説明

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板及び半導体装置

【課題】 ハロゲン含有化合物を用いることなく難燃性を達成することができるとともに、十分な半田耐熱性、密着性を有した積層板を得ることができる樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグと積層板を提供する
【解決手段】 (A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【化1】


(式中、Rは、各々独立に、水素、又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは、各々独立に、水素又は炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基であり、繰り返し単位中、R、及びRを有するベンゼン環のR、またはRの少なくとも1つは、炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基である。nは1〜10の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板及び半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂は、その優れた特性から電気及び電子機器部品等に広く使用されている。これらの熱硬化性樹脂は、火災に対する安全性を確保するため難燃性が付与されている場合が多い。これらの熱硬化性樹脂を難燃化する手法は、従来臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン含有化合物を用いることが一般的であった(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、ハロゲン含有化合物は高度な難燃性を有するが、以下のような問題点を有していた。例えば芳香族臭素化合物は、熱分解で腐食性の臭素、臭化水素を分離するだけでなく、酸素存在下で分解した場合に毒性の高いポリブロモジベンゾフラン、及びポリブロモジベンゾオキシンを形成する可能性がある。また、臭素を含有する老朽廃材の処分は極めて困難である。このような理由から臭素含有難燃剤に代わる難燃剤が検討されている。
近年、リン化合物を用いた難燃性の向上の検討も行われているが、十分な難燃性を有し、かつ優れた半田耐熱性、密着性を有した積層板を得るには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−212249号公報
【特許文献2】特開2004−175895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ハロゲン含有化合物を用いることなく難燃性を達成することができるとともに、十分な半田耐熱性、密着性を有した積層板を得ることができる樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグと積層板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、下記[1]〜[13]に記載の本発明により達成される。
[1](A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【0006】
【化1】


(式中、Rは、各々独立に、水素、又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは、各々独立に、水素又は炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基であり、繰り返し単位中、R、及びRを有するベンゼン環のR、またはRの少なくとも1つは、炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基である。nは1〜10の整数である。)
【0007】
[2](B)分子内に窒素を含有する硬化剤は、ジシアンジアミド、及び芳香族ジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3](C)分子内にリンを含有する化合物は、ホスフィンオキサイド化合物である[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4](C)分子内にリンを含有する化合物は、10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドである[1]ないし[3]のいずれか一に記載の樹脂組成物。
[5](C)分子内にリンを含有する化合物は、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファナントレン−10−オキシドである[1]ないし[4]のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6][1]乃至[5]のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
[7]基材中に[1]乃至[5]のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする金属張積層板。
[8][6]に記載のプリプレグ又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を重ね、加熱加圧することにより得られる[7]に記載の金属張積層板。
[9][1]乃至[5]のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
[10][7]、若しくは[8]に記載の金属張積層板、又は、[9]に記載の樹脂シートを内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
[11]内層回路上に、[6]に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなるプリント配線板。
[12]内層回路上に、[1]乃至[5]のいずれか一に記載のエポキシ樹脂組成物を絶縁層に用いてなるプリント配線板。
[13][9]乃至[12]のいずれか一に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含有する樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板であり、従来のものと比較して、ハロゲン化合物を用いることなく難燃性を達成することができるとともに、十分な半田耐熱性、密着性を発現できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について更に詳しく説明をする。
