぞれPおよびP、表2)。Sah D.W.およびBean B.P.(1994)、Mol.Pharmacol.、45:84−92(開示内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる)に本質的に記載されるように、化合物を評価した。
【0344】
(FLIPRアッセイ)
FLIPR Ca2+シグナルを高めるために、ヒトCa2.2(サブユニットα1、β3およびα2δで構成されている)およびヒトKir2.3に安定にトランスフェクトしたTSA201細胞を使用した。FLIPRアッセイ1日前、これらの細胞をコラーゲンでコーティングされた384ウェルプレート(BD Bioscience、ニュージャージー州フランクリンレークス)に密度2×10細胞/ウェルで接種した。各アッセイプレートに、FLUO−4染料(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)を、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)12mLで希釈し、Pluronic F−127 (Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)存在下、最終濃度を4μMにした。培地を除去し、FLUO−4染料溶液25μLと交換し、室温で1時間インキュベートした。次いで、細胞プレートをFLIPRに置き、染料をアスピレーターで抜き取り、HBSS25μLと交換した(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)。次いで、HBSSをアスピレーターで抜き取り、1%DMSOを含有するHBSSで希釈した化合物25μLと交換した。化合物を細胞とともに15分間インキュベートした。次いで、細胞を25μLのKCl溶液(2mM CaClおよび10mM HEPESを含有する)140mMで脱分極させた。細胞のKClの最終濃度は70mMであった。
【0345】
選択した化合物について得られた結果を以下の表3および表4にまとめている。表示データは、1個以上のサンプルを試験している場合には、平均値であらわされている。
【0346】
【表3−1】

【0347】
【表3−2】

【0348】
【表3−3】

【0349】
【表3−4】

【0350】
【表3−5】

【0351】
【表3−6】

【0352】
【表3−7】

【0353】
【表3−8】

【0354】
【表3−9】

【0355】
【表3−10】

【0356】
【表3−11】

【0357】
【表4−1】

【0358】
【表4−2】

【0359】
【表4−3】

【0360】
【表4−4】

【0361】
【表4−5】

【0362】
【表4−6】

【0363】
【表4−7】

【0364】
【表4−8】

本明細書に記載した内容の変形例、改変例および他の実施態様は、本教示の精神および本質的な特徴の精神から逸脱することなく、当業者には想像できるであろう。記載した実施形態に本発明が限定されることを意図しているのではなく、本発明は添付の特許請求の範囲によって限定されることを意図しており、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内に入る全ての変更は、本発明に包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【化73】

〔式中、
Xは、−NR−、−O−または共有結合であり;
は、C1〜10アルキル、分枝C3〜10アルキル基、分枝C3〜10アルケニル基、C3〜8シクロアルキルまたは5〜10員環シクロヘテロアルキル基であり、
ここで、該C1〜10アルキル、分枝C3〜10アルキル基および分枝C3〜10アルケニル基は、場合により、ハロゲンおよび5〜7員環ヘテロアリール基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、−C(O)OR、−Y−NRおよび−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
該5〜10員環シクロヘテロアルキル基は、場合により、C1〜6アルキル、オキソ基および−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、フェニルは、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
該C3〜8シクロアルキルは、場合により、C1〜6アルキルおよび−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、該−Y−フェニルは、Xには結合していない炭素原子に結合しており、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、C3〜6シクロアルキル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、インドール、ベンジルまたはフェニルであり、ここで、
該フェニルおよびベンジルは、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、CN、−C(O)ORおよび−NRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
該−C3〜6シクロアルキルは、場合により、1〜3個のC1〜6アルキル基で置換されており;
Ar−Rは、
【化74】

