説明

エアベアリングシリンダ及びマニホールドシリンダ

【課題】軸方向の推力を得るロッドを静圧気体軸受構造を用いて支持してなるエアベアリングシリンダであって、静圧気体軸受構造を構成する軸受部材と軸受装着部との間のシールを確保しつつ、軸受部材の着脱を容易な構造とする。
【解決手段】マニホールドシリンダ10は軸方向の推力を得るロッド11を非接触で支持する静圧気体軸受構造を用いて構成されており、その静圧気体軸受構造を構成する軸受部材26に一対のOリング27a,27bが周方向に環状に装着される。Oリング27a,27bは、軸受部材26の軸方向において該軸受部材26に加圧エアを供給するための供給通路20を挟んだ各位置にそれぞれ配置されると共に、軸受部材26とロッド挿入孔15の大径孔部15aの内周面との間に介在されその相互間で押圧変形されることで、軸受部材26が該大径孔部15aの内周面に対して弾性保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアベアリングシリンダ及び複数のエアベアリングシリンダを一体化してなるマニホールドシリンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークを研磨装置に押し付けて研磨する場合、該ワークに付与する研磨装置側への荷重(推力)を高精度に制御する必要があって、このような荷重制御装置には、例えば特許文献1のようなエアベアリングシリンダが用いられる。エアベアリングシリンダは、例えば多孔質体よりなる円環状の軸受部材を有しており、該軸受部材の外周面側から加圧エアを供給して内周面(ロッド支持面)に気体膜を形成し、該気体膜にてロッドを非接触で支持する静圧気体軸受構造をなしている。そして、エアベアリングシリンダのシリンダ室に制御エアを供給することによりロッドが軸方向に突出し、該ロッド先端に配置されたワークを移動させている。このとき、ロッドには摺動抵抗が作用せず、ロッドの推力が該ロッドを作動させるための制御エアの圧力に比例するため、ワークに付与する荷重の高精度な制御が容易となる。
【0003】
ところで、このような軸受部材は、シリンダブロックに対し接着剤を用いて固着されている。また、この接着剤は、軸受部材を固着する機能の他に、軸受部材とシリンダブロックとの間の隙間から加圧エアの漏れを防止するためのシールの機能も有している。
【0004】
そのため、接着剤は取り扱いが面倒であるばかりか完全に乾くまでに時間を要するため、軸受部材を完全に固着するまでの時間が長くかかり、このことが生産性向上の弊害となる。しかも、軸受部材を取り外す事態が生じた場合、該軸受部材を取り外すのに時間を要したり、場合によっては、該軸受部材を取り外すことができないことがある。
【特許文献1】特開平8−152007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、軸方向の推力を得るロッドを静圧気体軸受構造を用いて支持してなるエアベアリングシリンダであって、静圧気体軸受構造を構成する軸受部材と軸受装着部との間のシールを確保しつつ、軸受部材の着脱が容易なエアベアリングシリンダ及びマニホールドシリンダを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0007】
手段1.シリンダ本体(シリンダブロック13,蓋部材14)に設けた軸受装着部(大径孔部15a)に軸受部材(軸受部材26)を装着し、装着した前記軸受部材の周面に前記シリンダ本体に設けた供給通路(供給通路20)から加圧気体を供給して前記軸受部材のロッド支持面に気体膜を形成し、該気体膜にてロッド(ロッド11)を非接触で支持する静圧気体軸受構造を備えるものであり、前記シリンダ本体に設けたシリンダ室(シリンダ室16)において前記ロッドに設けられる受圧面(基端面11a)に制御気体の圧力を作用させて該ロッドに軸方向の推力を付与するエアベアリングシリンダであって、
前記軸受部材と前記軸受装着部との間に介在すると共に、前記軸受部材の軸方向において前記供給通路を挟んだ各位置に前記軸受部材と前記軸受装着部とのいずれかに対し周方向に環状に装着される一対の弾性シール部材(Oリング27a,27b)を備え、該弾性シール部材が介在される相互間で該弾性シール部材を押圧変形させて前記軸受部材を前記軸受装着部に対して弾性保持したことを特徴とするエアベアリングシリンダ。
【0008】
手段1によれば、エアベアリングシリンダは軸方向の推力を得るロッドを非接触で支持する静圧気体軸受構造を用いて構成されており、その静圧気体軸受構造を構成する軸受部材と軸受装着部とのいずれかに一対の弾性シール部材が周方向に環状に装着される。弾性シール部材は、軸受部材の軸方向において該軸受部材に加圧気体を供給するための供給通路を挟んだ各位置にそれぞれ配置されると共に、軸受部材と軸受装着部との間に介在されその相互間で押圧変形することで、軸受部材が軸受装着部に対して弾性保持される。つまり、このような弾性シール部材を設けたことにより、軸受部材と軸受装着部との間の隙間から加圧気体が該弾性シール部材より外側に漏れ出ることが防止され、軸受部材に十分な加圧気体を供給することができる。しかも、この弾性シール部材にて軸受部材を軸受装着部に弾性保持するようにしたので、該軸受部材の着脱を容易とすることができる。