【0010】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ガラス繊維基材等の基材に含浸させプリプレグ、プリプレグを用いた積層板に用いることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた絶縁性を有することから、例えばプリント配線板の絶縁層に用いることができる。さらに、本願発明のエポキシ樹脂組成物は、低線膨張であり、耐熱性及び導体回路との密着性に優れることから、マザーボード等のプリント配線板に用いることができることはもちろん、半導体装置のインターポーザとして用いることもできる。
【0011】
半導体装置のプリント配線板としては、マザーボード及びインターポーザが知られている。インターポーザは、マザーボードと同様のプリント配線板であるが、半導体素子(ベアチップ)又は半導体パッケージとマザーボードの間に介在し、マザーボード上に搭載される。インターポーザは、マザーボードと同様に、半導体パッケージを実装する基板として用いてもよいが、マザーボードと異なる特有の使用方法としては、パッケージ基板又はモジュール基板として用いられる。
【0012】
パッケージ基板とは、半導体パッケージの基板としてインターポーザが用いられるという意味である。半導体パッケージには、半導体素子をリードフレーム上に搭載し、両者をワイアボンディングで接続し、樹脂で封止するタイプと、インターポーザをパッケージ基板として用い、半導体素子をそのインターポーザ上に搭載し、両者をワイアボンディング等の方法で接続し、樹脂で封止するタイプとがある。
【0013】
(エポキシ樹脂組成物)
まず、エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明にエポキシ樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含んでなり、それらを含むことによって、ハロゲン含有化合物を用いることなく難燃性を達成することができるとともに、十分な半田耐熱性、密着性を発現できる。
【化1】

(式中、Rは、各々独立に、水素、又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは、各々独立に、水素又は炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基であり、繰り返し単位中、R、及びRを有するベンゼン環のR、またはRの少なくとも1つは、炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基である。nは1〜10の整数である。)
【0014】
上記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(以下「(A)エポキシ樹脂」と称す場合がある)は、エポキシ当量が大きい。このため、(A)エポキシ樹脂中の燃焼しやすいオキシラン環部分の割合が少なくなる。このため、エポキシ樹脂組成物の硬化物は高い難燃性を有する。また、疎水性基を有することから、エポキシ樹脂中の疎水性が割合的に高くなるだけでなく、立体構造の観点からも疎水性が高くなり、水に対する親和性が従来のエポキシ樹脂に比べ格段に低くなる。従って、吸水率が低下し、従来に比べ、吸湿半田耐熱性が格段に向上する。
【0015】
、及びRは、特に限定されることはないが、R1は水素又は炭素数1〜10の置換若しくは無置換の炭化水素基である。例えば、−CH、−CH2−CH3、CH2−CH2−CH3又は−CH2−Phなどであり、Phは、2価の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基であり、nは1〜10の整数である。疎水性基の炭素数が大きいほど、エポキシ当量が大きくなり、エポキシ樹脂中の燃焼しやすいオキシラン環部分の割合が少なくなるが、逆に、この疎水性基が燃焼しやすくなる。このため、エポキシ当量を大きくし、かつ疎水性基を燃焼しにくい構造にすることを考慮すると、R、Rがともに−CHであることが好ましい。
また、R、Rがともに−CHである場合は、プリント配線板に用いた場合、導体回路との密着性が従来に比べ格段に高くなる。
【0016】
なお、本発明の樹脂組成物において、上記(A)エポキシ樹脂以外に他のエポキシ樹脂を併用しても良い。
併用するエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤を含む。分子内の窒素原子により、後述する(C)分子内にリンを含有する化合物との相乗効果により難燃性を向上させることができる。
【0018】
(B)分子内に窒素を含有する硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に限定されないが、例えば、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン化合物、脂肪族ポリアミン、有機酸ジヒドラジド、ポリアミノアミドなどがあげられる。
【0019】
前記ジシアンジアミドは、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高くすることができる。また、ジシアンジアミドに窒素原子が含まれるため、プリント配線板の絶縁層に用いた場合、銅箔などの導体回路金属箔との密着性が向上させることができる。また、ジシアンジアミドは、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤の中でも特に、難燃効果が高い。
【0020】
前記芳香族ジアミン化合物を用いた場合、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高くすることができる。また、化合物中の芳香族の効果により、半田耐熱性が向上する。
【0021】
芳香族ジアミン類化合物は、特に限定されることはないが、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3‘−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2‘−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる
【0022】
(C)分子内にリンを含有する化合物(以下、「(C)リン化合物」と称する場合がある)は、特に限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2、6ジメチルフェニル)ホスフェート、レゾルシンジフェニルホスフェート等のリン酸エステル、ジアルキルヒドロキシメチルホスホネート等の縮合リン酸エステル、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド等が例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、また数種類を併用しても差し支えない。
【0023】
上記(C)リン化合物の中でも、トリフェニルホスフィンオキサイドや10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどが好ましい。