から選択され;
は、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C1〜10ハロアルキル、C1〜10ハロアルコキシ、C(O)R、ピペリジン−4−イル、C3〜6シクロアルキル、フェニル、2−キノリン−3−イルおよび−Y−NRから選択され、ここで、該フェニルは、場合により、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、−ORおよび−C(O)ORから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;該C1〜10アルキルおよびC1〜10アルコキシは、場合により、ハロゲン、フェニルおよび−OHから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
Yは、それぞれの場合に、独立して、二価C1〜6アルキル基または共有結合であり;
、RおよびRは、それぞれの場合に、独立して、H、C1〜6ハロアルキルまたはC1〜6アルキルであり;
およびRは、それぞれの場合に、独立して、−H、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、C1〜10アルキル、C3〜6シクロアルキル、−Y−フェニル、−C(O)−フェニル、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)、−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)および−C2〜6アルキル−O−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)からなる群から選択されるか;
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子とともに、5〜7員環シクロヘテロアルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基を形成し、該5〜7員環シクロヘテロアルキル基および5〜7員環ヘテロアリール基は、それぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される2個までの環へテロ原子を含有し、
該環のいずれかの硫黄原子は、場合により、1〜2個のオキソ基で置換されており、
該環の1個以上の窒素原子は、場合により独立して、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−Y−C(O)NR、−S(O)−C1〜6アルキル基、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、C1〜6アルキル基、−Y−(フェニル)基、−C(O)O−C1〜6アルキル基または5〜7員環ヘテロアリール基で置換されており、
該環の1個以上の炭素原子は、場合により独立して、CN、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル基、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)基、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)基、C1〜6アルキル基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基で置換されており;
該RおよびRのいずれかの位置に存在するフェニル基は、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキルおよびC1〜6アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、
該RおよびRのいずれかの位置に存在する5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜7員環ヘテロアリール基および5〜9員環ヘテロアリール基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
pは、1、2、3または4であり;
nは、1、2または3であり;
qは、1、2または3である。〕
【請求項2】
Xが共有結合である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項3】
がメチルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項4】
が、
【化75】

から選択される分枝低級アルキルであり、
ここで、分枝低級アルキルは、それぞれ場合により、ハロゲンおよび5〜7員環ヘテロアリール基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、該5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、−C(O)OR、−Y−NRおよび−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、Y、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項5】
は、5〜7員環ヘテロアリール基で場合により置換されたtert−ブチル基であり、該5〜7員環ヘテロアリール基は、場合により、−C(O)OR、−Y−NRおよび−Y−フェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、Y、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項6】
は、場合により、Xには結合していない炭素原子に結合した−Y−フェニルで置換されたC3〜6シクロアルキルであり、該−Y−フェニルは、場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項7】
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである、請求項6に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項8】
がC1〜6アルキルまたはベンジル基で場合により置換された5〜10員環シクロヘテロアルキル基である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項9】
が、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イルおよびイソキノリン−3−イルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項10】
が、ハロゲン、C1〜6アルキル、−C(O)ORおよび−NRから独立して選択される1〜2個の置換基で場合により置換されたフェニルであり、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項11】
が、4−フルオロフェニル基、4−クロロ−フェニル基、4−メチル−フェニル基、3−メチル−フェニル基、2−メチル−フェニル基、4−フルオロ−2−メチル−フェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−イソプロピル−フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基および3−イソプロピル−フェニル基からなる群から選択される、請求項10に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項12】
が、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルから選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項13】
Ar−Rが、
【化76】