【0009】
手段2.前記シリンダ本体は、前記軸受部材を軸方向一方に装着可能な前記軸受装着部を有すると共に前記軸受部材の装着位置以上の装着方向への移動を規制する第1規制部(段差部15c)を有する第1構成体(シリンダブロック13)と、前記軸受装着部に前記軸受部材を装着した後に前記第1構成体に装着され前記軸受部材の反装着方向への移動を規制する第2規制部(一側面14a)を有する第2構成体(蓋部材14)と、を含む複数個の構成体にて構成されていることを特徴とする手段1に記載のエアベアリングシリンダ。
【0010】
手段2によれば、軸受部材は、第1構成体の軸受装着部に軸方向一方から装着され、その装着後、第1構成体に第2構成体を装着することで、各構成体に設けた第1及び第2規制部にて軸方向への規制されて組み付けられる。つまり、軸受部材の装着時には、軸受部材を軸受装着部に軸方向一方から装着するだけであるので、軸受部材の装着は容易である。
【0011】
手段3.前記軸受装着部は、前記シリンダ本体に設けた軸受装着孔(大径孔部15a)であり、
前記軸受部材は、前記弾性シール部材にて前記軸受装着孔を形成する内周面に対して弾性保持したことを特徴とする手段1に記載のエアベアリングシリンダ。
【0012】
手段3によれば、軸受部材は、弾性シール部材にて軸受装着孔を形成する内周面に対して弾性保持されることで、軸受部材と軸受装着孔を形成する内周面との間のシールを確保しつつ、軸受部材の着脱が容易である。
【0013】
手段4.前記シリンダ本体は、一側面に開口し該開口から前記軸受部材を軸方向一方に挿入可能な前記軸受装着孔を有すると共に前記軸受部材の装着位置以上の挿入方向への移動を規制する第1規制部を有する第1構成体と、前記軸受装着孔に前記軸受部材を挿入した後に前記第1構成体に装着され前記軸受部材の反挿入方向への移動を規制する第2規制部を有する第2構成体と、を含む複数個の構成体にて構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアベアリングシリンダ。
【0014】
手段4によれば、軸受部材は、第1構成体の軸受装着孔に軸方向一方から挿入され、その装着後、第1構成体に第2構成体を装着することで、各構成体に設けた第1及び第2規制部にて軸方向への移動が規制されて組み付けられる。つまり、軸受部材の装着時には、軸受部材を軸受装着孔に軸方向一方から挿入するだけであるので、軸受部材の装着は容易である。
【0015】
因みに、第2構成体を、軸受装着孔の内周面より小径でロッドが挿通可能なロッド用開口を備えた構成としても良い。この場合、ロッド用開口の周縁部が第2規制部に対応しており、該第2構成体の装着時に、ロッド用開口の周縁部にて軸受部材の反挿入方向への移動が規制される。
【0016】
手段5.前記第1構成体は、他側面に開口する前記制御気体を給排するための推力ポート(推力ポート12)と、該推力ポートと前記シリンダ室とを連通する給排通路(給排通路17)とを有しており、前記軸受装着孔、前記シリンダ室、前記給排通路及び前記推力ポートが該第1構成体内で直線状に連通させてそれぞれ設けられ、前記受圧面を構成する前記ロッドの基端面(基端面11a)が前記シリンダ室内に位置していることを特徴とする手段1に記載のエアベアリングシリンダ。
【0017】
手段5によれば、第1構成体には、一側面に軸受装着孔が開口し、他側面に推力ポートが開口すると共に、軸受装着孔、シリンダ室、給排通路及び推力ポートが直線状に連通した状態で形成される。このような構成の第1構成体を用いる場合、ロッドの基端面(受圧面)がシリンダ室内に位置する。このような構成の第1構成体は、一側面に形成される軸受装着孔の開口や他側面に形成される推力ポートの開口から該第1構成体内に軸方向に沿った加工を施すことでこれらの空間を形成できるので、これらの空間の形成が容易である。
【0018】
手段6.前記ロッドの外周面から径方向に突出するにストッパ部(ストッパ部材25)を該ロッドに設けると共に、前記軸受部材を前記軸受装着孔に装着した状態で前記シリンダ室の内周面よりも内側に突出させて前記ストッパ部と軸方向に当接可能とし、前記ロッドの軸方向への移動量を前記軸受部材にて規制することを特徴とする手段4又は5に記載のエアベアリングシリンダ。
【0019】
手段6によれば、ロッドに一体又は別体の装着により設けられるストッパ部が軸受部材におけるシリンダ室の内周面よりも内側に突出した部位に当接することで、ロッドの軸方向への移動量が規制される。つまり、軸受部材が直接、ロッドの軸方向への移動量を規制するので、シリンダ本体にこのような規制を行う手段を形成又は装着しなくて済み、シリンダ本体の構造を簡素化できる。
【0020】
手段7.前記シリンダ室が前記軸受装着孔より小径に形成され、前記軸受部材の内周面が前記シリンダ室より小径に形成されると共に、
前記ロッドに設けたストッパ部の径方向外側端部が、前記軸受部材の内周面より径方向外側で前記シリンダ室の内周面より径方向内側に位置していることを特徴とする請求項6に記載のエアベアリングシリンダ。