プリプレグに用いた場合、融点の高いことから、保存性が向上するためである。
【0024】
また、上記(C)リン化合物の中でも、エポキシ樹脂と反応する化合物が好ましい。エポキシ樹脂組成物の硬化物中に均一に取り込まれるためと考えられるが、少量の配合で高い難燃性を発現することができる。
そのような(C)リン化合物として、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドや、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどが挙げられる。
【0025】
本発明によるエポキシ樹脂組成物には、本発明の所期の目的・作用効果を損なわない限り、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤;カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤;エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;ブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ブタジエンゴム、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分;イオン性不純物低減のための無機イオン交換体等、種々の添加剤を適宜配合することができる。
【0026】
(プリプレグ)
次に、プリプレグについて説明する。
本発明によるプリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。本発明によるプリプレグは、耐熱性等の特性に優れる。
【0027】
本発明のプリプレグで用いられる基材は、特に限定されることはないが、例えば、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、ガラス以外の無機化合物を成分とする繊布、不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。
【0028】
強度、吸水率の観点から、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材が好ましい。
【0029】
本発明のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させる方法は、特に限定されることはないが、例えば、溶剤を用いてエポキシ樹脂組成物を樹脂ワニスにし、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。
【0030】
含浸性の観点から基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これによって、基材に対するエポキシ樹脂組成物の含浸性を更に向上することが可能である。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
【0031】
樹脂ワニスに用いられる溶媒は、本発明のエポキシ樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが好ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒であれば、特に限定されることはないが、例えばN−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0032】
樹脂ワニス中の固形分は、特に限定されることはないが、本発明のエポキシ樹脂組成物の固形分40〜80質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上させることができる。
【0033】
基材に本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
【0034】
(積層板)
積層板について説明する。
本発明による積層板は、本発明のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなるものか、又は少なくとも2枚の本発明のプリプレグが積層されたプリプレグ積層体の少なくとも片面上に金属層を配置してなるものである。本発明の積層体は、難燃性、耐熱性及びと密着性に優れる。
【0035】
本発明による積層板は、本発明のプリプレグの片面又は上下両面に、金属箔及び/又は支持フィルムを重ねてよい。さらに、本発明による積層板は、少なくとも2枚の本発明のプリプレグが積層されたプリプレグ積層体の片面又は最も外側の上下両面に、金属箔及び/又は支持フィルムを重ねてよい。
【0036】
支持フィルムは、取扱いが容易であるものを選択することができる。支持フィルムは、特に限定されることはないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂フィルム、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂フィルムが好ましい。
【0037】
支持フィルムの厚さは、取扱いが容易であれば、特に限定されることはないが、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
【0038】
金属箔は、特に限定されないが、例えば、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金等が挙げられる。
【0039】
金属箔の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上70μm以下であることが好ましく、1μm以上35μ以下がより好ましく、1.5μm以上18μm以下が更に好ましい。金属箔の厚さが0.1μm(下限値)未満であると、実用上問題ないが、金属箔が傷つき、ピンホールが発生し、金属箔をエッチングし導体回路として用いる場合に、回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込み等が発生することがある。金属箔の厚さが70μm(上限値)超であると、金属箔の厚みバラツキが大きくなるか、金属箔粗化面の表面粗さバラツキが大きくなることがある。
【0040】