から選択され、Rは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項14】
がNRであり、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項15】
が、NH、NH−C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)、NH−C3〜6シクロアルキル、N(C1〜6アルキル)−C3〜6シクロアルキル、N(C1〜6アルキル)−C2〜6アルキル−OR、N(C1〜6アルキル)−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)、N(C1〜6アルキル)−フェニル、N(C1〜6アルキル)−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)およびN(C1〜6アルキル)−C2〜6アルキル−O−Y−(5〜7員環ヘテロアリール)から選択され、該フェニル、5〜7員環シクロヘテロアルキルおよび5〜7員環ヘテロアリールは、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、YおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項16】
が、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノまたはシクロプロピル(エチル)アミノである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項17】
が、請求項1に定義される通りの、場合により置換された5〜7員環シクロヘテロアルキル基または場合により置換された5〜7員環ヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項18】
が、ジアゼパニル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピリジル基、ピロリジル基およびチオモルホリニル基から選択され、これらの基はそれぞれ、場合により、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−Y−C(O)NR、−S(O)−C1〜6アルキル、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)、C1〜6アルキルまたは5〜7員環ヘテロアリールで置換された環窒素原子、−C(O)−NR、−Y−OR、−Y−NR、−Y−フェニル、−Y−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)、−Y−(5〜9員環ヘテロアリール)または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)で置換された環炭素原子、および/または1個または2個のオキソ基で置換された環硫黄原子を含み、該フェニル基は、それぞれ場合により、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキルおよびC1〜6アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、該5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜7員環ヘテロアリール基および5〜9員環ヘテロアリール基は、それぞれ場合により、ハロゲンおよびC1〜6アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、Y、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項17に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項19】
が、場合により、−C(O)R、−C2〜6アルキル−OR、−C2〜6アルキル−NR、−C1〜6アルキル−C(O)NR、S(O)−C1〜6アルキル、−C2〜6アルキル−(5〜7員環シクロヘテロアルキル)、C1〜6アルキルまたは5〜7員環ヘテロアリールで置換された窒素原子を環に有する1−ピペラジニル基であり、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項20】
がN−メチル 1−ピペラジニル基である、請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項21】
が、−NR、−C(O)−NR、−Y−OR、5〜7員環シクロヘテロアルキル基、5〜9員環ヘテロアリール基または−Y−O−(5〜7員環ヘテロアリール)基で場合により置換された炭素原子を環に有する1−ピペリジニル基であり、Y、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである、請求項16に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項22】
が、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル基、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル基、3−ヒドロキシピペリジン−1−イル基、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル基および3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル基から選択される、請求項21に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステル。
【請求項23】
以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物:
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−2−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−ジエチルアミノベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[3−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−プロピオンアミド;
3−tert−ブチル−1−(4−フルオロフェニル)−1−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ウレア;
1−ベンジル−ピペリジン−4−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド;
4−メチル−ペンタン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド;
1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド;
2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド;
テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[メチル−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[メチル−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
4,4,4−トリフルオロ−N−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−N−{6−[メチル−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−ブチルアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[メチル−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−ブチルアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ブチルアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[メチル−(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(6−{メチル−[2−(ピリジン−2−イルオキシ)−エチル]−アミノ}−ピリジン−3−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(2−イソプロピル−フェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−ブチルアミド;
N−(3,5−ジメチルフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(4−モルホリン−4−イル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(4−ピロリジン−1−イル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(2−イソプロピル−フェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−ブチルアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(2−イソプロピル−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{6−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(6−{メチル−[2−(5−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−エチル]−アミノ}−ピリジン−3−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(6−{メチル−[2−(6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシ)−エチル]−アミノ}−ピリジン−3−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−[6−(エチル−ピリジン−4−イルメチル−アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(6−ピロリジン−1−イル−ピリジン−3−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−2,2−ジメチル−ブチルアミド;
N−[6−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
1−{1−[(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロフェニル)−カルバモイル]−1−メチル−エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(6−{メチル−[2−(ピリジン−3−イルメトキシ)−エチル]−アミノ}−ピリジン−3−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[2−(ピリジン−2−イルオキシメチル)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[3−(ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[6−(3−ジエチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−ジメチルアミノメチル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−イソブチルアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[3−(ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(6−ジエチルアミノメチル−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−{6−[エチル−(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(2−ピリジン−3−イル−エチルアミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(3−イミダゾール−1−イル−プロピルアミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{6−[プロピオニル−(2−ピリジン−3−イル−エチル)−アミノ]−ピリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
2−(4−ベンジル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−N−(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−イソブチルアミド;