【0021】
手段7によれば、シリンダ室を軸受装着孔より小径とし、軸受部材の内周面をそのシリンダ室より小径としているため、軸受部材がシリンダ室の内周面よりも内側に突出する。そして、ロッドに設けたストッパ部の径方向外側端部を軸受部材の内周面より径方向外側でシリンダ室の内周面より径方向内側に位置しているため、ロッドに設けたストッパ部が軸方向に当接可能となる。つまり、各部分の寸法設定により、軸受部材にてロッドを移動規制を行うことができる。
【0022】
手段8.前記第2構成体は、前記第1構成体から取り外し可能に装着されていることを特徴とする手段2,4〜7のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【0023】
手段8によれば、第2構成体は第1構成体から取り外し可能に装着されるので、軸受部材を取り外す事態が生じた場合には、第2構成体を第1構成体から取り外し、軸受部材を軸受装着部から軸方向他方に引き抜くだけで済む。つまり、軸受部材の取り外しは容易である。
【0024】
手段9.前記軸受部材は、前記第1及び第2規制部の少なくとも一方との間に弾性部材(Oリング27c)を介在させて装着されていることを特徴とする手段2,4〜8のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【0025】
手段9によれば、軸受部材は、軸受部材の軸方向への移動を規制するための第1及び第2規制部の少なくとも一方との間に弾性部材を介在させて装着されるため、シリンダ本体の規制部間及び軸受部材の軸方向の寸法誤差を吸収しながら、軸受部材のがたつきを防止することができる。
【0026】
手段10.前記軸受部材及び前記軸受装着部のいずれかの周面には、前記軸受部材の軸方向において前記供給通路を挟んだ各位置に、前記弾性シール部材をそれぞれ装着するための一対の環状溝(環状溝26a,26b)が設けられていることを特徴とする手段1〜9のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【0027】
手段10によれば、弾性シール部材は軸受部材及び軸受装着部のいずれかの周面に設けた環状溝に装着され、該弾性シール部材を装着した状態で軸受部材が軸受装着部に装着される。従って、軸受部材の装着に伴って弾性シール部材が装着位置からずれようとするが、該弾性シール部材が環状溝内に収容されているので、該弾性シール部材の位置ズレが防止される。そのため、軸受部材の装着が容易である。
【0028】
因みに、弾性シール部材が外周面に配置される側の部材に環状溝を形成することが望ましい。このようにすれば、環状溝を部材の外周面に形成する方が、部材の内周面に形成する場合よりも容易に形成することができる。
【0029】
手段11.前記軸受部材は、多孔質体にて構成されていることを特徴とする手段1〜10のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【0030】
手段11によれば、軸受部材が多孔質体よりなるので、該軸受部材内部の加圧気体の通過する経路及び該軸受部材のロッド支持面における加圧気体の吹出口が無数になる。そのため、軸受部材のロッド支持面において均一な気体膜を形成できるので、ロッドをより安定して支持できる。
【0031】
手段12.前記弾性シール部材は、リング形状に形成されていることを特徴とする手段1〜11のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【0032】
手段12によれば、切れ目のないリング形状の弾性シール部材を用いることで、軸受部材及び軸受装着部の全周に亘り確実にシールすることができ、軸受部材の弾性保持もより安定化させることができる。
【0033】
手段13.手段1〜12のいずれかに記載のエアベアリングシリンダにおいて、前記軸受装着部は前記シリンダ本体に複数設けられており、各軸受装着部に複数個の前記軸受部材を装着して一体化されていることを特徴とするマニホールドシリンダ。
【0034】
手段13によれば、シリンダ本体に軸受装着部が複数設けられるマニホールドシリンダにおいては、その数量分、軸受部材を装着する必要がある。そのため、軸受部材の装着数が多くなるほど、上記のように軸受部材の装着を容易する意義は大きく、マニホールドシリンダの生産性向上に大きく貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態のマニホールドシリンダ10は、図1に示すように、複数個(28個)のエアベアリングシリンダが一体化された構造をなしている。すなわち、マニホールドシリンダ10は、28本のロッド11が軸方向に出没可能に設けられると共に(図1(a)参照)、各ロッド11のそれぞれに対応する推力ポート12が設けられており(図1(c)参照)、該推力ポート12から供給する制御エアの圧力を調整することで、各ロッド11の押圧力がそれぞれ個別に制御可能に構成されている。
【0036】