また、金属箔は、キャリア箔付き極薄金属箔を用いてもよい。キャリア箔付き極薄金属箔とは、剥離可能なキャリア箔と極薄金属箔とを張り合わせた金属箔である。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることでプリプレグの両面に極薄金属箔層を形成できることから、例えば、セミアディティブ法等で回路を形成する場合、無電解メッキを行うことなく、極薄金属箔を直接給電層として電解メッキすることで、回路を形成後、極薄銅箔をフラッシュエッチングすることができる。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることによって、厚さ10μm以下の極薄金属箔でも、例えばプレス工程での極薄金属箔のハンドリング性の低下や、極薄銅箔の割れや切れを防ぐことができる。極薄金属箔の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましく、1μm以上3μm以下が更に好ましい。極薄金属箔の厚さが0.1μm(下限値)未満であると、実用上問題ないが、キャリア箔剥離後の極薄金属箔の傷つき、極薄金属箔のピンホールの発生、ピンホールの発生による回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路配線の断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込み等が発生する場合がある。極薄金属箔の厚さが10μm(上限値)超であると、実用上問題ないが、極薄金属箔の厚みバラツキが大きくなるか、極薄金属箔粗化面の表面粗さのバラツキが大きくなる場合がある。通常、キャリア箔付き極薄金属箔は、プレス成形後の積層板に回路パターン形成する前にキャリア箔を剥離する。
【0041】
プリプレグと金属箔及び/又は支持フィルムとを重ねたものを加熱、加圧して成形することで本発明の積層板を得ることができる。加熱する温度は、特に限定されないが、150〜240℃が好ましく、180〜220℃がより好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、2.5〜4MPaがより好ましい。
【0042】
樹脂シートについて説明する。
本発明による樹脂シートは、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を支持フィルム及び/又は金属箔上に配置してなるものである。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた樹脂シートは、樹脂ワニスからなる絶縁層を支持フィルム、又は金属箔上に形成することにより得られる。
【0043】
樹脂ワニス中の本発明のエポキシ樹脂組成物の含有量は、特に限定されないが、45〜85質量%が好ましく、55〜75質量%がより好ましい。
【0044】
次に、樹脂ワニスを、各種塗工装置を用いて、支持フィルム上及び/又は金属箔上に塗工した後乾燥するか、又は樹脂ワニスをスプレー装置により支持フィルム又は金属箔に噴霧塗工した後乾燥する。どちらかの方法により樹脂シートを作製することができる。
【0045】
塗工装置は、ボイドがなく、均一な絶縁層の厚みを有する樹脂シートを効率よく製造することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター、カーテンコーター等が挙げられる。これらの中でも、ダイコーター、ナイフコーター及びコンマコーターが好ましい。
【0046】
支持フィルムは、支持フィルムに絶縁層を形成するため、取扱いが容易であるものを選択することが好ましい。また、樹脂シートの絶縁層を内層回路基板面に積層後、支持フィルムを剥離することから、内層回路基板に積層後、剥離が容易なものであることが好ましい。したがって、支持フィルムは、絶縁層から適度な強度で剥離することが容易であるものであれば、特に限定されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂フィルム、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられ、これらの中でも、ポリエステル樹脂フィルムが好ましい。
【0047】
支持フィルムの厚さは、取扱いが容易で、さらに絶縁層表面の平坦性に優れれば特に限定されることはないが、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
【0048】
金属箔は、支持フィルム同様、内層回路基板に樹脂シートを積層後、剥離して用いてもよいし、金属箔をエッチングし導体回路として用いてもよい。金属箔は、特に限定されることはないが、例えば、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び/又は金系合金、亜鉛及び/又は亜鉛系合金、ニッケル及び/又はニッケル系合金、錫及び/又は錫系合金等が挙げられる。
【0049】
金属箔の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上70μm以下であることが好ましく、1μm以上35μ以下がより好ましく、1.5μm以上18μm以下が更に好ましい。金属箔の厚さが0.1μm(下限値)未満であると、実用上問題ないが、金属箔が傷つき、ピンホールが発生し、さらに、金属箔をエッチングし導体回路として用いる場合、回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込み等が発生することがある。金属箔の厚さが70μm(上限値)超であると、実用上問題ないが、金属箔の厚みバラツキが大きくなるか、金属箔粗化面の表面粗さバラツキが大きくなることがある。
【0050】
(プリント配線板)
プリント配線板について説明する。
本発明によるプリント配線板は、本発明のプリプレグ、本発明の積層板又は本発明の樹脂シートから形成されるものである。
【0051】
本発明によるプリント配線板の製造方法は、特に限定されることはないが、例えば、以下のように製造することができる。
【0052】
両面に銅箔を有する積層板を用意し、ドリル等によりスルーホールを形成し、メッキにより前記スルーホールを充填した後、積層板の両面に、エッチング等により所定の導体回路(内層回路)を形成し、導体回路を黒化処理等の粗化処理することにより内層回路基板を作製する。
【0053】
次に内層回路基板の上下面に、本発明の樹脂シート、又は本発明のプリプレグを形成し、加熱加圧成形する。具体的には、本発明の樹脂シート、又は本発明のプリプレグと内層回路基板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させる。その後、熱風乾燥装置等で加熱硬化させることにより内層回路基板上に絶縁層を形成することができる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
【0054】
別の方法としては、本発明の樹脂シート、又は本発明のプリプレグを内層回路基板に重ね合わせ、これを、平板プレス装置等を用いて加熱加圧成形することにより内層回路基板上に絶縁層を形成することもできる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、圧力1〜4MPaで実施することができる。
【0055】
本発明の積層体は、絶縁層表面を過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより粗化処理した後、金属メッキにより新たな導電配線回路を形成することができる。