N−(2−ジエチルアミノ−チアゾール−4−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[2−(メチル−フェニル−アミノ)−チアゾール−4−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[6−(フラン−2−イルメチル−メチル−アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(6−tert−ブチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[2−(4−メトキシ−フェノキシメチル)−チアゾール−4−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−モルホリン−4−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(3−イソプロピル−フェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[6−(4−チアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−モルホリン−4−イル−チアゾール−4−イルメチル)−ブチルアミド;
N−[6−(シクロプロピル−メチル−アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(6−シクロプロピルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{2−[(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−N−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−N−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[2−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−チアゾール−4−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(2−ジエチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−ピリミジン−5−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−[4−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−N−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−N−{2−[メチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(4−ジエチルアミノベンジル)−N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−ブチルアミド;
4−メチル−ペンタン酸(4−ジエチルアミノベンジル)−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−アミド;
N−[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−2−イルメチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[2−(メチル−ピリジン−2−イル−アミノ)−チアゾール−4−イルメチル]−プロピオンアミド;
4−メチル−ペンタ−2−エン酸(4−ジエチルアミノベンジル)−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−アミド;
4−メチル−ペンタン酸(2−ジエチルアミノ−チアゾール−4−イルメチル)−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−アミド;
N−(2−ジエチルアミノ−チアゾール−4−イルメチル)−N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−ブチルアミド;
N−[3−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ベンジル]−N−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
4−メチル−ペンタン酸(4−アミノ−フェニル)−(4−ジエチルアミノベンジル)−アミド;
4−メチル−ペンタン酸(4−ジエチルアミノベンジル)−(4−メチルアミノ−フェニル)−アミド;
N−[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−N−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
(4−フルオロフェニル)−(2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル;
シクロプロパンカルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
シクロヘキサンカルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
シクロヘキサンカルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
シクロプロパンカルボン酸(4−フルオロフェニル)−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミド;
シクロヘキサンカルボン酸(4−フルオロフェニル)−(2−モルホリン−4−イル−チアゾール−4−イルメチル)−アミド;
テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸(4−フルオロフェニル)−[6−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロフェニル)−アミド;
テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸(6−ジエチルアミノ−ピリジン−3−イルメチル)−(4−フルオロフェニル)−アミド;
1−メチル−ピロリジン−2−カルボン酸(4−フルオロフェニル)−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−チアゾール−4−イルメチル}−アミド;
1−ベンジル−ピロリジン−2−カルボン酸[6−(シクロプロピル(エチル)アミノ)−ピリジン−3−イルメチル]−(4−フルオロフェニル)−アミド;
N−{[6−(ジエチルアミノ)ピリジン−3−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−L−プロリンアミド;
N−{4−[シクロプロピル(エチル)アミノ]ベンジル}−N−(4−メトキシフェニル)−L−プロリンアミド;
N−{3−[シクロプロピル(エチル)アミノ]ベンジル}−N−(4−フルオロフェニル)−L−プロリンアミド;
N−(4−クロロフェニル)−N−{[6−(ジエチルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル}−L−プロリンアミド;
N−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−[(2−ピペリジン−1−イルピリミジン−5−イル)メチル]−L−プロリンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−D−プロリンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−5−オキソ−L−プロリンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N’−(tert−ブチル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ウレア;
4,4,4−トリフルオロ−N−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−N−({6−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]ピリジン−3−イル}メチル)ブタンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[6−(ジエチルアミノ)ピリジン−3−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2−(2−チエニル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({6−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]ピリジン−3−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[6−(メチル{2−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]エチル}アミノ)ピリジン−3−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(6−ピロリジン−1−イルピリジン−3−イル)メチル]プロパンアミド;
N−({6−[3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−ピペリジン−1−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−({6−[プロピオニル(2−ピリジン−3−イルエチル)アミノ]ピリジン−3−イル}メチル)プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ブタンアミド;
N−({6−[シクロプロピル(エチル)アミノ]ピリジン−3−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−ピロリジン−1−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[(4−フルオロフェニル)(メチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[(4−メトキシフェニル)(メチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−{[2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
tert−ブチル 4−(4−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)(4−フルオロフェニル)アミノ]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−[(2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−{[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−{[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アミノ}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−{[2−(シクロペンチルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−{[2−(シクロヘキシルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[(2−フルオロフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(メチルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(イソブチルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(プロピルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−{[2−(ジメチルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−({2−[4−(2−フェニルエチル)ピペラジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)プロパンアミド;
N−[(2−{4−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[4−(ジフェニルメチル)ピペラジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−フェニルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(2−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(3−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−(2−メチルフェニル)プロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−(3−メチルフェニル)プロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−(4−メチルフェニル)プロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(2−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−メトキシフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチル−N−(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル)プロパンアミド;