具体的に、マニホールドシリンダ10は、図1〜図3に示すように、上記した28本のロッド11と、マニホールドシリンダ10のベースとなるシリンダブロック13と、該シリンダブロック13のロッド11側の開口を閉塞する蓋部材14とを備えている。このシリンダブロック13と蓋部材14とでシリンダ本体が構成されている。
【0037】
シリンダブロック13は、略直方体形状をなしており、その長手方向に沿って28本のロッド11を配置すべく、図2及び図3のようなロッド挿入孔15が各ロッド11に対応して28個形成されている。この場合、各ロッド挿入孔15は、収容する各ロッド11を、図1(a)において長手方向と直交する方向(幅方向とする)の中心線に対し、その両側の等距離位置に各14本ずつを等間隔に直線状に配置し、更に幅方向の中心線を挟んで千鳥状に配置するように設けられている。
【0038】
各ロッド挿入孔15は、シリンダブロック13の一端面から垂直方向に延びており、断面円形状をなしている。各ロッド挿入孔15は、開口側に大径孔部15a、反開口側に小径孔部15bを有しており、大径孔部15aと小径孔部15bとの間には段差部15cが形成されている。大径孔部15aは後述の軸受部材26を収容(装着)する軸受装着部としており、小径孔部15bはロッド11に推力を付与するための制御エアが供給されるシリンダ室16としている。シリンダ室16には、ロッド11の受圧面である基端面11aが位置する。
【0039】
各ロッド挿入孔15(小径孔部15b)の反開口側は、該挿入孔15の軸方向に沿って延びる給排通路17と連通している。給排通路17は、小径孔部15bより小径で、シリンダブロック13の他端面において開口しており、該通路17の開口部分に前記推力ポート12が形成されている。推力ポート12は、各ロッド挿入孔15と同数の28個設けられ、それぞれ制御エア用配管(図示略)が接続される。そして、各配管から各推力ポート12に制御エアが供給され、該制御エアは給排通路17を通じて各ロッド挿入孔15の小径孔部15b、すなわちシリンダ室16内に供給される。
【0040】
各ロッド挿入孔15の大径孔部15aの側面には、該大径孔部15aの軸方向中央部より若干小径孔部15b側に供給通路20が接続されている。各大径孔部15aから延びる供給通路20は、図1に示すように、シリンダブロック13内に該ブロック13の長手方向に設けられる一対の連通通路21a,21bに接続され、更に各連通通路21a,21bは共にシリンダブロック13の他端面に設けられる1つの軸受用ポート22に接続されている。なお、シリンダブロック13内に連通通路21a,21bや供給通路20を形成するにあたり形成される開口には、硬球23aや栓部材23bが装着(圧入)されることで閉塞される。そして、軸受用ポート22には加圧エア用配管(図示略)が接続され、該配管から軸受用ポート22に加圧エアが供給され、該加圧エアは連通通路21a,21b及び供給通路20を通じて各ロッド挿入孔15の大径孔部15a、すなわち該大径孔部15aに装着される軸受部材26に供給される。
【0041】
図2及び図3に示すように、各ロッド挿入孔15には、円柱状の前記ロッド11がそれぞれ挿入される。各ロッド11は、その軸方向の長さが、ロッド挿入孔15の軸方向長さと蓋部材14の厚み(蓋部材14に設けたロッド用開口29の軸方向長さ)とを合わせた長さに設定されている。すなわち、シリンダブロック13に蓋部材14を装着したときに、ロッド11が該蓋部材14から突出しないような長さに設定されている。また、各ロッド11の基端部には、該ロッド11の軸方向の移動を規制する円筒状のストッパ部材25が装着(圧入)されている。なお、ロッド11にストッパ部材25と同様な形状を一体形成しても良い。ストッパ部材25の外径は、ロッド挿入孔15の小径孔部15bの直径より若干小さく、軸受部材26の内径より大きく設定されている。つまり、ストッパ部材25は、軸受部材26の挿入側端面において小径孔部15b(シリンダ室16)の内周面よりも内側に突出した部位に当接可能となっており、相互が当接することで、ロッド11のこれ以上の突出移動を規制するものである。
【0042】
また、各ロッド挿入孔15の大径孔部15aには、軸受部材26がそれぞれ挿入される。各軸受部材26は、多孔質体にて円筒状に形成されており、外径が大径孔部15aの直径より若干小さく、内径が小径孔部15bの直径より小さく形成されている。また、軸受部材26の軸方向長さは、ロッド11の軸方向長さの3分の1程度で、且つロッド挿入孔15の開口から段差部15cまでの長さより若干小さく設定されている。
【0043】
軸受部材26の外周面には、軸方向両端部より若干内側に位置する部分のそれぞれに、該外周面の周方向に沿って環状をなす一対の環状溝26a,26bが形成されている。各環状溝26a,26bには弾性部材よりなる一対のOリング27a,27bがそれぞれ装着され、装着されたOリング27a,27bは軸受部材26の外周面から突出するようになっている。因みに、Oリング27a,27bの外径は、ロッド挿入孔15の大径孔部15aの直径より若干大きく設定されている。また、軸受部材26が大径孔部15aに装着された状態では、各環状溝26a,26b、すなわち各環状溝26a,26bに装着される各Oリング27a,27bが軸受部材26の軸方向において前記供給通路20の開口を挟んだ各位置に配置されるようになっている。