【0056】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた場合、従来に比べ微細配線加工に優れ、導体回路を形成した際の導体幅(ライン)、及び導体間(スペース)が非常に狭い配線を歩留まり良く形成することができる。
【0057】
その後、絶縁層を加熱することにより硬化させる。硬化させる温度は、特に限定されないが、例えば、160℃〜240℃の範囲で硬化してよく、180℃〜200℃の範囲で硬化させることが好ましい。
【0058】
次に、絶縁層に、炭酸レーザー装置を用いて開口部を設け、電解銅めっきにより絶縁層表面に外層回路形成を行い、外層回路と内層回路との導通を図る。なお、外層回路には、半導体素子を実装するための接続用電極部を設ける。その後、最外層にソルダーレジストを形成し、露光・現像により半導体素子が実装できるよう接続用電極部を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し、所定の大きさに切断し、多層プリント配線板を得ることができる。
【0059】
(半導体装置)
本発明による半導体装置は、本発明のプリント配線板に半導体素子を搭載してなるものである。半導体装置は、本発明のプリント配線板に半導体素子を実装し、製造することができる。半導体素子の実装方法、封止方法は特に限定されない。例えば、半導体素子とプリント配線板とを用い、フリップチップボンダーなどを用いて多層プリント配線板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプの位置合わせを行う。その後、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。そして、プリント配線板と半導体素子との間に液状封止樹脂を充填し、硬化させることで半導体装置を得ることができる。
【0060】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いると、半導体素子を実装する約260℃の温度においてもプリント配線板の反りを抑制できるので実装性に優れる。
【0061】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
実施例及び比較例において用いた原材料は以下の通りである。
(1)式(2)で表されるエポキシ樹脂/三菱化学製・「YL7683」、エポキシ当量275
【0064】
【化2】

【0065】
(2)以下の式(3)で表されるフェノールアラルキル型エポキシ樹脂/三菱化学製・「YL7307」、エポキシ当量250 n=3〜5
【0066】
【化3】

【0067】
(3)フェノールノボラック型エポキシ樹脂/DIC製・「N−770」、エポキシ当量190 n=3〜5
(4)フェノールノボラック樹脂/DIC製・「TD−2010」、水酸基当量105
(5)ジシアンジアミド
(6)4,4‘−ジアミノジフェニルスルホン
(7)4,4‘−ジアミノジフェニルメタン
(8)4,4‘(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン
(9)4,4‘−ジアミノ−3,3‘−ジエチル−5,5‘−ジメチルジフェニルメタン
(10)3,3‘−ジエチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタン
(11)1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
(12)2,2−ビス[4−4−(アミノフェノキシ)フェニル]プロパンフェニル
(13)トリフェニルホスフィンオキサイド
(14)10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10ホスファフェナントレン−10−オキシド
(15)10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファナントレン−10−オキシド
(16)2−メチルイミダゾール
【0068】
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
前記式(2)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量275、三菱化学製YL7683)100.0重量部、ジシアンジアミド3.9重量部、トリフェニルホスフィンオキサイド18.5重量部、2−メチルイミダゾール0.1重量部にジメチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60重量%となるように樹脂ワニスを調製した。
【0069】
(2)プリプレグの製造
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100質量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80質量部含浸させて、190℃の乾燥炉で7分間乾燥させ、樹脂含有量44.4質量%のプリプレグを作製した。
【0070】
(3)積層板の製造
上記プリプレグを2枚重ね、上下に厚さ18μmの電解銅箔(日本電解製YGP−18)を重ねて、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。
【0071】
(4)樹脂シートの製造
前記で得られた樹脂ワニスを、銅箔(古河サーキットホイル製、F2WS 厚み18μm)に、コンマコーターを用いて乾燥後の樹脂層が40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを製造した。
【0072】
(5)プリント配線板の作製
前記で得られた積層板に、0.1mmのドリルビットを用いてスルーホール加工を行った後、メッキによりスルーホールを充填した。さらに、両面をエッチングにより回路形成し、内層回路基板として用いた。前記内層回路基板の表裏に、前記で得られたプリプレグを重ね合わせ、これを、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、積層体を得た。
【0073】
次に炭酸ガスレーザーで、前記積層体に層間接続用のφ60μmのビアホールを形成した。次いで、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に15分浸漬後、中和してビアホール内のデスミア処理を行った。次に、フラッシュエッチングにより電解銅箔層表面を1μm程度エッチングした後、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成しパターン銅メッキし、温度200℃時間60分加熱してポストキュアした。次いで、メッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=20/20μmのパターンを形成した。
最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を厚さ20μm形成しプリント配線板を得た。
【0074】
(実施例2〜12、および比較例1〜6)