N−{[2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−{4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−{[2−(ジフェニルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−{[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−アゼパン−1−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−アゾカン−1−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−{[2−(4−シアノピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−チオモルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−{[2−(3,5−ジメチルピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−{[2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−ピペリジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]プロパンアミド;
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)メチル]プロパンアミド;
N−シクロヘキシル−N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド;
N−シクロヘキシル−N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−シクロヘキシル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]アセトアミド;
N−シクロヘキシル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−シクロヘキシル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−2−フェニルアセトアミド;
tert−ブチル 3−(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)(4−フルオロフェニル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)ベンゾエート;
3−(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)(4−フルオロフェニル)アミノ]メチル}ピリジン−2−イル)安息香酸;
N−シクロヘキシル−2,2−ジメチル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−シクロヘキシル−N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−[(2−シクロヘキシル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]シクロプロパンカルボキサミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
tert−ブチル 4−(4−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)(4−フルオロフェニル)アミノ]メチル}−1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)エチル]プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[3−(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)プロピル]プロパンアミド;
N−[(2−ブロモ−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[(2−モルホリン−4−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]アセトアミド;
N−{[2−(ジエチルアミノ)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−{[2−(4−シアノピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({2−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)メチル]アセトアミド;
N−{[6−(ジエチルアミノ)ピリジン−3−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−{[6−(4−シアノピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({6−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]ピリジン−3−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−({6−[3−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)アセトアミド;
N−シクロペンチル−N−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)アセトアミド;
N−シクロヘキシル−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}アセトアミド;
N−シクロヘキシル−N−({6−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}メチル)アセトアミド;
N−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)アセトアミド;
N−{[2−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[(2−キノリン−3−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−({2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−({2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−({2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)プロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(3−ヒドロキシフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(4−フルオロフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(3−フルオロフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[2−(2−フルオロフェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}−2,2−ジメチルプロパンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}テトラヒドロフラン−3−カルボキサミド;
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−カルボキサミド;
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−カルボキサミド;
tert−ブチル (3S)−3−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](4−フルオロフェニル)カルバモイル}ピロリジン−1−カルボキシレート;
tert−ブチル (3R)−3−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](4−フルオロフェニル)カルバモイル}ピロリジン−1−カルボキシレート;
tert−ブチル (3S)−3−[(4−フルオロフェニル){[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}カルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレート;
tert−ブチル (3R)−3−[(4−フルオロフェニル){[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}カルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレート;
(3S)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド;
(3R)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド;
(3S)−1−(2,2−ジメチルプロパノイル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド;
(3R)−1−(2,2−ジメチルプロパノイル)−N−(4−フルオロフェニル)−N−{[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}ピロリジン−3−カルボキサミド;
およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステル。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルと、医薬的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
さらなる治療薬剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血および不整脈から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項27】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、卒中、痙攣、てんかん、外傷性の脳障害および神経障害から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項28】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、糖尿病、尿失禁、顔面紅潮および熱の制御不能から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項29】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、被検体の疼痛を治療する方法。
【請求項30】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記慢性疼痛が、糖尿病、切断術の外傷後の疼痛、腰痛、脊椎損傷、癌、化学物質による損傷、化学療法によって誘発される末梢性ニューロパチー、毒素、大手術、外傷による末梢神経の損傷、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰部または頚部神経根障害、線維筋痛、舌咽神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、灼熱痛、視床症候群、神経根剥離、反射性交感神経性ジストロフィーまたは開胸後の疼痛、栄養失調、ウイルス感染、細菌感染、転移による浸潤、有痛脂肪症、火傷、視床の状態に関連する中心性疼痛状態またはこれらの組み合わせに関連するものである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記疼痛が慢性腰痛である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記疼痛が神経障害性の疼痛である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記疼痛が、糖尿病性ニューロパチーに関連するものである、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記疼痛が、ヘルペス後ニューロパチーに関連するものである、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記疼痛が、ヘルペス後線維筋痛に関連するものである、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、カルシウムチャネルCa2によって調節される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項38】
前記疾患または疾患の症状が、カルシウムチャネルCa2.2によって調節される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、被検体のカルシウムチャネルの活性を調節する方法。
【請求項40】
前記被検体が哺乳動物である、請求項26〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
(a)式(II)のカルボン酸化合物
【化77】