【0044】
そして、各軸受部材26は、各Oリング27a,27bを装着した状態で、各ロッド挿入孔15にロッド11を挿入した後に該挿入孔15の大径孔部15aに挿入され、該軸受部材26の挿入側端面が段差部15cに当接するようにして収容される。このとき、各Oリング27a,27bが大径孔部15aを形成する内周面にて押圧変形した状態となり、該Oリング27a,27bにて軸受部材26が大径孔部15aの内周面に対して弾性保持される。また、各Oリング27a,27bは、軸受部材26と大径孔部15aの内周面との間の隙間をシールしている。つまり、供給通路20から供給される加圧エアの各Oリング27a,27bから外側への漏れが防止され、軸受部材26に十分な加圧エアが供給される。
【0045】
供給される加圧エアは、軸受部材26の外周面と大径孔部15aの内周面との間の隙間で且つ各Oリング27a,27bにて仕切られた環状の空間に充填されつつ、該軸受部材26の外周面から内部を通り内周面側に流れ、該内周面(ロッド支持面)側に環状の気体膜を形成する。軸受部材26は、この気体膜によりロッド11を非接触で支持する。なおこの場合、軸受部材26は、ロッド11の中央部分を支持している。
【0046】
軸受部材26の反挿入側端面(蓋部材14側端面)の外縁部には、環状凹部26cが形成されている。環状凹部26cには弾性部材よりなるOリング27cが装着され、装着されたOリング27cは軸受部材26の端面から突出するようになっている。因みに、Oリング27cを装着した軸受部材26の軸方向長さは、ロッド挿入孔15の大径孔部15aの軸方向長さより若干大きく設定されている。つまり、軸受部材26が大径孔部15aに装着された状態では、装着されたOリング27cがロッド挿入孔15の開口から若干突出する。
【0047】
シリンダブロック13の一端面(ロッド挿入孔15の開口側端面)には、図1(a)に示すように、前記蓋部材14が複数の固定ネジ28を用いて着脱可能に固着される。蓋部材14には、シリンダブロック13の各ロッド挿入孔15に対応する位置に、各ロッド11が挿通される円形状のロッド用開口29が形成され、該ロッド用開口29はロッド挿入孔15(ロッド11)に合わせて28個設けられている。また、蓋部材14がシリンダブロック13に固着されると、各軸受部材26に装着されるOリング27cが該蓋部材14の一側面14aにて押圧変形される。これにより、各軸受部材26は、蓋部材14の一側面14a(ロッド用開口29の周縁部)と各ロッド挿入孔15の段差部15cとで軸方向に挟持され、所定の装着位置に配置される。
【0048】
このように構成されるマニホールドシリンダ10において、先ず軸受用ポート22から加圧エアが連通通路21a,21b及び供給通路20を通じて各軸受部材26に供給される。各軸受部材26に加圧エアが供給されると、該軸受部材26の内周面に環状の気体膜が形成され、該気体膜により各ロッド11が非接触で支持される。このように静圧気体軸受構造の軸受部材26にて支持されるロッド11には、摺動抵抗は作用しない。
【0049】
そして、各ロッド11に対応する推力ポート12に制御エアが供給されると、該制御エアは給排通路17を通じて各シリンダ室16内に供給され、該制御エアはロッド11の基端面(受圧面)11aを押圧し、ロッド11は軸方向(突出方向)の推力を得る。このとき、制御エアの圧力を各推力ポート12毎に個別設定できるため、ロッド11の推力を個別に調整可能となっている。ロッド11を復帰させるには、制御エアを推力ポート12から排出することで、該ロッド11の自重により復帰する。
【0050】
因みに、本実施の形態のマニホールドシリンダ10は、以下のような荷重制御装置に用いられる。すなわち、複数個のワーク(図示略)を同時に研磨装置に押し付けて研磨する際、マニホールドシリンダ10の各ロッド11の先端に各ワークを支持し、各ロッド11に推力を生じさせて各ワークに研磨装置側への荷重を付与する。この場合、研磨中の各ワークの厚みを検出し、検出したワークの厚みと規定の厚みとの偏差に応じて、各ワークの研磨装置側への荷重(各ロッド11の推力)を適宜調整すべく各推力ポート12に供給する制御エアの圧力をフィードバック制御すれば、一度に複数個のワークを高精度に規定の厚みまで研磨することができる。
【0051】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0052】
本実施の形態では、マニホールドシリンダ10は軸方向の推力を得るロッド11を非接触で支持する静圧気体軸受構造を用いて構成されており、その静圧気体軸受構造を構成する軸受部材26に一対のOリング27a,27bが周方向に環状に装着される。Oリング27a,27bは、軸受部材26の軸方向において該軸受部材26に加圧エアを供給するための供給通路20を挟んだ各位置にそれぞれ配置されると共に、軸受部材26とロッド挿入孔15の大径孔部15aの内周面との間に介在されその相互間で押圧変形されることで、軸受部材26が該大径孔部15aの内周面に対して弾性保持される。つまり、このようなOリング27a,27bを設けたことにより、軸受部材26と大径孔部15aの内周面との間の隙間から加圧エアが該Oリング27a,27bより外側に漏れ出ることが防止され、軸受部材26に十分な加圧エアを供給することができる。しかも、このOリング27a,27bにて軸受部材26を大径孔部15aの内周面に弾性保持するようにしたので、該軸受部材26の着脱を容易とすることができる。