表1、及び表2に記載の配合表に従い樹脂ワニスを調製した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
また、各実施例および比較例により得られた積層板について、次の各評価を行った。評価結果を表1、及び表2に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
(評価方法)
各評価を、評価方法と共に以下に示す。
【0078】
(1)難燃性
得られた積層板の銅箔を全面エッチング除去し、UL−94規格、垂直法により測定した。
【0079】
(2)半田耐熱性
得られた積層板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、エッチングにより銅箔を1/4だけ残した試料を作製し、JIS C 6481に準拠して評価した。評価は、121℃、100%、2時間、PCT吸湿処理を行った後に、260℃及び288℃の半田槽に120秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
評価基準:異常なし
:膨れあり(全体的にフクレの箇所がある)
【0080】
(3)吸水率
厚さ0.6mmの金属張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から50mm×50mmのテストピースを切り出し、JIS6481に準拠して測定した。
【0081】
(4)ピール強度
前記実施例、及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板から100mm×20mmの試験片を作製し、23℃におけるピール強度を測定した。
尚、ピール強度測定は、JIS C 6481に準拠して行った。
【0082】
(5)ガラス転移温度
前記実施例、及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、6mm×25mmの試験片を作製し、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
【0083】
表1から明らかなように、実施例1〜12は、(A)エポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含有するエポキシ樹脂組成物を用いたものであり、難燃性、半田耐熱性、密着性に優れていた。
これに対して比較例1、3、4、及び5は、(A)エポキシ樹脂の代わりに、疎水性基を有さない式(3)で示されるエポキシ樹脂を使用し、エポキシ当量が小さいエポキシ樹脂を用いたため、難燃性が悪化した。比較例2は、式(3)で示されるエポキシ樹脂を使用して難燃性を発現させるため、多量の分子内にリンを含有する化合物を用いたが、半田耐熱性が悪化した。比較例6は分子内に窒素を含有する硬化剤の代わりにフェノールノボラック樹脂を用いたが、窒素を含有しないため、ピール強度が低下し、難燃性が低下した。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明のエポキシ樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグ、積層板であり、従来のものと比較して、ハロゲン含有化合物を用いることなく難燃性を達成することができるとともに、十分な半田耐熱性、密着性を発現できる。
従って本発明は、高度な難燃性、耐熱性、密着性の要求されるプリント配線板に好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と、(B)分子内に窒素を含有する硬化剤と、(C)分子内にリンを含有する化合物とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【化1】


(式中、Rは、各々独立に、水素、又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは、各々独立に、水素又は炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基であり、繰り返し単位中、R、及びRを有するベンゼン環のR、またはRの少なくとも1つは、炭素数1〜10の炭化水素からなる疎水基である。nは1〜10の整数である。)
【請求項2】
(B)分子内に窒素を含有する硬化剤は、ジシアンジアミド、及び芳香族ジアミン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
(C)分子内にリンを含有する化合物は、ホスフィンオキサイド化合物である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
(C)分子内にリンを含有する化合物は、10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドである請求項1ないし3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
(C)分子内にリンを含有する化合物は、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファナントレン−10−オキシドである請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
【請求項7】
基材中に請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする金属張積層板。
【請求項8】
請求項6に記載のプリプレグ又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を重ね、加熱加圧することにより得られる請求項7に記載の金属張積層板。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
【請求項10】
請求項7、若しくは8に記載の金属張積層板、又は、請求項9に記載の樹脂シートを内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
【請求項11】
内層回路上に、請求項6に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなるプリント配線板。
【請求項12】
内層回路上に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を絶縁層に用いてなるプリント配線板。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。


【公開番号】特開2011−241345(P2011−241345A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116681(P2010−116681)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】