と、活性化剤とを反応させる工程と、
(b)得られた活性化した酸と、式(III)のアミン
【化78】

とをカップリングさせる工程とを含む、請求項1に記載の式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩を製造するための方法。
【請求項42】
前記活性化剤が、塩化チオニル、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチル−カルボジイミドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドから選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
治療有効量の式(Ia)の化合物
【化79】

〔式中、R、R、R、Xおよびpは、請求項1に定義されるとおりである〕
またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルと、医薬的に許容される担体または賦形剤とを被検体に投与する工程を含む、狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血および不整脈から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項44】
治療有効量の請求項43に定義される式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、卒中、痙攣、てんかん、外傷性の脳障害および神経障害から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項45】
治療有効量の請求項43に定義される式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、糖尿病、尿失禁、顔面紅潮および熱の制御不能から選択される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項46】
治療有効量の請求項43に定義される式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、被検体の疼痛を治療する方法。
【請求項47】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記慢性疼痛が、糖尿病、切断術の外傷後の疼痛、腰痛、脊椎損傷、癌、化学物質による損傷、化学療法によって誘発される末梢性ニューロパチー、毒素、大手術、外傷による末梢神経の損傷、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腰部または頚部神経根障害、線維筋痛、舌咽神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、灼熱痛、視床症候群、神経根剥離、反射性交感神経性ジストロフィーまたは開胸後の疼痛、栄養失調、ウイルス感染、細菌感染、転移による浸潤、有痛脂肪症、火傷、視床の状態に関連する中心性疼痛状態またはこれらの組み合わせに関連するものである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記疼痛が慢性腰痛である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記疼痛が神経障害性の疼痛である、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記疼痛が、糖尿病性ニューロパチーに関連するものである、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記疼痛が、ヘルペス後ニューロパチーに関連するものである、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
前記疼痛が、ヘルペス後線維筋痛に関連するものである、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
治療有効量の請求項43に定義される式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、カルシウムチャネルCa2によって調節される疾患または疾患の症状を治療する方法。
【請求項55】
前記疾患または疾患の症状が、カルシウムチャネルCa2.2によって調節される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
請求項43に定義される式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容される塩、水和物もしくはエステルを被検体に投与する工程を含む、被検体のカルシウムチャネルの活性を調節する方法。
【請求項57】
前記被検体が哺乳動物である、請求項43〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
式(Ia)の化合物が、
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−チアゾール−5−イルメチル)−プロピオンアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチル−N−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−5−イルメチル]−プロピオンアミド;
(4−フルオロフェニル)−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−5−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル;
N−(4−メチルフェニル)−N−[(2−ピロリジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−L−プロリンアミド;
N−({2−[シクロプロピル(エチル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−N−(4−フルオロフェニル)−L−プロリンアミド;
およびその医薬的に許容される塩、水和物およびエステルから選択される、請求項43〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
被検体の狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血、不整脈、卒中、痙攣、てんかん、外傷性の脳障害、神経障害、尿失禁、顔面紅潮、熱の制御不能、疼痛から選択される疾患もしくは疾患の症状の治療、またはカルシウムチャネルCa2によって調節される疾患または疾患の症状で使用するための、あるいはカルシウムチャネルの活性を調節するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項60】
被検体の狭心症、高血圧、うっ血性心不全、心筋虚血、不整脈、卒中、痙攣、てんかん、外傷性の脳障害、神経障害、尿失禁、顔面紅潮、熱の制御不能、疼痛から選択される疾患もしくは疾患の症状の治療、またはカルシウムチャネルCa2によって調節される疾患または疾患の症状の治療、あるいはカルシウムチャネルの活性の調節のための医薬の調製における、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−512415(P2010−512415A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541512(P2009−541512)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/087060
【国際公開番号】WO2008/073929
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】