【0053】
従って、軸受部材26の装着が容易となることから、マニホールドシリンダ10の生産性も向上する。特に、本実施の形態のようにロッド挿入孔15が複数設けられるマニホールドシリンダ10においては、その数量分、軸受部材26を装着する必要がある。そのため、軸受部材26の装着数が多くなるほど、軸受部材26の装着を容易する意義は大きく、マニホールドシリンダ10の生産性向上に大きく貢献できる。
【0054】
なお、上記のようにOリング27a,27bにて軸受部材26をロッド挿入孔15の大径孔部15aの内周面に弾性保持することで、例えば軸受部材26と大径孔部15aとの芯ズレを吸収でき、軸受部材26の外周面と大径孔部15aの内周面との面精度を低くすることも可能となり、これら各面の高精度な仕上げ加工が必要なくなる。また、Oリング27a,27bにて振動を吸収できるといった種々の効果も有している。
【0055】
本実施の形態では、軸受部材26は、シリンダブロック13のロッド挿入孔15(大径孔部15a)の開口から軸方向一方に挿入され、その挿入後、該ブロック13に蓋部材14を装着することで、ロッド挿入孔15内の段差部15cと蓋部材14の一側面14aにて軸方向への移動が規制されて組み付けられる。つまり、軸受部材26の装着時には、軸受部材26をロッド挿入孔15に軸方向一方から挿入するだけであるので、軸受部材26の装着は容易である。
【0056】
また、蓋部材14はシリンダブロック13から取り外し可能に装着されるので、軸受部材26を取り外す事態が生じた場合には、蓋部材14をシリンダブロック13から取り外し、軸受部材26を大径孔部15aから軸方向他方に引き抜くだけで済む。つまり、軸受部材26の取り外しは容易である。
【0057】
本実施の形態では、軸受部材26は、蓋部材14の一側面14aとの間にOリング27cを介在させて装着される。従って、軸受部材26の軸方向の移動を規制する蓋部材14と段差部15cとの間や軸受部材26の軸方向の寸法誤差を吸収しながら、軸受部材26のがたつきを防止することができる。
【0058】
本実施の形態では、シリンダブロック13には、一側面にロッド挿入孔15(大径孔部15a)が開口し、他側面に推力ポート12が開口すると共に、大径孔部15a、小径孔部15b(シリンダ室16)、給排通路17及び推力ポート12が直線状に連通した状態で形成されている。従って、シリンダブロック13に一側面に形成される大径孔部15aの開口や他側面に形成される推力ポート12の開口から該ブロック13内に軸方向に沿った加工を施すことでこれらの空間を形成できるので、これらの空間の形成が容易である。
【0059】
本実施の形態では、ロッド11に装着されるストッパ部材25が軸受部材26における小径孔部15b(シリンダ室16)の内周面よりも内側に突出した部位に当接することで、ロッド11の軸方向への移動量が規制される。具体的には、小径孔部15b(シリンダ室16)を大径孔部15aより小径とし、軸受部材26の内周面をその小径孔部15bより小径としているため、軸受部材26が小径孔部15bの内周面よりも内側に突出する。そして、ロッド11に設けたストッパ部材25の外径を軸受部材26の内径より大きくし小径孔部15bの内径より小さくしているため、これら各部分の寸法設定により、ロッド11に設けたストッパ部材25が軸方向に当接可能となる。このように軸受部材26が直接、ロッド11の軸方向への移動量を規制するので、シリンダブロック13にこのような規制を行う手段を形成又は装着しなくて済み、シリンダブロック13の構造を簡素化できる。
【0060】
本実施の形態では、Oリング27a,27bは軸受部材26の外周面に設けた環状溝26a,26bに装着され、該Oリング27a,27bを装着した状態で軸受部材26がロッド挿入孔15の大径孔部15aに挿入される。従って、軸受部材26の挿入に伴ってOリング27a,27bが装着位置からずれようとするが、該Oリング27a,27bが環状溝26a,26b内に収容されているので、該Oリング27a,27bの位置ズレが防止される。そのため、このことによっても、軸受部材26の装着が容易である。
【0061】
また、環状溝26a,26bを軸受部材26の外周面に形成するようにしているので、仮に大径孔部15aの内周面に形成する場合よりも容易に形成することができる。
【0062】
本実施の形態では、軸受部材26が多孔質体よりなるので、該軸受部材26内部の加圧エアの通過する経路及び該軸受部材26の内周面(ロッド支持面)における加圧エアの吹出口が無数になる。そのため、軸受部材26の内周面において均一な気体膜を形成できるので、ロッド11をより安定して支持できる。
【0063】
本実施の形態では、切れ目のないOリング27a,27bを用いているので、軸受部材26の外周面及び大径孔部15aの内周面の全周に亘り確実にシールすることができ、軸受部材26の弾性保持もより安定化させることができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0065】
上記実施の形態では、1本のロッド11を1個の軸受部材26にて支持する構成であったが、軸受部材は複数個であってもよい。
【0066】
上記実施の形態では、軸受部材26を多孔質体で構成したが、加圧エアが供給される供給通路20と連通する絞り孔を単数又は複数備える軸受部材を用いても良い。
【0067】
上記実施の形態では、軸受部材26の外周面に環状溝26a,26bを形成し、該環状溝26a,26b内にOリング27a,27bを装着する構成としたが、例えば軸受装着部であるロッド挿入孔15の大径孔部15aに環状溝を設け、該環状溝にOリングを装着しても良い。また、シール及び弾性保持を行うOリング27a,27bの数、形状及び装着位置を適宜変更しても良い。
【0068】
上記実施の形態では、軸受部材26と蓋部材14との間にOリング27cを介在させたが、軸受部材26とロッド挿入孔15の段差部15cとの間にOリングを介在させても良い。また、Oリング27cを省略しても良い。
【0069】
上記実施の形態では、シリンダブロックをシリンダブロック13と蓋部材14との2つ部材で構成したが、例えば3以上に分割する構成であっても良い。
【0070】
上記実施の形態では、ロッド11の基端面11aを受圧面とし該受圧面に制御エアを供給することで該ロッド11の軸方向に突出する方向のみ推力が付与される構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、ロッドの途中に段差を設け、その段差面を受圧面とし、このような受圧面を複数有する構成であっても良い。この場合、各受圧面それぞれに制御エアを個別供給する。このようにすれば、制御エアの圧力が一定でも、受圧面積の大小で推力を異ならせることができる。また、ロッド11の軸方向の両方に推力を付与することができる。
【0071】
上記実施の形態では、ロッド11の復帰を自重にて行うようにしているが、前述したようにロッド11を復帰させるための受圧面を設け、該受圧面に制御エアの圧力を作用させて復帰させるようにしても良い。また、シリンダ室16を真空引きして、ロッド11の復帰を行うようにしても良い。
【0072】
上記実施の形態では、28個のシリンダを一体化したマニホールドシリンダ10に実施したが、上記実施の形態とは数が異なるマニホールドシリンダや単体のシリンダに実施しても良い。
【0073】
上記実施の形態では、円柱形のロッド11をシリンダブロック13のロッド挿入孔15に挿入する構成としているが、これの変形例として例えば、円筒形のロッドと、該ロッドの内側に一部又は全部を収容するシリンダ本体とし、シリンダ本体におけるロッド内周面と対向する部位に軸受装着部を設け、該軸受装着部に軸受部材を外嵌させる構成としても良い。この場合、シリンダ本体には加圧エアの供給通路が形成されており、軸受装着部には該通路の開口が形成される。そして、軸受装着部の外周面における軸方向の供給通路の開口を挟んだ各位置に一対の環状溝を設け、各環状溝にOリング等の弾性シール部材を収容し該弾性シール部材にて軸受部材を弾性保持する。
【0074】
上記実施の形態では、加圧エア及び制御エア(空気)を用いたが、例えば窒素等、空気以外の気体を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は本実施の形態におけるマニホールドシリンダの平面図、(b)はマニホールドシリンダの正面図、(c)はマニホールドシリンダの底面図である。
【図2】図1(a)のA−A拡大断面図である。
【図3】マニホールドシリンダの分解断面図である。
【符号の説明】
【0076】
11…ロッド、11a…受圧面としての基端面、12…推力ポート、13…シリンダ本体及び第1構成体としてのシリンダブロック、14…シリンダ本体及び第2構成体としての蓋部材、14a…第2規制部としての一側面、15a…軸受装着部及び軸受装着孔としての大径孔部、15c…第1規制部としての段差部、16…シリンダ室、17…給排通路、20…供給通路、25…ストッパ部としてのストッパ部材、26…軸受部材、26a,26b…環状溝、27a,27b…弾性シール部材としてのOリング、27c…弾性部材としてのOリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ本体に設けた軸受装着部に軸受部材を装着し、装着した前記軸受部材の周面に前記シリンダ本体に設けた供給通路から加圧気体を供給して前記軸受部材のロッド支持面に気体膜を形成し、該気体膜にてロッドを非接触で支持する静圧気体軸受構造を備えるものであり、前記シリンダ本体に設けたシリンダ室において前記ロッドに設けられる受圧面に制御気体の圧力を作用させて該ロッドに軸方向の推力を付与するエアベアリングシリンダであって、
前記軸受部材と前記軸受装着部との間に介在すると共に、前記軸受部材の軸方向において前記供給通路を挟んだ各位置に前記軸受部材と前記軸受装着部とのいずれかに対し周方向に環状に装着される一対の弾性シール部材を備え、該弾性シール部材が介在される相互間で該弾性シール部材を押圧変形させて前記軸受部材を前記軸受装着部に対して弾性保持したことを特徴とするエアベアリングシリンダ。
【請求項2】
前記シリンダ本体は、前記軸受部材を軸方向一方に装着可能な前記軸受装着部を有すると共に前記軸受部材の装着位置以上の装着方向への移動を規制する第1規制部を有する第1構成体と、前記軸受装着部に前記軸受部材を装着した後に前記第1構成体に装着され前記軸受部材の反装着方向への移動を規制する第2規制部を有する第2構成体と、を含む複数個の構成体にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項3】
前記軸受装着部は、前記シリンダ本体に設けた軸受装着孔であり、
前記軸受部材は、前記弾性シール部材にて前記軸受装着孔を形成する内周面に対して弾性保持したことを特徴とする請求項1に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項4】
前記シリンダ本体は、一側面に開口し該開口から前記軸受部材を軸方向一方に挿入可能な前記軸受装着孔を有すると共に前記軸受部材の装着位置以上の挿入方向への移動を規制する第1規制部を有する第1構成体と、前記軸受装着孔に前記軸受部材を挿入した後に前記第1構成体に装着され前記軸受部材の反挿入方向への移動を規制する第2規制部を有する第2構成体と、を含む複数個の構成体にて構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項5】
前記第1構成体は、他側面に開口する前記制御気体を給排するための推力ポートと、該推力ポートと前記シリンダ室とを連通する給排通路とを有しており、前記軸受装着孔、前記シリンダ室、前記給排通路及び前記推力ポートが該第1構成体内で直線状に連通させてそれぞれ設けられ、前記受圧面を構成する前記ロッドの基端面が前記シリンダ室内に位置していることを特徴とする請求項4に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項6】
前記ロッドの外周面から径方向に突出するストッパ部を該ロッドに設けると共に、前記軸受部材を前記軸受装着孔に装着した状態で前記シリンダ室の内周面よりも内側に突出させて前記ストッパ部と軸方向に当接可能とし、前記ロッドの軸方向への移動量を前記軸受部材にて規制することを特徴とする請求項4又は5に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項7】
前記シリンダ室が前記軸受装着孔より小径に形成され、前記軸受部材の内周面が前記シリンダ室より小径に形成されると共に、
前記ロッドに設けたストッパ部の径方向外側端部が、前記軸受部材の内周面より径方向外側で前記シリンダ室の内周面より径方向内側に位置していることを特徴とする請求項6に記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項8】
前記第2構成体は、前記第1構成体から取り外し可能に装着されていることを特徴とする請求項2,4〜7のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項9】
前記軸受部材は、前記第1及び第2規制部の少なくとも一方との間に弾性部材を介在させて装着されていることを特徴とする請求項2,4〜8のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項10】
前記軸受部材及び前記軸受装着部のいずれかの周面には、前記軸受部材の軸方向において前記供給通路を挟んだ各位置に、前記弾性シール部材をそれぞれ装着するための一対の環状溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項11】
前記軸受部材は、多孔質体にて構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項12】
前記弾性シール部材は、リング形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のエアベアリングシリンダ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のエアベアリングシリンダにおいて、前記軸受装着部は前記シリンダ本体に複数設けられており、各軸受装着部に複数個の前記軸受部材を装着して一体化されていることを特徴とするマニホールドシリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−153070(P2006−153070A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341759(P2004−341759)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】